722 :
本当にあった怖い名無し:
笑い話のつもりで読んでくれ。
あれは二十年も前、中東からインドへの一人旅の途中、トルコの首都、アンカラに夜行バスで朝、到着したんだ。ぼろぼろの格安ホテルの個室を借り、ベッドで横になってると、いつの間にか
半睡眠状態になって、ボーッとしてたんだけど、何気なくドアを見ると完全に開いていて、白い光が入ってきてる。俺はドア閉めてなかったんかと思い、あわてて、立ち上がってドアに寄ると、
きちんと閉まっていて、鍵も掛かってる。俺は寝ぼけてたんだなと思い、そのまま、街へ観光に行ったんだ。
夜、メシも食い終わり、部屋に戻って寝てると、またも、ドアから白い
光が入ってきてる。俺は飛び起き、ドアに駆け寄るんだが、ドアは閉まっている。
こういった事が二回ぐらい続くんで、俺も気味が悪くなり、毛布をかぶり、
スルーしようとしたんだ。すると、しばらくして、バーンとドアが開いたんだ。
俺はビックリして、ドアの方を見るとだ、白い光の中にニコニコ笑う子鬼がいるんだ...マンガ日本昔話風の子鬼が。子鬼は無邪気に笑いながら、俺の方にやって来るんだが、俺は金縛りにあったようにベッドで身動きができない、子鬼はすぐ俺の横まで来た...。
すると、子鬼の野郎は俺に馬乗りになり、顔を俺に寄せると、長い舌でベロベロと俺の顔をなめ回しやがるんだ...うれしそうにな。
俺はもぉー大パニック。必死にもがいてると、子鬼の野郎は消えちまったんだが、俺も呆然自失。
ホテルを替わろうとしたんだが、深夜で治安も悪い。結局、朝まで辛抱しようと、毛布をかぶり、必死にがまんしてたんだ。するとだ、どこかでガラスが叩かれる音がするんだよ。
最初はホテルを締めだされた客がホテルのドアを叩いて従業員を起こそうとしてると思ったンだけど、どうも、俺のベッドのそばにある窓ガラスから音がするんだ。
でも俺の部屋は二階なんだ...。俺は毛布をかぶったまま、夜明けを待ったよ、窓の叩かれる音を聞きながら。
翌朝、俺がこの街を出たのはいうまでもない。