私メリーさん【五人目の犠牲者】

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584K。:2006/11/24(金) 03:40:28 ID:6aAZZ4p60
Lady メリーさん、続き楽しみにしています。

触発されて書いてみました。
少々お借りいたします。
585K。:2006/11/24(金) 03:41:04 ID:6aAZZ4p60
「kyrie eleison」

 慌しかった家は静まり返り、かつて子供部屋だった場所に乱暴に人形が投げ捨てられていた。
 それは、この家の初めての子の為に買われた端正な顔立ちのビスクドールだった。
しかし、今や絹糸のような髪は鳥の巣のように絡まり、透き通るように白かった顔も埃で黒くくすんでいた。
 カーテンの外された窓から西日が差し込み、その光が映りこんで人形のガラスの目にゆっくりと涙がたまった様に見えた。
 不意にその斜陽が何かにさえぎられた。それは人形の上に黒い影を落として言った。
「───望みはあるか?」
 人形の瞳の中の光が揺らいだ。
その光を愉しむように、影は言葉を続けた。
「望みを叶えてやろう。その代わりお前から少しだけ貰いたい物がある。良いな?」
586K。2/4:2006/11/24(金) 03:41:53 ID:6aAZZ4p60
 そう言うと影は人形を覆い隠した。そして、その暗がりの中からかつて人形だった少女がゆっくりと立ちあがった。
 縺れていた髪はしなやかに体に沿って揺れ、陶磁器のように白い肌には人形であった頃の球体関節はなかった。手には装飾のついた漆黒の短剣を持ち、ぎこちなく首を巡らせる。
 そして、焦点の定まらない瞳を黒い影に向けた。
 形の整った赤い唇がゆっくりと動く。
「ワタシハ・・・・」
 影は嬉しそうに嗤った。
「メリー、私の可愛いお人形よ。私はお前を祝福するよ!その短剣でそれを殺してごらん。」そう言うと、影は瀕死の鼠をメリーと呼んだ少女の前に投げ落とし、促した。
 彼女は虚ろな瞳のまま、その言葉に従った。
587K。3/4:2006/11/24(金) 03:42:50 ID:6aAZZ4p60
 深々と切先が飲み込まれた次の瞬間、メリーの瞳に光が宿った。
短剣から手を伝って流れ込む鼠の魂に彼女の頬が薄っすらと色付き、恍惚とした表情を浮かべ小さく震えた。
 一方の瀕死のそれは目を恐怖に見開き、魂が漆黒の短剣に啜られる恐怖に慄きながら息絶えた。
「メリー、私の美しいお人形よ。魂を啜る異形よ。自由に望みを叶えるがいい。」
 影はそう呟くと、夕暮れの闇に溶け込んでいった。
588K。4/4:2006/11/24(金) 03:44:46 ID:6aAZZ4p60
 打ち捨てられていた家を後にして、メリーは人形だった頃の楽しかった思い出を反芻していた。
 自分と少女が繰り返し遊んだ、電話を掛けて少しずつ近くに来ていると告げる遊びを。
そして、最後、何をするのかを思い出そうとしていた。
 しかし、その記憶は影が唯一、メリーから奪って行ったものだった。
 メリーは手話で電話をするような仕草をした。
「私、メリーさん。今、家を出たの。遊びに行くから待っててね。」

fin
589Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/24(金) 07:02:16 ID:Ai06j+VP0
ついに待ちに待ってた新しい書き手の人が!!

続きもよろしくおねがいねぇ!!
590ラビン ◆0jWT6fJoYY :2006/11/25(土) 18:31:32 ID:mRK83h1gO
あのスレのスレタイがまた変わります
まだ立っていませんが
ではノシ
591本当にあった怖い名無し:2006/11/25(土) 19:32:21 ID:FuKKAhNeO
ぉっほー!!
(゚∀゚)


れでぃサソ新章スタート!?

新しい書き手サソも!?


お二方ともGJですよ〜
是非続きを…
(´∀`)ノ
592K。:2006/11/25(土) 20:33:21 ID:k+EBmS+70
ありがとうございます。
お言葉に甘えて、続きを少々。

「kyrie eleison」
 とある高層住宅の前にメリーは立っていた。
 超自然的な力を得た彼女は電話をかける仕草で思う所に電話をし、
その相手のいる場所を正確に知ることが出来た。儀式のように電話
で居所を告げることがメリーには堪らなく嬉しい事だった。もうす
ぐ会えると思うと、自然と笑みがこぼれた。
 しかし、移動を繰り返す度にメリーは違和感を感じていた。初め
は羽のように軽かった自分の体が、自分の物ではないように重く感
じられるのだ。
 逆に、闇の色の短剣はほんのりと熱を帯びて震えていた。
 心が躍るのとは裏腹に、体の重さで喘ぎながらメリーは耳元に手
を持っていった。
「私、メリーさん。今エントランスにいるの・・・」
 がちゃん!
593K。2/4:2006/11/25(土) 20:34:21 ID:k+EBmS+70
 陶器のような蒼白な顔は薄っすらと赤みが差していた。メリーの
継げる言葉を乱暴に打ち切る電話の音すら、メリーには嬉しく聞こ
えていた。フリルで飾られて、黒いリボンで編み上げられた胸元が
期待と喜び、そして得体の知れない息苦しさで小さく上下して揺れ
ていた。
 その姿を影から伺っていた者があった。
 非現実的な美しい少女を見つけ、しかも喘ぎながら歩いているの
を見過ごすことが出来なかったのは如何なる者でも非難できないだ
ろう。
 だが、彼は胸に邪な想いを持って、彼女を狙っていた。メリーが
エントランスに入るのと同時に住人を装い彼女の後ろついてエレベ
ーターに共に乗り込んだ。
 パニエで緩やかに膨らんだスカートから真っ直ぐに足が伸び、ひ
ざの少し上で揺れるレースとリボンが邪な者の目を捉えた。
594K。3/4:2006/11/25(土) 20:35:13 ID:k+EBmS+70
 本能と言うよりも反射で彼はメリーに抱きついた。
 華奢で小さな少女はすっぽりと男の懐の中に納まった。
 メリーは驚いた。訳がわからず、身を捩らせたが男の手を払うこ
とどころか弄られるままになるより他なかった。
 胸のリボンが乱れパニエは託し上げれその中に手がねじ込まれ、
はぁはぁと言う息遣いがしきりに頭の上から不快に聞こえていた。
『短剣を突き立てろ』
 右手に持っている短剣がドクンと脈打ち、メリーの頭に声が響い
た。
595K。4/4:2006/11/25(土) 20:36:17 ID:k+EBmS+70
 その声にしたがって、夢中で短剣を突き立てた。
 男は小さく呻いて手を緩めた。
「糞、このガ・・・・」その後の言葉を男は言う事が出来なかった。
 短剣が男の太ももから彼の魂を啜り始めていたのだ。そして、そ
の魂はメリーの腕へと伝っていた。
 メリーは男の太ももに突き立てた短剣の柄を両手で握り、恍惚の
表情を浮かべた。
 体の中に力がみなぎって来る快感で瞳が輝き、薄く開かれた唇か
ら小さく吐息が漏れた。
 メリーが小さく震え、恐怖で見開かれていた男の目が色を失った。
そして、男はそのままエレベーターの床に倒れ、動かなくなった。
ゆっくりと短剣を引き抜き、その刀身にメリーは接吻した。漆黒の
剣はそれに答える様に鈍く輝き、震えた。
『メリー、私の憐れなお人形。お前の不完全な体は魂を留め置くこ
とが出来ないのだよ。他人の魂を啜り、垂れ流しながら自由を楽し
むがいい。』
 それは、メリーに話しかけた影の声だった。楽しむように声はメ
リーの頭に響いたが、彼女はその言葉の意味するところを理解でき
なかった。
 今はただ、羽のように軽くなった体で、遊ぶことを考えていた。
 耳元へ手を持ってゆく。
「私、メリーさん。今、玄関に居るの。」

fin
596Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/25(土) 22:07:14 ID:x1AdgblT0
きゃあほう!
いいねぇ、オカルトっぽくていいねぇ!
黒いわぁ!

>>591 ・・・新章・・・? 新章、・・・新章だよ、なぁ?
設定はできつつあるが、おもしろいかどうかは・・・。
昔からLady メリーを読んでる方には違和感があるかも・・・。
そういう風に書くつもり、です・・・。

>>590 いま、行くわい、そっちのスレはどうなってんの?
597スナフキン ◆Mhc47gmqgs :2006/11/26(日) 02:05:56 ID:/s3Q1/Gu0
メリーさんのスレをハケーン・・・
でもROMする勇気が今はないっすorz
598Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 10:43:31 ID:dgtWMDZg0
>>597 いらっしゃーい
599本当にあった怖い名無し:2006/11/26(日) 10:44:50 ID:MaZSnBwa0
Ladyメリーさん発見。

いやはやコテ探し続けて3ヶ月。
未だに見つかりませんorz
600本当にあった怖い名無し:2006/11/26(日) 10:46:32 ID:MaZSnBwa0
コテじゃなくて酉だったorz
601Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 11:52:41 ID:dgtWMDZg0
>>600 無理しないで?
どのみち、トリは自分で探して自分で使うほうがいいと思います。

☆ メリー現況
新作は少しずつ書き始めてます。
長いのは書く気ないので、イントロダクション的なものにしようと思ってます。
12〜16話ぐらいでおさまんないかなぁ・・・?
それで・・・このスレ埋めれるくらい?

あと、このスレにこないだから顔出してる、
ラビン&スナフキンさんのとこにも、メリーの過去作品を投下してますので。
602スナフキン ◆Mhc47gmqgs :2006/11/26(日) 13:04:31 ID:/s3Q1/Gu0
(´ー`)y━・~~~~~~
過去作品を投下しても、ROMできるかどうか・・・
わずかしかない勇気を、振り絞らなくては・・・
603Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 21:55:43 ID:dgtWMDZg0
前回までは

>>578-582をお読み下さい、

では第五話から第八話まで行きます。
604Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 21:57:31 ID:dgtWMDZg0
 第五話
 「しゃべったぁぁ!!」
ようやく喋れたのはユージンのほうだ。
オブライエン船長は、ユージンの反応を見て、予想通りとでもいう風にほくそえんでいる。
人形はあまり反応がない、
当然と言えば当然だが。
ユージンは、一人興奮してわめき散らす。
 「ちょっとちょっと! こ・・・ここっこれkっここれ、いいいい生きてるの!?
 そ、っそれとも中に人が?
 い、いやっ入るわけないか? あ・・・さっき手品って言った!?」
すぐにそれを否定する船長。
 「いえいえ、手品・・・なのかもしれませんが、
少なくとも私にはそんな単純なものではないと思いますよ?」
 「ちょっと・・・詳しく話してよ! こんな人形の事なんて古今東西聞いたことないよ!
 まさか・・・、これから行く新大陸の産出品とか!?」
実際、この人形を本国に持ちれば、それだけで船出の出費を賄えるだろう、
咄嗟に切実な願いを頭に浮かべたユージンだったが、
次にはもう、俗な考えを露わにしていた・・・。
 この息をも呑むような美しい顔立ちはなんだ・・・?
 全てを見透かすかのようなグレーの瞳・・・、
 高貴さをうかがわせる、キメの細かいバラの刺繍をあしらったドレス・・・、
・・・少し間を置いてから、船長は説明を始めた。
 「出航前夜、私が積荷のチェックをしてた時にですな、
 暗がりの中を動くものを見つけて、調べようとした所、突然彼女が現われて・・・、
 そぉりゃ私も最初は腰が抜けるかと思いましたよ? 
 それで私が船長だと言うと『この船に乗せて欲しい』と、言うんでね、
 こっちも退屈しのぎになるかと思って乗船させたのですよ。」
 「そ それだけの理由で!? 
 い、いや、まぁ確かに凄い貴重な存在だし、こんなものを手に入れられるのなら、
 城、一つ分・・・いや、国が一つ丸々買える様なシロモノだが・・・
 いったい、こんな人形を誰が作ったんだ・・・?」
605Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 21:59:13 ID:dgtWMDZg0
第六話

 「彼女に聞いてみたほうが手っ取り早いですよ、
 おい、メリー、キミを作ったのは誰だ?」
人形は終止、船長とユージンの会話を黙って聞いていたが、
ここで船長に質問されてようやく会話に参加した。
 「・・・さぁ、このカラダを作ったのは誰かだなんて・・・、
 言えることは、この人形の姿は私が自分で選んだ姿だと言う事・・・だけ・・・。」
凄い・・・凄すぎる、ちゃんと会話にもついてこれるなんて・・・!
ユージンは興奮しすぎて、質問の答えなんてもはやどうでもいいようだ。
 「あ・・・ああ、メ、メリーと言ったっけ?
 ちょっと、その場でグルッて回ってみてくれないか?」
少し間を置いてから、言われたとおりメリーは背中を見せて一回転する。
完璧だ・・・!
ランプに照らされたその姿は、ユージンがこれまで見てきたどんな彫刻品や人形よりも美しい。
 「な、なぁ! オブライエン船長、この人形の事を知ってるのは貴方だけなのかい?
 そういえば、さっき口外禁止って言ってたもんな?
 とりあえず、この人形を私の部屋に移動させるよ!?」
 「知ってるのは、数名の部下だけですが・・・
 貴方の部屋に移動させるのは・・・。」
 「何を言ってるんだ?
 この航海で得たものは僕に帰属権がある。
 第一、貴方じゃこんな高価なものの管理も出来ないだろう?
 ・・・こんな暗い船室に閉じ込めて・・・。
 さぁ、おいでメリー? 私の部屋で楽しいひと時を過ごそうじゃないか?」
だが、メリーはユージンを見つめたまま動こうとはしない。
 「メリー? 何してる? さぁ・・・」
彼がメリーを誘おうと、その垂れた銀色の髪の房に手を入れようとしたとき、
バネが弾けたように、突然メリーの腕がユージンの顔面に向かって突き出された。
 「ヒィッ!?」
メリーの人差し指がユージンの眼球直前で止まる・・・あと2〜3センチで突き刺さるだろう。
606Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 22:01:42 ID:dgtWMDZg0
第七話

 ゴトン!
いきなりの事で、ユージンの手からランプが落ちる。
オブライエン船長は慌てずに、ゆっくりランプを拾い上げると、
固まったままのポーズの、ユージンとメリーの顔を照らし映した。
のけぞったユージンには、狼狽と恐怖の色がその顔に浮かび上がっている・・・、
一方、表情のないメリーにはその心のうちを顔に出す術があるはずもないが、
上目遣いに睨んだそのナイフのような視線が、全てを物語っている・・・。
 気安く触らないで・・・!
そしてメリーは、ゆっくりと、真っ直ぐに伸ばした右腕を引っ込める。
 「・・・ユージン様・・・でしたね?
 私はただの人形ですが・・・、
 私は、召使でも奴隷女でも・・・ましてや玩具でもありません。
 私には、明確な意志と目的と・・・そして人格があります。
 この船に乗せて貰った代わりに、私にできる事があるのなら、多少は協力いたしますが、
 貴方の所有物になるわけには参りません・・・!」
ユージンの顔に汗が垂れてきた・・・。
 どうなってるんだ? おれの言う事を聞けないってのか!?
 「き、きさま私を誰だと・・・!」
言いかけるユージンをメリーが制する。
 「ご覧の通り、私は人形です。
 あなたがあなたの国で、如何なる権力をお持ちか存じませんが、
 私には権力も財力もいかなる力にも拘束されません。
 ・・・ただ、だからと言って、私の都合で周りを騒がすのも本意ではありません。
 それでこのような人目のつかないところでじっとしていたのです。
 ですので、極力私に構わないでいただけますか?
 もし・・・それが叶わぬなら・・・!」
そこで、船長が割って入った、
・・・これ以上、事態を険悪にさせるわけにはいかないと判断したのだろう。
 「ユージン様、最初に言ったでしょう、不用意な発言は慎んでいただくようにと・・・。
 これ以後、彼女と接する機会がないわけではありません、今夜は一まず・・・。」
607Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 22:05:27 ID:dgtWMDZg0
第八話

 仮にも貴族のユージンがそれで納得できるはずもない。
・・・だが、人形の言葉遣いから、
彼女のセリフが本気である事も疑いようがないことだけはわかった。
しぶしぶと、その薄暗い部屋から退出するしかない・・・。
船長は扉を閉める前に、もはや真っ暗になりかかっている船室で、
一人立ち尽くす暗い姿の人形に声をかけた。
 「邪魔をしたな、メリー、また何かあったら声をかけるかもしれないが・・・。」
 「ええ、どうぞ? 私の方には気を遣う必要はありませんわ、
 おやすみなさい、船長。 そしてユージン様?」
 「ああ、おやすみ、メリー。」
そういって一度、船長はたじろぐユージンに目配せをしてから扉を閉じた。
ユージンは挨拶どころではなかったらしい、プライドを酷く傷つけられたせいだろう。
やむなく、帰りしな、船長に食って掛かる。
 「どういうことだよ? なんだいあの無礼な人形は!?」
身分は勿論ユージンの方が上だが、年齢も人生経験も船長が上回る。
若きユージンをなだめることなど造作もない。
 「これは失礼を・・・・、ですが面白いものを見れたでしょう?
 それに、ユージン様は感じませんでしたか?
 人形メリーはいかなる権力も気にしないと言ってましたが、
 あの『人形』そのものに高貴な雰囲気が・・・。
 まるで貴族のスタイルを身につけているような・・・。」
 「えっ!?」
そう言われてユージンは後ろを振り返った・・・、そう言えばあの物腰は・・・。
しばらくして、二人はそれぞれ自分の部屋に戻った・・・。

その夜・・・いや、空が白み始める薄暗い船上の甲板・・・。
交代で寝ずの番をしていた船員が叫び声をあげる。
 「か、か・・・海賊だぁ、海賊が現われたぞぉぉーッ!!」
608Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/26(日) 22:07:47 ID:dgtWMDZg0
☆ではまた!

K。さん、「kyrie eleison」て何?
人の名前?
609本当にあった怖い名無し:2006/11/27(月) 07:43:45 ID:0f+Hva060
Ladyさんの新作に新しい作家さん・・・う〜ん、激しくwktkです

お2人とも頑張ってくださいね〜!
ROMってますからね〜!
610Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/28(火) 01:31:01 ID:tAUeWgmN0
こんなものを作ってみました

http://roxik.com/pictaps/?pid=248744
・・・か・・・からだのバランスが・・・。
611k。:2006/11/28(火) 20:33:13 ID:8RdWBDpT0
>>Lady メリーさん 凄い!映像が見えるようです!!

>>609さん
駄文を読んで頂きありがとうございます。

題の「kyrie eleison」とは
「憐れみの賛歌(キリエ・エレイソン)」
憐れみ深い神への賛歌、あるいは罪人が憐れみをと言う意味です
612本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火) 22:31:36 ID:FURnNrBs0
レディサソ
>幻想的なものと恐怖的なものの中間ぐらいなもの

ゲームなんだが、やってみたら↑見たいに感じた
ttp://www.jp.playstation.com/scej/title/ror/
613本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火) 23:00:55 ID:Y3lJG3y0O
新しいメリーサソは高貴なオーラプンプンですな
(*´Д`)コノ後ドーナルノ!


れでぃサソ、語られない物語はもうあれ以上語られないんでしょうか?
ルルル…



kサソもGJですよ〜!

オカルティックな雰囲気にゾクゾクです

続きもぜひ!
614Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/28(火) 23:19:14 ID:tAUeWgmN0
>>611 ゆっくりでもいいから、どんどん書いてね。

500KB過ぎたら、新スレ立ててみるし。
もし、今回も規制かかってたら、また誰かに頼むかもしれないけど・・・。

>>612 ・・・大好き。
やりたいけど時間がなぁ・・・。

>>613 今までにない戦闘シーンを企んでます。
イントロダクション以降は章立てにしないかも・・・。

「語られない物語」?
う〜ん・・・、予定としては、今の物語をある程度進めて・・・、
この世界がどうなってるか、明らかにしたとこで、
再び現代世界に舞い戻った時に・・・
なんて考えてはいるものの、先はどうなるか、わからんとです・・・。
615本当にあった怖い名無し:2006/11/29(水) 17:35:49 ID:24EdM5Gg0
>>610
みれないですorz
616本当にあった怖い名無し:2006/11/29(水) 22:33:24 ID:mbZ+Vo+m0
  ○
(( (ヽヽ    パコパコ
   >_| ̄|○
617Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/30(木) 00:16:49 ID:olKFHSzQ0
>>615 ごめんね、メリーさん、うpした次の日にはアクセス過多で、サーバーぶっ飛んだらしいです。

でも、ここと、角二と、召還先のスレにしか貼ってないから、
ぼ、ぼく、ぼくのせいじゃないよっ!!
618K。:2006/11/30(木) 11:34:45 ID:SLJgnVEB0
お邪魔します。

>>585-588>>592-595に続く「メリー帰還」の最終回です。

「kyrie eleison」
 メリーが電話をかけている相手──若い女性は電話を叩き付ける
ように切ると、電話線を引き抜いた。
「何で・・・知っているの?」
 彼女は電話台の前に立ち尽くし誰に言うともなくつぶやく。
 ただの悪戯に決まってる。メリーなんてよくある名前だし、たま
たま電話が繋がっただけ。今、玄関のに居るなんて嘘だ。
 彼女は必死に自分の中の恐ろしい考えを否定していた。だって、
ありえない。人形が電話をかけるなんて!
 しかし、その考えを裏切るように、電話が鳴った。
 彼女の手には引き抜かれた電話線が握られている。鳴るはずのな
い電話が鳴っていた。
619K。2/4:2006/11/30(木) 11:36:14 ID:SLJgnVEB0
 緊張で引きつりながら受話器を、耳に当てた。
「私、メリーさん。今・・・あなたの後ろに居るの」
 声は嬉しくて堪らない様に弾んで、電話の向こうと彼女のすぐ後ろから聞こえる。
「・・・・メ・・・メリーさん?貴女は本当に・・・メリーさんなの?」
 うふふふ。と楽しそうな笑い声が背中に聞こえる。彼女は深く息を吸い、意を決して振り返った。
 そこには、かつて人形だった少女が立っていた。絹のように細い亜麻色の髪。
透き通るような白い肌。黄玉の瞳に喜びの色を、真紅の唇に笑みをたたえて。
 しかし、完璧な美しさを包む漆黒のゴシックドレスは乱れて、妖しさを際立たせていた。
620K。3/4:2006/11/30(木) 11:37:41 ID:SLJgnVEB0
「メリー!!・・」
 彼女は大きな声を上げて泣き崩れた。
 メリーはキョトンとしてその泣き崩れる女を見た。
楽しく遊ぶはずなのになぜ泣くのかメリーにはさっぱりわからなかった。
それよりも、メリーは次第に重くなっている体の不快さを振り払うように明るい声で言った。
「ねぇ。遊びの最後が思い出せないの。どんな楽しいことをしたか教えて?」
「私は、あなたと遊んだことなんかないわ!遊んだのは姉よ!メリー!あなたがいたから・・・・!」
彼女は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔で叫んだ。
「だから!あなたを捨ててきたのに!姉さんはあなたのせいで壊れてしまったのに!」
 そう、叫びながら、彼女はメリーに掴み掛った。華奢なメリーはその勢いで女もろ共、床に転がった。
621K。4/4:2006/11/30(木) 11:42:40 ID:SLJgnVEB0
「メ・・・・」
 衝撃でメリーの持っていた剥き出しの短剣が相手の胸に突き刺さった。
 震える漆黒の短剣から魂と共に彼女の記憶がメリーに流れ込んできた。
 幼い双子の姉妹がどちらが人形で遊ぶかと争うのも、
メリーとばかり遊んでいる姉に嫉妬する妹も甘美な思い出として魂と共にすすり上げていた。
嫉妬、憎悪・・彼女の負の感情は、漆黒の短剣にとっても喜ばしいご馳走のようであった。
 歌うように震える短剣を両手で握り直してメリーは息を弾ませた。
陶酔感が全身を満たしていた。
 素敵!メリーはその快感のなかで思った。
 なんて素敵!電話でお話が出来て、お家に遊びに行けるって、なんて楽しいことなの!
その上、この黒い短剣は力をくれるだけじゃなくて、楽しかった思い出も吸い上げて教えてくれるなんて!
 その喜びに反応するように黒い剣は声のない声でメリーに語った。
 『胸を突けば記憶と共に魂をすすろう。他の場所なら魂だけを啜り取ろう。そして報酬としてお前に力を与えよう。』
 怒りと悲しみに満ちていた女の瞳から光が消えた。メリーは小さく震えると深く息を吐いた。
 かつて人形だったメリーには人間の人間らしい感情も、死も到底理解できなかった。
「もお、遊ばないの?」
 メリーは色なく倒れている女に声をかけた。
 むろん、返事はない。
「つぎは、誰と遊ぼうかな・・・」
メリーは電話をするような仕草をした。

fin

お付き合い、ありがとうございました。
622Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/30(木) 22:07:32 ID:olKFHSzQ0
おおおおお〜、すっげぇぇぇぇ、

続編もよろしくお願いします!!
黒い短剣の来歴とか、
メリーの今後とか・・・。

そう言えば126氏の『黒の鎌』の話はどうなったんでしょう?
名無しさんも元気かな・・・?
623K。:2006/12/01(金) 04:44:52 ID:5p3AaYxN0
お言葉に甘えて、失礼いたします。

『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』1/3

 「都市伝説だとおもうでしょ?でも、違うんですよ。本当の話なんです。」
 彼は穏やかに語り始めたが、私はレコーダーをいじるフリをして彼から目を反らした。
狂人とは狂気を内に深く秘める者と言うのは本当の様だ。
彼は狂気の欠片も感じさせない穏やかな笑みを浮かべていた。ごく普通の青年のそれの様に。
「繰り返しになりますが、貴方の体験を聞かせて頂けますか?
その・・・・都市伝説の少女との出会いについてお願いいたします。」
 私は視線を落したまま質問を続けた。リノリウムの床に窓格子とカーテンの影が落ちている。
彼は自分に向けて語るように、小さく頷くと話を始めた。

 あの日、僕は持ち物全てを壊してゴミに捨てて、ビルの屋上に立っていました。
 絶望の果てに自分自身をも捨てようとしたその時、電源を切った筈の携帯が鳴りました。
「私、メリーさん。今貴方の後に居るの。」
ポケットの携帯と僕の背後からほぼ同時に声がしました。
僕は思わずその声の主の方へ振り返りました。
 そこには幼い人形の様な少女が立っていました。
絹糸の様に細い亜麻色の髪、陶器の様な白い肌、そして淡い薔薇色の唇、漆黒のゴシックドレス。
そして、しなやかに伸びる白い腕に握られてぶら下る壊れた人形の首。
「貴方の思い出を見せて?」
 メリーと名乗った少女は無造作に人形の首を落すとパニエで膨らんだスカートの腰から漆黒の短剣を抜き、
その幼い容姿に反して妖艶で魅惑的な微笑を浮かべました。
「メリー?説明はしてくれないのか?」
「聞いてもいいよ。」
間抜けな質問にメリーは拍子抜けするくらい簡単に返事をすると鈴の様な声で笑いました。
624K。:2006/12/01(金) 04:46:39 ID:5p3AaYxN0
『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』2/3

「なぜ、僕の元へ来たんだい?」
僕はブロックに腰を下ろしてメリーと視線を合わせ、黄玉の様な色の大きな瞳を見つめました。
「なぜ?貴方が捨てたこの子の為なの。寂しいって云ってたから、連れて来たの。」
メリーは無造作に人形の髪を掴んで僕の前に差し出しました。
 それは、僕が一番愛した人形でした。僕の人形作家としての人生は全てその人形から始まっていました。
でも、その人形が僕を苦しめる原因でもありました。
「ねぇ、何回も電話して居場所を教えたからワクワクしたでしょう?それとも、こわかった?」
楽しそうにメリーが言いました。でも、その言葉とは裏腹にその声には力が無く、心なしか顔が青ざめて見えました。
僕は彼女の質問の内容よりそのことのほうが気になって仕方ありませんでした。
「顔色が悪いけど…どこか悪いのか?」
メリーはいきなり人形の顔に短剣を突き立て
「大丈夫。もうすぐ貴方の魂を貰って元気になるから心配しなくていいよ。」
そう云うと、優雅な微笑を浮かべて人形の顔から短剣を引き抜きました。
闇のように黒い短剣は彼女の手の中で急かす様に、歌う様に震えていました。
「僕のこんな魂でよければ幾らでもくれてやるよ。でも・・」
取引が出来る様な状況で無い事はわかっていましたが、
戸惑いながら僕はメリーを見た瞬間から抑えていた思いを口にしました。
625K。:2006/12/01(金) 04:48:58 ID:5p3AaYxN0
『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』3/3

「・・・でも、その前に君の体に触れさせてくれないか?」
 その申し出にメリーは目を見開いて息を呑みました。彼女の手の中の短剣も不満げに唸り声を上げました。
「疾しい気持ちで云っているんじゃないんだ。ただ、あんまりにも綺麗な肢体だから…。」
まったく疾しい気持ちが無いわけではありません。でも、少女にしては完璧すぎる美しい関節を見て、
僕の人生の大半を占めてきた人形造りへの情熱が、どうしてもその関節の感触を確かめたいと欲しました。
 メリーは不満げに左腕を差し出しました。
「いいよ。終わったら魂、貰うからね。」 
 彼女の手はひやりとして柔らかい陶器の様でした。
小さな掌、手首、そして肘へと僕は丹念に手を滑らせました。
次にフリルとリボンの付いた靴下の上からそっと、膝に触れました。
「素肌に触れても良いかい?」
メリーは小さく頷きました。
 ベルベットのリボンを解き、貝殻の様な膝に直接触れました。
そのまま靴下を下ろしながら脹脛を撫で、足首を経て踵、爪先を撫でました。
メリーは小さく吐息を漏らしました。見るとほんのりと頬が色づいていました。
「くすぐったい?」
爪先を両手で包んだまま訊ねると、メリーは首を横に振りました。
「もう人形を造る事は無いけど、歪みの無い美しい関節に触れることが出来て嬉しかったよ。ありがとう。」
僕はそう云って目を閉じました。
彼女の持つ短剣が低く唸る様な、あるいはすすり泣く様な音を立てました。
「あーあ。貴方の魂は要らないって。この人形が、貴方をいらないって。つまんないの。」
 僕は慌てて目を開けたましたが、そこにはメリーの姿はなく、壊れた人形の首があるだけでした。

 「・・・・これでメリーの話はお仕舞いです。」
 斜陽の中で彼は微笑んでいた。私はその話の異様さにゾッとした。
自分の妻を殺した骨で人形を作ったこの青年は、その人形と共に自分自身の精神を壊してしまったのだ。
壊れてもなお、彼は自分を許す物語を語り、人形を造り続けてここに居るのだ。
 私は取材した事を後悔しながら病院を後にした。

fin
626Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/01(金) 07:12:45 ID:SjM0Akm10
私メリーさん【六人目の犠牲者】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1164924489/l50
500KB越えたので立てちゃいました。

K。氏・・・こんなに早く次作が来るとは・・・すげぇ・・・。

おいらの続きは明日には投下できると思います。
627Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/01(金) 23:58:11 ID:SjM0Akm10
それにしても、どっちに投下しようか?
四話分ならこっちでも十分なんだよな・・・。

過疎ってるこの状態で、残り10KB、結構埋めるの大変な気が・・・

AAでも貼るか・・・。
628Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/02(土) 00:44:14 ID:W3kQ2OKp0
と、思ったけど、スレ違いで申し訳ないが、
昔作った、「ツクール」の一場面を流してしまおう。
ストーリー展開はあんまり変わらん・・・。

「語られない物語」別世界編

メタリックな建物の内部・・・大きなテーブルを囲む将軍達・・・。
その内の一人が静かに発言する・・・。
剛勇の騎士「ガワン」
 「義純に続いて李袞も倒されたようだ・・・。」
獅子の騎士「イヴァン」
 「ただの世間知らずの坊ちゃんだと思っていたがなかなかやるな・・・。」
勇敢なる騎士「ケイ」
 「・・・緒沢美香が『事故』で死んだと聞いたときには、チャンスと思ったものだが・・・。」
神射の騎士「モードレィユ」
 「そんな事より、次はどうする? 誰が行く・・・?」
その時、激しく席を立つ男が一人・・・
豪剣の騎士「ライラック」
 「オレが行く!! 義純の仇はオレがとる!
 オレとアイツはまるで兄弟のように育った・・・このオレが緒沢タケルを倒す!!」
だが、熱くなったライラックを制する静かな声が・・・。
湖の騎士「ランスロット」
 「ライラック・・・、私と並ぶ剣才を持つ君の実力は誰もが認める・・・、
 だが、君にはまだ北欧地域を制圧する任務が残っているはずだ。」
悔しがるライラック。
 「くっ・・・、では誰を!?」
ゆっくり立ち上がるランスロット・・・。
 「私が行く! この湖の騎士ランスロットが!
 そしてモードレィユ! 君にも来てもらおう!!」
議場を立ち去るランスロットに、若きモードレィユは無言でそのあとを追う・・・。
629Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/05(火) 01:20:11 ID:7FFdsN8V0
 閑話休題キャッスルオブメリー!

 パァン!パンパン!
いくつもの派手なクラッカーが鳴らされた。
 「おつかれ〜!」
 「ごくろーさまぁ!!」
恒例楽屋落ちだ。
今日は、ナイトラウンジ・キャッスルオブメリーに、「メリーさんを追う者」の出演者の一部がやってきている。
マザーメリーの真ん前に、麻衣・マリー・エミリーが座っている。
麻衣:「あ、あの、あたし、ここにいていーんですかっ?」
うりぃ:「かまへん、かまへん、未成年なんやから酒、飲まなきゃえーだけや!」
エミリー:「あ・・・あたし、このカラダ・・・?」
マザーメリー:「良かったですね、今晩は元のカラダが使用できるみたいですよ、
 自分のカラダ覚えてます?」
マリー:「うっわー、すっごい久しぶりぃ! これ・・・私のカラダぁ!?」
麻衣:「すっごい・・・ねぇ? これも神様の力?」
うりぃ:「作者や・・・!」
あざみ:「うりぃちゃん、それ言っちゃ(笑)・・・。」
麻衣:「でもちょっと恥ずかしい・・・、しばらく出演パスとか言っといてすぐに・・・。」
今日子:「いーんじゃねーの? どうせ、こっちはノーギャラでしょ?」
一同:「「「わぁ〜わぁ〜わぁ!!」」」
どうも禁句だったらしい。
今日子が頭抱えて「わりぃ」って言ってる・・・もう遅いけど。
今日子:「・・・あー、そんでさ、あなた達、アイツに会ったんだろ?
 どうだった・・・?」
麻衣:「え・・・? どうって・・・。 なにが・・・ですか?」
今日子:「・・・いや、あらたまれると・・・そら、元気そうだったとか・・・バカっぽかったとか・・・。」
マリー:「あっ、あのおっきな男の人、
 今日子さんのお友達なんですって? すっごいかっこよかったですよ!」
今日子:「そ、そぉかぁ? まぁ、ケンカは強いから、いざって時は役に立つだろうけどさぁ・・・。」
少年:「相変わらずバカっぽかったよ?」
今日子:「ああ、そりゃあしょうがないんだよ・・・って、あんただぁれぇぇぇぇ!?」
630Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/05(火) 01:22:20 ID:7FFdsN8V0
マザーメリー:「あっ! また呼んでもないのに勝手に入ってきて!!」
少年:「そんな意地悪しないで欲しいなぁ? ちゃんと飲んだもののお金は払うし・・・。」
うりぃ:「あんたが天使はんか!? 確かに顔は美形やなぁ?」
といいつつ、少年の顔を指で引っ張るうりぃ。
その気になれば、よけられるんだろうが、うりぃに殺気がないので少年はされるがままだ。
麻衣:「はぁ〜、クラスに一人はいるのよねぇ〜、
 女の子の集団に一人で混じろうとする変な人・・・。」
少年:「・・・まぁ歓迎されてない事ぐらいはわかるよ・・・い、痛いいたいイタイ・・・!」
うりぃ:「おー、すまんかった、ちゃあんと人間並みの感覚はあるんやな?」
少年:「だから・・・僕のカラダは人間のカラダだって言ってるだろ?
 違うのは魂だけ。 ・・・君らのご主人と一緒だって・・・。」
マザーメリー:「またはじまった。」
あざみ:「また?」
うりぃ:「そりゃー、神さんのことか?」
少年:「まぁそんなとこ、名前はどうでもいいけど・・・。
 そんなことより、麻衣・・・君は大丈夫なのかい?
 随分、思わせぶりな終わり方をしてたみたいだけど?」
麻衣:「・・・あなたに『思わせぶり』なんて言われ方されたくないです。
 でも、今後の事はまだ、何も聞いてないので・・・。」
エミリー:「なんかいきなり、別の物語、始まっちゃったね?」
あざみ:「あれ、だぁれ? マリーさんじゃないの?」
マリー:「ううん、違います。」
麻衣:「あたしの最後の夢に出てきた人みたい・・・。」
うりぃ:「どうせ、アンタは知っとるんやろ?」
少年:「それはもちろん、一度殺し合いした仲だし・・・。」
今日子:「はぁぁぁぁぁ!?」
少年:「ああ、ごめんごめん、それは別世界の話だった。
 ・・・こっちじゃどうなんだろ?」
麻衣:「知りません。」
あざみ:「嫌われてるのね。」
少年:「仕方ない、リーリトの一族には特に嫌われてるし。」
631Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/05(火) 01:25:51 ID:7FFdsN8V0
うりぃ:「そーいや、百合子はんはここには・・・。」
麻衣:「なんか・・・アメリカに行くみたい・・・。」
エミリー:「えっ、またなんで!?」
マリー:「まさか・・・。」
マザーメリー:「もしかして・・・決着をつけに行くんですか?」
麻衣:「・・・ママ、無事に帰ってきて欲しいけど・・・。」
今日子:「大丈夫だよ、無事に帰ってこれるさ?」
麻衣:「はい・・・ありがとうございます、
 また、あの人に守ってもらえないかな・・・。」
少年:「あまり彼には期待しない方がいいよ。」
麻衣:「言われなくても分ってます。」
うりぃ:「ああ、一応ご主人様の手を煩わせるわけにはいかん、ちゅーこっちゃな?」
少年:「・・・いや・・・そういうことじゃなくてさ、
 リジーの苗字を聞いて、みんな何も感じないの・・・!?」
麻衣:「えっ!?」
マリー:「あっ!?」
今日子:「おおおおっ(何のことか分らないけど驚いたフリ)?」
マザーメリー:「ちょっと、こんな席でなに爆弾発言してるんですかァ!?」
少年:「ああ、じゃあ仮にそうだったら、誰が仕組んでるんだろうなぁ・・・とでも思っていてくれよ。
 さて・・・嫌われ者は帰るよ、
 でもね? これでも結構、人間の感情も身についてきてるんだぜ?」
麻衣:「あのー?」
少年:「なんだい、麻衣?」
麻衣:「人間の・・・ご家族はいるんですか?」
少年:「・・・勿論、いるよ・・・、どうして?」
麻衣:「その人たちのことを、大事に思ってます?」
少年:「・・・家族の事をどう思うかなんて・・・人間だって千差万別の答えになるだろ?
 あんまり意味のある質問だとは思えないけどね・・・。
 ま、その他の人間よりかは・・・大事かな・・・ほんの少しだけだけどね・・・。」
・・・一同意外そうな声をあげる・・・。
ここでうりぃのツッコミが入る。
632Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/12/05(火) 01:27:20 ID:7FFdsN8V0
うりぃ:「そーいや、マーゴの姉ちゃんに追いかけられとるんやってぇ?」
麻衣:「えええええっ?」
少年:「・・・どうも、そうらしい・・・。」
今日子:「その気になればいつでも振り切れるんでしょ? なぁんでまた?」
少年:「『アイツ』にはめられたんだよ!
 『アイツ』は僕が生まれる前から、僕の両親に、
 『僕がこの世ですべき事』を予言していきやがったんだ。
 マーゴも一緒だよ、僕と一緒になるのを『運命』のように受け入れちゃってるから・・・!」
あざみ:「ごめんなさい? よくわからないわ? それがどうして?」
少年:「そういう風に、もう、世界は動き出してしまってるんだ。
 僕は人間界に、極力影響を与えないように行動する事を義務付けられている。
 なのに、生まれる前からそんなレールを引かれてしまっているから・・・。
 今更そのレールをはみ出したら、人間界に与える影響は計り知れないものになる。
 だったら、そのレール通りに行動するしかないんだよ。」
マリー:「意外と天使ってつらいお仕事なんですね?」
少年:「・・・いや、・・・仕事っていうか・・・もう、どうでもいいや・・・。 帰る。
 ご馳走様、お代はここに置いとくね、じゃぁ、あとはみんなで仲良くやるといい・・・。」
エミリー:「そういえば天使様のお名前はなんていうんですかぁ?」
少年:「あー、もういいよ? 今更ってカンジだし・・・
 どっかで機会があれば知ることになるよ、きっと、・・・じゃあ、ごめんね、みんな。」
  カラ〜ン
そして少年は店を出て行った・・・。
外は雨が降っている。
ふと見ると、キャッスルオブメリーの脇の路地に、白い肌の女性が立っている・・・。
少年:「やぁ、中はこれから盛り上がるみたいだよ? 入ったらどう?」
百合子:「・・・前にお会いした事があったかしら・・・、 天使さん?」
少年:「さぁ? どうだったけね?
 それより、無事にご家族全員、帰還したと言うのに、やけに暗い顔だね?
 なにか・・・良くない未来でも見てしまったのかい?」
633Lady メリー ◆MERRY.VeEM
百合子:「余計なお世話よ・・・。
 それより、麻衣もあなたの未来を透視したそうよ? 
 あまり・・・他人事じゃないんじゃないのかしら?」
少年:「・・・へぇ、そう? あいにく天使には未来を予知する能力は備わってなくてね、
 ただ・・・、娘さんが僕の未来を見たんじゃないだろう?
 リーリトごときに天使の姿は視る事は出来ない・・・、
 誰か・・・他の人間の見た記憶・・・いや、僕が意図的に見せた映像かもよ?」
百合子:「どうでもいいわ・・・、私たちの問題に干渉しないのなら・・・。
 観るのが仕事なら・・・黙って私たちの舞台を見てるといいわ・・・。」
少年:「そうさせてもらうよ・・・君たちの主人『ヴォーダン』の創り上げた壮大なドラマをね・・・。」
 そして少年は、小雨の振る中、夜の闇の中に消えていった・・・。
百合子が店に入ろうとしたとき、駆け足で店に入ろうとする小さな少女に抜かれてしまう。
 「ひゃあ〜、ごめんなさぁい! 先入りますねぇ!?」
  カラ〜ン
ローズ・メリー「こんばんわぁ! はじめましてぇ! ローズでーす!!」
店の中から大きな声が聞こえてきた・・・。
賑やかになりそうだ。
そして・・・その予想をさらに裏切る怒鳴り声・・・。
ローズ:「あざみぃぃぃ!! こんなところにいたぁぁぁぁ!!」
あざみ:「あらあら? 意外と早く再会したわね? でも・・・
 わたしの相手にはまだ・・・10年早いわぁ!」
今日子:「だぁぁぁ!! こんなとこでェェェおまえらぁぁ!!」
うりぃ:「やったれ!! そこやぁ!!」
マリー:「麻衣ちゃん、エミリー、早く避難するわよ?」
麻衣:「ああ〜ん、まだママに会ってないのにぃぃ!?」
エミリー:「ええ〜? おもしろそうだから見てきましょうよぉ!?」
 ・・・店の外で百合子は、珍しくクスっと笑って、ゆっくり扉を開けた・・・。
   カラ〜ン
マザーメリー:「いらっしゃいませぇ!!」

  ・・・そしてまだまだ続くLady メリーわーるど・・・!