百  物  語 

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191 ◆IB5QfV6tbg
20話ね、行きます。

高校生の時の話。
ちょうど今と同じ時期。
受験生だった。

夜、机のライトだけつけて勉強してた。
珍しくはかどっていて、ひたすら数学の問題を解いていた。
そしてそのままその章の最後の問題まで終えた。

だいぶ時間経ったろうな〜と壁掛け時計を見た。
2時20分だった。
おお、てことは3時間近く集中してたのか、やるなあ俺と思っていたら

時計の長針が、つつつっと動いた。
えっ?
壁掛け時計は2時30分になった。
左側にあるベッドに置いてある目覚まし時計を見ると、2時20分過ぎ。
時計壊れたのか?気持ち悪いなあ、もう寝るか・・・と思ってたら
窓ガラスにこん、と何かが当たった。
192 ◆IB5QfV6tbg :2006/07/23(日) 00:43:49 ID:nP6zt4oK0
びびりな俺はビクッとしたが、しばらく待っても何もなかったので
そーっとカーテンをめくって、窓の外を見た。
俺の部屋は2階で、下は道路。誰もいない。
ほっとした俺はもう少しめくって、きょろきょろしてみた。
誰かこっち歩いてきてる。

・・・?最初はその違和感がわからなかった。
わかった瞬間、ざあっと鳥肌が立った。
その誰かはこちらを向いてるけど、遠ざかってる。
後ろ向きで歩いてるのか?よく見えない。
こちらを向いたまま、姿が小さくなってく。
・・・とっさにテレビつけて、ベッドに入ってたらうまくそのまま
眠ってしまった。

翌日、クラスの連絡網が回った。
クラスメイトの通夜と葬式の連絡だった。
夜中にコンビニに行って、帰りに交通事故で亡くなったそうだ。
俺はそいつとは仲良くも悪くもない。
その晩俺が目にした奇妙なことも、関係ないと思う。
でもそいつの亡くなった頃の時間は、聞かなかった。聞きたくなかった。

(完)

ごめんコテ違っているけど、本物だから。