実話恐怖体験談 参談目

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346本当にあった怖い名無し
八年程前の体験です。
私が深夜のドライブを楽しんでいた時の事です。
運転手は私で、助手席には友人のT。
線路沿いの国道を海伝いに走行していました。

時刻は深夜0時を廻り、元々田舎という事もあって対向車も疎らで
ただ道なりにまっすぐ走らせるだけのドライブは単調で
眠気を紛らわせるのも含め、夏という事もあってか
止せばいいのに話題は怪談話になっていきました。

瀬○内海を右手に望みながら、左手には柵も無い線路。
小さな町を過ぎると、隣の市まで民家も無く街頭も無いので
点滅信号の光の中、只管に先を急いでいた其の時でした。
私の車の前を、白い小さな物が飛び出してきたのです。
私は思い切りハンドルを切り、対向車線にはみ出す様な形で急ブレーキをかけ
友人の悲鳴を聞きながらも無事に停車する事が出来ました。
対向車も後続車も無かったので、私達は怪我も無く済みましたが
私は暫く手が振るえ、友人の問に答えるのにも時間が必要でした。

続く
347本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 20:44:31 ID:wi+SG1u/0
続き

T『急にどうしたの?なんでこんなとこで止まるの!?』
私『ごめん、だって犬かなにか急に飛び出してきたから・・・』

しかしTは見てないの一点張りで、私の話を信じようともしません。
轢いてしまった可能性もあると思ったので、私はTと車を降りると
車の周辺を探すことにしました。
線路側から飛び出してきたので、無事横切ったとしても其の先は海です。
周りには隠れる場所も無し、其れらしき物は見当たりません。
車の周辺や足回りを見ても、撥ねてしまった痕跡すらありません・・・。

T『もういいよ、何も無かったならそれで・・・。こんな所から早く離れよう?』

私は納得できないまま、Tに促されるように車に乗り込みました。
しかしTは一刻も早く其処から離れたいようだったので
理由も問わず車に乗り込みました。
【こんな所ってどういう意味なんだろう?】と思いながら
車のライトを点灯させた私の目に飛び込んできたのは
線路沿いの電柱に手向けられた菊の花束でした。

血の気が引いていくのと、友人の言葉を理解するのは同時で
数週間前に報道された人身事故が頭を駆け巡りました。
私が見たアレは、長毛種の小型犬だと思ったアレは・・・?
私の思考は其処でストップし、車の運転に集中したのは語るまでもありません。
其の先を考えたら、きっと二人でパニックになったでしょうから。
ですが今でも鮮明に思い出す、当時飛び出してきた塊が
人の頭部だと思うと、なぜか納得できるのです。

終りです。