あなたの家のあかずの間

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149本当にあった怖い名無し
最初に断っておく。これは作り話だ。あくまでも。其処の所宜しく。

俺の家系はとても古くからの血筋で、とあるド田舎の山の中の集落の長だ。
この現代でも、その集落では家の関係者に逆らう事なんて出来ないし、
逆らった家は住めなくなり出て行くしかなくなる。出て行けなければ、
村八分で苛め抜かれる。そんな土地はまだまだこの日本に多く存在している。

俺の家は本家から分かれ、とある地方都市に居を構えている。
お陰で、俺はそのドロドロした地方の呪縛からは逃れられ、
子供の頃は親に連れられて田舎に行くと蝶よ花よと可愛がられて田舎が好きだった。
今でも、日本の原風景を絵に描いたような本家の有る田舎は嫌いではない。
そんな家だから、本家は驚くほど広い。建坪で優に400坪はある。土塀で囲まれた家自体の敷地は1000坪ほどか。
もちろん、立派な土蔵も三軒有る。庭には小川と池もあり、
そこにはヤマメ・岩魚等が棲んでおり、ちょっとしたプールくらいある池に小川は流れ込み、
秋口には岩魚やヤマメが池に下って産卵する姿も見られた。
子供の頃遊びに行くと、本家の従兄弟たちと野原や家の敷地内を転げまわって遊んだものだ。





150本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 19:43:30 ID:crzuuVNE0
さて、本題。
夏休みの短い田舎の小学校が始業式を迎え、俺は独りで従兄弟たちが帰ってくるまで遊んでいた。
まだファミコンなど無い頃だから、家の中の探検をした。すると、長い廊下のドン詰まりの壁に立て掛けてある
ちゃぶ台をどかしたら普通の半分の高さの扉があることを発見!
俺は開けようとしたがカギが掛かっていて開かない。なんだろうと思って使用人頭のばあやに尋ねると、
「あそこは物置ですじゃ。汚いもんが一杯あるから入っちゃ駄目ですぞえ」と何故か怖い顔で言われた。
そうこうするうちに従兄弟たちが帰ってきて遊び始め、俺は扉の事なんか忘れていた。
その夜、夜中にふと目が覚め、トイレに行こうと台所の前を通るとばあやが食事をお膳の上に乗せているのを見かけ、
とっさに紋陰に隠れて様子を見ているとお盆を持ってどこかへ向かっている。
始めは大旦那(俺のひい爺ちゃん)が腹減ったから持ってこいとでも言ったのかと思ったが、
なんか様子がおかしいので探偵ごっこよろしく後をつけて見ることにした。
すると、件の扉を開けて中に入っていくではないか。扉は開けたままになっていたので、
俺もばあやに続いてそっと入って行った。

すると、驚く事にそこは地下へと続く階段があり、怪談を降りるとそこに長い廊下がある。
そして、その廊下の左右には広さ八畳ほどの畳を敷いた部屋があり、扉の替わりに鉄柵が!
そう、そこは地下牢がずらっと並んでいた。廊下は幅3mは有る広いもので、
所々にたんすや机が置いてあるのでばあやに見つからずに移動するのは可能だった。
ばあやは一番奥にある牢部屋の中に向かって何か話をしている。
俺はそこに一番近い位置にある机の下まで近付き、潜り込んで耳を欹てた。
151本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 19:44:25 ID:crzuuVNE0
「・・・ひいさま、ばあやはいつまでもひいさまのお世話をさせて頂きますじゃ・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜〜」
ばあやの声はかろうじて聞こえるが、話し相手の声は聞き取れない。
辛うじて、女の子ではないかと思われるか細い声が聞こえてくる。
小一時間もそうしていただろうか、ばあやがお膳を持って立ち上がった。
「ひいさま、それではまた明日の朝来ますじゃ。お休みなさいませ」
ばあやはそう言うと俺隠れている机の前を通り過ぎていった。
閉じ込められるかとは思ったが、ばあやは朝また来ると言っていたし、
それよりも誰が閉じ込められているか好奇心が先にたってじっと隠れたままばあやが扉を閉めるのを待った。
薄明かりの中、俺は机の下から這い出して一番奥の座敷牢へと近付いた。
そして、そっと柵から覗き込んでみた。
152本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 19:45:37 ID:crzuuVNE0
すると、そこには大量のぬいぐるみやお人形が溢れている。人間は見えない。
また、薄明かりの中を覗き込むようにしているのでなおさら見えない。
俺は覚悟を決めてつ、と鉄柵の前に立って目を凝らしてみた。
すると、部屋の中の大きなクマのぬいぐるみにもたれていた大きな女の子の人形が動き出し、こちらに顔を向けた。
「だれ...?」か細い声が人形の口から漏れる。それは人形ではなく、本物の女の子だった。

あまりの綺麗さに俺はぼうっと見惚れてしまった。細い眉、切れ長の目、小さく高い鼻、薄い唇。
そして、目を奪われたのは銀に近い白髪。しらが、では無くキラキラと薄明かりに輝いている。
何分ほど見惚れていたろうか。「だれ...?」不安げな声が彼女の唇からもう一度漏れた。
俺はハッと我に返り、「ご、ごめん。俺は○○のところの子供で、Nっていうんだ。キミはだれ?」
「私は姫っていうの。」「なんでこんな所にいるの?」「ここから出たら私は直ぐに死んじゃうの」「ハァ?(゛д゛)」
彼女が鉄柵まで寄って来た。「あ...」彼女の瞳を近くから見ると、左右で色が違う。片方は黒緑、片方は薄い金。
そして、寄ってくる時に這いずって来たので足を見ると、右足の膝から下が以上に小さい。
無い訳ではなく、指まで全部有るのだがまるで赤ん坊の足の様に小さかった。
153本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 19:47:08 ID:crzuuVNE0
スマン、ちょっ急用で出掛ける。
全部書いてあるが急ぎなのでまた今夜〜明朝位に投下する。
もしイラネ!っていうならそう書いといてくれ。
154本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 20:43:26 ID:9mg2RmYk0
ちょwwwwいいトコでwwwwww
期待しとります。
155本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 20:51:05 ID:02gJpq7G0
>>153
このスレに作り話などいらんわと言いたいが
途中で止められるとこの上なく歯切れが悪いから
責任持って完結させぃよ。
156本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 21:11:58 ID:hhE7P2PAO
>>153
う〜ん、創作って最初に断言ちゃうと萎えるかも…
内容的に>>39の翻案っぽい感じするけど
とにかく、待ってますんで最後まで書いて下さいな
157本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 03:50:42 ID:etF7czNu0
最初に作り話って言うことで逃げ場を作ってるとか・・
ホントに作り話かコレ?確かに小説のような話ではあるが
158本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 04:55:13 ID:eFwM0UWY0
ちょっと小説的表現を多用し過ぎな感じもするな。
洒落怖スレだったらいろいろと物議になりそうだ。

でも先は読みたい。続き投下してくれるのかな?
159149:2006/07/29(土) 06:08:30 ID:xE3X9JZC0
お待たせ。ちょっと妻が具合悪くて病院行ってきた。以下、続きです。


俺がビックリしたように見ていると彼女が「私は歩けないし、目も良く見えないの。だから、父様も母様も私を嫌うの...」
「キミの父さんと母さんは誰?」「よくわからない。私が誰なのかも。なんで生まれたのかも。」
姫の目から大粒の涙がこぼれた。俺はそれを見た途端に胸が締め付けられるように痛み、彼女を守ってあげたくなった。
「じゃあ、俺が友達になるよ!姫ちゃん...が寂しくないように!」「とも...だち?」「うん、友達!」
「先生じゃなくて?」「先生?」
俺はその夜、彼女とずっと話をした。彼女には二日に一度勉強を教えに来る女の先生(家庭教師?)が居る事、歳は13歳だと言う事、
食事や風呂と言った世話はばあやがしてくれている事。母親はたまに来るらしいが、父親は今までに二回しか会っていない事。
そんな事を夢中で話しているウチに二人で眠ってしまった。
「Nちゃま!なんでココにいるのですじゃ!」ばあやの金切り声で目が覚めた。
しまった!と思ったがもう遅い。食膳を取り落として真っ青な顔でワナワナと震えているばあやが俺の前に立っている。
しかも、その後ろには叔母さん(俺の親父の妹)が目を見開いて立っている。
俺は直感で叔母さんが姫の母親だと感じた。その直感は直ぐに証明された。
「母様...」目を覚ました姫が呻くように声を出した。叔母は当時20台中ばで、一族の中でも屈指の美人だった。
俺も憧れてはいたが、とても勝気でおっかなく、甘えられるような存在では無かった。
しかし、俺も当時小学5年生とはいえ、明らかに叔母の歳と姫の歳が近すぎるのは理解した。
引き算すれば、11〜13歳で姫を産んだことになる。
160149:2006/07/29(土) 06:09:07 ID:xE3X9JZC0
Nちゃん、どうやってここに入ったの?」ばあやを押しのけ、叔母が微笑みながら尋ねてくる。
しかしその目は全く笑っておらず、俺の背中は冷たい汗で一気に濡れた。俺が答えずにいると叔母は俺の前にしゃがみ込み、
俺の目の前に顔をピタッと止め、俺の頬を両手で挟んで
「ね え 、 だ れ か に ひ め の こ と を は な し た ら」
両手に力がこもる。こめかみに親指が突き入れられそうな程の痛みを感じた。
「N ちゃ ん も こ こ に し ぬ ま で と じ こ め る わ よ ?」
俺の中で何かが弾けた。生まれて初めて、理不尽な暴力に対する納得の行かない怒りと凶暴な衝動が俺の中に巻き起こった。
「うるせえ!」俺は叔母の両手を掴み、乱暴に引き剥がした。
思いも寄らぬ反撃にたじろいだ叔母の横っ面を力任せに張り飛ばした。
「姫は叔母さんの娘だろ!なんでこんな所に閉じ込めるんだ!ふざけんじゃねえ!」
叔母さんもばあやも驚いて放心していた。しかし、勝気な叔母はすくっと立ち上がると俺の腹に蹴りを入れた。
モロに入ってしまったので俺は悶絶し、腹を抑えて蹲った。間髪いれずに叔母は蹲った俺の顔を蹴り上げた。
もんどりうって倒れた俺に馬乗りになり、叔母は俺のほっぺたに往復ビンタを叩きこみ始めた。
姫とばあやが何かを叫んでいるが叔母の手は止まらない。夜叉のような顔をして俺を叩き続けている。
しかし、地声のでかい俺が全身の力を振りしぼって叫んださっきの声が地上にも聞こえたらしい。
ひい爺ちゃん、親父、叔父、その他の何人かの親類が地下に降りてきた。
「S、何をやっている!」ひい爺ちゃんが叔母を一喝すると、さすがの叔母も正気を取り戻し手を止めた。
そのチャンスを逃さず、俺は叔母を跳ね除け、拳を叔母の鼻っ面に叩き込んだ。
「N!やめんか!」再びひい爺ちゃんの声が響く。しかし俺は更に数発拳を叔母に喰らわした。
「Nちゃん!やめて!母様を打たないで!」姫の声に我に返る。叔母は鼻と口から鮮血を噴出し、倒れこんでいた。
161149:2006/07/29(土) 06:12:33 ID:xE3X9JZC0
姫の存在は一部の主要親族意外には秘密であり、彼女は叔母が12歳の時に近しい親族の男に強姦されて出来た子供である事、
先天的に異常な体質や肉体状況で、とても外に出せないと判断したひい爺ちゃんが一生地下牢で育てようとした事、
当然役所にも届けず、姫はこの世にいない人間として扱われていた事など、当時の俺にはワケ解らない事では有ったが、
ひい爺ちゃんは親族の集まった席でコンコンと俺に対して説明してくれた。
「Nよ。お前は姫をどうしたいのだ?」俺の目をまっすぐに見つめ、ひい爺ちゃんが問うてきた。
「あんな所に閉じ込めちゃ可哀想だよ。普通に暮らせるようにしてあげてよ」「では、お前が面倒を見る事が出来るか?」
俺は迷った。しかし、可哀想な姫を何とかしてあげたかった。そして、間違いなく姫に恋をしている自分に気付いていた。
「うん!俺が面倒見る。姫の事は、全部俺が責任持つ」当時の俺はそれがどれほどの意味を持つか、思いも寄らなかった。
「そうか...解った。M(俺の親父)、姫はお前の家に連れて行け。戸籍は明日にでも何とかする。養育費の心配は要らぬ。良いな」
「・・・解りました。N、お前が責任を持つんだぞ。」「うん。」
姫はとても戸惑っていたが、俺が姫の手を握って「俺が姫を守るから。一緒に行こう」と言うと「・・・うん」と承諾してくれた。
そして親父と俺に連れられて、姫は生まれて一度も出た事の無かった本家から俺の住む地方都市へと移り住んだ。


とりあえず、以上。長文失礼。




162本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 17:48:19 ID:Xu8G6o7CO

続きが気になる…。
そのあと、どうなったんでしょうか。
創作、という逃げ道を使った実話なら面白いのですが…
163本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 19:32:19 ID:yDFSxQae0
最初から創作は言わないでほしかったお
164149:2006/07/29(土) 20:28:35 ID:xE3X9JZC0
ご希望が多ければ続きも書きます。
また、あくまでも創作、です...。
165本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 20:36:21 ID:Bw/MJoB50
>>164
悪い事は言わないから創作文芸板等で書いたらいかがでしょう。
書いたらここで告知してくれれば創作ものが好きな人は見に行くでしょうし。
166本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 21:48:18 ID:aex0EsMm0
続き、気になるな(´・ω・`)
167本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 22:59:52 ID:sxYaj+DoO
続きは気になるが荒れるのはいやなんので>>165に賛成
誘導してくれれば行きます!

そしてGJ
168本当にあった怖い名無し:2006/07/30(日) 07:50:39 ID:5cOZQyO50
あげ万
169本当にあった怖い名無し:2006/07/30(日) 10:12:04 ID:vA+p6H0e0
>>164
ていうかいっぺんにかいて投下してよ。他の人がしにくくなるでしょうが。

あと少しで終わるんならここでかいて欲しい。
1701/2:2006/07/30(日) 10:53:22 ID:bEbC0g0PO
開かずの間じゃないけど、実家の裏庭に井戸小屋がある。
今の実家が建つ前からあるはずだから少なくとも50年は経ってるんだが、
親父が物心ついた時にはもう小屋自体封鎖されていたとのこと。
というのも祖父の妹だか姉だかが、気狂いになり、排泄物を投げ込んだらしい。
何度言い聞かせてもその大叔母は井戸での排泄をやめず、
しまいには井戸小屋で生活し始め、周りには異臭が漂うようになった。
最後は、満月の晩に井戸に身を投げ自殺したのだという。
生前の祖父曰わく、水回りには必ず水を好む「憑き物」がおり、
大叔母は「持って行かれた、水に還られた」のだそうだ。
そんな曰く付きなのに取り壊されないのは、当の祖父こそ、
何かに取り憑かれたように井戸小屋撤去を頑なに拒否したからだ。
以来、父の代になっても入り口に板と御札を貼ったまま、
今でもうちの裏庭にその井戸は鎮座している。