しかたがない怖い話でもするか。
時間はさかのぼる。
外国での大規模なテロに関する報道によって、山形先生自殺のニュースは
わずかにして取り上げられなかった。
事件は近所の者によって通報され、警察は現場である山形先生宅に踏み込んだが、
15歳の少年がベッドにくくりつけられ、ほぼ狂女と化した女、山形あかねに犯されている。
さすがにマスコミに流せない状況であった。余りに猟奇的。監禁され、全裸になって
狂女の性奴隷として扱われいた事実は、15歳の少年の未来を鑑みれば、隠匿
するしかなかったのである。
つづく
しかし、近所では様々な噂が流れた。想像なのだろうが、ほぼ事実に
近い噂もあった。
いずれにせよ、教職につく者が全裸で自宅二階から飛び降り、首の
骨を折って死んだのである。その事実は隠しようがなかった。
とりわけ噂が盛り上がったのは、山形先生が教員をしていた中学校
である。
男子、女子問わず様々な自論を展開し、自論と自論が合流し、更に
噂が広がる。それは止めようがなかった。
学校側はあくまで事件に関わった人物は山形先生だけ、との発表
をしたが、やってきたと思ったらたちまちいなくなった教育実習生、
山形アカネも噂の中心となっていた。
何せ山形先生と山形アカネは兄弟であるのだから、関連付けない
方がおかしい。もっともらしい噂としては、兄の死がショックで、教員
への道を諦めたというものだ。
つづく
ペヤングさん
こち亀さん
みんな気付いたかなー?
タイミングが良かったのか悪かったのか、同時に中学校で流行している
ものがあった。『ゴースト様』という遊びである。
こっくりさんや、エンジェルさんと似たようなもので、YESとNO、ひらがな
50音が書かれた紙を用いる一種の占いである。
これは男子よりも女子に人気があった。こっくりさんや、エンジェルさんと
圧倒的に違う点は、好きな人間(当然死んでいなければならないわけだが…)
を呼べるということだ。
紙の上部中央にドーマンセーマン、即ち星型を描き、左にYES、右にNOと記す。
その下に『あ』から『ん』までの文字を書く。ドーマンセーマンの上に5円玉を置き、
5円玉の上に参加者全員(最大で4人とされた)の左手人差し指を置く。
そしてある呪文を唱え、『○×さん、来てください』と声に出し念じるのである。
つづく
例えば『エルビス・プレスリー』を呼び出したければ、『エルビスプレスリーさん
来てください』と念じる。そしてドーマンセーマンの上にあったはずの5円玉が
YESに動けば召還成功である。そして『ゴーストさま』は次元を超え、未来の
情報まで握っているとされた。
亡くなった芸能人を呼び出す者ねいれば、歴史上の偉人を呼び出す者、
最近の殺人事件でまだ犯人がつかまっていない場合などは被害者を呼び出し
犯人は誰か訪ねるといった凝った趣向を試みる者もあった。
山形先生の死と『ゴーストさま』の流行はたちまち出会い、色々と黒い噂の絶えない
山形先生自殺事件の真相を『ゴーストさま』に求めようという動きになるのもほぼ
必然だった。
ところが、『ゴーストさま』はかなりの信頼度がある占いとされており、更に場合に
よっては呼び出した人物に取り憑かれるという噂もあって、ブームとしては大変
静かなものだった。
つづく
ぽたぽた焼き、いま慌てて番茶の準備してるかもっ
(o^o^o)
頭から否定し、『そんなものはデタラメだ』と全く参加に興味そのものがない
者もいれば、中には『取り憑かれるのが怖いからやだ』という者もあって、
流行はしているが実践している者はそう多くなかった。
山形先生が死んで、少し経ったある日、『ゴーストさま』で山形先生を呼び出し
真相を聞きだそうという動きが一部で見られた。
そして遂にそれは実行されたのである。メンバーは、天文部に所属する女子
たちであった。天文部は顧問の教師がかなりいい加減で、限りなく帰宅部に
近い部活、ただ大人しそうな子達が集まっている部活という扱いを受けていた。
一応夜を待って、天文観測などもしていたが、本人たちはまともにやる気が
ない。ただ結束力はかなり強く、雰囲気はよかった。人見知りをする静かな
正確の生徒には人気があった部活である。大人しい同士、他の部の者が
介入しない校舎の屋上でのんびり静かに活動していた。
つづく
一般にはオタクと呼ばれる者も多く在籍し、オカルトに詳しいものもあった。
漫画などで陰陽道が取り上げられたり、西洋魔術、カバラなどが取り上げられ、
それを、どんな意味なんだろうと色々調べているうちに自然と詳しくなっていった
のだ。
そんな彼らにとって、山形先生を『ゴーストさま』で呼び出そうという流れは自然
なものだった。
『ゴーストさま』は女子中心に広まっていて、最近では『女4人でなければならない』
という追加ルールまではびこっていた。
そしてある晩、計画は実行されたのである。
つづく
山形先生キテル━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!
も…萌え〜www
「今夜、火星が最も近づくらしいので、屋上使ってよろしいですか?」
「あ?火星?いいよ。そのかわり、9時までだぞ」
「わかりました」
確かに火星は地球に接近していたが、観測する気などない。ところが
いざやってみようとなると恐れをなしたのか、興味がなかったのか、
部員はみなそれぞれ適当な理由をつけ帰っていった。
そしてちょうど4人が残った。
「4人だ。ちょうどいいね。みんなでできる」
「本当にやるの?」
「やるよ。もう返さないからね〜」
「山形先生を呼ぶんだよね?」
「そうだよ」
「呼べるのかな…」
「それはやってみないと」
つづく
幽霊山形先生が生徒たちを餌食に…?
屋上の天文台の下に小さい部室がある。さっそく『ゴーストさま』用紙を作り、
5円玉を乗せる。
「呪文、みんな知ってるよね」
「知ってるけど…やめない?」
「怖いの?」
「…ちょっと…」
「あはは…こんなの遊びだよ。あたしだって信じてないもん」
「無意識で動くんだって。人間って動いてるより止まってる方が不自然なんだって」
「それは知ってるけど…」
「いいからやろやろ」
呪文を唱えた。
やけに赤い月が窓から彼女たちを覗いていた。
つづく
+ ∧_∧ ワクワク
(0゚・∀・) テカテカ
+ (0つ旦と)
と_)_)+
ワッフルワッフル
「山形先生いらっしゃいましたらお越し下さい」
打ち合わせもしてないのによく揃うものである。4人が同時にお決まりの
文句を唱えた。
「…動かないね」
「誰か力入れてるでしょ?」
「入れてないよ!」
「なんか5円玉熱くなってない?」
「体温だよ体温」
「そぅかなぁ…」
「結構怖がりなのね」
と、つつっと5円玉は動いた。弱々しい、頼りない動きであった。
『YES』
つづく
最後の2行が…作家!
作者さんに惚れてしまいそう〜☆
今日もイイヨイイヨー(・∀・)!
>1はもしかして、山形先生見たくて、このスレ立てたんじゃね
「…キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!って感じ?」
「ふざけちゃだめなんだよ!」
「名前聞いてみようよ。山形先生の名前知ってる人いる?」
誰も山形先生の名を知らなかった。
「聞いてみよ…。山形先生の下の名前はなんですか?」
ゆっくりと5円玉が、紙に書かれた50音の上を進む。
『ち・ん・こ・た・つ・た』
「誰ふざけてるの?」
「違うよ勝手に動いたんだよ!」
「何よ山形先生って『山形チンコ立った』って名前なの?あり得ない!」
「あんた平気なんだね。そういうこと言うの」
「だってチンコタッタって確かに言ったよ!」
つづく
45 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/28(水) 00:40:06 ID:St6EUi1NO
やっべ山形先生来てるし!!番茶無いから午後ティーで我慢して、とりあえずぽたぽた焼き食べよ♪
「まぁいいや…じゃ事件のこと聞こうよ」
「とりあえず…どうやって亡くなったのですか?」
『ト・ン・ダ・・・ト・バ・ザ・ル・ヲ・エ・ナ・カ・ツ・タ…』
「飛ばざるを得なかったって言ってるね」
「なんでだろう?」
「それはどうしてですか?」
『ト・ベ・ル・カ・ラ』
「飛べるから?飛べてないし。あはは」
「笑っちゃダメだってば」
「絶対誰か動かしてる」
「あたしじゃないのは確か」
「あたしも」
「あたしも」
つづく
「あ、そだ、教育実習生のあの、キレイな人。学校来なくなっちゃったんだよね?」
「そうそう。山形先生の妹」
「妹さんはどうしているんだすか?」
『ソ・ン・ナ・コ・ト・ヨ・リ・ヤ・ラ・セ・ロ』
「何これ?やらせろだって」
「何を?」
「何だろ?」
5円玉は激しく動き始めた。文字を目で追うのが難しいほどの速度である。
『オ・ナ・ニ・イ・ミ・セ・ロ』
「ちょっとふざけすぎ。誰?」
「あたしじゃないってば」
「あたしも違うよ」
つづく
「もうやだよ帰ってもらおうよ」
「えー…もう?」
「指痛いよ。疲れてきた」
「返す呪文知ってる?」
「当たり前」
呪文を唱え、「お帰り下さい」と告げる
『NO』
「…帰らないって…」
「いいやもうやめよ」
「ちょっと!だめだよ指離さないでよ!」
「とり憑かれるとか?本気でそう思ってるの?」
「だって取り憑かれて精神病院送りになった人がいるって!」
「そんなのどうせ先輩の兄貴の同級生がなったとかでしょ?」
「確かに生で見たわけじゃないけど」
つづく
50 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/28(水) 00:51:40 ID:St6EUi1NO
今日はぽたぽた焼き噛めないほど怖いんだけど…
『オ・ナ・ニ・イ・ス・レ・バ・カ・エ・ル』
「も〜本当怒るよ!誰?」
「だから誰も動かしてないってば」
と、壁に立てかけてあった折りたたみのスチール製の椅子が
ガタガタと振動をはじめた。
「な…何これ…」
「ほらぁ!本当にいるんだって!」
「だってオナニーつて…」
「誰かやんなよ!」
『ゼ・ン・イ・ン・デ・ヤ・レ』
『サ・モ・ナ・ケ・レ・バ・カ・エ・ラ・ナ・イ』
『ユ・ビ・ヲ・ハ・ナ・シ・タ・ラ・オ・カ・ス』
「全員でやれ…さもなければ帰らない…指を離したら犯す…」
「…なんかキモい…吐きそう…」
「大丈夫?」
つづく
しばらく押し問答は続いた。帰れ。帰らない。どうすれば変えるか。オナニーしろ。
の繰り返し。
いっせーのせ、で指を離そうかとも思ったが、その度にスチールの折りたたみ椅子
がガタガタと音を立て、望遠鏡の三脚が倒れた。
日はとっぷりと暮れていた。このまま朝までいるわけにはいかない。
「じゃぁ…あたしする…」
「えー!」
「みんな目つぶっててよ…。仕方なくやるんだからね」
「…」
一人の女子がまだ未完成の陰部へ手を添えた。
「…あ…はぁ…ん…」
つづく
53 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/28(水) 01:03:20 ID:St6EUi1NO
>>48 ありがとうッ!!でも、でも怖くてこぼしそう!!(;´Д`)
エロキタ━━━━ヽ(-_-,,)ノ━━━━!!!!
左手はむ5円玉を押さえ、右手はクリトリスを責めている。と、
再び5円玉は動き始めた。
『ゼ・ン・イ・ン・デ・ヤ・レ・ト・イ・テ・イ・ル』
「全員…でやれって…」
「やれば帰って頂けるんですか?」
『YES』
異常な光景であった。小さな机を取り囲んだ女生徒が自慰を
はじめたのである。それでも尚5円玉は動いている。誰も見ていない
というのに。
『モ・エ…』
つづく
5円玉で萌えキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
あらま…いよいよ…
過激なのねっ!
ポッ(〃д〃)
『モ・エ…』←www
「なんかスゴい…スゴいよぉ…」
「指…自分のじゃ…ないみたい…あっ…」
「勝手に動くよ…だめ…気持ちよくなっちゃう…」
果たして、全員が絶頂を迎えるまで大した時間はかからなかった。
制御できない指。感じたことのない快楽。恍惚の時。
オーガズム。絶頂。
「も…もうダメ…許して…お帰り下さい…」
『YES』
激しい体力と精神力の消耗に、マユミは椅子から崩れ落ち、そのまま
深い眠りに入った。
つづく
∧_∧
( ;´Д`)エ、エロイ…ハァハァ
( つ つ _
と_)_) (__()、;.o:。ガシャン
゚*・:.。
夢を見た気がする。山形先生に犯される自分。山形先生の体温。吐息。
男の匂い。クリトリスを荒れた舌がはうおぞましい快感。
そして山形先生とは別の黒ずくめの男。見たことがある。そうだ。
『学校の七不思議を調べている』と言っていた一つ下の後輩だ。彼が
ユカリに馬乗りになっている。何だろう。何をしているんだろう。
夢だからね。分からないよ。不自然でもしょうがないよ。夢だもん。
全部夢なんだ。起きたらきっと部屋のベッドの上だ。いつから夢
なんだろう。『ゴーストさま』をやってから?いや、山形先生が死んだ
こと。それも夢?
9時。マユミは起こされた。心配そうに初老の男が顔を覗き込んでいる。
「おー。目ぇ覚ました」
「…?」
「小林先生から9時まで屋上開けとくようにいわれたんだよ。もう9時
過ぎたから。鍵閉めようと思ったらあんたが倒れてたんだ」
つづく
七不思議を調べてた学生までキタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
「だめだよこんな所で寝ちゃあ」
「…す…すいません…」
「一人きりで。危ないよ」
一人きり?飛び起きる。いない。あたし一人だけだ。あとの3人、いない。
だってみんなで『ゴーストさま』やるって…。
机の上には5円玉が一枚、転がっていた。紙はなくなっていた。
『黒い服を着た男が女生徒を連れ去る。さらわれた女生徒はその後決して見つからない…』
最近流れている噂を思い出した。そうか。もしみんなが連れ去られ、そのまま決して
見つからなければ噂なんて広がらないんだ。誰か一人でも証人がいないと。
私は証人にならなきゃいけないんだ。
終
64 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/28(水) 01:32:10 ID:UIe86lMlO
いい加減ウザいな
イイヨイイヨー(・∀・)!今日もスゲー面白かった!
しかしよく毎回ネタが尽きないよなー
おまけに腕上がってない?どんどん上手くなってるキガス
作者乙
誘拐された子たちはどうなっちゃうんだろう((((((( ;゚Д゚))))))
作者サン乙です ( ´∀`)つ旦
今日も面白かったです!
これからは七不思議の人が中心になるのかな!?wktk
68 :
sage:2006/06/28(水) 01:58:34 ID:ZZ2P0Hd10
あんま面白ないな
>>64 すいませんでした。本人的には一生懸命やってるつもりですがプロではないので
至らない点もあると思います。過疎化したスレでsageてやっておりますのでどうか
御容赦下さい。
>>68 申し訳ないです。単に力量不足です。なるべく精進するよう心がけます。一番の
原因は下書きも何もなくオチすら考えずに書いているからだと思います。一部の
方々には好評らしく、期待させてしまった部分もあると思いますがこの程度のもの
です。でも最後まで読んで下ってありがとうございます。貴重な時間を使わせて
しまったことについては謝罪します。すいませんでした。
>>69 いや普通に面白いよw
勢いでやった方が、下書きありよりいいかなあと自分でも思えると思う
個人的な経験だけどw
今夜もありがとうありがとう
山形先生、意外と謙虚なのな。