墓石が気になりながらも、必死こいてカギを探しました。
それからどのくらい時間が経ったか分かりませんが、
歩いて帰って、また明日探しに来ると、A君が言い出しました。
確かに明るい昼間に探したほうが、見つかりやすいとは
思いましたが、歩いて帰るには遠すぎでした。
B君の自転車も僕の自転車も、一人乗り用だったので、
A君を乗せることはできませんでした。
「マジで歩いて帰るの?」と、B君が心配して言いましたが、
何も言わずにA君は頷きました。
そしてA君は歩いて帰ることになりました。
最後に、また墓石を見ようとB君が言ったので、
しょうがなく付き合って、見に行きました。
「え!?」3人でほぼ同時に驚きました。
確かにさっき斜めに倒れていた墓石が、ちゃんと
真っ直ぐ立っていたのです。
「うそやろ・・・お前何かした?」
A君がB君に聞きましたが、すぐに答えが返ってきました。
「いや、ずっと一緒にいたし・・・まず無理やろ」
確かに3人でずっと一緒に探していたので、そんなこと
できなかったし、墓石を動かすこともできないのは、分かって
いました。
さらに近づいて墓石の上を良く見てみると
「カギ!?」と、A君が言いました。
確かに墓石の上に、A君のカギが乗っていました。
「お前の?」とB君が確かめるように聞きました。
「うん・・・俺の」A君が答えました。
もう一度B君が、墓石を動かそうとしましたが、
びくともしませんでした。
「お前らもみたやろ?」と、B君が聞いてきました。
確かにさっきまで墓石は斜に倒れていたのです。
それが今はちゃんと真っ直ぐ立って、しかもA君のカギが
乗っていたのです。
途端に僕達は怖くなって、その場を離れました。
すると、後ろの方、墓石がある方から
ガタッっと音がしました。
「お前ら・・・絶対、後ろ見んなよ・・・」と、B君が
言いました。そしてすぐに自転車のある場所まで
走りました。わーとか、ひゃーとか、何か途中意味の
分からないことを叫びながら走ったのを覚えています。
それから何日かしてから、霊感の強い友達に
その話をしたとき、その友達はこう言いました。
「あそこには、子供の霊がいる・・・そして、その
子供は、ずっと遊び相手を探し続けて、成仏できない
らしい・・・たまに遊びに来る子供を見つけては、
持ち物を隠して、困らせる。それはまだ可愛いから
いいけど・・・その子供に本当に好かれると・・・」
それ以上友達は何も言いませんでしたが、
僕にはどういうことか良く分かりました。
以上、秋の夜長の体験でした。
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本当にあった怖い名無し:2006/06/12(月) 01:29:53 ID:S95TUJai0