【1日目 20:00 HERO 6】
>>497「あの、準備出来たら早いとこ裏から逃げましょう…。」
えっ?もう行くの?
気持ちの整理がつかぬまま、食料と武器を探して店内を駆け回った。
棚から缶詰、瓶詰、オリーブオイルを掻き出して袋へ入れた。
あとは武器。
アイスピック、包丁、缶切、ハサミ、箸…もう何でもいいや。
全てを袋へ放り込み、二人の元へ戻った。
「準備終わりました。」
そう言うと、春日さんはとんでもないことを言い出した。
なんで?そんな…。
制止する間も無く、照明とBGMのボリュームを上げ、ブラインドを引き上げられた。
【1日目 21:00 キコマート1】
おかしいな‥向かいの喫茶店
…何故ブラインドを開けたんだ?
『アレ』が集まって来るのがわからないはずがねえ。
もしかして…表におびき寄せて裏から逃げるつもりなのか!?
てことは、何か脱出の手があるんだ……車とか!?
「ぐずぐずもしていられないな…乗り遅れたら大変だ」
喫茶店の連中が本当にマヌケ野郎なら俺もおしまいだがな…
しかし‥こんなガラス張りの店舗にいるよりはマシだろ!?
外の『アレ』を観察し様子を探る。
「はは‥生への渇望がありもしない理想を見せているのかもな?」
【1日目 21:00 キコマート 1】
「雨…」
雷鳴と同時に、向かいの照明が落ちた。
「停電か…って、ヤバイ!これはヤバイで!」
このままでは、私の魂とも言えるアイスクリームが!!
いや、それもそうやけど、向かいの喫茶店や。
さっき明るくしてたし、音楽も鳴ってた。これは確実に、ゾンビに
ロックオンされてるで。あの中のメンツ、あとは逃げの一手しかない。
…とは言うものの、私に助けられる訳も無いしなぁ…
私にできるんは、ただ祈るだけや…「こっちにだけは来んといて」
【1日目 20:00 HERO 7】
「何してんのよ!そんな事したらゾンビが…あっ!」
積み上げられたテーブルの隙間からゾンビの顔が覗き、無数の手がガラスを叩き、引っ掻いている。
「は‥早く逃げなきゃ!」
マスターを刺した傘を手に取ったその時、とてつもない轟音と共に店内の照明は消え、軽快なBGMが鳴り止んだ。
「なに!?今度は停電?」
静まった店内にはゾンビの唸り声と「ザーッ」と強い雨音が響いてきた。
ダメだ…この雨じゃ小麦粉は使えない。
もうここにも居られない。
「もうどうにもなんないよ…とにかく屋上へ逃げますよ!」
【1日目 21:00 キコマート3】
喫茶店の様子を見るとさっきまで明かりと音につられて窓に押し寄せていた『アレ』が疎らになっている。
どういうことだ?
道路を歩いている『アレ』もさっき迄と違いどこか虚ろだ…
そう、獲物を見失ったような感じに見える。
「わからないのか?‥この雷雨で五感が鈍っているのか?」
‥どうする?
悪い予感はいつも的中するし、計画はいつも失敗する…はは、最高だね
「覚悟はできているさ‥」
自動ドアの鍵をあける。
『アレ』の様子を探り外に出るタイミングを計る。
【1日目 21:00 キコマート】
雨は尚激しく降り、雷は時折闇を照らし、激しい音を鳴らす。
ゾンビは生者の気配を見失い、雨の中で立ち尽くしているように見える。
…向かいのビルの入り口まで8m。
その間には目視できただけで10体のゾンビ。
気付かれたら…11体目は自分だ。
※GMより
脱出を試みるキコマート側のプレイヤーは向かいのビル入り口まで2レス使って辿り着いてください。
・外に出て1レスすると危険値に+1
・その際ゾンビと■■すると危険値+2
・■■り抜ける、■■抜けるというレスをするとゾンビに気付かれ危険値+1
・危険値レス番(今回は3個)を踏むと、1つ踏むごとに危険値+1
【1日目 20:00 HERO 8】
通りに面したガラスに次々ゾンビが群がってくる。
ガラスが割られるのも時間の問題。
溢れかえったゾンビが建物をとり囲む…そうなる前に逃げなきゃ!
「もう行こ?ゾンビが裏手に回ったら、ホントにもう終わりです。」
二人を急かし、裏口の扉を慎重に開けた。
ゾンビの姿はまだ無い。
鉄製の非常階段を見上げ、靴を脱いだ。
「足音に気をつけて。」
二人にそう告げ、非常階段を静かに駆け上がった。
屋上の扉前に立ち、春日さんが鍵を開けるのを待つ。
神様お願い!扉を開けて!助けて!!
【1日目 20:00 田嶋ビル非常階段3F】
彼はただ待っていた。
最初は救いの手だった。仕事が終わり、戸締りをして家に帰る途中
ゾンビに襲われ、またここに戻ってきたのだ。
しかし、腕の噛み傷が彼を変貌させていった。
…今は獲物が来るのを待っている。
※GMより
HERO側のプレイヤーは非常階段から屋上へ上がってください。
3レス消費で屋上へ辿り着けます。
非常階段には3F付近でゾンビが一体立っています。
・外へ出た時点で危険値+1
・非常階段は屋外です(よって「■■て〜する」といった類のレスをしたプレイヤーは重傷フラグ)
・ゾンビと■■するというレスをしたプレイヤーは危険値+2
・HEROに残るを選択した場合は危険値+5
・危険値レス番(今回は3個)を踏むと、1つ踏むごとに危険値+1
【1日目 21:00 キコマート 4】
「あっ…!」
おっさんがドアを開けた。ヤバイんちゃうか?
……ん?
ゾンビ、なんかボーッとしてるな。これ、もしかして…
おっさんの後ろで外を窺った…行けるかも知れへんで…
【1日目 20:00 HERO 9】
突然の雷雨により、辺り一帯は暗やみにつつまれた。
ん?ゾンビの奴ら、動きが定まってない・・・。
目でわかるほどに、ゾンビの動きが疎くなった。
もしかして、この豪雨のおかげか・・・。
そう考えながら、白石さんに促され非常口から裏手に出る。
裏の路地の奥に、非常階段が見える。
そこまで一気に走り、非常階段の扉を開け、階段を上る。
3階まで登り、屋上の扉が見えたとき、一人の男がそこに立っていた。
いや、もう人ではないのだろう。虚ろな目がこちらを見たのがわかった。
「はは、ラスボスみたいっすね・・・。」
狭い階段だ・・・。通り抜けるのはまず無理だな。
ゆっくりと両手を突き上げこちらに向かってくるゾンビ。
「俺実は、空手やってたんですよ・・・。一応、3段です。」
こんな時に何を言ってるのか、自分でもわからなかったが、思わず構えをとった。
ゾンビに格闘技が通用すんのか・・・?
【1日目 21:00 キコマート5】
>>512「なに?お前も来るの?まぁ、いいけど‥
来るなら一つ言っておくが俺を巻き込むなよ、ココを出れば俺達は赤の他人だ。
俺はお前が襲われても助けるつもりはないからな」
外に声が洩れないように小声で話す。
「‥逆に俺が襲われても助けなくていい。
見捨ててくれ‥それでいいだろ?」
まぁ、この女なら俺に言われなくてもそうするか!?
少し開けたドアを閉め、ガキの方へ歩いていく。
「クソガキ‥お前はどうするんだ?」
【1日目 21:00 キコマート 6】
>>514「別に一緒に行く訳ちゃうで。おっさんが大丈夫そうやったら
行こうかなーと思ってるだけや」
確かに、お互い助けてる余裕なんか無いやろしな。
そういえばおったな、少年。まぁ好きにしたらええわ。私は誰にも合わす気は無いけどな…
【1日目 20:00 HERO 10】
‥もうっ!なんでここまできてるのよ。
3Fに佇むゾンビを見て、恐怖より怒りが込み上げた。
傘の尖端をゾンビに向けると春日さんが体制を整えて言った。
>>513「俺実は、空手やってたんですよ…。一応、3段です。」
この狭い階段で二人並んで闘うなんて無理。
ここは春日さんに…。
私は踊り場へと下がった。
「春日さん、鍵貸して!
先に行って開けておくから…春日さんもすぐに来て!
これでトドメを…。」
そう言って、アイスピックを手渡した。
【1日目 21:00 キコマート7】
「答えないならそれでもいいさ‥やるべきことはわかってるんだろ?
頭で理解していても心がなかなか許してくれないのか?」
入口の方を向きまた話す。
「あとは‥心の問題か‥
お前に足りないのは『勇気』だな。
行くも残るもお前の自由だ、好きにしろ」
「じゃあな…井林」
入口に行き半村に答える。
>>515「いいね、最高だよ‥お前」
そのままドアを開け静かに外に飛び出した。
面倒な事はもうたくさんだ‥これでいい
【1日目 21:00 道路8】
暗闇にある程度目が慣れているので視界は利く。
『アレ』は不思議な事に俺を襲ってはこなかった。
やっぱりこの雨と雷のおかげか!?
しかし、『アレ』に近付くつもりはなく、極力離れた所を歩きながら向かいのビルを目指す。
ビルの横の細い路地に入りビルの裏側に回る‥
そこに、おそらく喫茶店の連中が用意した脱出する何かがあるはずだ。
周りに神経を張り巡らしながら一歩、一歩進んで行く。
【1日目 21:00 道路 9】
「んっ…?」
おっさんは外へ出た。目を凝らしても、もう見えんようになりそうやけど…
なんか、よう分からんけど襲われた様子は無いみたいや。
「よぉし」
行ける。今しかない。
「少年、自分の道は自分で決めな始まらんで」
それだけ言い残して、おっさんの後を追った。
【1日目 21:00 HERO 1】
白石さんに鍵を渡し、アイスピックを受け取る。
っつーか、捕まれたらまず助からないよな・・・。
いざゾンビに向きなおすと、足が竦む。
思わず階段を降り、ゾンビと距離をとった。
・・・格闘技なんて、意味ないよこれ。
必死で考えている間にも、ゾンビとの距離は縮まっていく。
ふと、通路の端に消火器がおいてあるのが見えた。
素早くそれを手に取り、消火器でゾンビに殴りかかる。
―ドカッ!!―
生々しい音とともに消火器の打撃音がし、その場にゾンビが倒れこんだ。
さらに追い打ちをかけるように、何度も何度も、消火器を振り下ろした。
「はぁ、はぁ。早く上に上がらなきゃ・・・」
動かなくなったのを確認し、階段を駆け上がり屋上に入った。
先に入った二人に息を切らしながら言う。
「多分あの人はもう動かないです。他に奴らがこないように鍵をしめましょう。」
そう言いながら、鍵を受け取り屋上のドアの鍵を閉めた。
【1日目 21:00 屋上 2】
4本の鍵の内、1本が屋上の鍵穴と一致した。
「やったアタリ!坂口さん早く入って。」
屋上へ上がると跳ね返る程に強い雨が体を打つ。
もう、目も開けられない。
武器として持ってきた傘を開き、雨を凌いだ。
ガチャ‥
重く厚い屋上の扉が開き、春日さんが顔を覗かせた。
>>520「多分あの人はもう動かないです。他に奴らがこないように鍵しめましょう。」
そう言って内側から施錠した。
見たところ、出血はしてないようだ。
「良かった…怪我は?
この雨じゃ、小麦粉流れちゃいます。どうしよう?」
【1日目 21:00 屋上 3】
「怪我は大丈夫です。いきなりゾンビになったりしないから安心してください。」
そう言いながら、冗談めいて笑った。
それにしても、思った以上に雨がひどいね。
>>521「この雨じゃ、小麦粉流されちゃう。どうしよう?」
その言葉に頷く。
本当にどうしようか。
持ってきたライトをとり、それを見せる。
「後は、これで知らせるしかないですよね。多分この調子なら、いづれ雨も止みますよきっと・・・。」
確信など、何処にもないが、そう言うしかなかった。
【1日目 21:00 キコマート10】
何とか向かいのビルまでたどり着いた。
寿命が縮むとはこのことだな…
身体を横にしてビルとビルの間の細い路地に入る。
ビルの裏側に出ると、そこには俺の期待していた物は無かった…
あるのは高い壁と『アレ』
はは‥やっぱりね、こんなの慣れっこだ…
しかし、喫茶店の連中は何処だ?
ここの道幅じゃ車は入ってこれねえし、塀を乗り越えた跡もない‥路地を抜けるには『アレ』のすぐ横を抜ける…いや、無理だろ!?
勝手口のドアノブをまわすと開いていた‥やっぱり、外に出ている。
‥何処だ
【1日目 22:00 キコマート 1】
やっぱり、と言うか…ゾンビは襲っては来んみたいや。
かといって自分から近付いたりはせえへんけどな…
おっさんが通ったはずの道をたどっていく。まさか正面入口には向かってないはずや。
…その脇の路地。ここやな…
おっさんが視界に入った。やっぱりや。
…何してるんやろ?
【1日目 21:00 屋上 4】
春日君、白石さん二人にただ黙ってついて来た。
…俺、何やってるんだろ?
>522「後は、これで知らせるしかないですよね。多分この調子なら、いづれ雨も止みますよきっと・・・。」
春日君の言葉にもただぼんやりと頷くしかできなかった。
何か…俺が出来る事…ないかなぁ。
【1日目 22:00 キコマート2】
視界の先に非常階段が見える。
あれか!?
そうか、屋上に行ったんだ‥考えていることは同じだな。
階段を上がる前に靴を脱ぎ足音を消す。
すぐそこには『アレ』がいるんだ‥当然だな。
階段を数段上がった所で余裕ができたのか後ろを振り返った‥
‥誰かいる!?
>>524はは、あの女‥ちゃっかりしてやがる。
声を掛ける訳にはいかないのでそこで半村を待つことにした。
【1日目 21:00 屋上 5】
>>522「…いきなりゾンビになったりしないから安心してください。」
笑いながら言う春日さんを見て苦笑いした。
もし二人が噛み付かれたら…いや、私が噛まれたら二人は私を殺す?
今は余計な事考えんのやめとこ。
それより、どうやって救助の人に知らせるか。
>>522「後は、これで知らせるしかないですよね。多分この調子なら、いずれ雨も止みますよきっと…。」
春日さんが懐中電灯を見せて言った。
「‥だといいですね。
替え電池無いよね?ライトは救助が来た時に使いましょう。」
電灯は私達の命綱。節電しなきゃ。
【1日目 22:00 キコマート 3】
ソロソロとおっさんに近付いていく。ゆっくり、ゆっくりでええんや。
あるのは、ドアと…非常階段か。こっちやな。中に入るとは考えられへん。
>>526よく見たら、上でおっさんがこっち見てる。気付いたんかな。
一回後ろを振り返ってから、ゆっくり階段を上った。
追いついたで、おっさん…
【1日目 21:00 屋上 6】
それにしても、これは本当に現実なのか・・・。
改めて考えると、疑問ばかりが頭に浮かんだ。
不意に屋上の端から、ビルの下を覗いた。
わらわらと群がっていたゾンビは虚空を見上げている。
ゾンビになったら、いったいどんなことを考えるんだろう?彼らの魂は一生救われないのかな?
そんなことを考えながら眺めていた。
雨は今も弱まることをしらずに降り続けた。
【1日目 22:00 キコマート4】
追い付いた半村の頭を軽く2回叩き歓迎した。
階段を上がり2階を越えた辺りで小声で話しかけた。
「はは、まさかついて来るとは思ってなかったよ…
やっぱり最高だよ‥お前
ところであのガキは来てないのか?」
あいつは残る選択をしたのか?‥まぁ、それも正解かもしれない…
途中『アレ』の死体があり、側に消火器が転がっていた。
「もう、説明はいらないな?ワトソン君」
そのまま階段を上がり屋上の扉のドアノブに手を掛けた。
ガチャ、ガチャ、ガチャ
「あれ?閉まっているぞ」
【1日目 22:00 キコマート 5】
追いついた…おっさんに無言でうなずく。
「少年…来てないみたいや」
見捨てた訳やないで…「自分で選べ」って言ったはずや。
こっちにだって、余裕なんか無いんや…
>>530って、鍵かかってる?そんな…でも。
足下の死体と消火器を見下ろす。
「これ、向こうに人がおるはずや。中から閉めたと考えるんが自然や…
ノックしてみよ、普通の人間が取るようなリズムでや」
小声で、提案してみた。声をあげて呼ぶのは、ちょっと度胸が要るからな…
【1日目 21:00 屋上 7】
「落っこちないで下さいよ?」
屋上の端へ立つ春日さんの後ろへ行って声を掛けた。
目下の蠢き彷うゾンビを見てるのか…春日さんは黙ったままだった。
「私、高所恐怖症なんで…あっち行ってますね。」
そう告げて貯水タンクの横へ屈み込んだ。
ここなら少しは雨当たらないかな?
持ってきた袋を開け、坂口さんに手招きした。
「坂口さんも武器持っておいた方がいいですよ。ろくなもんないけど、好きなの取って。」
【1日目 22:00 キコマート6】
>>531確かにこんな状況じゃ鍵もかけたくなるわな。
「普通の人間がとるようなリズムね…あー、そうだな、こんな感じか?」
コンコンコン、コンコンコン、コンコンコンコンコンコンコン…
三三七拍子でノックをしてみた。
いるなら早く開けてくれよ‥クソッ
それとも、俺の思い違いで屋上には誰もいないのか!?
あー、何か嫌な予感がしてきたぞ。
まずいな‥俺の嫌な予感はよく的中するんだ…
「半村‥‥もし屋上に誰もいなかったら‥すまない
俺がお前を巻き込んじまったかもしれない…」
【1日目 22:00 屋上 】
しだいに雨は弱まりながら降り続けた。
しばらく、雨に打たれながら、ただひたすらに思考を巡らせる。
本当にヘリはくるのか?
助かったとしても、日常には戻れないんだろうか?
そんなことを考えていると、不意に扉からノック音が聞こえてくる。
扉の近くにいなければ気付いたような、そんな小さな音だ。
これ三三七拍子か・・・?
もしかして、誰かがここまで上がってきたのか?
だとしたら誰が?
「人間ですか・・・?怪我はしていませんか?」
扉にそっと近付きドアの外へ声をかける。
【1日目 22:00 キコマート 7】
>>533珍しくおっさんが弱気な発言や…調子狂うなぁ。
「な、何を言ってんねん…弱気になるんは早いで。続けるんや。
帰り道なんか無いんやからな」
ここで私がおっさんを元気づける事になるなんてな…
「大丈夫や。状況から見て、中に人がおるんは間違いない。
ここから誰か出たんやったら、鍵なんかかける必要無いやろ?
出たんちゃうんやったら、入ったんや。ドアにそれ以外の意味は無い。
障害を排除した形跡もある。ずっと閉まったままやった訳でも無いはずや。
誰かが開けて、入ったんや」
私の考えを聞かせた。勘も入ってるけどな…
【1日目 21:00 屋上 9】
袋の武器を取り出していると、中からSOSと書き込んだテーブルクロスが出てきた。
こんな土砂降りじゃ、尚更字なんか読めっこないか。
でも折角持ってきたんだし…やっぱ出しとこう。
出来るだけ目立つように、屋上の中央へテーブルクロスを敷いた。
黒いコンクリートの上に白く浮き上がるように目に映った。
救助の人、気付いてくれるといいな。
【1日目 22:00 キコマート8】
>>535「あぁ、悪い‥
そうだな、諦めるにはまだ早いな」
まさか、この女に勇気づけられるとは…まいったな
>>534ドアを再びノックをしようとした時向こう側から話し声が聞こえてきた。
「おい、半村!今の聞こえたか?
はは‥お前の言う通りだ、やったぞ、誰かいるぞ!」
扉を急いでノックした。
「俺達はまともな人間だ、怪我もしていない
‥頼む、ここを開けてくれ」
嫌な予感が外れやがった…はは、いい気分だ‥悪くない
【1日目 22:00 屋上 1】
少しづつ、雨音が弱まってきた。
何処かを見上げながら壁に寄り掛かり、思考をめぐらせていた。
本当に助かるのか?
助かっても元の生活には戻れないんじゃないか?
さっきからずっとこれの繰り返しだよ全く。
白石さんは、テーブルクロスをだしそれを広げている。
この雨じゃ意味はないんじゃないのかな?
【1日目 21:00 屋上 10】
>>532「坂口さんも武器持っておいた方がいいですよ。ろくなもんないけど、好きなの取って。」
白石の言葉に、袋の中をのぞく。
ハサミ、これにしよう。
「ありがとう。」そういいながらハサミを握りしめる。
>534「人間ですか・・・?怪我はしていませんか?」
春日君の言葉に驚いて扉に目をやる。
人間?まだ生きてる人がいるわけ…ないよな。
「春日君、ゾンビじゃないの?もし人だとしても怪我してない訳ないよ…。」
【1日目 22:00 屋上 4】
ドアの外側に声をかけると、返事が返ってきた。
>>537「・・頼む、ここを開けてくれ。」
怪我もしていない?ならば開けてあげよう。と思ったとき、坂口さんに声をかけられた。
>>539「怪我してないわけがないよ。」
確かに言われてみればそうだ。
自分達でもかなりの危険をおかしてここまできたんだ・・・。
嘘をついている。ということも考えられる。
けど、だからって見捨てられるか?そんなん無理だろ・・・。
【1日目 22:00 屋上 5】
コンコンコン…コンコンコン…
ノックが響く扉へ目をやる。
三三七拍子?こんな時にふざけてんの?
私は怪訝な表情へと変わり、扉を見据えた。
しかしその声は深刻そのものだった。
>>537「俺達はまともな人間だ、怪我もしていない
‥頼む、ここを開けてくれ」
坂口さん、春日さん、そして扉の向こうに居る人とのやり取りを聞き、口を開いた。
「そこで騒がれたら面倒ですよ?開けましょうよ。
噛まれてるかどうかは見てから判断しませんか?」
【1日目 22:00 屋上 6】
>>541「噛まれてるかは見てから判断しませんか?」
白石さんの言葉に頷く。
そうだよな。見捨てるなんてやっぱできないしな。
―ガチャッ―
鍵を開け、扉を開ける。
扉を開けるとそこには二人の男女がいた。
二人とも、今朝見た顔だな・・・。
「さ、早く入ってください。」
そう二人に促す。
・・・見たところ、何処にも怪我はなさそうだ。
【1日目 22:00 屋上7】
なかなか開かねえな…
クソッ!俺達を見捨てるつもりか!?
とっとと開けやがれ!
さもないと、暴れるぞ‥暴れちゃうぞ…
>>542しばらく間をおいてから扉はゆっくりと開いた。
半村の背中を押し先に行かせる。
屋上に出ると3人の男女がいた。
どうやら、助かったみたいだな…
「しかし、ひどい雨だな‥こんな事なら傘でも持ってくりゃよかったよ」
あとはここで救助を待つだけだ。
【1日目 22:00 屋上 7】
話終えると春日さんは頷き、扉を開けた。
そこに現れた姿はあのコンビニの二人だった。
男性は礼も言わず、傘がどうのと言っている。
なんなの、この人…。
さっきのふざけた三三七拍子もきっとこの人ね。
私は男性を無視して、女性に向かって尋ねた。
「二人共本当に怪我は無いんですね?無いならいいんですけど…。
あの、もう一人は?学生服の子、どうしたんです?」
まさか…噛み付かれたんじゃ?
【1日目 22:00 屋上 8】
ドアが、開いた…
「わっ」
おっさんに背中を押され、つまづきながら踏み出した。
「何を…」
言いかけてやめた。こんな時やしな。
こっちも3人…まあ、私らは少年がおらへんけど…
「あ、ありがとう…」
緊張がとけて、それだけ言うのが精一杯やった。
よう開けてくれたわ、ほんま…
>>542「電話してきたんはあんたやな。確かに見た顔やわ」
でも、問題はここからなんやなぁ。この雨では、私らも体力がもたへんで…
何か作戦でもあるんやろか?
【1日目 22:00 屋上 9】
さて、人が集まってきたけど、この雨じゃね・・・。
二人に軽いあいさつをすませ、また屋上の端に座り込む。
雨に濡れながらもタバコに火をつけた。
少年はいないけど、残ったのかな?それもまた正しい判断かもね。
疲れたなぁー。
ヘリは本当に救助にくるのかな・・・?
【1日目 22:00 屋上 10】
最初に話しかけてきたんは女の人やった。
>>544「怪我は私ら二人とも無いですよ。大丈夫です。
あの少年は…ついて来んかったんです」
あら?この人も、どっかで見た顔やなぁ…?
>>544「私、半村って言います。どっかで…?」
【1日目 22:00 キコマート9】
>>517井林と呼んでくれた…別れの挨拶という事なのだろうか?
>>519半村さんも出て行ってしまった。
一緒に行こうとしたが、足が動かなかった…
自分の道…それが何なのか僕は分からない。
もう受験生だというのに高校すら決めていない。
自分から何かを求めようともしないから友達もいない。
……怖い…早く終わって欲しい
隅にあった消化器を取り、引きずりながらストックルームに入る。
もう死体がある事などどうでもよくなっていた。
ただ恐怖が僕を支配している。
…僕はきっと助かるハズだ
【1日目 23:00 屋上 1】
無傷ならいい。
執拗に聞かないでおこう。
それよりあの中学生が何故ついて来なかったのか?
疑問だった。
>>547「半村さんて言うんですね。あの古着屋さんの…ですよね?
私この下のHEROで働いてる白石です。」
彼女に自己紹介を終えると、コンビニが見える位置へ歩いて行った。
中学生の姿は見えない。
一人で残るなんて自殺行為だよ…無事なのかなぁ?
心配そうに眺めていると、遠くから雨音ともゾンビの唸りとも違う音が聞こえた気がした。
「ねぇ!聞こえません?」
全員の顔を順繰りに見て言った。
【1日目 23:00 屋上 2】
>>549「そう、古着屋の!白石さんかぁ、ひはー、覚えてるもんやなぁ」
さっすが私。お客さんの顔を覚えてるやなんて。
そういえば…にむ、どうしたかなぁ。まぁ私がこうして元気なんやから、
あの子もきっと大丈夫や。私よりしっかりしてるし、私より頭もええし、私より…
>>549そのとき、白石さんが何かに気付いたみたいやった。
この音…
心残りは、やっぱり少年や。少年、生きるんやで…死んだら何もかも無しや。
私は、生きる…
【1日目 22:00 キコマート10】…そう自分に言い聞かせた。
だが心の奧では諦めていた…。
消化器を置き、その場に体育座りになった。
数分間、膝に顔を沈めていた。
「お前に足りないのは『勇気』だな。」
…ふと矢神さんの言葉が浮かんだ。
その通りだ。だから喧嘩にだって勝った事がない。
だがこれはイジメじゃない、命が賭かってる。
「…駄目だ!待ってるだけじゃ殺される!!」
店内へ戻り。商品棚を窓際に押してバリケードを作る。
武器としてお酒の瓶を取った。ついでに大人ぽく、一口飲んでやった。
「…絶対、生き残ってやる」
【1日目 23:00 屋上3】
「あー、駄目だ‥こりゃ完璧に風邪ひくな、クソッ」
屋上から下を覗くとさっきまで居たコンビニが見える。
「そういや、あのガキに俺の携帯預けたままだ‥面倒だなぁ
あぁ‥そうだ、救助に来た連中に取りに行ってもらうとしよう…」
文句は言わせねえよ。
そこでジッとしてろよ‥クソガキ。
雨は相変わらず容赦なく打ちつける。
「んー、しかしあれだな…この雨じゃ救助なんて来ないんじゃないのか?
俺の嫌な予感はよく…」
音に反応して空を見上げる……
「あぁ…外れるんだ‥」
【1日目 23:00 屋上 4】
一人端に座り込み、煙草をくわえていた。
やめなきゃいけないよな・・・これも・・・。
うちの先生にもダメってゆわれてたっけ・・・。
ま、それも今となっちゃ昔の話、かな。
ボーっと、懐かしい何事も無かった日常を思い出す。
それがもう何年も前のことのような気がした。
しばらくすると、不意に音がした。
皆が見上げているほうを見る。
あぁ、俺は助かったんだ・・・。
喜びよりも、悲しみに似た感情が沸いてきた。
本当にもう昔には戻れないと悟ったような気がした。