仲の良かった友人との奇妙な体験について書きたいと思います。かなりの長文です。
彼は高校からの知り合いで大学も同じ大学へ進学した。
お互いあまり社交的な性格ではなく、地味なもの同士かなり親密で仲の良い間柄だった。
そんな彼が大学へ通い始めて半年ほどたった頃から急に変わり始めた。
それまで気にもかけなかった服装にお金掛け始め、口数が少なかったのが嘘のように社交的な態度になり、
学内のいろいろなところで彼がそれまで口をきいたことのなかった人と話しているのを頻繁に見かけるようになった。
恋人でも出来たのかと思い、尋ねてみると「いや、残念ながら違うよ」とぎこちない笑顔をみせた。
では、心境の変化はいったいなんなんだと訊くと、何かうまくごまかされて答えを聞くことが出来なかった。
自分も彼と同じように少しは社交的になるべく努力しようかと思ったものの、どうも気が乗らなかった。
それに彼も、社交的になったからといって、友人である自分と距離をおくということはしなかったし、
一緒に話をしたりする時間は減ったものの、それまでどおりの付き合いがあった。