◇ 心霊ちょっといい話 ver.9 ◇

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768本当にあった怖い名無し
心霊かどうか分からんが。


今から約10年前、犬を飼うことになった。
“リュウ”と名付けた。
家な○子に出てくる犬のように、賢い子になってほしいと思って。

玄関のちょうど真裏に小屋を置いて、そこで飼ってた。
繋いであるロープを外して、「よし、回って来い!」と言うと、リュウは猛烈にダッシュ。
先回りして玄関まで行きしばらくすると、足音が聞こえる。
するとリュウが、尻尾ブンブン振りながら、全速力で玄関まで走ってきて、お座りをする。
これが散歩前の恒例の儀式?みたいなもんだった。

今から一年半前のある日。
散歩に行こうとしたら、リュウの様子がおかしいことに気付いた。
次の日病院に連れて行くと、末期のフィラリアだと診断された。
色々手を尽くしたが、「もう成す術がない」と医者から告げられた。
ご飯をあげても食べない。水さえも。
食べたくても、胃が受け付けずに吐き出してしまうんだ。
自分達は、リュウが衰弱していくのを見てるだけしかできなかった。

そして、自分達が朝起きる前に、リュウは逝ってしまった。
「助からない」と告げられてから、二週間後のことだった。
その日の昼12時前に、近くの墓地に埋めた。
天国では、何にも縛られずに走り回ってほしかったから、首輪を外しておいた。

それから毎日泣いた。
「なんでもっと早くに病院に連れて行かなかったんだ」
「安楽死させてやった方が、リュウも苦しまずにすんだんじゃないか」
とにかく自分のせいだとずっと責めた。
769本当にあった怖い名無し:2006/07/12(水) 00:06:06 ID:u3px1Uz40
リュウが死んでちょうど一週間後。
その日も泣いていた。
泣き疲れて、コタツでうたた寝してたら、ある夢を見た。

夢の中でも、同じようにコタツで寝てる自分がいるんだ。
ふと気配を感じて、慌てて飛び起きた。
絶対にリュウだと思った。
コタツのある部屋のすぐ隣が玄関なんだが、すぐさま玄関まで行くと、
リュウの足音が聞こえてきた。

しばらくすると、全速力で走ってくるリュウが見える。
そしていつものように、尻尾をブンブン振りながら、玄関先でお座りをした。
私は嬉しくて仕方がなかった。
泣きながら、頭をぐりぐり、ずーっと撫で回してた。

しばらくすると、リュウがスッと立ち上がって、私から数歩離れた。
そしたら、リュウが金色の砂のようになって、サラサラと崩れていった。
下から風に吹かれているかのように、舞い上がって消えた。
上からは光が射していた。
例えるなら、パ○ラッシュとネ○が天国へ旅立つあのシーンw
この世のものとは思えないほど、キレイに光って消えていった。

そこで夢から覚めた。
コタツで寝てたはずなのに、玄関先で寝てるんだよ自分。
いくらなんでも、そこまで寝相悪くないんだがw
ふと時計を見ると、リュウを埋めた時間と同じ、昼12時前だった。
夢の中では、外してあげた首輪もしてた。

苦しい死に方をさせてしまったから、絶対に恨まれていると思っていたが、
それでも夢に出てきてくれただけで、本当に嬉しかった。

長い上に、読みづらくてスマソ。