1 :
本当にあった怖い名無し:
2?
3GET
4
次スレなんてたてなきゃよかったのにっ!!
>>1乙
濡れ3話>詳細キボン
8 :
本当にあった怖い名無し :2006/02/11(土) 20:36:39 ID:sxz4IyfmO
あっちで誘導あったから来て見たが
あっちのが本スレっぽい雰囲気だなぁ
あっちの1です
こっちの方が早くたってるんでこっちが本スレで良いと思います
あっちはあのままdat逝きと言うことでお願いします
なっ、何よ。
こっ、こっちが本スレだと思うからきただけ。
……べっ、別に誘導なんかされてなんだからッッ!!!!!
>>10りょーかい
>>1乙
そして、多くのツンデ霊の語り手達に最大限のグッジョブを!
重複のほうが落ちたので、そっちに書き込まれたやつを救出貼り
10 本当にあった怖い名無し sage 2006/02/11(土) 21:29:24 ID:7pkplBsP0
「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」
「最近ずっと尾けてたのはオマエか」
「そうよ」
「1日100件のキチガイみてーな無言電話もオマエか」
「そう・・・(100件?)」
「風呂場にこれ見よがしに髪の毛落としてったのもオマエか」
「・・・ふふ」
「俺の女に脅迫状送りつけたのもオマエか」
「・・・・・・」
「下着盗んでいくのも」
「!!ば、バカじゃないの?な、なんで私メリーさんがそんなコト・・・!」
「俺のたてぶえよだれまみれにしてくのも」
「?!ち、ちが・・・っ!?そ、それは私メリーさんじゃ・・・」
「俺の半裸の寝姿の写真をホモ雑誌Badiに投稿したのも」
「に、逃げて!そこからはやく!超逃げてー!!」
かわええw
>超逃げてー!!
に萌えた
ほ
よっしゃ。モレも投下するでぇ!!近いうちに(笑)
18 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/12(日) 11:17:25 ID:gDVOiY3N0
>>1 性懲りもなくスレ立てて、ばっかじゃないの!
とりあえず1000レスまではつきあうけど、後は知らないからね!!
飼い猫のミミが死んだ。
だが次の日ミミは帰ってきた。
猫耳を着けた人間の女の子になって…
人間の言葉を話し、人間の姿をしていても性格は猫の時のままだった。
「お帰り、ミミ…」
「別にっ…あんたの為に帰ってきたわけじゃないんだから!
ただ、あの世には下僕がいないから…そっ、それだけよっ!」
「ミミっ!」
俺は再会の感動で、以前のように抱っこしようとした
「にゃっ!ちょっと!や、やめてよっ!!フーッ!!!」
怒らせちゃった。
抱っこがダメなら喉をナデナデ攻撃だ!
「ゴロゴロゴロ…はっ!ちょっ、止めてよ!」
516 :列島縦断名無しさん :2005/09/25(日) 11:31:11 ID:NxlwKFeS0
北見の某ホテルなんだが、寝てたら隣の部屋(?)から
「ふふふ・・・・・ふふふ・・・・・・」と女の笑い声が聞こえてくる
結構気になるくらいの音で、時間も3時だったので
頭に来てフロントに掛けて注意してもらおうとした
「??え、隣空室ですよ」
・・・・・俺も疲れていたので、余り考えないようにして
また部屋の電気を消して寝た、すると
「ごめんなさ、うるさかったかしら?」
天井から声が、ちょうど白いものがへばりついてる(近眼だからみえない)
スーッと消えましたが
そのままガクブルで朝まですごしました
何の改変もしていないんだが、これは素直クールに分類されるのだろうか?
数日後、俺が居間の窓の辺りで漫画を読みながら日向ぼっこをしていた
するとミミが近寄ってきた。
ミミの視線は俺の存在を明らかに無視していた。
でもミミ、俺の足踏んでるww
「べっ、別に触れていたいわけじゃないもんっ!下僕が逃げないように見張ってるだけなんだからっ!」
素直じゃないなあw
少ししてミミは何かに反応して急いで外に飛び出してった
「ちょっと出てくる!私がいないからって遊び行っちゃダメだからね!!」
と言い残して…。
数時間後ミミは帰ってきた。
「はい、コレ…」
そう言って俺に小さな箱と手紙を渡すと、走って部屋に行ってしまった。
手紙を開けて見た
『一生懸命獲りました。今日はバレンタインデーだから…。
かっ、勘違いしないでよっ!義理なんだから!!』
箱の中身はネズミだったorz
食えないよ、ミミ…
一ヵ月後、ミミは外出したまま帰ってこなかった…。
動物は死ぬ時になると、人前から姿を消すらしい。
いよいよ本当の別れなんだと解った。
ミミの最後の言葉、
「猫耳モード♪」
忘れないよ
GJ、感動した
お前等もう何でもありだな。
25 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/12(日) 20:02:00 ID:unPjAL0O0
猫耳もオカルトも大型車両も大好物です
26 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/12(日) 20:05:11 ID:LZ1sVDkl0
現場のブルドーザーが死んだ。
だが次の日ブルは帰ってきた。
ブル耳を着けた人間の女の子デブになって…
GJ、感動した
雨の日に、十字路になっている交差点で信号待ち。
道の向こうに全身がもやもやした影みたいのに包まれた女の子が立っていた。
異様な気配を感じてその子をじっと見ていたらすーっとその子が寄ってきて、
すれ違いざまに「よく気付いたね」と小さな声で言って通り過ぎていった。
聞こえるかどうか分からないけど、伝えなきゃ、と思ってこう言った。
「そりゃ気付くよ」
その瞬間、だだだだっ、と背後から足音が響いてきた。
やがて足音の主は俺の前に回りこんで急ブレーキ。水しぶきがあがる。
「な、なんて言ったの今っ!!」
「いや……だから、そりゃ気付くよって」
「どうして!」
「君の名前も知らないけど……いつも通学時間、ここですれ違ってたよね?」
「う、うん……学校違ったから」
「君とすれ違わなくなってから、この近くで女の子が
交通事故にあった、って聞いて……もしかしたらと思ったんだ」
結局、その子の名前もわからないままだった。
それから今日まで一ヶ月近くの間、彼女の姿を見ることはなかった。
お前等もう何でもありだな。
「…………ふ、ふん。ボク霊感あるんだよスゴイっしょー、って? ばっかじゃないの?」
「うん、馬鹿かもしれない」
「なによそれ。何が言いたいの?」
「生きてるうちに告白できなかったなんて、大馬鹿だなってこと」
「………っ! そ、それって……その……」
真っ赤な顔でこちらを凝視する彼女。雨の中でも彼女の制服は濡れていない。
ああ、やっぱりこの子は亡くなってるんだな、と思って少し胸が苦しくなる。
「君のことが好きです。名前も知らないけど、好きでした」
「あ……ぁ……う…………え、っと………」
もじもじと手を動かしながら俯き加減でしどろもどろ。
可愛らしい仕草をじっと見つめる。雨はまだ止まない。
「過去形になっちゃうのが悲しいけど……本当の気持ちだよ。
もっと早く言えば良かった」
「……過去形じゃ………ぃゃ…」
「え?」
「……だから! 勝手に過去形にしないでって言ってるの!」
「だって……」
彼女は亡くなってる。どうすることもできない。
「も、もうちょっとだから、その………待ってなさい! 命令だからね! いい!」
「待つって……何を?」
「い・い・か・ら・黙・っ・て・待・つ・の」
「ワカリマシタ」
幽霊に胸倉掴まれて意味不明な脅迫をされたのは俺くらいだろうなあ、と他人事のように考える。
「待て」ってなんだろう。取り憑かれて連れて行かれちゃうんだろうか。
「約束だからね……破ったらマジ祟るから。貞子なんて目じゃないんだから」
「う、うん、待てばいいんだね? よく分かんないけど、とにかく待つよ」
「ん。……じゃ、じゃあ、ばいばい!」
「あっ………」
くるっと踵を反して駆け出す彼女。
雨にけぶって見えなくなっていく細い背中を呆然と見送る。
ああ――また名前を聞きそびれた。
数日後、市内某総合病院で交わされたとある会話
―訊いた? 201号の患者さんの話
―意識戻ったらしいねー……このまま植物状態かもって言われてたのに
―あんな若い娘がそれじゃあんまりだもんね、ともかく良かったわ
―でもなんで突然……先生だって匙投げてたのに
―ねえ?
生霊はダメか? ツンも足らんような気がするが、頑張ってみた。
ハッピーエンドは大好きだ!!
きわめてGJ
漏れもハッピーエンドは大好きだ
レプとか478キボン。うん。かなり切実…
大変GJだお(`・ω・´)
感動した
GJ!!
>「ん。……」
の部分が、「背伸びしてホッペにキスしてる」という気がしてならない
華奢ーん見たばっかだからかリアルで泣きかけた
大変おいしくいただきました
GJ!
ある真夜中の事、初めて金縛りにあった
ふと暗闇の天井の片隅を見ると女の顔がこちらを見ているではないか
一瞬心臓が飛び出るかとおもったが、よく見ると髪はショートで顔のパーツも整っていてなんか可愛い
「えと…なに見てんの?」
「はあッッ?!バカッ?!貴方の目は節穴ですか?!
私白目なのよ白目?
貴方は白目で回りがみえるっての?」
そうわめき立てながら壁から抜けだしこちらに顔を近づけて来た
その途端甘い香りがふわっと漂い、心地よさに俺は香りを堪能しようと目を閉じ彼女の腰に手を回し引き寄せた
「ちょっっっ!!!人が怖がらせて楽しもうとしてんのに何故目をつぶる!!!
あと何この手は?!痴漢!キモオタ!死ね!」
「いや香りが落ちつく…ちょっとそのまま」
彼女の罵倒を気にせず髪に顔をうずめると彼女は急に大人しくなった
香りもいいがヒンヤリとして気持ちいい
「…バカ…死ぬまでそうしてなさいな…」
その日はそんなこんなで寝てしまったわけで…
今ではその娘は俺の抱き枕状態です
恥ずかしがって青白い顔を真っ赤にさせるのが俺の楽しみですw
なんか萌えないなorz
みんなゴメン
>>32 目から汁が、汁がぁ・・・。゚(゚´Д`゚)゜。
>>41 >「…バカ…死ぬまでそうしてなさいな…」
この台詞イイ(*´д`*)
>痴漢!キモオタ!死ね!
おっきしたおw
発表される作品を見て思ったんだけど、
デレ多め派が多数をしめてるのかなぁ?
俺のようなツン多めが好きなのは少数派ですか?
んー、また◆D60106Bc4sさん何か書いてくれないものか……
あのぐらいのツンがツボなんだよなぁ。
ここに限らずデレ多めになるのは、単純に
ダイジェスト化するのでツンが省かれがちになる
ってのが一つの理由だと思う。
(ツンの過程は前提というか暗黙の了解みたいな)
問題は、ツンデレってのはそういうもんだと思って
それを拡大再生産しちゃう人が増えたことだな。
その結果が昨今蔓延る“どもりがちに「〜〜なんだからねっ!」”
という記号化なのではないだろうか。
ツンデレという様式自体は昔から存在するものだったが、
それに“ツンデレ”という記号を与えてしまったが為に、
記号が独り歩きしてゆく……それはまさにツンデレという
ミームが発生し、進化してゆく様そのものであると。
でも素ツン義理ナチおあずけ乱視はやっぱ無理だったなぁ。
44の言うとおりや!!
>32
月宮あゆを思い出した俺は、もうダメポ。
48 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 07:24:54 ID:bpUvl0U/O
夜中に息苦しくて目が覚めた。
見ると髪の長い女が俺の胸を足で踏み付けていた。
「…なにしてんの?」
と聞いてみると
「見てわかるだろう?
貴様の薄汚い胸をふんでいるのだ!」
と薄い胸をはって誇らしげに答えてきた
「ぇ…なんで?」
「特に理由はないッ!
こうしていると何となくたのしいのだ!
不満があるのか?
虫ケラが!」
「いや、痛いからやめてほしいんだけど」
「…貴様ごときクソ虫野郎が、この私に指図だと…
身の程を知れィ!」
足刀で喉仏を粉砕されました
ツンデレ初心者且つ形能でも可でつか?
53 :
49:2006/02/13(月) 13:05:01 ID:ZIz5ZPe0O
俺は幽霊なんてものには全く関わりがなかった。少なくとも、今まで。
しかし今日、生まれて初めて幽霊というものを見た。女の子だ。視力はそう良くはなく彼女の向こうにある箪笥の輪郭はぼやけているにも拘わらず彼女だけははっきり見えるのが不思議で仕方ない。
ベタなホラー映画に出てくるような幽霊と違って髪はそこまで長くないため、まだ幼さの残るその顔も確認できた。とても悪い霊には見えないが油断した隙に…なんて考えるとやっぱり怖い。
俺は取り敢えず台所から塩と皿を持って玄関に向かった。盛り塩とやらをやってみることにしたのだ。戻ってきたときにいなっている可能性だってあるし、やってみて損はないだろう。
「はっかったっのっ塩っ」
恐怖を紛らわせるためにその歌をエンドレスリピートで歌いながら玄関先に塩をセッティングした。が、その時。
54 :
49:2006/02/13(月) 13:06:49 ID:ZIz5ZPe0O
「いい加減にしてくれない?あんたの下手な歌延々延々聞かされて耳が腐ったらどうしてくれんのよ」
「へ?」
不満げな声に振り返るとそこには先程の女の子が立っていた。いかにも不機嫌そうな顔でしゃがみ込んだ俺を見下ろしている。
「なん、ですか?」
「だぁかぁらぁ、その下手な歌やめなさいって言ってんの」
恐る恐る訊ねると、俺の目に刺さらんばかりの勢いでびしっと指を突き付ける彼女。
「・・・もう歌ってないよ?」
「むむむ…ヘリクツ言うな!」
俺の返答は彼女を更に怒らせてしまうものだったらしく、彼女はそっぽを向いてしまった。
しかし歌だけでここまで嫌われることになろうとは。たとえ幽霊であろうとも乙女心は男の俺には理解し難いものなのかもしれない。
「なんかわかんないけど、ごめんな?」
「何よわかんないけどって。謝る気あるの?」
「いや、その、今のは言葉のアヤで…」
「そうやって言い訳するとこ、昔からだいっきらい!」
しどろもどろになる俺に彼女はぴしゃりと言い放つ。
55 :
49:2006/02/13(月) 13:08:11 ID:ZIz5ZPe0O
「昔からってお前俺の何を知って…」
反論を全て言い終える前に、突然俺の脳裏にある映像が蘇った。
───ずっとずっと忘れないからね、もう忘れてくれって頼んだって忘れてあげないんだから!
それは幼い俺と彼女の別れの日、彼女が車窓から精一杯俺に手を振る彼女の姿。
「・・・やっと思い出した?」
彼女はそこで初めて笑顔を見せる。その笑顔を見た途端、自然と涙が込み上げてきた。
彼女は本当に忘れないでいてくれたんだ。それなのに俺は…。
「ごめん…ごめん…」
俺は泣きながらあの頃よりも大人びた彼女を抱き締める。勿論彼女の身体に触れることは出来ないけれど、気持ちだけは近付けるように。
「いいよ、そんなに謝らなくても…あんたがバカだってことはあたしが一番よーく知ってるんだから」
彼女は最後の最後まで憎まれ口を叩いて俺の前から姿を消した。
「もう絶対忘れないからさ…また逢いに来てくれよな?」
誰もいなくなった空間に問い掛けると、耳元で「当たり前じゃない」と彼女が笑った。
長々お付き合いありがとうございました。
全米が泣き崩れた
。'(ノД`)゚,
超イイッッ!!!gj!!!
全米って意外と泣き虫なんだなw
ともあれ初ツンデ霊で緊張してたからそう言ってもらえるとありがたい限りですん。dd!!
58 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 16:01:01 ID:bpUvl0U/O
喉仏も治った頃、また夜中に寝苦しくて目が覚めた。
あの髪の長い女が俺の腹に腰掛けて漫画を読んでいた。
「あの…ドイて下さいませんか…?」
と懇願してみた。
「却下だッ!
この私の敷物になれる光栄にむせび泣け!
このゴミヘドロが!」
「いや…でもこのままじゃ眠れないですよ…」
「ほぅ…座布団の分際で抗議とは偉くなったものだな?」と
ぐりぐりと足で顔を踏み付けてきた。
「ちょ…痛いから止めて」
「黙れ!
このチンカス野郎がァ!
眠りたければ眠らせてやる!
永遠になッ!」
脳天に強烈な踵落としを食らい、目が覚めたら集中治療室でした。
俺「毎日ダルいな」
霊「働くがよい」
俺「便所いくのもメンドクセ」
霊「げえむをする気力があるのにか」
俺「あーフィルム足んねぇ」
霊「私の前で零とやらはやめてくれ」
俺「セックスしてぇ」
霊「連れ合いを探す努力をしてから云うのだな」
俺「メンドクセ」
霊「ただの負け惜しみにしか聞こえぬぞ」
俺「うるせーな小姑かよ」
霊「守護霊だ。感謝しろ」
俺「守ってもらわなくても死なねーよ」
霊「いや、死ぬ」
俺「……」
霊「……」
俺「マジで?」
霊「死ぬ」
俺「……そーいやおまえよく血まみれになってるけど」
霊「よく階段から落ちるのだ」
俺「階段から?」
霊「階段から」
61 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 17:43:18 ID:Hg17KXbHO
62 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 18:20:28 ID:0pybi9f80
とりあえずなぜ 「truck」 なのか聞いておこう。
>>60 >俺「あーフィルム足んねぇ」
>霊「私の前で零とやらはやめてくれ」
w
65 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 21:02:33 ID:8kLhL9qkO
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1134399217/730 730 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2006/02/13(月) 22:47:43 ID:m4QZUK2p0
ある日、俺は花咲く森の道を歩いていた。そしたら、突然、目の前に熊が現れたのだ。
俺は、突然の出来事に、どうしていいのかわからずに固まっていたところ、突然熊が、
「ふ、ふん!アンタなんか逃げてもすぐに追いついて食べられるんだけど、まあ、
逃げ切れると思うんなら、試させてやってもいいわ。」と言い出した。
俺は、(ここは逆らってはいけない)と思い、無言で後ろを向いて走り出した。
しばらく走った後、ふと、後ろを確かめてみると、なんと、さっきの熊がトコトコトついて来る。
熊との距離はどんどん縮まり、ついにはすぐ後ろまで来たところで再び熊が言った。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。これ、落としたでしょ。」それは白い貝殻の小さなイヤリングだった。
「あっ、そ、それ。」俺が思わず立ち止まって答えると、熊は「あっ、か、勘違いしないでよ?
別にこれを届けてあげるために追っかけたわけじゃないんだから、あたしはあんたを食べるために・・・。」
俺はちょっと熊が可愛くなり「ありがとう。」と礼を言った。すると熊はあわててこういった。
「ば、馬鹿じゃないの!あたしはアンタを食べようと・・・・でも・・・あんたがどうしてもっていうなら、
一緒に踊ってあげてもいいわよ・・・。」
>>60 GJ!
すごく続きが気になる。
いや続きがあるかどうかわかんないけど。
>>60 あー、俺こう言う雰囲気好きだわー。
小ネタ面白かったし、また気が向いたら書いて下せぇ。
俺は引っ越しが多かった
どの街も印象に残っているが一番始めに居た街だけは忘れられない。忘れちゃいけない。
教室、
「なんだ転校するんだ。ふぅーん。」
なんとも思ってくれないんだ
「で?何が言いたいの?用がないなら帰らせてくんない?見たい番組あるんだけど」
言いたい。 言えない。
「転校するってだけ?だったら帰るわよ。じゃあね。」
行かないで。言うから、絶対言うから。
誰もいない
「あ"ー」なんか出てしまった一言、鬱憤の矛先だ。電車に3時間も乗っていれば言いたくもなる。
13年経っても町なんてのは大して変わらないわけで記憶の断片を探り俺の旧家に行くことにした。
借家ではあったが俺の住んでいた家に変わりはない。次に俺はそこから3軒目の家に目を向ける
あいつの家だ。変わってない。庭も表札も。つい足を運んで見入ってしまった。
「うちになんか用?」
いつの間にか隣に若い女がいた
こっちをふてぶてしく見つめている
「あっ?いや、ね?怪しいもんじゃないですよ、いやすいません。」
(そりゃ自分の家がワケワカラン男に凝視されていたら怪しむよなぁ。立ち去るか。…………こいつの家!?)
俺はそいつの顔を見て確信した。面影が重なる。
「おっおまえっ」
「警察ですか、今家の前に不審なおとk」
(呼んでるっ……… 警察をっ……………)
「っちょまぁぁぁぁぁっぁぁあぁぁぁっぁぁっぁっぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁ
ぉ俺だ和真だ思い出せ俺はまだ娑婆にいてぇよぉぉぉぉぉぉぉぉ」
俺はそいつの肩を掴んで訴えかけようとした
ガッ
グーで殴られた。痛い。口の中切れた。あっ、鼻血出てきた。
そいつは携帯の電源を押してからポケットにしまうと倒れた俺を蔑むような目をして言った
「なんだあんただったの?てっきり 死 ん だ かと思った。」
「…………勝手に殺すんじゃねぇよ。」
「ずい分と口がでかくなったわね、あの頃のあんたとは大違いね」
「悪いね、人は成長するんだ。環境が劣悪なほどワイルドにね」
立ち上がるとそいつは俺にハンカチを渡してくれた
「ふんッ、なにがワイルドよ。さっさとそのみっともない体液拭きなさい。」
「ったく、引越し初日から最悪だ。」
「あっそ、あんたの事情なんて知らないわ。じゃあね。」
そいつは身をひるがえすと去って行こうとした。どうやら来た道を戻るようだ。
じゃあなんでここに来たんだよ。完全に背中を向けたそいつに声をかけた
「ハンカチ、サンキューな。凛」
数日が経った
アパートでの生活も慣れてきて時間的な余裕も出てきた、ふと洗濯をしていると
ハンカチが目に留まった。凛のハンカチだ。返すか。時間あるし、休みだし。
思い立ったらすぐ行動するのが俺の良いところだ。凛の家にはすぐついた
インターホンを押すと凛の母親ができてくれた。
「覚えてますか?和真です。ちょっとr」
「あぁカズ君?大きくなったこと、ほらほら上がってお茶淹れるから」
おいおいこんなに容易に人を家に上げるかよ。それともまだ俺が幼く見えるだけか?
くだらない葛藤している間に凛の母親が来た。
「はいカズ君、お菓子は適当に食べていいからね」
「ありがとうございます………」
ただハンカチ返しに来ただけなのに……………、するととんでもないものが目に入った。
仏壇だ。でも誰の?3日前俺は凛にあったが家族は元気だと言った。父も母も弟も。
じゃあ誰?誰なんだ?さらに見てはいけないものを見てしまった。
凛だ。遺影には先日あった凛より幼い凛が写っている。
驚愕の眼差しで遺影を見つめる俺に母親は言った。
「ありがとうね、線香あげにきたんでしょ?凛喜んでるよ。いつも仲よかったもんね。」
「……ぁあ、そうでしたね。あいつにはいつもやられましたよ。」
ハハハなんて母親と笑っていたがわけがわからなかった。
俺はこの前借りたハンカチを返しに来たんだ。線香?そんなもんあげに来たんじゃない。
嘘に決まってる。下手な嘘だ。しかし嘘は紛れもない本物で俺は自分自身に嘘をつくことになった。
ハンカチを返しにきた自分に嘘をつき俺は線香を立てて凛の家から去った。
なんか虚ろな顔をして家に帰った。まだ午前中だったがこれ以上外に出る気がしなかった。
俺はハンカチを返す事を口実にデートに誘おうとしたつもりだった。こんなはずじゃなかった。
「わかんね、わけが、まったく。」
2月でもまだ寒い。コタツに入ってテレビを点けてるが内容が頭に入らない。当然だ。
幼馴染が死んだんだ。大好きな人がこの世にはいない事になっているんだ。
引越しをしても凛は好きだった。他の人も好きになったが凛より好きにはなれなかった。
いつの間にか寝てしまったみたいだ。6時半。出勤まではあと1時間半ある。余裕。
携帯が目に入った。 Eメール受信 1件 知らないアドレスだ。
件名 凛
内容 明日バレンタインデーでしょ。あげるわ。
明日いつもの公園に来なさい。
凛!?ハァ!?あいつは死んでいる、でもこの前会った、携帯持ってた、でも死んでいる……
行くべきだ。知らなければ、真相を。決心した。凛に会う。本物でも偽者でもいい。
よし7時半だ。 かいしゃ 遅刻確定。
しかし決心したとはいえ吹っ切れはしなかった。仕事はおぼつかないし何もかも上の空。
凛の事しか頭に思い浮かばない。
「あー終わった。」
タイムカードを押した俺は真っ先に公園に向かった。小さい頃いつも遊んだ…………否、
弄ばれた公園だ。いつも凛は俺を玩具にしてた。
8時だ。明日までまだまだあるし12時に来るとも限らない。だが心中穏やかだった。また会える。
俺はベンチに座って缶コーヒーとパンをむさぼる。寒い。缶コーヒーを握る手が強くなる。
もう3時間経つ、あと少しだ。と思った矢先。
「なにしてんのよ?」
「ぅおお!!」
「何?その驚きかたッ!?人のこと馬鹿にしてんのッ!?」
そりゃそうだ、死人が目の前にいるんだ。驚かないわけがない。しかし冷静を装う。
「あっハハ、悪い。いきなりだったからな。」
俺の隣に凛が座っている。シャンプーだろうか、いい匂いがする。
お互い喋らない。まるで付き合ったばかりのカップルだ。
「ねぇ」「おい」
同時だ。気まずい。しかし凛はかまわず喋り続ける
「あんた、家に来たでしょう?」
同じ事を言おうとしていた。
「行ったよ。お前死んでるんだってな。なんで教えてくれないんだ?」
悲しい。こんなこといってる自分が悲しい。
「なんで教えなきゃいけないのよッ!?死んでても私は私でしょ!?冗談じゃないわよッ!?
思い上がるのもいい加減にしてくんないッ!?」
半ギレだ。知られたくなかったんだろう。俺はうつむいた。
「……………違う、ショックだった。だってただ俺はハンカチ返しに来ただけなんだぜ!?
なのになんで………おかしいよ。」
涙が出てきた。
「ちょっとなに泣いてんの!?男でしょ!?見っとも無いわねッ!!」
思わず立ち上がってしまった。
「好きな人が死んだのに笑ってられるかよっ!!これが泣かずにいられるかよっ!!」
さりげなく告白してしまった。でも後悔はしてない。
「………………私だって死にたくなんかなかった。」
凛まで泣き始めた。
「私だってまだあんたと一緒にいたかった。できればこれからもずっと。」
「ごめん、凛」
「あんたは悪くないわよ。私が間抜けだから事故にあっただけの話」
凛は死因を話してくれた。どうやら凛は9歳の時に車に轢かれたらしい。
原因は相手の前方不注意。
お互い落ち着いてきた。11時52分。あと8分で明日がくる。
「あんたさ、さっき 好きな人が って言ったわよね?」
「ぁああ?言ったよ?俺は凛が好き。大好き。」
これが吹っ切れるってことなのかな?簡単に口が動く。凛は顔がもう真っ赤だ。可愛い。
「…………よくそんなこと言えるわ。呆れた。」
「何度だって言ってやる。好き。大好き。超好き。」
「ハッ、馬鹿じゃない?ずっとやってなさい。」
いつもの凛に戻ってきた感じだ。時計はとっくに12時を過ぎている。今日が来た。
隣で凛がもじもじとしている。そう思うと手に持っている箱を俺に押し付けてきた。
「ほっ、ほらっあげるわよッ!!どうせ誰からも貰えないんでしょ!!ありがたく食べなさいよッ!!」
「ありがとう、大事にするよ。」
「大事にってあんた、食べ物なんだからちゃんとたべなさいよッ!」
「わかってるって、ちゃんと食べるよ。」
俺は箱のひもを解きチョコを一つ食べた。
「どう?おいしい?ねぇ?」
「うまいよ。すごく。」
「そっそりゃそうよねぇ。私が作ったんだから不味いわけないのよっ」
その後も俺は食い続けた。と言っても6個しか入ってなかったが。
食べ終わってまた沈黙が流れた。またしても凛が口を開く。
「そろそろ……………帰らなきゃ」
「えっ、それどういうことだよ。」
時間が無限にないことはわかっていた。でも早すぎる。まだいてくれよ。頼む。お願いだ。
「ちょっと立って、私の前に立って後ろ向いて。」
「えっ?なんで?」
「いいからあんたは私の言うとおりにすればいいのッ!」
しかたなく俺は凛の前に立った。そのままいなくなるんじゃないかと思いつつ。
すると凛は淡々と喋り始めた。
「しかしあんた背高くなったわねぇ。昔はチビだったくせに。」
まただんだん涙が込み上げてきた。
「あんた向こうで彼女とかできた?ま、いるわけないか。あんたなんかにいたら
少子高齢化なんてとっくに解決してるわ。聞くだけ無駄だったわ。」
よせよ消えるならさっさと消えてくれよ。
「なんかさっきから肩ヒクつかせすぎ、もう泣くの止めなって。男でしょ?」
「あと私のこと追おうなんて考えないでよッ!あんたの世話なんてみたくもないんだからッ!!
わかったッ!?」
俺は黙って頷いた。
「よしっ、こっち向いて良いわよ」
いやだ、きっと振り向いたらいないに違いない。だめだ。振り向けない。
さよならすら俺に言わせてくれないのかよ。
「さっさとこっち向きなさいッ!!あんた日本語忘れたのッ!?」
「はっハイィィィッ!!」
凛がいた。それも目の前に。
次の瞬間凛の唇が俺の頬に触れていた。
放心状態の俺に凛は言った。
「誰があんたみたいな中途半端な別れ方するのよッ!?頭悪いんじゃないッ!?」
「なっ、覚えてたのかっ!!」
俺が転校する直前のことを覚えてたんだ。
「だけどこんどは私がそれをする番。次こそさよならね。ありがとう和真。 だいすき。」
凛の姿がぼやけてくるのと同時に涙が溜まってきた。俺は相当泣き虫らしい。
でも今涙を拭ってはいけない。きっと凛までいなくなるから。
しかし、溜まった涙が流れると同時に凛もいなくなった。
午前1時半、俺は家についた。チョコの入っていた箱を持って。
玄関をくぐり、座り込んでしまった。
クシャ
なに?今の音?この感覚?半泣きの俺は上着を脱ぎ、上着の背中を見た。
紙が貼ってある。
「僕は素人童貞です」
おいおい、俺はこれ貼ったままここまできたのかよ。馬鹿みて。
これのために後ろ向かせたのかよ。くだらなくて笑いが出てきた。
裏にもなんか書いてある。
「がんばって」
おめーもだよ。らしくないこと書いてくれたもんだ。わかったよ。やってやんよ。
あー、今日も仕事だ。寝よう。 凛、お休みな。
。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン、G━━J。
此れで終わりなのですか
(;´Д⊂)2人は幸せにな、なるよね?エピローグとかあるんだよね。
大変よかったお。・゚・(ノД`)・゚・。
あれから三日が過ぎた
あの女との戦いはまだ続いている
古雑誌とまとめてチリ紙交換に出すという暴挙によって
大切な戦友を失った俺は新たな友を求めて新しい町の本屋を開拓していた
そうして発見した本屋で見つけた友を手に早速帰宅
晩飯を終え、トイレも済ませ、そうこうしているうちに夜は更ける
…………妙だな
時刻はとっくに11時を過ぎている
俺の計画に気づいたのか? 勘のいいやつめ
翌日、昨夜の失敗を反省した俺は作戦を変えることにした
まず友の中身を小説に替える、俺は文字でもイケル口だ
当然カバーを一般小説のそれと交換しておくことも忘れない
それを読む俺も普通の小説を読むふりをする
そして時計が11時をさしたとき、再びあの視線を感じた
バカめ、飛んで火にいるなんとやらだ
しかしここで焦ってはいけない
俺はイメージと息子を膨らませ、ゆっくりと振り返る
いつでも発射できる態勢を取りつつズボンを下ろした俺の目に、
ニヤニヤと笑う女と、その右手に握られたティッシュ箱が飛び込んできた
しまった! その手があったか!
おもむろに立ち上がりティッシュ箱に手を伸ばす……はずが、
中途半端に下ろしたままのズボンが足に絡む
やばいと思ったときには俺は衝撃に耐え切れずカルピスを溢していたのですが、
どう見ても精子です
本当にありがとうございました
真っ赤な顔で俺を睨みながら女は消えていった
勝利と引き換えに大切な何かを失った夜だった
82 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 05:33:59 ID:+SsaUt/hO
>>48、
>>58の続きデス
無事退院してゆっくり休んでいると、夜中にいきなり頭を蹴りとばされた。
「ハッピィィ!バレンタイーンッ!
さっさと起きんか!
このウジ虫が!」
あの髪の長い女が枕元に仁王立ちしていた。
「歓喜に震えるがいい、ゲス野郎!
この私が慈悲を垂れてくれるわ!」
83 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 05:35:15 ID:+SsaUt/hO
「えぇっと…チョコですか?これ?」
「貴様の脳だけでなく目も腐ってるのか?
チョコに決まっておろうが!
さぁ、獣のように浅ましく貪れ!」
無理矢理、口に押し込んでくる女。
「あ、アリガトウゴザイマス…(もぐもぐ)」
「…ククッ…まるで白痴だな…魯鈍な…ククク」
「え?今なんて言ィイイイイィィ…アァ?レェェ…?痺…」
「ハハッ!どうだ?
アフリカ象すらマヒさせるシビレ薬入りのチョコの味は!?」
「〜!〜!」
「ハハハハハ!
下卑な豚め!
なんて惨めなざまだ!
貴様のその絶望に満ちた表情を見るとゾクゾクするなァ!
まさに最上の見せ物だ!
ハーッハッハッハッハ!」
5日後、家賃を回収に来た大家さんが発見してくれたので衰弱死はなんとか免れました。
84 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 05:40:45 ID:nQjybo+o0
やばい…70かなりGJ
__ ,、-‐ '´:::......`!‐''"~`ヽ、
/;;;;〃;;>'´,、::.、:::::::;、'' ‐-:、._ :::::::::::\、‐:.ii''''';;,
|;;〃//::::_::::`''゛ ヽ :::::::::ヽ;;;;ヾ;;;;l
‐ '''>-:'-/ ,/ ''"´..,ゝ ゛`ヽ ヽ:;:::::::\;;|!;|_,.、-
/゛/::::;. '゛,: ./ /::ヾ ,ヽ `ヽ;!::/"'‐-..、
'゛ /::;'/::;;/...: .: , ヽ ',.... :.. ':,:\:::....ヽヽ \ヽ.
i :/i ,;:''::i..::::: .:::; ,' : ::..!;::::::....:::. ',:...`,‐::、ヽ ':,:::', ヽ
!/ |'゛l::::l::::/ .:::/::/'i:... i ::. ::::lヽ:ヾ:::::::. ':,::::',:ノ`ヽ ',::i
l::::| ::i ::i ..:::/l:/__ ';::::l ::::. i :::|__ヽ!\::: ト;:::l_; l:. ',:|
ヽ:| ∨| :/'"|,、;ッ、ヽ:ト、:: i,゛|,、-,、"'ヽ. fヽ!} l:: `l
`! i :ヽ/ヽヾ ゞ:ソ ヽ |!/ !'::ソ`>'ハ :|,.イ', l:: ',
l i ::::::l::|:', ´ ヽ! `゛ /``!::::l:. ', l::::. ',
l i ::::::l:::|::ヽ :! ,:':i:::::::i::::';::. ', l:::::. ',
',! ::::::l::|:: l`:..、 `'''" /!:::l::::::::i:::::',::. ',l::::::. ',
,' .:::i i::l:: l :: ` ;、 ,,.. '´ i:';::l::i::::::i::::.':;: l:::::::. ::',
,' ::::::i ::i:: ノ /;``! _,、ゝ=ヽi::::::i::::. ';: 'l:::::::: :::',
,' .::::::| ::i:::,、:'゛/- '1 _,.、‐ '゛ ヽ::::i::::. ', ';::::::: ::::',
,' i::::::::l::/ | 、. ,、:'´ \l::::. ',::::::: ::::',
,' i:::i:::::/::ヽ、 ,!.:'´ _,.....__ _ _,.>::. ',:::::: :::::',
:::/:/:': : : ': :!:|: ヽ:. \ ヽ
:::i:/.:'/:,: .:/.: :!.:l: ` \ i
:::/.; '//: :!: : :i: ト. 、 i < 綾波ツンデ霊
:::,!'.: :レ'; ; : ; :l: : : :ヽ i. 、 、 :}
:::/: /;/;': ;、:ハ: ト、: 、: ヽ ト、|、ヽ. ト、 リ < 愛機は涅槃ゲリオン・霊号機
:::!,/:レ: |: ハ|_ヾiヾ: ヽ:. ト、,!_ヽ、ト、 i ヽ ,イ
:::iハ.:i :i: :ゝ-┬ェ,\:、ヽ:|リ-rェ,-ゞヽ ! ヽ,!
:::',:i.: :|: :ミゝ`¨ ` リ ¨´ ノ冫i /
:::/; :イ:ヾ:> イィ: ィ:} < ・・・勘違いしないでよね
:::{.;ハ:. ; :ヽ. `` 彡': ,ィ/ リ
:::ゞ ヽハ: :.\ ´ ` <イ: ノノ < あんたのために闘っているわけじゃないんだから・・・
:::リ ヾ: :; :ト _,.イ ソ: :,イ{
::: ' Y、__ ニ- |,/`リ
:::, ^ゝ へ、
::: -‐'´ ` ̄7´/ ,.ィ^ヽ、
:::/´  ̄`¨`ー ∠´ /´/// `7ヽ _
:::/ / / / / / `ヽ、
‖
___ ‖
/ `ヽ‖
,:' 、ゑ
,' ; i 八、
|,! 、 ,! | ,' ,〃ヽ!;、
|!| l川 l リへ'==二二ト、
リ川 !| i′ ゙、 ', ',
lルl ||,レ′ ヽ ,ノ ,〉
|川'、 ,,.,.r'" ,,ン゙
`T" ! ,/ '.ノ,/|
/ ,!´ !゙ヾ{ |
/ ,' i ゙ ! ,l゙
,r‐'ヽ-、! ', l|
{ `ヽ ! 「゙フ
,>┬―/ ; i,`{
/ /リ川' ', ゙、
/ ,/ ゙、 ゙、
ノ / ', `、
\_/ ; ゙、ヽ、
l__ ! ___〕 ,、l
 ̄`‐┬―r┬‐r'´ `'‐'′
| .! | |
| | .| |
| j | !
| Y ,)
! 〈 /
| ! /
'、 /ー'
`''"
あんたのとこに化けて出てやるんだからっっ!!
90 :
ツンデレ初心者:2006/02/14(火) 14:49:24 ID:skvdFfJa0
俺はどこにでもいる、普通のオタク。
俺はここ数日、謎の電話に悩まされていた。
街中を移動しているときも、大好きなギャンダムのプラモデルを作っているときも、不意に電話がなり、小さな女の子の声で
「私メリーさん、××にいるの」
とささやかれる。電話を取らなくてもどこからか必ず、居場所を告げられる。
そしてついに
「私メリーさん、いま貴方の家の前にいるの」
家にまで来てしまった。
「もう、疲れた観念しよう。」
俺はびくびくしながらドアに手をかけた。
部屋のドアを開けようとしたとき、
「こぉっっの、ばぁかちんがぁああああ!!」
唐突に頭を殴られた。
それは俺が魂を込めて作り上げた、マスター☆エイジアのフィギュアだった。
>続く
92 :
ツンデレ初心者:2006/02/14(火) 15:05:42 ID:skvdFfJa0
>>90 続き
「あきらめるな、抗え、戦え!!」
なんとご無体な言葉。俺はただの人間なんだよ。
「だぁから、お前はあああぁほなのだぁ!!」
なんと言われても俺はただの肝オタ。あんな得たいの知れないものとと戦えるわけないじゃないか。
そうだ、マスター☆エイジアなら俺より強いんじゃないか?
なんてったって、俺が魂を込めて作った全長120cmの特大フィギュアなんだから!!
しかし、俺の良策をマスター☆エイジアはあっさり切り捨てた。
「あまえるな、馬鹿創造主が!」
あう…、やっぱり諦めよう…
頭をうつむくと涙がほろりと落ちた。
「あ、う…、その、落ち込むな」
だって、俺、本当にどうしようもないし…
「死ぬ気で挑め」
ねぇ、助けてよ、マスター☆エイジアぁ
「豚め」
だって、俺にはマスター☆エイジアみたいに必殺技もないし…、素手でモヴィルスーツとも戦えないし…。
次第に嗚咽も混じってきた。俺ってなさけねぇ…
そんな俺をマスター☆エイジアは黙って見下ろしている。
>続く
93 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 15:22:06 ID:ZxDxONRCO
肝臓オタクとは、新しいジャンルだな
94 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 15:34:36 ID:MF2q0iBqO
ツンデレって何ですか?
東京タワーの別称?
95 :
ツンデレ初心者:2006/02/14(火) 15:43:54 ID:skvdFfJa0
15分ほどだろうか、ようやく、本当に諦めがついてきた。
「俺、行くわ、マスター☆エイジア。パソコンの横の観葉植物の世話、よろしくな」
「どこに行く!!」
「いや、ほら、とりあえず、当ってくだけるよ」
ドアに手をかけた。
「お、おい、こら、砕けたら駄目じゃろが!!」
♪パラ、パパッパッパン、パラ、パパッパッパン(翔べギャンダムのテーマ)♪
この場に不釣合いな着メロが流れた。
ピ☆
「私、ぜいぜい、メ…リーさん、はぁはぁ…」
…息が切れてる。どうやら、我が家の2060段の階段を上りきったらしい。俺の部屋まであと少しだ。
「もう、時間無いみたいだ。勇気(諦めともいう)をありがとう」
132メートルの長い廊下を行くとようやく、階段が見えた。
まだ、メリーさんは来ていないみたいだ。
♪パラ、パパッパッパン、パラ、パパッパッパン(翔べギャンダムのテーマ)♪
「私、メリーさん。今あなたの後ろにいるわ」
…覚悟していたが、後ろをふりむけない。
>続く
96 :
ツンデレ初心者:2006/02/14(火) 16:19:21 ID:skvdFfJa0
「あなた、私を殺す気?」振り向けない俺の後ろで少女の声が聞こえる。
「ごめん、俺の家大富豪なんで…」恐怖を気取られまいと、平然を装う。
「あなた、死ぬわよ」いや、殺さないでくれ。
「こっち向きなさいよ」振り向きたくなかったが自分の意思に反して、体が自然と後ろを向く。おれはしょんべんちびりそうな勢いだ。
「いい子ね…」そこにはあどけない少女がいた。俺は実は口利属性も備えている。しかし、萌えたのはそこまでだった。
(表情が欠落している)確かに笑っているのだが、感情が感じられない。怖い。逃げ出したい。
「さぁ、お逝きなさい」俺は抵抗を試みた。
「なんで俺が死ななきゃいけない!!」「理由なんてないわ、強いて言うならあなただからよ」わけわからん。
「世界にはもっと悪いやつがいる、ブッシ●とか、一級建築士とか、そいつらを殺せばいいだろ!!」
「浅ましいわね、自分が生き残れば、他人はどうでもいいの?」「ぐむっ」言葉に詰まった。たしかに俺は浅ましい。
「いいよ…好きにしなよ」
「抵抗してみる?それとも、命乞いするのかしら…え?」メリーさんはきょとんとした。
「あれ? もうちょっと生に執着しなさいよ、がんばりなさいよ」いや、もう覚悟は決めたんだし。
「さっさと殺せばいいだろ!!」ニートをなめるな。肝オタの俺にだってプライドはある。2ゲットするくらいの気概はある!!俺の気迫に気圧されたかのようにメリーさんが一歩下がった
>続く
あと、長くてスマソ
97 :
ツンデレ初心者:2006/02/14(火) 16:57:40 ID:skvdFfJa0
「さぁ、早く殺してみろ、どうするんだ」後ずさるメリーさん。思えば、相手は自分より数段力の弱い少女(の風体)。俺は調子に乗っていた。
(いける!!生き残れる!!)掴みかかろうとした瞬間、金縛りにあった。
「あんた、馬鹿? 私がか弱いだけの美少女と思ったのかしら」あ、いま、こいつ自分のこと美少女って言った。
「今、あなたは無抵抗。私が少し、力を加えるとどうなるかわかって?」俺はその瞬間、冷や水を浴びたように状況を悟った。
俺の後ろには2060段の長い階段。ほんの一押しで転がり落ちていくのだ。目に涙がたまっていくのがわかる。
「あはは、無様ね。そんなに涙を溜めて。覚悟を決めたんじゃないの? 死ぬのが怖いの?」俺は今度こそ覚悟を決めた。俺は…確実に死ぬ。
「その絶望が私の糧になるのよ。さぁ、怯えなさい」メリーさんは俺を見上げているのに、数段高みから見下ろされている感覚を覚える。俺の命はこの少女に握られているのだった。
「最後に残す言葉は?」やさしく俺にささやく。「ねぇよ…」俺は投げやりに言葉を放つ
メリーさんはなぜか激怒して「ぅ…、ほんっとそういったところが昔から嫌いなのよ!!」と叫び、はっと口を手で覆った。
「…昔から…?」瞬間、俺の脳裏に、手をつないで歩くポニーテールの女と目の前のメリーさんと酷似少女の姿が浮かんだ。それは小学校の時のクラスメートとその姉だった。
「…おまえ、芽理ちゃん?」俺はその少女の名前を思い出した。
いつも、気弱な自分を叱咤し、守ってくれた女の子。彼女は俺をいじめたが、他人が俺をいじめるのは許せなくて3つも年上の男の子とけんかしては勝利していた、そんな勝気な女の子…。
怖がりの俺をよく怪談で脅かしていたっけ…。
「ちがう、ちがう、ちがうもん!!」…もん?
「どうして、君が?」「知らない、知らない、あなたなんて知らない…あ…」動揺したメリーさんは、己の意思とは裏腹に俺を突き飛ばしていた。
宙を舞う俺の脳裏にうかんだのは
…交通事故にあった芽理ちゃんとその姉の葬式、12歳の出来事だった…
>続く
次回、芽理さんと肝オタとマスター☆エイジア 最終回「明日はどっちだ」
乞う、御期待!!
ホント、スンマセン。次で終わります。
100get
芽理ちゃんたちが交通事故にあったのは、猫を助けようと車道に飛び出した俺を、たまたま通りかかった芽理ちゃんが突き飛ばしてくれたからだ。
芽理ちゃんのお姉さん・星恵さんは妹を助けようとして、同じく飛び込んでしまった。身代わりになってくれたのだ。猫と俺のために。
俺は二人を殺してしまった。しかし、記憶とは便利なもので、あまりに、苦しい記憶は封印してくれるものらしい。
今日まで思い出せなかった。だが、記憶はなくても罪悪感がどこかにある。俺が引きこもった理由はこれか…。
芽理ちゃんには、ちゃんと俺を殺す理由があったんだな。
でも、なんで今日なんだろう? あ、今日は2月14日か。彼女たちの命日じゃん。
俺は、なぜかバレンタインデーが嫌いだった。モテナイ君のひがみかと思ってたんだが、その謎が解けちまったな。
俺は罪をしり、断罪される。でもそれは救いともいえるんじゃないだろうか。おれは妙に晴れ晴れとしながら、重力に身を任せる。
492段目…498段目…俺は階段を転げるまもなく、515段目にある踊り場まで一気に吹っ飛んでった。
(ここに、脳漿をぶちまけるのか、冥途さんたち、片付け大変だなw) 最後に、芽理ちゃんをみた。青ざめた顔で立ちすくんでる。そんな顔するなよ。恨み、晴れたんだろ?^^;
グワシャっ!!
嫌な音と衝撃が俺に響いた。しかし…
俺は生きていた。俺の下にはマスター☆エイジアがばらばらに砕けていた。
「こぉの…馬鹿ち…んが…。私たちが救った命、無駄にしちゃ…駄目だぞ☆」 あ…、この口調…星恵さ…ん!?
俺がマスター☆エイジアが好きだった理由は、妹以上に男勝りだった星恵さんの口調にそっくりだったからだったのだ。今更、気づいてしまった。
「芽理、今度はちゃんと救えたわよ。これからはあまり、この子を脅かさないようにね」星恵さんがやさしく、階段上の芽理ちゃんに語りかける。
…ん? あまり? これから? …あれ?
「ひぐぅ…、お姉ちゃん、ありがとう。この肝オタの更正は私がちゃんとするから…ひぐっ、ひぐっっ」 あれ、どういうながれ? あの、あれ? 星恵ねぇさーん!!
これが、俺が2月14日に遭遇した心霊体験だ。
いまは、俺はちっちゃいが頼りになる美少女(微妙女?)に、しごかれ(とりつかれ)ながら社会復帰の第一歩を歩み出している。
☆☆終劇☆☆
>>93 >>94 >>98 >>99さん ありがとうございました。
構成が上手くいかず、長文になったことをここでお詫びします。
いやホントおもろかったおmg(`・ω・´)
激しくgj!
105 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 21:38:40 ID:MF2q0iBqO
全然面白くないし
自演イタタだし
純粋に引くわ〜
106 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 22:08:31 ID:nQjybo+o0
マスター☆エイジアとかいらね
それを除外した作品だったとしても甘い採点で20点もいかない。
>>105 ID 見た限りでは自演は確認できないんだが。具体的にどれらのレスが自演?
>>32 「ジャストライクヘブン」 (原題:Just Like Heaven)の日本版だな。
そーゆーの大好き!
109 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/14(火) 22:35:25 ID:+SsaUt/hO
>>109 ドゾー
でも、>>90-みたいな元ネタわからないと楽しめないのは正直イラネ(AA略
どうやら道に迷ったらしい。
行けども行けども街頭すら無い未舗装の山道。急ぐ用でもないのに近道をしようとしたのが
いけなかったのだろうか。ガタガタの道を何とも頼りないヘッドライトが照らす。
路肩にひっそりと祀られた地蔵が視界の隅を掠めていった。
「べっ別にアンタの車に好き好んで乗ったワケじゃないんだからね!」
バックミラーごしに睨みつけてくる。この十代半ばごろの白いワンピースの少女が、当たり前の
ような顔して後部座席に座り込んでいたのは地蔵を通り過ぎたあたりからだっただろうか。
「あの、洗車面倒だからボディに手形ビッシリとかは・・・」
「だっ・・・誰がアンタのこんな汚い車触るモンですか!頼まれたってお断りよ!!」
「崖手前の急カーブでブレーキ踏もうとしたら足つかむとか・・・」
「くっ・・・み、水虫うつされるのがイヤだからそんなことしないわよっ!」
「・・・('A`) あとシートで漏らしたりされると後でクリーニングが・・・」
「もら・・・・ばっばかぁ!!アレは違うんだってば!!年頃の女の子に向かって何言ってんのこの
ヘンタイ!ばかばかばかばか!」
少女は長い黒髪を振り乱しつつシートを後ろからボコボコ殴っていたが、しばらくするとただで
さえ青白い顔から更に血の気が引き、ちょっとぐったりした様にもみえてきた。
「・・・もしかして酔った?」
「だ・・・誰が車酔いなんか・・・うぷ・・・」
幽霊だからゲロなんてとか思ったがシートがぬれていた例もあるので一応車を止めることに
した。
「・・・お礼なんていわないからね」
その口を拭っているのは俺のハンカチなんだが。
目をこらすと鬱蒼とした木々の隙間から麓の町の明かりがちらほら見えている。もう少し走れば
まともな道に出られるだろう。
「ふん!どうせアンタみたいなどんくさいヤツはまた道間違えて山道さまようハメになるんだから!
・・・ハンカチ洗濯しといてあげるから、ちゃんと取りにきなさいよっ!」
「いや、その、今度のボーナスでカーナビでも買おうかと・・・」
「な・・・何よそれっ!ばかばかばかぁ!もう知らないっ!!!」
少女は素足のまま山道を猛ダッシュで登っていき、やがて闇に紛れて見えなくなっていった。
ってリロせず流れぶった切って投下申し訳ないorz
ツンデレが多いスレでつね
どうでもいいことなんだが、109みたいにせっかく書いてくれた作品にイラねとかはどうかと。
評論するのは自由だが、せめて作品の改善点とかしゃべってみ。
まぁ、にわか評論家の多くは自分じゃ書けん奴らが多いからな。
でも、
>>102は
>>106が言うようにマスター☆エイジアはいらんかったな。
…書いてて思ったんだが、星恵さんとマスター星恵イジアでかけてた? そしたら、少しほめたいかも。
エー
117 :
110:2006/02/15(水) 02:02:40 ID:wIoRt1i90
>>115 >>109じゃなくて
>>110だろ?
ギャンダム?マスター☆エイジア?芽理ちゃん?
芽理ちゃんのお姉さん・星恵さん?
何ょこれ?丘板の常識なん?
さっぱり判らない。
作品の出来・不出来に関わらず、舞台の背景も設定も見えてこないのに、
評論以前の問題だと思うが?
あぁ、芽理ちゃん>メリーさんってことか?
ま、とりあえず解説キボンage
118 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/15(水) 02:14:29 ID:3/ErfdKmO
「何だおまえら」
「私はツン子」
「デレ子でぇっす♪」
「不法侵入だな警察に突き出してやる」
「むしろ氏ね」
「いや、イ`」
「…」
「なんかしゃべれ」
「うふ、クールな人って素敵」
「で、何が目的だ」
「ツン」
「デレェ〜ん♪」
119 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/15(水) 02:24:50 ID:3bt776nPO
俺「なあ守護えもん、毎日楽しいなあ」
霊「そなたは毎日が休日であるからな。それと何だその呼び名は」
俺「おかしいな世界が輝いて見える」
霊「人の話を聞け。頭がおかしいのは重々承知しているが」
俺「もう童貞とは言わせねえ!」
霊「聞けというのにこの馬鹿者。何があった」
俺「……こんどデートすることになった」
霊「でえと…逢引のことか」
俺「アイビキって言うなよ何かやらしいだろ」
霊「気色悪いからモジモジするでない」
俺「ひっでー」
霊「それでどうして良いか判らずに狂っていたと」
俺「俺はまともだ」
霊「色恋に関してそなたは素人であるからな、無理もない」
俺「人の話を聞け。バカにすんな俺にだって必勝の策くらい」
霊「まあ人生の先輩である私に助言を求めるのが正しい選択であろ」
俺「聞けよこの洗濯板。いいか、俺が墜とした女は100人は下らねえ」
霊「現実でその経験が役に立つのか」
俺「スンマセンシタ」
「よいか。まずは身なりだ」
俺「押忍」
霊「そなたが着飾ったところで嘲笑の的だ」
俺「泣くぞ」
霊「普段通りで構わぬ。野性味を全面に押し出していけ」
俺「おー。安上がりだな」
霊「それと今日から風呂は禁止だ。男の色香をわざわざ洗い流すことはない」
俺「フェロモンってやつだな!」
霊「最も気懸りなのは会話であろ?」
俺「トーゼンだ。あとセック」
霊「心配するな。そなたの少年の魂で母性本能をくすぐればよい」
俺「少年の…。つまり……おっぱいおっぱい?」
霊「そうだ」
俺「ウンコー!」
霊「そうそう」
俺「チンコー!!」
霊「その調子だ」
俺「おまえのことスネオって呼んでいいか」
霊「却下する」
俺「今日は正しい日本語講座を開こうと思う」
霊「働くがよい」
俺「講師は俺。生徒はおまえ」
霊「必要性を感じぬな」
俺「『そんなことしなくてもいいもんっ!』…だ」
霊「……」
俺「さん、はいっ!」
霊「はいはい」
俺「くそこのやろう人がせっかく親切に」
霊「何のために」
俺「俺の生活の彩りのために」
霊「働け」
俺「おまえこそちっとは人の役に立て」
霊「心外だな」
俺「『うぅ…ひどいよぅ、おにいちゃん』」
霊「それでは白痴であろ。それと家系図を捏造するでない」
俺「これが現代の標準語なんだよ」
霊「初耳だな」
俺「初めて言ったからな」
霊「標準語で。さん、はい」
俺「は、はじめて言ったんだから、しょうがないでしょー?」
霊「てれびではその口調はなかなか聞かれぬが」
俺「あ、あれは…そう! ほかの国のお話なの」
霊「いや、待て」
俺「なんで? どうして信じてくれないの? 私のことキライになったの…?」
霊「そなたが標準語の天才なのは判った。しかしな……」
俺「なに?おにいちゃん」
霊「先刻より、扉の隙間から母親が見ている」
俺「……」
霊「つまり、この一人芝居を」
俺「…………」
霊「表情から察するに、あれはもう心配やら不安やらを通り越しておるな」
俺「………………」
霊「摺り足で電話の方へ向かって行くようだが……」
俺「か、勘違いしないでっ!? ち、ちがうんだからね! ママ? ママぁぁぁああん!!!」
霊「……働けばいいと思うよ」
霊「……ちょっと違うか……」
霊「……働いたらいいんじゃない?」
霊「む…こんなところか…難しいな……」
霊「……次は…あれか…く、何故私がこのような……」
霊「……お、お、おおおにいちゃん」
俺「呼んだか?」
霊「な!? いいきなり何だ居たのか!?」
俺「語尾にはすべてハートマークを入れるつもりで心をこめろ」
霊「みみ見たのか」
俺「見た。聞いた」
霊「ご、誤解するな。標準語を覚えようとして何が悪い!」
俺「いやー感心感心」
霊「く……不覚…っ」
俺「標準語で」
霊「云うものか馬鹿者!!」
朝から大変だな。
でも面白いからGJ
…守護霊…
…ツンデレな守護霊…
霊感のないワタシには感じられない守護霊
.多分ワタシには守護霊は居ないのでしょう
GJ!面白かった
けど萌えねぇなこれ
>俺「なに?おにいちゃん」
ツンデレ守護霊は♂かよ…
もはやなんでもありだな
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/:i :||||||貞|||||||i `'! みなさま〜おはよ〜ございます〜・・・
/ :| :||||||||||||||||||l ノ!
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| |:::=!川!;|||||!l|||l|:l|l||||ー'‐'.;:::::::::::| |
| |:::::::::!l.|ノ / ./:::::=:::::::| |
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|  ̄ ̄~|::: 川リ ̄ ̄ ̄ ̄ |
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貞子見て皆死んだか。
ツンデレ式貞子は下半身から出てくるので、いたずらし放題です。
134 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/15(水) 21:35:13 ID:3/ErfdKmO
色々とツン霊にやられて寝込んでいる俺の部屋に彼女がお見舞いに来てくれた。
久しぶりに穏やかな時間を過ごしていたが、それも長くは続かなかった。
「ふん…色を知る年…か」
ゆらり、と彼女の背後に現れる例の髪の長い女。
「誰?この女の子?」
無邪気に問う彼女
「に、逃げて!ここから早く!
超逃げてーッ!」
「やかましいッ!囀るな阿呆がッ!」
メキョッ!
慌てて彼女を避難させようとする俺の脳天に女の踵落としが炸裂した。
「ヒィィ、何なのこの子!」
怯える彼女。
「黙れェ、女!
いいか!この豚野郎はこの私の家畜だ!血の一滴まで私のモノ…泥棒ネコには仕置きが必要だなぁ…!」
135 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/15(水) 21:37:05 ID:3/ErfdKmO
両手をワキワキさせながら彼女にニジリ寄る女。
「ちょ…やめ…」
女は何とか阻止しようと這いでる俺の頭にサッカーボールキックをかまし
「ガハハハハ!恨むなら己の無力を恨むんだな!
貴様はそこでゆっくり観賞するがいい!
この女の乱れる様をなッ!」
と彼女にのしかかっていった。
「嫌!嫌ぁ!お願いやめてぇ!」
服を裂かれ必死に抵抗する彼女。
「ククク上の口ではそう言うが下の口ではどうかな?」
人間離れした力で押さえ込む女。
‥‥‥‥‥
「堪能した…たまにはいいものだな、若い女というモノも」
ふぅ〜、とタバコの煙を吐き出しながらテカテカした顔の女が言う。
「訴えてやるぅぅぅーー!」
泣きながら部屋を飛び出ていく彼女。
二日後、裁判所から出頭命令が届きました。
136 :
本当にあった怖い名無し :2006/02/15(水) 21:42:19 ID:vdT5g5pqO
犯ったのか?犯っちゃったのか!?
…………の所超絶にくわしく
てゆうか、それってツンデレなのか?
1月20日
転勤先で住居探しを始める。中々いい物件が無い。
不動産屋の担当者と二人、あーでもないこーでもないと話しているうち
「……あまりお勧めはしませんが」という切り出し方で一つの物件を紹介される。
条件が良いのに加えて、家賃も安い。即決する。
担当者の苦笑いが少し気になる。
2月1日
荷物の運搬も一段落。最低限の荷物だけ開梱し、転居先で初めての夜を迎えた。
良いマンションなのに両隣は空室らしい。不思議なもんだ。
2月3日
部屋に帰ってくると、嫌に空気が重い。
首を傾げながらネクタイを緩めていると、なにやらおかしな声が聞こえる。
「……てけ」「………ていけ」
声は明らかに室内のものだ。さては泥棒かと身構えるが、泥棒なら自らの所在を明かす
ような真似はしないだろうし、そもそもこの部屋にはろくに身を隠す場所も無い。
「出て行け」
今度は、はっきりと聞こえた。若い女の声だ。ぞわり、と産毛が逆立つ。
その声が目前の何も無い中空から聞こえたからだ。ありえない。
「……誰だ。出て来い」
「………クスクスクスクス」
「誰だ! 姿見せろ!」
今度は背後から含み笑いがした。いよいよ「幽霊」という単語が脳裏をよぎる。
仕事の疲れもあってか、恐怖は鳴りを潜めてむらむらと怒りが湧いてきた。
「おいブス。やさしく言ってるうちに姿見せろよ」
「……………(ピキッ)」
「ああ、見せられないほどブッサイクなら見せなくてもいい。
こっちだって飯の前にそんなツラ見たくねえし」
「……………(ピキピキピキッ)」
「とりあえず出てけ、ここは俺の部屋だ。誰かに憑きたいってんなら
同僚にブス専がいるからそいつの住所教えてや――」
「誰がブスでブッサイクでクリーチャーよっ!!」
突如絶叫が響き渡る。謎の声の主は大分お怒りのご様子だ。
……つうかクリーチャーなんて言ってねえ。
「あんた自分の顔鏡で見たことあるの!? 何よその冴えないエキストラ顔は!!
一山いくらって感じ!? むしろ通行人B!? 時代劇で言うなら斬られ役!?」
えらい言われようだ。個性の薄い顔とは良く言われるが、こうもまくしたてられるといっそ清清しい。
ともあれ、まともなコミュニケーションを取るための第一段階はクリアしたようだ。
「……ああ、悪かった悪かった。で、その斬られ役から質問なんだが……お前誰だ」
「……………言う義理は無いわね」
「ここは俺が金払って借りてる部屋だぞ。幽霊だろうと間借りなぞ認めん」
「元々はあたしの部屋だったのよ?」
「現在は家賃払ってないだろう。そもそもなんでこの部屋に――」
「あたし、ここで殺されたから」
「――――」
言葉を失う。幽霊と認識してはいたが、改めて説明されるとヘンな気分だ。
殺された? 随分と穏やかじゃない話だ。
「お前……ここから動けないのか?」
「どうやらそうみたいね。遠くに意識を飛ばすことも
少しの時間ならできるけど……結局ここに戻ってきちゃうのよ」
「家賃が破格な訳がわかったよ」
「感謝しなさい」
「するかっ!!」
こうして、奇妙な同居人との生活が始まった。
2月4日
不動産屋を締め上げて以前の住人についての話を聞く。
固有名詞は避けたものの、どうやら一年程前に若いOLが不倫相手の奥さんに
刺殺されたという事件があったらしい。あの女幽霊に間違いあるまい。
2月5日
不倫相手が憎くて成仏できないならその相手に取り憑いたらどうだ、と薦める。
鼻で笑うような気配があり「別に憎んでなんかいない」という返答。
じゃあ何が未練なのか、と重ねて問うが返事は無い。むかついたので小声で「ブス」と呟く。
激しいポルターガイスト現象が起きる。短気な女だ。
2月6日
俺の姿は見られているのにお前の姿が見えないのは不公平だ、と言ってみた。
「美女のプライバシーをこれ以上侵害するつもり?」と高飛車な言い草。
じゃあせめて名前を教えろ、と言うと「……たえ」と名乗った。
「女偏に少ない、の妙か」「そう」「女ッ気が少ない……名は体を表すんだな」
激しいポルターry
2月7日
「あなたヘンな男ね」とやぶから棒に失礼なことを言われる。
幽霊ほどヘンじゃない、と答えるが「幽霊の住む部屋でそこまでくつろげるのがヘン」だそうだ。
そういえばこのおかしな状況に少しずつ慣れているような気がする。
2月8日
大発見があった。妙は鏡に映る。風呂上りに髪を乾かしていると
鏡越しに見えるリビングで髪の長い女がテレビを見ていた。
振り返ってもその姿は見えない。再度鏡を覗き込む。年の頃は二十代前半だろうか。
芸人のギャグにクスクス笑っている妙の横顔は、驚くべきことに本当に美人だった。
2月9日
風呂上りにビールを飲みながらくつろいでいると、妙が問いかけてきた。
「あなた彼女とかいないの?」
「いない。三年前に別れて、それっきり彼女と呼べるような女はいない」
「モテそうにないもんねーw ま、あたしは付き合う相手に不自由したことなんかないしーw」
「……不倫みたいな実りの無い関係構築するよりマシだ」
「…………ふん、何よ常識人ぶって。お説教のつもり?」
「説教より分かりやすい報いがあっただろ。お前死んでるし」
「……………………うるさい、ばか」
その晩はどれだけ呼びかけても、妙からの返事は無かった。
2月10日
妙とのくだらない口論が原因でポルターガイストが起きた。
キッチンの食器棚までがガタガタと揺れてボードのひとつが傾いた。
皿やカップが棚の中で割れていくのが見え、諍いも忘れて棚に駆け寄る。
コーヒーカップが割れていた。黙って欠片を拾い集めるうち、妙が近づいてくる気配。
「……わ、悪かったわよ………でも皿が一、二枚とカップ一つでしょ?
そんな怖い顔しなくても……」
「このカップ………“死んだ”彼女からのプレゼントだったんだ。俺がコーヒー好きだから、って」
「…………っ! ……ご、ごめんなさ……」
「黙ってろ馬鹿幽霊」
「…………ごめん……なさい……」
破片となっても捨てる気がおきないので、そのまま引き出しに保管する。
いろいろな事を思い出してしまいそうなのでフテ寝することに決定。
部屋のどこかにいる妙が小さな声で再度謝ってきたが、無視。
2月11日
帰ってくると、割れたカップがセメダインで元通りにくっつけてあった。
きっと妙の仕業だろう。なんとなく肩の力が抜けて、穏やかな声でよびかける。
「妙。いるんだろ?」
「ん……余計なこと、だったかな」
「別に。ただまあ、今後は霊障抑え目にしてもらえると有難い」
「そうだね……あたし短気だから、さ……あははっ」
「……ついカッとなってやった?w」
「うん。今は反省しているw」
「ぷっ…」
「あはははは」
それからの妙は、頻繁に姿を見せるようになった。鏡越しにではなくその姿自体を、だ。
「なんでまた急に」と聞く俺に対して「別に意味なんか無い、単なる気まぐれだ」とのたまう。
間近で見る妙は芸能人と比しても遜色の無い美人さんで、なんとなく居心地が悪いような気分になる。
「成仏はもう、あきらめてんのか?」
「さーね……奥さんは刑務所行きだし、不倫相手は社会的地位も失って
行方知れずだし……恨みらしい恨みも無いはずなんだけどね。どうしてかな?」
「………なんでだろうな」
「なんでだろうね」
月の綺麗な夜。二人なんとなく肩を並べて語り合った。
ベランダに頬杖をついて淡々と語る妙の横顔からは、何の感情も読み取れない。
本当にどうしてなのか分かっていないのだろう。
「あなたの彼女って……どうして亡くなったの?」
「……ありふれた事故だよ。居眠り運転の対向車がセンターライン越えてきて正面衝突。双方死亡」
「悲しかったでしょ?」
「というより現実味が薄かった。今だってまだ騙されてるような気がする」
「……どーせ幽霊に会うなら、あたしじゃなくて彼女だったら良かったのにね」
「はははっ……死んだ後まで俺なんかの世話させられないよ。
付き合ってるときだって、大したことしてやれなかったのに」
「…………」
誰にも言ったことの無かった胸の内も、そんな風に気楽に話した。
それはきっと、妙が自分で言うほどに割り切っているようには見えなかったせいもあるだろう。
ベランダから月を眺める妙の姿は、幽霊だという点を差し引いても随分と儚げに見えたから。
「なんだか羨ましいな……亡くなってからも大切に思われてるって、さ」
「お前だって大概な若死にじゃないか。家族、悲しんでるだろう?」
「それがまた傑作でねー、不倫沙汰のもつれで殺されたなんて家の恥だ、って扱いで……
密葬の上、まるで初めから居なかったようなコトにされてますw あたしんち、厳しい家だったから」
「………そんなこと、ないだろ?」
「いやいやダンナ、そんなことあるんだってば。気合で意識飛ばして見てきたから。
葬儀はあたしの悪口と世間様への対処法会議で終わってた。……ほんと、単なる作業だわアレw」
言葉が無い。涙や思い出話に彩られることもなく、悪口雑言が経替わりの葬式もどき。
しかもそれが「自分の葬儀」となれば―――それは、どんなに酷薄な光景だっただろう。
家族にさえ疎まれ、成仏も出来ずに自身が殺害された部屋に縛り付けられる思念体。それがこの女だ。
隣に佇む妙の姿を見る。夜闇に溶けそうな横顔。なんとなく泣きたいような気分になって
あわてて視線をそらすと、冷え冷えとした月光が目蓋を刺す。
―――ああ、こりゃ、いけない
―――あいつが死んだ夜にも、こんな月が出ていて
―――もう死んだ女が、隣に、居て
「………なに泣いてるのよ。バカね」
「うるさい」
「ほんと、バカな男。居住権侵害してる幽霊に同情して泣いてるの?」
「知るか。ただ悲しいだけだ。お前なんか関係ない」
「みっとも、ない、なぁ……大の男が、さ………ひっく……ぐすっ……」
「お前だって泣いてんじゃねえか」
「あ、たしは……女だから、いい、のっ……ぇぐっ……ぅ」
「……………」
いつまでそうしていたかは覚えていない。
目尻が乾くまで月を睨んでいた俺の耳に、囁くような声が聞こえた。
「ありがとね。………なんだあ、こんなことでよかったんだ」
「…………妙?」
「泣いてくれる人が一人でも居てくれればよかったなんて、知らなかった」
「妙、おい……?」
姿が見えない。短気で口の減らない女幽霊の姿が。
「○○区の△△寺っていうお寺にね、××家代々のお墓あるから。……気が向いたら花でも手向けて欲しいな」
「…………妙」
「ほんと、出来すぎた話。あたしの初めての命日に、泣いてくれる人がいるなんて思わなかった」
「今日が? お前の?」
「ん。でもね、なんだか誕生日みたいに嬉しいよ……ありがとう」
「……お別れ、か」
「そうみたい。餞別がわりに、モテない君に一つだけアドバイス。
あんたわりかし良い男かもしれないから、そのうちきっとまた幸せになれると思います。以上」
「……ははっ……そりゃ、どうも」
「じゃあね」
それきり。
奇妙な同居人は現れることもなく。
いろいろな気持ちなんかおかまいなしに年月は流れて。
――ねえ、このカップ、どうしてこんなボロボロなの?
――ん? ああ……昔の彼女がくれたやつを次の彼女がぶっ壊して修復した
――じゃあ……現在の彼女であるあたしが、また叩き割ってもいい?
――お、怒るなって!
日々は続いていく。
終わり。長くてごめんよ。
初めてリアルタイムで読んだ。
GJ、よかった。
また退屈な一日が始まった。
幼馴染みのあいつが死んでから一年。
働く気も起きず実家から大学に通っている
朝起きて学校に行き帰宅すると部屋で寝る、そんな生活を続ける内に友人と呼べる人もいなくなり親からも見捨てられた
あいつがいれば「ばっかじゃないの?」
とでも叱ってくれそうだなと思いながら支度を済ませ学校に行く
ただひとつ、今日はいつもと違っている事に気付いた
授業開始ギリギリに教室に入る。
あいさつなどせずに席につく
「おはよう、遅刻ギリギリじゃん」
俺は驚いた。話しかけてくる奴がいるとは思ってもいなかった
隣りを見た瞬間自分の目を疑った。
そこには生きた幼馴染みが座っていたのだ
「え!?」
席から飛び上がり大声を出す
「おい、静かにしろ」すぐに先生に怒られてしまった・・・・
「先生!なんでこいつがここにいるんですか?」
「はぁ?何言ってるんだお前は」
クラスメイト全員が笑った。隣りの彼女も。
訳がわからないまま授業だけが進んで行き昼の時間になった
俺はすぐに彼女を追いかけて行った
「ちょっと!まてよ」
彼女の細い腕を掴んだ、間違いない生きている
「お前死んだよな?」何を言っていいかわからずにこんな言葉がでてきた
「うん、私は死んだよ」
そうだ、死んでるはずなんだ
「でも今は生きてるんだよな?生き返ったのか?」
彼女はすぐに答えた
「あんたバカねぇ、私が死んだ後に死のうとか考えたでしょ」
「うっ・・・」
確かに何回も考えたさ、何しても楽しくなかった
「図星のようね・・・そんな人見てほっとける訳ないじゃない・・・」
「でも、他の奴等はなんで何もいわないんだ?」
「私が"死んでない"と思わせているから」
「?」
「今日はあんたの為に来てあげたんだから」
「え?」
彼女の顔は真っ赤だった
「死んでる人間が学校にきたら驚くでしょ?だから死んでなかったことにしてるのよ」
「よくわかんないけど今は生きてる、お前は死んでないんだよな?」
「今日一日はね・・・」
「明日からは?」
「また死人に戻るのよ」
「今日一日・・・」
俺は悲しくなった。
「そんな顔しないでよ・・・せっかく来たんだから、ね?」
「うん・・・なぁ、学校抜け出そうぜ。二人で遊びに行こう」
彼女はしばらく考えて
「そこまで言うなら行ってあげてもいいけど」
昔のままだ。
「よし、じゃあ街を歩こう」
彼女の手を引っ張り俺は街に出た
>>140 綺麗に終わりましたね、漫画か何かで見てみたい感じでした。
良かったですGJ!
生前よく一緒に行った店を回った。
「うわぁ〜これかわいい!見て」
こうしていると幸せだ、前はめんどくさいと思ってしまったが今思うとこれ以上の幸せはない。
「買ってやるよ」
「本当?ありがとうw」
彼女の笑顔をみるのも久しぶりだ
そして俺自身も笑ったのは一年ぶりかもしれない
飯食ったりゲーセンいってプリクラ撮ったりもした。こんな事できるのに死んでるのか
と思うと悲しくなるので考えずにいた
時間が過ぎるのもあっという間でもう11時になっていた。
大きな公園について俺たちはベンチに座って話した
昔の話しをしたりして盛り上がった
永遠にこの時間続く事を祈りながら・・・
「もう11時30・・・」唐突に彼女が言った
それは後30分でまた死んでる事になると言う事だ
「・・・」
沈黙が続く
急に彼女が言い出した
「ちょっと目つぶって!」
言われるままに俺は目をつぶった
ガサガサ
何かをポケットに入れた後キスされた
「あ・・・」
目を開けると真っ赤な顔をした彼女が涙を流していた。
「そろそろお別れみたいね」
その言葉を聞いて俺も自然と涙がでた
「やっぱり辛いよ・・・離れたくない」
彼女が言った
「ばかやろう、俺だって離れたくないよ。でもしょうがないだろ」
「うん、そうだね」
時間は後5分で12時だ
「今日一日ありがとう、」
彼女が言う
「俺も楽しかった」
「手紙書いたから見てね?」
「絶対見る」
「私の事忘れたら許さないんだから」
「絶対忘れるもんか」
「最後に・・・」
「ん?」
「いままでありがとう、今度こそさようなら」
俺はすぐに彼女を抱き締めた。
何も言葉がでなかったけどただ抱き締めた
俺の時計が12時を告げる
その瞬間に彼女は光の粒になってその場から消えた、微かな温もりを残して。
涙でぐしゃぐしゃになりながら俺は手紙を思い出す。
すぐに読み始めた
「私からの最後の手紙。実は死んでからずっと側から見守ってた、正直あそこまで私の事思ってるなんて思ってなかったよ(笑)私が消えたからって悲しまないで仕事も恋愛も頑張ってね!あ、私より可愛くない女と結婚したら承知しないからね!」
俺は最後まで読んでまた泣いた。
「あのバカ、最後まで世話焼きやがって」
その日から仕事も始めた、学校でも楽しい生活を送っている。
他に変わった事といえば・・・女と遊んでると幼馴染みが邪魔する事かな?
長いし駄文スマソ
なんか全然だめだorz
リアルタイム2回目。
GJ、感動した。
いんじゃない?
甚平が泣いた
>>141 >「誰がブスでブッサイクでクリーチャーよっ!!」
なぜなのか俺自身説明できないんだが、
「クリーチャー」を「アーチャリー」と一瞬読み間違えたorz
そう言って貰えるとうれしいw
初めてだったからかなり不安だったよ(´・ω・`)
おのれ、俺の作品には誰も泣かないのはどういう事だ!
バ、バカね。あんたなんかのくだらない文読んだくらいで泣くわけ無いでしょっ!!
171 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 01:52:15 ID:ZadwrMs6O
>>148 あんたすげーよ!
才能あるよ!
武者小路実篤なんかよりぶっちぎりで感動した!
プロなの?
他に何書いたか教えて!
172 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 02:23:51 ID:y2M6OsqVO
>>148 ギャグじゃなく、マジで泣いた。涙出た、うん。ひさしぶりに泣いたよ。。一人暮らししてこんなに清々しい夜は初めてだよ。.゚(PД`q)゚┼。
>>30 からけよまずに
ほぼKanonのあゆあゆやん
>>134>>135みたいな馬鹿話を書いた自分が言うのも何だが…
泣き系ばかりじゃなくもっとオバカな話も増えてほしいと思う。
>>148 ケミの「It takes two」聞きながら読むと、
もっと泣けてまうがな。。・゚・(ノД`)・゚・。
いやいやいや、なんでもない。
間違えた。
>>150だった。
でも
>>148もイイ!
しかし、こういうスレみると何かあんまし幽霊なんか
怖くなくなってきてしまう…
>177
まぁ、霊は元生者だったわけで……。
良い人も居れば悪い人も居るように、
良い霊も居れば悪い霊も居るんですよ。
確かにここ見てると、恐怖心は無くなってくるけどね。
>>148 朝っぱらから泣かせてもらいましたGJ!!
さて涙目のまま仕事行くか
>>148俺も読ませてもらった
…良い…
今泣きながら足場を組み…
ち…ちが…!!!雨に打たれてビショビショなだけなんだからね!!!勘違いしないでよね!!!この自意識過剰!!
(ノシ;>Д<)ノシ ポカポカ!
>>148 すげー奈須きのこみてーだ
泣けたよ
仕事中に
>>148 上手い。上手いな・・・。良い話だ。(T^T)
___,,
l_、孔_l,,
爪# ’д) < べ・・・別にあんたのために
( ∽,,) 策を思いついたわけじゃないんだからねっ!!!
ノ_,,,ノ、l
(_,,) (_)
「あっ、まってよ、そっちは暗くてあぶないよ!」僕は先を進む不二子に注意を促した。
「うるさい、のろま。びびってんの?だめ男は私の後をついてくればいいのよ」不二子は顔はいいのに性格は鬼だ。
「ねぇ、不二子ぉ、もうやめようよぉ」僕は情けない声を上げながらこれ以上進みたくない意思を伝えた。
「あんた、ほんっとにマンモーニね。どうしようもない愚図だわ」不二子は自分より身長の高い僕の胸倉をつかんで自分の顔に近づけた。
…めきゃっ☆
頭がくらくらした。頭突きを食らったのだ。
「そこでそうしてなさい。私が帰ってくるまでママのオッパイ代わりに指でもしゃぶってるのね」僕をおいて彼女はどんどん進んでいく。
僕はこのとき彼女を必死で止めるべきだった。そうすれば、今のこの状況もなかったろうに。
ずんずん進んでいく不二子。それが彼女をみた生前の最後の姿だった。
不二子は暗がりで足を踏み外し、そして脳溢血で死んだのだった。外見はとてもきれいだったのに。
それはちょうど一年前の出来事だった。
「あんたが、あの時必死こいて止めなかったのがいけないのよっ!!」不二子が言う。
「ご、ごめん。」僕は素直に謝った。「はっ、あんたのせいで私は死んだってのにお気楽なものね」うぐっ、言葉に詰まる。
一年後、つまり、今日。彼女の墓参りから戻ってきた僕を待っていたのは、僕の部屋で仁王立ちする不二子だった。心底たまげた。
お化けであることをのぞけば、彼女はそのままだった。他の人には見えないが僕には見ることも触れることもできる。
「なんで、成仏してなかったの?」僕が質問すると彼女はこう答えた。「あんたをからかうため、遊びにきたのよ」なんてことだ。
僕は眩暈がして部屋を出ようとする。すると不二子が着いてきた。
「ねぇ、ちょっとあっちいってくれない?」目的地までついてきた不二子に僕は頼む。
「なんで?」
「なんでって、ここどこか知ってる?」間髪いれず「トイレ」…あう。身もふたもない。…あわわ、やばい、もう限界だ。もらすわけにはいかない。
「みないでよ…」「あはっ、いっちょまえに」冷たい微笑み。
ジッパーをおろす。隣には不二子。緊張がたかまる。僕は…。
>続く
「なんで、用を足さなかったの?」緊張して、そんなものどっかいってしまった。
「ふん、小心者ね。ちっちゃいから自信ないんでしょ?」そういう問題か?
「不二子、女の子なんだよ? もうちょっとデリカシーってもの、ないの?」この言葉がいけなかった。
「…生意気言うようになったわね」そういうなり彼女は僕の胸倉をつかんで自分の顔に近づけた。
あ…デジャヴュ…。僕は次に来る衝撃に備え、身構えた。
…ほわっとした感触が僕の唇に重ねられた。…え、キス?
僕はそのまま押し倒された。不二子のホッペがほんのり赤く染まってる。不二子の手が僕の胸をまさぐる。
「体は男の子らしいのにね。ニブチンで、臆病で、そのくせ…すごく…かわいいのよね」「…あっ」僕も彼女に呼応するように息が荒くなる。
夜の帳が僕たちの影を覆いつくしていく…。
>続く
「どうしてあんなことしたの?」シャツのボタンをつけながら僕は不二子に聞いた。
「あんた本当に馬鹿ぁ?自分で考えなさいよ。」彼女も初めてだったはずだ。行為の最中の不二子はいつもの強気とは打って変わったものだったから。
「ねぇ、教えて。不二子の口から聞きたい」僕は意を決して彼女に詰め寄って彼女の肩をつかんだ。不二子の顔がとても近い。不二子って本当にきれいなんだなぁ…。
「みゃ…っう☆」不二子が変な声を上げた。変なところ触ってないはずだけど…。どうやら触れられただけで反応しているようだ。
「や、だ、めぇ…」息が途切れ途切れ。ちょっとおもしろい。調子に乗ってあちこちつつく。
「あ、はぁ、はぁ…ん…」ひとしきり遊んだ後、僕は彼女を解放してあげた。
ほんのり上気したホッペがすごく…
「かわいいw」
僕は口に出してそういった。不二子ははっとして僕をみつめた。
「…本当に?」小さな声で僕に訊く。
「うん、とっても」そう口にした瞬間、彼女はぼろぼろと涙をこぼした。その姿がとても女の子らしい。
「ありがとう…。私、行くね」
彼女がこういった。僕ははっとした。不二子がほんのりと光に包まれていく。
「どこ行くんだよ、行かないでよ!!不二子!!」
「ふん、ほんっと、あんたはマンモーニ(ママっ子)ね」あ、もう、いつもの不二子だ。
「あんたが来るのをあの世で待ってるからw」そういい残して不二子は消えた。
僕は座り込んだ。不二子のぬくもりがまだ残っているベッドの上に。・・・そして泣いた。
明日が来る。不二子のいない明日。そんな明日に意味はあるのか。
…ないよな・・・。
僕はベランダに足をかける。一歩踏み出せばいい。
そして僕は夜空に身を捧げた。
…これでいいんだよね・・・
がっ!!
僕は体をつかまれ、ベランダに引き戻された。不二子が怖い顔で立っている。
「この馬鹿!!言い残したこと言いに来たらとんでもないことしてるんだから」そういって彼女は言葉を続ける。
「うんと長生きしておじいちゃんになってくるのよ。そうじゃないと許さないんだから。」…え…。
「私を忘れるのは許さない。だけど、私に縛られて、一生独り身なのもゆるさない。途中で死ぬの許さない。」
「ここで精一杯生きて、恋愛して、子供育てて、それからきなさい」仁王立ちになってそう言い放つ。
「奥さんと一緒に来ても、私が勝つ自信あるんだからね。それだけ、じゃ」最後に、とんでもないことをいってあっさり彼女は消えた。
僕はワンワン泣いた。朝が来るまで泣いた。そして、僕は彼女に誓う。不二子にあったとき笑われない強い男になることを。
‐END‐
いやでも、この流れはイイ!! このまま続いて欲しい。
三昨ともGJ。
>>140はヤバス。次作キボン。
あ、ちなみに私、初作品が「マスター☆エイジア」です。
前作、いただいた意見を参考にしました。へこみましたが、改善されているんでしょうか。
ちなみに、自作自演だけは行っておりませんので、あしからず。
んー、個人的意見としては、行間空けすぎじゃないの?というぐらい。
話はよかったよ。
って言うかこれ、改行がおかしかったのかな?
193 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 19:34:58 ID:2/jlDO2FO
194 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 19:36:32 ID:Q7uORwKwO
感動しました! グッジョブです!
Σ∩
.(∃ ∧∧
\(゚∀゚)
ヽ E)
たしかに
>>140はやばい
が!これはこれでGJ!!
>>195 最近の若い子がつかう「やばい」の意味を取り違えてない?
>>140-148がGJなのは禿しく胴衣だが。
(つーか、プロの作品だよね。)
198 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/17(金) 14:10:12 ID:pQeU9HAh0
199 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/17(金) 19:28:27 ID:uHTS0ktUO
前スレってもう見れないのですか…?(泣)
200get!!
>>199誰かまとめでも作ってないかな?
ぶっちゃけ、前スレの306-310はこのスレの至宝だと思うのですよ。
あれ書いた人、まだここ見てるかな。あなた心底から神です。
>>204 おう!俺のもあるじゃないか少し嬉しいな。
>>199 前スレのログならあるけどうpする?
>>200 2chのまとめサイトの運営って結構大変だからなぁ。こう言うSS系のスレだと特に管理人の負荷がでかいし…
早い時期にまとめサイトが出来たはいいが、管理人がばっくれて後任が見つからず本スレ消滅とか
目も当てられない惨状になると辛いし。
個人的にはこのスレはまだ様子見、あと2・3スレ続くようならまとめもありかなと思っている。
先にまとめサイト作ったら負けかなと思ってる。
_....-‐ '''' ´´~` ``ヽ 、
/, , ヽ ヽ
/ // i ヽヽ `、
| // { { | | | | } } } } }
{ !{ | {、.._{__| { | _!_,,}.-}. } | |
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| | | .ヽ i_`; イ | | |:::|\| < …幼児体形で悪かったわねっ!
.|| | | :|::|:`i ´|::::|:::| | |:::|:.| |' \
./|-||-,!-‐フ' !=‐-| | |::::|:.| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
./ __ __ |ヽ|:.| |ヽ
/ | | ヽ!ヽ
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《今スレの代表的ツンデ霊達》
妙 遠距離操作型、泣き属性
守護霊 近距離自動型 シュール属性
美那の叔母の霊 近距離操作型 感動属性
範馬雄次郎の悪霊 近距離パワー型 デレ無し属性
マスター☆エイジア 遠距離自動型 オタ臭属性
211 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 12:44:37 ID:rOP8+h+dO
202が言ってるのは隙間の女の話しですか?
僕は途方にくれていた。財布をなくしたのだ。
学校のクラスメートの告別式に参加したその帰りの話だ。
そのクラスメートは生まれつき病弱で、学校が始まってまもなく肺炎で入院した。そしてそれっきりだった。
名前は槙村香。すごくきれいな子だった。初めて体験するクラスメートの死に衝撃を受けなかったといえば嘘になる。
しかし、実感があまりないのも真実だ。
僕は彼女の棺を見送ったあと、少し、そのあたりを散策していた。そのときに財布を落としたんだろう。
他の人はもうみんな帰ってしまって、僕一人。お金を借りるわけにもいかない。僕の家はここから、かなり離れてる。
「財布ないし、どうしよう…」そうつぶやいたら、「歩けばいいじゃない」背後でいきなり声をかけられた。
「うわっ」と叫び、後ろを見てまた…「うわっ」
背後に立っていたのはさっき僕が見送った槙村香だった。心臓が飛び出そう。どきどきがとまらない。
「お、おばけ!?」「あたり」あっさりとした返事が返ってきた。そんな馬鹿な。
「お、お、お、」「お?」「お、おばけ!!」「それ、さっき言った」冷たく切りかえされた。
「男でしょ、歩きなよ」あまりに平然としてるので僕も次第に落ち着いてきた。
「あし、あるよね?」「なによ、唐突に。お化けにだって足はあるんだから」そうなのか?
「日本だけよ。ひゅ〜どろどろの薄らぼんやりしたお化けは。ジェイソンとかも足あるでしょ」それはお化けなのか?
確かめようとして触ろうとしたら、さっと避けて「触らないで、下衆!!」うわ、ひどい。
僕の記憶にある彼女はすごくきれいで儚げだったのだが…。お化けの彼女はなんか、ぜんぜん違う。なんていうか。
「パワフル」あ、言葉が出ちゃった。「なによ、いきなり」自分のことを言われたとは思ってないみたいだ。よかった。
「さ、いくわよ」「どこへ?」唐突だ。
「あなたの家にきまってるじゃない。恐竜並みの鈍感さね」僕、ちょっとこの子にときめいてた。でも、嫌いになりそ。
「結構、遠いんだよ。僕の家」「知ってるわよ。☆◇町でしょ」あふん:;
うなだれる僕をおいて彼女はずんずん歩いていく。でも、そっちは逆方面じゃ…。とりあえず、着いていく。
「で、こっちであってるのよね?」香さんが聞いてきた。「いや、反対だとおもうけど…」
「なんで先に言わないの!!こんの、愚図!!」
「おふっぅっ!!」香さんは思いっきりのフルスイングで僕のボディにブローを入れた。
お化けって人もなぐれるんだ…悶絶する僕はそんなことを考えながら、情けないけど…意識を失った。
ほっぺになにか暖かいものが、ぽつぽつと当り、僕の意識は覚醒した。香さんがぼろぼろと涙をこぼしている。
僕は香さんに膝枕されて寝かされていた。
ちょっとどきりとしが、泣いてる彼女があまりにきれいだったのでそのまま薄目で彼女をぼんやりと見てた。お化けの膝枕なんて、あまりないよね。
「うっ、うっ、私の見よう見まねの崩拳が殺人技まで昇華していたなんて…う、うぐぅっ」
…変な子。くすり…と笑ってしまった。
「あ、ああっ、、お、起きて…!?」どだん!!と僕は落とされた。地面がいたい。
「いた、たたた…」…ずん!!と身を起こそうとした僕の上に衝撃が。
「なんで、おきてたのに黙ってたのかしら。この破廉恥小僧…」お、おもい。お化けってかるくないのか…。子泣き爺というお化け譚をおもいだした。
ぽかぽかと僕の頭をたたく。あまり痛くない。さっきのことで加減してくれてる?
痛みがひいてくると香さんのお尻のやわらかい感触がちょっとうれしかった。
「もう…馬鹿…、本当に心配したんだから…」と、僕の背中に、香さんが覆いかぶさってきた。
あた、あた・・・ってる、む、胸が…。やわらかい感触、香さんの鼓動。それが伝わってくる…。
…鼓動? 不意に冷静になった。…とくんとくん。やさしく、力強い音が響いてくる。
僕はガバリとおきあがった。「きゃ…☆」
「君、誰だ? 香さんじゃないんだろ? 悪ふざけはやめろよ。こんないたずら最低だ!!」
僕は確信を込めてこういった。
尻餅をついた自称お化けは、僕を上目遣いに見ていた。…が、立ち上がって、ぽんぽん、と砂をはらう。
そして僕に近づいてきて…。(本当にきれいだなぁ)と思うまもなく、星が飛び散った。
「私は香!! 私は私なの!! 死にたくなかった!! まだ、16なのよ!!」マシンガンのようにまくし立てる。
「お、お…おお」僕は動揺している。やっぱり香さんなのか?
「私だって、死にたかったんじゃないんだから!! 化けてあなたにあうより、生身で会いたかったんだから!!」
「だから、だからこうして来たのに!!」
そこまで言い切って、はっと彼女は口をつくんだ。大きい瞳に涙が溜まっている。
「馬鹿ーーーーーーーー!!」どずん☆!
彼女はまたお得意の殺人崩拳で僕を吹き飛ばした。薄れいく意識の中で最後にみたのは走り去る彼女の背中だった…。
僕が目を覚ましたのは夕刻。巡回中のおまわりさんが僕を見つけて家まで送り届けてくれた。
今日の出来事はいったいなんだったんだろう。
…それからは何事もなく日々が過ぎていく。
変わらない日常。もちろんもうお化けも見ることない。
…ただ、後悔だけがつきまとう。
そしておもうのだ…あの時、違う対応も出来たんじゃないかと…。
215 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 13:48:48 ID:KUeqSP7xO
終わりか?
面白いけど……ここで本当に終わるのか!?
GJ……だが、ここで本当に終わるのか!?
俺が続きを書いてやる。
ともかく一霊が奔り出した
香の放つ崩拳(中段突き)を躱しざまに合わせた念仏は――――――――――――
正確に香の現世への妄執を捕え――――――――――この世への未練をなにもかも暴露させ―――――――
あたかもポルターガイストの如く周囲での物体激突を繰り返し生じさせ―――
典型的な悪霊の被害をつくり出した
さらには既に成仏しかけた香の下顎へ
ダメ押しの清め塩ぶっかけ
天に召される体勢を利用した――大僧正による御払いは
香を更なる遠い涅槃へと連れ去り―――――――――
全てを終わらせた!!!
その間
実に2秒!!!
>>218さん、そのノリ好きw
でも、自分でやると、上手くいかないのよねぇ。
そんなわけで続き。
僕の後悔は極限にまで達した。
僕は、あの日のことが忘れられなくて、槙村香の家に行ったのだ。
ちいさなアパートだった。ドアのチャイムを鳴らすと男の人が出てきた。
「きみは…、ああ、そうか。香のクラスメートだね。僕は槙村秀幸。さ、中に」男はどうやら香さんの兄らしかった。
「何もないけど、線香でも上げてくれ」秀幸さんの顔は生気があまり感じられなかった。
僕は香さんの霊前を離れると、来訪した理由を正直に述べた。
彼女のことをあまり知らなかった自分。財布をなくして表れた謎の自称お化け。
「あれは本当に香さんだったのでしょうか?」そうたずねると、驚いたことに、秀幸さんが笑い出した。
「ふっ、ふはっ、はっはっはっは」僕は目を白黒させながら秀幸さんが笑いやむのを待った。
「いやぁ、ごめんごめん。いやぁ、笑った笑った」そういいながら、秀幸さんは本当に楽しそうだ。
「こんだけ笑ったのはあいつが死んで以来だ。この前の葬式のとき、僕が喪主だったんだが、君、おぼえていないでしょ」
「え」やば、失礼なことしてしまった。「ああ、いい、いいよ。気にしなさんな」そうやさしく微笑む。
「君のところに出てきた自称お化けは、正真正銘、香だと思うよ」え・・・。
秀幸さんは記憶を振り返っているのか、僕の背後に目線を泳がせ、笑いながら語りだした。
「あいつはなぁ、体が弱いくせに格闘技が好きでな。いや、体が弱いからこそか。調子のいい日はよく、漫画本片手に突きの練習してたよ。面白いだろ?」そういってまた笑う。
「あいつ、見た目はかわいいが結構おてんばでな。△●病院をよく抜け出していたんだよ」△●病院は僕の家の近くだ。
「そのときにな、学校の男子クラスメートを見かけたらしい。捨て猫の前でうろうろしていたんだってさ」
ん?流れが読めない。
「その男子、最初は無視しようとしていたそうだ。香は冷たいやつだと思ったそうだが、男子は戻ってきた。」
「ミルクを持って。で、そんな優しい男の子がそれから気になってしょうがなかったらしい。君のことだよ。」
え、えええエーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「僕は君の住所を調べさせられたんだぜ。君と最後に話したかったんだろうな」僕はショックだった。彼女を悲しませてしまった。
秀幸さんは僕にまたおいでと優しく言ってくれた。
謎は解けたが、やるせなさを感じてとぼとぼと帰途に着く僕。
そして、バスに乗ろうとして気づいた。財布がまたない。がっくりくる。
「僕って、ほんと、間抜けだなぁ」一人ごちた。「いまわかったの?」背後で声がした。
「か、かおりさん?」「はい、これ」その手には財布が二つ。あ、はじめに落としたやつもある…。
「もう、失くさないのよ」ぽんと投げてよこす。
「僕、君にひどいことを…」「しっ」と僕の口を人差し指で封じた。
「いいの。今日、線香上げてくれたからそれで多めに見てあげる」
「…」僕は後悔で言葉が継げない。目が潤んできた。
「こ、こらこら、男が泣かないでよ」「だっで、だっで、ぼ、僕、君に…」
「うー、困ったなぁ。じゃぁ…」そういって香さんは…僕のおでこにキスをした。
「はい、泣き止む」あ、ホッペが赤い。「こら、ニヤつくな」僕にどうしろと…。
「お兄ちゃんが全部白状しちゃったから言うけど。私、あなたがすきだったの。すごく」またも唐突。
「だから、死にたくなかった。で、体は死んじゃって気づいたら、このとおり」
人間って不思議ね。なんてお気楽な口調で香さんはいう。
「線香上げに言ったらまた、あえる?」僕はきいた。
「あら、そんな必要ないわよ」さっぱりした性格だなぁ。もう未練もないって感じ…ではなかった。
「いま、あなたの背後霊してるから」…な、なにぃいいいいいい!!!!
「わたし、あなたの守護霊…ん、おじいちゃんだって。にすごく気に入られちゃったみたい(笑)」(笑)じゃねぇ。
「お兄ちゃんも元気になったし、めでたしめでたしよね」あ、そういえば、秀幸さん、僕の後ろを見てたっけ。
「これからは毎日いっしょだからね」なんだかなぁ。
「外に行くときも、ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも…ほら、鏡には私が映るわよ」うわ、それはホラー。
こうして、僕は香といっしょにいる。つっけんどんなところもあるが、妙に世話好きな面もある。
困ったことは、女性と話すと髪を引っ張られることかなぁ。
…僕、恋愛できないんだろうか…。ま、彼女がお化けなのも、ありなのかな(笑)
‐終‐
GJなんだが…
名前が… orz
う、すんません。
名前考えるのが苦手で、知ってる作品のキャラ名使うと楽なんで・・・。
以後気をつけます。
100tハンマー
226 :
110:2006/02/18(土) 16:21:47 ID:cJoXdxuU0
>>222禿同
兄までフルネームなのが違和感ほとばしりすぎ。
今回の元ネタはシティハンター??よく判んないけど。
名前自体が何かの伏線かと思った。
でもやっぱり元ネタを判ってないと100%楽しめないならイラネ…
…でもまぁ「面白かった」わよ。グ、「グッジョブ」…かな…
…っ、何よ、ニヤニヤしてんじゃないわよ!!崩拳たたっこむわよ!!
内容としては全然違いますから、名前だけ借りたって処でしょうね。
まぁあれだGJ
ちょっとまとめサイト作ってみる。
期待しないで待っててくれ。
>>ツンデレ初心者さん
面白かったよ。ありがとう。
ただ、ちょっと全般的に冗長に過ぎる気がしないでもない。
>>227 期待なんかするわけないでしょ!
待ってろとか生意気な事言ってるんじゃないわよ!!
まとめサイト出来たらすぐチェックしてやるわ!
何よ?待ってるわけじゃないからね!
アラ…そうアラを探しに行ってやるんだからね!バカァ!
231 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 19:35:27 ID:KUeqSP7xO
冗長って何?
>>228 やっぱり期待しちゃうお(`・ω・´)
ガンガレ!!
ご意見、ありがとうございます。
精進します。m(_ _)m
折り見て、今度は簡潔なものを投下しますね。
…うえで折り見てといったのに。出来ちゃいました。
もし、よければ書き込んでみたいのですがいいですか?
だめなら日を改めます。
ありがとうございます。
ちょっと書き方変えてみます。つまらなかったら、厳しい意見をお願いしますね。
俺には守護霊がいる。困ったことに、俺に話しかけてくる。 しかも、そいつは…おかっぱでいたずら好きの12歳の女の子だったのだ。
「俺と守護霊の微妙な一日」
5時14分。
線香のにおいとラジオ体操のミュージックででおきた。 目を開けると、守護霊が自分で線香をたいて、ラジオ体操をしている。
いつものことだ。寝なおす。
6時00分。
すずめの鳴き声がする。また、えさをやっているのだろう。ふんの掃除を誰がすると思ってるんだ。
7時42分。
時計をみて…飛び起きた。遅刻だ!! 守護霊はいない。
「ちっくしょー、なんでおこさねぇんだ!!」 「うるさい。近所迷惑だ。静にしろ」リビングから、みのもんたの声と一緒に聞こえた。…朝ズバ…か。
8時00分。
走ればまだ間に合う。俺はパンをくわえて、走り出した。 ズシッとした重みがあった。奴が乗ってきたのだ。
「お前、宙にうかべるんだろ、何で体重かけてんだ」「獅子はわが子を千尋の谷につきおとすという」
…もういい。かまわず走る。
8時15分。
無常にも電車は行ってしまった。
「…」「ふむ。鍛錬がたらんな」もう、声もでない。
9時23分。
上司にしかられた。守護霊は俺のお茶をすすっている。
10時45分。
書類に奴がコーヒーをこぼした。奴の姿は見えない。…泣けてきた。
13時45分。
ちょっと用を足しにトイレに。奴もきっちりついてきた。
「ここは男子トイレだ」「知ってる」「帰れ」「守護霊は離れられんのだ」
こいっつ…。おれが用を足してる横で、ひゃぁ…だの、うわ…だの、小さいだの…。
目を覆う振りをして、ちゃっかり指が開いてる。ちょっと泣けてきました。
15時42分。
事務の女性社員が俺を夕飯に誘ってきた。いきなり、俺のベルトが切れてズボンが落ちた。
女性社員は逃げてった。…死にたい。
17時00分。
定時に仕事が終わる。くたくただった。電車は満員だった。奴は俺の頭の上に座ってる。体重はかけてないがうざい。
なんだろう、民謡だろうか…誰かのヘッドフォンから、かすかに音楽が聞こえる。
守護霊がいきなり、踊りだした。勘弁してくれ。頭の上でターンをした。
俺はバランスを崩して目の前のケバイお姉さんに、ぶつかった。
「ちかーん!!」おいおい。運よく、扉が開き、走って逃げた。
18時00分。
夜の公園。
「すまん。つい」「…」「許してくれんかの?」「…」「なぁ、明日は朝起こしてあげるから」「…」
俺は怒りが収まらなかった。当分、あの電車は乗れないだろう。
「なぁ、許し…」
「うるさいっ!! お前なんかどっか行っちまえ」顔も見ずに言う。
「ひっ」俺の声に驚いたのか、短い声を上げて、守護霊の気配が遠のいた。振り向くと奴の姿は見えない。
せいせいした。肩のコリがなくなったようだ。
…うん。せいせいした。「せいせいしたぞーーーー!!」大声で叫んだ。
「うるさい!!」ちょっと怖めのあんちゃんにどなられた。
18時26分。
石に躓いた。派手に転倒。いたい。
18時42分。
財布を落とす。
18時56分。
会社から呼び出し。戻る。
22時40分。
帰宅途中、やくざに絡まれる…。
ほうほうの体で逃げ出した。…なんだこりゃ。守護霊の大切さを実感し始める。
23時52分。
コンビニで万引きと間違えらる。これが、とどめであってくれ…。
01時23分。
無事釈放され家に到着。…味噌汁のにおい?
テーブルには、味噌汁とご飯と秋刀魚が並び、湯気がたっていた。…そして…書置き。
『ごめんなさい』文字がにじんでいる。
02時12分。
俺のベッドで守護霊が寝てた。枕が涙でぬれてる。
…ま、許してやるか。
涙をそっとふいてあげて、俺は床で寝た。
08時42分。
…遅刻。奴はよだれをたらして寝ている。
…はぁ…
まぁ、それでも、こいつがいてくれるほうがましか。
おれは守護霊のぷにぷにしたホッペにひげを書いて家を出た。
…いたずら書きに気づいた守護霊がどんな仕返しをしてくるか…考えたら、ちょっと口もとがほころんだ。
‐おわり‐
241 :
110:2006/02/18(土) 21:44:24 ID:cJoXdxuU0
とりあえず乙
微妙にほのぼのしてて、これはこれでイイんじゃね?
ツンデレ喫茶なんていうのを始めたら儲かるかな・・・。
客によってはツンだけで終わっちゃうだろ
>238-240
俺、こういうの好きかもしれん。
>>243 おまい天才
そんな喫茶店あったら俺チンコ勃ちっぱだわw
ツンデレのデリヘル、ツンデリヘル。
「ば、ばか! そんなに大きくしてどうすんのよ、このヘンタイ!」
ソフトSMとの違いを30文字以内で説明するように。
「先払いだっけ? はい、18K」
「ば、ばか!そんなのいらないわよ!」
Mは最初からそのつもり
ツンデレ受難者は受難から許容へ
251 :
1/14:2006/02/19(日) 00:48:23 ID:ZRt22Wt10
――少し、想像力を働かせてみて欲しい。
季節は夏。大学生である君とその家族は、祖父の葬儀のため父方の田舎に向かう。
山野に囲まれたのどかな村で、都会の喧騒をしばし忘れている君。
地元では名士だったらしい祖父が住まう家屋は、武家屋敷を思わせる広大さ。
親族たちの歓待から開放された君は、子供のような好奇心でもって広い屋敷を
歩き回っているうちに、祖父が使っていた部屋で奇妙な少女に出会う。
さて、ここで質問だ。
「……あなた、もしや私の姿が見えるのですか?」
「…………」
見た目、十二〜三歳の紅い着物姿の少女が
「質問に答えなさい。私が見えるのかと聞いているのです」
「…………」
容姿に似合わぬ大人びた口調で
「その表情から察するに、見えているようにしか思えないのですが……」
「…………」
“空中に浮遊したまま”問いかけてきた場合には、どう答えるべきだろう?
@見えない
A見えないよ
B見えないってば
えーと……えーと………む、むつかしいなあ………えーい、ままよ!
隙をつかせてくれるのがM
隙をつきたくなるのがツンデレ
253 :
2/14:2006/02/19(日) 00:49:09 ID:ZRt22Wt10
「@見えないっ! 着物姿の女の子なんか全然見えないってマジで!!」
「………これ以上無いほど愚かしい回答をありがとうございます。さてはあなた、莫迦ですね?」
「くっ………カメ虫を見るような目で断定されたっ……!」
「……まあ、いいでしょう。莫迦でも愚鈍でも久方ぶりに話の出来る相手ですし」
「えーと、その、僕は……君にとり殺されちゃうのかな?」
「莫迦なだけでなく、浅慮で無礼者ですか。それがあなたなりの自己紹介なのですね?」
「うふふ、うふふふふ……僕にマイナス方面の個性がどんどん付与されていくよ……ふふふっ」
「遠い目で呟くのはそのくらいになさい」
紆余曲折があり、だだっ広い和室に正座させられて少女の話を聞く羽目になった。
なんでもこの子は、四代ほど前に遡る先祖であるらしい。
年若くして病気で亡くなったが、以来こうして家を見守っているのだ、とのこと。
「……座敷童子、っていうヤツなの?」
「違いますね。座敷童子とはその家を富ませる物の怪でしょう?」
「うん、一般的には。だってほら、この家ってここ数代すごく成功したらしいし……」
「私はその辺には関与しませんので。偶然でしょう」
「じゃあ見守るっていうのは……」
「言葉通りの意味です。見ーてーるーだーけー」
ぶっちゃけた! ぶっちゃけたよこの子! 悪びれる様子も無く!
「……まあ、ごくごく稀にあなたのような“見える”人が、そう勘違いしたこともありますが」
「そういう時、君はどうしたの?」
「とりたてて否定はしませんでした『……御供えには、みたらし団子が吉』と呟いたりはしましたが」
254 :
3/14:2006/02/19(日) 00:49:58 ID:ZRt22Wt10
うわあ……やらずぶったくりっスね?
しかもみたらし団子、て。食えるんですかあなた。
「つまり……今までの話を総合すると、君は由緒正しいニートなんだね?」
「にーと? にーと、とはなんです?」
「………説明したら負けかな、と思うからやめておく。それでさ……」
やがて妹が僕を探しに来るまで、少女との会話は続いた。
「故人を偲んでいた」と誤魔化しながら祖父の部屋を後にする。
彼女に聞こえたかどうかは分からないけど、「おやすみ」と小声で挨拶。
妹に急かされながら、ぼんやりと彼女との会話を反芻する。
可憐な佇まい、鈴を振るような声。桜色の唇が歌うように動いて――
――莫迦ですか
――黙って聞きなさいこの俗物
――いいですか凡夫。何の取り得も無いあなたでもこうして私と話が出来るからには……
待て。
なんか、ちょっと違くないか。
こういう回想はもっとこう、心温まるやりとりであるべきではなかろうか。
何ゆえ先ほどの会話は、僕への罵詈雑言のみでもって構成されているのか。
「……お兄ちゃん、なんで泣いてるの?」
「な、涙の数だけ強くなるため、かなあ………ぐすっ」
255 :
4/14:2006/02/19(日) 00:50:48 ID:ZRt22Wt10
翌朝。眠い目をこすりながら洗面所に向かう途中で、例のビックリドッキリ先祖に会う。
「おはようございます。良く眠れましたか?」
「………おはよう。うん、昨夜の気疲れする会話のおかげでぐっすりと…
――いやいやいやいやちょっと待って。なんで朝から? しかも縁側に?」
「霊が朝方出歩いてはならない、と誰が決めたのですか?」
「決められてはないだろうけど……でも、なんかこう………」
「あの……お、お兄ちゃん………誰と話してるの?」
「ああ、おはよう祐子。いや、こちらにおわすTPOをわきまえない方にちょっと………」
「……妹さんは、私の姿と声は認識出来ないようですが。
あなたの夢うつつな鳥頭は、そのあたりを理解していますか?」
「そーなの? じゃあ、なんだ。今の僕って、目を合わせるにはちょっぴり気まずい人っぽい?」
「有り体に言えば。ああ、あなたの背後で妹さんが泣きそうになっていますね」
「……お、おかあさーん! お兄ちゃんがおかしくなったあっ!!!」
「………………」
「………………」
その後、歯を磨き終えた僕が居間に行くと、目に涙を溜めながら俯き加減の妹を
「ばかねえ祐子は。昌悟がおかしいのは今に始まったことじゃないでしょう?」と
優しく慰める母さんの姿があるわけで。
ほうじ茶を啜る父さんからは「昌悟……奇行は隠れてやるもんだぞ?」などという
ありがたいアドバイスもゲット。
ちなみに件の少女霊は朝の連ドラをかぶりつきで観賞中だったり。
とても良い朝ですね。死にたくなるのを除けば。
256 :
5/14:2006/02/19(日) 00:51:36 ID:ZRt22Wt10
砂を噛むような味の朝食を摂り終えると、それでも少しは元気が出てくるもので。
屋敷の周囲を囲む山林へ散歩に出かけることにする。もちろん僕の傍らには……
「なんで居るの?」
「私と話が出来るのはあなただけだと言ったでしょう?」
「いや、別に話さなくてもいいじゃん。さっきまで連ドラ観てたし」
「……私と話すのは、嫌ですか?」
「えっ? 別に、そういうことは……」
か細い声で下方から問いかける姿に、少し慌てる。
ワンセンテンスごとに僕を罵倒する女王様型少女霊・改に似合わない態度だ。
……しかしまあ、なんだね。アレだよね。
若いというよりは幼いと形容したほうが相応しい容姿なんだけども。
この子はめっちゃ綺麗だ。黒絹みたいな髪がさらさらと風になびいて
白い肌とのコントラストが際立つ。紅を引いてるわけでもなかろうに
艶めかしい唇は薄くて形が良く、吊り目がちな黒瞳は濡れたような
光を湛えて僕の顔をじっと――
「……何か、凄まじく下種なことを考えてはいませんか?」
「う、ううん。そんなコトないよ? ないったらないんだよ?」
人が道を踏み外すのはきっとこういう瞬間なんだろうなあ。
僕、一応は二つ下〜人妻までがストライクゾーンのはずだしなあ。
ボール球に手をだして社会的バッターアウトになるのは御免こうむりたいところ。
あせらず球を選んでいこうぜ!
「そっ、そんなことよりもさ、ここって空気が美味しいよね!」
「私に劣情を抱くような、人面獣心意馬心猿な鬼畜にも
ここの新鮮な空気を味わう権利があったのですか? 驚くべき事実です」
むしろビーンボールでした。
257 :
6/14:2006/02/19(日) 00:52:23 ID:ZRt22Wt10
なんだかんだ言いながらも、暇さえあれば彼女は僕の前に姿を見せる。
周囲に人が居ない時を狙って現れるのは彼女なりの気遣いなのかもしれない。
まあ、それでも幾度かは妹に「虚空と会話する僕」を目撃させてしまったが。
気遣いが気違いに早変わりって寸法さ。洒落が効いてると思わないか、ジェイク? HA-HA-HA!!
……最近、祐子が何か痛ましいものを見るような視線を僕に向ける。どうにかせねば。
庭の隅にある土蔵の裏手で、かの少女がぽつねんと佇んでいるのを発見。
周囲に人影は無し。母さんと妹は、親族の女性陣と一緒に夕飯の仕度をしているはずだ。
例の相談をするには絶好の機会と言える。さっそく実行に移す。
「……話が見えませんね。要するにどういうことですか」
「うん。つまりその、僕に話しかけるのをしばらく止めてほしいかな、って」
「何故」
「……妹が怖がるから……僕のことを」
「ああ、妹さんや他の方には私が見えませんからね。無理も無いでしょう」
「ここ二、三日の間で、祐子に4、5回は目撃されてるんだよね……君との会話を。
実の兄が『見えないナニカ』と語り合ってる姿って、多感な年頃の女の子にはどう思えるだろう?」
「私が妹さんだったら、他の家族と協議の上しかるべき施設に収容します。
あなたが泣こうが喚こうがそうします。そして見上げた青空にはあなたの笑顔が大写しです」
死んでる。それ死んでる。
というかすげえ嬉しそうに語りますね。Sっ気隠そうともしませんか。
「これ以上心配させるのは嫌だからさ。……頼むよ」
「……ふん。なんですかいつになく神妙な顔で。そんなに妹さんが大事ですか?」
「そりゃまあ。かわいい妹だし、これからも兄妹仲良くやっていきたいし」
「…………………」
258 :
7/14:2006/02/19(日) 00:53:15 ID:ZRt22Wt10
そうなのだ。他の家庭がどうなのかは知らないが、うちは幸いにも親子仲や兄妹仲が良好だ。
妹の祐子は4つ年下の中学二年生。まだ少し子供子供した部分が抜けきらないとはいえ
身内贔屓を差し引いても気立てが良い子で、小さい頃から僕を無条件で慕ってくれたかわいい奴なのだ。
義理チョコとはいえ、手作りしてくれるんだよ? ゴディバ買ってくるよりは手間かかりますよ?
つうか強そうな響きだよね、ゴディバ。RPGなら中ボスくらい務まる名前だよね。
>ゴディバがあらわれた! コマンド?→
何の話だったっけ……えーと、そうだ、つまり
「というわけなんで、その方向でひとつお願い」
「前向きに努力させて頂く所存です」
「いや、あの。そんな日本的玉虫色回答じゃなくて。はっきりと……」
「社に持ち帰って検討させていただきます」
「勤めてないだろう。ネバーエンディング無職だろう君は」
「……はあっ……わかりました。これからしばらくは話しかけることをやめましょう」
「え? マジで?」
「失礼な言い草ですね。あなたが言い出したことでしょう?」
「うん、そりゃそうなんだけど……君がこんなにあっさり折れてくれるとは思わなかったから」
いつもの5割増しくらい罵倒された上で折れると思っていた。彼女の意志がではなく僕の心が、だ。
僕は基本的にも応用的にも弱気なので、意志や決意がポッキーより折れやすい。
「ありがと、そうしてもらえると助かるよ」
「勘違いしないことです。妹さんのため、という点を考慮しただけですので」
「わかってる。じゃあ、ここからはそういう方針でいこう」
「…………」
259 :
8/14:2006/02/19(日) 00:54:02 ID:ZRt22Wt10
彼女はさっそく黙り込む。うむ、実践が早い。
ちょうど夕飯が出来た頃だし、妹が僕を探しているかもしれない。
やがて軽い足音が近づいてきて――
「……お、お兄ちゃん、晩ごはんできたよ……」
ビンゴ。
まだ少し及び腰とはいえ、それはすぐ元に戻るだろう。
妹よ、もう兄のサイコな言動に心を痛めなくてもいい。
兄が拘束衣を着せられて何処ともわからない施設に収容されることは無い。
……多分。
「今行く。ちなみに今夜のメニューは?」
「あ………うん、あのね、なんかこっちの名物料理みたいだよ。
すっごく美味しそうなの。加南子伯母さんたちもはりきっちゃって……」
「祐子も手伝ったんだろ?」
「わたしはじゃがいもとか剥いただけだし」
「芽には毒がある。これ、トリビア」
「あははっ、そんなの皆知ってるってば」
楽しそうに話す祐子の頭越しに、ちら、と土蔵の方を窺う。
少女はじっとこっちを見ていた。土蔵の白い壁に紅い着物が良く映えている。
この距離ではどんな顔をしているのかまでは分からない。分からないが……。
なぜだろう。なんだか、自分がいじめっ子になったような気がした。
260 :
9/14:2006/02/19(日) 00:54:46 ID:ZRt22Wt10
彼女の意志は、僕と違って強固だった。
少女は翌日から一切僕に話しかけてこないようになった。
ただ、姿が見えるのは相変わらずなので妙に気詰まりがする。
例えばこんな風に、親族や家族と和気あいあいとした朝食を摂っていても。
「……………………」
「……あー、こ、この漬物美味しいですね」
「あら、そういって貰えると嬉しいわねー。これ自家製だから」
「……………………」
「う、うん、ほんと美味しいなあ、この漬物っ!」
「……………………」
真正面、食卓上空に正座して僕をまじまじと眺める少女霊が居なければ
もっと美味しいかもしれない。彼女はとても恨めしげな顔で僕を睨んでいる。
そもそも幽霊だから、そういう顔をしているのが正しい在り方なのかもしれないが、
小馬鹿にしたような顔や呆れ顔でなく「恨めしそう」な顔というのは初めて見る。
怖いし、消化に良くないし、非常に居心地が悪い。
内心で冷や汗をかきながら機械的に箸を動かしていると、伯父と父さんの会話が耳に入ってきた。
「いつごろまでこっちに居られるんだ?」
「ああ……仕事もあるから、あと2、3日がせいぜいかな」
「もっと居りゃあいいのによ。お前は親父とあんまり折り合い良くなかったけんど、
別にもう誰も気にしねえやさ。20年ぶりに帰ってきた家だろうが」
「そういう訳にもいかないよ」
「ま、無理にとは言わんけどよ……」
父さんと祖父の折り合いが悪かったというのは初耳だ。
そう言えば、小さい頃に遊びにいく「じいちゃんばあちゃんの家」は母方に限られていた。
もし、この家をもっと小さい頃から訪れていたら
「……………………」
……この子とも、無心で仲良くなれただろうか?
261 :
10/14:2006/02/19(日) 00:55:29 ID:ZRt22Wt10
夕食後、あてがわれた客間でぼんやりしていると、祐子がトランプを持って遊びに来た。
「なんかこう、もっとデジタルでハイテクな遊具は無いのか?」
「でも……たまにはこういうのも面白いと思うよ」
「じゃあ僕がトランプタワー作るから。祐子はそこで指咥えて見てろ」
「お兄ちゃん一人を楽しませるために持ってきたんじゃないのっ!」
「………………」
やがて彼女も来た。話しかけてくるわけでも無い。ただ僕と祐子を見ているだけだ。
ポーカー、ブラックジャック、神経衰弱。室内には僕と祐子の笑い声だけが響く。
やがてゲームはババ抜きに移行する。
2のペア、7のペア、クイーンのペア、残るジョーカー。
エースのペア、3のペア、6のペア、キングのペア、余るジョーカー。
彼女はただ見ている。恨めしそうにではない。何か眩しいものを見るように。
僕は、手の中のジョーカーを見ながら思う。
なんでこのカードだけペアにならないんだろう。
当たり前だ。だってこれはそういう遊びだから。
誰かが勝手に決めたルールで「仲間はずれ」になってるだけだ。
僕が悪いわけじゃない。祐子が悪いわけじゃない。だけど――
「だけど、君だって、悪くないはずだ」
はっきりと、彼女を見据えて言った。
祐子が目を丸くして僕を凝視するが、構わない。
元は自分で言い出したことだけど、僕はやっぱり意志が弱いから。
彼女は確かにそこに居るのに無視し続けるなんて、こんなのは嫌だ。
262 :
11/14:2006/02/19(日) 00:56:45 ID:ZRt22Wt10
「君、カードに触れられる?」
「………………」
少女は祐子に劣らず目を丸くしていた。何を言い出すのか、と。
あんなに妹を気遣っていたのに今更何のつもりか、と。
「……お、にい、ちゃん。あ、あの……その……」
「祐子。僕は気が狂ってるわけじゃない。少しだけ待ってくれ」
「お兄……」
「触れられるなら、このカードを持って」
クイーンのカードを手渡す。彼女にはぴったりだと思ったから。
少女は覚束ない手付きでカードを持つ。隣では祐子が息を呑む気配がした。
彼女の姿が見えない祐子にしてみれば、空中にカードが浮いているようにしか見えないはずだ。
怖がらせないように細心の注意を払って、告げる。
「祐子。彼女が、僕のここ数日の話相手だよ。この家のずっと前のご先祖さま」
「……………」
「……………」
少女の唖然と妹の呆然を交互に眺める。
祐子は宙に浮くクイーンを見たまま固まっている。少女はクイーンを手にしたまま目を泳がせている。
僕は言葉を重ねていく。
「生きてる人じゃないけど、悪い存在では無いと思う。
祐子には見えないだろうし、他の人にも見えてない。僕だけが見えた」
「…………ゆうれい、なの?」
「うん。でもすごい綺麗なんだぞ。だけど口が悪い。めちゃくちゃ悪い。
容姿端麗という美点を相殺どころか虐殺するくらい悪い。そんな美少女霊」
「………私を驚かせたいのか怒らせたいのか、どちらですか?」
「いやもうこの期に及んで、君にそんな風に睨まれても怖くないもんね!
でさ……どうだろう、祐子。彼女も交えて三人で遊ばないか?」
263 :
12/14:2006/02/19(日) 00:57:30 ID:ZRt22Wt10
視線を僕に戻した祐子は、大きく深呼吸をひとつ。
クイーンの方向に身体を向けて正座して。
柔らかく笑いながら。
「はじめまして。祐子です」
「………………はじめ、まして………」
「はじめまして、って言ってる。あ、そういえばまだ君の名前聞いてなかったなあ……」
「…………お兄ちゃん、それすごく失礼」
「祐子さんは、お兄さんと違って礼儀正しいのですね」
「………祐子はお兄さんに似て礼儀正しい、と言ってる」
「くうっ………わ、私の言葉が捻じ曲げられていきますっ……!」
それからはまあ、わざわざ書き記すまでもない。
僕らは彼女にルールを教えながら、色々なゲームに興じた。
話していた時の印象どおり彼女はとても聡い子で、簡単な説明と数回のゲームでルールを理解した。
セブンブリッジでは祐子と共謀して僕に足止めを食らわす、という段階にまで進化していたほどだ。
僕という通訳を介して、祐子はあっという間に彼女と仲良くなり、
「……お兄ちゃんの通訳、ところどころヘン。ちゃんと正しく伝えてる? うそ言ってない?」
「ば、ばっかだなあ祐子は。僕が嘘なんか言うわけがっ」
「素晴らしい。この三流通訳の意図的な誤訳を看破するとは……」
「祐子は素晴らしいと言ってる」
「その後も伝えなさい。一言一句違えずに」
「こ、この三流通訳の、ぐすっ……意図的、な………」
気付けば僕の味方はいなくなるほどだった。
264 :
13/14:2006/02/19(日) 00:58:18 ID:ZRt22Wt10
僕たちはその後もそんな感じで、日々を楽しく過ごした。
ただまあ、楽しい時間というのはいつか終わるもので。
「もう……ここを発つのですね」
「う、うん。そろそろ父さんの仕事が詰まってきてるらしいんだ。だから……」
「祐子さんに宜しく伝えておいてください。楽しかったです、と」
「そんな、もう二度と会えないみたいな言い方は止そうよ」
「……………あなたにも、感謝します。今度のことは類稀な経験でした」
「……………だから、そういう言い方は……」
淡々と紡がれる寂しげな声色が僕を打ちのめす。何か言おうとしても、上手い言葉が出てこない。
何か、何かを言わなければ。ただ焦るだけで空回る思考。その時、外から僕を呼ぶ声がした。父さんだ。
既に僕たちの荷物は親族からの土産と共に車に積み込まれ、後は僕というかさばる荷物が残るだけ。
祐子はもう車の中にいるはずだ。朝から泣きそうな顔をしていたから、彼女にその顔を見せたく
なかったのだろう。ふと、自分の行動を振り返る。彼女にも祐子にも残酷なことをしたのだろうか、と。
今生の別れでは無いにせよ、またしばらくの間この家を訪れることは無いだろう。
彼女はまた一人ぼっちになり、祐子はその姿を想像して心を痛める。無論、僕だって。
俯いたまま立ち尽くす僕の耳に、ついさっきまでとは打って変わって明るい声が響いた。
――明るい、声?
「……これなら、今後にも楽しいことがあるかもしれませんね」
「えっ?」
「見えなくても、声が届かなくても、触れ合えるということを知りましたから」
「…………えっと……」
「ではまた後ほど。幾久しくお健やかに」
つま先を眺めていた顔を上げると、ふらりと宙に浮く彼女と目が合う。彼女は……笑っている。
冷笑でも自嘲的な笑みでもない。年相応に悪戯っぽく、でも花が咲いたように魅力的な笑顔だった。
「………騙された、か。ははっ」
そうして、広い部屋には彼女の演技に騙された間抜けだけが残った。
265 :
14/14:2006/02/19(日) 00:59:01 ID:ZRt22Wt10
とある、夏の情景。
「おとーさん。あのね、おくのおへやに、ね。おねえちゃんがいたの」
「………どんなお姉ちゃんだった?」
「あかいおきものきてるの。きれいなひと」
「結花は、その人とお話ししたか?」
「うん、あのね、あのね……えと……
『こんどはどんなあそびでまけたいか、おとーさんにきいてきなさい』って」
「………『のぞむところだ、このさびしんぼう』って、そのおねえちゃんに伝えてきなさい」
「うん!」
終わり。……前よりさらに長くなった。マジごめん。
君は「ツンデレ初心者」さん?
トリつけなよ
ちっげーよ!このノリは…148とみた!
そだね^^
いい感じのノリだw
>>266の時点ではまだ読んでなかったから勘違い。
とりあえずID:ZRt22Wt10 GJ!!
>>251-265 ぐっっ…… GJなんて言わないんだからっ……!!!
これから酉も付けて、もっと、もっと作品を書かなきゃ 許さないからねっ!!!
270 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/19(日) 02:41:45 ID:IfXgWb9bO
ん?
>>140-148 の書き込みか?
どー考えても素人の書き込みじゃねーな。
高橋留美子あたりの短編集に匹敵する出来栄えだ。
今までの作品見て思ったんだが、ツンデ霊はテレビ好きなのな。
確かに>251-265の作風は>140-148の作風と似ている。
特にその後の描写をいれたりするところが。
すごいね
sneg?ってな乗りではあるけど完成されてるよね
275 :
範馬雄子はツン:2006/02/19(日) 07:40:20 ID:L5alWjBmO
裁判所で元彼女に慰謝料1300万の支払いを命じられた俺と女。
「…で、どうしたらよいのでしょうかね?」
「黙れィ下郎が!
それを考えるのが下僕たる貴様の役目だろうッ!
脳髄ブチ撒けられてぇか!あぁ!?」
傲然と言い放つ女。
「や、やはり地道に働いて返済しましょうか?」
「却下だッ!面倒臭いからな!」
「じゃあ街金?」
「阿呆がァ…そんなモンよりあるじゃねぇか、金目のモンがよぉ」
「え…?」
「肝臓と角膜、どちらがいいか選ばせてやるッ
感謝しろ、薄汚い家畜野郎が!」
グ チ ャ
それ以来私の右目は義眼です。
>>275は48さん?w
それはただの怖い人じゃぁ、ないでせうか…
これが とり殺される ってことか……
久々に来たらクオリティ高い作品が多くて気後れするけどこれから書いてみる
かっ、書き上がり次第投下するから待っててなんて言わないんだからっ
>>275 気持ち悪いし面白くないから、もう書き込まないでくれないかな?
>>275 なんかさぁ、読んでて後味悪いっつーかスレの趣旨を勘違いしてないか?
さすがに右目とか喉仏つぶすとかはちょっとな・・・
一人暮らしの僕は、さみしさからハムスターを飼っていた。
僕の本当に大切な心の拠り所だった。
よく懐いてくれて、手から喜んでエサを食べた。
嬉しかった。
だけど、学校の帰り道・・・・僕は信号無視の車にはねられ
病院に担ぎ込まれてしまったらしい。
らしいというのは、一月意識がなかったからだ。
気がついた僕は一月後だった。泣いている両親の顔を見上げ・・・
はっと気づいた。
ハムスターは・・・一月もほったらかしてしまった!
それから三日後、僕はアパートに帰る許可を貰った。
両親が付き添うといったが、田舎から出てきていたし、仕事や妹もいる。
帰らせた。なにより・・・ハムスターの埋葬の道のりなんだ。
一人でいたかった。
「・・・ただいま」
誰に言うともなく、部屋に入ると
「ちょっ・・・何やってたのっ?!あきれたわよっ」
という返事が。驚きながらも部屋を見ると、出掛けに散らかっていた部屋は
綺麗に整理され、なにより・・・
ハムスターも元気にこちらを見ていた。
「・・・ふん。貴方のためじゃなくて・・・ハムスターがかわいそうだから」
声はするけど、姿はどこにもない。
でも・・・こちらを見てわさわさと動くハムスターは元気なままだ。
ゲージの中も綺麗に清掃されていた。
「・・・・ありがとう」
「な・・・勘違いしないでよねっ」
ただ・・・ハムスターは一月の間に飼い主を完璧に取り違えていて、僕を忘れていた
>>285 続きあるよね?
wktkしていいよね?
ね?ね?ね?
噂には聞いていた。
このアパートが安いのは、でるからだって。
でも僕はそういう感覚がなかったし、出るなら出るでいいと思っていた。
寂しくないから・・・・
でも。今は2重の寂しさを味わっている。
僕が寝ている間。学校に行っている間に、ハムスターはエサを食べ、掃除も
されている。僕がゲージを覗き込むと巣に隠れてしまったりした。
「・・・・どうして」
ポツリとつぶやいたとき、誰もいない部屋。僕の背後から声がした
「・・・な、ならっあたしを世話すれば、いいじゃないっ」
「え・・・?」
「だっだからっあたしがハムスターを世話するから貴方がわたしを世話するのっバカね」
・・・姿も見えない。僕はあの日以来おかしくなってしまったのだろうか。
「・・・その・・・悪かったかなって思ってるのよっでもでも、あのままなら死んじゃってたし」
「うん。ありがとう。世話してくれて・・・でも、君を世話って・・・どうすればいいんだろう」
おかしな話だが、僕は新たな拠り所が欲しかったのかも知れない。
「ふんっ・・・自分で考えなさいよっそれくらい」
さっきまでの弱気なトーンから、一転して何か弾む声が響いた。
僕は新たな世話をしなければいけないらしい。たぶん・・・出るといわれていたものの。
早速僕は、塩を持ってみたのだが、夜中えらい剣幕で起こされた。
「あ・・・あんたバカッ?!それともわたしをお祓いしたい訳っ?!」
塩はダメらしい。ひまわりの種もダメだったし。前途は多難だ
同じクラスに、いわゆる霊感少女がいる。
普段は会話もないんだけど、僕は途方に暮れていたので彼女に
相談してみた。彼女は僕の斜め後ろを見やり
「・・・なるほどね。じゃ、耳貸して」
と顔を寄せてきた。耳打ちというやつだが、ドギマギしてると
やっぱり斜め後ろを見つつ、ニヤッと笑い
「・・・早く。・・・ふふっ怒ってるよ?」
といった。斜め後ろにいるのだろうか?ハムスターの世話もせず。
彼女から聞いた知恵を持ち、僕はコンビニでワンカップを買って帰った。
身分証を見せ、親に買って帰るんだとなんとか説き伏せて買ったんだ。
お神酒というらしい。これを部屋に置けばいいとの事だった。
半分封を切り、巣から出てこないハムスターに寂しく思いつつも就寝した。
今日は・・・・黙ったままだったな・・・・・
「ちょっとぉーっ起きなさいよぉーっもぅーっっ」
夜半。午前2時頃、いつのも声で僕は起こされた。
心なしかろれつが回っていないような?
「・・・なに・・・どうしたの?」
「どしたのじゃ・・・ないわよぉっなんなのあの娘はぁー・・・ふぃー」
真っ暗な部屋の中、半身を起こした僕の目の前から声がする。
心なしか酒臭いような感じさえした。
ハムスターの回す回し車のカラカラという音が響いている。
「なんなの・・・って。相談したんだよ、君の世話について」
どぎまぎしながら答えると、ため息のような音がした。
「・・・・考えなさいよぉ・・もぅーっもぅーっっ・・なによもぅーっっ」
翌日。お神酒として置いておいたワンカップは空になっていた。
次は自分で考えよう。右斜め後ろに僕は目を送り、うなづいて部屋を出た
それからしばらくして、僕はインフルエンザで寝込む事になった。
一人暮らしで寝込むのはとても辛い。
病院にも行けず、とりあえずありもので食べつなぎ、衣服もあるのを
着替えて昏睡するかのように寝ていた。
ただ・・・例の声の主が汗で汚れた服を洗濯してくれ、額に濡れたタオルを
あてがってくれていた。
「・・・・ありがとう・・・・」
痛む喉でかすれた声を出し、独り言のようだけどお礼をいうと
「ふ・・ふん。わたしがとり殺すならともかく、風邪で死なれちゃ困るからよっ」
といった。だが何か声が嬉しそうだったのは、気のせいだろうか・・・。
一週間後、お陰様で。本当にお陰様で僕は元気になった。
うちにないはずの桃の缶詰とかが枕元にあったりと、本当に世話になった。
「ありがとう。助かったよ」
いつものように僕は見えない相手にお礼をいった。
そしてふと・・・ハムスターのゲージを見やった。こいつにも心配をかけ・・・
ゲージは荒れ放題で、掃除はおろかエサも満足にやっていなかったようだ。
「な・・・何やってるんだっ?」
思わず声を荒げると、台所の方から声がした。
「え・・・っ?あ、起きたんだ。なっ何よっ」
「僕はハムスターの世話を君に託していたはずだよっどうしてこんななんだっ」
「な・・・・なーっなんですってーっっ」
その後二日口を聞いていない。思えば僕が悪かったような気もする。
ゲージはその後綺麗になり、ハムスターも元気だ。
ハムスター←僕←ツンデ霊
何この図式w
僕の話はここで終わりです。
終わりは作りません。
レスしてくれた人、ありがとう。
ハムスターの名前はハムポンです。
(゜д゜)エェェェェェエエ工工…
294 :
14/14:2006/02/19(日) 19:18:31 ID:Cd59PwjS0
>>292 あくまでハムスター優先なのは何故なんだろうw
>295
あ、残ってましたな。うい、265とか書いたモンです。話がやたら長くなるのがダメダメですね。
前スレの306-310かな。アパート暮らしの学生と見えないツンデ霊さんのお話とか最高だと思うのですよ。
長さといい、描写の巧みさといい、結末といい。
>>296 だ〜か〜ら〜、トリ付けなさいっつってんでしょ!?
付けないなら勝手にコテハン付けるわよぉっ!!
…あんたが、そのぉ…す、好き…とかじゃなくて…
そ、そうよ、他の人と区別するためよ!
それ以外にないんだからねっ!!
……ばか
僕はハムスターにハムちゃんと名づけていた。
呼ぶと巣で寝ていてもにゅーと出てきて鼻をくんくんさせたものだ。
「ハムちゃん」
久々に呼んでみた。あいつと喧嘩して、家でテレビだけがついている
生活が寂しかったからだ。
だが、ハムちゃんはかつてのように出てくる事はなかった。
がっかりしていると・・・
「ハムポーン。出ておいでーご飯だよー」
と声が背後からした。巣の入り口の綿がもそもそっと動き、にゅーとハムスターが
顔を出した。僕は軽いショックを受けつつ
「ハ・・・ハムポンってなんだっ?!こいつはハムちゃんだっ」
と抗議した。最初に名づけ世話していたのは僕なんだ。
「・・・ふふん。貴方が居ない間、私が世話したんだもん。ハムポンだもん」
すぐ背後から声がした。ふと見るとハムスターはいつの間にかひまわりの種を食べている。
悔しかった。僕はずっとハムちゃんと仲良しだった。
辛いときも悲しいときもハムちゃんに癒してもらっていた。
だのに・・・ハムポンになってしまったんだ。
「・・・・そういえば、君に名前がなかったね」
「・・・・?そういえば、そうね・・・」
僕に悪魔がささやいた。
「君の名前は・・・・レイポンだ」
「ちょ・・・なっ・・なんですって?」
「レイポンだーっっっ」
レイポンとは三日口をきいていない。呼んでも答えないからだ。
>>293 続きはちまちまと続けます。
誰かが続けたいのなら、誰でも参加して欲しいです
>>294 ハムスターが好きなんです。
っていうかレスいただけて感激ですw
>>295 ツンデレw
>>299 じゃぁ、あんたもトリかコテ付けなさいよ?
付けられないならあたしが付けてあげるわよ。
…う〜ん、ハムポンにレイポン?
じゃ、あんたは【ポン介】ね。
口答えは許さないんだからっ!
レイポンわろたwwGJ
夜半。一心不乱に回し車で走るハムポン・・・を見つめながら
僕はぽつりとつぶやいた。
「ハムちゃ・・・ハムポン。レイポンが全然答えてくれないんだ」
もう一週間がたとうとしている。どんな事があろうと、喧嘩しようと
晩御飯の洗物は翌日には綺麗に洗われていた。
「ふ・・ふん。気になっただけよっ」
朝目覚めると聞きもしないのに、そんな答えが返ってきたのに・・・
「レイポン・・・そんなにいやだったのかなぁ」
一心に回し車を回すハムスターを見つめていると
「・・・なにやってんだか♪」
背後から弾む声がかかった。
「レ・・レイポンッ」
「レイポンいうなっ」
いつものあの声が返ってきた。僕はほろりと流れた涙を見られたくなくて、
ゲージに顔を向けた。
「・・・ふふ。ちょっと事情があって留守にしたの。寂しかったでしょ?ねぇねぇ」
たぶん僕の情けない顔を見たのだろう。悦に入った声が響く。
「あ・・ああ。帰ったんだ?ふーん」
ハムスターが沈黙の中、たまに様子をみながらカラカラと回し車を回した。
夜半にその音だけが響いた。
僕は事情は聞かなかった。レイポンもいわなかった。
ハムポンはひたすら走った。
それでいい。それが僕たちだったから。
>>300 切り番ゲットおめでとう。素敵な名前ありがとう。
ミレレイ。300だから君はミレレイw
「どうしてだいミレレイ。君はツンデ霊のはず・・・」
「死んでないからよっ」
ミレレイは天然ボケのポン介に突っ込んだ。
なんで名付け親になんてなってしまったんだろう。
今更ながら激しく後悔していた。
「だけどミレレイ」
・・・まったく話を聞いていない。こちらの都合などお構いなしなのだ。
「あ・・・あんたはハムスターの話でも書いてればいいのよっ」
「うん。それも書く」
・・・ダメだった。もはやミレレイと名づけられたかの者に逃げ場なんかなかった。
ほっといてもこいつは勝手に話を作るだろう。
天然とはそういうものなのだ
…orz
判ったよ、俺もそのうちなんか書くからその呼称だけは勘弁してくれ…
楽しみにしてるよ。ミレレ・・
85w
ポン介さんの、ほんま和むわぁ。
レイポンの姿が見えなくて語られてないのが、想像力かきたてていいw
ええい、もう自棄だ、
>>300の通り
>>251-265にも名前を付けちゃる。
>>258のゴディバ関連のボケがラーメンズを彷彿とさせるから、
ID:ZRt22Wt10=ID:Cd59PwjS0、おまいは【運動場整備戦隊】な?
嫌とは言わさん、嫌なら次回作を早く貼るがよい。
かわいい。レイポンも主人公もハムポンも。
……でも、通称レイポンはもはや確定しちゃったんだなw
とか言ってたらなんか俺も確定されたっぽい。ピンチ。
今夜中にいけるかどうかはわかんないけど、なんか書いてみるよ。
目標は短めなやつ。
「運動場整備部隊かぁ・・・いい名前だと思うよミレレイ」
「ミレレイいうなぁっ」
幾度か繰り返されたツッコミを、律儀にミレレイは繰り返した。
もはやこの天然ボケにつける薬なんか現世にはないというのに。
「ミレレイって律儀だよね」
ほんわかと笑うポン介に、もはやツッコム気力もなかった。
こいつは本当に私をミレレイとして扱うつもりなんだ
運動場整備部隊はどう思うだろう。もはや運動場整備部隊という意外ないのだが。
ほぼ誤爆・・・・というかいいがかりのようにミレレイになってしまった私の気持ち。
少しは分かち合ってくれるだろうか。
「ミレレイ。お茶いれて」
このバカを祟り殺す意外道はないだろう。
もうなんだかツンデ霊とは関係なくなってる希ガスw
てか実は俺は
>>110だったのよね。
>>115にも
>評論するのは自由だが、せめて作品の改善点とかしゃべってみ。
>まぁ、にわか評論家の多くは自分じゃ書けん奴らが多いからな。
とか言われちゃって少しく奮起させられたから、現在2本構想中。
早ければ明日午後にでも出来るかしら?
>>313を何気なく読んで、
最後の部分「外道はないだろう」が目に飛び込んだ。
読み返して、どちらの意味でも面白いことに気付いた。
ハムポンがその日は巣に引きこもったまま出てこなかった。
折りしも日曜日。僕は家にいて、レイポンと他愛ない会話を楽しんでいた。
誰もいないはずの台所から鼻歌まじりに洗物をする音。
台所に追いやられ、誰もいないはずの居間から鼻歌まじりに聞こえる洗濯物を干す音。
いつもの風景だった。何も変わらない。
だけど・・・
「あら?ハムポンがキャベツ食べてないわ」
ただ、ハムポンのためだけに昨今高いキャベツを買わされていたのだ。
「え・・・そう?ああ、何も食べてないね」
僕は見えないレイポンと顔を見合わせた。これはおかしい。
いやしんぼのハムポンがこの時間、食べ物に手をつけないなんて。
「・・・病気なのかしら」
すっかりしょげかえった声が響く。僕の胸もすっかりそれで一杯だったが、
声をからして。あえて陽気にいった
「な、何言ってんだよ。ハムポンにかぎってそんな事あるもんかっ」
根拠なんて何もなかった。本当は胸が張り裂けそうだった。
ハムポン・・・どうしたんだハムポ
プーゥゥゥ
高音が響いた。沈黙の部屋の中に。
それにともない、あわわっと巣から顔を出すハムポン。
鼻を両手で何度もこする。その姿はまるで
『くっちゃーいっくちゃくちゃっっ』
といっているようだった。巣の綿から顔を出したハムポンは、鼻をくんくんさせると
エサ箱のキャベツ、固形のエサに突進し、食べ始めた。
「・・・・なんだよ」
「・・・あはは」
確かに、僕たちは顔を見合わせて笑った。
レスしてくれた皆さん。ありがとう。
ハムポン喜んでます。
レイポンもw
僕も嬉しいです。
GJ、癒された。マジで。
もはや霊とか関係なくなってきた気がするが、こういう流れは大好きだ!!
みんなグッジョブ!!もっとヤレ!!
あとは
>>314の話を楽しみに待つだけです。
ハムポンは目を輝かせて待ってます。
レイポンも・・・怒ってるからいいです。
「ねえマイク、最近困ってることがあるの」
「なんだい、ジェニー」
「ラップ音がすごくて夜も眠れないの」
「ああそれはタイヘンだ! でもコレがあれば大丈夫!」
「マイクが右手に持ってるステキデザインのそれはなに?」
「これが新開発の強力除霊アイテム、アブゴーストクリーナーさ!」
「胡散臭さ大爆発ね! ほんとうに効き目があるのかしら?」
「まあ見ててごらんよ。今回は怨霊界のスーパースター、カヤコで試してみよう!」
「……みんな……呪い……殺してやる……」
「きゃあ! で、出たわ! ムリよ! ぜったい殺されちゃうわ!」
「うーん、さすがカヤコだね。スゴい迫力だ! さあ、うまくいくかな?」
「は、はやくして! なんかあたしの方を超見てるもの!」
「使い方はカンタン! ノズルを怨霊に向けてスイッチを入れるだけ!」
「……愚か…そんな…オモチャで…私の…呪いからは……逃れられ……!?」
「ほ〜ら、どんどん吸い取っちゃうからね!」
「……あ…あぁ? ……す〜い〜こ〜ま〜れ〜るぅ〜……」
「ほら、これで終わりだ。カンタンだろ?」
「すごいわマイク! あんなにしつこかった怨霊がこんなにキレイになくなるなんて!」
「いまなら隅にたまった怨霊も吸い取るアタッチメントもサービスするよ!」
「これで除霊もラクラクね!」
「……良かった…かしら。……あんな…小芝居で……?」
「ああ、カヤコ! すごかったよ! 注文が殺到してオペレーターも嬉しい悲鳴さ!」
「……わ…私…役に…たったのかしら……?」
「もちろんさ! キミがいなかったらあのボッタクリ商法は成功しなかったよ!」
「……べ…つに。……ギャラが良かった…から。……それじゃ……」
「ギャラ…って。誰もキミへの振込み先を知らないよ……」
今1スレ目からここまで読んだ
鼻血がでた
運動場整備戦隊、という単語から学校を連想したのでそういうのを書いてみた。
では、5レスほど。
「先輩、こんばんは」
「……………」
挨拶をしても先輩から返事が無いのはいつものことなので、特に気にしない。
自分が通う高校の、それも真冬の屋上なんかに夜遅く足を運ぶのは、ひとえに
先輩に会いたいがためだ。
「……………」
「……………」
そうして、いつもの沈黙が訪れる。
手すりにもたれて夜空を眺める僕と、少し離れた場所で街を見下ろす先輩。
別に先輩は、僕の部活の先輩というわけでもない。この学校の数年前の制服
を身にまとっていることから推測して、僕が勝手に「先輩」と呼んでいるだけだ。
こんな奇妙な状況になったのは、友達が話してくれた噂話がきっかけだった。
彼曰く
・屋上に幽霊が出る
・時間は夜9時〜深夜0時くらい?
・女の子
・制服はデザイン変更前のもの
・屋上から飛び降りた?
まあ、どこの学校にもありそうな噂話ではある。興味の薄い反応を示した僕に
「お前確かめてみ?」と薦めたのも彼だった。その理由は良く分かる。
僕の家は、学校から見て県道を一本挟んだ向かい側。家の玄関から校門までの直線距離、わずか80m。
「遅刻が許されない男」という異名を持つほど家が近いのだから。
「…………星、綺麗ですね」
「……………」
それでも、実際に確かめようとしてこうなったわけでもない。
ある夜、試験勉強の合間に新鮮な空気が吸いたくなって、窓を開けて学校の方角に深呼吸。
その時見えたのだ。屋上に佇む、夏服を着た女の子の姿が。暗闇の中に鮮明な白さで。
それからの行動は迅速だった。好奇心半分、怖いもの見たさ半分で家を出て、学校に向かう。
校舎裏手のフェンスを越えて非常階段を昇っていく。いまいち警備体制の甘い我が校は
各所が老朽化しており、その修繕も先延ばしになっている。
かくして鍵の壊れた扉は施錠されることもなく、屋上への道のりは容易く開けているというわけだ。
扉を静かに開けて、暗い屋上を見渡す。たしかあの人影は、給水塔近くに――
「いた………」
季節は冬。ダウンジャケットを着ていてすら冷気を感じるというのに、その影ははたして夏服だった。
ゆっくりと近づいていくにつれ、その姿がより鮮明になっていく。折れそうに細い体躯、脱色も染色も
していない黒髪はさっぱりとショートにまとめられ、清潔感がある。年は………僕より少し上だろう。
「…………?」
「……………あ、えーと…」
距離が5メートルをきったあたりで、街を眺めていた彼女がゆっくりこちらを向いた。
血が出ているわけでも顔がザクロのように割れているわけでもない。綺麗な顔だった。
どこか夢を見ているような瞳が、僕をじっと見据える。なんだか値踏みされている気分になる。
「……………こんばんわ」
「……………」
挨拶は返ってこない。彼女はただじっと僕を見て、やがてまた視線を街の方角へむける。
ホラー映画の霊のように生者への害意はなさそうだが、少なくとも歓迎はされなかったらしい。
彼女の白い横顔を眺める。澄んだ真冬の空気に劣らない透明感がある。
「あの……先輩、って呼んでいいですか?」
「……………」
それでもこちらの声は届いているようで、彼女がもう一度こちらを向く。
先ほどよりは長い時間僕を見つめて、また視線を戻す。勝手にしろ、と言わんばかりの素っ気無さだ。
だから僕は
「じゃあ、勝手に先輩って呼びますね」
勝手にして、いまだに勝手にそう呼び続けているというわけだ。
足しげく屋上に通ううち、無表情で無口な先輩からも少しずつ反応を引き出すことが出来るようになった。
相変わらず声は聞けないが、僅かな表情の動きや仕草が言葉代わりだ。
その日学校であったことを話している最中、先を促すように視線を向けてきたり。
最近の携帯の話が良く分からないらしく、小首をかしげてみたり。
先輩自身のことを聞こうとすると、気分を害したようにぷいっと顔をそらしてしまったり。
――つまり、なんというか。先輩は可愛かった。
その後も、僕の学校においての日常は、多くの人がそうであるように特にエキサイティングでも
ドラマチックでもなかった。試験前に一夜漬け、友達との馬鹿なやりとり、気になる女の子と
ちょっといい雰囲気になったり、その子に彼氏が出来てガッカリしたり、ありふれた日常が巡っていく。
それなりに楽しくて、すこしだけ退屈な日々。
「……だから、この非日常が凄く大切だったような気がする」
「……………」
星の降ってきそうな屋上で、先輩にそう言った。僕が先輩と初めて遭遇してから約二年。
さすがに毎日会いにこれたわけではないにせよ、これだけ長い期間幽霊を目撃し続けた人間はいるのだろうか、
と考えて少し可笑しくなる。
「今日が卒業式だったから、きちんと挨拶しなきゃと思って」
「……………」
「先輩、いい思い出をありがとうございました」
「……………」
結局僕は、先輩について何も知らないままだった。彼女が誰で、何故ここにいるのか。
知りたい気持ちが無かったと言えば嘘になる。でも、雑多な噂や伝聞で先輩を決め付けるのは嫌だった。
長い期間、僕の愚痴や他愛も無い話をただ静かに受け止めてくれた、綺麗で可愛い先輩。それで充分だ。
今夜、僕ははわざわざ制服に身を包んでここに来た。先輩に、僕のキチンとした姿も見て欲しかったから。
「……多分、もうここには来ません。
もし僕みたいなのがまた来たら、そいつの話も聞いてあげてくださいね」
「…………」
「それじゃ、さようなら先輩」
「…………」
別れを告げると、不意に先輩が動いた。ゆっくりと僕に歩み寄り至近で止まる。
それはほとんどキスのできる距離だ。幽霊も生者も関係無く僕の胸が激しく高鳴る。
これは――期待していいのだろうか?
「………先輩」
「……………」
距離が、更に詰まる。僕の制服の胸に先輩の細い指が触れて――
「あ、あれっ? 先輩?」
そのまま先輩が消えた。陽炎みたいに、消えた。
「……………えっ?」
状況が飲み込めない。消える寸前の先輩の表情を思い出す。
いつも通りの無表情。その顔の中、黒目がちな瞳だけが先輩に似つかわしくなく笑っていて。
「………なんだったんだろ」
首を捻りながら屋上を後にする。何を考えているのか分からない人だったが、今夜の先輩は特に謎だ。
一人になると急に寒さが堪えてきて、コートの前を締めようと目線を下げる。
そこに答えがあった。
「あれっ?」
制服のボタンが、一つだけ無くなっている。悲しいことに全て揃っていたはずのボタンが。
そこは消える寸前の先輩が手を添えていた箇所で。
「………言ってくれればいいじゃん。なんなら全部あげたのに」
頬が緩むのを止められないまま、僕は呟いた。
終わり。6レスだった……まだ長いね。もっと短くできんものか。
(*゜∀゜)
( ゚Д゚ )
フィィィィバァァァァァァァッ!!!
無口なツンデ霊もイイ!!
私は長くても一向に構わん!むしろ今の具合は短編として丁度良い!!
まったく喋らないツンデ霊なんて初めて見たw
(・∀・)イイ!
くはぁぁぁぁ…
見なきゃよかった…OTL
いま作成中の俺のなんか、運動場整備戦隊の足元にもおよばねぇよ…
そんな男女の機微なんか、とてもじゃないが表現できない。
しかもこの短時間で。
吊ろうかな…
335 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 01:52:37 ID:ujjwgjjRO
>>334 簡単に死ぬとか言わないでよっ!
生きたかった私が…馬鹿みたいじゃない…
別に心配してるわけじゃないんだからね!?ただその…作品が少ないと…スレが寂しいし…
期待してるんだからね(ボソッ
>>330 _、_
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E) グッジョブ!!
フ /ヽ ヽ_//
静の雰囲気が出ていて思わず読み耽ったYO。
>>334 イ`
シチュエーションて大事だな
真冬 屋上 星空 先輩 寡黙
単語並べただけで清冽な雰囲気がする
雄子「で、どうか?シモジモは私に『萌え〜』とか『泣ける!』と絶賛の嵐か?」
俺「…『ツンというよりS』『ツンと暴力は違う』『ただの恐い人』『趣旨を勘違いしてる』『後味悪い』と非難ゴウゴウですが」
雄子「馬鹿なッ!この愛くるしいツンで霊の私が!?」
俺「歴代ツンで霊の中でもブッちぎりの不人気です」
雄子「…ならば他の霊どもをどうにかするか、具体的に飼い犬から頃して」
俺「その殺伐さが嫌われる最因かと」
雄子「時代が悪いのだ!時代が未だ私に追い付いていないのだ!」
俺「いや、何億年待っても貴女がツンデレのスタンダードになる事はありえねース」
雄子「このままではおわらんぞー!」
俺「だから終わりですってば」
俺たちのツンデレはこれからだ!
<第一部・完>
>330
消えたのは第二釦か?
第二釦だな。
>>334 俺もだ…
USBケーブルで首って氏んできます(´・ω・`)
間違った…
鬱だ…今度こそ首吊ってきます(´・ω・`)
>>340 超おつ!!
なんだか感慨深いお(`・ω・´)
サイト管理大変だろうけど失踪しないでガンガって。
みんなレベルが高いなぁ。
んで、不覚にも雄子さんに萌えた…。いや、でも彼女に取り付かれるのは…ちょっとマジ勘弁。
それでは、僕も短いの(自分的に)を投下します。
「
>>321…おもしろいわね」僕が2chでツンデスレを読んでると声がした。
薫だ。彼女は僕の背後霊をしている。
「私のことも書いてよ」実はもう、書き込んでいた。
薫を文字って香で書き込んだが、それがちょっと不評を買ってしまった。反省と照れくささで見せられない。
「そのうち書き込むよ。っていうか、これ、ツンデ霊だよ? 自覚あったの?」
「…!? ば、ばっかね、何いってんの。そんな訳ないでしょ。つんつんでれでれなんて意味わかんないんだから」しっかりわかってる。
自己分析が出来ているのか、キャラ作りでそうしているのか。
まぁ日常から接している僕はよくわかるのだが、薫の場合は前者だ。
2ch用語を知っていたのが恥ずかしかったんだろう。そっぽを向いている。
「…ふん、お休みの日も自宅でそんなの読んでて、不健全なのよ」薫も楽しそうによんでたじゃんか…。
「外行くわよ、外」「あ、ああぁ、まだ全部読んでないのにぃいい」僕は薫に引きずられるようにして家を後にした。
「どこ行くの?」「行き先は男が決めるものなの!!」おいおい。
「あて、なかったの?」「…ぐむっ」ぴ〜ひょろろ、とトンビが鳴いている。間が長い。
「じゃ、あっち行こうか」とりあえず、歩き出した。
さて、ここで僕の悩みを打ち明けよう。僕には恋人がいる。でも、その子は背後霊なんだ。
見える人は見えるんだけど、見えない人には見えない。そうなると、まともなデートなどいけやしない。
彼女が出来たら金がかかる…なんて人いるけど、僕の場合は恋人がいない時と生活は変わらなかった。
僕も一般の人みたいな恋愛したいな…それが僕の悩みだ。
「どこ行くの?」今度は薫が僕に聞いてきた。
「いいからいいから」と僕は先を急ぐ。上演時間まで後15分だ。間に合うか?
僕がほぼ満員の映画館に飛び込んだのはそれから20分後。まだ、予告編を上映しているところだった。
「映画かぁ…それでなによ。いっちょ前に恋愛映画でいいムードでもつくろうっての? やぁらしい」
その声がちょっと弾んでる。映画につれてきたのが嬉しいんだろう。
生前の彼女は入院が多く、あまり、これなかったらしいから。
「で、タイトルは何?」「しっ、始まるよ」
僕は薫をひざの上に乗っけた。いくら幽霊でも、他人のうえには座らせられないだろう。
薫ははじめ、わくわくしていたからか、ゆらゆらと僕の体をゆらしていた。後ろの人、めいわくだったろうな。
ストーリーが進むにつれ、それは次第に小刻みになっていき、僕は震度3の地震にあってるかのような感覚に襲われた。
ぎゅっと僕の手を握り締められた。映画のタイトルは「サイレン」ゲームが原作で前からみたかったのだ。
そして佳境に入ったとき…
…
じわーっ…
…と僕の膝に生暖かい感覚が広がっていく。
…
…やられた。
映画がおわったあと、僕はさっさとコートを着て、抱きついて離れない薫を抱えて映画館を飛び出した。
「…あれは、誰もいないシートを濡らすから怪談になるんだよ。僕をぬらしてもなぁ…?」僕は薫に言った。
「ひぐっひぐっ…だって、だって、ぅ、うぐぅ…」薫は僕の胸に顔をうずめて泣き止まない。
コートの下の僕の膝はびしょびしょだった。
「…怖かったの?」「…」答えない代わりに、こくりとうなずく。
いつも勝気でいけいけな薫がこんなに怯えるなんて。ちょっとかわいそうなことしたかなぁ。
僕は夕暮れのベンチで薫が泣き止むまで、抱きしめた。
終わりです。
家に帰ってきた後、『僕』は一週間くらい薫に口をきいてもらえなかったそうです。
>ツンデレ初心者さん、乙!
お茶ドゾー
つ【旦】
354 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 11:20:57 ID:v4udFtG40
馬っ鹿じゃないの?
みんなしてこんなことをやってるなんてさ。
時間の無駄よ、無駄。
こんなことしてる暇があるなら
彼女でも作って尽してあげなさいよ、まったく。
…ま、まぁ努力は認めるわ、努力だけね。
…な〜に見てんのよ〜
馬〜鹿
雄子さんに萌えた人が多くて、異例の打ち切り→復活のコンボは完成しないんですか?
356 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 11:39:34 ID:VqBaqvA/0
はぁ?!
何を言い出すのかと思ったら、またそれぇ?
二言目にはそれね、あんたたち。
脳味噌わいてんじゃないの?
あごめーん、わくほど脳味噌無かったわね、ハハン♪
357 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 11:50:43 ID:VqBaqvA/0
ハッ、あたしはいいの特別だから。
ここに居て、あんたたちの作成の総指揮をとってあげるわよ。
このあたし直々に指揮をとってもらえるなんて、
あんたたちはなんて運が良いのかしらね♪
感謝しなさいw
358 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 11:57:30 ID:ujjwgjjRO
なんか変なのが沸いたな
華麗にスルー汁
僕には背後霊がいた。
勝気で横暴なところもあったけど、そそっかしくて、それでいて優しい僕だけの背後霊が…。
でも、それも昔の話。今は…もういない。
『薫と僕‐最終章‐』
僕と薫の微妙な関係が続いて早一年。ここのところ、体調を崩すことが多くなった。
病院にいってみたが原因はよくわからない。バイトが忙しかったからそのせいだろう。
「ふん、鍛練が足りないのよ」とかいいながら、薫は俺の看病をかいがいしくしてくれた。
だが…病状は悪化し、僕はついに入院することになる…。
田舎から僕を見舞いに母が来た。「あらまぁ、鬼のかくらんかねぇ。丈夫に生んだつもりなんだけど」僕を見て母は大笑いした。笑い事じゃねぇよ。
りんごをむいてくれている母が看護婦に呼ばれた。「あらら、治療費かしら…この金食い虫」なんていいながら母は出て行った。
「お母さん、きれいな人だね」それまで黙っていた薫が僕に声をかけた。彼女はいつもそばにいる。
「顔色よくないね」前までは僕を振り回していた薫だが最近は元気がない。
「いや、今日は調子がいいよ。ありがとう薫」僕はしゅんとしている薫を元気付けようと声をかけた。
母さんが戻ってきた。ちょっと顔色が悪い。「どうしたの? 高かったの?」
「う、うん。ちょっと手持ちじゃ足らなくてねぇ。ほんっと、この金食い虫…」あはは…すんません。
母さんはお金を下ろしてくると病室を出て行った。その後ろ姿を薫は眺めていた。
「私、外の空気吸ってくる。病室ってあまり好きじゃないから」薫も外に出て行った。
薫には調子が良いといったが、実は今日は絶不調だった。だから、僕が眠りにつくのは早かった。
深夜。目を覚ますと薫が僕の顔を覗き込んでいた。
「うわっ」「あら、起こしちゃった」薫が悪びれる風もなく言う。
「私、あなたの背後霊やめるわ」「…え…」唐突だ。
「何いってるの?」「私は病院嫌いなの。病弱な男に用はないのよ」ぐはっ。
「他の健康な男に取り付くの。じゃぁね。軟弱さん♪」
それだけ言い残して、薫の気配は消えた。あとに残された僕はただ、呆然と窓の外をみていた。
あれから、3週間後、僕は無事退院できた。
ただ、寂しさは募るばかりだった。ある日、そんな自分の夢枕に死んだおじいちゃんが現れた。
「少しは元気にならんと薫さんもうかばれんぞ」なんじゃそりゃ、僕は彼女に見捨てられたのだ。
「ほっほ。お前は短絡的な性格じゃぁなかったんだがな。あんなにべたべた見せ付けておったくせに彼女のこと何も知りゃせん」
「おあいにく、まだそれほど長い付き合いでもなかったからね。あんな浮気する女とは思わなかったよ」
爺ちゃんは僕を本当に情けなさそうに見て、「薫さんはの、お前のために成仏したんじゃよ」と言った。
「え…」「あの日、お前の母があの足のきれいな看護婦しゃんに呼ばれたろ」看護婦の足なんてみねぇよ。
「お前の母親のそのとき、お前の死の宣告受けたんじゃ」おいおい。そんな大病だったのか。
「原因は、薫さんじゃったんだがのぉ」「…は?」
人は食事をして栄養を取る。では、霊はどうするのか?
浮遊霊などは大気に散る有象無象の生気や精気からエネルギーを補給する。
しかし、人に取り付くとその人間の魂から力を得るらしい。それは、自分の意思でどうにかできるものではないそうだ。
人が吸う空気をを選べないように。
本来人間が支えられる霊は一体分のみ。自分の守護霊と呼ばれる霊のみだ。しかし、僕は薫も背負ってしまった。
僕の体はそれが原因で衰弱していったそうだ。
「ワシも悩んだんじゃが、やはり薫さんには本当のことをいったよ。そして彼女は成仏することを選んだんじゃ」
「なんで、早く言わないの!! 僕はちゃんとお別れを出来なかったんだよ!!」爺ちゃんにつかみかかった。
するりとすり抜ける。「まぁ、そういうわけじゃ。最後にの、お前が回復したら伝えてといってたことがある」
「これからも、がんばってね。…あんな別れ方でごめんね…じゃと」
夢から覚めた僕のほほには涙が伝っていた。僕はそれをぬぐって外に出た。
咲き乱れる桜、春のかおりが僕の鼻腔をくすぐった。
それから、15年。僕はゲーム会社を興して社長になった。お金はたくさん出来たが、嫁はもらわなかった。
僕の恋人はただ一人。薫だけでいい。いま、僕は32歳。忙しい日々に追われている。
「社長、恋人作らないんですか?」昨日入った新人バイトの子が僕に聞く。
「はは、仕事が恋人さ」顔も見ずに僕はいう。
「ばっかみたい。いまどきはやんないのよ」うあ辛らつだなぁ、この子。
「前の彼女を引きずっているとか?」しつこい子だ。
「…君、口は気をつけないと…」顔を上げて…絶句した。
そこには薫がいた。
「ほんと、あんたって馬鹿なんだから」おでこにキスをされる。
「生まれ変わりって、信じる? …ふふ、今度はちゃんとした恋愛しようね…」そういって走り去っていった。
涙でくしゃくしゃになっていく彼女の後姿を眺めながら、
こういうのもロリコンっていうのかなぁ…とふとおもった。
‐了‐
363 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 12:18:43 ID:VqBaqvA/0
ちょっ、ちょっと待っ、待ってってばっ!
なによこれ、こんな格好までさせたくせにぃ…
こんなんじゃあたしの評判台無しじゃないのよっ!
どうしてくれるのよ、責任とってくれるんでしょうね!?
ちょっと…なんとか言いなさいよっ!
このままじゃ、あたし…あたし…
お嫁にいけないじゃないっ!
364 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/20(月) 12:37:15 ID:VqBaqvA/0
ほらっ、そこの長い髪の少年!
こっちに来てあたしの相手をしなさいっ!
>>340 本当にGJ!! あんた神だよ俺にとって!!
てかツンデレ初心者が徐々にうまくなってる件について
僕が薫と街中でデートをしていると、袖を引っ張られた。
「ねぇ、あれ」薫の指差すほうを見ると霊を背負った男がいる。
「ありゃ、なつかしいな」「ね、私たちもあんなだったのね」薫が懐かしげにつぶやく。
その霊は薄らぼんやりとして顔などはわからない。が、声は聞こえる。
――レ・・レイポンッ
――レイポンいうなっ
なんか、楽しそうだ。二人(?)はどんどん遠ざかっていく。
「絶妙ねぇ、実体化を抑えてあの男の人に負担をかけてないわ。私もああすればよかったか」薫がうんうんうなずく。
「あ」薫が怯えた声を上げて、さらにむこうを指差した。
「うあ」
そこには顔半分を包帯で覆った男がよろよろ歩いている。後ろには…なんだありゃ…。
――このままではおわらんぞー!
――だから終わりですってば
なんか、男についているでっかいモノが雄たけびを上げ、大気が揺れている。あきらかに生気を吸い取りまくっている。
だが、取り付かれてる男は困った顔しながらも楽しそうだ。
「いろいろな形があるのね」「あ、あぁ。でもあれはかんべんな」
その声が聞こえたのかのようにもう一度、遠くのアレが吼えた。
昨日夢うつつにみたテレビ通販の「強力除霊アイテム、アブゴーストクリーナー」で祓えるだろうか?
…無理だな…
すれ違う親子の会話が聞こえた。
――おとーさん。あのね、おくのおへやに、ね。おねえちゃんがいたの
――どんなお姉ちゃんだった?
――あかいおきものきてるの。きれいなひと
お父さんが妙に懐かしそうな顔をしていた。
マクドナルドに入ると楽しそうにおしゃべりをしているカップルに目が留まった。
「あそこにもいるね」男の後ろにいる女の霊が男の髪を引っ張っている。あれは嫌がらせ…じゃないな。
「奥手の彼をせかしてるみたいね」世話焼きな幼馴染ってところかな?
隣の別のカップルの会話も聞こえてきた。
――ねえ、あのカップ、どうしてあんなボロボロなの?
――ん? ああ……昔の彼女がくれたやつを次の彼女がぶっ壊して修復した
――じゃあ……現在の彼女であるあたしが、また叩き割ってもいい?
うあ、熱い会話だなw
僕たちはそうした声を背に店を出た。
日々は悠々と過ぎていく。その中に僕らのような奇妙な出会いもたくさんあるのだろう。
これから、そういった体験をする人たちに思いを馳せながら僕たちは帰路についた。
他の方のよんでたら、いろんなシチュエーションがあるんだなとおもい、ついやっちゃいました。
すいません。
>>369 おもしろいけど、ちょっとやりすぎかも
これじゃあ、みんな同じ街にいるかの様で
…そうか、この世のどこかにツンデ霊がいっぱいいる街があるんだな!
あう、猛省します:;
>>366 漏れもオモタ…
いやホント俺は普通に楽しませてもらいましたよっと
初心者乙!
つ旦
素直にgjと言わずスマン!
>>367-368 まあ番外編ってことでいいんでないの。
ほら、あれだ。マジンガーZにグレートマジンガーが出てきたみたいな感じで。
>素直にgjと言わずスマン!
それがツンデレ
俺はツンデ霊のプロだぜ!
プロ市民みたいなもんか?
とりあえず途中経過報告。
>>314で大胆発言&約束をしたにもかかわらず、
>現在2本構想中。
の部分の訂正をしなくてはなりません。
wktkでお待ちいただいた皆様には大変申し訳なく思っています。
現在、2本どころか10本にまでプロットが広がってしまい、
うち3本が校了致しました。
でもUPはもう少し待ってください。
何というか…「作品群」みたいなものになりつつあり、出す順番が結構重要になっちゃいますた。
といっても他の皆さんのように文章力も無いので思いつきだけが命なんですがw
なんだか自分の首を絞めているみたいだ…w
応援してくださった皆様ありがとう、も少しがんがります
>>378 wktkで待ってます、ガンガレ!!
>378
期待しつつ晩ご飯食べる。
ところで範馬雄子さんはもう見られないのだろうか。俺、愛してたのに。
全身黒づくめの、刃を思わせる雰囲気の長身美女に脳内変換して楽しんでたのに。
片タマくらいなら蹴り潰されてもいいほどに。
いなくなったらいなくなったでさびしいな
な、なによ。そんな好きだったとかそんな感情じゃないんだからね
それでは、場つなぎに一本。
3部作です。
夜ひとりでに響くピアノ。一段増える怪談。歩き出す二宮金次郎。トイレの花子さん…etc…etc。
学校の7つの怪談。あなたはいくつ遭遇したことがありますか?
僕は残念ながらひとつです。…え、どの話だって?
僕の話はね…
『回る少女』
小学校5年の暑い夏の放課後。僕は学校に一人取り残されていた。体育の授業で逆上がりが出来なかったのだ。
一生懸命、がんばるがどうしても出来ない。カラスが寂しく鳴いている。
「できるわけ…ないじゃん」つい、愚痴が出る。それでももうひと頑張りしようとしたら鉄棒から落ちた。
「…くすくす」どこかで笑い声が聞こえた。「笑うな!」…あれ? 誰もいない。
「気のせいか」沈む夕日を尻目に僕は逆上がりの練習を続けた。
次の週の同じ日。
僕は相変わらず、逆上がりをしている。他のやつらは、なんでこんなこと出来るんだろう?
その日は僕は頑張りすぎた。いつの間にか日が落ちていた。
鉄棒のある場所は校庭の端っこにあったので管理人さんも見逃したのだろう。ちょっと寂しい。
…てー…ん…て…ーん。
ボールをうつ音が聞こえてきた。…ひとりじゃないんだ。僕は不思議を感じるより先に、誰かがいることに喜んだ。
「もう一回、やって帰ろ」…誰かがいる喜びのためか、怖くて帰りたかったためか。出来ちゃったよ、逆上がり。
「ひゃっほぅい!!」調子にのって再チャレンジ。また出来た。んじゃ、もう一度…と続ける僕に、
「あんた、馬鹿じゃない」唐突に声をかけられた。目の前に僕と同い年くらいの女の子がいる。
「こ、こんばんわ」「こんばんわじゃないわよ。馬鹿みたいな声上げて、くるくる回って。バターになるつもり?」
「で、でも出来たんだよ、逆上がり」「私でも出来るわよ。私なんて大車輪もできるんだから」…絶対嘘だ。
「じゃぁ、やってみろよ」「ふん、うら若き乙女がスカートの中身をさらせると思って?」確かに彼女はスカートをはいてる。
「じゃぁ、明日、ズボンでこいよ」「ふ…ふん、臨むところよ」そうして僕たちは約束を交わした。
僕が荷物を取って校庭に戻ると彼女はいない。先に帰ったんだろうか?
門をくぐろうとした僕は、また、…て…ーん、てーん…とボールの弾む音を聞いた気がした。
次の日の放課後、僕は昨日の少女を待った。しかし、いくら待ってもこない。しまいには用務員さんに怒られた。
もう…こないのかな? 僕は帰ろうと校門をくぐった。そのとき。
…てー…ん…て…ーん。あ…ボールの音。僕はなんとなく、鉄棒のところにもどった。
「おーい、だれかいるの?」声をかけるとボールの音がぴたっとやむ。
「…おそい」昨日の少女が腰に手をあて威張ってる。…遅いのは君だろ…。口には出さなかったが…
「私が世界の中心なの。私に不満をぶつけるのは50年早いわ」人の考えを読み取ったように答えた。…こいっつ…。
「さ、今日はちゃんと運動できる格好よ」そういった少女をみると…ん、なんか変だ。
テレビで見るような田舎っぽい格好している。「なんだぁ、それ。だっさーw」
「ふん、あんたごときには私のハイカラな格好は理解できないでしょうね」
ハイカラってなんだ? 僕はまた馬鹿にされるのもいやだったので聞き流して、鉄棒にスタンばった。
「それじゃ、いっせーのせ、でやるよ。いい?」
「ふん、はやくしなさいよ」
「じゃ、いっせーの…」
「せ!!」
…くるん。僕はちゃんと成功。隣の少女を見ると…
…くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん、くるん…回る回る。
…お見事です。
最初はゆっくり回っていたのだが、どんどん加速していく。
おいおい。こんなのスカートでも中身見えないよ。
…くるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるん…
少女は止まらない。
それを見てるうちに、ちょっと怖くなってきた。
「も、も、もぉいいよ。わかったよ。僕の負けでいいからやめなよ…」声が震える。
くるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるんくるん…ヒュッ…ぐるんぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
くるくる回る彼女から、空気を裂く音が聞こえたかたと思うと、少女はさらに加速した。
「ひ、ひぇぇ…」ぐるぐるぐるぐるぐる…僕はもうどうしていいかわからない。
そういう時、人は本当に「ひぇえ」って言うんだなと何気に思った。
「もう、やめて!!やめて!!」僕は我に返り必死にお願いする。
…少女は相変わらずぐるぐるぐるぐる…。
…で気づいた。
彼女が少し小さくなってる気がする。
僕は昨日の少女との会話の「バター」を思い出した。
「う、うああああ、溶けちゃってるよ!!」僕は危険をかえりみず、彼女を止めた。
「わ、わ、わぁあああああああああああ!!!」遅かった。彼女の頭がもうない。頭がない!!
腰が抜けた。彼女の体がずるりと鉄棒から落ちる。…ドスン。ピクリともしない。
「ひ、ひぃい」股間が生暖かく湿ってくる。首のない体というのはとても気味が悪いものだ。
それが知っている人のものだとさらに、恐怖が増す。
僕は気を失った。
「ねねぇ、ちょっと起きてよ」…僕は少女の声で目が覚めた。「無事…だったの?」あたりを見回す。少女はいない。
もう、日は沈んでる。鉄棒のあった場所は真っ暗だ。
「無事といえば、無事なんだけどねぇ」僕は悪い夢でも見たのだろうか。それより、少女の姿がないのが不安だった。
声…聞こえるのに。…ん?どこから聞こえるんだろう。僕の真上…!?
木の上から少女の首が僕を見下ろしていた・・・
「うぎゃーーーーぁあああああああああああああああああああああああああ!」両手だけでその場を離れようとする。
「あ、あぁ、、あああ、い、いかないで、いかないでぇえ」怖い。怖い。怖い。なぜか僕は鉄棒の場所に来てしまった。
首なしの胴体がふらふらしていた・・・
…
ぷちっと何かが切れた音がした。すると妙に冷静になった。あれは、あれだ。夢だ。
遠くで「お願い、助けてー」とか言ってる。お笑いだw そんな現実はない。
僕は、もう一度、彼女を見に行った。大粒の涙がぼろぼろ…ぼろぼろ。
「わははは、ばっかみてぇ」僕はおかしくて笑った。どうやら、木に引っかかっているらしい。
僕を馬鹿にするからだ。「ごめんは?」「え?」うろたえる少女。急に強気になった僕にちょっと戸惑っているらしい。
「ご・め・ん…は?」「ごめんなさぁい…」僕は満足げにうなずいて木に登り、彼女をおろしてあげた。
手に持った彼女の髪からいいにおいがした。さすが女の子。ちょっと抱きしめてみる。
「む、むぐぅ」彼女が抗議の声を上げる。かわいい。彼女の体においてあげた。
「えっち…」自分の体とひとつになった少女がぽっと顔を赤らめて、走り去っていった。
さて、これは夢だ。ねなおそ…。僕はそのまま木の下で眠りについた。
翌朝。僕は用務員のおじさんにこっぴどくしかられていた。僕は木の下で寝ていたのだ。
夢の話をするとおじさんはこう話してくれた。
「あそこにはな。てまりの少女がおるんじゃ」
「夜中にな、ひとりでてーんてーんとてまりをついてるんじゃよ。」
「それでよーく近づくとな、まりはその少女の首なんじゃ」
それからはいつもの日常。
ただ、授業中窓の外をのぞくと、もんぺをはいた女の子が僕に手を振るようになった。
手を振り返すと、少女は満足げにうなずき首をはずして、てー…ん、てー…んと去っていくのだ。
…終わり。
ごめん、4部になっちゃった。
>>帰ってきたツンデレ初心者さま
ありがとうございます。夢の競演、びっくりしましたがとても
嬉しかったです。ハムポンがいないのが残念ですがw
>>ミレレイ
ガンバッ!ワクワクして待ってるよっ
みんなすごくおもしろいなぁ。仕事中いろいろ考えてしまうから、よろしくないねw
あー……なんかシュールでいいなあ、これ。
少しだけホントに怖く感じる箇所があったりするのがいいですね。
>4部になっちゃった。
すごく良く分かります。書いてると歯止め利かなくなる俺には。
うわ、ポン介さんw
勝手にきゃら使ってごめんなさい^^;
僕は残業中にネタを溜めてます。で、日中、仕事の合間に直しして、アップしてます。
たまに、上司のお姉さんが白い目でみるのが・・・こわいです。
>>340 まとめサイト乙です!僕の話まで入れていただいて感激しました。
タイトルに笑いましたw
頑張ってくださいっ
>>383-386 文体がアレだから萌えるけど、本気で怖くしようと思ったら思いっきり怖くなりそうだな…
取り敢えずGJ!
たったいま、IDがその日ごとに変わることに気づきました。
すいません。
それで、みなさん、名前の後ろに最初のIDを入れてらっしゃったんですね。僕もそうします。
>>運動場整備舞台さん
ほめてもらえるてかなり嬉しいっす。
もちろん、他のかたのレスも最高にありがたいです。悪い部分、きっちり指摘してくれるから、嬉しくてつい連投しちゃいました。
いまは、ツンデ霊プロさんの作品とミレレイさんの作品が待ち遠しいです。
ち、違う・・・・トリップはそういうものじゃない・・・・
げ、運動場整備部隊さんの名前まちがえてました。
あと、やっぱり、自分、間違えていたんすね。このあとちょっと調べて直します。
こうするのかしら?
スレ汚し、お許しください。
…お願い、成功してください。
今日は家で今月の「かわいいハムスター」をごろんと横に
なって眺めていた。
いつ見ても素敵な雑誌だ。小さかった頃、まだハムちゃんだった
ハムポンを写メで撮り、投稿したりした。
掲載された雑誌は今も宝物だ。
「ふむぅ・・・むー?・・・・ふむふむ・・・・」
さっきから、耳元で鼻息が荒いのは、レイポンだ。
僕の後ろから雑誌を見ているらしい。
すぐ耳元でふむふむ言われるのは、何か気恥ずかしい。
だが・・・それ以上に僕には気がかりな事があり、実は雑誌にも身が入らなかった。
もうすぐバレンタインデーなのだ。レイポンはどう思っているのだろう・・・
「レ、レイポン?」
「レイポンいうなっ・・・なに?」
あまり気のない返事なのは、読者投稿コーナーのハムスターたちに心奪われている
からだろう。
「・・・ん。いや・・・なんでもない」
「・・んー。ん?・・・・んんー?んふふ・・・何よ?」
まずいな。とてもいやな雰囲気だ。気づかれたのかも知れない。
「な・・・なんでもないよ」
ページをめくる指が自分のものではないようにぎこちない。
顔が熱いのがわかる。
「んー?んんー?気になるじゃないよ、いいなさいよっ」
含んだ笑いで声が弾んでいる。意地の悪い奴だ。
「レイポンはさ、その・・・桃の缶詰ありがとね」
「レイポンいうな。・・・んー?ああ、たまたまあったからね。で?」
カラカラ・・・・カラカラ・・・・
沈黙の降りた部屋に、ハムポンが回し始めた回し車の音が響く。
「でって・・・それだけだよ」
「・・・ふふん。そういう事にしておいてやるわ」
含み笑いの中に勝ち誇った響きを残し、レイポンは引き下がった。
レイポンは多分、女の子だろう。声から察するに同年代だと思っていい。
今まではハムポンの世話をしてくれる、便利な存在くらいにしか思っていなかった。
だけど・・・レイポンは僕をどう思っているのだろう。そして僕は・・・
当日、机の上にチロルチョコが一つあった。
「・・・・これが答えかっレイポンーっっ?!」
「なっなによっっきなこチョコなのよっっ」
もうレイポンとは2日口を聞いていない。きなこチョコっていわれても困る。
#と♯の違いに気をつけてな
ハムスターフェチなんだな……それも重度のw
レイポンすげえかわええ。きなこチョコの何が悪いのさっ。
帰ってきたツンデレ初心者‐revenge‐です。
成功したけど、
>>397でトリップのパスワードさらしていたことに気づきました。
以後は「たまねぎツンデレ」に改名します。
ポン介さん、お疲れ様でした。チョコ欲しいとき、見透かされるとちょっとくやしいですよね。
流れブッチしてすいませんでしたorz
>>398 成功しましたねっおめでとう!
>>404 ハムスターはかわいいですよ。レイポンは添え物ですw
85pesOZL0は、「ミレレイ」などと呼ばれることに、もう抵抗しなくなっていた。
「所詮呼び名なんて、ひとが自分を他人と区別する為の符号に過ぎない。
自我を名前で表現しようと四苦八苦するなぞ、自己表現の手段を目的と勘違いした愚者の行いよ。
私の自己表現の方法は、皆が待ち望むように早く物語を完結させること。
それが私のこのスレでの存在意義であり、究極の目標なのだから…」
「ツンデレ初心者」に突っ込みを入れて、逆に
>>115に批判されたときに思い描いたコテの付け方。
何か意味のありそうなIDを誰かがもじって命名してくれるだろうという願いは実現されなかった。
「85ペソ」とも読めるIDを得たとき、彼はここぞとばかり他人に命名した。
自分から目立つことで、祈りが通ずると思ったからだ。
「このスレならきっと誰かがIDから命名をしてくれる…!」
しかし、無情にもコテは彼の望むものではなかった。
そればかりか、命名者以外にもその名のほうが浸透してしまった。
「まぁいいか」
彼は素直にそう思えるようになった。
何より皆がツンデレをこよなく愛していることに気付いたからだった。
「ツンデレ至上主義、か。 ふふっ」
彼はこのスレを初めて覗いたときの興奮を思い出していた。
「これからツンデレのとりこになる奴らのためにも、早く作品を仕上げることに集中しよう!」
だが彼は「ミレレイ」とは自分から名乗ることはしないだろう。
なぜなら、「 そ れ が ツ ン デ レ だ か ら 」
あたしの作品はこんな感じの説明口調なんですが、大丈夫でしょうかね…ぇ?
とりあえず文字数&行数確認を兼ねて小ネタを一発書いてみましたw
あぁ〜煮詰まっちゃったよぉ〜TT
ツンデレ・・・w
大丈夫。おもしろいよミレレイ。
ううん、認めなくたっていいwされがツンデレだからw
>誰かがもじって命名してくれるだろうという願い
ヒロインの切なる願いはニブちん男にスルーされるのが掟。
そこから生ずる愛しさとか切なさとか心強さがツンデレの原動力だ。
だから、胸を張って凹め。
ちなみに俺、85pesO よりもこの →OZL← 部分が気になっててなあ…。
「OTLさん」て呼ぶ寸前だったさ、ミレレイ。
馴れ合いはほどほどにしてくれよ
>>411 ええい!!次から次へとツンデレがわきやがる!!
>ミレレイ…テラモエス…
歴代このスレに棲みつく奈緒美は思った。
―このスレで否定的発言をしても、それはツンデレの「ツン」だと見なされるってコト、
なんで気付かないヤツが居るのかしら。
ツンデリストに否定発言は逆効果だってコトくらい、このスレを定期的に覗くヤツなら常識でしょ。
―思えば、色んな作者が出ては消えていったわね。まるで泡沫の夢のごとく、ね。
―でも待って、なぜあたしのことをネタにしようとするヤツが居ないの?
あたしが美しすぎるから?「ツン」色が強すぎるから?ツンデ'霊'ってそんなにムズい?
だが、奈緒美の問いに答える者は誰も無く、奈緒美の心の叫びは虚空に消えた。
―ふ、ふんっ なによ、あんた達なんてこっちから見捨ててやるわ。もう永遠にさよならね。
奈緒美はスレから離れると、この板のスレ一覧のトップに陣取った。
―ここならこの板全部が見渡せるわ。
あの下らないツンデ霊スレがdat落ちする様までもね
しょうもない駄洒落をいいながら、奈緒美はじっとあるスレに目を向けていた。
―あのスレの色が赤く変わったら、真っ先に行って馬鹿にしてやろう…
そんなことを思いつつ。
414 :
1:2006/02/20(月) 22:51:52 ID:EbL3uJMt0
小学校低学年くらいの年代だと、総じて女子のほうが発育は早くなる。
私と、幼稚園時代からの幼馴染である晃子は、たった2週間ほどしか
誕生日が変わらないにも関わらず、小学校3年当時で私が見上げるほどに
身長差がついてしまっていた。
もとより、私はクラスでも前から数えたほうが早いくらいのチビだったし、
活発に運動をこなす晃子と比べて屋内で本を読んだりすることのほうが
好きだった私とでは、そうした違いが生まれても仕方がなかったのかもしれない。
晃子はそんな私を「ジジむさい」「女々しい」「それでも男かよ」と
散々にバカにしてくれた。少なからず男子としてコンプレックスを抱えていた
私は、よくある幼馴染への恋心などは全く持つことなく、むしろ苦手意識を
感じるほどであった。
おとなしい性質の私であったが、それでも晃子に本当にキレた事がある。
読んでいた本を取られてからかわれたとか、今にして思えば本当に些細なきっかけだった。
本気になって殴りかかる私に、最初は笑っていた晃子も表情を変えた。
でも、悲しいぐらいに運動能力に違いがあった。
腕を振り回すだけの私は簡単にいなされ、周りは「もっとやれ〜」と囃し立てる。
惨めだった、自分は男なのに、なんでコイツに勝てないんだろう。
「いい加減にっ……」と晃子が右足を軽く振るった。
彼女のハイ・キックは見事に私の顔面を捕らえた。そこまでは覚えている。
なにせ今でもぬぐえないトラウマなのだから忘れようがない。
今も悔しく思うのは、彼女にとってそれはハイ・キックではなく
ミドルくらいの感覚だったのだろうということだ。
415 :
2:2006/02/20(月) 22:52:26 ID:EbL3uJMt0
私はそれから一念発起し、牛乳を飲み、魚を骨まで食べることにし、運動も始めた。
いつかあいつに一泡吹かせてやるんだ。もっと大きくなりたい。
まさに子供っぽい動機だったとは思う。
……でも、晃子に「一泡吹かせる」機会は二度とこなかった。
その年の夏、晃子はあっけなく死んでしまったからだ。
家の近くの道路は狭いにも関わらず、トラック運転手の抜け道になっていたようで
さんざ危険視されてきたのだが、晃子もそれの犠牲者になってしまったのだ。
そのときの感情がどういうものだったのか、今はよく思い出せない。
ずっと目の上のタンコブだった晃子がいなくなったことは、けっして嬉しくなかった。
いつも私は晃子を見上げていたから、うつむいているよりも、見上げればそこに晃子が
いるのではないか。私にとって晃子は憎らしい奴だったが、それよりも自分にとっての
目標であったり、超えたい壁であったり、そんな対象だったのかもしれない。
だから、あれから20年以上経過した今でも、私は上を向いて歩いていられる。
晃子が死んだときに、そう決めたことを守っているからだ。
『いつも本ばっかり読んで下を向いてるとね、猫背になって背が伸びないんだよ』
そんな風にからかわれたことが、今でもなんとなく思い出せる。
416 :
3:2006/02/20(月) 22:52:57 ID:EbL3uJMt0
「良クンも大きくなったねえ」
そういって麦茶を出してくれたのは晃子のお母さんだ。
私は久しぶりに故郷に戻ってきていた。少ない盆休みを利用して帰省したはいいが、
これといってやることがない。
暇をもてあましてパチンコでもやりに行くかと思って家を出たら、ばったりと
遭遇してしまい、こうして家まで連れ込まれたといういきさつだ。
晃子の家に入るのは、なんだかノスタルジックな感覚があった。
自分の家も含めて、このあたりの町並みもあまり変化がない。
開発に目が向くような地域でもなく、近所の顔ぶれもあまり変わらない。
私は中学から全寮制の私立に進学し、大学、社会人と東京で暮らしていた
事もあって、まるで私だけが変に大きくなってしまっただけなのではないかという
錯覚をするくらいだった。
晃子の家の柱の傷も昔のままだ。
私の傷の15センチほど上にあるのが晃子のものだ。
今では、そのどちらも並んで比べなくてもわかるくらい低い位置にある。
その傷を感慨深げに眺めていることを気づかれたのか、晃子のお母さんは
しみじみと話し出した。
「ねえ良クン、晃子はずっと良クンのことが好きだったと思うのよね……」
417 :
4:2006/02/20(月) 22:53:30 ID:EbL3uJMt0
『そんなことは』
私はいいかけたが、それはなんとなく今ではわかっていた。
「晃子はほら、背が大きくてお転婆で。でも良クンはあの頃はチビスケ
だったからね。」
「……そうですね、僕はどんどん置いて行かれるような気がして、嫌だったです。」
「晃子は、そんな自分がすごく嫌だったみたい。あの子ももっと女の子らしいことも
したかったでしょうに、そんなのが似合わない自分を嫌っていたわ。」
「はあ……」
晃子のお母さんも、変に悲しみを宿すようなことはない。
晃子のことは過ぎたこと。今は私と同じように、心の中にある
彼女のことを振り返っているのだろう。
「だからこそ、好きな良クンが小さいのがもっと嫌だったんでしょうね……
ふふ、思い出しちゃった。」
そういって晃子のお母さんは、下駄箱からなにやら箱を取り出してきた。
「あの夏、晃子は良クンを誘ってお祭りに行きたがってたのよね。
でも、足の高いのを履くと、もっと差が出ちゃうからって、
結局買ってあげたこれを履いてくれなかったわ。浴衣も着ないって。
せっかく揃えてあげたのにねえ……」
見せてくれたポックリは今でも真新しく、誰かが履いてくれるのを待っているかのようだった。
418 :
5:2006/02/20(月) 22:54:14 ID:EbL3uJMt0
家をおいとました時には、もうすでに夕暮れになっていた。
道のあちらこちらには浴衣をきた人が歩いている。
そうか、今日がそのお祭りの日なんだ。
晃子が着るはずだった浴衣はどんなのだろう?
手を合わせた仏壇に飾られた晃子の遺影は、思い出にあるような
憎らしさはなく、とても幼く、可愛らしく思えた。
彼女がもし、もっと小さかったら?
いや、私がもっと大きかったら?
浴衣を着た晃子とこの道を、神社に向かって歩くようなこともあったかもしれない。
20年前のifは、決して形よくは頭に浮かばなかった。
そんなことを考えていたからだろう。
私は不意に視界に入ったヘッドライトにハッとした。
そう、この晃子が轢かれた道だって昔のまま。
トラックの鳴らすクラクションがなぜか遠く感じられるような気がした。
419 :
了:2006/02/20(月) 22:54:57 ID:EbL3uJMt0
そのとき、私は背中を蹴られた。
決して強くはないが、呆然としている私を道端に転がすには十分な力で。
つんのめって転がった私の横を、数台の列を成したトラックが走り去っていく。
その、車列の隙間から見える向こう端に、彼女は立っていた。
決して見ることはなかった紫陽花の花のかかれた浴衣を着て。
彼女は私を見下ろしている。怒っている。
『何をボーっとしてるんだか』
『顔を上げて歩けって、いつも言ってたはずなのに』
そんなことを言っているのが、声も聞こえないのになぜだかわかった。
4台目のトラックが走りぬけたとき、そこには誰もいなかった。
ただ、私の背中にはじんわりと蹴られた感覚だけが残っている。
その痛さは、なぜだかとてもやさしく感じられる。
『そこまでしか届かなくなっちゃった』
『……おっきくなったね、りょう』
懐かしい声、ずっと聞きたかった言葉。
見回しても、やっぱり近くには誰もいない。
ただどこかで からん と
ポックリが鳴らす音だけがかすかに聞こえた気がした。
GJ。
いい話だ。゜(゚´Д`゚)゜。
……この文体と雰囲気は、俺が個人的に一番好きな話を書いた人のような気がする。
まあ、違ってても別にいいけども。ただひたすらにGJ。
やべぇ・・・このスレ感動した!!
俺も近いうちに書いてみようかな・・・
スンゲ…マジでヤバヤバでないか??うますぎなんじゃねえのか??
だって見終えたあと夏休みが終わる時のあの寂しさが数年ぶりに…
・,゚(ノд`)'。・
またまた素直にgjと言えずに日が替わる…
>>414-419=ID:EbL3uJMt0 GJ!
君の話にパチンコが出てきたので、また小ネタ。
田舎のこの辺じゃ、若い男の道楽といったらパチンコかクルマぐらい。
そのどちらもこなすツワモノも少なくない。
が、ボクはどっちもやらない。ギャンブル運も無いし、資金も無いからだ。
ある日、行きつけの「すきや」に昼食を取りに行った。
カウンターに座り注文を済ませ、何の気なしに隣の席を見る。
銀色の小さな玉。 あぁ、パチンコ玉か。
この店はパチンコ屋の駐車場に隣接していて、パチンコ帰りの客が良く利用する。
特に気にも留めず視線を戻した…そのとき
「ちょ、ちょっとぉ!無視はないんじゃない?!」
小さいがよく通る声が、今しがた見ていたパチンコ玉から聞こえてきた。
ぎょっとしてもう一度声の主を見ると、そこには長い黒髪の美少女が居た。
仰天しながらも話を聞いてみると、彼女はこの玉にとり憑いた霊らしい。
会話は全てテレパシー&彼女の姿は他人には見えないとのコトで、
要するに「成仏するためにあたしの憑いたこの玉で、ちょうど1000人目のキミを儲けさせて」とのことだ。
願ってもない話だ。
>414GJ。
対比で時間の経過を表現する手法は好きだ。
>>414-419 う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛(つД`)ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
映像化して見てみたい作品だ。GJ!
続き)
確かに良く出た。一日20万はざら、多いときには50万も勝った。
テレパシーで頭の中に直接罵倒や悪口雑言を言い募る彼女を我慢するのが引き換えだったけれど。
愚図、もやし、虚弱体質、ひょうすべ(?)……
だが、なぜか金は貯まらなかった。
ちょっと小金が出来たと思うとPCが壊れたり、原チャが盗まれたり。
パチンコに憑いた彼女の言によると、もともとボクには質の悪い貧乏神が憑いているそうだ。
マイナスにはならないけれど、決して金もたまらないそうだ。
一計を案じて彼女がぷいと出て行った。自分で転がって移動できるんだそうだ。
二日後、彼女が戻ってきた。 同じ仲間を50玉も連れて。
今では貧乏神も退散し、若いながらも一財産を築けた。
しかし、彼らはまだ一緒に居る。ボクの従順さが気に入ったらしく、成仏も望まないらしい。
さぁ、金か、心の平穏か。
はぁ、本筋が進まない。
現実逃避。
な、なによこのスレ!
べ、べつに見たくて来たんじゃないからね!
偶々よ!偶々!
もう、二度と来ないんだから!
マトメなんて読まないんだからね!
で、でもちょっとくらい覗いてあげるわよ!
本当にありがとうございました。
>>430 関係ない話だけど、「偶々」は「たまたま」と読むのだと初めて知った。
ありがとう。
トリップのつけかたがわからず、騒いですいません。
お詫びに本日のラストを投下します。
------------------------------
僕の家では物がよくなくなる。
死んだおばあちゃん曰く、「妖怪いたずら小僧」のしわざだそうだ。
しかし、家でなくなったものは本当に必要なときは、ぽっと出てくる。
だから、最近では気にしなくなった。
ある日、僕に彼女ができた。嬉しかった。
僕は有頂天で、友達に自慢しまくったものだ。
そんな僕に彼女がマフラーを作ってくれた。
彼女は「ふん、友達に私が手編みのマフラー作れることを証明したかっただけだから。…ほんとよっ」
とかいってた。それでも嬉しかった。ちょっと、歪だが僕の一生の宝物だ。
今度彼女とデートで遊園地に行くことになった。僕はこのマフラーをつけていくつもりだ。
当日、大変なことになった。確かに机においていたマフラーがなくなっている。
僕は探した。一生懸命探した。
…見つからなかった…。
彼女とけんかした。僕はマフラーをつけていなかったし、遅刻もしてしまった。
彼女は大粒の涙を浮かべて、僕を突き飛ばして帰ってしまった。
僕はといえば、尻餅をついたまま声をだして泣いてしまった。
ちっちゃな女の子がハンカチを貸してくれたのが余計にみじめだった。
家に帰ると僕は大声で叫んだ。
「妖怪いたずら小僧なんて消えてしまえーーーーー!!!」母が何事かと、僕の部屋の戸をたたいた。
僕は鍵をかけて布団のなかで泣いた。
次の日、彼女が声をかけてきた。
「…これ」彼女が僕にみせたのは、手編みのマフラー。確かに、彼女からもらったマフラーだった。
「…家にあったわ。」といって、僕のほっぺたにキスをした。
状況が把握できない僕に彼女は、
「う、疑ったお詫びなんかじゃないんだから、まだ怒ってるんだから。でも、あまり情けない顔しないでよ」
といって走って教室に帰っていった。
腑に落ちないまま、家に帰った。
マフラーを置こうと机に目を向けると、書置きがあった。
『べ、べつにあなたが可愛そうだから、マフラーを返したんじゃないから。もう、暖かくなったからいらなくなっただけなんだからね』
僕はようやく、理解した。なるほど。彼女のお家にマフラーをおいたんだな。
「ありがとう、妖怪いたずら小僧」お礼を言った。
「あ、あんたのためじゃないんだから!! それと私は娘よ!!」背後から声がした。
ドアの向こうからちっちゃな女の子が顔を半分のぞかせて、すぐひっこんだ。
今も、僕のものはよくなくなる。そんな時、僕は机にケーキか和菓子を置いておく。
すると次の日
空っぽになったお皿となくなったものが机においてあるのだ。
―了―
GJ!
でも、一日が始まったばかりなのに本日最後なんていわないでw
あ、ほんとうだorz
今日もよろしくお願いします。
範馬雄子追悼記念ぱぴこ
>>48 雄子タソ、喉仏を破壊
>>58 雄子タソ、ネリチャギ
>>82-
>>83 雄子タソ、バレンタインデー
>>134-
>>135 雄子タソ、レイープ
>>275 雄子タソ、目潰し
>>342 雄子タソ、打ち切りww
どうみても悪霊です
ありがとうございます
>>431-432 !!!な、なによ?別に教えるつもりで書き込んだわけじゃないのよ!
こ、こんなスレがあるから逝ったまでよ!
もう、二度と来ないからレスしないでよね!
半年ロムるんだから!!
439 :
1/5:2006/02/21(火) 01:25:25 ID:06iPlXPn0
2月1日
昨日あたしを轢き殺したオヤジを軽く脅かしたら死んじゃった。
つまんない。
2月2日
しょうがないので息子のほうに祟ってやることにした。
意外と人の部屋にいるのってドキドキする。
え? いきなり何しだすの? って事態がいっぱいある。
いや、普通の生活なんだろうけど。
初日なので寝てるときに上に乗っかる程度で済ませてあげた。
すぐ死んじゃってもつまんないしね。
2月5日
コイツについてだんだんわかってきた。
とにかくビンボーだ。
千円以上の服なんかないんじゃないか?
毎回塩ごはんなのか?
これぜったい栄養失調で死ぬよ?
2月6日
今日も胸の上に正座する。
どうやら金縛りになるらしい。
必死に解こうとしているのがおもしろい。
顔がとくにおもしろい。
440 :
2/5:2006/02/21(火) 01:26:31 ID:06iPlXPn0
2月7日
朝からバイト先についていった。引越し屋さんだ。
コイツに仕事があったことに驚く。食い物に金かけろ死ぬぞ。
連夜の金縛りで寝不足なのかミスを連発。
ヤンキー先輩に胸倉つかまれる。
そうか、祟りってこういうことか。
すごいヒントをもらった。ありがとうヤンキー先輩。
2月15日
金縛り中、あきらめて寝ようとしたので口をふさいでみた。
一分ほどで顔が真っ赤になって跳ね起きる。
息止めれるんだ。新発見にちょっと興奮。
2月20日
眠れない時間がムダに思えたのか、深夜の棒振りのバイトを始めたらしい。
バカじゃないの?
昼のバイトでも死にそうになってるのに。
いじめられてるっぽいし。
コイツぜったいマゾだよ。
2月25日
今日は給料日のはずだ。外食でもしてくるのか……
と思ったら家で納豆ごはん。
それがおまえのごちそうなのか?
441 :
3/5:2006/02/21(火) 01:27:37 ID:06iPlXPn0
3月1日
あれから1ヶ月。
祟りの効果があってコイツは疲労困憊……って。ちがくない?
なんか勝手にボロボロになってくんだよね。
バカなんだなあ。
3月7日
バイト中、タンスを落として足の甲を骨折。
バカには痛覚がないのかタンスと床の傷ばかり気にしてた。
そんで明日も来られます、だって。来てもらっても迷惑だろー。
3月15日
とうとうぶっ壊れた。熱が下がらないみたい。
足折れてるのに雨の中棒振りなんかしてるからだよ。
バイトの先輩なんか始めと終わりしか仕事してないのに。
なんでそこまで一生懸命かなあ。
わかんないなあ。
3月16日
……うん、これたぶん死ぬ。全然動けないもん。
さびしいねー、こんなボロアパートにひとりでさ。
最期だし、添い寝してあげた。
当然だけど気づくわけないんだよね……。
3月17日
……と思ったら朝には復活しやがった。
まあ、まだいじり足りなかったからちょうどいいけど。
ちょっと思ったんだけど、このバカが死んだらあたしは何をしよう?
442 :
4/5:2006/02/21(火) 01:29:05 ID:06iPlXPn0
3月21日
四十九日。
成仏しろという意味なのか、突然、実家に吸い寄せられてびっくりした。
バカがウチの両親と話しててもっとびっくりした。
つーかバイトはどうした?
おどおどすんなよ、カッコ悪いなあ。悪いのはおまえのオヤジだろ。
お母さんも何その態度? えっらそーに……
…………………………………………………。
何言ってんの?
ふざけんな。
クソババア。
オマエもすいませんじゃねーよ。
そいつがどんな思いで。
どんくらい身を削って。
……知らねーだろ。
その金を稼ぎ出したか。
――知らねーだろ!
443 :
5/5:2006/02/21(火) 01:30:24 ID:06iPlXPn0
3月22日
今日もアイツは昼夜のバイトがある。
その金が残ることはないし、おそらく一生ビンボーなんだろう。
あたしはこの世に残ることにした。
やることができたから。
生まれて初めて、一生懸命やるよ。
初めてだから、うまくいかないかもしれないけど。
誰も褒めてくれるわけじゃないけど、誰も知らないだろうけど。
それでいいんだ。
444 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 01:32:58 ID:wYa9kEXyO
445 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 01:34:06 ID:wYa9kEXyO
>>439-443 (・∀・)イイ!!(・∀・)イイ!!(・∀・)イイ!!
>そいつがどんな思いで。
>どんくらい身を削って。
>……知らねーだろ。
>その金を稼ぎ出したか。
>
>――知らねーだろ!
感動した(つД`)
>>444さん、ずれてる、ずれてるーーー
439さん、GJw
…もうね、イヤんなるね。
こういう良作をみちゃうとね。しかもちょっち自分のと被ってるし。
自分の遅筆が恨めしいよ。
あとタイミングの悪さ。
もう自分の思惑通りにならないらしいから、脱稿しているヤツを貼り付けて不貞寝することにした。
お休みノシ
―なんでいつもこいつは噛み付いてくるんだろう?
「朝っぱらから触らないでよ!!」
―いやいや、毛先にちょっと触れただけだぜ?
「足を踏むな!!」
―じゃぁ俺の部屋に入って来るんじゃねぇよ。
「食事中くらい私に構わないで!!」
―そう言われても、こんな状況で気にならない方がおかしいって。
―昼は俺の椅子に座って日向ぼっこ。 ずっと俺のことが気になってるくせに無視するふり。
―なのに俺が妹と話したり近づいたりするだけで歯をむいてまで怒るってどうなのよ。
―変態アニキにでも見えるのか?お前には。
―元々妹の親友だからって、俺は一応ここの跡取りなんだけどなぁ。
―しかも他の家族とは会話しようとはしないのな、お前。 まぁ別にいいんだけどよぉ。
「あ、あんたが常人とは違うだけよ。別にあんたに…そのぉ…きょ、興味があるとかじゃないからね!!」
―ふぅんw、なぜお前が上目遣いで俺をみるのか、聞かずにおいてやるよ。
「今日の午後は誰も家には居ないんでしょ?私も暇だから話し相手になってやってもいいわよ?」
―昼食後、居間からベランダの方へ身軽そうに駆けてくると、さくらは横柄に言い放った。
「かっ、勘違いしないでよ。いい?あくまでも可・哀・想、だからっ!」
―とかいって息が荒いぞ、さくら?何に興奮してるんだかw
「あんたに名前で呼ばれる筋合いは無いわよっ。
「次に『さくら』なんて呼んでみなさい、後悔すら出来ないようにしてやるから」
―はいはい、ホントに嫌なら目を合わせて言うもんだろうにw
―そういえばお前はいつからここに居るんだっけ?
―あまりに馴染んじゃって、肝心なところを忘れちゃったかな…まいっか。
「次にここに来れるのはまた一ヵ月後だったっけ…」
―夕暮れも差し迫ったころ、さくらは唐突に呟いた。
「ばっ、馬鹿っ!寂しいわけないじゃないわよ、その時のことを考えてウンザリしてるだけよ…」
―なら切なそうに鼻をならすなよ…
「もう夕焼けがあんなに……そろそろ時間じゃない…」
―いつになく濃い赤は、並んで座っている俺達に長いひとつの影しかくれなかった。
(さくら)
―俺は小さくつぶやいてみた。
―聞こえなかったのか、さくらはじっと夕日を見つめている。
―その通った鼻筋が、贅肉の無いあごが、滑らかな肩のラインが…そして潤んだ瞳が…
―美しい横顔を見つめ続けていると、次第に愛おしさがこみあげてくる。
(もうすこしこっちの世界で一緒にいられたら…)
―今度は聞こえないようにつぶやいた…つもりだったが、さくらはこっちを振り向いた。
「ばーか」
―すっと顔が近づいた。すこし出した舌先で、俺の左頬をペロッ,と舐めると、さくらは立ち上がった。
「そろそろ行かなきゃ」
―俺は目で追うことしか出来なかった。
「あれぇー?どこに居るのー?ご飯だよ〜っ!!」
大学から帰った妹が階下で呼んでいる。
「さ〜く〜ら〜ってば〜ぁ、先にお散歩する〜?」
さくらは名残を振り切るように無理に尻尾を振りながら、器用に階段を降りていった。
―ふと、風にのって線香の匂いがした、俺の6回目の月命日が暮れてゆく。
〜終〜
あ〜あ、通し番号も間違えた…OTL
んじゃ次
―夕闇せまる公園わきの通学路。
アパートが立ち並ぶ都会の片隅を、足早に帰路につく青年がひとり。
―怒ったような足取りと、時折聞こえる悪態のような独り言。
その姿はまるで 最前まで仲良く帰宅していたのに、
些細な意地の張り合いで痴話げんかになってしまったカップルのそれを彷彿とさせた。
しかし彼の傍らにはそれらしき恋人の姿は見えない。
―唐突に、彼は足を止めた。
―それまでは人の目を気にして声を押し殺してけんかしていたものが、
まるで恋人から思いもよらない告白、または悪態を聞かされたかのように、
止まった時の中で目を丸くし、虚空を凝視している。
彼は目線の先へ思わず半歩踏み出し、下げた両手を少し広げて次の言葉を待っているように見える。
―やがて彼は言葉を失ったまま、あげかけた両手を力なく下ろした。
しばらくそのままの姿勢で数回うなずいていたが、意を決したように顔をあげると、再び帰路についた。
先ほどよりも心なしか意気消沈しているようにも見える。
―公園を通り過ぎ、明滅するおんぼろの街灯を二三歩越えたところで、
ふわりと左腕をあげた。…まるで誰かに引っ張られたかのようだった。
―気のないようなそぶりを見せながらまた2度ほどうなづいていたが、ふと、彼は口元をほころばせた。
少し左に向き直り、右手を自分の左側、頭よりも少し上の辺りへもっていくと、数回なでる動作をした。
―やがておろした左手で軽く握り拳を作ると、ゆっくりと歩をすすめた。―さっきより充ち足りて―誰かをいたわるように。
―壊れかけの街灯の照らす彼の先には、ぴったりと寄り添うような2人分の影が伸びていた。
―今宵は星空が綺麗だ。
さてと。
皆さん、このスレが今のように盛り上がってきてから一度、荒らしみたいなのが出たの、覚えてます?
>>354あたりから。
あれ、実は俺の自演だった …なんて言ったら怒りますか?
携帯から、「ツンデレを勘違いして目立ちたがる香具師」っていうコンセプトで
非難覚悟でカキコしてみたんですが…裏にある意思とかばれちゃいました?
この作品のための布石、だったんですが…
まぁいいや、これを読んでから思う存分非難や罵倒を浴びせてください。
また女帝が息巻いてる。
今日は学園祭前日、様々な準備の最終日だっていうのに。
「お〜い、女て…じゃなかった令子さ〜ん、令子さんもうちの展示を手伝ってよぉ」
「
>>357」
あ〜ぁ、すぐこれだ(苦笑) かわいそうにな、2組のヤツ。
まぁ逆にポア(死語)されなかっただけでもいいとしておきなよ…
女帝こと令子さんは、実はうちの男子高校の教師だ。 今年29才、彼氏はいない…ようだ。
まぁ本人に言わせればあっちこっちにミツグ君(死語)だのアッシー君(死語)だの居るとのことだが、
休日の度に一人の処をフライデーされている(死語)のだから、そろそろ正直にゲロ(死語)しちゃえばいいのに(笑)
ちなみに、口調から判るようにかなりのタカビー(死語)だ。
ワンレン(死語)ボディコン(死語)で、正直けっこう綺麗では……ある。
「
>>364」
「!!」 …俺が呼ばれたらしい。
体育館へ続く渡り廊下にしゃがみこんで、俺の方を見ながら手招きしている。
俺はどちらかというとSの方なので、いじられるのはごめりんこ(死語)だ。
女帝もそれを判っていてか、何かというと俺を呼ぶ。きっとドSなんだろう…
大声で何度も呼ばれるのも勘弁してほしいので、素直に近づいた。
「女帝・令子さんさぁ、俺もクラスの模擬店の手伝いをしなきゃなんないんだよね…」
「
>>354」
まぁ、何を言っても通じないとは思ったけどね(苦笑)
女帝に連れられて体育館の裏手にある焼却炉に向かう。 途中、二年生のクラスに声をかけられる。
「れーいこさーん、また先輩を誘惑してんのぉー?」
先輩とは俺のことだ。なんのことはない、女帝の行動などとうに全校生徒にお見通しというわけだ。
「
>>356」
…いくらピッタンコカンカン(死語)だったからってそこまで言うことはないだろうに…
二年生たちも微妙な苦笑いを浮かべている。
別に隠していた訳じゃないが、俺は女帝から本当に猛烈アタック(死語)を受けている。
たぶん体育館裏で返事を聞かせろと迫ってくるに違いない。
…おおっと、これはさすがに予想していなかった。
体育館裏に回っていきなりブレザーとブラウスの前をはだけ始めるなんてことは。
「ちょぉ〜っっとまったぁ!!」 知らず大声が出てしまった。
何事かと、近くで学祭準備中の生徒達が顔を覗かせた。 瞬間、男子校特有の野太い歓声が上がった。
「うおおぉぉぉおおおお!!」
中には「令子さんやるゥ」だとか「ホテル代カンパしてやろうぜ」などという声も混じっている。
女帝は…とみると、さすがに恥ずかしかったのか腕を×字に交差させ、その場にしゃがみこんでしまっている。
俺は野獣の目つきをした奴らに、手で追い払うしぐさをして、なんとか人払いをした。
「ほらっ」 人影がなくなったことを確認すると、女帝の肩をつかんで半ば強引に立ち上がらせた。
「
>>363」
「俺がもらってやるよ」 女帝に、いや、令子に伝えようと思っていた言葉がとっさに口をついた。
目尻にこぼれそうな涙を浮かべながら、信じられない、といった顔で俺を見つめる。 やっぱりな。
年齢差のプレッシャーを感じて虚勢を張ってただけの、根は素直でかわいい奴なんだ。
俺の真意を確かめるように見つめ続ける令子のやわらかい耳たぶに口を近づけ、もう一度繰り返す。
今度は無邪気に喜びながら大粒の涙を流し始めた。
そして俺の耳元で令子が囁いた言葉…
…悪いな、これは俺たちだけの秘密だ。
…え?どこがツンデ'霊'なのかって?
いやいやほら、ここは 「 死 語 の 世 界 」
…だったでしょ?
はぁ…
>>451は一文抜けてるわ。
「〜終〜」の前に、タイトル「ツンデレトリバー」ね。
はいはいワロスワロス。
落ちますノシ
>>457 誰 が う ま い こ と 言 え と い っ た?
>>459 ワロスのくせに、このツンデレちゃんめ♥
>>460 う、うるさいわね。そうよ、うまいと思ったわよ、やられたと思ったわよ。
昨日から凄い進んでるな
おまえらいいかげんにしろよ
涙がとまらねえ
463 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 06:56:06 ID:gWzJnv91O
口ほどにもないとはこのことだなあとオモタ
ネタはよいと思う。ただちょっとそれ以外でうるさ杉。
面白い事する香具師だな…ま、ガンバレ
85pesOZL0さん、乙です^^
お昼の一本、投下しますね。
「わははは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」
私のお家にやってきたのはなんか、奇妙奇天烈なちっちゃな嬢ちゃんだった。
「私とバンパイア」
「血をさしだせぃ」「いやです」即答。
「…」無言で、私にに近づいて来て…背伸び…、ぽっと頬を赤らめて、机に向かった。
「…」いすを持ってきて、その上にのって、また背伸び。…パン!! 顔を張られた。
「無礼者、主君を見下ろすでない!!」いつから、私はあなたの配下なんですか。頬を押さえる。
「…反抗的な目!」また、手を振り上げた。…さっと後ろに身をひく。…ずでん。落ちた。
「むぐぅ…う」頭から落ちたらしく、悶絶してる。とりあえず、ふんじばる。ミノ虫状態で、ばたばた。
「くぅ、こんなことしてただで済むとおもうのか!?」あら、まだ強気だ。おでこがすりむけて真っ赤になってる。
私は、その場を離れ、階下に下りた。遠くでじょうちゃんがほえている。
「な、何をする気だ、は、も、もしかして、わしの色香にまよって…」元気なやつだなぁ…。
私は小箱をもってもとの部屋にもどった。小箱の正体がわからず、嬢ちゃんは怯えた目線を向ける。
ああ、なるほど、こういう目線に犯罪者は興奮するのか。ちょっと危険な思考。
「そら、顔をみせてみなさい」「ひ、ひぃ、変態」ぎゅっと堅く目をつぶってしまった。
私はかまわず、小箱をあけて…ぺた。ぺた。
「…、…?」嬢ちゃんは何が起こったかよくわからない顔していた。私は鏡をもってきて見せてあげた。
「はい。ばんそーこ」「な、なんで、ばってんでつけておるのじゃ?」おでこにばってんのばんそーこ。
「ん、なんとなく」それから、自分の懐をまさぐる。
「じゅ、銃はきかんぞ」ここは日本だ。はい、と目の前に缶とバラの花を置く。
「血はあげれんが、トマトジュースだ。それとバラからも栄養とれるんだったな」
嬢ちゃんは目をぱちくりさせる。
私は彼女をミノ虫状態のままいすに座らせる。かまれるのはいやだからな。
…こくっ、こくっ、こくっ…
喉がよほど渇いていたんだろう。一息で飲み干してしまった。
バラの花弁を口元に添えてあげると、すぅっと息を吸うようにした。バラの花弁がさらりとくずれた。
「…」嬢ちゃんは黙っている。私はそれから嬢ちゃんの戒めを解いてやった。
「ワシを、なめておるのか。次は血を食らうぞ」目いっぱいすごんでいる。…が、ばってんのばんそーこがしまらない。
鏡を見せた。「その仕草、ちょっとかわいいな。私の甥っ子みたいだ」つい、口をついた。
「ば、ばかもの! 主君にすごくかわいいいとは…、身分違いの恋も甚だしいわ!!」と叫んで夜空に飛んでいった。
すごく…? 私は嬢ちゃんのせりふを反芻して、ぷっと吹いた。
それから、私はよく夜空をみあげる。あのちっちゃな主君がどこかに飛んでいないか…と。
ゴーストスイーパーキタコレ!!
いいねっGJ!
┏━━━┓
┃ ハァハァ ┃
┗━┳━┛
(*´Д`)ノ
すごく(・∀・)イイ!!
まとめサイト携帯からも見れたら更に最高なんだけどな(´・ω・`)
久しぶりに安寧の眠りを貪っている俺。
起床と同時に尿意を催してトイレにむかうとショートカットの髪の少女が便座の上で丸くなっていた
「あ、暖めておいたよ
冬の便座は冷たいから」
「………誰、オマエ?」
「僕は範馬刃子。君にご奉仕する為に来たんだよ、よろしくね」
爽やかに八重歯を光らせて笑う少女
「…範馬って…」
「あ、ダイジョーブだよ!僕はママと違うから」
「娘かよッ!」
「ごめんねぇ、ママにひどい事されたでしょ?
お詫びって事で僕が派遣されたんだ」
「どこから?」
「えーっと、ツンデレの街からだよ。歴代のツンデ霊がいっぱいいるんだ!」
「…帰ってきたツンデレ初心者かよッ!」
「あーそれよりトイレだよね?」
おもむろに俺のベルトを外しパンツのジッパーに指をかける少女
「何してんだよッ!」
「えー、手伝おうかと思ってェ」
「いらないからッ!」
「口と手、どっちがいいかな?」
「話聞けよッ!」
475 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 16:33:56 ID:x75v8svRO
>>472 「jigブラウザ」を使えば携帯からでも見れるよ。もし定額制の携帯使ってるなら加入をオススメする。
べ、別に、アンタの為に教えてあげたんじゃないからね!
刃子さん、エッチすぎですw
さて、それでは、僕も投下します。
-------------------
「うわははは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」
僕のお家にやってきたのは、なんか珍妙だけど、かわいい、ちょっとボーイッシュな女の子だった。
「僕とバンパイア」
「君、誰?」「無礼者、我輩に声をかけるとは身の程をしれぃ!!」と女の子は窓を開け、僕の部屋に入ってくる。
「こらこら、靴を脱ぐ」「う、お、すまん」女の子は靴を脱いで、ちょこんとベランダに置いた。
その仕草がやけにかわいくてニヤニヤしていると、
「な、何を笑っておる。我輩はお前のために靴を脱いだんじゃないんだからの、へ、へ…」「へ?」
「そうじゃ、へ、部屋がきれいなんでそれを保ちたかっただけじゃ!!」とさけんだ。かわいい。
「な、なんじゃ、ぬし、変な目で我輩をみるな」僕は手をワキワキさせながら近づいた。
女の子は僕の手をすんでのところでかわすと後ろに飛びすさった。…ちぇっ。
「で、バンパイアちゃんは何しに来たの」「…なんじゃ、聞こえているではないか」
「我輩は純潔な乙女の生き血を吸いにきてやったのだ…おろ?乙女はどこじゃ?」女の子はくんかくんかと鼻を鳴らす。
「乙女のにおいはするのにのぉ」…。僕は机にむかってすたすた歩く。
「おい、そこの。乙女はどこじゃ」…すぱぁーん。はりせん一閃。
「ぴゃ、机になぜ、はりせんが…」「目の前にいる」女の子は目を白黒させて僕をまじまじと見つめる。
「おぬしか?」「…」無言でまた、すぱぁーん。
「ぴー」変な声をあげた。僕は服をたくし上げ、胸を見せた。
女の子はおそるおそる、手を伸ばして胸をなでる。…あ、声が出そうになるのを必死で抑えた。
「ふ、膨らんでおる!!」僕はまた手をワキワキさせながら、近寄る。
僕が一歩進むと女の子も一歩下がる。また、一歩。女の子も一歩。どん。女の子を壁に追い詰めた。
「腐女子をなめちゃだめだよ」「ひ、ひぁー」怯えてる怯えてる。僕は…もう欲望を抑えれない。
僕が描いてる同人誌なら、ここでゆりの花が咲き乱れるんだろうなぁとか思いながら、僕は…。
「な、なにをしているんじゃ?」女の子が僕に聞く。僕は女の子の髪をセットしていた。
「せっかく、かわいい顔してるんだから、ばっちりきめなきゃね」僕は、我慢できなかったのだ。
「ほら、次はこれ。これ」僕は秘蔵のコレクションからいろんな服を取り出した。
「うあ、なんじゃ、これふりふりしとる。うあ、あれはトラのしっぽか?」着せようとしたら、じたばたする。
…たのしい。女の子はもうあきらめたのか、僕のなすがまま。…ん? どうも元気がない。
「どうしたの?」「は、はらが減って動けんわけじゃないからな…」と気を失ってしまった。
僕はようやく気づいた。この子そんなにおなかすいてたのか。
僕はちょっと逡巡して…。階下に下りた。ぼくは特製のトマトジュースをつくって机の上においた。
それから、指先をカッターで切って、血を数滴おとした。ちょっと痛かった。
窓から、光が差し込み始めている。僕はカーテンを閉めて交通整備のバイトに出かけた。
帰ると女の子の姿はなく、僕の秘蔵のコレクションの一部がなくなっていた。
机に書置きがあった。
『飲み物、美味しかったぞ。それから、戦利品はいただくぞ。けっして、気に入ったからじゃないぞ』
その後、僕は夜空を見上げることが多くなった。
目を凝らすと、たまにフリフリの服をきたボーイッシュな女の子が飛んでいるからだ。
「うわっはっはっはっは、我輩はノーライフキング・バンパイアである。下々のものよ、ひざまづけぃ!!」
我輩の声が静寂に飲まれていく。名乗りの練習は我輩の日課なのである。
「番外編:我輩と猫」
「はぁ。なぜ、この街の人間どもは我輩を恐れんのだ?」夜の廃工場で我輩は一人ごちる。
「この前のへんな男おんなも、その前のダンディな口ひげのおじ様もぜんぜん、こわがらんかった」
「あ…い、いや、口ひげのおじんじゃ、おじん」我輩、なぜ、言い直すのだろう?
「故郷では、ノスフェラトゥとか、カーミラの再来とか呼ばれて恐れられていたのに…」
戦利品のフリフリの服をきれいに畳みながら懐かしいあの日々を思い出そうとしていた。
…こつん…
「だ、誰じゃ!!…あ」我輩は思わず服を後ろに投げてしまった。あ、あとで拾いになんか行かんぞ、本当だぞ。
「出てこんと、消すぞ!!」我輩、ちょっと不機嫌。
「みゃぁ…」子猫がのそのそとでてきた。
「な、なんじゃ、子猫か」「みゃぁ」返事をするようなタイミングでなく。か、可愛…いや、なんでもない。
「まったく、おどかしおって」放り投げた服を探しに行く。…みつからん…。…悲しくなんかないわ!
「みゃぁ」「お」子猫が服を引っ張ってきてくれた。あ、よだれがついとる。…いや、これくらい多めに見るわ。
我輩はなんといってもノーライフ・キングじゃからな。懐は深いのじゃ。
「みゃぁ」子猫は腹をすかせているのかすりすりと足に体を擦り付ける。か、可愛…い、いやいやいや。
我輩は子猫を足で払った。
「甘えるな、下賎の者が」「み…みぃ」とぼとぼと向こうに去っていく。我輩は…我輩は…。
「勝手にどこにいく」子猫の道をふさいだ。「みゃぁ」子猫が嬉しそうな声を上げた。
「か、かわいそうで引き止めておるわけではないぞ。ふん。あれだ。服を見つけてくれたお礼をしていない」
「腹が減っておるんじゃの、ちょっとまっておれ」しかし、こまった。我輩は生者が食べるようなものはまったくない。
「…お、そうじゃ」我輩、名案。「ちょっと待っておれ」翼を広げて夜空にとんだ。
479 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 19:20:54 ID:gWzJnv91O
「まったく、なんで我輩がこんな格好をせねばならんのだ。あの、男おんなめ」
我輩はミルクを片手に、新たな衣装を着て空をとんでおった。
今度の衣装はまっしろでフワフワした猫っぽい衣装だ。
ちゃんと耳までついておる。
あの男おんなは「いつでも、おいで」なーんていっておった。
誰がいくか…いや行ってあげてもいいかのお。
嬉しいわけではないぞ。配下のものは主君をもてなすのが当たり前じゃ。
…なんじゃ、我輩はにやけておらん。にやけておらんぞ。
もどると子猫はへばっておった。
早速ミルクを器に注ぐ。しかし、子猫は一口なめて、なぜかのまん。
生意気な。口にあわぬのか?
「…みぃ…」「そ、そんな声でなくな!!」
「…」「ん…どうした、しゃべらんか…おい、おい…みぃ!!」
我輩、お気に入りの衣装をさっと脱ぎ捨て、みぃを小脇に抱える。
あ、みぃはこいつの名じゃ。呼び名がないと不便じゃからとりあえずじゃ。
もはや、一刻の猶予もならん。我輩はもっとも頼りになる忠臣「ヒゲダンディ」のもとへ飛んだ。
「まったく。世話を焼かせおって」
「みゃぁうん」
我輩は胸元で鳴くみぃの頭を小突いてやった。
どうやら、ミルクが冷たすぎたらしい。それで飲みたがらなかったというわけだ。
「気絶するのと腹を下すこと、どっちがつらいのかのぅ?」
「みぃ?」さあ…とでも言っておるのかな?
しかし、ヒゲダンディは役に立つのぉ。
あれは本当に忠臣じゃ。我輩にまた、バラを一輪くれおった。
あやつ、連れ合いはおらんのかの…そのわりには身なりはこざっぱりしとるしのぉ。
…
あ、別に気になってはおらんぞ。それに、よく思い出せばあやつ、前回、我輩を「甥っ子」に似ているといっておった。
我輩はおんなじゃーーーーーーーーーーーー!!
さて、それからなんじゃが…みぃは我輩にすっかりなついてしまった。
しかも、なんかの、我輩のお気に入りの服で眠るようになってしまった。
我輩はどちらも可愛いからどうにもできず、頭をなやませてるのじゃ。
あ、い、今のは内緒じゃぞ、内緒なんじゃからーーー!!
482 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/21(火) 19:32:57 ID:xo97v58l0
469アニメの見すぎだろ
ローゼンメイデンのにおい。よく知らないアニメだけど。ツンツンしたちいさいのがいるんだろ
>>476 GJ!
西洋お化けも新しい切り口としてアリアリですね
確かに、アニメは好きですがそれは知りません。
実は熱血ロボット物以外はあまりみませんです。
つんキャラだと…セイラさんがすきでしょうか?
漫画だとシティーハンターの香が好きです。
,あ、僕のツンデレの原点思い出しました。
やはりアニメでしたorz
…ゲゲゲの鬼太郎の猫娘です
どうでもいい
ってかだいたい漫画かアニメじゃね?
現実にはこんなのほとんどいねえし
次の作品マダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
,..-─‐-..、
/.: : : : : : : .ヽ
R: : : :. : pq: :i}
|:.i} : : : :_{: :.レ′ <みんな仲良くね
ノr┴-<」: :j|
/:r仁ニ= ノ:.ノ|! _
/:/ = /: :/ }! |〕) コツン
{;ハ__,イ: :f | /´
/ }rヘ ├--r─y/
/ r'‐-| ├-┴〆 _, 、_ '⌒ ☆
仁二ニ_‐-イ | | ∩`д´)
| l i 厂  ̄ニニ¬ ノ ⊂ノ
,ゝ、 \ \ __厂`ヽ (__ ̄) )
/ /\_i⌒ト、_ ノrr- } し'し′
└-' ̄. | |_二二._」」__ノ
そろそろじゃない?
んー……もう少し、かな。もしかしたらまだ可能性が……
いやそれは在り得ないから。アタシが保証するって
そうかなあ……
もう分かったでしょ? 可能性なんか無いんだ、って
みたいだねー……はははは、困ったなあ
困ってるように見えないんだけど。何その間抜け顔は
元からこういう顔なんだよ……
あら、今日は珍しく真剣な顔じゃない。ようやく状況が飲み込めてきた?
いやそうじゃなくて……ずっと考えてることがあるんだ
何を?
♪お馬の親子は仲良しこよし♪ の「こよし」って何だろう?
……死ね、アホ
アタシの経験から言わせてもらうと、アンタもうダメ
知ってる
じゃあ泣き喚けば? 怖いでしょ?
……納得はできないけど、そんなには怖くない
強がり言っちゃって。なーにカッコつけてんのよ、ばぁか
君だって耐えたんでしょ? なにしろ“同じ病気”だったんだから
……………
君が見えるようになってからは、随分助けられた
……道連れができたから嬉しかっただけよ
そうだね、道連れが君ならそう悪くない
分かってんの? 間違いなく死ぬのよ? 何の意味もなく救いも無く
……救いなら、多分ある
無い。そんなのどこにも。
有る。僕のすぐ目の前に。
…………………
諦めなければ辛いから、って僕にいちいち忠告してくれた
…………………
寝たきりになってからは、家族よりも看護士さんたちよりも長い時間僕の傍にいてくれた
…………………
今だって、そんな泣きそうな顔してくれてる。だから、それで充分
…………しんじゃえ ばか
ありがとう。朝には僕もそっちに行くと思う
――やあ
――…………やあ、じゃないわよ
――ははは、なにしろここは勝手がわからないから
――どうすんのよこれから
――んー……どうしようか?
――あーあ……なんか厄介な連れができちゃったわ 一人の方が気楽だったかも
――二人で気楽にいこうよ 先は長そうだしね
――……ばか
終わり。なんか意味不明になった。スマンです。
GJ。
いろいろな表現方法チャレンジ乙。
楽しませてもらっている。
GJ、こういうのもいい
俺「あ、あの俺をストーキングするのはやめてくれないか?」
女「…」足を指差す。
俺「…それはストッキング。。。」
女「…そんなつもりはないわ…」
俺「あ、ああ、そう。じゃぁ、もう俺みるなよ」
女「…」
俺「いや、鏡に反射させて見てもダメだから」
女「…」
俺「がらすもだめ」
女「…縛る男ね…」いや、上目遣いでみないで…
俺「お前は一体なんなんだよ。いつもいつも俺を見て」
女「…かわいそう」
俺「はぁ、なにいってんの?」
女「…」
俺「ったく、今日は女房の誕生日だってのに」懐の女房への指輪を渡すんだ。
女「…私をわすれたの?」
俺「はぁ? 警察呼ぶぞ」
女「…う、うっう、うぐぅ…」おいおい、泣き出したゾ。まじやべぇ。
俺「もう、行くからな。そのハンカチはあれだ、落としただけだからな。…でも使っていいぞ」
女「ひぐっひぐっ…」俺は女に背を向けて帰ろうとした。
俺「…あ、アレ…。足が…」
女「…うごけないでしょ…」女の声が耳の近くでした。
俺「…な、なんだ、おまえ、何をした」
女「ここ、どこか覚えてる?」女が指差した。指先には…見覚えのある指輪が…。
俺「…あ」この道…この道…こ、こ い つ は !?
私の大切な夫が死んだのは2年前。交通事故であっさりと逝ってしまいました。
天国にいるのだとばかり思ったら、彼がこの場所で迷ってると噂に聞いたのです。
彼…未練があったんですね。ほんと、馬鹿。
あなたが私に渡そうとした指輪…ちゃんと届いたんだよ…。
わたしの幼馴染である舞、どんなときも一緒だった。
これからも、いつまでも一緒にいようねと約束してた。
その約束は今も守られている。
そう、中学の頃に彼女が交通事故で死んでしまっても守られている。
新しい企画の書類を手に階段を降りてるとき、背中に衝撃が走り天地が逆転、回転する視界の中では舞い散る書類と共に、あのときのままの姿の舞が見えた。
『あんただけのうのうと生きてる。許せない』
脳裏に響く呪詛の声。済まない気持ち、不安感、そして、
「大丈夫か!?」
がっしりとした胸板に支えられる安心感。
「まったく、しっかりしろよ……」
苦笑する彼。この会社に入ったときからずっとわたしを支えてくれた先輩だった。
説明のつかないトラブルと共に脳裏に響く舞の呪詛、そして彼のフォロー。
自然と彼との距離は縮み、わたしの心に深く入り込んできた。
舞がいた空間を見上げると、彼女は慌てふためいていた。
『相変わらずトロいわね。あ、いやその……ふんだ、どうして、どうしてよ、あんたをとり殺してやりたいのにどうしてこうなっちゃうのよ!』
何もない空間に地団駄踏みながらぼやき消えていった。
ある日、会社のPCがウイルスにでも感染したのかまともに作動しなくなり、データも滅茶苦茶に破壊されて社内は大混乱に陥った。
彼女の気配に気づき振り向くと、案の定舞がほくそえんでいた。
『仕事失って路頭に迷うといいんだわ』
そして彼女は消えた。
実際、この騒ぎによって納期が遅れた。
だが、これは僥倖だった。
破壊されたデータは上層部の暴走による違法建築のものだったのだ。
もし納期に間に合っていたら、それを元にとんでもない建物が作られ沢山の人生を狂わせていただろう。
この問題は隠蔽しきれず会社は傾き、私も彼も人員整理のため退職することになったが、むしろ救われた気持ちだった。
責任とるため社に残りトラブルの収拾という過酷な仕事に立ち向かう上司のおじさんが私と彼の肩をたたき、若いお前たちはまだやり直せると励ましてくれた。
帰宅し、ベッドに寝転ぶ。
これからどうしようか、考えねばならないことはたくさんあんるけど決して絶望的な気持ちにはならなかった。
『ああもう、どうしてあんたはそうして幸せそうなのよ!』
振り向くと舞が仏頂面でいた。
わたしは思わず彼女を抱きしめていた。相変わらず素直じゃないけど、それでもわたしのことを思いやり、支えてきてくれた大事な友達。
幽霊のはずなのにわたしの腕の中にすっぽりと収まった、あのときのままの体格の彼女の感触を感じる。
あのときから時が止まった舞。
背を追い越し、大人になってしまったわたし。
すっかり大人と子供という図式になってしまった親友同士のわたしたち。
彼女に対するいとおしい気持ちは、頭をなでるという行為に向かってしまった。
もう、あのときのようにはできない。
それでもしばらくは素直に撫でられてくれたけど、すぐに跳ね除けられ、すっと彼女の体の感触が消えて腕はすり抜けた。
『ふん、子供扱いするんじゃないわよ! あの時はあたしのほうがずっと背が高かったのに!』
そう憎まれ口をついて消えていった。なでなでされるのいやなら実体化しなけりゃいいのに。
502 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/22(水) 01:38:43 ID:zVRNbdbK0
どうしよう、顔の紅潮が収まらない。
下腹部から満ち足りた感覚が伝わってくる、どうしよう。
なかなか再就職先が見つからないわたしと彼は、皮肉なことにハロワで再会した。
近況を話しながらしとしとと冷たい冬の雨の中彼と連れ立って歩く。
そのとき、傍を通りがかった車が急にハンドルを切り、わたし達に近づいてきた。
車の進行方向には怪しげに微笑む舞が見えた。
幸いすぐに車はハンドルを切り返し、ぶつかることはなかった。
だが、水溜りに突っ込み跳ねた泥でびしょ濡れになってしまった。
そして、彼の家は近くだというのでそこに向かい、なし崩し的に……。
それを思い出すと、顔が赤くなるのを押さえられなかった。
『あーあ、あたしみたいに車に跳ねられて死ぬのがお似合いだと思ったのに』
相変わらずの憎まれ口に振り向くと、案の定舞がいた。
素直になれない彼女のサポートにはどんなに感謝してもしきれない。
またも抱きしめ、撫でてやろうとしたが今度は初めから腕は空振りし、彼女の感触を感じることなく腕はすり抜けた。
舞は一瞬寂しげな笑みを浮かべ、すぐにいつもの勝気な顔に変わる。
『いい加減、ドンくさいあんたをからかうの空しくなったからやめるわ』
「……え」
503 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/22(水) 01:39:22 ID:zVRNbdbK0
そのときわたしは、彼女にこれまでにない変化を発見していた。
『正直、うんざりしてたのよ。行動のろいし、自分でものごと決められないし、自発的になかなか行動起こさないし、あたしがケツひっぱたいてやらなきゃダメだし。もう面倒見きれないわ。
これまでの消え方とは異なり、形がぼやけ、揺らいでゆく。声も不明瞭になっていった。
あるひとつの可能性、私はそれを悟ってしまった。
「……そうだね、わたし、もう大人なんだから自分でやらなきゃね」
『そうよ、あたしとちがってアンタは生きてて、大人になったんだから』
「……うん、わたし、しっかりしなきゃね」
『じゃ、あたしもう消えるから。悪かったわね、今までつきまとって』
そんなことない、そう言いたかった。でも私の喉は言うことを聞いてくれない。
いつのまにか舞の顔もぐしゃぐしゃに泣き崩れていた。
そして舞の姿は更にぼやけ薄れていく。
抱きしめ、撫でてあげたいけど手はやはりすり抜ける。
そしてあいかわらず、声はかけられない。
消える間際にふたたび舞は不敵な笑みを浮かべた。
『そうそう、言い忘れてたけど、あんたが彼とシてるときのアレに穴あけといたの。あんなさえない男のタネ埋め込まれて、一生を棒に振るといいんだわ』
「……え!?」
わたしの質問も待たず、舞は消えた。
フリーズしていたわたしの貧弱な脳ミソはようやく再起動し、思考を再開する。
「そうだね、もう、自分で決めなきゃ」
「ほら、パパに行ってらっしゃいしなさい」
「いってらっしゃーい」
夫を見送ったあと、あの子は何かを手にし、とてとてと駆け寄ってくる。
「どうしたの? 麻衣」
「おかあさーん、ごほんよんでー」
「はいはい……むかしむかしツンデレラという……」
止まっていた彼女の時間は動き出す。
これからも、いつまでも一緒にいようね。
あの約束は、今も守られている。
たまにはいいな、こういうのも 取りあえずgj
(*^ー゚)b グッジョブ!!
ぼくにもそのごほんよんでええええええええ!!!
ここは番町皿屋敷
今宵もお菊の悲しい声が響く……
「一枚……二枚…………七枚……八枚……きゅ……あ、あれ? 二枚足りない、なんで?」
「いやーすまんすまん、今日出す料理の皿が足りなくてさ、一枚借りたよ」
「ちょ、なにやってんのよ! 勝手に持ち出さないでよ!」
「だから悪かったって。どうしてもいい皿が見つからなくてさ、料理長に怒られるんだよ」
「うるさい! そんなんだからいつまでたっても半人前なのよ!」
「……しょうがないじゃないか……これ返すよ、ありがとう」
「あっ、ちょっと……わたし、あなたの料理、結構おいしいと思うわよ」
「……ありがとう」
ここは元番町皿屋敷、今はとある日本料理屋
今宵もお菊の優しい声が響く……
「八枚……九枚……だから表も裏もちゃんと洗えってあれほど言ってるのに!」
お茶ドゾドゾドゾー
旦~
旦~ 旦~
ヽ ) ノ
旦~⌒(`・ω・)ノ旦~
/ ( ヽ
旦~ 旦~
旦~
510 :
喪主・堕ヤン:2006/02/22(水) 13:02:15 ID:EGd3xRstO
付き合っていた彼女が交通事故で死んだ。
5日前のことだった。
それ以後毎晩のように夜に現われる。
昨夜は「氏ね…氏ね…オマエなんか氏んじゃえ…」とぐいぐい首を絞めてきたのでお経をとなえて追い払った。
そして今夜は耳栓を装着をし青竜刀とヌンチャクで武装して僕の前にいる。
「殺す…殺す…殺殺殺殺殺殺殺!ヒャッハァ!」
目が血走っている。
以前からの疑問を紙に書いてぶつけてみた。
『なんで事故をおこした相手に祟らないで僕に祟るの?』
彼女はボッと赤面し
「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ淋しいとじゃないんだからねっ!
か、勘違いしないでよね!」と照れながらヌンチャクで僕の頭を打ち砕いた。
いまでは二人仲良く自縛霊として新しい入居者にたたっています。
>>510 は…ハッピーエンドなんですよね? 乙です。
耳栓した女性に声が届いたのは不問にします。
すいません、よく読んだら、紙に書かれたんですね。
吊ってきます。
>>511 耳栓をした男に何故「べっ…べつにあんたが一緒じゃなきゃ・・・
が聞こえたのか、だろ?
514 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/22(水) 14:56:05 ID:0cnG50dZ0
ここってまとめサイトあるの?
朝目覚めるとちゃぶ台の上に朝ごはんが
用意してあった。
そういえば昨夜、また用事で朝からでるといっていた。
どこに行くんだろう・・・。
気にはなるけど、いわないのなら聞かない。
ハムポンは朝はもう寝ている。夜行性だから仕方ない。
ふと見るとメモが一枚添えられていた。
「勘違いしていい気にならないでよね。帰りにキャベツを買ってくること。
私はあなたにとりついているんだから。餓死とかされちゃ困るからだからね。
私があなたを祝ってやるんだから。祝って祝って祝いまくるんだから。
いってきます」
・・・・・誕生日でもないのにそんなに祝われても困るなぁ。
だが・・・ほんのり気になる。彼女に聞いてみようか。
彼女・・・霊感少女だ。
「これを見てくれないか」
例の霊の残した書置きを見せた。
「・・・・何これ?あんたすごい祝われてるのね」
「そうなんだ。いや、そうじゃなく・・・」
僕は書置きを残して消えるレイポンの話をした。彼女は僕の斜め後ろ、
入り口などをちらちらと見ている。
「なるほど。いないわね。ジラシのテクじゃないみたい」
そしてじーっと僕を見る。
「知らないなら知らない。解らないならわからないでいいんじゃない?」
といった。明らかにどうでもよさそうだった。
ただ、漢字辞書を買ってやれとアドバイスされた。そうだな・・・
「・・・何これ?キャベツはどうしたのっ?何やってるのよっ」
「・・・え?あっしまったっ・・・・」
ショックだった。いろいろ思うところがあるとはいえ、僕がハムポンのご飯を買い忘れる
なんて。ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。
「すぐ買ってくるっ」
部屋を飛び出し戻ると、レイポンはいなかった。ご飯は出来ていたが、呼んでも返事してくれない。
ご飯にメモが添えられていた。
「朝は祝ってやっただけよ。夜は呪ってやるんだから」
恥ずかしいんだなぁ。悪いことしたな。
とりあえず話のみで。
みなさんすごいツンデレですね。
私の話はツンが足りないような気がするのですが、いかがでしょう。
範馬親子(ファンです)のようなツンとデレが必要かと思う今日この頃です。
雄子さんはツンというよりザクッとかドキュッとか。……殺愛だね。
521 :
喪主・堕ヤン:2006/02/22(水) 20:34:46 ID:EGd3xRstO
主人公(?)の彼女をレイープしてしまうような雄子さんをツンと認定するにはためらいを感じるような気がしなくもなくもないような。
ツンデレのツンってのは要はかまって欲しいが素直になれないわけだから雄子タソは…
でも!でも!俺は好きなんだからね!
ただいまです。
雄子さん大人気ですね。いろんな意味でw
でもなんか好きなんですよね。
で・・・感想などもいただけたらと(;ω;)
スマソorz 雄子のほうに気をとられちまった
>祝って祝って祝いまくる
がたまらんよね!
こういう間違い可愛いよな!gj!
>>524 のところが良すぎた
これをオチに持ってきたらなー、って思った
いや好みの問題だけど
>僕がハムポンのご飯を買い忘れるなんて。
>ありえない失態だった。僕に生きる価値なんか、なかった。
レイポンの報われなさっぷりに号泣だ。そりゃ祝いたくもなるだろうw
528 :
422:2006/02/23(木) 00:23:35 ID:lBxtxbZi0
>>508 なんか今書いてるやつがカブッちゃったよ。 「番町皿屋敷」モノ。
まだ書きかけだから修正します・・・。Orz
>>ポン介
チクショウ!毎晩「レイポンに会えるかもV」とか
絶対思ってやってないんだからね!
…でも2日に一度くらいなら会ってあげてもいいけど…
(ごめんなさい。ぶっちゃけすっげー楽しみにしてます!)
アイタタ…
おはようございます。
すいませんっ寝てましたorz
感想ありがとうございます。励みとし、精進しますっ(・ω・)ゞ
532 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/23(木) 09:43:46 ID:gWHpboiaO
VIP でやれ
終了
ハン板に帰れ。再開。
急に人が居なくなったような・・・
とんとん。と、誰かが背中を叩く。
部屋には俺一人しかいない。そんなことはありえない。
俺は無視してパソコンのモニターを見る。
今度は、どんと壁が打ち鳴らされた。
俺は一人。俺は一人。俺は一人。
今度はバサバサッと本が落ちる音がした。
とんとん。とまた、誰かが背中を叩く。
小便ちびりそうなのをこらえて、モニターにかじりつく。
電気がちかちかっと明滅した。
怖い怖い怖い。
俺は諦めて恐る恐る後ろを向いた。
もちろん、誰もいない。拍子抜けした。
俺はパソコンのモニターを落として、布団に入った。当たり前だが布団は頭まで被る。
電気はつけておく。
怖くない怖くない怖くない。
ぎぃ…と、ドアが開く音がした。
こつ、こつ、こつ。堅い廊下をヒールで歩くような音がする。
ありえない。幻聴だ。だって、この部屋畳みだし。
ことっと、なにかを枕元に置く音がした。
こつ、こつ、こつ…ばたん。
ドアが閉まる音。そーっと、頭を出すとしびんがおいてあった。
手に取ると耳元で声がした。
「もらされると部屋がくさくなるからよ。あなたのためじゃないんだから…」
漏れました:;
それからは、俺がトイレにいったあとにだけ、怪異が起きるようになりました。
気遣い霊w
GJ!
>>535 しびんw
その優しさが染みるいい話ですねw
GJ!
書いた自分が言うのもなんですが、受けるとは思いませんでした
練る時間が足りなかったので・・・
宿題をちゃぶ台でやっつけてる。
いつも小難しいプリントを用意してくれる先生だった。
覗き込んだと思われるレイポンは
「ま・・頑張んなさい。ふふんっ」
といって、台所に今はいるようだ。洗物をする音がする。
あの余裕はなんだ・・・?
ハムポンはかさかさっと出てきて今は砂浴びをしているようだ。
そんな一人暮らしの賑やかな静寂の中・・・・
「きぃぃやぁぁーーーっっ」
静寂を破る悲鳴が響いた。レイポンだっ
「ど・・どうしたっ?」
台所に駆け込むと、黒いあの昆虫がっ
「で・・・でたぁっでたのよぅ」
お化けが出る部屋で、お化けに出たといわれる存在、ゴキブリだった。
僕も正直苦手だった。最近の食生活の向上に伴い、出たのだろう。
新聞を丸めて戦おうとするも間に合わず、ゴキブリは姿を消していた。
「あ・・・あれしましょう。しゅってして・・めぼーってなるやつっ」
レイポンの声は哀れなほどに震えている。
「落ち着いて。何かわかんないよ」
「バ・・バルサンよっ」
「ハムポンがいる部屋でそんなもの使えるかーっ」
「な・・・〜〜ばかーっっ」
その後夜を徹しての狩をやらされた。宿題はできなかった
レイポンは可愛いなぁもう
レイポン下さい…
・。'(ノД`)゚,・
gj
レスありがとうございます。
まとめサイトにオチスレ(?)作ったので、よろしかったら
来てください。まとめサイトで僕と握手っw
そしたらレイポンドン引きだな
とりあえず、住居不法侵入で刃子を警察に突き出して一安心。
部屋に帰ると長身の金髪女が注射でクスリをキメている真っ最中だった。
「…なにやってんの?」
「ツンデレ強化薬だ。ツンデレの為なら明日など要らぬ」
静脈に蛍光ピンク色の液体を注射しながら答える金髪女。
「いや、他でやって欲しいんだけど…」
「黙れ、殺すぞ」
ドスの効いた声で凄みだした。
「おぉぉぉ、きた!キター!
ツンデレレレレピキッ!
か、神が神が見えるッ!
ヒャッハァーッ!」
イッちゃった目付きでテーブルを引っ繰り返し、ベッドをへし折りタンスをたたき壊す女。
ひとしきり部屋を破壊した後、「デレレレレッ!ツーン!」と叫び窓を打ち破り外に飛び出した。
「私は今ツンデレを越えたッ!ハムポンの前に立つ!」などと世迷い言を叫びながら通行人に襲い掛かり、殴りつけ、蹴りとばし暴虐の限りをつくす金髪女。
二時間後駆け付けた警官隊により金髪女は射殺されました。
もうここまでくると暴走っぷりがたまらないw
gjw
めくるめくGJ!w
549 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/24(金) 09:49:38 ID:8G7CeFuwO
良スレあげ。1から全部読んじゃったよ。正直、胸がドキュンとなった(*´Д`)ハァハァ
>>545 やばい、もうジャクリーンなしでは生きられない。
でも、ジャクリーンしんじゃったよ…
あ、そうか、これでツンデ霊になるのね。
「でれれれ、つーん!!」
家のドアを開くとと俺んちにいすわる座敷ワラシが大はしゃぎしていた。
「…」俺は開けたドアをそのまま閉める。
1…2……5………10。きっかり10秒数えてもう一度ドアを開ける。
何事もなかったかのように座敷ワラシは居間でお茶をすすっていた。
俺も何事もなかったかのように自分のデスクにすわり、パソコンを開く。
ログが残っていた。…ああ、
>>545を読んだな。
ず、ずずずずずずず。お茶をすする音が大きくなる。
「…きにいったの?」聞いてみる。
「…」スルーされた。相変わらずつんとしやがって。そこでひらめいた。この計画をやってみよう。
俺はほくそ笑みながら次の日を待った。
翌日。
仕事から帰る。今日は先にインターホンを鳴らしてやった。
ドアを開ける。座敷ワラシは俺がもらったバレンタインチョコレートを食べていた。まぁ、俺は甘いの苦手だからいいんだけど。
今日もとりあえず、声をかけてみる。
「おいしい?」もちろん答えはない。俺は机の横のビデオカメラからビデオをとりだし、居間のテレビで再生した。
…
―でれれれれ、つーん!!
―GJ!!
…
そこには俺が見たことのない座敷ワラシのはしゃぎっぷりが映っていた。
「…楽しそうだな…うぶっ!?」言い終わらないうちに座布団をぶつけられた。
「や、やめ、おぶっぶ、ぶぶっ!?」座布団、チョコレートの包み、湯のみ、トドメはいすだった。
意識が遠のく中、最後に聞いた音は…ぱたぱたぱた、ぎぃ、ばたん。座敷ワラシの出て行った足音だった。
それから、3週間後。怒涛の日々が過ぎた。会社は倒産し、親戚の借金をひっかぶされ、借金取りが大挙する毎日。
おれも、限界でそろそろ首を吊ろうかと思っていた。
首に縄を通し、さようならと一人ごちる。…いすを蹴った。はかない一生だったなぁ
ぷつっ、っと縄が切れた。どしん。…あはは…死ねんかった。
死ななかったことの安堵とこれからの未来を考えると涙が止まらなかった。うつむいて嗚咽を漏らす。
ふ…と、目の前にハンカチが差し出されていた。座敷ワラシがいた。
「あんたのために、戻って来たんじゃないんだから。パソコンが見たかっただけなんだから」
ぷいと、座敷ワラシはそっぽを向く。
それから、急に俺の運気は好転した。借金は祖父の遺産から支払われ、大手企業に再就職が決定した。
俺は、その日から、会社に行く前にパソコンの前にケーキとお茶を準備して出かけるようになった。
教訓:あまり人のプライバシーをのぞくのはやめましょう。
座敷わらし萌w
ナイス!
ガチで上手くなってないか?!
…もうただのタマネギじゃねぇんだな…
gj!
たまねぎ(*^ー゚)b グッジョブ!!
次も楽しみに待ってるお
何このスレwwww
レイポンwww(´д`)ハァハァ
ツンな女の子に、デレな霊が取り付いてっつーネタは、ツンデ霊に含まれるか否か?
560 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 00:15:11 ID:buJMSt/V0
コア霊にツンパーツとデレパーツがドッキングして自縛戦士ツンデ霊になるんだよ。
地縛戦隊ツンデレンジャー
562 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 01:49:35 ID:YJpE/k9hO
ここ最近、グッと来るものが無くなったような希ガス。
皆なんか暴走してない?
ネタ切れかな?
基本幽霊がツンデ霊だからね
続き物ばっかりだからな。
俺は運動場〜氏のSSをずっとワクテカしながら待ってる。
抜き打ちの数学のテストがあった
あまりにひどい点数を取った数名が放課後に居残りで再テストを受けるはめになった
時刻は午後7時を過ぎ、テストを終えたやつからさっさと帰っていく
とうとう最後は俺一人になってしまった
まったくわからないのでカンニングをすることにする
誰も見てないし問題ないだろう
普段から教科書を机に入れておくとこんなときに役に立つ
「そんな問題もわからないの?」
突然背後から声をかけられ振り向く……がそこには誰もいない
「カンニングなんてセコイ真似しないでさ、どうしてもっていうなら教えてあげてもいいよ」
今度は頭上から声がする
上を見上げるが、やはりそこには誰もいない
無視して教科書を取り出す
「ちょ、ちょっと! わたしが教えてあげるって言ってるじゃない!」
「いい」
「カンニングなんてして恥ずかしくないの?」
「別に」
「どうせ教科書見たってわからないんでしょ?」
うるさいので相手をするのを止めることにする
それでも誰かさんが耳元でブツブツ何事かをつぶやくので集中できない
「……どうしてもって言うなら、教わってやらないこともない」
嬉々とした声で解説を始める誰かさんのおかげで問題はあっさりと解決した
後日、満点の再テストが俺にカンニングの疑惑をもたらすことになったのは言うまでもない
上浦真帆は、不幸な少女だった。
自室で転倒した挙句に打ち所が悪くてポックリ逝く、というその死に様もさることながら
約400キロも離れた街から転校してきて、その日の夜に死亡するのはかなり同級生の意表
を突いたに違いない。悲しむというよりポカーン、である。打ち切り漫画より展開が速い。
かくして葬儀の列には一様に微妙な表情をしたクラスメート(初日限定)が並び、あまつさえ
風邪で欠席していたまま真帆と会うことさえなかった者などは、小声で「……ねえ、何が起きてるの?」
と隣の生徒に尋ねる有り様だ。訊かれたほうもさぞ困ったことだろう。
「…………じ、自分のお葬式がこんな痛々しい雰囲気になるなんてっ」
読経する坊主の真後ろ、フジロックやサマソニならステージ前に相当する場所でうなだれているのが
件の少女、真帆だ。無論死んでいる。女子高生→女子高生の死体→女子高生の幽霊、という
華麗なるジョブチェンジを遂げた彼女は、状況を理解すると同時にこっ恥ずかしさで死にたくなった。
もう死んでるのでそれは叶わないのだが。まあ、気持ちだけでも。
「うううううぅぅぅ……親不孝でお間抜けでノーフューチャー……最悪」
父母の悲しむ姿はこれ以上見たくないし、同級生の狐につままれたような顔も見たくない。
どうやら誰の目にも映らない上に声も届かないとなれば、もはやここに居ても気まずいだけだ。
真帆はふらつきながらも立ち上がり、そのまま斎場を後にする。
これからどうするべきか頭を悩ませてみるが、なにぶん死ぬのは初めての体験なので
さっぱり善後策が見つからない。天国行きの切符はどこに行けば手に入るのかな、と考えて
「あ、今のフレーズ詩人ぽくない?」などと独りごちるあたり、わりと余裕カマしてる節さえある。
「……西に行けば、どーにかなるかな?」
それは西遊記だ。
死にたてホヤホヤの女子高生は、とりあえず西と思われる方角に向かう。
なにしろこの街に越してきてまだ一週間も経っていないので、どこに向かおうと同じことだ。
あてどなくぶらぶらするうち、真帆の脳裏に「本当に自分は誰にも見えていないのだろうか」と疑念が湧く。
死んでいるという実感がイマイチ希薄だし、もしかしてこれはあれだドッキリではないのか、
もうすぐ「だーいせーいこーう」と叫びながらネタばらししてくる若手芸人の出番ではないのか、
だとすればカメラはどこだろうか、かわいく映ってるといいな、髪きちんとセットしておきたかったな、
などなど。既に論理的思考ではなく連想ゲームに突入していることにすら気付かない。
「……こんにちは、上浦真帆、でーす」
それでも一応は試してみるつもりらしい。交差点の信号待ちで、隣に立つオジサンに自己紹介。
援交と間違われたらダッシュで逃げ出す所存。これでも身持ちは堅いほうだ。
「…………」
「まほまほ、って呼んでもいーよ?」
信号を見据えたまま無反応のオジサンにもう一声。
この安部譲二似のオジサンに、実際にまほまほなどと呼ばれたら泣きそうだ。怖くて。
されどオジサンはその幹部クラスの強面を動かすこともなく、終始無言を貫く。
どうやら自分は本当に空気のような存在になってしまったらしい、と落ち込む真帆。
やがて信号は青に変わり、オジサンもその他の人々もせわしなく歩き始める。
ぽつねん、と立ち尽くす真帆の心中に、怒りにも似た感情が湧き上がる。
……なんだこれは。
……一体全体なんなんだ。
……17歳やそこらで死んで、挙句に皆にシカトされる存在になるほど悪いことをしたのか。
怒りにまかせて歩き出し、スクランブル交差点のど真ん中に立つ。大きく息を吸って、
「@番、上浦真帆っ! モノマネしまーーーーーーっす!!!!!」
キレた。右手で右の耳をつまみ、左手で左耳をつまむ。そのまま耳を可能な限り引っ張って――
「佐藤藍子!!!!!!!!」
彼女の姿が見えるなら「……あちゃあ」なり「やっちゃったよ……」なり「寒っ!!」なりの
リアクションが得られるだろう。だが彼女は幽霊で、ここはスクランブル交差点の真ん中だ。
何もない交差点の中央に注意を払うものなど居るはずもない。
はずもない、のだが。
「………えっ?」
真帆の目が、不思議な光景を捉える。
向かって正面にあるオフィスビルの前を通りかかった若い男が、じっと真帆を凝視している光景だ。
やがてその表情は崩れて、男の顔に苦笑にも似た笑いが浮かぶ。「仕方ないなあ、この子は」とでも
言いたげな顔でくっくっく、と笑っている。真帆の姿が見えているとしか思えない反応だった。
「つか、見えてる? ………………………見えっ!!?? い、いまのっ……!!」
ぼっ、と音を立てそうな勢いで赤面する一発芸人。
それほど恥ずかしいならやらなければよかっただろうに、どーせ見えないという驕りが生んだ敗北だ。
交差点の中央でがっくりと膝をつく。四つんばい女子高生の近くをびゅんびゅん車が通り過ぎる。
当たらないとはいえマジおっかないので立ち上がった真帆の目前、例の男がスタスタと歩き去っていく。
「………わ、笑い逃げなんかさせるかあぁ……」
無論、おひねりが欲しいわけではない。
こそこそと前方の男についていく霊が一人。
先ほどのスベりウケに、いたくプライドを傷つけられた真帆だ。
ストーカー気質があるわけではないが、なんとなく声をかけるのが躊躇われた結果こうなっている。
十メートルほど前を歩く男は、大学生か新社会人といった年齢だろう。
平日にこんなトコをブラブラしているのなら、無職という線もありえる。
このニートめ、と甚だ一方的な決め付け視線を背中に突き刺しつつ、離されないよう小走りを交えて
追いかける。やがて男は人気の無い寂れた公園に立ち入り、うっそうと茂った木陰に隠れるように
設置してある長椅子に腰掛けた。
「……チャンス。人もいないし……ククククッ」
自らの思考と言動が追い剥ぎのそれになっていることも気にせず、真帆は背後から忍び寄る。
忍び寄ってそれからどうするか、までは考えていないのが彼女の粗忽者っぷりを如実に現しているが
まあそれは今更言ったところでどうにもなるまい。レットイットビー、でひとつ。
「………………」
「………………」
無言を保ったまま、真帆はじりじりと長椅子を目指して歩く。
砂や落ち葉を踏む音もしないので、男を驚かせるには好都合だろう。
おお、そうだ、驚かせばいいんだ。わたし冴えてるー、と今頃になって方針を定める。
5メートル、3メートル、1.5メートル、と距離が詰まり、真帆は大きく息を吸って――
「わっ!!!!!!!!!!」
「ひゃああああああああああああああああっ!!!!!????」
突然振り向いた男に、逆に驚かされた。
「……いや、その、俺が悪かったから。そんなに泣くなって」
「う、ぅ……ぇっく………ひっ……く」
「そもそも、お前が俺のこと驚かそうとしたんだろ?」
「だって……笑われた、し、わたし、むかついてたし……ぐすっ」
長椅子の両端に腰掛けて、ぼそぼそと会話する一組の男女あり。
ぐしぐしと泣く少女を慰める若い男の姿は、人が見ればいろいろなことを想像させるだろうが
如何せん少女の方は幽霊で大概の人には認識できないために、男は職務質問寸前の怪しさだ。
こんな男がいる公園に、近所の奥様方は決して子供を遊ばせには来るまい。
「驚かされたくらいで泣かなくてもさあ」
「だって……だって……」
彼女が泣き出した理由は、当の本人にも説明し難いものだ。
驚かされて尻餅をつき、人の悪そうな笑みを浮かべた男が「幽霊見っけ」と言った時に
真帆の涙腺は決壊した。
見えてる 声も聞こえてる さっきの恥ずかしいモノマネも
見えるひと、いた 死んだのに わたし死んじゃった
ビックリした 笑ってる 笑われた
これからどうしよう わたし、これからどうしよう?
雑多な思考に脳髄が攪拌され、気付けば真帆は泣いていた。
そして男に促されるままベンチに座ってこうして話している。
やがて少しだけ落ち着きを取り戻すと、今度真帆を襲ったのは凄まじい恥ずかしさだった。
微妙なモノマネ、ストーキング、サプライズカウンター喰らって号泣。
いずれも初対面の人間を相手にするべき行為ではない。というか、多少親しくても危ない。
「…………」
「今度はだんまりか? カミウラマホさん」
「……気安く名前呼ばないでよ」
「だったら大声で名乗らないでよ」
「むっ、むかつくっ………」
からかうような口調で話す男の年齢は、20歳前後といったところか。
いかにも今時の若者らしい風体で、それなりに背も高い。
ちらちら横目で観察しながら「ん。わりとイケてるかも」と真帆はジャッジを下す。
むかつきはするが、評価は公正に。
「……ぶっちゃけ、あのモノマネはどうかと思う」
「…………ぅぅっ……」
やっぱむかついた。
蒸し返すなこのハゲッ、とハゲてもいない男に対して失礼なことを考える。
ちなみにハゲてる人に対しても失礼だ。全方位型失礼である。
「でもまあ、モノマネする霊なんて見たのは初めてだからさあ。面白かったよ」
「別にアンタ笑わすためにやったんじゃないもん」
「俺も別にモノマネがおかしくて笑ったわけじゃ………に、睨むなっつーの。
お前みたいな幽霊が珍しかったからさ、つい」
「……ほかの幽霊って、どんなのよ?」
幽霊になった以上その辺りは重要な点だ、と真帆は思う。
郷に入っては郷に従えの精神でやっていかなければ、幽霊業界で干されてしまうかもしれない。
ハブにされるのはマジ勘弁。基本的に彼女は淋しがりだった。
「……俺が見る幽霊は、あんまり“よくない”のが多い。聞かないほうがいいぞ」
「よくない? なにそれ?」
にやにやと笑っていた男が急に真顔になるのを見て、内心で緊張する真帆。
それでも知りたい気持ちに変わりはないので、意を決して口を開く。
「もったいぶらないでよ。こっちはマジなんだから」
「…………俺が通ってる大学の近くに、十字路がある。半年くらい前にそこで人身事故があった」
「うん、それで?」
「母親と、小学生くらいの男の子が即死した。それからそこに出る」
「……あたしみたいな幽霊になって?」
男は言葉を切って、なんともいえない目で真帆を見据える。
困ったような、悲しむような目の色をしたままで呟く。
お前みたいな幽霊ならよかったんだけどな、と。
「血まみれの母親が、グチャグチャの男の子を抱えて、立ってる」
「……………」
「裂けそうなくらいでっかく口開けて、ずっと叫んでる。『あああああああああああ!!!!!!』って」
「……もう、いいよ」
「男の子の腹からはみ出た内臓を、元に戻そうとして無理やり……」
「もういいって!!!!!」
「……趣味の悪い話し方だったな。ゴメンな」
事故があったらしい時間帯に、その光景が毎日繰り返される、と男は言った。
おそらく自分と子供の死に気付いていないのだろう、とも。
胃壁に霜が降りるような感覚に、真帆はぞっとする。
安らかな死ばかりではないのだ。ズダボロになったわが子を抱きしめたまま叫ぶ霊。
壊れたテープのようにその行動が繰り返されているとすれば、それは――
――それはつまり、地獄ではないか
「………あんた、そんなのばっかり見えるの?」
「そこまで酷いのは稀だけどな。他にもいろいろ。
……子供の頃は、街を出歩くのがホントに怖かった。でも誰にも言えないから、さ」
「……………」
いつのまにか先ほどまでのニヤニヤ顔に戻っている男を、真帆は少し違う感慨でもって見つめる。
この世界には怖いものや悲しいものが溢れていることくらい、17年も生きていれば知っている。
後ろめたさを感じながら、そういうものから少しだけ目をそらして日々をやり過ごすのが
普通のことだ。だが、この男は人より多くのものが見える。見たくなくても見える。
相談する相手もいないままに、怖いものを見続けて生きていくのだ。
「……わたしのこと、怖くなかった?」
「全然怖くねえw おまえ、結構綺麗だし。学校じゃモテたろ?」
「が、学校? んー、どう、だろう……」
160cmオーバーの長身に明るいマロンブラウンの髪。気の強そうな美人、というのが
真帆の基本スペックであり、事実前の学校では幾度も告られた。
外見の派手さに似合わぬ地味めでオクテな性格のおかげで、全部お断りしてしまったが。
おかげさんで「調子こいてる」「あの女ムカつかね?」などという評価も頂き、人知れず
枕を涙で濡らしたりもしたものだ。キャラを装いすぎるのは良くない、という好例である。
次の学校では……言うまでもない。一陣の風のように過ぎ去った新生活、グッバイ。
とりとめもない思考に没入していると、不意に立ち上がる気配があった。
慌てて右を見ると、男が真帆を見下ろして穏やかに笑っている。
「さんきゅ、な。初めて幽霊に和ませてもらった。……んじゃ、これで」
「ま、待って待って。現役女子高生の幽霊相手にその素っ気無さは何?」
「……付加価値あるのは認めるけど、その身体じゃ援交なんかできねえぞ?」
「ンなこと誰がするかあっ! いままでカレシだっていなかったのにっ!!」
「………そりゃ、なんつーか……ご愁傷さま」
「うっ……」
演繹して考えていけば、処女であることまで暴露したに等しい発言だ。自爆も甚だしい。
自爆霊、という言葉が真帆の脳裏をよぎり、思わずブンブンと頭を振る。
そんなエキセントリックなジャンルの霊になりたくはない。何事も中庸が一番だ。
さりとてこれから先どうするべきかも分からず、座ったまま頭を抱える真帆。
何か行動の指針が欲しい。一般的な霊のとるべき行動なんて、皆目見当がつかない。
それを知っているのは――
「…………あんた?」
「俺? 俺がどーした?」
天啓を得たような気持ちで、男の顔を見据える。
そう悪いヤツではなさそうだし、いまのところ唯一話ができる人間でもある。
笑われた上に驚かされた恨みもあるし、幽霊としては恨む相手に憑くのがスジでは
なかろうか、とスジが通っているような通っていないような極論に辿り着く。
それに、なにより……
――よくないものが見える
かつては怖かった、と男は言った。では今は怖くないのだろうか。
――血まみれの母親が、グチャグチャの子供を
その光景が怖くないはずがないだろう、と思う。怖くて、悲しいはずだ。
――はじめて幽霊に和ませてもらった
自分が傍にいてやれば、そんなには怖くなくなるだろうか。
怖いこと悲しいことやりきれないことが全部帳消しになるわけではないにせよ。
だからこれは、きっとギブ&テイクになるはずだ。……なると、いいな。
勢いは尻すぼみになったが、そう結論づけた。
「……あ、あのさ、わたし、とり憑き先を探してるんだけど……」
「ふーん…………まあ、気長に探せばいいんじゃねえ? 俺以外にも“見える”人間はいるだろうし」
「だ、だよねっ! いるよねっ!? それで、その……正式なとり憑き相手が見つかるまで……」
「そこのトーテムポールに憑くのか。頑張れよ!」
「憑くかあっ!! ……あ、またイッコ恨み増えた。あんたが悪いんだかんね」
「…………あの、よ。なんかヘンなこと考えてねえ?」
訝しげな表情の男を見据えて、真帆は含み笑いを漏らす。
願わくば邪悪な笑みに見えますように、と考えているのは本末転倒だが、彼女は気付いていない。
「あんたに憑くことに決めました。よろしく」
「……………………えー…………」
「その迷惑そうな顔にまたムカついたので、もう手遅れ」
「マジで? 自分の家とかに帰らなくていいんか?」
「……たまには帰ろうかな、と、思う……」
「単なる放蕩娘だろ、そりゃ」
「う、うっさい! いいからキリキリ歩く!」
「………へーい」
そうして二人は並んで歩き始める。男は首を捻りながら。女は上機嫌で鼻歌まじりに。
真帆の脳裏には、尻餅をついていた時と同じ言葉が浮かんでいる。
ただし、その言葉に付随する感情はネガティブなものではない。あくまで上機嫌に――
わたし――これからどうしよう?
577 :
3-1:2006/02/25(土) 10:55:20 ID:OA6cyqaa0
小さいながらも、細々と続けてきた会社だったが
昨日ついに不渡りを出してしまった。
従業員には、心ばかりの手当てを渡した。
みな、何も言わず受け取り私を責めはしなかった。
齢50。もう、悔いはないまでは生きた。
いや・・・心残りはあるがせん無いことだ。
この工場も人に渡る。資産価値を下げてしまうのは申し訳ないが、
ここが私の終着点だ。もう疲れた
「内藤さんですか?」
誰もいない深夜の工場に、若い女性の声が響いた。
「・・・はい。私が内藤です」
早いな。私はたいして動じなかった。翌日には業者や金貸しが来るだろう。
早出してきたのだろう。家を処分しわずかなら返せる。遺書にしたためてあった。
振り向くと、髪をまとめ上げ、スーツを着た女性が立っている。20代後半くらいか。
私を見つめる瞳は厳しく、赤い口紅を塗られた唇は引き結ばれている。
誰かに似ている・・・はて。しかも一人なのか?
「何をなさるつもりです?」
「何って・・・。貴方はどちら様です?工場は危険です。立ち入らないでいただきたいな」
詰問の口調はするどい、だが私にはとくに気にならなかった。
当然だ。私のした責任を、私は果たさず逃げるのだから。
578 :
3-2:2006/02/25(土) 10:55:52 ID:OA6cyqaa0
ヒールを響かせ、女性が近づいてくる。
背は私より頭ひとつ低いが、堂々とした立ち振る舞いがより大きくみせていた。
「・・・京子の、娘です」
「・・・美里か」
散々苦労をかけ、不倫した挙句別れた妻との間に産まれた娘。
私の罪は深く、重い。過去も私の責をせめるのか。
「大きくなったね。気づかなかった・・・どうして、ここが?」
とりあえず椅子わ勧め、私も小ぶりの作業用の椅子に腰をかけた。
京子・・・もう20年になる。元気でやっているのだろうか。
「母に聞きました。そして・・・会いにいってこいと」
「そうかね。元気でやっているかい?」
「母は・・・死にました」
「・・・・・そうか」
すまなかったね京子。最後に、会いにいけといってくれたのだろうか。
それは優しさだったのか。それとも恨み節だったか。
「・・・内藤さん。会社の件聞きました」
「うん・・・すまんな。何もしてやれんよ」
父さん・・・そう呼んではもらえんか。当然だ。そうだろう。
579 :
3-3:2006/02/25(土) 10:56:23 ID:OA6cyqaa0
「死のうと・・していましたね」
ひそめた柳眉が美しい。京子の面影を感じる。そうか・・覚えがあるわけだ。
「ははは・・・。もう、何もないからね」
背筋をピンと伸ばし、椅子に腰掛けまっすぐに私を見つめる視線に戸惑う。
情けないが、いたずらを見つかった子供のような心境だった。
「それで逃げようというんですか」
「う、うむ・・・」
つけつけと言う。気の強さも親譲りか。
「責任を取ってください」
ふと足元に目を落とし、一瞬躊躇したのち、美里はいった。さっきの口調より柔和だった。
「責任?すまんね。もう資産はすべて配当先を決めている。何もないんだ」
「知っています。でも貴方は私たちに償いをすべきじゃないでしょうか」
「・・・どうしたら、いいのかな?」
美里は私を見つめる。私も見つめた。彼女のいう事はもっともだ。
「・・・生きて一生かけて、償ってください。母のお墓に、10年後来て下さい」
生きろ・・・か。生きて苦しめという事か。それは中々にひどい仕打ちだ。
「・・・ははは。厳しいな。生きろか。何もない私に」
「生きて、生きて苦しんでください。苦しいけど生きてください」
厳しい口調だったが、目は優しかった。
「私と、母の分まで生きてください」
朝日がまぶしい。あと10年か。やり直すには十分な時間だろう。
終わり。霊視点に挑戦したがムズい。つか皆、書くペース速いなー。
うわあ、なんか人の書いたやつの最後に俺のレスがっ!w
俺のは578-579さんのやつではなく、その上の読みづらいやつです。
良い話書いてくれた579さんスマン。ほんとゴメン。
>>580-581 ダブりましたwこちらこそすいません。
ポンポン入れて更新して腰抜かしましたorz
>>582 ちょwwwwwww台無しwwwwwww
585 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 18:09:42 ID:Ac6ONw4oO
いや、ホントに、みんなマジで上手いね!
( ^ω^)gjだお
586 :
(`・ω・´):2006/02/25(土) 19:31:55 ID:YJpE/k9hO
>>582 自分の作品ならともかく他人の作品なんだから、少しは気をつかいなよ。
>586
志村ー! ID! ID!
あれは1989年の冬.12月の出来ごとです
私には今年結婚したばかりの亭主がいます。亭主の名前は森木勝也さん.私は彼を心から愛し、誰よりも彼のことを理解していました。彼
も私のすべてを理解してくれていて.愛し合ってました。幸せとはまさにそのことなのだろうと思うほど私は幸せでした。しかしそんな幸せが突
然消えていきます‥‥あの日は寒い12月のこと、私はその日体調を崩し朝から寝込んでいました//
彼は私を安じ仕事を休み看病してくれていました。お昼になり体調も回復して来たので昼食にすることにしました。「彼はなにが食べたい
?」と聞いてくれたので私は「あなたの作ったオムライスが食べたい」と言いました。彼は「いいよ。あっ!卵切らしてるみたいから買ってくる
ね。すぐ帰ってくるよ」と、しかしそれから1時間待っても2時間待っても彼は帰ってきません。ついには5時間が過ぎようとしたその時電話が
かかってきました。相手は警察の方…「ご主人のことで大事なお話が…署にこれますか?」私は嫌な予感がしました「はい」と答え私は警察署に
行きました…署で警察の方は深刻な表情を浮かべてます。「主人がどうかなせれましたか?」と聞くと警察の方は「…ご
主人は亡くなられました」と…
えっ!私はなにがなんだか分からなくなり「嘘ですよね?嘘と言ってください…」私は泣き叫び生きる希望を無くした気がしました.死因は通
り魔による[焼死]だそうです…彼は生きたままガソリンを掛けられ燃やされたそうです‥「さっきまで‥ついさっきまで私の側にいてくれたのに……私がオムライスなんて食べたいって言うから……」私は自分を攻め
同時に犯人への激しい怒りが沸き、できることなら私があの人を殺した犯人を見付けて殺してやりたい…しかし彼はそんな
こと絶対望んでないと思い、警察の方が犯人を捕まえ法律で裁いて欲しいと思い直しました。
しかし半年、1年、2年が過ぎても犯人は捕まりません…2年間犯人が捕まることだけ考えてきました。しかし警察の方達は犯
人は発見できず捜索を止めてしまったのです。私はどうしても犯人を捕まえたい……
589 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 22:41:01 ID:YlRNp03D0
・・・・・・と、いったところで笑点おひらき!
あぼーん
あー少し進化したな…前に俺が見たのは【なんかよく解らないがスーパーなハッカーを雇ってスーパーなコンピーターでおまいが誰だかわかるんだぞ】っていう内容だったな。
それにしても、相手の職業までわかるなんてすごい機械だなー(棒読み)
始めは、ツンデ霊ネタで切り返そうと思ったが上手いオチが思いつかなんだ・・・ orz
592 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 23:47:03 ID:jm3WTBY7O
そのチェンメ マジレスすると暴対法違犯なんだよな
まぁ本気にする人はいないだろうが
594 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/26(日) 00:57:53 ID:6BWYXSOW0
つまり
>>589が的を得た意見を書いてたってことでOKね。
的は射るものです、というさんざん既出のツッコミしていい?
596 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/26(日) 01:51:54 ID:BqoClV5F0
ダメに決まってるじゃない!?
597 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/26(日) 02:02:00 ID:qDqnjlsEO
>>588 >「主人がどうかなせれましたか?」
はぁ?
「なせれましたか?」は誤打だとしても、なんで人様に話す時に旦那に対して敬語使ってるんだ?
警察の捜索もよくわからねー使い方だし、日本語もろくに使いこなせねー厨房が書いたのバレバレ!
>588
もう『あぼーん』されちゃってるけど590は見つけて殺すって奴だろ。
殺るなら殺りに来いよ、逆に殺ってやるから。
例え生首になろうとも喉笛喰い千切ってやるからな。
あっ、でもここオカ板だから『祟り殺し』の方がいいか。
まぁまぁ、みんな落ち着け。
ココは、ツンデ霊スレだ。ツンデ霊らしい切り返しをしようぜ。
という訳で、
>>588についてどう思う?
【ハァ?どう思うも何も、全部デタラメじゃない。こんなのに引っかかるヤツなんて居るわけ…】
…・・・
【…あなた、もしかして…】
はい、ご想像のとうりです。10人にコピペしてメールしました…
【もぅっ!バカじゃないの!!いえ、完全なバカだわ!バカの見本市】
そんなに、バカバカいわなくても…
ほら、ココ、一応オカ板だし…祟られたりしたら怖いし…
【それなら大丈夫よ。あなたにはもう私が憑いているんだから】
え?それって
【!!!今、一瞬変なこと想像したでしょ!か、勘違いしないでよね。私は悪霊なんだから!このまま一生憑いて祟ってやるんだから!!///】
うーん、ツンデ霊って難しい…
( ´∀`)σ)∀`)ツンツン
( ´∀`)σ)Д`*)デレデレ
10人に回さないと祝ってやる!祝って祝って祝いまくってやるんだからね!
こんなチェンメならホシス…
(´・ω・) ナ!タマネギ!
お前それはタマネギに書けといってるのかw
603 :
2-1:2006/02/26(日) 09:07:57 ID:OKLjIQ2w0
「・・・また血が流れてるね」
「そうね」
あたしには自傷癖があった。自分を傷つけて血を流し、安心する。
痛みと恐怖が、安心になった。
そして、またあいつが現れる。悪霊ってやつだろう。
あたしが傷をつけ、血を流すと現れる。
「舐めてほしい?」
同年代の女。いつもあたしを見下すような目をしていた。流れる血を
舐める。傷にkissをする。
「好きにすれば」
「ふん・・・・ちゅ・・・・」
「んっ・・・・・」
誰もいない部屋。誰からも愛されず必要とされないあたし。
流れる赤い血に舌をのばし、傷に唇を這わすこいつは私の死神か。
「甘い」
「・・・・そう?」
「血は・・・止まったわ」
「・・・・そう」
604 :
2-2:2006/02/26(日) 09:08:30 ID:OKLjIQ2w0
ワンルームの狭い部屋の中、沈黙だけが漂う。
屈み込んだまま、あたしを見つめる・・・悪霊。
その顔に表情はなく、唇には血がついている。
「血は、とまったわ」
「・・・ふん。あ、ありがとうとでもいわれたいの?」
「いいたいの?」
白い肌、青みががった瞳。胸元にあるその顔は日本人とは思えず、
あたしから見ても美しい。
「・・・いわない」
「そう」
そのまま、あたしたちは何もいわず見つめあった。
本当は知っている。こいつあたしが、傷をつけると現れる。
血を流すと現れる。血を止め、痛みがひくまで消えないって事を。
「何考えてるか、あてようか?」
青みがかった瞳が、あたしの心の奥まで見透かすように輝いた。
「・・・いい」
「そう?」
あたしはきっとまた自傷する。こいつが・・・現れるから
>>598さん 乙です。耽美型は私もいつかチャレンジしたいです。
さて、それでは私も投下です。
「この手紙を受け取った方は必ず100人にメールを回してください」
おお、懐かしいの来たよ、これ。
しかも、見ろよおい。メールなのに、手紙ってどうなん? お、他の文章も破綻してるなぁ。
しっかし、迷惑なものだ。最後の部分はやはりお決まりの…の?
「メールを止めないでください。もし止めたらあなを祝います」
…おいおい。何だコリャ。ぷふー(笑)。こいつ駄目だ。駄目駄目だ。
俺はひとしきり大爆笑したあと、あっさりそれをごみ箱にドロップした。
夜。ドアが乱暴に開く音で目が覚めた。な、なんだ?
はっと気が付くと部屋に女がいた。手には包丁が月の光を受け鈍く輝いている。
「なぜ? メールを止めるの?」な、な、な、なんだこれは! 俺は動転して反応できない。
「あなたには私の苦しみがわからないのね。あなたはメールを最後まで読んだんでしょう?」俺はこくこくとうなずく。
「死んでよ」い、いやだ。こんなわけのわからない死に方はいやだ。
「メールを止めたら死ぬって書いたわよね?」…いや、確か書いてませんでした。
「…何いってるのかしら。いまさら苦し紛れの言い逃れ?無駄よ」
女はすごんでいるのだが…あれだ。土壇場の人間ってすげー。今、俺、超冷静。
俺はふとんから起き上がってパソコンをつけた。ごみ箱にはまだ、メールがいきていた。開いて見せてあげる。
文章の破綻部分を指摘するたび女は顔を赤らめ「ふ、ふん、わ、わざとよ」とかいっていた。
よく見ると、この女、可愛いかも。
「…ふ、ふん。それがどうしたのよ。でもでも最後の部分はちゃんと警告してるじゃない」来たーw
「最後の部分読むぞ。『もしとめたら、あな を いわいます』じゃねぇか」あなって何だよ(笑)
「…」女は無言だ。肝心な部分を間違えたんだから無理も無いだろう。
「…合ってるわよ」…へ?
「私はあなたを殺して、新しい墓穴を祝ってやるつもりなんだから」と微笑んだ。
>>597 チェンメ作る香具師ってだいたいが真性DQNだから。
>たまねぎ
イイなコレ。こういうチェンメ来ないかな。
あはは・・・、実はデレ部分を間違えて大幅に消しちゃいまして。
打ち込みが間に合いませんでした:;
>>607 続き
結局俺は殺されませんでした。
怪訝な表情を浮かべる男に、女は
「生かしてあげる。べ、別に許したわけじゃないからね。ぶ、文章を一緒に考えて欲しいだけなんだから」
といって、出て行った。
それからは、毎晩、女のメールを添削している。
>タマネギ氏
グハッッッwwwなんかリクエストしたみたいな形になってしまってるしorz
スマソ!!そして激しくgj!!!&夢をありがとう!
ハムポンは砂浴びをするように、僕はお風呂に入る。
狭いながらも風呂はついている。
ちょっと郊外だったし、訳あり物件で安かったのもあるけれど。
頭を洗うのは僕はヘタだった。シャンプーハットが実家にはある。
いつも目が開けられなくなってしまうのだ。
「あ・・・あれ。手桶・・・」
「はい」
「あ、ありがとう」
・・・・ん?
深く考えるのはやめておこう。いろいろと、あれだ。
「ふぃー・・・」
湯船につかると一日の疲れが吹っ飛ぶ気がする。いつものように誰もいない台所から
レイポンにいわれるままに、買い揃えた食材を調理する音が・・・・しない。
深く考えるのはやめておこう。いろいろと・・あれだ。
「あー・・・そろそろでようかなぁっっ」
・・・・ガタタッッ トントン・・・トントン・・・
台所からいつものように誰もいないのに、調理の音が聞こえてきた。
「あーいい湯だった」
「お、溺れないか監視してたんだからねっ」
こちらの配慮はお構いなしだった。
添削バロスwwwwwwwwww
616 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/27(月) 03:00:13 ID:iSQGZJc9O
あんたたちの考えた話なんておもしろおかしくもないんだから!全部読んだけど…
617 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/27(月) 14:46:54 ID:ZifbpkeIO
>>616 「おもしろおかしくもないんだから!」の使い方が変。
「おもしろくもなんともないんだから!」とかきたかったのか?
全部みたっ
たまねぎさんの成長が微笑ましい(笑
ポン介さんは、名無しのほうがいいかな。
みんなすごいっ
619 :
2−1:2006/02/27(月) 21:12:27 ID:hLr1AYDB0
正確には僕はこの家柄を継ぐ存在ではなかった。
格式高い家柄というものは、何かと面倒が多い。
産まれる時、親は選べないというが・・・家柄もそうなんだ。
平安から続く家柄だかなんだか知らないが、僕は落ちこぼれであり
本来ならば、外に出されていた存在らしい。本来ならば
「・・・もう一度。顎をあげて。早くなさい」
「・・・・〜〜っ」
ナイフで切り取り、フォークで口に運ぶ。
簡単なことだ。テーブルマナーくらいできて当たり前だった。
「ダメよ。もう一度。口で迎えにいかないっ」
フォークを持つ手を白い指が押さえ、口に運ぶのを止めた。
「・・・早くなさい。もう一度」
すっかり料理は冷め、もうゴムのようになったステーキにナイフを入れる。
横に立ち、僕を見下ろす目線は冷ややかで一挙手一投足も見逃さない。
「音を立てないっ」
「む、無理だよ姉さんっ僕には無理だっ」
「・・・・もう一度といったのよ」
姉は肩に手を回し、屈み込んで一言づつかんで含むようにいった。
620 :
2−2:2006/02/27(月) 21:15:26 ID:hLr1AYDB0
カチャカチャ・・・
冷徹なまなざしに見据えられ、僕は肉を切り結び今までの作法を
頭に描きながら口に運ぶ。
「・・・・そうよ」
うなずきながらほっとしたような響きと共に姉がいった。
「いい。こうして・・・手を任せて」
僕の手に手を添え、姉が所作を行う。
自分の手じゃないかのように肉は切られ、口元に運ばれた。
「姉さんがいれば・・・僕は・・・」
「そうね。でも今は貴方が当主にならなきゃいけないの。わかるわね」
姉の死には不振な点が多かった。決して語られる事はないが、自殺であったと。
そしてそれは僕が里子に出されると知らされた夜のことだった。
両親は姉のその立ち振る舞いに、存在に次期党首の期待をかけていただけに
落胆は大きかった。
そして、残された僕への失望もまた、大きかった。
姉は今、こうして僕を教育している。姉は何もいわないが、僕は期待に答えなければ
ならないだろう。姉が残したこの道を進むことで。
「じゃあもう一度してみなさい」
「・・・・はい」
「そう。いい子ね」
>619-620
ああ、ほんのり怖くていいなあ。耽美だ。
623 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/27(月) 23:33:41 ID:+F85Aet9O
624 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/28(火) 00:09:10 ID:NRcvGy160
>>619 姉ってのは、また変化球できたな。
期待してるから続きを早く〜。
…『クズ』って言われてるようなヤツは、大きく分けて二種類。
身分や出身で差別される、なす術のないやつと。 やることなすこと全て、どうしようもないやつと。
――――――――俺はその、典型的な後者だった。
頭が良いってわけじゃない。 運動だってうまくもない。
顔だって良くもない。 性格がいいとは到底思えない。
……努力さえ、したことがない。 まさに、クズそのものだ。
そんなヤツが周りから疎まれるのは、もちろん当然。
このたび、もう愛想つかされ、一人暮らしはじめましたー、ってトコだ。
「っはは、はは、はははははは」
自分があまりに滑稽で、笑いが止まらない。
ああ、ほんと。 何から何まで、もう面倒だ。
メシも、最後に、いつ、なにを食ったのか。 それすら思い出せない。
……夢でも、見よう。 起きた時には、何もかも終わっていればいい。 ベッドに倒れこむ。
「…寝れない」
さっきから、壁からバシバシと音が鳴っている。
「ほっといてくれよ。 俺を苦しめて、楽しいか?」
壁に向けて、かすれた声で呟いた。 …無意味だって、自分でも分かってる。
どうせ鳴り止まない。 俺が寝ようとすると、すぐこれだ。
何ひとつ、することがない。
…だから、少しでも渇きを潤すために水を飲む。
ベッドに倒れこむと、また壁が鳴きはじめた。
「……どうしようもないようなヤツを、生かすなよ。 これじゃ、死ねねぇじゃねぇかよ。
生きてることが、どうしようもなく苦しいんだよ。 …おまえには、分からないかも知れないけどな」
―――――壁に向けて。 かすれた声で、呟いた。
一年ぶりに訪れたそこは、まるで事故などなかったかのように
すっかり綺麗に修繕されていた
ガードレールに腰掛けて、タバコをふかせる
「久しぶりね」
どこかで聞いたような懐かしい声
まさかと思いつつ、しかし振り向いてしまえばすべてなかったことになってしまいそうで、
身体は凍りついたように動かない
「今日はお前に渡すものがあるんだ」
そう言って懐から取り出したのは、一年前に渡せなかったあの指輪
「約束の指輪だよ」
「……指輪? なにそれ」
「なにそれって……約束したじゃないか」
「なに言ってるかわかんないんだけど」
「だからお前が欲しがってたやつだよ」
「知らない、誰かと間違えてんじゃないの、っていうか誰と間違えてんの?」
「なに言ってんだよ沙希!」
「沙希って誰よ! 祐一、あんた他に女がいたの!」
「なっ、お前こそ祐一って誰だよ!」
とうとう我慢できなくなって振り向いた俺の目の前には……
「…………」
「…………」
「えっと、ウ、ウラメシヤ〜……みたいな?」
指輪を沙希に、花束は彼女に供え、俺は帰途についた
627 :
ジャクリーン・ハンマーは食いしん坊属性:2006/02/28(火) 07:27:22 ID:Do+f850rO
あれから数日後、バイトから帰宅するとあの金髪女ぎソファにふんぞり返って葉巻をふかしていた。
「馬鹿なッ!確かに射殺されたハズ!!」
「胸にな、鉄板を埋めこんであるのだ。心臓をガードする為に」
平然と答える金髪女。
「それはそうと、私は非常に空腹だ。何か食料をよこせ」
葉巻を握りこんでもみ消しながら言う。
「いや、何もないんだけど…」
「ならお前をとって喰う」
「戸棚にドラ焼きがございます!」
「少ない。もっとマシなものはないのか?」
ドラ焼きを一口で頬張りながら問う金髪女。
「金が無いんスよ」
「…金か。少し待ってろ」
窓から外に躍り出て、数十分後
「金だ、早く何か買ってこい」
帰るなりたくさんの財布を俺に放り投げる。
「……いや、なんでこの財布どれも血塗れなんスか?」
「余計な詮索はやめとけ。
命が惜しければ、な」
うちの周辺で金品を強奪された撲殺死体が大量に見つかり大騒ぎになりました。
>>619‐620
台詞だけ見るとすごいエロいなw
エロ展開きぼん
630 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/28(火) 13:57:46 ID:ZUrYol8EO
>>627 どこがツンデレ?どこが霊?
話としてもつまらないし。何がしたいの?
二度と来ないでね。
>>630 上げてまで言うことじゃないよな、要するに釣りか。
――私を見て 私はココにいる ココよ コ コ…
――ほら、あ な た の う し ろ
僕の学校の踊り場には鏡がある。ただし、この西棟の階段の3‐4階部分にだけだ。
こういったものにはお決まりの怪談がある。曰く、異次元の扉だの、悪魔の通路だの。
僕はそういったことを信じていなかった。思春期の浮かれた女たちの他愛もないうわさだと。
その日は疲れていた。生徒会室でうとうとしていた。気がついたら夜だった。
僕は荷物をまとめ、近道のために西棟から急いで帰ろうとした。
例の鏡の前を通ったときだ。
呼ばれた気がした。つ…と鏡に視線を移す。僕がぼんやり立っているだけだ。
気のせいか…。…!?いや、気のせいじゃない。一人で映っていなければいけないはずの鏡に、女がいた。
鏡の端っこにひざを抱えて上目遣いで僕を見つめている。
冷や汗が一気に噴き出した。恐る恐る、鏡から視線をはずし、横を見る。
何もない。
女は、鏡の中にだけいる。
女は立ち上がり鏡の中の僕の真横に来た。もちろん、現実の僕の横には誰もいない。うごけない。
そっと女は僕の手に触れる。手を僕の体に這わせていく。腕から胸、胸から顔。
現実の僕にもその感触はある。体が、金縛りにあったようにうごかない。
女はにぃっと笑うとささやいた。
「こわいの…?」こ、こわい。声はでず、思考で答える。
「臆病者…ね。こちらに来る?」と僕の手をまた、握りなおした。冷たくひやりとした感触。
鏡の女はその手を自分の胸に押し付ける。なんだろう、怖いのになんだか悲しい気分になった。
女の瞳には、怪しい輝きと寂しさが同居していた。この子…。
「さびしいんだね?」そのとき急に、自然と言葉がでた。
女ははっとして、僕を見つめた。
「…!」ぱっと僕の手を離し、ハンカチを投げつけられた。
「あ、汗臭いのよ、あなた。やっぱり連れて行くのはゴメンだわ」というなり女は消えた。
踊り場には女物のハンカチが落ちていた。小夜子と名前が書かれていた
僕はそれを拾い、校舎をあとにした。
次の日、古株のT先生にその話をした。
先生によると15年ほど前にその女性は存在したそうだ。
階段から落ちて、亡くなったらしい。
状況からみて、彼女は夜、帰宅しようと急いで、階段を踏み外したらしい。
さびしがり屋だが、心の優しい女性だったとT先生は語った。
僕はその日、校舎が暗くなるのをまち、例の鏡の前にハンカチを置いた。
女はいなかった。ただ、鏡に、
『夜、走ると危ないんだからね』
…とチョークで書かれていた。
>>625 いいよいいよーGJ!
>>626 カンチguyかよwワロスw
>>627 しななかったのっ!?ツンデ霊ぢゃねえしw
仕事の合間に見に来るのが楽しみだよ。GJ!
あんただ霊?
637 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/28(火) 20:58:43 ID:3wXSejZFO
たまねぎさん、グッジョブ!
Σ∩
.(∃ ∧∧
\(゚∀゚)
ヽ E)
>>627 きもいよ。
センスないから書き込みやめなよ。
と、センスのかけらも無い粘着煽りが申しておりますwwwwwwww
>>632 了解。
いままで、読んでくれた人、ありがとうございました
「ねえ、フィギュア見ようよ、フィギュア」
「うるさいな、そんな時間まで起きれねーよ、さっさと寝ろ」
「幽霊が夜に寝てどうすんのよ」
「とにかく俺は寝るからな、お前は勝手にしろ」
「うー、バカタレ。もういいよ」
明け方、どうにも我慢ができなくなってトイレに起きたら、
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 荒川のイナバウアー! |
\ /
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(⌒) __∩
/ ̄ ̄| ⊂/ ノ )
| ||. | / /ノV
\__| し'⌒∪
| |
こんなことになってた
「やっぱりイナバウアー、百人乗ってm」
「うるさい!」
その後、エクソシストのスパイダーウォークで小一時間追いかけられた
終わった。
俺は生徒会だから当然卒業式にはそれなりの立場で関わる必要があった。
司会を俺は担当していたがなんだ?感動も何もない。
ま、当事者の3年でもなければ送辞を読むわけでもない。会計なんだからしょうがない。
6クラス240人、退学者もいれば留年者もいるわけだ。俺には関係ないけどな。
何事にも中途半端に位置する俺は他の奴等と一緒に3年が座っていたパイプ椅子を片付ける。
めんどくさい。3年も教室で使っている椅子使えよ。
5組の一番最後、40人目の椅子を片付けようとした。
「すいません、どいてくれますか?」
あきれた。まだ感傷に浸ってる奴がいるのか。邪魔だ。
彼女は悲しそうな目で式台を見つめていた。5のマークの組章がきらりと光る。
「あの・・・・すいません」
「・・・・チィ」
彼女は舌打ちをすると体育館の隅に行った。糞アマめ。式台を見る目と俺を見る目が明らかに違う。
片付けが終わるといつものように軽く反省会。顧問は同じことしか言わない。
"来年はお前らも" そんなこと入学した時からわかっている。
反省会が終わり体育館を出ようとした。隅っこに目を向けると彼女はまだいた。
おい、もうどこのクラスでも最後のHRやってるんだぞ。すこしは現実を見ろ。別れだ。
ここまでくると余計なお世話の一つや二つしたくなる。
「悪い、ちょっと先行ってろ。」
他の役員に伝える。俺は大またで彼女の所へ向かう。
「あの・・・・先輩、そろそろHR行った方がいいんじゃないですか?」
どうせ今日限りなんだ。どう話かけようが関係ない。
彼女はまだ式台を見ている。眼中に俺の姿はないようだ。現実へ背中を押す必要があるようだ。
彼女の前に立ち訴えかける。
「先輩、卒業式は終わりました。教室へ行ってください。みんな待ってますよ。」
「 邪 魔 よ、どきなさい。」
肩を掴まれてはらわれた。どうやら動く気はないみたいだ。
ったく担任はなにしてんだ。ここにまだ一人いるのに。仮に彼女が留年だとしても迎えに来いよ。
もうかまってられるか。勝手にしろ。帰る。俺もHRがあるんだ。
生徒会を言い訳にすれば遅れたことぐらい簡単に誤魔化せる。
「・・・・早く戻ってくださいね。」
俺は体育館を後にした。
HRが終わって俺は生徒会室に向かう途中3年5組の担任に会った。
生徒会をやっていれば先生ぐらい覚えるし向こうだって俺のことを覚える。
「こんにちわー」
「こんにちは」
「先生のクラスも大変ですねぇ、一人足りないままHRやっちゃって。迎えに行ってあげれば
よかったじゃないですか。多分この調子だと先輩、まだ体育館にいますよぉ。」
「いや、俺のクラスは全員揃って感動のフィナーレを迎えることができたぞ?違うクラスと
間違ってないか?」
「んぁ?でも先生のクラスの組章付けてましたよ?」
「それ多分一年か二年と間違えたんだろ?とりあえず二次試験合格者の会議があるからあとでな」
「あっ、さよならー」
腑に落ちない、彼女は3年だ。靴の色だって3年と同じだったし、なにしろあの席に座っていたんだ。
まだいるだろうか?信じられない自分をたまには信じてみることにした。足は自然と体育館に伸びる。
いた、こんどは式台の上に立っている。遠くから見てもわかる。悲しい目をしている。
「先輩っ!!」
まただ、軽蔑するような視線。冷たい。
しかし俺のことは覚えててくれてるみたいだ。
「なに?またあなた。しつこいわ。」
「失礼ですけど・・・・先輩ってどこのクラスですか?」
「それがあなたに何か関係が?」
「いえ、特に何も・・・・ないです。」
「答える義務はないわけね。帰ってちょうだい。」
「先輩3年5組の生徒ですよね。でもさっき担任に」
「いいかげんしつこいわ。邪魔よ帰って。」
冷たいそんな印象しかなかったが一つだけヒントを見つけた。靴に苗字が書いてある。
「木崎木崎・・・・・・」
俺は生徒会室に戻り生徒名簿で彼女、木崎さんを調べていた。
ない。
1年、2年、3年、全て該当なし。やっぱりおかしい。
カラカラ、顧問が来たようだ。聞く価値は少なくともある。
「先生、木崎っていう生徒しってますか?」
「ああ木崎か、木崎はな ――」
「先輩、まだいたんですか?」
やはり式台の上にいた。
「いたらなんなの?あなただっていいるじゃない。うっとおしい。」
「先輩、死んでるんですってね。6年前に。」
「だったらなんなの?死んでたらあなたと何か関係あるの?」
「卒業おめでとうございます。」
俺は先輩に卒業証書を渡す。生徒会室には何も書いてない賞状や証書がある。
それをちょっと拝借、パソコンのプリンターで印刷させてもらった。
「家族が証書もらっても実感ないでしょ?自分がもらったほうがいいですもんね。」
本物ではない卒業証書をまじまじと見つめる先輩の目から涙が流れてきた。
まるで何年も涙を忘れていたようだ。
「うっ、ぅっ、ぅぁああああああぁぁ」
口を大きく開けて泣きはじめた。今まで溜まっていたものを全て流すように。
その姿は幼い子供が泣きじゃくる姿に似ていた。
「ぁあっ、っぅうっ、うっぅ」
泣き止む様子もなく何をしていいかわからない俺はその場で立ち尽くしていた。
何分経っただろうか彼女は泣き止み式台の階段に座り話してくれた。
自分の胸中の悲しみ、不安、期待、希望、その全て。
「私さ、ベタなこと言うけど看護婦さんになりたかったんだぁ。」
「安定した給料・・・・・いいですねぇ。」
「フフッ、もう無理なんだけどね。」
「・・・・・・・・・・」
なんとも言えない、彼女の人生は18歳で止まっているんだ。自分の事でもないのに悲しくなる。
「そんな暗い顔しないでよ。私だって暗くなるじゃない。」
なんで彼女はこんなにも明るくなれるんだろう。死んでるのに。
「先輩、明るいですね。」
「だって嬉しいじゃない、私とうとう卒業したのよ。」
「でも先輩は」
「"でも"じゃないの。死んじゃったのはしょうがないでしょ?そっちのことはもう解決したから。
あとは卒業したいって思っていたけど・・・・・・・今日したから。思い残す事、ないかな。」
「じゃあ、その、しちゃうんですか?成仏?」
「今日あたりするかもね。よかった。あなたみたいな人がいて。」
彼女はうつむいているが本当に嬉しそうだ。彼女がいくのならば見送ろう。ここまでしたんだ。
義務がある。
「そうですか。ならば見送らせてくださいよ。ちょっと興味があるし。」
「別にいいよ。でもいつだか私にもわからないんだ。だから余所見しないほうがいよ。
いついなくなるかわからないからね。」
「不安になること言わないでくださいよ。」
不安だから俺は話し続けた。いついなくなるかわからないから。
突然彼女は人差し指を突き出してきた。俺はトンボのようにそれを目で追う。
彼女の右指を追う俺は完全に左を向いた。
唇であろう彼女の一部が俺の右の頬に触れた。
「ちょ!!先ぱ・・・・・い?」
どうやらいついくかわかっていたようだ。
これで第56回、卒業式を閉会します。
去年の卒業式からちょうど一年。今度は俺が卒業した。泣きはしなかったが胸に息苦しい感覚がある。
やはり感動は当人しかわからないものがある。去年感動しなかった俺が感動してるんだ。
「おまえ達はこの3年間 ――」
担任が語る最中俺は去年の俺になっていた。
死んだ先輩に会って、卒業証書を渡して、泣かれて、キスされて、帰った。
どうしてこんなことしたんだろうと今でも思う。見ず知らずの死んでいる先輩にあそこまで
したんだろうと。俺じゃなくてもよかったのではないか。誰でもいいんじゃないか、と。
担任の話が終わると同時に今の自分に戻る。どうやらさよならの時間だそうだ。
「3年間ありがとうございました!」
ルーム長の合図に俺も合わせる。そのあと一気に友人が数人集まってくる。
「最後ぐらい一緒に帰ろうぜ。」
「今日は打ち上げいきますかぁ?」
「悪い、ちょっと先行ってて。すぐ追いつくから」
結局俺は体育館に向かった。彼女に、先輩に会うために。
しかし誰もいない。そうだ、彼女はとっくに卒業したのだ。いるわけない。
最後ぐらい話がしたかった。この一年の話を聞いてほしかった。でもいないんだ。
俺は先に行ってる友人の元へ向かった。この校門をくぐるのも最後だ。桜が咲いてる。
「卒業おめでとう」
最後の一歩と同時に聞こえたたった一言。
「先輩!?」
そうか待っててくれたんだ。待たせてごめん、先輩。
先輩に証書を渡した理由はわからない。誰でもよかったかもしれない。
だけど俺が選ばれた。だからそうしただけなんだろうな。
深く考えるのはやめた。俺、中途半端だから。
俺は最初の一歩を先輩と踏み出した。
いい話だなぁ…。・゚・(ノД`)・゚・。
…自分が恥ずかしい…わけのわからない勘違いしていました。
これもツンデ霊の仕業なんでしょうか。
>>642さん、いいお話をありがとう。
654 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/01(水) 06:49:52 ID:2PPiksQ8O
すいません、
>>654さん。その通りです。
家で見たとき、なぜか、番号がずれていました。なぜでしょう?
あ、あまり気にしないでください。
それと私個人は
>>627さんの文は好きです。もう少し、ツンとデレがあれば嬉しいです^^;
656 :
2−1:2006/03/01(水) 13:04:33 ID:aEJ1vj4W0
戦争の勝利に沸きあがり、日比谷では焼き討ちもあったという。
そんな喧騒とは無縁の、静謐とした屋敷の中に僕はいる。
広いホール。高い天井とほの暗い灯が影をつくる。
影は・・・ひとつだ。
「さあ。この前教えたようにやってごらんなさい」
「・・・はい」
前に立つ姉の腰に手を回し、腕を取る。
僕のリードでダンスが始まった。蓄音機が動き、音楽を奏でる。
「そう。もっと腰をよせて」
僕の動きにあわせ姉は揺れる。長い髪が薄明かりに照らされて舞う。
「もう少し早く。そうよ」
僕は少しだけダンスに関しては,才能があったらしい。
姉は満足げに僕の動きに合わせている。
「いい子ね。うまくなったわ」
だが・・舞う影はひとつ。
657 :
2−2:2006/03/01(水) 13:05:09 ID:aEJ1vj4W0
静かに曲が終わりを迎え、広いホールはまた静寂を取り戻した。
「いい子ね。この様子なら、大丈夫でしょう」
姉が身を寄せたまま、うっすらと微笑んだ。
「・・・はい」
すこしはにかんで頷く。褒められるのは、嬉しい。
「何をしているっ」
静かなホールに叱咤の声が響いた。・・・父だ。
軍国の機運にかぶれ、華族たる何かを失いかけている。
前に姉は侮蔑していた。姉の顔から笑みは消えてしまう。
「・・・一人で踊っていたのか。薄気味悪い奴だ。部屋に戻って勉強しなさいっ」
「・・・・いくわよ」
僕にしか見えない姉は、僕の掌中から抜け出るとひとり歩き出した。
「・・・はい」
「早くなさい」「早く戻りなさいっ」
部屋に戻り、ベッドに座るよう促された。
頬を掌で包むと顔を上げられる。
「いい。貴方はこの家の当主になるの」
「・・・」
「目をそらさないで、私を見なさい」
「・・・はい。姉さん」
姉は僕を見つめる。その眼差しはどこまでもまっすぐで、清冽だった。
658 :
地下闘技場司会:2006/03/01(水) 16:03:39 ID:gPAnwI7/O
『―ツンデレッ!
我々チャネラーはこの言葉に飽くなき萌えを禁じえません!
しかし!
しかしです!
我々は実際にツンデレに遭遇したことがあったでしょうか!?
ツンデレの劇的反転が現実の人付き合いの場で炸裂したことがあるのでしょうか!
ツンデレの存在はいつもノンフィクションの中です!
我々はツンデレに魅了されるあまり
その虚実を論ずることはなかったのです!!
もう我々チャネラーはハッキリと言うべきなのですッ!
ツンデレは絶滅している!』
たまねぎツンデレ
「野郎…タブー中のタブーに触れやがった」
>>655 このスレ、あぼーんが入ってるから、
専ブラ使ってるとログ再取得しない限りレス番ずれてまっせ。
俺も気がつかずに
>>626に「(゚∀゚)イイ!」と宛てたつもりが
>>627に。ヽ(`Д´)ノウワァァン
いやハンマさん嫌いじゃないけどさ。
連投スマン。
>>658 ツンデ霊創作界の裏ストーリーって感じで、こういうのも(゚∀゚)イイ!
しかし何だ、たまねぎさんも地下闘技場さんも、
成り行き(?)で始めたはずなのに、この発想と文章力の凄さは何だ?!
661 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/01(水) 20:53:29 ID:TTH6MoFsO
>>656 最高にgjです! なんか姉系はそそるな〜w
(*´Д`)ハァハァ
皆様お久しぶりでつ。
口だけ番長の命名ヲタ、85pesOZLでつm(__)m
>>661 私は
>>656-657じゃないですが…(遅まきながら
>>656-657GJ!!)
そうですか、やっぱ姉系の需要もあるんですねw
私もそっち系が好みだったりw
時間はかかりますがTRYしてみまつ
ところで久しぶりに来ましたが、なんだか雑談が少なくてサミシス…
もしかして私の五月蝿さのせいで雑談が少なくなってるんでつか?
作品の密度が高くなったのは嬉しいところですが、馴れ合いぎりぎりの雑談も心地よかったのでつが…
なんというか、皆さんの好みや読み易さ(難さ)が判って参考になるというか…
あぁ、お呼びでない?
失礼しますたノシ
そのうち駄作を投下させて頂きますデス
おおっと、トリに一文字入れ忘れ
あ、ミレレイだw
そういってくれればわかったのに
665 :
1/8:2006/03/01(水) 22:52:03 ID:ytZ8MYZV0
ぼんやりと天井を眺めながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。
23歳で結婚。そのわずか一年後に旦那さんは職場の事故で死亡。二人の間に子供は無く、
以来再婚することも考えていないかのように仕事の鬼と化した、バリバリのキャリアウーマン。
敏腕故に多くの部下を持つようになったやり手の女課長は、出張先で交通事故に巻き込まれ――
「………なーに呆けてるかね、この子は」
――現在は俺の上空で呆れ顔をしている。
享年32歳。近所に住む伯父の娘さんで、つまりは俺の従姉である。
「佳織さん、頭上に居られると凄く気になるんだけど……」
「男が小さなこと気にするもんじゃないの」
「…………」
初七日の法要後自室に戻ると、死んだはずの従姉がソファーでくつろいでいた時の衝撃は忘れがたい。
ドアを開けたままの姿勢で固まる俺に対して、にんまりとした笑みを浮かべながら
「ありゃ。よし坊には私が見えるんだね」と事も無げに言い放ったのがつい三日前。
「……ヘンなことになっちゃったよなあ」
「そんなことより勉強でもしなさい、このグータラ学生。前期試験そろそろじゃないの?」
以来、彼女はこの部屋を拠点として悠々自適のゴーストライフを満喫している。
666 :
2/8:2006/03/01(水) 22:52:54 ID:ytZ8MYZV0
「少しは部屋片付けたらどうなの? あーあー、洋服も脱ぎ散らかしっぱなしで」
「母さんみたいなこと言わないでくれよ……」
「言われる前にさっさと片付ける! ほら!」
「はいはい」
「はい、は一度で結構。……怒るよ?」
「……はい」
母に言われた時よりは素直に部屋の片付けを始める。
なんだかんだ言いつつも生前から頭の上がらなかった相手である。
実年齢より随分と若く見える佳織さんは、幼い頃には年の離れた姉のような存在として。
その後思春期を迎え、彼女がそこらを探しても滅多に見かけない美人だと気付いてからは
仄かな憧れの対象として俺の精神野に君臨していた。
「キチンと綺麗になさいよ? 私はその間、よし坊のマニアックな性癖を検分してるから」
「うわああああああああっ!!?? そ、その本どこから引っ張り出してきたんだよっ!!!」
「ベッドの下なんていうベタな隠し場所は避けなさい。……うわー、このモデルめっさ縛られてる」
「返せっ! 返せよーっ!!」
「小さい頃はあんなに可愛かったよし坊が、今やこんな淫獣に……」
「それ以上言ったら泣くぞっ! ホントに泣くからなっ!」
彼女の行動拠点が俺の部屋、という弊害は日々顕著になっていく。
ああ……この人にだけは知られたくなかった俺の恥部が次々と……。
ライブ○アじゃあるまいし、これ以上株を下げるわけには………!
「……アンタのパソコン起動して jpg.ram.mpeg.wmv.avi.あたりで検索かけてみたいわねえ」
底値になる。そんなことしたら。
667 :
3/8:2006/03/01(水) 22:53:49 ID:ytZ8MYZV0
霊となった佳織さんは、時折どこかに出かけていく。
それは例えば自分の勤務していた会社であったり、親しい友人の家であったり。
「うん。まあどうにか仕事は順調にいってるみたいで良かった」
「見えないと分かってはいるんだけどね。『心配しないでね』って伝えたくてさ」
ふわふわと漂いながらてへへ、といった感じの笑いと共にそんなことを話す
佳織さんの姿は、俺の目には新鮮だった。
小さい頃はともかく、ここ数年はどこか近寄りがたい雰囲気を発していた彼女の姿しか
記憶に無いからだ。わけても旦那さんを亡くした直後の佳織さんは――
「なんか……懐かしいな」
「ん? 何が?」
「いや、肩の力が抜けた佳織さんを見るのって久しぶりな気がするから」
「あっはっは。まあ、死んだ後までせかせかしても仕方ないしねえ」
「……まだしばらくはここに居るの?」
「どうなんだか。霊の決まりごとってのは良く知らないけど、まだ御呼びがかからないみたい」
「ふーん」
こんな風に気軽には話せなかった。
ふと、八年前に旦那さんの葬儀に参列した日のことを思い出す。
初恋の相手だった佳織さんを“奪われた”ように感じていた馬鹿餓鬼の俺は、
死者を悼む気持ちなど申し訳程度にしか持ち合わせておらず、むしろ残された
佳織さんのことだけが気がかりだった。父や母と一緒に見よう見まねの焼香を
済ませ、遺族に一礼する。
668 :
4/8:2006/03/01(水) 22:54:42 ID:ytZ8MYZV0
その時に見たのだ。佳織さんの目を。
機械的に返礼する佳織さんの目には何も映っていなかった。
いつも生気に溢れていた大きな瞳は、ガラス玉を思わせる無機質さで俺の姿を反射していた。
一体どれだけ泣いたのだろう? 化粧でも隠せないほど腫れた瞼、ひび割れた唇。
死人よりもっと死んでいるように見える佳織さんが、そこに立っていた。
「……どうしたの? なんだか思いつめた顔しちゃって」
「い、いや……なんでもないよ」
それから、この人はどこか捨て鉢とも思えるひたむきさで仕事に取り組んでいき
偶に顔を合わせてもろくに話をすることも無かった。
それを寂しいと思う反面、彼女のあんな顔を見続けるよりは余程いい、と
自分を誤魔化して等閑な付き合いをしてきた。
だが、今にして考えると……
「……俺って馬鹿な餓鬼だなあ、と思ってさ」
「なにそれ。今更だね?」
「少しはフォローが欲しい……」
「私、自己憐憫に浸るような気持ち悪い男は嫌いだから」
「……ごもっともです、ハイ」
「そこで言い返せないような腑抜けも嫌い」
「どうしろとっ!?」
カラカラと笑う佳織さんといつまでこうしていられるかは分からないけど。
大事なものは無くしてから気付く、なんていう陳腐なフレーズがやけに胸に刺さる。
670 :
5/8:2006/03/01(水) 22:55:43 ID:ytZ8MYZV0
佳織さんは暇に飽かせてどこにでも現れる。
大学の講義中に、いつのまにか隣席に座っていたときは心底驚いた。
彼女曰く「授業参観w」だそうだが、試験前に必死でノートの貸し借りをする程度には
不真面目な学生である俺の姿勢に佳織さんはいたく御立腹の様子。
「よし坊……あんたね、御両親が高い学費払ってんのにその態度は何?」
「わ、悪かったから……うん、今後はちゃんとするから……」
「あんた昔っからそーだったでしょ!
算数のドリル全然終わってなくて私に泣きついてきた頃から全然進歩が無い!!」
「はい、その節はお世話に……」
「真・面・目・に・聞・け……このボンクラ学生が!」
「sir! yes sir!!」
鬼軍曹と化した佳織さんにガン付けられながら板書に精を出す。
遠い昔の夏休みにもこんなことがあったなあ、と不似合いな感傷に浸りながら。
「ニヤけてんじゃないわよ! ほら、次の講義は!?」
「……全部付き添うつもりかよ」
だから、こんなのも楽しいな、とそう思った。
671 :
6/8:2006/03/01(水) 22:56:44 ID:ytZ8MYZV0
「よし坊、ちょっとこれからデートしようか?」
四十九日の法要が終わったその夜、佳織さんが出し抜けにとんでもないことを言った。
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で宙を見上げる俺に構わず、彼女はさっさと部屋を出ていく。
訳も分からず上着を着込み、慌てて玄関へ。訝しげな顔の母に「ちょっとコンビ二行ってくる」と
言い訳をしてドアを開けると――
――そこは異世界だった。
時刻は確かに夜10時をまわっていた筈だ。ならば、この穏やかに降りそそぐ陽光は何だ?
季節はまだ冬だった筈だ。だったら、この辺り一面満開の桜並木は一体どういうことだ?
理不尽で非現実的で……とても美しい光景が広がっている。
ぽかんと口を開ける俺の耳に、背後から馴染み深い声が少し違ったトーンで響いた。
「私も知らなかったんだけど……気が利いてるね。
ここさ……いつだったか、結婚前にあの人と歩いた道だよ。うん……記憶と同じ」
「佳織さん…………だよね?」
「あははっ、いかにも。どうやら『一番気に入ってる記憶』が迎えに来てくれたみたいね」
「……………」
振り向いた先にいたのは、確かに俺の知っている佳織さんだ。
――ただし、10年近く前の。俺と殆ど変わらない年齢の彼女がそこにいた。
まじまじと無遠慮な視線を送る俺に、恥じらうような表情を見せている。
「なによ。なんかおかしい?」
「……いや、おかしくなんか、ないけど……」
「じゃあ行こうか。この道を歩いていって、それで終わりだから」
「終わり?」
「よし坊や皆とお別れってこと」
「……そっか」
672 :
7/8:2006/03/01(水) 22:57:43 ID:ytZ8MYZV0
そうして、薄桃色の花びらが舞う中を二人で歩き始める。ゆっくりと、でも確実に。
右隣には眩しいものを見るように目を細める佳織さんがいて。
この時間が終わらなければいい、と未練がましく願ってしまう。
「ねえ、楽しい?」
「何が?」
「生きること。……楽しい?」
「……良くわかんないよ」
突然の問いかけは、俺みたいな餓鬼には難しすぎる質問だった。
歌うような声が続く。
「私はね、楽しかった」
「…………」
「あの人と出会って、死に別れて、自分も死んで。……それでも楽しい人生だったよ」
「…………だろうね」
「この風景がその証拠。この道はきっと、良いところに続いてる」
ああ、それは間違いないだろう。
だってこんなにも綺麗で優しい風景で。
おまけに――
「佳織さん。じゃあ、俺はここまで」
「……?」
「あとは“あの人”のエスコートでしょ? 俺はもうお呼びじゃないよ」
俺が指し示す先を見て、佳織さんが息を呑んだ。
673 :
8/8:2006/03/01(水) 22:58:45 ID:ytZ8MYZV0
「………っ…………」
彼女が呟いた名は、折り良く吹いた風にかき消されてよく聞こえなかった。
一際立派な桜の大樹にもたれて、彼は立っている。
佳織さんが駆け出した。彼の名を、大切な名を呼びながら駆け出した。
……少しだけ妬けるけど、まあ脇役の出番はここまでだ。
「じゃあね、佳織さん! ………さんも!!」
子供じみた嫉妬心から、一度も呼ぶことのなかった名前。彼女の夫であった、彼の名前。
寄り添った二人は同時にこちらを向いて微笑んだ。やがて、一際強い風が花霞を作り――
「……お幸せに、ってか」
冬の夜道に立ち尽くす俺。
先程の風景はそれこそ夢のように消え去り、古びた街灯がスポットライトのように
道化役の俺を照らしている。ふと、視界の隅に違和感を覚えて視線を巡らすと
右肩の上に小さな白いものが乗っていた。そっと手にとってみる。
こんな季節にあるはずもない、桜の花びらがひとひら。
家の方角を目指して歩きながら、はたしてあの人は幸福だっただろうか、と考えてみた。
――そんなの、考えるまでもない
掌中の花びらを強く握りこんで、俺は走り出した。
終わり。悪魔の数字もゲット。うふふ。
運動場整備部隊さん豚切りゴメナサイ…
ホントタイミング悪いわ俺…
改めて全部読みましたよ、おっほほほw
運動場整備部隊さんも「姉」属性w
しかもオーメンゲトオメGJ!!
>>662 馴れ合いを嫌う人間がいることを忘れないでくれ。
折角の良スレなんだから、コテの馴れ合い場になっちまうのは勘弁。
>>674 GJ!。・゚・(ノД`)・゚・。
>>677 あ、いや「馴れ合い推奨」って事ではなくて、
「作者のあとがき」みたいなものをインターバルにして、
作品に対する思い入れとか、別設定の要望とかを出すことで
それぞれの作品に対する読みを深く出来ればな〜、と。
679 :
1/3:2006/03/02(木) 01:56:12 ID:uUO8YkNn0
ツンデ霊 「今日はどちらがあの男の服を脱がせるか、で勝負しましょう」
デレデ霊 「ん〜? ツンちゃんには不利じゃない?」
ツンデ霊 「く…っ! どういう意味よ!?」
デレデ霊 「やってみればわかるよ〜」
ツンデ霊 「フン。見てなさいよ!」
ツンデ霊 「ちょっとそこの。呪い殺されたくなかったら脱ぎなさい。一枚のこらずよ!」
ヌギヌギメータ [>> ]MAX
ツンデ霊 「はやくなさいっ! このグズ!」
デレデ霊 「……ツンちゃん、それじゃだめだよ〜」
ツンデ霊 「黙ってて。何よ、私のことがきけないって言うの?」
ヌギヌギメータ [>> ]MAX
ツンデ霊 「な!?」
デレデ霊 「だからツンちゃんはダメなんだよ〜。お手本を見せてあげるね」
ツンデ霊 「く、違うわ! このバカは言葉を理解してないのよ!」
デレデ霊 「ねえ、あたしね? 生前からずっとあなたが好きだったの。もうどうしようも
ないくらいなの。最近は裸のお突き合いをしたくてガマンできないの。…どう
したらいいかなあ?」
ツンデ霊 「よく恥ずかしげもなく、そんなセリフが言えるわね」
デレデ霊 「まあ、結果を見てよ〜」
>>678 一度VIPのツンデレスレでも見に行ってみたら?
真似しろとは言わないけどあそこは誰もコテ酉なんて付けないし付けたら外させられるからコテ同士の馴れ合いがない。
だからROMも読みやすいし感想も言いやすい。伊達に173まで続いてないよ。
681 :
2/3:2006/03/02(木) 01:59:57 ID:uUO8YkNn0
ヌギヌギメータ [>>>>>>>> ]MAX
ツンデ霊 「し、信じらんないわ…。なにこの生物? 脳ミソあるのかしら」
デレデ霊 「男なんてこんなもんだよ〜。勝負はまたあたしの勝ちだね」
ツンデ霊 「ちょ、ま、待って! 色仕掛けなんてズルよ! コスイわ!」
デレデ霊 「そんなルールなかったよ〜? じゃあツンちゃんもやれば?」
ツンデ霊 「私が?」
デレデ霊 「それでダメだったらあたしの勝ちね〜」
ツンデ霊 「や、やってやるわよ!」
ツンデ霊 「そこのカス、よく聞きなさい。今から言うことは本心じゃないの。いい?
くれぐれもカン違いしないでちょうだい」
デレデ霊 (……うぁ、前から思ってたけど、この人バカだ)
ヌギヌギメータ [>>>>>>>>>> ]MAX
デレデ霊 (ありゃ?)
ツンデ霊 「あ、あああああの。わ、わた、私もす、好きだったんだから! ほ、ほんとは
そんなこと思ってもいないけど! しかたないんだから!」
ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>> ]MAX
デレデ霊 (ありゃりゃ?)
ツンデ霊 「だ、だから……あー! もう! 服脱ぎなさいって言ってるのよ……っ!?」
ハァハァメータ [>>>>>>>>>>>>>>>]DANGER!!
682 :
3/3:2006/03/02(木) 02:01:35 ID:uUO8YkNn0
ツンデ霊 「って、キャ――っ!?」
デレデ霊 「あァ、ツンちゃんがタイヘンなことに」
ツンデ霊 「み、見てないで助けなさいよ! なんでコイツ霊に触れんのよっ!」
デレデ霊 「煩悩パワーってやつかなあ」
ツンデ霊 「ふ、ふざけんなあああああああああ…っア! んん――――っ!?」
デレデ霊 「うわぁ、ツンちゃんがスゴイことに」
ツンデ霊 「み、見ないで! っお、おねが…っっ!」
デレデ霊 「いやぁ、ツンちゃんがエ(ry ………」
ツンデ霊 「………………」
デレデ霊 「………………」
ハァハァメータ [>> ]MAX
ツンデ霊 「………………」
デレデ霊 「……よかったね。ツンちゃんの勝ちだよ。ブッちぎりで」
ツンデ霊 「………………」
デレデ霊 「ツンちゃん?」
ツンデ霊 「………………」
デレデ霊 「あ、昇天しちゃったみたい。いいな〜」
ハァハァメータの少なさから、
なかなかの体力をお持ちとみた。
あ、勘違いしていた。
馬鹿だ俺。
もうネンネしよ。
永遠に。
>>663 そういうトリップのヒントになる事は言わないほうが良いよ。
たとえばこの場合難しい問題 (56bit解読) がやさしい二つの問題 (49bit解読)+1024 に分解できる。
煩悩パワーで……って横島?
>>682阿保みたいに激しくオッキしたwwwgj…
…ほ…本心じゃないんだからな!!
>>679さん
ツンデ霊にそんな料理の仕方があったなんて、お勉強になりました!!
「ツンデ霊なんて、いねーんだよ」
私は行き詰っていた。モニターの外でひとり毒づく。
「ツンツンしてて、デレデレしてくる幽霊? はん! さっさと除霊しろと俺は言いたい」
しかし、私の指はいつの間にかキーボードを叩いている。
なぜだ? 私はツンデ霊否定派ではないか。なのに、ツンデ霊に想いを馳せ一心不乱に物語をつむいでいく。
「…これは私が書いているのだろうか」
いつしか、疑問が生じる。これは、私が書いているのではないのか?
疑問はすぐに確信に変わる。私の知らない文体。私の知らない物語。間違いない…。
わたしは
おそるおそる
ふりかえる…
薄らぼんやりとした女が、背後でキーボードを打つ仕草をしていた。
それは、私の指と同じ動きだった。
私の視線に気づくと
「き、気づいてもらえて嬉しいわけじゃないからね、本当なんだから!!」
と叫んで、消えた。
>>658さん、あなたの後ろにもいるかもしれませんよ
>>680 オマイはそこだけにいろここにくるな
他人に押しつけるな
ウザイ
はしゃぎすぎなのも自治気取りなのも両方ウザいんだが。
そいつらがいない時はマッタリしてるじゃん、ここ。
部屋でハムポンを見ながら至福の時を過ごしていると
レイポンが話しかけてきた。
「・・・あのさ。明日は何の日か知ってるよね?」
・・・当然だ。僕がその日を忘れるはずがない。
「ああ。レイポンも知ってたのかい?明日はハムポンがうちに来た日・・」
「な・・・ばっかじゃないのっ!」
なんだというんだ。新発売のおやつを新聞のチラシでチェックした。
明日はハムポンに買ってきてあげるつもりだったのに。
「ばっかじゃん・・・いいよもう」
それきりレイポンは黙り込んでしまった。掃除やエサをあげる係りを独占している
くせに。このところのレイポンは情緒不安定だ。
プルプルプル・・・・
珍しい事に携帯がなった。親は今海外に旅行中だし、かけてくる奴なんかいたろうか?
「はい。もしもし」
「・・・明日はひな祭り。あんたどうせ気づいてないでしょ」
霊感少女だった。ああ・・・そうか。だからレイポンはそわそわしてたのか。
「知ってたとも。ありがとう」
「・・・はいはい。じゃね」
明日は・・・何か関連グッズをハムポンのおやつを買うついでに買ってやろう。
豆をまくんだったか。男兄弟しかいないから、よくわからない。
馴れ合い・・・って言葉はあまり好きじゃないけど、作品の
語らいとかこういう意図でやってるとかはまとめサイトでやってます。
感想がもらえるのは励みになりますが、ここではいろいろみんな思うことも
あるでしょうし、意見もいろいろだと思います。
でも、喧嘩しないでやりましょう。
書庫から一冊の本を持ち出し、読み始めた。
僕に足りないのは覚悟だ。そしてそれが立脚する自信だと思ったからだ。
「・・・マキャベリ?貴方は絶対的な支配者になれるの?」
「あっ姉さんっ」
いつの間にか姉が背後にいた。何か恥ずかしい気持ちでいたたまれなくなった。
「答えて」
君主論。冷徹な支配者たる指針の書。僕の真逆にあるような書だ。
「・・・わかりません」
「わからない?・・・まだ読み始めたばかりなのね。いいわ。こっちに来て」
姉は僕を促し部屋の真ん中に導いた。
「わたしを服従させられる?」
姉が僕を射抜くように見つめた。その表情からは真意が見抜けない。
「・・・それが、君主であるという事なら」
声が震えた。でも、それがきっと、姉が求める答えだと思ったのでそういった。
心臓が早鐘のように響く。手が痺れる。
「どうやって?」
姉はあくまで冷静に尋ねてきた。どうやって・・・?
どうやって・・・。僕は必死に思考を巡らしながら、だが姉を見つめ返した。
目をそらさない。それは最低条件だったから。
「どう・・・やって?」
姉の頬が心なしか紅潮し、声はかすれていた。
「ひざまづいて。僕に」
「・・・はい」
姉はそのまま僕にひざまづいた。うつむいた顔からは表情は伺えない。
「姉さんは僕に・・・忠誠を誓う最初の一人になるんだ」
声が震えていたが、言い切った。僕は、華族の名門の跡取り。
姉がゆっくりと顔をあげる。
「・・・まだまだ。そんなことでは忠誠は誓えないわね」
初めて見下ろす姉の顔。紅潮し、桜色の頬にはにかんだ笑みがかすかに漂う。
「でも・・・私はあなたの最初の一人になるはずよ」
ひざまづく姉の肩に手を置く。指先は震えていたが、姉が掌を重ねた時震えは
溶けるように、消えた。
「そうだね」
「いつかくるのかしら?楽しみにしているわ」
静寂の中、僕と姉はただ見つめあった。
>>698 なんてエロエロしい状況なのか。すげえ。
ノリ’ー’) たけしへ。私メリーさん、今駅前にいます。
(`Д) うるさい死ね メールすんな殺すぞ
ノリ’ー’) メリーさん初めてメールしたから、ごめんね。今あなたのアパートの前にいます。
(#`Д) うるさいくたばれ、メールすんな
ノリ’ー’) 手紙届いてました。机の上に置いておきますね。今あなたの後ろにいます。
ヾ(;`Д)ノ 死ねくそ女
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
o
__ ゚
た |
け |
し .| ∴ J’ー’リ<私メリーさん、今あなたのお墓の前にいます。
──┐ ∀ << )
703 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/03(金) 00:55:21 ID:OLGUfsQo0
85pesOZL0 ◆keaGkWNWxw
GJ!! こうゆう話すごい好き!これからも期待してます。
sage忘れた・・・吊ってきます・・・
706 :
703:2006/03/03(金) 01:35:57 ID:OLGUfsQo0
しまった・・・運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q さんのまちがいですた。
グダグダだ・・・逝ってきます・・・
>>680さん、アドバイスどおりVIPのスレに逝って来ました。
んん〜、まぁそれなりに楽しめましたが…
やっぱりこのスレの雰囲気が好きですね。
ツンデ「霊」という縛りがあるぶん、それぞれの話にドラマがあるというか…
VIPの過去スレまでは読んでないので簡単に言うのもどうかとは思いますが、
VIPが173スレまで伸ばしたならこっちもガンガレばいいじゃないでつかw
>>703さんの催促もあるので、今夜あたりハピョーウしまつ。
>>708 いやいや判ってますがなw
でもここはツンデレスレ、遠まわしの催促と受け止めさせていただきますw
710 :
703:2006/03/03(金) 11:58:59 ID:OLGUfsQo0
>>709 あなたに期待なんてしてないんだから!!
でも・・・書いたら一応読んであげる・・・
>>710マリガトw
冗長な駄作だが、夜を待たずに前半投下しまつ。
712 :
1of12:2006/03/03(金) 16:18:47 ID:cwDJlFeQ0
今日も美しいピアノの音が校舎を駆けぬけていく。
ピアノに向かった彼は、繊細な指使いと大胆なタッチで、抜けるような透明な音を奏でている。
(トオル先輩…)
智子は、それだけをつぶやくのにもかなりの努力を必要とした。
ひとつの部屋で皆の憧れの先輩と二人きり…
この高校の女子生徒ならば、10中8人までが想い焦がれるシチュエーションだ。
しかも卒業を控えて忙しいはずの3年生と。
だが智子は他の女の子より一歩だけ進んでいるのかもしれない。
いま彼が弾いている曲も、智子が後輩の誕生日のために作曲したものなのだ。
トオルはふと、智子のほうに目をやると、椅子から立ち上がりこちらへ近づいてきた。
智子の目前まで来ると前かがみになり、そっと手を伸ばしてきた。
― その手は智子の体を透りぬけ、智子の背後にあった鞄を開けた。
713 :
2of12:2006/03/03(金) 16:19:38 ID:cwDJlFeQ0
そう、すでに智子はこの世の者ではないのだ。
二ヶ月ほど前のある日曜日、月に二度ある校外練習の日だった。
可愛がっている音楽部の後輩から、出掛けに唐突に頼まれたおつかいが、
年末でごったがえす商店街を抜けるのに予想外に手間取ってしまい、智子は自転車で道を急いでいた。
(まぁったく、なんだってのよ美香のヤツ。自分で注文したものなら自分で取りに行きなさいっつーのよね。
…まぁでもかわいい甘えんぼのためだ、仕方ないかw)
そのかわいい後輩の美香が先生に事情を説明してくれているので特に急ぐ必要もないのだが、
根が真面目な智子には部長の自分が練習に遅れたということがプレッシャーに感じられたのだった。
(ふふふっ美香のヤツ、一緒に誕生日プレゼントを渡したら、どんな顔するんだろw)
予定より三日遅れてしまったが、美香のために精魂込めて作曲した楽譜。
体が勝手に急ぐのは、美香にそれを早く渡したいからかも知れなかった。
(この陸橋を越えたら交差点をあと三つ。左折・直進・直進で、すぐ左の建物。)
距離にして1kmとちょっと。健康で快活な智子には、たとえ全ての信号で止められたとしても15分もかからない近さだった。
その陸橋を降り、一つ目の交差点にさしかかろうとした時、
角にあるケーキ屋から小学校低学年くらいの男の子が智子の自転車めがけて飛び出してきた。
「あっっ!ごめなしゃ…」
間一髪で双方が身をかわした時、男の子はとっさに叫んだ。
「大丈夫?!気をつけて〜」
接触すらしなかったし自分は急いでるしで、
男の子の無事をちらっと見やった智子は、自転車を走らせながら声をかけた。
(なによびっくりしたわね、ちゃんと周り見て歩きなさいよ!ったく…
…でもあの子、「あっごめなしゃ」だって。ふふっかわいい♪)
左折しながらもう一度安否を気遣って振り向いたとき、進行方向から大きなクラクションが聞こえた。
714 :
3of12:2006/03/03(金) 16:19:46 ID:cwDJlFeQ0
校外練習場の中に入ると、もうみんな発声練習を終えて整然と並んでいた。
「(…すみませぇーん…遅刻しましたぁ…)」
誰に聞こえるかすら怪しい小声で遅刻の報告をしつつ列に並びながら、この遅刻の元凶である美香を軽く睨んだ。
(まったくぅ、美香ったら「関係ありません」みたいな顔しちゃってさ…
…トオル先輩もムッとしてるみたぁい…落ち込みぃ〜↓↓)
普段は柔和だが練習には厳しい先生の右後ろで、ピアノに向かいながら眉根をひそめているトオルの姿が見えた。
つい先日、某有名音楽大学に推薦が決まったので、ボランティアで練習に参加してくれているのだった。
ひととおり通して練習した後、先生が細かい指導をしようとしたときだった。
備え付けの黒電話がけたたましく鳴り、いままでの緊張した空気を少しほぐした。
先生が電話に出ている最中、生徒達は小声で談笑していた。
(いまどき黒電話ァ?この練習場も古っ臭〜いw)
いまどきの女子高生としては至極当然の感想を抱きながら、美香の頼まれものを渡し忘れていた事に気付いた智子は
そっと列を離れ、鞄を取りに行った。
(あの楽譜も一緒に渡してあげよう―)
小さく練習するトオルのピアノの音が、どこか物悲しく聞こえたのは気のせいだったろうか?
「皆さん…今の電話は…とても重要な…お知らせでした。」
いつの間にか電話を終えた先生は、静かに、しかし毅然として皆に注意を促した。
普段と明らかに異なる雰囲気をたたえたその口調に、自然と皆が押し黙った。
自制を失わないためか、無用なショックを与えないようにとの配慮からか―
一言、一言、区切りながら、なるべく感情を抑えたようなその口調はむしろ、
尋常ならざる事態が起こったことを伝えるに充分過ぎるほどであった。
「悲しいことですが、今日…先ほど、部長の…伊吹…智子さんが、…自転車でこちらに向かっている途中に…
トラックに撥ねられ……ッ…お亡くなりになりました……!」
715 :
4of12:2006/03/03(金) 16:19:54 ID:cwDJlFeQ0
体を失ったことが判ってから、ショックが和らぐまでさほど時間はかからなかった。
悲鳴や嗚咽が洩れ聞こえる練習場内で、下に弟妹を二人持つ長女の智子はいち早く自分を取り戻せていた。
(まったくこの子達ったら、あたしが居ないとホントにだらしないんだからっ。)
ショックのせいか原因と結果とを混同しながらも、持ち前の面倒見の良さで、智子は自分に出来ることを探し始めた。
だが体がないことがこんなにも不便だなんて、夢にも思わなかった。
美香の髪を撫でようとしても、先生に話しかけようとしても、実体の無い智子の努力は全て徒労に終わった。
とりあえずここには出来ることが無いと悟ると、自宅が心配になってきた。
(何もできなくてもいい、弟や妹の近くに行ってあげなきゃ)
そんな気分だった。どこかに、(肉親なら通じ合えるかな?)という考えがあったからかもしれない。
警察で面会を終えた家族に付き添うように自宅まで戻ってきた智子は、そのやりきれなさにしょげ返っていた。
頑固(石頭?)な父には期待していなかったが、理解があったと思っていた母にも、
ましてや感受性豊かとされる世代の弟妹にすら智子の存在を気付いてもらえなかったのだから。
716 :
5of12:2006/03/03(金) 16:20:03 ID:cwDJlFeQ0
前向きな性格、そう自分で言い切ってしまえるほど今は吹っ切れていた。
まぁ検死時の自分の「抜け殻」を見たときのその壮絶さに蘇生の望みを見出せなかったこととか、
現世の物に触れることすら出来ない、そのある種の心地よい潔さが背中を押してくれたのは幸いだった。
だが唯一心残り…というか激しく自責の念に襲われた瞬間はあった。
急な事故ゆえに二日後に行われた通夜で、美香が智子の鞄 ―事故当日にプレゼントの楽譜を入れていた― にすがり付いて
この世のものとも思えない形相で号泣していた。
(美香、みか、あんたのせいじゃないよ……
そんなに泣かないでよ… …ほら…あんたの涙がせっかくの楽譜を…汚しちゃうじゃない……ばか…)
生前、感情が無いのじゃないかと思っていた父の涙が、当たり前だと思える幸せにも驚いた。
― 視界の片隅では、うつむきながら両手を固く握り締めたトオルの姿も見えた。
初雪は智子の涙を受け止めてくれなかった。
717 :
6of12:2006/03/03(金) 16:24:59 ID:cwDJlFeQ0
事故から一月。
自宅と学校とをなんとなく行き来する以外、特にすることも出来ることもなかったし、
智子はいつ天に召されてもいいな、と思っていた。
……が……四十九日を過ぎても何の変化も無かった。
(あれれ?まさか…親不孝をしたから…じ、地獄行きぃ?)
そう思って萎縮した時も度々あった。
だが悪魔とか天使とか、かつて死後の世界で会うと聞かされたどんな存在にも逢う事は無かった。
(何よ、あたしは浮遊霊になったって…コトぉ?)
そういえばたしか、強い「未練」がある人間の霊はこの世に残ってしまうとも聞いた気がする。
(あたしの未練…って……?
…まさかッ!…トオル先…輩…っ?!)
718 :
7of12:2006/03/03(金) 16:25:05 ID:cwDJlFeQ0
トオルと智子とは、音楽部で双璧を成す音楽家だった。
声楽家の父・ジャズピアニストの母を持つトオルは、生まれ持っての才能と幼少からの英才教育で類稀なる楽才を発揮していた。
彼は両親の弟子に揉まれた事で、一人っ子の悪癖にあげられる傲慢さとか甘えとかは感じさせない少年だった。
ドイツ中世文学専攻の父とバレエで国体にもでた母との間に生まれた智子は、
秀でたリズム感と優れた音楽理論を身につけ、二年生ながら主に作曲・編曲、技術指導のリーダー格に成長していた。
二人は互いをライバルと認め、部活が終わった放課後に暗くなるまで討論することもザラであった。
二人とも純粋に音楽が好きなだけで、周囲の口さがない噂とは違って異性を意識する必要もなかった…
…と智子は思っていた。いや、思いたかっただけなのかも知れない。
快活で世話好きなので周りにいつも誰かがいる智子とは異なり、
トオルはその孤高を感じさせる風貌とあいまってごく少数の男子生徒としかつるまない。
彼に憧れる女子生徒は数え切れないほどいたが、彼女達は智子との関係を邪推したのか
トオルを遠くから見守るだけの様だった。
それでもトオルが一人のときに突撃する勇気のある娘たちもいた様だったが。
(あたしはトオル先輩とは、別に何にもないんだけどなー^^;)
彼女達の恋路を邪魔する気持ちが無いことを、近しい友人にも頻繁に漏らしていた。
(トオル先輩とは音楽の話しかしたことないし、第一、お互い意識したことなんてないわよw)
友人の冷やかしも大人ぶって笑い飛ばしていた。
……だが……
719 :
8of12:2006/03/03(金) 16:25:13 ID:cwDJlFeQ0
トオルが部活中に勇敢な女子生徒達に呼び出されたとき―
智子は彼を無意識に目で追ったりしていなかったか?
クリスマスイブの美香の誕生日に送る予定だった自作曲を、放課後トオルだけに評価してもらったとき―
それはただ美香に内緒にするためだけだったか?
放課後の二人だけの討論会中、廊下から女子生徒がトオルを待っている気配を察したとき―
知らず感じた優越感や高揚感を、無理に音楽の情熱に昇華させようとしてはいなかったか?
何度も違う女子生徒に告白を受けているのにどうして誰とも付き合ったりしないのかと、智子が友人から聞かれた夜―
自分の存在がそうさせているのかも…と風呂に浸かりながら照れたこともあったではないか。
混沌とする自分の感情をもてあましながら、この二週間ほどは音楽室にずっと漂っていた。
智子というよきライバルを亡くしたトオルは、もうすっかり引退して部活動には関係ないのだが、
智子の事故から毎日、結果的に智子の遺作となってしまった美香への誕生日プレゼントであるあの曲を弾いていた。
智子を頼れる副部長とも姉とも慕っていた美香は、あれだけ熱心だった部活動そのものに滅多に出なくなってしまっていた。
智子の死後、両親が智子に代わって楽譜を渡してくれていたが、
もう少し気持ちが落ち着くまで弾くことが出来ないからと、一時的にトオルに楽譜を預けたようだ。
(美香…あなたにあげたんだからずっと持ってて欲しかったな…)
智子はすこしがっかりしたが、美香の性格を考えると無理もないと思い直した。
720 :
9of12:2006/03/03(金) 16:25:20 ID:cwDJlFeQ0
3月3日金曜日 生徒のいない放課後―
今日も美しいピアノの音が校舎を駆けぬけていく。
ピアノに向かった彼は、繊細な指使いと大胆なタッチで、抜けるような透明な音を奏でている。
トオルは智子の背後にあった鞄から楽譜に書き込むための専用のペンを取り出すと、
ピアノの前に戻り、楽譜の1p目の上の方になにやら書き足した。
ガラガラ、と音がして音楽室の引き戸が開いた。
美香だった。
トオルは少し意外そうな顔をしたが、この楽譜を預けられたいきさつを思い出し、そっと楽譜をしまおうとした。
美香は無言でそれを押しとどめ、無言のままトオルに弾くように促した。
最初、高音部のトレモロで始まる優しい音色は、左手の温かい音色の低音部と融和して、
あまくやわらかに旋律を歌い上げる。
決して奇を衒いはしないが、飽きさせることもないその曲調は、自ら作曲した智子をすら思い出の世界に引き込んでいった。
721 :
10of12:2006/03/03(金) 16:25:29 ID:cwDJlFeQ0
思い出していたのは美香やトオルとの小さな出来事だった。
音楽部の女子生徒の間で冗談交じりでトオルとの関係を囃されると、最後に美香は
「でもホントはトオル先輩のこと好きなんじゃないんですかぁ?」
とニヤニヤしながら聞いてきたものだ。
一年前に美香たち一年生が入ってきたとき、普段なら人を苦手とか嫌いとか評価しないトオルがぼそっと
「あの美香…っていう子?あの子にはなんだか近寄りたくないなぁ…」と言ったのを聞いたことがあった。
理由は、言動が他力本願にしか見えないし、他人に媚を売っているように見えるから、とのことだった。
まぁ智子にも多少は思い当たる節があったが、当時部長だったトオルを軽くたしなめたりもした。
夏休み恒例の二泊の合宿で、毎年一年生に企画させるキャンプファイヤーが見事にグダグダになったのだが(w)、
トオルの機転で事なきを得たことも―
突然、ガダンッという大きな音と共に曲が止み、智子は強制的に思い出から引き戻された。
見ると、漆黒のグランドピアノの傍らで俯いて小刻みに震えている美香と、
椅子を足元に転がしながら驚いた表情で美香を見つめているトオルの姿があった。
俯く美香の顔の下には、小さく輝く液体があった。
美香を慰めようと右手を差し伸べた ―正確には差し伸べようとして固まった― トオルを見て、
智子はこの世に残した「未練」の正体をはっきりと悟った。
722 :
11of12:2006/03/03(金) 16:26:58 ID:cwDJlFeQ0
いつからそれに気付いていたのか、そして気付かない振りをしようとしていたのか。
そんなことはもうどうでもよかった。
トオルは美香に、美香はトオルに惹かれている。
そしてお互いに意識しながらも、共通する奥手さ故か智子への遠慮からか、ぎこちない関係になっていたのだ。
(…ふぅ…なぁにやってんだかw
これじゃあたしが邪魔だった…って訳でも無いみたいね)
幼い子を見守る親のような気持ちで、二人の距離をもどかしく思う。
(このまま銅像みたいにずぅっと突っ立ってるつもりなのかしら?
こういうときはオトコから行動するもんでしょっ)
「あっっ!ご、ごめん…」
トオルはいきなりバランスを崩し、美香を抱きすくめるような格好で謝罪を口にした。
一瞬、ビクッとした美香だが、トオルの目に浮かんだ感情を確かめると、
トオルの背中に手を回し小さく声を上げて泣き始めた。
「…うん……うん…」
美香はトオルの腕の中で何事かを訴えているのだろう、トオルの慈しむ様な相槌だけが智子には聞こえた。
723 :
12of12:2006/03/03(金) 16:27:03 ID:cwDJlFeQ0
もうすでに長くなった日が、音楽室の中にまで差し込んできている。
ひとしきり泣いて落ち着いた美香とトオルは焼けはじめた空をバックに、並んで窓際で談笑していた。
(ふふっおふたりさん、すっごくお似合いよ♪
桃色の屏風に飾られて、まるでお雛様みたい)
智子はなんとなく、穏やかな純白の光が近づいてきているのを感じていた。
トオルは、あの時よろめいた理由(ワケ)を知ることは永遠にないだろう。
美香は、もう悲しみでピアノに近づけないことも、涙でピアノを濡らすこともないだろう。
それでいいのだ。
(あたしはなんにも出来なかったけど、でもいいの。
少なくとも形見はこの世に残せたんだしね。
その楽譜、大切にするのよ、二人とも。)
消え行く視界の中で、トオルが最後に書き込んだ曲の題名がにじんでいった。
ごめんなさい、またウソついちゃいましたw
前半だけじゃなくて全部投下完了です。
いや〜ホントに無駄に長い。
全部読んでくださった皆様、感謝感謝でございます。
>>724 GJ!!
ギリギリで涙が流れるのを制した。
でも結局泣きそう(´Д⊂グスン
GJなんて言わないんだから!!
でも・・・悪くはなかったわよ・・・
こんなかんじでいいかな?www
くるおしくGJ!
いい話や・・・
728 :
俺と守護霊:2006/03/03(金) 23:22:10 ID:yJ1iYHn40
俺「金がないな」
霊「いつものことであろ」
俺「女は金がかかる」
霊「…………」
俺「セックスしてぇ」
霊「…………」
俺「……どうした」
霊「う、うまく…いっていたのだな……」
俺「俺を誰だと思っている」
霊「そなただからだ。信じられぬな」
俺「何気にひどいぞ」
霊「……では、女との付き合い方を教えてやろう」
俺「断る」
霊「…………」
俺「すごくいいコなんだ。ジャマすんな」
霊「そう…か。そうだな。すまない……」
俺「俺のためなら自分の幸せなんかいらないってさ」
霊「けなげな娘だな」
俺「そのコ、幸せになる壺を持ってるんだ」
霊「…………」
俺「そんな全人類垂涎のレアアイテムを俺に譲ってくれるそうだ」
霊「いくらで」
俺「50万」
霊「効力の割に安いな」
俺「だろ?」
霊「……はぁ……」
俺「なんだよ」
霊「これ以上、私の仕事を増やすでない」
俺「そんな嬉しそーなカオすんなよ……」
はッ?!今日はひな祭り…ココは一つツンデ霊なのろいの雛人形でも…
732 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/03(金) 23:48:02 ID:OLGUfsQo0
>>128 GJ! これからもこのシリーズ期待してます
>>728 えらく癒される。かわいいなあ……「俺」
しまった さっきのまたさげ忘れてた・・・
>>733 投下期待してますw 運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q さんのファンなんでw
もしもドラえもんがドラえもんじゃなくて守護霊なドラえもんっぽいやつだったら
の「助けてドザエモーン! ジャイアンにいじめられたよー!」
ド「ドザエモン言うな」
の「なにか道具出してよ、ドザエモン」
ド「そんなもんあるわけないでしょ、自分でなんとかしなさい。男でしょ。あとドザエモン言うな」
の「そんなのできるわけないよ、ジャイアンに勝てるわけないじゃないか」
ド「ホントに情けない子ね。勉強はできない、運動はできない、女の子のお風呂を覗く。
もう立派な変態ね」
の「変態じゃないよ、僕なりの愛情表現じゃないか」
ド「……もういいわ。とりあえず道具はあげるから、あとは自分でなんとかしなさい。えーと……」
の「ちょっと待って! 不思議アイテムをくれるのは昔からネコ耳って決まってるんだよ。
ドザエモンもこのネコ耳をつけてよ」
ド「あんた、こんなもんどこで見つけてくるのよ。それから今度ドザエモンって言ったらぶん殴るからね」
の「いいから早く!」
ド「ハイハイ……これでいいの? じゃあ出すわよ」
の「ちょっと待って!」
ド「なによ、まだなにかあるの?」
の「ネコ耳にはメイド服だよ。これぐらい常識だよ。だからドザエモンもこrftygふ」
ド「いい加減にしないとあんたを呪い殺すわよ。……それにこんなものまで……まったく」
の「わー、やっぱりネコ耳メイドは萌えるなー」
ド「呆れて言葉もないわ。それじゃ、もういいわね。あなたに出す道具はこれよ」
テケテテッテレー 丑の刻参りセット〜!
ド「これは呪いたい相手の髪の毛を仕込んだ藁人形を神社の御神木に丑三つ時に打ち付けるだけで
相手を呪い殺せるという、不思議アイテムよ。これでジャイアンをやってしまいなさい」
の「うーん、やっぱりメイドさんはいいなー。ドザエモン、明日からはずっとこれでいこうよ」
ド(この子ホントにダメな子だわ)
この時、この少年が将来ネコ耳美少女メイド型ロボット「銅鑼絵-M0N」を開発するとは誰も思わなかった。
後の「ドラえもん」である
ホントはジャイアンどうでもいいだろ!
ネコ耳つけちゃうのかよ!
メイド服着ちゃうのかよ!
ジャイアン殺っちゃうのかよ!
メイド部分ドコいったんだよ!
738 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 07:14:49 ID:/eOG8WBdO
レ プ ◆riDYjNSHkc
運動場整備部隊 ◆zR/LhJxu0Q
>>414の人
とか拉致ってミザリーみたいなことをしてみたい。
……て、
>>739さんが言ってるんだけど、どう思う?
他のお二方はともかく、アンタみたいなの拉致っても仕方ないでしょうに。
うん、まあそれは同感なんだけどね。嬉しいな、とも思うよ。
駄文書き散らすしか能が無い妄想野郎が勘違いしてんじゃないわよ。
ああ、それとも739さんを自分好みの女性の姿に置き換えて被虐的な愉悦に打ち震えてるって訳?
アンタみたいな変態はダンボールやペットボトルと違って、潰して刻んでも有効なリサイクルが
出来ないから始末に困るわね。いっそ有機肥料にでもしてくれようかしら。
……君は何故、言葉で僕を殺そうとするのかな。
鈍器や果物ナイフやバールのようなもので殺そうとしないだけ感謝なさいな。
さっさと何か書いたらどうなのよ。それしか出来ないお猿さんなら、書いて書いて書きまくってれば?w
溜まってから一気に出すのが気持ちいいんだよ。
………っ! ……あ、アンタねえ……そ、そういう下品な言い方……
自分だってその前に似たようなこと言ったでしょ? ん?
………へ……変態。なによ、ここぞとばかりに嬉しそうな顔で……
うふふふふふふふふ……うん、頑張ってカクよ。君の見てる前でカクからさ……
やめなさいって言ってるでしょ! ちょっ……ホントに…や、やめっ……!
……カイて出すとこ、きちんと見ててね?
いやああああああああああああああああああああっっ!!!
とまあ、いつもこんな感じで守護霊さんと戯れつつ脳細胞シゴいてます。
あ、守護霊さんが両手で顔を覆いながらも指の隙間から見てますね。顔が紅潮して息が荒くなってます。
でもどうしてこの部屋には窓が無いんでしょう。お医者さんに聞いても答えてくれません。ぷんぷん。
催促しちゃったみたいでごめんなさい。
思う存分溜めてくださいすいません。
743 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 22:50:52 ID:/eOG8WBdO
だれかまともなの書いてよ。
>>735のパスは何よ!
…ベ、別に落としたいわけじゃないんだからっ!
>743
すまん。
力になりたいのはやまやまなんだが、
俺のは標準にも満たない粗末な息子なんで
応えられないんじゃよ…
キーはローマ字で tundere
パスはツンデ霊をコピペ
微妙にうpの仕方を間違いたらしい…
748 :
747:2006/03/04(土) 23:31:22 ID:eC3oUruW0
男『なァ、いつまでここに居るんだよ』
霊『………オマエガシヌマデサ』
男は深いため息と共にうなだれた。
事の始まりは三日前。友達とノリで行った心霊スポットで、見事に憑かれてしまったのだ。
声しか聞こえない相手は不気味ではあるが、特にこれといった実害が無い為に
イマイチ恐さが無く慣れてしまっていた。
男『随分と気の長い話だなオイ。そうだ、お前姿現せられないのか?』
霊『…?』
男『退屈だしさ。どうせ死ぬまで憑くっつーなら、俺も顔ぐらい知っておくべきだろ?』
霊『デキル……オマエカワッテル。コワクナイノカ?』
数秒ほど間を開けて答えた霊。わずかに戸惑ったように男に尋ねた。
男『いや、何されてるってワケじゃないしさ。物とか触れるのか?ゲーム付き合えよ』
そう言って男はテレビ台の下からゲーム機を取り出した。
霊『タブン……デモ、ヤッタコトガナイ』
男『んじゃ覚えろよ。教えてやるからさ。結構面白いんだぜ?さ、姿見せろよ』
霊『ウン………』
おずおずと言う返事が聞こえるや否や、男の目の前に白いモヤが発生した。
そのモヤは段々と濃くなり、人間の形を帯びてくる。
男『おぉっ!SFみてーだな!』
さすがに驚きながらも感動の声を上げる男。
そして、ついに霊はその姿を現した!
霊『どうだ?見えるか?』
そう言って手足を確認する霊。
黒い髪は肩まで伸び、白く透き通るような肌(実際僅かに向こうが見える)。
パッチリと大きな瞳の女幽霊が現れた。
霊『どうだ?』
それまでの声はくぐもっていてわからなかったが、今は完全に普通の女の声だった。
男『見えるぞ!おまえスゴいなー。こうして見ると普通の人間と変わらないじゃん』
霊『そ、そうか?』
感心して言う男に圧倒され、霊は戸惑いながら答えた。
男はそんな霊をまじまじと見て口を開く。
男『女幽霊か……しかも結構可愛くないか?』
霊『なっ!何を言ってるのだ!』
男の発言に白い肌を紅潮させ、慌てて怒鳴る霊。
男『だって幽霊らしいって言うよりも、普通の可愛い女のコって感じだし』
霊『え?あ、あーっと………うらめしや〜』
男『古ッ!』
男は霊が苦し紛れに出した【幽霊らしさ】に突っ込みを入れた。
霊もさすがにハズしたのがわかったのか、さらに顔を紅くして俯いてしまった。
幽霊としての尊厳を傷つけられてショックだったのか、唇を噛み締めて目には涙を
浮かべている。
男はその様子を見てさすがに慌て、バツが悪くなったのか台所に移動した。
男『な、なんか飲むか?お茶で良いか?』
霊『…………』
霊からの返事は無く、男は頭をポリポリと掻いて茶を煎れた。
霊『わ、私は幽霊だぞ!それを可愛いなどと……』
ようやく少し落ち着いたのか、霊が強い口調で台所にいる男に言った。
男『悪かったよ。だって可愛いと思ったからさ。可愛いって言われんの……嫌いか?』
男は台所から戻り、自分と霊の前に茶の入った湯飲みをそっと置いて言った。
すると霊は俯いたままの紅い顔をプイっと横に逸らし、震える唇を動かす。
霊『私は幽霊なんだぞ……でも、嬉しくない訳じゃ…ない』
752 :
750:2006/03/05(日) 00:40:25 ID:c7EL1P9c0
ツンデレ度が低い……駄文失礼
「この桜を一緒に見るのもこれで最後だね」
風に舞う花弁が彼女の身体をすり抜けて――
「……もしかして泣いてるの?」
楽しげな笑みを浮かべて僕の顔を覗き込む――
「メソメソおっとこらしくないな〜、最後ぐらい笑いなさいよ」
そう言って桜の木の下を踊るように歩くその頬に――
「約束! もう二度とわたしのために泣かないで!」
流れる雫を見た気がした――
「あなたはこれからまだ生きていくのよ」
振り向いた彼女はいつもの笑顔――
「わたしはもう側にいることはできないけれど」
可愛いと言えばいつもみたいに怒るのかな――
「大丈夫よ、あなたはわたしが愛した人だもの」
あれから五年が過ぎた
君を失ってからの僕には、この世界はとても色褪せて見えていた
でも、きっと大丈夫
君がくれた笑顔を、僕はまだ憶えているから
>>754 短いのにとってもよかったお・゚・(ノД`)・゚・。
756 :
744:2006/03/05(日) 11:40:45 ID:OUPJTSOK0
DLPがtundereなら最初から書いておきなさいよ!
一生懸命コピペしたり「tunderei」とか「tunnderei」とか「tsunderei」とか打ち込んじゃったじゃないのっ!
まぁその…あ、ありがと >746-747
757 :
1of2:2006/03/05(日) 11:43:22 ID:x04lHSSn0
「……なぁ」 「?」
「………おい#」 「何?」
「いい加減背中に張り付くのやめろよ」 「え?なんでぇ?」
「おれは仕事中なんだぞ」 「邪魔はしてないわよ?」
「ぴったりくっつかれて集中なんて出来るわけないだろ#」 「でもでもぉ、まだ実体化してないよ?」
「アホか!気配だけの方が始末が悪いわ」 「ww じゃぁ実体化するね♪」
「(しまった…orz) ば、ばかッいきなり実体化するなっ!! 椅子との隙間に強引に入り込みやがって…」 「あ、ごめぇん…どっか挟んだ?」
「……いや…挟んだんじゃないけど……その……む、胸が……(当たる…)//////」 「『胸が…』? なになに、あちしの胸がどうかしたの?w」
「ちょ、お前おしつけるなっ////// ………お前わざとやってるだろ?」 「『わざと』? ん〜ふふっふ、な・に・をぉ?」
「(んっ!!)ばっかやろ、耳元で笑うな! 鼻息がかかるっ」 「(ぺろんっ)」
「ひぁっ?!」 「そっかそっかw耳が弱いんだったっけ♪」
「てめっ、仕事中だっつってんだろ!」 「だあってぇ、ちっとも構ってくれないんだもん。」
758 :
2of2:2006/03/05(日) 11:45:07 ID:x04lHSSn0
「だから仕事中だと何度も…」 「でもお話くらいは出来るでしょ?なのに話しかけても無視するから…」
「……ちょっと待て。 この前に廻した手は何だ?」 「えぇ?……さぁ、なんでしょー♪」
「話はしてやるから、とりあえず離れろ」 「ねぇねぇ聞いて、あちしってこう見えても結構器用なんだよー」
「…話を聞け# ………って!ぁあっ?! な、何を…」 「ほらほら、服だけ透り抜けて体をさわれるの♪」
「ばかてめ胸を…(ち、乳首を)触るな…ッ」 「なぁに?『ドコ』だってぇ?(クリクリ)」
「ちっ、力が抜けるゥ」 「あらら、いきなり へにゃっ って体がやわらかくなったよ?」
「書類についたばっかりの判子が顔に写っちゃったじゃないか…」 「でもでもキミの下の『判子』は硬いままだね♪」
「ひゃァふぅゥんン……」 「(ありゃまw)……女の子みたい//////」
「…んぅー……おま…ぇの……せいじゃんかぁ…」 「ごめんね? もう止めた方がイイ?w」
「…………//////(やだ)」 「聞ぃこぉえぇなぁいーww」
「……ッ……///(お、お願いしますゥ)///」 「なぁにぃをぉー?ww」
「(ガバッ!!)」 「きゃっ!?」
「(むちゅう〜)」 「(モガモガ)…ぷはっ。 ばっ、ばっかねぇw あせらないの♪」
日曜出勤で誰も居なくてよかったねw
この場には誰も居ないから、この後は判りませ〜ん。
ツンの部分はとっくに通り過ぎてデレ一筋って解釈でFA?
ごめん、♂=ツンデレ、♀=霊
>735の声優、二・三人わかった俺はもうダメですか?
762 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/05(日) 13:57:52 ID:ftNAKxMpO
>>752 俺としても激しく続きをキボンヌなのだが…
764 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/05(日) 16:31:11 ID:o/LWQ+KR0
なんか最近ハァハァメーターが上昇する傾向にあるな。
でも皆さんGJ!
765 :
752:2006/03/05(日) 16:34:20 ID:c7EL1P9c0
えーと、続きの内容は考えてたりしますので、追々書かせていただいておk?
創作文芸の方や趣味でも色々書いてるので、亀更新ですがヨロ。
エロ無いがな。
766 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/05(日) 17:01:55 ID:wqi8shTn0
乗せてください(* ´Д`)
運動場整備部隊さんとか
>>752さんを待ちつつ、基本に立ち戻ってみた。
洒落怖からの改変。
もう何年も前の話ですが。
ある男性は、絶世の美女に追い回される夢を見ました。
そのあまりの形相に、助けを求めようとしましたが、間もなく捕まって奴隷に!
自分のモノスゴイ悲鳴で目が醒めました。
ある日彼は、近所の公園の側を歩いていました。
すると、なんと夢で見た女王様にソックリな女が向こうからやって来るでは
ありませんか!
その異様な笑みに恐怖したあまり、彼は電話ボックスに駆け込み友人に電話をかけました。
女は通り過ぎました。
安堵の胸を撫で下ろし、再び歩き始めた彼。
するとまた向こうから薄笑みを浮かべたあの女がやって来たのです!
心臓は割れ鐘のように乱れ打ち、腋も手の平も冷や汗でじっとり濡れています。
しかし今度は逃げ込む場所がありません。
彼は、女の、横を、通り抜けました。
女は そのまま 通り過ぎながら 呟きました「今度はあたしが尽くしますわ」
>>770 あー、確かに初期は改変が基本でしたな。シンプルで味わいのあるのが多かった。
>間もなく捕まって奴隷に!
羨ましい、と思ってしまった俺の脳は膿んでるに違いない。
じゃご降臨をお待ちする間にもうひとつ改変もの。
友達から聞いた話で、結構ぞくっとしたのを一つ。
ある若いカップルに子供ができてしまい、
おろそうかどうしようか悩んだあげく、産むことにした。
しかし、まだ若い二人は育てることも出来ず、
相談した結果、その子を殺すことにした・・・。
二人は夜中に湖に行き、おいてあるボートに乗って
真ん中あたりまで漕いで行った。
彼女は何度も「ごめんね、ごめんね。」
と言いながら赤ん坊を湖にポチャンっと落とした。
それから何年かして、そのカップルはようやく
結婚することになった。
そして二人の間に女の子が産まれ、幸せに暮らしていた。
その女の子が4歳くらいになったある日、その子が
突然湖に行きたいと言い出した。
父親は気が進まなかったが、あまりにしつこく言うので
仕方なく親子3人で出かけることに。
湖につくと今度は「パパ、あれ乗りたい。」
とボートの方を指さして言う。
しつこくねだられ、しぶしぶボートを借りて
湖の真ん中あたりに来たところで、女の子が
「パパ、おしっこしたい。」と言い出したので、
仕方がないと思い、周りに誰もいないのを確認して
湖にさせようと娘をだっこした。
ちょうど両足を持って、二人が同じ方向を向いていると
娘がくるっと振りかえり、「今度もまたおとうさんとおかあさんの子供になるね」
連投スマソ しかも無駄にageちゃった…orz
5年くらい前夜中の2時30分頃テレビをつけたら
カラーバーが映っていて(あたりまえですが)
ああ、やっぱりこの時間は放送やってないな、寝ようと
ふと思ったその時急に画面が切り替わって
ゴミ処理場が映し出されました。そしてテロップに
NNN臨時放送と出てひたすら処理場を遠景で映し続けるのです。
なんなのだろうと思って様子をうかがっていると
人の名前がスタッフロールのようにせり上がってきて
女性のナレーター?が抑揚のない声でそれを読み上げていきました。
バックには暗い感じのクラシックが流れ
だいたいそれが5分くらい続いたでしょうか、最後に
「明日の犠牲者はこの方々です…
…逃げて……逃げて!そこからはやく!超逃げてー!!」
その出来事で2chを筆頭に至るところで祭となり、
名前を読み上げられた人は早急な避難をしたため無事だったそうです。
774 :
752:2006/03/05(日) 22:12:46 ID:hUKxqBVw0
男と霊の奇妙な生活の続き。
昨日初めて姿を見せた霊と男は自己紹介を済まし、身の上話をしている。
男の名前は吉野裕也。21歳の大学生で、アパートに一人(+幽霊一人)暮しをしている。
霊の名前は床次綾。享年17歳。江戸時代に神官の家系に生まれた巫女だったが
町民の男と恋仲になった。しかし周囲にその仲は許されず、結局何処かへ消えてしまった
男を恨んで自害。それからは怨霊となり、男に取り憑いてはその死を見て来たそうだ。
『……そりゃゾッとしないなー…』
裕也は背中に冷たい汗を感じながら言った。
『私は怨霊だと言ったハズだ。お前が死ぬまで憑くともな』
当然のように言い、ズズっと少々ぬるくなりかけた茶をすする綾。
『ふーん…でも、俺に物理的な実害は与えないんだろ?』
『あァ。しかし、大体の者は気が触れて自殺しているな。憑いている事は度々本人に伝える』
『まァ見えない所で声がするっつーのは恐いわな。謎だとか未知だとか、正体不明な
モンに人間は弱いだろうから。あ、新しいお茶いるか?茶請けもあるけど』
裕也は空になった自分と綾の湯飲みを盆に乗せ、台所に移動する。
『あのな……私にはお前のその態度が不可解だ。なぜ私を恐れない?』
綾はゆったりとした白装束の袖をガバッと逆立たせ、いらだった様子で床を叩いた!
『あ、バカ!下の部屋の人うるせーんだから床叩くなよ!』
『あ…う……す、すまん』
いきなり強い口調で怒られ、しょんぼりとする綾。その周囲はずーんと暗くなり、
どこから出したのか人魂まで浮いている。
775 :
752:2006/03/05(日) 22:15:08 ID:hUKxqBVw0
(ったく…しょーがねー幽霊だな)
落ち込む綾の様子を見て裕也は苦笑した。ヤカンに火をかけ、茶請けを出そうと棚を開ける。
『あ、クッキーしかねーや。綾は江戸時代生まれって言ってたけど…食うのかな?』
そんな疑問を浮かべて裕也は台所のカーテンから顔だけを出す。
『おーい……ってまだ落ち込んでんのかよ』
先ほどよりも一層暗さを増した雰囲気の綾にため息をつく裕也。
『放って置いてくれ……所詮は低級霊。人に恐れられないだけでなく、よもや叱られようとは…』
そう言って後ろ向きの体育座りをする綾。気づけば人魂も増えている。
(あっちゃー…落ち込む幽霊に憑かれてる俺って…)
浮かびかけた若干の情けなさを無視し、裕也はクッキーの箱を取り出した。
『もー怒ってねーから。な?それよりも綾、お前クッキー食べられるか?こんなモンしか
なかったんだけど、食えなかったら何だからよ…あれ?うわあっ!』
裕也が言い終わるか終わらないかの内に綾の姿が消え、突然裕也の目の前に姿を現した!
『く、くっきぃか!?わ、私も食べて良いのだな?裕也、男に二言は無いな?』
『お、おう!』
ガラリと態度を変えて興奮気味にまくし立てる綾に圧され、裕也は裏返った声で返事をした、。
『嗚呼…早く茶が沸かないだろうか。裕也、何か手伝う事は無いか?』
長く生きている中で、綾は当然現代の食事や菓子に興味を持っていた。
しかしそこは幽霊、想いを馳せるだけで口にした事は無かった。
『あーっと…とにかく静かに待っててくれ。用意すっから』
『大人しく待てばよいのだな?わかったぞ♪』
そう言ってニコニコ顔でチョコンと正座をする綾。
先ほどまでの暗さや人魂は消え、ほのかに輝いているように見える。
裕也は簡単なことに気づき、湯気を立てるヤカンに近づき小さく笑った。
綾は幽霊ではあるが、17歳の女の子に変わりは無いのだという事に。
776 :
752:2006/03/05(日) 22:16:54 ID:hUKxqBVw0
ツンデレ路線じゃねーな…
スレ違いになりそうな悪寒。
重ね重ね駄文スマーソッ
>>776 駄文だなんてとんでもない、重ね重ねGJ!
>>776 GJでやんす!!
俺のなんかよりずっと読み易い
>>777 い〜なぁ〜スリーセブン…
もうちょっと早く気付けば…orz
779 :
752:2006/03/05(日) 22:34:30 ID:hUKxqBVw0
>>777フィーバーッ
ありがとうございます。
次回また後日、投稿(?)させていただいた時に読んで貰えたら嬉しいです。
どもっ!
780 :
777:2006/03/05(日) 22:47:56 ID:4nkNbObf0
>>778 レス番号も見ず書き込んだ後すぐ消しちゃったんでわかんなかったw
>>779 こちらこそありがとうございます。
楽しみに待ってます。
781 :
1/4:2006/03/06(月) 00:59:45 ID:Qc4wGz1J0
電話のベルが鳴る。
この場――四畳一間の殺風景な部屋――には異質な、禍い気配。
「わたし、メリーさん」
昨日から、電話越しに聞いていた、刃物のように鋭利で、花のように可憐な声。
…その声の主がどんな人なのかって、想像したりもした。
というか、電話をかけたのはこっちだ。 噂を信じて、やってみた。
「今、ドアの前」らしい。 楽しみだ。 ……楽しむのは間違いかもしれないけど。
「―――――今。 あなたの、後ろにいるの」
背後から視線を感じて、咄嗟に振り向いた。 …彼女の顔が、見てみたかったから。
「……………な」
白く、まるで雪のような肌。 肩まで伸びた、漆黒の髪。
そして、人形のように整った顔。 その表情からは、何ひとつ読み取れない。
……ただ、目だけは違う。 カエデのように紅いその目からは、明確な殺意が感じられた。
着ているのは、黒のドレス。 とてもよく似合っている。
どこをとっても、完璧と言っていいくらい、美しかった。 ……右手にもつ大鎌が、どこかアンバランスだが。
男として。 こんなキレイな子に殺されるなら、本望だろ。
平々凡々に、病気かなんかで死ぬよりずっといい。
……なんてコトを考えていると、彼女がその小さな口を開いた。
「…私に殺される前に答えて。 何故、自分から電話を掛けたの?」
「すごいキレイな子だって聞いたから、掛けてみた。 ここまでキレイだとは思わなかったけど」
…僕がそういうと、彼女は僕をぎろり、と睨みつけた。
「笑えない冗談はいいわ。 …そんな、ちっぽけな理由で自分の命を掛ける人間なんて、見たことないもの」
…ジョークだと思われてるらしい。 心外だなぁ。
「価値観っていうのは、万人共通ってわけじゃないからね」
「…そうね。 あなたの価値観は、普通の人間とはかけ離れているわ」
嘘じゃない、と納得してくれたらしい。 呆れているようだけど。
「ところで。 少し、話をしないかな? 自省の句、ってやつだと思って」
こくり、と頷く彼女。 それが、彼女のイメージと重ならなくて、ちょっと笑ってしまった。
782 :
2/4:2006/03/06(月) 01:00:27 ID:Qc4wGz1J0
「…なにが、おかしいの?」
「いいや、なんでも。 それじゃあ、お近づきの印にこれを」
冷蔵庫まで歩いて、ヤクルトを取り出す。
「…いらないわ」
差し出すも、払いのけられた。
「……おいしいのになぁ、ヤクルト。 うーん…いちご大福食べない?」
戸棚から大福を取り出す。 賞味期限はまだ大丈夫だ。
「いらないって、言ってるでしょう」
またも払いのけられる。 …こまったな、もう女の子にあげるような物がない。
「ああ、もううまい棒しかないね。 僕まじすげぇひでぇ劣悪なる環境下」
「さっきから、しつこいわね。 …何が目的なの?」
……目的もなにもない。 僕は、ただ――――
「君の笑顔が見てみたい、かな」
その凍った表情を、溶かしてあげたいだけなんだ。
だって、だってさ。 誰からも怖がられてて、ずっとひとりでいる。 それは、何よりも辛いことじゃないか。
その苦痛は、彼女にしかねぎらえないものだ。 けど…彼女だって、僕らと同じで感情を持っている。
……だったら。 僕ひとりでも、彼女の苦痛をねぎらってやりたい。
だって、誰からも理解されないなんて。 …そんなの、虚しすぎる。 哀しすぎる。
「恩を着せがましいわね。 …気持ち悪いわ、そういうの」
「うん、そうかもね。 ……でも、本心だよ。 君の笑顔が見てみたいって言うのは」
思っていることが、すぐに口から出てしまう。 …ああ、恥ずかしいな。
――――――たぶん。 僕は、彼女に惚れている。 これ以上ないってくらい、首っ丈に。
「食べれないってわけじゃないなら、食べてよ。 最後の頼みだと思ってさ」
「…食べ物を食べるバケモノなんて、いないわ」
……その発言に、なぜか、かちんときて。
「君は、バケモノなんかじゃ、ない…!」
…自分の口から出たとは思えないくらい、力強かった。
783 :
3/4:2006/03/06(月) 01:01:04 ID:Qc4wGz1J0
「……君は、さびしくないのか? バケモノと罵られて、恐れられて」
「さびしくなんか……ない」
その声は、なぜか震えていて。
「―――――いいや、嘘だね」
それが強がりだって、僕にもわかった。
「……わたしは、罵られて当然だもの。 何人も死に追いやった、バケモノなの……!」
自分をバケモノという少女の、悲痛な、叫び。
「君は、バケモノなんかじゃない。 そんなキレイな顔したバケモノ、いるもんか。
……何よりさ。 そんなさびしそうな顔したヤツが、バケモノであるはずないだろ」
子供みたいな理由だけど、一種の確信があった。
「でも……わたしは……」
「覚悟が出来てるやつ殺したって、罪じゃないだろ。 逆に遊び半分で呼ばれても、僕なら怒ってそいつら殺すね。
だから、君が僕を殺したって、僕は恨まない。 だって、悪いのはこっちなんだからさ。
――――――――そういうもんなんだろ。 誰かを殺した苦痛は、君にしかねぎらえない」
……冷たい言葉。 だけどこれは、誰かが言わなきゃいけないことだと思う。
「だけど、苦しみは分かち合うことができる。 …だから、僕に少しでもその苦痛を、共有させてほしい」
「……あなたは、わたしとなんの関わりもないじゃない…」
「関わりって、最初からあるものじゃないだろ。 少しずつ少しずつ、作ってくものだ。
あは、こんなこと言う理由は簡単なんだ。 僕は、君に惚れてる。 …それだけだけど、命を掛けれる」
…きょとんとしている彼女が、愛しくなって。
「もういちど、言うよ」
息を、強く吸い込んで。
「君は、バケモノなんかじゃない」
―――――そういって、つよく抱きしめた。
784 :
4/4:2006/03/06(月) 01:04:37 ID:Qc4wGz1J0
「……あなた、ばかよ…」
「そうかな。 普通の男なら、君をバケモノだなんて思わないよ」
「………ほんとに……ばか……!」
――――そんな風に強がる彼女が、どうしようもなく、愛しくて。
「あぅ……!」
彼女が痛がるくらい、つよく抱きしめた。
「ずっと、そばにいるから。 君が迷惑だって言っても、そばにいるから。 …約束だ」
「やく、そく……?」
「ああ、約束だ。 命、掛けるよ」
…この胸の中の少女を、少しでもいたわってあげたい。
そんな表情のない顔しないで、笑っていてもらいたい。
――――――でも、ほんとは、そんな高尚な理由じゃなくて。
ただ、そばにいて、君の笑顔を見ていたいだけなのかもしれない。
そんな僕の心を見透かすかのように、彼女はこう呟いた。
「……約束、守ってもらうからね」
そんな強気な態度も、また彼女らしい。
「うん、よろこんで」
――――――僕がそういうと、彼女は。 花咲くように微笑んだ。
彼女 「あ、ちゃうちゃう!」
俺 「んー? あー、ちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうよ」
彼女 「えー、ちゃうちゃうちゃうの?」
俺 「ちゃうちゃうちゃうね」
彼女 「むー、やっぱりちゃうちゃうやってー」
俺 「ちゃうちゃうちゃうって」
霊さん「あのさ、ふたりだけで盛り上がらないでくれる?」
彼女 「あ、背後霊さん! ね、あれちゃうちゃうやんな!」
俺 「だから、あれはちゃうちゃうちゃうって」
霊さん「ごめん、あんたたちがなに言ってるのかさっぱりわかんないんだけど」
彼女 「ちゃうちゃうの話だよー」
霊さん「チャウチャウって犬のことでしょ? さっきからなに犬の名前連呼してんの?」
俺 「ちゃうって、ちゃうちゃうじゃなくてちゃうちゃうやって」
霊さん「チャウチャウじゃなくてチャウチャウ? チャウチャウはチャウチャウでしょ」
俺 「だから、ちゃうちゃうはちゃうちゃうちゃうんやって」
霊さん「あーもう、チャウチャウうるさい!」
彼女 「背後霊さん、なに怒ってるの?」
霊さん「あんたたちと話してると、それだけで疲れるわ」
俺 「なんで? 霊さん面白いなー」
彼女 「おもしろいなー」
霊さん「あんたたちに言われたくないわ」
そんな日曜日の昼下がり
>>786 それって、このスレの人?
URLくれるとすっげぇ嬉しい
>>785 それってたしか何かの漫画にあったようなww
>>786 ごめん把握。
メリーさんって単独スレあったんだな、知らなかったよ。
まとめサイトあるみたいだし、今から読んでくる
民主霊 「一応謝ってあげるわよ! でもメールがニセモノと決まったわけじゃないんだからね!!」
急な仕事で彼女とのデートをすっぽかした。
泣かせた。
最悪。
とりあえず、ツンデ霊を召喚して心を癒します。
…
何で、こんなことするのかですって?
愚問よ、それは。
あなたは私のもの。ただ、それだけ。
なによ、その目は。悲しいの? 苦しいの?
あなたは永遠に私の虜なのよ
…
僕は死んだ。
原因はある日届いた、ひとつのビデオ。真っ白いビデオテープ。ラベルも何も貼っていない。
差出人は不明。説明も何もない。ただ、百合の花が一輪添えられていた。
僕はあまりにも無知で、それでいて愚かだった。興味本位でビデオテープを再生させた。ポルノビデオだと嬉しいな程度にしか頭が働かなかった。
再生すると、30秒ほどのノイズ。不快な砂嵐の音。消そうかと思ったところで、井戸の描写。
じぃっと見ていると、なにか念仏のようなものが聞こえる。気味が悪かったが、僕はそのまま見続けた。
井戸に変化が現れる。女が這い上がってくる。そして、僕をみて言った。
「ミツケタ」
それから、僕は頭の中が真っ白になった。気がつくとビデオを壊していた。中にあるテープも取り出すことなんて出来はしない。
のろいのテープ。そういえば、そんな映画や小説がはやったっけ。フィクションだと自分に言い聞かせた。
だが、一週間後、彼女が迎えに来た。
だから、こうして僕はここにいる。
彼女の遺体の眠る場所。暗い井戸の底。
僕が死んだとき、僕は自分の遺体をみた。あまりにこっけいな顔をしていた。恐怖の張り付いた顔。
他人のものなら、怖かったろう。だが、自分のものは意外とそうでもない。その間抜けな顔に僕はひとしきり笑った。
「どうして、ビデオを壊したの?」
彼女が言う。
僕は虚勢を張って言ってやったよ。
「僕一人が犠牲になるだけで終わるんだろう?」彼女はちょっと意外そうな顔をすると、
「このテープは一本だけじゃないのよ」だってさ。
「とんだ、無駄死にね。あなた。英雄気取りだったのかしら」
もちろんそんなつもりはない。動転して、ビデオデッキごと壊しただけさ。
悔しいから言わないけどね。
それから、僕は彼女と行動を共にしている。
気がついたんだが、どうやら、ビデオテープは複数あっても、再生しなければ、彼女は影響を与えられないらしい。
大方の場合、ビデオテープは捨てられているようだ。当たり前だ。無用心なのは僕みたいな思春期の男くらいだろう。
だから、彼女のそばには僕一人だ。
「君は貞子?」僕は前から疑問に思っていたことをたずねる。
「ふん、違うわよ。彼女よりずぅっと後に産まれたものよ」どうやら違うらしい。
「他にも僕みたいな犠牲者っているの?」「いないわ。おめでとう、あなたが私の犠牲者一号よ」…なんとも名誉なことだ。
僕は彼女と共にビデオテープが再生されるのを待ち続けていた。
結局、再生されることなく、多数あったテープは破棄され、最後の一本だけになってしまった。
そして、それはある男性の家に届けられていた。
その男性は…再生させた。
…
30秒ほどのノイズ。
…
不快な砂嵐の音。
…
井戸の描写。
…
念仏。
…そろそろ彼女の出番だ。
だが、僕はその男性の部屋に写真立てがあるのに気づいた。
子供と奥さんを前にした幸せそうな男性。
(やっぱ、いけんな、こんなこと)
僕は井戸から這い上がった女を追いかけた。
今まさに上りきろうとしている彼女を捕まえ、こっちを振り向かせた。
怒りの表情を浮かべる彼女に僕は…
キスをした。
男性は井戸が延々と写り続けるだけのビデオを停止して、そのままゴミ箱に捨てた。
「な、なにするのいきなり!!」スパンと頬をはたかれる。
霊体も霊体同士なら、殴れるものなのかと妙に感心する。
「何でこんなことするのかですって?」
「な、何で、こんなことするのか? 愚問よ、それは」彼女は少なからず、動揺しているようだ。
気づいていないだろうが、彼女の指は僕の唇の感触を確かめるかのように己の唇をなぞっている。
「なぜ、僕はいつまでも君のそばにいるのか考えてみた」僕は彼女の瞳を見ながら言う。
「あなたは私のもの。ただ、それだけ。思い上がらないで」顔が高潮している。怒っているというよりも、これは。
「なによ、その目は。悲しいの?苦しいの? ふん、あなたは永遠に私の虜なのよ」そっぽを向く。
「じゃ、僕はずっと君のそばにいられるんだね?」
彼女ははっと僕に振り向く。
「僕がそばにいてあげるよ。君が満足するまで。そして、成仏して、その先が地獄だったとしても」
実はこれ、本心さ。彼女はきれいだった。そして、はかなげだった。
他人を見つめるその瞳の奥には暗い情念がくすぶっているが、僕はその奥に深い悲しみの光を見た。
僕はそれを癒してあげたくなったのさ。
…まぁ、哀れみといってしまえば、それまでだが。
「か、勝手なこといわないでよ。私はあ、あなたなんか…」まだ、ちゃぁちゃぁ言うか。
「む、むぐっ」唇をふさいでやる 。やさしく。
「な、な、に、、ん、ふっ…」僕は彼女の体を優しく抱きしめる。いつしか、彼女は瞳をつぶっていた。
体を離す。
「僕が、君のそばにいる」静かに、だけど力強く彼女の耳に届ける。
「ば…馬鹿…」彼女は俺の胸に顔をうずめて嗚咽を漏らす。
ここは暗い暗い井戸の底。彼女の体が眠る場所。
僕はここで彼女と二人きりで墓守をするのだ。
…僕は彼女の永遠の虜さ…
自分の文章読み直して、最後の部分、変な箇所があることに気づきました。
すいません、
>>「な、なにするのいきなり!!」スパンと頬をはたかれる。
>>霊体も霊体同士なら、殴れるものなのかと妙に感心する。
>>「何でこんなことするのかですって?」
の、「何でこんなことするのかですって?」は「なんでこんなことするの?」の誤りです。
失礼しました。
…自分、今かなり動揺してます。
すいませんでした。
いえいえ、GJでしたよーっ
>>797 GJ!
訂正部分の言葉は、聞かれたのを返したのかと思った。
おぉ〜たまねぎさんだノシ
唇の描写GJ♪
>まだ、ちゃぁちゃぁ言うか。
これはドコの方言ですか?なんかワロタw
>>792 彼女のフォローを優先しなくて大丈夫なんですか?
>>798さん、
>>799さん、ありがとうございます。
>>800さん、心配ありがとうございます。
えと、自分、いま何言えばいいのか、さっぱりあたままわなくて。
ちなみに、「ちゃぁちゃぁいうな」は「がたがたいうな」とか「ぶつくさいうな」とかで使うように、しゃべるのを黙らせるとき使います。
広島でつかってましたから、たぶん広島弁なんでしょう。もしかしたら、母校でだけ通じる言葉かもしれませんが^^;
>>801 ほんじゃま、
「ここで駄コテの機嫌なんか取ってて何が楽しいわけぇ?
ちゃぁちゃぁ言わずに彼女に連絡取ってきなさいよ、馬鹿ねぇ…
…ちッちがっ、あんたの心配なんかしてるんじゃないんだから!!
…彼女…そう彼女がかわいそうだから言ってるに決まってんでしょ!!
たまねぎだからって人を泣かしていいと思ってるの?!」
>>802さん、すいません、ありがとうございます。
まじで涙出てきました。電話してきます
いってらっさ〜い^^ノシ
自分が程よいツンになるのは経験が必要だよね。
たまねぎさんはいまごろ彼女にたっぷりとデレを味あわせてあげてるのかなw
さて、馴れ合いとかウザイとか言われるのも悔しいので小ネタ投下。
「へぇ、こっちの世界にも街があるんだ。」
「当たり前だよ、ええと…ユウジ君…だったっけ?」
事故であっけなく死んじゃったボクは、担当の案内人にガイドをしてもらっている。
「なんだか騒がしいね」
「君の乗った飛行機が墜落したから、来客が多かったんだ。
でもまぁ明日になれば静かになる。君の落ち着く先もすぐに決まるさ」
彼の話によるとこちらでは、最初の一年はこの街で共同生活を送りながらこっちの世界に慣れる事になっている。
その後、輪廻の道か涅槃の道かに判れる予備教育が行われるとの事だ。
一年後どちらの道に行くかは、生前の行い・死に方と、こちらの一年間での実績によって決まるらしい。
利他的な行動は煩悩の無い涅槃の道へ、利己的な行動は修行のため輪廻の道へ行く。
案内役の彼も、新人のガイドをボランティアでやっているんだとか。
それにしてもひどい混雑だ。まるで渋谷のセンター街の様だ(行ったことないけど)。
ボクの逢った事故だけじゃなく、昨今のたくさんの事件・事故・災害なんかで、
この街の人口はかなり膨れ上がったらしい。
案内役の人は慣れているようで身軽にすいすい歩いていくが、
実体のない行動には慣れていないボクは、彼を見失わないようにするだけで一苦労だ。
“ドシン!!”
何かが左足に、後ろから勢いよくぶつかってきた。
見ると、小学校に上がりたてくらいの金髪・碧眼の女の子がおびえた目で見上げている。
「キミ、どうしたの?」
「…………」
迷子かと思って話しかけてみたが、無言で胸にかかえた人形をきつく抱きしめる。
まぁ案内人がいないとボクも同じ迷子なんだけど……あれ?案内人がどっか行っちゃった…。
「キミも迷子なのかな?お兄さんも迷っちゃったんだw キミの案内をしてくれるひとはどこにいるの?」
「…………」
ボクの頼りない苦笑いで、女の子は若干さっきよりも警戒心を解いてくれたみたいだが、やっぱり無言のままだった。
この世界では言葉は通じるはずだ。現にボクの案内人だって黒人だったんだし。
ボクは案内人が戻ってきてくれることを期待したが、この混雑ではぐれてしまったらそれも難しいだろう。
この子にも案内人もいる筈だから、あわよくばついでに案内してもらおうかなw
「キミもはぐれちゃったのかい?」
「…………」
なるべく優しい声で話しかけたつもりだったが、女の子は無言の鎧を脱がなかった。
しばし見詰め合ったあと(といってもボクは薄ら笑いを浮かべてただけだけど)、
女の子は初めて重い口を開いた。
「………ミラ……」
「ミラ……ちゃん…? ミラちゃんって言うの?」
聞き返すと、女の子は小さくうなづいた。だいぶお近づきになれたみたいだw
やっと心を開いてくれた♪…などと思う間もなく、彼女は真剣なまなざしで唇に人差指をあてがった。
「……こっち」
いきなり踵を返したミラ…(ちゃん)はボクの手を引いて駆け出した。
「えぇっ?!」
「………うるさいっ…」
思わず驚きの声を発したボクに軽く睨みを利かせながらそういうと、
ミラちゃんはまたボクの手を引いていく。
仕方なしにボクはついていくしかなかった。
しばらく歩いていくと、かろうじて人ごみを抜けたところにこぢんまりとしたレンガ造り(風)の家があった。
それはうすい空色の土台に建っており、連なる他の建物や家よりもかわいらしく見えた。
ボクの手をとって歩いていたミラちゃんは、ボクの手を更に強く引っ張ると、
その家の、古めかしくも威圧感は感じさせない扉を開けた。
「ママぁ、おにいちゃん……連れてきたの!」
扉を開けてすぐ、奥に見えた母親らしき影にそう告げるミラちゃん。
「…おにいちゃん、入って」
なぜかさっきの仏頂面とはうってかわって、はにかんだような満面の笑顔でボクに中に入るように促す。
「う、うん…」
なんだかよく判らないながらも勧められるまま家の中に入る。
こぎれいでシックな内装は、ここが死後の街だという事を感じさせないものだった。
「あらあらまぁまぁ、ミラったらもう」
穏やかで人がよさそうな上品な笑顔をたたえながら、母親らしき人が応接室(?)に入ってきた。
両手でティーセットの乗ったシルバーのトレイを持っている。
「どうもどうもすみませんねぇ」
テーブルにトレイを置きつつボクを見やりながら、なんだか嬉しそうに女性は言った。
母親といってもかなり若い。大学卒業間近で死んでしまったボクと大差ないようにも見える。
ミラちゃんが6歳だとすると、10代で産んだのかな?
「ママ、今日からおにいちゃんと一緒に暮らそ?」
そう嬉しそうに話すミラちゃんは、街中であった時とは全く違う態度だw
「まぁまぁ、ミラったらw えぇと…」
「あぁ、ユウジと言います。今さっきこの街についた所で、街で案内の人とはぐれちゃったんです。
そしたらこのミラちゃんがボクを連れてきてくれて…」
ボクは軽く説明をした。ボクが話している間じゅう、ミラちゃんは嬉しそうに足をぴょこぴょこさせているw
ごめん、やっぱおれ遅筆だわorz
続きは深夜になりまつ……
当然ながらスルーしてくだちい
楽しみにまってますよ。
読むのは明日ですがorz
>>797 GJ!
貞子って映画じゃバケモノみたいに描かれてるけど、原作では大分カワイイんだよなあ。
「らせん」ではツンツン、「レモンハート」ではデレデレ。
鈴木光司はツンデレを分かってらっしゃる。
>>801 私も広島出身だから、その言い回しには聞き覚えがある
ただ、親が言ってたのは「やぁやぁいいんさんなや」という言い回しだったな
地域差か何かがあるのかもしれんが…
>805-808
私も楽しみにしてますよ。
なんか、ミラちゃんが『ダビデの心臓』に出てきた娘と似ている気もしますが……。
ボクが自分の話を終えると、「おにいちゃん♪」といってミラちゃんが呼びかけてくる。
本当にさっきのツンケンさはなんだったんだ?さっき逢ってから一時間と経ってないぞ?
でもまぁ好かれているなら悪い気はしないな。
ミラちゃんの呼びかけになるべく優しく答えていると、誰かがさっきの扉をノックもせずに開け放った。
背中を向けていたボクは、扉を開けた主を見るより早くミラちゃんの豹変振りを目の当たりにした。
生気にあふれていた表情は瞬時にこわばり、ボクの方に向けていた顔をぷいっと背けると
またあのおびえるような、見様によっては感情を押し殺しているような顔に戻り、
ティーカップを持って穏やかに座る「ママ」の椅子の後ろにさっと隠れてしまった。
来客は完全に眼中にないみたいだがボクの方を見るでもなく、その目は虚ろに床を見ていた。
来客は隣人らしかったが、「ママ」に隣家にも新しい同居人が増えた報告をしに来たようだ。
扉から中に入ってくるようなそぶりは見せず、「ママ」の方も特に構わず聞いていた。
良くある世間話も交えて、隣人が帰るまで5分もなかっただろうな。
だが隣人が扉を閉めて帰っていっても、ミラちゃんはしばらくそのままの格好でいた。
ちょっと混乱したボクは「ママ」に状況を説明してもらおうと「あのぉ…ミラちゃんって…」と言いかけた。
すると呼ばれたと思ったのか、いきなりまた「おにいちゃん!!」と叫んで飛びついてきた。
なんじゃそりゃw
戸惑いながらなでなでしてあげると、ほんのり赤くなりながらもじもじしている。
すこしうちとけた気がしたので、ミラちゃんをあやしながら色々と聞いてみた。
まず、「ママ」はミラちゃんの母親ではなかった。
この街では(当たり前かも知れないが)家族そろって来る方が珍しいので、
先に来た人が後から来た人と暮らして色々なことを教えるのだそうだ。
その女性―ジュディさんという―は三ヶ月ほど前、ある事情で死んだという。ボクにその事情は教えてくれなかった。
元気な頃は保育士として働いていたし身内にも幼い子供が多くいたので、ミラちゃんを同居人と決めたようだ。
言われてみれば、その物腰は母のそれというより子供慣れした近所のお姉さんという感じだな。
年はボクより二つ上。ボクが言うのもなんだが、まだ若いのに…と不憫になった。
ミラちゃんのことは…じつはジュディさんも良く知らないらしい。
一ヶ月ほど前に例のボランティアで街中に出たところ、鼻息荒く「おにいちゃん」を探している少女を見つけた。
この街に来る前の記憶や「おにいちゃん」の名前などを聞いても全く答えず、ただただ「おにいちゃん」を探していた。
頼りなげに「おにいちゃん」を求めるのではなく確信を持って探すその様に、
理由は判らないが「おにいちゃん」がこちらに来るのはそう先のことではないだろうと思ったという。
だが一ヶ月一緒に暮らしてみて、どうやらその「おにいちゃん」は実在しないんじゃないかと思い始めていたらしい。
毎回話す描写がちがっているし(背丈とか)、ありえないほど多くの兄との出来事を語る。
そのくせ他の家族のとの出来事はまったく答えようとしない。
毎日街に立って「おにいちゃん」を探すらしいのだが、だれかに声を掛けるでもなくうろうろしているだけ。
確かに、兄が実在するなら似たような年恰好の若者に興味を示すだろうとボクも思った。
だからきっと、幼い子がよくする「見えないお友達」の兄バージョンだと思って、
最近では一緒に行っていた兄探しに、ミラちゃん一人で出掛けても放っておいた。
そうしたら今日に限ってふらっと出て行くのではなく、「今日、おにいちゃん来るね!」といってスパッと飛び出して行き、
ものの10分ほどでボクを連れて戻ってきたんだそうだ。
なるほど、それでジュディさんが突然の来訪者にお茶なんか用意しているのか。うむ、このお茶は旨いw
きっと家庭が非道かったのねぇ、とジュディさんが切なそうに付け加えた。
劣悪な家庭環境からの現実逃避で「優しいおにいちゃん」に憧れているんじゃないか、と。
最初6〜7歳かと思ったが、実年齢はもっと幼いようだ。やっぱ欧米の子は大人びて見える…orz
「ここでの一ヶ月で楽になったのか、ホントに予感がしたのかは判らないけど、
あなたが同居すればミラも喜ぶと思うんだけど…部屋は心配しなくてもいいから…どうでしょうね?」
案内人とはぐれて右も左も判らないのだから断る理由があるはずもないw
むしろこっちからお願いしようかと思っていたくらいだ。
ミラちゃんはと見ると、自分の話題にはまったく興味を示さなかったくせに今は輝いた目でボクを見る。
小さな手でボクの腕を握り、頬にも赤みが増しているみたいだ。
「ええ、もしお邪魔でなかったら…」
そう答えるや否やミラちゃんの小さな歓声が上がり、彼女はボクの腕をつかんだまま何度も跳ねた。
ボクとジュディさんにしか心を開かない女の子と、穏やかで面倒見のいい年上の女性。
こうしてボクの死後の街での生活が始まった。
だめだぁ…orz
最初は3レスくらいを目標にしてたのに、無駄にディティールに力を入れてしまうゥゥゥ…
才能ないなぁはっはっは…
>>813 ちょっとググって見ましたが、書評じゃあんまり判りませんでした。
>それは、どことなく不気味な色を帯びた現実味のない物語だった。
>──ソロモンの血を引く<ダビデの心臓>を持つ者は、
>一週間以内に同じ<ダビデの心臓>を持つ者の心臓を喰わなければならない──
>西洋人形のようなミラという女の子はそう告げると、
>日本刀と鋭い爪が付いた鉄の手袋を僕に渡したのだった。
>この時から世界は僕の敵になった──。
>現代に甦る異端の神話、登場!
コレ↑ですよね?
もし万が一中身がそっくりだったらどうしよう…
ちなみにミラの名前は、じょぼびっち(+ミレレイ少しw)です。
>>810 ポン介さんノシ
公ぽん&霊ぽんの次の話はまだかな〜っとw
818 :
813:2006/03/07(火) 01:56:57 ID:g+FEDXla0
はい、それで逢ってます。
まぁ、中身は全然似てないので安心してください。
只、ミラちゃんが心臓の方のミラちゃんと雰囲気が似ている気がしたので……。
あれからどれくらいの時が流れたのだろう
見えるのは白い天井、聞こえるのは微かな機械のノイズ
変わらない日々、変えることのできない現実
「ああ、今日はいい天気。風が気持ちよさそう」
いつの間に現れたのだろうか
窓際から聞こえてきたのは女の声、視界の隅で揺れるカーテン
「……毎日毎日暇なやつだな」
「あなたの代わりに外の様子を見てあげてるんじゃない、感謝してよ」
女はひとしきり窓から見える風景を語り、いつの間にか消えている
今の私がどれだけ望んでも得られぬもの、失くしたものを女は持っている
あれからいくつの季節が巡ったのか
「あら、今日はいつものお爺ちゃんがいないわね。どうしたのかしら」
「なあ、頼みがあるんだ」
ある日生まれたひとつの決意
ここから抜け出す方法
「……やめた方がいいわ、きっと後悔する」
「今より後悔することなんて、どこにもないさ」
「……そう」
そして静寂が訪れる
目覚めた私は、そばに横たわる私自身に別れを告げて、ゆっくりと窓にかかったカーテンを開く――
そこにはただなにもない世界が広がっていた
そして私はすべてを失った
>>819 こういうの好きだなー
次回作も待ってます。
>>789 は?
あきらかに盗作だろ?
白々しい嘘つくのやめたら?
と、思いがけないところで良作が再び読めたことを
素直に喜べないツンデレちゃんが申しておりますw
824 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/07(火) 16:58:48 ID:nn+I/2FJO
アゲ
>819
何か某コピペみたいな話だな。
>>826 やあ (´・ω・`)
レスありがとう。
>>819のレスはインスパイアされたものだから、まず落ち着いて読んで欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このレスを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「既視感」みたいなものを感じてくれたと思う。
某小説に某コピペを組み込めば面白いお話が書ける、そう思って
このレスを書いたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
それなんてコピペ?
某小説&某コピペって判んないよ…誘導かコピペしてよ
>>828 某コピペは↓
―――――――――――――――――――――――――
ある病室に2人の末期ガンの患者が入院していた。 一人は窓側のベッド、もう一人はドア側のベッド。
2人とも寝たきりの状態だったが、窓際のベッドの男は、ドア側のベッドの男に窓の外の様子を話してあげていた。
「今日は雲一つない青空だ。」「桜の花がさいたよ。」「ツバメが巣を作ったんだ。」
そんな会話のおかげで、死を間近に控えながらも2人は穏やかに過ごしていた。
ある晩、窓際のベッドの男の様態が急変した。自分でナースコールも出来ないようだ。
ドア側の男はナースコールに手を伸ばした。……が、直前になってボタンを押す手をとめた。
「もしあいつが死んだら、自分が窓からの景色を直接見れる……」
どうせお互い先のない命、少しでも安らかな時をすごしたいと思ったドア側のベッドの男は、
自分は眠っていたということにして、窓側のベッドの男を見殺しにした。
そして窓側のベッドの男は、その晩、そのまま死亡した。
翌日、ドア側のベッドの男はいよいよ窓側のベッドへ移ることになった。
男は、看護婦に抱きかかえられてカーテンのそばに横になる。
期待に胸がうちふるえた。
そこから見える外の景色、これこそ彼が求めているものだった。
そこから見えたもの、カーテンの向こうは、
ただの薄汚れたコンクリートの壁だった。
―――――――――――――――――――――――――
某小説は乙一の「失われる物語」
>>829 あぁそれ知ってた、アメジョだよね。
て、ぇえええ!?
じゃ
>>819はツンデレじゃなくてただの悪魔(?)じゃないかー。・゜(´Д`)゜・。
救いがないよー
ひな祭りに半額で売っていた豆を買っていったら
えらい事怒られた。レイポンとは以来口を聞いていない。
ハムポンの世話はしているから、とりあえず文句はないが、まかりなりにも
同居人だ。何か気まずい。
そして、こんなときは彼女の知恵を拝借だ。
「・・・・あっそう」
斜め後ろを見つつ、吐き捨てるようにいう霊感少女。
「どうにかならないだろうか?」
どうやら、僕の生活の中で、レイポンとの他愛ないやり取りが大切なものに
なっていたらしい。
「ふーん・・・ちょっと待ってね」
つと、僕の額に指をあてがう。一瞬だったのでそのまま指をあてがわれてしまった。
「・・・どう?これで話できるっしょ」
「・・・・?」
「・・・余計なことしないで」
学校でレイポンの声を聞いたのは、始めてだ。
っていうか、いるのだろうか、ここに。ハムポンの世話もせず。
「むくれてるけど?」
「レイポン?」
「ほっといて」
832 :
ポン介 ◆ZMp2Jv9w5o :2006/03/07(火) 21:24:42 ID:EoAp+/mX0
今まで聞いたことのない、冷たい声だった。怒ってるのだろうか?
「レイポン。すまなかった。ひなあられだったんだね」
「いいわよ別に。もうすぎた事だし」
棘だらけの声だった。いや、氷のような感じさえする。
「・・・くっだらない。帰るわよ」
「・・・いなくなっちゃったね」
後半ニヤニヤしつつ眺めていた霊感少女がいった。
「怒ってるのかな」
ポカーンとしている霊感少女。なんだというんだ。相談相手を間違えたのだろうか。
「・・・なんか買っていってやんなよ」
もういいやという感じで立ち上がり、振り返りもせずいってしまった。
「あーあ。なにやってんだろあたし」
そんな呟きは当然聞こえなかった。
「た、ただいまー」
気まずいながらもいつものように家に帰ると、ちゃぶ台に紅茶が入れてあった。
「あ、あのね。安かったから・・・」
レイポンが唐突に話しかけてきた。ほっとしつつも僕もスーパーの袋を出す。
「あ、ありがとう。これ・・・チョコ。・・・とハムポンのご飯。チョコ食べていいよ」
「う・・うん。ありがとう」
紅茶をすすりつつもなんか落ち着かない。でも、仲直りはできたのだろうか。
ハムポンはまだ明るい夕暮れ。新しいご飯をおいしそうに食べていた。
ageちゃった。すいません
なんかクオリティがうなぎのぼりっすね最近w
正直自分辛いっす。語尾変になっちゃうっす
「これはひどい」
寝起きからポルターガイスト。 ベッドがギシギシ揺れるから二度寝ができない。
……家賃月額2万円、文句は言わないさ。 この家出てもついてきてるけどな。
いっつも、夜道だとひとつ余計に足音が聞こえてるぜ。
「ドーピング睡眠薬スープだ。 さぁ、俺が眠るのを止められ――――いてぇ!!」
飛来する目覚まし時計。 寝そべってる状態で避けることは無理。 すげぇ痛い。
…目覚まし時計が顔にめり込む経験をした奴は、オレぐらいのものじゃないだろうか。
「…わかったよ。ベッドで死ぬなんて、腹上死以外ごめんだ」
取り付いてるヤツはどうやらエロい話とかがダメだ、と共同生活でわかっている。 わざわざ言ったのは、そいつをからかうためだ。
…飛んでくる目覚まし。 イナバウアーの体勢でかわす。
「うぐぉあっ!!」
……たぶん、腰をやった。 ちょっと嫌な音したし。 ポルターガイストやんだけど、毎日これじゃ身が持たない。
まぁとりあえず、メシ食おう。 …いつものようにパンだけど。
キッチンに行くと、なぜかみそ汁が用意されてた。 いつものことだ。
いつものように禍い色をしているので、たぶんトラップ。 いつものように流す。
いつものように皿が飛んできた。 いつもと違うのは、皿の破片が刺さってるところぐらいかな! ……本気で痛い。
「オレの選択が最良でないと言うのか…!!」
攻略見ないでエロゲやるとすぐ詰んじまうオレの選択が、最良でないと言うのか。 …くそっ、否定できないぜ。
でもさ。 食わずに流すのには、ちゃんとした理由がある。
……一度食べたことがあるんだ。 今まで病院なんていったことのない俺が、病院にかかる原因となった。
それはそうと、折角の休日だ。 それも快晴。 ここは―――――――
「そうだ、エロゲしよう!」
最近、こいつのせいでエロゲしてない。 …そうだな、少しでも積みゲを崩さないと。 パソコンを起動する。
「………………!!?!!?!?!?!?1」
ダブルクリックした瞬間、べきッ、という嫌な音。 …それだけで、HDDが逝ったと理解できた。 ………とうぜん、今まで集めてきたエロ動画も全ておじゃんだ。
――――――――ああちくしょう、悪霊め! いつか絶対、一泡吹かせてやるからな!!
>>837を見て、「べ、別におめえのためにやってるわけじゃねえだよ!」とか言いつつ稲刈りしてるツンデレ田舎娘を想像した。
まあ待て。 >837 は面白くないと思ったから面白くないと書いた、その意見は尊重汁。
書かれた意見を無視するか参考にするかは作者の決めることだ。
さもないと最後には作者マンセーな意見を書き込んで始終顔色を伺ってないといけない
ような、閉鎖的な馴れ合いスレになってしまうよ。
ポン介さんあえて言いますね
霊である特性が活かせずなんか全てにおいて空回りしてるいるような気がします
>>834 はエロゲを止めて、生活費にもっと金を回すべきだと思う。
おぉ、昨夜のうちにポン介さんがw
私のリクエストに答えてくれたんでしょうか、乙です つ【旦】
>>840 激しく同意。(
>>834の評価はおいといて)
仲良くマターリは大歓迎だけど、顔色伺いするのもされるのも見るのもいやだすなぁ。
レスをもらえない私からすりゃレスがもらえるだけありがたいジャマイカw
べっ別に構って欲しいわけじゃないんだからね!!
(´;ω;`)…ウソジャナイモン
広大なネット空間で、ミレレイは待ち人をしていた。
ポン介は呼びかけに応じてくれた…
運動場整備部隊はマイペースで投下してくれる…
最近デビューの
>>752も、程なく新作を披露するだろう。
そしてこのスレに魅了されたロマーが、その思いをぶつけてくるのも遠い話ではない…
だがたまねぎは?
(リアルでの事件(
>>792参照)が彼に暗い影を落としているのか…)
口には出さないが、誰しもがそう思っていた。
(「待つしかない」其れ位のことも判らぬかクズめ…)
いつの間にか背後に立つ範馬一族が罵る。
(判ってはいるんだけど…ね…フフッ)
自嘲気味に笑う。
(たまねぎが来たらいってやろw
「別にあんたなんか待ってないんだからっ!」…て)
そしてこうも思う―いつか前スレのコテ作者にも来て欲しい…
(待つしかない…か)
とおいリアル世界で、たまねぎが笑ったような気がした。
とりあえず
>>836は自分が口に含んでいたDCSを吹いたってことがわかった
頼む↓
848 :
おぢさん:2006/03/08(水) 15:31:12 ID:XKvCWorA0
あれはわしが中等学校にあがる頃じゃったから、もう60年もまえかのう。
お前も学校で習ったように、その頃日本は外国と戦争をしててのう。
わしはそんな戦争の意味や怖さなんて判らんかったが、
日増しに険しくなる大人たちの雰囲気から、
「こりゃただ事じゃないらしいぞ」とはおもっておった。
まぁそうはいってもわしもそのへんの男の小僧と変わらんかったから、
紙や木で作った飛行機や戦車で戦争ごっこはしておったがな。
わしはそのころ関東のY県の片田舎に住んでおったが、
やがて近くの紡績工場が空襲に遭う、という噂がたってな、
疎開をせんならんようになったんじゃ。
行き先は、同じ県内だがその頃でも人のまばらな村じゃった。
わしの爺さんの親族が住んでおったらしい。
普通の道ですら山を登ってるかのような坂でな、あたりにはうっそうと森が茂っておった。
まぁ間違いなく敵さんにはみつからんじゃろな、はっはは…
わしの爺さんの親族ちゅうのが、その地方じゃそれなりに名の知れた庄屋でな、
古い土蔵やら納屋やらがあちゃこちゃにあって、冒険心をくすぐられたもんだよぅ。
わしら家族は、父・母・兄・姉・姉・わし・妹ちゅう女系家族でな、
父が飛びぬけてほうだったのかもしれんが、おっとりした一家じゃったよ。
ほいだから同じよに疎開に来てたほかの兄弟に気を使ってな、
皆がいいっちゅうだに一番古ぅい土蔵で暮らすことになっただよ。
そうそう、父は体がよわくてな、甲種合格にならなんだ。
ほんで兄は父の分まで!っちゅって、とうに航空士官学校に志願してな、
そのころじゃ中尉として一隊を率いるまでになってたっちゅうな。
上の姉さんは嫁いでいってたし、下の姉さんは学徒出陣でさっき話した紡績工場に勤めておった。
家に居るんはわしとまだ小さい妹だけじゃったの。
どこまで話したっけな…
そうそう、古い土蔵に住んでたっちゅうとこだったな…
まぁもともとその近くの家に住んでた悪ガキたちとよく喧嘩しただよ。
その土蔵にゃ「出る」とか囃したてるんでな。
父親は「相手にしちょ」と気にしちゃいんかったけんど、
やっぱりわしにゃぁ頭にくる囃し文句だったぞ。実はホントに「出た」からな。
気付いたんは妹が一番はじめじゃったかな。
初めて越してきた夕暮れの、ちょうど土蔵の入り口が木の陰に隠れる頃、
土蔵の奥から誰かがじいっと睨んでるっちゅうだよ。
それから毎日言うんでわしも見ようとしたんだけんど、妹の近くに行くと見えなくなる。
最初は妹のウソじゃないかと思って相手にゃしんかったけど、
たまたま妹が先に土蔵に入っちまったとき、その幽霊を見ただよ。
なんかこう、日本人形みたいな女の子でな、赤い着物を透けて向こうがみえてるだに
その向こうにいる母や妹には見えてないらしかった。
不思議と怖いとはおもわなんだな。
すごい形相で睨んでる…つもりなんじゃろな、本人は。
妹よりも幼そうで、うつむき加減の頬っぺたがほんとに丸ぅかったからかな。
いつもの妹じゃない、と悟ったのか、はっとして消えてしまった。
だけんどその日から、今度は妹には見えんでわしにだけみえるよになってしまった。
明るいと見えにくかったけんど、見えるのは決まって外から土蔵の中を見てるとき。
時間は決まっちゃいんかったようで、のべつ出ていたな。
その子が居るときに他の人が土蔵を出入りしても、まったく意に介さなかったようじゃ。
まぁ別に悪さをするでもないし、妹ももう見えんくなってて話もしんから、
土蔵を出入りするときに小声で挨拶してやるくらいだったな。
親戚には聞いてみたことがある。
あの土蔵にゃなんかいるじゃねぇだけ?ってな。
だけんどだぁれも知らんちゅってた。
ウソや出鱈目だったかはもう判らんけんど、
もう聞いてもそれ以上は答えないなっちゅう感じがしたな。
疎開でそこに住みだしたのが夏の終わり、秋、冬と山ン中はぐんぐん寒くなる。
幽霊とは話もしんかったし、外に出るのも億劫になっていったから
幽霊の姿を見る回数も減っていったな。
厳しい冬が過ぎ、春の兆しがそこかしこに見え始めた…三月くらいじゃったな。
それまでもたびたび飛んでいたB-29の数がどんどん多くなっていった。
時には3〜4機も飛んでることもあった。
そんな時、兄が帰国して駐屯していたG県のT林ちゅうところから、
兄が特攻隊長になったっちゅう連絡がきたんじゃ。
父も母も親戚の手前、表面上は息子を讃えていたが、夜ごとに神仏にお祈りしておった。
わしはというと、兄ちゃんが死ぬはずはないと安易に考えておった。
たまに帰ってきて飛行機の操縦を目を輝かせて話す兄ちゃんは、
きりもみ急降下からの急上昇が得意で、何度も大隊長さんから褒められたといっておったし、
特攻なんて言っても、接近して爆弾を落とすだけのことと思い込んでいたな。
いまとなっちゃあなんて物知らずだったかと笑えてしまうな。
村の数少ないラジオも、さかんに本土決戦やら米英の非道さをがなってたけんど、
わしはまわりののどかさもあって日本は勝っていると無邪気に思い込んでいたな。
なんかいい感じだな。
長いのは苦手なんだが、この感じでとつとつと語られるのは良いな。
でもY県は関東地方じゃねえぞ。
853 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/08(水) 18:51:53 ID:8+tpTPNhO
甲信越だろ
何勝手に潜り込もうとしてんだよ
関東地方一都六県
08茨城 09栃木 10群馬 11埼玉 12千葉 13東京 14神奈川
856 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/08(水) 19:35:56 ID:8+tpTPNhO
( ^ω^)大月の辺りまでは関東だお!
なんでも兄は本当に優秀だったっちゅうこんで、特攻に志願したのが3月だけんども
実際に戦地へ赴いたのは7月も終わりになってからだったらしいなぁ。
まぁそれはちょっと先の話じゃったな。
来る日も来る日もB-29がとんでる空を見上げて生活していたんだけんど、
敵さんに頭の上を飛び回られるっちゅうのは気分のいいもんじゃないな。
いくぶん仲ようなってた悪ガキどもと小石を投げたり、
ほら、お前さんも聞いたことがあるだろが、竹やりで突くまねをしてたもんじゃ。
あんな高いとこを飛んでるものを、いくら突っついたって届くわけはない。
まぁそうでもしんきゃ落ち着かんかったんだな。
そういえばずいぶん前から、たいそう高価な着物を食べ物と交換していく
専門の男の人がおった。
疎開してきた頃はたまーに見かける程度じゃったが、3月4月ごろになると
本当に頻繁に、リヤカーまで持ってくるようになってな。
いんやその人だけじゃない、避難している途中なのか家族で来るような者たちもおったわ。
大人たちの噂じゃ東京に空襲が、それもかなり大規模なもんがおこったちゅうてたな。
子供心に「あぁちょっと前、明けの東の空がけぶって見えたんはそれじゃったか」と思うたのは覚えとる。
じゃが、まだ少し遠いことに感じておったな。
つ、続きは?
もしかしてこれで終わり?
リロードしろよ自分……。
さてな、そんな人たちがわしらのおった村を通過して避難するようになって
そうさな、ふた月ほどもたったかな、あの幽霊がいきなり居らんようになったんじゃ。
見えにくいだけかと思っておったが、いつ見ても居らん。
普段話しかけても答えることもなかったし、たまぁに目が合う程度で
別段気にしておったわけでもないが、姿が見えんくなるとなんやら寂しくなってな
悪ガキたちと遊んでいる間も、あの幽霊が気になって何度も土蔵を見やったもんじゃ。
おんなじ頃、k府の街に通ずる道を辿って下りようとする人たちに、妙な噂が立ち始めたんじゃ。
なんでも、k府に行こうとすると妙な寒気と一緒に、恐ろしい声が聞こえるんだと。
なにょう言ってるだかは判らんちゅうことじゃったけどな、
k府じゃないほうに足を向けると寒気も声も止む。でももういいだろうと
k府の方におりはじめるとすぐに寒気と声がするっちゅうんだ。
まぁでも焼け出されて身内を頼ってきている人たちにゃ、
そんくれぇのこんは足を止める理由にゃなりゃしなんだわな。
その峠は出るらしいっつう噂が広まっただけだったな。
とおい異国でわしらのお国のために命を張って戦ってくださる兵隊さんに
たぁんと食べてもらうためじゃというて、さいぜんからわしらも
畑やら田んぼやらに連れてかれて働かされておったんじゃが、
6月も落ち着かないまま半ばが過ぎると、
まっと働かなきゃ自分らも食えんようになってしまうっちゅこんで
遊ぶじかんもとれんようになってしまった。
まぁ後から聞いた話では、他の都会の子供達は少しでも遊ぶことすらできなんだ
っちゅうから、わしらは恵まれたほうだったんかのう。
腹が空きゃ山に入って、すぐきやへびいちごなんかを食えたからの。
ぐみやらあけびやら、ついでに母さんや家主の親戚なんかに山芋やむかごなんか
とっていってな、これでもすこしゃあ気をつかったもんじゃな、はっはは。
ほんでもその頃にゃほんなよそのこたぁしらんかったから、わしなりの理由で戦争を恨んだもんだ。
7月の早い時期じゃったな。
この二日ばっかりB-29が見えんようになって、やぁやぁ兵隊さんたちもやってくれた
なんて早合点してた矢先じゃった。
前の日の朝に遠くにBが見えたなんて噂もあったが、避難する人も減ってきて
みんないつになく安心して寝入ったんじゃな。
なぜかその日は寝につく前にあの幽霊のことを少し考えたのを覚えとる。
隣で寝ていた妹とわしは、まだ朝になるには早い時分に起こされたんじゃ。
起こされたのか起きてしまったのかは判らんが、なんせ大きな騒ぎがおこっておった。
南西の空が真っ赤に燃えて、ふもとの町の空襲警報がじゃんじゃん鳴っていて、
大人たちも右往左往してk府の街まではだいぶあるのに水をかぶって火よけをしてたり、
まだk府に親類縁者が居る者なんかは取り乱して皆に止められたりしておった。
轟音に空を見上げると、真っ黒い空に赤々と映える大きな影があってな、
それがいつも遠くに見えてたBだと判るのにしばらくかかったもんじゃ。
それがわしの居る村で起こった空襲ならいざ知らず、
見えはするが行くにはちと離れた街のこと、わしや妹に出来ることなんてこれっぽっちもなかったの。
父も痛々しい風に見るしか出来なかったし、母は兄の無事を今更ながらに祈っておった。
夜が完全に明けて、焦土っちゅうんか、なぁんもないk府の街が見えたときには、
村にいたおとこし連中で服やらなんやら持ち寄ってk府に、
今で言う人道支援ちゅうやつをしにいこうっちゅうこんになった。
まぁ身内を助けにいこうっちゅうのが殆どだったからちょっと違うかもしれんな。
おとこしが出払って、心配そうに見守るおんなしがちらほらと戸口に立っているだけになった頃、
久方ぶりにあの幽霊が見えたんじゃ。
さいぜん見えた土蔵の入り口じゃねぇで、k府へ下りる道の脇の、薄暗い森の奥。
やっぱり向こうが透けて見える赤い服で、こんときゃぁ背中を向けてうずくまっておった。
そうそう、言ってなかったが下の姉さんはつい先月、
6月のうちにまた違う疎開先へ疎開しておった。工場の工員がみな行っておって
たまに手紙も届くので父も母も心配はしなかったんじゃ。
さて幽霊を久方ぶりに見たわしは、なぜか「無事だったか!」と
胸を撫でおろしたよ。相手はもう無事だとか関係ない者なのにな。
しばらく見ていたが、うずくまって動かない。
おどろかしちゃかわいそうだと思って、そろそろと近づいて行ったが、
近くに来てみると震えておる。はて、寒気のする幽霊なんてけったいな、
と思ったが、よくよく見てみるとどうやら泣いているらしかったんじゃ。
いつも話しかけても何も言い返してこんし、そもそも口がきけるんかどうかも
しらんかったが、そんときゃ話かけにゃいかんと思ったな。
なぁ、なんで泣いとるんじゃ。
やっぱり答えちゃくれんかった。
でもな、ぴくりと身をすくめると、ふと泣き止んだんじゃ。
ひざの間に顔は埋めたままじゃったけんど、震えるのは止んだ。
わしは泣いてる妹によくやるように、頭をなでてなぐさめてやろうとおもってな、
左手を伸ばして頭のてっぺんから後ろへなでようとしたんじゃ。
じゃがわしの手はすぅっとすり抜けて、幽霊の尻のあたりにある熊笹でちぃっと切ってしまった。
そのとたん幽霊は撥ねるように立ち上がって、まだ真っ赤に泣きはらした目で
クスクスッと笑ったんじゃ。声は聞こえんかったがの。
なんとなぁく馬鹿にされたような気がしたもんじゃから、
わしはついついきつく怒鳴ってしもたんじゃ。
こん幽霊がぁ、お前なんかどうせ帰るとこないんじゃろ。
するとな、ほんとに幼い子がやるように、みるみるその場で顔をくしゃくしゃっとゆがめたかと思うと
弾けたように泣き出したんじゃ。口をへの字に曲げて、鼻に可愛いしわをよせてな。
そんときばかりは声が聞こえんことが助かったと思った。
いっこうに泣き止まない幽霊は、まったく始末に負えんな、はっはは。
なんしろなだめようとなでてもどこにもさわれんし、
いじわる言ったことを謝っても、まぁだちびすけだからか通じそうもない。
妹をあやす要領で、いろいろと面白い顔やふざけた格好をさんざやったら、
なんとか気が紛れてくれたみてぇで涙をいっぱい貯めながら笑ってくれたのう。
そのあといろいろ聞こうと思ったが、相手は口ん利けんだから弱ったもんさね。
どこから来たかとか聞いても、あっち、とか指さしゃぁ判るんだが、
うっすら笑ってるだけで身振りも手振りもしんだよ。
まぁ幽霊だし、と帰りかけりゃぁついてくる。
たしかにうちの土蔵に憑いていたんだし、しょうがねぇなとほっといたさ。
土蔵に着きゃまた入り口に陣取るんかな、と思ったら今度はわしにそのままついてきよった。
やっぱり特に何をするでもなしに、あごを引いた上目遣いでわしや方々をを睨んでいる。
睨んでいるっちゅっても怖がらそうとしてるんじゃなくて、
むしろなんかに怯えてるからだっちゅう感じがしたな。
次の日、兄に特攻命令が下されたという知らせが入ってきた。
これは後で聞いた話も入ってるけんど、特攻命令が下されたのは7月の1日だったそうな。
兄ちゃんの所属するk鷲特別攻撃隊は、
30を迎えたばかりの兄ちゃんを201隊の隊長にして組織されたんだと。
で、その知らせがわしらの村に届いた晩、駐屯先の人々が壮行会を兼ねて
送別会を開いてくれたらしいな。
もう、いつ出撃してもおかしくない雰囲気だったけんど、
その時点じゃまだ出撃命令はでてなかったんじゃの。
しかし、母や父には大きな衝撃だったようじゃな。息子が死出の旅に出てしまう、と。
いやもちろんわしにも悲しみはのしかかってきた。
ついせんに目の当たりにした空襲の光景が、紙や木の戦争じゃない現実をみせてくれたんじゃから。
ああ、そうだったそうだった。横浜県に神奈川村って小さな村があったっけ。
あのときの雰囲気というか、皆の偏りぶりはなんとも不快で不可解じゃったよ。
今だからいくぶん思うところもあるけんど、皆が兄の特攻隊入りを祝ってくれたんは
不幸の仲間意識もあったんじゃないんかな。
うちの肉親やら親戚が死んでいるのに、あの家で不幸がないのは不公平だっちゅうふうに。
それが証拠に兄の特攻入りを殊更に喜ぶんは疎開組が多かったな。
ともに夫や息子を取られているのに万歳をする姿は、どこか爽快感もあったように思うよ。
わしにゃそいつらの方が幽霊みたいに空恐ろしくみえたもんじゃ。
村の人々はこっそりと母を慰めに来てくれたりもしたもんじゃが。
さてその頃のことじゃ、悲しいばかりも言ってられんでな、
毎日汗水たらしてはたらかにゃ、食糧の確保も日に日に厳しくなる。
夏に入っちゃ山で取れる物も限られてくるし、鉄砲が無いからと罠で取るだけの
イノシシやウサギなんかじゃ到底足りんかった。
なにぶん小さな村じゃ、村の人らが蓄えた米や他のもんも避難の人たちに分けたら
たいそう少なくなってしまっておったからの。
あの幽霊は、いつもわしについてまわるようになった。
とはいってもわしも相手できるほど暇じゃなかったんでな、かってに遊ばせておいた。
ときおり北西の方を見やって泣きそうな顔をしとるとこを見かけたが、理由はきけなんだ。
7月も終わり、ついに兄に出撃命令がでたと便りが来た。
腕のいい飛行機乗りだった兄は、特攻隊長になった後も後進の育成に力を貸していたそうじゃ。
人づてに、k鷲特攻隊は順に飛び立ち、勇ましく散っていったと聞いた。
ラジオでは広島と長崎にでっかい爆弾が落とされ、何人もの犠牲者がでたと報じられた。
そして毎日仰々しい戦果とともに、散っていった特攻隊の番号が読み上げられておった。
第201k鷲特攻隊の名が、いつ読み上げられるかとはらはらしていたのは
わしら4人の家族だけじゃなかったようじゃ。
あの幽霊は、わしらが戦争の話、特に家族の安否を話しているときは必ずそばに居った。
いつもの怯えたような目じゃなしに、眉根をひそめて神妙に聞いておった。
やれ上の姉さんの嫁ぎ先じゃこんなことがあっただの、
下の姉さんの工場は跡形もなくなっていたけんど、疎開が間に合ってよかっただの、
兄ちゃんの飛行機の腕があれば間違いなく敵の船に当てられるねぇ、
それじゃぁ兄ちゃんは苦しまずに立派に逝けるかねぇ、だの…
じっと身動きもせず父と母の話を聞いているのは、なにかを待ってるかのようじゃった
なんちゅうのはあと知恵かのう、はっはは。
なんだか皆が一様に疲れちょって、ラジオの声が白々しいものに聞こえはじめたの。
あの終戦を迎える、一日前じゃったな。
日の出前からまた幽霊がいなくなっておった。
土蔵をぐるっと周ってみても、k府への坂まで行ってみても、
頼りなげな赤い着物は見当たらんかった。
朝飯に呼ばれて帰る道々、
ふと、南の空から呼ばれたような気がしたんは、なんの知らせだったんじゃろな。
ついに第201k鷲特攻隊が飛び立ったっちゅうて村が騒ぎになっちまって、
泣き崩れる母の代わりに家事をこなさんならんかった。
翌日、天皇陛下のお言葉で、戦争がおわったっちゅうこんだった。
とりあえずどれくらい続くか教えてください
今夜は更新なさそうだね。
もう寝るよ。ノシ
874 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/09(木) 09:10:47 ID:qcBbx/gKO
流石に長過ぎて読む気しない…無駄な表現多いし。
推敲って知ってる?
これってなんかの本をそのまま書き写してんじゃない?
まぁツンで霊の本なんてありそうも無いから霊のところはなんか違う話の
張り合わせでとかさ。
おおIDがキングだ(笑)
IDを訳すスレにいってこよう
ほんとだすげー、IDがコングだ
IDにツンデレが出たら神
コングかよ…orz
途中で張るのをやめるのだけはやめてくれ
(訳:続き書かないと許さないんだから!
…楽しみにしてるからね)
受けようと思ってやった。
悪気は無かった。
今はマンセーしている。
だれも反応してくれない…(´;ω;`)ショボーン
もう来ねぇよ!!!!! ウワーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!
.。::+。゚:゜゚。・::。. .。::・。゚:゜゚。*::。.
.。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。 。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚ ゚( ノД`)ノ゚ ゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.
。+゜:*゚ー゚:・。:+゜ = ( ┐ノ ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::* :。; / *::+:・゜。+::*:.
⌒::;;⌒⌒⌒;;::⌒⌒.:: :⌒;;⌒::.;;.⌒⌒/ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./ /::. :; ;⌒⌒:.:⌒:;⌒;;⌒⌒:.:⌒:;⌒;
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884 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/09(木) 15:34:16 ID:qcBbx/gKO
886 :
範馬刃子はデレレレレピキィッ:2006/03/09(木) 17:26:30 ID:rHDbmelQO
一週間前、ジャクリーン・ハンマーが強盗殺人罪で捕まって以後平和な日々を過ごしていた俺の元に招かれざる闖入者が。
刃子「お久しぶりですぅ、またご奉仕にきたよ」
メイド服に身を固めた刃子は返事も待たずズカズカと上がり込んでくる
「馬鹿なッ!貴様はレベルEの海底監獄に収容されたはず!一体どうやって!?」
「うん。看守の人たち、ボクの邪魔するからみんな殺っちゃったぁ、えへ」
唖然とする俺を尻目に台所に向かう刃子。
「ほ、包丁か?包丁で俺をヤルつもりか!?」
思わず動揺する俺。
「そんな事しないよぅ、母さんや姉さんと違ってボクはとろけるように甘いデレデレキャラだもの」
「デレキャラは看守皆殺しにして脱獄なんてしないッ!」
「ま、それはともかく朝ご飯まだだよね?
今作るから待っててねぇ」
都合悪い事はスルーしつつ台所に籠もる刃子。
チャンスは今しかない!
電話に飛び付いて110番をダイヤルする
しかし、電話機からは不通音しか聞こえない
「無駄無駄ァ、無駄だよぅ
電話線は切断してあるし
携帯はボクが預かってるからねぇ」
いつのまにかうっすら笑いながら刃子が背後に立っていた。
その手には握り潰された俺の携帯が。
確かにコイツは雄子やジャクリーンとは違う…まるで知能の高い猛獣を相手にしているような錯覚を覚える俺だった。
早く早くう
>888
でたw範馬の粘着wしかもゾロ目取りやがってw
もしや範馬センセの、自信がないのを隠すための自演?
大丈夫、根強いファンは居ますから。これからもお願いします。
890 :
範馬刃子は素手でシベリア虎を殺せる:2006/03/09(木) 19:16:50 ID:rHDbmelQO
>>889 dクス
続き
「出来たよぅ、さぁ召し上がれ」
朝からステーキだった。
付け合わせにマッシュポテトにスィートキャロット、コンソメスープにパンと意外とマトモだ。
少なくとも見た目は。
「これ、何の肉?」
「……知らないほうが、イイヨ」
うっすら微笑んだまま答える刃子。
「はい、あーん♪」
肉の破片にドスッとフォークを突き刺し俺に突き付けてくる。
「……」
バレンタインの雄子の仕打ちを思い出し、固く口を閉ざし歯を食いしばる。
ドスゥッ!
「ぐぼらっ」
笑顔のまま刃子が俺の鳩尾に刃物のような手刀を突きこむ。
思わず喘ぐ俺。
「うふふ、世話の焼ける甘えん坊さんなんだからぁ」
首を押さえ付けて空気を求める俺の口にギュウギュウと肉を押し込める刃子。
味は結構普通でした。
あぁ…今気付いた…「範馬」ってハンマーって読むのか…
ずっと「のりま」だと思ってた…何でかは知らないけど…
つかまた新人?
しかも俺の次回作予定の「昔あった出来事」風の作風。
…もうね、ウザイ。
誰がって…俺が。
もう次スレまで来ない事にするわ。
(ふ、ふんだ、悔しくなんかないもん。(´;ω;`))
漫画が元ネタ…のはず
俺と守護霊もっと読みたいのら
了解(・ω・)ゞ
1/5
夜、オレは車で田舎の山道を暴走気味に走っていた。
仕事で些細なミスをし、それに気づかなかった自分に嫌気がさしていた。
上り下りを何往復しただろうか、疲労感を覚え山頂付近の展望台に車を止める。
車を降り、街の夜景を見下ろし息を吐く。
吐き出した息は白く、数秒で虚空へ消えていく。
しかし、自分へのやるせなさはまだ胸に溜まったままだ。
”ガン・・ガン・・”
静かな空間に金属を叩くような音が響く。
辺りを見渡すが、音の出所は見つからない。
”ガン・・ガン・・”
また響いた。
車の近くから聞こえるようだ。
オレはゆっくりと車に近づき、死角になっている反対側に回り込んだ。
そこには、少し屈んだ状態でタイヤのホイールを蹴っている女性がいた。
女性は肩まで伸ばした髪と今の時期にしては薄着だった。
「なに・・してンですか?」
オレは少し怒りを含んだ口調で問いかける。
2/5
女性がゆっくりと振り向く。
失礼ながら仏頂面という言葉がぴったりだと思った。
「それはこっちのセリフ」
どうやら彼女も怒っているらしい。
「こんな時間にうるさいったらありゃしない。
ゆっくり眠れないから出てきたワケ」
「うっ・・」
オレは言葉に詰まる。
いい訳にしかならないが、車には多少手を入れてあるものの、
迷惑にならないよう騒音には気をつけていたつもりだった。
「それに、なにこの車・・」
彼女はオレを尻目に言葉を続ける。
「ムダにゴツいというか、もっとスタイルのいい車とかあるでしょうに。
走りにも向いてなさそうだし・・」
その言葉にカチンときた。
「ちょっとまて、確かに音で迷惑をかけた事は悪かったと思う。
しかし、車にケチつけられる筋合いは無いと思うが」
「ふん、わたしは思ったままを言っただけ。
車の悪口を言ったつもりはないわよ。
それとも、突っかかってくるんだから、自覚してんじゃないの?」
彼女は嘲笑するように言った。
3/5
オレはその言葉に大人気なく熱くなってしまった。
数十分だろうか、時間はよくわからないが、
罵詈雑言も含め彼女と車について言い合った。
気づけばお互いが肩で息をしている。
――何やってんだ、オレ。
「ふ、ふふふ・・・」
なぜか笑いが込み上げてきた。
「ちょっと、なに笑ってんのよ・・気持ち悪い」
彼女が怪訝な顔でこちらを見ている。
「・・ああ、悪い。なんかどうでもよくなってな」
笑いを噛み殺して答えた。
「どうでもよくなったってなによ?」
オレは彼女にここにきた理由・・仕事でヘマをした事、
ヘコんで山を走っていた事を説明した。
「キミと言い合ったおかげですっきりしたよ。
ありがとう」
彼女を見つめ心から礼を言った。
「ちょ・・なんであなたにお礼を言われなきゃならないわけ!?
べ、べつに・・嬉しくとも、な、なんともないんだからね!!」
さっきとは打って変わって、彼女はそっぽ向き視線を泳がせている。
暗くて良くわからないが、頬が少し赤いような気がする。
4/5
彼女は気まずそうに言葉を続けた。
「わ、わたしは・・あなたがうるさかったから出てきただけで、
決して励まそうだなんて、これぽっちも思ってないんだから!」
「ああ、迷惑をかけてすまなかった」
オレは素直に謝り、軽く頭を下げた。
「わ、わかればいいのよ。
今回だけは・・許してあげる」
「ありがとう」
オレはもう一度、礼を言った。
彼女がたじろぐように、一歩後ろに下がった。
「も、もう用はないんでしょ?
早く帰ったらどうなの?」
彼女の言葉にオレは腕時計で時間を確認する。
深夜を少し過ぎた辺りだった。
「そう・・だな。明日も仕事だし。
キミも帰らないとダメだろ?家まで送ってくよ」
オレは彼女を車に乗るように促す。
「・・・私は」
彼女は言葉に詰まった。
5/5
オレはなんとなくその理由がわかっていた。
一応この辺は地元で、近くには民家がない事は知っている。
そして、彼女の服と『眠れない』『出てきた』という言葉が引っかかっていた。
「私はいいの、一人で帰れるから・・」
彼女は俯きながら答えた。
「そうか・・気をつけてな」
オレは車のドアを開けてから問いかける。
「また、ここに来てもいいかな?」
彼女は驚いたように顔を上げた。
「なっ、なにばかなこと言ってるのよ。
わたしもヒマじゃないんだし、いつ来るかわからないあなたを
待ってるワケないじゃない」
オレは間髪いれずに返答する。
「じゃ、今週の土曜。夜8時頃来るから」
言い終わると同時に車のエンジンを掛ける。
「ちょ、ちょっと、勝手に決めないでよ!
わたしは待つとは言ってない・・待っててなんかあげないんだから!」
彼女は言葉とは裏腹に笑っていた。
オレは笑みを返し手を振ると車を発進させる。
バックミラーで確認した彼女はどこか透けて見えた。
「さて、安全運転っと」
そしてオレは遅い帰路についた。
902 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/09(木) 23:05:27 ID:J81rlwBTO
>>897-901 GJ!
やっぱこの位が丁度いいねww
無駄に長いのや、ツンデレっぽくないのウザス
>>897-
>>901 ベリーグジョブ!
温故知新、原点回帰、まさにあのツンデ霊よもう一度!!
俺も、既存の都市伝説ベースのヤツで書いてみようかな…首なしライダーとか、
どう見ても、セルティです。ありがとうございました。
たまにはベタなのもいいね♪
霊媒師「おい、おまいら!!除霊の準備ができますた。リビングに集合しる!」
俺 「詳細キボーヌ」
霊媒師「今日は護摩祈祷ですが、何か?」
悪霊 「ポルターガイストキターーーーーーーーー」
俺 「祟りキターーーーーーーーーー」
悪霊 「除霊ごときで騒ぐ奴は逝ってヨシ」
俺 「オマエモナー」
悪霊 --------終了-------
霊媒師--------再開-------
悪霊 「再開すなDQNが!それよりお供えうpキボンヌ」
俺 「お札うp」
悪霊 「↑誤爆?」
霊媒師「読経age」
神 「ほらよ六文銭>悪霊」
霊媒師「神降臨!!」
俺 「清め塩age」
悪霊 「糞清め塩ageんな!sageろ」
俺 「清め塩age」
悪霊 「清め塩age厨uzeeeeeeeeeeee!!」
霊媒師「清め塩ageって言ってれば除霊できると思ってるヤシはDQN」
守護霊「イタイ悪霊がいるのはこの家ですか?」
悪霊 「氏ね」
霊媒師「むしろゐ`」
俺 「清め塩age」
悪霊 「お 前 、 必 死 だ な ( 藁
ワロタw
むしろ既存のツンデ霊よりGJかも知れんw
まぁこの流れだから出来ることであって、二番煎じは効かないけどなw
おぢさんはまだかな?
>>891 今まで言わなかったけどあまりにしつこいんで言わせてもらうわ。
構ってちゃんウザい。
もう二度と来るな。
待ち人は来ず、余計なのは嫌がっても来る。
ある意味ツンデレだなw
,..-─‐-..、
/.: : : : : : : .ヽ
R: : : :. : pq: :i}
|:.i} : : : :_{: :.レ′ なかよくねっ!
ノr┴-<」: :j|
/:r仁ニ= ノ:.ノ|! _
/:/ = /: :/ }! |〕) パシッ
{;ハ__,イ: :f | /´
/ }rヘ ├--r─y/
/ r'‐-| ├-┴〆 _, 、_ '⌒ ☆
仁二ニ_‐-イ | | ∩`д´)
| l i 厂  ̄ニニ¬ ノ ⊂ノ
,ゝ、 \ \ __厂`ヽ (__ ̄) )
/ /\_i⌒ト、_ ノrr- } し'し′
└-' ̄. | |_二二._」」__ノ
911 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/10(金) 03:42:48 ID:isK5fcbqO
ツンデレな付喪神ってのもここ?
と思いつつ文才が無いので書けない
913 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/10(金) 05:26:13 ID:9t/WjEYX0
ああ・・・ツンデレっていいな。
人でも霊でも・・
わたしが求めるのは空に輝く月の光
いったい何度繰り返せばいいのだろう
今日もわたしを呼ぶ声が聞こえる
それは他の誰にも聞こえない、わたしの冷え切った身体の内から響く慟哭
無機質なブラウン管の向こうに見える質素な部屋
その部屋の中央に敷かれた布団に男が一人横たわっている
愚かな男……
この男で何人目になるのか、すでに数えることはやめてしまった
今はただ、目の前にいるこの男が憎い、憎い、憎い……
わたしを閉じ込める箱からゆっくりと這い出し、男のかたわらに立つ
男はこれから迎える運命も知らずに眠りこけている
「起きて……」
なにも知らないまま死ぬことなど許さない
わたしの声を、姿を、恨みを知り、自分の行いを後悔しながら死んでいくといい
男はゆっくりと瞼を開く
「ん……誰……」
目覚めた男の問いには答えず、意識を集中させる
ただ、この男を殺す、それだけに――
「今何時だ?」
「え? っと、七時……十五分かな」
あまりに意外な問い掛けに、考えるよりも先に答えてしまっていた
「七時十五分……やばっ! 遅刻する!」
突然飛び起きた男は、わたしに目もくれずに慌しく身支度を始めた
わたしなど眼中にないというその様子に呆気に取られていると、
男は支度を終え部屋から出て行こうとする
「あの……」
「あ、悪いけど今急いでるから後にしてくれないかな」
「後にって……わたしのことが気にならないの?」
おかしな男だ
わたしを誰だと思っているのだろう?
「気になるけど、今それどころじゃないんだよ。
ああもう、起こすならもっと早く起こしてくれよ」
「……別にあなたのために起こしたわけじゃないのよ」
そう、すべてはこの男にわたしの味わった恐怖を教えるために――
「なんでもいいや、とにかく俺は出かけるから。
帰るなら鍵閉めていってくれよ。鍵は郵便受けに入れといて」
「あ、うん……いってらっしゃい」
「いってきます!」
嵐のあとの静けさの中に、わたし一人が取り残されていた
「あ……逃げられた」
なんということだろう、こんなことは初めてだ
これまでわたしが殺してきたどんな人物とも違う
「どうしよう」
考えたところで仕方がない
わたしはわたしが作り出した「子供」の側からは離れることはできない
もはや男はわたしの手の届かないところに行ってしまった
ここはおとなしく明日の朝を待つしかないか
焦ることはない、これまで何十年も暗く冷たいあの場所で独り過ごしてきたのだから
とりあえず明日は少し早起きしなければ
GJ
日本にツンデレする某国ネタ
920 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/10(金) 21:02:32 ID:b9U3UF7RO
そのツンデレは嫌だぁ
新作が貼ってないのにageんなw
大槻教授はツンデレ
つーか小部屋パワーハウス、入る前にギガヘッドの姿で気づいたのに間違えて攻撃しちまった。
絶対凌げたと後悔してしまうぜ。
壮大な誤爆をしました。すいません
それなんてツンデレ?ワロスw
不思議のダンジョンナツカシス
おぢさんの続きマダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
まぁ気長に待てし(俺もY県人だけどw)
それより次スレは誰が立てるんだ?
この流れなら
>>970あたりでいいのかな?
戦争が終わったなんていっても、暮らしがすぐに変るわけじゃなかった。
相変わらず食べ物は少ねぇし、天から家や財産が降ってくるでもなかった。
疎開組の大人たちは不安と悲しさが混じったみたいな暗い顔をしちょった。
恨み言をぶつける相手も無いし、やり場の無い怒りや悲しみに耐えてたんじゃろな。
そんでもまぁ村の大人たちが気丈に励ましてくれてたけんどな。
あの幽霊は、あれから一度も姿を見せなんだなぁ。
無事な親類や家族が居るもんはぼちぼち下に下りてったが、
わしらは一番最後に下りた組じゃった。
こんなことでも無ぇと親類が集まるなんてこたぁ滅多にねぇ、なんて
村に残る爺さんの弟が見送りながら言っていた。気でも遣ったじゃねぇだかな。
最後まで振り返り振り返りして、悪ガキたちと名残を惜しんだ振りしてたが、
実ンところあの幽霊が気になってただよ。
焼け野原になったk府は、そんでもぼちぼち人が集まってた。
荒川をはさんで中心の方はひどい有様じゃったけんど、
わしらの住んでたk母の方はいくぶんましじゃった。
結局一年ばっかし疎開しとったからな、それもあってうちは荒れ放題だった。
その後のつましいくらしの話なんぞ、思い出すのも億劫だし、聞きたくもなかろ。
かいつまんで言うと、ツテを頼って父が宝石の仲買を始めたんじゃ。
じゃがなにぶん慣れないもんでの、一月も経たんうちに失敗して、
下の姉と妹まで借金でひぃひぃ言っておった。そんな時じゃった。
兄ちゃんが帰ってきおったんじゃ。
あまりに突然のことで家族みんなびっくりしてな、
幽霊でも見るように見つめるしかできなんだよ、はっはは。
兄ちゃんによると、とうに何度も現金を入れて手紙を送ったらしいんじゃが、
まったく音沙汰が無いので、こりゃぁもういよいよ駄目だったかと思って
せめて供養だけでもと思って帰ってきてみたらしいの。
あとで聞くところによると、この時分はどこでもそんなことがあったらしいがの。
上の姉や世話になった親類なんかも呼んで開いた宴席で、兄ちゃんは不思議なことを話し出したんじゃ。
あの日の夕方、特攻命令が出たんで隊長として皆に最後の言葉を掛け、
往復分の燃料と特攻用の爆弾とを積んでT林の基地を後にした。
この日の夜の作戦には約75機の特攻機が飛び立った。
兄の特攻の目標となる軍艦には、他に戦友の少尉の隊も攻撃する予定だった。
目標に近づいたら二つの隊は雲の上と下から、反撃をくぐってそれぞれ特攻する予定だった。
上官である兄が指示を出そうとしたとき、突然寒気と耳鳴りがした。
目の前の雲が赤く染まって見え、雲の上に誘導しているみたいだった。
状況が飲み込めないまま他隊に雲下に行くように指示し、自隊は上に進路をとった。
だが、いくら探しても敵艦なんて見つからない。
燃料が残り少なくなって、犬死を避けて出直すために引き返した。
爆弾は誘爆を避けるため、途中で放棄した。
兄は基地に帰ってみて初めて敗戦していることを知ったそうじゃ。
それから生還したのが自隊だけということも。
その話を聞いたわしは、ぱっとあの幽霊を思い出した。
気付いたらそのことを皆にまくし立ててたな。
ふと見ると父も母も押し黙って、じっと俯いてるんじゃ。
長いこと何にも言わなかった母が、わしのせっつきで少しだけ話してくれた。
実はわしら兄弟にはもう一人姉がいたこと。
あの村で結婚した父母の始めての子で芳子と言い、赤い着物を好んで着ていたこと。
おっとりしていて、あの土蔵から村の子供たちを眺めるのが好きだったこと。
4歳になるころ、山でも珍しいすももをおすそ分けで貰ったこと。
親の目を盗んで未生のすももを食べてしまい、急性腸炎であっという間に亡くなってしまったこと…
きっといつもわしらのことを見守っててくれたんじゃろな。
それとも誰かを助けるまでこの世に留まらならんかったんか。
さてな、どっちもなんじゃろか。
あれ以来幽霊は出んようになってしもたし、兄は結婚して娘に芳子とつけた。
あんときの幽霊に、似とると言えば似とるかの。
そう、お前の母さんじゃ。
ほれ、お前にも赤い洋服がよく似合うよ、はっはは。
--------
祖父の三回忌で聞いた話は、あたしのふるさとを少しだけ見せてくれた気がした。
今年の夏休み、その村を訪ねてみよう。
932 :
おぢさん:2006/03/11(土) 03:01:09 ID:d2RtP9Dh0
まづ、昨日来ることが出来ないので一昨日のうちに書き上げたかつたのだが、
あまりの眠気に途中で寝てしまつた事は許して呉れな。
それから少し論議された様だが、この話は何処にも載つてないものですよ。
私が縁あつて実際にお聞きしたものです。
「兄」の土台となつた人、「芳子」の土台となつた人は実在の人物です。
いや、「でした」。
実際はその兄の娘だつたのが芳子で、一家はG県のT林に住んで居りました。
その「兄」自身から伺つたお話を基にして、幽霊話に仕立て上げました。
その方は残念なことに一昨年、永遠の楽土へ旅立たれました。
その後、ご供養に行つた折に奥様に伺つた当時の話も混ぜて真実味を出しました。
出来るだけお話の雰囲気を出したかつたので、いたづらに長い文になつてしまいましたな。
どなたか短くまとめてくださればありがたいと思います。
芳子さんの挿話も実話が基ですよ。勿論お名前や場所は変えてありますけれど。
皆さん、長い話に付き合つて呉れてありがとうね。
このスレがますます発展すると良いですね。また覗かせてもらいます。
そうそう、
>>847のご要望にはお答えできてますでしやうかね。
・・・もし差し支えなかつたら、
お話を聞かせてくれたk中尉のご冥福を祈って
少しだけ手を合わせて頂けないでせうかな。
いや、これは少々あつかましいお願いでしたかな・・・
とても良かったです。お疲れ様でした
いい話をありがとうございます。あなたのレスに出会えて良かったと心から思います。
話が長すぎるとは全く感じませんでした。
これからももしよろしければ、心に沁みる話をお聞かせいただければと。
真実であったにせよ長すぎる。スレ内容に沿っているとも思えないし。
俺は読んでて楽しくなかったな。語り口調も不快だった。
だいたい特攻機は片道分の燃料しか詰まないんじゃなかったか?
>>936 泣いた。
当時、太平洋に展開する米兵は、英語で放送される
日本から流れてくる神風予報なるものに恐怖していたという。
バンザイアタックの喧伝も伝わり、本当に怖かったとアメリカの
じいさんがいってた。
と同時に、すごく尊敬したそうだ。
戦術としてはFUCK OFFだが、それを遂行する兵士には
畏怖と尊敬を抱いていたらしい。
小柄な体躯だけど、一対一なら勝てなかったさ、と肩をすくめてた
939 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/11(土) 15:07:22 ID:aRScP112O
>>935 長くても脈略があれば構わんと思うよ。
短くても範馬とかはウザイ。
最初は良かったけど中盤ダルかったな
>>935 あのなあ・・・
そりゃ特攻は成功すれば片道で二度と帰らないさ。
でもね。
目標を発見できなかったり、悪天候になったりして迂回したり、機関が不調を起こしたりして引き返さなきゃならんときはどうするんだよ!
基本的に「満タン」で送り出してやるんだよ!いざとなったら帰ってこられるように!
軍板初心者スレで質問してきてごらんよ。
そして帰ってきたら振武寮で「再教育」となるわけだ…
いずれにせよ地獄だな
なになに?今は特攻隊の燃料が片道分か往復分かを論議するのが流行なの?
この板のトリビアスレでもやってたぞw
板違いうざい
今、つらーっと「おぢさん」つう人のレスを読んでみたけど、
ツンデ霊っつうにはちと強引じゃない?
心霊ちょっといい話スレならマッチするかも試練
946 :
897:2006/03/11(土) 19:58:15 ID:7r5dF4DW0
1/7
オレは山頂付近の展望台から街の夜景を見下ろしている。
時間は夜の8時少し前、彼女が来るのを待っていた。
彼女のおかげかどうか分からないが、仕事もうまくいき、
オレのできる部分は終わっていた。
「ほんとに来てるなんてばかじゃないの」
いつの間にか隣に彼女がいた。
「キミも来てるって事はヒマなんだね」
オレは彼女をからかうように言う。
「ば、ばかな事言わないでよ。
わたしはただ・・そう、あなたが一人寂しくしてるのを見に来ただけ!」
「もしかしてオレの事、心配してくれたの?」
彼女の性格は、この前合った時に大体分かっている。
「なっ、勘違いしないでよ!
わたしはあなたを笑いに来たの。心配なんかこれっぽちもしてないんだから」
彼女は紅潮した顔を見られるのが嫌なのかそっぽ向く。
オレは心の中で『ありがとう』と言い、別の言葉を紡いだ。
「まぁ、そういう事にしておくよ」
「だから、ちがっ・・」
「ああ、そうそう」
オレは彼女の言葉を遮り、コートのポケットから小さな紙袋を取り出すと、
中から空色の石の付いたネックレスを彼女に差し出した。
「キミのおかげで仕事がうまくいったよ。
これはそのお礼、受け取ってほしい」
947 :
897:2006/03/11(土) 20:00:11 ID:7r5dF4DW0
2/7
彼女はオレの顔と差し出されているネックレスを見比べる。
心なしか彼女の顔が暗くなった気がした。
「わ、わたしはあなたの為に何かした覚えはない。
勘違いも大概にして!」
俯きながらも強い口調で彼女は否定した。
オレはいままでの雰囲気と違う彼女に驚きを覚えた。
「・・すまない。
じゃあ、出会った記念でってのはクサすぎるかな?」
オレは苦笑しつつ、彼女の反応を見る。
「・・・受け取れないよ・・」
彼女は消え入る声で呟いた。
そして、キッと睨むように顔を上げた。
その瞳には涙が溜まっている。
「あなた、もう分かってるんでしょ!?
わたしは・・・わたしは・・・」
彼女の言葉は声にならず聞き取ることができなかった。
彼女はまた俯き、肩を震わせている。
オレはため息をつき、ネックレスをポケットに戻した。
そして、そっと彼女に触れようと手を伸ばす。
しかし、手は彼女に触れることはなく、空を掴むようにすり抜ける。
「・・キミに合った時から、なんとなくだけど違和感はあった」
オレは触れることのできなかった手を見つめ、彼女の方へ視線を移す。
彼女は俯いたまま動こうとしない。
948 :
897:2006/03/11(土) 20:01:16 ID:7r5dF4DW0
3/7
オレは夜景に目を向けポツりと呟く。
「オレも死んだらキミに触れる事できるかな・・」
幸いにも周辺の柵は低く、オレの腰辺りまでしかない。
この程度なら余裕で越えられるだろう。
「ちょ、ちょっと、なに考えてんのよ!
ダメ!そんなのダメなんだから!!」
彼女の慌てる声が聞こえる。
オレはゆっくりと柵の方へ歩いていた。
「ばか、そんな事したってなんにもならない!
わたしが喜ぶとでも思ってるの!?」
彼女が引き止めるようにオレを掴もうとするが、
体をすり抜けていく。どうやら彼女も触れることができないらしい。
オレは他人事のように体から突き出ている手を見つめた。
「なんで・・どうして・・」
彼女の言葉を背にオレは柵を越える。
崖下は20mくらいだろうか、暗闇の奥にアスファルトで舗装された道路がぼんやりと見える。
オレは彼女の方へと振り向く。
彼女は信じられないといった顔でこちらを見ている。
オレも自分の行動が信じられなかった。
949 :
897:2006/03/11(土) 20:02:15 ID:7r5dF4DW0
4/7
彼女へ自嘲気味に微笑んだ時、彼女の表情が怒りへと変った。
「あなたばかよ!ほんとにばかだわ!!
なんでわかんないのよ、そんな事したってわたしは嬉しくなんてない!
あなたが死ぬ事でどれだけの人が悲しむと思ってるの!?
残された両親は?友達は?彼女は?
死んだら何もかも無くなると思ってるの!?
そんな事ない!私は死んでこんなになっちゃったけど、
両親や友達の悲しみ、怒り、落胆、いろんな感情に押し潰されそうになったわ。
自分の行いにとても後悔したわ。なんで死んじゃったんだろうって・・。
でも、戻りたくても戻れない。だから、もう忘れようって・・、
誰の目にも触れないようにしてたのに。
あなたが・・あなたが、ここに来なければ!あんな感情を持って来なければ!
う、ぅぅ・・」
彼女は捲くし立てるように言った後、崩れ落ちるように泣き出した。
彼女の死んだ理由・・あの時のオレのように自暴自棄になって、か。
幽霊に諭されるとは思っていなかった。
オレは柵を越え彼女の方へ歩み寄る。
「ごめん。オレ・・」
オレは彼女の肩に手を伸ばす。
「ばか!!」
彼女の平手がオレの頬をすり抜ける。
痛みはないはずなのに、ズキリと胸に響く。
950 :
897:2006/03/11(土) 20:05:29 ID:7r5dF4DW0
5/7
お互いが動かず、どれくらいの時間がたっただろう。
「ようやくキミの本心を聞けた気がした・・」
オレはできる限り優しく話しかけた。
「もう死ぬなんて言わない。だから・・ごめん」
彼女がゆっくりと顔を上げる。
咎めるような視線が痛い。
――なんであんな事したんだろうな
とことん不器用なんだと思った。オレも彼女も。
「ふぅ・・」
彼女は少し大げさにため息をついた。
どこか吹っ切れたような、そんな表情だった。
「こんな気持ちになるなんて・・。
なんでもっと早く素直になれなかったんだろ」
自問自答のようで、オレに問いかけるような彼女の言葉。
オレの言葉で彼女の人生を否定してしまいそうで、
答えることができなかった。
――情けねぇな、ほんとに。
「あ〜、なんかすっきりした〜。
身体が軽くなったみたい」
オレは突然明るくなった口調に驚いてしまった。
「この前のあなたじゃないけど、ありがとうって言うべきかな?」
彼女はからかうような笑みをオレに向けた。
「オレは礼を言われるような事をした覚えはない。
そんなことを言われても嬉しくはないな」
951 :
897:2006/03/11(土) 20:08:52 ID:7r5dF4DW0
6/7
「ちょ、なによその言い方!」
オレはにやりと笑みを浮かべる。
「キミのマネをしただけだ、気にするな」
彼女は『全然似てない』と抗議するような視線を向てきた。
しかし、ふっと真顔になって言った。
「あなたも素直になった方がいいよ」
――ああ、分かってる。
オレは心の中で答え、苦笑だけを彼女に返した。
「そろそろ時間かな・・」
「行くのか?」
言っておいてなんだが、変な質問だと思った。
「うん、なんかそうみたい」
ハッキリとしない回答だった。
「一つだけ」
彼女はオレに向けて人差し指を立てた。
「一つだけ約束して」
強い意志を持った瞳がオレを見つめる。
「あなたはわたしが生きられなかった分、幸せになること!」
簡単なようで難しい約束だった。
だが、なんとでもなる、それが人生だ。
「ああ、わかった。がんばるよ」
オレは彼女に負けないくらい意志を込めて見つめ返す。
「うん、がんばれ!」
見たことのない屈託のない笑顔だった。
「キミも・・」
オレは思わず出そうになった『一緒に』という言葉を飲み込む。
ここで引き止めてはいけない。オレは首を横に振り言い直した。
「また、いつか会おう・・」
「ええ、また、いつかどこかで・・」
そして彼女はオレの前から消えた。
952 :
897:2006/03/11(土) 20:11:31 ID:7r5dF4DW0
7/7
十数年後
オレは妻と小ニになる息子を連れて遊園地に来ていた。
といっても、妻はショッピングに勤しんで子守を押し付けられた形なのだが。
「おと〜さん、次アレ乗ろうよ」
手を繋いだ息子の指さす方向にはジェットコースターが見える。
「よし、行こうか」
オレは息子に引っ張られるような形で歩く。
「すいませ〜ん!」
誰に向けられた言葉か分からないが、比較的近い場所で声がした。
オレは辺りを見渡し、左手の方からこちらに向かって駆け寄ってくる女の子に視線を止めた。
栗色の髪を肩まで伸ばし、学生服を着ている。
中学生くらい・・旅行生だろうか。
「すいません。写真撮ってもらっていいですか?」
オレの元まで走ってきた女の子が尋ねてくる。
彼女の少し後ろには、この遊園地のマスコットを囲んでいる3人の女の子がいた。
「いいですよ」
オレは彼女の持っていたデジカメを受け取り、マスコットを中心に並んだ4人の女の子を撮った。
「ありがとうございます」
オレは栗色の髪の彼女にデジカメを返した。
「どういたしまして」
言葉も半ばに、横で待っていた息子にせかされて歩き始める。
「あの」
再度呼び止められ、オレは振り向く。
彼女はオレを真っ直ぐ見つめていた。
「あなたは幸せですか?」
普段のオレなら『宗教か?』と眉をひそめただろう。
「ああ、とても幸せだ」
しかし、無意識の内に答えていた。
オレの言葉を聞いた彼女は満足そうに、そして見た事のある屈託のない笑顔を向けて言った。
「わたしも幸せだよ」
―終―
953 :
897:2006/03/11(土) 20:12:34 ID:7r5dF4DW0
>>897 の続きです。
ツンデレって難しいと実感しました。
後の方はツンデレじゃなくなってしまったし・・。
話を分けて長々とすいません。
オカルト板でツンデレの意味を知った自分がオカルト。
以上、記念カキコでした。
失礼しますノシ
954 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/11(土) 21:27:15 ID:/VcWlGeB0
>>946-952 内容はGJだと思う。乙。
でもな〜正直タイミングが悪かったと思う。
上でさんざん長いのが出てて、みんな食傷気味だからすぐには読む気がしないんじゃないか?
次のスレまで待ったほうがよかったかも?
でも内容は良かった。また頼むよ。
955 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/11(土) 21:51:51 ID:aRScP112O
それは、しょうがないだろう
題材が決まってるからな
>>946-952 グッジョブ
輪廻って今回初めて出たな。
とってもよかったお。・゚・(ノД`)・゚・。
>>942 そこに行く人もいるし、そのまま基地で待機になって次回に行く人もいる。
なんせ戦争だし基地もあちこちだし指揮官も色々出しパイロットも色々だし。
板違いお詫び ;y=ー∵. <´`д゚` ・∵. パン ・・・ッ・・・
…そして
>>962はツンデ霊としてこのスレを静かに見守っていくのであった…
■■■■■■■■ツンデ霊 第二部 〜韓〜■■■■■■
次スレが立っているので、以下埋め作業か新人の練習として使う?
それともまだ本スレあつかい?
まちごいた…OTL
〜韓〜って何だよ韓って…
〜完〜の間違いな
おれも逝ってこよう…;y=ー<ヽ`д´>・∵.
いや、漏れには狙ってやったように見えたよ
ばかじゃないの?!いくらツンデ
レだからって、そんな簡単なネタで
たのしんでるとでも思う?!
w笑わせようとしてるにしても
ごういんだし、そんな言いがかりって
メンドイんですけど…暇なニーとは
寝てればァ?
967 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/12(日) 12:50:05 ID:8vuJDlCfO
まー、なんだな。
とりあえず
>>966は
しんで良いと、思うよ
きのうの夜、ETV特集という番組で、脳の機能が衰えたお年寄りに
ごく簡単な計算などをやらせて機能回復させるっつうのをやってた。
中には嫌がる人もいて、出題されても「知らん!」と大声で繰り返すお婆さん
がいた。答がわからないようには見えなかった。一種のツンデレだろうか?
969 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/12(日) 13:27:24 ID:hWaa6ph1O
婆はもうデレッとする事はないかと。ただでさえ老人(特に女)はお荷物なんだから可愛くしてないと救いようがねーな
970 :
本当にあった怖い名無し:
次スレURLきぼん・・・・
次スレからデビューしまつ・・・・・