118 :
本当にあった怖い名無し:
猫はパックをジイッと見ていたが、それを眺めていても仕方ないので、賽銭箱に
小銭を入れ、御参りをすませた。
ふと見ると、猫はいつのまにか牛乳をペチョペチョと舐めていた。
俺は「じゃあな〜」と猫に声をかけ、お社をあとにして鳥居の下をくぐったときだった。
「パン!」と背中から何かが飛びのくような感じがして、急に肩が軽くなった。
なんだいまのは? と思い、背後を見るけど特に何もなく、上着を見ても、
何かがついていた跡もない。
(今のはなんだったのだろう…)いぶかしがりつつ車を止めた駐車場の方に歩いていると、
ポケットの中の携帯が鳴った。電話は以前、一緒に仕事をしたことのある他社の方だった。
「話聞いたよ。あんたフリーになったんだって?w
暇ならちょっと仕事頼みたいんだけどさ〜」
「はいはい、で、ネタはどんなでしょう!」
そうしてちょっと楽しい電話を終えてふと気付いた。
もしかして、本物のお社とは、あの黒猫のいたお社だったのではないかと…。
それで牛乳のお礼に、俺の背中にくっついていた何か重たいものを、
取ってくれて、それで多少運が好転したとか?w
俺は、先ほどのあの猫社の方に一礼して、その場を後にした。