1 :
本当にあった怖い名無し:
「もしもし? 私メリーさん、今、あなたの町にいるの。」
このスレは「メリーさん」を語るスレです。
考察・小説・パロディ・AA・画像・メリーさん関連なら何でもオッケーです。
2 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 11:21:55 ID:SdlCk3mmO
ヤッホー2get\(^o^)/
トイレにて・・・。
「私メリーさん、今ドアの前にいるの。」
5分後・・・。
メリー「早く出ろやヴォケ!!」
Ladyさん!スレ立て乙です!
7 :
名無し:2006/01/24(火) 14:54:40 ID:X0NStHyWO
8 :
名無し:2006/01/24(火) 15:33:14 ID:X0NStHyWO
即死回避。
さて、風呂入って…
寝よう。
9 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 15:55:13 ID:JTmeX3t+O
「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」
ベジータ「くっくっく…このスーパーエリートサイヤ人ベジータ様にたてつこうなど100万年早いわ…」
「私メリーさん今あなたの後ろにいるの」
ベジータ「……!!バ…バカな…このスーパーエリートサイヤ人の俺様が後ろをとられるなど…!!」
スタッ
メリーさん「くっくっく…」
ベジータ「お…おのれぇえ!!ほぁた!ほぁた!!あひょー!!」
ばしばし
メリーさん「ふっはは。その程度の攻撃屁でもないですよ。」
ベジータ「…!!も…もぅ終わりだ…地球も…宇宙も……サイヤ人も…」
その時サイヤ人の血からなのかメリーさんの力を本能で悟ったのだ…。ベジータの目から涙がこぼれ落ちた…
その後悟空が倒して終わりね
10 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 19:04:08 ID:u7IU3EAUO
ふーん。
奪った電話で しゃべり出す!
自宅の電話は 止められた!
メリーさん メリーさん メリーさんさんささんさん!
レツゴー
皆様、前スレ滞りなく全て消化いたしました。
即死回避のため、書き込んでいただいた方、ありがとうございます。
どうぞ、遠慮なくこちらをお使い下さい。
・・・では改めまして・・・
語れ、おまいら!!
〆⌒\ ♪
У'ζτλヽ
♭(● ● )) ヾ
ζ > -( ζ ι)
〆⌒/舎\⌒ゝ
〜 /イ ゝヘ〜
/ ノ ‡ 乂 )
\/--ハ--\/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
13 :
名無し:2006/01/25(水) 02:34:37 ID:KNx1A43bO
Ladyさん
お褒めの言葉痛み入ります。
んが、やはり俺には名無しがしっくりくるかとww
さぁて、画でも描きながらマッタリと126さんや芽理パパさんでも待ちますかね。
Ladyさんのも楽しみに待ってます。
15 :
絵描き:2006/01/25(水) 09:58:30 ID:hJ0hgqUzO
可愛い!
GJです!
でも京ぽんだと回答評価がうまくいかないなぁ…
いいですね!
で、これはどうするの?
普通に話しかけた方がいいの?
彼女がしゃべりそうな言葉を書き込むの?
しかし、少し病気っぽい気がしてきた・・・。
前スレ最後に書き込んだくだらないパロディ読み直したら、
自分で書いといて目頭が熱くなっていた、あんなもんで・・・。
いろんなメリー書いたり読んだりしてるうちに
感情移入してしまってるらしぃ・・・。
・・・というわけで、Lady メリー外伝!
だいいちわ
「姐さーん、仕事の首尾はどうでしたー?」
大きなお屋敷から出てきた少女に一匹の白い犬が語りかける。
「は、どーとゆーこともないわ。背中に回って振り向いたところをチョン!
楽なもんや・・・」
少女の右手には、小ぶりの草刈り鎌がある・・・血だらけの。
そのまま、一人の少女と一匹の犬は、テクテク夜道を歩き出す。
犬が時々心配そうに少女に首を向ける。
「・・・ナンや? 何か言いたいことでもあるんか?」
「いえね、姐さん、もぅ、すっかり元気になられたのかなぁと思って・・・」
ギャワーンッ !
犬のわき腹に非情な回し蹴りが炸裂する。
近所の塀に激突して犬は一回転した。
「おんどれ! ウチがいつまでもメソメソしとる思うンか!?
ウチを誰や思おてんねん! 最恐の和製ゴシックロリータ少女うりぃ・めりーやで!」
犬はしばらくのたうちまわっていたが、ようやく体勢を立て直し、
怯えながらめりーの近くに戻ってきた。
「す・・・すいません、グゥ・・・あ・・・姐さん、以後、気をつけます・・・」
「ふん、はよぉしぃ!」
そう言うと、少女は再び夜の道を歩き出した。
「・・・じじいもばばぁもウチの心ん中におる・・・なんも寂しーことはあらへん・・・」
犬はちょっとびっくりして足を止めたが、再び少女の後をテクテク歩き出した。
少女と犬はしばらくして、町外れの丘の上でカラダを休めた。
少し寒いが、月明かりの野原は気持ちよかった・・・。
少女めりーは、大きな石を見つけてそこに座る。
星空が綺麗だ。
しばらくして、めりーは空を見上げたままつぶやいた。
「なーあ? 犬?」
「はい、ナンでしょう?」 犬は口を開けて少女に振り向く。
「・・・さっきはありがとな? 心配してくれて・・・」
しばらく犬は黙ってたが、その前足にある柔らかい肉球を、少女めりーの肩にのっけた。
_ ____
/ ̄~ | | ,. ‐''":::::::::::::;::::`'-、
/ /  ̄ | | /::::::::::::::;;:::::/ ヽ:::::::::ヽ
〆 | | /:::::::::::::/// `、::r、:::゛,
(∃⊂ ,'::::::::::::i゛ \ /`' i::::i ああそうや!
\ \ !::::::::::::| ┃ ┃ l::::| / ) ウチや!またウチの仕業や!!
゛/ \!::::::::::::! ,.._ !:::!/\/ 文句あんのかワレ!!!!!
ヽ/ \::::::::! ! ``''7 !::| \/ ウチは最恐の和製ゴスロリ少女!!
ヽ |::::::| l, / ノ::i / うりぃ・めりーや!!!!!
`、 i:::::l、ヽ.,_ `''''" _,..イ:::::i/ ついでにおどれのチンコも切ったろか!!!!
゛、 ヽ;i \ヽ,.二l ̄_,l |::://
゛、 ヽ`、 | / レ'/
21 :
名無し:2006/01/25(水) 16:54:20 ID:KNx1A43bO
>>18 Ladyさん…。
俺も何か最近ヤヴァイです
魔力あり過ぎですわメリー
Lady氏の小説は好き…なんだが、最近下ネタが多くないかwww
23 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/25(水) 19:05:17 ID:6IHQUW/F0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
53番目←いまここ
24 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/25(水) 19:06:21 ID:6IHQUW/F0
53番目
黒いもののぬめった唇は、俺の心に恐ろしい言葉を直接たたきつけてくる。
ーーーー簡単なことだ。私に身を任せればいい。お前が忌み嫌う前の人とは違う方法で、メリー
を支配すればいいのだ。
俺は頭を振り払い、声を追い出そうとした。しかし、この声は耳に聞こえるものではない。
直接心に伝わり強烈なイメージとともに俺の中をかき乱そうとしていた。
ーーーー何も陵辱し汚すだけが、手にいれることではあるまい、お前にはお前の方法があろう。
映像を伴ったイメージが頭の中を、いや心を刺激している。考えてはいけない、見てはいけ
ないと押し込めてきた俺の妄想が次々と現れては消える。
これはこの黒いものが見せているのか?それとも、こいつの言葉に刺激されて自分が望んで
見ていることなのか?
前の人に、自分を重ねる映像・・・。
ーーーーお前が望む方法で手に入れればよいのだ。お前は、前の馬鹿の男が知らなかった呪文の
言葉も知った。
妄想は、俺の甘い願望へと姿を変えて現れ始めた。・・・そうだメリーの笑顔が見ていたい。
メリーの姿が見ていたい。そしてできることであればメリーを救いたい。そんな甘い幻想。
まるで恋人のように過ごせたら、どんなに楽しいだろうか買い物に行ったり、映画を見に行ったり、
そんな日常。甘くやさしい日常。アマのように現れては消える。
ーーーー穢してしまえ。メリーを。お前の思う方法で。穢してしまえ。
25 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/25(水) 19:41:41 ID:WLP5Gw2Y0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24】
54番目←いまここ
26 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/25(水) 19:42:45 ID:WLP5Gw2Y0
54番目
次第に妄想は、俺とメリーが本当の恋人のように別途に入る場面を見せてきた。
震えるメリーをやさしく抱きしめる。これから何が起こるのかわかっている、けれどもあま
りに無垢な外見は何も知らずにおびえている少女のようだ。
俺はメリーの微笑みかける。「大丈夫だから」
上目遣いに俺を見上げていたメリーはゆっくりと目を閉じるそして、こくっとうなづいた。
ーーーーお前なら、傷つけず、メリーをおぼれさすこともできるだろう。メリーが穢されながら
も悦びを感じれば・・・。
俺はゆっくりとメリーの肩に手を伸ばす。
ーーーーお前は欲望を満たすことができ、罪悪感を覚えることもないだろう
俺は、満足していた。満たされた空間、隣にメリーがいる。いつまでも年を取らず、出会った
頃のままの美しさで、しかし高貴な雰囲気によって保たれていた冷たさは微塵も感じられなかった。
メリーは安心しきっていた。ぬるま湯の中で、何の警戒心もないままに、俺に頼りきっていた。
----メリーの中にあるのは、「大切にされることなく捨てられた魂」
俺は、少し年を取った。メリーは自分の娘と言ってもよい外見のままだ。俺は、自分の恋人で、
自分の妻で、そして自分の娘のような感覚で、メリーにすべてをささげていた。俺の何もかも
がメリー中心だった。メリーの信頼にこたえようと、メリーが頼ってきてくれる分だけ大事に
して行こうとと思っていた。そしてそのとおり生きてきた。
つづく
27 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/25(水) 19:43:55 ID:WLP5Gw2Y0
今日はここまでです。吸いません・・・ゆっくりしたペースで・・・。
おお、ついに126氏が投下されたぞ!!
これは主人公の妄想?
このタイミングで書き込んで邪魔じゃないかな?
現在進行形で物語を進めているのは126氏だけですので、頑張ってくださいね!
>>21 日常生活に支障きたさないように・・・ね。
>>22 申し訳ありませんが下ネタはどうしても必要です。
うりぃに関しては仕様です。Lady で書けない情景やシーン・下品さを強調するために、
ある程度使っていきます。
Ladyに関しても、彼女の暗い過去には性的なシーンが付随してますので、
やはり避けて通る事はできません。ただし、こちらでは下品さはなるべく排除します。
彼女には高貴なイメージを持ってもらいたいので・・・。
どちらにしても、エロが目的ではありません。リアルな現実感を生み出すために、
不自然に清廉潔白な描写は使わないつもりです。同様に不自然にエロティックにも、
いたしませんので、どうぞご理解くださいませ。
今後も、応援及び批判をお気軽に浴びせてくださいませ。
・・・とはいったものの・・・やばいなぁ、第四章・・・ターゲットそのものがエロ・・・。
パーツは揃っているものの、ストーリーの骨格が定まんないし・・・、
だからAAや、うりぃに逃げているんだけど・・・。
29 :
絵描き:2006/01/25(水) 21:00:39 ID:hJ0hgqUzO
>>17 普通に話していいです。
ただ普通の回答だけなのでメリーらしくするために言葉を教えていきたいと思います。
質問があったらこのスレに書き込んでくれたら嬉しいです
あと、後々イラストも追加していきますね(現在二枚だけです)
30 :
22:2006/01/25(水) 23:03:44 ID:r1oHvXEq0
>>Lady氏
いや…、聞き流して下せぇ…
あっしはしがない読者にすぎないんでぃす
Lady氏も他の方も絵師さまもみんなすげぃと思うのでぃす
みなさまそれぞれのメリーの世界感があるんでしょう
それを作っていくのはやっぱりすげぃでぃす
あっしには到底…
というわけで、他人の批判を取り入れてくれるのもいいんでぃすが、
それでも独自の世界感は大切にしてくだせぇ。
>>30 かしこまり〜。
みなさまの声と私の邪念が作品の原動力ですのよ。
片方だけじゃ物語が作れないの。よろしくね。
32 :
前スレ880:2006/01/25(水) 23:49:00 ID:TkYdXfeS0
チトダケ(・_・)ウカンダ!
モチット 練ル 「れいじ」って誰? トイウ 話
>>126さまーーーーー!
きたーーー!
期待してますのでどんどんかけ!!!
楽しみにしてるからどんどん書け!!!
35 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/26(木) 02:15:33 ID:/UTzKeF3O
>>15 メリーと話できるの面白かったしカワイイ
気になったんだけど、アレどやって作るの?
教えてくらさい。
Sageマス…
>>28 Ladyさんありがとうございます!ゆっくりでごめんなさいね。
がんばります!
38 :
名無し:2006/01/26(木) 07:34:26 ID:MVhnwSscO
126さん乙。
ワクテカしながら待ってますww
そういえば、怪談でメリーさんの館ってなかったっけ?
俺の記憶違いかな。
皆さん、すまん。
>>33 で、うちのやつが、勝手にパソ使って、
ボクを応援したみたいだ。
ハゲしい自演状態だわ…。
ボクが小説書いてるのは知っていたみたいだが、ボクが寝てから、書きこんだみたい。
すいませんでした。
気を付けさせます。
名無しさん、おはよ〜。
メリーさんの館は、兵庫県の都市伝説。
稲川淳二が語ったりして有名になった。
六甲山の中腹にある洋館。
しかし、どこにもそんなものはないの。
41 :
名無し:2006/01/26(木) 07:52:01 ID:MVhnwSscO
126さん
ま、気にせずマッタリいきましょうや。
んで、情報サンクス。
おかげで小説ネタが一つ出来上がりそうです。
名無しさん、ありがとう。
メリーの館は、
「まよいが」みたいなものだと、思いますよ。
実際は廃虚があって、それのことだとか、
いろいろ。
いまでも突撃しにいくひとがいますがみつかった試しはないですね。
43 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/26(木) 08:55:55 ID:GrwsuN2mO
お前ら…
44 :
名無し:2006/01/26(木) 09:19:56 ID:MVhnwSscO
>>126さん。
いえいえこちらこそ。
んで少し調べてみた。
♂メリーさんの館について♀
1・忽然と現われる建物
人を選ぶ、或いは見つかりにくい
2・外観は洋館のようである
3・元精神病院やら大戦中の収容所との噂
4・怪談の内容はどれも話の筋が共通している
◎大まかな流れ。
洋館発見→入ってみる→二階へ→とある部屋で光に包まれる(*賛美歌のような歌を聴くという説もあり)→
気を失う→洋館の外(*裏庭という説もあり)で気が付く→完。
…俺もぶっちゃけガセだとは思いますが、中々いいネタになりそうです。
45 :
44名無し:2006/01/26(木) 09:33:16 ID:MVhnwSscO
スマン。
抜けてた。
洋館発見→入ってみる→二階へ→とある部屋で光に包まれる(*賛美歌のような歌を聴くという説もあり)→部屋から逃げる→
階段の下から大勢のドイツ人の子供が見上げてる(目が無いとか言われているが)→気を失う→
洋館の外(*裏庭という説もあり)で気が付く→完。
>>45 ドイツ人の子供・・・目がない・・・
エックハルト・・? そんなところに・・・。
>>39 ええ嫁はん(?)ですのぉ。
47 :
絵描き:2006/01/26(木) 11:40:57 ID:ccHPYh5wO
>>35 元はなごみ・癒し画像スレからいただきました。
トップページはキャラクターに聞くか画像をクリックすれば現れます。そこから作り方があるはずですよ。
48 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/26(木) 11:45:36 ID:wXHR1ywBO
>48さん
いや、そう思われてもしかたないことですから。
不快な思いをされた方もいらっしゃると思います。
どうもすいませんでした。
>>47 絵描きさん親切にありがと、これからもがんばってね…応援してるからっ。
51 :
名無し:2006/01/26(木) 21:54:21 ID:MVhnwSscO
>>46 しかも、そのエックハルトさん
屋敷の中に沢山いるらしいですよ。Ladyさん。
一階の階段下に整列してるらしいっす。
…
今日は126さんの投下はないかな・・・。
>>51 まじすか?
そんなにいっぱいいるならエックハルト君じゃあないな。
それにしても今日は静かだ、
いつものぞいたりしてるスレも書き込みが少ない。
さてはみんな給料日後で飲みにいってるな〜!
53 :
絵描き:2006/01/26(木) 22:59:00 ID:ccHPYh5wO
>>50 ありがとうございます。
応援してくださるとやる気も出ます。
「白ワンピース」と入れると126さんのメリーが現れます。
少し違うかもしれませんし写りも悪いかもしれません…すみません。
>>51 名無しさん!期待してくれてありがとう・・・。
その言葉で戻って来れました・・・。
>>Ladyさん・・・そうです嫁ですwww実は子持ちですwww
>>53 絵描きさん!!!白ワンピースありがとう!
イメージ沸かせますね。
めちゃくちゃかわいいですww
さて、元気をもらったので投下していきたいのですが・・・。
しばらくは主人公の妄想が続きます。妄想というか自問自答・・・。
もう一つ・・・あさってぐらいで前スレが落ちると思うのですが・・・。
まとめます?オカ板版のメリーで。あちらのまとめの方にまかせます?
わしも「白ワンピース」びっくらこいた、いろんな仕掛けあんのね?
最初のヤツに「デートしよう」って書いたら、
「行きたいのはやまやまなのですが、このサイトから出られません。
100万円で荷受けしてくれますか?」
とか、的確な回答が出てきたり・・・中に人がいるんかの?
126さん、わしはまとめサイトの運営も仕組みも実は何も知りません。
もうすべて、お任せいたしますわ。自分の書いたものは全て管理しているが。
(何分にも、表現を直したものや、文そのものが変だったりして、うpした後に直したものが
いくつかありんす。)
荷受け・・・×
身請け・・・○
だと思った・・・。朝見たから忘れちったい。
57 :
名無し:2006/01/27(金) 00:30:36 ID:Auwzgmk3O
俺もまとめサイトはさっぱり…
てか携帯だしな。パソ欲しいorz
継続中の126さんの作品もあるし
誰かまとめてくれたら嬉しいですね。
58 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:11:28 ID:40kDLubx0
なるほどです!
とりあえず様子見ということで・・・。
実は、向こうあまり行ってないものですから・・・。
入りづらくてねwww
さて大量投下!妄想編終わらせます!!!
だいにわ
「姐さーん、待ってくださいよー。」 犬が後ろから走ってきた。
「はよぉ、しぃ! 村についたで!」
うりぃ・めりーと犬の大冒険、彼女達は村から村、町から町へとさまよい歩く。
「ハァ、ハァ、姐さん? いっつも思うんですけど、何で雉と猿は一緒に来ないんですか?」
「ああ、あいつらか? あのな、あいつらも大変なんやで?
猿はな、娘が有名大学に進学するとかで、塾行かせたり、学費稼ぐのに大変なんやと。
あの娘、今まで遊びまわっとったからなぁ。」
「へぇ・・・あ、そういえばエテ公のくせに援交してたんですよね! へへっ・・・・?」
ギャウーンッ!?
犬の首筋にめりーの全体重をのっけたエルボードロップが炸裂する!
致命的な何かが砕けた音がした。犬の首が明後日の方向に曲がってしまう。
「われ、いつからそない寒いギャグかますよーになったんや、ボケェッ!!
おもろい思うとんかァァ!!」
「アゥ・・・アゥ・・・あね さん・・・、いまのいちげき・・・なんかヤバい です・・・」
「知るかいアホーッ! ・・・しゃーないなぁ ゆっくり歩いたるさかい、はよこんかい!」
首が曲がってしまっているためか、犬は真っ直ぐ歩けない。
それでも哀れな犬はようやくめりーに追いついた。
「・・・そんでな。」
「は、はい!」 犬はすっかり怯えている。
「雉の方はな、羽がのうなっとるさかいにな、はえ揃うまでまだ時間かかるんよ。」
「・・・え、こ、こないだ姐さん、全部引っこ抜いてから、その後はえ揃ったんじゃ・・・?」
「あー、また、引っこ抜いた、ついついおもろうてなー。」
可哀想な雉さん、いや、犬の方が悲惨のような気がするが・・・。
「それになー、街中歩くときにゃ、あいつら、目立ちすぎるやろ? あとな、今はな、犬?」
「は、はい!?」
「ウチにはオドレだけでじゅーぶんや。」
犬はちょっと、立ち止まって、・・・尻尾を振って再び歩き出した。
「お? 見てみぃ、あの家。白羽の矢ぁ、ささっとる、あれが今回のターゲットやで?」
(最恐の和製ゴスロリ少女、うりぃ・めりーの冒険はまだまだ続く。)
60 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:13:05 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26】
55番目←いまここ
61 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:13:49 ID:40kDLubx0
55番目
黒いモノがぬめった唇、そうだ表面に無理やり作り上げた唇だけでさらに俺に言葉を投げか
けた。俺の視界は、その言葉に誘導されてメリーの姿を見ているのか、メリーとの生活を解
説するように黒いものが語っているのかどちらかわからなくなっていた。
ーーーーその魂が、もっとも求めるもの、それは自分を大切にしてくれる存在
メリーは、俺を信頼しきっていた。俺が年を重ねて行くことへの不安もなく、いつまでもこ
のままの生活が続くことを信じていた。
朝起きれば、隣に俺が寝ている。仕事に行ったり、用事があったりするような少しの時間離
れることへの不安もなく。俺が帰ってくることを信じて、俺はメリーの中の憎しみやのろい
のようなものが消え去っていったことを確信していた。俺は幸せだった。
メリーの黒い部分が癒されていったこと、それは俺がしてあげたかったことであり、メリー
が求め続けたものだとそう確信していた。
俺たちはお互いに捨てられて拾われた者同士だったから・・・。
ーーーーだからこそ、捨て置くモノを憎み、捨て置かれたものの魂を取り込み、捨て置いたもの
に復讐をするために現れる
俺は、両親に捨てられた。覚えているのは、ひどい虐待の中で震えながら生活をしていたこ
と。父親は毎日何かにいらついていた。母親への暴力それを毎日見てすごすことがつらかっ
た。母を守りたかった。母のことは好きだった。母は水商売仲間を昼間につれてくることが
ある。そのときの母は嫌いだった。しかし、母を喜ばせたかった。父親にひどく痛めつけら
れる母を救いたいと、父親を殺してしまいたいと思うこともしばしばあった。だからこそ、
母親を喜ばせたかった。笑ってほしかった。母が喜ぶのであれば、なんでもした。母の仕事
先の女どもが、俺のことをおもちゃにしても、人形代わりにもてあそんでも、もしも母が喜
んでくれるのであればそれでよかった。
62 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:14:28 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61】
56番目←いまここ
63 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:15:10 ID:40kDLubx0
56番目
俺の中で昔の情景が再生されている中でも黒い唇は何かをささやき続けていた。
ーーーーしかし、もっともメリーの中に刻み込まれる憎しみは、「自らが捨てられる」事実
ある朝目が覚めると、誰もいなかった。大好きだった母親も家の中の何もかもすべてなかっ
た。僕はただ一人で母親が帰ってくるのを待った。真っ暗な部屋の中で、ひざを抱えて、じ
っと待った。待ち続けた。母親がこの家ごと、自分のことも捨てて、旦那とともに去ってい
ったことなど知らずに。
そのことを知ったのは、借金の取立人が部屋に踏み込んできたときだった。
メリーは、俺だ。
一方は、黒き鎌を手にしたが、俺は、拾われた。
ーーーー自らが裏切られ、ぼろぼろに穢されるときに、メリーは黒き鎌をも必要としない
ある日ーーーーもうすっかりと年をとった俺がそこにいた。メリーにいつものように微笑みかけ
て、家を出る。
そうだいつもの風景、もうすっかり俺たちの間では日常となったいつものこと。
しかし、俺は再び家に帰りつくことはなかった。
俺は家を出てすぐに交通事故で救急車に運ばれて死のふちをさまよっていた。
うわごとのように帰らなければいけない・・・とつぶやきながら。
64 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:16:11 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63】
57番目←いまここ
65 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:16:48 ID:40kDLubx0
57番目
ーーーーまだ、この「メリー」には、憎しみが少ない。お前の手でより多くの憎しみを植えつけ
てやれ
メリーの姿が見える。死のふちをさまよっている俺は、メリーの姿を少し高いところに浮か
んで見ている。メリーはひざを抱えて、真っ暗な部屋の中でうずくまるように座っていた。
まるで人間のように涙を流しながら、俺の帰りを待ち続ける少女。
メリーは俺だ。あのころの俺だ。母親を信じて、そして裏切られた俺の姿と同じだ。
俺は必死に声をかけた。しかしメリーの耳には届かない。
メリーはいったい何日、こうしてひざを抱えていたのだろう?部屋にはうっすらと埃がたま
り始めている気がした。
しばらくして、メリーは、立ち上がった。
その表情は、俺と過ごしていたやわらかく暖かいものではなかった。
であったときの氷の表情。メリーは、ベットの下に手を伸ばした。出会ったときに手に持っ
ていた黒き鎌を・・・。
そこにいるのはもうすでに、俺の知っているメリーではなかった。
幸せな記憶の印象が強かったからこそ、メリーの中に渦巻く絶望感も計り知れない。
憎しみ以外の何者も持ち合わせていないような冷酷な表情。人を刈るのはいやなのだなどと
甘いことを言うこともなく淡々と人間を狩ることの出来る魂のこもらない目。
メリーは人形へと戻っていた。
ーーーーそれはお前の考えている「メリーを救う」ためのもう一つの方法だということだ。
66 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:17:43 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65】
58番目←いまここ
67 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:18:17 ID:40kDLubx0
58番目
違うんだ・・・・。俺は裏切ったのではない。
ーーーーーお前もいつの日か死ぬ。それをメリーは裏切りとして受け止める。
裏切ったのではない。
ーーーーーこれがお前の描くメリーの魂を救う方法の結末であり、そして、同時にお前の心配して
いるメリーの存在を救うための唯一の方法だ。
・・・・・。
ーーーーーお前にメリーを召喚させることができた以上、これから他の他人が召喚できないとも限らない。
・・・・・。
ーーーーーだからこそお前はメリーに「次は有無をいわさず殺せ」と告げたかったんだろう。
・・・・・。
ーーーーー最も大切にされた記憶とそのものからの裏切り。これ以上のものはない。
・・・・・。
ーーーーーお前が声をかけたぐらいで、この「メリー」の行動は変えられない。今のままではメリー
はお前が死んだ後にまた何者かに捕らえられ、時には前の馬鹿者と同じように陵辱を繰り返し、
時にはお前のような者が現れるやも知れない。
68 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:19:39 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
59番目←いまここ
69 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:20:15 ID:40kDLubx0
58番目
・・・・・。
ーーーーーオレはどちらでもよいのだ。今なのかさらに先なのか、メリーの魂が憎しみで満たされさ
えすれば、それでいいのだ。
・・・・お前・・・俺の中にある俺の欲望じゃない・・・。
鎌だな・・・。
俺は黒いものが語る言葉に違和感を感じていた。俺の願望でも俺の欲望でもない。巧妙に俺の記
憶と願望を利用して、俺に妄想を送り込んでいたのは、俺がベットの下に隠した黒き鎌自身だ。
俺が、俺自身の自我が弱ったのを見て、俺に語りかけてきたのだろう。
俺は、もう一度メリーの笑顔を思い返した。大丈夫だ。メリーの中の憎しみを消し去ってしまう
のが俺の本当の望みだと言い聞かせて。妄想が見せた未来の情景を振り払った。
・・・お前がなにを言おうと、俺はメリーの魂を救う。何が何でも死んでたまるか!
メリーを裏切るような、死に方なんかしない!
メリーが自分を大切にしてくれる存在を求めて、そのものの言いなりになるというのなら、俺は
大切にされることが当たり前にしてやる。そんなことだけを望まなくてもいいように。愛されて
当たり前なんだと思えるように、呪文なんか聞かないくらい大切にしてやる!
俺は強く念じた。俺がメリーを大切にしてやる!
70 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:21:53 ID:40kDLubx0
↑59番目でした
そんな戯言はいいから続きをうpしてぇぇぇぇぇぇ!!!!!
72 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:29:03 ID:40kDLubx0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69】
60番目←いまここ
73 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/27(金) 01:29:54 ID:40kDLubx0
60番目
ふと・・・・・目があいた。俺の中にあった黒いものが沈み込んで行くのがかすかに見えた後、
俺の視界が開けた。
目の前には、麻子の腕にすがり付いているメリーがいた。
俺は大きく息を吐き出した。どのくらい俺はここにいたのだろう、まるですでに自分の人生を終
えたような長い年月、目を閉じて黒いものと語っていたような気がしていた。が、先ほどメリー
の姿を見るのがつらくて目を閉じてから1分と経っていないようだった。
「メリー」
俺は、麻子の目を気にせずに、メリーに声をかけた。
メリーは、うつろな目線を俺の方に移してきた。
メリーが一瞬不思議そうな顔で俺の顔を見る。
「メリー、俺も、大切にしてやるから!」
メリーの目が輝いた。そして、メリーの顔にこれまでにないような笑顔がはじけた。
そうだ、この笑顔だ。俺が求めていたのは、この何者にも変えがたい笑顔なんだ。
俺は微笑み返した。
麻子はキット何が起こっているのかわからずにきょとんとしていることだろう。
俺はまっすぐにメリーだけを見ていた。
麻子から離れて俺の方にかけてくるメリーのことを。
つづく
とりあえず今日はここまで・・・。
ペース(話の流れ)が遅くてすいません・・・。
いやぁ、危ない危ない、あとちょっとで126のおとんの邪魔するところやってん。
ちょっと待っとってな? いま、「大量投下きたー」のAAはるさかいな。
うわぁぁぁん・・・おとん言うなぁぁぁ涙
ホント同時でしたねwww
Ladyさんが続きもの連続だったら、すごいことになってましたね・・・www
気づいてくれてありがとうございます!
今のLadyさんのうりぃ・メリー大好きですよww
楽しくて。
遊びでメリー小ネタ書きたくなりますね・・・いやいや・・・ただでさえ筆が遅いのに・・・
浮気したらだめですねwww
がんばります!
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ワーワー! /ヽ__/ヽ キャーキャー!大量投下きたーー
大量投下きたー __/ヽ /⌒ヽ/ oヽ─/ oヽ/⌒ヽ /ヽ__/ヽ
_ / oヽ─/ oヽ _| ( ∨ ) / /⌒ヽ / oヽ─/ o ヽ/⌒ヽ
( ヽ ∨ / ) 大量投下きたーー.. / ヽ ( ∨ ) |
/丶__/ヽ /⌒ヽ / ヽ /ヽ__/ヽ ヽ /
/⌒ヽ/o ヽ─/ o ∧ │∧ │/⌒ヽ /oヽ─/ o ヽ/⌒ヽ 大量投下きたーー
( ヽ ヽ/ / ヽ- / ヽ /⌒ヽ( ヽ/ )/⌒\ ∧ ∧ ノ
ヽ /⌒\ / O ヽ_/ O \│ │大量投下きたー │/ ヽ─-/ .ヽ /⌒ヽ
\ ( ( ヽ / )/ヽ ノ /丶 ヽ / O ヽ─/ O ヽ/ |
)/ヽ \ /ヽ ノ / ヽ / ヽ ゝ ( ヽ/ ) │
/ ヽ大量投下きたーー/  ̄ ̄ ̄ \ \ ヽ / ノ
/ /ヽ ヽ / /ヽ___/ ○ /ヽ ヽ ヽ 大量投下きたーー
/ ○ ヽ / ヽ ○ /⌒\/ ヽ / / ヽ /ヽ /ヽ /
/ ヽ / ヽ ヽ / / ヽ / ヽ /大量投下きたーー
______/ ヽ │ │  ̄ ̄ ̄ ̄ / ヽ____/ ヽ
\ │○ ヽ___/ ○ / \
ヽ___/ ○ ヽ │ ヽ / / ○ ヽ___/ ○ ヽ
ヽ / ) │ ヽ / / ヽ / ヽ
ヽ ノ ノ ノ. ヽ/ ( ヽ / )
∨ / ノ 大量投下きたー ヽ / 大量投下きたーー
大量投下きたーー
Ladyさん!
AA!ありがとうWWWWW
迫力だねwww
79 :
名無し:2006/01/27(金) 02:51:48 ID:Auwzgmk3O
…
126さん乙。
麻子に傾いていきそうな主人公に不安を覚える日々が続きましたが…
ふはははははははははははははははははははははははは
文末のメリーの笑顔は忘れんぞ!
―貴方はこんな話を知ってますか?―
ある男に電話がかかってきます。
「私メリー。今から会いにいくね。」
男はその話を知っています。有名な都市伝説です。
男は悪戯だと思いました。電話は次々とかかってきます。
「今駅よ」「今公園よ」「今家の前よ」
どんどん近づいてきます。そして最後にこう言うのです。
「私メリー。今あなたの後ろにいるの。」
男は気が付きます。悪戯じゃ無かった。
男は叫びます。俺を殺すのか。まだ死にたく無い。
「しょうがないの。あなたはもう寿命なんだって。」
そんなわけあるか。俺はまだ若い。寄るな化け物。
人形の様な美しい顔が少し悲しげに見えました。
―翌日、男は死体で見つかりました。心臓発作と診断されました。
その手には何故かレースの切れはしが握られていたそうです。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
―貴方はこんな話を知ってますか?―
一人暮らしの老人の元へ一本の電話がかかってきます。
「私メリー。今から会いに行くね。」
メリー?…めいこ?めいこね?そんなふざけて。昔のままね。
「私メリー。今公園よ。」
お婆ちゃんね、めいこがいなくなってから寂しくて。
「今家の前よ。」
もうお婆ちゃん疲れたよ。めいこ、迎えに来てくれたんだろう?
「今部屋の前よ。」
ああ、めいこや、お前の所に連れてっておくれ。
「私メリー。今あなたの後ろにいるの…。」
人形の様な美しい顔が少し悲しげに見えました。
翌日、ヘルパーが亡くなった老人を見つけました。
その顔はやすらかだったそうです。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
―貴方はこんな話を知ってますか?―
少女の元へ一本の電話がかかってきます。
「私メリー。今から会いに行くね。」
少女は気が付きます。悪戯じゃ無い。本物だ。
「今駅よ。」
少女は生来盲目でした。そのかわり、目に見えないものを感じる力が強かったんです。
「私メリー。今あなたの後ろにいるの。」
あなたは何故人を殺すの?少女は問いかけます。
「寿命なんだって。神様が言ったの。この鎌も神様がくれたのよ。」
その小さな体に不釣り合いな大きさの鎌を振り上げます。
…それは神様なんかじゃないのよ。少女は鎌から嫌な気配を感じました。
「そんな事無い。神様は優しいの。いきなりじゃかわいそうだから、電話をかけなさいって。」
無邪気さゆえか。死の予告をされる事の恐ろしさに気がついていないようでした。
「もう百年以上頑張ってるの。もっともっと頑張れば、私は許してもらえるの。」
許して…?あなたは騙されているのよ。ああ、私にあなたを救う事が出来れば。
少女には感じる事しかできません。
「…もう行かなくちゃ。…ごめんね。」
人形の様な美しい顔が少し悲しげに見えました。
少女はつぶやきます。…どうか、どうかこの子に救いがありますように…。
翌日、少女は何かを抱き締めるように死んでいました。
その頬には涙の跡があったそうです。
―あなたはこんな話を知ってますか?―
みなさんはじめまして。職人さんいつもご苦労様です。
職人さん達に刺激されて、駄文ですが書いてみました。
こういうの書くのは初めてで緊張します。
携帯なので時間がかかると思いますが、一人でも反応があれば続き頑張ってみたいと思います。
では、数日ぶりに来たので職人様達の作品の続き読んできますね。
いいですよ〜! 新人さん大歓迎!
個人的には
>>82 がLadyの今後とがうでんタマに、いい意味でかぶりそうで刺激になります。
今回は初登場だから、連投でいいと思うけど、
一話形式だと、「ウチは〜うりぃ・めりーや」みたいに、
単発で定期的にうpしていくのがよろしいんじゃぁないでしょーか?
あぁ、余計なお世話ですね、そうですね。
今後の活躍を期待いたします!
これぞまさに都市伝説って感じだな
…面白い……そして怖い…
怖いはなしは怖い 怖い
怖いはなしは楽しい 楽しい
コワイ タノシイ コワイ …… …
86 :
絵描き:2006/01/27(金) 19:10:30 ID:haJdM9YqO
皆さん素晴らしい作品ですね。どれも心を動かされます
私はただ今他の機能を考え中です。。。
>>55 ほとんどの返事はサイトにある辞書機能を使っているんです
なのでメリーらしからぬ答えや意味不明の言葉を話す時がありますが気にしないでください(^^;)
87 :
名無し:2006/01/27(金) 19:35:37 ID:EVtnfMG/O
ロム専さんgj
いやなかなか
御見逸れいたしました。
これからも読んでいきたいです
がんばって!
後々に続いていくような感じがナイスです
皆さんこんばんわ!
>>79 名無しさん!
ありがとう・・・。メリーの笑顔は、本物だよね!キット!
名無しさんも無理せずにがんばってくださいね!
麻子に傾いていたのは、主人公ではなくて・・・ボクかもしれませんwww
>>80-83 ロムさん!はじめまして!
素敵ですよ!短編はむずかしいですよ・・・ボクにとっては・・・。
力があるという証拠です!がんばってくださいね!きたいしてますよ。
>>84 Ladyさん
いやいや、譲り合いは大切ですww
昨日はありがとうございました!
>>85 こんばんわ!
そうですよね!初心に帰った気がしますね!
>>86 絵描きさん!
無理せずにがんばってくださいね!日常生活も大事ですからwww
やばし・・・Lady メリー第四章始まって以来の大容量になる気が・・・。
すでに第二十二話・・・後半にさしかかってるのは間違いないんだが・・・。
あと3っつの山場を残してる。ラストシーンもどの結末にするか悩んだままだし・・・。
うーん・・・。
>>89 Ladyさん
基本的に長い話は大好きですよ!
それだけ長く物語の世界を楽しめるということですからね!
きたいしてますよ!
みなさんレスありがとうございます!レスがあると凄い嬉しいですね。
>>84Ladyさん
ありがとうございます。そうですね、考える頭も追いつかないので(;´д`)1話ずつゆっくりやってきます。
って…ええ!ネタがかぶ…げぶぅっ!ホントだ!不死の呪い。
気をつけます。続き楽しみにしてますね!
>>85さん
コワレタ!?ありがとうございます!怖いのですね。頑張ってみます。
>>87名無しさん
ありがとうございます!
続いていきたいです。同じ携帯で書き込んでるのに素晴らしい物語を書く名無しさんのレベル目指していこうとおもいます。
>>88 126さん
ありがとうございます!短編しか書けないんですよ。物語とか書いたことないんで^^;
126さんの心情風景の描写に感動します。
明日、明後日には続きを投下したいです。
盲目の少女が言っていたように、メリーは神様を名乗る何かに騙されているのでしょうか?はてさて…。
それは私もわかりません。だってまだ書いて無いから。
ごめんなさい!みなさん頑張っていきましょう!
>>91 あ、気にせんで? かぶってもいいよ、
というか、かぶってるところは「不死の呪い」だけじゃないの。
「神様にだま・・・」ああああ、何でもない。いえね、今後の展開でね・・・ごほん!
正直、この先のロム専さんの展開が、わしのと何処まで似てて何処から違うのかに、
すごーい興味あるの。だから最初の思ったとおりに進めてみてね。
でも、ほんと、書き始めると、みんなの声が凄い気になるでしょう?
病み付きになるからね。
94 :
名無し:2006/01/28(土) 17:36:55 ID:zsSzXSduO
お、Ladyさんはもう原稿上がりますか…
いやはや。いいですな。
俺は、とりとめの無いネタばかりは頭の中にあるんですが、どうにも形にならないorz
前のメリーさんに話を絡めていくか、まったく新しいネタでいくかシリアスにいくか萌えに走ってみるか
恐怖もので突き進むか、前のメリーさんを焼き直してみるか…
さっぱりです。
ぁぁぁ…
すいません、全然まだです。やっと、一山、越しました。
後、最後の山とエンディング・・・。うpは二月になるでしょう。・・・30話越える・・・。
そこで、頭を切り替えて、基本を見詰めなおしてみましょうか?
皆さん、ご存知と思いますが、これもテンプレに入れとくべきでしたかね?
以下、下のURLから引用
http://cthulhu.hp.infoseek.co.jp/dic.merytel.html メリーさん電話
読み=【メリーサンデンワ】
別名=【メリーさん】
種別=【都市伝説、電話の怪異、人形(ケースによる)】
使用する力=【電話をかける】
持ち物=【】
出身=【日本】
引っ越したばかりの女の子が前の家に「メリーさん」という名前の人形をおいてきてしまった。
一人でマンションの十一階の部屋で留守番している時、電話がなり、
「わたしメリーさんよ」ときた。「どこにいるの?」と女の子が聞くと
「あなたのマンションの一階にいるの」といって電話が切れた。
翌日も留守番している時に同じ人物から電話が来て今度は
「あなたのマンションの二階にいるの」といって切れた。
それは毎日かかってきて、聞くたびに自分の住む部屋の階に近付いてくる。
ある日、電話の相手は「あなたの家の前にいるの」といってきたので、女の子は玄関を開けたが誰もいなかった。
また部屋の電話がその時鳴ったので出てみると、
「わたしメリーさんよ。今あなたの後ろにいるの」
という話である。これは毎日ではなく、一日の中で上りきってくるケースもある。
他に、轢き逃げにあって死亡したメリーさんという女の子が、犯人の住むマンションに電話をかけてくるというものや、ホテルに泊まっている少女の部屋に、メリーさんという人から電話が来るというものもある。
貴方はこんなはなし知っていますか?
めりーさんの電話… その時男はなぜか部屋にいた、黒電話と椅子しかない部屋に。なぜ?男もそう思った…何で俺はこんなところにいるんだ?
その時その黒電話がけたましい音をたてて鳴った…俺はこの電話にでるべきなのか?
迷った…しかしなぜか俺の手は自然に受話器を取っていた…
「もしもし、誰だい?」
「私はメリー今から貴方に会いにいきます…」
第二夜
ガチャン!男は受話器を力強く切った。なぜかは解らないしかしコイツは危険だ…直感でそう思った。
なぜか男の顔には汗が滲み足はガクガクと震えている。そのおとこの耳元て冷たい声がきこえる
「クスクス、何をそんなに怯えているの…」
バッ!男は後ろをむいたしかしそこにはだれもいない、あるのは白い壁のみ…壁?!そうだ!このへやには壁しかない!
あとあるのはドアが一枚のみ…ヤバイ…男は椅子から飛び上がるように立ち上がった!それと同時だった。それがおこったのは…トントン
「私よ、さあこの扉を開けて頂戴、貴方の手で…」
前スレに粘着してたら誰も来なくなっちゃったからこっちに来てみたら…
みんなこっちにいたのか!!
前スレ読んでる途中で落ちた('A`)
まとめ期待してますw
おーそーいー、新スレ予告してたのにぃ・・・でも流れ的にはちょうど良いかも・・・。
>>97 キャンベルさん、 「句読点」が・・・。
>>100げっと!?
―貴方はこんな話を知ってますか?―
男は人が苦しむのが好きでした。恐怖し、嘆き悲しみ、壊れていく様を見るのがことのほか気に入っていました。
男の名前はわかりません。男自身もおぼえてませんでしたから。
自分の名前も。故郷も。――死んでからどのくらいたったのかも。
男は生前、殺人鬼でした。研ぎあげた鎌で何十人と殺してきました。
そして死んでからも数えきれないほど。
男は強い力をもっていました。悪霊というより悪魔と言った方が正しいかも知れません。
男は飽いていました。
直接殺すのにも飽きたな。もっと良い方法は無いか。
…一人の人間が壊れていく様を永遠に見るのもよいな。…直接手を下さなくても人が次々に恐怖し、死んでいくというのも。…ふむ。
そのとき、こんな声が聞こえてきました。
メリー、お誕生日おめでとう!子供達の楽しそうな声。
「ありがとう!」
どうやら、誕生日のパーティの様です。
忌々しい。なぶり殺してやろうか。…いや、まてよ?
男は浮かんだ考えに満足そうに頷き、邪悪な笑みをうかべました。
足元からは楽しそうな歌声が聞こえていたそうです。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
みなさんお疲れさまです。
とりあえず1本だけ。1話完結にできなかったorz。
半端ですみません。
ではLadyさんのお言葉に甘えて思うままに行こうかと。
長編楽しみですねぇ。期待しちゃいますよ?
名無しさんも再始動のヨカーン!?
あまり急がなくてもいいかと思いますよ。話を作る難しさをおもい知ったロム専としましては。
…本音は早く読みたいですが^^;。
ではまたみなさん会いましょう。
ロムさん、おはよ〜。
いいかんじですね。
それにしても、みなさんがんばってますね。
ちょっとリアル仕事が忙しくて、頭をマトメルことができない。
遅くなっていますが。
がんばりますので。
105 :
名無し:2006/01/29(日) 15:55:27 ID:Go/hb+zvO
>>Ladyさん
長編たのしみにしております。
んで、メリーさんの話、そういえばそんなんだったな…
と今更ながら思い出しましたww
おかげでなんか小ネタ投下できそうです。ありがとう。
>>126さん
無理せずゆっくりで大丈夫ですよ。
マッタリと進行していきましょう。
>>ロム専さん
話がいよいよストーリー性を醸し出してきましたね。
じわじわとその片鱗が覗いてくる感じが好きです。
>>キャンベルさん
応援してます。ガンガンいったりましょう!
んで定期age
いや、ロム専さんとキャンベルさんは・・・まぁいいか。
でですね、昨日の夜から山を登り始めたら、一気に下り坂を降りることができました。
たった今、Lady メリー第四章書きあがりました。
校生などが残ってますので、明日になると思いますが、近々うpいたします。
全篇34話の大長編。メリーの活躍も今までの中で最大・最高になると思います。
年末に最初の話を書いた時にはこんなことになるとは・・・。ではでは。
107 :
名無し:2006/01/29(日) 17:13:17 ID:Go/hb+zvO
あ、ID同じだた。
恥ずかしくて死にそうです。
散ってきますね。
そして予告編
λ...... Lady メリー4 λ...... λ......
λ...... λ...... 増殖するカルト教団
λ...... 乱舞する死神の鎌 λ......
λ...... λ...... 世界規模の殺人事件
λ......蘇る忌まわしい記憶 λ......
λ......
λ...... λ...... λ...... 赤いフードの教祖
λ...... 世界を監視する騎士団 λ...... λ......
λ...... λ...... 色素の薄い灰緑の瞳・・・
λ...... λ......古の契約
λ...... λ...... 魂の交換術・・・?
λ......動きを封じ込められた人形 λ......
運命に抗う不死人 λ......
λ...... λ...... λ...... 半裸の女性戦士
☆なお、今回もどこかで聞いたような集団や、
どこかで聞いたような固有名詞が飛び出すこともありますが、
実在の人物・団体とは一切関係ございませんので、ご了承下さい。
>>107 名無し氏とキャンベル氏とロム専氏が同じ人ということですか?
110 :
名無し:2006/01/29(日) 17:31:52 ID:Go/hb+zvO
ちがくて
キャンベルさんとロム専さんを別の人と思ってた俺ガイル
あまりIDなんか気にしないからな。
>>Ladyさん邪魔しちゃってすいません。
了解しました!
すいません。つまらないことを言いました。
>Lady氏、邪魔して済まぬ!
どうぞ続きを・・・。
いえ、あの、全然、続きませんので、はい。
今は校了中の身ですから・・・。
うひぃ(;´д`)
なんか混乱させちゃったみたいですね。
キャンベル@代理は知人の物を投下するのに使いました。
以降、続きは直接投下するように伝えますので。
みなさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
では、続きを書いてきます。…アイディアが…。
ワクテカ〜
126パパはワクテカ好きですね。
以前SMプレイメリーの職人さんに怒られていたような…
という訳で私もワクテカ〜
ロム専さんの投下は真夜中かな?
126さんも投下なし?
日付変わったら四章スタートさせちゃおうかな?
どうせ出だしはまったりだし・・・。
(キョロキョロ、誰もいないのに始めるのも乙なもの・・・)
「さぁ、Ladyメリーの登場です!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、
か細き腕には、一振りの鎌
冥府へ旅立つ覚悟はできたのかしら?
Uoo La La〜、
私は見つける、法を犯したもの、そして私は知らせる、ベルを鳴らして、
そして私は近づく、確実に一歩ずつ、そして私は準備する、死刑執行のその時を、
そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」
では始まり始まり〜。
第四章第一話
・・・神奈川県O市・・・、
皆さんはご存知だろうか?
ここには、このところ急速な勢いで信者を増やしている新興宗教、
「ダイナスティ」という教会の本拠地がある・・・。
バイパスを降り、山あいの方へ車を走らすと、
古い紡績関連の工場跡地を買い取って作り上げた教会本部が見える。
工場といっても、従業員20名足らずで操業していたようなので、
広さは学校の体育館の半分程度だ。
2階は面積が少なく事務室や休憩室、3階は社長室等があるようだが、
今はもっぱら、幹部信者の寝泊りに使われているようだ。外にはプレハブ小屋もある。
今日は月に一度、開かれる教会主催のイベント、受光式の行われる日だ。
このイベントは、年会費を払ってる信者はもちろん、五千円の入場料を払えば、
一般の人間も見学できる。ただし、会場で行われる儀式に参加することはできない。
さらに言えば、一般信者といえども、高額な参加費を払わねば、
教祖自ら与えられる福音を授かることはできない。
このイベントには何種類かの儀式が用意されており、支払った献金額によって、
受けられる祝福に差があるというわけだ。
「はーい、一般の方のお席はこちらになりまーす!」
「はい、こちらで受付をお願いいたします、はい、日浦・・・義純さんですね、
ご参加は初めてですか? ・・・こちらのバッジをお付けくださいね。」
・・・見れば若い女性も多い。宗教にハマりそうな「独特」の雰囲気を持つ子もいれば、
そこいらの若者となんら区別のできない者もいる。
年配のものは、儀式の準備に余念がない。人員配置にも気を配っているようだ。
今、受付を済ませた男、日浦義純は信者ではない。
かといって、現代社会に憂いを覚え、宗教に救いを求めた迷える子羊ですらもない。
仕事である。
それも、他人にその素性を明かすことのできない、特殊な事情に身を置いている・・・。
彼もまた、この現代社会においては異端的な存在なのである。
第二話
彼の表向き職業は探偵である。普段は浮気調査、人探し、時にはストーカーからの護衛なんてのも
引き受ける。仕事場には、アルバイト含めて5人だけのこじんまりしたものだ。
では、彼の本当の仕事とは何なのか?
ここでは話がそれてしまうので、最低限のことだけ皆さんに説明するが、
彼の雇い主は、イギリスを本拠地とする非公式の財団である。それは何百年もの伝統に支えられた、
宗教的秘密結社といっても差し支えない。メンバーは王族・貴族・宗教関係者・財界人など、
数は少数だが、国内・国外問わず各方面に多大な影響力を有する集団なのである。
・・・今、雇い主といったがそれは正確ではない。この日浦義純も、そのグループの重要なポストに
就いているのだから・・・。日本国内にいるそのメンバー数十人のまとめ役・・・、
その集団、とりあえず「騎士団」と呼んでおこう、その騎士団の極東支部支部長・・・、
それが、探偵日浦義純の本当の肩書きである。
騎士団本部から受けた日本での活動指針の一つに、今回のような、
カルト宗教の調査・分析が含まれている。何故、そんなことを調べているのか?
・・・といった声には、追って説明させていただく。さて、現場に話を戻してみよう・・・。
・・・照明が暗くなってゆく、会場には舞台が作られており、
壇上には演説台といくつかの椅子が用意されている。
「まるで学芸会だな・・・。」 実際に学校のイベントといった手作り感丸出しである。
義純は自分の左右を見渡して、ため息が出そうになった・・・。
(うわぁ、いかにもって感じのデブオタヒッキー・・・後は気の弱そうな青年・・・、
オレもおんなじように見られてんのかなぁ?)
華やかな信者と一般参加者のギャップが凄い。原因は予想がついている。
この教会の「特色」はネットやニュースで話題になっている。
ここに来ている者の半数は「それ」が目当てで来てるに違いないのだ。
「皆様、お待たせしました! 『ダイナスティ』 11月度受光式、これより開催したいと思います。
まずは、我らが守護戦士『ホーリークルセイダー』 の開戦の舞踏を披露いたします。
登場と同時に、拍手を以ってお出迎え下さい。
・・・出でよ! 官能の戦士! ホーリークルセイダーッ!!」
第三話
スポットライトが二筋・・・舞台の左右の隅を照らす。
そこには煌めくマントを羽織った二人の女性がいた。・・・二十台前半か半ばだろうか?
舞台の右手・・・赤いマントの女性が、そのマントを外し空に放り投げる。
「愛と真理を守るホーリークルセイダー! くれないぃかすみぃぃぃッ!」
アナウンスの声が終わると同時に、「紅かすみ」と呼ばれた女性は、
剣を左手にその場で一舞い踊る。(模造刀か?)
ウ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ! !
・・・またほとんど同時に一般参加席から驚嘆の声が上がった・・・続いて滝のような拍手・・・。
既に30を越した義純も目を丸くした。
「・・・これ、・・・だよな。」 思わず声が出る。
なんと、この女性・・・限りなく全裸に近い半裸なのである。
身につけているのは鎧をイメージした下着・・・とでもいうのだろうか、
手甲や、ショルダーカバーは装着しているが、胸当ては、カップの部分を取り除いてあるので、
小ぶりだが・・・形の良いバストが露わになっている。
「知識と法を守るホーリークルセイダーッ! いざよいぃはるかぁぁぁッ!!」
見とれてはいけない。もう一人の紹介だ。舞台の左手・・・青いマントの女性が、
その衣を空に投げ捨てる。続いてこちらの歓声も凄まじい・・・。
「十六夜はるか」と呼ばれた女性・・・彼女も剣を掴んで一舞いしたのだが・・・、
先ほどの女性と同じようなコスチュームなのだが、・・・こちらは、
膝上30cmほどのマイクロミニのスカートで回転すると・・・、
下に何もはいてない・・・!
義純は思わず受付でもらったパンフレットと見比べる。
さすがに印刷物には性器を露出させてはいないが、結構ギリギリの格好をした二人が写っている。
切れ長の目に、華奢な細い体つきの「紅かすみ」と、
どちらかというと肉感的な、唇も厚くD〜Eクラスと思われる胸の「十六夜はるか」、
まさしくこの教会の看板娘が、このふたりである。
二人は音楽と共に同時に踊りだし、舞台中央から壇を降り、会場の中央までやって来る。
・・・これも彼らの売りの一つ・・・「聖なる舞踏」と、パンフレットにある。
第四話
二人の踊りは激しさを増し、時には二人で向かい合って踊り、
時には別々にそれぞれ観覧席まで出向いて踊る。
・・・まるでショーパブだ。時々、信者や一般参加の男どもに魅惑的な視線を投げかけている。
痩身のかすみは、胸に長い数珠のようなものを垂らし、またそれが揺れる度に、
乳房や薄いピンクの乳首が刺激的に映える。
グラマラスなはるかの方は、一応タンクトップをつけてるが、乳首が浮き出てあまり意味がない。
ひらひら舞うごとに、胸や太もも、お尻の肉が揺れている。
・・・さっきっから性器のワレメまでチラチラ見える。
会場を一周する頃には、音楽のボリュームも静かになり、二人は舞台の出入り口に戻っていった。
受光式は早くも熱い興奮に包まれている。
・・・今更だが、これがこの教会の特色である。そしてこの先は、
もっとエロティックな儀式が控えている・・・それに参加できるのが、高いお布施を払う者だけ・・・、
というシステムなのだ。
「・・・では、続いて・・・(緊張して)、
我らの指導者『天聖上君』小伏晴臣様ッ!
その忠実なる執行者『聖魔祭司』児島鉄幹様ッ! お願いしますッ!!」
先ほどに負けないくらいの大きな歓声とスポットライト・・・違うのは、今度歓喜の声を上げたのは、
信者席の女性達だ。中高年から若い女性たちまでほぼ全員だ。
先頭は赤いフードのあるローブに身を包んだ男・・・顔はほとんど見えない・・・、
彼がこの教会の教祖「天聖上君(てんせいしょうくん)」小伏晴臣だ。
これまでの彼の経歴は、一切謎に包まれている。
次が教会のナンバー2、毛髪のない初老の男性、児島鉄幹。
以前は地元の自動車会社に勤務していたが、教祖と会って真理に目覚めたという。
ほとんどの事は彼が仕切っているとの噂もある。
・・・この時点で、会場にいる誰もが・・・これから近い未来に起きる出来事を、予想することが
できなかった・・・。それほどの熱気と興奮が、早くも渦を巻いていたからである。
我々がこれまで姿を見てきた、一体の「人形」が近づいている事に・・・。
今回はここまで。
重ねて言います。
今回の舞台の、新幹線二つ先にある実在の宗教や、
この町の実在のショッピングセンターとは、何の関係もありません。
だから、殺しに来ないで下さい、お願いします。
(ちなみにこれ最初に書いたあとネットで検索したら、ほんとに一般参加五千円だった。)
新興宗教…芳ばしいミステリーの香りがするな
Ladyさん待ってました〜!
あだるてぃな匂いがしますねぇ、いきなり。
私もワクテカしてます。
さて、Ladyさんに比べてクオリティダウンは否めないのですが、気にせず投下〜。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
「ありがとう!」
友人に囲まれ、メリーは幸せそうでした。今日はメリーの誕生日です。
楽しい時間は過ぎるのが早いものです。あたりは暗くなってきました。
そろそろ明りをつけないと。両親は言います。
「私がやる!もう12歳なんだからそれぐらいできるよ。」
メリーは父親から火種を受け取り、ランプに灯りをともします。
「ほら!」
振り向いたメリーの後ろで音も無くランプが落ちました。
あっ!両親と友達の声にメリーは振り向きました。
小さなランプの火はあっという間に大きな炎となりました。
メリー!こっちへ!子供達を!うわぁん、げほっ。みんなの叫びが響きわたります。
ドアが開かない!窓もよ!どうなってるんだ!
部屋の中はすでに煙で指先さえ見えません。
「どうしよう…けほっ。私のせい…?」
煙を吸いすぎたメリーは意識が遠のいていきました。
メリー?メリー!最後に聞いたのはそんな両親の叫びでした。
天井の片隅ではあの男が笑っていたそうです。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
―貴方はこんな話を知ってますか?―
メリーが気が付くと、回りは真っ暗でした。
「…ここ、どこ?パパは?ママは?みんなどこ?」
やあ、気がついたかい?メリーが振り返ると見知らぬ男がたっていました。
「あなたは…誰?みんなは?」
私かい?私は神様さ。
「神様…?」
みんなはね、残念ながら亡くなってしまったよ。
「そんな…パパ…ママ…みんな…私の…せい…?」
ああ、可哀想なメリー。君のせいでみんな死んでしまったんだ。
男は大袈裟な身振りで首を振りました。
「う…ぐす…神様…みんなを、みんなを生き返らせて…。」
それは出来ないね。みんな、今頃地獄で苦しんでいる。君の罪で。助けたいかい?
「助けたい!私のせいだもの…。」
じゃあ、仕事を手伝いなさい。男は笑いを堪えて言いました。
「お仕事…?」
そう。君の罪が許されるまで頑張ればみんなは天国に行けるようにしよう。
「………やります。」
そうか。ではこの聖水を飲みなさい。男が差し出したのは冥府の水でした。
こうしてメリーは死にながら生きる体となったのです。
男は満足そうに頷くと、仕事の内容を話始めました。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
―貴方はこんな話を知ってますか?―
なに、簡単な仕事さ。男は言いました。
寿命が来た人間を、天国に送ってあげるんだ。
「私が…殺すのですか?」
寿命だと言ったろ?君はこの鎌で相手を切ればいい。
それで相手は天国行きさ。肉体は切れないから安心するんだね。
「でも…」
大丈夫だ。それとも両親や友達を助けたく無いのかね?
「…わかりました。」
あと、寿命といってもいきなりでは可哀想だ。きちんと予告はしてあげるんだよ?
他にも男はメリーに色々教えました。相手の探し方。声をかける方法。
一通りの事を教えた男は言いました。
ではメリー、君の罪が許されるまで頑張るんだよ?
メリーに背を向けた男の顔は邪悪に歪んでいたそうです。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
―貴方はこんな話を知ってますか?―
暗闇の中でメリーは手をかざします。
見知らぬ部屋の風景が浮かびあがりました。
そこにいた青年にメリーは話しかけます。
「私メリー。今から会いに行くね。」
虚空から話しかけられた青年は周りを見渡しますが、何もいません。
「今村の入口よ。」「今小麦畑にいるの。」「今家の前にいるわ。」
青年は脅え、震えています。
「私メリー。今あなたの後ろにいるの。」
こうしてメリーは人を殺し始めました。
みんな脅え、恐怖し、メリーの姿を見ると懇願し、罵倒し、襲いかかり、逃げ出します。
しかし、一人もメリーの鎌からは逃げられません。
「しかたないの。パパのためなのママのためなの友達のためなの私の罪が許されるまで。」
メリーは呪文のように繰り返します。その瞳に涙を流しながら。
「だめよ?寿命なんだって。さよなら。」
メリーはいつしか涙を流さなくなっていました。
「ふふ。死にたくないの?」
時折、悲しげな表情が出る事をメリー自身は気づいていません。
こうして、メリーは壊れていきました。ゆっくりと…深く。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
ここまでです。
ちょっとグダグダになってきた気もしますが。何とかなんないかなー('A`)。
次回は現代に戻る予定です。
では、みなさん頑張って行きましょう。
2人ともおつ
愛してるよ
131 :
名無し:2006/01/30(月) 09:52:42 ID:DdWQ1SvYO
Ladyさん第四章スタートおめでとう!
またテイストが変わって、とても楽しみです。
ロム専さんのメリーもいよいよ、ストーリー性があらわになりましたね。
次の更新待ってます。
んで俺も、新しいメリーを少し書いてみました。
小ネタですが。
でわ。
132 :
名無し:2006/01/30(月) 09:57:52 ID:DdWQ1SvYO
プルルルルルル…
プルルルルルル…
新しい住居。散らかったワンルーム。所々に雑然と積み重ねられたダンボール、その一つの箱の中から、けたたましい電話の呼び出し音がする。
そろそろ作業にも区切りを付け、さて寝ようか…と考え、無造作に散らばるダンボールを押し退け、布団を敷くスペースを作っていた時の事だ。
プルルルルルル…
プルルルルルル…
「電話…が鳴ってるのか?」
箱の中におさまり、まだ線も繋いでない電話だ。鳴るはずがない。…鳴るはずはないのだが、現実に電話は鳴っている。
「壊れてんのか…?」
初めての一人暮らし。引っ越しの際、ワンルームの部屋を少しでも広く使うために荷物は必要最低限なものだけに搾った。
テレビにMDコンポ、衣類や、その他の電化製品やらに紛れて、親父がファックス付きを買う前に実家で使ってた留守番電話。それがダンボールの中で呼び出し音を響かせているのだ。
午後23:30。雑然とした部屋に鳴り響く電話の音。とりあえず、近所迷惑になりかねない時間帯を考えると、全く無視もできない。
「…ったく…」
休もうかと思った矢先で、もうすっかり重くなった腰を何とか持ち上げると、4段に積まれた箱の一つ、それに目星を付ける。
「一番下の箱か…めんどくせ…」
溜め息一つ吐いて、重い一番上の箱から順に退かしていく。その間も、電話の音は鳴り止むどころか、近くにいるために一層うるさく聞こえてくる。
「…これか…。」
ガムテープでしっかりと塞がれた箱。そこから響く、鳴り止まないコール。目の前にしてみると些か不気味でさえある。怪奇現象?…まさか。
「開けて…みようか…?」
丁度、近くに積まれたダンボール箱の上に、刃が出た状態のカッターが置いてある。それを掴むと、丁寧に線に沿ってガムテープを切り裂いていく。
箱を開く。確かにそこには線にも繋いでいないのに鳴り続ける電話機があった。
133 :
名無し:2006/01/30(月) 10:00:18 ID:DdWQ1SvYO
この電話機は呼び出しの際、通常なら音に会わせてプッシュボタンが赤く光るのだが、今その様子はない。
「やっぱり壊れてんだ。」
とりあえず、受話器を取ってみる。それに合わせてピタリと音は止んだ。
「‥これで大丈夫か?」
まだ安心できない。手に取った受話器を、確かめるように耳に当ててみる。すぐに離して元に収めるつもりだった。しかし受話器を耳に当てた瞬間、信じられない事にそこから声が聞こえてきたのだ。
「私、メリー。今アナタのおうちの近くにいるの」
淡々と呟くように喋る少女の声。一瞬、心臓が凍り付いたような錯覚を覚えた。受話器を耳に当てたまま、動くこともできない。
そうしてそのまま固まっていると、受話器の向こうからさらなる言葉が飛び出した。
「私の事、忘れないで…」
そこで電話は切れた。
次の瞬間、はっと我に返り、急いで受話器を箱に収められたままの電話機に叩きつけるようにして戻す。
…メリー…?忘れないで…?何なんだ一体…わけわからん、誰だ?…メリー‥メリー‥メリー…?
134 :
名無し:2006/01/30(月) 10:07:45 ID:DdWQ1SvYO
話の最後の「忘れないで」という言葉が気になり、メリーという名詞について記憶を手繰り寄せると、
実家の自室に長年飾られていたアンティークの人形がまず思い浮かんだ。
幼い頃に、父親の趣味の骨董屋巡りに付き合わされた際に、一目惚れして、子供特有の我儘を駆使して買ってもらったやつだ。
ブロンドの長い髪にやや緩いウェーブ…長さの揃った前髪。瑠璃色の瞳をたたえる切れ長の目尻に、アクセントとしての長い睫毛。病的に白い肌(まぁ人形だからな)。リボンやらフリルやら、無駄にヒラヒラした黒いドレス。剃刀で薄く切ったように、小さく笑みを湛える唇。
全てにおいて美しかった。今にして思うと、この人形こそが初恋の相手である。骨董屋の初老の主人は、この人形を手渡す時、
「メリーというんだ…大事にしてやってくれ」
と、歯を見せて笑った。以来、引っ越しの前までずっと自室の洋服たんすの上に飾られていた。
幼少の頃は、それこそ風呂と学校以外はずっと一緒というくらいに気に入っていた人形だ。思い返せば少女趣味も甚だしいと言ったところだが、まごう事なき初恋の相手なのだから仕方がない。
一人暮らしという新しい門出に、必要なもの以外は置き去りにして、残してきたものは全て家族に与えてしまっていた。
そのメリーも例外なくだ。
…もう一人暮らしに臨めるくらいの年令だ、いつまでも人形に固執なんてしていられない。
そう考えて別れを惜しみながらも、やっとの思いで覚悟を決めて、実家に置いてきたのだ。現在は居間にでも飾られているはずなのだが。
135 :
名無し:2006/01/30(月) 10:18:48 ID:DdWQ1SvYO
「しかしいくらなんでも…それはないだろう」
メリーと言えば、件の、初恋の相手たる人形しか思い浮かばないわけだ。そのメリーが近くにまできている。はたして本当にメリーだろうか…?
電話機を凝視しながら、そんな考えを頭に巡らせていると、また途端に呼び出し音が鳴りだした。
プルルルルルル…
「!!!!!!っ…!」
プルルルルルル…
流石に今回はその唐突さに、体が飛び上がるところだった。
さっきまでの考察で、どうにも実家に置いてきてしまったメリーが頭から離れなくなってしまい、意を決してもう一回受話器を手に取ってみる事にした。
受話器を耳にあて、今度はこっちから喋ってみる。
「…もしもし…メリーか…?」
すると、すかさず返事が返ってくる。
「そうよ。私、メリー。今アナタのおうちの目の前にいるの」
「えっ!ちょっと!家の前って何!?…」
二度目の電話はそこで切れた。確証は少ないが、多分実家に置いてきた人形のメリーだろう。それしか心当たりがないわけなのだから。
今度はさっきまでのように怖じ気付く事無く、いまだ線を繋いでいない留守番電話の前で、三度目のコールを待つ事にした。何故か正座しながら。また電話は掛かってくるのだろうか?
心なしか、実は少し嬉しくもあった。実家にメリーを置いてきた事が、やはり気掛かりでならなかったからだ。
…プルルルルルル…
「…きた。」
プルルルルルル…
すかさず受話器を取る。
136 :
名無し:2006/01/30(月) 10:44:41 ID:DdWQ1SvYO
「私、メリー。今アナタのおうちの玄関前にいるわ」
胸が高鳴った。
幼い頃、あれだけ夢に描いたメリーとの会話。今それが実現したのだ。幼い頃はもの言わぬメリーにキャラまで与え、会話を楽しんでいた。
今にして思えば、まさに狂人の如く鬼気迫りて、メリーに優しくおしとやかな少女を演じさせていた。
今まさに、電話の向こうの少女に重ねるのは胸に描くその可憐な少女の姿。おお!愛しのメリーよ!我が初恋の人(形)よ!
「…本当に‥メリーなのか?」
やっと発した言葉。それは、久しぶりの恋人からの連絡に、相手をその人と知りながらもわざわざ確認してしまうような、形式ぶった台詞だった。
「…あれだけ…好きだって言ってくれたのに…私の事忘れてしまったの…?」
悲しげなトーンでメリーはそれだけ言うと、電話を切ってしまった。
「…!もしもし?メリー!?」
もう何も聞こえない受話器に…ましてや線さえ繋いでない電話機に向かって、必死に呼び掛ける姿は滑稽を軽く通り越してキチガイじみてさえいる。
受話器を静かに置くと、玄関前にいると言ったメリーの言葉を思い出し、急いで玄関の扉を開けるべく立ち上がった。
…その時。
137 :
名無し:2006/01/30(月) 11:17:19 ID:DdWQ1SvYO
プルルルルルル…
四度目のコール。
一先ず玄関に行くのを思い止まり、電話の前に座り、受話器を手に取る。
「もしもし…」
「私、メリー。今ね、アナタのすぐ後ろにいるの」
…メリーがすぐ後ろに…?夢ではないのだろうか…?
しかし、これは現実。喜び勇んで後ろを振り向こうとした刹那、背中に何かがぶつかってくるような衝撃を感じた。
固い質感が、静かにその小さな面積を背中に押し付けてくる。その感覚から推察するに、大きさは丁度…
「…メリー…。」
そう、長年連れ添ったメリーのそれと同じ大きさであろう。感動の対面。
さぞや甘い言葉を期待しながら、メリーが喋りだすのを待った。
そして…
「…ネェ…」
メリーの声…そう、幼い日に夢に見たメリーの声そのもの。目を閉じて次の言葉を待った。
「何故、私を置いていったの…?」
コロコロとそれでいて拙い発音で、一つ一つの言葉を紡いでいくかのような喋り方。ついついその声の心地よさに聴き入ってしまう
「私‥捨てられたのかと思って、昨日はずっと泣いていたわ…」
その人形は自身が味わった悲しみを告白するのだけれど、その頭に染みていくかのような透明な声にいつしか安らぎさえ覚え、ただただ目を閉じて聴き入るばかりだった。
「…今度、こんな真似をしてみなさい…?アナタを許さないわ…」
「…!?」
聴き入るのも束の間、その声のトーンの冷たさに一気に現実に引き戻された。特に最後の「許さないわ」には、心なしかドスが利いていたようにも思える。
「…メリー?」
「呼び捨ても許さなくてよ?いい?アナタは少し身分を弁えなさい。」
138 :
名無し:2006/01/30(月) 11:52:24 ID:DdWQ1SvYO
何が起こったのか解らなかった。
背中にしがみつく腕に力が籠もったような気がする。
「メ、メリー…?」
たまらず呼び掛けたのを制するかのように、頭を何かで叩かれた。
「何度言ったら解るの?…呼び捨てはダメよ。まったく、頭の悪い下撲ね…今日から私がしっかり躾けてあげる。」
心の中で、何かが音を立てて崩れていく。
「は、はぁ、すんません‥メ、メリーさん‥」
頭に二度目の衝撃が走る。今度はさっきより強い。
「何?そのしまりのない返事は?主人たる私への返事は『はい』よ。それ以外許さないわ。」
長年、メリーに対して重ねてきたイメージが今この瞬間に、きれいサッパリと崩れ去った。
「は、はい‥!」
「良いお返事ね‥ここまで来るのに疲れてしまったわ。休む場所を確保してちょうだい。」
そう言ってメリーは背中から離れると、また頭を叩いてきた。
「イ、イテ‥!な、何するんだよ!さっきから人の頭を木魚かなんかのようにポカスカ殴りやがって!」
そう言って振り向いた刹那、今度はせの衝撃が顔面に走った。飛んでいく目覚まし時計。あんなもん投げ付けやがって。
そのまま、後ろ側に尻餅をつくようにして倒れてしまった。
「イテテ‥。」
顔面を擦り、指の間からメリーの姿を確認する。
そこには、あの整った綺麗な顔を歪めて、妖艶に微笑むメリーがいた。
「私に対する口答えは一切許されないわ。いい?」
この方が‥あのメリーだ。嘘のような本当だ。長年部屋の中で微笑んでいた、まごう事なきあのメリーだ。何だか‥もうどうでもいいやぁ。
「ちょっとアナタ?私はここに座りたいの。手を貸しなさい。」
高く積まれたダンボールの上を指差している。
「何をもたついているの?さっさとなさい!」
「は、はい‥!」
急いでメリーを抱き上げると、ダンボールの上に座らせる。
足を揃えてちょこんと座る様子は、やっぱり前のイメージの通りのメリーそのものだ。
139 :
名無し:2006/01/30(月) 12:19:23 ID:DdWQ1SvYO
真直ぐに見つめてくる瑠璃色の瞳も、今でこそ冷たさを帯びているが、
やはり、美しさはかわらない。
「ちょっと‥」
メリーはゆっくりとした仕草で右手をヒラヒラと、手招きしている。
何故だか条件反射のようにその手招きに吸い寄せられる。
すると‥。
「イテ!」
容赦のない平手打ちが、右の頬に炸裂する。何とも言えない理不尽さに、少し泣きそうになりながらメリーを見る。
「女の子の扱いはもっと紳士にするものよ?」
何を言っているのかまるで解らず、ただ呆然とメリーを見つめていた。
「私を抱き上げる時に、アナタの腕がヒップに触ったわ。」
全身の力が全て抜けていくような錯覚に、少しよろめいた。
「はい。すみません。今後気を付けます…」
もう投げ遣りだった。メリーはその言葉に満足そうに、邪悪な満面の笑みをつくる。
「素直な子ね。それでこそ私の下僕よ。…さぁ何をしているの?私の就寝の場を作ってちょうだい。」
上から見下ろすかのような冷たい視線、口元に浮かべる微笑は、まるで嘲笑にみえてならない。
先程作りかけてたスペースに、急いで出しておいた布団を敷いて、この引っ越しのためにわざわざ新しく買った羽毛布団を広げる。
「まぁ‥暖かそうな布団ね。さ、手を貸して。」
今度は気を付けて膝裏から抱くように‥まあ要は、お姫様抱っこでメリーを抱えるわけだが。
そして、そのままゆっくりと布団の上にメリーを下ろすと、何も言わず羽毛の布団に包まってしまった。
「………あの、メリーさん…」
「電気を消してちょうだい。」
有無を言わさない。逆らえばまた殴られるであろうから、黙って言うことをきく。
140 :
名無し:2006/01/30(月) 12:53:56 ID:DdWQ1SvYO
電気を消すと、月のほのかな明かりだけが部屋の中を照らす。
メリーは真新しい羽毛布団で小さく丸まっている。
その傍らで体育座りのように膝を抱えて、冬の寒さに耐える様はさぞ哀れであろう。
しばらくの沈黙のあとにメリーが口を開いた。
「…寒い…?」
当たり前だ!…とは流石に言えず、「は、はい。少し…」とだけ返事をする。
「…私を置き去りにした罰よ…そこで一晩、懺悔なさいな。」
引っ越しの疲れもあって、流石にそれは勘弁と言ったところだ。しかし…
「…はい。」
それだけ言った。その返事を聞くと、暗闇の中、月明かりに照らしだされたメリーは微笑んで一言、「おやすみなさい」とだけ言って目を閉じる。
しばらくの間、月明かりを頼りに、その寝顔をずっと見ていた。
幼い頃からずっと一緒だったメリー、その可憐さに魅せられ、膨らませていった自身の勝手なイメージ。だがその幻想も、動きだし、言葉を喋りだしたメリーは容赦なく打ち壊していった。
しかし今、寝息を立てずにひっそりと目を閉じるメリーに思うのは、本当に奇麗だという事だ。長年連れ添ったとて色褪せないその美しさは、今だに心を掴んで離してはくれない。
だからあれだけ家を出る時に悩んだのだ。
メリーが眠る布団から少し離れて横になる。しばらくメリーを眺めていると、疲れもあってすぐに眠くなってしまい、あらがう間もなく深い眠りに落ちていった。
翌朝、ふと目が覚めると、身体には布団がかけられており、しがみ付くようにして腕の中で眠るメリーがいた。
いい年こいて人形と添い寝というのも、まぁ、たまにはいいものだろう。
やがて、腕の中でゆっくり目を開けるメリーに「おはよう」と言って笑顔を作る。
メリーは心底安心したように微笑んだ。
すいません!
ちょっとお邪魔します・・・。
http://marysight.web.fc2.com/ テスト的に作ってみました。
Top→PC用→001〜100までしか出来ていませんが
一度見てみてください。
不具合があればお知らせください。
特に携帯の方は、AUでは見れますが
ドコモでは何処までが表示できるかチェックできていません。
その辺をお知らせいただければ調整して、携帯用のサイトをつくっていきたいと思います。
あくまでも、今の段階では過去ログ用のサイトですので・・・。
∧_∧
( ´・ω・)
( つ旦O
と_)_) 旦旦旦
旦旦旦旦
お茶が入りましたよ。
皆様、一息おくつろぎ下さい。
すげぇすげぇ、
ロム専さんも、名無し氏も、一気に来た・・・。
おいらだけ地味・・・。ま、まぁ先を進むごとに派手にしてやるわぃッ!
126氏も、こんなもん作ってたのね。
パソだったら、にくちゃんねるで前スレは見れるが(携帯は知らない)、
作品別インデックスはかなり便利です。完成したらテンプレ行きね。
126氏乙です!
DoCoMoも問題なく全部見れますた
※FOMA 902
作品別なんか出来たらかなり便利だ〜
超GJ!!
第五話
後ろに四人の幹部達を従えて、彼らはゆっくりと壇上に用意された席に座る。
幹部の一人でもある中年のほっそりした女性は、児島の妻だという。
司会の女性は拍手が鳴り止むのを待ってから、息を飲み込むかのように緊張して、
改めて赤づくめの男、小伏晴臣を呼びかけた。
彼は再び拍手に迎えられながら・・・ゆっくりと演説台に向かう。
・・・相変わらず顔は鼻と口しか見えない。
「・・・皆さん、ダイナスティの受光式に ようこそ。
ここには 神の真理と・・・真実へ至る道が用意されています・・・、
その道は あまりに細く・・・あまりに脆い・・・。
しかし 恐れることはない・・・正しき心を持ちて、我らと共に歩めば・・・
必ず天の高みにあなた方は引き上げられることだろう・・・。」
またもや洪水のような拍手。教祖はすぐに席についてしまった。
ここで、日浦義純は見逃さなかった・・・。恐らく会場のほとんどは気づかないだろう・・・、
彼の演説の声に独特の訛りがあったこと・・・、そしてフードの下から見える特徴ある顔立ち・・・。
(・・・日本人じゃない・・・?)
ほとんどの者には、その喋り方は日本人とは区別できないだろう、
それぐらい上手な喋り方だ。顔立ちも見分けがつきづらいが、
長いことイギリスにいた義純にしか判るまい。その顔は欧米系のものである。
義純の観察をよそに、式はたんたんと進行してゆく・・・。
信者の表彰式、新規信者の入会の儀式・・・聖酒とやらを振舞われる。
児島の講演・・・幹部信者の話・・・本来、このあたりは退屈なものだと義純は思っていたが、
会場全体が不思議な雰囲気に包まれていることに気づいた。
特に信者達の様子がおかしい。
そわそわしているというか、もじもじしているというか、落ち着きがない。
聖酒を飲んだ新規の信者達も、目をぎらつかせて妙に興奮している。
酒に何か含まれているな・・・、そして恐らくこの後も・・・。
いろいろと、日本のカルト宗教を見てきた彼の目をごまかすことはできない。
そして受光式はクライマックスを迎える・・・。
第六話
公開されているもので、このダイナスティ最大の儀式・・・聖魄通気還・神魄通気還の典礼。
薄いスケスケの衣装に身を包んだ10人ほどの女性達・・・年齢はバラバラだ・・・。
信者と思われる男性スタッフが、彼女達に応じて簡易ベッドを用意する。
女性達は全員そのベッドに横になる。
・・・ここでもお約束というのだろうか? ベッドは観客席に向けて円を描くように設置されており、
女性達は、一般信者や観客席に足を向けて寝そべっている・・・。
そして、彼女達も下着は身につけてはいない。
・・・さらにあろうことか、皆、彼女達は衣からこぼれた太ももを、
大きく広げて観客達の卑猥な視線に何の躊躇もなく晒してしまった。
男なら身を乗り出さずにいられない。
会場には小さな音量のムードミュージック・・・壇上からゆっくりと、
児島鉄幹が降りてくる・・・彼の呼称は「聖魔祭司」・・・。
前世では「天聖上君」の忠実にして有能な片腕だったという。その時は、
宇宙の邪悪な暗黒魔人と死闘を演じ、相手を倒しながらも自らも傷つき、息絶えてしまった・・・
という触れ込みだ・・・。
彼は女性達の周りを、何か詠唱しながら一周し、一人の女性の前で立ち止まった。
最初は、女性の顔を触ったり、撫でたりしていただけだったが、
その手はカラダや乳房をまさぐりだし、挙句の果てに股間に手を伸ばしていく・・・。
「ううっ・・・! 」
児島鉄幹の片手にはマイクが握られている。彼は片手で、女性の性器をいじりだし、
片手のマイクでその音を拾っているのだ。
クチュクチュ・・・、クチュクチュ・・・。
女性の太ももが敏感に反応する。その膝が小刻みに動く。
マイクは少し離れた女性の咽喉から漏れるあえぎ声をも拾う。
「 あ っ あ ッ ! ・・・あ゛ ッ あ あ 〜 ぁ う う っ 〜!!」
スピーカーからの大音響と、
建物の構造によるサラウンド効果でこんなものを聞かされたらたまったもんじゃない。
男性陣総立ち。イスのずれる音が騒がしい。
・・・女性は三分とかからずに、歓喜とエクスタシーの果てにイッテしまったようだ。
これが・・・聖魄通気還と呼ばれる儀式だ・・・。
第七話
儀式はどんどん進行する。女性達の反応も様々で、獣のように叫び声をあげる者もいれば、
必死に声を押し殺すものもいる。児島鉄幹のカラダに必死にしがみつく者もいるので、
幹部の者達がその女性の手足を無理やり押さえつける。
まるで、数人がかりでその女性をレイプしているようだ、
その間も、児島鉄幹は無表情で女性のカラダの中に手を突っ込んで丹念にかき混ぜている。
全ての儀式が終わると、児島鉄幹はタオルで腕や手を拭き、両手を広げ観衆に応えた。
「邪念を打ち払い、私を通じ宇宙と一体となることで、この者たちの魂に聖なる道が開ける、
このまま精進を重ねれば、さらに高次元の高みに上り詰めることができるだろう・・・!」
そういって、彼は舞台の席に戻った。一方の女性達は力なく、
ベッドに下半身を晒して横たわったままだ。スタッフ達が毛布を用意して彼女達にかけていく。
最後に彼女達は、ベッドごと会場の外に連れて行かれた。
・・・この後、他の信者に犯されても気づかないんじゃないか?
「それでは、皆様、お待たせしました! 受光式最大の儀礼、神魄通気還でございます!」
メンバーの中でも、選ばれたものだけが授けられる至高の儀式、とくとご覧くださいませ!」
これまでで最大の歓声が響き渡る。いよいよ「天聖上君」のお出ましだ。
会場の中央には、四人の女性が直立している。そのうち二人は先ほどの女性、
紅かすみと十六夜はるかも参加してる。再びベッドが用意される。
だが、先ほどとは趣が違う・・・。
最初と同じように、赤いローブの男はゆっくりと壇上から降りてきた。
彼は最初にコスプレぽい格好したままの、かすみの前に立つ。だが、彼は動かない。
しばらくお互い見つめあうだけだ。しばらくすると、
彼はかすみの両肩をゆっくりと掴み顔を近づけた。
・・・それと同時にお互いの口が開いていく・・・、キスとは違うのか?
不思議なものが義純に見えた、・・・いや、その会場にいた者、全員見えたかもしれない。
今にも触れ合いそうな二人の唇の間に・・・何かの気体のようなものが発生していたのである。
・・・それは息ではない・・・、全く別の何か。
一体、何が起きているというのだろう?
第八話
時間にしてわずか4〜5秒ほどの短い間・・・。たったそれだけなのだ。
その間に彼女の方は、うめき声ともあえぎ声とも判別のつかない微妙な声をあげ、
立ったまま大きくカラダを痙攣させていた。
ほとんど意識はなかったのかもしれないが、彼女は男の両腕を掴んで前のめりに倒れてしまった。
コスプレの格好をした紅かすみは逝ってしまったようである。
信者達が彼女をベッドに寝かせる。後はさっきの繰り返しだ。
続いて十六夜はるか、髪型や立ち居振る舞いからして裕福そうな中年の主婦、
30台くらいのやはり上品な感じの女性。
全員確認できたわけではないが、ほとんどの女性が太ももを濡らしたままベッドに寝かされる。
薬物だけでここまでなるか? 演技には見えない。 何らかのトリックを使っているのだろうか?
・・・全ての儀式が終了し、司会の女性が「神魄通気還」の説明に入った。
「皆様、ご覧になりましたでしょうか・・・! ほとんどの方は何が起きたかお分かりにならないかも
しれません。 彼女達は、今、『天聖上君』様から宇宙の官能エネルギーを与えられたのです。
もちろん、これは誰にでも受け止めることができるものではありません・・・。
敬虔なる信仰と誠実なる修行を納めたものが、『聖魄通気還』を受け、
カラダを清廉なものに変化させていきます。そして完全に清浄な心身を獲得したものだけが、
この最高の奥義、『神魄通気還』で、地球上では決して手に入れることのできない、
大いなるパワーを体内に循環させることができるのです・・・!」
受光式が全て終了した後も、会場の熱気は凄まじかった・・・。「さくら」も混じっているのだろうが、
特に新人信者や一般客の入会受付、勢いが凄い。周りでも入会しようかどうしようか、
他人の様子を伺いながら迷ってるものも大勢いる。
もちろん日浦義純は、これ以上このイベントには用がないので、帰る身支度をしていた。
・・・その時である。会場で後片付け用にスイッチをつけたままだったと思われるスピーカーから、
まるでその場にそぐわない、小さな女性の声が聞こえてきたのだ・・・。
「・・・(ザーザザ・・・) もしもし、わたし・・・メリー・・・(ザザ・・・) 今、この町にいるの・・・」
∧_∧
( ´・ω・)
( つ■O
と_)_) ■b■b
■b■b■b■b
コーヒーが入りましたよ。
皆様、一息おくつろぎ下さい。
ではでは。
>>141 126氏、不具合が……。
auのW22Hですが、トップページの携帯用入口がクリック出来ず、携帯用にアクセス出来ません……。
修正をお願いします……。
あと小ネタ。
「もしもし? 私メリーさん、今、駅前にいるの。
小便済ませたか?
神さまにお祈りは?
後ろに立たれてガタガタ震えて
命乞いする心の準備はOK?
まぁ自殺する時間くらいはあるかもしれないから死ねば? オススメ
じゃーねーあなた愛してるよー
ブツッ
プーッ プーッ プーッ
リロードせずに書き込んだらLady氏が来てた……。
GJです、Lady氏。
今回はどんな物語になるのか……。
>>150よ
>>141をよく読むのだ!!!そして小ネタ乙!
ちなみに126パパ!オイラはFOMAのD901だけど全部バッチリ見れましたぜ!!!
Lady氏乙です〜
…おっきしますた
>>150さん
携帯用の入り口はクリックしてもだめです。まだリンクというかその先は作っていません。
確認してほしいのは、
PC用→001〜100→(ここのログ)
このログのページで不都合がないようであれば、ある程度の文章量を一気に掲載する形でいけるかな?って・・・。
体裁を整えていくだけで2時間かかりましたwww
続きかけたな・・・www
みなさんご苦労様です。
あああ…Ladyさんも名無しさんもガンガン攻めてくる〜。
面白い〜引き込まれます〜。
126さんもご苦労様です。でも続きも読みたいな〜なんて…。
私は全然筆が進みません。こんなの書いて現実逃避してます。
では私の現実逃避をどうぞ。
探険〜探険〜やっみっのくに〜♪
ξ( ^▽^)ζみんなこんばんわ!メリーたんよ。
▼・Å・▼マスコットの犬神です。
▼ ・Å・▼ところで メリーさん。自分でメリーたんとか痛すぎ…
ザシュッ
▼;・Å・▼メリーさん鎌っ!かすったよ!
ξ(#^▽^)ζメリーひ弱だから倒しちゃった。
ξ( ^▽^)ζ犬神。私達が何処から来るか知ってる?
▼・Å・▼うーん、わからないよ。
ξ( ^▽^)ζじゃあ今日は私達の生まれた場所に案内するね。
▼・Å・▼それは楽しみだね!
ξ( ^▽^)ζじゃあ行こう!
▼・Å・▼……メリーさん?
ξ( ^▽^)ζなに?
▼・Å・▼呪文とかは?ほら、なんとかかんとかモーグ○ンとか。
ξ( ^▽^)ζそんなの無くても私空間を移動できるもの。ほら行くわよ。
―某所―
ξ( ^▽^)ζついたわ。
▼・Å・▼ここがメリーさんの故郷、闇の国なんだね。
ξ( ^▽^)ζつくば学園都市よ。
煤・;・Å・▼思いっきり茨城ローカルだよメリーさん!視聴者おいてきぼりだよ!
ξ(#゚听)ζ黙れ。
▼;・Å・▼……。
続く。
ξ( ^▽^)ζさあ、ここが怪奇生産工場の中のメリー工場よ。
▼・Å・▼工場なんだ…。メリーさんの鎌でも作ってるのかな…。
ξ( ^▽^)ζ作ってるのはメリーよ。
煤・;・Å・▼ええ!本当だ!コンベアでメリーさんが流れてくる!怖っ!
ξ( ^▽^)ζここでは死んだ女の子の魂や呪いの人形を原料に、一日約30人のメリーが製造されるの。
煤・;・Å・▼多っ!そんなにメリーさんがいたらとんでもないジェノサイドだよ!無理があるよ!
ξ( ^▽^)ζ最近はリサイクルが進んで使用済の三本足のリカや、そこらのおっさんの魂からもメリーが作られるの。
▼;・Å・▼い、今、おっさんって言った?ねえ、メリーさん!
ξ( ^▽^)ζこの近くにはムラサキ鏡工場や半魚人工場もあるのよ。
▼;・Å・▼人の話聞けよ!おっさんの魂って言ったよね!今度は視聴者の夢もデストロイだよ!ねえメ…
ξ(#゚听)ζうるさい、黙れ。
ドシュッバシュッビチャッ。
―しばらくお待ち下さい。―
ξ( ^▽^)ζみんな、わかったかな?次回はネクロノミコン工場を説明しちゃうよ!
ξ( ^▽^)ζ発狂するおそれがあるので、部屋を明るくして、TVから距離をおいて見てね!
ξ( ^▽^)ζじゃあまた来週!
※犬神はあの後、スタッフでおいしくいただきました。
わ〜い、現実逃避楽しい。
……続き書かなきゃ。
・・・ウチも負けん!
だいさんわ
「お嬢ちゃん、こんな所でどうしたの? お父さんやお母さんは?」
めりーと犬は後ろを振り向く。品のよさげなおじさんだ。
「お父さんやお母さんはいません、お爺さんとお婆さんは死にました。
今は瓜を売ってます、良かったらどうですか?」 めりーは背中の風呂敷を広げる。
「・・・えーと、きゅうり三本250円、かぼちゃがこの大きさで450円、冬瓜500円、
メロンが800円のと1600円のと、スイカが1200円、ハミ瓜は検疫やら関税で400円、へちまが、
・・・すいません売り切れです。」おじさんは目に涙を浮かべ、
「君は何て偉いんだ、よし、メロンとハミ瓜を買わせてもらうよ!」
「ホントですか!? うわぁ、ありがとうございます! あ、こちらですか?
はい、2000円になります! 甘くておいしいですよ!」
「うんうん、家族で食べるよ、お嬢ちゃんも元気でね!」 おじさんは満足して帰っていった。
「姐さん、儲かりましたね!」
「せやな、うまいもん食おか!? ヒッヒッヒ!」 めりーと犬は臨時収入にごきげんだ。
「・・・それにしても、この野菜どうしたんすか?」
「気づかんかったんか? 猿に持ってこさせよってん。」 驚く犬。
「い!? いつの間に・・・。てか、何で猿が野菜や果物を?」
「アイツの手癖の悪さは天下一品やでぇ!」
「ええ!? やばくないっすかぁ? これ全部パクッてきたんすかぁ!?」
「おまえウチを誰や思おてんねん? ほれ? ウチは誰や! ゆうてみい!」
「え、 え・・・と 北斗神拳正統伝承・・・ウグ?」 そこまで言ってめりーに抱きかかえられる。
「おんどれのギャグは・・・」 そのまま犬は頭上高く持ち上げられる。
「つまらんゆーとろーがーッ!!」 ギャワワワワーン!!
その高さから地面に叩きつける! 秘書の丸山さんの必殺技だ、犬は口から泡を吐いて痙攣する。
「ナンや!? ウチの胸に七つの傷でもあるいうんか!? こんボケッ!」
「す・・・すいません、てっきり 瓜売りの少女うりぃ・めりー
を狙ってると思ってその先を行こ・・・ハッ!?」
「・・・もう一発行かんとわからへんようやなぁ?」 「あ・・・姐さん? あの・・・、あのおッ!?」
(うりぃ・めりーの冒険と、犬の受難はまだまだ続く)
>>152 お気になさらず〜、だんだんヒートアップさせるつもりです。
今日より明日、明日より明後日、と皆様をエキサイトさせることができれば・・・いいなぁ、と。
>>154 エロは得意ではありませんが、この先も期待していただいてもいいかも・・・。
>> ロム専さんは、つくばララガーデンなんかもよく行かれるのかしら?
166 :
名無し:2006/01/31(火) 06:42:25 ID:f3t6pNyTO
>>156 >>157 それはずばり気のせいであります。
しかし自分でも仕上がった瞬間、妙なデジャヴを感じた事は内緒ですorz
内緒ですからね?
主人公が昔から当り前のようにもってた、メリーの清楚なイメージと、
本当のメリーのギャップを書こうとメリーを凶悪にしたのは、失敗か成功かで言いますと…
ま、あのその成功かと。
何故なら、彼女もまた特別な存在だからです。
>>ロム専さんとLadyさん楽しそうですな。うりぃ・めりー久しぶりに読みました。
126さん、まとめサイトGjです!無理ないようにゆっくりで大丈夫ですよ。
168 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/31(火) 12:11:26 ID:8ypzxOn60
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73】
61番目←いまここ
169 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/31(火) 12:12:22 ID:8ypzxOn60
61番目
メリーが自分を大切にしてくれる存在を求めて、そのものの言いなりになるというのなら、俺は
首にぶら下がろうとしているメリーのために少しかがむ。俺のほほに自分の押し付けながら、
「約束よ」
と耳元でささやく。見た目の子どもっぽさとは裏腹に、その言葉にはゾクッとするつやっぽさが
あった。俺は驚いて、しがみついているメリーを引き離して、その顔を見た。
先ほどの笑顔から、変わって、真っ赤になった顔、はにかんだような口元、一瞬俺の目を見て、
恥ずかしくて視線を泳がせる姿。言ってしまった言葉に戸惑うような素振り。
・・・・・か、かわいい・・・。
固まってしまい、じっとメリーを見つめている俺の視線に耐えられなくなったのか、
首に回した手に力を込めて、再び首にしがみつく。
「あんまり、じっと見ないでよ・・・」
首筋から背筋にかけて、続々としたものか駆け下りていく。
「は、恥ずかしいんだからね・・・」
と耳元でささやく。
・・・・落ち着け!落ち着け、俺!
安心もあったが、それ以上に、メリーのかわいさ、華奢なわりにやわらかい体、鼻をくすぐる
髪の毛のふわっとした香り・・・。
俺は返事の代わりに、メリーを抱きしめた。あーしあわせだぁ・・・。
とメリーの髪の毛にうずめていた顔を上げ、幸せをかみしめている俺の視線に・・・。
麻子の変な顔が目に入った。
変な顔といっても、もともと麻子は少しボーイッシュできれいな顔をしている。
そのきれいな顔が、おもわず顔をしかめて見返してしまうほどゆがんでいた・・・。
つづく
とりあえず、いったんここまでです。
皆さんの作品についての感想はまた後ほど!
>>126氏GJ!!!!!!
やばいですねメリー可愛すぎです(*´д`)
>>Lady氏
丸山にニヤリとさせられましたw
ロム専さんの現実逃避版(?)メリーや、Lady氏のうりぃ・めりーが楽しいなぁ。
各氏の長編が緊張感があるもんだから、時々これが入るとホッとする。
明るいネタも好きだし。長編共々期待してますよ〜ノシ
>>169 超gjですよ!126パパ!!!
メリーへの好感度が俺の頭を突き破り大気圏を突き抜けていった…
どこまでもどこまでも…素敵です…パパ☆
>Lady氏のうりぃは毎回ウキウキするお♪
楽しませていただいております!
126氏、どんどん書いてねえ、麻子さんを待ってるからねぇ!
>>171-173 ありがとう、正直、自分でも「・・・・・・。」とは思ってるんだけど、
「うりぃ」は今回、2400bytesまでいってしまって、削りに削ってああなっちゃった・・・。
もっと、ほんわかさせたいの(かなりブラックだけど)。
「各氏の長編が緊張感があるもんだから、時々これが入るとホッとする。」
↑これがおいらの最大の目的す。
天邪鬼なもんじゃけぇ、みんながみんな同じ方向、向くの嫌いなの。
そーゆー意味でも、「始まり氏」には消えて欲しくなかったの。
ではまた夕方〜!
第九話
・・・今の声は何だったのだろう? 会場のほとんどの者は、気にしていないか、
「なんだぁ、今の?」といぶかしがるか、どちらかであった。
赤いローブの小伏晴臣は一度足を止めたが、すぐに児島たち幹部と会場を出て行った。
また、日浦義純もその会場を後にした。
・・・辺りは日が沈んで薄い霧も発生していた。彼は一度、携帯を開いて事務所に連絡を入れ、
ヘッドライトをつけて車を発進させる。彼の事務所は隣のS市にあるが、車なら30分程度の所だ。
バイパスに乗っかってしまえば、この方向なら渋滞にも引っかからない。
・・・そのバイパスに向かう途中、義純は不思議なものを見た。
カーブの多い曲がりくねった道を走る途中、彼の車のヘッドライトの光の中を、
何か大きなものが通り過ぎ去っていったのだ。
「 う っ わ っ ! !」
反射的にブレーキを踏む。後続の車は来ない・・・、何だったんだ今のは・・・?
大きな・・・人間の大きさでありながら、間違いなく人間ではない何かが、
道を横切って小高い丘のほう・・・、
自分が今までいた、ダイナスティの教会本部の方角へ走り去って行ったのだ。
彼はたった今目撃した瞬間的な映像を、正確に思い出そうとして背筋が寒くなった・・・。
大きな刃物のようなものを持っていた・・・? 持っていたって・・・?
・・・ならばそれは人間・・・? いや、人間にあんな動きはできない・・・。
それに恐らく顔の位置にあった、ぎらつく目玉のような光の反射・・・一度こちらを振り向いた・・・?
義純は身震いして、「それ」の走り去った方を確認した。
・・・戻ってこない・・・よな?
駄目だ・・・恐ろしいことを想像しようとしている!
会場であんなシーンを見せられて、気が昂ぶっているのかもしれない・・・。
義純は逃げるようにして、そこから車を再び発進させた。
だがそのとき、彼の脳裏には、サブリミナル映像のように、
その恐ろしい物体の顔のようなものの映像が刷り込まれてしまっていた・・・。
モノトーンの無表情な造り物の顔を・・・。
第十話
「ただいま〜。」
「あっ、お疲れ様です、所長、受光式どうでした?」
「・・・いや、すごかった。・・・もぅ、下手な風俗産業も敵わないね。」
とりあえず、義純は見てきたことを所員に話した。依頼そのものは、
「騎士団」のダミー会社からの、正式な依頼と部下に断っているので何ら問題は無い。
「それで、岡崎君、君のまとめてくれたニュースの方は?」
「ハイ、こちらです。・・・やっぱり、公式には事故や自殺扱いになってますけど、
教会が原因なのは間違いないみたいですねぇ・・・。」
そう言いながら、岡崎と呼ばれた所員は、ケースに入ったファイルを義純に手渡した。
「・・・家族の金をお布施や献金に使って、挙句の果てに傷害致死、一家離散・・・、
酒が飲めないはずの信者幹部が酔って交通事故死・・・、信者監禁疑惑、
娘を説得に行った父親が行方不明・・・。 今のところ、警察も大々的には動いていない・・・と。
・・・叩けばいろいろ出てきそうなんだけどねぇ・・・。」
そう言う義純に、部下の一人が恐る恐る口を開く。
「・・・でも、所長・・・あんまり危ないのは・・・。」
「あ〜、分ってる、やりすぎると君らも危険だもんね、大丈夫、あくまで調査が依頼だからね、
あ、もうこんな時間だ、他に引継ぎはあるかい? オレはこの件の整理と報告があるから
事務所にまだいるけど?」
時計は七時を過ぎていた。20分ほどで部下達は全員、それぞれの自宅へ帰っていった。
義純は、今日見てきたこと、教会の主な活動暦、事件との関わりの噂、その可能性などを、
まとめ、定例報告の形で、自分が所属する騎士団本部(のダミー会社)にメールを送った。
・・・それにしても・・・、
彼は一息ついてコーヒーを入れようとしていた。お気に入りはマンデリンだ。
「ありゃぁ、何だったんだ・・・?」 昼間、衝撃的なものをあれほど見たにも関わらず、
彼の意識には、帰りに出会った不思議なものが頭から離れなかった・・・。
そんな時である、突然一本の電話が鳴った。・・・こんな時間に?
彼は不審に思いながら、ゆっくり受話器を手に取った・・・。
「もしもし? 日浦総合リサーチですが?」
・・・受話器からは、馴染みのない女性の声がした・・・。
第十一話
・・・女性の声は英語だった。
「ハ〜ロゥ?」 ちょっと甘ったるい感じの声だ。・・・どこかで聞いた気もするが。
ここからは全て日本語訳で彼らの会話を追う。
「もしもし? 私は責任者の日浦義純ですが・・・あなたは?」
「あら、当りぃ? 『愚者の騎士』 ヒウラ! わたし、誰だか分るぅ?」
・・・ちょっと待て。「愚者の騎士」は「騎士団」内で使われる俗称だ、今回の依頼のダミー会社でも、
女性スタッフはいるが、彼女達もその内部についてはほとんど知らされてないはずだ。
いや! 一人だけ記憶にある・・・。日浦は思い出した、
女性の身で騎士団内部に出入りできる、若く病的に美しい女性がいる事に・・・。
「・・・もしかして、フェイ・・・マーガレット・・・ペンドラゴン・・・お嬢様ぁ!?」
「ワーォ! 大正解ぃ! でもね、フルネームも『お嬢様』 も必要ないわ、
マーゴ! って呼んでよね、ヒウラ。」
くわぁ・・・。 日浦はこの女性が苦手であった。別に彼女が嫌いとか女性蔑視ではない。
まずは、彼女が騎士団最高指導者の娘である事。また、騎士団の有資格者でないにも関わらず、
彼らに理解しづらいオカルティックな能力と知識を持っている事、そしてその奔放な性格、
それ故、保守的な騎士団の人間にとっては、なるべくなら彼女には近づきたくはない・・・、
というのが本音であった。
「・・・て、お嬢・・・いえ、マー・・・ゴ? なんで君がここに電話を?」
「何でかしらねぇ? てのはうっそ! わたしがあなたの担当になったから!」
マジッすか・・・。
「え、でも君は騎士団の人間じゃ・・・」
「そうよ、でもわたしの能力は円卓会議でも認められているわ、団員と同じ資格は持ってないけど、
あらかじめ認められた事については、団員同様に動けるってわけ! おわかりぃ?」
あまりのショックにコーヒーを飲むのも忘れていた。気を落ち着ける為、コーヒーをつぎに行く。
「・・・そうか、君もケンブリッジ卒業したんだよな、
・・・じゃぁ今度のカルト教会の話もあらまし、聞いている訳だね?」
ようやく冷静に会話できるようになってきた。今日はショッキングな事が多い。
「ええ、さっき送ってもらったメールを読んだところよ、お昼食べながらだけどね。」
第十二話
(大丈夫かな・・・? 彼女? ほんとに貴族の娘かぁ?)
いろいろ突っ込みたいが、義純はあきらめて話を続ける。
「・・・なら、状況はつかめてると思うけど、この教会は日本では時々有りがちな形態で、
信者を集める手段は至って単純。教祖とナンバー2が、女性信者に快楽を与え、
それをエサに男性達を釣り上げる・・・という方式さ。男性達も教会内のステータスを
上げれば、女性たちに性的快楽を与える立場になれるしね。」
「・・・やっちゃえる・・・てわけ? ヒウラもその儀式で興奮しちゃったんじゃあない?」
コーヒー噴きそうになる。
「・・・あのですねぇ! あなたは仮にも最高指導者の娘なんですから・・・もっとこう・・・!」
「怒んないでよ! もぅ、固いんだからぁ。 イヴァンやケイはもっと優しいわよ?」
あいつらが甘やかしてんのかぁ! 彼らは義純と同格の団員メンバーだ。
今のところ彼らの名前を覚える必要はない。
「・・・ま、実際男性幹部はそうだろうね、以前テレビ局がインタビューしてたけど、
教会では性行為は タブーじゃない。むしろ聖なる行為だと奨励している。
勿論、信者には強制させてはいない、 と言ってたけど。」
「で、どうなの? 教会の危険性は? 騎士団が動く必要性は・・・?」
ここが彼らの最大の懸案だ。
「危険性は・・・大きい。ファイルにもあるが、彼らの教義では、
終末戦争に向けて軍事的な準備も必要不可欠である、と書いている。
テロ組織にしてみれば都合のいい隠れ蓑になりえる。・・・最もこのやり方は、
アニメ全盛の日本でしか通用しないと思う。信者にしても、
本気でやってるのはごく一部じゃないかな? 事件はいろいろ起きているけど、
騎士団が動く必要性は、今のところ存在しない、
というのが僕の判断だ。」
「・・・そう、私としては、・・・この教祖が行った儀礼・・・口を開いただけで、
女性信者が エクスタシーを得てしまうってのが気になるわね? 薬物やトリックの可能性は・・・?」
「もちろん、そう考えているが、どんな仕掛けなのか見当もつかない。」
「ヒウラは口から何かが流れているのを見たのでしょう? ・・・もし、トリックでなければ、
古い魔術の可能性があるわ。」
今日はここまでです。
明日はそろそろメリーがぁ・・・?
ごはん行ってきます!
180 :
名無し:2006/01/31(火) 19:48:20 ID:f3t6pNyTO
Ladyさん乙
えぇなえぇなえぇですな!
いや、俺はすっかり今日にはLadyさんのメリーに暴れてもらえるかと
一人ワクテカでしたが…
えぇ、いい意味で焦らされました。
ほんのちょっと出てきましたけどねw
明日、楽しみにしてます。
さて、俺もなんかしら投下できればいいが…
>Lady氏乙です!一瞬だけとはいえメリーが目茶苦茶かっこいい!
いやこっちを見たとか想像したら凄い怖かったが、それがまた今後を考えるとハンパなくカッコイイ!!
gj!
ようやく、読み終えましたよ。
まず、名無しさん……。
ツンツンメリー…内に来て欲しいです…。
ののしってくださいw
(まじ)
コネタにするのがもったいないです。
あいまあいまに、
ツンツンメリーシリーズを希望。
ロムさん、いよいよはじまりましたね。
ワクテカ〜。
それと、期待してくれてありがと。
そして、LADYさん…。
すごいわ。
今はこれだけしか言えない。
圧倒的な世界観、ちらっとしかでてきてないというのに、絶対的な存在感をしめすメリー。
いや…やはり今は、なにもいうまい。
GJ〜
183 :
名無し:2006/02/01(水) 14:35:57 ID:baEOTlSwO
126さんどうぞ、不束者ですが大事にしてあげて下さいw
んで、俺もあのメリーはあれで無駄にはしないつもり。
自分が前に作ったヤツやこれから作っていくメリーなんかと上手く一つに纏めようかなと。
みなさんご苦労様です。
メリーと犬神、気に入ってくれた方ありがとうございます。
自分でも気に入ってしまったので、また書くかも…。
>>Ladyさん
たまに行きます^^;
▼;・Å・▼ってローカルだよLadyさん!
次回はメリー活躍するのかな?ワクテカです。
>>名無しさん
楽しいですよ〜。いや、マジで。…本編忘れるぐらい。
新作ワクテカ〜。
>>126さん
始まりました、ハイ。みなさんのレヴェル(下唇を噛む)を目指したいですね。…高すぎるケド。
相変わらず内面描写が凄くて引き込まれますねぇ。こんな体験してみたいっス。
それではみなさん頑張って行きましょう。……ラストまでは行きたいなぁ。
皆様、いつも読んでいただいて有難うございます。
126さん、一話だけじゃさみしいわ。2〜4話位、がばっとお願いしますね。
名無しさんもロム専さんも
ガンガン行ってくださいね。(名無しさん、あの話をつなげられるの? すげぇ!)
では、えー、13話から16話、行きますね。
第十三話
「おっ、さすがは『ウェールズの魔女』、目の付け所が違うね?」
これも騎士団内での彼女の俗称、彼女はオカルティズムの専門家で、なおかつ学生時代に
彼女の美貌に惹かれて多くの男達が破滅したのでこう呼ばれるようになった。
「ヒーウーラーぁ♪ 今度は私が怒るわよぉ? でもね、事の真贋はともかく、
古いドルイド系の呪術にも口を使った魂の交換術みたいなものがあるのよ。
教祖はそれを知ってるのかしらねぇ?」
「・・・ごめん、マーゴ。 ・・・そういえば、教祖は日本人ではなさそうだったな、
未だに彼の前歴は調べられていないんだけど、その辺に彼の出自があるのかもしれないな・・・。」
「ふぅーん、・・・他に何か、気づいた事は?」
「ん〜、後は・・・音響か、無臭の気体か何かで、幻覚作用か何か起こせる・・・てことはないかな?
酒を飲んだ信者は勿論だけど、僕にも変なものが見えたり聞こえたり・・・したかも。」
「大丈夫ぅ? 何を見たの?」
「ん、大した物でもない・・・、儀式で見た口から流れる気体・・・以外には、
帰り際、道路で変な生き物を見たとか、誰もマイクを使ってないのに、
スピーカーから『メリー』っていう女の子の声が聞こえてきたり・・・ぐらいかな?」
「 ・・・メリー・・・?」 しばらく電話口で間があったが、突然マーゴの口調に変化が現れた。
「待って? その声は何て喋ったの? 詳しく説明して!」
突然のマーゴの真剣な口調に戸惑いながらも、あの会場で聞いた言葉を思い出す。
「おいおい、どうしたんだよ? えーと、確か『私メリー、いま、この町にいるの』・・・だったかな?」
「・・・ヒウラ・・・、もしかしたらあなた・・・会場に戻った方がいいかもしれない・・・。」
「ええっ? 何言ってんだよ、マーゴ。そっちは昼かもしれないが、こっちはもう、夜だぜ、
どうしたって言うんだよ?」
「ごめんなさい、確証はないし、私にあなたを動かす権限はないのは百も承知だけど、
騎士団内におかれた私の役割を考えると、あなたに見に行ってもらうしかない・・・
という結論になるの。」
「待ってくれよ、せめて理由を教えてもらえないか?」
「・・・そうね、その通りだわ、なるべく簡潔に話すわね・・・。」
第十四話
「いま、ファイルを調べるから、・・・ちょっと・・・待っててね・・・ああ、これこれ・・・。
いい? まずね、騎士団には世界中からいろんな情報、軍事・政治・経済・宗教・・・裏側も含めて、
いろんな情報が集まってくる・・・なんてのは極東支部長のあなたには不要の説明よね。
中には、世間を騒がした猟奇事件や、未解決の事件なんてのもあるわ。
日本からもあなた以外の情報員から、情報のランクによってはあなたを通さずに、
直接騎士団にあげられる物もある。」
「アヴァロン情報システムだな、勿論わかっているよ。」
「そうよね、それでね、日本警察内部にいる騎士団員が流してきた未解決殺人事件の中に、
この『メリー』って単語が含まれているのよ。」
「何だって・・・!?」
ようやく義純にも、事の重大性を認識してきた。
「・・・情報は二件あるわ、一件は中国地方で起きた暴力団員の連続殺人。
もう一件は・・・これは有名じゃない? 東北の県議会議員が、自宅の大勢の護衛と共に、
殺されてしまった事件・・・。」
覚えている・・・数年前、大騒ぎになったヤツだ、犯人は未だ見つかってないはずだ。
「・・・覚えているとも、それで・・・『メリー』・・・てのは?」
「両方の事件に共通するのは、殺害手段・・・鋭利な刃物によって、頚動脈を切り裂かれたり、
首を刈り取られたり・・・、それと現場に落ちてる石膏の破片、彼らが所持する通信媒体に、
殺害直前の非通知の着信記録・・・。それとね、
暴力団員のほうは、殺害直前に送られてきたファクシミリに『メリー』の文字、
県議会議員のほうは、現場に居合わせたルポライターが、殺された秘書の携帯から、
『メリー』という女性の声を聞いているわ・・・。」
義純の背中に冷たいものが走る・・・。
「・・・それって何? 殺し屋のようなものがいるってことかい・・・?
大体、石膏の破片て、どっからそんなものが・・・?」
「そのあたりはなんとも言えないわね、ただ、議員殺害に関しては、添付資料に、
地元の都市伝説の注釈があるわ。人間を『死神の鎌』で切り裂く、メリーという名の『人形』の
話が伝わっていると・・・。」
「 『 に ん ぎ ょ う 』 ・ ・ ・ !? 」
第十五話
思わず義純の口から言葉が漏れる。人形・・・?
(オレがあの帰り道で見た物は・・・まさか・・・?)
再び彼の脳裏に、ほんの一瞬だけ目撃した不気味な姿が浮かび上がった。
「もしもし? ヒウラ、どうしたの?」
これまで数々の修羅場をくぐり抜けた義純がうろたえている・・・。
「・・・マーゴ、『人形』って言ったか? 僕は・・・それを見たかもしれない・・・。」
「何ですってッ!?」 今度驚いたのは彼女の方だ。
「いや、判らない・・・、けれど帰り道で見た変な生き物・・・もしかすると、『人形』に見えたかも・・・。」
「・・・それは大きさはどのぐらい? 人間にも動物にも見えないの?」
「大きさは人間並みだ・・・小柄な少女にも見える・・・でもその動きは人間のものじゃない・・・。
長い金属のような物を持っていた・・・。
林から道路を突っ切って・・・教会本部のある方角へ駆けていった・・・。」
しばらくお互いの間に沈黙が流れた・・・。ようやくマーゴが口を開く。
「ごめんなさい、さっき・・・、教会に戻った方がいいと言ったけど、
事によっては・・・、かなり危険かもしれないわ・・・。
そこいらの殺し屋程度なら、騎士団生え抜きのあなたの敵ではないと思うけど・・・、
どちらかというと、私が扱うべき領域かもしれない・・・。」
義純はその言葉にハッと我に返った。自分の役割と責任を思い出したのだ。
「何をおっしゃる。 これは僕の役目だ、あくまでも調査だしね、君の言うとおり、
一度これから戻ってみるよ。実際、何もないと思うけどね、帰ったらまた報告するよ。」
「気をつけてね、ヒウラ、あ! 今度イギリス来たらディナー誘ってね? ね?
わたし綺麗になったわよぉ〜。」 再びマーゴが奔放モードになった。
「君は昔から綺麗だよ、でも迂闊に誘うとパパ君ににらまれるからねぇ?」
「・・・んもぅ、みんなそう! パパの事なんか気にしなくていいのにぃ!」
違う、それは口実。みんな振り回されたくないだけ・・・と言いたいのを義純はぐっとこらえた。
電話を切ってすっかり冷めてしまったコーヒーを飲み干す。
事務所を出て車に乗る。ダッシュボードには護身用のナイフ・・・万一に備えて。
そして再び教会本部へと彼は向かった。
第十六話
この時間はO市方面もまだ車は結構流れている。しかしバイパスを降りる頃には、
元々この辺りは民家も少ない事もあり、ようやく車の量は減っていった。
・・・だが少々気がかりなことがある。・・・先ほどからパトカーが多い・・・。
しかもそれは、義純が向かう教会の方角と一致している。
対向車がほとんどいなくなるようなところまで来たとき、カーブのところで、
一台の女性が運転している赤い軽自動車とすれ違った。
一瞬、義純の車のライトがドライバーを照らした時、
(まさかあの人形が!?) とも思えたが、自分の気弱な妄想にあきれ返った。・・・普通の女性だ。
ただ、教会の信者かも知れない可能性は十分にあった。いわゆる在家も相当いるだろうし・・・。
しかし、教会への坂道を登っていくに従って、彼の嫌な予感はどんどん確実性を増していく。
警察の車両が何台もダイナスティの教会本部に集まっていたからだ。
義純は昼間、車を停めた所と同じ場所に車を停め、
既に「立ち入り禁止」のロープが張られているギリギリの所まで近寄った。
「すいません! 何があったんですか!?」
義純は近くで、パッと見、一番偉そうな人間に聞いてみた。
「何だね、オタクは? この教会の関係者?」
「いえ、昼間ここのイベントを見学したものです。興信所を経営してます。」
喋れることはガンガン喋る。そのほうが手っ取り早い・・・というのが義純だ。
「・・・興信所? 探偵さんか何かかい? ・・・なら聞きたいことがたっぷりあるんだがね、
とりあえず大量殺人・・・
とだけ言っておくよ・・・まずは名前と電話番号、聞かして貰えるかね?」
・・・マーゴの教えてくれた二つの事件と同じパターンになった。
ほんのわずかな不安・・・現実には起こりえないと思える程度の可能性が、
まさか目の前で起きてしまうとは・・・。
義純は体中に鳥肌が立っていくのを感じていた・・・。
まさか・・・本当に人形・・・自分が目撃したあの気味の悪い「物体」が、人を殺したというのだろうか?
・・・彼が事務所にようやく戻った時、既に日付は変わっていた。
しかしまだ、マーゴへの報告という仕事が待っている。
☆ 今日はここまでです。
・・・すいませんすいません、引っ張ってすいません。
明日はもう、絶対! 間違いなく!
ホント、Lady メリー始まって以来の興奮を皆様にお届け
・・・できるといいなぁ。
>>Lady氏
GJ!!!!最高です!!
引っ張られれば引っ張られるほど胸が高鳴りますよー
今回はメリーの新しい一面が見られるのでしょうか?
明日楽しみにしております!!!!!!
家帰ったらずっとパソコンに張り付いて待っておりますww
おはようございます。
Ladyさまぁ〜。
やはり、素晴らしいです。
引っ張ってください。どんどん。
世界にどんどん引き込まれている、自分がいます。
組織対メリー。
うーん…ヤラレタ感です。
違うパターンを考えようw。
期待してます〜。
ワクテカ〜
こんなものを見つけました。
【メキシコ】老女11人連続殺人犯、死神カルトと関連? 自宅から大鎌を振る骸骨の死神をまつる祭壇
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1138771424/l50 ★メキシコの連続殺人犯、死神カルトと関連?
[メキシコシティ 30日 ロイター] 老女11人の殺害容疑がかけられている
元女子レスリング選手の自宅から、大鎌を振る骸骨の死神をまつる祭壇が
見つかった。
レフォルマ紙の報道によれば、警察はホアナ・バラーサ容疑者(48)を
逮捕した後、彼女の自宅を捜索し、「サンタ・ムエルテ」と呼ばれる死神の
像を発見した。この死神は泥棒やドラッグ密売人に人気が高いという。
バラーサは何件かの殺人を自白している。
彼女は「Mataviejitas」(小さな老女キラー)と呼ばれて恐れられ、何年もの
あいだ警察に追われていた。彼女の自宅からは死神像のほかに、蛇の
瓶詰めの発見されたそうだ。
バラーサは聴診器で絞め殺された82歳の女性の家から逃走するところを
目撃され、水曜日に逮捕された。
指紋から判断すると、バラーサは2000年以降メキシコシティで起こった他の
殺人事件10件に関係しているとみられ、さらに30人殺している可能性があると
警察は言う。被害者のほとんどは年老いた女性ということだ。
サンタ・ムエルテは何百年もの歴史を持つ土着信仰で、近年人気が復活しており、
メキシコ全土で2百万人の信者がいるという。信者はエリート政治家、誘拐犯、
ギャングまで幅広い。
カトリック教会は異教の人気に眉をひそめている。
赤い短髪をした筋肉質のバラーサは、かつて「静かなるレディ」という名前で
プロレスラーとして戦っていた。最近はレスリングの興行でポップコーン売り
として働いていたそうだ。
194 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/02(木) 11:35:21 ID:kEJi95eV0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169】
62番目←いまここ
195 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/02(木) 11:36:02 ID:kEJi95eV0
62番目
俺の顔・・・ニヘラ〜としただらしない笑顔が張り付いていることだろう俺の顔を見ながら、とんで
もなく気持ちの悪いものを見るように、顔をゆがめる麻子。
とにかく、これ以上マンションの通路部分でわけの分からないことをし続けるわけに行かない。
俺はメリーを首にぶら下げたまま、麻子の腕を引っ張った。
麻子は俺に腕をつかまれた事を拒否するわけでもなく、ゆがんだ顔のまま俺の顔を見続け、うわ
ごとのように「変態だよぉ・・・ここに変態がいるよぉ」と繰り返しつぶやいていた。
何とか、部屋に転がり込み、麻子を座らせる。抱っこの形でぶら下がっていたメリーを首にまと
わりつかせたまま、後ろに回しておんぶの形をとった。
顔をゆがめたまま、「変態、変態」を繰り返す麻子の目の前に座って、麻子の目の前で大きな音
で手をたたく。一瞬ビクッとして、麻子は正気に戻った。俺と俺の背後でニコニコとご機嫌な
メリーを交互に見比べた。
「誘拐したわけじゃないんだ・・・」
やはり俺の事を少女誘拐犯と思っていたみたいだ。確かに、メリーを抱きしめたときの俺の幸福
感は何者にも変えがたいモノがあった。それで顔がにやけるのも仕方がないだろう。
しかし、その俺の顔を見て、変態と思う麻子・・・・それもまた仕方がないか・・・。
「それで、もう一回聞くけど、この子は誰で、何でここにいるの?」
直球勝負で言葉を投げかけてくる麻子。すっかりもとの様子に戻ったようだった。
さて、本当のことを話すべきか?先ほど麻子はメリーの姿を見て、単純にかわいいとそう思った
ようだ。当然のことだがメリーはきれいでかわいい。麻子の保護欲が刺激されるにふさわしい可
憐さと健気な雰囲気も兼ね備えている。表情を隠したと単にかわいさが消え去り、近寄りがたい
高貴な冷たさが現れるが、今のメリーには、無邪気なその辺にいる少女の・・・いやその辺にい
る少女のほうが複雑なのではないだろうかと思わせる明るいかわいさがあった。
そんなメリーがたとえ「人外のもの」だとして、乱暴な態度をとるとは思えなかった。
196 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/02(木) 11:36:36 ID:kEJi95eV0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195】
63番目←いまここ
197 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/02(木) 11:38:49 ID:kEJi95eV0
63番目
俺は、後ろにへばりついているメリーをそっと見た。メリーの顔・・・・表情はニコニコしているのに、目が笑っていない。その目は麻子をじっと見つめていた。
「あなたも私のこと、大切にしてくれるのよね」
その言葉は、メリーから麻子に放たれた。少しづつメリーの表情が、かわいいだけではないもの
に変化していくような気がした。しかし、その変化は先ほど麻子の前で見せたようなスイッチの
入ってしまったものではなくメリーが自分の意思を持ってその感情を表情に織り交ぜているよう
な気がした。麻子もその変化に気がついたのかメリーの顔をじっと見る。
そして、麻子の表情もまた変化した。メリーと同様に笑っていない目、口の端っこだけをきゅっ
と吊り上げる麻子スマイル。何でだろう?麻子のこの表情は、本当の攻撃態勢をとったときに現
れるものだ。お互いがにらみ合うような緊迫した状況の中で、俺だけが何が起こっているのかわからずにうろたえていた。
「大切にしてあげるわよ。あなたが何者であってもね」
麻子が静かに、しかも迫力のある声で言ってのけた。
何者・・・て・・・麻子、気がついたのか?メリーが人外のものであることを・・・。
「ふふふ」
俺の背中でメリーが笑い出した。どうしたんだ?
「ふふふふふ」
俺の正面で麻子までもが笑い出した。なにが起こったんだ?
「この子たいしたもんだわ。このあたしにガン飛ばしてくるんだもの」
ガン飛ばす?メリーが・・・。やめてくれ!かわいくって、きれいでお上品なメリーが・・・・ガン飛ばす
なんて・・・・大体いつの言葉だよ。
「お姉さん、強そうね。」
「まあ、あなたも相当なものじゃないの?」
お互いに表面でにこやかにしながら、相手の実力を探っていたのか?麻子に対しておびえるそぶ
りを見せていたメリーは・・・あのか弱く繊細なメリーはどこにいったんだ?
「お姉さんに話して。私が何なのか。何故ここにいるのか。」
メリーは、俺の耳元で言った。
「そして、あなたが何故私を呼んだのか、どこまで私のことを知っているのか。」
笑顔が消えたが、でも、柔らかい表情はそのままだった。
「私、まだあなたから、あなたの口からそれを聞いてないもの」
つづく
いったんここまで・・・。
ようやくにして、メリーの秘密が語られるかも知れません。
語られないかも知れません。
・・・って話の進み具合が遅いですよね・・・まだ24時間経ってないんだもんね・・・。
下手したら12時間経ってないかもwww
がんがりますぅ!
名無しさん!
ありがとうございます。今度思う存分ののしってもらいますwww
おーたのしみ
なに?!なに?!何事?!
麻子タソもメリータソもただ事ではない雰囲気
(((;゚д゚)))ガクガクブルブル
126さんの作品読んでから何かが引っかかってたけど、
今日サンデーを立ち読みして謎が解けました。
色々思い出させてくれてありがとうございます。
>>199 ありがとう!がんばりますね!
>>200 そうなんです!そうなんです!
>>201 なぞ?思い出したもの?なんだったのかおしえてーーー!
ボクのほうがきになっていますよ・・・
そうだよねぇ、一番126さんの話が長く続いてるから錯覚しがちだけど、
まだ一日たってないんだよねぇ・・・って、半日なの!? 続きまってまっせぇ!
>>201 まさか「うしとら」じゃぁ、ないでしょうね?
>>191 ご声援ありがとう! 今日は早めにうpしますね!
第十七話
「もしもし? ヒ〜ウ〜ラ〜? それでどうしたのぉ?」
夜更けに沁みるマーゴの声。彼女は声だけでも魅力的だ。気を抜くとさしもの義純でも、
メロメロになりそうだ。騎士団は元々カトリック系の厳格な流れを汲んでいる。
こんな女性が、騎士団内を大手をふって歩いているのはある意味犯罪だ。
「む〜、遅くなってすまない。結論から言うと県議会議員の時と同じ、
生存者はいるが、目撃者はいない。恐らく目撃したものは全てバッサリ。
ただ殺されたのが誰なのかは、僕が警察に聞かれた段階では判別つかないとの事。
ま、幹部で消息が判明してる人はいないそうだから、被害者は・・・容易に想像できるけどね。」
「えぇ? ヒウラは大丈夫なのぉ!? あなたは一瞬でも姿を見てるんでしょお!?」
「やめてくれよ、脅すのは。(それから甘ったるい声もやめて!)」
「だって、いくら貴方が戦闘のプロでも、相手が人間でなければ勝手が違うわ、危険よ。」
「待ってくれよ、まだその『メリー』がやったと決まったわけでも、
相手が人形と決まったわけでもないだろう?」
「・・・んーそれはそうだけど〜、心配は心配だしぃ〜。」
「いずれにせよ、明日また警察に行かなきゃなんない。勿論、騎士団や依頼内容は伏せとくけど、
恐らくその猟奇殺人のファイルはまた一件情報が追加されるかもな。」
「・・・最近、多いわ。」 マーゴの駄々っ子のような喋り方はまだ続く。
「・・・多いって、猟奇殺人や大量虐殺のことかい・・・?」
「ええ、そう、元々私が昼間の電話で(日本は夜)『メリー』の話を思い出せたのも、
私がしばらく異状殺人のことをかかりっきりで調べていたからよ。」
それは義純にとって初耳だ。
「・・・そうだったのか? それは世界規模で・・・?」
「ええ、犯人が見つからない、手口が異常、殺害手段が不明・・・。そういうのを中心にね。」
「おいおい、それも怖いなぁ、日本にもそんなグローバルな殺人があるのかい?」
「あるわよぉ、代表的なのは、妻子ある働き盛りの男性が殺される事件・・・。
共通するのは家族構成のみ、殺害方法は、体中の血液を抜かれていたり、
頭部を存在し得ないはずの獣に噛み砕かれていたり、体中の骨を折られていたり・・・。」
第十八話
「うぇっ、そんな事件あるのかい? 全く知らなかった。」
「まぁ、ニュースでは残虐な手口については伏せるでしょうからね、ちなみにこれは、
件数そのものは少ないけど、かなり昔から報告されているわ。」
「騎士団の監視対象になっている・・・?」
「ううん、まだ、そこまでは。 ただ私は注目している。 そのうちヒウラに調査頼むかも?」
「あんまり関わりたくないな・・・、それに今はこちらがメインだしな・・・。」
「そうね、何度もいうようだけど、背後や死角には気をつけてね、
・・・あ、やだ、私、大事な事言うの忘れてた! 県議会議員の事件の時だけどね、
現場に居合わせたルポライターの住所と名前、調べておいたわ、
東京西部だから、あなたの事務所から遠くはないと思う・・・。
メールで送っとくわね。」
「お、さすがは『ウェールズの・・・』、いや、何でもない! とにかく仕事が速いね。
ありがとう。今度会ったらランチをおごろう!」
「え〜ランチぃ〜!? グレード落ちる〜ぅ・・・でもいいわ、嬉しいッ ありがとう!」
まぁ、それぐらいなら彼女の毒にはあてられまい。
しかし、確かに仕事のパートナーとしては有能だ。彼女の力量は騎士団の誰もが認めている。
勿論、専門分野は限られているが、「魔女」と呼ばれるだけあって、
特に薬物・化学・心理学・に関しては、騎士団内で多大な功績をあげている。
最高責任者の娘という肩書きだけで通用するほど、騎士団はぬるい存在ではない。
「それじゃあ、マーゴ、こっちはもう真夜中だから失礼させてもらうよ、今後ともよろしくね。」
「ええ、ヒウラ、おやすみ! 会えるのを楽しみにしてるわッ じゃねっ!!」
もう義純は眠くてしょうがなかった・・・。受話器を置くと、ソファに倒れるようにして眠り込む。
後はもう明日だ・・・。
・・・さて、ここまで、騎士団極東支部支部長、日浦義純の行動を皆様にお見せしてきた。
皆様には申し訳ないが、彼の物語はここで終了する。
いつかまた彼に会う事があるかもしれない・・・。
次の第十九話以降は、翌日の物語ではあるが、『彼女』の、記憶を辿るという形で、
このカルト教会壊滅の経緯を供述しよう・・・。
第十九話
・・・・・・(ここは、どこだろう・・・)
・・・(わたしは何故ここにいるのだろう・・・)
「彼女」が目を覚ました・・・。その場所は狭い空間、顔の前には大きな障害物があり、
周りには小さな小道具や本が置いてある。
既に「彼女」は、憎しみや無念さをエネルギーとする力を失っていた。
今では普通の非力な女性程度の腕力しか残っていない。
「彼女」はゆっくりとカラダを起こした。
眼前の障害物が邪魔なので、片手で壁に手を当てると、その壁が大きく押し出される。
・・・そこはハッチバックタイプの後部座席の後ろの荷物置き場、
「彼女」が目を覚ましたのは、町で普通に見かけるタイプの軽自動車の中であった・・・。
今までも、「彼女」は一仕事を終え、憎しみの対象を除去した後は、
次の情念を感知するまでは「眠り」につくのが通常だった。
・・・ただしそれは人間の「眠り」とは違い、機械の休止、
あるいはスタンバイ状態といった表現のほうが適正といえる。
もっとも、どちらにせよ、再び目覚める時に、今回のように何故そこにいるのか、
分らなくなっているなんて事は考えられない。
うぅ らぁ らぁ・・・
「彼女」は小さく声をあげる・・・特に意味はない、小鳥がさえずるのと大差無い。
その間も「彼女」は思い出そうとしていた。
記憶がなくなっているわけではない・・・、
混乱しているのだ・・・、混乱?
こんな事は今までに無い・・・初めての事で・・・いや、初めての事では無いかもしれない。
とても・・・遠い昔に・・・一度・・・いや、二度ほどあった事かもしれない。
だが、今、思い出すのはそのことではない・・・、
(私はメリー・・・私は今、この町にいる・・・)
そうだ、いつものように大気に溢れる電波に干渉し、この「人形」のカラダに入り込んできた想念の、
・・・その想念の怨恨の対象に向けて、自分のカラダは行動を起こしていた。
自分の狩るべき対象ははっきりしていた。その命を狩った今では、顔を思い出すのは難しいけれど、
あの時点では、虐げられた哀れな者達が、最後に思い描いた憎むべき顔が、
はっきりと自分の脳裏に浮かび上がっていた・・・。
第二十話
・・・あの時、「彼女」は夕日の沈んだほの暗い街中を、隠れるようにして走っていた。
川原の生い茂った草むらの中を走ったり、民家の屋根の上を、猫よりもしなやかに、
時にはムササビのように飛び移ったり・・・。
林の木々の中を駆け抜けて、時には自動車のヘッドライトに照らされながらも、
目的地の建物まで一息に近づいていた。
(もしもし、私 メリー・・・、今、あなた達の建物の前にいるの・・・)
この段階でターゲットの一人の携帯電話が使えるようになっていた。
「人形」の意識に頭髪の無い初老の男性が見える。
・・・遠隔透視・・・という単語が適切なのか、男性のこわばった表情も確認できた。
目標に目の前に近づいていることで、「彼女」のパワー・スピード、あらゆる能力が強力になっていく。
そのスピードは野生の豹をも上回るであろう、目にも留まらぬスピードで建物の側面に廻り、
その壁に垂直にへばりついた。遠目からなら巨大な蜘蛛が壁を這っている様に見えるかもしれない。
「人形」の脳裏に瞬時に作戦が展開されていく。それは狩猟生物の本能のようなものだ。
またもや初老の男性の携帯が鳴る。着メロは教会のテーマソングのようだが、
そんなことはどうでもいい。
「もしもし・・・ 私・・・メリー、・・・今、あなた達の部屋の外にいるの・・・」
「彼女」は二階の一室のガラスの外にいた。暗がりから部屋の中を窺う。
初老の男性・・・そう、その男の名前は児島鉄幹である。
そこには五人の男女がいた。恨みの大きさはそれぞれ違うが、全員処刑対象だ。
部屋の外には何人かの信者が待機しているようだが、「彼女」の目的に障害と判断されれば、
自動的にその凶悪な鎌の餌食となる。
「聖魔祭司」の称号を抱いた児島鉄幹は、一人怯えながら部屋の扉の外に注意を向ける。
他の幹部は、彼の狼狽ぶりが理解できずに戸惑っている。
・・・だが、部屋の外とは廊下側ではない。窓の外だ。
「人形」はその死神の鎌を大きく振りかざし、渾身の力で部屋の窓を一気に破壊した。
悲劇的なガラスの割れる音が、建物中に響き渡る。突然の衝撃、強烈な破壊音、
部屋中に飛び散るガラスの破片。部屋の誰もが金縛りにあったかのように動けない!
処刑執行が今、始まる!
うぅ・・・ らぁ らぁーッ!!
☆ 今日はここまでざんす。
・・・活躍とまではいかなかったかな?
し、しかし後は盛りだくさんですよ〜!
今更ですが第四章は、大きく前編・後編に分かれてます。
後編はメリーづくしです。34話まで、長い目で見てやって下さい。
>>126パパ
おぉ!?何やら新展開の予感・・・
相変わらず126パパのメリーは可愛いですが、
これからどうなってしまうのでしょうか?
ワクテカです!
>>Lady氏
遂にきましたね〜
まだ少ししかでてませんがカッコいいです!!
GJ!!
明日も期待しておりますね!
Ledy氏ハイパーgj!!!
もうヤバイな!ダークヒーローっぷりがカッコイイッ!!!
てか周りの人物からの視点から見るからこんな魅力的なんだろな!!!
あ〜!もうwktkがロマンティック並に止まらない!
wktk(←何故か止まらない)
ヘ_
//;;;;`-、_
//ー-、;;;;;;;;;ヽ、
//_ ;;;;;;;;ヽ、
// ゙゙ー-、 ` ;;;;;;ヽ
___ // `-、 ` ;;;;ヽ
_ /::::::::::::::::::::ヽ // \ `;;;;|
/::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ // ヽ ゙、;|
∠_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ // | i;|
\/ ̄\::::::::::::::::::::::::::::::::::\ // | l/
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l ● ● \::::::::::::://
l (_●_ ) 》:::::://
ミi |∪ / /:::::://:: 「もしもし、私、メリーじゃないクマー。」
\ ヽ丿 /:::::::://::::::::"-、、
` ァ-―''7":::::::://-;;:::::::::::::/
/|::| {:::::⊂ ̄ヽ'":::::::/
<;;;;;;| \:::ゝ(_ノ:::::::::::`-、,..--─-,,,
i\;;| //l |::::::::::::::::::::`::::::::::::::::::}
. l ト、 .// ゝ\:::::;;:::::::::::::::::::::::;;;-''
| l \__//___,,..-''~゙ー--─<
>>209-211 ありがとさまです!
>>213 まぁ・・・AAは大体、盗作ですので・・・。
では、今日は変則的に行きます。
二話だけうpします。残りは夜に・・・。
第二十一話
「呪われた人形メリー」がカルト教会ダイナスティ幹部達の前に姿を現した!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、そのか細き腕には一振りの鎌!
青白い程の滑らかな肌と純白のコルセット!
銀色に光り輝く神々しい高貴な髪と、透き通る程のグレーの瞳!
メリーは着地するや否や、息もつかずに手にした武器を振り上げる。
その「死神の鎌」の、凶悪な間合いの中におさまった幹部は驚愕と恐怖でのけぞるだけしかできない。
まるでダンスでも踊るようななめらかな動きで鎌を一閃・・・カラダを捻ってもう一閃ッ!
あっという間に二人の男のカラダから血しぶきが飛ぶ。
・・・一人の首は半分ほどちぎれ、もう一人は咽喉をざっくり切られている・・・。
すぐに部屋の扉が開き、男性信者があわただしく入ってくるが、
人形が鎌を振るって幹部を切りつけている異常な事態に、すぐにはカラダを動かせない。
その間にも別の幹部がおぞましい鎌の餌食になる。
(この場に残るは二人・・・)
「ギャアーァッ!!」 児島の妻が、その顔をありえないほど歪めて悲鳴を上げる。
手近には外から入ってきた信者がいるが、彼らは後回しだ。
メリーは瞳をギョロッと動かして、飛び上がりざま上段から鎌を振り下ろす。
体重だけはいかんともしがたいメリーは、その武器の形状からも、
遠心力を利用した攻撃が最も効果的だ。・・・死神の鎌は児島の妻の肩口を越え、
背中から心臓めがけてつきたてられる。
メリーは、その中年女性のカラダを踏みつけるようにして鎌を外す。
児島鉄幹が逃げようとしている。信者のカラダを押しのけながら出口に向かう。
メリーが先に信者を切らなかったのは、彼らが、児島が逃げる時の障害物になると判断したからだ。
・・・が、先に逃げられてはメリーの障害物でもある。児島は彼らの先に行ってしまう。
狼が獲物の咽喉元に飛び込むように、信じられない程の跳躍力で、メリーは出口までに辿り着く。
・・・その間に立ちはだかっていた二人の男性信者は、力なくドサッと床に倒れこんだ。
あまりのスピードに殺された事にも気づいていないだろう・・・。
「うわああぁ〜!!」 叫び声を上げながら部屋を出る児島!
叩きつけるように扉をしめようとするが、メリーの鎌がそれを許さない。
逃 が し は し な い !
第二十二話
入り口の隙間に鎌を差し込む。ドアを押し開ける必要は無い。
挟まった鎌を捻れば勝手にドアは開かれる。
通路には他にも何人かの男女がいる。そのせいでどうしても児島は思うように進めない。
動く人形の姿のメリーを見て、信者達は驚愕の悲鳴をあげる。
通路に出て児島の姿を確認したメリーは一瞬、動きを止めた・・・。
だが、次の瞬間またもや弾けるように、児島の背後に襲いかかった!
彼女は廊下に出た瞬間、無意識のうちに狭い通路の空間把握、有効な鎌の軌道を計算していた。
振り回すより、穿つような動きで鎌を突き出し、間合いの遠い位置から最低限の手首の返しで、
児島鉄幹の足首を切り落とした。彼の右足首が転げ落ちる!
「 ( ヒ イ イ イ イ ィ ッ ! ! ) 」
声にならない悲鳴をあげる児島鉄幹!
だがメリーは追撃しない。その廊下にいた男女は余りに悲運といえよう。
メリーは左右に散らばる男女の姿を確認すると、無慈悲な・・・無差別な鎌の攻撃を開始した・・・。
阿鼻叫喚とはまさにこの事・・・。
悲鳴と血しぶき・・・転げまわる犠牲者・・・、もはやピクリとも動かないただの肉塊・・・。
最終的に命のある者は・・・恐怖におののく児島鉄幹ただ一人。
メリーは動けない児島の首根っこをひっ捕まえると、
細身の腕では考えられない怪力で彼のカラダを宙に持ち上げる。
「ヒッ・・・た 助けてくれぃ! 誰かーぁッ!?」
メリーは児島を持ち上げながら先ほどの部屋に戻った・・・邪魔が入らないように。
児島は、最後の力でドアにしがみつくが、大した抵抗にはならない。
・・・メリーは「聖魔祭司」児島鉄幹の耳元で、小さく、しかしはっきりした声で、
最後の処刑宣告をささやいた・・・。
「私・・・メリー、 愛する娘を救えずに・・・無念のまま殺された父親の魂に安らぎを・・・!」
彼の脳裏に、幹部達と共に生き埋めにした、女性信者の父親の姿が浮かび上がる。
だが、後悔しても既に手遅れだ・・・。その父親の命はもう、戻ってこないのだから・・・。
「ヒ イ イ イ ッ ! 小 伏 様 ー ッ ! ! 」
メリーの死神の鎌はゆっくりと児島の咽喉元に当てられ、
・・・何の躊躇いも無く一気に汚れた彼の命を引き裂いた・・・。
残すは・・・赤いフードの男のみ。
☆ ではまた。
>Lady氏
ぬぉあ゙あ゙ア゙あ゙!!!
なんてとこで止めちゃうのLadyィィィ!!!
だ・れ・か♪wktk♪と・め・て♪wktk♪(ry
o 。 o
;;', 。 。 † 。 。 o
,;,;;;「i o i"'i 。 。
;;;),,;;\ _ 。 l l 。 o l
ヾ,,)ヾ)\|:::::| ,,-"l ,;\ io | 。 /";;;--,,_
,,;;ゞ::;;;)┴\,|'-_ | ヘ,: l:::::| 。 ,ヘ /ヽ i ∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヾ);"ヾ),;"┴\;;;;,ヘ-,,| l,l|: l:::::| 。|,,l'";,,日::ヽ/\`l;, 田 田:::
);;;ヾ)ヾ")┬┴\::::::::''、ソ-、:::::|, /,,-'',,:. ::\/:日_ゝ ::. .. :;
;;))ヾ",__,,;;┬┴\/;ヽ,-ヽ.∧二\l,,ム\、,,--'',,,,_;;'| 田 田 ::
;;ヾ::::,,////ヽ;;,,;.:┬|/|:::ヽ:::::lΠl,,(;;;, / ",, |::::::/ノノ、ノ""''''--,,,,_
ヾ);;)/////ヾ\ ┴|/|'、:::lγヽ(ヾ(;;,,ゞ ,,, |:::/ノノ、入入入入入/::
|Vvvwi,iir、;^;;|┴┬|/|ii|:::l |:::::|;;,,(ヾ,,::) ;;,,) |/ノ、ノ、入入入入/┴::
r'i"i,,i-i,ii| |==|┬┴|/|ii|:::l |:::::|(ヾ;;;ヾ),;ヾ:;;ヾ)"''-,,_ノ、入入/┴┬::
r'i"i,,i-i,ii|_|==|┴┬|/""''''''---;;;;;;lトli (ヾ;;(::) ;;,, "''-_/┴┬┴::
r'i"i,,i-i/i,==|;;;,,-''" ,,、 ⌒ヽl;;:; ;;::. ";;. ,|┴┬┴┬::
r'i"i-i'l:::::i';;;;;/ ノヘヽ γ"'; . . : |┬┴┬┴::
/iツ"i:::::l/ "⌒"' ,...、⌒: . , , , ~ ヽ l | 、 ,;;|┴┬┴┬::
: : l/./ ノ〃ヽ , , " ⌒" ヽl |:. ...|┬┴┬┴::
::::::/,;ゝ ゝwi 丿''"'' . ". ,, ヽ |;,.; ,|┴┬┴┬::
/ヽ' "'' く/_|」i> '''""'' ヽl .: |┬┴┬┴::
!_|_| ,,,_ \ ,:|┴┬┴┬::
⌒⌒ ''""'' ⌒
・・・ママがくれた手袋・・・、どこでなくしてしまったの?
第二十三話
メリーの目には廊下の脇の階段が映っていた・・・。階下へ続く階段、階上へ続く階段・・・。
一階からは、騒ぎを聞きつけた他の信者達のざわめく声が聞こえるが、
数々の悲鳴に怯えて、上にあがってこれない・・・、彼らは幸運だ・・・。
最後のターゲット「天聖上君」小伏晴臣は上の階にいる・・・、メリーはゆっくり、ゆっくり、
階段を昇っていった。
階段の昇った左側には、給湯室とトイレ・・・人の気配は無い。
右側の奥には社長室だが、手前に応接室と小会議室が並ぶ広めの通路がある・・・。
メリーはそこで二人の人間の気配を感じ取った・・・。
ゆっくりと通路に出る・・・、待ち構えていたのは半裸の状態で通路を塞ぐ二人の女性。
「そこまでだ! 邪悪なる者よッ!」
張りのある甲高い声で叫ぶは「紅かすみ」。
左手に剣を持ち左足を前にする。剣の切っ先はメリーに向けられる。
「人に非ざる者よ! ここから先へは進ませないッ!」
湿感のあるくぐもった声の「十六夜はるか」。
右手に剣を持ち右足を前にする。同じく剣をメリーに向ける。本物の剣のようだ・・・。
背中合わせになった紅かすみと十六夜はるかは、アニメのキャラクターのように口上を続ける。
「紅かすみの流舞の剣!」 「十六夜はるかの天狼の刃!」 ・・・そして二人同時に・・・、
「我ら、『天聖上君』様を守りしホーリークルセイダー! 聖なる光刃、直撃するが良い!!」
彼女達は本気だった。実際のところ、感情を持たず、
殺戮モードになっているメリーに話しかけることはあまり意味がない。
もっとも彼女達にしても、心の底から定着したスタイルなのだろう、
普通の神経なら、人形のメリーを見て動揺しない方がどうかしている。
彼女達は完全に教祖の洗脳の支配の下にいた。ダイナスティの教義によれば、
教祖小伏晴臣は宇宙の救世主、常に魔界の尖兵に命を狙われる立場・・・、
今のこの状況は、常日頃から危ぶまれていたことが現実になっただけの事である。
そして、一度そのような事態が起きれば、命を賭けて戦う事が彼女達の使命なのだ。
一方メリーの方では、彼女の復讐の対象に目の前の二人は含まれていない。
だが、最後のターゲットに向かうのに、彼女達の存在は障害だ。
呪われた人形・メリーは攻撃態勢に入った。
第二十四話
メリーの鎌が空気を切り裂く! アラベスク文様の装飾された死神の鎌だ。
右から十六夜はるかの肩口を狙う。だが、彼女達には恐怖が薄いせいか、
そのメリーの攻撃に的確に反応する。常日頃の修練の成果だろう、変則的な鎌の動きには、
対応するのもやっとだったかもしれないが、十六夜はるかの剣は、メリーの鎌の攻撃を弾いた。
・・・紅かすみはその間隙を逃さない。鎌が弾かれてメリーの動きが一瞬静止した瞬間に、
飛燕の如くその剣を走らせた。攻守一体絶妙のコンビネーション。
紅かすみの手には確実な手ごたえがあったが、それはメリーの黒いドレスを切り裂き、
石膏の胸を傷つけただけだ、人間相手なら勝負は決まっていたかもしれない・・・。
メリーはすぐには反撃しなかった。いまや挟まれた形になったメリーは、
そのグレーの瞳をギョロギョロ動かし二人の力を分析していた・・・。
基本的にメリーの闘争本能に「防御」は存在しない。また、直接の復讐のターゲットでない相手では、
彼女の力は最大には発揮できない。もしメリーを倒そうというのなら、付け入る隙はそこにしかない。
・・・だがそのメリーの不利的条件をさっぴいても、
彼女達「ホーリークルセイダー」の能力は尋常でなかった。
生身の女性のカラダで、メリーの鎌を弾く・・・?
メリーの胸を砕いた剣の鋭さは・・・?
「・・・はるか! この化け物を切ることはできないッ! 手足を砕くか・・・頭を破壊するか・・・ッ。」
「わかったわ、かすみ! まずは行動不能にするわけねッ!」
メリーの頭越しに二人の会話が飛ぶ・・・。実際その戦法は有効かもしれない。
メリーの方も、彼女達の能力が外見以上の物である事は今の一瞬で理解した。
それが薬物による影響なのか、それ以外の物なのかは、メリーにとってはどうでもいい。
紅かすみが剣の柄を握りなおす・・・そしてそれは攻撃の合図だ!
「 ヤ ア ア ア ッ ! ! 」
二人同時に切りかかるッ! 紅かすみはメリーの左肩! 十六夜はるかはメリーの右手首!
タイミング・踏み込み・角度・狙い・・・全てが賞賛に値する攻撃だった!
だが、ここで彼女達の予想外の行動をメリーは取る。
メリーはそのグレーの瞳を、
二人から何の興味も失せたかのように外してしまったのである。
☆ 今日の分はここまでです。
明日は、対ホーリークルセイダー戦、決着〜教祖との対峙です。
・・・126さん、麻子さんのお話は〜?(サイトの進行はいかがです?)
名無しさんやロム専さんの新作は〜?
絵描きさんは更新または新作品はござりませぬのか〜?
ではでは。
>>Lady氏
おぉ〜かっこいいですねぇ!
個人的にメリーの瞳ギョロギョロがすごく好きだったりしますww
他の方達の作品はまだですかね〜?
待っておりますので!
ドドドー〜!
なんて、気になるところでおわるんだぁ〜。
すごいですわ、まじで。
ちなみに、すいません。
ボクのは、月曜日以降になります。
これから家族サービスで旅行に行くの。
すいません。
でも、携帯から、明日も必ずみますよ。
期待しながら。
|゚)……
|д゚)……
|゚д゚)……
|゚д゚)…
|TдT)…ススマナイ
|≡3 ピュッ
>>224 そう言われるとくせになりそう・・・
>>225 家族サービスか〜、ええですなぁ。寒いよってご家族ともどもお風邪をひかれないように・・・。
>>226 えッ? 話を投下しに来てくれたんじゃないの?
第二十五話
確かに強化された彼女達の攻撃を、二・三回受けたとしても、メリーは止まらなかったかも知れない。
だがあくまでも、メリーが考えたのは「攻撃」である。メリーはよけることも防御することも考えない。
そしてその躊躇いの無さが、驚異的なスピードを生み出すのである。
メリーは正面の壁に向かって突進・・・そして重力を無視するかのように壁を駆け上り・・・
さらには天井さえにもそのか細い足を到達させる・・・!
そのメリーの稲妻のようなスピードと、彼女達の予想と想定を裏切った動きは、
彼女達ホーリークルセイダーの視界から、完全にメリーの姿を消失させてしまった。
二人の剣が虚しく空を斬る・・・、ほんの一瞬メリーの姿を見失ったことにより、
次への動作が遅れてしまう・・・。
そ の 隙 を 狩 る 者 は 見 逃 さ な い !
メリーが天井に足を触れたのは、ほんの一瞬だった・・・、
その一瞬に足首をバネのように伸縮させ、更なるスピードで眼下の獲物に襲い掛かる!
視界の外から高速の速さで振り下ろされる鎌を防ぐすべは無い・・・。
信じられないスピードで落下してきたにも関わらず、メリーは音も無くフワッ、と着地した・・・。
・・・ホーリークルセイダー、紅かすみの顔が白目をむく・・・
メリーの姿を探して顔を上方に向けた直後だった。
そしてその無防備になった咽喉からは鮮血が噴出した・・・。
胸に飾られていた数珠がバラバラと床にこぼれ落ちる。胸を露出させた痩身の女性は、
力なく廊下に崩れ落ちる・・・。
「かすみーッ!!」
メリーは着地した時のしゃがんだ態勢のまま、だが、勿論戦闘態勢は解除してはいない。
十六夜はるかは逆上して、しゃがんだままのメリーに剣を振り上げる。
メリーの目がぎょろつく。神速の動きを以って迎え撃つ、それは発射された弾丸の様な跳躍だ。
鎌の柄の先端は、剣のつかを握るはるかの右手首を砕いた!
息つく暇も無く、小さい円を描くような軌跡でその鎌は、
無慈悲にもホーリークルセイダー、十六夜はるかの首を跳ね飛ばした・・・。
大きな音を立て、彼女の豊満なボディが冷たい床に揺れる。
所詮どんなに訓練を積もうとも、人間相手を想定した動きでは、
数々の処刑を執行してきた呪われた人形メリーの敵、足り得なかったのだ・・・。
第二十六話
もはや邪魔者はいない・・・。直接、社長室のドアを開けても良いのだが、
ターゲットには真正面から当たらないのが彼女の流儀だ。
メリーは手前の応接室のドアを開ける。
社長室では、赤いフードのローブに身を包んだ小伏晴臣が静かに佇んでいる。
・・・ホーリークルセイダーの勝利を信じているとでも言うのだろうか?
メリーは応接室の天井に、配電設備や、
いろいろなパイプが走っている天井裏への出入り口を見つけた。
もはや急ぐ必要は無い・・・この館に侵入した時と同じように、ゆっくり壁を這い登る・・・。
紋様のある死神の鎌は、あごの下で支えることもできる・・・。
壁から天井に移るときや、出入り口に入る時だけ持ち替えればいい。
関節を、人間では考えられない角度に曲げながら、メリーはゆっくり、天井裏に忍び込む。
・・・方角も間違えることも無い。
それでも一分とかからなかっただろう。メリーは社長室の天井の出入り口を簡単に見つけ、
一切の音もさせずに、天井の出入り口の蓋を開けた・・。
その位置は社長室の大きな机の斜め後方・・・教祖小伏晴臣の座る斜め後方でもある。
全ての条件が整いつつあった・・・。
メリーは、天井から垂れ下がるように、関節を一つずつ延ばしていく。
伸ばした鎌は今にも床に届きそうだ。
メリーはこのタイミングで社長室の電話を鳴らす・・・これも彼女の能力の一つなのだろう。
ジリリリリリ・・・ン ジリリリリリ・・・ン
小伏晴臣は、メリーが天井から現れ今に至るまで、身じろぎ一つしていなかったが・・・
ようやく三度目のコールが鳴る前に、その重い腕を動かした。
「・・・はい・・・。」
呪われた人形・メリーは小さく、はっきりした声で受話器を通じて話しかける。
「・・・もしもし、わたし メリー・・・、今、あなたの後ろにいるの・・・。」
既に着地は済ましていた・・・。後はこの赤いフードの男が後ろを振り向くだけ・・・。
だが、「天聖上君」小伏晴臣は、そうはしなかった・・・。
フードの下の、半分だけ露わになっている顔を歪めて、こう電話口につぶやいたのである。
「 ・ ・ ・ や っ と 会 え た ね ェ ェ 、 エ ミ リ ィ ィ ィ ・ ・ ・ ! 」
☆ 今日はここまでです。
すみません、ここからラストまでは二話ずつです。
派手な殺戮シーンは峠を越しましたので、シフトダウンです。
ですが、ここから先の展開は、正月三が日の間に既に思い描いていた、第四章最大の山場です。
最後までお読みくださいませ。
はじめまして。
前スレからROMっていた者ですが、職人さん達に触発され、ちょっとこんなもの書いてみました。
でもいかんせん自信が無く、こんな深夜にうpした次第でございますw
http://m.pic.to/hpi4 >>Lady氏
ここでそう来ましたか!
ここからメリーの過去とどう繋がっていくのかすごい楽しみです!
毎日読ませてもらってますので、明日もワクテカして待ってます!w
>>233 お〜、北の香りがする〜、
鎌にも存在感があります。
この表情で襲ってきたらかなり・・・ゴク・・・!
みなさんご苦労様です。
Lady
途中で送っちまったいorz。すんません。
126さん、家族サービスご苦労様です。続きも頑張ってくださいね、無理しない程度で。
Ladyさん、メリー大活躍ですねー。あのルポライターも再登場ですか?あの人好きなんですよ。
>>233さん、いい感じですね。かわいいです。
えー、1話だけですが投下。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
少女は夢を見ていました。
見ていた、というのは正確では無いかも知れません。周りは全くの暗闇でしたから。
声だけが聞こえてきます。
「わた…メリ…今あな…るの」
幼い女の子の声。それに向かって少女は問掛けます。
あなたは何故人を殺すの?
少女は気がつきます。これ、あたしの声じゃ無い。聞き覚えあるけど…。
「寿命な…て。神様が言…の。この鎌も神様が…のよ。」
話ながら少女は深い悲しみに囚われます。
この子を救いたい。
「ごめんね。」
少女は女の子を抱き締めました。華奢な体は暖かく感じました。
そして音も感触も消えていきました。
…気がつくと暗闇に誰かがいます。それは二ヶ月前に死んだ親友の姿でした。とても勘のするどい、盲目の少女。
-昔から、迷惑かけてばかりいてごめんね。また迷惑かけちゃうけど…。お願いがあるの。
-できれば…あの子…メリーを救ってあげて。貴方は私が守るから。
-貴方と過ごした日々、楽しかったよ。ありがとう。
昔と変わらない、泣いたような笑顔。
気がつくと朝でした。少女は一人呟きます。
…変な夢見ちゃったな。でもあいつらしいや。自分を殺した相手を救ってあげて…か。
…お人好し。
少女は暫く一人泣きました。そして悲しみを振り払うように、声をあげます。
「泣いててもしょうがない。学校行かなくちゃ!」
少女はやがて知ります。その夢は単なる夢じゃなかった事を…。
―貴方はこんな話を知ってますか?―
('A`)フヒヒ以上でゲス旦那様方。
ではまた近いうちにお邪魔します。
みなさん頑張って行きましょう。
いやぁ、いいっすねぇ、ロム専さん、
近い・・・近いなぁ! Ladyにぃ! ・・・あぁこれ以上は言えないぃぃ・・・!
>「あのルポライターも再登場ですか?あの人好きなんですよ。」
ありがとう! でもあれ、伏線。彼は出てきません、ごめんね。
さ、いってみますか・・・。
第二十七話
それはメリーにとって、予想外の反応だった。
(この男は何故、振り返らない? エミリーとは何のこと?)
そして次に彼女はこう思った。
(何を言ってるか分らないが、この男は背後にいる自分の存在を既に知覚している・・・。
振り向かなくても刑は執行できる!)
メリーは、その両手で抱える死神の鎌を容赦なく振るおうと力を込めた。
! ?
( 腕 が ・ ・ ・ 動 か な い ・ ・ ・ ! ? )
何が起きているのか? 人形のか細い腕が、メリーの意思に従わない・・・!
カラダが硬直してしまっている・・・。メリーの混乱はこの時から始まったのだ。
この男の声を聞いた、その時から・・・。
メリーが鎌を振り上げたまま固まっていると、ようやく赤いフードの男は椅子に座ったまま、
クルリとメリーを振り返った。
「 お・・・おおおぉ! あの時と変わらないぃ・・・! 美しいよ、エミリ〜ィ、・・・いや、それとも・・・、
マリィィィ〜・・・? いやいや、今はメリ〜と名乗っているのかぁぁぁい?」
もはやその声は、受光式で威厳のある声を発していた者とはまるで別人であった・・・。
その表情はいやらしく歪み、不気味な歯を見せて大きく笑う・・・、
舌なめずりしながら喋っているのではないかと錯覚するほどだ。
アーハッハッハッハーァ・・・
「・・・ほお〜ら、わたしだよぉ〜・・・わたしは今・・・おまえの目の前にいるよぉ〜・・・!」
そう言って、「天聖上君」と呼ばれているはずの男はゆっくりフードを外し、
その白い顔を人形メリーの前に晒した・・・。
その瞬間、メリーの意識に電撃のようなものが走った・・・!
それは自分の記憶・・・恐怖・・・絶望・・・!
人形になったその日から、決して感じることの無かったはずのものが、
堤防が洪水によって一気破られてしまう様に、今、メリーの心に破滅的な勢いで流れ込んできたのだ。
・・・あまりにも色素の薄い灰緑色の瞳がそこにある。
まだ自分がエミリーという名の少女であった頃の凄惨な記憶・・・
生きながら数々の拷問の後に殺された、あの時と同じ目がそこにあったのだ・・・。
第二十八話
「・・・あれから・・・どれぐらいの年月が過ぎたのかぁ・・・?
150年? そう、そぉれぐらい経ったのだねぇぇ・・・?」
メリーの人形のカラダは、まるで人間と同じ反応を示すようにブルブル震えだした・・・。
そのグレーの瞳には、もう恐怖の色しかない・・・。
「・・・思い出してくれたかぁい? あんなにわたし達は愛し合ったよねぇ?
来る日も来る日も君のカラダに、わたしはわたしの精を注ぎ込んだぁ!
君は一滴残らず受け止めてくれたじゃぁないか・・・!?」
いいや! あの生きながらの地獄! 生きながらの激痛! 誰も助けに来てくれない永遠の絶望!
メリーの心は完全に恐怖の記憶で金縛りのようになる。
小伏晴臣は・・・いや、すでにこんな偽名はどうでもいい、彼はゆっくり、その手のひらを、
メリーの流れるような美しい髪に差し入れた。メリーは、ビクンとカラダをのけぞらせて反応する。
「相変わらず作り物とは思えない・・・本物の人間の髪じゃぁないかね、これはぁ・・・?
本当に苦労したよねぇ、・・・あの山奥の田舎の湖でこのカラダを見つけたときには、
天からの贈り物だと思ったよぉ! 運命の出会いだとねぇ・・・!」
男はもう片方の手でメリーのか細い腕を肩口に向かって撫で上げる。
「・・・ほぉ〜らぁ、エミリ〜ィ、捕まえたぁ!」
彼は滑らかな人形の白い素肌・・・薔薇の刺繍のドレスの触感・・・全てを味わうようにさすりだす・・・。
服の上から胸のふくらみを撫で回し、長い髪の間に入れた腕は、
そのまま肩にまわして人形の背中を荒々しく抱きしめた・・・、
人形のカラダに完全に欲情しているのだ。
メリーは150年前と同様にその瞳に拒絶の意思を示すが、この男には全く無意味な反応だ。
「・・・折角、素晴らしいカラダを見つけたのにぃ、
そこに宿っているマリーの魂はほとんど消えかけていた・・・。いや、否!
消えてはいない・・・まだ十分な魂の量だったぁ・・・、
だがわたしにはそれを呼び起こすやり方を知らなかったのだ・・・。
わたしは人里離れたところに住んでいたからねぇ・・・!
そんなわたしがたぁった一つ見つけた方法・・・、そぉれぇがぁ可愛いぃエミリ〜ィ!
おまえの魂を新たに注入することだったのだよぉ、エミリィ〜!!」
今宵はここまでっす! ラストまで残り六話!
アゲちゃえ!
Ladyさんってなんかちょっと変わった方ですね
だがそれがいい
確かに…
話しの内容が中々重いからLady氏の性格は…
癒される!!!( ゚Д゚)カッ!
Ladyさんのテンションについていけないwwwwwwwww
249 :
名無し:2006/02/05(日) 22:53:47 ID:z37uhrxnO
うぉ。
俺が携帯止まっている間に素晴らしい事になってますな。
作者様方Gj
今からゆっくり読ませてもらいます。
>>ロム専氏
「神様」の存在にすごく惹かれますー
いつか出てくるのでしょうか?
>>Lady氏
赤い手袋の魔法使いきたー(゚∀゚)ー!!ww
Ladyメリー始まって以来のピンチじゃないですか
明日も楽しみです!
・・・と言いつつ昨日に引き続きまた2枚ほど書いてみましたので
恥ずかしながらうpさせていただきます。
一言でも感想いただけたらうれしいです
http://o.pic.to/4qpwb
>>250氏!
に、二枚目〜〜〜〜〜!!!!
釜を引き摺ってるメリーたん萌え!!
『ズルズル』の擬音がたまらんぞなもし!!
>>248 ついてきてくださいね、マラソン選手を追っかける商店街のおっちゃんみたく。
(むりだよ禁止、お断りだ禁止、無茶いうな禁止、VIPでやれ全て禁止)
名無しさんははやくうp! 続き待ってるのよ!
>>250 「誰もいないよね」さん、だいにだーん!
歩き始めたー!!
この分だと次は歌ったり踊ったりするのかしらー♪
(さりげなくリクエスト)
>>252 ねえ、もう少し静かにしててくれない?
なに仕切ってるんだよ!
254 :
名無し:2006/02/06(月) 06:57:44 ID:F/RiDpOGO
おはようございま。
>>Ladyさん
多分明日くらいにはUpできるかと。
半分くらいは出来てんですけどね。
皆さん、おはようございます。
ようやく、全てを読めました。
携帯で。
Ladyさん、どきどきさせてくれますね。
残りわずか…。
……。
ちょ…ご、誤解しないでよ……。
さ、さびしくなんかないんだからね!
ロムさん。
短編連作で同じ世界観の中にあるものというのは、凄く心地よいですよ。
名無しさん。
(`;_;)ダッコ〜
( ⊃⊃
( ⊃⊃
誰いな(誰もいないよね)さん。
GJ。
ズルズルが可愛いね。
魂のぬけおちたような、感情のない目、なのに、意志は感じられる表情。
素敵ですよ。
さて、皆さんのさらなる活躍にワクテカ〜。
他スレで遊んでたら発見した。
怖い話作成リレー
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1127479143/906 906 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/04(土) 19:57 ID:f9knipkG0
めりー「ゴメン・・・死刑なんだ」死刑場へと歩いていくめりー
そして地面に突っ伏して泣く羽柴洋子。
883 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/02(木) 12:03 ID:MhxJy2et0
田嶋「洋子 阿弥陀くじの結果は」
羽柴洋子「・・・・・・・・・地球ごと滅ぼす事になった・・・」
・・・・・・・地球滅亡まであと12日・・・・・・・・・・・・
ノアの箱舟が漁港に来た
どっかで聞き覚えのあるキャラ名だと思ったら・・・、
始まり氏・・・こんなところに。
ワタシは126をマッテいマス
258 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/06(月) 15:23:49 ID:5dDhp+dtO
では大人気の126氏が来ないうちに・・・。
第二十九話と第三十話!
第二十九話
「あの町で可愛いおまえを見つけた時の、わたしのときめきが分るかぁい? ああ!
浮かれるおまえの『赤い手袋』 を隠すのは簡単だったよぉ!
あの禁断の術を使うには、『契約』 が必要だったからねぇ・・・、
『契約』 によって命を失ったおまえは、どんなにわたしを恨んでもわたしを殺すことができないぃ、
一生懸命研究したんだぞぉお? おまえがわたしの思い通りに動くためには、
どうすればよいのかぁ・・・。
念には念を入れたさぁ、自分の主人が誰なのかを分らせるために、
この美しい体内にわたしの精を注ぎ込み、時間をかけてゆっくりわたしになじませたぁ。
・・・おやぁ、怯えているのかぃぃエミリーィィ? 恐い思いをいっぱいしたものなぁ?
でも、許しておくれぇ、愛するおまえの為なんだぁ・・・。
そぉともそぉとも、それが最後の仕上げだった・・・、
それは純粋な恐怖ぅ・・・、それも他人のものではなく自分の恐怖をなぁぁ。
心を閉ざしたままでは人形は人形のまま・・・、あふれる感情がなくては意味がないからなぁ?
恐怖を感じない? そぉかな? ・・・恐怖の記憶は残っているんだよねぇ!?
マリーの魂に、恐怖に彩られたおまえの魂を混ぜ合わせて、
やっとわたしだけの人形が完成したんだぁ!!」
・・・この男は完全な性的倒錯者だった・・・、今も彼の屹立した男根は、
嫌がるメリーの下腹部に突きつけられている。この再会を夢にまで描いていたのだろう。
余りに強くメリーを抱こうとして彼女ごとよろめく・・・。
それがきっかけなのか、不安定なその男の精神は、怒りの表情に変化させていった。
「・・・ああ、なのに、それなのにぃぃ!! あの白ヒゲジジィィめぇぇ!!
虎の威を借りなければ何もできない糞ジジィィィ!! よくもぉ! よくもわたしの元から
エミリーを奪ったなァァ!! 復讐してやるぅ! あの糞ジジィも何処かで生きてるに違いないぃ!
必ず! 必ず殺してやるぅ!
何度生き返ろうとも、ヤツの主人のいる冥府に送り返してやるともぉ!
その為にはぁ このわたしも生き続けるぅ! そこで死んでいる小娘共のように、
生命力を吸い取ってぇ、まだまだ生き続けてやるぞぅ!!」
第三十話
この男の話が正しければ、彼は百数十年も生きている事になる。人間にそれが可能なのだろうか?
かつて、「暗い夜の森の魔女」 がそうであったように、
彼も人間の生気を吸い取って若返っているのだろうか?
・・・実際、ホーリークルセイダー達を日浦義純の目は20代中ごろと見ていたが、
本当の彼女達の年齢は、・・・まだ17、8の少女であったのだ。
そしてその代価として、この男の強大なパワーとエクスタシーを与えられていたとしたら・・・。
「・・・エミリ〜ぃ! わたしの作り上げた教会をぶち壊してくれたねぇ〜?
でも・・・許してあげるよぉ〜! 君がいれば何も要らないんだぁ、
さぁぁ、こぉれからはいつまでも一緒だよぉぉ!
わたしと共にぃ無限の時を過ごそうじゃぁないかぁぁ!?」
・・・このおぞましい男が喋り続ける間、メリーは必死にここから逃れるすべを考えていた。
既に彼女の殺戮衝動は消されてしまっていた・・・。
恨みのエネルギーより、彼女の悲惨な恐怖の記憶の方が余りにも巨大すぎたのである。
学術的にはともかく、思考し行動する生物としての彼女の生存本能は、
この状況から脱出できる手段を死に物狂いで模索していた。
(わたしは・・・エミリー? マリー・・・? わたしは・・・? わたしは・・・ )
歓喜に震える赤い男は、メリーの白い頬を押さえつけ、色素の薄い目を気味の悪いほど大きく広げ、
人形のメリーの薄く開いた唇に、自らのそれを重ねようとする。
メリーのグレーの瞳は恐怖と拒絶の色を浮かべて小刻みに動く・・・。 どうにもならない・・・!
( ・・・違う・・・わたしは・・・マリーでも エミリー でもない・・・わたしは わたしは・・・
そうだ、わたしは与えられた・・・、天地の法が 破れた時、それを犯した者を 断罪する 鎌を・・・。
わたしは与えられた・・・虐げられた哀れな者達の、
・・・彼らの安らぎを願う為の・・・この鎌を・・・。
わたしは与えられた・・・汚れた命を狩り取る神秘の鎌を・・・。
そうだ、
わたしは与えられた・・・この鎌を、 ・・・わたしの「メリー」 の名と共に!!)
メリーは魂の奥底からの叫び声をあげた!
「違う・・・! わたしの名は・・・メ リ ー ッ ! ! 」
残り四話です。実はラスト、まだ悩んでるんだけど、私の性格だと
このまま行っちゃうでしょう。ではご飯、行ってきます!
>>262 GJ、リレー小説見て次スレ立ったの知ったよ。
264 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/06(月) 20:29:44 ID:Z8NC1AjnO
はじまり氏、お帰り!
みなさん、感想ありがとうございます!
よかったらまた書かせてもらおうと思います。
今日はLady氏まだですかねー?
みなさん、感想ありがとうございます!
よかったらまた書かせていただきます。
今日はLady氏まだですかねー?
>>263 おっしゃー! お帰りなさい! これで全員揃ったー!
向こうのスレ終わってからでいいから、これからもお願いしますね。
偉そうに言ってごめんなさいね。
>>265-266 ・・・・・・。
うわ、ものすごい醜態をさらしてしまいました。
すいません。
なんかパソコンの調子が悪くてリロードできなくて…
逝ってきますね
269 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:34:42 ID:CM3Tm+As0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197】
64番目←いまここ
270 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:35:16 ID:CM3Tm+As0
64番目
「まだね、あなたの口から聞いてないんだよ・・・」
耳たぶに、メリーの唇がかすかに触れる。少し前までのメリーと今のメリーでは何かが確実に違
っていた。最初に出会ったときの鎌を振り回していた怒りとプライドの塊のようなメリーとも、
俺の事を追いかけて会社にやってきたおびえた小動物のようなメリーとも違う。俺がどぎまぎし
ているのを見透かしてその姿を楽しんでいるようにも見える小悪魔のようなメリー。
麻子からは、おそらくメリーの最後の言葉は聞こえはしなかっただろう。
先ほどと同じように、俺の首に巻きついてじゃれているようにしか映らない。
しかし、俺はメリーの言葉に違和感を感じていた。
・・・・・あなたの口から・・・・・
俺以外の誰かから、俺が何故メリーを呼んだのか、そしてメリーをどうしたいのか、それを聞い
たというのだろうか?・・・・・ならば、一体誰から?
俺は、背後から俺の頭にあごを乗せているメリーをヒョッイと持ち上げて俺の目の前に移動させ
た。息を呑む・・・。ニコニコとしているのは変わらない。しかし、俺よりも優位にたっているよう
な余裕を持った笑顔。
「どうしたの?」
メリーは、首をかしげる。すべてを見透かされているような錯覚に陥る。
それなのに、また新たなメリーの魅力を見せ付けられたようで、このコケティッシュな小悪魔に
どきどきとしていた。急に抱きしめたくなる・・・。しかし、メリーの肩越しに見える麻子の顔
のおかげでその衝動を何とか抑えた。
「なんでもない・・・」
何とか言葉をひねりだすと、メリーを開放した。
「さあ、お姉さんが待ってるよ」
開放されたメリーは、またしても俺の背後を陣取る。俺は胡坐をかいて座った状態で、メリーは
ひざを立てた状態で俺の首に腕を回し、顔を耳の辺りの持ってくる。
確かに、麻子は待っていた。俺が麻子に向かって話を始めるのを。
やはり・・・顔をゆがめながら・・・。
271 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:35:59 ID:CM3Tm+As0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
65番目←いまここ
272 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:36:32 ID:CM3Tm+As0
65番目
「麻子・・・」
麻子は、俺の言葉で、何とか変なものを見るような顔をもとへと戻した。
「麻子・・・メリーが話していいと言うから、話す」
俺はできるだけまじめな顔で、話し始めた。
「この子が何故ここにいるのか。そしてこの子が何者なのか・・・・・」
俺の真剣な表情を見て、麻子は麻子なりにただ事ではないと感じたのか、座りなおして身を乗り
出してきた。
「この子は、メリーは、この世のものではない」
できるだけ、真剣な顔でそう言い放った。
「はあ〜?」
もとより簡単に受け入れてもらえるとは思っていなかった。しかし、もう少し反応の仕方がある
だろう。眉間にしわを寄せて、明らかな攻撃態勢に入ろうとする。
「ちょっと待て、話を最後まで聞け」
麻子は俺をにらみながらチラッとメリーの方を見る。
メリーはおそらく先ほどと同じようにニコニコとして麻子を見ていたんだろう。俺のところから
はメリーの表情は見えないが、麻子の表情が落ち着いたのを見ると、そんな気がした。
「お姉さん、短気はだめよ」
メリーの言葉に、眉毛が反応している。が、ここはお姉さんの威厳を保たせるほうに力を注いだ
らしい。目を閉じ、大きな深呼吸の後。
「わかりました。さあ、続きを話して」
このようなやり取りにどぎまぎしながら、
「ああ、続きだな・・・」
俺は、都市伝説「メリーさんの電話」の話をした。そしてインターネット上にメリーさんの伝説
を取り扱う掲示板やそのまとめサイトが存在し、メリーを召喚する方法について研究していたも
のがいたこと。その管理人と名乗る人間が、メリーの召喚に成功したらしいこと。
「・・・・・まじめにいってるの?」
273 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:37:31 ID:CM3Tm+As0
前スレアンカー
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【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272】
66番目←いまここ
274 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/06(月) 21:38:23 ID:CM3Tm+As0
66番目
麻子はもともとそういうことを信じない。しかし、俺の真剣な態度にまったくの嘘とも思ってい
ないようだ。何かにだまされている。そう感じているのかも知れなかった。
「麻子、今携帯持ってるか?」
「携帯・・・あるわよ・・・」
「メリーいいか?」
俺は少し首を傾けて、メリーの方を見た。
メリーは退屈していたのか。自分の鼻を俺の耳にこすり付けて遊んでいた。あまりの心地よさに
顔がにやけそうだったが、ここでにやけてしまったら、もとも子もない、麻子に信じてもらうど
ころか確実に亡き者にされていただろう。俺はそれがどんなに心地よかろうと真剣な顔をし続け
なければならなかった。メリーは俺のそんな過酷な状況をわかっていてこんなにも気もちのよい
ことを続けていたのだろうか?無邪気に知らず知らずにやっているのだと信じたい・・・。
「え?うん、いいよ」
俺の方に体重をかけて立ち上がる。立ち上がりざまに・・・なんて事をするんだ・・・。
俺の耳をカプッって一噛みしていきやがった。なんとも・・・きもちいい・・・。
一瞬ぶるっと震えたが、俺は平静を装いながら、麻子に言った。
「その携帯のカメラで、メリーを撮影してみな」
メリーは、俺の横に立った。スレンダーな身体が白いワンピースからすっと伸びていた。
麻子は、そんなメリーと俺、そして携帯を見比べていた。
「いいよ。お姉さん、撮ったらわかるわ。この人が言っていたことが本当だって」
そういいながら、俺の頭の手のひらを乗せる・・・。子ども扱いですか?まったく・・・。
と頭に手を置かれたままメリーの方を向こうとして、一瞬にして固まる。
・・・・・このワンピース・・・袖口・・・ノースリープの上に広い・・・。
必死になって目をつぶる。見ちゃいけない・・・。確かに、夢の中・・・いや、黒いものの見せ
た妄想の中では俺はメリーを抱いたけども、それはあくまでも申そうであって、現実のメリーは、
そんなコトを思っちゃいけないくらいその・・・なんだ・・・・俺がけがしちゃいけないんであっ
て・・・・とにかく・・・そのなんだぁ・・・・・ガシン!
というわけで、取り急ぎ投下してみました・・・。
相変わらず、ペースが遅くてすいません。
応援していただき本当にありがとうございます!、またゆっくりと個別レスさせていただきますね!
これがほんとのwktkだぜ!!
ハイパーwktk!
+ 。 + 。 * ワクワクテカテカ +
∧_∧ + ワクワク * テカテカテカテカ
(0☆∀☆) 。* ワクワクキラキラ
(0゜∪ ∪ + 。テカテカ + + ワクワクワクワク
と_0)_0) + * + ワクテカ +
ひさしぶりに萌え死にそうです
126
貴様の耳を噛んでやる
279 :
名無し:2006/02/06(月) 23:14:27 ID:F/RiDpOGO
「…美味しい?」
そう聞いてメリーは、開いた本のページもそのままに、瑠璃色の瞳を不思議そうにこちらへ向けている。
「いや、美味いといいますか…まぁカップ麺にしてはそこそこ…」
やっと片付いた部屋は、家電やら家具を配置すると、想像した以上に狭くなった。
丁度、ワンルームの部屋の真ん中に広げた炬燵はやはり小さく、対面に座るメリーがやたらと近く感じる。
ただでさえ近いというのにメリーはというと、食事の間中、終始こちらにあの瑠璃色の瞳を円らに、不思議そうな眼差しを送り続けていたのだ。
それが気になって、食事も美味いかどうかなんて分かりやしない。とりあえず無難な返事でやり過ごすと、残りのスープを一息に飲み干した。
280 :
名無し:2006/02/06(月) 23:16:17 ID:F/RiDpOGO
「…ご馳走様。…なんだよ‥ですか?」
読みさしの本のページが、少しだけ開けてある窓から凪いだ風に捲られる。
それにも気に留めずに、メリーは相変わらず不思議そうな視線を送るばかり。
「…そんなに気になるんならさ、メリー‥さんも食べれば良かっただろ?」
メリーは少しハッとしたように口元を片手で押さえると、やっと本に注意を向けはじめた。
きっと読んでいたページもあべこべだろうに、気付かず一生懸命に集中しようとしている。
直ぐに読んでいた行を見失っている事に気付いたメリーは、慌てているのを隠すかのようにわざとらしく厳かな表情を作る。
一仕切り見失った行を探すと、諦めたのか、やがて溜息を短く吐いてから口を開いた。
「…お人形だもの。」
ポツリとそれだけ言うと静かに本を閉じ、今度は見透かすような視線で真直ぐにこちらを見つめた。
どこか憂いを帯びたその瞳に、思わずこちらも見つめ返してしまう。
281 :
名無し:2006/02/06(月) 23:17:30 ID:F/RiDpOGO
「…前はよく、アナタと二人きりでお食事したわねぇ」
メリーはそう言うと、ニンマリと悪戯っぽい笑顔を造ってみせた。
メリーの言う"前"と言うのは、きっと幼稚園の頃のママゴト遊びの事であろう。
脳裏に巡る当時の記憶は懐かしさよりも、津波のような恥ずかしさを呼び起こす。
次第に耳まで赤くなっていくのが自分でも手に取るように分かるくらいに、顔面は熱を帯び始めていた。
その様子をじぃっと観察していたメリーは、微笑みとも嘲笑ともとれる含み笑いをいよいよ満面にする。
そしてテーブルにそっと頬杖をつくと、そのままの調子で口を開いた。
「…メリーただいま。…お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?…ンフフ‥」
メリーはからかうように、いつかのママゴトでの台詞を再現してみせた。
282 :
名無し:2006/02/06(月) 23:18:52 ID:F/RiDpOGO
「…な!‥べ、別にいいだろ‥!?たかだか子供の遊びじゃんか‥!それに、も、もう昔の事だろ‥じゃないですか。」
あまりの恥ずかしさを押し込めるため、ついメリーの顔を真っ正面から見つめてから言い放つ。
言い終わるが早いか、メリーの表情は、先程までの悪戯な笑みが嘘のように一変して、真顔で訴えるような表情にかわる。
どこか物悲しいその瞳は、言い知れぬ深い感情を湛えていた。
一変したメリーの表情にギョッとして、その瞳を真直ぐに見据えてしまい、目を逸らす事も
口を開くことも忘れて、その瑠璃色の瞳にただただ魅入られるかのように、目が離せなくなっていた。
お互いにただ見つめ合う沈黙に、重く閉ざした空気。辺りに響くのは時計の針の規則的な音だけ。
やがてメリーは、真直ぐに瞳を合わせたまま、ゆっくりと口を開いた。
「‥じゃあ、大きくなったアナタはもう、私を必要としていないのね‥?」
283 :
名無し:2006/02/06(月) 23:21:35 ID:F/RiDpOGO
依然、その表情からは悲しみは消えていない。
どこか古めかしい、強く印象に刻み込まれるような悲しみ。
それは大昔の画家が感情をぶちまけた一枚のキャンバス、それに塗り込められた一面の深い原色の黒と青、
それは、幾つもの時代を重ね経てきたかのような崇高さがあった。
どれくらいそうしていた事だろう、ふと意識が解放されると、テーブルの上に置かれた本が微風にパラパラと捲られていくのが、メリーを捕える視界の端に、小さく映った。
薄い紙は日差しを受けて、白と黒のコントラストが映写機を回すみたいに瞬て、やがて動きを止める。
そこでやっと思考が働きだした。
永い眠りから覚めたばかりのように覚束ない思考は、ただ目の前の人形に何かを言わなきゃならない事だけを、しきりに命令する。
その命令を忠実に遂行しようと、言葉を探すのだけれど、見つからずに、唇は焦って空気を吐き出すばかり。
その様子を見て、メリーはただ笑った。先程までの表情が、やはり嘘のように一変した純粋な笑顔をこちらに向ける。
284 :
名無し:2006/02/06(月) 23:27:33 ID:F/RiDpOGO
「‥フフフ‥ンフフフフ‥アハ…」
ただただ笑う。
「…ハァ‥冗談…ごめなさいね?‥ねぇ、そうだわ‥お話があるの。」
そう言うとメリーはゆっくりと右腕を上げて、手招きをする。
些か訝しく思いながらも、取り敢えず立ち上がり、メリーの傍へと歩く。
するとメリーは上目遣いにこちらを見上げ口を開く。
「…ねぇ‥耳を貸して?」
二人(?)きりの部屋で、何も疑問を抱かずに、メリーの"内緒話"とやらに耳を傾けるべく膝を付くと、メリーの顔に耳を近付ける。
メリーが、何かを喋りだすのか、息を小さく吸い込むような音を聴いたかと思うと、不意に耳の奥に勢い良く空気が送り込まれる。
「!!!!??」
それに驚いて、反射的に耳を押さえながら、咄嗟にメリーの方へ顔を向ける。
「…??!!?」
次の瞬間にはメリーと唇を重ねていた。何が起こったのか解らずに、パニックになりそうな頭を落ち着かせる間もなく、視界の歪みに気をとられる。
そして、全身の筋肉が号令一つで一斉に活動を放棄したかのように、ガクリと崩れる身体。
次第に意識が遠退いていく。深い闇に落ちる刹那、笑うメリーを見たような気がした。
…………
………
……
…
285 :
名無し:2006/02/06(月) 23:58:15 ID:F/RiDpOGO
…私から離れたら
…私はアナタを
…殺すわ。
真夜中の暗い部屋…
横たわる男の頭部を抱え込むようにして座る小さな人形。
小さく呼吸をする男の頬を撫でながら目を細め、恍惚とした表情。
差し込む月明かりに照らされて人形は何度も同じ言葉を繰り返していた。
…私から離れたら
…私はアナタを
…殺すわ。
唇に触れ、人差し指で小さく撫でる。そして自らの唇を重ねる。
…私は人形なんかじゃないわ
…私はメリー。
…とてもヤサシイ、パパとママ
…三人で幸せに暮らしていたの。
…だけど悪魔は
…私から全てを奪いさるの
…アナタは許せて?
少女の人形は目を閉じて、今度は男の髪を撫でる。
…おやすみパパ…
286 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/07(火) 00:53:27 ID:eFTRRVs7O
すげーよ名無し氏!
すると一体ママとは・・・?
それにしても今日は唇が良く出てくる。
キスフェチのおいらにはちょいとたまらん。
きもいよLady氏!
289 :
名無し:2006/02/07(火) 08:07:25 ID:t3w9GgwUO
おはよう。
皆さん読んでくれてありがとう。
>>Ladyさん
ママとは…
前回書かせてもらったメリーに、名前だけで少し登場したあの人です。
うふ。
ぶっちゃけ自分でも、物語が完全には練り上がってないので今はそれしか言えませぬです。
皆さんおはようございます。個別レスさせていただきますね。
Ladyさん!
まずサイトの法はまだ進んでません・・・。もう少ししたら時間が取れると思いますので一気にやってしまいます!
絵師の皆さんの絵は、そこに載せさせていただいてもよろしいのでしょうか?
この前アドレスを張っていただいた向こうのまとめサイト・・・携帯では見れないようです。
携帯の方も多いと思いますので出来るだけ携帯にやさしいつくりにしたいと思います。
次に・・・作品の方・・・相変わらずすごい描写力ですね。
どうなるのか、これからメリーの反撃が起きるのか?ワクテカ〜。
名無しさん!
・・・甘い日々は終わってしまったのですね・・・グスン。
女心をわからないやつにどのような制裁が待っているのでしょうか?
なぞと複線が見え隠れして、楽しみですよ!
誰いなさん!
ぜひぜひまた書いてみてくださいね!
楽しみにしてます。
始まりさん!おかえり!
忙しそうですね!無理せずに!
>>257様
ありがとうございます!待たせてばかりですいません。
リアルジョブの合間に書き込んでますので。。。
もっと一気にUpできればいいんですが・・・。
ちなみに・・・まだまだ終わりませんwww
ずっとワクテカしていただけたらうれしいです。
>>258様
はやく!という声は励みになります!ありがとうございます。
待たせているという申し訳なさと、待たれているといううれしさを抱きしめて、ボクは今日もがんばりますよWWW
>>277様
萌え死んでくださいwww
ボクなら、目をつぶりませんけどねwww
>>278様
甘噛みでお願いしますwww
皆さんの声があれば、元気が出て書けます(ほんと)
いつもありがとうございますよ。
だめだー!!
壺にはまりまくりで死んでしまう(*´д`*)
293 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/07(火) 13:41:27 ID:G0WcdU3n0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
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【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274】
67番目←いまここ
294 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/07(火) 13:42:05 ID:G0WcdU3n0
67番目
・・・・・ガシン??
目を開けた。ものすごい衝撃が顔にあって。今俺の視界には天井しか見えていない。
ふと顔を上げると、麻子が蹴りの体制のまま止まっていた。
「ちょっと、お姉さん!なんてことするのよ!」
と俺の方に駆け寄り、俺を庇う体制をとるメリー。ありがとうありがとう。涙が出た。
「お姉さん!私のこと大切にするって言ったよね」
言葉尻でにらみを利かせるメリー。
「だったら!この人も大切にして!」
メリーは、麻子に立ち向かうつもりだ。なんという・・・。
麻子は俺の目線に気がついたのだろう。昔からそういう部分には潔癖症的な部分があって、男の
いやらしさについては許せないような部分があった。
メリーすまない・・・。俺は・・・俺は・・・麻子の思っているとおり・・・。お前のすらっと
伸びた二の腕の向こう、大きく開いた袖口の中、輝くような素肌を・・・・見てはいないが見たいと
思ってしまったよ・・・。それなのに、お前はこんな俺を庇ってくれるんだね・・・。
俺がゆっくりと起き上がると、麻子はメリーを引っ張り、俺から引き離した。
「何言ってるの!メリーちゃん、こいつったら、そのいやらしい目で・・・」
そこからは俺に聞こえなかった。麻子はメリーの耳元でこそこそっとささやいたようだった・・・。
「えー!本当ですかぁ?」
「そうよ!このスケベ!」
「うわ・・・さいてぇー」
・・・そうですとも、何とでも言ってくれ・・・。
チラッとメリーを見る・・・。サイテーなんていいながら、目が笑っていた。・・・からかって
いる?本当に最低だと思って、嫌悪しているような雰囲気ではない。麻子にはそのメリーの表情
が見えないのだろうか?あきらかに俺を困らせて、俺がメリーにすがっていくことを期待してい
るような目。
「男はね、けだものなのよ。いい人ぶってても、いくら大切にしてあげるって言っても、言うこ
とを聞いちゃだめ」
295 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/07(火) 13:42:37 ID:G0WcdU3n0
前スレアンカー
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【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
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【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274◇67番目>294】
68番目←いまここ
296 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/07(火) 13:45:11 ID:G0WcdU3n0
68番目
麻子が、メリーに向き直って、説教を始めようとする。が、メリーの表情に気がついたようだ。
「メリーちゃん?」
いたずらっこが自分の好きな子を率先していじめているような顔。どう感情を表現していいかわ
からなくって、相手の反応を見ている感じ。照れくさそうに、でも、俺が逆切れなんかしないと
確信している。俺がメリーのほれていることを絶対的に信じている。そんな表情。
麻子にも俺と同じようにメリーの表情が写ったのだろうか?
「メリーちゃん?わかってる?男って・・・」
それでも引っ込みがつかず、メリーに話しかけようとして、
「わかってるよ。でも、この人は、私を大切にしてくれる」
と麻子に本当に素直な笑顔を返した。
「え?」
俺に近づいてくるメリー。ひざを伸ばし、両手を後ろに伸ばして上体を何とか起こした俺の前に
立ち、そのまま前から抱きついてくる。
座ったまま抱っこしているような形で俺に腕を絡めたメリーは、
「いじめちゃった。テヘッ」
と耳元でささやいた。テヘッって・・・・。
「ちょっと!メリーちゃん!」
麻子が叫ぶ。メリーは麻子の方を向く。
「お姉さん、大丈夫、あたしね、大切にしてあげるという言葉に弱いんだと思う」
「え?」
メリーは・・・気づいていたのか?自分の中のスイッチについて。
「だから、お姉さんに、最初大切にしてあげるって言われたとき、自分で何をしてるのかわから
なくなったの」
つづく
とりあえずいったんここまでです!
またねー!
あま━━━━(*´д`*) ━━━━い!!
何はともあれGJ&wktk!!
第三十一話
その瞬間、呪縛が解けたかのように人形の四肢に力が戻った! ほんのわずかな力であったが・・・。
それでも、反抗するはずができないと、タカをくくっていた赤い男を驚愕させるには十分だった。
メリーは赤いローブの男を突き飛ばし、カーテンで閉じられた窓に向かってダッシュした。
・・・最後の力を振り絞る・・・!
アラベスク文様の装飾をされた死神の鎌を、力いっぱい振り回した!
ガシャアーンッ!
耳をつんざくようなガラスの破壊音の後、
メリーは自分が作り上げた空虚な穴へカーテンごと飛び込んだ。
・・・三階からの落下・・・。
殺戮モードではない普段のメリーでも、いつもなら難なく着地できただろう・・・、
だが、今のメリーにはその力さえも既に残っていなかった・・・。
・・・鈍い衝撃音が響いた・・・
・・・白く・・・美しい人形のボディが砕けた・・・
・・・メリーの意識が薄くなってゆく・・・
・・・ここで倒れては・・・いけ な い・・・
カラダのパーツは四散していないものの、
駐車場の暗い地面に、いくつかの関節が砕けてしまっている。
赤い男はゆっくりと窓からそれを見下ろした・・・。
「・・・あ〜あ〜、しょうがないねぇ〜、久しぶりだからご主人様を忘れてしまっているのかぁい?
だけど・・・これからゆうっくり調教してあげるからねぇ? エミリ〜ィ・・・・・・うん?」
その時、男は目を見張った・・・!
既に辺りは暗くなっており、はっきりと彼の目には映らなかったが、
近くに停めてあった赤い軽自動車から、突然女性の影が姿を現したのである。
その女性は、メリーと鎌を抱きかかえると、グラグラよろめきながら自分の車に戻っていった。
・・・そして何事も無かったかのように車を動かし、教会の外へと走り去ってしまったのである。
町の方からは、サイレンの音と共に何台かのパトカーがやってき始めた。
「・・・わたしはあきらめないよぉ、エミリ〜ィ、必ずぅ・・・おまえを迎えに行くからねぇ〜・・・。」
数分後、警察がこの建物に乗り込んできた時、
赤いローブの教祖、小伏晴臣の姿はどこにも見当たらなかった・・・。
第三十二話
(・・・そうだ、わたしは あそこから飛び降りて・・・ では ここは 何処なのか・・・?)
メリーは赤い車の後部ドアを押し上げた・・・、ロックはかかっていなかったようだ。
目の前に自分の鎌もある。彼女はゆっくりカラダをずらしながら外に出る。
そこは日本の何処でも見られる普通の一般家庭の庭だった・・・。
塀のある、普通の庭・・・ちょうど車二台分でやっとというところか?
陽は傾いていた・・・。メリーはその目に映る物の情報を全てを読み取ろうとした。
その時である、メリーに向かって若い女性の声がした。
「気がついた・・・?」
・・・これも、遠い昔にどこかであった出来事のようだ・・・。まだ混乱しているのか?
メリーはその声を発する方向に振り返り、その女性から観察することにした・・・。
少なくとも命を奪う対象ではない・・・、そのエネルギーもない・・・。
「・・・驚いたわ、一日足らずでカラダが元通りになっているのね?」
その言葉にメリーは自分のカラダを確認する。感情からメリーの活力に変換されるエネルギーは、
自動修復する分には正常に働いていたようだ。
また、そのメリーの仕草で、女性の方も自分の言葉が通じていることを悟ったようである。
しばらく無言の状態が続いたが、メリーの方から切り出した・・・。
「 わたしを助けたのは・・・何故・・・? 」
女性の方は表情も崩さない、・・・彼女の綺麗な肌も白い・・・。
遠目に誰かがこの光景を見れば、どちらが人形か判別つかないかもしれない。
「・・・申し訳ないけど、あなたを助けたつもりは無いの・・・。
あのままでは、先に警察があなたを回収する・・・その後どうなるかは分らないけど・・・、
確実にあなたのことが世間に広まる・・・、そうなると、
わたしの夫はまたあなたを追いかけるかもしれない・・・、
自分の命を危険に晒して・・・。」
メリーは黙っていた・・・。彼女の姿・・・この家に染み付いてる住人の匂いを分析していたのだ・・・。
そしてメリーは途方も無いセリフを口にした。
「あなた・・・、人間じゃないのね・・・?」
☆ 毎度お騒がせしております。
明日で第四章ラストです。あと一日だけお付き合い下さいませ。
126さんはこの後もあるのかな? ドキドキ!
GJですLady氏!!
明日で終わっちゃうのか・・・(ノд‘)゚。
第五章きぼんぬ
304 :
名無し:2006/02/07(火) 21:00:34 ID:t3w9GgwUO
LadyさんGj!
凄いす。明日リアルタイムを狙ってロムってますね
>>303 忘れたか?
まだ彼の作品には伏線及び、まだ語られていない幻の話がある
ここまできたら期待しちゃいましょうww
第二章読んでない方もいらっしゃると思いますのではっておきますね。
わたしの物語に登場させてるのは、もっと若いイメージですけど。
真・都市伝説101夜で取り上げた「リカちゃん電話」や、現代妖怪夜行で取り上げた「十三段」などの元ネタであるのかもしれない話を見つけたので、ご紹介したい。その話はイギリスの民話で、「エミリーの赤い手袋」というものだ。
この話は1976年から79年にかけてTBS系列で放送されていた「まんが世界昔ばなし」のなかでアニメ化されていたり、児童書「世界のこわい話(山主敏子、1982年)」の中で紹介されていたりもするので、日本でもそれなりの知名度を持っている。
あるところにエミリーという少女がいた。ある日のこと、エミリーはお母さんに買ってもらったばかりの赤い手袋をなくしてしまう。そこでエミリーは、丘の上に住む魔法使いのおじいさんに助けを求めることにした。
すると、おじいさんはなぜかエミリーのなくした手袋を持っており、それをエミリーに返してくれた。ただしおじいさんは一言、彼女にこう約束をさせる。
「この手袋が私の家にあったと、決して誰にも言ってはならん。もし、誰かに喋ったら、今夜時計が真夜中の12時を打つとき、おまえをベッドから連れて行く」
ところが、家に帰ったエミリーはうっかり口を滑らし、母親に手袋が魔法使いのおじいさんの家にあったと告げてしまったのだ。
その日の真夜中、時計が12時を打つ頃になると、階段からこんな声が響いてきた。
「エミリー、ほうら一段のぼったぞ」
「エミリー、ほうら二段めだ」
恐怖に震えるエミリーの耳に、なおも声は響き続ける。
「エミリー、いよいよ十一段だ」
「エミリー、とうとう十二段のぼったぞ」
「エミリー、わしはおまえの部屋の前」
「エミリー、ほうらつかまえた!」
それ以来、エミリーの姿を見たものはいない。
http://osi.cool.ne.jp/column/200312.htm
>>名無し氏
そうでしたな!
期待して待つことにします!
名無し氏の続きもまってますよ!
>>303 ありがとうありがとう、そーゆー声が聞けるだけで救われます・・・。
名無しさんもありがとう、でもね、伏線は今日で使い切っちゃった。
まぁ、今回の第四章自体が自作への伏線といっちゃあそうなんですが・・・。
「幻の話」・・・なんだろう? 鎌かな?
ええ、そのエピソードは次作にいれましょう。
かなり先だと思いますが。他にリクエストあれば言ってくださいね。
>わたしも名無し氏、待ってます。芽理パパや、ロム専さんもうpしてくださいね。
308 :
名無し:2006/02/07(火) 22:27:21 ID:t3w9GgwUO
いやなんかありがとう皆さん。
出来次第では明日にでも投下しましょう。
多分、シリアス路線は延期な感じで。
んでLadyさん
俺は個人的に第三章の大ファンと言っておきましょう。
分かるかな…分からないよねorz
今、現代を舞台に鎌を振るうメリー。
でも俺の中では未だ冷たい湖の底で、憎しみのない安らぎに微睡んでいるんス
ぷかぷかゆらゆら
おお、そこまで思っていただいてうれしいわ。
そーだなぁ、あの舞台はもう予定してないんよねぇ・・・。
・・・しかし、贅沢を言わせてもらえれば・・・、
あの舞台のモトの話をみんなに読んでもらいたい気はある・・・。
むかーし、作った・・・フラウ・ガウデン対ニコラ爺さんの話・・・。
作品レベルとしては、多分今と大差ない・・・。
世界観はほとんど一緒・・・。
でもマリーは登場しない。
作品は手元にあるから、うpは時間がかからない。
ただ、メリースレだから・・・怒られる・・・よね?
あ・・・!
>>307 「自作への伏線」・・・間違い。
「次作への伏線」・・・正解。 orz
今頃気づいた・・・。
いいんじゃないですか。
メリー人形の元になった人、いきうつしの姿であるふらうさんの話ですし。
ボクはよみたいですよ。
俺も読みたいYO!!!
俺もフラウ・ガウデンたまの活躍が見たいに10000ペリカ(*´д`)ハァハァ
良いんじゃないかな。Lady氏のメリー世界の一部だし。
読みたいし。
よみたいんだよ!
ところでLady氏に質問です。
メリーの、膝までの網タイって膝上ですか。膝下ですか。
個人的には膝上キボンw
(*´д`)ハァハァ
316 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/08(水) 09:14:07 ID:gje0jsrX0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274◇67番目>294◇68番目>296】
69番目←いまここ
317 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/08(水) 09:14:43 ID:gje0jsrX0
69番目
メリーは、俺の太ももの上に座ったまま身体を反転させ、麻子の方をむいた。
さらに俺に手を出せといっている。俺は少し身体を起こして、メリーに手を差し出した。
「自分でも何をしてるのかわからない状態になったの」
麻子はきょとんとした表情のまま、メリーを見ていた。
「私ね、大切にされなかった。本当に・・・」
メリーは、俺の手を片方づつ手に取り、自分の身体の前の部分に持っていく。
「大切にしない人を殺してしまうほどに、大切に扱われることにあこがれていた」
まるで俺がメリーを後ろから抱きすくめているような格好に・・・。
「けど、私にそんな日が訪れる事なんかないとそう思っていた」
メリーは麻子に向かってなのか、それとも背後にいる俺に向かってなのか、淡々と言葉をつむいでいった。
「だから、同じようなものたちの思いを動ける私が叶えてあげることが、私自身の救いだった」
そうだ。メリーの救い・・・それは大切にされない存在の中で唯一自由に動ける存在である自分
の存在理由。そこに自分の居場所を作り上げることで、ようやく保っていた魂の安定。
「あの人が言っていたことは、本当。」
メリーはかすかに俺のほうを見ながら、よりいっそう腕を引き寄せた。もはや完全にメリーを抱
きすくめるような形になって、ようやくメリーがかすかに震えているのがわかった。
「私が、都市伝説の中に出てくるメリーさんの電話のメリー」
つらいのか?自分の存在を語ることが?
「ある女の子が大切にせずにぼろぼろにされて捨てられた人形」
悲しいのか?自分の過去を思い出すことが?
「そして、ひどい仕打ちの末にぼろぼろになって捨てられた人間の女の子」
それとも、怖いのか?この世のものではないと否定されることが・・・。
「私の中には2つの魂がある。そのどちらもが、ぼろぼろにされたものの恨みでできている」
怖がらなくていい。俺がここにいる。そう伝えたくて、本の少しだが、俺は腕に力を込めた。
「恨んでばかりの魂を取り込んでいるような感じ。モノの恨みが自然と集まってきて、癒される
のを待っている。だからね、できるだけ怖がらせるの」
318 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/08(水) 09:15:38 ID:gje0jsrX0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274◇67番目>294◇68番目>296◇69番目>317】
70番目←いまここ
319 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/08(水) 09:18:17 ID:gje0jsrX0
70番目
メリーは俺が腕にこめた力に反応して、少し背筋を伸ばした。
「だんだん近くに行くよって知らせながら、人がモノになってしまうことを想像させるの」
そうだ、何もおびえる必要なんかない。俺はお前にひどいことなんかしない!もう二度と、魂を
けづりながら、鎌を振るうことなどしなくてもいいんだ。俺は心の中でつぶやいた。
「そうすることで、私は自分の中の黒いものを何とか沈めてきたの」
黒いもの・・・メリーの中にもあの恐ろしい黒いものがあるというのか・・・・・。
「モノたちの恨みを癒していくことで、自分の中の激しい衝動を沈めてきた」
鎌から俺の中に流れ込み、俺に恐ろしいほどの衝動を感じさせ、また俺に長い長い妄想を夢見さ
せた黒いもの。俺はこれからの将来、自分の願望とともに人生一回分の長い妄想を味わった。
そうだ、俺は妄想の中でメリーを置き去りにして一度死んだ。悲しみにくれたメリーが、再び
鎌を手にしなければならないほどに。一度味わってしまった安らぎは失ったときにその大きさを知るのだ。
しかし、俺は戻ってきた。黒いものに抵抗し、メリーを本当に大切にしてやるのだと誓って。
「けどね、もう大丈夫」
メリーは、少し節目がちだった目をまっすぐに麻子に向けた。
「この人がね、本当に大切にされるって言うのはどういうことなのかを教えてくれたから」
は?・・・・・。俺はそんなこと、まだ教えてやれてない。少なくとも、メリーに直接自分の思いの
すべてを告げたことはないだろう。
「大切にしないものを追いかけてばかりいたら、私も大切にしないものと同じ。黒いものを沈めて
も、結局黒いものに操られているんだと思う」
俺の手を握る手に力がこもった。これはメリーの宣戦布告だ。あの黒いもの、鎌への宣戦布告だ。
「だから、私はもう操られない。お人形じゃない!」
ベットのしたからでも、少しでも俺が弱ると俺の心の罠を仕掛けてこようとするほどの力を持つ鎌に
戦いを挑んでいるのだ。俺は力を込めたメリーの手を支えるように握り返した。
「そんなものに屈しなくてもいいような強い魂があることを知ったの」
そして・・・・メリーは、首だけ後ろを振り向き、言った
「今度は、交通事故でなんか死なせないよ」
320 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/08(水) 09:19:23 ID:gje0jsrX0
いったんここまで・・・。
今日はもう投下できないと思います・・・。
また後日・・・。
おお、126さんもメリー、切り込んできましたねー。
メリーの性質がどんどん明らかになってゆく。
そして、また一波乱・・・か?
>>311-314 ありがとうございます。その気になってきました。
四章終わってしばらくしたら、パソに入力していきます。
今の物語のラストは夕方以降にしますね。
え・・・と、網タイ・・・ですか?
は・・・はい、膝上で設定してますが・・・。
ドレスの裾もそのあたりなので、激しい動きをしたときだけ、
太もものナマ足がチラリと見える・・・ぐらい?
322 :
名無し:2006/02/08(水) 10:35:43 ID:ZNQHbwQGO
おはよう
126さんGjす
いつも萌え狂いながら拝見させて頂いてます。
きっと俺の中には黒いものがいっぱいなきがしてなりませんww
>>Ladyさん!
俺も是非読みたいです。
今日の作品共々ワクテカしながらまってます
>Lady氏 膝上だぁ〜!生チラだぁ〜!
フラウ婆とニコラ爺のお話楽しみッス!
>126氏gj!えぇ!gjですとも!
「今度は交通事故(ry」とは一体なんなんだぁ!!!
わたしもピクト初めて使ってみました。
中身はイメージ検索で拾ったヤツです。転載するとまずいかもしれないので、
2〜3日で消しちゃいますね。
携帯の人も見れるかな?
イメージは人間の頃のあの二人です。背景とポーズがマッチしてたので・・・ついつい。
勿論、モデルは無関係です。むしろマーゴと同類の・・・
いえ、ストーリーに関係ないのでやめときますか。
・・・興味がおありでしたらご覧下さい。
うりゃ!
http://o.pic.to/4xpk7
第三十三話
その言葉に女性・・・その言葉から主婦であることは分った・・・その主婦は反応した。
「失礼ね、人形のあなたに言われたくはないわ。・・・それに間違いなく人間よ。
あなたの言う人間とは・・・種族が異なるだけよ。」
彼女の抗議はメリーにとってはどうでもいいことだった。
そして、メリーはその家に誰が住んでいるのか、分析を終えたようだ。
そして小さく、はっきりとつぶやく・・・。
「・・・ここに住んでいる人を、わたしは知っている・・・。
優しくて・・・暖かい人・・・。
あなたは・・・あの人を殺してしまうの?
例えあなた達でも、わたしの鎌はあなた達の命を狩り取ることができるわ・・・。」
主婦の顔が険しくなる。
「やれるものなら・・・やってみなさいよ・・・。でもね、
これは私達の種族と家族の問題。
赤の他人のあなたに干渉される筋合いはないわ。
天地の法? ・・・笑わせないで!
わたしがあの人を殺しても、人間の法では罪にはなるけども・・・
わたしの種族が、あなたの言う人間を殺すのは自然の摂理よ!
あなたの鎌は恨みや憎しみで動くのでは?
でもあの人は、わたしに殺されても・・・わたしを恨んだり憎しんだりは決して・・・しないわ・・・。」
メリーの心に、この主婦の感情が入り込んできた。
その感情にはメリーに対するわずかな憤りが含まれていたが、
それよりももっと大きなものがこの女性から感じ取れた。
報復衝動など発動するはずがない・・・むしろこれは・・・。
・・・そのおかげなのだろうか、メリーの四肢にわずかに力が戻ってきた。
ここに長居する必要はない。
メリーは主婦に背中を向けてその場から立ち去ろうとしたが、
何か言い足りないことがあったように、クルっと首だけ戻した。
第三十四話(最終話)
「あなたにもお礼を・・・、以前もらった・・・ありがとう・・・。」
今までのメリーからすれば、発するはずのない言動だったかもしれない。
昨晩の混乱から完全に立ち直っていないだけかもしれなかったし、
人間だった時の記憶をほじくり返されたせいかもしれない。
・・・再び静寂があったが、主婦はほんの少しだけ恥ずかしそうな顔を見せた。
「それもあの人の為よ、あなたなんかに彼を殺されたくはないもの・・・。」
それを聞いて何故か人形は満足そうだった。勿論、そんな表情は見えないが・・・。
最後にメリーはポツリと言った。
「あなたも永い時を生きるのね・・・知恵の実を食べなかった人達・・・。」
主婦は静かに微笑む。
「あなたほどじゃないわ、生命の実を食べたからといって、
永遠に生きるわけじゃないわ。老いもすれば死にもする。
それに適当な時期になったら、世間から姿を隠さなければならない。
少し先の未来が見通せたとしても、私達には私達の原罪がある・・・。
その鎖からは永久に逃れられない・・・。
あなたの持つその鎌が・・・運命を断ち切れる鎌ならよかったのにね・・・。
あなた自身も・・・。」
メリーはその言葉に、自分の鎌を見下ろした・・・。
もう一度主婦を見上げた後、メリーは後ろを向いて、
羽ばたく小鳥のように身構えた後、信じられないほどの跳躍をしてその場を立ち去った。
うぅ らぁ らぁ・・・
・・・しばらくその主婦はメリーの姿を見送っていた・・・。
程なくして、その家の玄関の扉がチャイムと共に開いた。
「ママー? ただいま〜!」
ランドセルをしょった女の子が帰ってきた。この家の小学生だろう。・・・主婦は玄関の方を振り返った。
「お帰りなさい、今日はパパ帰ってくるって。うがいして手を洗ったら、
戸棚におやつあるからね、・・・麻衣。」
(Lady メリー第四章「Lady メリーと赤い魔法使い」 終了)
こ…こりゃびっくらこいた…(;゚Д゚)gj!!!
☆ 今回はほんとに長かった〜。ご愛読ありがとうございました。
一応、ここまでの流れというか、登場人物を整理しておきますね。
メリー・・・死神の鎌を持つ人形。他人の怨恨や苦痛が動力源。
マリー・・・人形のカラダに入った少女の魂。森の魔女フラウ・ガウデンにその術を施される。
エミリー・・・同じく人形のカラダに入った少女の魂。赤い魔法使いに騙されて人形に封じ込められる。
伊藤・・・ルポライター、メリーを目撃して生き延びている数少ない一般人。
百合子・・・伊藤の妻。冷静、無表情、ぶっきらぼう。好きな色は赤。
麻衣・・・伊藤家の一人娘。現在10歳。
おばあちゃん、百合子の母、公式記録では死亡。
日浦義純・・・興信所所長、ウラの顔は秘密組織「騎士団」の極東支部支部長。
フェイ・マーガレット・ペンドラゴン・・・通称マーゴ、騎士団最高責任者の娘。
ケイ・・・騎士団南欧支部支部長、次章出演予定。
エルマー・・・マリーの弟。領主に殺された。
ニコラ爺さん・・・三匹の動物を従える白髭のお爺さん。行方、生死、正体、共に不明。
フラウ・ガウデン・・・ゲルマン地方に伝わる伝説の「森の魔女」。
冥府の王ヴォーダンの呪いにより、夜の森に閉じ込められる。
彼女の生前の姿が、メリーのモデル。何故かググってもHITしない。
エックハルト・・・同じくヴォーダンの呪いを受けた男。目玉と思考能力を奪われている。
赤い魔法使い・・・日本名小伏晴臣(偽名)、人形性愛者、他人の生命力を吸い取って生き続けている。
冥府の王ヴォーダン・・・「水曜日」の語源となった神。物語にしばしば登場する。
・・・こんなとこかな、ごはん行ってきます。
329 :
名無し:2006/02/08(水) 20:00:40 ID:ZNQHbwQGO
俺が飯食ってる間にorz
リアルタイムは逃したが、流石です!Gj
&乙です。
あと、Ladyさんが貼られた画像。俺の想像にもかなり近いです
2〜3日したら消してしまうらしいですが…
よかったら俺にイラスト描かせてはもらえませんか?
>ケイ…騎士団南欧支部支部長、次章出演予定。
うわー!期待がふくらみまくりんぐ!
次章期待してます!そして乙でした!
ただいまです。
>>329 名無しさん、お願いします。わたしの承諾は要りませんよ、
ガンガンどうぞ。
>>330 ・・・かなり先の話ですけどね、他にも何人か出しますぜ。
>>327 第二章造った時は、結構迷ったんですけどね。
みんなに「ええ話や〜」なんて言われて正直、内心申し訳なくて・・・。
もともとそういう設定なんです。
あとね、・・・いまさらなんだけど、第三十一話、
>>300 「それでも、反抗するはずができないと、」・・・間違い。
「それでも、反抗できるはずがないと、」・・・正解。
情けなや・・・。
332 :
誰いな:2006/02/08(水) 22:39:57 ID:aBv6QQq30
みなさんこんばんは、
先日はなんとも無様なスレ汚し失礼しました。
この度パソコンが復活しましたので
少しですがうpしたいと思います。
その前に感想を
>>Lady氏
第四章終了乙です!
僕も第三章大好きなのでフラウvsニコラの話楽しみにしてます!
>>126氏
やっぱり126氏のメリーはかわいいです(*´д`)
・・・が、すべてを理解しているような口ぶりに
また違った魅力がありますね
>>名無し氏
おわっ絵師名無し氏の登場ですかー
僕の出番が無くなりそうだww
・・・ということで今日は一枚だけです。
今回はLady氏のリクエストにも答えてみました!
踊るってこんな感じですかね?
イメージ違ってたらすんませんです
http://m.pic.to/wbne
ただいま。
原稿見せたら読んでて鬱になるって言われた。
うーん。
皆に言われた通りに「文」で心境を書いたつもりだったんだが、
今読み返してみたら、だた行動を表記しただけっぽくなってた・・・
明日うpする。
今から修正するつもり。
修正版も多分今週にはうpできると思うよ^^
あと、時間あったらセリフ多目にも挑戦してみるよ。
ごめんなさい誤爆デス。
>>332 おわっ! ほんとに描いてくれたのね! ありがとうございます!
踊る[1.ほんわか系〜♪ 2.剣舞、演舞系]
今までのイメージからほんわか系を予想してました。
戦闘っぽいのもあるのですね! いろんな表情も見てたいです。
鎌を振り上げたり、蝶々を追っかけてみたりとか・・・。
表情や動きは、だんだんと複雑にしていくと、どんどん愛着が湧いてきて・・・。
・・・そのうち4コマ漫画のように・・・!
いや、気にしないで下さい、描きたいものを描いてくださいねぇ!
>>333 気になるぅ・・・。
337 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/09(木) 16:48:36 ID:/nra8jSU0
↑・・・何の関係が???
338 :
名無し:2006/02/09(木) 16:56:03 ID:yHwmLeHiO
>>誰いなさんGj!
動きのある絵描けるの羨ましいです。
んで、あれです。
俺、とろいんで描き上がるのに時間掛かるんで絵師はアナタと絵描きさんがメインなのです
>>Ladyさん。
よっしゃ!んぢゃ一枚描かせていただきます。
しかし一日経って改めてLadyさんが貼られた絵見てると、
それに勝るイメージが生まれてこないorz
>>333 気になる。
何処の誰だか分からないが応援だけはさせてもらうよ。
いいなぁ〜。
ボクも欲しいです〜。
って、皆さんこんばんわ。
レスとか、感想とか書けないくらいにいそがしいです。
すいません。
でも、読んでますし、見てますよ!
ボクの方は、暫く待ってください。
少し暇になったらやります。
>>338 大丈夫だ! 名無しさんなら勝てる!
ゆっくりでいーですからねー。
ちなみにピクトの方は、明日あたり、「マリー」ヴァージョンにしておきます。
ほんとは「百合子」さんを探してたんだけどね。
126さん、忙しいのはいいことです。わたしも忙しくなるはずなのに、
ぎりぎりにならないと動かない。・・・いつからこんなカラダに・・・。
誰かに「麻子」さん、描いてもらったら? (ああ、また無責任な発言を)
>>332 いや、そんな事ない。
・・・・・・・・・・・・・・課題終わり次第上げるか、これ落とすと卒業できんのですotz
342 :
誰いな:2006/02/09(木) 21:46:15 ID:16m/xeLNO
こんばんはー
訳あって携帯からレスします。
>>Lady氏
リクは全然かまわんですよ!
僕としてもそのほうがやりがいありますし。
他の方も僕の絵でよけりゃどんどんリクしてくださいw
>>名無し氏
絵描き氏来ないかなー?絵描き氏のメリー好きなんですけどね(´・ω・`)
僕メリーたんの部屋で未だに遊んでますww
>>始まり氏
ん?僕にレス…ですか?
343 :
名無し:2006/02/09(木) 22:11:19 ID:yHwmLeHiO
―――――
――――
―――
これは...夢
...夢と判る夢。
そんな夢...
ここはとても真っ暗だ。
いや、暗いのではなく、闇そのものだ。
辺りに浮遊する光は何だろう…?
夢の中で俺は、死んでいる設定なのだろうか..."身体を持つ"という感覚が感じられない。
それもまた面白いかもしれない、思考するだけで動作してくれる。便利なものだな。
まぁ、それはきっと夢だから、便利も何もないか。
...上も下も、右も左も判らない深淵の闇の中を、無数に浮かぶ青白い光に照らされて、ただただ"前"に向かって進んでいく。
決して、ここは静かな所ではない。耳を澄ませば、沢山の声が延々と、何処からともなくこだましていた。
344 :
名無し:2006/02/09(木) 22:12:49 ID:yHwmLeHiO
『…主よ…どうか…我ら夫婦に…主の…御子を…遣わせたまえ…どうか…』
落ち着いた、柔らかい青白い光。中には激昂したように眩しく輝くものも見受けられる。
相変わらず、先の見えない闇。ひたすらに前を目指しながら、聞こえてくる声に耳を傾けるでもなく歩く。
『…アナタ…ごめんなさい…何故…私達には…子供が…嗚呼…』
『…アリス…元気を出してくれ…そうだ‥!今日は君に…プレゼントがある…』
不意に、今起きれば朝だというふうに直感した。
大体このように、夢だと気付いた夢を見ている時によく起こる直感で、その正確さはあまり当てになったものではないが、取り敢えずはいつもこれを目覚める基準にしていた。
「さてと、そろそろ起きようかな…」
そう考えて注意を"前"から外し、初めて声に注意を向けて聴いてみた。
『…マア…なんて可愛らしいお人形…』
『…アリス…この子が…私達の…』
昔観た、何かの映画のワンシーンが、夢の中で再生されたのだろうと思う。
そうこう考えながら、身体がフワ‥と浮くような感覚に全身を委ねると、後は勝手に目覚めるのをじぃっと待つ事にした。
宙に浮くような感覚、それに反してこの夢の空間がドロリと沈むような感覚。
それはとても小さくて、胸の中に、まるで夢自体が音を立てて落ちていくような感覚。
………………
目が………
…覚める
………
……
…
『アリス…これが私達のメリーだ。』
――――……‥‥‥
…………………
345 :
名無し:2006/02/09(木) 22:18:36 ID:yHwmLeHiO
「……ファ‥‥クシュッッ!!」
不意に色の無い視界に映りこむ見慣れない部屋。
むき出しの蛍光灯、一瞬、夕暮れかと間違えるような早朝の薄暗い部屋の中、自らのくしゃみで目を覚ました。
畳の上で仰向けに、ぼんやりと辺りの様子を眺め、脳の回路を一つ一つ起動させていく。
「‥布団で‥寝たんじゃないのか‥‥風邪ひくわけだ‥」
傍らには寄り添うようにメリーが寝息をたてている。
まだ上手く思考が働かない頭に、微かに残る夢の薫り。
すでに記憶の水底に深く沈んでしまった夢。
「…これが私達のメリーだ‥か。どんな夢か忘れてしまったけど、どうやら君の夢らしいよ、メリー」
メリーの幸せそうな寝顔を見つめる。一瞬、人形である事を忘れてしまいそうな寝顔を見ていると、幼き日のあの想いが再び再燃してしまいそうだ。
その綺麗なウェーブのかかった髪を撫でると、心なしか嬉しそうに笑った気がした。
「……パ‥パ‥」
346 :
名無し:2006/02/09(木) 22:25:46 ID:yHwmLeHiO
>>誰いなさん、ごきげんよ。
書いてたから気づかなんだ。再読み込みでびっくり
そーいや絵描きさん最近こないですねぇ。
さてと、絵の続きでも描こうかね。明日から忙しいので詰め込まな。
名無し氏! GJ!!
話の繋がりが見えてきたぜ!!
なるほど! そういう手できましたかぁ!
今後を楽しみにしてますぜー!!
始まり氏、学生さんなのね? がんばってねー。
誰いなさん、蝶々追っかけシーン、りく。
348 :
名無し:2006/02/09(木) 23:02:25 ID:yHwmLeHiO
お、やっぱり見えちゃいましたか。
まぁ、でも盛り込んでいく要素がまだまだ不安定っす
しかもなんかこの話をやっちゃったら、第三部が頭の中で出来上がってしまって、
まさに板挟み状態orz
でも読んでもらえて嬉しいですね。
読後に溜息でるような、アンニュイな気持ちになってくれたら成功です。
んでわ。
349 :
誰いな:2006/02/09(木) 23:09:33 ID:16m/xeLNO
>>名無し氏
GJです!
横で寝ているメリーにほっとさせられます。
そろそろママの登場でしょうか?
絵のほうも楽しみに待ってますね!
350 :
誰いな:2006/02/09(木) 23:15:21 ID:16m/xeLNO
>>Lady氏
了解しますた!
明日か明後日にはうpできると思うんで、
それまでお待ちくださいませー。
美人だ…
でもマリーって聞くとハゲ領主思い出す。くそっ
353 :
名無し:2006/02/10(金) 17:39:23 ID:E+Ucpv+PO
およ、Ladyさん
俺も同じくあの領主を思い出します。
いい思い…じゃねぇや、あんな酷い仕打ちしやがって!
…
でわ、投下しまーす。
354 :
名無し:2006/02/10(金) 17:40:42 ID:E+Ucpv+PO
…
静かな昼下がり
炬燵でのメリーの定位置はいつの間にか対面から左隣…つまりこちらから左斜めの位置になっていた。
静かに文庫本に目を落としているメリーを、早朝に起きたばかりに、昼にはすっかり眠くなってしまって、目をうつらうつらさせながら見るともなく眺めていた。
「1メートル10センチってとこか…」
口に出すつもりはなかったが、ぼんやりしていたためか、ついポツリとそう呟いてしまうと、メリーはすかさずこちらに瞳を向ける。
「…何?」
しっかりと目が合って、ようやくこの状況を理解し始める。
「あ…いや‥なんでもないス‥」
それを聞いてメリーは、本を閉じて目を細め、小さく結んだ唇を開く。
「何でもないはずないでしょう?‥言いなさい。」
まるで、悪戯した子供に、その罪を自らの口で断罪させるような威圧感がそこにはあった。
「何を黙っているの?それじゃ解らないわ。」
眠気の所為か、上手い誤魔化し方も思い付かず、心の内で少しの覚悟をして口を開く。
「…あ、いや‥メリー‥さんの身長…」
そう言った瞬間、炬燵の中で伸ばしていた足の、丁度すねに軽い打撃が入る。
「あてッ!」
メリーはと言うと、あくまで冷静な表情を取り繕い、溜息を一つ小さく吐くと、本を開きそちらに目を向ける。
355 :
名無し:2006/02/10(金) 17:41:46 ID:E+Ucpv+PO
少しの沈黙の後、思い出したようにメリーは、目を少しだけ上げ、どこを見るとなくゆっくりと口を開いた。
「アナタも‥初めて出会った頃は‥まるで同じ大きさだったわ。」
こちらを見つめ、また目を細める。何だか懐かしいものを見るような目で、眺めるように見回すと、やがて口元に小さく笑みを作ってこう言った。
「‥まったく‥アナタは何も変わらないで、子供のまま大きくなっちゃって‥」
何が可笑しいのか、クスクスと笑いだすメリー。それを見てつい安心したのか、欠伸を一つする。
「‥眠いの?‥お昼寝でもしましょうか?私が添い寝をしてあげる。」
そう言って本を閉じると、おもむろに立ち上がり、ぴっと背筋を伸ばし、顎を引く。そして、すましたような眼差しをこちらに向けると小さく歩みだした。
やがて傍らまでくると、少女のように幼気な笑顔を崩さずに、シャンと爪先を合わせる。
「見て?私の方が少しだけ大きいわ。」
そう言ってクスリと笑い、ドレスのスカートを両手で摘んで、少しだけ膨らませると大げさに御辞儀をする。
356 :
名無し:2006/02/10(金) 17:42:41 ID:E+Ucpv+PO
「ンフフ‥どう?綺麗でしょ‥。」
そう言ったメリーの瞳はどこか恍惚としていて、人形だということを忘れてしまったら、一瞬で惑わされそうな妖艶さがあった。
不意にフラッシュバックのように昨日のことを思い出す。接吻。そう、口付けを交わす前後のメリーも、このようにどこか様子がおかしかった。
先日の事を思い返しながら、ぼんやりメリーを眺めていると、メリーは突然、ふわりと懐にしなだれるように自然に入ってきた。
「ネェ‥私どう?‥何も変わらないでしょ?‥ネェ?」
メリーは依然恍惚とした表情のまま、懐に顔を埋め、ゆったりと撫でるような声でそう呟く。
「‥ちゃんと‥お話も出来るわ…望むなら、歌も唄うの…ネェ‥?」
そう言って顔を上げるメリー、円らに見つめてくる瑠璃色の瞳はどこか潤んでいるようにさえ見えた。
「‥ネェ…?パパ…」
ポツリとそう呟くと、メリーは突然目を大きくして弾けるように懐から飛び退いた。
357 :
名無し:2006/02/10(金) 17:43:56 ID:E+Ucpv+PO
「…あ、あの…メリー‥さん?」
顔も合わせずにメリーはそっぽを向いたまま、元いた炬燵に戻ると、吐き捨てるようにこう言った。
「‥ね、眠いなら…一人で勝手に寝なさいな…!」
まだそっぽを向いているメリーに困惑しながら、返す言葉もなく、すっかり覚めてしまった眠気を恋しく思った。
何となく居たたまれなくなった状況に、言葉なく沈黙する二人(?)。静かな昼下がりの太陽は、ゆっくりとその静寂を暖めていく。
この部屋にきて、初めての朝、目覚めた時の傍らいたメリーの、あの心底安心したような笑顔や、先日の事、ついさっきの事やパパ?
いまだに何が恥ずかしいのかそっぽを向き続けるメリーを見ていると、色んな事が、疑問に思えてくる。
しかし、そんな疑問も、やがて暮れゆく日と共に、暗黙の内に深い闇に沈んでいった。
358 :
名無し:2006/02/10(金) 17:49:46 ID:E+Ucpv+PO
また来週。
グッジョーゥブゥ!!
ところでわしがよく読んでないだけかも知んないけど、
名無しさんのメリーの顔は、あくまでも人形の顔なんじゃろか?
それとも、完全に人間の顔になって主人公の目に映ってるのかしら?
あえて微妙に描写してるのかしらん、むぅ、気になる気になる・・・。
>>358 来週? 明日と明後日はお休み?
360 :
名無し:2006/02/10(金) 23:31:13 ID:E+Ucpv+PO
は、すいませんLadyさん。
明日、明後日は出来次第upする予定です。まぎらわしかったですね。
んで、メリーの表情なんですが、あれはあえてですね。
その辺りは読み手側の補完に完全に任せております。
俺の中ではもちろん、ふっくらと柔らかな感じですがw
そうですな、最高傑作のアンティークの人形て感じですか。
一応、人形であるからには、作者は一応いる設定ですが、今回物語には絡んできませんね。
てか未定中の未定ですのでその辺は気になさらないでよろしいですな。
でわ、仕事に戻りますん。
かしこまりぃ! ・・・この時間に仕事? まぁ、それは野暮ですな。
頑張ってくだされぃ。
・・・しかし人がいないね、今日は。
まだ、パソに全部入力し終わってないけど、
日付変わったら、Lady メリー外伝ニコラ爺さん編投下しちまおうかな?
人いるよ ノシ
lady氏カモーナ!
>>362 きゃっほい!
じゃあ、いきますね、いつものように、最初はまったりしてますので、
気長にどうぞ。
・・・ていうか、最初にいっときます。Lady第三章の元ネタなので、
出だしは同じ展開です。
途中から展開が分岐したとでも思ってください。
一応、年代としては、三章の事件の3、4年前に設定しておきます。
では、恒例のオープニングより・・・。
(え? ・・・わしも・・・やるの? ・・・ゥオッホン!)
「さぁ、ニコラ爺いの登場じゃ!
白いガウンとローブを纏い、
年経た腕には、一振りの杖
夜更かしするボウズはどこにおる?
ワッハッハー♪
わしは見つける、親の言うこと聞かぬ者、そしてわしは知らせる、扉を叩いて、
そしてわしは近づく、足をひきずり、そしてわしは準備する、説教かますその時を、
そしてわしは罰を与える、非行を反省させるため、
そしてわしはげん骨振るう、悪さを懲らしめるために・・・」
(良い子にしてればご褒美やるぞい!)
Lady メリー外伝「精霊達の森」第一話
小屋の外は風が吠えている・・・。
冬が近いこの頃は特に勢いが強い。
このシュレージェン地方では、風の強い冬の夜は誰も外へ出ない。
日が沈めば、森を支配するのは「夜の狩人」か、悪霊、
・・・そして恐ろしい魔女だけなのだから・・・。
「・・・フラウ・ガウデンはの、夜の森に現れるんじゃ、彼女は二頭の馬が牽く馬車に乗っておる。
彼女の魔法に引っかかった者には、その姿は美しいお姫様に見えるじゃろう。
しかし・・・、その正体は顔にカビの生えた老婆じゃ。立派な馬車もボロボロで蜘蛛の巣だらけ、
馬に至っては首がない・・・。彼女に連れて行かれて戻ってきた者はいない。
だから夜の森には誰も出て行かないのじゃ・・・。」
ニコラ爺さんはいろんな事を知っている。爺さんはあちこちを旅してきた人だ。
いつの間にか村から消え、何年かしてからまたひょっこり戻ってくる。当然、身寄りなんかいない。
ただの乞食といってしまえばそれまでなんだけども。
でもこの村では、この爺さんはみんなに大事にされている。
いつだったか、西の村で疫病が流行った時、たまたま旅から帰ってきた爺さんが、
いち早くみんなに知らせて、この村は事なきを得た、なんて事もあるからだ。
小屋の中では、村の子供達が爺さんの話しに夢中だった。
好奇心の強い、わんぱくトーマスは、思いつくと人の話の途中でも構わず口を開く。
「・・・ねぇ、・・・ニコラ爺さんも魔女に遭った事があるのかい?」
「わしかね? あるともさ! わしがおまえらのような、子供の時じゃ、親父の言いつけを守らずに、
夜の森に出ちまってな、森の真ん中まで来たときに、向こうから馬車のガタゴトいう音がした・・・。
急いでわしは大きな樹木の後ろに隠れたんじゃ。
・・・そぉっと覗くと首のない馬が通り過ぎていった・・・。
馬車の窓からは、醜いカサブタだらけのフラウ・ガウデンが顔を出していた。
しばらくの間、 わしは怖くて一歩も動けんかったわ・・・。」
第二話
風の音はますますひどくなっていて、トーマスたちには、
大きな獣のお腹の中にでも、閉じ込められたようにすら感じているだろう。
年寄りのこういった語りは、子供たちにとっては欠くことのできない娯楽だ。
また、これらの森の伝承は、彼らにとっては全て現実の出来事であり、
人として生活していくためには必須の知識でもある。
・・・とは言うものの、夜が近づいてしまえば誰もが家に入らねばならない。
既に日も沈みかけていたので、ニコラ爺さんは話を締めくくってみんなを家に帰らせた。
「ヤーコブ! おまえ、爺さんの話を聞いて恐くなっちまったかあ?」
「な・・・なに言ってんだ、トーマス! そ、そんなわけあるかよ、恐くねーぜ!」
わんぱくトーマスは帰る道々、何かたくらんだようだ。
「へえ、そうかい? フィーリップ、オットー、おまえらはどうだい?」
「別にぃ、トーマス、何たくらんでんだぁ?」 と、フィーリップ。
「いやあ、どうだい? 今度『ユールの日』の頃に一人ずつ、
夜の森に入って度胸試しをするっていうの?」
三人の男の子はあっけに取られていたが、年上のフィーリップが辛うじて口を開いた。
「正気かお前! 冬の夜に森に入れるわけないだろう! 親父達に絶対に見つかっちまうし、
森の中にはフラウ・ガウデンだけじゃないんだぞ!」
「わかってるさ、戦争で死んだ人達の悪霊だろ? 爺さんが前に言ってたな。
嵐の神ヴォーダンとフレイヤが率いる『夜の狩人』だな。・・・だからいいのさ。
もちろん、見返りがなくちゃ。どうだい? 行って帰ってきた奴には、
春の祭りの時、歌好きのマリーを誘える権利を得られるってのは?」
「・・・トーマス、それが狙いかよー。」
「へっへー♪」
「冗談だろ? 日が一番短い『ユールの日』っつったら奴らが一番現われる頃だぜ。
忘れたのかよ? 村はずれのヨーゼフさんとこ、夜、灯かりをつけて機織の仕事をしてたら、
奴らに見つかって家の中に血だらけの馬の脚を投げつけられたのを!
それが元で一ヵ月後には、カラダ中から血が噴きだして死んじゃったじゃないか!?
夜はあいつらの物なんだ。起きてるだけで村の中にまでやってくるんだぞ。
生きて帰れるもんか!?」
第三話
「いいんだよ、やなら・・・オットー。フィーリップも嫌か?」
「くそー、マリーを賭けられたんじゃしょうがない、俺はやるぞー。」
「お・・・おれもやるー・・・。」
「よーし、俺とフィーリップ、ヤーコブの三人で勝負だ。詳しいルールは後で決めよう。
ほんとに暗くなってきやがった。今から良い子にしてないと父ちゃんの監視がきつくなるしな。
じゃあな、みんな!」
「お、おれはどうなっても知らねーぞー!」
「告げ口すんなよー、オットー!」
年末には毎年恒例の数々の行事が行われる。お馴染みのサンタクロースも、
この時代、この地域では、我々の知っているものとは形が違う。
このシュレージェン地方では12月6日に行われる仮装行列、
「聖ニコロ(セント・ニコラウス)とクランプス鬼」の行進は、
年越しをして春を迎えるための儀式の一つであった。ゲルマンにおけるマレビト信仰である。
さて、トーマスは例の賭けに絶対の自信を持っていた。彼だって死者や魔女はとても恐い。
だけど、トーマスにはみんなを出し抜ける策があったのだ。
フラウ・ガウデンは、そばに人間がいれば、例え眼に映らなくともその人間の匂いで分ってしまうという。
だけどニコラ爺さんは見つからなかった。
ニコラ爺さんは悪霊除けのお守りを持っているんだ。
トーマスは、爺さんが以前旅に行く前に、悪霊除けのお守りを持っていたのを覚えていた。
彼はそれを、爺さんから借りるかかっぱらう予定であったのだ。
「ニコラ爺さん、ずっと前に悪霊除けのお守りを見せてくれたよね・・・?」
「ああ? そうだったっけか・・・?」
「ねぇ、ちょっと見せてよ。」
爺さんは黙ってた・・・。
トーマスは一瞬やな予感がしたが、しばらくすると爺さんは笑い始めた。
「ああ、あれか! あれはな、前の旅先でペルシアの商人にやっちまったわい!」
「・・・やっちまったぁ!?」
「もちろんただじゃあないぞ・・・、見とれ・・・、お? 待てよー・・・。」
そう言って、爺さんは小屋の奥のズタ袋から小さな黒い像を取り出した。
第四話
・・・気味の悪い像だ。しかし爺さんは誇らしげだ。
「いいか? トーマス! これはな、シャルヴァというペルシアの古い神様でな、
何でも願いを叶えてくれるんだそうだ。 んん? わしのような老いぼれには、
悪霊除けのお守りよりも、こっちの方が役に立ちそうだったんでな。
ワッハッハッハー、 ・・・んーどうしたトーマス? 顔が青いぞー?」
冗談じゃねーや・・・と思いながら、無理に笑みを浮かべて聞いてみた。
「き、効き目はあったのかい?」
「あっただと? トーマス、よーくお聞き。
わしがこの村へ帰る途中、カラダを壊してな、わしももう年じゃしもう駄目かなー、
でも生きてこの村に着きたいなー、
と思ってこいつに頼んだら、なんと次の日、宿に医者が来おったんじゃあ。」
トーマスは思いっきり当てが外れてしまった。
しかしそれでも、こいつを手に入れて、「僕を守ってください」と、頼むことにしようと決めた。
かなり不安だったんだけども・・・。
ついにその日がやってきた。
トーマスはしっかり例の像をくすねてきていた。
明日の朝は全員父親に殴られるのはおおよそ間違いない。しかし勝負に勝てば英雄だ。
「ヤーコブ、やめるなら今のうちだぜ、親父に怒鳴られるだけで済む。」
「そ、そのセリフ、そのままお前に返すぜ、フィーリップ! こんなかじゃ俺が一番速いんだ。
やるだけお前は損だぞ!」
スタート地点は村から5km程離れた所からである。
既に日は沈み、冷たい冬の風が吹き荒れ始めていた。
「さあ、いよいよスタートだ。ルールを確認するぞ。俺たちはこれから全員バラバラに森に入る。
ルートは自由。目的地には犬の頭蓋骨が置いてある。先に手に入れ、
村に戻ってこれたらそいつの勝ちだ。先を越された奴は卑怯なマネをしないこと。
いいかー?」
「俺はいつでもいいぜー、トーマス。」 「お、おれもー!」
「よぉーし、せぇーの、・・・スタート!!」
・・・こうして、数時間後には洒落で済まなくなる、最悪の肝試しが始まった・・・。
☆ こんな感じです。
まだ、最後まで打ち込んでませんが、全部で15〜16話ぐらいだと思います。
学生時代に書いた四部作のうちの最後の一品。
同じ世界観での物語とは言え(全部繋がってます)、
最初の二作はパロディにしかなってないので、頼まれてもお見せしませんが、
後半の二作は何とか人に見せられるかな、と思って再公表しました。
ちなみに後半のもう一作の登場人物は、あるルポライターさんの家族の物語です。
ではまた。
Lady氏GJ!!
続き気になるよ〜
大変な事になるんだろうけど、爺さん大活躍するのかなぁ
あるルポライターの家族の物語って、そっちも気になるじゃまいか!!
くそ〜仕事中も気になって、休憩に見るのが待ち遠しくて仕方がない漏れはメリー中毒ですか?
>Lady氏 乙彼ジャ〜ン
漏れもルポライターのも気になるお〜!!!
さてさてニコラ爺の活躍に期待しつつ就寝…
今の時間仕事してる方、身体に気ぃつけてガンガレ!!
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
373 :
誰いな:2006/02/11(土) 13:53:39 ID:v10wIjJq0
>>Lady氏
GJです。ニコラ爺のキャラがいいですねー
舞台もシュレージェン地方ということで、
実在の地名を用いてるところがリアリティあっていいです。
蝶々メリーも今日中にはうpできるとおもいますのでー。
>>名無し氏
仕事大変ですね!
無理せずがんばってくださいなー
374 :
名無し:2006/02/11(土) 17:28:04 ID:6P76S73nO
Ladyさん。
あの三章の面影というか、懐かしさというか堪能しました。
Gjです!
多分、今日は忙しくなかったら、仕事の合間にしょっちゅうROMってるかもしれませんww
んで、お仕事応援して下さった皆さんありがとう。
おかげで今日も踏張れそうです
毎度ッス!
>>370-372 さんきゅうです!
かく言う私も中毒気味・・・。昨日締め切りの健康保険振込み、忘れちまった・・・ああ。
誰いな氏、ありがとう、蝶々、楽しみにしてるわ。
名無しさんもどうも! いま、読み返してみると、風景描写がものたんないのよね、
三章は、それを反省して周りの景色なんかもなるべく描くように心掛けたんだけど。
・・・ニコラ爺さん、人気出てきたな。一応、最後の方に、正体は暗示させておきますが、
本当の姿は、本編第五章で明らかにさせます。
第四章に時間かけた分だけ、五章けっこう、下書き進んでるんです(24話ぐらい)。
それにしても・・・みなさん、夜中や休日にご苦労様です。
今日の分は、もう少ししたら投下しますね。
第五話
彼らには時を計る手段はなかったが、時刻は8時を過ぎた頃だろうか。
風は森全体を揺らし、この世のものとは思えぬ唸り声をあげていた。
まるで夜空そのものが生きていて、ちっぽけな人間達の上に覆いかぶさり、
今にも人間を鋭い爪で捕まえに来るのではないか、とさえと思えてしまう。
彼らゲルマン人の目に、この凄まじい冬の風が、
戦場で死んだ荒ぶる霊魂の行軍と映ったのも、無理なからぬことであろう。
目的地には昼間でさえ辿りつくのに二時間はかかる。ましてや今は夜だ。
月は満月のはずだが、厚い雲に覆われているようで、森の大地に光は届かない。
辛うじて雲全体が、薄く光を放っているように見えるだけである。
その気になればたいまつ等も用意できたが、親にばれるし、
何よりも悪霊に見つかるほうが恐い。
いかに歩きなれた彼らとはいえ、闇に包まれた森の中を走るわけにはいかない。
真夜中の森には慣れていないのだ。
ヤーコブもトーマスもそれは計算違いをしていたようだ。
ところが父親が猟師で、多少暗くても狩りに付き合って慣れていたフィーリップは、
ここでその能力を発揮した。
・・・彼は夜目が利くのである。
しかもあまり彼は悪霊を信じていなかった。
彼はトップで目的地に到着した・・・。
カラダが小さいせいか、入り組んだ森の中では、トーマスはヤーコブより速いらしい。
目的地に二番目に付いたのはトーマスだ。
「へっ、なーんだ、おいらが最初か、 ま、まあ第一関門突破ってとこかな。
・・・あいつら怖気づいたな・・・へへ、まあいいや、さっさとこの犬の頭を・・・。」
違う・・・。犬の頭・・・?
いいや、そんなものではなかった。いかに暗いとはいえ、いいかげん目も慣れてきているので、
薄明るい雲の反射の光でも十分判る。
トーマスは触れる寸前、それが犬の頭蓋骨よりケタ外れに大きい「馬」の頭部の骨であると気づいた。
「うわわああああああっ!?」
第六話
何がどうなったんだ?
トーマスは驚きのあまり尻もちをついて、
冷たいのも忘れてそのまま考え込んだ。
フィーリップ! こんな事するのは奴しかいない! あんちくしょうめ、
俺より早く着いたんだ!
答えを見つけるのに大して時間はかからなかった。
「おい、フィーリップどこだ? 手の込んだことしやがって、判ってるぞ、出てこいよー!」
「・・・でかい声出すな、ここだ、ここだ。」
トーマスはすぐ真上から聞こえてきたフィーリップの声にビクッとしながらも、
それみたかと、心の中で笑っていた。
「やられたよ、フィーリップ。おまえの勝ちだ、あ〜あ、さあ、あとはヤーコブを脅かすか?」
そう言って彼は樹を登りだしたが、その時トーマスは、
その年上の少年の様子がおかしいことに気づいた。
「フィーリップ?」
「・・・俺じゃない、トーマス、俺じゃない、俺はあんな馬の骨なんて知らない・・・!」
彼の声はうわずっていた・・・。トーマスは信じられぬという表情で、
「よせよ、もう。あんまりしつこいと怒るぜ。
それよりお目当ての犬の頭はどうした? 何処に隠したんだ?」 と、言った。
「俺が着いた時にはもうなかった・・・。」
風は前よりさらに威力を増して、樹からぶら下げられている馬の骨が、
ガチャガチャ気味の悪い音を立てていた。
トーマスも事の意味に気づいたようである。二人はお互い黙り込んでしまった・・・。
風は甲高い叫び声を上げ、その声の主は、
二人のいる場所にだんだんと近づいてくるかのようでもあった。
「き、きっとオットーの奴だよ、あいつがこんな事するとは思わないけど、
誰かに喋ったんだ、そうだ! ハンスだ、奴ならやりかねない。
ノッポのハンス、間違いないよ!」
「ほんとにそう思うのか、トーマス・・・?」
第七話
彼らは静かにヤーコブの到着を待っていた。
トーマスはいつの間にか、あの黒い神像を握り締めていた。
「・・・僕を、僕達をお守りください・・・。」
その時、ほんの数秒だったが風は静かになっていた。その、わずか数秒の間に、
子供の・・・ながく響き渡る悲鳴のようなものを二人は耳にした・・・!
ヤーコブのものに間違いなかった。
遠くのようでもあり、すぐ近くのようにも感じられる。
彼らはじっと同じ姿勢のまま、かすかな音さえも立てないようにしていた・・・。
そのまま、何十分経っただろう? 彼らは、自分達がやって来た森の茂みの中で、
ガサガサ何かがいるのに気がついた。
それはこっちへ向かっており、しかも何やら呪文を唱えているようにも聞こえる。
ガサッ・・・ 狐か・・・?
いや、確かに狐は一瞬、姿を見せたが、すぐに姿を消してしまった。
そしてその後ろにも、まだ何か・・・。
人間だった! 森から姿を現したのは、長いつばの帽子をかぶり、
白いひげをたくわえたびっこの老人であった。
老人はキョロキョロ辺りを見回して突然大声を上げる。
「フィーリップ! トーマス達もいるんじゃろう!? 出ておいで!」
「ニコラ爺さん!」
二人は急いで樹から飛び降り、白いローブの爺さんに抱きついた。
「馬鹿モンが! 夜の森の中に出て行くとは何事じゃ!」
トーマスはわっと泣き出した。
「ごめんなさい、ごめんなさい、もう二度としません・・・。」
・・・しないから・・・、あとはもう言葉にはならない・・・。
爺さんは二人が落ち着くのを待ってから、優しく声をかけた。
「よしよし、・・・それでお前たち、森の中へ入ったのは、お前たち二人だけか?
ヤーコブはどうした?」
トーマスも泣くのをやめ、二人は顔を上げる。
「どうしたって・・・ニコラ爺さん、ヤーコブには会わなかった・・・の?」
第八話
「いいや? ここに来るのか? 後でおまえら三人おしおきじゃぞ。」
トーマスとフィーリップは顔を見合わせる。
「爺さん! それじゃあヤーコブが大変だ! さっきあいつの悲鳴がして・・・!」
二人は事の次第を全部爺さんに話した。話し終えた時、爺さんは黙りこくってしまった。
「ニ、ニコラ爺さん、ヤーコブに会ってないならどうして僕らの居場所がわかったの?」
爺さんはニヤッと笑った。
「ハッハッハー、さっき、灰色狐がおったろう? アヤツに匂いを嗅がせてきたんじゃ。
わしにしかなつかんがのう。 お前らに気づいて行っちまったようじゃな。
・・・全く、お前らの親に頼まれたんじゃが、村じゃ大騒ぎじゃよ。
頑強な大人の男でも、この時期森に入ろうとはせんからの・・・。
しかし・・・、ヤーコブが捕まったとなると、いくらわしでも・・・。
世界中のあらゆる魔術を見てきたが、悪霊に捕まった者を助ける術など・・・、
まして殺されちまったら・・・。」
「駄目なのかい!? ニコラ爺さん、何とか助けてあげてよ・・・そうだ!
爺さんの願いが叶う神像があるよ。これでヤーコブが助かるようにみんなで祈ろうよ!」
ニコラ爺さんは、しばらくトーマスの取り出した像を見て首を横に振った。
「・・・おまえ、それをここに持ってきていたのかい。
・・・トーマス、よぉーくお聞き。そいつはな、ペルシヤの嵐の神じゃ、
わしらのヴォーダンと同じな・・・。同じ神じゃ!
つまり、森の精霊達にしてみれば、これは自分達の主人の像。
こいつがわしらを助けてくれるかどうか知らぬが、この像は確実に森の精霊達を呼び寄せる。
もはや、わしが来ても手遅れかも知れん、わしの魔術では奴らを打ち払う事はできぬ・・・。」
トーマスは絶望のあまり、カラダを震わせながら再び泣き出した。
「そ、それじゃあ、僕らは助からないの? ぼ、僕も、フィーリップもヤーコブも・・・、
ニコラ爺さんも!?」
爺さんは何も言わない。ただ、彼ら二人を強く抱きしめただけだった・・・。
・・・どこからか風に混じって馬車の音が聞こえたような気がした・・・。
森は恐ろしい意思を持って、彼らを取り囲んでいるかのようであった。
「彼女じゃ・・・フラウ・ガウデンじゃ・・・。」
☆ 今日はここまで!
ではまた!
オヒョ〜!!!gj!gj!最高にワクテカですよLady氏!
すごく情景がうかぶよ〜
ウマイッ!(゚∀゚)アヒャ!
GJ!凄い面白いな!
俺もメリー絡めた小説書いてるんだが、相当途中だからアップして良いものかどうか…
わーい!
>>381 ありがとう、そういって頂けるとうれしいです。
>>382 うpして下さい。
私含めて他のうp主さんたちと、時間的にかち合わなければ無問題だと思います。
この後、ごはん行ってきますので、読ませていただくのは後になってしまいますが・・・。
いや・・・、「途中」というのは、作品の完成が途中ということかな?
・・・それは人それぞれでしょうかねぇ?
私のメリー本編は、何度も見直ししてるので、
全部書き終わってからうpしてるけど。
385 :
名無し:2006/02/11(土) 20:16:43 ID:6P76S73nO
LadyさんGjっす!
いよいよ愛しのフラウ様のお出ましですか!
しかし、Ladyさんの作品はいつもいい刺激になります。
んで、絵についてはもうしばしお待ち下さい。
>>382さっそくどうぞw
んー、なら投下しようかな…
今携帯でちょいネットに繋げられんから、すまんが明日の早朝に書き込むよ。
おいおいおいおい・・・
lady氏〜いい所でとめるなんて、番組の途中のCMみたいじゃまいか・・・
とにかくGJ!!
388 :
誰いな:2006/02/11(土) 21:28:14 ID:E2X6KHUX0
こんばんは〜。
今日は2枚うpします。
一枚目はLady氏りくのちょうちょメリー、
二枚目は今までと少し絵柄を変えて書いてみました。
ちょっと大人っぽい感じのメリーです。
http://o.pic.to/1a63e >>Lady氏
いよいよフラウたまの登場ですか(*´д`)ハァハァ
名無しさんのリアルメリー、待ってますからね。
>>387 ごめんね。 この外伝は、ほとんど丸写しだから、
狙って引っ張ってるわけじゃないのです。
ちょうど四話形式でキリのよさそうなとこで区切ってるだけなんです。
・・・もうちょっと待てくらさい。
お〜誰いなさん、蝶々、来た〜!! リクに答えてくれてありがとお!
感じ出てて、かわいいっす・・・けど、
・・・顔が変わっているぅぅ〜ッ!?
390 :
誰いな:2006/02/11(土) 23:19:17 ID:E2X6KHUX0
>>Lady氏
ちょっと絵柄変えて書いてみたんですよー
誰いなには、こういう事がよくありますw
どっちのほうが人気あるかな〜
>誰いな氏
漏れ的には蝶々おっかけてんのが平和な感じで…(・ω・`*)スキダオ gj!
ぃゃ、じらされた感じで続きを待つのも良いって事でつよw>Lady氏
(*´Д`)メリータソ。。ハァハァ
シュレジェンか!
ゲルリッツを歩いていたら奇異の目にさらされた記憶がある
(あの辺で東洋人なんてフラウ・ガウデンみたいなもので(ry)
情景が目に浮かぶなぁ…
シュレジェンつーとポーランドあたりか?
たしかにあの辺は森多いよな
395 :
誰いな:2006/02/12(日) 14:31:55 ID:DJr4FVtb0
>>391 ありがとう!
実は、鎌を振り回しながら蝶々を追っかけるメリーという、
全然平和じゃないボツネタがあったりする・・・w
>>386の投下はまだかなー(´・ω・`)
396 :
386:2006/02/12(日) 18:06:11 ID:dFO9bEblO
すんません、今朝寝坊して投下出来ませんでしたorz
帰宅が明朝〜晩になるんで、今日の投下は無理です。本当にごめんなさい
第九話
トーマスと違って、フィーリップは気骨ある猟師の息子だ。彼は望みを捨てようとはしない。
「・・・爺さん、あんたさっき、魔術を使えると言ったよね・・・?
戦うことができなくとも、 あいつらをだまくらかす事はできるかい?
・・・きっと助かる方法がある。あいつらに遭って命を落とさなかった人もいるんだろ?
俺はヤーコブの死んだ爺さんからそんな話を聞いたことがある・・・。」
爺さんはじっとフィーリップを見つめて、そのうちニヤッと笑った。
「フィーリップ、おまえは勇気があるな・・・、わしが若い頃さえそんな気持ちは起きなかった・・・、
いいじゃろう、やってみよう、トーマス! その神像を返すんじゃ・・・、
よいか、これから起こる事をけして忘れるな!
そして樹の上に隠れて物音一つ立ててはいかん。 ・・・よいな・・・。」
ニコラ爺さんはフラウ・ガウデンと直接対峙するつもりだ。下手をすると取り殺されるかも知れない。
でも、爺さんはその覚悟だ、二人はそのことをはっきりと理解した。
爺さんは、馬車の音の近づいてくる方向に仁王立ちして、手にある杖を振りかざした。
「・・・我が守護者よ、汝の息子たる我に力を与えよ・・・、数十年前、我は東方の民族により、
シャーマンの称号を与えられ、汝の力を垣間見た・・・、
今、まさに汝の力を要すべし・・・、汝の力はこの森と等しき故に・・・。」
トーマスとフィーリップはおのが目を疑った。
・・・暗闇のうちに・・・、ニコラ爺さんの背後に・・・、
白い、大きな影が出現したからである。
次に爺さんは声色を変え、神像を高々とかざし、大地を震わせるような大声を出した。
「・・・森のヴィルダーヤークト! ナハトイェーガー!
諸々の精霊達よ! 森に生きる木々、獣、鳥よ、大地よ!
そして暗黒の天空よ! よぉーく聞けい!!
我はうぬらの世界の住人、エックハルトの息子ニコラなり!
我がみおやの名により、うぬらを率いしフラウ・ガウデンを召還する!
我が声に応えよ!
さもなくば冥府の王ヴォーダンとフレイヤの力持てうぬを戒めん!!」
風はいつの間にかやんでいた。ニコラ爺さんの怒号の後は異常に静かだった・・・。
アハヶハハハハハァーァァ・・・
第十話
突如として森からけたたましい笑い声が辺りに響いた・・・。
ニコラ爺さんとは対照的な甲高い声だった・・・。
ニコラー ニコラー
なんであたしを呼ぶのさぁー?
あたしにいったい何の用ぉー?
子供を捕まえてご馳走でもしてくれるのかーいぃ?
「いいや! ちがーう! フラウ・ガウデンよ、
わしは近東でヴォーダンの像を手に入れた。
とてつもない魔力を秘めておるようじゃが、わしには不要の物。
どうじゃ? この像が欲しくはないかなー!?」
投げてよこしておくれよー
「いいとも、ただし条件があるんじゃが・・・!」
爺さんの後ろの白い影は静かに揺れていた。
あの影がある限り、フラウ・ガウデンは寄っては来れないのだろうか・・・?
どんな条件さー?
「わしと、わしの友達がこれから村に帰る、その邪魔をせぬことと、
・・・ヤーコブという少年を返して欲しい!」
森はざわめき始めていた。トーマス達は、息を呑んでじっと事の成り行きを見守った。
エックハルトの子ーニコラー・・・
おまえには手を出さないさー
だけど・・・夜はあたしたちのもの・・・
だから、おまえの後ろの子供達はあたし達のものだよー
この子もねー・・・
森の闇の向こうから、小さな血だらけの手が飛んできた。
ヤーコブのだ!
トーマスが樹の上で騒ぎ出そうとしたが、冷静なフィーリップが必死で彼を抑える。
「ヤーコブ・・・!」
爺さんすらも思わず叫んでいた。しばらく爺さんはそれから目を離さずに黙っていたが、
ついに眉をひきつらせて森に向かって叫んだ!
第十一話
「・・・よいか! よく聞け! お前たちはヴォーダンを蘇らせるのに少しでも力がいるのじゃろう?
御苦労じゃな、ヴォーダンが蘇るにはあと、数千年はかかろうて!?
何の力もない人間の力を吸い取るより、わしと取引するほうが利口じゃぞ!?」
きいゃあああははー・・・・・・
何という気味の悪い笑い声だろう。もはや笑い声は一つの所ではなく、
森のあらゆるところから聞こえてくるようになっていた。
おーい ニコラー
あたし達はおまえと取引する必要はなーいのー・・・
あまえの意思にかかわりなくあたしたちはそれをもらうからー
「わしを殺そうというのか? エックハルトの子のわしを・・・!」
言うが早いか、凄まじい風がニコラ爺さんに向かって吹き始めた。
風の中には、黒いワタリガラスらしき生き物も舞って爺さんを囲んでいた。
例の白い影が大きく揺らめきだしている。爺さんは為すすべもなく今にも崩れそうだ。
ひゃあはははー・・・
ニコラ爺さんの白い服は黒い鳥の攻撃でみるみる赤くなっている。
トーマスは堪えきれず、フィーリップを振り切って爺さんに駆け寄った。
「ニコラ爺さん!」 トーマスもカラスの攻撃に晒され始めたが必死になって反撃しようと試みる。
なんだ! このクソガラス!
爺さんはトーマスのほうを向いて力なくつぶやいた。
「・・・ほんとうに大人の言いつけを守らん奴じゃな、あれほど言ったのに・・・。」
「・・・だ、だってニコラ爺さん、も、もう死んじゃうよぉ。」
爺さんはそれを聞いて、いつものようにニヤッと笑った。
「わしが死ぬ? いいや、この程度じゃくたばらんよ。見ておいで・・・。」
爺さんは持っていた杖を地面に三回打ち据えた。
「さぁて、一角獣よ・・・わしに手を貸しておくれ・・・。」
すると地面にぽっかりと穴が開いて、中から長い角の生えた黒い馬が飛び出した。
角の生えた馬は、風の中を飛び回るカラスたちを、その長い角でどんどん打ち落としていく。
「す、すげぇ・・・」
その時トーマスは辺りの異変に気づいた。
第十二話
カラスが打ち落とされていく中、トーマスには、
目の前の森の暗がりが、まるで大きな屋敷の扉でも開いていくかのように、
一つの点を中心に拡がっていくかのような錯覚に陥った。
そしてそれは錯覚ではなかった・・・。
森の拡がった中心の闇の中からは、不気味な二頭の斑馬が牽く、
得体の知れない馬車が現われたのだ。
何かの金属音の後、馬車から二頭の斑馬は自由になったようだ。
ニコラ爺さんもわかったらしい。
角のある馬は、いちはやくそれらを睨みつけ、しばらく牽制した後、斑の一頭に攻撃をかけた。
すぐに二頭は激しい争いを始め、残った斑の一頭はトーマス達に襲い掛かる。
ところが突然その馬は様子をおかしくした。
いまや踏み潰されるはずだったトーマスは、一瞬何が起こったかわからない。
フィーリップが馬の背中に飛び乗って、その馬の眼球を傷つけていたのだ。
「フィーリップ!」
しかし善戦も長くは続かない。
馬は自らを大木にぶちあて、フィーリップを地面に落としてしまった。
彼が動かなくなったのを確かめると、その斑は再び爺さんに狙いを定める。
トーマスは爺さんを守ろうと、短い手製の斧でもたつきながら必死で攻撃を試みる。
馬は突っ込んできて彼らともみ合い状態になった。
あーはっはっはっはーぁー・・・
いつの間にか馬車は彼らの目の前にまでやってきていた。馬に牽かれてもいないのにどうやって・・・。
あの窓の向こうには醜い老婆がいる。奇妙な甲高い叫び声は、ますます頻繁になっていた。
「・・・トーマス・・・。」 爺さんは倒れていた。
「ニコラ爺さん!」
「あばらをやられたようじゃ、・・・残ってた魔力も一角獣の召還に使っちまったし・・・、
天下の魔法使いももう駄目じゃな・・・。」
白い影はいつの間にか消えていた・・・。
「そ、そんなぁ・・・。」 トーマスは爺さんに覆いかぶさって泣き喚いた。
一方、斑の馬も攻撃をやめていた。彼らの先では、馬車の扉が開いていたのである。
いよいよフラウ・ガウデンが降りてくるらしい。
☆ はい、後、三話で終了です。
で、あの、明日なんですが、ちょっと出張で、
水曜日まで帰ってきません。ROMはしますがうpできません。
名無しさんが絵を完成させても、すぐには見れませんのでご容赦下さい。
フラウ・ガウデン? ええ、・・・あの、出演しますよ、ちゃんと。
姿が三章とは少し違いますが。
見る人によって違った姿に見えるとでも思っていただければなと。
それにマリー、死人だったし。
きっと明日は126さんがいっぱい投下してくれるのではないでしょうか!?
403 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/12(日) 18:50:40 ID:p4/i53oC0
ふふふ・・・予想に反して・・・今日、2つだけ投下します!
Ladyさん・・・相変わらず、うっとりですわ。
すごく素敵です。
ますます楽しみにしていますよ。
さて、2つだけ・・・いきまーす
404 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/12(日) 18:51:28 ID:p4/i53oC0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274◇67番目>294◇68番目>296◇69番目>317◇70番目>319】
71番目←いまここ
405 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/12(日) 18:52:07 ID:p4/i53oC0
71番目
メリーの目はとても優しかった。
そしてその表情をすごく懐かしく感じた。
「・・・交通事故・・・」
メリーの言葉に反応したのは、意外にも麻子のほうだった。
「どういうこと?交通事故って?」
メリーは、目だけで麻子の動きを制した。
俺は、メリーの優しい目とそして自分の中でめぐっているあの記憶・・・家を出たとたんに、交通事
故に会い、病院に運び込まれた記憶・・・それは黒いものが俺の願望を使って見せた妄想の中での自
分の最後。妄想とはいえ、しっかりとした時間の感覚があった。そして交通事故の際の痛みは現実そ
のままだった。・・・あの記憶が頭の中をめぐっていた。
俺は混乱する頭を整理しようと、首を横に何度も振った。
メリーは一度立ち上がり、麻子に少し待っていて欲しいと地位さん声で言った。その後すぐに俺の方
に向きなおり、すとんと太ももの上に座った。
俺の肩に手を置き、まっすぐに俺を見た。
俺はまだ混乱していた。あれは・・・あの妄想は、メリーとともにすごした時間は、単なる妄想で、
黒いものが見せたもので、何故・・・・。
なぜ・・・メリーが知っている・・・。
「あの時は、ごめんなさい」
メリーが俺をまっすぐ見つめながら、本当に優しい顔をした。
この顔・・・この表情・・・そうだ、メリーの何かが違うと感じていたのは、この表情だ。
自信ありげで、そのくせやさしい。
ほんの少し前、少なくとも、この今着ている白いワンピースに着替える頃には、見せたこともない
表情。なのに俺は懐かしく感じていた。つい最近なのに、遠い昔に見たような感覚が俺の中にあった。
406 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/12(日) 18:52:54 ID:p4/i53oC0
前スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目>24◇54番目>26◇55番目>61◇56番目>63◇57番目>65◇58番目>67】
【59番目>69◇60番目>73◇61番目>169◇62番目>195◇63番目>197◇64番目>270】
【65番目>272◇66番目>274◇67番目>294◇68番目>296◇69番目>317◇70番目>319】
【71番目>405】
72番目←いまここ
407 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/12(日) 18:53:28 ID:p4/i53oC0
72番目
「最後まであなたを信じることができなかった」
メリーの表情が曇る・・・。申し訳なさそうに・・・。
違った、なにもかもが違った。心の壁がまったくない。俺を信じきっている。それは本当に懐かしい
感覚だった。
「でも、わかったよ。あなたがどれだけ私のためにだけ生きて、そして死んだのか」
メリーは微笑んだ。その目にはうっすらと涙が光っている。俺は何もいえなかったただ、まだ混乱して
回り続けている頭の中と、そして、目の前のメリーの可憐さに別の意味でくらくらしていた。
「死んじゃったのに、痛くて苦しくてつらかったのに、自分の痛みだけを受けていたら楽だったのに、
そのまま死んで行けたのに・・・」
メリーのほほに涙が伝っていく。しかし、その表情は泣き顔なんかじゃない。いとおしいものを見る
ように目を少し細めて口元には微笑みを残した
「それなのに・・・私のところに来てくれたんだよね」
妄想が、再び走り始めた。俺の中で、死に逝くものが見るという走馬灯。それと同じ速さで・・・。
「聞こえたよ。あなたの声。ちゃんと・・・聞こえたよ」
最初から、すべてを、妄想の時間のすべてを、光の速さ追いかけていた。
「ありがとう・・・ね」
そのとき光がはじけた!・・・・そうか・・・・。俺はあの時妄想を見ていたんじゃないんだ。
俺は、妄想の中にいたんだ。
俺は漠然と頭の中に浮かんできた言葉をそのまま口にした。
すべてを理解できたわけじゃない。しかし、俺は、こういうしかなかった。
「そうか、メリーも・・・あそこにいたのか・・・」
つづく
取り急ぎ、ここまで。
さてさてどうなるんでしょう・・・って時間がすすまないwww
このスレになってから、約20話分で・・・ほんの15分程度なのじゃないか?
では、皆さんにレスまたしますね。
>>403 やられた・・・。 完全に意表つかれた・・・。
しかもこの展開・・・全く不自然さを感じねぇ・・・すげぇ!!
さて、ようやくレスをできる時間になりましたwwww
名無しさん!!!!
ボクにはまだ見えてません。ただただ楽しみに・・・そしてメリー様の少し不器用な愛情にどきどきして
メリー様のこれから明かされるだろう悲しい感情におびえながら
、それでもワクテカしてますから!
無理せずに場しばしUpしてください!
Ladyさん!!!
本当にしっかりとした世界観と、現在でも、過去でもまったく川田内トーンの統一感安心感すばらしいと思います。
またいいところで終わる話の構成力!!
こちらもワクテカしてますよ!
時間がなくても必ずチェックしてみてますから!書き込めなくてもねwww
誰いなさん!!!
めちゃくちゃかわいいです!いいですね!
萌え系の絵も大好きですがww
誰いなさんの絵のほうが、お話の挿絵としては格調高くてしっくりとするね!
>>382さん
楽しみにして待っていますよ!
ボクからも
つ【元気】
ありがとう〜。
>>411氏はIDが萌えな人やぁ(ノд`)゜。
ホントだ!w
いやでも、126氏はすごいと思いますよ。
これからも仕事も家庭もがんがってください!
もちろんメリーも待ってます!
414 :
芽理の父です:2006/02/13(月) 02:40:23 ID:aCwo6ugR0
ども、お久しぶりです(´・ω・`)
ごめんねネタが無くて書きこめなかったんだ。
でもこのスレは毎日のように覗いてるんで。
126氏とかスレの盛り上げに多大な貢献をしてますよね
これからも頑張ってくらはい
また忘れた頃にSS投下するかもです
では
夜の帳が街に降り、徐々に人工の灯火がつく。
それもそう長い時間ではない。建物から人が吐き出されるたび、一つ、
また一つと灯火は消え行き、遂にはその建物の中で明かりの点いているのは一つだけとなった。
山神興信所。そのビル最後の一室、に入っている事務所である。
雑然とした事務所内のソファーには、部屋の散らかり具合とは対照的に、
身形のきちんとした男が深深と腰掛け、本を読んでいた。
男の名は、山神景一。この事務所の主である。
事務所内には、今まで依頼された件の報告書や、土地知識等の本も勿論存在するが、
それらより圧倒的な量を誇るのは、都市伝説、民間伝承、オカルト…それらの
「明らかに探偵の仕事に関係のなさそうな」本ばかりだった。
今山神が手にしている本は、表紙が無い、本と言うよりはファイルに近い物。
自分で所謂噂話ばかりを集めたスクラップブックであった。
時間など全く気にせず、山神は本を読み進める。
午前二時を過ぎた頃。
トゥルルルル…
静寂を破り、テーブルの上に置かれた携帯電話の無機質なコール音が鳴り響いた。
トゥルルル
「…もしもし」
携帯を手に取り、山神は電話に応えた。
「わたし。メリー。」
携帯電話から聞こえた声は、時間に似つかわしくない少女の……
山神には聞きなれた、メリーの声。
「遅かったな」
「気にしないで欲しいの。もう、貴方の後ろに居るの」
何時の間に出現したのであろうか。
山神の背後には、確かに美しい少女が存在した。
その姿は、欧米系の…白い肌に緩やかなウェーブをした金髪を湛え、右手には鎌、
左手にはカボチャ…ジャック・O・ランターンだったか、のぬいぐるみを持っている。
「じゃあ、いくか」
「はい、なの」
心霊的な存在であるメリー。
その正体は、永きに渡って人の手を渡り歩いてきたフランス人形より生まれ出た精霊。
経緯は今のところ省略するが今現在では山神の仕事のパートナーである。
山神の仕事である探偵業など、所詮表向きの物でしかない。
本当の仕事は、民間伝承、噂話にしか出ないような存在の調査。
そして、時に人に害成す存在の排除…。
自らの武器である刀を袋に入れ、担ぐ。
「いくぞ」
そう言って振り返ると、確かに其拠にはメリーが居た。
「早くない?」
「明日朝に着く。結構遠いぞ」
「うへぇ…なの」
自らのバイクのキーを玄関口においてある鍵掛けから取り、指に引っ掛けてくるりと回す。
建物の灯火が、全て消えた。
「貴方が…依頼人の宮原さんですね?」
「はい…」
待ち合わせ場所として指定された喫茶店に居たのは、六十を過ぎたような外見の男性だった。
その表情は疲弊しきっており、ひょっとしたら十程若く見積もっても良いのかもしれない。
「で…我々に仕事を依頼する、と言うことは…『都市伝説』等、オカルトに関するもので間違い無いですね?」
「ええ…」
依頼人…宮原は、やつれた顔を2,3度軽く上下に動かし、言っても良いものか、と逡巡した表情を見せた。
「どのような事でも笑いません。言ってくださらないと、こちらとしても調査のしようが有りません」
「…分かりました。私が見たわけでは無いので、信憑性は薄いのかも知れませんが…実は、地元の小学生が、口裂け女を見た、と…」
「口裂け女、ですか。」
スーツの内ポケットから手帳を取りだし、素早くメモを書き記す。
「ええ…それも、鎌を持った…」
山神が、コンコン、と机を二度ノックする。
それは、姿を見せず会話も出来ないメリーへの合図。
「…で、見た、というのは、よく言う『大きいマスクをした』女ですか?」
「いえ…本当に、耳まで口の裂けた…それで、ですね…実は、既に小学生が…」
「…殺されたんですか?」
「…はい」
口裂け女の噂は、当然何度も耳にしてはいたが、実際に殺害される程の事件に発展している事例を知ったのは、山神にとって初めてだった。
実際に口裂け女による犯行だとすれば、山神は、口裂け女が「人間」であっても何らかの処置をせざるを得ない。
「正直な話、口裂け女と事件の関連は分かりません…が、警察もその女が犯人だろう、と見てますし、小学生達もそう思っているようです…」
「…分かりました。調べてみましょう。」
「はい、よろしくお願いします…では、私はこれで。」
「ありがとうございました」
宮原が席を立った直後、タイミングを見計らったように…
否、実際見計らった電話がかかってきた。
「一応、一通り調べたの」
「…どうだった?」
「確かに、口裂け女らしき人物の出没情報は有るし、殺人事件も起こってるの。
全身を切り刻まれた死体が公園で見つかったの。被害者は小学生で、
道具は鋭利な刃物らしいの。」
「ご苦労だったな」
「報酬はチョコレートのパフェで良いの」
気が付けば、山神の目前にメリーはちょこんと座っていた。
山神は、苦笑しながら手を上げて店員を呼んだ。
勿論、この小さなパートナーにその報酬を支払うために。
色々有って今までに書いた文が一度全部消えてしまいましたorz
今日投下予定だったのは全部書き直したんだけど、明日の分はまた今日書かなきゃ…
カボチャさん〜。
いいよ〜。
楽しみ〜。
新しいパターンのメリー誕生ですね。
無理せずがんがってくださいね〜。
芽理パパ〜。
おひさ〜。
また来てね。
口裂け女対メリーか・・・。
楽しみにさせてもらうよ。
さて、あんまり引っ張っても悪いから、
飛行機乗る前に全部投下してからいきますか?
ニコラ爺さん編、完結です!
第十三話
トーマスは歯を噛みしめて近づいてくる彼女の方をにらんだ。
「フラウ・ガウデンー!」
トーマスはあらん限りの声で、そしてゆっくりと叫んだ。
「フラウ・ガウデン! それ以上俺たちを攻撃してみろー! この、
・・・この黒い神像を粉々にするぞー! それでもいいのかーっ!!」
彼女の足が止まる・・・。暗かったが、長いドレスを纏ったブロンドヘアーの持ち主であることは分った。
もとより顔は見えなかったが、トーマスは目を合わすことがないように視線をずらしていた。
「こいつを壊されたくなかったらさっさと帰れー!!」
猛烈な風は、彼女の感情に呼応するかのように激しく勢いを増す。
しかしトーマスはもはやひるまない・・・。
彼は右手に掴んだそれを高々と持ち上げ、
むき出しになっている固い岩場に今にも叩きつけようとした。
その時である。にわかに風の吹き方が一変した。
まるで今までとは別の意思の力が働いたかのように・・・。
もういいんだよ・・・トーマスや・・・
まわりの森からは、鳥達の朝を告げる声が辺りを覆い始めた。
東の空がにわかに明るくなっている。
朝だ、朝になったんだ、助かるんだ・・・。
フラウ・ガウデンは途端に慌てふためき始めた。トーマスは勝ち誇った目で彼女をにらむ。
どうだ! フラウ・ガウデン!
ところが彼女は悔しそうに髪を振り乱した後、いきなりトーマスに向かって襲いかかった!
すっかり安心しきったトーマスは彼女のその行動を予測できず、
まともにその凍てつくような恐ろしい顔を見てしまった。
彼女の爪がすっかり怯えた彼の顔を、今にも引き裂くはずだったが、彼女・・・、
フラウ・ガウデンはそうしなかった。
彼女の鋭い爪は、震えるトーマスの頬を撫でるだけだった。
・・・そしてその後、何処かで見たような、ニヤッとした笑みをその顔に浮かべたのだけども・・・。
第十四話
すぐに彼女は反転して馬車に乗り込み、一頭の斑馬が牽く馬車は動き始めた。
その時、再び先程までの暴風が吹き荒れ始め、馬車はフワッと宙に浮かんだ。
そしてあっという間に、まだ薄暗い天空の彼方へと、
風船でも弾けるように消え去っていったのだ・・・。
あの気味の悪い笑い声を森じゅうに響かせながら・・・。
キャアハハハハハハ・・・・・
トーマスは動くことができなかった。
彼の目には、あのフラウ・ガウデンの恐ろしい姿が焼きついていた・・・。
あの彼女の異様に白い・・・白いはずだ・・・ブロンドの下には、
背筋の凍りつくようなしゃれこうべの顔があり、
目玉の位置には、
黄金色の眼球が浮かんでいるだけだったあの姿を・・・。
雲が晴れ、太陽の光が森に届き始めた頃、ようやくトーマスは我に返った。
「・・・ニコラ爺さん・・・?」
そこには爺さんはいない・・・。
「ニコラ爺さーん、どこいっちまったんだよー!?」
・・・森にその声は響き渡ったが、返事はいつまでたっても返ってこなかった・・・。
彼の近くにはフィーリップが倒れているだけだ。
トーマスはフィーリップを抱き起こし、まだ息があることを確かめると介抱し、
フィーリップが目を覚ますと、気が緩んだのか、トーマスは思いっきり泣き出してしまった。
しばらくして、二人は肩を組んでその忌まわしき森から出てゆこうとした。
・・・途中、彼らの目に、もみ合ったままの二頭の馬の白骨の姿が映る・・・。
何故、そんな姿になったのだろう、いいや、どうでもいい、
彼らにはそんなことはどうでも良かったのだ・・・。
第十五話(最終話)
「ねぇ、フィーリップ。」
トーマスはしばらく黙りこくっていたのだが、我慢できずにとうとう口を開いた。
話しかけられたフィーリップも、
トーマスが何を言おうとしているのか、察しがついている、
とゆうような顔でトーマスの顔を覗く。
「ニコラ爺さんて何者だったんだろう?」
フィーリップはしばらく考えてみたが、あきらめたように首を振って答えた。
「エックハルトの子か・・・、さぁね、
そうだな、もしかしたら・・・、
もしかしたら聖ニコロ・・・セント・ニコラウスだったのかもしれないな、
あの爺さん・・・。」
そう言うと、フィーリップはきょとんとしたトーマスの顔を見て・・・、
ちょっと笑った・・・。
わんぱくトーマスと、
年上のフィーリップは森を抜け、
まぶしすぎる朝日を浴びて村に帰った・・・。
鎖に繋がれた冥府の王、ヴォーダンの忌まわしき黒い神像を携えて・・・。
(Lady メリー外伝「精霊達の森」終了)
☆ わかりにくかったらゴメンなさい。
クリスマスの時期に狙ってうpした方が良かったんでしょけども・・・。
では、出張行ってきます。
芽理パパも頑張ってね。では!
>>424 GJ!
そして、気を付けていってらっしゃい
426 :
名無し:2006/02/13(月) 13:16:39 ID:AP5DP93GO
LadyさんGjです!
まさか朝に投下なさるとは思いませんで、油断してましたw
最終回お疲れさまでした。あと出張頑張ってね。お土産は地酒で(ry
カボチャさん、焦らずゆっくりでも大丈夫ですよ。頑張ってね!楽しみに待ってますんで。
126さん、凄いワクテカな展開ですね。あの時の妄想…というか、ある意味追憶というか…そうきたかというかw楽しみですw
芽理パパさんおひさ。
またあのクールな作品読めるの楽しみに待ってます。
427 :
Ladyメリー携帯:2006/02/13(月) 21:54:23 ID:54X9B4z6O
428 :
誰いな:2006/02/13(月) 22:32:14 ID:hXIS4xYX0
>>126氏
いい展開になってきましたねー素敵です!
これからもwktkしてますので、仕事など無理せずがんばってください!
感想もありがとうございます!うれしいです!
さらに精進いたしますのでー
>>Lady氏
セント・ニコラウスですかー
オープニングのニコラ爺の台詞なんてまさにですよね!
実際のはげん骨よりも動物の臓(ry
出張いってらっしゃい!気をつけてくださいね!
>>カボチャ氏
カボチャ氏のメリー・・・思いっきりツボです(*´д`)
楽しみにしてます!
僕の絵のほうも、明日あたり1〜2枚うpしようとおもいます。
もし何かリクエストある方いたら言ってください。
出来るだけ答えるよう頑張りますのでー
429 :
誰いな:2006/02/13(月) 22:37:58 ID:hXIS4xYX0
おわっ書き終わったらLady氏が来ていたー
大変でしょうが頑張ってください!
>>カボチャさん
カボチャさんのメリーさんの姿が雛苺しか想像できないwww
がんばってください wktkして待ってます!
チョコレートパフェと共に注文したコーヒーを飲み干すと、山神は席を立った。
「ちょっと連絡入れて来る。待ってろよ」
こくりと頷くのを確認し、店外に出ると、携帯電話を取りだし、
『紀野国』と書かれた番号を呼び出した。
「…はい、竹取情報室の紀野国です」
「山神だ。2801号の件で、さっき依頼者と会ったのだが」
「あぁ…依頼者っていうか依頼者の代表ね。で、どうしたの?」
電話に出た紀野国と名乗る女は、相手が山神と知ると、途端に砕けた物言いになった。
「相手は口裂け女かも知れない。今までの件で、何らかの形で口裂け女が
関わったモノは無いか調べてくれ」
「ふーん…またメジャーなのが出てきたわね。ちょっと待ってね…」
ぷつ、と声が途切れ、保留に設定してあるボイスに切り替わる。
「お電話ありがとう。わたし、リカちゃん。今、おうちに居るの。
お電話ありがとう。わたし、リカちゃん。今、玄関を出たの」
(メリーも、元々はこんな霊だったんだよな…)
紀野国が洒落で設定してあるボイスを聞きながら、山神は昔のメリーの事を思い出しかけたが、
首を振ってその考えを振り払った。
昔は関係無い。今は、メリーは俺の大事なパートナーだ。
もう一度音声が切り替わり、機械的なリカちゃんの声は「今、おうちの側の角を」で切れた。
「もしもし?依頼してくる物で都市伝説自体が少ないから、件数ちょっとしか
出てないけど…」
「かまわない。今口頭で言える量か?」
「…めんどくさいからメールでおくるわ」
「そ、そうか…」
「それよりも」
呆れた声を出す山神を制するかのように、紀野国が強い声をあげた。
「あんた、パートナーがあんな小娘で大丈夫なの?」
「…どう言うことだ?」
「竹取の中でもあんたは優秀な方なんだからさ、もっと良いパートナー
探したほうが良いんじゃない?大変じゃないの?」
強い口調で一気にまくし立てる紀野国に、ふぅ、と軽いため息で返事をする。
「何よ、鼻で笑って…」
「メリーは優秀だ。それこそ、俺以上に…それに」
「それに?」
山神が、言っても良いものか、と逡巡する様相を見せる。
これを言えば、確実に気まずい雰囲気になる。それを分かっていたが、
今のこの空気を作り出したのは紀野国である。何ら躊躇する必要は無い。
そう結論付けた。
「…俺の、問題だ。約束と、贖罪。」
「あ、四年前の…」
そう呟くと、紀野国は電話の向こう側で黙りこくった。
「…ごめん」
「謝るなよ。俺が悪者みたいじゃないか」
「実際、悪者じゃない」
「あー、そうですか…」
「それじゃ、メールは送るから。じゃ、また知りたいことがあったら連絡してね」
電話が切られ、不通を示す機械的な音が鳴る。
「…逃げたな」
都合が悪くなるとすぐこれだ、と口の中で声にせず呟き、携帯電話を
折り畳んでポケットに仕舞う。
「メリーを待たせちまったな…」
紀野国との電話で予想以上に時間を食っていた。メリーの機嫌が
悪くなってないことを祈りながら、山神は店内へと戻った。
「…何個食べてるんだ?」
幸せそうな顔のメリーの前に並ぶ、器、器、器器器…
スプーンをくわえながら、指差して確認しながら数え…
右手をパー、左手をチョキにして、嬉しそうな表情のまま山神の前に突き出す。
「七個…だな…。大体、お前、電話でしか意思疎通出来ないんじゃないのか…?」
食べ尽くしたパフェのスプーンを、最後の器に入れると、メリーは
ちっちっちっ、と指を振った。
ポケットから紙とボールペンを取り出し、さらさらっと文字を書いて見せる。
『チョコレートいがいのをぜんぶください』
得意げな顔をして、山神にその紙を見せる。
「…お前って奴は。」
大体報酬はチョコレートだけだろうが、の台詞を、山神はぐっと飲み込んだ。
ここは大人の余裕で耐えねばならない。そんな変なプライドが、山神には有った。
メリーは一瞬不思議そうな顔をするが、すぐに納得した表情で、
紙に書いた最後の四文字をがじがじっと黒く塗りつぶし、その横に文字を書き足した。
『チョコレートいがいのをぜんぶ■■■■ほしいの』
「語尾の問題じゃない…いいから行くぞ」
座席から飛び降りると、先に行く山神の後を追った。
(まぁ、機嫌を悪くして後々文句垂れられるよりマシか…)
紀野国の、先刻の言葉を思い出していた。
「大変、だな…」
「六千三百円になりまーす」
主に懐が大変だった。
感想くれた方々、ありがとうございます。
>>430さんの言う「雛苺」が分からなかったのでググってみたんですが、
俺の考えてるメリー像は大体こんな感じですね。
表情はけだるそうなのを想像してくださいw
カボチャさん。
楽しみですわよ。オホホホ。
雛苺のイメージで読んでみました。
いろいろと、背景に謎がありそうですね。
436 :
名無し:2006/02/14(火) 15:03:07 ID:D5BCdgzBO
カボチャさんナイス!
いーなー黙し語るメリーさん。
今夜あたり、妖怪名無しが迎えに行きますです。ハイ
俺も早く書き終えねば。あと絵も。
437 :
誰いな:2006/02/14(火) 21:15:52 ID:Gdlzr/4D0
さきほどアパートのベルをならされた 。
扉をあけると隣の部屋に住んでる女性だった。
彼女名前は麻利。
27歳で近所のスーパーで働いてる人で今まで挨拶交わす程度だった。
病気がちな母親とふたり暮らしらしい。
「こんにちは。どうかしました?」
「遅れてますけど町内会の回覧板回そうと思って、それでこれ・・・」
渡された物は殺風景な赤い包み紙に包まれた固いものだった。
彼女が帰ったあと開いてみるとチョコレートが3かけら 。
・・・もうちょっと気の利いた包装にすればいいのに。
でも彼女の貧しさも察してる俺は気にしないことにして口にひとかけらほうりこむ。
と、そのとき回覧板の文字が目に飛び込んできた。
「殺鼠用チョコレート配布のお知らせ」
二次元裏のメリースレで、mixiにメリーコミュとやらが立ってるとの噂を目にした。
誰か確かめてくれ。
440 :
名無し:2006/02/15(水) 03:12:15 ID:Z5c9W/ZAO
お
誰いなさんGj
ナイスメリーですな。座り方が良い表情が良い服装が髪型が(ryぁぁぁぁ...
んで俺も時間掛かっちゃったけどでけた。同じ絵が何枚もあるのは気にしないで下さい。
http://m.pic.to/4zhl1 フラウ様…と言うより、第三章のマリーを意識してしまったよ。何故裸なのかは聞かないで下さい。
色は水彩絵の具とクレヨン。色々失敗したよふぁはははははははははははははは
やはり、魔女と枯木男で描くべきだったかもしれん。
Ladyさんに捧ぐ。
441 :
名無し:2006/02/15(水) 03:23:44 ID:Z5c9W/ZAO
>>439 ミクシーとやらを携帯からPCのでぐぐってみたがさっぱりでした。
力になれなくてスマン。
早くパソ欲しいな。
442 :
名無し:2006/02/15(水) 03:34:03 ID:Z5c9W/ZAO
連投スマン
>>438はよくよく読んでみると…もしかしてメリーネタなのか…?一瞬誤爆かと思ってしまったorz
判らずにコメントに窮していたのだが、アレだ。中々面白かったです。
「お前は何とかして噂の出所である小学生に話を聞いてくれ。
俺は紀野国から送られてきたメールの方から調査を進める。」
バイクに跨った山神が、エンジン音に負けないよう大きな声で側に立つメリーにそう言うと、
メリーは、ぴしっ、と音の聞こえそうな可愛らしい敬礼を見せた。
「…鎌は隠せよ」
メリーが頷くのを見てからヘルメットを被り、「頼んだぞ」と一言残し、
ネットカフェに向かう為にバイクを発車させた。
「さて、がんばるの…ちょっとめんどくさいけど」
そう呟くが、実際は誰にも聞こえない。
自分の声が通じるのは、電波に乗ったときだけ。その事を彼女自身良く理解していたが、
一抹の寂しさが有った。
「うん、がんばるの…がんばってお仕事していれば、きっと…」
空を見上げながら、ジャック・オ・ランターンのぬいぐるみ「カボタン」の
手をぎゅっと握り締める。
「きっと、由依を殺した奴に会えるの」
その瞬間、彼女の顔は外見相応の可愛らしい表情を消した。
それは、幾度と無くその鎌を血に染めてきた、都市伝説に生きる悪霊「メリーさん」の
表情そのものだった。
喫茶店の有った商店街から少し離れた、多少木々が増えてきた道に、
とことこと歩くメリーの姿があった。
ポケットには切り取られたメモが二枚入っており、一枚目に「知りたいことがあるの。
おしえてくれませんか?」と書き、次のメモに「口さけ女の事ならなんでもいいの」
と書いてある。
恐らく小学生から聞ける話の九割九分は与太話だろう。でも、一分の真実が噂の中に
あるのなら、それに賭けなければならない。
意を決したところに、丁度、恐らく下校途中であろう小学生の集団が居た。
「ナイスタイミング…話を聞けるの」
メモの一枚目を手に握り、カボタンと共にメリーは彼らに駆け寄った。
「どうしたの?道に迷ったの?」
外見年齢はメリーより年上の少女が、メリーのメモを読み、そう聞いた。
そこで二枚目を見せたとたん、小学生の一団は物凄く騒がしくなった。
誰々が見た。誰々が知っている。何処何処に住んでいる。既に友達の友達が殺されている…
(騒々しいの…)
聖徳太子ではない彼女は、一度に三人の話を理解できれば良いほうである。
しかも、相手は小学生だ。よくわからない表現、急に飛ぶ話、多用される代名詞…
「ひとりずつおしえてほしいの」と、急いでメモに書き、見せると今度は
俺が、私が、僕が、いや私とさらにうるささを増した。
「左の子から言ってほしいの」と書いたメモを見せ、やっと集団は静かになった。
「あのさ、僕の友達から聞いたんだけど、そいつの友達がバス停近くの公園で見たんだって。何か、長い髪で、マフラーで口を隠してて、なにもしないでずっと子供を見てるだけだって」
「私のおねえちゃんの友達が、塾がえりに口裂け女を見たらしいんだけど、凄く臭かったんだって」
「俺の妹の知り合いが、あそこの竹林に口裂け女が入ってくのを見たんだって。で、そこの奥に口裂け女の家があるらしいよ」
「私の友達の…」
一人が何か言うと、わざわざ他の子が口を出していったん中断するものの、
意外と聞ける事は多かった。
が、その話の全てに共通することが、又聞き…都市伝説の基本となる「FOAF」で始まる話。
普通なら有益な情報は期待できない。
が、メリーには何か、これは真実が多数含まれているのでは、と感じるものがあった。
そう感じた理由の一つが、「地元の情報が多く含まれる」事。
都市伝説の類は、全国的な広がりを見せるため、余り地域を限定したことは言われない。
だが、彼らの話の中には「竹林の奥の廃屋」が幾度か出てきた。
調査する価値があるのでは、との結論を下すと、彼らに「ありがとうなの」と
書いたメモを見せ、ぺこりと礼をし、彼らの行く方向とは逆に駆け出していた。
彼らが背後を振り返ってずっと見送っていたなら、メリーの姿が徐々に薄くなり、
遂には消えてしまう瞬間を目にしただろう。
だが、彼らは幸いにも、先ほどの「口裂け女」の話題で持ちきりになり、メリーの
事などもう気にも留めていなかった。
彼らから少し離れた場所に公園が有り、メリーは其拠から
山神に電話を掛けることにした。
少し座席の高いベンチに腰掛け、すぐ隣にカボタンを置く。
「やまがみの電話番号、ぜろきゅーぜろのきゅーなな○○、××○○」
聞こえない言葉で電話番号を口の中で唱えた途端、彼女は電話機無しでその番号と繋がってしまう。
彼女が持ち合わせたのは、そういう能力。
「はい、山神」
「わたしなの。メリー。有力かも知れない情報を手に入れたの」
「そうか。俺もメールから口裂け関連のことを調べたが…結構分かった事が多い。」
「なら一旦何処かで落ち合うの。さっきの喫茶店…」
「喫茶店の駐車場で。もうパフェはおごらん」
「けち…なの。」
「ケチで結構。じゃあ、切るぞ」
「分かったの。待ってるの。がちゃん」
最後の一言で、繋がっていた「電話」は切られた。
「さて…行くの」
そう言ってベンチから降り、待ち合わせ場所に向かおうとした、その時。
辺りに、獣臭が立ち込めていた。
(…なんだか、野良犬の臭いがするの)
少し顔をしかめて、その臭いの元は何なのか、と周囲を見回したとき、そいつが目に入った。
腰まで伸ばした長い髪。
右手に携えた鎌。
目深に被った帽子。
口元全てを覆い隠すように巻かれたマフラー。
帽子とマフラーの間から覗く、鋭い目…
獣臭は、彼女から発されていた。
(…あれは、やばいの)
そして、彼女は…既に普通の人間には見えなくなっているメリーを、じっと見つめていた。
絵師の皆さん(お二方?)、
>>438さんGJです。
>>438さんのは、マリーさん?主人公の彼がどうなったのかちょっと気になりますねw
448 :
名無し:2006/02/15(水) 05:08:40 ID:Z5c9W/ZAO
カボチャさんGj
まったく、いいとこで切りましたねぇww
最近はカボチャさんのメリーに夢中です。「〜の。」てのがイイ。
449 :
誰いな:2006/02/15(水) 08:05:24 ID:0BYqi3Av0
>>名無し氏
ありがとう!
そしてGJ!!素敵ですねー
絵本の挿絵みたいな優しい雰囲気がすごくいいです。
>>カボチャ氏
メリーたん・・・(*´д`)ハァハァ
僕も名無し氏と同じくしゃべり方が好きですー
>>439 mixiに招待してくれる人が周りにいない・・・orz
>>449 捨てアド晒せば、捨てアドで入った人が招待してくれるかもです。
でも、その捨てアドが捨てられなくなると言うジレンマ付ですw
>>439 あったよ。
まとめサイトの人がやってるみたい。
強風の為、飛行機が・・・。帰れるかなぁ。
名無しさんのとか見たいのに・・・。
Lady氏、大丈夫か?
飛行機着陸成功、無事帰りました!
(行きは経由地着陸不成功、何故かその分の代金6400円還付、ラッキー!!)
名無しさん、ありがとう!妖精みたいやね!
ちなみに今回、時間あったのでヨーロッパの伝説調べてみたら、
「働きの悪い女性の腹を、おっきいナントカ鋏みで切り裂いて、
おなかに生ゴミ詰めて、背中の籠に放り込む」
ってのがありました(どういう故事なんだ?)。
エックハルトには「誠実な」という形容詞がつくそうです。
誰いな氏もGJ! 囚われのお姫様みたい、話が一本作れそう・・・。
カボチャさん、いいですねぇ〜!
口酒さん・・・あ、違う違う・・・口裂け女との対決・・・!
楽しみにしてまっせ!
>>454 ・・・ご心配をおかけしました。ありがとうございます。
456 :
誰いな:2006/02/15(水) 20:35:46 ID:BIVngYX50
Lady氏おつかれさまです!
ありがとうございます!
そう言ってもらえるとうれしいです
457 :
名無し:2006/02/15(水) 21:31:44 ID:Z5c9W/ZAO
Ladyさんおかえり。
絵については近い先、またリベンジするつもりなんで生暖かく見守っていてください。
魔女と‥誠実なエックハルトですか?枯れ木さんは実は紳士なんすか!?
とにかくお勤めご苦労っす。またマッタリやっていきましょうや。
>>457 森で迷ったり、悪霊に襲われたりしないように、先導してくれるそうです。
”getreur Eckhart” 別名もありますが、次章で使うかも知れませんので伏せます。
枯れ木のイメージや、目がないのは私の創作ですが、
木の枝を束ねた鞭を持ってる(いろんな説があります)そうです。
459 :
名無し:2006/02/15(水) 22:51:19 ID:Z5c9W/ZAO
なるほど、案内人ですか。
いいですねぇ。夜の森に迷い込んだ者を『案内』するわけですか…
俺も興味がそそられて下手に妄想しちまうところでしたが。
俺は次辺りか今作でメリーさんの館からめようか迷ってます。
お互いわくわくしますな。
おやおや、今日はやけに静かだな
静かでんな〜。
126さんあたり投下されないかしらねぇ?
462 :
誰いな:2006/02/16(木) 21:42:09 ID:jqcnctaS0
僕でよかったらネタ投下しますが〜
メリー関連で新しい話を仕入れてきたんですよ。
おもしろいかどうかはわかりませんがw
GO! GO! GO!
うしゃ〜!!!wktkで待機しときやす!!!
wktkで待ちます!
466 :
誰いな:2006/02/16(木) 22:12:27 ID:jqcnctaS0
いいのかな?w
というか、みんな知ってる話かもしれんのであしからずw
あとメリーは名前だけなのでスレ違いだったらすいませんorz
以下他サイトからのコピペ↓
あとですね。もう1つのメリーさんですが、それは幼稚園のメリーさんだったような
気がします(汗)確か、交通事故に合っちゃったんですね。それで、遺体の右の
小指がなかったそうなんです。それで、その話しを聞いたら、3日以内に夢に出て
くるんです。
メリーさんが、最初に現れて「私の小指探して欲しいの」っていうんだって。
それで、進むと扉があって右手で開かなきゃいけないんだそうです。
すると、道があってその先に行くと、首吊り自殺した年よりの男女がぶらさがって
いるんだけど、見ないで歩かなきゃ行けないの。見たらXらしい。さきに
進むと石に小指があって、それを左手で拾って右のポケットに入れる。
んで、帰る途中アレはないんですが、名前を呼ばれるんですよ。でも、振り向いちゃ
いけません。戻れなくなるらしいです。すると、また、扉があるから、それを
左手で開ける。そしたら、終わり。で、メリーさんがいるからメリーさんに
どっちでもいいから、小指を渡す。そして、成仏してくださいって言わないと
いけないらしいですw
↑ここまで
467 :
誰いな:2006/02/16(木) 22:13:34 ID:jqcnctaS0
・・・という話です。
僕自身、この話を子供のころに聞いたことがあって、
いままで忘れてたんですがこれ見て思い出しましたw
話のオチは、よくある子供だましの
『創文是』なんですが、聞いたときはかなりあせりましたねーw
話の元ネタも「エミリーの赤い手袋」ではなく
カシマさんなどの都市伝説の集まったもので、
比較的新しいメリーなのではないかと思います。
468 :
名無し:2006/02/16(木) 22:15:13 ID:/sNp3ZdoO
新しい波がきた!
俺も続き投下できればな...。もう何度書き直してる事やらorz
469 :
誰いな:2006/02/16(木) 22:28:39 ID:jqcnctaS0
>>名無し氏
名無し氏のツンツンメリーが恋しいです(´・ω・`)
470 :
誰いな:2006/02/16(木) 22:35:15 ID:jqcnctaS0
あっそうだ
>>450 捨てアドを晒して
そのアドレスに招待メールを送ってもらう
っていうことでいいんですか?
あ、何かこれは聞いたことがある気がするな。
つーかぬーべーの「ブキミちゃん」を同時に思い出した。
俺も投下に続きたいんだが、やはり書いては直し、書いては直しを繰り返してる。
472 :
誰いな:2006/02/16(木) 22:45:05 ID:jqcnctaS0
連投スマソorz
>>カボチャ氏
どっちが元ネタなんでしょうね?
ぬーべーの連載時期と
僕が話を聞いた時期とを考えても微妙なんですよねw
僕の年がばれてしまうwww
>>466 ・・・やべぇ、Lady メリー第五章の下書きの出足と
そっくりだ・・・。
書き直さなければいけないのか〜・・・。 orz
抜粋
「何もない空間に、壁もなく、ただ単に無数の扉が現れたのである。
・・・メリーは首をかしげ、手近な扉を開けようと試みた。扉の取っ手に手をかけた瞬間、」
確か、ブキミちゃんより前に緑色と赤色の表紙の「学校の怪談(だったかな?)」て本に、
「右手で扉を開け左手で閉める」系の話が有ったと思います。
それの主人公?がメリーさんだったかどうかは今一ハッキリしませんが、やはり小指を探しに行く類の話でしたね。
正直あの緑と赤の表紙の奴は、怪談系の本の中でもズバ抜けて怖かった…
475 :
誰いな:2006/02/16(木) 23:04:03 ID:jqcnctaS0
>>Lady氏
あちゃ〜・・・余計なことしちゃいましたねorz
>>カボチャ氏
おぉ、それは初耳です。
やっぱり色々な都市伝説が混ざったものなんですかね〜
いや、気にしないでくだされ。
調べられなかった私の問題ですねん。
・・・しかし、知っててネタに使うのと、
知らないでかぶっちまたったのは、
全然、自己満足度が変わるなぁ・・・。
・・・しかし書き直すのも面倒だ、みんな忘れた頃に再開するか。
もう30話ぐらい、溜まってる気がする・・・。
しかもまだ、先が見えない。
かぶってるのが扉っていう部分だけなら、
そんなに気にすることもないんじゃないかな?
>>477 ・・・そうか、そうだよね!
・・・じゃあ、後はみんな忘れてね〜!
>>Ladyメリー氏
>>477さんの言うとおり、気にしなくて良いでしょ。
逆に考えれば、Ladyメリー氏の思考がそれだけ無意識にメリーに近づいた証じゃないかとw
482 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/17(金) 08:27:10 ID:d9PiepW/0
126は消えたのか?
だれか召還してくれよ、続きが気になって仕方がない。
メリーの小指の話は『親指さがし』という小説の内容と似てますね。
…とゆうか小説の元ネタがその小指の話っぽい。
>>482 l^丶
| '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ
《 ` ∀ ´ ,:' くとぅるう126
(丶 (丶 ミ いあ いあ
(( ミ ;': ハ,_,ハ ハ,_,ハ
;: ミ 《`∀´》 《`∀´》, ,
`:; ,:' c c.ミ' c c.ミ
U"゙'''~"^'丶) u''゙"J u''゙"J
/^l
,―-y'"'~"゙´ | それ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ヽ ` ∀ ´ ゙':
ミ .,/) 、/) いあ いあ
゙, "' ´''ミ ハ,_,ハ ハ,_,ハ
(( ミ ;:' ,:' `∀´》 ,:' `∀´》
'; 彡 :: っ ,っ :: っ ,っ
(/~"゙''´~"U ι''"゙''u ι''"゙''u
485 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/17(金) 11:57:14 ID:d9PiepW/0
スレアンカー
---------------------------
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797◇52番目>799】
---------------------------
【53番目から70番までは>404】
【71番目>405◇72番目>407】
73番目←いまここ
486 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/17(金) 11:57:47 ID:d9PiepW/0
73番目
俺の中の混乱は、ゆっくりと収まっていった。頭がすっきりしていくのと同時に胸が熱くなってくるの
がわかった。
ヤバイ・・・。なきそうだ。もう二度と会えないと思っていたものに会えたような錯覚。
いや、実際に俺は一度あの妄想の中で、人生を一回分メリーとともに過ごし、そして、死んだ。
メリーはじっと俺の方を見ていた。そして、微笑みながら、うなづいた。
そうなんだ。俺は、自分の思いが伝わらぬまま死んで行った。死んでなお、メリーの事を見守るような
存在として、メリーのすぐそばに飛んで・・・。
メリー・・・。本当の今ここにいるメリーが、俺の愛したメリーが、俺の手の届くところにいる。
俺の視界が、ゆがんでいた。泣くまいと思っても、どんどんとあふれ出す涙。
ぼやけた視界の向こうでメリーが動く。俺の太ももが軽くなる。
どうやらメリーが立ち上がったみたいだ。
ふわっ・・・
一瞬にして何かに包まれた。白くてやわらかい感触・・・。
「本当にありがとう。もうね、知ってるの。あなたが何故私を呼んだのか、私を呼ばなければ成らなか
ったのか。そして、どうしたかったのか。」
俺は、この小さな少女に包まれて抱かれていることに、とてつもない安心感を感じていた。
「だからね、本当は無理して言わなくてもいいんだよ。でも・・・」
俺の頭の上にメリーのほっぺたがピトッと乗っかってくる。
「でもね・・・。何回でも聞きたいんだよ。あなたの優しい言葉、とても・・・うれしい言葉」
俺は大きく息を吸い込んだ。何度でも聞かせてやるよ。
そうだ、俺はそのためにあの妄想の中から戻ってきたんだ。
黒いものに操られないために、
やつの思い通りになんかさせないために、
メリーを大切にしてやるために、
それが当たり前だと、当たり前のことなんだと、メリーに伝えるために・・・。
「メリー・・・」
俺は、メリーの腕に抱かれたまま、言った。
「メリー、大好きだ」
つづく
Ladyさんに召還されてやってまいりましたwww。
すいません。。。
うちの奥さんが、早く書けと・・やいやい言うものですから。。。
(>482はうちの奥様です・・・)
身内で本当にすいません。
というわけで一つだけですが・・・すいません・・・。
いまから授業参観に行ってきますwww
>>126、GJ!!
あいかわらず、かわいいじゃないか。
奥さんがファンだなんて、すばらしい、うらやましい、ねたましい!
漏れは、126奥さんのファンになるとしよう。
>484
Lady師は、粋なことをしますねw
しかもめちゃかわいいです。
>126
麻子さんは、放置プレイなのでしょうか?
麻子さん、活躍してほしいです。
>>126嫁に(´Д`;)ハァハァ
126が1人で授業参観に行ってるのなら、今がチャンスだ!
>>491 とりあえず、126嫁にコテハンとトリップ用意してもらおう
話はそれからだ
>>491-492チョwwwオマイラwww
Lady氏といい、それにきっかり召喚される126パパといい126ヨメといい
>>491-492といいメリータソといい…
オマイ等可愛すぎですよwww
>>126氏gj!Lady氏もgjw
召還成功・・・って身内かいな!?
全くもう〜!
>>481 近づいてるのね・・・? うれしいような、恐ろしいような・・・。
>>490 相変わらずコピペですが、これ本物じゃないよなぁ・・・。
どうみても、クトゥルーじゃなくて、ニダー召還だよなぁ・・・。
「にだ! にだ! のむひょん! ぱんハムはさむニダ!」
ところで126さんに質問です。
126さんて、ストーリーこの先も全部、完成し終わって投下してる?
それとも、いきあたりばったりでやってます?
同じ書き手としてすごく興味があるんで、良かったらお答えくださいませ。
質問が質問ナンで、答えたくなければスルーで結構です。
「分かってるんだろ?姿を見せなよ」
そいつは、メリーの居る…『誰も居ないように見える空間』に向かって、
早足で近づきながら声を掛けた。
一瞬空気が揺らぎ、メリーの姿が具現化する。
「よぉしよし…さて、筆談で良いから答えな。あんた、一体私のこと調べてどうする積もり?」
(やっぱり、こいつが口裂け女なの…?)
「リダイヤル。」
鎌とカボタンを一旦手元から消し、ポケットからメモを取り出しながら相手には聞こえない声でそう呟く。
「はい、山神」
コール音一回が途方も無く長く思えたが、幸いにも山神はすぐに電話に出てくれた。
(バイクに乗ってたらどうしようかと思ったの…)
「口裂け女が出たの。喫茶店近くの竹林の側の公園。急いで来て欲しいの」
「!?分かった、すぐ行く!!」
喋りながら書き終えたメモには、「小学生があなたを見たと言ってるの。私はその調査に来たの」と書き記されていた。
すぐ目の前に立ったそいつに、そのメモを渡す。
(今は、逆らわないほうが良いの…)
「…ふぅん。で、私を見つけてどうするの?」
メモに目を通し、そいつはメリーに聞いた。
(急いで…早く来て欲しいの…)
「人に害なす存在なら殺すの」
「殺す、か…。なら、既に私は餓鬼一人殺してる…。なら、どうするんだい?」
マフラーでも覆いきれない唇の端が吊り上る。
そいつ…口裂け女は、笑っていた。
鎌を持つ手に、力が入っているのが見て取れた。
だが、メリーはメモに、一言、はっきりとこう書き記した。
「殺すの」
それを見るや否や、口裂け女が鎌を地面と平行に振るった。
間一髪でその斬撃をしゃがんで躱し、ポケットにメモとペンを仕舞うと、鎌を出現させてしっかりと両手で握った。
「殺せるものなら殺してみなッ!糞餓鬼ッ!!」
口裂け女が、全体重を乗せた振り下ろしの一撃を放つ。
二歩後ろに退がって躱すが、避け切れなかった前髪が数本、宙を舞った。
(速いの…!)
「どうしたんだい!?私を殺すんだろう!?」
ひゅん、ひゅんと空気を切り裂く斬撃を辛うじて全て躱しながら、メリーは反撃の機会を待つ。
だが、反撃の機会はおろか、躱しきる事も辛くなり、遂には防御に徹するしかなくなった。
(人間の、速度じゃ無いの!)
鎌の先端を、鎌の峰で器用に逸らし、致命傷を避けるが、細かい切り傷はメリーの身体に少しずつ刻まれる。
(もう少し…、もう少し待てば…使えるの!!)
既に半分程度日は沈み、周囲は紅の色に染まっている。
「ちぃぃっ!!!」
思うように攻撃が入らない口裂け女は、苛立ったように鎌を大きく振りかぶる。
メリーは、その一瞬の機会を見逃さず、鎌を使わず肩から口裂け女の鳩尾にぶつかって行く。
「ぐぅっ!!!」
一瞬口裂け女がよろめく。
畳み掛けるように、メリーが鎌を振るう。
飛びのいて躱そうとするが、一瞬反応が遅れ、メリーの鎌は口裂け女の腹部を僅かに裂いた。
「…やったわね、餓鬼」
紅く燃える、怒りと殺気に満ちた目で、口裂け女はメリーを睨んだ。
肩で息をしながら、メリーはその視線を真っ向から睨み返す。
「ぁぁぁぁぁあああああああああっ!!!!」
叫び声をあげながら、口裂け女がメリーに飛び掛る。
「カボタン!!!」
何も無い空間から、ジャック・オ・ランターンのぬいぐるみが出現し…
口裂け女の、鎌を受け止めた。
突如出現した闖入者に、口裂け女は驚愕の表情を隠せなかった。
「なっ…!?」
「Hey,Lady.驚いた顔で俺を見るなよ!俺の名前はカボタンさ!正しい名前は有るっちゃ有るんだが、マスター・メリーにつけてもらった名前はこいつなんでね。ま、カボタンと呼んでくれりゃ良いぜ!」
ふわふわと宙に浮きながら鎌を掴んだまま、カボタンは饒舌にそう喋る。
「何だ、こいつは…ッ!?」
「何だとは失礼だな。今も言ったろ、俺はカボタン。光が苦手なんで、太陽が沈んでからしか出られねぇシャイなメリーの使い魔さ!マスター・メリーガール。どうするんだい!?」
「食い止めて欲しいの、カボタン!」
メリーの声は、口裂け女には聞こえなかったが、確かにカボタンには届いた。
「OK,マスター・メリーガール。命令を受け取ったぜ!」
メリーの手に有った鎌が、いつのまにかカボタンの手に握られていて、一方の手で鎌を受け止めながら、口裂け女に切りつけた。
「っのぉ…ぬいぐるみ風情がッ!!!」
強烈な蹴りがカボタンの頭部に叩きこまれ、口裂け女の鎌の拘束が解ける。
それを見逃さず、口裂け女は鎌を引き抜き、振り上げた。
「っとお、良い蹴りして…っぐぅっ!!!」
素早い斬撃が、カボタンの頭部を切り裂く。
「カボタン!!」
「大丈夫さ、メリーガールッ!カボタンはこの程度じゃやられねっ!!?」
またもや強烈な蹴りが、今度は腹部に叩きこまれ、カボタンは吹き飛んだ。
公園の木に叩きつけられ、カートゥーンの様に木にめり込む。
「か、カボタンッ!」
「ワリぃ、ミスっちまったぜ、マスター・メリーガール…抜けられそうにねぇ…」
木に埋まったまま、カボタンはそう言って、がくり、と首が折れた。
「良い気になるなよ、小娘とぬいぐるみ如きが…ッ!」
「お前こそいい気になるな」
背後からの声の直後、口裂け女の背に強烈な衝撃が走り、耐え切れずに地面に転がった。
「カボタン、任務終了なの…」
「…良いのかい、マスター・メリーガール」
首をむくりと起こして、カボタンがメリーに聞いた。
「うん…良いの。」
口裂け女の背を蹴ったのは、紛れも無く、メリーの良く知った顔の男。
「山神が到着したから、もう良いの」
刀を携えた山神が、口裂け女を見下ろして立っていた。
とりあえず今回はLadyメリー氏の126氏召還の為のニダーによるクトゥルー召還っぽいダンスにモエスwww
て言うか、何か此処の住人はみんなほのぼのしてて可愛いなwww
500 :
名無し:2006/02/18(土) 04:37:26 ID:Lp7s/BXtO
おお...
カボチャさん白熱のバトルですな。ワクワクしました!Gjです。
126さんもGjです。色々私生活は忙しそうですな。ゆっくりでもwktkしながら待ってますよ。俺はリアルに首長いんで。うぃ。
んで余裕に500ゲット
お早うございます。
カボチャ様〜
GJでございます。好きだわ〜この展開。
カボタンかこいい〜。「マスター・メリーガール」と言うのも、いいですね。
「カボタン」を「力(ちから)ボタン」と読んで、
「お、加速装置みたいなものか?」と思っていたのは、内緒…。
ますますワクテカ〜。
名無しさん、ありがとう。
がんばります。名無しさんもがんばってくださいね。期待してまっていますよ。
Ladyさん。すいません。身内でした。
今度から「126ヨメ」とでも名のってから書き込めと言いきかせました。
昨日の会話。
ヨメ「Ladyさんが召喚してくれているよ」
ボク「ま、まじ?(汗)」
…………
ボク「この上の書き込み、奥さんではないですか?」
…………
(いつのまにか仕事に行ってしまった…)
……ま、またですか…。
皆さんにも、本当にご迷惑をおかけしました。
あと、うちの奥さんに萌えないでくださいwwww
あと、Ladyさんの質問ですが、全てがかきおわってはいません。
構成と言うか、流れは出来ているのですが、書けたものをアップしている状況です。
「いきあたりばったり」と言われたら、そのとおりですね……。
カボチャさん・・・
/ ̄ ̄ ̄フ\ _ ノ^)
// ̄フ / \ .//\ ./ /
// ∠/ ___\___ __// \ / (___
// ̄ ̄ ̄フ /_ .//_ //_ / \./ (_(__)
// ̄フ / ̄//////////// | (_(__)
/∠_/./ ./∠///∠///∠// ∧ ∧ /) (_(__)
∠___,,,__/ .∠__/∠__/∠__/ (´ー` ( ( (_(___)
\ \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \ _ /⌒ `´ 人___ソ
\ \ \フ / ̄\ \ .//\ //\ / 人 l 彡ノ \
\ _ \//___\/∠_ // < Y ヽ ヽ (. \
//\///_ //_ /// 入├'" ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
// //.////////∠/ ヽ-i ヽ__ ヽ
/∠_//./∠///∠// .\\ `リノ ヽ |\ ヽ
∠____/.∠__/∠__/∠フ\.\\ c;_,;....ノ ヾノヽ__ノ
126さん、回答ありがとさんです。
いや、第五章を書くにあたって、ラストは、もう頭の中ではできてるのだけど、
クライマックスシーンができていなくて・・・。
そんな中途半端な状況で、スタートさせて良いものか悩んでいたのです。
やはり、じっくりやろうかな・・・。
Ladyさん。
うーん。ファンとしては、一刻も早く読みたい。
けど書き手としたら、なっとくしないと出せないだろうなとも思うだろう気持ちもわかります。
じっくりでいいと思いますよ。
ファンとしては、ジラされるくらいのほうが感動も大きいかもって思ったりもしますから。
ぼくのほうは、まだ先が長いので、ぼちぼちいきますね。
「遅くなったな…すまない」
「全く、もうちょっとで殺されるところだったの」
言葉は伝わらないが、メリーが頬を膨らませたのを見て読み取ったのか、山神は苦笑した。
「オイ、Mr.山神!俺を助けてくれよ!埋まっちまって動きゃしねぇ!」
「後で、な…」
「後で!?酷ぇよ!この鬼畜!人非人!極悪非ど…」
ぎゃあぎゃあと騒ぐカボタンの台詞は、幽鬼の如く立ちあがった口裂け女を見た瞬間に途絶えた。
「…オイオイオイオイ、Mr.山神の一撃をくらっても立ちあがるのかよ…」
カボタンが、呆れたように呟く。
その言葉は山神の心境を代弁していた。
マフラーは既に首から外れ、辛うじて肩に引っかかっている。
その結果、名を表す耳までばっくりと裂けた口が、露出していた。
「やって、くれたわね…」
灼熱を帯びた瞳が、睨むだけで相手を殺せそうな殺意を持って山神に襲いかかった。
だが、その視線を軽く流し、刀の鞘でとんとんと肩を叩いた。
「ま、あの程度で倒れてくれるってのは甘かったか…。流石は、狗神憑き、てところか…?」
「!?貴様、私の人払いの結界に入るだけでなく、其拠まで知っているのか…」
口裂け女は、狼狽した表情を見せるが、対照的にメリーはきょとんとした顔をしていた。
「狗神…?」
「動物神信仰の一つだな。日本じゃコックリさんという名の元になるほど、
狐、狗、狸はメジャーだぜ、マスター・メリーガール」
「そ、それくらい知ってるの…」
カボタンの補足に、口を尖らせて知った振りをするが、知らなかったのは明らかで。
「やはり狗神か…前例で数件『狗神の呪』てのが出てたからな…でも、お前は呪われたようには見えない。
それどころか、人間を超越した身体能力を持つ。ならば、狗神を憑かせているのでは、と思っただけだ…」
紀野国からのメールには、更に『地獄先生○〜べ〜でも読めば?』との補足があったのは、絶対に内緒だった。
「其拠まで知っているなら、分かるだろう?人間じゃ、私は倒せないってことを…」
口裂け女の鎌を握る手に、一層の力が加わる。
「だろうな。」
山神が、スーツを脱ぎ、地面に投げる。
「だから、この件の担当が、俺でよかった」
「何…?」
くき、と首を鳴らす山神を見て、口裂け女は不思議そうな表情を見せるが、
メリーとカボタンは少し嬉しそうな顔をしていた。
「ひさびさに、見れるの。」
「オイオイオイオイオイ、アレをやるのかよ、Mr.山神…」
刀を抜くと同時に、山神の肉体が変化した。
腕の筋肉が巨大化し、シャツが破れて肌が露出する。
背が膨らんだかと思うと、シャツを突き破って翼が出現する。
鋭く尖った嘴が生える。晒された肌の色は、全て漆黒の黒に覆われていた。
山神が姿を変えたそれは、一匹の烏天狗だった。
「何よ、それ…!?あんたも、人間を止めた人間だって言うの!?」
「違うな。」
山神の身体が、口裂け女の目の前から消えた。
「俺は、人間に化けた妖怪だ」
その声は、口裂け女の背後から聞こえた。
瞬時に状況を理解、反応し、身体を捻って危機を回避しようとするが、山神の刺突が口裂け女の脇腹を抉った。
「ぐっ!」
距離を取ろうとして振り向きざまに放った鎌の一撃を左手で易々と受け止め、柄を掴んだ。
「残念だな」
相手の動きを封じながら、右手で刀を振るう。
斬撃は、口裂け女の左肩から右脇腹までを、深深と切り裂いた。
「…え?」
「終わりだ」
密着状態からの刺突。
刀は、容赦無く心臓の有る個所を貫いた。
「あ、あ…」
刀を抜き、血を軽く払い、鞘に刀を収めると、山神の肉体は人間に戻った…否、
人間に「化けた」と言う方が正しいだろう。
「止めをささなくて良いのかい、Mr.山神?」
木から出してもらう為に近づいてきた山神に、カボタンは聞いた。
「問題無い…じきに死ぬ」
だが、その言葉とは逆に、口裂け女は駆け出した。
公園の、出口の方向に。
「追うの!カボタン」
「応よっ!!」
「あ、こらッ!」
山神は、それを追う二人を見送る事しか出来なかった。
既に周囲に闇は深まり、夕暮れから夜に殆ど変化していたからだ。
烏天狗である山神の目…その目は、鳥目であった。
人間に変化して多少マシになるとはいえ、余程の光が無い限り、行きは兎も角、
帰りには何も見えなくなっているだろうから。
>>126さん
力(ちから)ボタンにちょっと笑いましたwww
小学校のとき音楽の時間に「カ(蚊)が飛んできたぞ」って歌詞を「ちからが飛んできたぞ」と
読んだのを思い出したwww
>>Ladyさん
じっくりでもいいですよ。wktkしながら待ってます〜
, ;,勹
ノノ `'ミ
/ y ,,,,, ,,, ミ
/ 彡 `゚ ゚' l 天狗と聞いて飛んできました
〃 彡 "二二つ
| 彡 ~~~~ミ
,-‐― |ll 川| ll || ll|ミ―-、
/ |ll | ヽ
/ z W`丶ノW ヽ
/ \\ / / |
/ 天 \`i / / 狗 |
おかげさまでクライマックス乗り切ったわ・・・。
あとはエンディング・・・、
ま、今やってるのは下書きの下書きなんで、
後、編集やら構成やらがまた大変なので先は長いざます。
511 :
誰いな:2006/02/19(日) 13:03:01 ID:lM6AwOjJ0
>>Ladyメリー氏
ちょwww天狗の祟りじゃwwww
おぉ、次作楽しみにしてます。
wktkして行儀良く待ちますので、どうぞゆるりと完成させて下さい。
>>誰いな氏
お褒めの言葉ありがとうございます。
イラストは…ツンデレメリー!?マジ萌えた。GJ!!
ぬ〜べ〜わろす
おかげさまで、下下書き、エンディングも書き終えました。
単語、呼び名、セリフの統一、文章チェック、などの
下書きの作業に入ってます。うpはもうじきです。
・・・月末に引越しだというのに何をやってるんだか・・・。
で、それまでに、前にチラと言及した・・・とあるルポライターさんの話はいかがでしょうか?
自己評価ではニコラ爺さんの話より、少しランクが下がりますが。
キャラ設定は本編とあんまり変わってませんが、微妙にティストや能力が違います。
本編第五章を読まれる前にいかがでござりましょうか?
もちろん、メリーの話となるべく矛盾しないようにある程度細かい部分は書き直してありますが、
別世界の物語です。うp日数は三日間で済みます。
お風呂入ってきます。
かぼちゃさん!
よいよい!
仕事中なんだけどね、書かずにいられないぐらいGJGJ!
うんうん。また感想ゆっくり書くね!
誰いなさん・・・おおお!つんでれー。
ボクにも、くださいwww
Ladyさん!わくてかー
ルポライターさんのお話よみたいー!
てなわけで仕事に戻ります
wkwktktk
wktk wktk wktk
○ヽ(o゚ω゚o)ノ゙プニプニ!プニプニ!
(とりあえずみなさん肉まんでもドゾー)
すいません、外伝はこれで最後にしますね。
この話はオカルト色を強くしたつもりでした。
面白くなければ、コメントしなくて結構ですので・・・。
(・・・と、お願いしますよ、みんなやってもらってるんですから・・・
ええ? ・・・そこを何とか・・・、 ヒィッ! ・・・は、はい・・・結構です・・・。)
すいません、いつものオープニングですが、東京都Y・I さん(主婦)に拒否されてしまいました。
・・・とりあえず、始まります・・・。
Lady メリー外伝「白いリリス」第一話
わたしがあれを最初に見たのは三月の終わりごろだった。
あの事件は世界各地で既に始まっていたし、この日本でも先月ぐらいから話題になっていた。
東京のど真ん中で、若いサラリーマンが車の中で全身の骨を砕かれて死んでいたのである。
凶器や手がかりになるものは何一つ残らず、
ただ、最初の発見者が、死体の周りに緑色のもやがたちこめているのを目撃する・・・、
それだけがどの事件にも共通する特徴だった。
わたしの名は伊藤。ある出版社の雑誌の編集員だ。
ちょうど、私はこの事件の担当を任されるはめになったのである。
最初は軽い気持ちだった、
どうせ、こんなわけの分らない出来事は、警察かどこかが真相を解明するまで、
非科学的だろうが何だろうがおもしろおかしく書いて、
読者を震え上がらせてみせれば上出来なのだから・・・。
しかしまさかこんな事になるとは、わたしには予想すらできなかった・・・。
・・・あれは靖国通りを市ヶ谷方面へ歩いていた時だった。
交差点で信号待ちをしていると、大きなクラクションの音が耳に響いた。
一台の車が、信号が青にもかかわらず、いつまで経っても発車せず、
しかもそれどころか、クラクションの音にも何の反応も見せてないのだ。
(何やってんだ、さっさと動いてあのやかましいのを止めてくれよ・・・。)
そう思ってたら様子が変わってきた。
後ろの車のタクシーの運転手が、血相を変えて飛び出してきたのだ。
それにつられてか、周りの車のドライバー達も慌てて集まり始めたので、
私も記者の本分たる野次馬根性をいかんなく発揮することにした。
手帳とペンを片手にすでに集まった人波をかきわけ、車の中をぐぐっと覗きこんだのだ。
・・・その男は、ハンドルの上にカラダをもたれかけていた・・・。
どういうわけか、助手席のドアロックはかかっていなかったようだ。
タクシーの運転手はドアを開けたとき、何か喋ろうとしていたようだが、
口を開いた直後カラダを硬直させた。
車の中からは、あの、緑色をしたガス状のものが噴出していたからである・・・。
第二話
私も側にいた者たち同様、逃げ出そうとしたが、
それに触れてみたいという、抵抗しがたい衝動に駆られ、ゆっくりと手を伸ばした・・・。
・・・熱も冷気も感じることはなく、手にも異常が起きているふうでもなかった。
緑色の気体は、やがて大気中に拡がり、
それが痕跡していたという証拠すら残さず消えていった。
ただ・・・、何か一種独特な、懐かしくさえ感じるような不思議な匂いだけが残っていた。
ふと我に返ると、
うっぷしていた男の顔が目に入った。
その時、私の全身に寒気が走った。
何故ならその男の顔は、まるで蝋人形のように白くなっていたからである。
後で分ったことだが、何らかの方法でカラダじゅうの血液を一滴残らず吸い取られていたそうだ。
首筋に二つの傷跡を残して・・・。
塞がなければ・・・、早く何とかしないと、あの小さくぬめぬめした生き物が・・・、
誰か・・・、 ああ早く!
奴らが今にも這いずり出てこようとしている。
大きな暗闇の中は何千匹もの黒いものがウジャウジャ湧き出して、
物凄い勢いで登ってきている・・・。
私には見ているだけで何もできない、
・・・ああ、あいつら出てくるッ!
「あなた、・・・あなたってば! 早く起きなさい、会社遅れるわよ?」
「・・・え? ああ ゆ、夢か、朝から気分悪いもの見ちゃったなあ・・・、
おはよう百合子。」
実際、あの事件を目撃してからというもの、神経がピリピリしていて、
何をやるにしても清々しい気分になることはなかった・・・。
「恐い夢でも見たの?」
「ん・・・とても大きい穴があったんだ、真っ暗で足を踏み外して落ちようものなら、
穴の底でカラダが腐って・・・、
自分の目には映らないのにどんどん醜い手足になっていくのが分るんだ・・・。」
第三話
「・・・おれはその身の毛もよだつような恐ろしさのあまり動くこともできなかった・・・。
ところが、穴の奥には何かが動いているんだ、・・・それもたくさん・・・。
湿っていて・・・、冷たくて・・・、汚らしくって・・・。
そいつらが群れをなして襲ってきたんだ、
だから・・・! え・・・?」
話の途中で妻は時計を見せてくれた、確かに寝ぼけている場合じゃない。
なかば追い出されるような感じで私は家を出て行った。
会社では事件からもう三日たつというのに、まだあの事を口にする奴がいる。
もっとも、事件の担当の記者が直接遭遇したのだから無理はないが・・・。
一緒に今度の事件を担当した同僚もお手上げの状態だったが、
とりあえず締め切りまでには、
「緑の恐怖! 妻子ある若き男性、謎の連続変死体!!」
と題する記事ができた。
それからしばらくたったある日のことだ。
虫の知らせというのだろうか、気分が悪くなり、
早めに会社を切り上げて帰って来た事があった。
家には鍵がかかっていた。 百合子は外出しているのだろうか?
鍵を取り出しドアを開けた。
その瞬間、例えようもない衝撃が私の全身に走った。
・・・そこにはあの、緑のもやが充満していたのだ!
私はこの世の破滅が来たような気がした。
猛悪な地縛霊にでも獲り憑かれてしまったかのように、絶望と恐怖で足を動かすこともできない。
・・・待て、声だ、声が聞こえるぞ、
かすかな声だったが、紛れもない百合子の声だ。
・・・そしてさらに、気味の悪い老婆のような声が聞こえていた・・・。
私は勇気を奮い起こし、あらん限りの大声で叫んだ。
恐慌状態はカラダの重さを無にし、自分の身の危険を顧みず、
声の聞こえてくる部屋の扉を開けた・・・。
第四話
・・・だが、そこには誰もいなかった。
ただ、周りと同様、緑色の気体が立ち込めているだけだったのだ・・・。
隣の部屋では、四つになる娘の麻衣が、いつものように幼稚園から帰って、
ベッドの上で昼寝をしていた。
体を揺すって起こしてみたが、何を聞いても、
「ぜんぜんしんない」
と、不機嫌そうに答えるだけだった。
わかったわかった、起こしたのは悪かったから・・・。
そのあいだ、例の気体はいつのまにか、空気中に溶け込んで消えてしまっていた。
「あら? 何で鍵が開いているの? 麻衣? 麻衣ー!?」
玄関で百合子の声が聞こえた。
私は彼女の、「何でこんなに早く家に帰ってきたの?」 という問いを無視し、
先程の異常な体験を、一息もつかず一気に説明した・・・。
私の言葉を信じていないことは、彼女の目がはっきり告げていた。
緑のもやというのが、胡散臭かったらしい・・・。
しばらく沈黙が続いていたが、辛うじて話題を変えることに成功した。
「どこ行ってたんだ、子供を置いて・・・?」
スーパーのビニール袋を見せながら彼女は答えた。
「今日はお肉の特売日なの、麻衣だっていつもこの時間は眠ってるもの、
起きる時間も決まってるから、それまでにはいつも帰ってるわ、
毎日、買い物に行く時はだいたいこの時間よ。」
私の頭には、例の殺人事件が浮かび上がっていた。
この時は、とにかく万一のことが無いよう、妻に注意するだけで精一杯だった。
こんな事件が起こってからというもの、仕事を口実に今まで起きた一連の事件を、
詳しく調べなおすことにした。
前に殺された会社員の家にも、私が遭遇した緑の霧は発生したのであろうか?
遺族に会うのは初めてだが、何となく気が進まなかった。
心の中で、理由は分らないが何かが引きとめるのだ、
あの家には行くなと・・・。
☆ 今日はここまでです。
なお、この話にでてくる殺人事件は、
>>204でマーゴに報告させています。
また、後に述べる事となりますが、
今回、この話を投下したのは、メリー第五章の登場人物に対する皆様のイメージに、
奥行きを持たせるためです。(第五章に誰が出るかは、分ってくれますね?)
この物語に不満を持つ方は、その分第五章に期待してくださいませ。
では!
うはぁ!!!先が激しく気になるじゃないの!!!
続き早くキボンヌ
こりゃ〜第五章も今からwktkだね〜
(´・∀・)(・∀・`)ネー
(´・∀・)(・∀・`)ネー
・・・さっきまで・・・、
犬 「コメント、なんもないっすよ! やっぱり面白くないんですよ!」
うりぃ「・・・ホンマやな、これで支持者ガタ落ちやで!」
犬 「大丈夫っすかね? これでラストまで行ったら・・・!」
うりぃ「クレームの嵐やろな・・・。」
犬 「・・・うひゃぁ〜・・・。」
・・・て書くとこでした。
>>525 ありがとう! 126さん、ありがとう!!
>>Ladyメリー氏
グッジョブです!
今読んで返事遅れたんで悲観しないで下さい!
忙しくて、コメントかけなかったんだけど、おもしろいよ!
がんばって。
カボチャさん、126さん、あじがとう、
いや、ほんと、別にコメントなくても大丈夫す。
たんたんと、投下します。
それより、皆さんも作品うp!!
第五話
何だろう?
目的の家の近くで不審な少年を見かけた。
小柄なカラダで、襟までかかるきれいな髪をした少年は、
家の入り口をうろついたり、窓を覗こうとしていた。
私が近づくと、彼も私に気づいたようだ。
彼に話しかけてみようとしたが、その瞬間私は息を飲んだ。
・・・後ろからだと、体型から男だろうと思えたのだが、
その顔は、女性と判別がつかないほどに美しかったのだ。
こんな綺麗な顔をした少年には今まで出会ったことはない・・・。
戸惑いを見せていた私に、彼は笑みを浮かべて話しかけてきた、
まるで私の心を覗いたかのように・・・。
「いやあ、怪しいものじゃありませんよ。
ただ、ここの奥さんが気になりましてね・・・、
それというのもホラ、あの連続殺人事件あるでしょう?
緑のもやに包まれるっていうの。
知ってます?
この家の人だけでなく、一連の事件の被害者の奥さんは、
決まって子供の頃、行方不明になったり神隠しに遭ったりしてるんですよ。
初耳でしょう・・・?
あなたはこの家に用があるんでしょう?
気をつけてくださいね、
何せあなたの顔には死相が出ているんですから・・・。」
不気味な言葉を残してその少年は去っていった・・・。
私はまともに問い返す事もできなかった。
どう見ても17,8の少年だったが、こちらの全てを見透かしているような・・・。
また、不思議なことにどう見てもおとなしそうな彼の雰囲気に、私は怖れを感じていたからだ。
まるで彼には、神か精霊のような荘厳さがあったのだ。
それにしてもどういう事だろう? 被害者の妻が・・・?
少年が言ったことは、私には不思議な真実味があるように思われた・・・。
第六話
その家ではこれといった情報は何も得られなかった。
しかし、この未亡人と話している間、先程の少年の言ったことがずっと気になっていた。
果てして聞いて良いものだろうか、黙っているべきだろうか?
いいや、構うものか、どうせクチバシの黄色い高校生のたわ言だ、尋ねてまずいということはあるまい。
「失礼ですが奥さん、あなたは幼少のころ、神隠しに遭ったことはないですか?」
その時である。
それまで穏やかだった彼女の顔が、見る見る変化を遂げ、恐ろしい形相に変わっていったのだ・・・!
「誰に聞いたのです・・・?」
ゆっくりとした言葉だったが、その響きには凄まじい殺気が込められていた。
「い、いや、さっきこちらの家の前をうろちょろしていた高校生がそんなことを・・・、
じょ、冗談だと思っていたものですから・・・、
た、立ち入ったことを聞いて申し訳ありません。 ・・・え?」
「その少年の名は何と言ってました・・・?」
もともと名前などは知らないが、すっかり慌ててしまった私は、少年の身を案ずる余裕もなく、
ついうっかりその特徴を言ってしまった。
その若き未亡人は彼を知っているようで、顔をこわばらせながらこう言った。
「あの・・・あいつらついに・・・!」
「え? なんですって? ご存知なんですか・・・?
・・・その後、私はその家をあっけなく追い出された。
以来、私は例えようのない不安に襲われ始めた。
・・・まさか、いや、そんな馬鹿な・・・、そんな事があるはずがない・・・。
ある日、私は電話をかけてみる決心をした。
近所の電話ボックスで・・・。
五回ぐらいルルルルルル・・・という呼び出し音が繰り返された。
こうでもせねば、胸に重くのしかかる不安は消せなかったのである。
相手が受話器を取った。
「・・・はい、安曇です。」 妻、百合子の実家だった。
しばらくの間、何を話していたのか良く思い出せない。ただ、この一部分だけは頭にはっきり残っている。
「あ〜、そんなことあったなぁ〜。」
第七話
「あった、あった、確かあの子が二つのときだったかやぁ、
家族がちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって、そうだ、三日間ほど見つからず大騒ぎだったんさ。
近くの山を流れる川の岩場で見つかってねぇ・・・。」
私のカラダからは汗がどっと噴き出した。
そして私は何かの気配を感じ、ほとんど反射的に後ろを振り返っていた。
・・・白い、妻、百合子の顔が私を見つめていた。
その紅い唇は閉じられ、その機械のように詰めたい瞳は私に向かって固定されていた。
まるで蛇が獲物を見下ろすように・・・。
その顔からは何の感情も読み取れない、
それだけにいっそう不気味なものを感じる。
電話の向こうでは何か喋っていたが、私は一方的に別れの挨拶をして受話器を置いてしまった。
「ゆ、百合子、どうした、買い物か?」
・・・何故こんなことになったのだろう、私はもう妻を疑っている。
しかし今まであれほど明るかった彼女が何故・・・?
いや、違う、・・・そうだ!
彼女の様子がおかしいのは、事によると私のせいなのかもしれない。
私が彼女を疑っているのを感じ取っているのだ。
百合子はあまりしゃべらず、私の言うことにただ機械的に反応するだけであった・・・。
私はふと、目が覚めた。午前三時・・・、
隣では、百合子が昔と変わるところなく、安らかな表情をして眠っている。
彼女は見たところ、体型も顔つきも二十歳ごろからあまり変化がない。
まるで時間というものが、彼女には何の効力も持たないかのようだった。
私はむっくりと起きて、麻衣の様子を見に行った。
麻衣の部屋はまた落書きの数が多くなっている。
字を覚え始めたのはいいが、机とか壁とかに書くのは何とかやめて欲しい。
何回言っても聞かないんだから・・・。
おや? 今、気がついたが、所々同じ単語が書かれている。
何だろう、リ・リ・ス・・・? リリス?
第八話
私はその単語が非常に気になった。
どこかで・・・。
私は部屋に戻り、布団に戻って思い出そうとした。
どれぐらい時間が経っただろう、私はついに思い出した。
そうだ、あの、いつか得体の知れない生き物の夢を見たとき、
あの時、誰かがリリスと叫んでいなかっただろうか・・・?
翌朝テレビのニュースが、今年最初の台風が発生したという報道をしていた。
その時、何の気なしに麻衣に聞いてみたら、麻衣が答える前に、
台風のニュースに熱中していた百合子が間に割ってきた。
「あたしが教えたのよ、リリスって言うのはね、
天地創造の話に出てくる人類最初の女性よ。
彼女はアダムと一緒に作られたの、
ところが彼女はアダムに従うことに耐えられなかったため、逃げちゃったの。
しょうがないから、その後釜にイヴが作られたんだけどね。
その話を麻衣にしただけよ。
なぜかって? 別に深い意味はないわ、ただあたしが気に入ってるだけよ、
リリスを・・・。」
あれは・・・百合子じゃないか?
家の近くの川原で独りで何をしているんだろう?
「おーい、ゆりこー!」
お? 気がついたな、ん? ・・・彼女はどういうわけか逃げ出した。
何故だ? 人違いだったかな? しかし確かに百合子だったが・・・。
私は彼女を追って走り始めた。
時が経つのも忘れ、ふと気づいた頃には、
私は、いまや使われなくなった廃墟の工場の、雑草の生い茂った原っぱのど真ん中にいた。
既に百合子の姿を見失っていた。
どこに行ったんだろう? ん・・・? 何かが向こうの茂みの中で動いた・・・?
風ではない・・・。
それは良く見ると私のほうへ向かってくるようだった・・・。
☆ 明日でこの話は終わります。もうしばらくお付き合いを!
なお、この話を書いたときに「携帯電話」などとゆう文明の利器はありませんので・・・。
(年がばれる・・・)
あと、この話に出てくる少年は名前があったのですが、
メリーの物語には全く関与しませんので、名前を消しました。
ではご飯、行ってきます。
536 :
誰いな:2006/02/20(月) 22:11:05 ID:ZVpUCBXw0
>>Lady氏
いいですね!僕はこういう話大好きですよー
第五章にさらにwktk〜
>>126氏
お望みとあらば、
ふふふふふふ・・・
お楽しみにwwww
竹林の中の道無き道を走る口裂け女を、メリーとカボタンが追う。
時折足元の小さな段差や石なんかにつまずき、転びそうになりながらもメリーは走り、そのすぐ横を顔から光を放つカボタンが飛んでいた。
ジャック・オ・ランターンの名に恥じず、カボタンの顔はランタンの様に光り輝くことが出来るのだった。
「マスター・メリーガール!アイツは何処に行くんだい!?」
「小学生の噂じゃ、この奥が口裂け女の家なの。だから、きっと其拠に居るの!」
少しずつ、少しずつだが、道が開け、遂には足元は石の通路に変化した。
それに伴い、二人の目に、奇妙な物が飛びこんできた。
「…鳥居、なの?」
「だな。こんな奇抜な庭石でも無い限り…」
鳥居をくぐると、カボタンの明かりに照らされ、建物が浮かび上がった。
…そして、その入り口付近に、座り込んでいる口裂け女の姿も。
「ふぅ…此処まで、追ってきたのね…男のほうはどうしたの?」
「鳥目だからついて来れねぇんだ。烏だからな」
口裂け女の問いに、そのままでは言葉が通じないメリーに代わってカボタンが答えた。
「そう…何してるの?私の止め、刺しに来たんじゃないの?」
闇が深すぎるが故に口裂け女の表情は窺い知れないが、恐らく諦念に満ちているのだろう。放たれる気配は、人間としての存在感は有るものの、殺気や狂気に満ちたものではなかった。
「私達は、貴方に止めを刺しに来たわけじゃないの」
「俺達は、お前に止め刺しにきたわけじゃねぇ」
言葉の通じない相手には、カボタンが通訳する…
二人の間にはそんな暗黙の了解が存在していた。
「…そう、そうよね、ふふ、こんな…三回は死ねそうな傷負ってるもんね。たとえ狗神憑きだとしても、
放っておいても死ぬわね…っげほ、けほ…」
寂しそうな声で、口裂け女は笑い、咳き込む。
湿ったその音は、二人に彼女の気管に血が入るほど傷が深いことを如実に語った。
「でも、私はもういいわ。あんな公園じゃ無くて、此処に来れたんだから…」
「…此処は、何を奉ってる社だい?」
メリーが聞く前に、カボタンが口裂け女に聞いていた。
「此処はね…昔々から、狗神を奉った社…そして、私の彼の、お墓。…ふふ、不思議そうな顔してるわね。
カボチャも、貴方も。いいわよ、死ぬまでの戯れ…教えてあげる。」
穏やかに、口裂け女は語り出した。
「狗神に憑かれてたのは、最初は私の夫だったの…彼は、とてもとても優しくて、格好良かったわ…。
でも、彼の先祖が狗神を奉ったが為に、狗神に呪われたの。日々、狂暴化して、仕舞には狼人間みたいになって…
この社の中には、これ以上人に迷惑を掛けたくないって言って、閉じこもったまま死んだ彼の遺骨があるの。
だから、絶対に誰も入れさせない。入った人は、全て殺す…。その為に、彼を殺した狗神を私の身体に憑依させた。
それが、竹薮の中の口裂け女の誕生…」
「小学生を殺したのも、か…?」
「そうよ。その小学生だけじゃない、土足で私の彼の墓に入る人はみんな…。
尤も、殆どの場合は、私の結界に阻まれて此処にたどり着けないけどね。
たまに…やっぱり、居るのね。来れちゃう、運の良い…悪いのかな?そういう人が…。」
「それは、仕方が…無いの。不完全な狗神憑きが不完全な人払いを使ったところで…、全部の人間の進入を防げるはずは無いの」
伝えたところで何の意味も成さないメリーの呟きを、カボタンは黙殺した。
「ああ、眠い…すごく、眠いわ。結界は放置して寝る…。全力で出した結界を破って此処に来る人が居たら、それはもう、仕方の無い事…。」
「最後に一つ、聞いて良いか?」
「良いわよ…。簡単に答えられる質問にしてね…」
「Lady,あんた狗神を憑かせた、と言ったな?あんた一人でそんな専門的な呪術が出来るとも儀式を行えるとも思えねぇんだ。
…一体、誰があんたに狗神を憑かせた?」
少し間が有って、口裂け女は答えた。
「龍宮…幹人、だったかしら。龍宮だけは覚えてるわ…。ミキだかミネだかは、忘れたわ…。」
その名前を聞いた途端、メリーの表情がさっと変わった。
「龍宮幹人…本当に、本当にそうなの?そうなの!?」
口裂け女に詰め寄ろうとするメリーの肩を、カボタンが掴んだ。
「落ち着きな、マスター・メリーガール…声は、聞こえないんだ。Lady.それは間違い無いな?」
「ええ…確かに、龍宮…。あぁ、駄目…。本当に、眠い…おやすみ、可愛いお嬢ちゃん…そして、カボチャの妖怪…。さようなら、ありがとう…」
口裂け女は、ゆっくりと、消え入るように礼を述べ、そして動かなくなった。
その瞬間、彼女の身体から、黒いモヤの様な瘴気が、塊となって吹き出る。
それこそ、彼女の彼を死に至らしめる間接的原因となり、彼女自身を口裂け女に変えた元凶「狗神」であった。
「カボタン、やって」
「OK.マスター・メリーガール。」
鎌を掴むと、瘴気に飛びかかり、中心部を一撃で切り裂いた。
瘴気は、一瞬歪んだかと思うと霧散し、後には何も残さなかった。
呆気ない「狗神の呪」の、最後であった。
「…龍宮、幹人」
ついさっき、口裂け女の口から出た名をメリーは呟いた。
「まさかとは思ったが、『龍宮機関』が関わってるとはなぁ…。」
「ちょっと考えたら、すぐ分かったかもしれないの…。狗神の呪なんて材料を、あの男が逃すはず無いの。」
奥歯が砕けるほどに、メリーは歯を食いしばる。
「忌むべき名なの…。何が由依の為なの…!何が…!!」
カボタンは、メリーをなだめようとしたが、思いとどまり、上げかけた手を所在無さげに下ろした。
それほどまでに、メリーに憎まれるだけの事をしたのだ、龍宮幹人は。
「戻ろう、マスター・メリーガール。山神が心配する…」
だから、全く関係の無いそんな事を言って、彼女の気を逸らすことしか、カボタンには出来なかった。
「…うん、戻るの。戻って、山神にも…今回の裏に、龍宮が潜んでたことを言わなきゃならないの。」
龍宮、と吐き捨てるように言うメリーの表情は途轍も無く冷たく、どれほどまでに龍宮がメリーに憎まれているか想像が難しく…
その事が逆に、メリーの恨みの深さを物語っていた。
「…さよなら、名も知らない口裂け女さん。安らかに、眠ると良いの」
少しして落ち着いたメリーは、口裂け女だった女性にそう最後の言葉を掛け、その社に背を向けた。
メリーとカボタンがもう一度振り返ったら、目にしていただろう。柔らかな笑顔で彼女達に小さく手を振る、美しい女性の霊を。
以上で、一応口裂け女編は終了します。
…口裂け女編、と言う以上、山神、メリー、カボタンのトリオの話は続ける積もりなんですが…
次に何を書くか迷ってますorz
そこで、皆さんに聞きたいんですが、次も今回と同じように何らかの都市伝説の話と対決させるか、
それともメリーの過去を一旦間に挟むか、どちらが良いでしょう?
ちなみにどちらも同じ位に話の構想は出来あがってます。
一応両方書く積もりなんで、どっちが先に来るかの違いだけですんで、できればご意見が聞きたいです
>>Ladyメリー氏
おぉ、佳境に入りましたな。
今夜の投下をwktkしながら待ちます!
>>541 おいらはもう一回、他の都市伝説をからませてもいいと、思うな。
それにしても、もうそこまで考えているのか、壮大な物語を期待できそうでんな!
>>カボチャさん
GJ!!!
本当楽しみにしてました!あたしも都市伝説が先の方がよいのでは…と思います
どちらにしても楽しみーッッ
毎度お騒がせをしております。
これで最後です。
この物語を読んでから、第五章に進んでくださいませ。
>>536 ありがとねぇ、誰いなさんのイラストも楽しみにしてますからね。
第九話
後ろの方でも何かが動く気配がした。
一つ、二つ、三つ、・・・六つ、いや、最低でも七つの物体が私の周りを取り囲んでいる。
最も近いところにいたそいつは、茂みの隙間から正体を現した。
黒いぬめぬめした気味の悪い粘膜が、太陽の光を受けて不気味に輝いていた。
・・・奴らは!
あの夢の中で地の底から這いずり出てきた生き物じゃないか!!
私は逃げた、
奴らは這っているだけでそんなに大きくはない。
囲まれても、飛び上がればかわして逃げることもできる!
私は向かってきた生き物の頭の上を(頭と呼ぶに相応しいかは分らなかったが)跳び越えた。
その時、初めてその生物の全体像が視界に飛び込んできたのである。
あれは絶対、神によって作られたものじゃない!
邪悪な存在によって産み出された呪われた生物だ!
四肢は退化して、アメーバーのようにカラダを伸縮させて動き、
感覚器のようなものは、全く存在しないかのように見えた。
逃げろ、 逃げるんだ!
私はわけが分らなくなって、ただひたすら走り続けた。
・・・行き止まりだった。
奴らのスピードは異様に速く、
あれだけ走ったというのに、すぐそこまでに追いつかれていた。
必死に助けを呼ぼうとしたが咽喉はかすれて声は出てこない・・・。
奴らの口と思しき器官がパックリと割れ、群青色の唾液が牙の間からこぼれていく・・・。
誰かっ!!
何が起こったのか良く覚えていない・・・。
気を失う瞬間、確かに光を見た。
おぞましい生き物は姿を消し、私の目の前にはいつかの少年が立っていた・・・。
第十話
あたりは夜になっていた。カラダがいやに重い・・・。
ゆっくりと草むらに横たわっていた上体を起こすと、
少し離れたところにあの少年が立っているのに気づいた。
私たちはお互い黙っていたが、ついに私は、何が起きたのか知りたいという欲望に負け、
これらの恐ろしい出来事について、あらゆる事を尋ねてみた。
この少年の目的、事件との関係、緑のもや、先程の気味の悪い生物、妻の行動、
彼女達が行方不明になったことがあるという事実の持つ意味について・・・。
少年は涼しげに答えた・・・。
「昔、リリスという名の女性がいました。・・・あなたも奥さんから聞いたようですね?
後にアダムの妻となったイヴは、蛇に欺かれて『知恵の実』を食べた。
そして人間は楽園を追放され、死すべき者となる、
だけどリリスは『知恵の実』を食べていない、
だから人間のように死にはしないし、『罪』という物も知らない。
そういう意味では、彼女達は君らよりはるかに神に近い存在かな。
そして今、彼女は仲間を増やし、何かを狙っている。
彼女だけでは何もできないはずだが、恐らくは後ろに巨大なものがついている。
たぶん、彼女の連れ合いである『蛇』だろうね。
ぼく?
残念だけど君らには理解できないさ・・・。
さあて、僕はもう帰らなきゃいけない、
じっとしていて下さいよ?
動いたら・・・命の保障はしません・・・。」
そう言って、少年はゆっくりと私に近づき、私の額に指を伸ばした。
瞬間、私のカラダに電流が走った。
その時すべてが真っ白になり、私は何も知覚できなくなった。
・・・ショックからゆっくりと開放された時、私はいつものように、
会社から家に向かう電車の中で、吊革に捕まってぼーっとしている自分に気づいた。
すべてがいつもと同じだった。
草や土で汚れた衣服を除いてだが・・・。
第十一話
二日後、私は密かに妻の郷里へ向かった。その家はかつての有力者の家系だったそうだ。
あの時、謎の少年は肝心なことは何も教えてくれなかった。
自分で答えを見つけるしかないということだ。
百合子の父は亡くなっていて、その弟さんがその家を継いでいる。
百合子の叔父さんには本当のことは黙っていた。
神隠しに関する取材と偽って頼み込み、当時の状況を教えてもらうつもりだ。
翌日、百合子がむかし行方不明になったとき、彼女が発見されたという谷に案内された。
何も不思議なところはない、ごくありきたりな光景だった・・・。
そのうち百合子の叔父さんは、仕事があるからといって家に戻られた。
私は一人で辺りを調べまわることにした。
・・・何だろう?
山道から少し外れたところで、熊笹に覆われた、何か奇妙な格好をした岩を見つけた。
笹の葉を払い、やっとの思いで私の胸元の高さぐらいの岩の前に立つ。
かなり風化してるがどうも彫られたものらしい。
一応人型をしているが、顔は山羊か獣のような顔で、胸は女性のように盛り上がっている。
それでいて腰には男根が屹立しているのだ。
背面には漢字が彫られている、 ・・・羅・・・ゴウ?
何だっけ? ・・・聞いたことあるような・・・。
「ここで何をしている?」
私はギクリとして後ろを振り返った。
・・・あの少年だ。
薄気味悪い奴だ、この笹の茂みの中を、音もさせずにどうやって私に近づいたんだ?
彼は私の答えを待たずに話を始めた。
「へえ、羅ゴウの像か、いいものに気がついたね、
これが今度の事件の鍵なんだからね。」
「何だって? 君は何て言った?
・・・この今にも崩れそうな石像が・・・?」
彼は全てを了解してるかのように、涼しく笑いながら口を開いた。
(注)・・・羅ゴウの「ゴウ」は、「目」偏に「候」の字
第十二話
「羅ゴウってのは、元々中国の天文で、日蝕や月蝕を起こす星とされてるけどね、
ま、そんなのはどうでもいい・・・。
問題は、こいつの正体が何なのか、という事・・・。
あなたは、今から20年前起きた、中央アジア未開村への日英合同調査隊が、
たった一人を除いて全員行方不明になった事件を知ってますか?
その一人も、今じゃその件に関しちゃ何も喋りませんけどね、
それでですね、その村で崇められている神、すなわち、
森林・山地に潜み四方世界に鳴き叫ぶといわれる暴風雨神、咆哮者ルドラ・・・。
そのルドラの神像がこれに良く似ているんです。
そして村人達は、合同チームが行方不明になった後は、
この神が地上に復活したと信じている。
そしてこのルドラの異名こそが羅ゴウ星の天使、
ヨーロッパでの古い名前をヴォーダン・・・、
聖書で言うところの蛇・・・すなわちリリスの夫なんですよ。」
それが・・・そんな古い伝説が一体なんだと言うんだ・・・。
百合子とどんな関係があるというんだ・・・!
まさか百合子がそんな化け物の仲間だとでも言うのか・・・!
いや、それとも、百合子は子供の頃、ここでさらわれ、
その化け物に何かをされて地上に戻ってきたとでも・・・?
それとも、既にそれは百合子とは全く違う、別の生き物に取って代わられたとでも言うのだろうか・・・!
「わかるかい? そしてリリスは『死』を知らぬが故に生殖力が乏しい。
だから人間の男と結婚して子供を増やしているのさ。
だけど・・・、リリスは決して男を愛さない。
用がなくなったら適当な時期に殺される。
あんたも例外じゃないんだ、ほら・・・、
後ろをご覧・・・。」
なんて事だ・・・。いつの間にかあの緑のもやが私たちの周りを取り囲んでいた。
熊笹の葉は強い風で激しく泣いているにもかかわらず、
ガスは風に干渉される事なくたちこめてくる・・・。
そして私をさらに怯えさせたのは、振り返った首を元に戻した時だった・・・。
第十三話(最終話)
そこに立っていたのは、あの少年ではなく、長いこと見慣れた女性がたたずんでいた。
「・・・百合子・・・。」 あの電話ボックスの時と同じく、白く冷たい顔だった。
「百合子・・・!」
違う! 嘘だ! 彼女が百合子に取って代わった人間だとしても、
彼女は私を愛してくれてたし、私も彼女を愛していたのだ! リリスだかなんだろうが問題はない!
「百合子・・・嘘だろ、ただの冗談なんだろ? ・・・なぁ、おい・・・ 」
「・・・・・・。」
私たちの周りには、あの黒いいやらしい生物がひしめいていた。
リリコッ・・・、リリコッ、と機械的な声を発しながら・・・。
・・・一匹のその白い巨大な蛇は、いまや女性のカラダに戻りつつあった。
彼女は完全に変身を遂げたあと山道に戻った・・・。
元の道には、きれいな顔をしたあの少年が立っていた。彼女は少年に尋ねる・・・。
「何故、あの人を助けてあげなかったの・・・ 天使なんでしょう、あなたは・・・?」
少年は涼しく笑う。
「助ける? この僕が? 何十億もいるんだよ、人間て下等動物は。
生かしておいても何の価値もないだろ? この前彼を助けたのは、ただの気まぐれさ・・・。」
彼女はしばらく彼をにらんでいたが、混沌とした緑色のガスの塊の中に自分のカラダをズブリと入れた。
すると、彼女のカラダは、ゆっくりと凝縮したガスの球体に飲み込まれていってしまった・・・。
少年はしばらく南の方角を見据えていた。
その方角の先には、観測史上最大の巨大な台風が、日本列島に接近しつつあった。
既にその暴風雨圏内に入った沖縄では数百人以上の犠牲者が発生していたのだ。
「・・・何故、助けてあげなかったの・・・か。」 少年は一人つぶやく。
「やっぱり彼女も低俗な感情のある人間なんだな。 ぼくとあいつも天使であるのと同じように・・・。」
そう言うと、少年は彼の本来の、本当の姿に戻った。そしてぼんやりと、カラダの透明度を増しながら、
はっきりいつという事もなく消えてしまった。
ほんの数メートル先には、無残に頭蓋を噛み砕かれ、頭部の三分の一を失った雑誌記者、
伊藤という人間の悲しげな死体が残っているだけだった・・・・・・。
(Lady メリー外伝「白いリリス」終了)
☆ とまぁ、すんません、こんな物語なんです。
この話がベースにあって、第二章のストーリーが生まれました。
第二章であのエンディングにした時に、
そのまま第四章のストーリーも浮かびあがりました・・・、悩みましたが。
彼らをいかに、メリーと絡ませるか・・・?
結局、彼らを四章に出してしまった事により、
第五章は自分としては納得できる結末になりました。
明日からうpいたします。
・・・今日のチラシの裏。
この話を書いた数年後、私はスーファミを買い、
真・女神転生をプレイしました(このシリーズはこれしか遊んでません)。
恐らくあのゲームの設定考えた人は、わたしと思考パターンかなり近いような気がします。
まぁ、リリスなんだから百合子ってのはベタなんでしょうけどね、
でもあのゲーム、サブキャラまでがわしの考えた物語の主人公と名前、一緒なんだもの・・・!
その名前で、ゲームスタートさせたら、ストーリーこんがらがって、訳分らなくなるはめにぃ・・・!
551 :
名無し:2006/02/21(火) 19:51:40 ID:ui2tSmusO
Ladyさんぶぅらぼぅ。
何だか久しぶりに2ch見ましたよ。
GJ。まっことGJですよ。しかもここでメガテンの名を目にするとは思わなんだ。
俺も幼少の頃、あの世界に魅了されて久しい。ま、ゲーム機もってないんでアレですが。
第五章楽しみにしつつ、仕事に戻りやんす。
最後に、いや本当好きっすわLadyさんの作品。GJ!
552 :
誰いな:2006/02/21(火) 23:00:15 ID:w4Bui2dx0
>>カボチャ氏
GJGJ!!そのトリオ良いなぁ
僕ももう一話ぐらい挟んでもよいきがしますー。
次は誰が敵なんでしょうか・・・
>>Lady氏
Lady氏も超GJ!
本編に少年が出てこないのが残念なのは
僕だけでしょうか?
すごくいいキャラしてるとおもうんですが。
ほかにも裏にいろいろ考えるものがあって
興味深い話でした。
でも今はとにかく第五章にwktkです!
明日楽しみにしてます!
>>名無し氏
仕事がんばってくださいね!
無理せず!
名無しさん、おひさ!
忙しいのはよい事です。作品まってまっせ。小説も絵も。
誰いなさんもありがとう、こんな作品にわざわざレスつけてくれて。
どうせ、関係ないからばらしちゃうけど、
「少年」にはモデルがいます。まぁ、わしの作品には大概モデルいるんだけどさ・・・。
マーク・トゥエインのミステリーストレンジャーにでてくる「サタン」君です。
それをわしの世界にぶちこんでみたのね(本来なら主人公クラス)。
たまにモー○ングで山下○美が描いてるよね。アレですよ、アレ。
Lady氏…今回の話は漏れにはショックなものだったけど…GJでした!!
だって凄く引き込まれてしまった
『僕とあいつも天使』の、あいつって誰?
まいタソもリリスなの?
第五章はどうなるんだろぅ…
126パパは?
>>554 今後の展開に関係ない部分に関してはお答えします。
この物語に前にあった学生時代の稚拙な二作にからんでるんで、
唐突なセリフに見えると思いますし。
「あいつ」ってのは「羅ゴウ星の天使」と書いた部分です。
メリーの物語では「冥府の王」として登場させてます。
ニコラ爺さんは「何千年先の復活」と言ってますが、
この時代で復活してしまった、という設定ざます。
あと、この当時の設定ではリリスは取替え児みたいな感じにしてますが、
メリーではその設定にしてません。
とゆーわけで、次のご質問はスルーさせていただきます。
126パパは?
Lady氏お答えありがとうございます
あいつ…納得です
ゆりこさん好きなので、殺したのは不本意だったと勝手に信じます…
ヽ(`Д´)ノ
126パパは?
557 :
誰いな:2006/02/22(水) 11:30:31 ID:W5yMBCsq0
>>Lady氏
僕は今回の外伝はすきでしたよー
山下○美の・・・不思議な少年ですよね?
たしかずっと前によんだことがあります。
残念ながら細かい内容は覚えてないですけど
126パパ〜
>>557 その通りです、時々掲載してますよ。おいらは好きですね、やっぱり。
(はぁ〜、皆さんには期待させたみたいだけど、満足させられるモノに仕上がってるか・・・?
いっつも最初はビクビクするわ・・・)
「さぁ、Ladyメリーの登場です!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、
か細き腕には、一振りの鎌
わたしと別れる覚悟はできたのかしら?
Uoo La La〜、
私は見つける、法を犯したもの、そして私は知らせる、ベルを鳴らして、
そして私は近づく、確実に一歩ずつ、そして私は準備する、死刑執行のその時を、
そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」
(いきまーす)
第一話
・・・そこは何もない白い空間だった・・・、
右も左もない・・・、床はあるが天井もない。
真っ白な世界・・・。
ただ「彼女」のヒールの音だけが、
コンサートホールの中にでもいるかのごとく、コツコツ響く。
気がつくと、いつの間にか「彼女」の周りにいくつかの古めかしい扉が出現していた。
重厚そうでゴシック装飾を思わせる大きな扉・・・。
壁もなく、柱も何もない広大な空間に、ただ単に無数の扉だけが立ち尽くす。
「彼女」・・・メリーは首をかしげ、手近な扉を開けようと試みた。
扉の取っ手に手をかけた瞬間、
どこからか、気味の悪い子供の声が聞こえてくる・・・。
「・・・ぁぁぁん・・・。」
やけに声が低くて、異様に間の伸びたしゃべりかた・・・。
その声のする方を振り向くと、少し離れたところの扉の前に、
メリーの記憶にある子供の姿があった・・・。
「・・・姉ぇちゃああん・・・」
「・・・姉ちゃあぁん、こっちだよぉぉぉ、こっちにきてよぉぉぉ・・・!」
蝋人形のように青ざめた顔の子供がいる。
胸からは真っ赤な血がドクドク流れている・・・。
滝のように無尽蔵に赤黒い血液があふれ出して、まるで児童遊園の噴水溝のようだ。
「・・・エル・・・マー・・・!?」
自分が「マリー」と呼ばれていた頃の弟が立ち尽くしている・・・。
何故、弟が胸から血を流してここにいるのだろうか?
エルマーは一定の間隔で同じ言葉をメリーに向かって話しかけてくる・・・。
それが何を意味しているのか、
今のマリーは自らに問いかける事すらもできない・・・。
第二話
また別の扉の方角から声がする。
「エミリーィィ! 晩御飯冷めちまうだろぉぉ?
・・・早く家に帰っておいでェェ!」
眉間にしわを寄せた母親だ。
しわを寄せすぎたためか、顔がだんだんつぶれていく。
メリーに向かって、やはり一定の動作で手招きをしている。
「・・・ママ!? ご、ごめんなさいっ・・・!」
今度は男性と女性の声が同時にあがる・・・。
「・・・マァリィ〜? いつまで外で遊んでいるんだぁいぃ?
暗くなる前にぃ戻ぉってきなさぁい・・・!」
くたびれた感じの夫婦・・・、メリーの記憶にある顔より年をとっている・・・。
いや、というより、どんどん年をとっていく・・・、
髪は抜け、腰が曲がりしわがさらに深くなる・・・。
「・・・お母さん!? お父さん!?」
彼ら全てが回転の遅いレコードプレーヤーの様に、異様にゆっくりとした声でメリーを呼びかける。
「(ねぇちゃ〜んエミリ〜ぃぃぃぃまぁりぃ〜ねぇちゃ〜ん・・・)」
彼らは各々の扉から動こうとはしない。
動きも単調だ・・・、一定の動作を繰り返しているだけだ。
これは夢の中の光景なのだろうか?
違う・・・、 夢ではない・・・。
何だか分らないが今、自分は閉じ込められている。
ここから出なければならない。
・・・だけど、出口はどこにあるのだろう?
自分の過去の記憶にある顔が、こっちに来いと呼びかけてくる・・・、
その声に従えば良いのだろうか?
彼らのいる場所の扉を開けば・・・
もとの世界に自分は帰れるのだろうか?
私はどこへ行けばいいと言うのだろう・・・?
第三話
・・・汚くてゴミゴミした街・・・、建物や家は古いが同時に汚い。
空き缶や粗大ゴミが溢れている。
一人のくたびれた老人が、何かから逃げるように足を引きずりながらその町の片隅を走っていた。
杖を片手に、白いひげを生やした老人は、息も絶え絶えに必死に何かから逃げている。
見れば、この老人は片目がつぶれている。
いったいどんな過去を持っているのだろうか・・・。
突如、老人の前方の視界に、長身痩躯の男が現れた。
この街には場違いの上等のスーツを着ている。
ウェーブのかかった赤毛の男は老人に向かって語りかけた・・・。
「どちらへ・・・お急ぎですか・・・?」
・・・老人はそれに答えず慌てて後ろを振り向く。
すぐさまもと来た道を戻ろうとしたが、またもやその動きを阻まれた・・・。
曲がり角の端から、やはり高級そうなスーツを着た金髪の青年が現れたのである。
「失礼します・・・、ブレーリー・レッスル様ですね・・・?」
老人は立ち止まったまま、キョロキョロ辺りを見回す。
・・・逃げ道は他に・・・。
だが、すぐにあきらめたようだ。
さらに新手の男が、近くのビルの入り口の影から現れたからである。
「あなたに危害を加えるつもりはありませんよ。
ただ、私たちと一緒に来て頂きたいだけなのです・・・。
最後に現れた男は、三人の中で一番年上の感じがする。
恐らく彼らのリーダー格であろう。
老人は息を整えながら観念したようだ。
「・・・金なら持っとらんぞ、身寄りもない・・・、わしに何の用があるんじゃ・・・?」
年上の男が答える・・・。
「ある方があなたに会って話を聞きたいと仰っています。
・・・宜しいですかな?」
老人は、この男達に拒否しても無駄だと悟ったのか、
険しい顔をしたまま、威嚇用に持ち上げていた杖をおろした・・・。
第四話
「我らの無礼な願いをお聞きいただきありがとうございます。
どうぞ、こちらへ・・・。」
もと来た道には一台のリムジンが用意されていた。
金髪の若者に案内されて、老人は不快そうに黙って乗り込む。
全員が乗り込むと、車はゆっくりとその汚い街から離れていった。
老人とリーダー格の男は後部座席に、
金髪の若者は運転を、そして赤毛の男は助手席にいた。
「ライラック。」
リーダー格とみられる男が助手席に向かって声をかけると、
「はい?」 ライラックと呼ばれた赤毛の男が後ろを振り向いた。
「・・・お嬢様に連絡してくれ・・・、
ご依頼の老紳士をこれからお連れする・・・とな。」
赤毛の男はちょっととまどったようだ。
「えっ? 私が・・・ですかっ?」 年上の男は一度、彼をにらみつける。
「何か、不満でもあるか?」
「いっ、いえ、別に何も・・・。
ただ、直接お嬢様に依頼を受けたのはサー・ケイ・・・、
あなたなのですから、報告するのはやはり・・・。」
「べ、別に深く考える必要はない! お嬢様の扱いは・・・ライラック、
おまえさんの方がうまいだろう!? ただそれだけの事だ!」
「・・・わかりました、はぁ(ため息)、
・・・おい! ガラハッド、 ・・・おまえ今、笑ったろう?」
ライラックは運転席の青年をにらむ。
「えッ? 気のせいですよ! やだなぁ、わたしは、ホラ、運転に集中して・・・。」
「はぁぁ〜・・・。」 よっぽどかけたくないのだろう、
ライラックはもう一度ため息をついて、車内電話に手をかけた。
「あー、もしもし、北欧支部のライラックだ。
・・・マーゴお嬢様に替わってくれ・・・。」
☆ 始めちゃいました。
ネタバレなんか気にしません!
明日は東京西部郊外の一般家庭からスタート!
いいよいいよ〜(・∀・)
これからの展開に期待しつつgj!
しかし最近静かだね〜
(;д;`)サミシス
それでは、もう一度怪談・都市伝説を絡めるとしますね。
明日が無理なら明々後日、遅くても弥明後日に投下します。
明日の晩から明後日にかけて泊まりがけで出掛けるもので…
>>Ladyメリー氏
続きwktk!wktk!
566 :
名無し:2006/02/22(水) 21:10:23 ID:LaHT3fqPO
お、待ってましたLadyさん。
最初に出てきたスーツ軍団、悪役かと思ってしまったよw
GJす。
俺のは…もう少し…orz
産み出す苦しみってやつを知りましたよ…マジで。
Lady氏GJ!
でも「わたしと別れる覚悟」・・・って?
なんか思わせぶり・・・。
>>564 だよね〜、最近みんな忙しいのか、新作来ないよね〜。
小ネタでも見たいのにねぇ?
カボチャさん、wktk!
何ネタで来るのか楽しみにしてます。
名無しさん・・・つらいよねぇ。考えてる間、楽しいは楽しいけど、
壁にぶち当たると・・・苦・・・。
>>567 ニャハハ! ちゃんとイントロも見てくれたのね?
漏れもネタを考えたがどうもまとまらず、
次第に鬱になりそうだったからなげだしたんだが…
Lady氏や名無し氏でも詰まる事あるのか…
ガンガレ!これくらいしかできずスマソorz
>>550 なんかさぁ、第二章が台無しになったな。
行き当たりばったりで話し作ってない?
>>569 さんくすこ!
偉そうなことは言えませんが、まずは「何をみんなに見せたいか」
考えるといいのかも・・・?
あとはクセをつけたり、スパイスをのっけたり・・・。
前に言ったとおり、最初はわしも歌を聞いててメリーのキャラができただけだからねぇ・・・。
先へ進むほどつらくなるのは確かだけど。
>>570 にゃはは、わしの予想ではもっと非難が集まるかと思ったんだけどね。
こういう意見は覚悟の上というか、予定通りというか・・・。
・・・じゃ、今日の分いきますねぇ〜。
第五話
一方、こちらは日本・・・、東京西部の郊外・・・。
そこはある出版社に勤めるルポライターの家庭。
これまでの物語で、何度か登場した事のある普通の民家・・・。
「じゃあ、百合子、行ってくるよ、遅くなりそうだったら連絡する。」
「・・・いってらっしゃい、麻衣も忘れ物とかない? 車に気をつけるのよ。」
「うん、だいじょうぶ。 いってきまーす。」
「今晩、トマトスパゲッティね、おいしいの作るわ。」
「うへ、おれトマト嫌いなのにぃ。」
「食感が嫌いだって言うから原型崩してあげるわ、
栄養あるんだから、ちゃんと食べるのよ。」
それは、どこででも見られる日常的な日本の街中の光景・・・、一見、平和な家庭・・・。
だが、これから彼らが足を踏み入れる事になる世界は、
悪夢と残酷な結果が待ち受ける、危険と絶望が隣り合わせの領域・・・、
・・・いや、その表現は的確ではない、
何故なら、彼らはもともとその世界に関わりを持つ者達だったのだから・・・。
この家の主人がゆっくりと、
もう一台ある赤い軽自動車に気を遣いながら、自分の車を家の外に出すと、
ランドセルしょった麻衣が、先に玄関から出ていて、父親を待っていた。
父親・・・伊藤がクラクションを鳴らすと、麻衣は思いつめた顔で窓の中の父親の顔を見詰める。
彼も娘の表情に気がついて、一度車を停め、ウィンドゥを下ろす。
「どうした、麻衣? 登校班の集合場所に遅れるぞ?」
麻衣はしばらく黙っていたが、意を決したように口を開く。
「・・・あのね、パパァ? 今日パパが会う人っていい人?」
余りの唐突さに彼は驚いたが、真摯に娘の質問に答えた。
「えっ? ・・・いや、初対面だから・・・いい人かどうか分らないな・・・、
どうしたんだ?」
第六話
今日の仕事は、とある興信所の人間に会うことになっている。
申し込みは向こうからだった。
二週間前に起こったカルト教会での大量殺人の件と言ってたが、
伊藤の過去の取材活動を参考にしたいらしい。
無論、伊藤のほうも、教会で起きた異常な手口に思うところがあったので、
それを断る理由は全くなかった。
「うん、パパが危ない目に遭うかもしれないの・・・。」
麻衣は時々、一日、二日先のことを予測するような夢を見ることがある。
最近はそんなことはめっきり減ってきたが、
実際それで、命を助かった経験のある伊藤にとっては、娘の言葉は無視できない。
「パパがこれから会う人は危ない人なのかな? 警戒しとけばいいのかな?」
「違うの、・・・その、もっと先に行くと危ないの!
ボロボロのつり橋を渡るみたいに・・・進めば進むだけ崩れそうになって・・・。」
麻衣も自分の言葉をどう表現していいか分らないようだ、
だが、やはり伊藤もいい父親なのだろう、頭を撫でて優しい言葉をかける。
「わかった、ありがとう、麻衣。必ず気をつけるよ・・・。
心配しないでな・・・。」
「うん・・・。」
ところが伊藤が再び車を動かそうとした時、麻衣はもう一度真剣な顔で父親を呼び止めた。
「パパ、違うの! 待って!」
「どうしたんだ? 他にも何かあるのか? 麻衣。」
「・・・ごめんなさい、ママに止められてるの、あまりパパに夢のお話するんじゃないって・・・。」
それも親としては当然のことだと、伊藤は理解している。
子供のうちならともかく、成長してからそんな事を吹聴すれば変な奴だと思われる。
「ああ、わかってるよ、ママには内緒だな。」
「・・・うん、そうなんだけど、ホントは違うの・・・。」
第七話
「えっ?」
「ママはみんな知ってるの・・・。
でもホントのこと言うとパパが危ないから黙っててって・・・。」
「どういう夢を見たんだ? 今日のパパの仕事に関係あるのかい?」
「・・・麻衣が見たのは、お人形さんの夢・・・、
お人形さんが迷路みたいなところに閉じ込められて、助けてって叫んでるの!
・・・泣きながら叫んでるの・・・!
麻衣には何もできなくて悲しかったの・・・、
でもパパが今日会う『人たち』なら、
あの可哀想なお人形さんを助けられるかもしれないの・・・!」
伊藤の心にかつて自分が目撃した呪われた人形の記憶が蘇った。
「・・・メリー・・・か!?」
「あの子が苦しんでるの!」
「・・・・・・!」
伊藤にしても、あの人形のことは忘れたことはない。
再び出会うことなどないだろうとは思っていたのだが・・・。
普通なら、気味の悪い物への恐怖の感情が優先するはずなのだろうが、
一度でも自分の最愛の娘に、その姿を重ねてしまった後では、どうしても他人とは思えない。
ましてや、娘の麻衣が泣きそうな顔で自分に訴えている・・・。
「麻衣・・・、麻衣は昔にもお人形さんの夢を見たね? ・・・覚えてる?」
「・・・うん。」
「お人形さんとは仲良くなれそうかい・・・?」
「・・・わかんないけど・・・友達に・・・なってあげたい・・・。」
伊藤は精一杯の優しい顔をした。
「麻衣はいい子だ! 麻衣のお友達なら助けてあげないとな!」
「ホント? ありがとうパパ! ・・・あ、でもママが・・・。」
「分ってる! ママには内緒だ、パパも気をつけるさ。
さ、安心して学校行っておいで!」
第八話
麻衣は駆け足で集合場所へ向かっていった。
伊藤も再び車を動かす・・・。
彼の胸のうちは、娘が優しい子に育ってくれたことが誇らしい。
また、娘の口から、普段ぶっきらぼうな妻が、自分を心配してくれてることを窺えて、
その事がとても嬉しかった。
あの人形メリーが助けを求めているというのが、一体いかなる状況なのか理解できなかったが、
これから会う人間と、どんな事態に巻き込まれるのか、期待と不安で彼の心は沸き立っていた。
・・・そして、彼ら父娘の会話を、遠くから覗いていた女性がいた・・・、
家の入り口から、その無表情で白い顔をのぞかせて。
重い足取りで・・・彼女、百合子は家の中に入っていく・・・。
百合子は力なく、ダイニングの椅子に座り込んだ・・・。
その表情は暗い。
夫と・・・娘が出かけて、いま、この家には百合子しかいないはずである。
だが、思い悩む百合子の背後に・・・一つの影が近づきつつあった・・・。
百合子は身じろぎもせず静かに口を開く・・・。
「お母さん・・・。」
百合子の背後にいる者は、穏やかな口調で彼女に語りかけた。
「あの子・・・麻衣はおまえの言うことを聞かなかったようだねぇ、
育て方が間違ってたのかい?」
「間違ってなんかいないわ! まだあの子は10歳よ!
・・・お母さんだって、麻衣には接してこれたでしょう!?」
百合子が・・・いや、彼女の一族が感情を荒げること事態珍しい。
「・・・おまえを責めるつもりはないよ。あたしたちの一族にだって個性はある。
あの子の場合、あいつらの遺伝子の影響が強いのかもしれない。
それなら、早めに対処しないといけないかもしれないだろ?」
「やめて! お母さんがお父さんを消したのはいつ!? 私が高校を出た後よ!
・・・その頃なら、麻衣も事実の重さに耐えられるかもしれない、私と同じように・・・。
でもまだ・・・あの子には父親が必要よ!」
第九話
「遅いぐらいさ・・・、まぁ経済的な理由とかもあるけどねぇ、
だがあの子は、感情が強すぎる。
まるであっち側の人間のようだ、
間違いなくあたし達の能力は受け継いでいるというのに・・・。
あたしは早めに父親を消しておくべきだと思うよ・・・、
いい影響を与えない・・・。」
「それは・・・私が決めることよ・・・。」
「そうだね、それが掟だ・・・、
だけどその掟を忘れるんじゃないよ、
もし、おまえがそれを破れば・・・。」
「分ってるわ、お母さん・・・。」
「あの男を必要としているのは、麻衣じゃなくておまえじゃないのかい?」
「・・・やめて。」
「いいかい? 甘い心を見せればあたし達はすぐにでも、
あいつらに皆殺しにされるかもしれない。
生き残るためには仕方のないことなんだ、
・・・よく聞かせただろう?」
「耳にタコができる程。」
「なら、どうすればいいか、真剣に考えるんだよ・・・、百合子・・・。」
しばらく無言の時間が過ぎ去っていたが、・・・いつの間にか影は消え去っていた。
百合子は独り言をつぶやく。
「時代は変わっていく・・・、
私たちの寿命は短くなり、代を追うごとに感情が発達していく。
力を受け継ぐ者も減ってきている・・・。
私たちの生き方だけが変わらないの・・・?
それを変える訳にはいかないの? ヴォーダン・・・教えて・・・!」
百合子は一人静かに思い悩んでいた、
照明もつけずに・・・、薄暗いダイニングで・・・・・・。
☆今日はここまで・・・あ、五話も投下しちまった、
・・・きりがいいのでついつい・・・。
明日以降、その分減らすかも・・・。
そして次回はイギリスへ。
>Lady氏gj!
減らしてはダメだぁぁ!!!外伝の話しもあるから不安で不安で夜しか寝れなくなっちゃうよ
(ノД`。)
>>578 あなたのようなボケをかましてくれる人がわたしは大好き。
581 :
名無し:2006/02/24(金) 03:44:11 ID:Pj9J5NSwO
Ladyさんじーじぇーです!
今日は仕事も休みだったので、俺も大体書けてきましたよ。やっと。
明日辺りには…まぁ何かしらのupはあるかもです。
作品が間に合えばそっち。絵が描き上がればそっち。まぁったくわからんですぅふふふぁあははははははははははははははは
582 :
誰いな:2006/02/24(金) 07:20:14 ID:0chTTfQbO
お、鯖復活してる。
昨日書き込もうとしたら落ちたorz
>>Lady氏GJ!
wktkwktk!
早く続きが読みたいんだけど、
少しずつ長く楽しみたいという気持ちも…
>>名無し氏!wktkで待ってます!
…で、自分のほうですね。
僕もここのところ忙しく、
思うように書けない状態です。すいませんorz
とりあえず今日あたり何かうpしようと思います。
あと、少しずつですがストーリーのようなものも書き進めているので、
近々それもうpできたらと思っています。
(ストーリーといっても短編ですが)
名無しさん、待ってるぜ! ふはははははははははははははははは!!
誰いなさん、まだぁー!?
126パパはぁ〜!? 奥さんでもいいから近況報告して〜!!
第十話
・・・ギィィ。
古めかしい重い扉が開かれる。
目隠しをされた老人は、ようやく暗闇から開放された。
「ふーっ、ドーバー海峡まで渡らせられるとは思わなかったぞ・・・!」
老人は、よれよれとその場に用意された椅子に座り込む。
「騎士団南欧支部支部長ケイ!
同じく北欧支部支部長ライラック!
騎士団本部候補生ガラハッド!
ただ今、任務を完了いたしました。」
三人とも軍人のような真っ直ぐな姿勢で、部屋の奥にいる美しい女性に一礼した。
「ハァーイ、ご苦労様ぁ!」
・・・一気に緊迫した空気が薄れる。
「さぁっすがケイ叔父様ぁ! 頼りになるぅ! ライラックもありがとうね!
ガラハッドもカッコ良くなったわねぇ、もういつでもわたしの隣を歩けるわ!」
ケイの顔は引きつり気味だ。
「マーゴ・・・、
あのね、一応・・・、それなりの形式や格式があるのだよ・・・、
だからね・・・。」
「分ってますって。
えーと・・・、じゃあ、ここはライラックにそのまま待機してもらっていいかしら。
ガラハッドは外をお願いできる?」 ケイは心底ほっとしたようだ。
「では、私は本部に報告に行ってくるよ、
話の経過や緊急の際は連絡してくれ。
レッスル氏が帰られる時も私に任せてもらっていいからな。」
「ええ、ありがとう、叔父様ぁ!」
「ライラック! 後は頼むぞ、 おい、ガラハッド・・・!」
そしてケイとガラハッドは静かに部屋を出て行った。
第十一話
残されたライラックは複雑な表情をしていた。
もっともこの人選は妥当である。
保守的過ぎる人間はこの場にはふさわしくないし、何の権限もない若きガラハッドでは心もとない。
そして「豪剣の騎士」とまでうたわれたライラックは、騎士団内でもエリート中のエリートだ。
マーゴは一見奔放だが合理的な判断力を持つ女性であった。
・・・付け加えるならば、彼はマーゴの大のお気に入りである。
ちなみに今回の仕事は、騎士団の承諾を得て、
マーゴがケイに依頼する形であったが、メンバーの人選はケイに任された。
・・・彼も百戦錬磨の策士である。
苦手なマーゴは最初からライラックに押し付けるつもりであったのだ。
「・・・さて。」
マーゴは先ほどから自分達のやりとりを観察していた老人に話しかける。
「ほんとうに遠いところをごめんなさいね・・・、
ウチの者達は失礼な真似はいたしませんでした?」
老人は直接は答えずに、鼻を鳴らしてそっぽをむいた。
老人の機嫌を伺うマーゴ。
「昨晩は良く眠れまして? ・・・あっ! お飲み物、紅茶でよろしいかしら?
ここのは美味しいですのよ、今、持ってこさせますね? ライラック、連絡お願い。」
老人は吐き捨てるように言う・・・。
「わしはアンタらの客かね? ・・・それとも獲物かね・・・?」
マーゴは一度、自分の髪を掻き撫でて、老人の隣の椅子に座る。
・・・やたらと距離が近い。
ライラックが電話をかけながら落ち着かない。
彼もマーゴには特別な感情を抱いているようだ。
そっ・・・と老人の腕を触るマーゴ。
「それは・・・、あなた次第ですわ、ブレーリー・レッスル様・・・?
レッスルおじ様と呼んで差し上げた方がよろしぃ?」
妖艶な視線や刺激的な香水の香りが、無防備な老人の本能に襲い掛かる・・・。
第十二話
予想外の行動に老人はのけぞったが、果たして彼はここからの「ウェールズの魔女」の魅力に、
どこまで耐えられるであろうか?
老人はゴクリと唾を飲み込んだ・・・。
「い、一体、こんなくたびれた年寄りに何の用なんじゃ!?」
実を言うと、この老人が直接女性の肌に触れたのは、本当に久しぶりのことであった・・・、
平静でいられるわけがない。
しかも相手はモデル並みの美貌とスタイルを持つマーゴである。
「そうね、まずは自己紹介させてもらうわね、
フェイ・マーガレット・ペンドラゴン・・・、
聞いたと思うけどマーゴ・・・って呼んでね。」 そしてそのまま話を続ける・・・。
「せっかくだからいろいろ楽しいお話もしたいんだけど、ね、
わたしもあんまり好き勝手なことはできないの。
ごめんね、おじ様。
・・・それであなたにここまで来てもらったのは・・・、ズバリ・・・!
レッスルおじ様、あなた、『死なない人』なんですって?」
老人の動きが止まり、しばらく沈黙が続く・・・。
「馬鹿なことを言っちゃあいかん・・・、死なない人間などいるはずなかろう。」
ようやく老人は答えを返したが、そのあたりはマーゴも織り込み済みのようだ。
「・・・ふーん、で、これってアナタじゃあないの? おじ様?」
マーゴは一枚の写真を取り出した。
台紙そのものは画像処理を施されたためか新しいものだが、
写っている物はかなり古そうな印象を受ける・・・。
そしてそこに写っているのは、紛れもなくマーゴの目の前にいる老人だ。
同じような杖を持ち、側にキツネをはべらせている。
「この写真、今から100年前に撮られた物よ。
こっちの方は、おヒゲが長いけど・・・、
コンピューター解析の結果、あなたと同じ骨格の顔と判断されたわ?」
老人は食い入るようにその写真を見詰める・・・。
その表情は固い・・・。
第十三話
「他人の空似じゃろ? それともわしのひい爺さんでも写したのかね?」
「わたしたちの情報収集能力と分析能力を甘く見ないで欲しいわ。
・・・無論、似ているとか、その程度であなたをこんなところまでお連れしないわ。
旧ナチスの高官の文書からも、あなたの名前は記載されている・・・、
しかもヒトラーの神秘主義関連のね。
永遠に生き続ける男、ブレーリー・レッスル・・・。
それに今のあなた自身、
ベルリンの壁が崩れた時、あなたは旧東ドイツからやってきたという理由で、
過去の公的記録からあなたの存在は消えた事になっていたけど、、
秘密警察の資料にあなたの記録があったわ。
第一級極秘資料・・・。
権力者側でもなければ、反体制派でもない。
何の肩書きもない、家族もいない、
なのにあなたは要注意人物として記載されていた・・・、その事の説明はできるの?」
老人は無言のままだ。
マーゴは見上げる視線で老人の顔を覗き込む・・・。
「レッスルおじ様? わたしはおじ様と楽しくお話したいの・・・。
薬なんかは使いたくないな。
・・・ましてやこんなお体を傷つけたりなんかは・・・。」
「魔女」の本領発揮である。目的のためには手段を選ばない。老人の顔色が変わる。
「脅迫か・・・?」
「やーねぇ、わたしはそんなことしないわよぉ!
・・・でもわたしがこの役を降ろされたら、
そーゆうことする人が出てくるかもしれないでしょぉお?」
「・・・目的は何じゃ? 不老不死でも手に入れるつもりか?
さっきも言ったが、不老不死などこの世には存在せん・・・。」
「あ、勘違いしないでね、少なくとも今の私たちの目的は、世界を未知の脅威から排除すること。
おじ様が世界に脅威を与えてるなんて事は、調査の結果、見て取れなかったし、
う〜ん、個人的には不老不死に興味あるんだけど、その方法を知ることが目的じゃないの。」
ふざけたような喋り方だが、マーゴの目や表情は真剣だ。
☆ 今日はここまででーす。
ここから先、しばらくぐだぐだが続きますが、大事な話があったりしちゃったりもします。
話の進行が盛り上がってないのに、気を使ってレスしていただかなくてもいじけませんので、
他のうp主さんが来たら盛り上げてくださいませ。
589 :
誰いな:2006/02/24(金) 20:29:08 ID:5YdpFtpd0
590 :
名無し:2006/02/24(金) 20:30:08 ID:Pj9J5NSwO
勤務中にこんちわLadyさん。
もぉマジで、レッスルオジ様ったら。。。
俺の予想…予想が憶測がとまりませんとですはい!
もしかするとぉ……?
いやいや、Gjでっす!Gj!
お酒も相まってもぉうふわふわしてアレっす最高。
明日も絶対サボりながらろむってますんで。
591 :
誰いな:2006/02/24(金) 20:38:43 ID:5YdpFtpd0
ちょwwwwwwwwwww
名無しさんwwwwwwww
いいなぁ〜www
夕飯食べてる間にレスが・・・まぁうれしい!
誰いなさん、GJ!!
頭のリボンとちょいペロが可愛いやねぇ!
ちなみにマーゴはいまは大人しくさせてますがこの後はもっ・・・(ry
名無しさん、もしかするとなんざましょ? くすくす!
レッスル爺ちゃまもこの後、活躍させますけんね。
593 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/02/24(金) 21:46:50 ID:An4fXfU90
ぬおおおおお!
みんな!ありがとう!
と言うわけで尋常じゃないいそがしさだわ・・・。電車の中でも仕事してます・・・
(電車の中がお話を書く時間だというのに・・・)
というわけで、Ladyさん9話まではよんだ!
感想は!またの機会にって言うか・・・今日は徹夜覚悟で仕事やってしまう!
奥さんは、今、別のものにはまっている様子なので、こっちはのぞいていないようですww
誰いなさん!よろしくーーー!
594 :
誰いな:2006/02/24(金) 21:57:01 ID:5YdpFtpd0
>>589 相変わらずかわいい♪
…でも女からの意見を言わせていただくとリボンがその位置にくるのは絶対
ありえない…
126氏、無事ならよいのです。
まずはお仕事がんばってくらせ。
一息つけたら、作品どーぞ!
わしの作品の感想なんかその後でオッケーッす。
597 :
誰いな:2006/02/25(土) 06:46:36 ID:CUSEACQLO
>>595 ありがとうございます!
いや〜、結構気を使ってたつもりなんですけど、
勉強が足りませんでしたね。
精進いたします。
では、今日も行ってきます〜
598 :
名無し:2006/02/25(土) 08:08:31 ID:f5f3d6QSO
うおお!126氏おかえり!
そんで、誰いな氏じーじぇー!気が付かなんだわ。酔っ払ってたもんでスマヌ。
まさか同じ時間にレスがかぶってたとわwww
>>Ladyメリー氏
GJ!そして続きにwktk。今後の叔父様に期待しております!
>>誰いな氏
マジモエタ。1000000回保存した。GodJob!
>>126氏
おぉ、お帰りなさい。そして続きの投下をwktkしながら待っております!
パソコン壊れるという事故発生…まさかメリーの呪い!?
幸い古いパソコンだったから明日買いに行く積もりの矢先だったし、
FDに保存する癖がついているので書きかけのシナリオへのダメージは無いんですが、今日明日の投下が無理に…orz
カボチャさん、災難でしたな。
お待ちしてますよ、wktkで!!
とゆーわけで600ゲト。
第十四話
「では何じゃ・・・?」
「あなたなら知ってるでしょお?
神の御業を否定し、闇の中で生き続けるデモーニッシュな存在を。
世界各地で起きている人間ではない何かが起こしている猟奇殺人・・・。
それらの正体を明かし、この世界を邪悪から守るのが私たちの使命・・・てわけ。」
老人はしばらく黙っていた・・・。
が、しかし、そのうちマーゴの手を触り返し、ニヤッ・・・と笑った。
「ワシから聞き返しても良いかな・・・?」
「ええ、もちろん! 楽しくおしゃべりしましょ!」
ライラックはハラハラドキドキしている。
おそらく騎士団で最も彼女に振り回されているのが彼だろう。
勿論、自分の役割をおろそかにするような男ではないのだが・・・。
「さっき、邪悪と言ったかね・・・?」
「・・・? ええ。」
「仮に、今のおたくらに理解できない集団がいたとして、そやつらが殺人を犯した時、
お嬢ちゃん、おまえさんはそれを邪悪と断ずる事ができるのかね?」
さすがにマーゴもこの質問は想定してなかったらしい、言葉に詰まった。
「・・・それは、殺される人に原因があったということ・・・かしら?」
「個人の問題じゃあないだろう? だったらおまえさん達は動くまいよ?」
「ええ、その通りですわ・・・。
わたし達は世界や人類の危機を危ぶむだけです・・・。」
「なら、おまえさん達の知りたいことを教えてやろう・・・。
わしはな、長い間、世界を見てきた、 ・・・だが不老不死なんかじゃあない。
死んでは生まれて、死んでは生まれてを繰り返してきただけじゃ・・・。
わしの50年前の写真を見つける事ができれば、不老不死でないのは分るじゃろうがの?
そして、この世界を見続ける事がわしの使命なのじゃよ・・・。
人間はな・・・、いつでも争ってたよ・・・いろんな理由をつけてな・・・。
信じるものが違う、肌の色が違う、言葉が違う、欲を満足させるために争うものもいれば、
愛するものを守るために争うものもいる。
だが、いつでも相手のことは『邪悪』と呼ぶんだ・・・。」
第十五話
マーゴは老人の告白に驚きつつも、真剣に彼の主張に耳を傾けた。
「それは・・・良くわかります・・・。」
「たぶん、わしはおまえさん達が知りたがっている相手のことを知っておる。
しかし、色気でたぶらかされようと、拷問で責められようと、その事を話そうとは思わん。
『そいつら』を守るわけじゃあない・・・。
関わりたくないんじゃ・・・。」
「でも、彼らを知らなくては、争いを止めることもできないでしょう!?
おじ様は、平和や安息をも否定するの!?」
老人は少し考え込んでいる。
マーゴの言うことにも一理あると感じたのだろうか。
「お嬢ちゃん・・・マーゴと呼んでよいのかな?
冷たいようじゃが、それもわしの役目なんじゃ。
人間達の争いにわしは介入できんのじゃ・・・。
いや、人間達の争いに介入したら、
それは人間の成長の妨げになる・・・、といえば分りやすいかの?」
「おじ様? あなたは神の使いなの・・・? それとも悪魔の申し子・・・?」
「ハッハッハッハ・・・、言ったそばからこれじゃ。
すぐに敵味方で考える・・・、ま、仕方のないことかもしれんな。
おまえさん達は、自分達に都合のいいものが神で、それ以外は悪魔じゃろう?
やむをえんな、おまえさんに本当の神とは誰か教えてやろう、
それは・・・全能なる『時間』と永遠なる『運命』じゃ。
誰もそれには逆らえない、人間もワシも、おまえさん達が神や悪魔と呼ぶものもな。」
老人は杖をついて立ち上がろうとした。
ここから帰るつもりらしい。
ライラックが行動に出ようとした。
「待って! おじ様! 私たちが追っているものは人間・・・なのね?
私たちが理解できていないだけで・・・、それだけ教えて!」
「マーゴ! しかしそれだけでは本部は納得しないぞ!」 ライラックが口をはさむ。
「いいから!」
第十六話
緊張する時間が続く・・・。老人は重たい口を開いた・・・。
「間違いなく・・・人間じゃよ。
わしから見れば、 キリスト教徒とイスラム教徒が争ってるのに比べれば可愛い戦いだ・・・。
アフリカでは部族同士で殺し合い、
中国では国家権力が虐殺をする。
暴力団やマフィアが平気で人を殺す。
平和な島国でも親や子供を殺す事件が頻発している。
・・・こじき同然のわしは、スラムで若造どもに襲われる事の方が最大の心配事じゃ。
・・・マーゴ?
久しぶりに可愛いお嬢ちゃんと話ができて楽しかったぞ、
さ、ここから出しておくれ。」
勿論、このままでは本部は納得しまい。
だが恐らく強硬な手段に出れば、この老人はあっさり自らの命を絶つだろう。
老人のこれまでの話から、マーゴはそこまでの老人の意思の強さを読み取っていた。
そのとき、不意に部屋の電話が鳴った。
今の状態も手を放せる場合ではなかったが、外にはガラハッドも控えている。
応援を呼ぶ必要もあるかと、ライラックは警戒しつつ電話を取った。
「はい! ライラックです! ・・・お!? おう! 久しぶり、今取り込み中だが・・・。
・・・何だって・・・? いや、今は駄目だ・・・。 ・・・そんな・・・!
分った、一応聞いてみる・・・。」
マーゴは老人の手を抑えたままだ。
ここから帰すにしろ、ライラックやケイの承認を得ねばならない。
それはブレーリー・レッスルも分っていた。
・・・ライラックが電話をマーゴに替わろうとする。
「ええ? だーれ? こんな時に? ケイ叔父様? 後にできないの?」
「それが・・・日本の義純からなんだ。 何でも緊急事態らしいんだが・・・。」
「ええっ!? ヒウラァ!?
・・・彼が緊急事態って? ・・・分ったわ、貸して!」
第十七話
受話器を受け取ってから、マーゴはレッスルに懇願する。
「おじ様、待ってて!
帰るにしてもちゃんとお見送りしたいから。ね!」
老人も彼女に悪い印象は持ってないようだ。
大人しく椅子に座りなおす。
「・・・もしもしぃ? ヒウラァ? どーしたのぉ? ・・・」
老人は落ち着いて紅茶の残りをすする、
・・・全く動じている様子はなく落ち着き払っている。
電話は少し長引いていた。
お互いの会話の中で考え込む場面が多いようだ。
マーゴは時々老人に視線を投げかけていた。
老人が飽き始めたのか、そわそわしだした頃、
ようやく電話が一区切りついたのか、
マーゴが老人に向かって、受話器を持ったまま声をかける。
「・・・レッスルおじ様ぁ!?」
「んー、何じゃなぁ?」
ようやく帰れるものかと少し嬉しげだ。
だが、そこから先の展開は、
老人も、マーゴも、当然ライラックにも全く予想できない意外な状況にと発展していく。
「おじ様ぁ・・・メリーという名の人形・・・ご存知ぃ!?」
老人・・・ブレーリー・レッスルの顔に、驚愕の表情が現われた。
☆ 今日の分は終わりです。
明日はまた舞台が変わります。
まだ・・・オープニングみたいなもんだわね。
先は長いわ。
606 :
名無し:2006/02/25(土) 19:43:16 ID:f5f3d6QSO
いや、いいですよ。良い調子です。じっくりと引き込まれていきます。
オジ様…ああオジ様はもしや…もしやもしやもしや!あの偉大なる…!げふんげふん
いやしっかしGJです。
んで、俺もメリーさん描き上がりそうです。明日にはUPしますねん。
いや完璧引き込まれた
gj!こりゃ長く楽しめそうだ
((o゚ω゚o))
608 :
誰いな:2006/02/25(土) 20:46:14 ID:r1STNDwn0
>>名無し氏
そ、それ以上言ってはだめだぁーーーッッ!!!www
>>カボチャ氏
ありがとう!できたら明日あたりまたうpしますね!
カボチャさんのもまってます!
>>Lady氏
GJ!今回はさらに大作の予感がしますね!
マーゴ・・・なんだか最近マーゴに夢中でつ(;´д`)
スレ違いorzwwwww
ついに名無しさん、うpされますか!
明日、楽しみにしてます。
引っ張るのは無しね!
>>607さん、 そのまま引きずり込まれてて下さい。
誰いなさんへ、今回はメリーも当然ながら、
出演キャラはみなさん頑張ってもらいますからね、
誰のファンでも期待を裏切らないような展開になると思います。
(・・・そうしたつもりはなかったんだけどね、いつの間にやら・・・、その分長くなって・・・。)
>>609 重くて見れません!!
私が見たとレスするまで消さないで下さいね! 昨日からピクト重いわ・・・。
611 :
名無し:2006/02/26(日) 05:12:14 ID:hNXcb9H2O
仕事から帰ってちょこちょこやってたら描けちゃったのでうp。
何故だかピクトに送ると画像がクシャクシャにorz携帯端末の人はお手数ですが一回保存してからのが綺麗に見えるかもです。
パソの人はちゃんと見えるのかな?見ずらい等ありましたら教えてくれるとありがたいです。
でわ、題してメリーとメリー。
http://o.pic.to/2lkw6
612 :
名無し:2006/02/26(日) 05:20:17 ID:hNXcb9H2O
613 :
誰いな:2006/02/26(日) 10:30:21 ID:xA8StN+30
>>名無し氏
う、上手い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(゚д゚)ポカーン
すごく線が綺麗ですね!
僕も見習いたいぐらいですorz
>>609 609さんも上手いなぁ〜
かっこいいメリータソですね!
>>609 見れたー!! まだ重いけど・・・。
一番最初にLadyを描いてくれた人か、
う・・・うめーじゃねーかァ!
名無し氏もGJ! 思い切って目を開けて欲しいぞ、さぁさぁ!
・・・この感動を言葉では言いあらわせられないのでここは一つ!
(^・∀・^)━( ^・∀)━(^ ^�)━( ^ ^ )━( v v )━( 。A 。)━( v v )━( ^ ^ )━
いなばうあーッ!!
おはよ。
絵描き様がたへ。
今、ピクトはメチャメチャ重いのと、下手したら鯖が落ちるかも。
ある場所で画像の掘り起こしを何十人単位でやっているのが原因かも…。
ちなみに、ボクは、重すぎて、せっかくうpしてもらったこのスレの画像が見れないままです涙。
616 :
誰いな:2006/02/26(日) 13:35:27 ID:jYAoBM7D0
617 :
名無し:2006/02/26(日) 16:00:25 ID:hNXcb9H2O
おはよ。
>>609氏。スマヌ、今にして気が付いたorz
じーじぇーっス!
んで、皆さんありがと。
あの絵は一応、俺が今書いてるお話のメリーと以前のメリーです。
あんな感じに想像してみると中々素敵かもしれません。
>>誰いなさん
いやどうもありがとう。まだまだ発展途上ですがよろしくっス
>>Ladyさん
書き始めた当初は目が開いてたんですがね…何だかいつも描き上がると目が閉じてるか細めてるか。
なんなのだろうかorz
>>126さん
情報サンキュウでございます。ピクトの鯖落ちたら俺のライフラインが…orz
さて、どこで区切ろう?
今後のスケジュールもあるしな・・・。
第十八話
・・・少し時間が遡る、再び日本・・・。
古びた出版社の一室を借りて、二人の男が席についていた。
一人はこの出版社で働いている伊藤・・・、
そして今一人は、表向きは興信所所長、日浦義純であった。
「どーも、お忙しいところをすみません。」
「いえいえ、こちらも気にしていた事件ですので、かえって助かります。」
お互い最初から含むものをはらんだ会見であった。
義純は、警察の内部資料を知っている事を隠しながら、伊藤からメリーの情報をつかもうとしていたし、
伊藤のほうは、目の前にいる義純が、メリーとどんなつながりがあるのか、
またメリーを救えるだけの力を持っているのか知ろうとして、
それぞれが名目上の取材とは別のものを胸に秘めていたのである。
口火を切ったのは義純だ。
「さっそくですが、わたしはある依頼筋からこないだのカルト教会について調査をしていました。
・・・ところがあんな事件が起きてしまい、調査方針が大きく揺らぐ事になったのです。
結果、わたしの調査対象は、教会よりも、あの大量殺人がなんだったのか?
・・・そちらに重点が置かれるようになったのです。
その後調べてみると、日本各地で同じ手口のものが・・・、
特に伊藤さん、あなたが現場にいた東北の県議会議員のときと、
ほぼ同じものではないかと思うようになったのです。」
「・・・なるほど、しかし、よく私まで調べられましたねぇ、もう六年も前のことなのに・・・。」
「いえ、まぁ、そういう仕事ですからね、
それで、あなたはあの事件の顛末を記事にされているが、
結論として、誰があの議員や警備の者を殺したと思っているのです? 」
「わかりませんよ、ただ、議員達に恨みを持つ者・・・としか考えられません。
もし、今回の殺人事件と同一犯なら、そういった者の依頼を受ける殺し屋・・・とかでしょう?」
伊藤も慎重だ・・・、麻衣の予知夢の事があるので、この男が信用できるのか見極めようとしている。
「なるほど・・・、ところで伊藤さん、・・・変なことを聞きますが・・・。」
「はい?」
「あなたは、事件犯行時、まさに現場にいたそうですが、・・・変な生き物を見かけませんでした?」
第十九話
伊藤の体からアドレナリンが噴出する・・・。
やはりこの日浦という男は何か知っているのだ。
「・・・変な生き物・・・?」
「すいませんね、おかしな事を聞いて。
・・・わたしもカルト教会の時、犯行時刻の直前まで現場にいましてね、
そこで・・・自分の目を疑うようなものを見てしまったんですよ。」
やはり! この男はメリーのことを調べているのだ。
だが・・・?
とぼけていても埒が明かない、伊藤も一歩踏み出してみることにした。
「あなたが見たモノとは・・・動く・・・モノトーンの物体・・・?」
義純の目が輝いた。
「そうなんです! やはりあなたもご覧になっていたんですね!?」
「・・・もしかして日浦さん、あなたが調べているのは・・・殺害事件そのもではなく、
・・・『人形』のことです・・・か?」
義純はそのまま固まる。
伊藤の指摘も的確だ、警察にもかなりの情報が記述されていたが、
この伊藤は間違いなくそれ以上の情報を持っている。
それを義純は確信した。
「・・・いやぁ、恐れ入りました。まさしくそうなんです。
ウチの事務所にスカウトしたいぐらいだ。
それで、あなたも・・・ご覧になっているんですね・・・?
あの人形を!」
義純は静かな伊藤の答えを待たずに話を続ける。
「カルト教会の方では、現場での目撃者はいない、全て殺されている。
わたしは見たといっても、ほんの一瞬・・・、
あとはスピーカーからの彼女の声しか聞いていない。
あなたなら、もっと多くの情報を得られるかと思って連絡させていただいたんです。」
義純は具体的な事例まで出した、もはや間違いはない。
第二十話
「『彼女』・・・彼女の声も聞いてらっしゃるのですね・・・?
・・・一つ宜しいですか?
日浦さん、あなたは彼女のことを知ってどうしようというのですか?
わたしと違って、飯の種にはならないと思うんですが・・・。」
「そこは、依頼主の要望・・・ということにしたいんですが・・・、
最低限のことでよければお教えしますよ、危険の排除です。」
「あの人形が・・・危険だということですか・・・。」
その反応は義純も戸惑った。
「・・・危険な存在ではないとでも?
危険ということでなければ・・・それを証明するのもわたしの仕事に含まれます。
まずは、人形の正体を掴むのが先決です・・・。」
伊藤は顔を伏せて考え込んでいた・・・。
この男を信じてよいのだろうか・・・?
「日浦さん、あなたは県議会議員の地元で伝わっている人形の伝説もご存知ですか?」
「? あぁと・・・、そういう物があるとは聞きましたが、・・・詳しくは知りません。」
「分りました・・・、わたしも地元の神父からの又聞きですが、そこから話をしましょう・・・。」
伊藤はかつて自分が耳にした、悲しい人形の話を義純に聞かせた。
また、義純も真剣になって伊藤の話に耳を傾けた。
もともと、日浦も滅多に人を馬鹿にしたり、見下ろして見るような不遜な人間ではない。
そのバカ正直さゆえ、「愚者の騎士」とまで呼ばれているのだ。
そして伊藤も・・・、その真剣さに感じ入ったのか、最後にあの議員宅での出来事・・・、
人形との不思議なやりとりも日浦に話してしまった・・・。
「・・・確かにあの人形・・・メリーは今までたくさんの人を殺してきたし、これからもそうでしょう。
ですが、わたしには彼女を追い詰めようとは思えません。
彼女が邪悪な存在とも思えません。
巻き添えになってる人は不幸ですし、わたしも危うくその一人になるところでしたが、
できれば、このままそっとしておいてあげたい・・・。」
伊藤の口調は穏やかだったが、その言葉には強い願望がにじみ出ていた。
第二十一話
伊藤から、全ての話を聞いた義純は、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、全てを語っていただいて・・・。
最終的にこれからどうするのかは、わたしの依頼元が判断をしますが、
なるべくあなたの気持ちが反映されるように伝えます。」
義純の態度はまさに誠実的なものだった。
だが、伊藤もここで話を終わるわけにはいかないのだ。
「・・・まだ、伝えてないことがあります。」
「・・・えっ?」
「日浦さん・・・あなたは、又はあなたの依頼元というのは、何らかの力を持った存在なのですか?」
「えっ? ・・・な、なんでそんなことを・・・?」
完全に意表を突かれた。
義純がこれまで日本で活動しているうちに、
背後の騎士団の存在を指摘される事などありえなかったからだ。
「わたしには娘がいます。
・・・まだ子供ですが時々未来に起こることを言い当てます。
死んだはずの祖母に教えてもらったとか、夢で見たとか、いろんな事をいいますが、
娘の予知のおかげでわたしはメリーに殺されなくて済んだとさえ思ってます。
そして、今日出がけに娘は言いました。
メリーが危機に瀕している・・・! 助けてあげてと・・・!
わたしが今日会う『人達』が、メリーを助けられるかもしれないということを!
・・・あなたがメリーの話を切り出したことで私は確信を持ちました。
あなたか、もしくはあなたの仲間が彼女を救い出せると!
お願いです、私は娘と約束しました!
力を貸してください!」
長い沈黙が続いた・・・。
部屋の時計の針の音だけが響く。
伊藤は自嘲気味に哂う・・・。
「・・・ええ、そりゃあそうですよね、大の大人がこんな馬鹿な事を本気になって・・・。」
それが当たり前だ・・・、伊藤は自分の発言を後悔するかのように、顔をうつむくだけしかできない。
☆ 伊藤と義純の会話で六話使用したので、今日明日と、
三話ずつにしようかと悩みましたが、結局、今日も四話、
明日は二話+二話にしますね。
そうすると、
誰いなさんの期待に応えられるかもしれないし、
名無し氏が読みたがってたようなエピソードにも触れられると思います(少しだけどね)。
では。
624 :
誰いな:2006/02/26(日) 21:58:56 ID:7qO5Mhu20
すいません、酔っ払ってます。
・・・メリー? ん〜、中盤にちょっと。
後半に・・・あれは・・・何と言えばいいんだ?
とにかく出ます。
ええ、そうっすよね・・・、数いるうp主の中で、
わたしのが一番メリーの登場シーン、少ないッすものね・・・。
・・・ダメだ、酔うとすぐ眠くなる・・・。
名無しさんのメリーが始まるはずなのに・・・。
いかん、明日、見よう・・・。
お や す み ・・・。
626 :
誰いな:2006/02/27(月) 09:12:10 ID:6/Py3+FU0
誰いなさんはじめ、絵師の方々が揃ってきたわね?
そうか・・・、名無しさんの小説がうpされるかと思ったのはおいらの早とちりなのか?
それでですね、連投みたいで申し訳ないのですが、
今日は夕方、忙しくなりそうなので、
今日の分は、今、投下します。
第二十二話
義純は慌てて釈明した。
「いや、とんでもない! ・・・そうじゃないんです。
確かにあなたの話は驚きましたが・・・、
わたしがいま、思っていることは・・・その・・・、わたしに何ができるのか・・・と・・・。」
騎士団の力・・・それは情報収集・・・分析・・・また、その気になれば、
軍隊並みの戦闘能力も展開することが可能だ。
だが日本でそれはあり得ない。
また、本部を経由させれば、日本の政治家や行政組織に影響も与えることができるが、
余程のことがなければ、そんな荒業も使えない。
義純は騎士団本部の意向までも完全に把握しているわけではないが、
少なくともメリーの話はいまだ騎士団本部が注視するような存在でもない。
・・・では?
「伊藤さん・・・、大変失礼ですが、少し席を外させていただいて宜しいですか?
わたしがあなたの力になれるかどうかは分りませんが、何かの手がかりがあるかもしれない、
依頼元と連絡を取ってみます・・・。」
「・・・お願いします・・・!」
騎士団内の会話を一般人に聞かれるわけにはいかない。
義純は出版社の屋上へ出向いて、そこからの連絡を試みた。
「ハロー? こちらは極東支部の日浦義純だ。
マーガレットお嬢様はもう来てるかい?
・・・特殊任務中? へぇ?
困ったな、それじゃ本人の携帯も繋がらないか・・・。
じゃあ有資格者でいま、そこにいるのは・・・?
・・・ああ、クローバーでいい、換わってくれ・・・。」
イギリスにある騎士団本部には、常時「騎士」の称号を与えられた幹部が詰めている。
ここでいう「有資格者」とは「騎士」のことだ。
それらの称号を得たものは、本部に直属になるか、
義純のように、世界各地の要所の責任者として派遣されるかどちらかになるのである。
第二十三話
「やぁ、クローバー、久しぶり!
お嬢様と連絡取りたいんだが、何の任務なんだい?
・・・ああ、知ってる・・・、例の猟奇殺人だろ?
奥さんと子供を残して、家の主人が異常な方法で殺害されるってやつな・・・。
ケイが管轄か・・・。
ライラックも協力させられてんの? わ〜可哀想に・・・。
いやいや、何でもない。
えっ!? もう一度言ってくれ・・・。
『死なない男』を尋問している・・・!?
片目でびっこをひいた白い髭の老人・・・?」
日浦の頭脳を以ってしても、メリーの所在や救出方法など見出せるわけがない。
騎士団の情報システム及びマーゴの協力を仰いでも、難しいだろうと思っていたのだが、
このタイミングの良さに戦慄を覚えた・・・。
偶然にしてはできすぎている。
元々、騎士団が老人を拘束したのも、老人の知識と不可知の能力に着目したためだ。
今日初めて会ったルポライターの・・・彼の娘とやらはそれを予知したというのだろうか・・・?
「・・・済まないがクローバー!
この電話をマーゴのいる部屋に伝えてくれ、緊急だとね!
・・・分っている、それでもだ。
ライラックを経由させてもらっても構わない、頼む!」
そして・・・、
今、この時を以って、二つのかけ離れた土地の歯車が噛み合ったことになる・・・。
何人も逆らうことのできない運命の車輪は、
坂道を転がるようにゆっくりと速度を増し、
ついに誰にも想像つかない未来へと向かっていくのだった・・・。
第二十四話
ここはジェット旅客機の中・・・。
マーゴ、レッスル、ライラック、ガラハッドの四人は急遽、日本へ向かっていた。
「ライラックゥ〜ありがとうねぇ、あなたが本部を説得してくれたおかげで助かったわ〜。」
「いや、マーゴに礼を言ってもらう必要はないよ、義純の頼みだしな。」
「そういえばあなた達、訓練学校時代からチームを組んでたんだっけ?」
「そう、オレと義純・・・クローバーの三人。
あいつに会うのは久しぶりだけどね。」
エリートと言えども人の子だ、任務とはいえ旧友に会うのは嬉しいようだ。
「あ〜、そうだ、あたしもヒウラにご馳走してもらう約束してたんだけどぉ、
今回は無理よねぇ?」 ライラックは驚いて振り向く。
「そ、そんな約束を!?」
「 妬いちゃう? 」
「な、何を馬鹿なことを言ってるの!
ほ・・・ホラ! ガラハッド! だからテメーは笑ってんじゃねー!!」
「今度、ガラハッドも一緒にご飯食べようねー?」
「えっ? わたしのお相手してくれるんですか?」
若いだけあってマーゴの恐ろしさを知らない。
いや、・・・それは恐いもの見たさなのだろうか?
「マーゴ! 騎士団内では慎んでく・れ・よ! ・・・ガラハッド、お前も彼女をのせないでくれ。」
「ご飯食べるくらいいーじゃない!? 焼きもちやきぃ!!」
「ぅくっ・・・!」 声にならないライラック、本当に苦労性だ・・・、哀れなぐらい。
「ハッハッハ・・・。」
老人もようやく彼らの関係を把握し、慣れもでてきたのであろう、思わず笑い声を上げていた・・・。
そして「ウェールズの魔女」はその隙を見逃さない・・・。
「ねぇ? おじ様?」
「んー、何じゃな?」
「どうしておじ様はその人形にこだわるの?
わたし達のターゲットにはあれほど無関心だったのに・・・。」
老人はしばらく考え込んでいた・・・、マーゴも、ライラックもガラハッドも老人の表情を覗き込む。
第二十五話
「・・・お前たちも、昔の自分の軽挙な振る舞いを・・・反省したり・・・悔やんだりすことはあるだろう?
わしも同じじゃ・・・、長く生きてるだけあってそんな物は嫌と言うほどあるわい・・・。
ほとんど・・・多くはわしより先にみんな死んでしまうからの、何もできずに終わるのがほとんどじゃ。
それでな、あの人形を作ったのはな・・・わしなんじゃ・・・。」
「ええっ!?」 マーゴが最も驚愕した。
ライラックもガラハッドも人形については、
義純の電話の後、マーゴから概略を聞かされているのだが、、
半信半疑と言うか、今ひとつ事態を飲み込めていなかったのだ。
今回、本部に彼らの日本行きを承諾させたのはライラックの功労だが、
それはひとえに義純への友情からだ。
その意味でも、今回の人選はレッスルや伊藤にとっても幸運だったのだ。
「・・・とおってもふるーい大昔じゃ。
わしは別の名前を名乗っていた・・・。
わしの父は神に仕える男だった。
神父とか神官といった身分じゃない、・・・神の使徒・・・と思ってもらえればそれで十分じゃ・・・。
神の意思を地上に体現するのが父の使命じゃった・・・。
ところが・・・、父は一人の少女と恋に落ちた・・・、
その少女も神の使徒であったのに・・・。
二人を止めれる者はいなかった。
わしも、我らの神でさえも・・・。
二人は神の使徒である使命を拒否し、互いへの愛を誓った。
・・・やがて、二人は他の人間と同じように死んでいった。
だが、我らの神はそれを許さなかった。
我らが神は地上のものの生死には干渉しない、例え自らの使徒であろうとも・・・。
だが、死んでしまえば話は別じゃ。
神は彼らに残酷な刑罰を与えた・・・。
『夜の森』と呼ばれる閉ざされた空間に幽閉し、時果てるまで出られないようにしてしまったのじゃ。」
☆ 今日はここまでです。では。
633 :
誰いな:2006/02/27(月) 11:44:02 ID:ka+xhtm1O
休憩中にちょっと来てみたら…
Ladyさんがぁ!!
しかもしかも、超GJ!!!!!!!!!
あの3人にはそんな関係があったんですね!
それがこれからどの様に語られていくのか…
非常にwktkでございます(`・ω・´)
そしてマーゴたま…(*´Д`)
男共との掛け合いが非常に…GJ!(*´Д`)
634 :
名無し:2006/02/27(月) 12:01:23 ID:arlO3jrLO
誰いなさんのお人形さんメリーいいっスね。GJス。
あと、ありがとう。ピクトがお馬鹿になっちゃった時には使わせてもらいますね。
LadyさんGJ!
いっぱいあったから何か得した気分で読ませて頂きましたww合併号みたいな。
しかも、いよいよ触れてきましたね…俺が読みたかった部分…思わずニヤリとしちゃいましたよ。
また楽しみに待ってますね。
あと、俺の方は今日の夜頃になるかな…
あんま期待しないで流す程度にでもどうぞ。と。
ウハッッッw
gj!父親は神の使徒…愛しあった二人…これはもしかしてもしかして…
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━ッッッ!!!
今日も酔っ払ってます。
名無しさんのうpはまだかなぁ〜・・・。
誰いなさんも名無しさんも丁寧な感想ありがとねぇ。
>>635 一応、この物語の根幹の一つなんで、
みなさんになんのわだかまりも無い様に、
このLady メリーワールドがどのように成り立ってるか、
ここいら辺で完全に明確にしとこうかな・・・と。
そこでですね、実はですね、
私、2月28日を以って、今住んでる南の島から東京に引っ越します。
で、3月2日まで、ネットにはつなげられないそうなので、
それまで、パソからは閲覧も書き込みもできません。
で、28日の分は、日付が変わった今、うpします。
1日は完全にお休みします。
みなさんのレスも難しいかと思いますのでご容赦くださいませ。
回線つなぎ次第、ここに現われますのでよろしくお願いします。
第二十六話
老人は話を続ける。
「しかもそれだけではない・・・。
彼女は・・・お嬢ちゃん、あんたと比べても遜色のない美人じゃッた。
誰もが見とれる美しい銀色の髪・・・、
その澄んだ純粋なグレーの瞳・・・、それなのに、
彼女には、永久に老いさらばえていくという刑が与えられた・・・。
それも森に迷い込んだ女子供の命を吸った時だけ若返られるという、むごい刑罰じゃ・・・。
父のほうは、まだ罪が軽かったのかもしれん・・・、目玉と思考能力を奪われた。
ある意味・・・二人にとって、そこだけが救いなのかもしれんな。
彼女も・・・醜い姿を父に晒さなくて済む・・・。
それが我らが神の慈悲の為せる業だったのかは・・・わしにも分らんがの。」
マーゴもライラック達も黙って聞いてるしかできなかった・・・。
老人が多くの知識を胸に秘めているという事は、もちろん承知していたが、
ここまで衝撃的な話が飛び出てくるとは思わなかったから・・・。
「・・・わしにしてみれば、複雑な気持ちじゃったよ。
父を不幸に追い込んだ張本人・・・、
彼女の名はフラウ・ガウデン・・・、じゃが、わしから見ても彼女は魅力的じゃったし、
いい子じゃった。
わしには彼女を責めることもできない・・・。
そこでわしはせめてもの慰めにと思って、彼女の似姿の人形を作り上げた。
彼女の遺体の毛髪を使い、石膏には彼女と父の遺骨を混ぜ合わせて・・・。
・・・薄い望みもそこに注ぎ込んだ。
ある秘術を使えば、その人形のカラダに魂を移し変えることができるように・・・。
じゃが、・・・それは失敗した。
既に二人は神から呪われた肉体をあてがわれており、
・・・まぁ、それも彼女達の似姿なのじゃが・・・、どんなに秘術を尽くそうとも、
呪われた彼女のカラダから魂を抽出することはできなかったのじゃ・・・。
・・・そして、また、長い年月が過ぎ去り・・・わしの半端な同情心で起こした行動は、
さらなる悲劇を生んでしまったのじゃ・・・。」
第二十七話
「・・・当時、何世代か前のわしが駐留していた村あった・・・。
ある不幸な出来事があり、その村の少女が非業の死を遂げた・・・。
じゃが、その少女は死にきれず、悪霊と人間の境を彷徨っていたのじゃ。
そこを通りがかったのがフラウ・ガウデンじゃ。
彼女は彼女でお節介やきでな、
その少女に残ってる生命力と引き換えに、その少女・・・マリーという名の女の子の魂を、
自分の似姿である人形のカラダに注ぎ込んでしまったのじゃ・・・。」
老人は再び沈み込んでいる、よほどつらい思い出なのだろう。
ガラハッドが気を利かして飲み物を注文した。
暖かいコーヒーがやってくる。
「・・・おお、すまんな。 マーゴ、おまえさん詳しそうじゃな。
人が死ぬとどうなるか分るかね?」
「ええっ? そりゃあ、色々、調べたりしましたけど、実際どうなるかなんて・・・。
天国か地獄へ行っちゃうとか?」
「そりゃそうだのう、わしに言わせれば天国も地獄も大差ない。
じゃがの、まれに黄泉の世界に行けずにこの世に留まる魂もあるんじゃ・・・。」
「ああ、悪霊の事ね・・・。」
「悪霊とは限らんがの、ま、それも似たり寄ったりじゃ。
この世に留まるパターンは大きく三つある。
浮遊霊、比較的広範囲に動けるがエネルギーは弱い、わしは幽鬼と呼んでおる。
この世から浄化されるのも早い。
そして憑依霊または地縛霊、物や人、土地に取り付く場合じゃな・・・。
対象物がその存在を継続する限り、長い間、この世にあり続ける魂じゃ。
大体はこの二つの枠で収まるんじゃ。
しかし人形の場合は違う、・・・霊そのものが人形と一体化してしまうのじゃ。
その形態は生きている者と同じとさえ言って良い・・・。
あのマリーという子は、魂があまりにも強すぎたとはいえ、
放って置けばさすがに今頃は浄化しているはずじゃ。
じゃが・・・、人形に封じられてしまったが故に、
未だに浄化されずに人形の内側に閉じ込められておるのじゃ。」
第二十八話
「なぜ、その・・・フラウ・ガウデンは彼女にそんな仕打ちを・・・。」
「フラウ・ガウデンにしてみればマリーの為なんじゃろう?
あの時のマリーの憎しみと苦しみは、想像を絶するものだったようじゃ・・・。
人形のカラダに入れば感情を失くす。
強い心のエネルギーを変換することによってその人形は動くのじゃからな。
マリーの苦しみを失くすには、確かにそれが最善の方法だったかもしれん。
・・・いや、誰にもどうすれば良かったかとは言えんのじゃろうな、
結局、マリーはその道を選んだ。
とはいえ、わしにも責任はある。
何とか彼女を解放する手段はないかと、
いろいろ手は尽くしてみたんじゃが、情けないことに何度転生してみても、
うまい手段は見つけられん。」
「わたしたちに協力を求めてまで、彼女を助けようとするのは、かつての自分の罪滅ぼしのため、
・・・てわけ?」
「まぁ・・・そんなとこじゃ・・・。」
「今度のことに心当たりはあるの? ヒウラの話によると、
人形がどこかに閉じ込められてしまっているという話だけど・・・?」
「物理的に彼女を拘束することは可能かもしれん・・・、
セメントで固めてしまうとか、氷付けにするとかな・・・。
・・・じゃが、その・・・未来を透視するという女の子かの?
その子の話じゃと、迷宮のようなところにおると?
・・・それならば、何者かの魔術の影響下にあるようじゃな・・・?」
「魔術ですって!?」
「あんたらの建物の中にいたとき、わしは人間の争いには関知しないと言ったじゃろう?
じゃがな、人間の範疇を越えようとしているなら話は別じゃ・・・。」
老人は大きく息を吐く。
「他人の命を吸い取って200年以上生き続けている者がいる・・・。
わしも直接、対峙したことはないがの、・・・恐らく奴じゃ!
いかなる神をも信奉せず、己の悦楽と欲望のみのために魔術を行使する性的倒錯者・・・!」
第二十九話
「えっ!? レッスルおじ様、あなた以外にもそんな人いるのぉ!?」
「おいおい、酷いぞ、わしは変態じゃないからの!」
「あ〜ん、ごめんなさ〜い!
そういう意味じゃないのよぉ!
そんなに長生きしてる人がいたなんて、調べられなかったからぁ・・・。」
マーゴは老人の見かけより太い腕に抱きついた。
最初は、尋問するのに便利なので自分の色香を使ってたが、
だんだん本気でレッスルに興味を持ってきたらしい。
この辺りは・・・生まれ持った性質なのだ。
マーゴは自分の事を淫乱とも男好きとも思っていない。
片っ端から恋愛しているわけでもない。
ただ単純に、他人にちやほやされたり、逆にちやほやしてあげるのが大好きなだけのだ。
そして勘違いした男達が寄ってくると、冗談やめてよねッ・・・と追い払ってしまうのである。
全く男にしてみればいい迷惑である。
・・・ホラ、今もライラックの目が・・・。
老人は、自分の腕にくっつくマーゴの柔らかい肌・・・というか胸・・・の感触を味わいつつも、
自らの本能の誘惑に、必死に理性を働かせて抵抗する。
年取っていたって男は男だ、文句あるか!
「ゥオッホン! そ、それでな、その人形が力を使い果たし、
眠ってる隙にそのカラダを奪った男がおるのじゃ・・・。
名を・・・ノーフェィスのバァル、通称『赤い魔法使い』じゃ。」
ライラックが興奮して立ち上がる。
ただでさえいらついていた時に信じられない言葉を耳にしたからだ。
「待ってください! ノーフェィスですって!?
あれは我ら騎士団が壊滅させたはずだ!」
老人が驚いたように見上げる。
「・・・ほう、あの下らない集団を潰したのはおまえさん達だったのか?
なら、詳しい説明は要らんな?
確かに組織は潰れたんだろうて?
じゃが、肝心の創設者を逃がしてしまったようじゃのぉ?」
第三十話
「ライラック、ノーフェィスって・・・あたしも名前しかは聞いたことはないけど・・・?」
「マーゴも知ってるだろう、今現在、騎士団が危険監視対象に置いているのが・・・。」
「ドイツの傭兵部隊『黒十字団』・・・、ウラの顔は党首が悪魔崇拝者と言われてるわね、
それと南米に本拠地のある多国籍軍需産業『デミゴッド』などね。」
「そう、そして今から十数年前、まだおれが騎士団の正規メンバーでないころ、
監視対象から殲滅対象に移行したグループがあった。
おれらの上官のベリノア、君の叔父さんのケイ、
南洋支部のガワン、北米支部のリッチー達が叩き潰したのがその狂信者の集まりさ。
・・・神や悪魔すら信じず、ただ神秘術の研究と実践だけを目的として、
この世の全てのモラルや法を無視した集団。
・・・レッスル様、もし、あなたの言うことが事実なら、
我々騎士団は、その男を排除するために全力で協力します。
・・・いや、むしろ我々の果たすべき使命です!」
「ふむ、ならば手伝ってもらおうかの?
だが、わしの目的はあくまで人形・・・メリーの救出じゃ。
あの男がメリーを捕縛しているのなら・・・、そちらはお前達にお願いするとしようかの?」
「かしこまりました!
ガラハッド、空港に着いたら本部のケイに連絡をしてくれ。
それと義純の騎士団専用端末に、ノーフェイスの資料を送り届けるようにと!」
「分りました!」
「あ〜ん、ライラックかっこいい〜!」
レッスル爺さんの腕にしがみついたままそのセリフを吐くか?
ライラックは泣きそうだ。
「・・・それでおじ様、どうして彼女はメリーと呼ぶの?」
「ふむ、それについては、向こうにいる者たちと合流してからにしようかの・・・?」
彼らを乗せた飛行機は、まさに日本の成田空港に着陸態勢をとろうとしていた・・・。
☆ とゆーわけで、きりがいいのと、お詫びも兼ねて五話投入。
次回はいよいよ、レッスル爺さんとあの方が接触いたします。
彼らがいかにして、メリーを救出するのか、
またいかにして、赤い魔法使いと対峙するのか、
できれば! ・・・期待してお待ちくださいませ。
では、ここでパソの回線を切断します。
みなの健闘を祈る!
回線終了・・・オーバー!!
ktkr
明日…いや、今日が楽しみです!
さて、俺の方も一昨日雨で買いに行けなかったパソコンを今日買いに行くので、今日の晩には新章を投下出来ると思います。
お待たせして申し訳有りませんでした
上の文章の冒頭に
>>Ladyメリー氏
て入れてなかったorz
>>643 キタコレ?
>>645 カボチャさん、・・・無理なんだってばぁ。
あなたのは、携帯で楽しみにしてますからね〜。
>>Ladyメリー氏
おぉう、小説の方に目が行ってうっかり見落としてしまいました…
>>Ladyメリー氏
う、すいません、小説の方に目が行って見落としてましたorz
>>Lady氏
GJGJ(゚∀゚)!!!!!
ついに・・・核の部分に触れてきた感じですか?
しかもちょうどいいところで・・・
明後日が楽しみです。待ってますね!
>>カボチャ氏
待ってましたよ〜
wktk!!
Ladyメリー殿もみんなGJ
やっと課題終わったよ。(バンザーゐ
サイド書き上げてくるよ。
新しいパソコンがFDに対応してないのを見落としてましたorz
取り敢えず今日出先のネカフェでフラッシュメモリに移して、晩に投下します。
こんな単純な事で失敗するとは…
お!始まり氏おひさ〜 ノシ
653 :
名無し:2006/03/01(水) 17:34:23 ID:/UEQljkrO
始まり氏お久しぶり。
つーか、え。こないだUPする予定でしたが、思うところがあったので破棄しちゃいました。
やっぱ間に合わせで書いたヤツなんて晒せません。すいませんでした。
LadyさんGJでした!そんでゴメンね。期待ばっかさせちゃって。南の島からの引っ越しってこってすが
そこに比べると東京は洒落にならんくらいに寒いと思います。暖房はOK?
風邪や病気には気を付けて。
他の作者様方の作品も待っております。
>>始まり氏
お久しぶりです!
おかえりなさい〜
>>名無し氏
どうぞ自分の納得いくものを投下してくださいね!
待ってますから〜
あ、そういや昨日コテ付け忘れた・・・w
>>649は僕ですorz
カボチャ氏マダー?(AA略
655 :
誰いな:2006/03/01(水) 22:54:26 ID:pbUtOoZn0
あれ?またコテついてない・・・orz
あたし、メリーさん。
いま、あなたの町にいるの。
…………………
あたし、メリーさん。
いま、あなたの家の近く…
あれれ?ここどこ?
657 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 02:08:24 ID:NLFUcRDVO
最近馴れ合い杉ててきもいよ。
勘違いして仕切ってる人もいるし。
658 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/02(木) 02:10:58 ID:nK+Gghoz0
んじゃおれジャニーさんね
ユー、薄皮あんぱんばっか食べるのやめなよ
作者が作品うpっていれば馴れ合いなんかどうでもいい
カボチャ氏、今度こそ期待してるよ!
始まり氏、ご苦労様、もうそろそろ、次スレかもよ?
名無しさん、・・・東京さみーよ! エアコンは明日までないし。
コタツで頑張ります。
誰いなさん、みなさん、ようやく回線繋がりました!
さっそく、行きますね!
・・・126パパは?
第三十一話
丸一日が過ぎていた・・・。
義純も伊藤も、仕事場のほうへはうまく言いくるめることができたようだ。
元々義純は所長だし、伊藤のほうも適正な申告さえすれば、
勤務時間を拘束されない都合のいいというか、不安定な身分でもあるし。
義純は騎士団用のキャンピングカーを用意していた。
一見、慎ましやかに見える彼の生活だが、人の目に触れない部分では、
驚くべき重装備を手配できるのである。
車内には、通信機材や物々しいトランクを積み込んである。
検問などの無用なトラブルを避けるため、空港から少し距離のある駅で、
イギリスからの一団を待ち受けた。
「ヒーウーラー! 久しぶりーぃ!!」
「(うぇっ!) や、やあマーゴ! 本当に綺麗になったなぁ・・・!」
「でっしょぉお?」
「ライラック! 元気そうだな! ガラハッドも良く来てくれた。
・・・それでこちらが・・・。」
義純は老人を振り返った。マーゴが紹介する。
「天下の魔法使いブレーリー・レッスル様! 人形メリーの製作者らしいわ!」
伊藤もその程度の英語は理解できる。
だが、あまりの唐突な紹介に耳を疑う。
「な、何ですって!?」
「あー、こちらが、・・・マーゴに調べてもらったルポライター、伊藤さんです。」
伊藤の驚愕は一旦、スルーされてしまったようだ。
「ハーイ、ヨロシクね! 私はマーゴ! 紅い髪の毛のあっちがライラック、
金髪のあの子がガラハッドね!」
戸惑っている伊藤をじっと見ていた老人は、伊藤に近づいて言葉をかける。
「詳しい話は後でしたいんじゃが、
・・・イギリスを出る前にこやつらに頼んどいた話は聞いておるかの?」
第三十二話
一同、老人が日本語を流暢に使えることに驚いたが、
何しろ何百年この世界にいるか分らない爺さんだ、みんな少し考えて納得した。
伊藤だけ戸惑ったままだ。
しかも老人が、騎士団から日浦経由で頼んだものとは、伊藤にとってさらに難題だったのだ。
「えっ!? ま、麻衣をここに連れてくることですよね?
それは駄目です!
その、妻に話してみたんですけど、そのー、
強硬に反対されて・・・、うまい口実も思いつかず・・・。」
「ふぅーむ、・・・では、初対面のあんたに、えらく失礼なことを聞くが・・・。」
「は、はい、何でしょう?」
「奥さんとセックスはうまくいっとるかね?」
「・・・はぁ!?」
さすがにその場にいたマーゴも目をパチクリした。
特定の単語に反応したようだ。
義純に意味を聞いている・・・。「わーお!」
「すまん、大事な話なんじゃ、答えてくれい・・・。」
伊藤は義純に対してはある程度心を開き始めていたが、
さすがに遠い外国からやって来た異邦人には警戒心を持っていた。
そんな時にこの質問では・・・。
「・・・いや、子供ができてからはあんまり・・・。」
「そうかね、では、以前の話でよい。
あの時は、おまえさんが上かね? それとも奥さんが上かね?」
「・・・はああ!?
いい加減にしてくださいよ、何でそんな事を・・・!!」
しかし、老人の片目は本気に見えた・・・、威厳も感じられる・・・。
高名な医者の前で全てを申告せねばならないような雰囲気になって、
伊藤は恥ずかしがりながらポツリと言った・・・。
「・・・妻が上に・・・なりますね・・・。」
第三十三話
「・・・すまんかったの、よぉく分った。
伊藤さんといったかな? 奥さんに電話してくれんか?
わしが直接話そう・・・。」
「な、なに言ってんですか!?
そんなイヤらしい事、百合子の耳に入れたら大変なことになりますって!」
伊藤は勘違いしたままだ。
老人は思いっきり吹きだした。
「ハーッハッハッハ、いや、すまん、違う違う、そのことではない。
娘さんのことじゃ、なーに、悪いようにはせんよ。」
本当に大丈夫なのか?
伊藤は恐る恐る携帯の自宅の番号を呼び出した・・・。
「はい? あなた?」
「あ・・・もしもし、俺、えーっ・・・と、君と話をしたいってお爺さんがいるんだけど・・・?」
「ええ? どういうこと?」
そこで老人が携帯を奪うように取り上げた。
「あー、もしもしー?」 レッスルはその場から離れる。
周りに聞かれたくないのだろうか。
「もしもし? どちら様ですか?」
「・・・ブレーリー・レッスル・・・と言えば分るかな? 奥さん・・・。」
「はい? ブレーリー・・・ えっ・・・ ブレーリー・・・レッスル 様?」
百合子の声は震えている・・・、勿論、他のものには分らない。
「やはり『リーリト』か・・・、珍しいのお。」
「・・・申し訳ありません! 失礼を・・・!」
「気にすることはない、わしはお前たちの主人でもないぞ、
用件は一つじゃ、・・・娘さんを貸してくれんか・・・?」
「・・・それは、命令でしょうか・・・?」
「いーや、そんな権利はわしにはないさ、 じゃが、おまえさんたちの掟は知っておる。
種族の利害に反しない限り、全ては個人の意思が尊重される・・・、
違うかね?」
第三十四話
「それは、娘のことを言っているのですか・・・?」
「娘さんは『彼女』を助けたいと言ったそうじゃな。
・・・ならばわしらと行動を共にさせてはもらえんじゃろうか?」
「娘は・・・、麻衣はまだ10歳です・・・。
種族の自覚も誇りもありません・・・。」
「そうか、ではこういう風に考えてはもらえんかの?
いま、わしの周りにいる者達は、『リーリト』の存在に気づき始めておる。
勿論わしは、お前たちの争いには関知しない。
じゃが、ここで彼らに恩を売っておけば、後々何かと都合がよくはないかね?」
「・・・他人事のようですね?
私たちがイヴの子孫達といがみ合うようになったのは、
あなたの思惑ではないのですか・・・?」
「・・・痛いところを突くのう。
わし自身ヴォーダンの心の奥深くは窺い知れんからの・・・。」
「それに、あの人形がどうなろうと、私たちには何の関係もないはずです・・・。」
「・・・そうかね、仕方ない・・・、それがおまえさんの意思だというなら、
運命とはそういうものなのかのう・・・。」
電話の奥の百合子は、レッスルの言葉に反応した・・・。
私の意志が運命を・・・?
運命とは自分の意思で変えることができるのだろうか・・・?
自分の選択は種族の一員としては間違ってはいない。
夫が危険に巻き込まれて、自分以外の人間に死を与えられたとしても、それはそれで問題はない。
では、なぜ、心が揺れる?
何故、ここで口が開いてしまうのか・・・?
「ブレーリー・・・レッスル様・・・?」
「んー、なんじゃね?」
「娘をそちらに預けても、・・・私は『リーリト』として、
間違っては・・・いないのでしょうか・・・?」
第三十五話
老人も彼女の苦悩を感じたのだろうか・・・。
「・・・運命とは全て己の意思次第じゃよ・・・。
とぉーい昔にイヴが『心』を選んだのも・・・、リーリトが『自由』を選んだのもな・・・。
そして運命の結果などというものは、誰にも分らない、
例え、少し未来の事を見る事ができるお前たちとて、それは一緒じゃ・・・。
正しいか間違っているかは、誰にも言えんじゃろう・・・。」
伊藤は心配そうにこちらを見つめている、・・・騎士団の者達も同様だ。
静かな時間が流れていく・・・。
「娘と・・・それに、夫をお願いできますか・・・?」
「ありがとう! 心配はいらん、くたばり損ないのビショップが一名、抜け目のないウィッチが一名、
頼りになりそうなナイトが三人もおる。
可愛いプリンセスは守ってみせるよ、・・・旦那さんもな!」
「最後に聞いてよろしいですか?」
「んー何じゃなぁ?」
「どうしてわたしの正体が・・・?」
「ああ、旦那さんに夜の生活を聞いたんじゃ、おぬし達が『男の下』になる事はあり得んじゃろう?」
老人はお礼を言って電話を切った・・・。
そしてその瞬間、「しまったぁ!」とでも言うかのように顔をしかめた。
一方、相手側の百合子は電話を切って一人つぶやいた。
「・・・あの、おしゃべり・・・! 他人様になんて事を・・・! 」
その言葉には明確な殺気が込められていた・・・。
「・・・どうかなさったんですの?」 マーゴが心配そうに聞いてくる。
「また、後悔のネタが一つ・・・いーや、何でもない!
交渉は成功した。これから娘さんを迎えに行ってもらえんかね?」
何よりも驚いたのが伊藤である。
「ええ!? 妻が承諾したんですか? 凄い・・・一体どうやって・・・?」
「ああ・・・あ、大丈夫・・・うむ、心配いらぬ、心配いらんからな・・・!」
老人はばつが悪そうに携帯を返して車に乗り込んだ。・・・もはや威厳など、どこにもない。
☆ 外伝では「リリス」と表記しましたが、
別のお話であることを強調したかったので、
別の訳語を使いました。
ちなみにわたしが最初にこの名称を知ったのは、
岩波文庫訳の「ファウスト」でです。
そちらでは「リーリト」となってました。(・・・確か。)
また、リーリトがアダムの下を逃げ出したのは、
性行為の時、彼の下になる事に耐えられなかった為、と言われてます。
では。
口裂け女の件が終わってから、山神がバイクを運転できないという理由からその日は現地で一泊し、翌朝一番で帰って来たが、結局事務所に到着したのは夕方であった。
そして、今山神は今回の事件を報告書に纏める為、パソコンに向かっている。
メリーは、帰ってくるなり「でかけるぜー!」とカボタンに通訳させてどこかへ行ってしまった。
「龍宮機関、か…」
竹取…山神とメリーの所属する組織の中では、山神の知る限り伝説的な名である龍宮機関。
それまで数多くの事件で絡んだと言われておきながら、過去に二度しか報告書に載ったことが無い。
それ程に闇は深く、また巨大な物であった。
「以上、口裂け女(本名不詳)の死を以て、決着。死の直前に龍宮幹人の名を出したらしいが、詳細は不明…と。」
メモ帳に事件の詳細と結末を記すと、ひとしきり上から下まで眺め、書き漏らしやおかしな所が無いか確かめる。
そうしてから、紙の報告書に全く同じ事を書くのだ。
報告書は、さまざまな理由から手書きが義務付けられていた。
その最も大きな理由は、「筆跡で誰が書いたか分かるように」であった。
竹取の情報室に収められる報告書の中には、第三者が書いた「事実かどうか疑わしい」報告が多少あるらしい。
仕事上、怪異の類に殺され、偽の報告が出されてしまうことが有るからだ。
実際、その報告を最後に死んでいた、なんて奴が最後に出した報告書は、筆跡が全く違ったりする。
そうなると、「その報告が本物か偽物か」は、筆跡だけを頼りに判断されるのだ。
ワープロ、パソコンで書いた画一的な文字では、その判断がしようが無い。
逆に、死者の告発、と言うべきか、報告者が死んでから出された報告書が、その報告者の以前の報告書とぴたりと筆跡が一致したりするから面白い。
「面倒だ…」
が、やはりそれはわかっていても面倒は面倒で、心中で思ったことがつい口から出てしまう。
かちゃかちゃかちゃ、とキーボードが勝手に動き、報告書の後に文字が続けられる。
「面倒なら止めちゃえば良いのv(^-^)v」
何処に行ったかと思えば、何時の間にかメリーは帰ってきて姿を消して後ろにいたらしい。
「そうも行くか。上からの給料が無ければ俺達はやっていけん…」
「大人の事情、って奴なの(-。-)」
「給料が無けりゃお前の好きなパフェも食えないぞ。」
「それは困るの」
「だろ…?じゃ、送信するから消すぞ」
そして、ワードで纏められた下書きは、メールで紀野国に送られる。
紀野国は、少しでも早く報告がされるのを良しとするため、誰からの報告も一旦メールで受け取る。
その後に、筆跡を見て本物かどうかを確認するらしい。
メリーの打ち込んだ文章を消し、下書きをコピーアンドペーストして紀野国に送信する。
「さて、本物の報告書を作るか…」
そう決めてから、報告書用の紙を見つけ出すまで、ゆうに三十分はかかった。
いつも書類を入れてある棚に、予備が一枚も無かったのだ。
山のような参考文献の下から引っ張り出した、半ば折れ曲がった紙袋から真っ白な書類を取りだし、鉛筆を握る。
と、山神の携帯が鳴り出した。
「はい」
「あたしあたし。紀野国。」
「あたしあたし。紀野国。」
てっきりメリーからとばかり思っていた山神は、不意をつかれ、「え?」と呟いてしまった。
「何不思議そうな声上げてるのよ…。報告書、読んだわよ」
「そうか…どう思う?」
「…龍宮機関、かしら?」
龍宮、の名を出すとき、紀野国の声のトーンが低くなる。
「そうだ。あの機関だ」
「報告書に姿をあらわすのは三度目ってだけで…一体どれだけの件に関わっているやら。それを調べる術は無いけどね…」
諦めに似た感情を言葉の中に見せながら、紀野国はため息をついた。
「そうそう、で、次の話なんだけど…」
「次…?ペース早過ぎやしないか?今日帰ってきたばかりだぞ?」
「あんたみたいなのが皆結構大きい仕事抱えてるのよ。大体口裂け女だって、長期戦になると予想してたのにたったの四日で片付けたから、次の仕事を回そうかと、ね。」
「俺みたいな、か…」
「愚地には怪人赤マント、風祭には首無しライダー、外山には図書館の怪異…ちゃんと、仕事が有るの。で、今あんたがあいたから…そうね、こんなのはどうかしら…」
というわけで、今度こそ第二章の始まりです。お待たせして申し訳有りません。ちょっと今回の投下量少ないですが。
>>670でうっかりコテを入れ忘れましたが、ちゃんと私の書き込みです(苦笑
>>Ladyメリー氏
お帰りなさい!ご苦労様でした!
かぼちゃさん、ついに再開しましたね!
今後の展開を楽しみにしてます。
相手はなにかな〜?
俺は入口を向く、向かなければいけない様な気がした。
其処には 血にずぶ濡れ・・・陥没し中身がしどろに出た頭を片手で持った
子がいた。
[それだけは・・・止めて・・・]少女はそれだけ言うと顔を俯(うつむ)けた。
床に水が当たり弾ける。
泣いているのだろうか、少なくとも俺には見えた、
外は五月雨だった・・・
[ずっと・・・待っていた、あの大戦(オオイクサ)が引き裂いた日から]
如何いう事だ?俺に孫はいない、年からして違う。俺は聴く。
「どおいうことだ、それに何故皆を殺した」
[覚えていないか・・・・仕方ないよね]
俺の頭の内に疑問符が増える。「!しまっ・・・」
少女に抱きかかえられる様に支えを無くし崩れる
[悲しいけど・・覚えてないか・・]
下げ忘れたOTLちょっと過去編には入ります。
お〜っと、始まり氏完全復活ですか〜?
楽しみにしてますよ!!!
第三十六話
義純はみんなを促す。
「じゃあ、まずは伊藤さん宅に寄りましょう、
それから私の端末に『依頼元』からの情報が送られてきていると思いますので、
そちらの資料も拾っていきます。」
車が伊藤宅に到着すると、既に準備を整えさせていたのか、
学校から帰った麻衣がリュックサックとジーンズ姿で、父親達の到着を待っていた。
「麻衣・・・。 これから何しにいくのか、分っているかい・・・?」
「うん・・・。でも、どうしていいか、わかんない。」
後ろで百合子が黙って立っている。
伊藤も何て声をかければいいか分らない・・・。
だが、全てを了解している百合子は、妻として相応しい言葉を夫に投げかける・・・。
「あなた。」
「あ、 ああ、何だい、百合子?」
「いっつもおんなじことしか言えないけど・・・、」
「・・・。」
「危ないマネはしないでね。 自分と麻衣の安全を最優先に・・・。」
「分ってる! 一人にして悪いけど、留守番頼むな・・・。」
そうして百合子は屈んで麻衣にも優しい言葉をかける。
「麻衣、パパのそばを離れちゃ駄目よ・・・。」
「うん・・・、ママ?」
「なぁに?」
「・・・ごめんなさい、ママの言うこと・・・。」
「怒ってないわよ、麻衣・・・。
でもね、自分の言ったことには責任が必要なのよ・・・。
覚えておきなさい・・・。」
「うん、わかった・・・。」
第三十七話
車から、足を引きずりながら杖をついたレッスルが出てくる。
百合子に向かって深々と頭を下げる。
百合子も丁寧にお辞儀をした。
騎士団の者達もそれに倣おうとしたが、あまり百合子は快い反応を示さない。
特に麻衣なんかは、反射的に父親の後ろに引っ込んでしまう。
(無理もないよな・・・。)と、あくまで一般的な理由で義純は考えたが、
本来それは別の理由の為である。
・・・彼女達の習性なのだ、
特にマーゴのような女性がいると・・・。
手まで振って愛想を振りまいたマーゴは悲しそうな顔をする。
「・・・嫌われちゃってる・・・?」
「気にしてはいかんぞ、マーゴ。
日本人の女性は人見知りが激しいんじゃ、
特に欧米人の顔つきには慣れとらんからの。(そーゆーことにしておくわい)」
「そうなんだぁ、でもあの奥さん若いわねぇ? 日本人て若く見えるのかしらぁ?」
「そ、そうじゃの、それより、先を急いだ方がいいのじゃないかな?」
一同はレッスルの言葉に従い、次々に車を乗り込み、伊藤宅を後にする。
ひとまず、義純のマンションへ・・・。
百合子は、彼らの車が見えなくなるまで、玄関先から彼らを見送った・・・。
車が見えなくなると、彼女は何か思うところがあったのか、
玄関先から、家全体を・・・、
そして家の中に戻ると、台所、ダイニング、自分達の寝室、麻衣の部屋、
それぞれを思い思いに見続けていた・・・。
人形のような無表情の顔で、いったい何を考えているのであろうか・・・?
第三十八話
一面の白い世界・・・ここはメリーのいる空間。
何人かの自分のかつての家族がメリーを呼びかけている。
メリーは迷いながら何度も彼らの立っている場所にまで近づいた。
ヒールの音が不規則に響く。
メリーはかつての弟のいるところまで歩いていく・・・。
「ねぇエルマー、 どうしてあなたは血を流しているの? 痛くないの?」
「・・・姉ぇちゃぁぁぁん、こっちだよぉぉぉ、こっちに来てよぉぉぉぉ・・・!」
エルマーはメリーに向かって訴えているだけで会話は成立しない、
一方的に同じ言葉を繰り返すだけだ・・・。
・・・変なの。
メリーは不思議そうに首をかしげ、最後にあきらめて後ろを振り返る。
今度はかつての母親のところへ歩いていく。
「ママ? もう、手袋はなくさないわ、ご飯を食べさせて。」
「エミリーぃぃ! 晩御飯冷めちまうだろぉぉ?
早く家に帰っておいでェェ!」
・・・こちらも同様だ。顔はメリーに向いてるが他の言葉は喋らない。
顔も潰れては元に戻り、潰れては元に戻る。
メリーはやっぱり首をかしげる。
・・・まただ。
そしてその次は老夫婦だ。
ヒールをコツコツ歩かせて父親と母親に近寄っていく。
「お父さん、お母さん、ただいま・・・、 どうして二人とも年をとってるの?」
「・・・マァリィ〜? いつまで外で遊んでいるんだぁいぃ?
暗くなる前にぃ戻ぉってきなさぁい・・・!」
メリーはまたまた首をかしげる。
あれぇ?
みんな自分の家族には違いないのだが、何かが違う・・・。
彼らのところにある扉は、いずれも自分が帰るべき家の扉ではないような気がする。
第三十九話
メリーが再び途方に暮れだした時、
どこからか小さな音で、ピアノの音が聞こえてきた。
・・・静かで優しい曲。
リストのLiebestraume 「愛の夢」・・・もちろんメリーに曲名など分らない。
メリーは瞳をギョロギョロ動かしピアノの音源を探る。
あそこだ!
さっきまではなかったはずの大きな扉がある。
そこには赤いローブを纏った男が立っている・・・。
遠くてピアノの音しか聞こえないが、やっぱり何かをこちらに向かって喋っている。
行ってみるしかない・・・。
メリーはピアノの音に誘われるかのように、ゆっくり大きな扉に向かって歩き出す。
だんだん男の姿が見えてきた。
精悍な顔つきをしているが、その異様に色素が薄い灰緑色の瞳が特徴的だ。
「・・・エミリィィィィ・・・。」
男の声も聞こえてきた。メリーに向かって哀願しているようにも見える。
「エミリィィィ・・・、今まで寂しい思いをさせてきたねぇぇ?
ごめんよぉぉぉぉ、わぁたしぃを許しぃてぇおぉくぅれぇぇぇぇ・・・。」
この男も見覚えがある、エミリーにひどい事をした男だ。
メリーは男の近くには寄らず、少し距離を置いて彼を見つめてみた。
「わかっているよぉぉ、わたしを恨んでいるんだろぉぉぉ・・・
だけど・・・これだけは信じておくれぇぇぇ・・・
お前を愛しているのは、このわたししかいないんだぁぁ・・・!
そしてこのわたしにはァ・・・エミリーィィ、お前しかいないのだよぉぉぉ!
この世で愛に勝るものは存在しないぃぃ・・・。
その扉を開けてごらん・・・。
そこはお前とわたしだけの世界・・・、祝福された永遠の楽園への入り口だぁぁぁ!!」
メリーはこの男の言う事を黙って聞いていた。
この男と長い間、暮らしたことは記憶にある。
だが・・・、果たしてこの男の言う事を受け入れて、本当に良いものなのだろうか・・・?
☆ おお! 始まり氏復活か!
怖い話リレーの方とは、ストーリーつながりはあるの?
むこうは気にしてなかったんで・・・。
さて、おいらの朝うpしたのは、昨日の分と言う事で、よろしくお願いします。
赤い魔法使いテラキモス('A`)
メリーたんテラカワユス(´・ω・`)
最近、ロム専さんとか、絵描きさんとか来ないなぁ?
もっと賑やかな方が楽しいんだが・・・。
まぁ、わしはもう作品、完成してるから、他人のレスがあろうとなかろうとうpするけどね。
そろそろ次スレの準備も必要そうかな?
126氏の作ってくれたサイト、まだ完成してなさそうだからリンク貼らない方がいいかしら?
とりあえず、今日の分、行きます。
第四十話
一旦、伊藤・レッスル・騎士団の一行は相模原の義純の自宅に寄っていた。
騎士団からの情報の取得と、これからの打ち合わせを行うためだ。
さすがにこれだけの人数が一遍に入ると手狭に感じるが、
義純は精一杯の気遣いで来訪者をもてなした。
一同に熱いマンデリンコーヒーを振舞う・・・、下っ端のガラハッドがこき使われていたが・・・。
「麻衣ちゃんだっけ? ハーイ。」
麻衣にはホットミルクだ。
麻衣もためらいながら一度、父親の顔を見上げ、その後、恐る恐る義純を見る。
「・・・いただきます。」
「熱いから気をつけてね。」
騎士団というだけあって、もちろん全員紳士だ。
みなで、にっこり笑って麻衣を見つめると、さすがに恥ずかしそうだ。
床までギリギリ届かない足をバタつかせてカップを口に近づける。
「・・・具体的にこれからどうするんですか・・・?」
伊藤は麻衣の隣で、周りの人間の顔を見回した。
といっても、この場で全ての事情を知っているのはレッスルだけなので、
最終的にしわを刻まれた老人の顔に、みなの視線は固定される・・・。
伊藤は続けて質問をぶつける。
「大体、メリーが無事かどうかも分らないんですよね・・・?」
「・・・いや・・・。」 レッスルは重い口を開く。
「あの『赤い魔法使い』の目的は、メリーを思いのままに従わせる事・・・、
彼女にとって命に関わるような事態には陥らんはずじゃ・・・。」
「何者なんです? ・・・その『赤い魔法使い』とは?
カルト教会ダイナスティの教祖だったと言うのは先程聞きましたが・・・。」
マーゴも口を挟む。
「あー、その話、途中よねぇ? あたし達も聞きたいわ。」
「・・・『エミリーの赤い手袋』というお話を知っておるかね・・・?」
レッスルの言葉で、伊藤の顔に緊張が走る。
第四十一話
イギリスからの一行もその話は知らないようだ。
「いえ、・・・知りませんが、もしかして・・・、
母親にもらった手袋をなくしてしまう少女のお話・・・、
ですか・・・?」
「大まかには知っておるという事かな?
ま、簡単にメリーの過去を話すとしようか、
『赤い魔法使い』は、ヨーロッパの山奥の湖から『マリー』という名の人形を手に入れた。
じゃが、その人形を動かすエネルギーは彼らの周りにはなく、
奴めが何をどうしようと、ただ、人形は瞳をギョロギョロ動かすだけじゃった。
それはそうじゃ、人形は感情も苦痛も感じないのじゃからな。
ところが最後に、奴はとんでもない事を考えよったのじゃ・・・。
イギリスの小さな町で、奴は自分好みの小さな女の子を見つけた。
あんな可愛い子が自分のそばにいつもいたら、どんなに幸せな事かと思ったんじゃろうな・・・。
そして自分のそばで無反応の人形に、あの子を『入れてしまえる』事はできるだろうかと、
考えよったんじゃ・・・。」
え・・・? かつて東北の神父から聞いた話と微妙に物語が違う・・・?
「待って下さい・・・!
私の聞いた話では、少女は『手袋をなくした』と聞きましたが・・・、まさか・・・!?」
「・・・あやつがわざと隠したのじゃ・・・!
そして、その手袋を返す代わりに、その子、エミリーに実行する事のできない約束をさせ、
あやつはその企みどおり、エミリーの命を奪い取ったんじゃ・・・。」
「なんでわざわざ、そんな事をするのぉ?」
「『契約』じゃよ。もし、奴がエミリーをすぐに殺してしまえば、
人形のカラダに入れる前にマリーが復活する、
・・・当然そこで奴は殺されるじゃろう。
じゃが、殺される本人がある程度納得する理由・・・
取引や法的に認められたものによって死んだ者では、人形の報復衝動は発動しないのじゃ。
兵隊同士の戦争や犯罪者の死刑で、いちいちマリーは動かない。」
「すると、マリー? 彼女はどういう基準で動くの? ・・・感情はないんでしょ?」
第四十二話
「基本的に彼女は、自分の周りにある強い感情を吸い取って動いておる。
人間が全ての空気の中から酸素を選ぶように、彼女も全ての感情の中から、
自分の行動に変換できるものだけを自動的に選んでいる。
・・・自動的といっても、ベースは人間として生きてきた時の倫理観が強く影響する。
別の者が人形に入れば、それぞれによって人形の行動パターンは変わるかも知れんな。」
「・・・それより・・・!」
伊藤の声が震えている。
「じゃあ、その『魔法使い』は!
自分の思い通りの人形を作るために!
まだ幼い女の子を騙して・・・、怯えさせて・・・!
そして幼いその子に拷問を加えて・・・
そんなことの為に残酷な殺害をしたって言うんですか!?」
あからさまに伊藤は怒っていた・・・。
かつての県議会議員やその孫によって起こされた、
自らの欲望の為に、他人の人格や命を平気で踏みつける非道な者達・・・。
結局はあいつらと同類なんだ、
メリーでなくても許せはしない!
「そういうことになるの・・・。
しかも、エミリーの感情を最大限に昂ぶらせるために、
考えられるありとあらゆる恐怖と苦痛を与えたようじゃ・・・。
自分にけして逆らわず、永遠に美しいままでいられる人形との生活・・・。
あの変態はそんなことを夢見ておるんじゃろ・・・。」
騎士団の精鋭たちも、「赤い魔法使い」の非道さをリアルに感じ始めていた。
特に正義感の強い義純やガラハッドは、伊藤の怒りに共感を覚え始める。
いまだ比較的冷静なライラックがその先を尋ねる。
「それで、マリー、エミリー・・・、そしてメリーと名前が変遷していくのは・・・?
他にも人形に閉じ込められた子が・・・?」
第四十三話
「いや、基本的には二人だけじゃな、
メリーと呼ぶのは別の理由じゃ。
・・・あれは、わしの『二代前』になるのかのう?
わしがマリーの人形に大きな異変が起きているのに気づいたときは、
既にエミリーが人形に入れられて、地獄の日々を送っておった・・・。
・・・へこんだよ。
さらなる悲劇が起きておるとは思わなかったしの。
なんとか奴を欺いて、人形を奪ったは良いが、多くの機能障害を起こしていた。
マリーを成仏させる事すら叶わんというのに・・・。
人間で言うなら、本来彼女達は二重人格と呼ぶべき状態の筈じゃった。
しかし、エミリーの精神状態があまりにも破綻しておるために、
まともに動く事すらできなかったのじゃ。
わしにできたのは・・・彼女達の業を重くする事だけ・・・。
ある方法で彼女達の自我を統一させようとしたのじゃ・・・。」
「ある方法〜?」
「おまえさん達の言葉では・・・悪魔とか死神とか呼ぶべきものかの・・・?
強い魔力を帯びた武器を彼女に与えた・・・。
それはあらゆる感情を集めるアンテナの役割もすれば、
魔王の力の一部が流れ込み、使用する者の力を何倍にも膨らませる事ができる・・・、
勿論、ただの人間がそれを使おうとすれば、精神を崩壊させる恐るべき武具じゃ。
そしてそれと共に、彼女達に目的と名前を与える事にしたのじゃ・・・。
お前はマリーでもエミリーでもない・・・。
お前の使命は、死んでいく子供達の魂を救う事・・・、
お前の使命は、この世の邪悪を打ち滅ぼす事・・・、
これ以上、膝を崩して泣き叫ぶことはない・・・、
これ以上、非道な魔獣達に蹂躙される事はない・・・、
この鎌を手にするがいい、
いま、ここに冥府の王は、お前に執行者の権限を与える・・・、
いま、ここにその執行者として新たなるメリーの名前を与える・・・とな。」
第四十四話
「洗礼・・・と言ったほうが分りやすいかもしれんな?
その後、わしはメリーを日本に送り、あの魔法使いに容易に見つけられんようにした。
そして彼女は今に至るまで、見事に冥府の王の使徒としての働きをこなしてきたよ・・・。
実際に不幸な死を遂げた者達は、怨恨や憎悪といった魂の重荷をメリーに吸い取られて、
悪霊と化すこともなく冥界に送られる・・・。」
伊藤は老人の話を真剣に聞いていたが、・・・彼の知りたいことは他にあった。
「レッスルさん・・・!」 老人は黙って顔を上げる。
「メリーにとって・・・、『助かる』とはどういうことなんですか?
『赤い魔法使い』から開放される事だけなんですか?
それとも、『人形』から開放される事なんですか!?」
長い沈黙の時間が過ぎる。
「・・・今は、『赤い魔法使い』から開放するだけじゃな。
もう一つの方法は、考え出す事ができん・・・。」
「レッスルおじ様?
そのー、あなたの言う冥府の王でもどうにかできないの?」
「無理じゃな・・・、こっちからはコンタクトできぬ。
わしの考えでは・・・暗い森の魔女、フラウ・ガウデン達の呪いが解ければ、
それに繋がる人形の霊性も失われると思っておるのじゃが、
それ自体不可能じゃ。 」
伊藤はフラウ・ガウデンの話は良く聞いていない。
当然、レッスルに聞きなおす。
「何者なんですか、その魔女とやらは?」
「アダムとイブを継ぐべきだった者・・・、
時代の節目節目に現われて、神の意思を地上に体現すべし者・・・。
愚かにもその役目を放棄した者・・・。
わしに言えるのはそれだけじゃ・・・。」
「アダムとイヴ・・・?」
義純もあまりの話のスケールに聞きなおしてしまう。
「別の場所では・・・、エピメテウスとパンドラ・・・、
そんな名前で伝えられもしとったな・・・。」
☆ 今日はここまでです。
昔話はこれで終わりです。
次回からいよいよ「赤い魔法使い」を追跡します。
>>684 実際にこんな変態、いるんですかね? ・・・いるのかもなぁ。
では。
LADYさんGJ!!!!!!!!
麻衣タソ(;´Д`)ハァハァ
>>691 実際にこんな変態、いるんですかね? ・・・いるのかもなぁ。
692:麻衣タソ(;´Д`)ハァハァ
ここに変態がいるよぉ
…………えっち!
>怖い話リレーの方とは、ストーリーつながりはあるの?
はっきり言って 無いです。
な・・・泣けるよ。メリーにそげん過去ばあったとは
696 :
名無し:2006/03/04(土) 14:44:18 ID:8b+RTcI5O
おお
俺が少し離れている間に、各々方が作品を展開していたとは…GJですよ皆さん。
俺はというとLadyさんの作品の赤い魔法使いさんが何だか好きに…げふんげふん
ま、置いときまして。
随分と作品の間が開いちゃいましたので、一応アンカーをば
最初
>>132-140二回目
>>279-285三回目
>>343-345四回目
>>354-357 では、再開といきましょうかね
697 :
名無し:2006/03/04(土) 14:51:41 ID:8b+RTcI5O
暗闇
…それは個であり、全てであり、握った拳の中にできる影であり、夜が広げた両腕の中であり、ただ暗闇と呼ばれるもの。
その存在は大きく、その懐に抱かれていても、抱かれている事実に誰も気付かない。
また、その存在は小さ過ぎて、いつしかポケットに紛れ込んでいた事にさえ誰も気付かない。
目には見えるが、意識はしない。意識したとて、それは夢とも幻とも区別がつかない。
ただ『闇』。それ以上でも以下でもない。
かつてその暗闇の中に、自らを取り巻く忌まわしい現実から、ふと迷い込んだ者がいた。
今、その暗闇の中には、穏やかな過去の記憶に微睡む者がいる。
うっとりと細めた目から、瑠璃色の瞳を輝かせる黒いドレスをまとった人形。
前に投げ出した両足の、その踵の先を揺らしながら、嬉しそうに過去の記憶に想いを馳せる。
「…ママ…。」
―――――
698 :
名無し:2006/03/04(土) 14:53:00 ID:8b+RTcI5O
――――
―――
――
…穏やかな午後の光は、ピンク色を基調とした、レースのカーテンのその色彩を、薄暗い部屋の中全体に、淡い桃色だけで投影する。
その淡い光に浮き彫りにされた、ソファーに深くもたれる大きなシルエットと、傍らに寄り添うもう一つ小さなシルエット。
大きなシルエットは手に小さな本を乗せて、子に囁くように、ゆっくりと物語をなぞっていく。
その薄暗い部屋の中、弾んでは、仄かな薄暗がりに溶け込んでいくような女の声は、部屋の四角に閉じ込められて、まるでオルゴールのように心地よく反響している。
やがてオルゴールのその旋律は、緩やかな坂を軽やかに、まるでスキップでもして駈け登るように佳境を迎えると、その坂の上から辺りを見渡し、深呼吸でもして一休みするかのように、ゼンマイはその動きを徐々に、ゆっくりとその余韻だけを残し物語を終える。
699 :
名無し:2006/03/04(土) 14:54:28 ID:8b+RTcI5O
「…はい、おしまい…」
本を閉じ、女は覗き込むようにして小さなシルエットに微笑み掛けた。その小さなシルエットは微動だにせず、絶えず薄明かりに瑠璃色の瞳を輝かせ、口元には淡く微笑を湛えるばかり。
「…どう?楽しかった…?」
女は優しげな瞳で見つめる。小さなシルエットは、やはり微動だにせず、変わらぬ微笑みをその表情に浮かべ、女を見ている。
女はそれでも、幸せそうな笑みを絶やさず、傍らに寄り添う人形の髪をそっと撫でると、やがて何処を見るとなく正面に向き直り、溜め息を短く吐く。
一瞬の後、気が付いたように口元を右手で押さえると、人形の方を向き、舌を出して悪戯っぽく笑った。
「ゴメンね…。私、今とても幸せよ?愛してくれるあの人がいるし…アナタだっていてくれるものね…?メリー。…それに…」
700 :
名無し:2006/03/04(土) 14:55:55 ID:8b+RTcI5O
メリーと呼ばれた人形は、それを聞き届けたかのようにニッコリと笑う。でもそれは、光や影の映り具合で表情が変化して見えただけの事なのだろうけれど。
幸せな時間。何時しか始まりも忘れ、その安らぎに微睡みを覚え、まるで揺り籠に揺られているかのように甘い夢に心は溶ける。
女はとても幸せそうに微笑を湛えていた。女は自らの下腹部にそっと手を添えると、更に優しげに目を細め、嬉しそうに膨らませた口元をそっと開いた。
「…それに…やっと…授かる事ができたわ…。メリー、アナタお姉さんね…?フフフ…」
ソファーに深くもたれ、幸せそうに微笑む女。女が髪を掻き上げるために右腕を上げた時に伸びる影。
横切る影の一瞬の闇が、人形に深い影を落とす。人形の瑠璃色の瞳はその一瞬の闇の中で、まるで炎のように揺らめいた。
――――――――――――――――………
701 :
名無し:2006/03/04(土) 14:59:04 ID:8b+RTcI5O
………………‥‥‥‥‥
少し広い羽毛布団の中、人形はゆっくりと目を開けると、窓には午後の光が眩しく反射していた。
見慣れたワンルームの小さな部屋の中、人形はゆっくりと身体を起こし、静かに辺りを見回すと、次にはハッとしたように立ち上がった。
「!!?…ねぇ!!」
辺りの静けさに、思わず声を上げる。
「‥ねぇ…誰も…いないの…?…ねぇ…私…。」
そう呟くと、力なくその場にへたり込んで、両手で顔を覆う。
「…ぅ…ぅぅ……」
暫らくの間、顔を伏せてワナワナと身体を震わせて嗚咽していた人形は、やがてゆっくりと顔を上げる。
「…何処にいるの…?私をまた置き去りにして…何処に…」
その瑠璃色の瞳は、まるで炎のように揺らめいた。まるで、今、胸の内で蠢く感情を象徴するかのように。
やがて人形は目を閉じると、口元に笑みを浮かべ、喉を小さく震わせながら呟いた。
「……今…アナタのもとへ行くわ…待っていてね…フフ…」
702 :
名無し:2006/03/04(土) 15:04:24 ID:8b+RTcI5O
ここまで。
一時的なスランプ脱出記念UPでした。
流れとか書きたい事、山程あるのに文にならない。
そんな感じでしたが、それに前後するお話を考えるだけで随分違う事を学んだよ。
>>692-694 いやぁ、いい流れだ・・・。
始まり氏、かしこまりぃ! 今後の話を楽しみにしてまっせ。
・・・名無しさん、ボリュームあるねぇ!
ここ何日か静かだっただけに、かなり濃いね。
個人的にはちょっと精神を病んでしまったご夫婦の生活をもっと見たいが・・・いや、
ワガママはやめましょう・・・。
さて、ウチの番でっせ。
第四十五話
既に時刻は夜になっていた。
レッスルは伊藤の隣に座っている麻衣に目を向けた。
「さて、お嬢ちゃん? いよいよ、君の出番じゃぞ。」
「何すればいーの?」 麻衣は不安そうにつぶやく。
「危険な事はないでしょうね?」
伊藤も静観してはいられない・・・、父親として、その心配は当然だ。
「・・・むしろ、逆じゃな、
このままじゃと、娘さんは危険なのでな、
その対処法を教えとくわい。」
「えっ・・・? 危険? 何故です!?」
「・・・お嬢ちゃんには予知能力がある。
さっき初めて会ってみて確信したよ。
この先その能力が弱くなっていくなら問題は無い。
じゃが、その能力が発展していくととんでもないことになる。
・・・見たくもないものが見えてしまったり、聞きたくもないことが聞こえてくる、
メリーと同じようになってしまうのじゃ・・・。
勿論、・・・例えば心や感情が『欠落している』者には何の影響もない。
だが、繊細な精神を持っている『人間』にそれは耐えられない。
心が壊れてしまうのじゃ・・・。」
ブレーリー・レッスルが暗にほのめかしているのは、
世界各地でしばしば猟奇殺人を行っているある種族の事だった。
しかし、この場にはそれに気づく者はいない。
「そ、そんな事が!?」
「じゃから、そうならないように、本人にコントロールする術を覚えさせとくのじゃよ、
・・・すまん、お嬢ちゃんとパパを除いて、みんな離れといてもらえんか?
お嬢ちゃんの気が散るような事は控えるのじゃぞ?
伊藤さん、あんたはお嬢ちゃんの後ろで安心させてやってくれ・・・。
さて、お嬢ちゃん?」
第四十六話
老人は腰を曲げ、麻衣に視線を合わせる。
そして、杖の先端を床に軽く叩き始めた。
・・・コツ、コツ、コツ・・・。
「お嬢ちゃん、よぉーくお聞き。
お嬢ちゃんには他の人には見えないものが見える、
未来の事が分ったり、遠くの事が見えたりする。
じゃが、それらは『心』を持ち始めておるお嬢ちゃんには有害なんじゃ。
では、どうすれば良いか?
この音が聞こえるな?
今はとりあえず、この方法を使うが、お嬢ちゃんの得意なものでよい・・・、
条件をつけるんじゃ・・・、
この音を鳴らしたときだけ、遠くのものが見えるようにする・・・、
心にこのイメージを描いた時だけ、未来を予想する事ができる・・・、
真っ白なノートにこの記号を描いた時だけ能力が使えるようになる・・・、
そうやって、自分の力を使う時を区別する習慣をつけていくのじゃ。
そうすれば、こんな力に振り回されなくて済む・・・。」
音は継続的に一定のリズムで鳴らされる。
「さて、お嬢ちゃん、昨日、メリーの夢を見たね?
ゆっくり思い出してご覧?」
麻衣は目をつぶる・・・。
彼女の脳裏に、閉ざされた空間でウロウロしているメリーの姿が浮かび上がる。
「・・・見えたかね?」
「うん、見える・・・。」
「よし、・・・ではメリーを見たまま後ろに下がるイメージじゃ。
最初は一歩、二歩・・・、そしてその場からどんどん遠ざかってみるのじゃ・・・。」
「・・・メリーさん、見えなくなった・・・。白い霧みたいなものがある・・・。」
「結界じゃな・・・、それを突き破って彼女の姿を捉えるとはたいしたものじゃ・・・。
霧は気にしなくて良い・・・、もっと離れてみるのじゃ・・・。」
第四十七話
・・・コツ、コツ、コツ・・・。
「暗いとこ・・・、周りは濡れてて、天井から固いものが垂れ下がってる・・・。
地面からも生えてる・・・。
あ、外に出た・・・。樹がいっぱいある・・・。
おっきな山も見える・・・。富士山・・・?」
伊藤が反応した。「富士山? 樹海? ・・・鍾乳洞・・・?」
レッスルはニヤッと笑った。
「・・・よし! ある程度特定できたようじゃな。
お嬢ちゃん、もういいんだよ・・・、
こっちへ帰っておいで・・・。ゆっくりとな・・・。」
そういって、杖の叩く間隔をどんどん長くしていき、最後には、床に杖の先端を固定したままにする。
「帰ってこれたかの? では、目をあけてごらん?」
パチクリ! 麻衣はゆっくり目を開いた後、二、三回瞬きをする。
自分の能力に嬉しくも戸惑っているのだろう、父親の顔を見上げて複雑な表情を見せる。
目が覚めている時に遠隔透視をしたのは初めてなのだ。
伊藤も驚いてはいるが、顔には出さない。
優しく麻衣の頭を撫でただけだ。
老人はゆっくり立ち上がり義純を見る。
「さて、これでどこへ向かえば良いか分ったかね?」
「は・・・はい、とりあえずは・・・。 さっそく準備を。」
マーゴの驚き振りが激しい。
「うわぁ〜! 凄いわねぇ! 初めてESP能力見たわぁ!!
大きくなったら『ウチ』にスカウトするべきね!」
老人はそれを制する。
「やめとくのじゃな、さっきも言ったように、この能力は危険を伴う。
この能力を捨てたり封印するのが、本来ならベストじゃ。
・・・ま、それを決めるのはお嬢ちゃんじゃがの・・・。」
第四十八話
「ではこれから、富士方面に向かいますね、
麻衣ちゃんは今のうちに寝てもらった方がいいかもしれませんね。
・・・それと伊藤さん、これ暗視ゴーグル。
麻衣ちゃんの分もありますけど、サイズが難しいと思うので、
この子はおぶっていかれた方がいいかもしれません。」
伊藤は初めて見るミリタリーグッズに興味津々だ。
麻衣と二人で面白そうに観察する。
「・・・凄いですねぇ。 探偵さんてこんな装備も使うんだ・・・。」
もちろんそんな筈もない、・・・ライラックが心配して義純に話しかける。
「この人はルポライターだろう? ある程度、釘を刺しておいたほうがよくないか?」
「・・・そうだな・・・、この先、派手に暴れる事もあるかもしれないしな・・・。」
義純は再び伊藤に近づいた。
「伊藤さん・・・。」
「はい?」
「私の依頼元・・・彼らの事ですが、あなたとあの老人の目的はメリーの救出・・・、
そして彼らの目的は、小伏晴臣こと『赤い魔法使い』の捕縛です。
理由はお分かりかと思います・・・。
あなたが先程の老人の話に怒りを覚えたように、
彼らもその男を許す事ができない・・・、個人的な話ではないのは確かですが・・・。」
「なるほど、よく分ります・・・。」
「それで・・・、こういうことは彼らの仕事の一環なのですが、その仕事の性質上、
世間に公にはできないのです。」
「・・・つまり、私の仕事のことですね?」
「ええ、そうなんです、彼らの存在すら、記事にされては困るんですよ・・・。」
「分りました・・・、お約束します。」
普通に考えれば、彼らの存在を明るみに出す事はトップクラスのニュースになるのだが、
メリーや魔法使いの存在の前では彼らの事もかすんでしまう。
・・・もっとも、この後、伊藤はさらなる驚愕を眼にする事になるのだが・・・。
☆ 今日はこんなとこで・・・。
次回予告・・・レッスル爺さん本領発揮、そしてついに戦闘開始。
710 :
名無し:2006/03/04(土) 20:33:04 ID:8b+RTcI5O
Ladyさん何か色々とGJ!
んで、レッスル爺さん好きですw
いいですね、今回の章はゆっくりと引き込まれる感じで。
酒飲みながら読ませていただいております。仕事中だけども。
つーかそうですね、そろそろこのスレも限界にきてますが‥。
なんだか残念ですな。まだまだ先は長いだけにね。
落ちてしまえば、前の話は闇の中。こんな事ならもっと話の構成について悩んどくべきでした。
んで、精神疾患夫婦のお話。これからもまだまだ絡んできます。ご期待以上とはいきませんが、
まぁ、その概要くらいは知れるかと思います。
名無しさん、パソ買っちゃいなよ、
まぁ、小説のために買うのもアレだけど、
文章構成には絶対必要だよ。
ROMは携帯でもいいだろうけど、ネタ集めには便利だよ。
・・・と、ヒトの財布だと思って好き放題ぬかすヤツ・・・。
gjgjgj
名無しさん
ごめんなさいね。
まとめもっとはやくできればいいんですが。
来週いっぱいは忙しそうですね。
すいません。
名無しさんメモ帳を持ち歩くといいですよ。他ジャンルを同時に扱うのに必須です。
714 :
名無し:2006/03/05(日) 03:22:16 ID:hPCFeAhiO
>>126さん
いや、ゆっくりでも大丈夫ですのよ。
ファイルシーク使えば携帯でも過去ログ漁るくらいはなんとかなりますし。
プレッシャーかけちまったみたいで何だかスマンスorz
>>Ladyさん
パソはたぶん、再来月以降くらいですか、買うと思いますよ。
ぶっちゃけワープロでも買おうか思ってたくらいですし。まぁ、この際…。
それに、絵をupする際、スキャナがほしいと何度ぼやいた事やら…。
>>始まりさん
メモ帳は中々よろしいかも。良いネタが浮かんでも忙しいと、すぐ忘れていっちゃう奴なんで俺orz
ワープロて・・・あなた・・・。
126さん、ここのところ、忙しそうですね。年度末のせい?
再開を心待ちにしておりますぜ。
さてと、今日の分は新スレに書き込みますね。
126さんがんばって!!
みなさんもGJ!
GJ
ロザリーってメリーさんの亜種?
719 :
名無し:2006/03/06(月) 16:58:44 ID:iUjwQD/bO
新しい作家さん参上ですな。GJです。
キャラがしっかりしてて羨ましいです。
しかし、ロザリー可愛いなぁ・・・あぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
これからも頑張ってください。応援してます!
向こうのスレでは著名な方のようですよ?
あれ? てか、名無しさんは向こうでも活動してたのでは・・・?
ま、なにはともあれ
>>717 乙!
721 :
名無し:2006/03/06(月) 17:37:05 ID:iUjwQD/bO
なるほど、角煮ですか
あそこ、絵をUPする以外にあまり覗かないんですよね。
最近はあっちに描いてないからもぉぉまるっきりです。
GJ
ロザリーって おしかけ人形の都市伝説に似ている気がす。
>>Reiさん
感動した!!(ノД`)゚。
>>始まりさん
おしかけ人形ってどんな話?
ググっても出ないorz
その前に何故修行中・・・あ!
パソ買いかえたのか!?
(ヽ´_ゝW)
>>724 いや、そういう訳ではないんですよ〜
ただ最近自分の絵に納得いかないところが出て来ましてw
ちょくちょく柿板に通ったりしてスキルアップをば、とw
>>725 バロスwwwwwwwwwww
私メリーさん(ヽ´_ゝW)いまあなたの後ろにいるの
>>725 バロスwwwwwwwwwww
私メリーさん(ヽ´_ゝW)いまあなたの後ろにいるの
730 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/08(水) 00:02:55 ID:5RcU+uWE0
メリー「必殺ぅ!メリぃぃサンダーーー!!」
超必殺技はメリーサンシャイン
メリー無双やってみたいな
そういえばpart1スレで、126氏登場以前に学園ものがあったよね。
結界張って式神を使う魁偉な学園長。あれも続きが読みたいな・・・。
作者さん、もうここにいないの?
たしか途中で荒れちゃったんだよね
漏れも読みたい
>>723 都市伝説(どちらかと言うと田舎伝説)の一つで、
人形が包丁もって結婚迫ってきたりとか、
そのまま居着いて屋敷妖精みたいな事をするとか。
どっちも共通して、とある事をすると
死あるのみ。
>>736 ガクガク(((;゚д゚)))ブルブル
とある事っていうのが気になる・・・
死ななきゃ大歓迎なんだがな(;´Д`)ハァハァ
ファンタスティィィック!!
素晴らしいぃ話じゃなぁいかぁいいぃぃ?
わたしがぁぁその人形の愛を受け止めてあげるよぉぉぉおお!!
恋をする事で
待つものは――死
…これでもSS書けそうな気ガス
>>741 全体の電波を受信できたら書こうかな。
先にメリーSS完成させなきゃ。
743 :
名無し:2006/03/11(土) 01:28:39 ID:f6oz7Tg5O
頑張って下さいな。
どっちにupするにしても告知されりゃ見にいくんで。
応援してますんで。
>>744 むぅぅ・・・!
どこで見つけてきたんだ、こんなの?
まじでうまい作品だ・・・。
文体はところどころ、ひっかかるとこもあるが、それ以上にのめりこまされる。
こんな人が本スレに現われたら、ちょっと恥ずかしくてうpできんくなる・・・。
なんか
>>744みたいなメールのパターンも結構あるみたいだね
>>744 メリーが直接出てこないのも新鮮だね。
ただ、行が開いてなかったり、
名前がイニシャルだったり(仮名でいいんじゃない?)、
会話の部分と主人公の気持ちの部分の区切りがついてないのが惜しいかな。
748 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/12(日) 21:41:08 ID:QLSsNKko0
/;;;; イノ ゝヽヾ ね!
/;;;;;; / ノ(● ●))
/;;;; // ゝ ∇ ノ ゝ
l;;;; / ノ ( 〆へ \
l;;;; l 人 《( ヽ へ
ヽ;; ヘ リ;;::ゝ、/^ )\
`'' ゝ ヽ ゝ、/ ゝ唱
イ:::::::::::;;;;::::::::::::::ヾ \
ん;;;;;;;;;;::ム,,..へ;
Lady氏、小ネタ派に転向?w
>>749 うんにゃ、Lady メリーが終了しただけです。
まぁ、あんな長いのはもう書かないと思うよー?
メリー…メリー…メリー…メリー…
メリー! メリー! メリー!
メリー! メリー! メリー!
遙かな都市が ふるさとだ
私 メリーさん 今あなたの 家の前に メリー! メリー!
進めあなたの後ろまで
電話が鳴ってshock!
>>737 ヒント 料理を失敗したからといって叱ってはいけません
「私メリーさん、今あなたのうs……」
「メリーさん。有名な都市伝説にして、そのストーキングの腕前は最高だと聞く。
だが、日本じゃあ2番目だ」
「な、なら一番は誰だというの!?」
「ピュウ……チッ、チッ、チッ。――この、俺さ。
―――――――――早川健。今、お前の後ろにいる」
メリーかわいいよメリー
地獄がみぃ〜えたあの日から♪
解決の〜てんきぃ〜
…ちがったか?
スマン、ラールは角煮板のネタだったorz
759 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 14:55:59 ID:6DVlZ10T0
保守
いや、ここは保守しなくても・・・。
_,,-―- 、__
_,,/;;;;;;ヾヾ 、,;;;;;;;;''ヽ_
ノ;_;,-―--''''゙゙ ̄ フ::::;;:'-、
// l、::::::: l、
(ヾ:::l |::::::、::、::::.ヽ,
、ノ:::::.| _,,、 ,、、__ |:::::::::::ゝ::::::>
ゝ:::::::|''=・-`l ト'=・=ー` ヽ:::::::::::ゞ:::ゝ 取りあえず「私ペリーさん。」
ヽ.| ` ー ,ヽ::,-;:::;;::/
| 、_,、,` l/6l::::ノ
| ! , , l_ ノ:/
__| -'ー-ヽ / /`)
ヽ | ,  ̄ __l_/,,-'=i______
__,,\`、_ ー-―' _//='''_-;;;;;;(( oo(( ))
;;;;;;;;;;○>\ ̄ ̄//○'.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|l |l |l |l |l ||
容量あとどのぐらい?
IEで見てみたら今498KB
いや、( )の中で見るべし。
残り900Bytes。
・・・のような気がする。
あ、IEだと( )内は表示されないのか?
すまんこってす。
766 :
763:2006/03/18(土) 12:48:20 ID:TNXdtet50
ごめんJANEだからワカンネ(´A`)
そろそろ埋めの時期かな
私メリーさん。
いま
>>767にいるの。
と、角煮板の真似してみる
・・・わたし、メリーさん、今、あなたの家の前にいるの、
わたし、メリーさん、今、あなたの後ろにいるの。
わたし、メリーさん、・・・今、食事をしているの・・・バリバリ、
わたし、メリーさん、今、おかたづけをしているの・・・、
頭は・・・、あんまり食べるところないわね・・・。
お風呂に入れてあげるわ、バイバイ。
おいしかったわ。