バイト先に何かいます

学生の頃、ろくに講義にも出ずバイトに明け暮れていた時期があった。
バイト先は小さな引越屋だったが、一般家庭の引越はあまり請け負わず
事務所や店舗の移転が主な仕事で、どういう関係からかたまに店舗の
レイアウトを変えるような仕事もあった。

デパートで仕事をすることもあるんだけど、現場の店舗の周囲は電気
がついてるけど後は真っ暗で、たまに遭難する香具師がいた。例えば
奇数階には女子トイレしかなく、偶数階には男子トイレしかないなど
といった場合に、トイレを探しに行き階段を上ったり降りたりしている
うちに、現場がどこか分からなくなってしまうのだ。

新人で、村田だか村上だったか、とにかく村のつく男が入ってきて、
いきなり最初の仕事がそんな仕事だった。一応懐中電灯を持ってくる
ように言っておいたのだが、忘れてきたらしい。とにかく遭難には
注意するように伝えたが現場がそんなに広くはないデパートだった
から、まぁ落ち着いて階段から眺めれば現場付近の明かりが見える
だろうとタカをくくっていたのが間違いだった。

続く

続き

見たら、下痢グソのようなものが落ちていて現場は大騒ぎに。管理人
のような人も、『あんな男はしらん』というし、村のつき男はなんか
頭のデカいのを見た！と叫んでいるし、正直パニくった。今でも不思
議だ。あの、幽霊船みたいな油絵は何だったのだろうか…。