私メリーさん

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1本当にあった怖い名無し
「私、メリーさん。今、あなたのアパートの前にいるの。」
窓から外を覗くと確かにアパート前の公衆電話にメリーさんがいる。
俺は急いで公衆電話に向かった。
ガチャ
メリーさん「わ、私メリーさん。今あ・・」
俺「あたぁっ!!」
メリーさん「わわわ私メリー・・・」
俺「経絡秘孔新伏免を突いた、一歩でも動いたら・・・ボン!だ。」
メリーさん「・・・・」
俺は部屋に戻った。
プルルルルル・・・ガチャッ
「私メリーさん。今あなっ・・あなっ・・・あわびゅっっ!!!」
北斗神拳は無敵だ。
2本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:41:27 ID:ikeqT2JB0
2
3本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:42:16 ID:K299g7VC0
さぁ、どこから料理しようか。
4本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:43:32 ID:5dKQW8n+O
突撃スレの北斗AA荒らしネ申降臨!!
↓↓↓
5本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:43:35 ID:kWQsQLjw0
最近、公衆電話ってみかけませんね。
6本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:48:28 ID:oI63xMxI0
北斗は地味
南斗は派手
7本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 21:54:32 ID:1mEmDLY30
メリーさんはサウザー体質だから、初対決の>1は瞬殺アボ〜ンのはず。
8本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 22:03:43 ID:BLDT9QSD0
「私メリーさん。今あなたの町の駅にいるの。」


「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの。」


「私、メリーさん。今、あなたのアパートの前にいるの。」


「私、メリーさん。今、あなたのうしろに・・・」


( ゚д゚),,y=━ ズキューン
ゴルゴ「…俺の後ろに立つな」

9ハロウィン ◆HALLoWKci6 :2005/09/13(火) 22:07:31 ID:1J1Sw+XX0
おもろかったのでコピペ
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「家の前にいる」等とほざいてやがる。おかげで寝起きが悪い。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。気にせず捨てた。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】出勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。うるせぇシカトだ。
【9:07】車で走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。アクセル全開で振り切る。あくびが出た。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどき蹴りをいれる。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。この不細工が。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。黙れ池沼が。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさ…ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】外回りをしているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」右ストレートをいれる。うずくまったまま動こうとしない。こっちは急いでるんだよ。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。呪われているの」うるせぇ黙れ。
【20:32】車で走行中、バックミラーを覗くと上半身だけの女がついてきている。急ブレーキをかけてバンパーにぶつける。もう着いて来ていないようだ。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。
【21:42】ベッドの下に男がいたのでボコっておいだした。大の男が泣くな。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」後ろは壁だ。
【23:34】着信が鳴り響く。電話線を抜いた。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。女が天井にへばりついている。睡魔には勝てない。
10本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 22:08:37 ID:gjzZeTB1O
はいはいわろすこわす
11本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 22:09:03 ID:X8K9mmaO0
「私、メリーさん。今、あなたのアパートの前にいるの。」
「ああ、よく見えるよ。ハァハァ・・・それじゃあパンティをぬいでもらおうかな?」
ガチャ!ツーツーツー・・・
「あれ!?メリーさん?メリーさ〜ん!・・・切れちゃった。」
12本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 22:10:12 ID:tqA59JicO
あいあいわろたわろた
13本当にあった怖い名無し:2005/09/13(火) 22:20:05 ID:dcO21gTm0
>>1
質問だがこのスレはオカルト板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
14本当にあった怖い名無し:2005/09/16(金) 21:03:17 ID:LQNWPFrD0
>>13

 後  ろ  を  見  ろ
15本当にあった怖い名無し:2005/09/18(日) 09:37:43 ID:qPjzge760
>>14

後 ろ を 向 け よ
16本当にあった怖い名無し:2005/09/19(月) 13:27:37 ID:kqhJYmhd0
なんか過疎スレなのでコピペさせてもらいますよ
17人形(でく)を犯れ 1:2005/09/19(月) 13:28:23 ID:kqhJYmhd0
思えばあの時 会社帰りに降り出した雨──が事の始まりだった
雨やどりのつもりで思わず入った映画館 作品は2ちゃんねるものの『電車男』だった(悪くない)
俺「ふー ひどいめにあった」
濡れたスーツを拭きながら席に座った 映画は佳境を迎えていた
映『ヘイ!めしどこかたのむ!』
俺「ほーー すごいおめかし」
映『キター』
しかしおれにとって無職童貞の恋愛など興味のないものだった
あるのは電車映画にとっちゃワキ役でしかない乗客Aの少女……
そう おれは30もまじかのロリコンだった
今だってシーンのあいまに館内のいい少女をさがしてしまうのだ
その時だった
メ「もしもし… わたしメリーさん! 今あなたの後ろにいるの」
18人形(でく)を犯れ 2:2005/09/19(月) 13:29:05 ID:kqhJYmhd0
何のつもりなのだろう この少女は…… こんなにすいているのにおれの後ろにすわるとは…
メリーさんと名乗るその娘 長くカールした髪に白い肌 何もかもおれ好みの少女だった
そういえばこの映画館は性玩用アンドロイド──いわゆるセクサロイドのたまり場で有名だった
彼女もセクサロイドなのだろうか
おれが少女をあさるような目で見まわしていたからよってきたのだろうか
メ「わわっ あのお兄ちゃんおいしそう ぬれちゃうわ ヒュ〜」
彼女はセクサロイドに違いなかった 並外れて色好みにプログラムされている
なぜならあのお兄ちゃんおいしそうと言った時のスクリーンには
たくましい佐々木蔵之介の顔が映し出されていたのだから……
メ「あーあ とうとうぬれちゃった」
メリーさんはこれみよがしに股間をまさぐり出した
それは白いフリルの付いたスカートの上からでもはっきりと見てとれた
おれはどうしようもない衝動にかられた
ああ あそこが見たい 見てみたい…!
メ「お兄ちゃん わたしのあそこを見たいんでしょ?」
19人形(でく)を犯れ 3:2005/09/19(月) 13:33:17 ID:kqhJYmhd0
突然の言葉に驚いた俺にかまわず メリーさんはにこりと微笑んで言葉を継いだ
メ「一目見た時から気に入ったんです お兄ちゃんもわたしが好きなんでしょ?」
俺「は はあ…」
メ「どうぞ 脱がせて下さい」
おれはもう限界にきていた スカートをまくり上げた 胸が高鳴り息が苦しくなる
俺「はあっ」
そしてふるえる手でいっきにパンティを引きおろした (スルッ)
俺「すごい…!」
機械人形のものと思えない 精妙にして可憐なクレバスだった 彼女が囁いた
メ「舐めて下さい」
言われるまでもない 俺はメリーさんのその熱い秘唇を人目もはばからず愛撫した
ピチャ…と舌を這わせると メリーさんがにやり…と笑い… 事件はその時起きた!
メ「よーし そこまでよ いいかげんにしなさい このロリコン男」
態度豹変したメリーさんはグイと俺の顔を引き起こした
20人形(でく)を犯れ 4:2005/09/19(月) 13:34:20 ID:kqhJYmhd0
俺「な 何を…」
メ「フフン 聞いて驚かないでね
  わたしはね あんたたちみたいなロリコン男を取り締まるために張っている公安なのよ
  ゴスロリの変装をして張っていたらまんまとはまっちゃって
  さあ観客のじゃまよ 表へ出なさい」
後ろから小突かれながら外に出る 大の男が小娘に… 他の観客が不思議そうにささやく
女「何かしら?」
男「キモオタだろ」
そんな声を背にしてロビーに出た俺たち メリーさんはさらにしゃべり続ける
メ「わたしたちはね あんたたちみたいなへんなのがいるから
  こうして休みなしで働いているのよ
  それも体をはってね!」
俺「ど どこへ?」
メ「収容所に決まってるでしょ 現行犯なんだからね」
21人形(でく)を犯れ 5:2005/09/19(月) 13:35:42 ID:kqhJYmhd0
外に出た 雨はまだ激しく降っている 傘もなくずぶ濡れのまま俺は連行されていく
メ「ところであなた名前は?」
俺「中 村 俊 介です」
メ「俊介さん…か あなた公安のわたしをクンニするとは度胸あるわ フフ…」
自分のほうから誘っておいて── と言ってやりたかった
しかし結果としてこの機械人形をいたずらしたのは
おれだという事実は否定できないのだ
それからもメリーさんはおれをうす汚いロリコンとののしり続けた
まるでサディスティックにロリコンが変態だと言わんばかりにののしるのだ
そうなのだ──
この機械人形はロリコンをなぶることによって
自分のゴーストが正常だという優越感を味わっているのだ
近道だという路地裏に入ってもメリーさんの慢罵は続いた  
メ「ところであなた サラリーマンでしょ?このことが会社にバレたらどうなるかしらね
  『ロリコンのサラリーマン、公安をおそう』」
冷たいものが俺の心に宿った
俺「やめろ…!」
メ「そうなりゃあなたは世の中から永久に……」
もう限界だった
22人形(でく)を犯れ 6:2005/09/19(月) 13:37:12 ID:kqhJYmhd0
俺「いいかげんにしてくれ!」 (ポカッ)
気づいた時には手が出ていた 突然の攻撃にメリーさんは明らかに動揺した
メ「いたいーー 何するのよ 公安に向かって こ このけだもの〜」
両手をバタバタさせて殴りかかってくるメリーさんの頬に (パシッ) 平手打ちを食わせた
メ「いたい〜 ママー」
泣き出してしまった
弱い… こいつは態度ばかりでかくて なぐり返すこともできない少女人形なのだ
そう思ったとたんにおれはさきほどの欲望が頭をもたげてきた
俺「こっちに来い!」
目に付かない横道に引きずり込んだ 袋小路の壁に向かってドンッとメリーさんを突き飛ばす
メ「な 何をしようっていうのよ…」
メリーさんがこっちを睨む 何とか強気を保とうとしているらしいが肩がふるえている
俺「フッ わかってるくせに」
公安を犯すという興奮が─ おれに理性を失わせていた
興奮した俺 震える手でベルトを外す カチャカチャ音を立てる
はあっ はあっ メリーさんの息が荒い 今にも気絶しそうだ
バサッと投げるようにズボンを脱いだ 俺の自慢の逸物が鎌首をもたげた
23人形(でく)を犯れ 7:2005/09/19(月) 13:38:50 ID:kqhJYmhd0
ザーー…逸物は降りしきる雨に打たれ ますます罪深く輝きを増す 
メ「ま さ か… そんな大きなのを…」
俺「だいじょうぶ うまく入れてやるよ」
メ「わ わたしが悪かったわ だから許してよォ…」
哀願するメリーさんに俺は冷酷に言い放つ
俺「うしろを向けよ」
メ「ママァァ」
泣きじゃくるメリーさん 俺は意に介さずスカートをまくり上げる 準備は万端だ
白い双臀の間に砲口を向けた その花弁にスッとあてがう
俺「力を抜くんだ でないとけがをするぞ」
メ「かんべんしてよォォ」 
聞く耳持たずにグイッと腰を進めた 奥で何かがプツッとはじけた
メ「いやあああ」
初めてだったのだろうか 機械人形のくせに手が込んでいる 俺は動きを速めた
メ「うああ!!」
俺「どうだ… いい気持ち…だろう? はあっ…」
少なくとも俺はいい気持ちだった しばらくするとメリーさんの声にも甘い響きが混じり始めた
メ「くうう〜」
俺「あ ああっ!」
締めてくる
目もくらむような快感が全身を貫いた
24人形(でく)を犯れ 8:2005/09/19(月) 13:39:33 ID:kqhJYmhd0
俺「お…おお…」
しかしその一方でおれの頭のかたすみでは
さめた考えがよぎってもいた
このメリーさんはロリコンのおれをいためつけることにより優越感をみたそうとした
いわゆる公安という優位な立場を利用して弱い者いじめをしたのだ
とすると 今のおれのしている行為も彼女と同じ弱い者いじめではないのか
メリーさんという畏敬の存在がけんかもできない弱い少女と知り
そいつを犯すことで優越感をみたしているのではないのか
たぶんそうだろう
だがそんな考えもしびれるような快感がしだいにうすれさせていった
俺「ああ… で でる…う」
今はただこのすばらしいエクスタシーにひたりきるのみだ

25本当にあった怖い名無し:2005/09/19(月) 13:48:18 ID:kqhJYmhd0
手前でコピペしといてこんなこというのも何だが………

こ  の  馬  鹿  野  郎
26深い意味は無い ◆tyZPYtzQdA :2005/09/24(土) 13:28:51 ID:gyhg4R2D0
>>25
ワロタ!!
27おにぎりさん:2005/09/25(日) 23:50:34 ID:ScVcI1uG0
私メリーさん今M78星雲にいるの
28本当にあった怖い名無し:2005/09/26(月) 01:21:11 ID:hddaa1Yo0
私メリーさん今はるばる地球にやってきたけど3分間しかいられないの

あっカラータイマーが(ピコーンピコーンピコーン)
29本当にあった怖い名無し:2005/09/26(月) 19:07:57 ID:rucaQqoW0
メーリさんの〜電話〜 電話〜 電話〜 メーリさんの電話〜 か〜わ〜い〜いな〜
30本当にあった怖い名無し:2005/09/26(月) 19:21:22 ID:VlJNU5Q00
メーリさんの〜で・ん・わ で・ん・わ で・ん・わ メーリさんので・ん・わ〜 かっわい〜いな〜
31本当にあった怖い名無し:2005/09/27(火) 22:44:03 ID:Ms8mnZnX0
「私メリーさん、今あなたの家の前にいるの」
そんなふざけた電話を受けた遅刻間際の俺がもう片方の手で玄関のドアを開けた瞬間、
『ドンッ』
鈍い手応えに次いで車のボンネットがへこむような音、広く開けた視界の向こうでは
なにやら黒っぽい固まりが放物線を描いて塀の彼方へ消え去りつつあった。
異状を認めた俺がしばし立ち止まり様子をうかがうとズザーッと土をこする音がし、
しばしの沈黙の後カサカサと遠ざかっていった。なんか泣いていた。
野良猫でもはね飛ばしたかと思ったがどうやら人だったらしい。かなりの勢いだったが
大丈夫だろうか。塀の向こうに回り込んで落ちた辺りを見回したがすでに何者もおらず
ただ一枚のハンカチが残されていただけだった。白いレースで『M』の刺繍がされている。
女物だ。あの大きさからするとかなり小柄な女の子だっただろうか。ただあの逃げ方から
してそんなに大げさな怪我はしていないはずだ。凍結した思考が回り出すと、間近に迫った
始業時間が俺の背筋を凍らせた。俺は手にしたハンカチをポケットにつっこむと、
学校目指してダッシュで駆けだした。
32本当にあった怖い名無し:2005/09/27(火) 23:19:00 ID:Ms8mnZnX0
『キーンコーンカーンコーン』
毎度のチャイムとほぼ同時に校門を通過、そのまま教室へと滑り込む。
待ち構えた先公からイヤミの一つも覚悟していたのだが、珍しく今日はまだ来てないようだ。
「転校生が来てるらしいわよ。もう少ししたら来るんじゃないの」
隣の席の女子が俺に教えてくれた。そしてニヤニヤしながら付け加えた。
「命拾いしたわね。それ以上頭叩かれて馬鹿になったら救いようがないものね」
こいつの名前は栢山理香。俺の幼なじみだ。成績はトップクラスで、悔しいが
俺よりかなり頭がいい。もっと上の高校にも行けたはずなのに「家に近いから」と
いう理由で俺と同じ高校を選んだ変人だ。
「転校生?こんな時期に?半端じゃないか」
「急に決まったみたい。先生たち朝から大騒ぎ。ま、遅刻した人には関係ないけど」
「遅刻じゃねえだろ。ギリギリセーフだっつーの」
とか言ってたら廊下から足音が聞こえてきた。先公と転校生だろう。どんな奴だろうか。
教室のドアの向こうで足音が止まった。その瞬間、俺の携帯電話が鳴り始めた。
こんな時間に誰だろう。不審に思いながら通話を始めると声の主は言った。
「私メリーさん、今あなたの教室の前にいるの」
その瞬間パーンとハリセンの音が廊下に響き渡り、「こんな時に携帯電話を使うな」
と先公が怒鳴る声と、「ごめんなさいもうしません」と涙声で謝る女の声が聞こえてきた。
「いったいぜんたいなんなんだこれは…」
携帯電話を切りながら俺はつぶやいた。
33本当にあった怖い名無し:2005/09/27(火) 23:48:29 ID:Ms8mnZnX0
一際ざわめいた教室がようやく静かになった頃、教室前方のドア、何事もなかったかの
ように静かに開いた。ジャージ姿の先公がハリセン片手に現れたその後ろから、学舎に
ふさわしくないゴスロリファッションの少女がついてきた。
「おいおい、あれが転校生かよ…」
俺は独りつぶやいた。女子だったのは大歓迎。顔も結構可愛い。体つきはちょっと幼いが、
それなりに色気ありまずまず合格点。問題は服だった。明らかに空気読めてない感が漂う。
クラスの連中もざわめく教室に、先公のハリセンが黒板の上でパンパンと二度響く。
静かになった教室の中で、先公の転校生紹介が始まった。
「えー、紹介する。今日からこの教室でお前らとともに学ぶことになった、えー、
 『メリーさん』だ。何やら急な差し迫った事情によってこの町に引っ越して
 来たとのことだ。ここに来る前はハバロフスクにいたそうだ。まだ慣れないことも
 多いとは思うが、お前ら、しっかり仲良くしてあげること。以上」
おざなりな紹介が終わった後、転校生の自己紹介が始まったが、
「私メリーさん…よろしく」
と言っただけで終わってしまった。どうも無口な奴らしい。しかも陰気だ。
こんな奴が近くにいたらたまらないだろうな、と思っていると、
「おお、あの席が空いている、あそこに座りなさい」
先公が指さしたのは俺の後ろの席だった。
34本当にあった怖い名無し:2005/09/27(火) 23:51:30 ID:Ms8mnZnX0
【俺様用しおり】

−−−−−−−今 日 は こ こ ま で 書 い た−−−−−−−
35本当にあった怖い名無し:2005/09/29(木) 22:56:39 ID:BwL4bhuo0
俺の机の横を通り過ぎるときに、なんかニヤッと笑ったみたいだった。
メリーさんが席に座ると、電源を切ったはずの俺の携帯電話が鳴りだした。
「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」
わざわざ電話する意味が分からねえ。ていうか後ろから生声聞こえてきてるし。
だるい気分で後ろを振り返ると、会心の斬りが決まった波田陽区のごとく、
『よしっ』と拳を握りしめるメリーさんがいた。そしてバールのような物を…
取り出してどうするつもりだったか不明だが、実際起こったことの順を追うと、
先公のハリセンが俺とメリーさんの頭にヒットし、携帯電話(及びバール)は
没収され、俺たち二人は廊下に立たされる事に相成った。
携帯電話を没収され、俺の隣で涙をこらえる彼女はなんか一際小さく見えた。
可哀想になった俺はポケットからハンカチを取り出して彼女に渡した。
「あっ…これ…私のハンカチ…」
それは、今朝俺が家の前で拾った、あのハンカチであった。
「なくしたかと思ったけど…拾ってくれたんだ…とりあえず、その…ありがと」
涙を拭きながら気恥ずかしそうに顔を背けた彼女に、気になってた事を聞いた。
「なあ…どうして俺を狙うんだ?」
36本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 15:50:22 ID:UM9jRd4+0
つづきは・・・?
37本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 15:55:56 ID:/3XR7obJ0
つつじは…?
38本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 16:14:56 ID:8qv2hsicO
続きは?
39本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 23:02:47 ID:UM9jRd4+0
つむじは?
40本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 23:13:52 ID:/no1DttB0
くそー気になる〜
41本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 23:15:43 ID:QoLjNuz4O
うかじは?
42本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 23:53:02 ID:6wg8t2Xe0
>>41
座布団1枚!
43本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 23:55:30 ID:e3wd1C7j0
わわわたしメメメメリーさあwせdrftgyふじこlp;@4
44本当にあった怖い名無し:2005/10/02(日) 00:38:14 ID:AuUiSalC0
実を言うと>>24 にも続きが欲しいんだが・・・。
45本当にあった怖い名無し:2005/10/02(日) 17:18:49 ID:HqYApnv10
>>35の続き

「ええっ?ななななんのことかしら?わたしその…なにもねらってないですよ?」
今更そんなこと言われて信じると思うか。冷や汗流してスマイルするのはやめろ。
ここはマックじゃねえ。しばらく無言でにらんでやったら急にションボリして、
「すみません…その…あなたのこと…殺しちゃおっかなー♪みたいな?感じ?」
「お前…明るく言えば良いってもんじゃないだろ?理由は何なんだよ理由は」
「理由…?」
そう、理由が大事だ。こうして顔を合わせてみるとかなりへなちょこな相手なので
ちょっと安心したのだが、最初に電話がきた時から着信がある度に、正直言って
かなりビビってはいたのだ。何か理由があって狙われているのならば、さっさと
ワビ入れて見逃していただきたい。それが俺の本音であった。だが返ってきたのは、
「理由なんて無いわ♪」
たった一つのシンプルな答えだった。
46本当にあった怖い名無し:2005/10/02(日) 19:58:03 ID:HqYApnv10
「理由が無い?ちょっとお前…命のやりとりにそれは無えんじゃねえか?」
冗談じゃない。『理由なんて無いわ♪』なんて言葉で納得できることか。
しかし、メリーさんの表情は真剣そのものだった。
「ごめんなさい…本当に分からないの。気がついたらもう相手を決めていて…
 あとはただ追いかけて行くだけなの…『本能』…みたいなものかしら?」
「『本能』で男の後ろを追っかけるなんて…なんかお前ってエロいな」
「馬鹿!そんなんじゃないわよ」
メリーさんは顔を真っ赤にして俺の足を踏んづけた。それほど痛くはなかった。
頬を膨らませて顔を背けた彼女を見て、それ以上問いつめる気がなくなった。
完全に納得できたわけではない。だがそれがどうしようもない、彼女の自然な
行動であるならば、それはそれとして受け入れるほかないだろう。
問題はこれからのことだ。
「それで、えー、つまり君は…これからも俺の生命を狙い続けるのデスか?」
「それは…たびたびすみません…やっぱり分からないの…ごめんなさい…
 こんな失敗は初めてだし…たぶん”成功”するまであなたのそばにいると思う」
なんとも頼もしい言葉を頂いた。限りなく不透明に近い俺の未来に乾杯。
「もし何かあったら…今の内に謝っておくわ…ごめんなさい。許してね?」
ま、今のところ”殺る気”は無さそうだし、それで良しとしておくか。
それに一応こいつも『転校生』な訳だし。転校早々いじめるのは俺の性に合わない。
「答えは保留させてもらうが…まあ、とりあえず仲良くしていこうぜ、な?」
「ありがとう…私も努力するわ…よろしくね!」
そんなわけで俺とメリーさんは固い握手を交わした。双方の妥協(主に俺)の産物
ではあったが、なんかずっと前から友達だったような気がするから不思議だ。
「…あなたなら…私のことを救ってくれるかも知れない…」
「ん?…今なにか言ったか?」
「ううん…何でもないの…あっ、先生!?」
不吉な単語を耳にして反射的に後ろを振り返ると、先公がいた。
「おいおい、お前ら…廊下に立たされてるくせにヤケに楽しそうだなあ?」
俺たちが渡されたバケツには、溢れるばかりの水が満たされていた。
47本当にあった怖い名無し:2005/10/02(日) 22:21:50 ID:AuUiSalC0
いいね!
48本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 00:18:19 ID:4lbQhcQj0
>>47 どもども。続き貼ります。

ほぼ時を同じくして園長室には招かれざる客が訪れていた。
黒眼鏡に黒スーツ、いずれも西洋人らしき屈強な男が二人。片方が口を開いた。
「つまり…私どもに”人形”を返すつもりはない。そうおっしゃるのですね?」
対する男も負けてはいない。日本人らしいが、容貌魁偉、体格では遙かに勝る。
「あくまで”彼女”の気持ち次第だが…まあそう言うことになるでしょうなあ」
すでに交渉は決裂している様子だ。黒眼鏡はそれでもなお食い下がっていた。
「ご存知かとは思いますが…双方の政府レベルでは引き渡しについて合意して
 いるのですよ?あなたの一存で拒否するというのは穏やかじゃありませんな」
「そちらもご存知かとは思うが…この学園に関してはこのわしに完全な自治権が
 認められておる。彼女がうちの『生徒』である以上…応じられんですわ」
「法も政治も通じないとおっしゃるならば、力ずくで奪い去るまでですよ?」
黒眼鏡たちが懐に手を入れた途端園長の表情が変わった。闘気が部屋に満ちた。
49本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 00:20:16 ID:4lbQhcQj0
空気も固まる濃密な時間が過ぎた。構えを解いたのは黒眼鏡たちの方だった。
「ふふふ…今日は降参します、園長どの。改めてのご挨拶は後日ということで」
「いつでもいらっしゃい。当方礼を尽くして歓迎いたしますぞ」
そう言って園長はドアを指さした。黒眼鏡たちは席を立つと出口へと向かった。
退室の間際に、黒眼鏡の一人が園長の方を振り返り、にこやかに言った。
「それにしても、お宅の『生徒』さんたちは逸材ぞろいですな。我が国の研究所
 にもこれだけの『素材』をそろえてみたいものです…あの”人形”も含めて」
「その見込みはないじゃろう…”彼女”は逃げ出してきて正解だったようだな」
「うちの研究所にいればもっと能力を開発できたでしょうに…もったいない」
「よっぽどあんたらの顔を見飽きたんじゃろうな」
「フッ…それではまた」
ようやく男たちが退室した後、園長は式神を放って後を追わせた。学園の外に
出たのを確認して、再び結界を引いた。これで不意の侵入にも耐えられる。
園長は窓の外を見た。いい天気だ。運動場では体育の授業が行われている。
学園は今日も平穏だ。少なくとも彼の目の黒いうちはそうであるに違いない。
「ふふふ…また面白いことになってきたぞ」
彼が楽しそうにつぶやいた時、一限目の終わりのチャイムが校舎に鳴り響いた。

                                続く
50本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 02:00:22 ID:vC1UQwSiO
感動する。
51本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 02:12:58 ID:I9o6+3hQ0
もしかしてこの話で>>1000 まで引っ張れそうな気がしてきた。
52本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 20:02:55 ID:SyIMf+KE0
で?続きを欲しているわけだが?
53玄武:2005/10/03(月) 20:36:02 ID:cBU1k05F0
何でもかんでも萌えキャラにする人達にワロタ。
54本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 20:39:36 ID:SyIMf+KE0
もしもし。私メリーさん。本当は半角にスレが立ってるの。
55本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 21:41:31 ID:c/yxsQ6X0
こ れ 何 て エ ロ ゲ ?
56本当にあった怖い名無し:2005/10/04(火) 10:34:15 ID:mT5zHphD0
同人で作るらしいぞ
57本当にあった怖い名無し:2005/10/04(火) 20:00:28 ID:eZPY+ZqB0
>>56
kwsk
58玄武:2005/10/06(木) 03:59:56 ID:s6cqjVjU0
>>57
kwskって何すか?
59本当にあった怖い名無し:2005/10/06(木) 05:25:21 ID:nyQVruaqO
>>58
kwskは詳しくの略だよ。
60玄武:2005/10/06(木) 21:55:01 ID:rTXikOGW0
>>59
なるほど。
61本当にあった怖い名無し:2005/10/06(木) 21:55:43 ID:m5EZ7ecf0
snegはスネ毛ではないからな
62本当にあった怖い名無し:2005/10/07(金) 01:40:59 ID:LU8lcPFB0
キオスクの略でもないんだね?
63本当にあった怖い名無し:2005/10/07(金) 23:18:39 ID:xw/9l7Gb0
で、その話はどうなってるの?
64本当にあった怖い名無し:2005/10/08(土) 20:35:31 ID:Fa8vaya10
>>49の続き
「起立、礼、直れ。着席」
日直の号令が終わり、チャイムが鳴りやんだ。途端に教室が騒がしくなる。
私は教科書を閉じた。今日の方程式は難しい。後でノートを貸してあげなければ。
すぐにでも廊下の様子を見に行きたかったのだが、先生が退室するまで我慢した。
ジャージ姿のわりに厳かな足取りで教壇を降りる。実家では神主をしてるそうだ。
先生は教科書とハリセンを脇に抱えつつ引き戸を開け、廊下に声をかけた。
「よーし、お前ら。席に戻っていいぞ」
扉の陰からブツブツと愚痴るような声が。間髪おかずハリセンの音が響き渡る。
またアイツ…八神一彦が減らず口を叩いたのだろう。相変わらず懲りない男だ。
懲りないといえばあの子…メリーさんといっただろうか?一度注意されてるのに
携帯電話を使って彼を巻き添えにした上、廊下で楽しくおしゃべりするなんて。
生意気な転校生だ。いっそ、先生がもう一発ぐらい叩いてくれたらいいのに。
彼が戻ってきた。子供みたいにふてくされている。席に着くと私の方に向き直る。
「おいこら理香。ニヤニヤすんな。人の顔をジロジロと…何か付いてるか?」
さすがの一彦も照れているようだ。私はわざと澄ました顔と口調で答えた。
「いえ別に。進歩のないお子様だと思いまして。…先生に何ておっしゃったの?」
「お礼を言っただけさ。『おかげでつまらない授業を受けずにすみました』って」
「もう一発どつかれてくることをお薦めするわ…あれ?あの子はどうしたの?」
メリーさんがいない。彼と一緒に戻ってきたはずなのに。どうしたのだろうか。
「あ、トイレじゃねーかな。今、先公に場所聞いて、バタバタ走ってったから」
「えっ…トイレ?」
嫌な予感がする。先生はどこのトイレを教えたのだろうか。この教室から一番
近い女子トイレならば、『あそこ』しかないのだが。あまりにも危険すぎる…。
「ねえ、一彦。この階にある女子トイレの『噂』って…聞いたことある?」
「えっ?噂?どんな噂だ?」
やっぱり、男子は知らないのだ。当然、先生も知らなかったはずだ。
あんな子、ほっておこうかしら。だがすぐ思い直した。仮にも私は級長なのだ。
「ちょっと心配だわ…。私、様子を見てくる」
席を立った私は廊下に飛び出し、件のトイレに向かって走り出した。
続く
65本当にあった怖い名無し:2005/10/08(土) 22:06:04 ID:hvzHvdi60
続き、きたー!!
66本当にあった怖い名無し:2005/10/09(日) 10:33:48 ID:Eyjxq36u0
wktk
6731ですが:2005/10/13(木) 03:03:02 ID:XAJYKsLL0
どもども。だらだらと続けてしまってましたが、急に骨組みが見えてきました。
あとは書くだけです。週末には次の展開に進めると思います。
もう後には引けません。早いとこスッキリさせますので、ご容赦の程を。
68玄武:2005/10/13(木) 04:17:42 ID:nI3yJK9f0
メリー「私メリーさ」
デブ「君かわいい声してるね。名前は何て言うのかな?」
メリー「あ、私メリーさん。今あな」
デブ「そっかぁメリーちゃんって言うのかぁ。かわいい名前だねぇ。どうしたの?僕に何か用かな。間違え電話と見せかけてもしかして僕の事が好きな子なのかなぁ。あはは、そんなことないかぁ。でも間違い電話でも僕は構わないよ。だってこれが僕達の運命の出会いだからね。」
メリー「わ、わた」
デブ「どもっちゃってぇ。あ、もしかして恥ずかしがってるのかな、気にしないで話していいんだよ。僕ちゃん気にしないよぉ。うふふ、どもってるところもかわいいねぇ」
ガチャン
デブ「あ、切れちゃった。」
69本当にあった怖い名無し:2005/10/15(土) 14:09:03 ID:RNqILz/T0
>>67
ワクテカして待ってます(・ω・)
70 ◆Dream/3P/. :2005/10/17(月) 06:00:01 ID:v35SYl+S0
 
71 ◆04zIyNO/j. :2005/10/17(月) 07:19:26 ID:v35SYl+S0
72 ◆LLLLLLLLL. :2005/10/17(月) 07:50:51 ID:v35SYl+S0
73LLL ◆LLLLLLLLL. :2005/10/17(月) 07:52:04 ID:v35SYl+S0
74WWWWWWWWWw  ◆IAmBakAKu2 :2005/10/17(月) 07:57:34 ID:v35SYl+S0
75&rlo;AND&lro; ◆D.N.A.0.I. :2005/10/17(月) 08:35:51 ID:v35SYl+S0
76:&rlo; ◇D.N.A.0.I.:2005/10/17(月) 08:38:24 ID:v35SYl+S0
77 ◆Uzeee/F.MM :2005/10/17(月) 10:04:02 ID:v35SYl+S0
    
78 ◆UZEEEE1tLo :2005/10/17(月) 10:04:59 ID:v35SYl+S0
  
79本当にあった怖い名無し:2005/10/17(月) 15:56:34 ID:a5o6IAp10
yabeleeeeeeeeeee
80本当にあった怖い名無し:2005/10/19(水) 09:08:15 ID:JfEk3nOX0
あまりにメリーさんが「あなたの後ろにいるの」ってうるさいので、
意地でも後ろ向かないようにしてたら
「ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファ-」ってなり、
最初は面白かったんだけど、なんかキモくなったので首元を横から思い切りチョップしたら
「モルスァ」みたいなこと言いながらすごい勢いで飛んで行った
81 ◆Y00pI/nVIg :2005/10/19(水) 09:22:51 ID:cPbxGSunO
あひゃ
82 ◆pttJ8KBG.E :2005/10/19(水) 09:28:47 ID:oC8pgJ5CO
てすと
83本当にあった怖い名無し:2005/10/19(水) 09:39:31 ID:NxixE7NXO
「私、メリーさん引きこもりなの」


84本当にあった怖い名無し:2005/10/19(水) 09:52:04 ID:9pDPzKDEO
私メリーさんただいま留守にしています。
85本当にあった怖い名無し:2005/10/19(水) 17:29:04 ID:jYIxVCwO0
メリークリスマス
86本当にあった怖い名無し:2005/10/21(金) 16:46:04 ID:O+QFniks0
>>85
あと2ヶ月だね〜(^−^)
87本当にあった怖い名無し:2005/10/21(金) 19:10:05 ID:TLgGK9+m0
メリー マイ ラヴ so スウィート♪
88本当にあった怖い名無し:2005/10/22(土) 09:02:12 ID:lwzLMKAc0
わらってもっと べぇべぇ〜♪
89本当にあった怖い名無し:2005/10/22(土) 19:22:51 ID:fc/I9CEk0
なんか随分と荒れてるが、続きマダー
90本当にあった怖い名無し:2005/10/23(日) 22:30:57 ID:6KlGTq930
>>64
2限目の始まりのチャイムが、休み時間の終わりを全校に告げた。
「ピピーッ」
ホイッスルの音が響き渡る。運動場では体育の授業が始まろうとしていた。
ブルマー。トレパン。トレシャツ。鉢巻き。深まる秋に服装も様々だ。
やけに気合いの入った体育教師の号令とともに準備運動が始まった。
「腕を前に上げてぇぇ!ケイレンの運動ぉぉぉぉぉ!!」
その様子を、校舎の塀越しにのぞき込む影があった。
「いいなぁこの学校。今時珍しくブルマですよブルマ。先輩も見てくださいよ」
そう言って振り返ったのは、先ほど園長室を訪れた黒眼鏡の男であった。
「いい加減にしろ、ナボコフ。それ以上結界に近づくと浄化されちまうぞ」
「えーっ。僕、先輩ほど邪悪じゃないから平気ですよ…あっ嘘ですごめんなさい」
凶悪な闘気が張りつめるのを感じたナボコフは、はじけるように飛び降りた。
「本気にしないでくださいよ、もう…ガモフ先輩は本当にお堅いんだから」
ガモフはすでに先へと歩き始めていた。ナボコフはあわてて追いかけた。
学園の広大な敷地をめぐる道を二人は歩いた。結界は隙がなく、完璧であった。
「さすがですね。すごいパワーです。あの園長、噂どおりの術者ですね」
「確かにその通りだな。だが、どうも腑に落ちない」
ガモフは首を傾げた。仮にもこれほどの結界を、一人だけで維持できるだろうか。
「どこかに必ず協力者…あるいは憑代が在るはずだ。それさえ突き止めれば…」
「そんなことより先輩。今朝から何も食べてません。そろそろ朝飯にしませんか」
「話の腰を折りやがって…少し我慢しろ。誰のせいでこんな事になったと思う?」
「そんなこと言われたって…あれ?何だかいい匂いがしてきましたね」
どれ位歩いて来たのだろうか。校舎裏側の通用門近くに古ぼけた蕎麦屋があった。
「ふん、ちょうどいい。その店に入ろう。ついでに飯でも注文しろ」
「いやぁ、すみません。ありがとうございます。へへへ」
『準備中』とあったが構わず暖簾をくぐる。店の中は狭くて薄暗かった。
店の子なのか、小学生が一人あんみつを食べているだけで、他に客はいなかった。
テーブルは二卓。二人はその内の一つに腰を下ろした。ガモフが言った。
「さあ、注文を聞こうか」
91本当にあった怖い名無し:2005/10/23(日) 23:05:40 ID:UJrt+4MI0
ばーぼんはうす!?
92本当にあった怖い名無し:2005/10/24(月) 00:16:27 ID:WgbOfbro0
続きキター(AA略
お茶ドゾー つ旦~

ワクテカ
93本当にあった怖い名無し:2005/10/28(金) 23:50:11 ID:hjIQFIgc0
もうすぐどようび
94ジグソウ:2005/10/30(日) 20:10:03 ID:RpbSVMku0
あげ
95 :2005/11/02(水) 13:56:53 ID:yVL0MgJb0



            ⌒\
           /⌒ヽ、/ ̄)    メエェ〜 ♪ 
            < ^ ∀/        
              ヽ  ヽ
               ヽ  ヽ,,
              (    ̄ ̄)
       _―ー─ ̄   、__,,ィ /
     /⌒         ,ノ_/ ./     
     |     γ__ ,ノ"〈__ノ〉 〉    
     ゝ  ___ノノ      〈__/    
     〈 γ'"〈 〈"             
     ヽ ヽ 〉__〉             
      〉__〉               

96宇治金時:2005/11/03(木) 16:26:22 ID:N7Zd34di0
「あたい。メリーたん。今テレビ局の前にいるの。」「あたい。メリーたん。今テレビにでてるの。」「あたい。メリーたん。2チャンネル・・・・・・。」ツーツーツー。
97宇治金時:2005/11/03(木) 16:27:53 ID:N7Zd34di0
どう?
98本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 19:07:09 ID:sYjxM5QsO
プルルルルル・・・・・
日に日に寒さが厳しくなっていく11月のとある明け方、僕は一本の電話の音で目が覚めた。
(なんだ・・・?こんな朝っぱらから。)
重い体を起こし、電話をとりに向かう。
・・・ガチャ
「はい、棚橋ですが・・・」
「・・・私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの。」

その時、僕は状況がよく理解できていなかった。寝起きで頭がボーッとしていたのか、ただ受話器を耳にあてたまま立ち尽くしていた。
99本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 19:25:38 ID:sYjxM5QsO
(メリーさん?そういえば、都市伝説でそんなのがあったな・・・。)
うつらうつらしながらも、そんな事があるわけがない。誰かのイタズラだと受話器を置こうとすると、今度はハッキリと声が聞こえた。
「私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの。」
(後ろ?後ろって・・・別に何もないじゃないか。)
その時だった。

ドン!!!!

何かが破壊されるような凄まじい音がした。完全に目が覚め、何かただならぬ気配を感じた僕は、すかさず音のした方へ走った。


「何て事だ・・・!」
玄関・・・、いや、玄関があったであろうその場所に、直径2メートルはあろう大穴が開いていた。
100本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 19:43:57 ID:sYjxM5QsO
(なんだこれは!?夢なのか?)
僕は思わず後ずさった。普通では考えられないような出来事が、今目の前にある。
その時、僕は何者かの気配を察知した。
(後ろに、誰かいる・・・)
振り向きたいが、振り向けない。異常な程張り詰めた空気が、僕に振り向いてはいけないと伝えている。

息が、できない・・・。


刹那、僕の肩に手の様なものがそっと触れた。

「うわぁぁぁあ!」

僕を縛っていた何かが解けたその瞬間、僕はその場から逃げ出した。そして、反動で後ろを振り向いてしまった。


「・・・・男!?」
101本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 22:14:07 ID:sYjxM5QsO
「メリー・・・さん?」
違う。あれはメリーさんではない。全身漆黒のスーツに身を包んだ、身長190cmはあろう 大男だ。

その男はゆっくりと僕に向かって来る・・・
「体が・・・動かない」
今度は完全に動きが制されている。空気ではなく、男の威圧によってだ。

男は、僕との距離を少しずつ縮めていく。
そして、手を伸ばせば僕に届く距離までやってきた。

(死ぬのか・・・僕は。)

僕は、動けない。しかし、男にもまた何も動きがない。男は、その若干細い目で僕を静かに見下ろしていた。


朝日が、僕の遥か後ろから、男の顔を照らしていた。

102本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 22:37:18 ID:sYjxM5QsO

どのくらい時間が過ぎただろうか、僕は、依然として硬直したままだった。


突然、男が不意に何か呟いた。

「・・・だったね。」

「は?」

「棚橋君、だったね。驚いただろう。急にこんなことになってしまって。」

(・・・何を言ってるんだ?)

「本当にすまないと思っている。だが、仕方ないんだ。」


そう言うと、男は僕の額に手をあてた。

(なんだ?何かが頭の中に入り込んでくる・・・!!)

見知らぬ街、見知らぬ人物、広大な平原、どこかの部屋・・・。様々なモノが僕の中に入ってくる。


そして、所々で僕の脳裏に焼き付く様に浮かび上がってくる・・・

(少女?これは・・・)「メ・・リ・・ィ・・・」

気がつくと、僕は自分のベッドの上にいた。
103本当にあった怖い名無し:2005/11/03(木) 23:16:59 ID:sYjxM5QsO

(・・・夢?だったのか。)
やけに頭が冴えている。そして、先程までの出来事を一部始終鮮明に記憶している。まるで、これからその続きが始まるかのようであった。
僕は、体を起こすと自然と玄関の方へ足を進めていた。電話を横目にし、若干の恐怖をかみしめながら・・・


(また、あの男がいたらどうする?)

心臓が高鳴る。だが、足を止めようとはしない。自分の意志とは無関係に、体が前へと進んでゆく。

僕は、唇をぐっと噛み締め、目を見開いた。

「え?」
(そんな・・・)

「穴が・・・ない・・・」
(あの男も・・・いない。)


僕はもう一度自分の部屋に戻り、ベッドに座り込んだ。
11月の寒空には似合わない、暖かい陽の光が僕の背中を照らしていた。
104本当にあった怖い名無し:2005/11/04(金) 02:47:42 ID:rrWCyvlz0
続き・・・じゃないよね?
前の話、書いてた人はけーたいからじゃなく、
パソからだったし。

新手のスタ・・・、いや、新しい書き手の人かな?
105ジョゼフ:2005/11/04(金) 06:36:27 ID:/bN0BV2l0
なんかキター(AA略  ワクテカ

>>104
気をつけろ!アブドゥル!!
敵は携帯電話を使って攻撃を仕掛けてくるぞ!!
106本当にあった怖い名無し:2005/11/04(金) 09:26:32 ID:0rHj6YbOO
>>104続きじゃないですよ〜。誰も期待してないと思うけど一応完結させるつもりなんでよろしく〜
107himagine ◆5kPJZBP79s :2005/11/04(金) 11:56:02 ID:0rHj6YbOO

今朝の電話、謎の男、そして、僕が無意識に口に出した・・・

「メリー・・・さん。」

(おかしい。そうだ、やはり夢だ。やけに現実味を帯びた夢だったが、あんな事が日常で起こりうるわけがない)


僕は、深い溜め息を吐いた。あれは幻だ。そう自分に言い聞かせて安心を得ようとしていた。段々と気持ちも落ち着きを取り戻し始めた途中、僕はあることに気付いた。


(今、何時だ?)


「・・・・・!!」

(まずい・・・完全に遅刻だ。)


(どうやっても間に合わないな。とりあえず、学校に連絡を入れておこう・・・)

「電話電話っと。」

その時だった。

プルルルルル、プルルルルル

「!!!」

電話が、鳴った。
108himagine ◆5kPJZBP79s :2005/11/04(金) 12:21:07 ID:0rHj6YbOO
ゆっくりと電話に近付く。一瞬、あの声が頭をよぎった。

「私、メリーさん・・・」
(まさか。)

受話器へと手を伸ばす。そして・・・

ガチャ
「はい、棚橋ですが・・・」

「・・・あ、た、棚橋君かね。私だ。村井だ。」

僕はほっと胸をなでおろした。

「あぁ、教頭先生ですか。丁度よかった。今そちらに電話をいれようと思っていたところだったんです。実はですね、先程ちょっとした事がありまして(単純に寝坊なんだけど)、少し学校に着くのが・・・」
「ぁあわかった!うん。遅れるんだろ?ゆっくりきたまえ。ぁぁ。」

僕が話を終える前に教頭が言った。

(変だな・・・。いつもはもっときつい口調で叱り付けてくるはずなんだけど。)

「何か、あったんですか?」

「あ?いや、ま、まぁその辺の話は君がこっちに来た時にしよう。じゃ、じゃあ待ってるよ。」
「あ、きょうと・・・」
ブツッ


(・・・そうか、やっぱり何かあったんだな。)
109本当にあった怖い名無し:2005/11/04(金) 15:11:42 ID:ysQzOiaQ0
本当にメリーさんが後ろにいたら、そのまま押し倒してレイプしちゃうかも
メリーさんって何歳だろ?18ぐらいで可愛ければいいなぁ
110本当にあった怖い名無し:2005/11/05(土) 22:56:10 ID:36gcKiXx0
>>109
たしかスイカだった気がする
111本当にあった怖い名無し:2005/11/06(日) 00:10:38 ID:T+qLi4qyO
you 来ちゃいなよ

それ言うのはジャニーさんでメリーさんじゃないよ
112本当にあった怖い名無し:2005/11/06(日) 18:49:43 ID:owGUjRN+0
>>渋谷109
うーん、メリーさんのことは大すきだし、恋仲になりたいけど、レイプとかむりやりというのはどうかと思う。
113本当にあった怖い名無し:2005/11/07(月) 14:32:09 ID:vpfrmGv40
どうかと思った結果、すでに向こうはストーカー犯罪者であり、
家の中にも侵入するぐらいなので、刑法上レイプにはあたらないのではないか?
(メリーさんにもその気あり?)
・・・と、0.3秒思考した後、僕は彼女を
ベッドに押し倒した。

「あっ・・・!」
114本当にあった怖い名無し:2005/11/08(火) 00:53:43 ID:QAxhuFL40
>>113
とりあえず通報しといた
115本当にあった怖い名無し:2005/11/08(火) 19:37:47 ID:PLnPAYbK0
【後ろを…】メリーin2ndCall【見なさいッ!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1126959381/


↑のスレの人たちが統合をしたいんだけど、シャイだから話せないって言ってるんだが
おまえら受け入れてくれるか?
116本当にあった怖い名無し:2005/11/08(火) 23:06:48 ID:HYtdIhDD0
>>115
無事次スレ立ちました。
心配してくださってありがとうございます。
117本当にあった怖い名無し:2005/11/09(水) 14:51:36 ID:gvFXjsko0
552 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2005/11/09(水) 14:48:53 ID:bO8BMVD30
「もしもし、私メリーさん、今駅にいるの・・・か、勘違いしないでよ?!
貴方に会いに来たんじゃないんだから!」

それからしばらくして・・・・

「もしもし、私メリーさん、今貴方のマンションの前にいるの・・・
違うってば!た・たまたま近くを通りがかっただけなんだから!」

そして10分後・・・

「もしもし、私メリーさん、今あなたの後ろにいるの・・・・・・」

振り返ると、顔を真っ赤にした少女が立っていた。最後にメリーさんは
目の前で電話をかけるふりをした・・・






「もしもし、私メリーさん・・・・・・・今日、泊まってもいい?
か、勘違いしないでよ?!終電に乗り遅れただけなんだから////」
118本当にあった怖い名無し:2005/11/09(水) 15:58:01 ID:0yNW3BP/0
・・・その夜、悲痛な叫び声が近隣中に響き渡った。
明け方、救急車が、顔を鮮血で真っ赤にした少年を車に乗せた・・・。
まだ、息があるのだろうか?

担ぎ込まれた病院では、あわただしくもすぐに救命体制をとった。
少年の体は予断を許さないが、かろうじて、一命を取り留めた。
彼は集中治療室に入れられ、体に何本ものチューブをつながれていた。
ひっきりなしにナースが、容態と計器のデータをチェックしにやってくる。
そんな時、ようやく彼は意識を回復した。
「う・・・ここは・・・?」

ナースがうれしそうにやってきて、彼にやさしくつぶやいた。
「もしもし、私メリーさん・・・・・・、会いに来てくれたのね?
か、勘違いしないで! 趣味と実益を兼ねてるだけなんだから////」
119本当にあった怖い名無し:2005/11/14(月) 02:07:43 ID:yTD26a7W0
このスレが立ってから、いくつものメリー・ストーリーが
語られているにもかかわらず、
誰も長編を完成させていないのは
どーゆーことッ!?
120名無し:2005/11/14(月) 03:40:47 ID:JkQGybd+0
それはクロウカードの仕業や…。




じゃない、メリーたんの仕業や…。
121本当にあった怖い名無し:2005/11/18(金) 00:13:15 ID:OYQ2eEJN0
・・・じぇいむす・・・じぇいむす・・・じぇいむす・・・じぇいむす

・・・じぇいむす・・・じぇいむす・・・じぇいむす・・・じぇいむす

 ギキッ・・・ギキッ・・・   
おおきな弧を描いて振り下ろされる巨大な鉾


ぐしゃぁッ

「さぁ、 これからは いつも一緒だよ・・・めりー」
                                          IN 静岡2
122本当にあった怖い名無し:2005/11/23(水) 17:14:16 ID:utgqXvOo0
シコシコして逝く瞬間にティッシュを取ろうと
思ったのですが1枚もありません。ちょうど後ろに
いたのを思いっきり押し倒しメリーさんの中に精子を
貯めトイレにダッシュしたのですが段差でつまづき
精子を廊下にブチ撒けた瞬間に母に見つかりました。
慌ててカルピスを溢したと言い訳したのですが
どう見ても精子です。
本当にありがとうございました
123本当にあった怖い名無し:2005/11/23(水) 22:28:26 ID:Go2pJ3WI0
おれもメリーさんの体の中に
ぶちまけたいな・・・。
124怪人のほみそばふ:2005/11/24(木) 06:12:56 ID:HXBjcldP0
学校の怪談のメリーさんはかぼちゃだな。
125本当にあった怖い名無し:2005/11/25(金) 08:53:55 ID:N4T3heXi0
もしもし・・・・わたし・・・メリーさん・・・
今、家で、会社に行く準備をしているの・・・。

最近、オカ板にはまりすぎで、睡眠時間が少ないわ。
あなたはどうかしら?
126本当にあった怖い名無し:2005/11/25(金) 09:04:57 ID:YznTUXCv0
・・・(中略)・・・

「もしもし、わたし、メリーさん・・・今、あなたの後ろにいるの・・・。」

俺はこの瞬間を待ち続けた。
某掲示板で書かれていた方法を忠実にこなし、
この瞬間をようやくにして迎えたわけだ・・・。

俺はゆっくりと振り返った・・・。

そこには、まるでセルロイドで出来たようなしみのない細やかな肌、
黒をベースにふんだんにレースをあしらったロリータファッション、
栗毛色で柔らかなウエーブのかかったせみロングの髪、
身長は135セントといったところか?
ひざを立てて振り返ったおれとちょうど同じぐらいの身長。
ごてごてとした服からすら利と伸びる真っ白な足。
足元はフリルのついた靴下だけで、靴は履いていない。
膨らんだ袖口からはこれもまたすらりとした腕がのび、大きな鎌を手に持っていた。

「メリーさん、ようこそ!」

俺の第一声に、メリーさんの整った顔に驚きと恐怖がよぎる。

「え?うそ・・・また・・・・う、うそよね?」

つづく

127本当にあった怖い名無し:2005/11/25(金) 15:04:02 ID:kcFeopee0
135セント!

期待age!
128本当にあった怖い名無し:2005/11/25(金) 21:00:10 ID:1kyDum130
おいらもワクテカ!  AA(ry
129怪人のほみそばふ:2005/11/26(土) 03:13:41 ID:M84JX+wH0
メリー「おかけになった電話は、現在電波の届かないところにおられるか、電源が入っていません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい。」
130怪人のほみそばふ:2005/11/26(土) 03:17:25 ID:M84JX+wH0
131126 ◆ywn0glLBC. :2005/11/26(土) 20:27:47 ID:87qWp9CKO
126なんだけど、
メリーさんの召喚方法を
教えてくれ。

教えてくれたら、
続き書くから。

ついでにあげる。、
132本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 00:22:04 ID:u3QOmaEH0
>>126
期待アゲ!!!
133本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 04:20:30 ID:xgP4v5aJ0
私ジャニーさん
134本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 04:34:27 ID:4BQZ6/RWO
>133
今、YOUの後ろにいるジャン!!
135本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 04:56:05 ID:PAX2+Ht0O
甘いな。ジャニさんなら
「ボクはいつでもYOUのバック(ケツ)を狙(ry」
136本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 11:36:47 ID:b50D3fww0
>>126
メリーさんの呪いというチェーンメールがありますね。

090********からの電話がなる前にこのメールを5人に送って下さい。
送らなかったり、自分からかけた場合、夜メリーちゃんが電話で迎えに来ます。最近、いたずらメールが流行っていますがこのメールはまじでやばいです。ちゃんと回さないとメリーさんの呪いがあなたにふりかかります。

って言うもの。これをしなかったら、召還できるのではないか?

都市伝説のメリーさんは、基本的に「かわいがられていたのに、捨てられてしまった人形の復習」で
誰にでも来るものではない。
137伊集院健:2005/11/27(日) 14:13:37 ID:XENPhkbxO
捨てられたセクサロイドの俺が貴様等に愛に行きますよ。
138本当にあった怖い名無し:2005/11/27(日) 15:57:35 ID:T4XbjyObO
>>137
それなら、
「僕、健くん」だなwwww
139126:2005/11/28(月) 20:31:18 ID:32sVFlDT0
すまない・・・。鳥を忘れた・・・。
>>136
ありがとう。続きを考えてみるので、しばらく待っていてください。
140126 ◆dNexSJi1ew :2005/11/30(水) 09:50:50 ID:te6QDndWO
>>126から続き

「な、なんで、前の場所から500`bも移動してきたのに…」

俺は、微笑みを浮かべたまま、目の前のまだ幼い少女がうろたえるのを眺めていた。
いや、その状況を楽しんでいた。

「前のあの人との繋がりなんか…」

そこまで言って、メリーは、薄暗い部屋の中で唯一光を放つものの存在に気がついたようだ。

「パソコン……」

そのモニターには、おそらく「前のあの人」という奴が作ったホームページが映し出されていた。

「【完全】☆メリーさん☆【攻略】」

と言うまとめサイトだ。
多くの人は、はなから「ネタ」と決めつけ、まあそれなりに楽しんでいたみたいだが、
俺は違った。
数多くの書き込みの中から、管理人が厳選し、実践してきた方法を忠実に守ってきたのだ。

メリーの言う「前のあの人」、つまり管理人は、実際にメリーを召喚した。
それは、本当のことだったと言う事だ。

そして、奴の突撃レポートにあったこと。
それもまさに真実と言うことだろう。

つづく
141本当にあった怖い名無し:2005/11/30(水) 09:53:46 ID:te6QDndWO
>>126が最初
>>140から続き

メリーが、鎌を握り直すのが見える。

「お、怯えることなんか…ない。命を刈ってしまえば…お、おわるんだもん」

メリーは、声を振るわせながら、鎌を振り上げる。

これもまた、まとめサイトや掲示板に書かれていた通りだ。

振り降ろされる鎌。
それは物質を通り抜け、魂を刈るためのものだと言う。
つまり、肉体と魂の結び目を刈り取るのだ。当たった場合、俺は死ぬ事になる。

俺は、メリーの第一撃目をかわした。

メリーは、振り降ろしざまに、よけた俺の方に視線を向けた。
整った顔に鋭い目。
まったく先ほどまでの、怯えた様子は見えない。
ゾクゾクする。
しかし、見とれている暇はなかった。
メリーの次の攻撃が、俺を襲おうとしていた。

つづく
142126 ◆dNexSJi1ew :2005/11/30(水) 09:55:15 ID:te6QDndWO
>>141
は、俺ね。
143本当にあった怖い名無し:2005/11/30(水) 18:57:17 ID:sMGqQmI60
期待あげ!
144本当にあった怖い名無し:2005/12/01(木) 07:31:10 ID:RFzetoijO
ょぅじょ
145126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/01(木) 11:26:51 ID:etDQmClT0
最初から>>126
2番目>>140
3番目>>141
4番目←いまここ

『柄をつかむべし』
まとめサイトには、そう指示があった。
『メリーの攻撃は恐ろしいほど正確で、狂いがない』
とも・・・。

俺は、自分に身体を攻撃してこようとするメリーの方へと滑り込ませた。

「な、なに?」

予想外の行動に、目を丸くするメリー。
しかし、急な動きに対応するでもなく、鎌は俺の元いた場所をめがけて振り下ろされた。

『メリーの行動は、基本的に恐怖におののき、動けなくなった人間に対応している』
つまり、自分の存在に対して恐怖せずに、自由に動く存在など想定していないのだ。

メリーの懐に入り込んだ俺はメリーが握り締める鎌の柄の部分をつかんだ。
攻略方法が分かっているとはいえ、こちらも命がけだ。
鎌の刃の部分が俺の身体に触れると、俺は死ぬのだから・・・。

「ちょ!放してよ!」

にらみを効かせて、鎌を振りながら、俺の手を振り解こうとするメリー。
しかし、俺は必死でつかみ続けた。

つづく
146本当にあった怖い名無し:2005/12/02(金) 00:59:15 ID:UbLvIAwN0
> 「最初から>>126
  2番目>>140
  3番目>>141
  4番目←いまここ」

この部分なくて、いいと思うンすけど。
コテ・トリで分るし。
147本当にあった怖い名無し:2005/12/02(金) 12:56:21 ID:2MtAyZgfO
別にどうでもいい

続き期待age
148126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/02(金) 19:28:22 ID:sNw80cGr0
  【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145
  5 番 目←いまここ

しばらくは、膠着状態が続いた。
メリーは、その小さな体に似つかわしくない力で、俺の手を振り解こうとしていた。
俺は俺で、ここまできたら引き下がれない、いや、もともと引き下がるつもりなどなかった。
それは、決して「死への恐怖」ではない。メリーへの執着だった。

初めてまとめサイトを見たとき、その風貌の描写から、興味を持った。
別段、俺は幼い子どもが好きというわけではない。
つい最近まで付き合っていた彼女は、普通のOLだった。
しかし、まとめサイトで描かれている「管理人が遭遇したメリーの姿」を見たときに
俺は心がざわめくのを感じた。
まとめサイトを読み進めていくと、その管理人が、メリーを手に入れるために費やした努力の数々、
調査検討の数々が描かれていた。
そして、ある手段と手続きを講じて、管理人がメリーと遭遇するくだりは
まるで自分がその場にいるかのようにどきどきした。
俺は、何度も何度もその場面を読み返し、メリーの姿を想像した。
ときめいた。
「俺も、メリーと出会いたい」
そんな淡い夢ともつかない願望が芽生えてきた。
しかし、このときはまだ、自分でその方法と手続きを実行しようとは考えてもいなかった。

俺が、メリーに会うための手順を踏もうと考えたのは、管理人の次の更新があったときだった。
そこには、メリーと遭遇した後の管理人の行動が逐一報告されていた。
画像はなかった。どうやら写真は撮ったが、肝心のメリーはそこにうつっていないとのことだった。
多くの住人は、管理人に対し、「妄想」「ネタ」「釣り」の烙印を押した。
しかし、俺は違った。その後の管理人の行動報告の中に描かれているリアルな情景が
俺を突き動かしたのだ。

つづく
149126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/02(金) 19:41:59 ID:sNw80cGr0
【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145◇5 番 目>>148
 6番目←いまここ

「放しなさい!放さないと・・・」

メリーが激しい口調で叫んでいた。ふとわれに返った俺は、よりいっそう力を込めた。

「放したらどうするんだ?」

余裕はなかった。しかし、俺は、余裕を見せ付けるように、にやりと笑って見せた。

「決まってるでしょ・・・」

「俺を殺すんだよな」

「・・・・・」

メリーは何も言わずににらみ返してきた。
凄みのある鋭い視線。しかし、その視線の鋭さすら美しく整った顔を引き立たせていた。
他のものを近づけがたい高貴な印象さえ伺わせる表情。
一瞬見とれそうになるのを何とか押さえ込み、メリーに言葉をかけた。

「なぜ、俺が君の言う『前のあの人』の行った手順を知っていたか・・・」

「え?」

メリーの表情が一瞬、驚きに変わる。攻撃性を最前線に持ってきていた表情が戸惑いをあらわにした。
それは最初に出会ったときのおびえに似た表情だった。
おそらく『前のあの人』つまりまとめサイトの管理人との出会いを思い返しているんだろう。

つづく
150本当にあった怖い名無し:2005/12/02(金) 22:09:05 ID:2MtAyZgfO
ワクテカage
151本当にあった怖い名無し:2005/12/03(土) 00:54:49 ID:OcLiuPg+0
きたいage
152本当にあった怖い名無し:2005/12/03(土) 11:30:21 ID:8g4ceip40
ワクワクテカテカ(・∀・)
153126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/03(土) 17:57:27 ID:zV8vsTV20
【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145◇5 番 目>>148
【6番目>>149
 7番目←いまここ

メリーは俺から目をそらせた。
今までの威圧的な視線は、そこにはなかった。
おびえ、戸惑い、不安・・・。そのようなマイナスの感情がその目からうかがえた。
目の奥底に宿る生命力、メリーを「イキモノ」にしている力の根源に触れたような気がした。
先ほどは、相手に対する攻撃性を帯びた生命力あふれんばかりの高貴な視線に
うっとりしたが、今度は、俺の中にある被虐性を充分に意識させるものだった。
俺は深く息を吸い、そして吐き出した。

「おそらくは、君が『前の人』のもとを去って、わずか2日だと言うのに、なぜ君の事を知っている人間が
遠く離れたこんな場所にいるのか・・・。君には分からないはずだ」

メリーは、わずかだが震え始めていた。見ているだけでは分からないかすかな震えは、
メリーの唯一の武器である鎌の柄を通して俺に伝わっていた。
メリーは、ゆっくりと目を閉じた。

・・・・・あきらめたのか?

俺は、ゆっくりと鎌を彼女から引き寄せようとした。
しかし、その瞬間、メリーは目を見開き、生命力を取り戻した視線を僕にぶつけてきた。

「わからない。でも、もうあんな・・・・あんなつらい思いはしたくない!」

一瞬、気を抜いていたのは、俺のほうだった。
危うく鎌の柄から手を離しそうになる。

「死にたくなかったら、どうして貴方が私のことを、そして『前のあの人』のことを知っているのか・・・」

つづく
154126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/03(土) 18:11:15 ID:kYA5UK+90
被虐性⇒加虐性です。
すいません。
155本当にあった怖い名無し:2005/12/03(土) 18:51:41 ID:GvE08pMQ0
ワクテカで待ってます
156本当にあった怖い名無し:2005/12/03(土) 19:17:23 ID:thTW0kNZ0
ワクテカワクテカ
157本当にあった怖い名無し:2005/12/04(日) 09:21:05 ID:2Cka7zyQO
ageておきますね
158本当にあった怖い名無し:2005/12/04(日) 17:30:23 ID:/rZwc2pN0
はい、ちょっとコピペしますよ。

241 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2005/12/02(金) 21:08:29 ID:Q9kUKm6p0
メリーさんというのは女子のパンツの前後を思いっきり引っ張り上げて、
マンコにメリメリメリっとメリ込ませる中学生のスキンシップではなかったか?
時にはパンツが破れるハプニングもあった様だが。
159126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/05(月) 02:58:52 ID:lkfx2NTV0
【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145◇5 番 目>>148
【6 番 目>>149◇7 番 目>>153
 8 番 目←いまここ

凄みを増したメリーの目、その中に自分が映るほど近づいていること。
そして、怒りに燃えるほどに美しくなるメリーに身震いするほどの感動を覚えながら、
先ほどの生命力をなくしたかのように打ちひしがれる弱弱しいメリーにも、俺は惹かれていた。
(・・・管理人が狂ってしまうのも、あんな行動に出たのも・・・無理はない・・・)
高貴なもの、美しいものほど、むちゃくちゃにしたくなる衝動が、人間にはあるのかもしれない。

「なぜ?・・・教えてあげよう。しかし、本当にいいのか?」

俺は含みを持たせてメリーに問いかけた。

「どういうことよ?」

メリーの目にまた少しのおびえが見えたことを俺は見逃さなかった。

「君の言う『前のあの人』から遠く離れた俺が、君の事をどれほど知っているか、そしてそれだけじゃない真実を
知って、後悔しないか?と聞いたんだよ」

俺はなるべく優しく言った。怒りを呼び起こさないように慎重に・・・。
冷静になればなるほど、メリーにとっては不可解で、得たいの知れない存在が、今の俺だ。

「ど、どういうことよ・・・私の何を知っているっていうのよ・・・」

つづく
160126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/05(月) 03:18:17 ID:lkfx2NTV0
【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145◇5 番 目>>148
【6 番 目>>149◇7 番 目>>153◇8 番 目>>159
 9 番 目←いまここ

不安が明らかに増大している。それは先ほどと同じように目の輝きとわずかな体の震えから感じ取ることができた。

「すべてではないけどね・・・ある程度のことは知っているよ」
「・・・・・」
「君が、もともとは一体の人形だったこと。しかし、ある少女の魂とともに生身の肉体を授かっていること・・・」

メリーの目が大きく見開かれた。もう、腕にはほとんど力が入っていなかった。鎌を奪おうと思えば奪えた。
しかし、俺は言葉を続けた。

「その少女は、不幸な運命を背負って、11歳の若さで死んだ」

彼女の目は、過去に向かっていた。人形としての自分ではなく、「人間」だったころの自分を見つめていた。
おそらくは何度も何度も、そうやって自分の忌まわしい過去を振り返ってきたことだろう。

「そして、ぼろぼろになって捨てられてしまった『メリー人形』と同化した。」
「・・・・・」
「さらには、『メリー人形』の想いに引きづられ、持ち主の下へと現れるようになった。次第に迫りくる恐怖とともに・・・。」
なすすべもなく、恐怖におののく人の前に現れ、その悔いを糧にしてきた。
それが、「メリーさんの呪い」という彼女にとっての復讐であり、また、彼女の魂を救うものであったはずだ。

「・・・怖がらせれば、それで・・・よかったの・・・でも・・・」

彼女の目は、おびえていた。今までに幾人もの魂を刈ってきたものの懺悔がそこにあった。

「でも・・・とめることはできなかったの・・・私の中の・・・怒りが・・・」

彼女は、鎌にしがみつくようにたっていた。すでにひざの力すら失っていた。
つづく
161126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/05(月) 12:32:53 ID:nMw6LKjt0
応援アゲありがとうございます。
こっそりとやっているつもりですが・・・。
と言うより、他の方の書き込みがなくなってしまい、
占領したみたいになって申し訳なく思っています。

もしも、よかったら、「メリー人形」の仕様について、語りませんか?
「実体のメリー」と「人形としてのメリー」があると考えています。

身長とか顔とか・・・いろいろとね。
162本当にあった怖い名無し:2005/12/05(月) 19:27:38 ID:p0AQyZXV0
うだうだいわずに話を進展させろ!
163本当にあった怖い名無し:2005/12/05(月) 21:40:59 ID:ektuyHFPO
ageついでに。
個人的なメリーさんへのイメージ。

身長140cm〜150cm
体重30kg〜40kg
年齢15、6歳(小柄な娘は好きだがロリコンではないと信じてる)
ツンデレ・ゴスロリ・貧乳



はいはいおれいたすおれいたす(´・ω・`)
164本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 11:35:47 ID:eOVycrx/0
>163
 い た し ち ゃ う の か よ ! 
165本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 14:45:05 ID:jfOdXc8KO
暇潰しに投下


「あ〜いむばーーーっく!」
と、コンポからお気に入りの曲が流れる。
「エアロはやっぱり前期だよね♪」等と独り言をほざくのはこの物語の主人公、稲葉君(仮名)。
「お兄ちゃん音大きすぎ!」
妹が吠える。
稲「ごめんごめん。」
慌ててヘッドホンを繋ぐ。
余談だがこのヘッドホン、先日買った二万円するそこそこの品である。

いつもと変わらない日常。
そんな日常を破壊するできごとが、この日彼の身に起こるのである。

携帯電話が鳴る─────
166本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 14:59:17 ID:jfOdXc8KO
トゥルルルル…トゥルルルル…ガチャッ
ヘッドホンを外し、携帯にでる稲葉。
稲「もしもし?」
??「わたしメリ…ブツッ!!ツーツーツー…」
稲「またかよ。どうせ由佳のいたずらだろうが…」
この日十回目の電話である。
温厚な稲葉でもさすがに話の途中で切ってしまった。
稲「むなくそわりぃ…。明日学校で抗議してやろう。(そういえば今メリーさんのチェンメが流行ってたっけ。送って来たのも奴だったな…)」
由佳とは幼稚園、小・中学校とそして今…高校まで続く腐れ縁である。
167本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 15:19:23 ID:jfOdXc8KO
稲「噂の通りだと今俺の背後だなw。俺の後ろに立つなぁっっっ!!」と振り向かずに背後に裏拳。

ミ シ ッ ッ ッ ! ! !

嫌な音がした…

??「うわあああああん」
稲「うそぉ…」
裏拳は、なぜか背後に立っていたゴスロリ美少女に見事にクリーンヒットしていた。

稲「ごめんな。俺が悪かった。赦して。」
等と取りあえず謝るが何か不条理な気がする。
「なんでこの娘は俺の背後に?」とか、「そもそも誰?」とか、そういう思いが頭の中を駆け巡る。
稲「まさかメリーさんじゃあるまいなwww」等と思いながら彼は少女に尋ねた。
稲「ねぇ、君は誰?妹の友達?君の名前は??」
彼女は涙を拭って答えた。
メ「わたしメリー。」
と…
168本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 19:52:55 ID:iPOFYQKlO
乙。 でも続き無しの放置プレイかよ…
169本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 20:57:26 ID:jfOdXc8KO
いや、まだまだ続くよw


(例えば、だ。
仮にこの娘があの「メリーさん」だとしたら…いや、そんなはずはないのだが。
しかし、万が一ということがある。)
そう思った稲葉は少女を慰めつつさりげなくその右袖を掴んだ。
じつはこの男、細身で童顔だが、柔道弐段・空手初段の猛者である。
(こうしておけば武器は使えまい…)

数分の時間が経った。
いつの間に少女は泣きやんでいた。
メ「今日は帰ります。」
稲「う、うん…(やはり思い過ごしか)」
メ「あ、そうだ。」
稲「何か?」
メ「次は途中で切らないでね…」
稲「…」

(ああ…本物か。チェンメ止めなきゃよかった。)
顔を引きつりながら「う、うん…」と答える稲葉にさらにおいうちをかけるメリーさんの去り際の一言。

メ「私、SMプレイって初めてだからおどろいちゃった…」


続く
170本当にあった怖い名無し:2005/12/06(火) 22:35:31 ID:5dyOuc1NO
コウシワロス
171165:2005/12/06(火) 23:45:04 ID:jfOdXc8KO
─来るな!止めろ!!俺にそっちのケはないっ…。

稲「ゆ、夢か…。」
彼の見た夢は実に悲惨なものだった。
件の少女が鞭に蝋燭、荒縄を持って迫って来るのだ。
実はこの男、自分の命が危ないのにもかかわらず、「今度は攻守交替よ♪」等と言いながらメリーさんが襲いかかってくるのではないかということの方に恐怖を感じているのだ。
脳裏からメリーさんの言葉が離れない。
プレイプレイプレイプレイプレイプレイ…

今明け方の四時である。起きるにはまだ早い。
気分を変えるために音楽を聴く。
「あ〜いむばーーーっくいんざさどらげ〜ん!」
CDが昨日のままだった。
稲「馬乗りになるのはいいが、馬乗りされるのは嫌だ!」等と歌詞にやつあたりする稲葉。
筆者は彼に言いたい。
「身を任せるのが良いだろう。『なあに、かえって免疫力がつく。』…。」


トゥルルルル…トゥルルルル…トゥルルルル…
そして、携帯がなった…。



続く(ぐだぐだスマソ)
172本当にあった怖い名無し:2005/12/07(水) 07:41:33 ID:JjRAgB2/O
イイヨイイヨー
173本当にあった怖い名無し:2005/12/07(水) 19:08:31 ID:9vvWOIfaO
ガチャッ…

由「わたし、メリーさん。い」
稲「なんだ。由佳か。こんな時間に何の用?」
由「私の送ったあのチェンメ、マジでやばいみたいだから教えてあげようと思って…。止めた先輩のとこに電話がかかって来たみたい。」
稲「その先輩どうなったんだ?」
由「ビビって回しちゃったみたい。」
稲「そうか…。なぁ、由佳。実は俺のところにも…。」
由「かかったの?」
稲「…。」
由「まさか…来たの?」
稲「…うん。」
由「…。」
稲「…。」
由「うはwwwがんがれwwwww」
稲「ちょwwwwwおまwwwwwwwwww」
由「…。」
稲「…。」
由「…それじゃ。」
稲「…うん。」

ガチャッ…

そして、学校へいく時間になった。



うはwwwメリーさん出てコナスorz
174165:2005/12/07(水) 20:05:08 ID:9vvWOIfaO
(絶対につけられてる。何かの気配がする…。)
学校までは自転車で20分程度。
稲「や、やっぱAC/DCはいいなぁ。」
と、イヤホンから聞こえて来る音楽(よい子は真似しないでね)に集中して、気を紛らわせようとするが、恐ろしくてそれどころじゃない。
携帯はもうかれこれ5分前から何度も振動している。
(朝の馬鹿騒ぎでも思いだして気を紛らわすか…。)
〜回想〜
妹「お兄ちゃん。何か暗いね…。そうだ!これ聴いて元気だして!!」
つ「暗い日曜日」

稲「それはもしかして冗談のつもりで言ってるのか?」
窓からMDを投げ捨てる稲葉。
父「貴様!奈月タソを苛めると許さんぞ!!お前ははっきりいってどうでもいいが、奈月タソは…」
稲「はいはいわろすわろす(´・ω・`)」
いつもの首相撲→膝蹴り→払巻き込みのコンボで父親を沈めると、急いで家を出る。
父&妹「いってらっしゃ〜い♪」
〜回想終わり〜
(俺って報われねぇ…)
まぁ、報われないおかげで無事学校についたのだからよしとすべきだろう。
携帯は、いつの間にか振動を止めていた。

教室に入る。
入るなり、クラス中の哀れみの視線が突き刺さる。
皆から、励ましの言葉がかかる。
「思い詰めないで」「元気だせ」「死ぬなよ…」
ふと由佳と目が合う。
(ああ、お前のせいか…)

続く(やっと次からメリーさんでます。グダグダスマソorz)
175165:2005/12/07(水) 20:36:36 ID:9vvWOIfaO
授業中、窓の外を眺めるのが好きだった。
…あの日まではね。

稲「暇」
今は古典の授業。ちなみに2限。
窓の外を眺めている。
携帯は1限に振動しまくったので電源をオフにした。
ふとサッシの辺りをみると、紙コップが置いてある。
何気なく手に取って見ると、底から糸が伸びている。
(糸電話…?)
そっと耳に紙コップを当てる稲葉。

メ「わたし、メリーさん…」
稲葉は恐怖で声もでない。
(最悪でも皆の前で調教されるのは避けたい…)
こいつ、まだまだ余裕があるようであるw

メ「なんで電話とってくれないの?なんで電源切ったの?まさか、わたしとあんな濃密な時間を過ごしておきながら、他の女と…?」
稲葉はわけがわからない。
それに、なんだか声が近付いて…。
メ「それと、今あなたの後ろにいるの…。」
いつの間にか彼女は稲葉の後ろにたっていたのである…。
176165:2005/12/07(水) 21:18:10 ID:9vvWOIfaO
「わたし、メリーさん…」→×
「わたし、メリー…」→○


祐希「先生。前が見えんのですけど…」
そりゃそうだろう。彼は稲葉の後ろ席。
メリーが邪魔で黒板など見えるはずがない。
が、彼が本当に主張したかったのは、「この娘、誰?いつの間に?」と、言うところだろう。
メ「行人君…こっちむいて……」
稲「な、なぜ俺の名を!?」
叫びつつ、かたくなに振り向くことを拒否する稲葉。
山「なんだ。稲葉の知り合いか。なら、お前下駄箱の辺りまでつれてってやれ。」
担任で古典担当の山中(女)が言う。
稲「俺がスか?」
山「ああ。ついでに家まで送ってやれ。ど〜せお前は私の授業なんて聴いちゃいないだろう?」
成り行き上稲葉はメリーを家(どこだ?)まで送ることになってしまった。
稲葉「それじゃ…」
教室をでる稲葉とメリー。
クラス中(山中除)が本能で気付いていた。
彼女がメリーさんだということに…。
そしてだれもが思った。
「ああ、生きて帰ってこないだろうな…」と。


続く
177126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/07(水) 22:27:29 ID:ng84zGDpO
ワクテカ
178本当にあった怖い名無し:2005/12/08(木) 18:46:17 ID:KpOvexbJ0
>>177 君がワクテカしてどーする。

・・・とゆーわけで ワクテカ。
179本当にあった怖い名無し:2005/12/08(木) 19:30:04 ID:qXsKYwa30
ツマンネ
180126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/08(木) 19:36:01 ID:jaoeOpmi0
そっか・・・ボクがワクテカしたらだめなんだ・・・涙
続きがんばります・・・。
181126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/08(木) 21:10:43 ID:X5zwozNn0
【最初から>>126◇2 番 目>>140◇3 番 目>>141◇4 番 目>>145◇5 番 目>>148
【6 番 目>>149◇7 番 目>>153◇8 番 目>>159◇9 番 目>>160
 10番目←いまここ
182126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/08(木) 21:11:28 ID:X5zwozNn0
伏せた顔。
前にたれ落ちた髪が、彼女の表情を隠していた。
俺は片手でしっかりと鎌を握りながら、彼女の頭をなでた。

「・・・え?」

驚いた表情で、顔を上げるメリー。
ほんの20センチ前にその整った顔があった。

「な・・・なに?」

彼女は、俺の行動が理解できないものだったようだ。俺にとっては至極当然の行動だったのだが・・・。

「刈りたかったら、刈ってもかまわない。」

俺は、メリーの目を見ていった。
ここからは、俺のオリジナルだ。
まとめサイトにも載っていない。危険な賭けだった。
しかし、俺にとってはそうすることしかできなかった。

「死ぬのが怖いわけじゃない・・・。君にどうしても会いたかった・・・。」

自分の胸の中にあるものをメリーに向かってぶつけるより他には・・・。
正直に、素直に、俺の本当の気持ちを伝えるしか・・・俺にはできなかった。
もしも、それで、鎌を振り下ろされても、今度はそれをそのまま受けるつもりだった。

「・・・・・」

目を見開いたまま、混乱しているメリーは、いつの間にか鎌を手放していた。

つづく
183126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/08(木) 21:12:22 ID:X5zwozNn0
「君を知りたかったんだ・・・。だから、少しだけでいい。時間が欲しい」

「・・・・・」

彼女にとって、それは予想もしない言葉だっただろう。
おびえて命乞いをする人間か、何もわからずに死んでいく・・・それが、彼女の前にたったものの宿命だった。
唯一の例外は、「まとめサイトの管理人」だ。
おそらくは彼もまた、この鎌の前に沈んでいったのだろう。
ほぼ毎日・・・いや数時間おきに更新していたサイトが、この2日間まったく更新されていない。
彼の最後の言葉・・・。結果的にそうなってしまった最後の更新には、こう告げられていた。

『自分の中の、悪魔・・・メリーの高貴さ、純粋さは、恐ろしい悪魔を呼び覚ます・・・悪魔を・・・滅すより他に方法はない・・・。』

まとめサイトに描かれた言葉にできないほどの情景、彼女の見に振りそそいでしまった、彼女が今までに味わったことのない不幸、そうだ彼女が不幸な身の上だったとしても、これほどではなかっただろう。
184本当にあった怖い名無し:2005/12/08(木) 21:19:34 ID:Hx7ytlWI0
中島らも?らもさん。
185126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/08(木) 21:23:30 ID:X5zwozNn0
>>184
それは「白いメリーさん」ですね。
いまは老人ホームで暮らしていますよ。
186165:2005/12/08(木) 22:26:44 ID:hSxApDDdO
125氏GJ!
早く続きщ(゚д゚)щカマン!!

>>180
当たり前だろwww
いや、しちゃいけないことはないが、あくまお前が主役なわけで。
俺はその間「繋ぎになれば幸いだなぁ」と思って投下してるだけで。
(もっと俺に文才があればあんなにグダグダにならないだろうし、堂々と投下できるんだろうな…orz)
187本当にあった怖い名無し:2005/12/08(木) 22:41:27 ID:cKwX17870
2chのオカ掲示板に厨房が来るのはやばいですか?
188本当にあった怖い名無し:2005/12/08(木) 22:57:33 ID:hSxApDDdO
稲「…なぜ俺の後ろを歩く?」
稲葉が恐怖で声を若干裏返らせて尋ねる。
学校をでてからずっと、メリーは稲葉の後ろを3歩退がって着いて来ている。
メ「…別にいいじゃない。」
稲「良くない。道が分からん。」
メ「さっきから口で説明してるじゃない…。そんなことより…。」意を決したようにメリーが尋ねる。
メ「どうしてこっちを向いてくれないの?」
稲「…べ、別にいいだろ。」
ただ単に怖くて振り向けないだけなのであった…。

そして、会話がなくなる二人。
突然稲葉の携帯が鳴った。
(あれ?いつ電源入れたかな?)
そう疑問に思いつつ、携帯に出る稲葉。
メ「…わたし、メリー。今、あなたの後」
稲「ろに居なかったら大変だろうが(゚д゚)ゴルァ!」
思わず振り向いて突っ込みをいれる稲葉。
メ「ふふ…。やっと振り向いてくれた。」
怪しく微笑うメリー。稲「…。」
無言で後退る稲葉。
刹那、メリーが稲葉に襲いかかる。
右手にはいつの間にか(もしかしたら始めから持って居たのかも知れない)刃渡り15cm程のナイフが握られていた。
189165:2005/12/08(木) 23:45:30 ID:hSxApDDdO
>>188に名前入れ忘れスマソ。
あと>意を決したように〜と、>稲「…。」のところ、改行忘れてますたorz

銀色に輝くナイフを紙一重で躱し続ける稲葉。
メ「ふふふ。さすがは行人君…。」
うっとりとした口調で話すメリー。
(こ、これもSMの中のジャンルの一つなのかっ!?)
などと馬鹿なことを考えつつ、稲葉が叫ぶ。
稲「止めろって!マジ死ぬ…。」
メリーが答える。
メ「大丈夫。わたしナイフ格闘術得意なの。」
大いなる勘違いである。
死にそうなのは明らかに稲葉…というかそもそもメリーは生きてるのか?
稲「いい加減に…」

「しろっっ!!!」

深く踏み込み過ぎて体制を崩したメリーの右袖を掴み、制す。
そして間髪入れずに大外刈。
そのままの流れで縦四方固で抑えこむ。
稲「そろそろおとなしくして貰おうか…」
静かに言い放つ稲葉。メ「…行人君。だめよ。こんなところで…。」
稲「???」
しばらくメリーの言っている意味が理解できない稲葉。
しかし、彼は気付いてしまった。
実はこの縦四方固、相手の上にそのまま覆い被さるように抑えるのだ。
大方、メリーは稲葉が自分を押し倒して抱き付いて来たと勘違いしたのだろう。
そして、次の一言が更に行人を恐怖させた。

メ「けど、行人君が野外プレイが好きなんて驚いちゃった…。」
190126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/09(金) 01:56:15 ID:sYMt3Llp0
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11 番 目>183】
12 番 目←いまここ
191126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/09(金) 01:57:07 ID:sYMt3Llp0
その不幸の中から彼女は抜け出すことが出来た。それはまさに彼女を束縛していたものの消滅を意味するのだろう。
彼女の前に立ちはだかった、唯一の例外・・・。
それがどのように消滅して言ったのかは知らない。また、その存在に対して彼女がどのような感情を抱いたのかも想像をすることが出来ない。
あんなにも気丈な彼女が、彼のことを話題にするだけでうろたえるのだから、
その感情はただならぬものであっただろうと言うことしか・・・。

しかし今、彼女はまったく違い方向の驚きで我を忘れている。
呆然とした顔・・・半ばあきれたような顔で僕を凝視している。
当然目の前にいる人間を有無を言わさず恐怖の中で沈めてきた彼女だ。
相手との会話自体がほとんどありえなかっただろう。
対象となる人間を駆ることこそが、彼女にとっての救済であるはずなのに、その相手から言われた言葉。それが・・・。
「君を知りたい・・・」
だったのだから。
「な、なに馬鹿なこと言ってるのよ・・・」
彼女が何とか搾り出した台詞は少し間の抜けたものだった。

つづく
192126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/09(金) 01:58:16 ID:sYMt3Llp0
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11 番 目>183◇12 番 目>191】
13 番 目←いまここ
193126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/09(金) 01:58:59 ID:sYMt3Llp0
「俺は、君とこうして話をしたかったんだ。多分、怖がらせてしまっただろうことは、謝る」

メリーは、自分が唯一の武器である鎌を手に持っていないことをまったく忘れていた。
それほどまでに、別の意味でうろたえているといっていい。

「だ、誰が怖がってるって言うのよ・・・わ、私が怖がらせることはあっても、怖がるわけないでしょ・・・。」

俺の顔をじっと見ながら、うろたえているのを必死に隠そうとしている。
しかし、まだ押さない少女の外見と同じように彼女の表情やしぐさも、人をだますことには慣れてはいなかった。
その証拠に、本来鎌をしっかりと握り締めるはずの両手は、スカートのすそを力いっぱいつかんでいた。

「そうだね。俺のことを怖がるわけがないよね」
「あ、当たり前じゃない!」

メリーは少し怒った顔をで俺のことをにらみつける。その表情、最初に出会ったときの完璧に整った余裕を持った薄笑いとは違い、ココロの中まで見えてきそうな、素直な表情だった。そう、にらんでいるものの目は、まだ、戸惑いを色濃くさせている。
俺の次の言葉を、少し不安になりながらも、待っている。そんな様子が表情から十分に伝わった。

そんな彼女に、俺は言葉を続けた。

つづく
194始まりの死、始まりの生:2005/12/09(金) 13:05:31 ID:8pQYdmKU0
>>131
互法星を書け話は、それからだ
195126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/09(金) 13:06:59 ID:MNFCPM2q0
互法星ってなんでしょう?
196本当にあった怖い名無し:2005/12/09(金) 13:56:48 ID:9EYVSQ3bO
一筆書きの☆=五芒星だと思われ。
どうでもいいけど、「死ぬ⇔生まれる」だよね。「生きる」じゃなくて。
あと25日に絶対に誰かが言うから先に言っておく。
「メリークリスマス。メリーさんだけに」
197始まりの死、始まりの生:2005/12/09(金) 14:53:31 ID:8pQYdmKU0
互は伍より古い五の言い方で
互芒星の事。
書いた互芒星の上に
ダイヤル式電話を置き
電話をしましょうこの時回線を
繋いではいけない。
198タケオ ◆Ikio5Ugk7U :2005/12/09(金) 14:58:55 ID:c60NmJMSO
>>197繋いでみたけど、何も起こらんよ?
199始まりの死、始まりの生:2005/12/09(金) 15:06:00 ID:8pQYdmKU0
異界へ門を開くのを想像しながら
受話器をとり、電話番号を01=Aとし
かける。魂魄召喚系が、
使えればメリーと話すのも容易いだろう。
話している時後ろを向いてはいけない
そこには、あいつがいるから・・・・・
200始まりの死、始まりの生:2005/12/09(金) 15:11:12 ID:8pQYdmKU0
>>198
墨で互芒星を書き、
ちゃんと自分の血を使い
捧げ物をしましたか。
201始まりの死、始まりの生:2005/12/09(金) 15:11:59 ID:8pQYdmKU0
って繋いでは・・・・
202怪人のほみそばふ:2005/12/09(金) 22:18:26 ID:hSVLat0X0
うはw私メリーさん??ww今あなたの後ろにいるのwwwwうぇっうぇっww
203165:2005/12/09(金) 22:34:33 ID:mN/OfO3TO
>>125氏、乙です
>>196
はいはいわろすわろす




けど、実際和んだ。
204始まりの死、始まりの生:2005/12/10(土) 01:29:05 ID:9i3vBFuk0

・・後ろ・・・・を向いてはいけな・・・・
・・・・決死って・・・・h・・98のように・・・・

・・向くのは・・・・・・死を・・・i・・・・すr・・・
205本当にあった怖い名無し:2005/12/10(土) 02:01:02 ID:48seWvMdO
「わたしメリー、パケホーダイにしたからメールにするわね。」

('A`)…
206始まりの死、始まりの生:2005/12/10(土) 02:03:50 ID:9i3vBFuk0
メリーさんが進化した―――――――――――!?!!?!?!?!
207本当にあった怖い名無し:2005/12/10(土) 02:21:11 ID:mNURH97eO
「私メリーさん。おみやげ、オモチャがいいな!」
(昔、家にあったリカちゃん電話より引用)
208本当にあった怖い名無し:2005/12/10(土) 14:07:34 ID:ZDbQK1by0
つのだ☆ひろ
209本当にあった怖い名無し:2005/12/10(土) 19:28:31 ID:bWxrIvaI0
つんく♂
210メリー:2005/12/10(土) 20:13:59 ID:9i3vBFuk0
もしもし、今あなたの前に居るの
211タケオ ◆Ikio5Ugk7U :2005/12/10(土) 20:38:50 ID:XN7RhrkmO
>>200捧げ物って何よ?
212本当にあった怖い名無し:2005/12/10(土) 22:21:17 ID:vxGvzjRK0
>>208 突っ込んで欲しいのか!?
はは、こいつめ!

だが、断る!
213126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/11(日) 04:09:11 ID:zA3op0Ww0
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11 番 目>183◇12 番 目>191◇13 番 目>>193
14 番 目←いまここ
214126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/11(日) 04:09:58 ID:zA3op0Ww0
「君の事を、大切にしたいと思っているんだよ・・・」

俺が、その言葉を発した後の、メリーの顔を俺は一生忘れないだろう。
目を大きく見開き、まったく無防備な驚きを俺に見せ付けていた。

ーーーーー抱きしめたい・・・。
俺の中にその思いが芽生えるのに、十分なかわいさだった。
しかし、俺の中に芽生えてきたものに中に、純粋ないとおしさ以上の
どす黒くて制御の利かない力を秘めたナニカが浮上してくるのも同時に感じた。

「な、なに、い・・・いってる・・・の、のよ・・・」

何とか声を絞り出して、俺への抗議を請えとして出そうとしているのに、
うまくいかずに顔を真っ赤にさせながら度持ってしまう。
そのしぐさ一つ一つもまた、ボクの感情を揺さぶった。

ここで、静かにボクは鎌を床に置いた。

「さっきも行ったけどね、殺したかったらころでばいい・・・」

鎌を人目も見も、市内で、俺の顔を真っ赤な顔でまじまじと見つめるメリー。

「鎌は、君の自由になるところにこうして置いておこう。」

メリーは、俺に言われて初めて自分が唯一の武器である鎌を相手に乳母名仮になる
215126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/11(日) 10:04:59 ID:zA3op0Ww0
>>214の修正・・・(ヨパライだったので・・・スマソ)

「君の事を、大切にしたいと思っているんだよ・・・」
俺は、このときのメリーの顔を一生忘れないだろう。
目を大きく見開き、まったく無防備に驚きの表情を見せていた。
ーーーーー抱きしめたい・・・。
俺の中にその思いが芽生えるには、十分すぎるかわいさだった。
しかし、俺は、芽生えてきた純粋ないとおしさとともに、わずかながら
どす黒くて制御の利かない力を秘めたナニカが浮上してくるのも同時に感じた。

「な、なに、い・・・いってる・・・の、のよ・・・」
何とか声を絞り出して、俺への抗議を訴えようとしているメリー。
しかし、うまくいかずに顔を真っ赤にさせながら、どもってしまう。
そのしぐさ一つ一つもまた、ボクの感情を揺さぶった。
ここで、静かにボクは鎌を床に置いた。

「さっきも言ったけどね、殺したかったらここで今俺のことを殺せばいい・・・」
「・・・・・」
「俺が、君の事を知って、本当に君を大切にしたいと思った・・・と言うことを知っていてくれればいい」

メリーは鎌を見ることもせずに、俺の顔を真っ赤な顔でまじまじと見つめている。

「鎌は、君の自由になるところにこうして置いておくよ」
メリーは、俺に言われて初めて自分が唯一の武器である鎌に気がつく。
「お、おびえてもいない相手を、刈るなんて、私のプライドが許さない・・・」
鎌でも、俺でもない部屋も隅っこに目線を送りながら、小さな声でメリーは言った。
その顔は、すねた子どものような、少しふくれっつらにもみえる。
「絶対におびえさせてやるから・・・」

つづく
216本当にあった怖い名無し:2005/12/11(日) 19:33:04 ID:Z1hQ3+gI0
お、最後の一言いいね。
217本当にあった怖い名無し:2005/12/11(日) 21:35:01 ID:104g2RBj0
      )::::::::::::::::::::,  ´    )::::::::::::::===彡::::::テ
       (::::::::::::::::://    ヽ:::_:::::::::::::::::i  l::::l:::::ハ二))
      >:::::::,.'  ′    |   ):::::::::::::::l  i:::i:::::(、二))
        て::::/   ll  l |  !|   {::::::::::::::::|  l::i:::::::::ハ〈
         しl |  l |  | | _!H‐'フ|/て::::::::::彡ミ::::::::(  !l
         l l  l _L | |ノ  rT´_ | (::::::::ミ彡::::::ィ  l|l
            ll ヽ ´ rr、    ヽ__ソ | l! {::l l::::;:::) |  リ
            ハ v)       l l | リ /:://   |  |  絶対におびえさせてやるから・・・
            ,' ハ 丶      リ ,| |//´  | |
            |  〉 、 `    lレ' | h、     |  |
            l / ||  > - ィ 〃 | | l7      |  |
            ノ'  |r j / rr、 〃  | | 〈 \    |  |
            /'   ノl j/ _ト(  ノ l (   \  |  |
           ヽヽ/ヽ j!    > ´ / /     ハ |  |
218本当にあった怖い名無し:2005/12/12(月) 16:00:26 ID:9rl4AmZM0
正直マンドクセ('д`)
219本当にあった怖い名無し:2005/12/13(火) 09:20:24 ID:g5ReIvhOO
続き期待age
220126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/13(火) 12:54:58 ID:HnQcpd030
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11 番 目>183◇12 番 目>191◇13 番 目>>193◇14 番 目>>215
15 番 目←いまここ
221126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/13(火) 12:56:20 ID:HnQcpd030
15番目
俺は、メリーの呟きを、聞こえない振りをして、鎌を拾い上げた。
以前に、もしもこのようなことになったら、鎌を飾ろうと思ってつけておいた金具が白い壁に設置してある。
そこに置き去りになっていた鎌を引っ掛けた。
鎌は、まるで一枚の絵のように威厳と誇りを持って、白い壁に収まった。
「いつでも手に取れるだろ。俺の言っていることが嘘だと感じたり、俺のことを信じられなくなったら、いつでも・・・」
「・・・・う、うん」
上目遣いに俺のことを見てくるメリー。どういうリアクションをしていいのかわからずに思わずうなづいてしまった・・・そんな感じだった。
俺は、そんなメリーを見て微笑んだ。
「なに、笑ってるのよ!別にあなたのことを信用したわけじゃないし、おびえていないような相手を手にかけたってなったら、私のプライドが・・・」
「わかってる。俺がおびえて『助けてくれ!』って叫ぶまでは、君と一緒に入れるというわけなんだね」
「一緒にって・・・そ、そんなんじゃなくって、えっと、あの・・・」
あまりからかいすぎると、無口になってしまうようだ。きれいな顔が真っ赤になりながら困っているのを見るのは悪くはない。
すぐにでも抱きしめたくなる衝動を押さえ込むのに必死になりながら、俺は押入れに向かった。

突然動き出した俺を興味深く見るメリー。その視線を感じながら、俺は微笑がこぼれてくるのをとめられなかった。
・・・・・驚くかな?・・・普通の人間の感覚だと・・・ただの変態なんだが・・・。
「さて、メリー。この中には、いったい何があるでしょう」
「え?」
突然の問いに戸惑いを見せる。わかるわけがないだろう。
「俺が君の事を大事にしたいと言う証拠を見せる。気に入ってもらえたら、うれしいのだけれど・・・」
俺は押入れの扉を開けた。

つづく
222本当にあった怖い名無し:2005/12/13(火) 18:32:48 ID:7zfvMw3E0
wktk
223本当にあった怖い名無し:2005/12/13(火) 20:56:26 ID:SjKqDZ+xO
あぁ…
実に心地よいシチュエーションだ
(*´ω`*)ワクワク
224126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/15(木) 10:07:17 ID:/s8PD7t40
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>>193◇14番目>>215◇15番目>>221
16番目←いまここ
225126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/15(木) 10:07:53 ID:/s8PD7t40
16番目
「え?こ、これって・・・」
俺はメリーの驚く顔が好きだ。普段はつんと澄ましていて、その冷ややかな表情が何よりも似合う整った顔をしているのに、ひとたび感情をあらわにすると一変して幼く見える純粋な表情。
今まではそれは想像の中の物でしかなかった。俺は微笑みながら、驚きで固まっているメリーに言葉をかけた。
「全部君のものだよ。俺もそんなに裕福なわけではないけどね。何とか、買い揃えてみた」
そこは押入れを改造したクローゼットになっていた。クローゼットの中には、20着ほどの洋服が華やかに並んでいた。
「すっごーい!」
俺がそばにいることを忘れたかの用に無邪気に洋服に近づく。それぞれの服を手に取り、自分の体にあてがってみては、別の洋服を手に取る・・・。
俺はその様子を眺めていた。そうだ、俺はメリーのこんな姿が見たかった。その存在がどのようなものか、どのような意味を持っているのか、それは関係ない。
ただ、自分の魂を揺るがした女の子の笑顔が見たい。ただそれだけだった。もちろん、ほんの数日前まで彼女を蝕んでいた不幸のこともその一つの原因なのかも知れない。
何よりも、彼女に笑ってほしい。その笑顔を見たい。本当にそれだけだった。

「気に入ってくれた?」
鏡を見ながら夢中になっているメリーは、
「うん!」
素直に返事をした。そして、俺の方を振り返って、明るい笑顔を見せた。
俺と目が合うと、ナニカに気がついたように洋服をさっと後ろに隠すように持ち替え、顔を伏せた。
耳が真っ赤だ。
「・・・別に喜んでるわけじゃない・・・んだよ。せっかくの洋服だから、着てあげないとかわいそうだから・・・。」
「そうだね、せっかくそろえたんだから、着てもらわないと、俺もかわいそうだよ」
「・・・あ、あなたのためになんか、着るわけじゃないんだからね!」

あわてて顔を上げたメリーの少しすねたような顔は真っ赤だった。

つづく

226本当にあった怖い名無し:2005/12/15(木) 17:18:14 ID:rxWVX4j30
>>126氏GJ!!
wktkしながら続き待ちます。
227本当にあった怖い名無し:2005/12/15(木) 17:47:51 ID:lt+TNR7WO
ほのぼのした感じが大好きです。GJ!!
228本当にあった怖い名無し:2005/12/16(金) 11:36:25 ID:cIGyHEJn0
しかし、ツンデレ度が益々増大しているな
229本当にあった怖い名無し:2005/12/16(金) 22:45:20 ID:rP7YHWbOO
>>228
禿道
最近ツンデレ多すぎて(゚听)
230126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/16(金) 22:51:57 ID:MMbJP7FM0
反省します・・・。
貴重な意見ありがとう・・・
これかもがんばります。
231本当にあった怖い名無し:2005/12/16(金) 23:34:10 ID:Jjdigs/qO
>>228-229
イチャモンつけることしか出来ないクズは死ね氏ねじゃなく死ね
232126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/17(土) 00:17:07 ID:NG2WmQGD0
>>231
どうもありがとう!
ツンデレ以外を求める人も多いんだと思うので・・・
233本当にあった怖い名無し:2005/12/17(土) 00:45:41 ID:18AWo4zdO
>>165氏の続きを希望しているのは私だけでしょうか?
234コピペ:2005/12/17(土) 01:20:43 ID:mwRGGbCJ0
夜中にふと目が覚めた
さっきまで酒盛りしてたのが嘘のように、みんないびきかいて寝てる
喉が渇いたし、なんか飲みたいと思って、側にあった紙コップを手に取ると
ごにょごにょ音がする
「なんだかなぁ〜」と耳にあててみると

「もしもし、わたし『メリーさん』 あ!
何?これ!お酒臭い いや〜〜〜!
ちょっと待ってね!」

しょうがねーな 紙コップでいいや も一杯飲んで寝よ

んで 糸電話かよ(゚Д゚)クワ!
235本当にあった怖い名無し:2005/12/17(土) 03:26:08 ID:N6PCeBzl0
私ペリーさん、今、あなたの国の港にいるの。

236本当にあった怖い名無し:2005/12/17(土) 04:50:43 ID:zVHq4Zu70
ある日、俺は午後になったあたりから体に妙な違和感を感じていた。
しかし霊感の「れ」の字もない俺は、体調でも崩したか程度に思っていた。
廊下を歩く家来がたまに俺のほうを見て目をそむけるあたり、
顔色が非常によろしくないのかもしれない。
こういうときは酒を飲んで早く寝るに限る。
寝室で引きつった顔の側室を抱き、その日は子の刻には寝た。
翌朝、しっかり寝たはずだが体の違和感は消えていない。朝の準備を済ませた後で
ふと 昨日は報告書を朝、小姓の持たせたままで、
一度も読まずに寝てしまったことを思い出し、あわててチェックしてみた。
・・・・12件、しまった、誰か緊急の用事でもあったのか、とりあえず読まねば
「私ペリーさん、今浦賀にいるの」
「私ペリーさん、今江戸城の前にいるの」
「私ペリーさん、今の殿中松の廊下にいるの」
「私ペリーさん、今あなたの後ろにいるの」
「私ペリーさん、開国してくださぁい」
「私ペリーさん、あなたの後ろにいるんですけどー、もぅ」
「Oh、もぅ、ペリーさんですよ〜いい加減開国してくださいよぅ」
「ねぇ、もぅ、な、なによ!こ、このチョンマゲ!」
「Oh、ねぇ、いーじゃないの。へるもんじゃなし。」
「ほら、そこの貴方、そう、はしっこの方の貴方。貴方どう思う?尊皇派?攘夷派?」
「シカト?シカトですか?
 では私は貴方方が私をシカトする様をシカとみとどけることにします。」
「開国するといいよぅ。モテモテだよぅ。」
俺は背後の気配を確認すると、振り向かないで家を出て謁見の間へ向かった。
その日俺の背後には、半べそかきながら後ろをついてくる外人がいたらしい。

>>235
あ〜!そのネタかんがえてもってきたのに〜。
237本当にあった怖い名無し:2005/12/17(土) 06:59:01 ID:UdUOAmnRO
『奥方〜、奥方〜、Cooking stop! Dinner making stop! ヨシノブが聞いてくれないんDeath!
心の耳で聞いて(ry
238本当にあった怖い名無し:2005/12/17(土) 11:56:04 ID:N6PCeBzl0
>>236 ・・・乙。
239204:2005/12/17(土) 12:54:50 ID:NRIsGv+n0
此処は何所だ・・たしか>>204
でメリーさんに襲われたはずだ、
頭が痛い・・・・それに熱い
しばらくして、まなこを開ける、
結局呼び出しに失敗して死んだのか
掲示板に書き込んだらネタだと思われるし
疲れたもう寝よう・・・・・・・

「・・た・・し・・・メ・・・・り・・・今・・・・あ・・・・た・・・・う・・・・ろ・・・に」

五月蝿いめんどうくさそうに目を開けるオレはこれから死ぬんだ

つづく


240204:2005/12/17(土) 12:56:45 ID:NRIsGv+n0
メリーに刺された後を考え見る
241204:2005/12/17(土) 13:19:38 ID:NRIsGv+n0
メリー「何時まで寝てんだ、ゴラァ」
ガァ・・・一体なんだ・・・その場に座る
が、落ち続けているので、事実格好だけである
殺されたのもメリー、今此処にいるのもメリー
行く行く、運が無い・・・背中の異物感に気付く
・・・・何だ之は・・・
メリー「何って包丁だけど・・・知らないの」
何で刺したか聞いているんだ
口元を手で押さえ、呆然のメリーに
つっ架かる、突っ掛かろうにも
浮いているので出来ないのだが
メリー「・・・・・・・」
馬鹿とでも思っているのだろう。
メリーの手から何かが落ちる
わが目を疑う包丁、フォーク、鎌
ありとあらゆる、人間が考えゆる刃物が
オレの頭に降りかかった、
それを楽しそうに見るメリー、膳も無く悪も無く
この時第二の死を覚悟した。
242204:2005/12/17(土) 13:22:44 ID:NRIsGv+n0
メリー「死ぬわけ無いよ、之から私の人形に成ってもらうんだから」
243始まりの死、始まりの生:2005/12/17(土) 13:28:24 ID:NRIsGv+n0
代償たくさんの刃物が刺さっても死なない所からして
メリーにとってオレは人形なのだろう
しかも屈託の無い笑みで
「今度は、着替えましょうね」なんって言ってくる
244始まりの死、始まりの生:2005/12/17(土) 13:29:24 ID:NRIsGv+n0
さげわすれていた・・・
245126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/18(日) 10:59:10 ID:J51O7cPEO
ワクワク
246始まりの死、始まりの生:2005/12/18(日) 15:15:37 ID:atDAQ0fk0
>>245
ネタが切れてきた
247204:2005/12/18(日) 15:27:25 ID:atDAQ0fk0
メリーの周りに幾つもの服がスウっと現れた
オレは慌てて逃げようとするが相なって変わらず、
コツン・・・コツン・・と歩いて近づいてくる・・・・・
猫に追い詰められた鼠の気持ちがわかる気がする
メリー「何がいい、選ばせてあげる・・・」
サーとオレの周りを囲む・・・逃げ道を塞がれた
元より逃れられぬ所・・・侭よ(ままよ)・・・・・・・?・・・・!!・・
何故、全部女物・・・
オレは男だ
メリー「知っている・・初め・・ら・・・・・に、聞・・・・・」
248始まりの死、始まりの生:2005/12/18(日) 15:30:35 ID:atDAQ0fk0
誰に聞いたんじゃい
メリー「掲示板・・人・・・・2ch・・」
249126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/19(月) 10:03:14 ID:etUEfVu00
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>>193◇14番目>>215◇15番目>>221
【16番目>>225
17番目←いまここ
250126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/19(月) 10:03:55 ID:etUEfVu00
17番目
真っ赤な顔のまま、散々面かした服をそそくさと片付け始めるメリー。
次第に窓からは、朝日が差し込めてきた。
「メリーもう少ししたら、俺は仕事に行くけど、帰ってくるまでいてくれるよね?」
メリーは洋服を抱えたまま、きょとんとした表情でボクを見上げる。
「今日はそんなに忙しくないから、すぐに帰ってくる」
少し不安げな表情で、何も言わずうなずくメリー。
『そんなのきまってるでしょ!あんたを怖がらせるまで帰るわけがないんだから!』
って言う反応を期待したんだが・・・。少し調子が狂った・・・。
「俺のベットを使っていいからね」
というと、少し悲しげな表情で、やはり素直にうなずいた。
それからは何も言わずに服を片付けて、俺が用意をする様子をじっと見ているメリー。
「どうしたの?」
と声をかけても、首を横に振るだけで、今にも泣き出しそうな表情で俺を見ている。
・・・会社休もうかな・・・。
一瞬そう思ったが、今日はどうしてもはずせない会議がある。
俺は用意が済むと、
「出来るだけ早く帰るからね」
と声をかけ、家を出た。メリーは、ただうなづくだけだった・・・。

つづく
251204:2005/12/19(月) 13:41:25 ID:FajPF+4e0
メリーは2チャンネラだったのか・・・・
メリーの歩みは・・・止った・・オレの眼前で・・・
メリー「・・あなたの体が合わせるから大丈夫・・・」
どゆことですか、ハイ・・・合わせる って! 女になれと
メリーは一着の服を手を触れる事無く
取り出す、ある意味幻想的だ
見とれている場合か・・今だ・逃げられぬが・・・・やだぁ・・・女に成りたくない・・・
もはや体は、・・・自由は・・・・メリーに支配されていた・・・・
「人形は 主人の・・いうことを聞く・・・魂の無い人形である・・」どっかの哲学者が言った言葉だろうか
それとも・・・幻聴か・・・自分の意思に関係なく・・瞼が閉じる・・・
252204:2005/12/19(月) 13:54:54 ID:FajPF+4e0
何故本編の主人公の事をメリーが知っていたが
誰に聞いたのか
傍観者としてメリーさんに聞いて見ましょう
「」・・・・・・イナイ・・・・・逃げられたか・・・「」
メリー「此処に居る・・・・あなたの後ろ」
「」!?!!・・・振り向かなければ、平気だ「」
メリー「こっち向きなさい、」
ガキ・ばき。グゲ
「」首が-、くびがぁ・・・メ、メリー・・が二人「」
「・・・・・・・・知られた・・」
グガ傍観者絶命
メリー「又来襲・・・」
「」字ぃ・・ちが・・・「」
メリー「シツコイ・・・」
253本当にあった怖い名無し:2005/12/20(火) 18:50:32 ID:8crB1G+vO
期待あげ
254始まりの死、始まりの生:2005/12/20(火) 23:56:52 ID:wpjbl5k10
御免・・33見て ハバフロスク唱唄思い出しちまった
255本当にあった怖い名無し:2005/12/21(水) 23:16:05 ID:MH9iT4wUO
わけわかんねぇな
256本当にあった怖い名無し:2005/12/21(水) 23:18:53 ID:cNGPL8tkO
私はメリー。今からアナタの家に行くわ。べ、べべ、別にアンタに会いたいからじゃないんだからね!!か、か、勘違いしないでよバカ!!
257始まりの死、始まりの生:2005/12/22(木) 01:46:52 ID:E7hka+Oq0
本編>>204>>240〜244・>>247>>248>>251

間章>>252

つづくのか?
258126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/22(木) 07:36:24 ID:s4nwsmhvO
ふふふ。
休憩中。
よって、はじまりさんに、ワクテカ。

がんばってね〜
期待あげ
259始まりの死、始まりの生:2005/12/22(木) 14:19:27 ID:E7hka+Oq0
私は、<204>で一しきり人形遊びをした後、あの空間に放置し
かなり古ぼけた現り世にはもう無い、
洋館の一室に居る、独りでは寂しいほど大きな所だ、
だけど私には 人間を・・・・・にした人形が何時も居てくれる・・・・
寂しくは無い・・・<126>の所に行った妹はどうなったのだろうか
・・・・204>を・・・教育・・しないと・・・
スウと消え洋館の一室に無音の時が来訪をつげる・・・
260始まりの死、始まりの生:2005/12/22(木) 17:16:41 ID:E7hka+Oq0
何で私たちだけ、生きているの・・・
・あの時始まったのかもしれない・・・・
261本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 00:24:26 ID:Gz0P+7rH0
私メリー126に書いてほしいな、わかるよね
私メリー書かないと人形にしちゃうよ
262126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/23(金) 09:32:12 ID:pL+q5hdRO
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>>193◇14番目>>215◇15番目>>221
【16番目>>225◇17番目>>250
18番目←いまここ
263126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/23(金) 09:34:49 ID:pL+q5hdRO
18番目
後ろ髪を引かれながらも、電車に乗り込み、会社に向かう途中、かばんの中に入れた携帯がぶるぶると震えた気がした。さすがに満員電車の中では取りだすこともできない。
仕方なしに、俺は目的の駅まで進んだ。・・・まさかとは思うが・・・・。とあせりながら・・・。
ようやく目的の駅につく。駅に降りるとすぐにかばんの中の携帯を取り出し、着信履歴を見る・・・。
非通知だ。
・・・・・。
もしかすると、メリーは、鎌を手にこちらに向かっているのかも知れない。
・・いや、それならばそれでいい。そう決めたはずだ。ただ、ひとつだけ、まだ伝えていない重要なことがある。それさえ、伝えることができれば・・・。
俺は、携帯を手に持ったまま会社に向かった。
会社の入り口に差し掛かったところで、携帯がなる。
やはり非通知だ。
すぐに通話ボタンを押す。
「もしもし・・・」
「・・・・」
「もしもし・・・メリーだろ?」
「・・・ガチャ・・・・・」
何もいわずに電話は切れた。
・・・おかしい・・・。
続く
264126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/23(金) 09:37:51 ID:pL+q5hdRO
【最初から>126◇2 番 目>140◇3 番 目>141◇4 番 目>145◇5 番 目>148】
【6 番 目>149◇7 番 目>153◇8 番 目>159◇9 番 目>160◇10 番 目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263】
19番目←いまここ
265126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/23(金) 09:40:31 ID:pL+q5hdRO
19番目
『メリーの電話』と呼ばれる都市伝説は、徐々にメリーが自分の居場所を告げながら近づいてくるのが特徴で、昨日の夜、メリーが俺のところに現れるときも同様に俺のところまで近づいてくる電話が合計5回かかってきた。
・・・なぜ、何もいわないんだろう・・・。
呆然と立ち尽くしていると、後ろから会社の同僚に声を掛けられた。
そのまま、引き刷り困れるように会社の中に入っていたが、俺の心は、会社にはなかった。
続く
266126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/23(金) 09:46:33 ID:pL+q5hdRO
>261さん、ありがとう。
元気でたので、続きいきました。
ゆっくりですが、頑張ります。
267本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 09:56:15 ID:MqWBT/orO
(´・ω・`)私、チェリーさん。今だに童貞なの。
268本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 12:57:11 ID:yib5uK9WO
>>267
泡姫に童貞献上してきなさい。
チェリーさんの呪い解けるぞ
269始まりの死、始まりの生:2005/12/23(金) 13:47:01 ID:Gz0P+7rH0
>>266
126さん次は私が
ゆるりとしてくるかの
ねんごろに書いてあげてください
270本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 18:42:34 ID:KkKl1h+D0
>>267 イブの日は、泡国も混むのかね?
なんかいろんな演出やってそうだけど・・・。
271本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 23:40:38 ID:R3xdTMWN0
126氏乙です。ゆっくりがんがってくんせ

ところで前から気になってたけどツンデレの定義がよく分からない
>>256みたいな感じだとは思うんだけど
俺的には
272本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 23:43:54 ID:R3xdTMWN0
 寝坊した……とはいえまだ十分間に合う時間帯ではある。
 それほど急ぐことなく朝食を終えたとき、携帯がなった。
 非通知――嫌な予感を感じつつ電話に出る。
『もしもし、私。今キミの家の前にいるの。』
「っうぇ!? ちょっ、ちょま――」
 切られた。一方的に。
 これは急がないと、よくないことが起こりそうだ。
 さっと後片付けをし、なおざりに顔を洗って鏡を見る。頭はそうひどい状態ではない。
 部屋へ駆け込んで手早く着替える。ああ、ネクタイがわずらわしい。
 着替えを終えすぐに玄関に出て靴を履く。
 それから俺は、少し身構えながらドアを開けた。
273本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 23:45:05 ID:R3xdTMWN0
 ――誰もいない?
 拍子抜けしながらも、まあいいかと歩き出したところで
 ジャーンジャーンジャーンジャージャジャーン――
 再び携帯がなった。やはり非通知だ。
「……もしもし?」
『遅い。』
 ぎくりとして立ち止まる。今の声はダブって聞こえなかったか?
『今、キミの後ろ。』

 恐るおそる振り返ると彼女が立っていた。
 怒ったような表情の彼女は、つかつかと歩いて来て無言で俺のネクタイを引っ張った。
「ぐえ。」
 絞め殺される――?そう思ってしまった瞬間、彼女は俺を解放した。
「生徒会役員たる者、身だしなみには気を付けなさい。」
 腕を組みながら言う彼女は、どうやら乱れた俺のネクタイを直してくれたらしい。
「はぁ……すいません」
「まったく。気の抜けた返事ね。」
 まあいいわ。言って彼女はふっと表情を緩め
「それじゃ、行きましょうか。」

 その彼女の微笑みが俺だけに向けられるものであるということを――きっと自惚れではなく――俺は知っている。
274本当にあった怖い名無し:2005/12/23(金) 23:46:30 ID:R3xdTMWN0
じゃないかと思ってたんだ

……メリーさんじゃなくてごめん
275始まりの死、始まりの生:2005/12/24(土) 00:53:39 ID:hktItVKf0
>>274
ツンデレは ツンツンデレデレの略で
何時もはツンツンしているけど
特定の状況下ではデレデレになると。
違ったけか
276本当にあった怖い名無し:2005/12/24(土) 01:00:17 ID:JkxPDcsFO
>>273それ何てエロゲ?
277本当にあった怖い名無し:2005/12/24(土) 14:16:22 ID:xqzUN2Ja0
ミスターローレンス。メリークリスマス!
278本当にあった怖い名無し:2005/12/25(日) 00:06:15 ID:AoH1vq5p0
メリークリスマスなんて言うもんか。嗚呼メリークリスマス
279始まりの死、始まりの生:2005/12/25(日) 00:14:06 ID:SyF2M3B30
126 ◆dNexSJi1ew さん
こんなメイドさんはいやだけど萌える!!その8
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1128374269/l50
で、メイドたちの〜を書き始めたので、
一寸書け無くなるかもしれません
280始まりの死、始まりの生:2005/12/25(日) 02:34:59 ID:SyF2M3B30
ふらりと204の前に現れるメリー
遊んであげる、
「・・・・・」相手は何も言わない、ツマラナイ
もっと悪戯という教育しないとね・・・
女に性転換させただけでは無理みたいね
私のいう事を聞く人形に早くならないかな
、いたぶるのも良いかも・・心は躍っていた
281126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 17:52:48 ID:nhgkKYksO
さて、今日の夜くらいに投下しますね。
夜中おそおそだと思いますが。
282126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:14:08 ID:q7Qp+Z300
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265】
20番目←いまここ
283126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:14:40 ID:q7Qp+Z300
20番目
出社してすぐに会議室へと向かう準備に追われる。上司は自分のわからないことをすべてこちらに振ってくる。とにかく会議の席で自分が恥を書かないように出来れば何も文句は言わない。
そのくせ、小心者で、準備の状況を念入りにチェックしてくる。といってもチェックしたところで、どの資料が、ナニを説明しているものなのかわかるわけもないから、ただ「しっかりとやってくれ」というだけだ。
会議への準備をしている間に、携帯が震えた。
俺は即座に通話ボタンを押す。チラッと見た画面には非通知の文字が浮かんでいた。
「もしもし!」
俺は職場にいる同僚の目を身にもせずに受話器に向かって叫んだ。
「・・・・」
受話器の向こうは相変わらず無言だった。
「メリーだろ?どうしてだまっているんだ?」
「・・・ガチャ・・・」
電話は切れた・・・。
「どうしたんだ?」
同僚の一人が俺に声をかけてくれた。あまりに突然の俺の叫び声に職場内が静まり返っていた。
「いや・・・いえからでな・・・いろいろと・・・な・・・」
「そうか・・・なんかあったのか?」
「いろいろとだ・・・な・・」
適当に返事をして、流す。
・・・メリーは何処にいるんだろう?

つづく
284126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:27:50 ID:q7Qp+Z300
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
21番目←いまここ
285126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:28:21 ID:q7Qp+Z300
21番目
会議室へと資料を運び込む。準備を整えて、上司が来るのを待つ。
どうせ肝心名パートの説明はこちらに振ってくることはわかっているが、上司はそのときまで指示を出さない。
事前に人にお願いをするのがどうしてもいやなようだ。
そんなやつでも上司は上司だ。出来るだけ、説明しやすいように原稿を整備して、シナリオを作っておいた。
会議室に次第に人が集まりだす。
後は俺の上司の登場を待つだけだった。
そんな時また、携帯が震えた。
・・・まづい。ここで電話に出るわけにはいかない・・・。
さすがに俺も今の状況を見た。たくさんのえらいさんの前で、電話に出て、話をすることなど出来ない。
俺は席を立って、
「すいません、資料を一つ忘れましたのでとってきます」
そういって、部屋を出た。もしも上司がいたら、部屋を出ることすら出来なかったかも知れない。このときばかりは上司のルーズさに感謝をした。廊下に出ると、車内が騒然としていた。
何かを探しているようだった。俺は気にせずに男子トイレに向かった。
「おい!いたか?」
「いや、こっちにはいない・・・どこにいったんだ?」
「なんであんな子が、こんなところにはいりこんできてるのよ?」
トイレに向かう老化で出会う違う部署の人間の口から聞こえてくる言葉・・・。
しかし、俺はそれどころではなかった。

つづく
286126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:54:40 ID:q7Qp+Z300
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285】
22番目←いまここ
287126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/25(日) 22:55:49 ID:q7Qp+Z300
22番目
男子トイレについたが、電話は切れていた。
画面に非通知という文字だけが残る・・・・。
メリー・・・。
メリーがどうやって電話をかけているのか、何処からかけているのか知らない。
携帯電話を持っているようなそぶりでもない・・・。そのあたりがオカルトなんだろう。霊力のようなもので電話をかけてくる。そう認識していた。つまり、メリーには、霊力が戻ったということだ。
メリーの鎌、あれはただ、人の魂を刈るためだけのものではない。アレこそが、メリーの霊力の源と言えるものだ。俺がメリーに出会ったときにあの鎌を奪ったのは、メリーから超常的な力を奪うためだった。
そしてメリーに衝動的な怒りのパワーを与えるのもあの鎌であると推測していた。本はまとめサイトに書かれていたことだ。
『メリーの力の源は、あの鎌にある・・・。』と・・・。
俺は俺の気持ちをメリーに伝えて、メリーを出来るだけ長く見ていたかった。しかし、そのために、メリーを拘束するような事はしたくなかった。少なくとも、まとめサイトの管理人のようにメリーを縛り付けておくことで自分の自由に使用とは思っていない。
だからこそ、メリーが鎌を自分の手で取ることの出来る場所においておいたのだ。
・・・こうなって当たり前か・・・。
トイレの窓から外を眺めながら、ため息をつく。
もう一つ伝えたいこと、あるんだけどな・・・。
俺はそう思いながら、何気なく携帯を触った。
そのときまたしても、携帯が低い音を立てて震え始めた。

つづく
288本当にあった怖い名無し:2005/12/26(月) 06:20:16 ID:IANyjqofO
続き早く早く
289本当にあった怖い名無し:2005/12/26(月) 14:31:03 ID:rx2qhgbu0
290本当にあった怖い名無し:2005/12/26(月) 16:20:42 ID:dtfF63BcO
GJ!!GJ!!
291始まりの死、始まりの生:2005/12/26(月) 16:25:45 ID:/WvC+FsH0
早く!早く!
292本当にあった怖い名無し:2005/12/26(月) 19:30:00 ID:yJDWoL5p0
>>291 君も。
293本当にあった怖い名無し:2005/12/26(月) 21:44:13 ID:OrzFjR7OO
>>291>>292
ワロタwww
294始まりの死、始まりの生:2005/12/26(月) 23:44:30 ID:/WvC+FsH0
私は持てるだけの刃物を持ち眼前の>>291に跳び蹴りを食わせ、駆けた
「おや お出かけですか、お嬢様」そんな声わき目も振らず
目指した、おもちゃの所へ。
これで切り刻み、再生させる地・獄・を・味・合・わ・せ・て・遣・る・為・に
フフッフッフフッフフフフッフふっフフフフフフ・・・
其顔は、
生存本能が告げる喜び、そして楽しさに染まっていた・・・・・
295始まりの死、始まりの生:2005/12/26(月) 23:47:44 ID:/WvC+FsH0
一寸訂正 メリーサイド死の

「地・獄・を・味・合・わ・せ・て・遣・る・為・」を
「地・獄・を・味・合・わ・せ・て・殺・る・為・」に
296本当にあった怖い名無し:2005/12/27(火) 12:36:18 ID:ja9DIeDO0
遅レスで悪いが。

>>273
それ、メリーじゃなくて、まりいだろ?
297本当にあった怖い名無し:2005/12/27(火) 17:17:10 ID:KjBIwtJUO
>>296
相手は鰯水君かい?
298本当にあった怖い名無し:2005/12/27(火) 22:14:30 ID:njX3Z+Db0
私Rメリーさん…あぁ、お腹が空いたじゃありませんか
299126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/27(火) 22:15:38 ID:q2IqouSzO
今日の夜、投下予定だよ。
がんばるね〜。
300126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:00:27 ID:vypabHu00
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287】
23番目←いまここ
301126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:01:38 ID:vypabHu00
23番目
携帯の画面を確認する。非通知・・・。メリーだ。俺は急いで電話を取った。
「もしもし!メリーか?」
あわてすぎでろれつが回らなくなりそうな舌。それでも、必死で俺は、電話に向かって叫んだ。
「・・・うん」
電話の向こうで、かすかながら声が震えた。
「メ、メリー!どうしたんだ?今どこにいる?」
すでにこの近くまで来ているのかも知れない。俺に電話をする以上、俺をターゲットに定めなおし、俺を刈りに来たと考えて間違いない。
鎌を取り戻し、力を取り戻した以上、俺を刈り損ねたのは、メリーにとって屈辱の記憶以外の何者でもないのだから。
そして、俺はそれで言いと覚悟を決めてそれでもメリーの姿をこの目に納めたかった。何よりも、笑ったうれしそうな顔を・・・。
昨日、その夢もかなえられた。だから・・・。
「あなたの・・・」
メリーが電話口で言った台詞。その続きは、俺にとって良く知っている台詞だった。
・・・後ろ・・・か・・・。
「・・・」
そこで、メリーは黙った。次の台詞を放ち、その台詞を受けて振り返ったものには、あの魂だけを刈る鎌がまっすぐに振り落とされる。
メリーが今回俺に居場所を告げなかったのは、俺にはそれが通用しないからだと思っていた。だからこそ、不意打ちでおそってくるものだと・・・。
しかし、メリーは、最後の台詞を告げようとしていた。
今殺されるわけには、刈られてしまうわけにはいかない。
メリーに、どうしても告げなければいけないことが、俺にはあったから。
「あ、あのな!メリー聞いてく・・・」
いつ襲われるかわからない緊張の中で、繰り出した言葉は最後までは続けることができなかった。
鈍い衝撃が、背中・・・いや腰の辺りを襲った。

つづく
302126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:02:16 ID:vypabHu00
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301】
24番目←いまここ
303126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:02:49 ID:vypabHu00
24番目
痛みはない。俺はゆっくりと振り返った。そこには俺の腰にしがみつくメリーがいた。
・・・・???
どうなってるんだ?
メリーの手には鎌はなかった。しかも目は泣きながらここまで来たかのように真っ赤にはれていた。実際に涙のあとまでがほほについている。
「・・・メ、メリー?」
ぎゅっとしがみついたまま、動こうとしないメリーに同様も戸惑いも隠せずいる俺は、廊下の方が騒がしくなってくるのを感じた。ばたばたとした足音がいくつも聞こえてくる・・・。
本来会議中の男が、男子トイレで女の子に抱きつかれていると言う図は、社内の人間にはどうしても見せられないものだった。もしかすると俺を探しに来た同僚たちかも知れない・・・。
俺は、後ろにしがみついたままのメリーを無理やり引っぺがしそのまま抱っこして、男子トイレの個室に入った。
ばたんと扉を閉めて、鍵を閉める。ほっと一息つくと、足音がトイレの前で立ち止まるのが感じられた。
「黒いエプロンドレスを着た女の子だ!高橋の携帯を奪ったんだ。早く見つけ出せ!得意先からの電話がかかってくる前に!」
は?なんだって???
扉の向こうの男たちは、メリーらしき女の子が俺の同僚の高橋の携帯電話を奪って、闘争中であるということを告げていた。高橋といえばこの会社の命運を分けるほどの大物との取引を何とかこぎつけたエリートだ。
うさんくさいやつだから、いい気味といえばいい気味だが、これは会社にとっては大事だ。
扉の向こうに向けていた意識をメリーに向ける。メリーは、突然の俺の動きにきょとんとした顔のまま、俺の首にぶら下がっていた。あまりに間近にある美しい顔に、一瞬めまいがした。思わず俺は目を閉じたぐらいだ・・・。

つづく
304126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:03:29 ID:vypabHu00
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303】
25番目←いまここ
305126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:04:01 ID:vypabHu00
25番目
何とか気を取り直して、目はつぶったままだが、メリーに聞いた。
「・・・メリー、携帯・・・奪ったのか?」
「・・・うん」
「・・・どうして?電話機を使わなくても電話でき・・・」
そうだ、メリーは鎌を持っていない・・・。
力を持たぬメリーには意識だけで相手に電話をするなんてことは到底できない・・・。
「おまえ・・・」
申し訳なさそうに、下唇をかんだメリーは、怒られる前の子どもそのままだった。
「まあ、いいよ。とにかくその携帯を貸しなさい」
メリーは片手で起用に俺にぶら下がったまま、もう片方の手で、俺に携帯を渡す。
「それから、一回降りなさい」
じっと俺の顔を見る。そして、顔を伏せて首を横に振る。
「この携帯を返してくるだけだから」
同じく首を横に振る。道あっても首にぶら下がったまま離れようと言う気はないようだ。
とにかく早くしないと大変なことになる。俺はドアの外に意識を集中した。
足音はない。話し声もない。そっとドアを開ける。誰もいなさそうだ。俺はメリーを首にぶら下げたまま、そっとドアの外に出た。
この携帯を・・・どうしたものか?もう少し男子トイレに隠れるとして、男子トイレの前にこっそりとおいておくのはまずい。
ここは隣の女子トイレの前に・・・。俺は男子トイレを出て、女子トイレのほうに歩み出た。
そして、こっそりと携帯をその入り口において戻ろうとした瞬間、廊下の端に人影が現れる。
・・・まずい!
俺はとっさに、女子トイレに駆け込んだ!

つづく
306126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:04:45 ID:vypabHu00
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
26番目←いまここ
307126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/28(水) 01:05:24 ID:vypabHu00
26番目
「う、上田君!」
「麻子・・・」
最悪だ・・・。女子トイレに人がいた・・・。もうこうなったら仕方がない。
相手が麻子なら、何とでもごまかしが聞くだろう・・・。俺は麻子を引きずり込むようにして、個室に滑り込んだ。
「な、何なのよ!」
叫びだしそうな麻子の口をふさぎ、個室のドアを閉めて、鍵をかける。
「頼む。何でも言うことを聞くから、ここは静かにしてくれ!」
ここで騒がれたら、元も子もない。
麻子は目で了承の返事を送ってくる。少し落ち着いたようだ。このあたりの表情やサインは良くわかる、麻子とは、半年前まで付き合っていただけでなく、中学高校大学と腐れ縁。いわば幼馴染といった間柄だ。
俺はゆっくりと麻子の口をふさいでいた手を離す。
「で、どういうこと?」
・・・何から説明したらいいのか?都市伝説で有名なメリーさん・・・。信じるわけがない。こいつは竹を割ったようなさっぱりとした性格で、昔から幽霊や化け物なんか信じない。
そんなものがいるものなら出てきなさい!という対場を貫いている女だ。しかも、そんなものが出てきた日には全力で退治しようとするような女だ。
あっさりとしていて、裏表がないといえばそうなのだが、まっすぐすぎて、面白みにかける部分もある。
「この子がね、あの、高橋の携帯を取っちゃって・・・」
「え?まじ?」
「声がでけえよ!とにかく、その携帯を、今このトイレの前においてきたからすぐに本人の手もとに戻るだろう」
俺の声が聞こえているのかいないのか・・・。麻子はまじまじと、メリーの顔を見つめている。
308本当にあった怖い名無し:2005/12/28(水) 12:32:46 ID:fgs9RostO
>>1-9面白い!笑った(>ω<)
309本当にあった怖い名無し:2005/12/28(水) 22:38:40 ID:G+bVc14nO
wktk
310本当にあった怖い名無し:2005/12/30(金) 10:19:47 ID:OQkc8rf6O
続き早く
ついでにあげ
311126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/30(金) 11:19:20 ID:SeTUARv90
うう・・・ありがとうございます!
反応が少なかったので・・・。
少し落ち込んでいましたw
がんばって今日の夜にUpしますね・・・。
312本当にあった怖い名無し:2005/12/30(金) 20:34:40 ID:WiK3YepzO
期待してます!
313本当にあった怖い名無し:2005/12/30(金) 21:08:39 ID:LGO3oLzVO
おれも期待してるお
314本当にあった怖い名無し:2005/12/30(金) 22:25:02 ID:Tr3C2Q8hO
ROMってたんだけど続きを楽しみにしてたよ。ガンガレ!ちょーガンガレ!
315本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 00:03:42 ID:p+hLNqN/O
某スレから来ました。
同じメリースレなのに向こうは・・・orz
316本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 00:31:46 ID:iHWdMqdSO
てか自分の名前にさん付けて言うなDQNメリー
317本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 00:46:17 ID:u6LLvOcFO
期待あげ−
318126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 02:30:45 ID:EJZPoAhz0
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
【26番目>307】
27番目←いまここ
319126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 02:32:51 ID:EJZPoAhz0
27番目
「この子・・・だれ?」
麻子は、メリーから目を離さずに、俺に問いかける。
一方メリーの方はというと、真剣ににらみを利かせている麻子とは対照的に少し余裕の笑みを浮かべているように見える・・・がやはりメリーも麻子から目を離さない。
「上田君・・・この子・・・きれすぎる」
「は?」
麻子はにらみを利かせながらも、メリーを観察し続ける。それで気がついたんだろう。メリーがきれいで整った顔をしていること、それは人間離れした完全な美しさといってもよかった。
しかも、瞳に宿る生命力!押さない容姿からは計り知れないプライドと高貴な雰囲気がにじみ出ていた。麻子はようやくメリーから目を離し、俺に顔を向けた。
「なるほどね・・・上田君、高橋君が携帯を奪われたときの状況って聞いてる?」
麻子は、今度は俺をにらみつけながら言った。
「もう、たとえ携帯が戻ったところで、あの人は今回の仕事から下ろされるわよ」
「は?なんで?」
「高橋君・・・もう魂が抜けたみたいになってるらしいわよ。うわごとのようにその女の子のことばかりを口にして、今は社内を放浪してるんじゃないかな?」
「どういうことだ?」
まさか・・・メリーが、高橋に・・・。メリーには素手で人間の魂を制御したり出来る力があるってことなのだろうか?そのようなことはまとめサイトにも独自で調べた都市伝説にも記述がなかった。
「・・・この子のことがわすれられない・・・。つまり一目ぼれだって・・・」

つづく
320126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 02:42:44 ID:EJZPoAhz0
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
【26番目>307◇27番目>319】
28番目←いまここ
321126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 02:43:30 ID:EJZPoAhz0
28番目
・・・高橋が?俺の知る高橋は、仕事オンリーのまじめなやつだ。しかし、浮いた話がないわけではない。今も、確か、付き合っている女の子が社内にいるはずだが・・・。
「でもなっとくだわ。これだけきれいだと、男は狂うかも知れないわね・・・」
・・・確かに、メリーの美しさや高貴な雰囲気は俺を狂わせているのかも知れない。自らの命を懸けてまでも、彼女の顔を見たかった。というのは普通の感覚からしたら、狂っているといわれても仕方がないだろう。
俺の恐れていることはそれだった。メリーの魅力は俺にだけ有効なものではない。姿は幼かろうが、メリーの存在自体が、男を狂った行動に導きかねないのだ。
それは実際の姿を見たことのなかった俺がどうしても姿を見たくなって、危険な賭けに出ずにはいられなくなったときの、あの焦燥感。俺はそれを知るからこそ、恐れていた。
「こんなに小さいのにね・・・」
メリーは相変わらず、麻子をにらみ続けている。もちろん、俺にぶら下がったままだ。
「・・・それで、上田君」
麻子がさらににらみを利かせて俺に詰め寄ってきた。
「この子は、上田君とどういう関係なの?」
・・・・・・。
「ど、どういう関係・・・って・・・」
困った。ごまかそうにも、家族ぐるみの付き合いをしていた麻子には、俺の親戚やいとこという逃げは通用しない。親父の隠し子とでも言ったら、そのままうちの親父に確認に行きかけないやつだ。
「まさか・・・」
ナニを言い出すつもりだ?
「どこかからつれてきたんじゃないでしょうね!」
・・・そうそう。この世じゃないどこかからね。といいかけて、言葉を飲み込む。そんなことを言おうものなら、こいつのことだナニをしでかすかわかったものじゃない。
「・・・まいご・・・なんだよ」
苦し紛れに、ようやく出た台詞が「迷子」だった。
「なんで、迷子の女の子が、あんたの首にだきついているのか?そこのところが聞きたいんだけど」
なんで?って聞かれても、俺の方が聞きたいくらいだ。ほんの数分前までは、もう、魂を駆られるとまで、思っていたのに、
涙をうっすら浮かべながら抱きついてくるという、予想しない反応に最も戸惑っているのは俺自身なのだから。
つづく
322126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 02:45:09 ID:EJZPoAhz0
>>312-317
どうも本当にありがとう。ゆっくりで申し訳ありません。
がんばります!元気でました!!!
323本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 03:02:10 ID:r6tpV7EK0
(流れをぶったぎってすまん)
「さぁ、Ladyメリーの登場です!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、
か細き腕には、一振りの鎌
カラダと別れる覚悟はできたのかしら?
Uoo La La〜、
私は見つける、法を犯したもの、そして私は知らせる、ベルを鳴らして、
そして私は近づく、確実に一歩ずつ、そして私は準備する、死刑執行のその時を、
そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」


324本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 03:04:43 ID:r6tpV7EK0
あなたの世界に奇跡が起きようとしている
不正や暴力、陵辱や略奪にはもう耐えられないでしょう?

緑色した眼の竜がいまだ全ての邪悪に根付いている
薬漬けになった子供達は、蜜とミルクの大地に棄てられる
私は膝を崩して泣き叫ぶ
何故、天地の法が犯されるの?
何故、子供達が死んでいくのを見続けねばならないの?

 私は願う あまねく大地を覆う愛を
 主よ、われを助けたまえ、
 憎悪を力に変換するの

今こそヒトという種の内なる良心を取り戻す時、
全ての聖なる命が消えてしまう前に
使命を帯びたものだけがそこに至れる
325本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 03:06:56 ID:r6tpV7EK0

一つ目の獣が街の隅で哂っている
売春婦が子供であっても彼らは目をつむる
あまりの犯罪に息を吸うこともできない
銃弾の飛び交う中、私は泣き叫ぶ
もはや天地の法は破られている
これからも子供達が死ぬのを見続けねばならないの?

 非業の死をとげた子供達に安らぎを
 無実の罪をかぶせられた兄弟達に安らぎを
 汚らしい獣に襲われた姉妹達に安らぎを
 虚栄心の犠牲になった同胞に安らぎを
 亡骸をうち捨てられた友人に安らぎを
 子供達を奪われた父母に安らぎを
 思い出を失ったわたしに安らぎを

どうすればいいと思う?
ヒトの心を失い、大きな邪悪に立ち向かう
与えられた神秘の鎌のテロリズム
私は愛す、偉大な神の恩恵を
主よ、われを助けたまえ     (元ネタ、外国の歌、Rap有) (続き・・・どうしよう)
326本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 04:13:30 ID:r6tpV7EK0
第一話
 「先輩! ヤベェっすよ、テレビ見ました? あの事件の事・・・」
先輩と呼ばれた男は、首を鳴らしながら、めんどくさそうに応えた。
「ボケェ! 真二ぃ! 証拠はな〜んも残しとらんじゃろぉ? どんだけ
ニュースになろうと、ばれやせんて・・・。
たくのぉ、あのクソアマ、おとなしくゆーこと聞いとりゃー、火だるまになることも
なかったのにのぉ」
・・・数ヶ月前、一人の少女が行方不明になった・・・警察の必死の捜索にもかかわらず、
消息はつかめなかった。ところが、つい先ごろ、犬を散歩中の男性が、
湖に浮かんだ少女の死体を発見したのである。
死体が腐乱していたためか、石の重りが外れたと見られている。
そして、警察の発表によれば少女は生きながら顔を焼かれたらしい・・・。
「たく、アホが、クスリの運び屋なんて楽な仕事じゃろが・・・、それより、真二ぃ、
余計なとこで口滑らすんじゃねーぞ、そンときゃおどれが水の底やぞ! ええな!」
真二は高校を中退して以来、ずっとこの男についてきた。彼に逆らうマネは決して
取らない。
「だ、大丈夫っす、オレを信じてくださいよぉ・・・ん? 先輩、ケータイ鳴ってますよ」
「ん? おお・・・あーこれか? お? 誰じゃ・・・非通知?」
男はいぶかしがりながらも携帯を耳にあてた。
「おー、誰じゃ? ・・・もしもし」
携帯からは、小さく、しかしはっきりとした女性の声で、彼の耳に届いた。
「わたし・・・メリー   」
327本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 04:49:04 ID:r6tpV7EK0
第二話
「あ? なんじゃい、お姉ちゃん、この電話、誰に聞いたんじゃ?  ・・・お?」
通話はすぐに途切れたようだ。
「先輩、何すか?」男は不機嫌そうに携帯を閉じた。
「分らん、[お客さん]かものぉ、ワシんとこには直接かけんことになっとるんじゃが」
彼らの世界では、分業は徹底されている。捕まるリスクを最小限に抑えるためだ。
だが、彼らはまだ気づいてなかった、
警察や同業の犯罪者より、もっと恐ろしいものに見つかったことを・・・。

二時間後、兄貴分の男は事務所を出て、自宅へ帰ろうとしていた。
何の気なしにカーラジオをつけた時、奇妙なノイズに気づいた。
「・・・道路状況です・・・国道○号線では、事故処理のため・・・ジジ・・・
キュィ〜ン・・・」
「ん? 変じゃのう、このあたりの電波は、入りがええはずじゃが・・・」
その時、彼は耳を疑った・・・ラジオのスピーカーから、聞き覚えのある声が
流れたからだ。
「・・・もしもし、わたし・・・メリー 」
反射的に男はブレーキを踏んだ。後ろの車が肝を冷やしたようだが、知ったことではない。
むしろ、飯の種だ。残念ながらというか、車は無事だ、だがそんなことはどうでもいい。
ラジオは、元の放送に戻ってる、携帯は今は鳴ってない、着信の記録もない。
 なんじゃ・・・?
待ち伏せや闇討ちなど、彼らの世界では珍しくない。だが、今起きてる不可思議は、
暴力的なにおいは感じさせなかった。それゆえ、まだ、彼は落ち着いてたのだが、
自分のマンションに着いた時、彼の心に恐怖と言うものが芽生え始めた・・・。
自宅の電話にメッセージとファクスが届いていた。
まさか・・・
ファクスには「わ た し メ リ −」
328本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 10:00:53 ID:RsX1cOYHO
126さんGJです!他の方も乙です。
329126 ◆dNexSJi1ew :2005/12/31(土) 10:59:34 ID:EJZPoAhz0
>>323さんGJ!
期待してますよ!wktk
330本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 12:16:41 ID:r6tpV7EK0
ども、ぐわんばります。
331本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 14:03:10 ID:r6tpV7EK0
第三話
ありえなかった・・・、携帯ならともかく、この電話は身内しか知らない。
着信メッセージにも例の声が入っていた・・・、
「ざけやがって・・・!」
不意に携帯が鳴った。 何処の誰じゃあ、クソッタラァ!
喉まで用意した言葉だったが、今度は発信者が表示されていた。・・・真二だ。
「おぅ! 真二ぃ!ええとこにかけてきた、わしにつまらんマネしよるアホがおってな・・・」
彼の言葉が終わらないうちに、真二は怯えた様子で訴え始めた。
「せ、先輩! 事務所に誰かいるんです! で・・・電気も切られて、上の部屋の
窓が割られました!」
彼らの事務所は三階建てで、一階はガレージ兼物置だ。普段は二階をメインに使い、
部屋は上の階を含めて六つある。今夜は真二が夜の番というわけだ。
「・・・真二! 落ち着かんかい! 鍵はかけとろう? 上から入られたんか?
そいつは一人なんか?」・・・自分達の事務所に侵入する・・・それが何を意味するか、
彼らにはもちろん、わかっている。死人が出ることも覚悟せねばならない。
「あ、ハイ、ひ・・・一人だと思います、もしかすると女かもしれ・・・ません」
それは意外な返答だった。「あぁ? そんなモンにびくついとるんかぁ!? ・・・待たれ、
何で女や思うんじゃ?」そう聞きながらも、彼には予感めいたものがあった。
「す・・・すいません、先輩が事務所を出てから、電話が何度もあったんです・・・
女の声で・・・『わたし メリー』・・・って! (遠くのほうで大きな音) !!」
332本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 14:04:52 ID:r6tpV7EK0
第四話
真二の、うろたえた声を聞く男の背筋に寒気が走った。
「おぃ、今の音は何じゃ!? エモノは持っとるな? 近場の奴を応援に行かす、
それまで持ちこたえとけ! 」(何じゃ? ただのクスリでおかしくなった奴ちがうんか?
対立組織? まさか? こんなふざけた手口の奴らなぞおらんわ! しかも三階から
事務所に侵入したじゃと?)
そう考えていると、電話の向こうから真二の強がる声が聞こえた。
「と・・・隣の部屋やと思います。今もなんかごそごそやってます! 物盗りかもしれません、
大丈夫っすよ・・・一人で片付けます」そうは言うものの、男の胸中には言い知れぬ
不安感がぬぐえなかった。「お・・・おい、ちょっと待たれ・・・」
「先輩・・・一度、電話きり ま  す・・・う わ あ あ 
  ガチャーン!
激しい窓ガラスの破れる音が聞こえた。今度は電話口のすぐそばだ。
真二の叫びが早かったかもしれない、窓の外に「それ」を見たのだろうか?
また、それと前後して、携帯を床に落としたような衝撃音も続いた。
「おい! 真二ぃ! 真二ぃぃ!!」電話口からは人間の声というより、動物の悲鳴の
ような嗚咽が断続的に聞こえている。
何かを引きちぎるような嫌な音も聞こえる。
男は必死で呼びかけるが、悲鳴はもはやそれ以上発せられることはなかった・・・。
電話口ではまだなにかゴソゴソ、音が聞こえる・・・
「真二ぃ・・・!」何が起きたかは想像に難くない、彼が携帯に向かって怒鳴り声を
あげようとしたまさにその時、向こうの電話を拾い上げるような音が入ってきた。
相手の呼吸音が小さく聞き取れる・・・間違いなくそれは真二のものとは違う。
「おまえ・・・誰じゃ・・・!」  小さな声は、しかしはっきりと男の耳に届いた・・・。
「わたし、 メリー・・・  若くして生きることを奪われた少女に安らぎを・・・!」


333本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 16:50:54 ID:r6tpV7EK0
第五話
「・・・お姉ちゃん、あの小娘のツレかなんかか?
 ・・・真二は 死んだンか?」 男は冷静になった。
自分を慕っていた真二を殺された怒りもあったが、狙われた原因を特定できたこと、
相手が対立組織でなければ、たいしたことはできまい、という予想もあった。
電話は程なく切れた。その後の男の行動はすばやかった。
部屋に隠してある武器の確認−手に吸い付く大振りのナイフ、
窓や戸締りの確認、部屋の中の死角のチェック・・・、そして他の舎弟たちに
連絡を取ろうと携帯を再び取ろうとした時、一つの疑問が生まれた。
(なんで真二は簡単に殺られたんじゃ?)
不意をつかれれば、暴力の世界に住む彼らとて遅れをとることはある。
だが、すでに真二は警戒していた。もし、相手が本当に女性なら、
本当に反撃もできずに真二が殺されるだろうか?
・・・そんなことを考えながら携帯のリストを開こうとした時、
またもやそれは鳴った・・・発信者非通知・・・彼はゆっくりとボタンを押し、
自分の耳にあてた・・・
「もーしもーし お姉ちゃんかいのー?」
二、三秒応答はなかったが、もはや聞きなれた声が流れた。
「わたし メリー・・・ いま、あなたの家の下にいるの 」
334本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 16:58:12 ID:r6tpV7EK0
第六話
(はぁぁ? 何を言っとんじゃい?) あの事務所からここまで
車使ったところで五分はかかる。先ほどの通話を終えてから三分も経ってない。
彼女の言葉を信じはしなかったが、慎重な男は警戒しながら部屋のドアを開け、
マンションの通路に出て階下をのぞいた。
・・・人の気配は感じなかった。だが、耳を澄ますと、遠くのほうで
カツ、 カツ・・・というゆっくりとしたヒールの音が聞こえていた。
昇ってきている・・・。
男はコートの内側にナイフを忍ばせ、ゆっくりと音のする階段のほうへ向かっていった。
突然、音は止んだ・・・まだ階上まで上がりきってはないはずだ、
下の階の住人だというのか?
男は警戒したまま、息を殺し、足音を忍ばせ、階段を見渡せるすぐそこまでに
たどり着いた・・・もし女が飛び出してきても、冷静に対処できる心構えがあった。
男は階段の防火扉を注視した。身を潜めるにはそこしかない。
彼は十分に間合いを取りながら、その内側を覗く為に回り込んだ・・・!
  !!
「うぉッ!!」
いたのだ! 銀色のカールした髪を垂らし、血の気のない白い肌、
肩のパフスリーブのレースの下から、折れそうなほど細い腕が露出している
あらぬ方向を向いたグレーの瞳、薔薇の刺繍のついたドレスを纏った女・・・
だが、それは・・・精巧にできたマネキンだったのである。
警戒はしていたが、予想外の出来事に彼の心臓は早鐘を打った。
「脅かしおって・・・!」 男は左手の拳でマネキンを叩いた。
間違いなく人形の感触である。勢い余って人形は後ろに倒れた。
ゴトッ、無機質な音が階下に響く。
だが、いつからこの人形はあったのか? 男はあたりを伺って部屋に戻ろうとした。
「待てよ・・・アレはもしかして・・・おとり・・・?」
彼は警戒態勢を保ったまま、部屋の前まで戻り、ゆっくりドアを開けた。
異状は・・・ないか? いや、またしても家の電話機に新しいメッセージが入っていた・・・。
彼は静かにドアの鍵を閉め、電話機の前に向かい再生ボタンを押した。録音は、
自分が外にいた、まさにその時だった。
「・・・わたし、メリー・・・ 今、あなたの部屋の前にいるの 」
335本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 20:35:06 ID:r6tpV7EK0
第七話
ピーンポーン・・・
インターホンが鳴った・・・そんな馬鹿な、何処に隠れとったんじゃ!?
男は身動きを止め、息を潜めた・・・。
ピーン  ポーン・・・
男はゆっくりドアに近づきスコープから外を覗いた。・・・案の定、何も見えない・・・。
突然、小さな窓の視界が塞がれた! いや、グレーの瞳がこちらを見つめている
さっきの人形・・・。
思わず男は外に飛び出す衝動に駆られた。だが、真二の例もある。部屋の真ん中に戻り、
携帯を開いた。「おぅ、わしじゃ! 真二がやられたかもしれん・・・連絡取れる奴、
みんな集めてワシの部屋に集合じゃ! 道具も用意せられ!」
小声で短い会話と細かい指示をした後、携帯を切り、もう一度ドアスコープに寄ってみた。
・・・もう人形は見えない。
バスルームのほうから、何かを壊すような大きな音が聞こえた。・・・バスルームにも
小窓はある。だが、人の入れる大きさではない・・・そう思ったが、男は恐ろしい事実に
気づいた。バスルームの窓の外は、マンションの壁・・・もちろん、なんの取っ掛かりもない。
そういえば、真二の話では何者かは三階から侵入したという、そして恐らくは
隣の部屋から一度外に出て、外の壁を伝って真二のいる部屋の窓から・・・。
男は注意深くバスルームの扉の前まで寄った・・・、電気をつけ曇りガラスの向こうを
見透かそうとする。動くものはない。そおっと扉を開けてみた。
・・・小窓が窓枠ごと破壊されていた。
この時、彼にはキッチンから聞こえてくる、小さな金属音に気づくことができなかった・・・
事前に仕掛けられていたのか、キッチンの換気扇が容易に外されてしまったことに。
彼が窓の外に注意を向けてた隙に、「それ」は部屋に侵入していた。
男が部屋の中に再び、眼を向けた・・・のは、ほぼ強制的だったといえる。
テレビが突然大音響で響いた。
彼はもはや無言で部屋に戻った・・・手に持ったナイフはいつでも反応できる。
画面ではくだらないバラエティをやっていたが、しばらくすると、画面が乱れ始め、
サンドストームになった。男にはそれが必然的な結果であるように、自然な事と思われた。
テレビの雑音の中に、はっきりとした声が聞こえる・・・
「・・・わたし、 メリー ・・・今、あなたの 後ろにいるの」
336本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 20:48:05 ID:r6tpV7EK0
第八話
もし、第三者がそこにいたら、この奇妙な事態はどう見えるのか?
テレビと男の一直線上の天井に「彼女」は這いつくばっていた。
そして、細い・・・細い腕を一つの間接ごと延ばしていき、
そのか細い腕の先には、さらに細いアラベスク文様の装飾を施された鎌を
床に延ばしていた。形容するならば、毒蜘蛛が獲物を捕まえた時に、
蜘蛛の巣を伝って降りてくる様が適当かもしれない。
終いには、天井に接しているのは、つま先と両膝のみで、細い身体は床に向かって
ぶら下がっているだけになっていた。
「彼女」は鎌を使ってゆっくり・・・スローモーションのように着地した。
・・・音はしなかった、だが、男にはそれがわかった・・・、自分の命に絶望的な死を
与えようとする凶悪な気配を。全身鳥肌が立ち、呼吸は不規則になり、
口の中は鉄の味しかせず、ナイフを握っているはずの手は汗でビショ濡れだった。
・・・どれぐらいの時間が経ったのか・・・いや、ほんの数秒だったのか・・・、
男はあらん限りの叫び声を上げ、ナイフをかざして振り返った!

彼は見た! 目の前にいる人の姿をした「彼女」を。
不気味に光る鎌を持ち、薔薇の刺繍のドレスを纏い、肩のレースからは小枝のように
か細く白い肌が露わになったその姿を! 銀色の髪は無機的に輝き、生気のない
青白い頬を! そして鏡のように全てを写すグレーの瞳、この世のあらゆる美しさを
備えながらも、かつ、何者をも拒絶するかのような神聖な顔立ちを・・・!
つい今しがた見たはずのマネキン人形とは全くの異質なものだった。眼球だけが、
本物の人間のように小刻みに動いている。
無慈悲な鎌の軌道は、男の首に触れる寸前で止まった・・・、男は必死で左手で
鎌の柄をつかみ、右手のナイフを何度も「彼女」に突き刺そうとした。
だが、何度彼女の頬に刃を立てても、表面を傷つけるだけでひるまない。
それどころか、装飾鎌の力がどんどん強くなって、左手で支えきれなくなっていた。
「なんでじゃぁ・・・! なんでマネキン人形にこんな力があるんじゃぁッ・・・!」
男の声は悲鳴に変わっていた。人形は獲物を見つめながら、独り言のようにつぶやいた。
「・・・わたし、 メリー・・・憎しみ、恨み・・・救われる事の無い苦しみが わたしのちから・・・」
337本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 22:38:19 ID:r6tpV7EK0
第九話
・・・もはや男の手にはナイフは無い・・・。刃物が効かないと分ったからには、
両の手で鎌を持つ手を抑えようとしていた。
何故だ!? 
何故マネキンが動いている? この感触の冷たさ・・・このか細い腕・・・
何故折れない・・・!?  白いコルセットで締められたウェストは、男の太ももより
細いかもしれないのに・・・!
「あ あ あ あ・・・!」
力の増加は既に止むことが無い・・・。もはやその力は男の限界を超えようと
していた・・・。
「・・・わ、悪かったぁ! 殺すつもりはなかったんじゃぁ! 頼むぅ! 許してくれぇッ!!」
文様のある鎌の刃は、既に男の咽喉の皮膚を切り裂き始めていた・・・。
男の首から鮮血が溢れ始めた・・・。

「わたしの名は メリー・・・ わたしは鎌を振るう・・・汚れた命を絶つ・・・ために」

マンションの下には、男の舎弟たちが集まっていた・・・。
彼らが階下から階段を昇ろうとしたとき、
彼らの耳に、生理的な嫌悪をもよおす叫び声が聞こえた・・・。
彼らは大きな声を張り上げ、男の部屋の前にたどり着いた。
外されている換気扇・・・鍵の閉まった扉・・・チャイムを押すもの・・・ドアを叩くもの・・・
携帯で必死に通話を試みるもの・・・もはや全てが無駄だった・・・。
彼らがドアを破壊し、部屋に入った時には、大量の血の海の中に・・・
頭部が切り離され、既に肉の塊となった男の死体が転がっているだけだった・・・。

・・・マンションの下ではゆっくりとしたハイヒールの音が響いていた。
彼女は小さく、はっきりした声でつぶやきながら歩いていた・・・
338本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 22:46:42 ID:r6tpV7EK0
最終話
「・・・うぅ  らぁ らぁ・・・
私は 見つける 法を犯したもの そして 私は 知らせる ・・・ベルを鳴らし・・・
そして 私は 近づく 確実に・・・一歩ずつ そして私は 準備する 死刑執行の その時を
そして 私は・・・恐怖を与える 罪を後悔させる ため
そして私は 鎌を・・・振るう 汚れた 命 絶つ ために・・・」

壊れたゼンマイ人形のように・・・「彼女」は一定の無機的な動作で
闇の中に消えようとしていた・・・、つぶやきながら・・・。

「主よ、われを助けたまえ・・・われに平安と安息を与えたまえ・・・
ヒトの心を失い・・・思い出を奪われたわたしに・・・
大いなる慈悲を お恵み下さいますよう・・・   」

うぅ らぁ らぁ・・・ 
もはや誰にも彼女の姿は見えはしない・・・。
ただ・・・小さな声がそこに残っているだけだった・・・
うぅ らぁ らぁ・・・・・・うぅ らぁ らぁ・・・・・・

             ・・・うぅ らぁ らぁ・・・・・・・・・(エコー)

  (第一章 「Ladyメリー登場」 終了)
339本当にあった怖い名無し:2005/12/31(土) 22:53:03 ID:r6tpV7EK0
・・・長々とすみません・・・
とりあえず、終わりました。
このスレの最初から読んでましたが、皆さんの力作に触発されて
書いてみました。(時々、おちゃらけたカキコミはしてましたが)

今、酔っ払って、何、書いてるか自分でも分りませんが、
今までになさそうなパターンでやっちまいました。
続きを書くかどうかは考えてませんが、皆さんの反応を見て
判断しようかと思います。
それでは皆さん、良いお年を・・・。
340始まりの死、始まりの生:2005/12/31(土) 22:53:43 ID:SYq6TX6M0
グサッグサッ・・・・突いた 
何度も・・・・数える事意味なさず、それぐらい突いた・・・・
何度も 何度も 刺した・・・・人形に地獄を見せるために、
ふふ、思わず笑みが零れる、屍に血を零(あ)やす・・・・楽しい
返り血の付いた頬を拭い・・・シャブル・・おいしい・・・
「・・・・・・・・」相変わらず、黙ったままだが・・・致死量を越える血を出し、
苦痛に歪む顔が滑稽だ・・・
恐怖抱いてくれないの・・・・ニコっと微笑む、
相手は、虚に入ったのか狐に摘まれた顔をした・・・其処に蹴りを加える
踏み付け・・・・私本来の笑みを浮かべる・・・冷笑という名の
「姉さん、それ位にしたら」 背後から妹の声がする・・・・・
遊んでいたんじゃないの・・・「遊んでいたよ、そしたら壊れちゃった」
妹はクスリと微笑む・・・「血が出て、ピクピクいうの、人間って脆いよね・・・自分達が一番強いと
思っているなんて 馬鹿だよね」
341本当にあった怖い名無し:2006/01/01(日) 01:30:44 ID:OBabhvnk0
342本当にあった怖い名無し:2006/01/01(日) 03:53:57 ID:xJyjnY0lO
Ladyメリーもなんちゃらサイドもつまんない
ただ上田くんのやつの続きがみたい´・ω・`
343本当にあった怖い名無し:2006/01/01(日) 12:17:42 ID:9DBRVOzWO
Ladyメリーの展開オモロかったぞ!!!
ホラー調なのに後味スッキリで一気に読めた♪
今年もガンガレ!
メリーサイドも>>126もガンガレ!!!
良スレに出会えて漏れは幸せだ
今年もよろしく☆
344本当にあった怖い名無し:2006/01/01(日) 15:59:18 ID:3yNrYfA90
>>343 わぁ、うれしい! あじがとうございます!

 >>342を見て、「虐げられたオイラに安らぎを! 刈ってやるぅぅぅ!」 と
もう少しで書き込むとこでした。イケナイイケナイ・・・。
345始まりの死、始まりの生:2006/01/01(日) 22:35:39 ID:2NRJj3Pb0
>>343
有難う、

自分で言うのもなんだけど・・・・・メリー全然黒くない
346126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/02(月) 00:37:04 ID:UyUjvksu0
>>342
まあまあ、そういわないで・・・。

>>343
ありがとう!
がんばります!

>>344
十分おもしろくて、もっと長く読みたかったですよ。
裏社会とメリーの組み合わせは思いつきませんでした。
いくら強がっても、神出鬼没なメリーにはかないませんものね。

>>345
黒くない?
始まりさんのメリーも、葉池にいろいろな設定がありそうで期待してますよ。
世界観が広そうで・・・・。
347本当にあった怖い名無し:2006/01/02(月) 10:50:34 ID:fGjK6Ds7O
Ladyメリーおもしろかったよー
続きあるなら読みたいな。
色んな悪い人がメリーに追っかけられるみたいなw
126の作品も続きが気になるおw
348本当にあった怖い名無し:2006/01/02(月) 13:35:26 ID:RNH7sg280
>>346-347
うわお! そんな風に言われると、・・・続き、考えちゃおかな。

つーか、書いてるうちにどんどん、妄想が発展するタイプだから、
ある程度の構想がまとまりつつあったりして。
問題は一話ごとに、読みやすくまとめられるかどーかなんだよなぁ、

ま、今は126さんにwktk!

「始まりの死〜」さんも連投してくれるとうれしっす。
349始まりの死、始まりの生:2006/01/02(月) 16:27:21 ID:aGFTlVtm0
「死んだ人間は 分け隔てなく冥界に落ちるという
だがあれは嘘だ・・・・・メリーによって狩られた命・・・
メリーが手放すまでメリーの物であり棄てるまで・・・・冥界に行くことは無い」


私は新たなる人形を手に入れるために下界に降りた、
人を人形にする時に読み取った記録・・・・住所・・・番号・・・
・・・・容姿・・・ありとあらゆる記録を・・・・その中より獲物を決める
・・・愚かな人間どもの阿鼻叫喚に変わるその時が楽しいの・・・

都市伝説のメリーが独りだけだと想っている潜入感・・馬鹿ですか彼方達は、
人の噂は七五日・・・・・・・・・・彼方たちを狩るのは・・・・・・・・・・・



          彼方たちがメリーと呼ぶ存在は他にも居るよ






                 私だけじゃないよ、
350始まりの死、始まりの生:2006/01/02(月) 17:02:45 ID:aGFTlVtm0
                とある人曰く「満月の夜は危険だよ・・・・」

1;メリーは単体で相手を襲うという事例が多い
2;報告された姿は総じて違う事から複数居る可能性がある
3;(血が付いていて読めない)

只紙が残っていた・・・・血みどろのそして噛み千切られたような手が其処に

キープアウトのテープで隔離され、検察  
刑事が現場を調べていた・・・・

「体・・・ねえな」 「ええ・・・」只うなずくしかなかった・・・手と布切れ多分袖だろう
後、謎の血の付いた紙 「一体、他の部分は何所に・・・」老刑事に聞き返す
「それを調べるのが我々の仕事だろ・・・聞き込みは」年老いた刑事は聞き返す
「殆ど、有力な情報はありません・・・只・・・」 「只? 何だ」聞き返す
「深夜に唸るような声を聞いたとの証言が複数・・」
「熊にでも襲われたとでも」
351始まりの死、始まりの生:2006/01/02(月) 17:31:55 ID:aGFTlVtm0
「其処までは解かりません・・・・被害者にとって此処は少し前までは地獄だったという事です・・・」

「確かに・・・」この時老刑事はへばり付く気配を感じながら・・・紙を改めて見なおす
(次は彼方だよ・・)「!?」・・・其処には今まで無かった字が浮き出していた・・・
「こっこれは・一体・・・・」 「高瀬、三鷹御前らも見たか」
その問いにウナズクシカナカッタ二人・・・・・「田嶋さんこれは一体」
352本当にあった怖い名無し:2006/01/02(月) 18:08:52 ID:V8uRndNTO
ヽ(*´ω`*)ゞ wktk♪
353本当にあった怖い名無し:2006/01/02(月) 18:58:59 ID:XfnUSMUEO
wktk
354本当にあった怖い名無し:2006/01/02(月) 23:40:39 ID:VadIhK4MO
>>126さんも早くー
355126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/03(火) 07:12:35 ID:+Mt+cY7/O
ごめんなさいね。
帰省中で身動きがとれないw
4日にうpします。
始まりさんの刑事ものに期待。
356本当にあった怖い名無し:2006/01/03(火) 19:13:43 ID:N0Z+JG/i0
Ladyメリー第二章開発状況。

すでに書き込みログに一話30行(オーバー)ペースで
14話分の内容を保存、ここまでならその気になれば
いつでも投下可能(最終チェックはするが)。
現在クライマックス突入前。
最終的に何話になるかは、未だ判断つかず。
第二章完結が明日になるのか、明後日になるのかまるで読めず。
それにしても携帯の方が多いみたいだけど、
携帯の画面でも楽しんでもらえるのかしら?
文字数多いわスクロール大変そうだわ・・・うーらーらー♪
357始まりの死、始まりの生:2006/01/03(火) 20:50:07 ID:20g6Kexa0
               「か〜ごめ かごめ 」この歌を歌う者に近づいてはならない

                     それは死を意味する・・・・・・・・・・

メリーは西洋の者ではない・・・・・・・・               そうだ・・・・     人の数だけ捕食者は居る

        メリーにもいえるのだ・・・・・・・       メリーの数だけ人間を食らう捕食者が・・・・・・・

                          世界中に・・・・・・














                           居るんだよ・・・ふ、ふ、ふ・・・
358始まりの死、始まりの生:2006/01/03(火) 21:03:36 ID:20g6Kexa0
田嶋はカンズメになっていた・・・
あの奇妙な殺人のために、
「一体 どうやって運んだ残りの死体を・」
其一点が引っかかり釈然としない、袋に詰めるにしても目に付きそうだ
まさか本当に食われたとか・・・・・馬鹿か俺は、
「頭なんか叩いて如何したんです」怪訝な顔をする
「おう、三鷹かいや何、残りは何所に言ったのかと思ってな」
気丈に見せないと走査に影響する・・・頭がよくても途中が駄目になれば走査は出来ない
それを知っていた俺は、平常に振舞う・・・が次の三島の開口でこれを崩された
「例の紙・・・」「如何した・・口ごもって」いやな予感がする
359始まりの死、始まりの生:2006/01/03(火) 21:34:00 ID:20g6Kexa0
「浮かび上がった文字が食えて新しい文字が」  「はあ?」
新しい文字が出て来たのは幸うじで解かった しかし・・・・・
食えて  とは如何(いか)に・・・・「消えたの間違えだろ」聞き返す
「新しく解かった事で同時刻、歌が聞こえたとの事です」無視された
気持ちを切り替える「歌ねゑ・・何の歌だかわかるか」聞き返す、
「カゴメカゴメだそうです、只・・・」 「只、何だ」聞き返す
「少女のような声だったとか・・」恐いらしいまあ俺もこんなん初めてだ
「確りしろ、御前それでも刑事か、子供のような声の大人も居るだろ」

「そうですね・・・」落ち着いてきたか俺は三鷹に言う
「新しい文字とは」
360始まりの死、始まりの生:2006/01/03(火) 21:58:00 ID:20g6Kexa0
「メリー達の時間的活動は時間割のようにずれているが
血が被った所に書いてあった物です」
「メリーとは 何かの暗号か・・・」俺は考え込む
「ああ、新しい文字は鑑識と高瀬が写しています」
「高瀬が・・・不安だ・・・」 「確かにそうですね・・・」

二人は笑うしかなかった・・・・
時限爆弾のコードを2本1度にクシャミと共に斬り
お茶を運ばせれば、顔面殴打で転びお盆が飛んでくる
警察にさえ就職できるか如何かとまで云わしめる、ドジっ子なのだ
高瀬という人物は、
「はぁ〜ただいま〜」高瀬が入って来る気力抜けした声と共に
「写していたんじゃないのか」一応聞く
「追い出されました〜」そりゃそうだ・・・鑑識も懸命な判断をしたものだ
「鑑識さんに問答無用で蹴り出されました〜」
だろうな、様々な伝説を打ち立てる程だ、顔は良いのだが、それ以前に身長が130位しかないのに
よく入れたな 確か150以上のはず、
361始まりの死、始まりの生:2006/01/03(火) 22:06:50 ID:20g6Kexa0
「鑑識行くか」「ええ・・・」三鷹と話すと「私も行くー」
「「駄目だ」」二人で否定する「とにかく此処に居てください」
扉を閉める問答無用、息を付かせないこの時、高瀬は扉の向こうで笑っていた・・・・

鑑識へと続く通路・・を行く俺と高瀬、
扉を開けると其処は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・噎せ返る匂い


そして・・・部屋中に飛び散った・・・血!、血!、血、!血!、

其処に監察達の変り果てた姿が・・・・・ただ・・・・有った



362本当にあった怖い名無し:2006/01/03(火) 22:48:22 ID:N0Z+JG/i0
わくわく
ぬるぬる!
363本当にあった怖い名無し:2006/01/03(火) 23:12:40 ID:V7+MvAuYO
メリーだけど何か?
364本当にあった怖い名無し:2006/01/03(火) 23:26:23 ID:N0Z+JG/i0
>>363 パンツみせて!
365始まりの死、始まりの生:2006/01/04(水) 00:15:30 ID:fNQuSOzE0
田島「メリー=犯人ではない隠語だ、」
三鷹「そう急がなくても・・・」
高瀬「そうですよ〜落ち着いて〜」お茶を差し出す
三鷹「すいません・・・ゴクゴク」
田島「俺のも」
????「ハイ・・・・」
田島「スマナイ」受け取る「ってコレハ包丁では」
????「そうですよ・・・、グサッと一発ネ」マリを回す
島田「ヤルカ!!ってか何で被害者が居るんだ、」
???「いやね、暇だったから」
高瀬「っチ・・・」
???「今、っち って・・・・」
??「グルルッルルR」
三鷹「・・・・あの、まだ出番では・・・」

混沌中の署内は一応平和だった




PS;本編とはなんら関係なし〜
366始まりの死、始まりの生:2006/01/04(水) 14:30:28 ID:lsHQmTBT0
「応援、呼んで来い」俺は三鷹を走らせる、
その間に俺はやる事がある
あの紙を探すことだ、だが隅々まで探しても見つからない、
現場をいじる事が出来ないもどかしさを感じながら
とびっちた肉片そして地面を紅に染めるは血
見た所、一箇所を中心に飛び散っている、何故だ 大きな音もなかったしこれは一体・・・・



「あれ〜三鷹君如何したの血相変えて」 
「高瀬さん大変です鑑識が、襲われました僕は応援を呼んできます」
高瀬はそのまま階段を下りて行く、犯人らしき人物を見た人がいると想って
・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ようやく・来たか・「一体何があっ・・ン!!・」応援に駆けつけた者は唖然とした
人間がこの様な所業出来るのかと。

「調査急げ」この誰かの声と共に、ゼンマイが巻かれた玩具の様に動き出す
だが・・・収穫は殆どなかった、個人が特定できない所所に散ばった肉塊・・・・
そして不信な人物は誰も見ていない、そして例の紙が無く変わりに・・・
黄色い花が一輪あった





367本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 16:50:26 ID:jCeD/L4SO
どうでもいいが読みづらい上にわかりづらい。
368126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:51:21 ID:KZjOpSta0
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
【26番目>307◇27番目>319◇28番目>321】

29番目←いまここ
369126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:52:51 ID:KZjOpSta0
29番目
「まあ、誘拐って言うことはないでしょうね・・・。この子が一人で高橋君のところに現れたって言うのは他の子も見てるから・・・」
麻子の目は、俺から何かを読み取ろうとしていた。無類のおせっかい&正義感の塊である麻子にとって、格好の燃料が目の前にあるというわけだ。その行動の奥底には、昔俺を愛したことへの未練とかやきもちとかそんなものはまるでない。
そのあっさりした性格が俺は好きであり物足りなくもあった。まあ、どちらにしても過去の話だ。
俺は、できるだけ動揺を見せないように平静を保ちながら、噂の広告塔ともいえる麻子からメリーが高橋に対してどのようなことを行ったのか?そして、麻子の口からメリーのことが漏れるのを防がなければならない・・・・といった過酷な状況にあった。
・・・・・。
「おい、これ?」
不意にトイレの外で男たちの声が響く。
「これ高橋の携帯じゃないのか?」
「間違いない。さっき通ったときにはなかったぞ!女子トイレの中か?」
この男たちは、どうなんだろう?高橋を腑抜けにしてしまった存在への怒り?会社にとって必要な取引先との唯一の連絡先である高橋の携帯の確保?・・・もしくは・・・。
高橋のうわごとを聞いて、その言葉から語られる「美しさ」に魅了されてしまったのかも知れない。
普段、熱心に仕事に打ち込む様子の見せないような奴までもが必死になって高橋の携帯を探している様子だった。それは高橋の携帯を探しているのではなく、その携帯を奪った張本人を探しているのではないだろうか?
「おい!そこにいるんだろう!出て来い!」
男たちは荒々しい口調で、トイレの中の唯一しまっている個室に向かって叫び声を挙げる。
首にぶら下がるメリーがあまりの大声に一瞬ビクッっとして、俺の首にいっそう強くしがみつく。
先ほどまで麻子をにらみつけていた圧倒的な生命力を宿した瞳から輝きが失われていた。
まるでおびえた小動物のそれのような弱弱しく・・・そして人間の可虐性を引き出すようなか細い存在。それが今ここにいるメリーだ。
370126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:53:50 ID:KZjOpSta0
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
【26番目>307◇27番目>319◇28番目>321◇29番目>369】
30番目←いまここ
371126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:55:01 ID:KZjOpSta0
30番目
わずかながら震えるメリーを抱きしめながら、俺は自分の中にこみ上げてくる黒いものを感じていた。それは、最初にメリーに出会ったときに俺の中に芽生え、無理やりに押し殺した衝動だった。
この衝動に身を任せてしまえば、自分はすごく楽になる。そう思いもする。しかし、まとめサイトの管理人のように、メリーを極限までに不幸に陥れることになるのだ。
俺が望んだのは、メリーを自分のおもちゃにすることではない!まとめサイトの管理人が次第に自分の中の黒い欲望に実を任せていく様子を見て、我慢ができなくなった。
どうしても、そのような過酷な状況から、メリーを救い出したかった。そして、少しでも長くメリーの美しく高貴な姿を無続けていられるのならば、俺はこの命をかけてもいいとさえ思った。
それがメリーを召喚した純粋な理由だ。そんな俺の思いをあざけるように、俺の中の黒いものが、欲望がふつふつと大きくなり続けようとしていた。
「上田君?あんたやばい顔してるよ」
横から声をかける麻子の言葉に、我に返った。気がつかないうちに俺の呼吸は上がり、目の焦点は合っていないような状況になっていた。
俺はつばを飲み込んで深呼吸をした。
「どうするの?あの子らも変だよ?」
おそらく外にいる連中も、俺ほど強烈ではないにしろ、何かしらの衝動に駆られているのだろう。その行動は時間がたつにつれて、自分では制御できないものへと変化しそうな勢いが彼らの中にあった。
一人の少女を追うには、あまりにもひどいと思える言葉をドア越しに投げかけてくる。激しい勢いでドアをたたく。
「まあ、いいわ。ここは助けてあげるから、私には本当のことを話すのよ。昔のよしみもあるんだしね」
麻子は、ニッと口の端っこだけを吊り上げたいたずらっ子っぽい笑顔を俺に向けた。俺は実はいつでも、いやおそらくいつまでも、この麻子にはかなわないんだろう。
372126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:56:19 ID:KZjOpSta0
【最 初>126◇2番目>140◇3番目>141◇4番目>145◇5番目>148】
【6番目>149◇7番目>153◇8番目>159◇9番目>160◇10番目>182】
【11番目>183◇12番目>191◇13番目>193◇14番目>215◇15番目>221】
【16番目>225◇17番目>250◇18番目>263◇19番目>265◇20番目>283】
【21番目>285◇22番目>287◇23番目>301◇24番目>303◇25番目>305】
【26番目>307◇27番目>319◇28番目>321◇29番目>369◇30番目>371】

31番目←いまここ
373本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 17:56:39 ID:L+fwGCqZ0
「もちもち?あたち、メリーたん」
374126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:57:25 ID:KZjOpSta0
31番目
「すまん・・・頼む」
俺はそれだけ言うと、頭を下げた。

「ほらでてこいよ!ここにいるのはわかってるんだぞ!」
ドア越しに聞こえてくる男たちの声、おそらくは3人から5人だろう。
麻子は大きく息を吸い込むと、その声の主に向かって、叫んだ!
「うるせーんだよ!誰に向かってどなってんだよ!」
・・・・。
俺の胸に顔をうずめていたメリーですら、顔を上げて麻子の方を振り返った。おびえた様子が引っ込んで、ただ単純にびっくりしたみたいだ。
「・・・中原さん・・・?」
中原は麻子の苗字。外の男たちは、一瞬にして静まり返った。
「人が黙ってりゃいい気になりやがって、今すぐこのドア開けて出て行くからおとなしく待ってやがれよ!この糞がぁ!」
威勢のよい怒鳴り声が響き渡った後、男たちがこっそりと去っていく足音がかすかにした。
足音をたてないように、自分がその場にいたという痕跡を示さないように、そっと後ずさりしているのだろう。
「にげるのかぁ!調べればすぐにわかるんだぞ!こらぁ!」
麻子は、その切符のよさと性格で、若いながらも姉御と呼ばれていた。もちろん腕っぷしも強い。常務や専務ですら、麻子に怒鳴られてへこむことがあるそうだから、下っ端の平社員が麻子に喧嘩を売ったとなれば、会社どころかこの町から出て行くより他はないだろう。
375126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:59:00 ID:KZjOpSta0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374】
32番目←いまここ
376126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 17:59:58 ID:KZjOpSta0
32番目
「ふぅー」
大きく息を吐き出し、麻子はこちらを向いた。
「まあ、今日は事情があるみたいだし、このまま帰りなさいよ。上田君、あんた会議中でしょ?この時間・・・。」
「そ、そうなんだ」
「うまいこと言っておいてあげるから、その子連れて裏口を回って帰りなさいね」
「・・・あ、ありがとう」
「いいって。えっと、そのこ・・・名前は?」
麻子は、メリーを見た。メリーは、再び麻子をにらもうとしたが、少しおびえていた。
しかし、そのおびえ方は悪いことをした子どもが怒られるのをびびっているようなそんな感じだった。
俺の中に黒いものが芽生えてくる衝動はなかった。逆にほほえましく眺めることができた。
「この子は、メリーって言うんだ」
俺は微笑みながら、麻子に言った。自分の名前を呼ばれて、麻子から俺の方に目を向けるメリー。きょとんとした表情は、人外の者と言う印象はまったくなかった。
大人の会話の中で取り残されてわけがわからずに話している人の方をきょろきょろと向いている少女。そのままだった。
俺は、麻子の手引きの下、女子トイレを出て、非常階段を経由して、会社の外に出た。
麻子に、もう一度礼を言ったら、
「感謝の気持ちは、態度と行動で示しなさいね。今度でいいから」
とまたいたずらっ子を思わせる麻子スマイルを返してきた。

会社を出てしばらくして、俺はメリーに話しかけた。
「さて、うちに帰ろうか」
メリーがうなずいた。俺はメリーを首から降ろし、メリーの手をつないだ。
「え?」
上目遣いに戸惑いの表情を浮かべて俺を見つめているメリーに俺は微笑みかけて、
「ほらちゃんと前を見ないと、転ぶぞ」
と声をかけて歩き始めた。引っ張られるようにして前を向いて歩き始めたメリーは、少し手にチカラをこめてきた。
盗み見るようにその表情を見ると、心なしかうれしそうに微笑んでいる。
俺はメリーの手を握り返した。
377本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 18:21:32 ID:mJiZRrTB0
きたーっ☆

わくわく
ぺろぺろ!
378126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/04(水) 18:44:28 ID:v29EboCCO
今日はここまでね
379本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 19:12:58 ID:mJiZRrTB0
(>>378 お疲れ様です!今後も楽しみです。 ・・・ええと、ドキドキしながら・・・)

「さぁ、Ladyメリーの登場です!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、
か細き腕には、一振りの鎌
この世と別れる覚悟はできたのかしら?
Uoo La La〜、
私は見つける、法を犯したもの、そして私は知らせる、ベルを鳴らして、
そして私は近づく、確実に一歩ずつ、そして私は準備する、死刑執行のその時を、
そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」

 (晩御飯食べたらね!)
380本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:07:06 ID:NtAXtMJ3O
ワクワク!
ニョロニョロ!
ニンニン!
>>126氏、始まり氏ガンガレ!いつも楽しみにみてるよ☆

Ladyメリー氏
ヽ(*´ω`*)ゞ wktk♪
今日は祭りか?キタコレ♪
381本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:28:45 ID:mJiZRrTB0
第二章第一話
  シュバッ! シュバッ! 
 「こっち、向いて!」 「被害者の女性達に何かおっしゃりたいことは!?」
カメラのフラッシュと質問の嵐・・・。
一人の男性が、報道陣に囲まれながら警察に連行されていた。
 森村剛志21才・・・。
親が与えたマンションに一人暮らし。そしてその部屋に3人もの女性を同時に監禁、
彼女達を奴隷のように扱い、暴虐の限りを尽くしていた。
彼女達全員に誓約書を書かせた男の言い分は、
 「合意の上での共同生活、法には触れない 」
被害者の一人が男の不在時に、トイレの窓から助けを呼び、事件が発覚。
ここに逮捕となった。

 「・・・ええ、編集長! すぐに追加記事を送ります! ・・・そうなんですよ、
 例の監禁事件の犯人の祖父が、どうも地元の警察署の元署長らしいんですよ!
 ハイ、苗字は違います、でも、元々地元の名士らしく、今は県議会議員とか・・・、
 ええ、そこのところ、家庭環境とか生い立ちとか調べますんで、早急に!」
ふ〜、ここのところ、こんな事件ばっかりだ、・・・ああ、え〜と、私はある出版社の
専属ライターをしている・・・伊藤・・・とでも覚えていてほしい。出勤時間は拘束されず、
一つの記事を担当しては、契約したギャラをもらっている。
今回も、こんな寒い田舎にまで飛んで、事件を追っているというわけだ。
・・・まったく仕事の性質上、外にいることも多いんで手足がかじかむ。
屋内に戻ってキーボード打とうにも、中々思い通りに指先が動かない。
・・・と、かつてグチをこぼしていたら、妻の百合子が毛糸の赤い手袋を編んでくれていた。
滅多にそんなマネをしてくれる妻ではなかったので、とても感激だ。
・・・赤いのは恥ずかしいけれど・・・。
 あ、申し訳ない、どうでもいい話だったね。で、編集長との電話の後、外回り、地元の聞き込み、
懇意にしている新聞社での情報収集、それなりの裏づけと記事の大枠がまとまったので、
その地元新聞社の小部屋を借りて、原稿を打っていたんだ。
 「おい! 大変だ!」 その時とんでもないニュースが、私の耳に飛び込んできた・・・。
 「例の監禁事件の被害者の子が、・・・死体で見つかった!!」
382本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:36:55 ID:mJiZRrTB0
第二話
 一方、こちらは拘置所・・・面会室。
 「え・・・弁護士の先生・・・オレ、どうなんの?」
きれいに染め上げた髪の美形の青年は、気弱そうに面会に来た弁護士に尋ねた。
 「心配はいらないよ・・・ お祖父さんやわたしが、全力で君を助ける、
 気をしっかり持って欲しい。もうしばらくの辛抱だよ。」
青年の祖父に依頼された弁護士は、短い接見時間の中で、警察の尋問での
対処の仕方・注意事項・今後の方針等を事細かに伝えた。
 「だいじょ〜ぶ・・・、元々合意の上なんだろう? 
 今のところ、被害届けは二人からしか出てないが、きっと彼女達も思い直してくれるさ・・・。」
徐々に青年・森村剛志は、持ち前の明るさを取り戻して言った。
 「そうだよね! オレがこんなとこにいるの、おかしいもんね! あ〜、早くあの
 生活に戻りたいよ〜!」
彼には反省する気持ちはさらさらないようだ。
しばらくして、拘置所を出た弁護士の元に、携帯の連絡が入った・・・。
 「あ〜、弁護士先生ですかい? 二人のほう・・・被害届け・・・取り下げるみたいですよ・・・
 物分りのいい子達で・・・」
弁護士はそれを聞いて冷静に答えた。
まるで予定通りとでもいうふうに・・・。
 「そう、それは良かった、そう言えば、もう一人の子は自殺したって・・・? 可愛そうに・・・。
 私達には関係のない話だけどね・・・、 うん、先生には私のほうから・・・」
電話を切った弁護士は、静かに高級そうな外車に乗りこみ、
その拘置所を後にした。
向かう先は、県議会議員自宅・・・。
383本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:47:14 ID:mJiZRrTB0
第三話
 「どいうことですか!?」 「何故、被害者が自殺を!?」
記者会見現場では物々しい雰囲気に包まれていた。無理もない、
今まで被害届けを出していなかった被害者の死亡・・・、しかも、彼女の父親は
例の県議会議員の息のかかった地元企業で働いていると言う・・・
私でなくともウラを疑う。
 「えー、場所は自宅の裏山の神社の境内、アルコールを摂取した後、
 神社の老木に紐をくくりつけ、首吊りによる頸部圧迫が死因、遺書は現在のところ、
 見つかっておりません!」 
厳しい顔の警察幹部は、たんたんと書面を読み上げた。
 「例の監禁事件との関連性は!?」
相次ぐ質問に、ようやく発表者は顔を起こし、記者団に向かってこう述べた。
 「現在のところ、事件として両者を結びつける事は考えておりません・・・!
 以上で、会見を終了いたします!」
怒声と罵声が会場を包んだ・・・。そんな馬鹿げた話があるものか!?少女が精神的に
病んでいたとしても無理はないが、何故、このタイミングで自殺をするんだ?
私は編集部に電話をして、自殺した被害者の自宅へ向かうべく、その会場を後にした。

既に私同様、ハイエナのような報道関係者が群がっていた。地元のケーブルテレビも
取材に来ている。玄関には「取材お断り」の張り紙が張られていた・・・。
 「あ、どーも、伊藤さん、考えることは同じっすね?」
同業者の中には当然、顔見知りは多い。特ダネを教えあうことはありえないが、
軽い情報交換などはすることもある。
 「どう思うー? 自殺だと思うー?」
 「ありえないっしょー? でも、事件だとするととんでもない大ごとですよ、これはー?」
 「だよなー・・・ 」
私は庭に目をやった、・・・そういえば、昼間もこの近辺に来たが、確かこの家は、
車を二台所有してたはず・・・。今は一台しかない・・・。
 「なぁ、今、ここのご夫婦は出かけているのかい?」
 「ああ、警察にでも出かけたままみたいですよー、帰るの待ってるんすけどねー。」
私は途方に暮れた・・・。さぁーて、どうしたもんかなぁ?
384本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:54:00 ID:mJiZRrTB0
第四話
夫婦はいずれ帰ってくるとは思うが、取材には答えてくれそうにはないだろう、
ホテルに戻るか、新聞社に立ち寄るか、まずは家にでも連絡するか・・・。
 「あーもしもし、百合子? おれ、ん、今、現場、結構長引きそう・・・ ん、 
 あ、 そうだ、 ・・・手袋 ありがとう、 暖かいよ 」
実はそれでも結構寒いのだ、ただ気持ちがうれしい、精一杯の感謝を込めて礼を言った。
 「あら、あなたから、『ありがとう』なんて久しぶりに聞いたわ、でも、たまにはいいものね、
 あ、待って・・・ 麻衣がなんか出たいみたい。」
なんというか、夫婦仲は悪くない・・・と思う。ただ娘の麻衣が生まれてから、妻はそっけなく
なったように感じる。だが、娘の麻衣が可愛い! という気持ちでは妻には負けない!
 「ぱ〜ぱぁ〜!」 一人娘の麻衣、4才。めちゃくちゃ可愛い・・・!
 「は〜いぃ〜、パパだよ〜! 麻衣ちゃん、いい子にしてた〜?」
親ばかとでも何とでも言うがいい。
 「んー、まいちゃん、いい子・・・ぱぱ、今日帰れるの?」
 「ごめーんねぇ、パパ、今夜は帰れない、明日なるべく早く帰るから、まいちゃん、
 待っててねぇ〜」
隣で、同業者が笑ってるが、知るか。笑え。
 「ぱぱぁ?」 「ん〜何だい?」

 「 お人形さんによろしくね ! 」

 「・・・お人形・・・さん? えっと・・・、何だい? ママに買ってもらったお人形さん?」
 「ううん、 今日ね、お昼ねしてたらね、お祖母ちゃんが言ってたの。
 ぱぱがお人形さんに会うって 」
・・・実を言うと、麻衣は時々不思議なことを言う。いや、子供はそんなものなんだろう、
この「お祖母ちゃん」というのも、時々麻衣の口から出るが、・・・これは百合子の母親の
ことなんだが、麻衣が生まれる前に亡くなっている。
 「へぇ? どこにいるのかなぁ、そのお人形さん? なんて名前なの?」
 「・・・んっとね・・・」 悩んでるようだ、私はニヤニヤしながら麻衣の続きを待った。
 「じゅーじかのあるところ、でも そこじゃない・・・、 大きなおうち? まいちゃんわかんない・・・、 でも、名前は えっと  メリーさん! 」
385本当にあった怖い名無し:2006/01/04(水) 20:57:57 ID:mJiZRrTB0
今日はここまで!
24〜25話まで続きます。
386始まりの死、始まりの生:2006/01/04(水) 21:24:34 ID:lsHQmTBT0
メリー「わくわく」
387本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 11:05:07 ID:+0VkBVL20
>>367
軽電から見てる?
388始まりの死、始まりの生:2006/01/05(木) 11:09:24 ID:+0VkBVL20
>>361
誤;鑑識へと続く通路・・を行く俺と高瀬、 
正;鑑識へと続く通路・・を行く俺と三鷹、

三鷹が一緒で高瀬は扉の向こう
389本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 18:06:02 ID:3uEr/Cms0
いきま〜す!
390本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 18:14:24 ID:3uEr/Cms0
第五話
ああ、麻衣はなんて可愛いんだろう? 一人で悦に入ってると、携帯の向こうから
「ママに代わって? 」 という妻の声が聞こえてきた。
 「あなた?」 ハッと我にかえる自分。「あ、ああ、何だい、百合子?」
 「麻衣の言ったお祖母ちゃんの事は気にしないで・・・。子供のいう事だし・・・。」
 「ああ、大丈夫だよ、気になんかしちゃいないさ。」
 「それよりあなた。」 「ん? 何だい?」
実を言うと、妻はこの一瞬の間が怖い。いつかお見せしよう。
 「無理しちゃ駄目よ、危ないと思ったら、・・・手を引いてね。」
 「・・・ありがとう百合子・・・。決して危ないことはしないさ・・・!」
今日、二回目の「ありがとう」が自然に口に出た。そういや、前はいつだったかな?
私はおやすみを告げて、携帯を切った。「よーし! やるぞーッ!」
我ながら現金である。
 カラ元気だけではない。電話してるうちにふとした事に気づいたのだ。
被害者の一家は熱心なクリスチャンだったはず。麻衣の言ってた「じゅーじか」で
思い出した。毎週日曜には、親子三人で教会に通っていたのだという、あの事件までは・・・。
 実際のところ、そこも引っかかっていた。(神社で自殺するものかな?)
私は、駄目もとで、車を教会まで走らせた。場所はある程度把握してたが、まだ
取材の対象にしていなかった。うまく行けば教会関係者に、事件の感想ぐらいは取れると思う。

教会の敷地には何台か車が止まっていた。そのうちの一台に目が留まった。
あの家族の車だ! ここに来ていたのか?
私は車を敷地に停め、教会の正面の大きな扉を開けた。
 「すいませーん、夜分失礼しまーす」
しばらくすると、神父と思しき白髪交じりの年配の男性が現れた。
 「・・・どちら様ですか・・・?」 とりあえず記者という身分は隠して・・・
 「○○さんがこちらにいらっしゃると、伺ったんですが・・・」
神父はあからさまに迷惑そうな顔をして 「もうお帰りになりましたよ。」
と、ぶっきらぼうに答えた。ごまかされるものか。
 「ですが、車は表に停まったままですよ?」
突然、神父の表情に変化が生じる。 何か、良くないことが起こったのか・・・?
391本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 18:27:45 ID:3uEr/Cms0
第六話
神父は途端に、身を翻し奥へと戻っていった。「あ・・・あの・・・」
ところが思ったより早く、神父は再び姿を現した。外套をはおり、手には懐中電灯を握っている。
 「あなたは新聞記者か何かですか?」 神父は私の身体を追い越し、あわただしく
靴を履き、表に出ようとしていた。容易ならざる事態が起きていることは、
私にも感じられた。「ルポライターです。」 ごまかすつもりだったが、そんな空気では
なかった。神父は表に出る前に一度振り返った。
 「マスコミに話すことはありません・・・、と言いたいのですが、手伝ってください。
 もしかすると・・・。」
私の返答を待たず、神父は表へ飛び出した。神父は車のところまで行き、ライトを
照らした。すぐに私も追いつき、ライトに照らされた車内をのぞいた。
 「あれ? 運転席に 封筒が・・・ !  『遺書』!?」
神父は私の顔を見た後、車のドアを開けようと試みた。
・・・ロックされてはいない。神父は遺書を取り出した。
 「し、神父様・・・ですよね? あ、あの夫婦がここを出られたのはいつ頃なんですか?」
遺書に封はしていなかった。私は肩越しに、ライトで照らされた遺書の一部を読んだ。
細かいことは書いていなかった。
 「○○様(神父の名?)」に最後まで迷惑をかけたこと、愛する愛娘を失った事への
絶望、加害者とその祖父への恨みが書かれていた。・・・そして
  「・・・主のお教えに背くかもしれません、ですが私達夫婦にはこれしか道はございません、
 愛する娘の苦痛を少しでも和らげるために、私達の命と恨みの情念を・・・
 あの人形・メリーの糧として 奉げようと思います・・・ どうか・・・」
内容を把握できたのはそこまでだった。神父は書面を封に戻し、こちらを振り返った。
 「一時間前です・・・。」 神父は近所の扉を叩き、私は警察に連絡をとった。
その間、遺書に書いてあった部分が、私の頭からどうしても離れない・・・。
    人形・・・メリー  メリーさん・・・? 
 近隣住民総出での捜索の結果、・・・彼らの行方の手がかりが見つかった。教会の
すぐ先の街道沿いに大き目の橋があり、そこで、夫婦の靴が揃えて並べられていたのである。
そして・・・事件は、一家全員死亡という最悪の結果を迎えてしまった。
392本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 18:55:11 ID:3uEr/Cms0
第七話
日付が変わってしまった。疲れた・・・。まさか自分が警察に聴取されるとは・・・。
反対に、こっちが何か聞き出してやろうと思ったが、さすがにそうは甘くない。ただ、
担当の若い刑事は 「証拠さえあれば(例え警察OBでも)動く」 とは、言っていた。
信用してよいのだろうか?
帰り際、神父の姿が見えた。話しかけるタイミングは今しかない。
あの、気になる記述のことを聞いてみたかったのだ。
遺書にあった、メリーという人形とは何の事なのか?
寒さで白い息を吐きながら、神父が車に戻る前に声を掛けることができた。
 「聴取、終わったんですか? ご苦労様です。」
神父は複雑な表情をしたが、礼儀正しく頭を下げた。
 「・・・先ほどは見ず知らずの方に、手伝って頂いてすみません、
 あの親子が祝福された土地に辿り着けるといいのですけれど・・・」
私は、一呼吸置いてから、
 「・・・あの親子の事を、詳しくお聞きしたいのですが?」 と尋ねたが、返答は冷たかった・・・。
 「マスコミの方には何も申し上げることは無い、と言った筈です。」
 「では・・・ 遺書の・・・人形の事を教えてくれませんか? メリー とは?」
初老の神父はこちらを見上げた。
 「何の事か、私にも分りませんな・・・。確かに遺書にありましたが・・・。」
神父は自分の車に乗ろうとしている。全く立ち入るスキがない。でも、負けるもんか。
 「い、いや、人形の件は、マスコミというより、子供の父親として・・・、夕方、ウチの子供が
 変なことを・・・言って・・・あ、アレ、何を言ってるんだろ? 」
我ながら何を言っているのだ? いくら神父を引き止めるセリフが思い浮かばないと
言ったって・・・。だが、意外にも神父は興味を持ったようだ。
 「お子さんが・・・なにか?」 神父の動きが止まった。
 「え? ・・・ええ! 夕方、電話したら、4つになる娘が、『メリーさん』という人形に私が会うと、
 死んだ祖母に教えてもらったって言うんですよ。」 もういいや。言っちゃえ。
神父の驚いた顔は言葉に言い表せない。しばらく神父は無言だったが、ようやく口を開いた。
 「明日、朝、教会においでなさい・・・。」
 翌日、隣町で3人の男の斬殺死体が見つかるのだが、この時まだ、私達はそれを知らない・・・
393本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 19:02:55 ID:3uEr/Cms0
第八話
朝の教会は、寒さの分もあるせいか、余計に荘厳に感じられる。
今朝は雲も厚く、陽の光も十分には降り注がない。
決して大きな教会ではなかったが、古びた感じがなお、その荘厳さを高めていた。
白い息を吐きながら、スカーフをかぶった修道女に案内されると、
昨日の神父が朝の礼拝を行っている。
 ここでは寒いからと、石油ストーブの焚いてある小さな部屋へと向かった。しばらく
待っていると、祈りを終えた神父がやってきた。
 「おはようございます、今日はわざわざ、ありがとうございます。」 神父はそれには答えず、
短く頭を下げると、こう切り出した。
 「あなたの・・・お子さん、娘さんでしたかな? 普段、何か変わったことはございませんか?」
今度は私が面食らった、まぁ昨日、話をふったのは私だからしょうがないんだが・・・。
 「え、ええ、普通の子供ですよ、特に・・・別段・・・何も・・・。」
 「では、お祖母さんというのは・・・?」
 「ああ、えーと、母親の方の祖母のことなんですけど、時々、
 娘が夢でお話するっていうんですよ、 生まれる前に亡くなっているんですけどね。」
神父にこんな話をすると、なんか重大な話に聞こえてくる。 
 「あの・・・ 娘は何か・・・?」 神父はしばらく考え込んだ後、
 「いえ、失礼しました、・・・問題はないと思います・・・それで、ゴホンッ、
 昨晩の件ですが。」 
 「あ、ハイ。」 背筋を伸ばして姿勢を正す。
 「まず、『メリー』という人形について・・・、これは我々の教会や宗派と何の関係もない事、
 また、まともなニュースには決して取り上げられる価値の無い、ただの噂話だということ・・・、
 これを覚えておいていただけますかな・・・?」
価値が無い・・・という割には、神父の語気には強い意志のようなものを感じられた。
 「は、はい・・・。」 と言うしかない。だが、この時点で私の心中には、未知のものに
憧れる期待と、娘への関わりとの不安で想いを交錯させていた・・・。
後になって考えれば、聞かなかったほうが良かったのかもしれない。
 「・・・では 」
神父はため息をついて、呪われた「人形・メリー」の話を私に語って聞かせた・・・。
394本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 19:14:05 ID:3uEr/Cms0
メリー出現までもうちょっと引っ張ります、我慢して読み続けてくれると嬉しいです。
では、また!
395本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 19:35:42 ID:nnRSWSuUO
いやもうなんというか普通に、純粋におもろい
ワクワクがとまりませんよこれは
396126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/05(木) 21:46:33 ID:M/dgWc0y0
がんがれ!Ladyさん!
397本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 22:10:14 ID:fPwcRdaK0
ここってまとめサイトあったっけ?
398本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 22:27:25 ID:Zt6Br5se0
角煮のならあるよ。
あっちでまとめサイトだけ統一しようかどうか検討?の動きあり
よかったらどうぞお願いします。。。
399本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 22:28:44 ID:NuSKGx8gO
角煮ってなに?
400本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 22:51:30 ID:5M8uDBgC0
401本当にあった怖い名無し:2006/01/05(木) 23:57:31 ID:3uEr/Cms0
>>395-396
いつも声援、あじがとうございます。
みんなの声を創作力に変換して書いているの。

>>398>>400 角煮って半角二次元って板のこと?
向こうはチェックしてなかったからなぁ。
次の話で、「あの話」を投下しようとしてたから、
かぶっちゃわないか、心配だったけど
あの流れを見ると大丈夫のようね?
(過去スレはチェックしてないけど)
402本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 00:33:38 ID:IQ9mmySM0
保管庫も見とけばどうでしょう?
てかかぶってもよくね?
クールにスレにも結構あるし…。
403本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 00:56:06 ID:kpQxbU8GO
Ladyメリーわくてかだお
404本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 01:41:45 ID:xtLBOvLNO
126氏と始まり氏も早く早く!
405本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 11:03:31 ID:rUNYIuHLO
あっちとこっちは統一しない方が良いとおも
406本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 11:52:15 ID:kNWcyN5f0
まとめサイトなら寄せ集めても良くない?
どっちでもいいか
407始まりの死、始まりの生:2006/01/06(金) 13:06:52 ID:v3GFWQFg0
「菊た〜縁起が悪い・・・」あの中に有ったと思うと余計、腹の奥にひんやりとした物を感じる
「メリー・・・・実在するのか」俺お脳裏にとある都市伝説が浮かぶ・・・
馬鹿かそんな事あるわけが無い「アノ紙を取り返しに来た奴だ、やったのは」
一応の自己完結を迎える、
、鈍い音がした、マズ・・考えていて気付かなかった、
「・・・・・・・・」暫らくの沈黙・・・「田嶋君・・・閉じ込めだ」・・・・「はあ」・・・
「いや だから扉も窓も開かないんだよ」
初めからそう言ってくれ、コイツ時々時代劇ぽい言葉で話すから全然解からん
「閉じ込められった、そんな訳あるか」こんな状態だ冗談でも言って気を紛らわせようとしているのかも
「報を伝う」 ・・・他の奴にも知らせるのか、初めからそういえ、
念のため俺は調べる事にした。
408本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 15:15:19 ID:xhChjDDE0
スレの統一は、内容からしてしない方がイイと思う。
まとめサイトは、ちゃんと分けて管理するなら
まとめててもイイと思う。
そんなもの。
409本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 16:59:07 ID:OqPJCOkSO
あっちの奴らやけにネガティブだから嫌なんだよなぁ…
410本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 17:48:45 ID:v1D3B3cy0
だんだん、プレッシャー感じてきたぁ・・・。
今日の分四話、投下します。
・・・少し時間かかるかも・・・。
411本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 17:55:53 ID:v1D3B3cy0
第九話
ここからは神父の話になる。この間、私には口を挟むことができなかった。
「 ・・・私がこの教会を任されて、もう20年になります。この教会が建ってからは、
私は三代目なのですが、当初、この教会には、海外から越してきた信者が何名か
おったそうです。修道女の中にもおりました。彼女達は熱心な信者でしたが、
よく、村の子供達に、自分達の生まれ育った土地の民話や伝説を話すことが
あったそうです。私も正確には覚えておりませんが、これはその内の一つです・・・。

 ヨーロッパのある小さな町に、かわいい女の子が住んでいました。
 名前は伏せましょう・・・(ここでは便宜上○○○ーとします)。
 彼女には母親がいましたが、きつい母親だったそうです。
 女の子は、しつけの厳しい母親にいつも叱られていました。
 寒い冬のある日、母親は女の子に「ある物」をプレゼントします。女の子は大喜びです。
 ところが女の子はあまりにはしゃいだために、「それ」を失くしてしまいます。
 母親は大変怒りました。女の子は泣きながら、町中、探し回ります。
 女の子は町外れに住んでいるという、魔法使いに聞いてみようと思いました。
 なんと、大事なその「ある物」は、どういう訳か魔法使いの家にあったのです。
 魔法使いは「それ」を返すにあたり、女の子に約束をさせました。
 「私から返してもらったことは誰にも言わないこと、この約束を破ったら今夜12時におまえの
 命を奪いに行く」・・・と。女の子は約束し、喜んで帰りました。
 ところが、母親があまりの剣幕で娘を問い詰めたため、娘は約束を破ってしまいました。
 その夜・・・約束を破った女の子の元に魔法使いがやってきたのです・・・。」

 ○○○〜ッ、私だよぉ、私は今、おまえの家の前にいるよぉ・・・

 「その声は少女の耳に、はっきりと聞こえてきました。」
412本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 18:14:14 ID:v1D3B3cy0
第十話
 少女は必死に叫び声をあげたり、壁を叩いて助けを求めますが、
魔法のためか母親は気づきません。
  ○○○〜ッ、今からお前を殺しに行くからねぇ〜 
  アハハハハッ ほ〜ら、家の中に着いたよぅ ○○○〜ッ・・・
  今、階段の下にいるんだぁ、 どんな風に殺されるか想像してごらぁん・・・
  ○○○〜ッ、一段上がったよぉ 怖いのかねぇ? アハハハハッー
  ほぉ〜ら、二段目だ・・・ だんだん近づいているよぉ〜 かわいい○○○〜ッ!
  いま、三段目だ ○○○〜ッ、手足をノコギリで挽いてあげようかぁ〜?
  四段目、四段目だぁ、もうじきおまえを連れてくよぉ〜 
  どんどん、声が近づいているだろう? いま五段目だぁ 
  六段目〜ぇ、、誰も助けにきてくれないぃぃ〜、怖いかぁい? 怖いかぁい?
  ま〜た、一段あがった、もう半分過ぎたよぉ? 七段目だ ○○○〜ッ 
  ○○○〜の部屋が見えてきたぁ、八段目だ〜、ああぁ、早くおまえに会いたいいぃ
  九段目、目玉をくりぬくのも楽しいぞぉ? アハハハハッ 
  さぁ、十段目だぁ、もうぅ手が届きそうだよ ○○○〜ッ 
  ・・・十一段目、あと少し、あと少し! 内臓を引きずり出してあげるよぉ ○○○〜ッ! 
  ああああぁ! ほぉ〜ら、十二段目だ! 覚悟はいぃかぁい? 
  ・・・昇りきったよ・・・、○○○〜、今、わたしはお前の部屋の前にいるよぉ・・・

 「・・・神父様、すいませんが・・・手短に 」 
気持ち悪くなってきた。怯える少女の姿と娘の麻衣が重なったのである・・・。
これ以上は聞けそうにない・・・。
 「あ・・・ 申し訳ありません・・・ご想像の通り、少女はバラバラに殺されてしまいます。
 そして、その後も少女には哀れな運命が待ってます。殺された少女の魂は天国へ行けず、
 魔法使いの作った人形に封じ込められてしまうのです。」
 「ひど過ぎる・・・ 」 私は思わずつぶやいた。
 「魔法使いは、少女の魂が入った人形を慰み者にし続けました・・・。
 しかしある日、この町に、やはり魔法使いと思われる老人がやって来ました。
 彼は少女を哀れに思い、使い魔であるワタリガラス・熊・キツネの三匹の動物を使って、
 人形を奪う事に成功するのです。」
413本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 18:35:43 ID:v1D3B3cy0
第十一話
「しかし、その老人の魔力を持ってしても、少女への呪いは解けません。
 呪いをかけた本人でなければ、その呪いをとくことはおろか、人形を動かす事すら
 できなかったのです。
 ある時彼は、近くで非業の死を遂げた者がいると、少女の人形がひどく
 反応する事に気づきました。老人は人形に「死神の鎌」を与えてみました。
 それは彼が直接、死者の王に授かった物だと言われています。
 するとどうでしょう、 人形は立ち上がり動き始めたのです。
 以来、彼女は、死にゆく者の恐怖や怨念を感じると、まるで自らの恨みを晴らすかのように、
 その不気味な鎌を振るい、非道な犯罪者達の命を狩るようになったのです・・・」

 「その人形が・・・メリー?」
 「少女の名前は本来、別の名前であったようです。別の民話が混ざったのか、
 老人が新たに名前をつけたのかは分りません。ただ、私がこの教会に赴任した時には、
 既にここの住人の間では、『メリー』として定着していたようです。」
 「それはつまり、恨みのある相手を・・・人形が晴らしてくれる、と信じられている・・・と?」
神父の顔は残念そうな表情を見せていた。
 「お分かりでしょう、主の教えと相容れる訳がない、 この教会ではその話は
 タブーだったんです。 かつて、人形による殺人事件が起きていたとしても・・・。」
 「何ですって!? 」 私は驚愕した。それはそうだ、今までの話は、全て外国の伝説だと
思っていたからだ。神父はため息をついた。
 「先代の館長の頃の話です、村で何人もの少年が殺されるという事件がありました。 
 犯人は性的倒錯者のようでしたが、当初、捜査は難航しました。そんなある日の晩、
 村の青年が、大きな鎌を持った人形が路地を走り去ってゆく姿を目撃しました。
 青年は腰を抜かしてしまいましたが、近くを通った駐在に助けられ、人形のやってきた
 道を辿ります。すると、一軒の小屋がありました。中をのぞくと、カラダをバラバラにされた
 男の死体があったのです。 村で変わり者とされてた男の死体でしたが、よく調べると、
 その小屋から、以前に殺された少年達の遺品が見つかったのです。
 以来、それはメリーの報復だという噂が、村人達の間にあっという間に拡がったのです。」
414本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 18:47:52 ID:v1D3B3cy0
第十二話
 突然、私の携帯が鳴った。編集長からだ。
 「神父様、すいません、失礼します。」 神父はどうぞ、というジェスチャーをとった。
 「ああ、編集長、おはようございます、すいません、正午までにはそちらに・・・?
 えッ!? 隣町で建設会社の作業員3人の斬殺死体ッ!?
 その建設会社って、あの県議会議員の一族が経営している・・・ハイ、すぐに・・・!」
私は反射的に神父に目をやった。初老の神父は目を見開いて驚いた様子だったが、
静かに十字を切って天を仰いだ・・・。

他にも聞きたい事があったのだが、私は神父に別れを告げ、地元の新聞社に向かった。
そこで手に入れた情報を整理してみると、斬殺死体は、正確には、建設会社の
末端の子会社で、ヤクザのダミー団体とも言われていること、また、そのうち二名は、
この会社に昨年から働いている中国人労働者のようだ。三名は、作業現場のプレハブ
小屋で酒盛りをしていたが、その前までは町の風俗店にいたことが判っている。
作業現場は荒らされており、激しく争っていた様子が伺えられる。
死体は全て鋭利な刃物によって切り刻まれ、日本人男性の携帯には、
直前まで何者かと、短い間隔で何度か通話していた記録が残っていたという。
私は、昨日までのまとめた原稿と、今回の事件の速報を編集長に送り、
「今後さらに急展開する恐れがある」ことを伝え、了承をもらった。人形の件は伏せたが・・・。

薄暗い、曇り空の事件現場では、警察が厳戒体制を敷いていた。
私は昨日、老夫婦の心中の件で私を聴取した、若い刑事をその場で見つける事ができた。
 「いやぁ、昨日はどうも」 若い刑事は立ち入り禁止区域外にいた。
 「ここは刑事さんの管轄ではないんじゃあないのですか?」 
刑事はためらってた様子だったが、私に口を開いてくれた。
 「別件ですよ、・・・多分もう、発表するだろうから言いますけど、監禁事件の方、
 二件の被害届けが取り下げられた。じき、森村容疑者は拘置所を出ます。」
 「何ですって!? そんな馬鹿な! 何故、被害者が・・・!?」
言いかけて、ハッと恐ろしい考えが私の頭に浮かんだ・・・。
 「ま、まさか・・・、あの自殺とされた女の子の事が原因で・・・。」
415本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 18:52:21 ID:v1D3B3cy0
次回から物語は佳境に入ります。
舞台は最終決戦(?)の地へ!
416本当にあった怖い名無し:2006/01/06(金) 19:09:13 ID:qhknNUMFO
イイヨイイヨー
417名無したん(;´Д`)ハァハァ:2006/01/06(金) 19:17:02 ID:chGX3AiP0
いままで数多くあるメリーストーリーの中では最もオカルトらしいメリーだな…!
激しく文庫化希望
418126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/06(金) 23:00:29 ID:Q+Iiyw2L0
すごーい!おもしろーい!
続き気にナリス・・・
419始まりの死、始まりの生:2006/01/06(金) 23:21:45 ID:fUwKlgrm0
壱の章
>>204・≫240〜244・≫247≫248≫251 
間章>>252 ・365 関係無さそうで有ったり、有りそうで無かったり.....気にするな

二の章
メリーサイド>>259〜260 ≫280 ≫294・295 ≫340   メリーの呟き1>>349

第三章
狙われた被害者 >>350・351≫358〜361≫366≫407
訂正文>>388       

メリーの呟き2>>357










メリー「総ては繋がっているんだよ・・フフフ・・繋がってイナイって・・・殺してあげます、
初めは痛いけど病み付きになりますよ」
モニターの外、現実へと凍るような刃物を突き立てる・・・・
420本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 00:00:23 ID:v1D3B3cy0
>>419 
わくわく
ちゅるちゅる!

>>417 ・・・オカルトなのかどーかは自信ありませんが、
ダークヒロイン系のイメージで妄想してます!

126さんの鈴木は? ・・・じゃなくて続きは? 
421126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/07(土) 00:03:51 ID:AyVEaY7C0
Ladyさん・・・
あまりのすばらしさに・・・ww
大御所芸人が出た後の舞台に出て行かなければいけない新人芸人の気持ちでいっぱいですww
422本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 00:22:17 ID:fjHDTiVY0
大丈夫大丈夫、芸風違うから。
私だって、126さんや「始まり〜」さんのジャンルが、自分のとは違うと思えたからこそ、
書き込み、始めれたんだし。

そのまえはペリーさんとか言ってたし。
423始まりの死、始まりの生:2006/01/07(土) 01:03:59 ID:de0G+9LP0
俺は今表口の前にいる、しかしなんだ 椅子で殴っても空かないぞ、
向こうは長卓で攻城兵器
の様に突いているし・・・拡散防止フィルムでも誰か貼ったのか、
にしては貼られた形跡が無い、マサカズの言った事は冗談では無かった事は
はっきりした、誰が一体何のために・・・・誰が得をする、
「・・・・・・・・」キセルに入れた刻み煙草に火を付ける、
得をする・・・怨恨の線は無い、テロリスト・・・爆殺か跳ね殺しだな、となるとメリー関係か
ヤレヤレ俺は呆れたように首を振る。

其ころ
マサカズは廊下を歩いていた、3階のだ此処には警察の備品の他
拳銃等の保管所が有る、ふっとマサカズが眼をやると其処に、着物を着た少女がいた
「誰か探しているのかな」少女に対し中腰になる、「お腹・・・空いたの・・」
次の瞬間、少女の持ったマリに切れ目が薄らと入り段々と裂けていく

「!!」漸く自体を察したマサカズは拳銃をホルスターから抜こうとした、
だが次の瞬間「ガァ・・ ・ ・」 腕が無くなった否食われた
少女の持ったマリに・・・・パックマンの様に口を開いた鞠が次こそはと開いていた。

痛みに悶える人を見て「一回で食べられれば苦しまないのに」次の瞬間
其処には血溜りが、あるだけだった。
424始まりの死、始まりの生:2006/01/07(土) 01:08:52 ID:de0G+9LP0
「第三のメリー登場・・・・・・ふ ふ ふ ふ
と言うわけで第三のメリーの登場です
マダマダ続きます」。 コツン

「ン」バックンチョ 「お痛は駄目ですよ、あらあらこんなに口を紅く汚して」
425始まりの死、始まりの生:2006/01/07(土) 01:26:44 ID:de0G+9LP0
いけね、別の小説に出すはずだったキャラ使っちまった・・・・・鞠に食われてきます
426本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 01:31:40 ID:fjHDTiVY0
どうぞ! 気分をリラックスしてください。粗茶ですが・・・。

つ旦~
427126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/07(土) 01:38:42 ID:AyVEaY7C0
お疲れです!
Ladyさん、安心してください、ちゃんと書きますからwww
今はお二人がいて心強いですよ!

ボクが始めたころはあまり誰もいなくて・・・。
一人で書き続けて以降かなって思っていましたから。
待っていてくれる人もいるみたいなのですごく励みになります!

これからも皆さんよろしくです!早くかけ!ッていわれるとすごくうれしいですから!
428本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 02:34:34 ID:HG1+a2p/O
>>126氏早く書け!!!
(*´ω`*)wktk♪



始まり氏とLady氏もこれからも応援してるよ〜♪wktk♪
429本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 07:42:41 ID:9QQZwKFdO
ペリーさん懐かしいなぁ

私ペリーさん。今浦賀にいるの。
430本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 08:08:53 ID:MKp/CsQTO
定期的に話を出してくれる、すばらしい職人さん達のおかげで毎日楽しめます!
こんな良スレ久しぶり。
みんな頑張って!
431本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 16:47:11 ID:fjHDTiVY0
ちょっと早いけど、よろしいかしら?

投下しま〜す。
432本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 16:54:21 ID:fjHDTiVY0
第十三話
 「被害届けを出すかどうか悩んでいた少女が死んだ・・・既に被害届けを出していた他の
 女の子達はどう思ったのかな・・・。」
若い刑事は独り言のようにつぶやいた。
 「まさか、脅迫・・・その為の材料にするためにあの子を・・・。」 
自分の体が震えているのがわかった。止められそうにない。
 「和解を申し出ていた弁護士以外に、彼女達に何らかの接触をした者がいるんじゃないか、
 と思って、調べてたら、ここの責任者に行き着いたんだけど・・・、死体になっちゃ
 これ以上は無理かな・・・。」
 「これ以上は捜査できないと・・・!?」
 「監禁事件は終了、自殺・心中事件もこれ以上捜査の必要なし、と上が判断すれば
 そうなるでしょうね。こっちの事件は確実に殺人だから、
 むしろ、こっちに力を入れる事になるだろう。死体の損壊程度から言って、
 中国マフィアが絡んでるかもしれない。」
私は我慢ができなくなって叫んだ! 
 「では、自殺に見せかけられた少女の真犯人は捕まえられないッ!
 指示をした警察OBには手出しできないと、言うのですか!?」
刑事は眉をしかめ、別れ際にこうつぶやいて、私から離れた。
 「だから何度も言ったでしょう・・・我々は証拠がなければ動けないんです・・・。」

私はもはやジャーナリストとしてより、一人の親としての想いが自分を動かしてたように思う。
心中した家族が自分の家庭に重なり、また今朝、神父から聞いた、天国にも行けない少女の話、
永遠の苦しみを味わう悲しい話を、この痛ましい事件に重ね合わせていた。
もしも麻衣が同じような目に遭うとしたら・・・、私には麻衣の怖がる姿すらとても
想像できない・・・誰も助けに来てくれない、逃げる事もできない永遠の絶望・・・。
あの家族の尊厳を守り、少しでも恨みを晴らしてやりたい、
できうる限りのことを調べてマスコミに公表する。それが私のなすべきことだ。
この時、この建設現場の三人が誰に殺されたか・・・、彼らが何か知っていて(もしかしたら、
彼女を自殺に見せかけて殺した実行犯かも)、口封じの為に殺されたのではないか、
と私は思っていた。妻の「無理はしないでね」という、電話の声も頭に残る。
だが、私は車を走らせるしかなかった、県議会議員の自宅に向けて・・・。
433本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 17:00:07 ID:fjHDTiVY0
第十四話
・・・とは言ってみたものの、高い塀に囲まれた大きな屋敷には何者をも拒むような
雰囲気が醸し出されていた。入り口は閉じられており、脇に小さなインターホンが
あるのみだった。近くには何人かの報道関係者がいた。顔見知りもいたので声をかけてみた。
 「や、寒い中、お疲れ様、誰かインタビュー、やってみた?」
 「ああ、伊藤さん、どーも、駄目だねぇ、お手伝いさんらしき人しかインターホンは
 出ないし、本人なんか一歩も表に出やしない。せめて、二階の窓から顔だけでも
 出してもらいたいんだけど・・・。」 釣られるように私は塀の上にわずかに見える、
階上の部分に目をやった。  !
 ・・・何か動いた・・・? モノトーンの細い物体・・・
 「な・・・? 今、何かいたよな!?」 私は興奮気味に確認を求めた。
 「えっ? 猫かなんかじゃないんですか?」
 「えっ、猫? いや・・・もっと大きくなかったか・・・?」
もう一度目を凝らして見たが、もう動くものは見えない・・・。
私は急に思い出した・・・神父から聞いた動く人形の物語を・・・。
 そして
麻衣の電話・・・お祖母ちゃんの 予言(?)めいた言葉を思い出した・・・。
 「お 人 形 さ ん に よ ろ し く ね 」
その言葉が何を意味するのか・・・背筋が寒くなった・・・。

たぶん・・・私はその時、周りの声や音が耳に入ってなかった。
恐らく 「おいおい、伊藤さん?」 とか言っていたのではないだろうか?
私は屋敷の正面入り口までゆっくりと歩き・・・、
そして力強くインターホンを鳴らした。
プルルルルル カチャ 「はい? どちら様でございましょう?」
私は何かに憑かれていたのかも知れない、さっきまでなら思いも寄らない言葉が
自分の口から出ていた。
 「隣村の○○神父の使いで来ました・・・。
 県議会議員のご主人様にお会いしたいのですが・・・。」
 「? 一体、どのようなご用件で・・・?」
 「まずはそう、伝えていただけませんか?」
434本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 17:04:25 ID:fjHDTiVY0
第十五話
 「少々お待ち下さいませ。」
しばらくすると、インターホンのスピーカーから先程の女性の声が再び聞こえた。
カチャッ 「どうぞ お入りください。」 門のロックが開いたようだ。
周りからどよめきが起きる。中に入ろうとすると、先程の知り合いが、
 「伊藤さん、どうやって入れてもらったんです? 後で取材内容教えて下さい!」
と、寄ってきたが 「ごめんな、取材じゃないかもしれないんだ。」
としか言えず、困った表情をしてみせた。向こうも困惑している、
そりゃあそうだろう。 自分でもこの先どうしたいのかよく分らない。
広い庭には池もあり、鯉も泳いでいるようだ。古ぼけた灯篭や豪勢な松の木、
向こうには立派な倉もある。あちこちにガードマンと思しき人物が立っている。
玄関にようやくたどり着き、敷居をまたぐと、体格のいい男に迎えられた。
 「いらっしゃいませ、秘書の丸山と申します。こちらへどうぞ。」
用意されたスリッパを履き、案内されたのは立派な応接室だった。
私は手袋を外しコートを脱ぎ、これまたいくらするのか想像つかないソファに座った。
 「議員先生は・・・?」と尋ねると、きっぱりと言われてしまった。
 「先生は初対面の方に、直接お会いする事はありません、
 まずは私に用件をお伝え下さい。」 なかなかうまくいかない・・・。
私が切り出し方を躊躇していると、丸山の方から問いかけてきた。
 「○○神父の使いの方、という事ですが、本当ですか? 名刺か何かお持ちですか?」
 「あ? ・・・え、神父のところから来たのは確かですが、ここへは自分の意思で・・・」
マヌケにも自分の名刺を差し出してしまった。丸山は名刺をチラッと見てため息をついた。
 「お帰りいただけますかな。」
 「・・・いや、待って下さい! ここの先生の命を狙ってる者がいるかも知れないんです。」
一瞬、場の空気が止まった。丸山はしかし動じず、そのまま私に質問した。
 「ほう? どこで知った情報か教えてもらえますかね・・・?」
質問と言うか恫喝だ。だが、ここでひるむわけにはいかない。
 「例の・・・お孫さんが起こした監禁事件、被害者の一家が心中したのはご存知ですか?」
丸山は顔色一つ変えない。
この時、彼の内ポケットの携帯に一本の電話がかかってきた。
435本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 17:12:33 ID:fjHDTiVY0
第十六話
丸山はゆっくりと携帯を取り出し発信者を確認していた、少し怪訝そうな
表情をしていたのは私も見て取れた。
 「いや、存じませんでしたな。」 家族の死にも電話の着信にも彼は冷たかった。
 「で、不幸なことですが、当方にどういう関わりが・・・?」
私は息を飲んで、彼を揺さぶる発言を行おうと試みた。
 「彼らの車から遺書が見つかりました。私も神父もそれを読んでおります。
 遺書には、ここの先生とお孫さんに恨みを残し、殺し屋のようなものに依頼を
 行ったと読める件(くだり)がありました。」
さて、どんな反応をする?
 そこにまた携帯の着信、タイミングがいいのか悪いのか?
勢いを外されて私は 「よろしければ電話をどうぞ 」 と言う他なかった。
丸山も再び回線を切ろうとしていたようだが、私の言葉につられてか、
 「では失礼。」と言って窓際で電話を受けることにしたようだ。
 「は? 誰だ、君は?  ・・・もしもし?」 だが、電話はすぐに切れたらしい。
 「間違い電話ですか?」 「いや、イタズラの方かもしれません、失礼しました。」
 「で・・・殺し屋・・・ですか?」 丸山は再びソファにもたれて言った。
 「困りましたなぁ、娘さんの自殺を恨まれても逆恨みとしか・・・。」
 「逆恨み・・・ですか?」 なんとか本来の話に持っていかねば。
 「と、思いますがね。」 
 「では・・・、今朝方ここの関連会社の労働者が殺された事件は? あれは実行犯への
 復讐とは考えられませんか?」
最初は口封じの為の仲間割れだと自分でも思っていたのだが、実際その説も有りだな、
・・・じゃあ「誰が」ということになるのだが。
 「そちらも無関係ではないのですか? いづれにしても警察の捜査待ちでしてね、
 しかし・・・この日本で殺し屋ですか・・・? 事実だとしたら誰に頼むのでしょうね?」
丸山の落ち着き振りが癇に障る。どうすれば核心に近づけるのか?
 「この土地の者なら、メリーにでも頼むんじゃないのですか?」
やけ気味に放った一言だったが、突然、丸山の様子が変わった。
 「・・・メリー!? 君『達』は私をからかいに来たのか!? どうやって私の番号を知った?
 何が 『わたしメリー 』 だ!? 何が 『お屋敷の前にいるの 』 なんだ!?」
436本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 17:17:44 ID:fjHDTiVY0
・・・永らくお待たせ致しております。
いよいよクライマックスです。
次こそ「彼女」が活躍いたします。皆様の期待を裏切らないよう、
ぐわんばります!
437本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 17:48:58 ID:HG1+a2p/O
ワクワクしすぎてオデコと鼻の頭がテカテカしちゃうよ!!!
438始まりの死、始まりの生:2006/01/07(土) 21:19:51 ID:de0G+9LP0
「私は彼方たちが、メリーと呼ぶ存在の一人・・・
私酷い事してないのに・・・
・お腹すいた・・・次スレ付けた人間食べちゃお!」
439本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 22:50:47 ID:2BAEMhdWO
>>438
16歳DT。
食べちゃってください。
440始まりの死、始まりの生:2006/01/07(土) 23:38:02 ID:de0G+9LP0
>>439
「・・・・・鞠が食べたくないって・・・」徐に>>436の両肩を掴む
「仕方ない・・・・裂こうっと」
441本当にあった怖い名無し:2006/01/07(土) 23:52:28 ID:fjHDTiVY0
裂くな、こら。

やさしくもんで・・・ううん、もっと力強く!
「あっ・・・」
442本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 07:33:58 ID:qHs8Kqec0
>>441
ww
443本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 11:17:49 ID:vci4YPfY0
126!
早く書け!
お前だけだぞ!さぼってるのWWW
きたいしてるんだから!がんばれよ!
444本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:13:17 ID:APwKEI5n0
う〜、実を言うと大晦日にエアコンがぶっ壊れた。
一昨日よーやく、管理会社に連絡つけて、昨日、修理の人に来てもらったが、
部品を取り寄せなければ直せない、とのこと。
コタツはあるが上半身が寒い。
では、日曜なので、早めに投下。
445本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:18:01 ID:APwKEI5n0
第十七話
丸山の豹変にこちらが驚かされた。
 「・・・? ちょ・・・え? 何のことです!? 今の電話のことですか?
 私はあなたの番号なんて知りませんよ!」
丸山は立ち上がってこちらを見下ろした。戦ったら、間違いなく勝ち目はないな・・・。
 「では、何故 『メリー』 などと口にした!?」
 「ですからそれは遺書に・・・・・・!」 いかん、余計なことまで言ってしまった。
丸山はニヤリと笑って、再び落ち着きを取り戻した。
 「・・・お帰り下さい。先生には伝えておきますよ・・・。」 有無を言わせぬ態度・・・、
担がれたのはこっちだったのか・・・。私は万策尽き、落胆しながらコートを取ろうとした。

その時、またもや丸山の携帯が鳴った。
彼は 「またか」 とでもいう風に画面を見た。
 「もう演出は終わりだと、言ってあげるんですな。」
 「?」 私は未だに何のことか分らずに、彼から携帯を受け取った。電話に出ろというのか?
携帯を耳に当てると、聞いたことのない女の声で、小さく、はっきりとした音声が流れてきた・・・。

   「 わ た し メ リ − 、 今、こ の お 屋 敷 の 中 に い る の 」

それを聞いた瞬間、全ての身体の毛が逆立った・・・!
また、全ての謎というジグソーパズルが組みあがったかのような錯覚に陥った。
私は声にならない声をあげ、叩きつけるように携帯を丸山に返した。
今度は混乱したのは丸山のほうだ。私の錯乱振りが演技ではないと感じたらしい。
すぐに携帯を耳に当てたが、もう切れているのだろう、すぐさま携帯を閉じて
私に怒鳴りつけた。
 「おい! 『メリー』 とは誰だ!? 何者なんだ!?」
私は先ほど取りかけたコートと手袋を握り締め、震えている事しかできなかった・・・!

 「の・・・呪われた・・・少女の 人形・・・?」
446本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:23:09 ID:APwKEI5n0
第十八話
突然、家中に叫び声が響き渡る! 私も丸山も視線をドアの外に向ける。
程なく家のあちこちから大勢の男達の、ドカドカという足音が聞こえた。
ドアを開けて、丸山は近くを通った男を呼び止めた。
 「どうした!? 何があった!?」
 「竹下が・・・殺されました・・・!」
 「・・・暴漢でも侵入してるのか!?」
 「分りません! 叫び声をあげたのは書生の井口です。ただ・・・、井口は竹下のそばで、
 動くマネキンのような物を見たと・・・! 竹下は首を切断されてます!」
丸山はこちらを一度振り向いた後、もう一度部下と思われる男に話しかけた。
 「先生の護衛は?」 「現在、三名が!」 「あと二人補充しろ!」 「はい!」
そして部屋の入り口にあった内線で会話を始めた。
 「あっ、 先生、 すいません! ハイ、ご安心してください。すぐに騒ぎを収めます。」
丸山は静かに受話器を置くと、もう一度、ちぢこまっている私のそばに寄って来た。
 「もう一度聞く、 この屋敷に侵入してるのは・・・『メリー』 か!?」
私にわかるはずもない、だがこう答えるしかなかった・・・。
 「は・・・い、そう・・・としか考えられ ません・・・」 言い終わらないうちに次の質問が来る。
 「さっき、人形と言ったか? 何故、人形が動く? 仮装じゃないのか!?」
私は震えながら、自分の聞いてきたことを必死で思い出しながら答えた・・・。
 「・・・殺された恨みや、行き場のない魂がエネルギー源・・・? 自分の境遇と重ね合わせて
 動いてる・・・?」
しばらく丸山は黙って聞いていたが、私の言うことを理解したのか、あきれたのか、
ドアの外に出ようとしていた。
外はにわかに騒がしくなっていた。怒号や大きな衝撃音がこちらまで響いている。
彼がドアを開けた瞬間、その隙間から遠くで「何か」が通り過ぎるのを見た。
先ほど屋根の上で見かけたものだ!
丸山の目にも映った様だ。

悲鳴が続いた! 家具の飛ぶ音! 花瓶やガラスが砕け 家全体が揺れる!
庭にいた警備員もが続々と集まっているのが、音の方向でわかる。
447本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:30:50 ID:APwKEI5n0
第十九話
丸山は静かに出て行った。
騒ぎは静まろうとしない。私は必死に冷静になろうとした。
相手が例え危険な暴漢だとしても、これだけの人数の護衛がいて、
なぜ捕まえられない? 何か武器を持ってるのか? 「メリー」だとしたら
死神の鎌を持っている・・・?
止せばいいのに・・・私は恐怖に怯えながらもドアの外へ出て行こうとした。
扉の外・・・広間があり、その向こうは和室であった。先ほど、異形を見たのはその
和室でだと思う。応接室の入り口から見えない和室の向こうの部分では、
怒鳴り声と争いあう音が聞こえている。
既に応接室では足の踏み場がないほどだ。スリッパを履かせてもらってなければ、
ガラスで足を切りそうだ。
あたりを慎重に見回し、ゆっくり移動しているうちに騒ぎは静かになってきていた。
いや、騒ぎの音が少なくなったというべきなのか・・・、
応接室から和室へ移動する際、廊下で仕切られているのだが、
その廊下じゅうに・・・秘書やガードマン達の肉体が転がっていた!
血の海であった・・・。転がっている身体は、全く動かないもの・・・ピクピクと痙攣しているもの、
身体の一部分がなくなっている者・・・私の足からはもう、力が抜け去ってしまい、
動くことができずに、そこにしゃがみこんでしまった。。
気がつくと廊下の先から、ゴッ ゴッ とゆっくりとした足音が聞こえている。
木製の廊下でハイヒールを履くと、こんな音がするのだろうか?
私の視線は廊下の壁に釘付けになった・・・。壁に「それ」の影が映っていたからだ。
もう男達の声も、争う音も聞こえない。影はだんだん、こちらに向かって近づいてくる・・・。
そしてついに、細い廊下の先に、不気味な光の鎌と共に、
 私の眼前に 「彼女」が姿を現した!
紛れもない人形! 銀色に光る長い髪、薔薇の刺繍の黒いドレスを纏い!
ウェストは白いコルセットで締められ、肩やドレスの裾からは折れそうなほどのか細い手足!
そしてその素肌は不気味なほどに青白い・・・!
ゆっくりとした動作で「彼女」はこちらを振り返った・・・私の存在に気がついたのである。
彼女は銀色の瞳をグルッと動かすと、文様のある大きな鎌を振りかぶって近づいてきた!
 ああぁ・・・百合子!  麻衣ッ!
448本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:39:04 ID:APwKEI5n0
第二十話
私の頭上を巨大な何かがかすめ飛んだ!
それは人形に激突して「彼女」は弾き飛ばされる。かろうじて後ろを振り返ると、丸山がいた。
丸山が投げたのは、和室にあった巨大な壺のようだ。大音響と共に「人形」は床に倒れた。
丸山はラグビーか柔道をやっていたのか、すぐさま「人形」に突進し
アラベスク文様のある鎌を蹴り飛ばした。武器がなければどう考えても人形に勝ち目はない。
・・・だがそれは私や丸山の思い違いだった。
丸山は馬乗りになって石膏で覆われた人形を殴りつけていた。しかし、
考えれば当然なのだが、殴ったところで人形にダメージはない・・・。
そのうち人形は細い腕を丸山の首に延ばし、彼の首を押さえ始めた。
彼も殴るのを止め腕を押さえにかかったのだが、みるみる顔が青ざめ紫色になり始めた。
あの細い人形のほうが力が強いというのか!?
私は耳を疑った・・・このとき、人形ははっきりとしゃべったのだ。

 「わたし・・・メリー、 抵抗すら 許されず 縄に吊るされた 少女に 安らぎを 」
 「うおぉ!」 丸山は必死に人形ごと立ち上がり、首を絞められたまま人形を壁に叩き付けた!
その衝撃で指が離れたようだ、間髪入れず丸山は人形の身体を逆さに持ち上げ、
頭からまっ逆さまに廊下に叩き付けた! 決定的な鈍い音が廊下に響く・・・。
彼はむせりながら、なおも人形の身体をけり続けた。既に人形の首は、支柱が折れたのか、
変な角度に折れ曲がったままだ、人間ならとうに死亡しているだろう。丸山はそのうち
蹴るのを止め、その大きい肩で息をしながら、人形を黙って見据えていた。
だが、もう人形はピクリとも動かない・・・。
私はようやく口を開けることができるようになっていた。
 「ま、丸山・・・さん、あなたが・・・あの子の殺害を・・・?」
丸山は私のほうを見たが、咳き込むだけで何も答えなかった。
 プーッ 内線が鳴っ。丸山は、人形に、もはや何の反応もないことを確かめると、
ゆっくりとわたしを通り越し、広間の向こうの受話器に向かった。
そこまで目で彼の動きを追った後、私は再び「人形」を見ようとして、信じられない光景を見た。
   そこには 人形も 鎌も 残っては いなかったのである。
 「もしもし 私 メリー 今 あなたの 真上に  いるの 」
449本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 13:43:16 ID:APwKEI5n0
やべ、>>448 下から五行目、
「内線が鳴っ。」・・・×
「内線が鳴った。」・・・○
すいませんです・・・。

いよいよ次回でラストです。
450126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/08(日) 14:15:55 ID:wMpemFou0
うう・・・終わるの?今日で終わっちゃうの・・・涙
早く読みたいような・・・。
もう少し楽しんでいたいような複雑な気分ですww

手に汗握りますね!!
がんがってください!
(お前も書けよ!っっていわれるのが・・・うれしいキャッ)
451始まりの死、始まりの生:2006/01/08(日) 18:41:02 ID:bJoIha8I0
>>444
そんな時はハンテン着ると良いよ
452本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 19:21:37 ID:APwKEI5n0
>>451 ハンテンかぁ・・・
♪ 赤いハンテン着ーせましょか・・・ 嫌アアアアアァァッ!

>>450 いや、あの、「今日で」 じゃないぞ・・・。
とゆーわけで
「はよ、書かんか、こらぁ!」
夕飯食べてこよ。
453126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/08(日) 22:37:11 ID:kL1zFIzFO
Ladyさんって…関西人?ニヤリ
454本当にあった怖い名無し:2006/01/08(日) 23:39:06 ID:APwKEI5n0
関西? 関西は・・・住んだ事ないなぁ。
そんな事よりな、はよう書かれ、な? 
まっとる人も大勢おるんじゃろ? 

あとさらにゆーならば、
一般の名無しさんのカキコミがないのが気になる・・・。
一発ギャグやパロディものでも面白いのは好きなんだが。
みんなカモ〜ン!
455本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 00:05:06 ID:hEEcV3C10

私関西、今福山にいるの。

私関西、いま蓋を探しているの。

私関西、いま柵がみつかったの。

私関西、冷蔵庫がみつかったの。

私関西、いま区ら(ry


(「関西」に反応してしまった、いまは反省している。本物の関西様ごめん)
456126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 01:42:02 ID:gk/GS3sw0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376】
33番目←いまここ
457126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 01:42:35 ID:gk/GS3sw0
33番目
あれから家まで、特に何を話すでもなく、俺はメリーと手をつないだまま帰った。
少し照れくさかったけど、なんでもない日常の風景の中にメリーとともにいれる事。
それは俺のもっとも望んでいたことだった。メリーはさまざまな負のエネルギーを糧にし
て、今まで伝説と呼ばれるまでに成長してしまった存在だ。もとは一体の人形、もしくは
一人の少女。もしも人形にも存在としての魂があるというのならば、少女と人形の魂に刻
みこまれたもの・・・。それは、見向きもされず、大切にもされず、捨て置かれた存在と
しての孤独・・・。彼女たちの中に根強く刻まれているものは、わずかな施しややさしさ
では解消され切れるものではない。そして、この孤独こそが人形メリーをイキモノとして
いる原動力に他ならないのだ。俺は少しでも長くメリーを見ていたい・・・。
しかし、メリーの抱えるその悲しみや寂しさを癒してやりたいとも思う。それがメリーの
イキモノとしての力をわずかでも奪うことになっても、俺はメリーの心を癒してやりたい。
そう思っていた。自分がかつて置かれた状況。それを救ってくれた俺の親父のように。
帰り道、なんだか楽しそうにつないだ手を振っているメリーを見て、何も声をかけられな
かったのが本当のところだった。今日何故俺のところまで来たのか?何故俺を殺そうとし
なかったのか?何故鎌を手に取らなかったのか?何故・・・。
一度口を開くと、さまざまな疑問が次々と出てきてしまいそうで、それを口にすることで
メリーの笑顔が曇るのがいやだった。少しでも長く、幸せに目を細めた笑顔を隣に感じて
いたかった。

家の扉をあけるときになって、ようやくメリーと手を離す。手を離すときに、少し照れた
ような顔をして、へへっと笑顔を俺に向けた。それは俺自身に向けられたはじめての笑顔
だった。
458126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 01:44:24 ID:gk/GS3sw0
まずは一個だけです・・・すいません・・・

「はよ、書かんか、こらぁ!」
が関西弁かと思ったww
さて今日のうちにもう一個だけ書きます・・・今から・・・
がんばりますね・・・。
459126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 02:09:05 ID:gk/GS3sw0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457】
34番目←いまここ
460126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 02:09:36 ID:gk/GS3sw0
34番目
家に入ると、メリーは洋服のかけてあるクローゼットの前に飛んでいった。壁にかけてある
鎌を見る。俺が置いたときとなんら変わりなく、そこにある鎌。
俺は横目でメリーの様子を伺いながら、鎌を手にとってみる。
ぐうぉぉぉぉぉぉんんん
何かが流れ込んでくる。俺の中に何かが・・・どろっと粘り気を持った何か不快な感情の流
れのようなもの。それは決してメリーのものではない怒りの塊のようなもの。
俺は思わず鎌を投げ捨てた。大きな音が床に響く。メリーが振り向いた。俺ではなく鎌をじ
っと見つめているメリー。今までの無邪気な表情ではない、高貴な冷たい目線。ゾクッとく
るような、それでいて澄み切った透明感を保った無表情さ。その冷たい目線のまま、視線が
ゆっくりと俺の方に向かう。
「何をしているの?」
小さな唇はあまり動かずに、感情を込めずにそう言い放った。
「いや・・・ただ・・・」
俺はメリーに見据えられて、固まっていた。そうだ幸せなときは終わったのかも知れない。
最後の時・・・。それならば俺はメリーに告げなくてはいけない。人をかることを好んでは
いないメリーには非常につらい言葉・・・。
メリーは最初、俺に会ったときに言った
「・・・怖がらせれば、それで・・・よかったの・・・」と。
そして続けて、
「でも・・・とめることはできなかった」と。
そして、俺はそんなメリーを見ていて確信したんだ。この子は人を殺すことを楽しんでいる
わけではない、むしろそのことすらも彼女にとっては大きな苦痛なのだと・・・。
その彼女に、俺は告げなければならない。
次は・・・有無を言わさずに殺せ!
振り返るのを待つことなくころせ!と・・・。
つづく
461126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 02:17:03 ID:gk/GS3sw0
ごめんなさい・・・今日はここまで・・・
462本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 02:34:43 ID:Lu7qgyZ70
きたわ〜ん! ガンガン書き込んでちょうだいね!
463本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 03:25:37 ID:TKbCc00JO
いったいどうなるんだ?!最初見た時は単なる妄想日記みたいなもんかと思ってたが…上手い…今日も堪能しました☆

Lady氏もあと少しで第2部完結か♪熱い展開にwktk♪

始まりさんは…なんか面白い遊びしてるねwww
464始まりの死、始まりの生:2006/01/09(月) 14:51:10 ID:2wiAk9VF0
>>463・・・彼方もめりーなの?・・・・この子はアゲナイヨ・・・」
465本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 15:16:54 ID:NQ4H7VHcO
その後、>>463>>464の姿を見た者は、誰もいなかった
466本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 16:08:43 ID:zR9EFGxs0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`;\ )< というお話だっ…え?
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
||__|        | | \゚∀゚) <  私メリーさん。
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂\_____________
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

467本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 16:42:34 ID:DKt+/nh2O
126さんの小説ヒトメボレした

これからも頑張ってね

つまらないものですが差し入れ
ttp://k.pic.to/3svhi
468本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:30:05 ID:Lu7qgyZ70
・・・ふぅう、いってみますかね?
21話から25話までですよ。 では・・・    ど〜ぞ〜!
469本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:32:39 ID:Lu7qgyZ70
第二十一話
私が振り返るのと、丸山の驚愕の咆哮、どちらが先だったかは分らない。
丸山が顔を天井に向けたときには、既に人形は柱と天井に器用にしがみつき、
圧倒的に存在感のある不気味な鎌が、彼の首を射程距離内に収めていた。
・・・まるでカマキリがエモノを捕食する寸前のように。
次の瞬間、私が見たのは、丸山の咽喉に突き立てられる刃、
そして、そこから溢れる真っ赤な鮮血。
丸山は受話器を握り締めたまま、ドサッと床にその巨体を沈み込ませた・・・。

「人形」はゆっくりと床に舞い降りた・・・。不気味なほど静かに。
私は再び絶望の恐怖に襲われた。
首が変な角度を向いたまま、足を引きずりながら・・・先ほどの鎌を携えて向かってくる・・・。
駄目だ もう 助からない・・・ それでも私は最後まで「生」にしがみつきたかった。
 「・・・お願いだ! 私は関係ない! たすけて・・・
 妻と・・・娘がいるんだ・・・生きてた時の 君と 同じように 可愛い娘が・・・
 私の帰りを 待っているんだ! おねがいだ むすめが 麻衣が泣いてしまう・・・ 」
私は泣き叫んだ。自分の置かれた状況・・・目に浮かんだ愛娘の姿・・・
どちらによるものかは分らないが、両の瞼からはどんどん涙が溢れてきた。
その時、何故か泣きじゃくる麻衣と、「人形」の過去が私の脳裏で重なっていた。
見ればこの人形もボロボロなのだ。・・・相次ぐ戦闘のためか、薔薇の刺繍の黒いドレスは
あちこち破れ、手足の関節も正常ではない角度に曲がっている。
銀色の髪はボサボサに乱れ、首もずれ足も引きずり、
その白い手足や端正なはずの頬の表皮は、石膏がはげてボロボロになっていた。
人形の目の下の、はげた石膏の跡が、大粒の涙を流した跡のようにも見える・・・。
 「怖かった・・・のかい・・・?」
私の口からは、その場の状況にそぐわない言葉が出た。「彼女」は私を黙って見つめている。
 「苦しかったのか・・・? 今も苦しいのか・・・? メリー・・・?」
・・・人形は私の言葉を理解してるのか、全く聞こえてないのか、その表情や仕草からは
全く読み取れない・・・。ただ一点、曲がった首の瞳が、いつの間にか私というより、
私の手元に注がれていることに気がついた。
私が握り締めているある物に。
470本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:35:29 ID:Lu7qgyZ70
第二十二話
私が握り締めていたのは、コートと、妻からもらった毛糸の赤い手袋だった。
私はほんの一瞬、それらに目をやり、再び人形の視線を追った・・・。
やはり赤い手袋を見ているようだ。人形は、ゆらゆらと微妙にカラダを動かしているが、
先ほどからほとんど動かない。
私は恐る恐る、赤い手袋を持った手を動かし・・・人形のほうへ動かしてみた。
・・・! やはりその銀色の眼球は手袋を追っている。
何故・・・!? 私は必死に神父の話を思い出そうとした。
  ヨーロッパの小さな町、しつけの厳しい母親、寒い日に母からのプレゼント、失くしてしまう・・・
 あ・・・ 
私の目には再び涙が溢れてきた・・・。
 「君が・・・ママからもらって 失くしてしまったのは この 赤い手袋なのかい? ・・・メリー?」
 「一度、取り戻したけど、君は殺されてしまったから・・・、君はもう二度と手にすることの
 できなかったもの・・・それが、これなのかい?  」
「人形」は相変わらず動かない・・・。
私は涙で顔をくしゃくしゃにしながら、意を決して、一対の手袋をゆっくりと「人形」に差し出した。
しばらく「彼女」はじっとしていたが、私の動きと同じぐらい遅い動作で手を伸ばした・・・。
「彼女」の指が触れた。彼女はすぐには手袋を取らなかった。
怖かったが、私は麻衣に接するかのように、彼女の指を優しく撫でた。
硬くて冷たい指だった。彼女はその間、じっとわたしの動きを見ている。
 「ママから もらった手袋・・・ 」
その時彼女は、小さいが、はっきりとした声でしゃべった。
私がそれに驚くと、彼女は思い出したかのように急な動作で私から手袋を取り上げ、
はじけるように、応接室の窓ガラスに身体を突っ込んだ。
 うぅ らぁ らぁ
彼女はガラスの窓枠にいったんしがみつき、歌うような声をあげた後、二階へと
かけ登っていった・・・。

しばらくして、階上の遠くのほうで小さな電話の音が何回か・・・、
そして、数人の男性の悲鳴が聞こえた。 県議会議員の断末魔の声も・・・。
471本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:38:07 ID:Lu7qgyZ70
第二十三話
・・・それからしばらくして警察がやってきた。
私は重要参考人として何日も取り調べられた。
私の推測では、県議会議員(命令)→秘書丸山(工作立案)→建設現場の三人(少女を自殺に
見せかけて殺害)という仮説があったのだが、今となってはもはや無意味だ。
「人形」の話はしたが、「人形」を見たとか、「人形」が殺しまわったとは言わなかった。
応接室で、ただただ震えていたと・・・廊下に出た時にはもう血の海だったと、言い続けた。
実際証拠はないし、凶器もない。あんな大勢の警備を私が殺せるはずもない。
現場には、人形のものと思われる石膏の破片が落ちてたそうだが無駄だろう。
また、現場で生き残ったガードマン達(彼らを殺す目的はメリーにはない?)や、
家政婦の証言(彼女は争いや人形も見ていないが)などから、最終的には私は解放された。
警察の中にもベテランの中に、「メリー」という人形に思い当たる者もいたようだ。
後で知ったが、教会の神父も私の解放に尽力してくれたらしい。お礼を言いに行かねば。
仕事先の編集長には、出版用の原稿と、本当のことを書いた報告用の原稿を
両方、提出した。編集長は思いっきり対応に苦慮したようで(そりゃそーだろう)、
結局、報告用の原稿はファイルの奥底にしまわれた。日の目を見る事はないと思う。
それでも、大量殺人現場に居合わせた事や、警察に長期拘留された事をいろいろ
ねぎらってくれた。しばらく休みも頂いた。
あ、私の話も、もう終わりになるが、あの大量殺人が起きた次の日、こんな事が起きたらしい。

 ・・・拘置所から一台の車が出て行った。運転手は昨日殺された県議会議員のお抱えの
弁護士、後部座席には監禁事件の加害者・森村剛志が乗っていた。車は彼の両親の家に
向かっていたが、高速で事故を起こし、車は中央分離帯に激突した。
不幸中の幸いか、二人とも命に別状はないが、弁護士は左足切断、青年のほうは、
フロントグラスに頭から突っ込み、顔の半分を皮膚移植することになった。
恐らく以前のような甘いマスクには戻れないだろう・・・。
事故の目撃者によると、「事故を起こした車のボンネットの上に、赤い手袋をはめた『何か』
が、しがみついているのが見えた」そうだ。

では今一度、私の最後の話を続けさせてもらう。
472本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:42:51 ID:Lu7qgyZ70
第二十四話
 「あなた」
 「は・・・はい!」 百合子は滅多に熱くなることはない。常にたんたんとこちらを責める。
 「あれほど危険なことはしないでと、いったでしょう?
 二、三日で帰るどころか警察にまで連行されて・・・
 自分の立場を分っているの? あなたに何かあったら、私や麻衣はどうなるか、
 考えたことあるの? 正社員じゃないあなたは労災もおりないのよ。」
私は小さくなって妻に平謝りだ・・・休みをもらって嬉しいのか嬉しくないのか・・・。
 「はい、もうおっしゃるとおりでございます、返す言葉もございません・・・。」
 「それであなた」
まだ来るよおぉ!
 「私が編んであげた・・・赤い手袋はどうなさったのかしら?」
・・・私の妻はきつい妻だったようです。
 「・・・え・・・と、向こうで失くしちゃった・・・かな?」 
人形にあげちゃった、なんて言えるはずがない!
 「その程度なのね、もういいわ、もう作ってあげません。」
 「ごめんなさい・・・百合子・・・」
妻は後ろを向いて、洗濯物をたたみ始めた。もうこの場にはいづらい!
 「・・・スロット、行って・・・きていいですか?」 小さくポツリとつぶやくと、後ろを向きながら
 「はい?」 何の感情も見えない言葉が返ってくる。どちらが人形なんだか・・・。
 「あ・・・あの、(泣きながら) 町じゅう探してきまっす!」 
魔法使いには会いませんように! 何か機嫌の良くなるものでも買ってこよう・・・。

玄関で靴を履いていると、後ろから、ばりばりとおせんべを食べながら、麻衣がトコトコ
やってきた。ああ、もう麻衣は本当に可愛い!
 「ぱぱぁ!」
 「出かけてくるね、麻衣、あ〜あ、ほっぺにおせんべつけて・・・」
私は麻衣の唇についた煎餅のかけらを取りながら話しかけた。
 「あのね、ぱぱぁ? 昼間ね、お昼ねしてたらね! 」
 「うん、うん」 
 「 お に ん ぎ ょ う さ ん が ね ! 」 
473本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:44:33 ID:Lu7qgyZ70
第二十五話(最終話)

 「 お に ん ぎ ょ う さ ん が ね っ 、 ぱ ぱ に 

   『 あ り が と ね 』 だ っ て ! ! 」


  (第二章「Ladyメリーの赤い手袋」終了)
474本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 17:52:18 ID:Lu7qgyZ70
第一章を含め、約、十日間、スレを大量消費してすみませんでした。
みなさんの反応が嬉しかったです。

それでは、みなさん、ごきげんよう!
475126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/09(月) 19:08:34 ID:eztC12610
うをををををををををををを!!

Ladyさん!激しく激しくおつです!
ああああ、今涙が止まりません。よいお話で出会えて僕は幸せですよ!

このルポライターさん、麻衣ちゃんとまた出会いたいものです!!
本当にありがとうございました。
ゆっくりとお休みください!また次回作!期待していますよ!
(スレを大量消費・・・・で言ったら僕のほうが・・・罪深い・・・)

いやいや、本当に今の感動なんかボクの文章力でLadyさんに伝えられませんね。本当に感動してるんですよ!
またきてくださいよ!
476本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 19:59:10 ID:TKbCc00JO
最高だった☆
感動をありがとう☆
477本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 20:39:16 ID:0hHhVXn8O
最初は軽い気持ちで見てたけど、どんどん引き込まれて行きました

乙です

次回作も期待してます


>>126氏も始まり氏も待ってますからね
478476:2006/01/09(月) 20:54:00 ID:TKbCc00JO
そうそう!!!Lady氏、また時間が出来たら次も書いておくれ♪
なんか最後の文面がさみしかった

おっと>>467も差し入れ乙☆
>>126氏のメリーか?(*´∀`*)ウメーナ
479本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 22:29:43 ID:Lu7qgyZ70
みんな、ありがとね!

・・・ま、いなくなりはしませんので。
以前のようにちゃちゃを入れたりいたします。

126さん、そないに持ち上げてられも、何も出やしまへんえ。
で、>>467は パソコンの人には見せてくれないのかしら?
激しく見たいのですけど。
 >>477 「最初は軽い気持ちで見てたけど、どんどん引き込まれて行きました」
こういう表現うれしぃ・・・。
 >>478 次かぁ、 第二章に伏線は入れておいたけど、エネルギーがなぁ、
いま、恨みのある人間を、全部切り捨てた直後のような状態だからなぁ。いつかね。
480本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 23:18:46 ID:xploCgFt0
読んだよ〜。
最終話の麻衣さんの言葉もよかった。
Ladyメリーさんの魂が救われますように。

あ、そうそう、伊藤さん、奥さんと麻衣さんにはほんとのこと話しても大丈夫だよ。
きっと信じてくれるよ。

#個人的感想ですが、伊藤さんの手袋で宿命から解き放たれたと思ってます。
でも、これからもメリーさん自身の意思で被害者の無念を晴らすために、同じような被害者を作らないために
死神の鎌を振るって汚れた命を絶ちつづけるのでしょうね。
481本当にあった怖い名無し:2006/01/09(月) 23:30:47 ID:DKt+/nh2O
>>479
ごめん、今設定変えますた



他の作品も読んでる所なんだけど、みんな読み応えがあって面白い w

自分も物語書くけどみんなギャグばっかだし話繋がらないから書ける人がうらやましい(-д-;)
482本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 00:12:49 ID:iMpJ4cnF0
>>481 おや、かわいい! ありがと!
おれもなぁ、絵心があれば、Ladyの絵、描きたいんだけど、
授業中、ノートに落書きしてたレベルしかないし、うpできる環境もないし・・・。
パソの壁紙、ミュシャなんだけど、そのイメージでみんな想像してもらえんかしら?

>>480 ごめんね、実は・・・あのキャラは・・・いや、何でもないです。

それはそうと今回、話のタネにしてしまった「エミリーの赤い手袋」(わっ、言っちゃった)は、
あんな感じのストーリーなんですかね?
「メリーさん、元ネタ」で、元旦辺りにぐぐってたら、拾えたんで、こっちのストーリーにあわせて
作り変えちゃったけど、大筋しかわからなかったんです。
誰か、詳しい人、いる?
483本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 01:36:20 ID:9oQDjVdQO
読み終えた感動そのままにLady氏に漏れも差し入れ☆
ttp://l.pic.to/24hy7
484始まりの死、始まりの生:2006/01/10(火) 01:41:22 ID:BH/2k57k0
「私の名前 羽柴洋子・・・」鞠を持った少女はそれ以降口を噤んだ
少女の持った物から足がはみ出ていたオオスミの変り果てた・・・・
485本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 01:45:23 ID:9oQDjVdQO
始まり氏もキタ♪
wktk♪
486本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 03:20:28 ID:xdcCv/8eO
Ladyメリーおつ

すっきりしたお
487本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 03:41:41 ID:DS3FNqKJO
真面目に、感動した…!!
駄目人間な自分にも読みやすかった…
優しさってぃぃね…w

メリーサン描いてみた…orz
下手だが、メリーの思いを込めた!!!携帯からでスマソ。
http://k.pic.to/3v7l4
488本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 03:43:09 ID:G5g66hth0
メリー「わたしメリーさん」
???「待てぇぇぇぇいっ!!」
489本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 11:14:45 ID:iMpJ4cnF0
>>483>>487 あんがと! でね、髪は>>334、 巻き巻きがいいな。と、要求がエスカレート。

ガンガンいってちょうだい!
490始まりの死、始まりの生:2006/01/10(火) 19:06:45 ID:BH/2k57k0
ビクン・・・ビククン・・オオスミの足は不規則に痙攣していた
「彼方が公園の被害者をそしてオオスミを・・・私の獲物を」高瀬は身構えるそこに
ノホホンとした人間としての偽装は無かった

「早い者勝ち・・・・・お腹がすいたから沢山食べるの・・」
顔色一つ変えず少女が呟く
其処は異様な重くもあり軽くもある空気が支配していた、
「青いのは食べられなかった」残念そうな顔つきになる
「私の結界内に入った事後悔させてあげる」髪が不気味に揺れるのであった
491本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 19:09:05 ID:XcXhq1zNO
プルルルル…ピ
「はひ…もひもひ」
「私よ、メリー。つーかアンタ何食べてんのよ」
「ん…あぁごめん‥ポテトチップ食べてるよ」
「もう夕飯前じゃない、ご飯ちゃんと食べられるの?」
「う‥ゴメンナサイ‥だってお腹空いたんだモン」
「フゥ‥まったく‥いいわ、今貴方の家の近くのスーパーの前にいるの、何か食べたいものある?」
「え…!?」
「私が美味しいものつくったげる。何かリクエストは?」
「え、あっじゃぁどうしよ、お部屋片付けてないし、パジャマのままだし‥あと、その」
「何よ慌てちゃって、来てほしくないわけ?」
「違くって、その‥メリーちゃんにだらしないトコ‥見られたくないんだモン‥フッ‥ウ‥クスン」
「何よ泣いてるわけ?」
「だってぇ…」
「分かったわよ、私が悪かったわ‥ゴメン‥泣かないの。いいわ、貴方の大好きなスパゲティ作ったげる」
「ほんと?」
「良い子にして待っててね、すぐ行くわ。」
「うん、待ってる。」
「貴方の家の前についたらまた電話するから」
「うん、気を付けてね」
「ウフフ、じゃぁね」
492始まりの死、始まりの生:2006/01/10(火) 19:26:23 ID:BH/2k57k0
署内並び管轄内の判明している生存者並び死亡者、不明・その他

死亡                   生存       不明・その他

鑑識にいた監察他多数       三鷹       
  
公園で手だけ残った者       田嶋       

                     羽柴洋子      オオスミ 

                     高瀬
                    
                     他多数             

警察基本装備 戦前、戦時中

制服時(巡査)  刑事(私服)    共通

拳銃        拳銃        暴徒鎮圧弾

警棒        十手ナイシ警棒

493始まりの死、始まりの生:2006/01/10(火) 19:33:59 ID:BH/2k57k0
「オオスミか」一応俺は聞いておく
「マサカズ見ませんでした」 「かなり前に3階に行ったぞ」
「有難う御座います」オオスミは3階にかけていく・・・・
494本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 19:41:04 ID:XcXhq1zNO
「少し片付けしなきゃ‥」
「あ、洗濯物取り込んでない!」
「はぅ、食器昨日のまんまだ!」
    ―大片付けちう―    
プルルルルルル…プルルルルルル…ピ
「は、はぃもしもし!」
「私よ、メリー。なぁによ慌てちゃって」
「わわわ‥ゴメン。今どこ?」
「今貴方のお家の前よ。買い物が多くて手が痛いわ」
「あわわ、今開けるね」
「必要ないわ。じゃ、切るわね」
ブツ
「ど、どうしよう‥全然終わってないや…」
プルルルルルル…
ビクッ!
プルルル…ピ
「私よ、メリー。今貴方の後ろにいるの‥」
その次の瞬間、甘い香と共に背中に柔らかい感触が広がった
そして首に回された華奢な腕は、まるで羽のように軽やかに包み込む
小さく溜息をして、まだ幼さの残る少女が頬を寄せながら言った
「遅くなってゴメンネ‥」
「ううん‥お掃除してたから」
背中を包む少女とは対照的に、顔立ちはやや強気で大人びてはいるが、
やはりまだ幼さを湛えたその少女は細々とした声で呟くように言った
「来てくれて嬉しい」
「フフ‥良い子」
そっと唇を合わせる二人
495始まりの死、始まりの生:2006/01/10(火) 19:48:12 ID:BH/2k57k0
_________数分後__________

ドカー---ン・・・・(エコー) 
「な、なんだ・・??」流石の俺も腰を抜かした、上で何かあった様だ
暫らくしてボロボロになったオオスミが戻ってきたのは言うまでもない

所:3階

 「やりますね・・・」高瀬はニヤリと笑う対して
少女は「・・・彼方も・・・」相変わらず色一つ変えない
所々コンクリがはげ硝子はひび打ち、割れていた
廊下とて例外ではない、ドでかい穴が空いていた


496本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 00:57:53 ID:/OSRmH1JO
新しい人も来たねーイイヨイイヨー二人とも
497126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 09:29:49 ID:uBqAyzGH0
いやいや、にぎわってまいりましたね!
かわいいイラストうれしいですね!

では・・・。今日の夜がんばって投下します!
498本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 11:51:17 ID:OQ3r56lg0
>>497 イヤッホウッ!
499本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 17:23:58 ID:Z7SskLSAO
>>467です。

Ladyメリーさんのイラストも描きました

が、まだ学校なので夜が更けてから前に貼ったピクトに追加しときます

予定は7時〜8時頃です

スレ違いっぽいので余計だったらすみません

ではまた。
500126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:23:04 ID:WH0hZl4q0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460】
35番目←いまここ
501126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:24:27 ID:WH0hZl4q0
35番目
固まってなどいられなかった。俺はメリーから放たれる圧倒的な威圧感を払いのけるように
して、メリーに近づいていった。自分の方から行動を起こさないとメリーから放たれている
ものに押しつぶされそうな気がしていた。
「あなたも・・・」
メリーはゆっくりと近づいてくる俺を見据えたまま、無表情に口を開いた。
「あなたも、前の人と同じ・・・」
俺は動きを止めた。前の人?まとめサイトの管理人のことか?
「前の人も、最初は優しかった。そして、その鎌を手にした時から、変わっていった。」
・・・鎌を持ったときから変わった?
俺は、頭の中にあるまとめサイトの構成を思い返してみた。
まとめサイトは、大きく二部構成になっていた。
最初はメリーの召喚について。そして後半は召喚したメリーとの日々だ。管理人はいろいろ
な掲示板や伝承からメリーの召喚についての情報を集め、そのメリーの召喚に伴う危険性に
ついて研究を重ねていた。特にメリーを召喚して、なお殺されずにすむ方法についてが研究
のメインだった。ある日、管理人は「メリーに関して非常に有力な情報の提供者との接触に
成功!僕は氏にましぇーん」と言う書き込みを行う。これが第1部の終わりの言葉だった。
それからしばらく時間が経ち、再び更新が始まったときには、管理人はすでにメリーを召喚
していた。ブログ形式で始まった第二部。そこには実際に召喚したメリーの容貌やメリーか
ら聞いた話、そしてメリーの召喚時の自分の活躍などが言葉の端々に見え隠れしながらも、
全体としては管理人がメリーに対して行ってきた言葉にできないような所業の詳細と、それ
を行う管理人の醜い姿が赤裸々につづられていた。
管理人はメリーを手に入れて、ココロをつぶされてしまったのだろうと、俺は思っていた。
美しいものを汚してしまいたい。壊してしまいたくなる欲求。おそらくは俺の中にも芽生え
たあの黒いもの。それが自分の中にあるということを俺は知っていた。いやメリーと出会っ
て自分の中からふつふつと湧き上がってくるのを感じたときに、管理人の感情を本当の意味
で理解した。この黒いものに身を任せてしまうほうが楽なのは充分にわかっていた。それほ
どまでに強力な誘惑を秘めたものをメリーを見た瞬間に感じたのだ。

502126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:25:02 ID:WH0hZl4q0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
36番目←いまここ
503126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:26:18 ID:WH0hZl4q0
36番目
しかし、身を任せてしまったら、俺がメリーを呼び出した目的を達成はできなくなる。
俺は、必死に黒いものを身体の奥底へと押し込んだ。
そして今、鎌の中から俺の中に流れ込んできたもの、それもまた、俺の中から沸きあがろう
とする黒いものと同じだった。
「人間があの鎌を持つとおかしくなるの。鎌に支配される。鎌の中から流れてくるたくさん
の黒いもの。鎌の中に封じ込められている人間の黒い欲望」
メリーは悲しげに言葉を続けた。
「鎌の中から流れてきたものに抗うことなんかできない。前のやさしかった人も興味本位で
鎌に触れて・・・」
「それから変わったというのか?」
メリーはうなづいた。
メリー召喚の方法を知る情報提供者に出会ってから、ブログ形式でのメリーとの日々が掲載
されるまで2日。その間は、まとめサイトの管理人は優しかったというのか?
鎌に触れただけで・・・管理人も、今俺が体験したように黒くてどろりとした欲望の塊が自
分の中に入っていくのを感じたと言うわけなのだろうか?
そして、その黒いものに支配された姿が、あのブログなのだろうか?あのココロをつぶされ
てしまった姿だと言うのだろうか?
ならば・・・俺は、俺はどうなる?
そうこうしている間にも、俺の中に黒いものが腹の底からふつふつと力を盛り返してこよう
としている気配があった。
この黒いものに抵抗するには、抗うにはどうしたらいいのか・・・。
俺はメリーに伝えなければいけない言葉をいったん飲み込み、メリーに告げた。
「メリー・・・笑ってくれ・・・」
俺にとって、殺されることよりも何よりも、この美しいメリーを自分の手で汚すことの方が
つらかった。まずこの黒いものをどうにかすること。そうしないと、俺はメリーが鎌を手に
する前に、あの管理人のようなおぞましい行動に出てしまいそうだった。
俺は、一瞬だとしても、本当に幸せな時間をメリーと共有できた。メリーの笑顔を見れたと
き、本当に彼女に出会えてよかったと思えたのだ。
504126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:27:18 ID:WH0hZl4q0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503】
37番目←いまここ
505126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:28:12 ID:WH0hZl4q0
37番目
メリーは、苦しそうに胸を押さえ始めた俺の姿に、そしてそんな状況なのに、笑ってくれと
言う予想外の言葉に少し戸惑いを見せた。その戸惑いの中に今日俺に見せてくれた、冷たい
ものではない表情が見え隠れする。俺は、少し心に暖かいものを感じた。と同時に冷酷さを
秘めた表情に守られていたメリーの内面を目指して、俺の中の黒いものが立ち上がろうとし
てくる。こいつは、この黒いものはメリーの中にある弱さやか細さ、繊細な部分を見ると、
よけいにいきおいづいてくるようだった。まるで彼女の本来の少女の部分に誘われるように。
俺は胸の中にある暖かいもの、それはメリーを大切にしたいと思っている気持ち。メリーの
笑顔に触れられた喜び。それを信じて、黒いものを再び押し込めようとしていた。
「わ、笑う・・・?」
メリーは、どう思っているのだろう?今の俺の中で起こっているこの葛藤はメリーにはわか
らないだろう。前の管理人がどのように変化していったのかわからない。しかし今の俺の姿
の中に、メリーは管理人の変化と同じものを見ている。
「そうだよ。メリー・・・笑ってくれ・・・」
俺はできるだけやさしく、そして笑顔をメリーに向けていった。・・・まだ、大丈夫だ。
俺は半ば崩れおちながら、方ひざを床についた状態でメリーを見上げていた。
「君の言うように、俺は飛んでもないものに触れたみたいだ・・・。」
できるだけやさしく、メリーに今の俺の状態をわかってもらえれば・・・。
何よりも、俺は、メリーを汚したくはない。
「今、俺の中で、鎌の中にあった黒い欲望が立ち上がってこようとしている」
必死になって押さえつけているが、俺の言葉に反応して不安げな表情を見せるメリーを見て、
黒いものはよりいっそう反応を示してくる。
「今日の君の笑った顔・・・俺はそれが見たかった。だから、俺は君が笑顔を見せてくれた
ら・・・黒い欲望なんかに支配されない」
そうだ、何ものにも変えがたいメリーの笑顔がもう一度見れるのなら、俺は、こんな黒いも
のなど押さえ込んでみせる。
「約束する。前の人のようにはならない・・・。」
506126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:29:12 ID:WH0hZl4q0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505】
38番目←いまここ
507126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:30:04 ID:WH0hZl4q0
38番目
メリーは、もうすっかり冷酷な仮面を脱ぎ捨てていた。うれしそうに笑ったり、恥ずかしそ
うに照れて見せたり、はにかんだりしたあのメリーだ。
俺は、メリーの表情の変化に反応を示す黒いものを押さえつけながら、言葉を続けた。
「・・・大切にするって・・・いっただろ。だから、笑って。」
もう、限界に近かった。黒いものはすぐそこまで来ていた。
「メリー、俺に力をくれ・・・」
その言葉を絞りだすのが精一杯だった。俺の中の黒いものはまるで獲物に飛び掛るライオン
のような勢いで腹の底から、俺の胸の中の暖かい部分に向かって飛び掛ってきていた。
そのとき、俺の視界がさえぎられた。
何が起こったのかわからなかった。ほのかに甘い香り、そしてふわっとした感触に包まれて
いた。俺はその甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだ。黒いものの勢いが衰えているような感
じがした。俺は顔を上げた。
メリーが俺を抱きしめていた。目にいっぱいの涙をためて・・・。
「・・・大切に・・・」
メリーの口からわずかに声が聞こえた。
「・・・大切に、してください・・・」
メリーは、ゆっくりと目を開けた。
俺と目が合った。
・・・いとおしい・・・。
俺の中には、その言葉でいっぱいだ。黒いものは消えていた。
この小さな少女を大切にできなくなるくらいなら、俺は本当に消えてしまったほうがましだ。
俺は静かにメリーに微笑んだ。
508126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:31:02 ID:WH0hZl4q0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507】
39番目←いまここ
509126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:31:40 ID:WH0hZl4q0
39番目
「・・・ありがとう・・・」
「え?」
「消えたよ、黒い奴・・・」
泣き顔だったメリーの表情が、驚きに変わる。
「本当?なんで?人間なのに・・・」
俺は、メリーを抱えたまま、立ち上がった。
「きっとメリーが守ってくれたんだよ」
「え?」
そうだ、メリーは笑顔を見せてくれたわけではない。あの時、俺は自分の中にある暖かいも
のが唯一あの黒いものに対抗できるものであるとそう信じていた。
俺がメリーに会いたかった理由、それはメリーの笑顔が見たかったからだ。
その気持ちさえあれば、黒いものを押さえ込めると思った。
メリーはそんなことを知らず、人間は黒いものに勝てない、と思いながらも俺を抱きしめた。
「・・・大切に、してください・・・」
この言葉を俺に告げるために、俺を包み込んだ。それは無意識の行動だったのだろうけど。
それでも、俺には充分すぎる力になった。
「大切に・・・するからね」
俺はメリーの顔を目の前に持ってきて、いった。
「え・・・う、うん」
照れて目を伏せるメリー。俺はその表情の変化を楽しんでいた。
つづく



510126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/11(水) 19:32:33 ID:WH0hZl4q0
今日はここまでです!
ペースゆっくりでごめんなさい!
511本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 19:46:08 ID:OQ3r56lg0
いやぁ、いい流れだ。
ぶらぼー! ぶらぼー! ぶらぼー!!
おお! ぶらぼーッ!! by ぽるなれふ!
512本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 20:07:15 ID:/OSRmH1JO
大好きです
513本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 21:02:25 ID:sx85HW3cO
「私‥メリー‥あ、あのね今‥」
「遅い。お前、買い物ごときに何分かけてる。で今何処だ」
「うぅゴメンナサイ‥今‥近くだと思‥」
「あぁ?近くってどの辺だ?7〇レブンか?それとも三丁目の佐藤さんちの辺りか?オイオイ」
「意地悪しないで‥エト、〇〇小学校の前歩いてるの」
「〇〇小ぉお?遠くね?マジ遠くね?お前ふざけてんだろ?」
「ヒンッ‥ゴメ‥ゴメンナサイ‥だってアー君が、煙草切らしたっていうし‥峰なんて〇イレブン置いてなかったし‥」
「俺の所為か。でた。パシリの分際で俺の所為。マジ頼むよお前。」
「…クスン‥クスン‥ふ‥ぁぅ‥」
「オイオイ‥今度は泣き落としですか?俺の所為にしたその次は泣き落としですか?」
「クスン‥クスン…ふぇ?…キャァッッ!」
「!?…どうした!!?」
「‥へ、変なオジサンが…」
「メリー!!‥クソ!」
タタタタ…
タタタタタタタ…
ダダダダダダダダダダ
ぬをぉぉぉぉぉおおおおお!
ゴキャッッ
「アー君!」
「無事か!メリー」
「ゥ、ウン、それより何ですぐそこの校門から出てきたの?」
「あ?…あ!……偶然だよ偶然。偶然に決まってんだろ。勘違いすんなよ、お前が心配とか、んなもんこれっぽっちも…」
「フフ‥アー君」
「あんだよ、ひっつくなよ」
「あったかぁい」
「お…俺もまああったかいから別にいいんだけどな。帰ろうか」
「うん」
514本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 21:05:56 ID:hz/FIueZO
もうね、あたしゃね
体の内から こう…フワ〜!フワ〜!と真っ白な気持ちがですね…沸き上がって仕方ないんですねぇ〜

>>126 GJ!!!貴方は素敵だ!!!
515本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 21:10:32 ID:hz/FIueZO
>>513 藻前もステキだ!!!
むしろスキだ!!!
(●´д`)アハァ…
516本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:10:45 ID:eKpNPdzVO
エロィのが読みたぃ!!
517本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:15:06 ID:/VnT0juI0
>>516
官能小説買ってきなよ。わかった?
518本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:22:15 ID:hz/FIueZO
そんなこんなで10時だけど>>467は??
519本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:31:39 ID:sx85HW3cO
昨日と違う絵になってるから、多分それでいいんじゃないかな?
しかしいいよな。萌える絵が書ける奴は羨ましいよ。
520本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:38:17 ID:OQ3r56lg0
第69羽
その「人形」は、>>516の身体に付属してる突起物を、その硬い指で無造作に握り締めると・・・、
 「ううッ・・・!」

・・・まで書いた。
521本当にあった怖い名無し:2006/01/11(水) 22:39:30 ID:fgxUCmrMO
イイヨーイイヨー

>>126氏GJ!!
名無し氏も!!

ツンデレ好きです
522名無し:2006/01/11(水) 22:57:44 ID:sx85HW3cO
>>521
男のツンデレで申し訳ないけどなww
昨日からチョコチョコ小ネタ投下してるんで暇があったら愛してあげて下さい
ありがとう
523本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 00:12:13 ID:yZw5eOrF0
>>522 昨日はタイミングが悪かったな、
始まり氏とかぶっちゃったから、みんなコメントしづらかったんだろね。
524本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 01:50:48 ID:0W3bisc7O
>>522 いやしかしツンデレ男いいな…明日からツンデレで生きてくよ♪
あと一昨日の絵を書いた人と>>467は別人じゃないの??

>>516 >>17へGO!!!
525本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 01:54:15 ID:0W3bisc7O
>>17-24だった!!!
526始まりの死、始まりの生:2006/01/12(木) 08:16:40 ID:yG4wlIIQ0
みんなGJ

田嶋が羽柴をイヤなんでもない
527始まりの死、始まりの生:2006/01/12(木) 08:30:09 ID:yG4wlIIQ0
っでさっきから上が五月蝿いわけだが・・・
正直に手挙げろ備品の爆薬使ったの誰だ
528126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/12(木) 08:54:37 ID:rHB8eqMY0
皆さんありがとうございます!
本当に本当に励みになります!
この後ちょっとグダグダな感じで平和な日々で萌える展開が頭にあるのですが・・・
練りなおしてみます。。。

名無しさんかわいいですね!!
これからもがんばってくださいね!
男のツンデレいいです!たのしい!ww

>>520
Ladyさん・・・激しくわらたww


529467:2006/01/12(木) 08:56:23 ID:FvAJI9pXO
すいません

課題をやっていて追加する時間がありませんでした


今日も学校なので追加次第連絡しますm(__)m
530126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/12(木) 08:58:27 ID:rHB8eqMY0
>>467さん!きたいしてるよ!
無理しないでね!
531本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 15:14:13 ID:7UuV2MvoO
始まりのなんとかは相変わらずよくわからんな
532本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 16:52:19 ID:yZw5eOrF0
      
λ...... Lady メリー3・・・        λ......       λ......
  λ......            λ...... 腐りゆく身体の老婆・・・
 λ...... 全てを奪われた少女・・・  λ......
        λ......                  λ...... 残虐な領主・・・
    λ...... ヨーロッパの小さな谷あい・・・            λ......
                λ......
 λ......       λ......          λ...... 兎のように殺された弟・・・
λ...... 彷徨う夜の狩人・・・        λ......       λ......
  λ......            λ...... 死者の王にかけられた呪い・・・
 λ......      λ......生きる屍・・・
        λ......                  λ...... 湖に沈むカラダ・・・
    λ......             λ......眼球をえぐられた男・・・
 死者の行軍・・・      λ......
 λ......       λ......          λ...... 森の精霊たち・・・


 Lady メリー イメージそんぐ(えんでぃんぐてーま)・・・著作権ツラネ
  ”Wishing on a Star” 携帯で聞けない人はごめんなさい。
上はWMP用、下はリアルプレイヤー、同じ曲の別部分です。
http://www.amazon.com/exec/obidos/clipserve/B000002P4N001001/0/ref=mu_sam_wma_001_001/104-2436041-4084754
http://www.amazon.com/exec/obidos/clipserve/B000002P4N001001/1/ref=mu_sam_ra001_001/104-2436041-4084754
   来週にはできるかな? [予告編] でした!
533始まりの死、始まりの生:2006/01/12(木) 18:20:28 ID:yG4wlIIQ0
「取り合えず全員で上行くぞ」田嶋のこの発言に
どよめきが上った、「無理だって・・・・」この意見が多数だ
今もまだ爆音は続き建物を断続的に揺らし続けている
「グダグダ言ってと殺すぞ」この一言で辺りは静まり返る
兎に角脱出しない事には始まらない、
「ソレニ・・・・爆薬使った奴の顔を拝みたいしな」
534名無し:2006/01/12(木) 21:46:42 ID:8199SAnLO
プルルルルルル…ピ
「あ、私私。メリーよ。アナタ今何処にいるのよ!!」
それが、彼女の第一声だった
「なぁんでいっつも読めないのかな?」
電話の向こうでは、困ってしまって一人で何やら呟く少女。
いつもの事だ、俺は「またか」と溜息一つついて言った
「今、楽屋。」
「えぇぇ!?何でそんなトコにいんのさ!?」
ダメだこの子。
「今日、バンド…ライブ」
「………あぁッ!」
いつもの事だ。
彼女は所謂、都市伝説でご存じのメリーさんだ。
彼女は俺を殺すためにこうして付き纏っている
「ァアハハハ…私ったらまぁた…ハァ」
「いつになったら来てくれるのかな?」
535名無し:2006/01/12(木) 21:55:59 ID:8199SAnLO
俺は、自殺志願者。
俺の部屋。ビニールを敷き詰め、ナタで手首を切断しようとした時、突然けたたましく携帯が鳴りだした
画面には、何の表示もない。最初、でないつもりでシカトしていたが、あまりにしつこいので仕事に集中できない。
仕方なく…と言ったところか。
…ピ
「もしもし…今忙しいんだけど」
「私、メリー。今アナタのおうちの前にいるの。」
…悪戯か。
「…後にしろ。」切。
さぁて仕事しご……
プルルルルルル…またか。
画面はさっきと同じ表示無し。ただの待ち受け。二度目は流石に不気味だ。
…ピ
「…。」
「私、メリー。今アナタのお部屋の前に‥」
「いい加減にして下さい」切。
仕事に身が入らなくなった俺は、ギターを引っ掛け、長年玄関として使用しているベランダから外に出た
悪戯の相手をしてやれる程、もう子供じゃない。子供じゃないんだ。
こうして歩きだすと自然にスタジオに足が向く、俺は溜息が出た。「子供じゃない…か。」
プルルルルルル…プルルルルルル
…!?
画面は…さっきと同じ。
出てやるべきか、一瞬躊躇った。たかが悪戯、でも何故かでなきゃならない気がした
…ピ
「ハァ…はい、もしもし」
「……私‥メリー。ェグ‥フ‥」
泣いてる。何だコイツは。
「‥誰、君…。」
「だからメリーだってば!なぁんで部屋にいないのよバカ!」
馬鹿と言われた。
「俺の部屋にいるの?…」
オイオイ、いよいよマジかよ。
536名無し:2006/01/12(木) 22:01:50 ID:8199SAnLO
俺はやりかけの仕事を思い出していた。ビニール、ナタ…まぁ誰も気付かないか。
「言った通りよ!何で逃げられるのよ…もお」
「…泥棒なら、何を持っていってもいいよ。」
「興味ないわよバカ!」
また言われた。
「じゃあ、何が目的?悪戯じゃなさそうだね」
「アナタの命!」
明るいトーンで彼女は言った。
学生の頃はよく耳にしたような、懐かしい声だ。
俺は難しい事は考えないようにしている
率直な感想、その声をもっと聴きたいと思った。
…にしても「命」ねぇ
「…殺したいの?」
「そう、アナタもそれを望んでいるのと違う?なら、丁度良いじゃない」
無邪気そうに喋る。
実際、無邪気なのかも知れない。
声の感じ、まだ幼さが残っている。
「………。」
「何も言わないって事は了承ってコトよね。じゃ、そういうコトだから」
そこで電話が切れた。
537名無し:2006/01/12(木) 22:07:23 ID:8199SAnLO
電話が切れた瞬間、俺は何故か取り残されたような、喪失感にも似た孤独が胸に拡がっていくのを感じた。
ちょっとした裏切りや、人間関係のもつれ、恨み言、恋愛沙汰などで感じるあらゆる負の感情
そんな事には麻痺していたのか、ちょっとした出来事くらいでは傷付かないような、冷めた人間になっていた。
…そのはずなのに。
そう、この喪失感は懐かしかったんだ。
結局その日、彼女からの電話はなかった。
538名無し:2006/01/12(木) 22:12:42 ID:8199SAnLO
翌日。
最近には珍しく晴れてる
バイトも休み、バンドもない、女もなし。
俺は特に予定もなく中古のCDショップや古着屋を求めてブラブラしていた。
晴れてるといっても流石に冬は寒い。その所為ってわけではないが、自然に人混みの方へ足が向かう。
ごった返す人混み。肩が触れる。他人の匂い。俺は家を出た事を後悔し始めていた。
そんな時。
プルルルルルル…プルルルルルル
例の電話。
俺は迷わずでた。
「はい。」
「アッハハ、昨日はゴメンねぇ、私よ私、メリー。アハハ」
緊張感がまるでない。
「酔っ払ってんの?」
「‥!だぁれが!…まぁいいわ。今ね、アナタの近くの…ソウソウ、ほぉらそこの〇ーソンにいんだけど」
「ローソ〇?」
‥確かに5分くらい前に通り過ぎた。
「今から殺しにいくからねぇ。バイバァイ」
遊びにいくからねぇ。バイバァイ…と言うノリだ。
こうまでしつこいと、やはりただの悪戯ではないようだ。
俺はワクワクしていた。心なしか楽しかった
「さてと」
足の運びが軽い。参ったな。ガキみたいだ。
このまま横断歩道の白い部分だけ踏んで、殺される前にまず何か食べに行こうか
人混みの中で一人、ニヤニヤしている様は不気味だろう
すれ違う人が怪訝そうな顔をする。
人の顔を意識するのも久しぶりだ。解るか?俺は今楽しいんだ。
539名無し:2006/01/12(木) 22:18:12 ID:8199SAnLO
プルルルルルル…プルル‥ピ
「はい、もしもし」
「何かいいコトあった?‥まぁイイワ。私よメリー‥」
「ねぇ、一々名乗らなくても君の電話ならすぐ分かるよ」
「うっさいわねバカ!」
馬鹿馬鹿よく言う。
「これは一応儀式なの!オマジナイみたいなモン!獲物が逃げないようにね!」
どうやら決まりごとらしい。
「ああ、ゴメン。俺なら今、横断歩道渡ってるよ。」
「!‥……!!」
電話の向こうで、彼女が慌てているのが分かる。お株を奪われたって感じか
「それ私の台詞ぅう!…クソッッ!今アナタの10メートルくらい後ろから駆け足してるから逃げんなよ!!」
そう怒鳴るとけたたましく電話が切れた。
彼女が来る。彼女の姿をこの目にできる。
人混みの流れの中、比較的速度を弱めて歩きながら、静かに彼女を待った
そして。
プルルルルルル…ピ
「私、メリー。今アナタの後ろにいるの」
きた。
「振り向いたら、殺してくれるの?」
「そうね。きっちり殺らせてもらうわ。」
「そっか。ネェ、お願いがあるんだけど。」
「簡単なもの且つ今此処ですむ事なら何でもいいわよ。言ってみて。」
俺は意を決して言ってみた。
「君ともう少し話がしたい。」
俺は自分の顔が真っ赤になるのが分かった。
何を今更、子供じゃあるまいし。
540名無し:2006/01/12(木) 22:26:12 ID:8199SAnLO
「簡単且つ、少しなら今…てわけにもいかないけど、すぐに済む」
「…だ、ダメよ!何で獲物と楽しくお話なんか‥!」
「俺たち昨日から結構喋ってるよ。」
「だ、だけど…」
「そうこうしている内に横断歩道渡りきっちゃうね」
「アァンもう分かったわよ。じゃぁ少しね。少しよ」
「よかった。ありがとう」
「約束、後ろは振り向かない、立ち止まらない。良い?」
「いいよ。じゃあ決まり」
俺は歩きながら、すれ違う人の顔に注意してみた
特に何も伺えないってわけじゃないが、反応からしてどうやら化け物じみてはいないようだ。
ただ、引っ掛かるのは何だろう。物珍しいものを見る好奇の目。
俺も十分変な格好なのは分かる。バンド小僧だからな。
ただ…こう、何て言うか…。
まあこの際置いといて。
横断歩道を渡って、通りを歩いていつしか人気の疎らな裏通り。
「いつのまにか、殺人には最適な場所に来ちゃったね」
「まったく…ちょっとって言ったのに」
「ゴメン。何だか楽しいんだ」
「た、楽しいって…もう」
彼女は…メリーは確かに付いてきているのだろう。
いや、憑いてきているのだろう…のが正しいか?
後ろからは、小さな革靴がコツコツと地面を叩く音が聞こえてくる
541名無し:2006/01/12(木) 22:32:05 ID:8199SAnLO
「正直、このまま時間が止まれば良い‥なんて考えてるんだ」
「アナタみたいの初めて。ほんとバカみたいね。死にたいんじゃないのぉ?」
おちょくるように聞いてくる。俺はハッとした。
そうだ、死にたい。
じゃあ何故死にたいか
それは…
「見出だせないのねぇ」
「…うん。」
「アラ素直ね。好きよ。そーゆーの。とにかく、アナタは進むべき道が見出だせずに、いつまで子供と大人の間をウロウロしているつもり?」
「それは…分からない。俺は…」
「アハ、ゴメン。いいのよ。ほんとゴメン。立ち入り過ぎた。これから死にゆくアナタにはもう無用の長物よ。」
「アハハ。ホントだ。」
「死んでしまえば楽よ。もう何も考えるコトないもの。そこでオシマイ……キャッッ!」
突然、後ろから躓くような音。少女の悲鳴。青い空。…青い空だ。
べしゃ。
俺を巻き込んでの大転倒。
咄嗟に後ろを向いてしまった俺は、倒れこむメリーを抱き留めるような形で仰向けに倒れた。
542本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 22:35:34 ID:0W3bisc7O
(*´Д`)ハアハア…テラモエス…

皆ガンガレ!
543本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 22:50:19 ID:yZw5eOrF0
負けるな、始まり氏!

「名無し」さんもノリノリだぁ!
544名無し:2006/01/12(木) 22:57:15 ID:8199SAnLO
黒いドレス。フリルがヒラヒラしてる。頭にリボン。白い肌。長い金髪。縦ロールだろうか、お人形さんみたいだ。
俺の胸の中で顔をしかめたそのお人形みたいな少女が、件の都市伝説のメリーさんらしい。
わけも分からず俺を殺そうとしている呪いの張本人は、俺の想像を遥かに凌駕していた。
「イッタァイ…」
ゆっくりと顔を上げる。
「もお…何なのよぉ…まったく。」
繊細な綺麗な顔立ち。ほんとにお人形さんみたいだ。腕の良い職人がその芸術家の腕で愛する娘を想い、精魂込めて作ったような…。
「私としたことが…もお…」
純粋に綺麗だ。俺は胸が高鳴っているのに気が付いた。
メリーは俺の上にペタンと座るようにして、ゆっくりと自らの耳に手を当てて喋りだした。
不思議だ。電話持ってないんだ。
「…ま、とにかく。あのね。事故なの。大したことはないんだ…け…ど…」
目が合った。
「きゃあ!アナタなんで私の下にいるのよ!どうして?!え?あれ?」
「危なかったね。怪我ない?」
意外と冷静だ。そうだ俺は冷静じゃないか。
「え?その…あ、アナタの助けなんてなくても擦り傷一つ負わないわ!」
「その割に、派手に転んだね。」
「う、うるさいうるさいうるさい!‥その…あ、アナタこそ…怪我ないの…?」
この期に及んで獲物の心配ですか。動揺してんのバレバレ。
俺は自然に笑みが零れていた。
545126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/12(木) 23:00:13 ID:rnYKAFNf0
wktk
すごいっす!
もえすぎです!
546本当にあった怖い名無し:2006/01/12(木) 23:02:44 ID:/CBl34M90 BE:185602638-
名無し氏

激しくGJなんだが某小説を意識してうるさい×3をもっと書いてください!!
547始まりの死、始まりの生:2006/01/12(木) 23:04:20 ID:yG4wlIIQ0
>>543
有難うナンダカ力がでたよ
548126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/12(木) 23:21:43 ID:rnYKAFNf0
始まりさんも!がんばって!
549名無し:2006/01/12(木) 23:47:07 ID:8199SAnLO
「何…笑ってんのよ…」
黙り込んでしまった。少しずつ赤みを帯びていく頬、恥ずかしいんだろうか。
俺はというと、頭打ったようだ身体が起こせない。頭…痛い。
でも、そんな事どうでも良いくらいに胸が高鳴る。こんな気持ち久しぶりだ。
静かな裏通り。俯いて顔を真っ赤にして沈黙するメリー。
「ねぇ‥メリー。」
「へ?」
咄嗟に顔を揚げ、間抜けな返事。
「今なら殺せるよ。ホラ」
「……あ。」
「君の手で、殺してくれたら嬉しいかな」
また俯いてしまう。今度は悲しみをたたえて。何なんだ?訳が分からない。
「…まだ、お話は終わってないわよ。」
「…へ?」
今度は俺が間抜けな返事。
彼女はというと決まりが悪そうに胸の前で指先を遊ばせている。
本当にこんな仕草する奴いるんだな。
「あ、アナタが言い出しっぺじゃない!お、お話しようなんて…!」
「わ、分かったよ。ゴメン」
何故俺が謝る。
「……。」
また黙り込んで手遊び。目線もソワソワ、今度は石ころで遊びだした
落ち着けよ。死神さん。
550名無し:2006/01/13(金) 00:09:01 ID:IXZ2lNUCO
ていうか、いつまで俺の上に乗っているつもりだろうか。
頭の痛みも退いてきて、やっと身体が自由になってきた。
俺は上半身を少しだけ起こして言葉を繋いだ。
「…俺も…俺ももう少し、君と話がしていたい」
「……!…ァゥ‥は、話…、ァァア、エット、つーか『も』って何よ『も』って!‥それじゃぁまるで私もアナタとお話していたいとか言ったような言い方じゃないの!」
「違うかい?」
「全然違うわよ!」
真っ赤にして何言ってんだコイツは。
「と、とにかく!今日のところは見逃してアゲル!まあイイワ。暇つぶしにはなったもの。あくまで暇つぶしなのよ。」
口を挟む間もない。一気にまくしたてる。しかも言葉が変だ。オイオイ。
「…さ、さよなら!」
凄い勢いで俺の上から飛び退くと、彼女はそのまま走りだした。
「あ!…」
俺も後を追う。
しかし、身体を起こした頃には彼女は既に曲がり角を曲がろうとしていた
ふわっとスカートが膨らんで、俺は走りにくくないのか?なんてどうでもいい事を考えていたように思う
そして。
「はぁ…はぁ…………!?」やっとの思いで角を曲がった俺。
彼女が走っていった曲がり角の先、俺は凝視しながら立ち尽くした。
「…行き止まり……」
メリーは忽然と消えてしまった。
それでその日はお開きになった。
551名無し:2006/01/13(金) 00:20:05 ID:IXZ2lNUCO
休憩。
ぶっ通しで書いてたから手が痛いです。
しかもいつのまにかID変わってるし。リロードしたらレスあるしビックリです。
レスくれた人も読んでくれた人もありがとう。反響があると中々の励みになります。素直に嬉しいです
拙い文ですが、一応長編に挑戦しております。暇潰しがてらというか、トイレ行く時にでもに読んでもえたら最高に嬉しいです。
>>546氏。なるべくご期待には添えましょうwwwww
552本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 00:52:03 ID:QcmngwHlO
>>467です

追加しました

お待たせした方いたら申し訳ありません


もっと綺麗に描いたつもりですが小さい方を撮る時間がなく載せたのは今し方描いたものです

もしまた機会ができたら書き込み致します

ちなみに追加したのはLadyメリーさんのイラストです
553本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 01:01:14 ID:dZDgrU0b0
しかし、携帯でここまで書くとは根性あるな。

でですね、わたくし、明日より実家へ三日ほど帰省しますので、
パソからのカキコミはいたしません。
第三章は前回よりやや、量的には少なくなると思います。
後、一晩あれば完成かな・・・と。
ただ、その後、文章・ストーリー・表現のチェックがありますので、うpはその次ぐらいです。
それまでパンツを脱いで待っ・・・いえ、間違いました、
それまでwktkの心で待っていてくださるととても嬉しいです。

>>552 おお? ありがとね! 上記の理由で二、三日、私宛のレスに
答えることができなくなるかもしれないので、今のうちに、お礼、言っとくわ。
・・・このイラスト・・・第三章の主人公に使いたいわ。
554名無し:2006/01/13(金) 05:07:57 ID:IXZ2lNUCO
昼間は我慢できるが、夜は昼間と比べ物にならないくらい寒い。
俺はベッドで布団に包まっていた。
何故、メリーは俺を狙うのだろう。
この二日間のメリーとのやりとりを思い返していると、考えがどうしてもそこに固執して離れない。
今日のマウントポジション…アレはチャンスだったな。あそこからなら、どう俺を殺すんだ?まさかタコ殴りってわけじゃ…
いやいや待てよ。呪いの力か何かで殺るのか?まぁ良い、きっと明日も懲りずに来るだろう。
「明日‥聞いてみよ」
そして翌日。
引き続き晴れ。
心なしか気分がいい。子供の頃は朝起きると、いつもこうして窓を開けて空を仰いだものだ。
そして始まる一日にいつも訳もなく胸を躍らせていたっけ
…なんて感傷に浸るって事はやっぱり俺は死ぬってことなのだろうか。
でも、死んだら彼女とはもう話も出来ない。…俺は少し思い直し始めている?
…馬鹿な。
今日も会えるかな。それでさっさと…殺して‥。
…いや
考えないでおこう。
555名無し:2006/01/13(金) 05:10:44 ID:IXZ2lNUCO
さてと、今日はバンドのリハだ。間近に迫ったライブの為だ。
どうせリハと言っても、練習なんかロクにやらない。集まれば騒いで適当に酒飲んで解散。
目に見えてる。溜め息がでる。楽しくも何ともない。じゃあ何故やってる?
それは、音楽がやりたいから。それ以上でも以下でもないはず。
ギターを引っ掛け、ベランダに適当なブーツを放り投げ、さて行くかって時に…
プルルルルルル…プルルルルルル…
メリーだ。
プルルル…ピ
「おはよう」
「…おはようって何よ。もうお昼よ。…まぁいいわ。んでね、私なんだけど。メリー」
「一々名乗るのかよ」
「当然でしょ。決まり文句なの。で。私今…」
「俺、今日家にはいないよ。バンドのリハがあるから。」
メリーが言い終わるか終わらないかの内に、俺は早口で言った。
「…の…家の近…って、出掛けるわけ!?」
「うん。〇〇のスタジオ」
「場所まで教えちゃうんだ。よっぽど死にたいようね。」
電話の向こうでは呆れたような笑い。俺は何か安心した。
「…たく。アナタだけよ?こうも的を外してくれるの。いつもならこう‥一発で‥ズドォンと…」
ズドォン?何をする気だ。
「とにかく、分かったわ。首洗って待ってなさいな。」
「うん。今日も、お話できるといいね」
「…!!ダダだぁれが!みてなさい!今回こそは消し炭にしてやるわ!分かったわね!」
そこで電話は切れた。どうやら俺は消し炭らしい。…爆弾?まさかな。
556名無し:2006/01/13(金) 05:14:39 ID:IXZ2lNUCO
そして〇〇楽器店スタジオ前。どこぞのバンドの少年がアコースティックギターを弾いてる。他には………いた。…ドラムの虎さんが一人でポツンと立ち尽くしている。
「他の‥皆は?」
「あぁ。お前は来たか。まったくよ。アイツラ電話も出やしねぇ。ライブも目前だってぇのに」
「そう。」
俺はこんな事だろうと予測していた。だから敢えて驚きもしなければ腹も立たない。
「‥帰ろうか‥」
「俺とお前だけじゃリハどころじゃねえよな。どっか遊び行こうぜ。どうせ暇だろう?」
「…いや、俺…」
「腹減ったぁ!まず飯行こう飯。」
それだけ言うとさっさと歩きだす。強引な奴。でも嫌いではない。飯くらいならまぁいいだろう。
近くの〇クドナルド。適当なセットを注文。金払って受け取って適当なテーブルへ。虎さんは相変わらず、今日のリハに誰も来なかった事への愚痴をこぼしている
そうなんだ。この人はいつも真面目だ。スタジオに遅刻してきた事は一度もない。たまに煙たがられるが、根はいい人だ。
さて、食べますかハンバーガー…
プルルルルルル…プルルルルルル
仕事人間の事をすっかり忘れていた。ハイハイでてあげますよ。
「虎さん。悪い」
席を立ち外へ。
プルルル…ピ
「もしもし」
「もひもひぃ私よ。メリーだよ。」
「何食ってんの?」
「…!しっつれぇね!何も食べてないわよ!」
コイツでも何か食べるんだ。へえ。
「そんなどーでもいー事は置いといてさぁ。今ね、アナタの近くの…」
待て。何か音がする。アコギの音…?そういやさっき、一人見たなアコギ…
「……にいるの。…ねぇ、聞いてる?」
…!コイツ〇〇楽器行きやがった!
「…!そこ違…」
「んぢゃそゆことだから。ちゃっちゃとぶっ殺してあげるわ。まっててねぇ」
切れた。あーあ。阿呆だよ。マジかよ。ま、今日は虎さんもいるし。…それにメリーとは、二人で話がしたい。
…。
そこまで考えて赤面した。馬鹿か俺。子供みたいだよほんと。寒い。
557名無し:2006/01/13(金) 05:18:51 ID:IXZ2lNUCO
さてと、お腹空いてるし戻りますか。
「…ごっそさん。」
虎さん。電話してる内に完食ですか。しかもポテトまで。すげ。
しかも俺を見てニヤけてる。苦手だ。どうゆう心算だ?
「どうしたの?嬉しそうだね。」
俺は虎さんの笑顔に無難にこう答えた。
「いや、悪い悪い。お前でもそんな顔するんだなって」
「…?顔がどうした?」
「嬉しそうだぜ。彼女か?」
虎さんは、耳のそばで握り拳から親指と小指を伸ばし、受話器のような形にして電話の真似をしながら、からかうように笑った。
顔に出てる?マジかよ。
「そんなんじゃないよ」
いつ聞いても寒い台詞だ。適当にそう答えて椅子に座る。
「いや、いいよ。分かってる分かってる。いいねぇ若いって。」
コイツとは同い年だ。
「違うよ。妹。猫が赤ちゃん産んだって。」
口から出任せってわけじゃない。実際三日前くらいに産んだ。
「まったまたぁ!いいよ。深くは問うつもりはない。俺は嬉しいよ」
コイツはいつまでもこの調子だろう。バンドじゃなくても明るくて、面倒見がよくて、しっかり働いて、結婚して…上手く行くだろう。虎さんなら。
でも俺は……
558名無し:2006/01/13(金) 05:22:11 ID:IXZ2lNUCO
「フゥ…」
「お、食べ終わったか」
席を立つ。紙屑を乗せたトレイをもつ。電話が鳴る。
プルルルルルル…
こんな時に。
「いいよ。俺が片しておく。行ってこい少年」
同い年だっつの。でも気が利く。その器量を分けてほしいくらいだ。
「すまない」
外に出る。
559名無し:2006/01/13(金) 05:27:00 ID:IXZ2lNUCO
「はい、もしもし」
「チョット!だましたわね!」
怒ってる。
「騙してなんかないよ」
「嘘おっしゃい!いないじゃないのよ!絶対ひどいめに合わせてやるんだから!」
いやいや、どうせ殺すんだろ?
「聞いてなかったメリーが悪い。俺が口挟む間もなく電話を切ったじゃないか」
「…!!…あ、アナタ私の所為にする気?私、女の子なのよ…!」
だから何だ。関係ない。
「それをアナタ…!最低だわ!折角、いい人だとか思ってたァアーッ!¢#@¥♀$!〆☆…」
何を慌てているんだか。可愛らしい奴。仕方ない。
「…ゴメン。言い過ぎたよ。俺が悪かった」
うわ、恋人同士の会話みたい。寒い。でも仕方ない。
「ゴメン」
彼女とは、こじらせたくない。俺の純粋な願い。
560名無し:2006/01/13(金) 05:30:08 ID:IXZ2lNUCO
「…な、何よ改まっちゃって…。でも、ま、イイワ。そこまで言うなら許したげる。こ、こ、今回だけよ!」
へえ。次回があるんだ。
「別に、私も大人気なかったトカそんなんじゃないんだからね!」
はいはいわかってるわかってる
「さ、さぁて。今日のところはこれくらいにしてあげる」
「…?いいのかよ。」
「いいわ。だって、どーせアナタ一人じゃないんでしょう?」
「分かるの?」
すげ。
「分かるわ。だって一人でバンドのリハーサルとか、おかしいでしょ?」
ああ、そんなことね。
「…それに‥」
はいはいなになに。
「あ、アナタは人目につかないところで、そ、その、ふ、二人きりの時にじわじわ嬲り殺すって決めたの!分かった?分かったわね!じゃ!」
勢い良く切れました。
何だかな。いくら妖怪(!?)とはいえ、殺人を人目に晒す訳にもいかないかのかな?
よくわからないが、何だか、ほっとした。
着信履歴の残らない彼女からの着信、宣言どおり、その日はそれきりだった。
561本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 09:37:00 ID:z/unHNsbO
やべー普通に面白い
562本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 10:42:27 ID:BPigGzw0O
ツンデレメリーも良いな。
ツンデ霊スレでもウケるはず
563126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/13(金) 12:50:59 ID:94oWF131O
おもしろいよ〜。
期待大です。

LADYさんも、楽しみにしてるね。

絵描き様。
追加乙です。
最初のメリーの全身画像をお願いしてもよい?
無理ならよいのですが。
わがままいってすいません。
564名無し:2006/01/13(金) 15:22:57 ID:IXZ2lNUCO
彼女と出会って四日目。
不思議と、彼女と出会ったのがずぅっと前のように思えてくる。
俺は自宅の裏、公園のベンチに座っていた。何か用事があったわけでもない。天気が良かったから…じゃ理由にはならないか。
もうお昼も大分過ぎ。午後の日差しが少し眩しい。彼女からの"殺人予告"は今のところない。
今日は…どうなんだろう。俺は期待していた。もう下手に自分を誤魔化すまい。はいはい期待してますよ、と。
「フゥ…。」
まばらな雲が氷みたいに空に張り付いている。ヒンヤリと冷たそうな雲だ。少し陰欝な気分になっている。
苛立っているわけでもない。もともと、こんな性格なだけだ。彼女に出会ってのこの数日間の俺が少しおかしかったんだ。
まるで子供みたいに胸を躍らせていた。思い返すと本当、滑稽だ。
「まったく…子供じゃあるまいし」
「子供だわ」
「!?」
声のした方を振り向く。いつのまにか俺の横には彼女‥メリーが座っていた。突然消えたり、現れたり。もう驚かない。
…にしても予告なしですか。大胆だね。
「そうだね」
俺がそう答えると、彼女はニッコリと笑顔を作った。綺麗だ‥本当。俺はまた胸が高鳴るのを感じた。
「よくここが分かったね。」
「アナタ、死にたがってるもの」
彼女の笑顔が曇る。悲しそうな顔。あの時も‥マウントポジションとった時も、そんな顔してたっけ。
何故そんな顔するんだろう。
というか、そもそも俺を殺すのがメリーの目的だろう。何を今更。
565名無し:2006/01/13(金) 15:25:14 ID:IXZ2lNUCO
「俺が死にたがると、君は現れるの?」
「そうよ。アナタの望みを叶えるために私はいるの」
「死にたくなくなったら?」
「わかんない‥」
膝を揃えて、その上に両手を添え、お上品に座るお人形。
「少なくとも‥今、俺は曖昧なんだ」
数日前までは確かに死を望んでいた。
「君が現れて…」
そう、コイツコイツ。
「君と色々話して…」
そうそう話して。
「それが楽しくて…」
はいはい否定はしませんよ。
「なんか分からなくなった」
揺らいでる。俺はこの少女といつまでも一緒にいたい。だから…
……?
一緒にいたい?
ちょっとまて、それって…
「でも、君はこうして殺しにきてくれる」
わざと"殺してにきてくれる"という表現を使った。分かってる。俺は彼女が好きなんだ。
…いや、分かってた。
「それなら、もう少し、あと少しだけでも…」
このまま。
「君と…」
ずっと。
「一緒の時間を過ごしたい」
大丈夫、ギリギリ告白ではないだろう。メリーもそんなふうには取らないはず。
…ですよねぇ?メリーさん。
566名無し:2006/01/13(金) 15:27:06 ID:IXZ2lNUCO
…て。あれ?
「…!あ、え?あ、ぁぁ…ァァァあの!…その…え?」
動揺すんなよ。こっちが恥ずかしい。
「あ、し、心配なんてしなくても!…その、い、いつでも殺しに‥あ、い、行ってやるわよ!」
はいはいそうですか。
「絶対!諦めないんだからね!」
はいよくできました。つーか赤面しながら襟首掴むなよ。
「分かった!?分かったわね!」
うん。
「よかった。」
「…!」
俺の襟首掴んだまま黙り込むメリー。俺は本当によかったと思った。
「いつでも、待ってるよ」
彼女の大きく見開いた硝子玉のような目。瞳に隠しきれない動揺。紅潮した頬。俺はずっと見ていたかった。
「あ、エト‥ソノ‥よ、用事よ!」
はいはい。
「用事を思い出したわ!」
そうですか。
「き、今日のところは見逃しといてあげる!」
いつもそれだな。
「せっかく、永らえたその命…せ、せいぜい大切にすることね!」
うん。つーか今日は何しにきたんだ?
「じゃ!さ、さよなら!」
そう一気にまくしたてると、スカートを翻してぎこちなく歩きだす。
俺は止める事はしなかった。きっとまた会える。それだけ分かっただけで俺は救われたんだ。
今にして思えば、予告もなしに彼女が現れた理由。
それは…。
やめた。考えないでおこう。いくらなんでも死神が獲物に生きていてほしいなんて思うわけがない。
そうだろう?
567名無し:2006/01/13(金) 15:44:07 ID:IXZ2lNUCO
休憩。
読んでくれてありがとう。すごく励みになりました。
初期設定をいかに破綻させないかが問題なんですが、やはり素人実験小説なだけあって厳しいものがありますが、生暖かく見守ってください。
脳内補完してみると素敵になるかもしれません。
まだ物語は折り返し地点なので、もうしばらくお付き合い下さい。
夜は仕事なので、たぶん今日はここまでといった形になると思います。
568本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 17:16:01 ID:Zd+BaFHqO
乙!素敵な職人さん♪
夢をありがとう♪これからもヨロ!!!

素敵な>>126氏もLady氏も始まり氏も無理のないペースでこれからもガンガレ♪
569本当にあった怖い名無し:2006/01/13(金) 23:04:46 ID:QFsQei/u0
メリーさん繋がりで聞きたいんだけど。

ttp://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/marylamb.html
ttp://www.sound.jp/childrensongworld/mary.htm
↑のように歌詞が違うんだけど今CDであるのは上記のらしいんだけど、
結構いるみたいですが僕も「メリーさんのひつじひつじひつじ」記憶してるんだよ。
日本語で最初にできたのってどの歌詞か知ってたら教えてちょ。(´∀` )
570始まりの死、始まりの生:2006/01/14(土) 01:18:25 ID:Ut1jrtzp0
今とあるスプリクトを作っていてフッと想った・・・メリーさんプログラムって有ったら良いな
571本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 01:34:51 ID:890XhBY70
えと、その。
メリーさん、自殺させないために、現れたのかもしれませんね。
572本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 04:34:19 ID:QmcqmUfF0
>>569
でもここで聞かれてもなぁ・・・。
573本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 15:34:33 ID:lh1RvVubO
みんなどうしたのだ?
574本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 15:44:29 ID:+/Ev96gMO
わわわ私し・・・・メリ〜さん
今あああなたのののトイレにいるの…



うっぷす!



575本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 15:54:06 ID:rTaZ0hcEO
どうしたとは?
576本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 17:16:29 ID:9N3568ZfO
下手ながら支援
http://k.pic.to/49kob
577本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 19:10:42 ID:0seJ5AWVO
>>575 流れがおかしくなってる事を危惧したんじゃね?よくわからんけど

>>576 GJ!
578本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 19:14:50 ID:0seJ5AWVO
>>573 気にするほどのことでもないさ
職人さん達が来るまでマターリとしてようぜ
づ 旦


>>576 GJ!
579本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 19:15:52 ID:0seJ5AWVO
しまった… orz
580本当にあった怖い名無し:2006/01/14(土) 19:55:35 ID:vh/Lh3OB0
「わたしメリーさん、今あなたの家の前にいるの」
( 'A`)「間に合ってます」
「・・ふざけんじゃないわよ!」
「メリーさんよ、あなたの玄関の前」
( 'A`)「鍵開いてるから入ってきなよ」
「そうはいかないわ。後ろからがわたしのジャスティス」
「わたしメリーさん、今あなたの後ろに・・・・何よこれぇ!!」

部屋にはびっしりとメリーさん’sが並んでいる。
メリーさん’s「あなただれ」
「うわーん」
新しいメリーさんは泣きながら帰っていった。
( 'A`)「だから言ったのに」
メリーさん’s「わたしメリーさん」
( 'A`)「後、誰か続けて」
581Ladyメリー携帯:2006/01/14(土) 23:04:26 ID:rTaZ0hcEO
うずうず。
はよ書きた〜い!
582126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/15(日) 00:39:05 ID:cqR0EKFX0
Ladyさん!こんばんわ!
書きたくてうずうずしてる姿が思い浮かびますよ。

ボクは今から書き始めますが・・・。
きょうUpできるかどうか・・・。

実は、少し遊んでいました・・・。
476さんの絵があまりにかわいかったので・・・・。
色をつけてみました・・・
塗りは雑ですが・・・。どうぞ!
http://k.pic.to/4bkf8
583名無し:2006/01/15(日) 01:14:49 ID:9aMhHX2XO
>>582GJ!!
584本当にあった怖い名無し:2006/01/15(日) 07:12:21 ID:QpWZdn7w0
>582
これなんてプリメ?
585本当にあった怖い名無し:2006/01/15(日) 09:29:43 ID:RlqqY5dQO
>>582
激しく!G!J!
続きも早く♪早く♪
586始まりの死、始まりの生:2006/01/15(日) 13:48:06 ID://JNXq4G0
>>580に今後の展開取られたけどgj
587本当にあった怖い名無し:2006/01/15(日) 21:09:12 ID:rY8fRRTo0
588本当にあった怖い名無し:2006/01/15(日) 21:34:06 ID:FGw9/nKY0
>>586 そんなハードな結末を予定してたのかァ!?

>>587 横浜のメリーさんかーァ!?
知らない人は見ない方が・・・。

とゆーわけでLady メリー帰島。
589本当にあった怖い名無し:2006/01/15(日) 22:12:59 ID:Nva+FyIp0
はいはい。
590名無し:2006/01/16(月) 00:12:04 ID:SDIYSVXyO
俺も続き書かないとな。。。
591580:2006/01/16(月) 00:33:25 ID:78dlUU5h0
>>586さん

ごめんなさい ;y=−( ゚д゚)・∵. ターン
592本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 02:02:34 ID:KxucnIB4O
Ladyメリー氏、かなり好きなんだが主題歌まで作ってどうするつもりだwww
はじまりはクスリでもやってんのか
593本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 02:46:51 ID:i+9YUduW0
>>592 あ〜、ならその部分は無視してくれ〜、
あくまでもイメージじゃ、
もともと、好きな歌の歌詞を見つけてしまい、自分なりに和訳してみたら、
「詩も結構、いいぞ、なんかに使えないかな?」というきっかけのもとに
イメージがだんだんふくらんでいって、
メリーさんの話ができあがってしまったんだ。
つまり、歌がわしの作品にもろ影響している。作品が先じゃないのよ。
冷静な批判には感謝します。

さて、つづき、つづき。
594始まりの死、始まりの生:2006/01/16(月) 14:05:30 ID:1FRfORPm0
>>588
更に言うと署内にメリーさんギュウギュウ詰めエンド
変更するかもしれないけど
595本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 14:22:31 ID:p8+9yG9w0
>>594
え?冗談じゃなくマジ?
596始まりの死、始まりの生:2006/01/16(月) 14:31:33 ID:1FRfORPm0
此処まで付いて来たのは10人か、今3階に俺達は居る
地面には穴が空き、壁は崩れ硝子は四散し
開かずの間が開いていた、俺が此処に配属される前から
閉じていた扉が・・・・廊下に転がり落ちていた、
部屋には中に何も入っていない木箱が大量に散乱していた
見た数、50は越えるだろう、コイツは一体・・・何だ
部屋の壁という壁に紙切れが貼ってあった
意を決し一歩中に入ると異様に冷たかった、
箱を一つ拾い上げる、
何故此処に有る、今まで開いた事の無いこの場所に
箱の中にはメリーと刻まれ外装には人の名前だろうか、一箱一箱に
違う文体で銘が彫ってあった、
597本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 15:20:24 ID:i+9YUduW0
>>594 ぎゅうぎゅうのメリーさん達の中に放り込まれて、
メリーさん達にカラダを密着されて・・・ ハァ、ハァ・・・、
そんな・・・なかで、あんなことやこんなことや・・・ああぁん!
イカン、変な妄想がッ!
598本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 16:23:20 ID:KgOQkXthO
お♪始まり氏ガンガレ♪

あぁん!♪
Ladyさんがハイだわぁん♪

べ…別に楽しそうだから俺も乗っかろう!とか思ってないんだからね!
599本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 19:25:54 ID:8CdmcvHg0
>>596
読みづらいしつまんないから打ち切りでいいよ。
600本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 19:29:33 ID:i+9YUduW0
乗っかって、乗っかって!

・・・それにしても、126氏や名無し氏が静かだ・・・。嵐の前の静けさと見た。
きっと今夜辺りうpされるのでは!?
待ってるよ〜。
601名無し:2006/01/16(月) 19:40:12 ID:SDIYSVXyO
>>600すいません。
他板でちょっとした小ネタ書いていて少し遅れます。内容は阿呆な兄妹の泥沼恋愛模様なる非常に頭痛をもよおす話なんだけど…。
今日の内にメリーさんは書こうとしたんですがねorz今のとこはそっちに集中しちゃいます。
すいません。
602本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 20:09:16 ID:aiGBZ6GZO
>>569
メ〜リさんの羊は苦〜もあるさ〜♪
603本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:04:02 ID:i+9YUduW0
>>602 懐かしいね、それ。>>601 じゃ・・・じゃあ、オイラいっちゃっていい?)

 「さぁ、Ladyメリーの登場です!
 薔薇の刺繍のドレスを纏い、
 か細き腕には、一振りの鎌(今は持ってないけど)
 あの世へ旅立つ覚悟はできたのかしら?
 Uoo La La〜、
 私は見つける、法を犯したもの、そして私は知らせる、ベルを鳴らして、
 そして私は近づく、確実に一歩ずつ、そして私は準備する、死刑執行のその時を、
 そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
 そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」

(あ〜、毎回緊張する・・・)
604本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:06:32 ID:i+9YUduW0
第三章第一話
 ・・・約、150人ほどの集団であろうか? 腰に剣を佩き、弓矢を携え、
兜や胸当てに身を包んだ一団が、湖の岸辺に集まっていた。戦でもあるのだろう、
彼らは20人ずつ程に分かれ、岸に停めてある幾艘かの船に乗り込もうとしていた。
一際、大きな船には、羽飾りをつけた兜をかぶり、ビロードのマントを纏った男が、
大勢の部下達に指示を与え、湖の遠く・・・山あいに見える、大きな川への
その先に目を凝らしていた。
 「何だぁ、ありゃぁ?」 その光景を、少し離れた所で見ていた地元の農民がつぶやいた。
その農民は、武装された兵士達を見ていたのだが、岸に停めてある大きな船に、
水面から何かが近づいていくるのを目撃したのだ。
 魚・・・? だとしたら、でかいよな?
とも考えたが、そのうち水面の波紋も見えなくなると、興味も失ってしまい、その場を後にした。
しばらくして船団は出航した。この地域の領主と思われるマントの男は、
船団の先頭に位置する大きな船の船べりで、今度の戦の作戦を練っていた。
彼の船が湖の中ほどにきた時、一羽の大きなワタリガラスが、
この船の領主近くの営倉の屋根に止まった。
ワタリガラスは小刻みに首をかしげながら、領主に興味を持ってるようにも見える。
  ガァァァ・・・
 「ほう、珍しいな、こんな人間の近くに・・・」
マントの男はワタリガラスを刺激しないように、船べりに手をついてその鳥を観察しようとしていた。
だが、男は自分の耳を疑った。・・・実際はそう聞こえただけであろうが、
そのワタリガラスの嘴から、突然、人間の女性の声が聞こえてきたからである。
 「 わたしはマリー・・・ わたしは今 おまえの船の下にいる・・・  」
その声と共に、水しぶきをあげながら、水面から一体の人形が現れた。
 「う お お お ぉ っ ! ? 」
その人形は、後ろから領主の腕をガッチリとはさみ、あっという間に男を水中に引きずり込んだ。
兵士達はその一瞬の出来事に、何が起きたか理解できない者がほとんどだった。
忠実な部下が湖に潜って、領主を助けようとしているが、あれだけの装備をしたままでは、
恐らくそれは叶うまい・・・。そのうち、もつれあった二体の身体は、
既に陽の光も薄い、冷たく暗い湖の底に達しようとしていた・・・。
605本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:09:49 ID:i+9YUduW0
第二話
この出来事が起きる、すこし前まで時間を戻してみよう。
ここは、ヨーロッパ中部のある小さな谷あい、周りは万年雪の見える山々に囲まれ、
一方には、暗く深い森があり、湖の周りには小さな草原もある。
人々は主に、放牧や狩猟、また小さな畑でわずかながら作物を収穫していた。
人口はけして多くもなく、産業も豊かとは言えないが、
あまり交易にも頼らず、ある程度は村で自給できるぐらいの共同体が成立していた。
この地方の領主は、この辺りを含むいくつかの村々の支配者でもあったが、
近隣の諸侯との小競り合いがしばしば起こるため、今回この村に一度駐留し、
山向こうの敵対する諸侯との戦への準備を進めていた。
これは、そんな時に起きた物語である。

 「ウオッホン! ・・・よいか、夜の森にはな、恐ろしい悪霊が徘徊しておる・・・。
 特に冬の夜には絶対に森へ出てはならん・・・それはおまえ達が子供だからではない、
 例え、大人になっても、それは同じじゃ・・・。特に陽の一番短い日は、奴らが最も活発に
 なる時じゃ。森のヴィルダーヤークト(荒々しい精霊)、ナハトイェーガー(夜の狩人)共が、
 凄まじい風と共に行軍する。夜は彼らの物じゃ・・・、生ある者がそこを侵してはならぬ。
 もし、それを破ればいかなる者も、奴らに捕まり、死者の王ヴォーダンの元に
 引きずられていくだろう。・・・そして二度とこの世に戻ってくることはない・・・。」
・・・小屋の外は既に強い風が吹いている。陽はまだ落ちきってはいなかったが、
短い冬の日差しは、間もなく到来する暗黒の夜が、すぐそこまでやって来ていることを
小屋にいる者達に告げていた。
 「ねぇ! ニコラ爺さんは夜の森に出かけたことがあるの!?」
好奇心の強いチビのエルマーは、相手が誰だろうと物怖じしない。
 「わしかね? あるともさ! わしがおまえらのような、子供の時じゃ、親父の言いつけを
 守らず、夜の森に出てしまってな、森の真ん中まで来たときに、大勢の兵隊達が
 森の中をさ迷い歩くのを見た。骸骨の行軍をな・・・。鎧の音か、骨の音か、ガチャガチャと
 不気味な音を鳴らして歩いとった・・・。そして、その後ろには、森の魔女・・・
 フラウ・ガウデンが首のない馬車に乗って通り過ぎおった・・・。」
606本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:11:46 ID:i+9YUduW0
第三話
ニコラ爺さんはいろんな事を知っている。爺さんはあちこちを旅してきた人だ。
いつの間にか村から消え、何年かしてからまたひょっこり帰ってくる。身寄りはない。
ただの乞食といってしまえばそれまでなのだけど。
しかし、村ではこの爺さんはみんなに大事にされている。いつだったか、
西の村で疫病が流行った時、たまたま旅から帰ってきた爺さんが、いち早くみんなに
知らせて、この村は事なきを得た、なんて事もあるからだ。
 「・・・フラウ・ガウデンはの、二頭の馬が牽く馬車に乗っておった。彼女は、見る者によっては、
 美しいお姫様に見えるというが、わしが見たのは蜘蛛の巣や醜いかさぶたに覆われた、
 ボロボロの老婆じゃ。わしは大きな樹木の後ろに隠れていたんじゃが、しばらくの間、
 わしは怖くて一歩も動けんかったわ・・・。」
風の音はますますひどくなっていた・・・。子供たちには、大きな獣の中にでも
閉じ込められたようにすら感じているだろう。
年寄りのこういった語りは、子供たちにとっては欠くことのできない娯楽だ。また、これらの
森の伝承は、彼らにとっては全て現実の出来事であり、人として生活していくためには
必須の知識でもあった。
 「さぁーて、そろそろ、陽も落ちてきたぞ。続きはまた明日じゃ・・・、
 フィーリップ、親父さんによろしくな、トーマス、夜更かしするんじゃあないぞ。
 ハンス、お母さんに「煮込み、うまかった」と伝えてくれ!
 マリー、エルマー、帰り道は気をつけるんじゃぞ、領主様がいらしておるそうじゃ、
 みんなも砦の方には近づくな、戦があるかもしれんのでな。さ、みんな、おやすみ!」

 「姉ちゃん、砦の方・・・ちょっと帰りに覗いて見ようよ!」
チビのエルマーは時々、無謀な発言をして、周りの者を困らせる。
歌好きのマリーはいいお年頃で、村の独り者や少年達から憧れの目で見られているのだが、
弟の世話や家事が忙しく、本人にはなかなかその自覚がない。
 「あんた、また、馬鹿なことを言わないで! もうじき夜になるわ、ニコラお爺さんに
 言われたばかりでしょ!?」
 「どうせ、帰り道から少し外れるだけじゃん! 見るだけ、見るだけ! すぐ帰るよぉ!」
 「・・・もぅ〜、しょうがないわねぇ〜。」
607本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:14:13 ID:i+9YUduW0
第四話
普段から弟の世話を焼いている歌好きのマリーは、しっかり者ではあったのだが、
実際、砦は彼らの家から遠くもなく、マリー本人も兵隊達に興味があったので、
 「すぐに帰るわよ。」 という条件付きで覗いて見ることにした。

 うーらーらーら〜♪
 ねぇ、あなた、行ってしまわないで、
 こんなに貴方が好きなのに、
 こんなに貴方を愛してるの、
 うーらーらーら〜♪
 ねぇ、あなた、行ってしまわないで、
 貴方にさよならを言われたら、
 私は間違いなく死んでしまうことでしょう♪

 「・・・ちょっとぉ、ゆっくり行きなさいよぉ!」 「急いでって言ったの姉ちゃんじゃん。」
最初は歌を歌っていたマリーだったが、すばしこいチビのエルマーについてくのは
一苦労のようだ。歌ってる余裕がなくなって機嫌が悪い。
砦は、斜面の深い谷の小高い場所に位置しており、その向こうには、広大な森が広がっている。
普段は、見張り程度の人数しかいないのだが、今回は領主の出陣ともあり、
大勢の兵隊が既に終結していた。
 「うわ〜、かっこいいぃ〜・・・」
陽はまだ沈んでいなかったが、既に山あいに隠れてしまい、兵士達はかがり火を焚く。
武具の手入れをする者、馬の世話をする者、食事の準備をする者などがせわしなく動いている。
二人の姉弟は寒くないようにくっつきながら、物陰に隠れて兵士達の動きをみていた。
この二人は、あまり戦争や戦というものを知らなかった。戦いの前の兵隊達が、
どれほど、気が荒くなっているか、また、この時代の権力者達は、
しばしば、山賊と大差がないほどモラルの低い者達がいたということに。

 「何だ、おまえ達は・・・?」 不意に背後から威圧的な声がする。
そこには羽飾りの兜をかぶり、ビロードのマントを纏った男が立っていた・・・。
608本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:16:45 ID:i+9YUduW0
☆ 今日はここまでです。前作とはティストが違いますので、
 皆さんの反応がちょっとドキドキです。
 後は、126さん、どうぞ。
609本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 22:28:18 ID:KgOQkXthO
GJ!いい雰囲気ですよ!


>>126さんくるといいなぁ〜(´・ω・)(・ω・`)ネー
610本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 01:00:17 ID:rb/z2HM9O
wktk
611本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 02:17:03 ID:OaIQ7Rxk0 BE:185601964-
「はい、もしもし」
「俺啓太、今あなたの後ろにいるの」
「・・・」


続かない、こんなの続かないよ!!!
612本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 02:22:05 ID:mkjEy3HzO
>>608
今回のは面白くないね。
書き直せば?
613本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 03:03:57 ID:koeWAUyo0
そんな事はムリ。

            ハ_ハ  
          ('(゚∀゚∩ むりだよ!
           ヽ  〈 
            ヽヽ_)
614名無し:2006/01/17(火) 03:46:13 ID:uDUgcnnyO
Ladyさん乙。
我々、書き手となって公に晒す立場となれば、やはりある程度の酷評も覚悟しなけりゃなりませぬ。
意見にならんかもしれませんが、俺は続き読むの楽しみにしとります。
俺も今書いてます(変態昼ドラ風味恋愛大正浪漫奇憚。タイトル違うのは気のせい)。
お互いの物語の完成に向けて頑張っていきましょうぜ。
126氏の作品も始まり氏の作品も読者サイドで首を長くして待ってますww
そうだよ、今思うと俺ずっとロムってて、悪戯のつもりで書き始めたのがきっかけだったっけ。
貴重な体験させて頂いてます。
615126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 09:57:41 ID:QJmRm8xV0
さて、お待たせしました・・・。
とりあえず・・・2つだけ・・・。
行きます!
616126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 09:59:50 ID:QJmRm8xV0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509】
40番目←いまここ
617126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 10:01:00 ID:QJmRm8xV0
40番目
俺は、床に横たわった鎌を大量の毛布でくるみ、ベットの下に押し込んだ。
直接手で触れないこと・・・。これがメリーの教えてくれた鎌に対する対処方法だった。そ
れでも毛布でくるむときは緊張で手が震えた。メリーは俺の背中にへばりつきながら心配そ
うに俺の様子を見ていた。
・・・・もう、私も・・・これを手にしたくない・・・。
あの後、メリーが口にした言葉。鎌を持っているときと鎌を手放した後、メリーの雰囲気が
少し違うのは、メリー自身にもあの鎌の中から流れ込んでくる「黒いもの」の影響があった
のだろう。圧倒的な不快感、自己嫌悪、そのまま「黒いもの」に身をゆだねてしまったほう
がよほど楽だとそう思えるほどの・・・・。俺自身が実際に体験したからわかる。
破壊衝動・・・。「黒いもの」には、行き過ぎて破壊してしまうまでとことんいってしまわ
なければすまなくなる破壊衝動が伴っていた。
メリーは美しい、そして繊細だ。人の中にそんなものがあることを認めたくはないが、もと
もと人間の中に存在する加虐的な性癖を呼び覚ますに十分なほどに・・・。メリーを最初に
見て、鎌を手に取っていない俺が最初に覚えた黒い感情。俺の中にもメリーをむちゃくちゃ
にしたくなる愛するがゆえにむちゃくちゃに壊したくなる騒動。美しいがゆえに汚したくな
る衝動。突き上げてくるその衝動を何とか押さえ込んだ。
鎌は、その俺の奥底にある醜い衝動に力を与え、俺を突き動かそうとした。ただそれだけだ。
元は俺の中にあったもの。鎌の中から流れ込んできたものは、実は邪悪なものでもなんでも
なく、人間の根本に眠る欲望という形の力だったのかも知れない。しかし、あまりに強大で
生々しい力に俺は嫌悪感を抱いた。
「メリーの中には、2つの魂がある」
まとめサイトに書かれていた言葉。人形メリーの無念、そして幼くして不幸にも命を落とし
た不遇の少女の念。俺の目の前で無邪気に微笑んでいるのは、おそらくは不遇な運命を抱い
て死んだ少女の魂だろう。俺はその少女の運命と少女の魂に惹かれた。
「あ、あの・・・着てみていい?」
618126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 10:01:36 ID:QJmRm8xV0
最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>617】
41番目←いまここ
619126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 10:02:49 ID:QJmRm8xV0
41番目
またクローゼットの前に戻ったメリーは、無邪気に微笑みながら、服を自分の胸に当てて次
々と床に散乱させていた。どうやら気に入った服が見つかったらしく、鏡の前から俺に声を
かけてくる。
「もちろんだよ。着てくれると、俺もうれしい」
心底、そう思った。その言葉に安心したのか、俺に笑顔を返してくる。目を輝かせ、手に取
ったシンプルな白いワンピースを振り回しているメリーのうれしそうな姿を見て、俺は微笑
んでいた。こうして無邪気にはしゃいでいるメリーと先ほどの高貴な氷のような冷たさを纏
ったメリー。どちらが本当のメリーなんだろう。鏡を前にポーズをとるメリーの姿。女の子
はみんなモデルなんだろうな。自分で表情を作りながら、さらにどの服を着るのかを選びは
じめている。手に取る服によって表情が変わる。先ほどの白いワンピースを手に取っている
ときは、その年頃にふさわしい無邪気でかわいいメリーが鏡に映っていた。少し大げさなイ
ブニングドレスを手に取るとき、メリーの表情は少し妖絶ななまめかしさが漂う。今着てい
るものと同じようなゴスロリな服を選ぶとコケティッシュないたずら好きな小悪魔の表情が
顔を出す。そして、さらに高貴な印象を与える服・・・。このとき顔が一気に無表情に変わ
る。俺は先ほどのメリーを思い出しドキッとして息を飲んだが、高貴な印象だけが全体を包
んでも冷たさは感じられなかった。
散々悩んだ挙句、ようやくメリーが手にしたのは最初に手にしていた白いワンピースだった。
メリーは大きく息を吸い、目を閉じた。鏡の前で何かに思いをはせているようだった。
ゆっくりと目を開けて、メリーは、白いワンピースを床に置いた。
そして・・・・。
メリーは、今自分の身を包んでいる黒いごてごてとしたレースがあしらわれたロリータファ
ッションの服をゆっくりと脱ぎ始めた。
つづく
620本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 11:01:06 ID:koeWAUyo0
126さん、来ましたねぇ! 次回はちょっぴりムフフな展開?

>>614 ありがとね〜! 頑張るよ〜!
621本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 12:34:52 ID:cDyV9Vh50
展開期待。
622本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 13:05:06 ID:KWaSdPLSO
>>126
もうビバ!ビバだよ!
見るたびに優しい気持ちになるよ
(´・ω・)(・ω・`)ネー
623126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 13:11:24 ID:tpIsRG8m0
最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619】
42番目←いまここ
624126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 13:12:01 ID:tpIsRG8m0
42番目
胸のリボンに手をかけ、ゆっくりとそれを解いていく。黒いリボンを襟から抜き取り、さま
ざまな女の子の服が散乱している床へ手から滑り落ちていく。襟元のボタンをはずす姿が鏡
に映っている。
・・・俺は固まっていた・・・。
今目の前に何が起こっているのか・・・。頭はわかっていて、「まずい!見ちゃいけない」
なんて思っていたりする。が身体が言うことを利いてくれない。
メリーの手は、次々とボタンをはずしていく。ウエストの辺りまで続くたくさんのボタンを
ひとつずつはずしていた。その隙間から、ほんのわずかな隙間から見え隠れしている肌。
俺はごくりとつばを飲み込んでしまった。見たくないと行ったらうそになる。しかし、見て
はいけないという思いのほうが強かった。俺は何よりもメリーを汚したくない・・・。
俺のよこしまな欲望のはけ口に南下したくない。俺は何とか自分の目線をメリーの胸元から
そらした。
鏡に映るメリーの顔、そこに救いを求めようとした。
が、鏡の中のメリーは、じっと俺を見ていた。
下唇をかんで、少し涙をためたような潤んだ瞳で、確実に俺を責めていた。
良く見ると、胸元も両手でしっかりと重ねられ、少し震えているようだった。
「あ、あのさ・・・いや、あの・・・」
俺は急いで言い訳をしようと、何か言おうとしたが、何も出てこない。
慌てふためく俺のほうを振り向いて、つかつかと近づいてくるメリー。
ほっぺを膨らまして怒った顔で俺に言った台詞が・・・。
「えっち!」
ボタンのあいた服を両手で押さえた女の子が、目の前までやってきて、ほっぺたを膨らませ
て、上目遣いで、「えっち!」・・・。
俺は、思わず目をつぶった。落ち着け落ち着け落ち着け・・・。
「黒いもの」でも「暖かいもの」でもない、「何か」が鎌首を持ち上げてくるのを必死にな
って抑えた。
625126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 13:12:38 ID:tpIsRG8m0
最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624】
43番目←いまここ
626126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 13:13:11 ID:tpIsRG8m0
落ち着け落ち着け落ち着け・・。俺はメリーを大切にするんだ、俺はメリーを大切に・・。
「むこうを向いててください!」
真っ赤な顔をして必死になって訴える姿。
・・・まとめサイトの管理人がおかしくなったのは、実は鎌に触れたからではないのかも知
れない。
と馬鹿なことを思いながら、
「は、はい」
と元気に返事をして、俺はメリーに背中を向けた。
メリーは俺のすぐ後ろで、
「絶対にこっち向いちゃだめですよ・・・」
耳元でささやいた。
その言葉は、確かに耳から入ってきているのだが、背中から胸に向かって突き抜けていく。
・・・こいつわざとなんじゃないのか?俺は胸の苦しさとどきどきを何とか押さえ込みなが
らも、
「は、はい!」
と元気に声を上げた。こんなにも幼い風貌の少女に翻弄されている自分。俺はその事実に驚
いていた。メリーの言いつけどおり、部屋の真ん中でメリーに背を向けて正座をして待って
いる。そぞかし他人が見たら、おかしな情景だろう。
俺は少しにやつきながら顔を上げた。

・・・・・。
顔を上げた俺の視線の向こうに、玄関から顔を出している麻子がゆがめた顔のまま固まって
いた。
つづく
627126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 13:14:05 ID:tpIsRG8m0
続けていってみましたwww
さてどうなるんだろうwww
628本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 15:59:49 ID:koeWAUyo0
☆ ムフフゥーッ///
629126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 16:59:18 ID:MmgQef9P0
>>628LadyさんのIDが・・・
「こえーわ、うよぉぉぉ」って感じですwww
皆さん、Ladyさん、いつも応援ありがとうですよ!もう少しぐだぐだします。
途中からこちらにこられた方は、ボクのは長くて邪魔くさいと思いますので・・・。
Ladyメリーさんの作品
第三章(現在連載中)
>603オープニング
>604第三章第一話
>605第三章第二話
>606第三章第三話(以下続く)
第一章
>323-325第一章オープニング?
>326-327第一章第一話〜第二話
>331-337第一章第三話〜第十話(完結)
第二章
>379第二章オープニング
>381-384第二章第一話〜第四話
>390-393第二章第五話〜第八話
>411-414第二章第九話〜第十二話
>432-435第二章第十三話〜第十六話
>445-448第二章第十七話〜第二十話
>469-473第二章第二十一話〜第二十五話(完結)
始まりさんの作品
>>419 一覧
名無しさんの作品(現在進行中)
>534-541●>544●>549-550●>554-560●>564-566(つづく)
その他多数のななしさんの短編もあります!



630本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 18:57:43 ID:KWaSdPLSO
>>126 もうビバ!ビバだよ!
さっき優しい気持ちにさせられたのに今ちんちんおっきしたお
(*^д^)
つーか邪魔なんてこたない!これからもガンガレ!
いやしかしグダグダ最高ですwww


ところで今日はLadyちゃんの続きは何時頃になるのかなぁwktk♪
631本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:17:09 ID:koeWAUyo0
>>629 ありゃ〜、ご親切にどーも!
IDのヤツ・・・無茶しやがって・・・。
>>630 いつでも投下できます・・・ので、投下しましょう。
632本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:20:03 ID:koeWAUyo0
第五話
二人はびっくりして後ろを振り返った。領主様だ・・・。
男の厳しい表情に、二人は後ずさりしながら、マリーが恐る恐る口を開いた。
 「ご、ごめんなさい、どんな人たちがいるのかと思って・・・、すぐ帰ります!」
そういって、エルマーの背中を押して帰ろうとした。
彼らがただの村の子供たちであることは、もちろん領主にもわかっている。
だが、領主はマリーの美しい顔・・・、胸のふくらみ・・・、柔らかそうな肌・・・、
既に大人の女のカラダとなっている腰の肉付きを見逃さなかった。
 「待ちなさい。」
高圧的なその響きは二人の姉弟の足を止めた。
 「おまえ達は村の者か?」 
 「は、はい、マリーと言います、この子は弟のエルマーです。」
そこで、領主はニタッと笑った。
 「・・・そうか、マリー、エルマー、今、我らは夕食をとる所だが、せっかくここに来てくれたんだ、
 戦の前の宴につきあってくれないか?」
二人は思わず顔を見合わせる。
 「え・・・でも、もう、夜です、父や母にも怒られますし、悪霊たちも村までやってきたら・・・。」
 「ハハハハハッ、そんなことか、帰りは兵士達に送らせるよ、父母にもちゃんと説明してやる、
 そうそう、お小遣いもやろう。」
エルマーの目が輝いた。マリーは領主のなめるような視線を感じ取っていたが、
有無をいわせぬその強引な口調に逆らうことができなかった。

砦の中の宴席では、マリーは領主の隣に座らせられた。その隣がエルマーだ。
円を囲むように、領主の腹心の部下4名ほどと、大きなテーブルで食事をとった。
 「ぼうず、酒は飲めるのか?」 「駄目よ、エルマー、まだ早いわ!」
マリーは席を立ってエルマーを止めようとしたが、領主に腕を押さえられる。
・・・不必要なほど肌を密着させられて・・・。
 「マリー、男はこのぐらいから飲み始めるもんだ、将来、立派な男になるにはな!」
さすがのエルマーも、いきなりコップにいっぱいの酒を注がれて、ためらっていたが、
周りの兵士のはやしたてに、冒険心が打ち勝った。後先考えずにゴクゴク飲み干してしまった。
 「・・・うっっえええぇぇぇぇっ  ゴホッ、ゴホッ!」
633本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:24:12 ID:koeWAUyo0
第六話
 「ああッ、もう、ほら御覧なさい!」 途端にエルマーはむせ返る。兵士達は品のない程
大笑いをしている。マリーはエルマーの面倒を見ようとしたが、領主はマリーを放さない。
マリーも、何とか領主からの接触に抵抗したいがあからさまに拒否できない。
その内に領主の目は、益々、マリーを欲情的な目で見るようになっていた。
この時代の少女だ、勿論、彼女は男を未だ知らない。だが、彼女も女性特有の感覚で、
領主の欲望はなんとなく感じ取っていた。
領主は嫌がるマリーを懐に抱き寄せ、彼女の背中に回した左のかいなで、
彼女の腰のくびれや脇腹を撫で回す。
 「・・・領主様・・・、あの・・・困ります!」 だが領主はそんな言葉には耳を貸さない。
 「マリーよ、わしはおまえが気に入った! どうじゃ、わしの三番目の妻にならんか?」
マリーは目を見開いて驚いた。今までそんな事は考えた事もないし、
この状況下では、とにかくここを離れたいとしか思ってないからだ。
 「・・・ええっ? え、あ、でもそれは・・・、父や母が何と言うか・・・、私には・・・ 」
領主のぎらついた目はもう止める事ができない・・・。ついに彼の手のひらは、マリーの柔らかい
胸を弄び始めた・・・。領主の硬い指が、衣服を通して彼女の乳房に沈み込む。
 「・・・止めて下さい! もう帰して下さい!」
 「おぅ、よしよし、両親にも話は通しておくぞ、おい! おまえら、後は勝手にやるがよい、
 わしらは寝室に行くからな!」
言うが早いか、領主はマリーの身体を抱き上げた。もう我慢できなくなったようだ。
 「イヤですッ! やめて下さい!! 放して下さい!!」
必死に足をバタつかせるが、非力な少女ではこの体勢ではどうにもならない。
エルマーも姉の危機的状況を察知したが、酒に酔っ払ってまともに立つこともできない。
兵士達は大はしゃぎで笑っている。
抱き上げてる間も、領主の手は、マリーのカラダをいじり続けていた。
よほど彼女の身体が気に入ったのか、寝室に入ると、無造作にマリーをベッドに投げつけた。
息を荒げた領主は、せっかちな動作で防具や衣服を脱ぎ始めた。
必死でベッドから逃げようとするが、領主は半裸の状態でマリーを押さえつける。
 「さぁぁ、かわいがってやるぞお、マリィィ!」
634本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:27:40 ID:koeWAUyo0
第七話
転がるようにエルマーは寝室に突入した。背丈が小さい分、兵士の腕をかいくぐってこれたようだ。
ベッドの上では、既に領主はマリーの長いスカートをまくりあげ、
露わになった弾力のある太ももから、無理やり下着を剥ぎ取ろうとしていた。
 「・・・姉ちゃんを・・・放せぇーッ!!」
この場合、エルマーが酒に酔っていたのは、やはり不幸なことだったのだろうか?
彼は、手前の机の上にあった領主の兜を手に取り、全力を持って領主の頭に叩きつけたのだ。
 ドガッ・・・!
力の加減もできず、兜の角の突起物なども、全く考慮せずに叩き付けたのである。
 「・・・ぐぅおおおおぉぉ・・・!!」
領主は頭を抱えてうずくまってしまった、かなりの激痛のようだ。
 「このガキ・・・!」 兵士はすぐにエルマーを取り押さえた。
 「・・・エルマー? エルマーッ!?」 マリーは必死に下着をはきなおし、エルマーの元へ
駆け寄ろうとした。だが、それも他の兵士に取り押さえられる。場の雰囲気はかなり険悪だ。
 「・・・こぉの小僧ぉがぁ・・・!!」
領主は頭を押さえながら、ゆっくりと身体を起こす。
その目には、自らの愉しみを邪魔されたことに対する殺意が宿っていた。
 「おい! その女そのまま抑えてろ!」 領主はエルマーを抑えてる兵士に目配せして、
兵士にエルマーを抱えさせたまま、3人で寝室を出て行った・・・。
 「放せよぉ・・・! 姉ちゃーん? 姉ちゃんを・・・ 」
 「待って! エルマーをどうするの!? エルマー!?」
マリーは必死で兵士の腕から逃れようとするが、どうにもならない。
そして彼女の最悪の予感が的中する。
砦の外と思われる辺りから、
エルマーの絶望的な悲鳴が彼女の耳に届いた・・・。
 「・・・エルマー・・・ 」
マリーの身体は石のように硬直してしまった・・・もはや暴れることすらできないほど・・・。
635本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:35:19 ID:koeWAUyo0
第八話
程なくして領主が戻ってきた、手には鞘に納められた小さな短剣を握り締めて・・・。
 「・・・待たせたな、もうおまえは外でいいぞ。」 そう言うと、領主は短剣を机に置き、
中途半端に脱いでいた上着を完全に脱ぎ捨てた。
既にマリーには余りの事に足腰が立たず、兵士に投げ出されて領主の足元に
崩れ落ちるしかない。兵士が出て行くと、領主はいやらしい笑みを再び取り戻し、
 「もぅ、邪魔は入らないよ、マリー、さぁ、楽しもうかぁ? 」
 「・・・エルマー・・・ エルマーをどうしたのです・・・? 」
声にも力が入らない。領主に抱きかかえられながら、震える声を発するのが精一杯。
 「気分が悪いみたいだったからねぇ、部下に家まで送らせたよ、もう心配要らない。」
 「嘘よッ・・・ あの子の悲鳴が聞こえたわ、 ・・・その短剣を何に使ったの・・・?
 エルマーはどこ!? エルマーは・・・、エルマーを返してッ!!」
マリーのヒステリックな声ももはや領主には、これからの愉しみのスパイスにしかすぎない。
またもやベッドに投げ出されるマリー。もう、彼女を助けるものは誰もいない・・・。
恐慌状態に陥ったマリーは、あらん限りの力を振り絞り、野獣となった男の陵辱に
必死で抵抗する。・・・だが衣服は引き裂かれ、身体の隅々までなぶられ穢されて、
泣き叫んでも泣き叫んでも野獣を喜ばせるだけだった・・・。
そして彼女は貫かれた・・・何回も何回も・・・。

全てに満足した領主は衣服を着始めた、その表情は満足そうだ。
マリーはベッドで、力なく裸で横たわっていた、頬に涙を垂らせて・・・。
だが、その視線は机の上の短剣に向けていた。
両腿の間には今も激痛があるが、あそこまでなら何とかなる・・・
領主がズボンに足を通した瞬間、マリーは飛び跳ねて机の短剣を手にした。
 「おおっと!?」
 「よくも・・・エルマーをッ !!」
鞘を抜いたマリーは、半狂乱になって領主に突進した。・・・だが、無情にもその刃は、
領主には届かない・・・。ヒラリと身体をかわし、あっという間に彼女から短剣を取り上げる。
 「ん〜、やはりこんな田舎の娘じゃ、わしの嫁になる資格はないか・・・。」
領主は先ほどエルマーに使用したその短剣を、無慈悲にもマリーの胸に深々と突き刺した・・・。
636本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 19:38:10 ID:koeWAUyo0
今日はここまでです。
637126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 19:49:52 ID:imocVtCZ0
Ladyさん!乙です!
目が離せませんね!今回は長そうですが、どのくらいですか?
(とどのくらいかなんて答えられないボクが言うのもなんですがwww)

期待わくわくの反面エルマー君、マリーちゃん・・・涙。
638名無し:2006/01/17(火) 19:53:24 ID:uDUgcnnyO
Ladyさん乙。
たまたま覗いたらリアルタイムに更新していて驚いたww
そして展開に反して不謹慎にもトキメキを持って読ませて頂きました。
しかも舞台がかなり俺のツボです。
また楽しみにしてますね。
126さんもまとめGJ!
また皆の作品読み返してみますね。
639本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:06:43 ID:JeYv/Xht0
Lady氏 GJ!
wktk!!

126氏!ファンです!続き早く書け!w
おまいらも、もっと職人さんを応援しろ!
期待あげしておきます!
640本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:08:38 ID:OpgDtleZO
領主のバカッ!!バカッ!!ハゲ!!
641本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:10:34 ID:OLByDIgf0
領主のすけべ!・・・でも、おっきした(*^д^)
642本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:15:55 ID:dgZrZCjH0
>>641
「・・・えっち!」

だめだ・・・禿しく萌える・・・。
オレも「・・・えっち!」って言われたいよ〜。
126メリータン・・・ケコーンしてください。ハアハア
643本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:35:16 ID:koeWAUyo0
ああ、ようやくみんなの反応が・・・。 うれしい。
126さんへ、前回よりほんの少しだけ短いです。
実は今日投下した分は、みなさんが126さんのほんわかしたメリーの後だったんで、
ちょっと後ろめたい気がしました。
名無しさんへ、実は私もこの舞台の方が気に入ってます。
>>639-640 あじがとう、あじがとう。判りました、この領主はハゲという設定にしておきます。

今回の描写でちんちんおっきした人は変態です。間違いありません。
ああ、>>641さ・・・いえ、何でもないです。ご飯食べてきます。
644本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:40:50 ID:4YGsGc/BO
職人さんたちの力作GJ!
名無しさんのツンデレメリーの続き早く読みたいな
モノ食べながら「もひもひぃ」が頭から離れません。
645本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 20:45:10 ID:JBb/saa+O
マリー・・・・・鬱だ・・・死のう
646126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 21:47:19 ID:Cj9h7TNx0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626】
44番目←いまここ
647126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 21:48:04 ID:Cj9h7TNx0
44番目
「・・・・・」
何かを話そうとゆがめた顔のまま口をパクパクさせている麻子。しかし声は出ないようだ。
俺は、麻子に向かって、ニヘッと微笑みかけた。麻子のゆがんだ顔が、次第に泣き顔へと変
化し始める。しかし、仕方がないだろう?後ろでお着替え中の少女、しかもさっき迷子だと
言ってつれて帰ってきたはずの少女が、お着替え中の状況で大の男が正座をして二へらにへ
ら薄ら笑いを浮かべている。
・・・いや、まて、まだ何とかなる!今のこの状況なら、帰りに買ってきた服に着替えてい
るだけだとそう説明することも可能だ!そうだ、そういうことに・・・。
まてまてまて!問題はある。大きな問題がそこには存在している。
麻・子・が・い・つ・か・ら・見・て・い・た・か・?
俺は今にも大声を出しかねない麻子の目の前に移動した。俺の身体で麻子がメリーから見え
ないように死角を作りながら、さらに麻子の口をふさいだ。
麻子の口をふさぐのは、本日2回目だ。
「あ、あの・・・メリー、俺外に出てるから・・・。終わったら呼んでくれ」
と背中越しにメリーに声をかける。
「え?あ・・・いいのに・・・」
という、麻子さえいなければ、そうですか!と元の正座に戻ってしまいそうな切ない声を振
り切って、俺は麻子を押し出して外へと出た。

マンションの通路部分に麻子を押し出した。俺たちはお互いよつんばいのまましばらく呼吸
を整えた。
「麻子、あのな・・・」
俺が声をかけようと顔を上げたら、麻子は泣き顔で俺を指差しながら、
「ここに変態がいるよぉ」
と言った・・・。
つづく
648126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/17(火) 21:50:06 ID:Cj9h7TNx0
たくさんおうえんありがとう!
応援いっぱいもらったから追加ね!
今日はここまでかな?ww

名無しさんもがんがって!
649本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 22:03:42 ID:koeWAUyo0
お、麻子さんの一言いいね。
650本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 22:20:27 ID:KWaSdPLSO
今日の祭りは最高だったお♪
>>126氏Lady氏今日はホントGJ!
おかげさんで今日はいい気持ちで眠れそうよ♪
651本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 23:04:30 ID:koeWAUyo0
>>650 ご満足いただけて光栄ですわ。

それと業務連絡。
始まり氏へ、完結するまで負けるな! 続き待っとるぞ!
652本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 23:15:22 ID:c+PpiVVZ0
>>651
悪いけど待ってる人なんかいないよ。
彼のは文章になってないじゃん。
653本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 23:35:58 ID:OpgDtleZO
言っとくけど!
べっ、べつに待ってたわけじゃないからねっ!
でもっ…どうしてもって言うなら待ってあげててもいいけどねっ
654本当にあった怖い名無し:2006/01/17(火) 23:40:06 ID:p/nclhiI0
>>570
メリーさんプログラムってどんなの?
655本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 00:51:00 ID:c+NUsKPH0
>>651
始まりのはもういいって。
基地外の駄文目にするだけで鬱になるから。
656126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/18(水) 02:11:37 ID:UHesyGvn0
>>649
Ladyさんありがとう!
麻子さん、お気に入りなんでほめてもらえるとうれしいですねww

ほめてもらえると調子に乗ってがんばりますよ!きっと!
みなさんの反応は本当にうれしいです!
ありがとうございます!

>652
>655
まあまあ、すごい世界観があるように思えるんですがね。
657126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/18(水) 16:21:38 ID:3ndRX/1W0
まったりいきましょうね!
今日はUpできないかも・・・!
wktkで待ってますね!
658本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:04:41 ID:HtEnm1wG0
ほしたらね、
おいら、いきますね。
659126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/18(水) 18:05:58 ID:nN7sj7v60
リアルタイムwktk!!!!
がんがれー!
660本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:08:11 ID:HtEnm1wG0
第九話
 「 イ ヤ ア ア ア ア ア ァ ッ ! ! 」
マリーは大声でベッドから跳ね起きた・・・。
  あれれ? ・・・?
ここはどこだろう? 自分の叫び声に驚いたが、全く見慣れない風景が
自分の目に映っているのに気づいて、何も考えられないまま固まってしまった。
自分はどうしてここにいるのだろう? 自分が目を覚ましたこの部屋は、
自分のウチではない・・・。
年季が入っているが、立派なダブルベッド・・・。少し離れたところに、
大きな荷物の置いてある椅子があり、その奥には大きな暖炉が眩しいくらいのオレンジの光と、
痛いくらいの強烈な熱を発していた。
周りを見回すと、年代物の骨董品、気味の悪い装飾物、何に使うのかよく分らない小物が、
部屋のあちこちに飾られている・・・。
その時突然、誰もいないと思っていた部屋の真ん中から、しわがれた老婆の声が聞こえてきた。
 「気がついたかい・・・?」
声の主は椅子の所から聞こえてきた。歌好きのマリーは二度びっくりした。
椅子に置いてある荷物だと思ったのは、ほとんど身動きしない背中を丸めた老婆だったのである。
老婆はこちらに背を向けているようだ。
 「・・・えと、あの、私? お婆さんはこちらの家の方ですか? 私は何でこちらにいるのでしょう?」
老婆は動かない・・・、本当に生きているのかな・・・?
マリーは長い髪をとかしながら、もう一度聞いてみた。
 「私、・・・もしかしてご迷惑を掛けました?」 もう一度周りを見回す。暖炉の薪をはぜる音、
部屋の中のいろんな小物の影が、炎に照らされて踊ってるようにも見える。
 再び老婆が口を開く・・・。
 「まだ、 ・・・思い出さないかねぇ・・・?」
その言葉に、マリーは首を老婆に向け、素直に自分がどうしてここにいるのか思い出そうとした。
・・・確か・・・、ニコラお爺さんのところで、みんなと一緒にお話を聞いていた・・・。
自分には手のかかる弟、エルマーがいた・・・、あの子と家に帰る途中・・・?
いや、・・・家には帰らなかった・・・あの子が砦に行こう、と言い出して・・・。
・・・砦・・・砦・・・兵隊・・・男・・・宴・・・男・・・襲われる・・・エルマー・・・エルマー!?
 「エルマーッ!?」
661本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:10:25 ID:HtEnm1wG0
第十話
 「あ、あ、あ、うッ・・・なんて事・・・、エルマーがぁ・・・うっうっう〜・・・」
そうだ、弟は殺されたのだ・・・あのヒトの皮をかぶった獣の領主に・・・。
マリーの記憶に、怒りと悲しみが一気に押し寄せてきた。
泣き始めたマリーに優しい言葉を掛けながら、老婆は質問を繰り返した。
 「そうかい、つらかったねぇ、・・・でも、もう一度聞くよ、アンタは何でここにいるんだい?」
マリーはピタリと泣くのをやめた・・・、先ほどから何か自分が変だ・・・。
感情の起伏が激しいというか、思いをコントロールできないというか・・・、
しかし、今一度、老婆の言葉を噛みしめて・・・、おかしい、
あの後、領主に貞操を奪われたのまでは覚えている、あの屈辱、あの激痛、あの憎しみ、
全てがリアルだ・・・。でもそこから先が思い出せない、眠ってしまったのか?
それとも気絶してしまったのか・・・?
 「あの・・・どうしても思い出せません・・・、私・・・自分でここに来たのですか・・・?」
老婆はしばらく黙っていたが、ようやく首を左右に振りながら答えた。
 「いーや、・・・しょうがないねぇ、アンタはね、森深くの谷坂の斜面に『落ちて』たのさ、
 弟さんと一緒にね・・・。」
マリーは老婆の言葉の意味が分らなかった・・・、だが、老婆が初めて顔をこちらに向けたとき、
驚愕と恐怖とが、強烈な衝撃と共に彼女を襲ったのである。
 「 キ ャ ア ア ア ー ッ ! ? 」
そこにいたのは、ボロボロの髪を振り乱し、顔中、カビや蜘蛛の巣で覆われた化け物・・・
ミイラのようにしわだらけにも拘らず、黄金色に輝く眼球を顔面に浮かべた魔女・・・、
そう、村の年寄りやニコラ爺さんにさんざん聞かされた、あの森の魔女に違いなかった・・・。
 「・・・フラウ・ガウデン・・・私はなんて所に・・・あぁ、誰か助けて!!」
 「なーにを言ってんだい? アンタだって、もう、あたしらと似たようなもんだろう?」 
またもやマリーは固まる・・・。いや、もう先ほどの衝撃で記憶は完全に蘇っていた。
だが、その意味を完全に理解していなかった。いまや、マリーはこの魔女の最後の一言で、
自分が今、どうなっているのか、ゆっくり、確実に、残酷な現実を理解し始めていた・・・。
662本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:13:41 ID:HtEnm1wG0
第十一話
マリーは急激に自分の体温が低下していくのが分った。
マリーは見る見る自分の肌が青ざめていくのが分った。
目覚めた時は、服を着ていたと思ったのに・・・本当は裸のままであることにも気づいた。
マリーは瞬きもせず・・・、いや、瞬きをする必要すらないことも分ってしまったが、
彼女はゆっくりと、目を見開いたまま・・・顔を震わせ・・・自分の胸を見下ろした・・・。
 「あ・・・ あ・・・ あああぁぁ〜・・・  」
彼女の胸には、剣で突かれたことによる大きな傷口がパックリと開いていたのだ・・・。
身体の中身が見えてしまっている・・・。
そしてそこから、乾いてしまっていたが・・・大量の血液が、下腹部にかけて流れていった跡も
確認できた。
 「私・・・死んでしまった・・・の? ・・・痛いッ! 苦しいッ!! こんな ・・・嘘よッ!!」
先ほどまでの静けさが、嘘のように見える。彼女は髪をかきむしり半狂乱となった。
マリーの混乱をよそに、フラウ・ガウデンは口を開く。
 「・・・たまーにいるんだよねぇ・・・、死んだ後も身体にしがみついている奴が・・・、
 ま、時間の問題なんだけどね。」
 「・・・エルマーは!? エルマーは何処!? あの子は・・・ああっ!!」
 「あたしがアンタ達を見つけたときには、弟さんの魂はもう残ってなかったよ・・・。
 アンタはまだ、魂が残っていたから、幽鬼たちにここまで運ばせたのさ・・・。」
マリーはピタリと泣くのをやめ、フラウ・ガウデンに向かって振り向いた。
 「何故!? 死んでしまった私をどうするの? 私はこれからどうなるの!?」
フラウ・ガウデンは、ゆっくりと椅子から離れ、一歩、また一歩とマリーに近づく。
 「さぁてねえ? アンタの憎しみが強ければ・・・、身体から離れたアンタの魂は・・・、
 考える力を失い、ただただ憎悪の塊の悪霊となって森をさ迷い歩くことになるだろう・・・。
 ヴィルダーヤークトがまた一人増える・・・。
 弟を失った悲しみ・・・自分が殺された悲しみが強ければ、誰かにその嘆きを聞いて欲しくて、
 悲しくて悲しくて、幽鬼となって森や、もしかすると村までも彷徨するかもね・・・
 だが、誰も、村人も家族もアンタには気づかない・・・。」
663本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:17:15 ID:HtEnm1wG0
第十二話
 「 ・・・イヤよ! どちらもイヤ!! ・・・せめて安らかに死なせて! 
 こんなに苦しいのはイヤよッ!!」
老婆はマリーの目と鼻の先まで近づいてきた。普通の神経では、その醜悪な顔面には
耐えられやしないだろう、だが、既に死人同様のマリーはその感覚がだんだん薄れていった。
フラウ・ガウデンはニヤリと笑った・・・ように見える。
 「そおかい、 なら・・・あたしと取引しないかい・・・?」
 「・・・取、引・・・?」
 「そおとも、娘、おまえの名前は・・・?」
 「・・・マリーです・・・。」
 「いい名前だ・・・、マリー、アンタの村では、アタシはどんな化け物なんだい?」
マリーはしばらく思い出すのに時間がかかったようだ。
 「ええ・・・と、森の魔女で・・・迷い込んだ子供を捕まえて食べてしまう・・・とか?
 魔法にかかると綺麗なお姫様にも見える・・・とか、ニコラお爺さんが言ってたと、思う。」
老婆は舌打ちしたようだ。
 「あんのお節介ジジイ、まーだ生きてんのかい!? ・・・まぁいいや、
 あんまり時間がないからね・・・、ま、あのジジイの話は当たりでもないが外れでもない。
 あたしは化け物には違いないかもしれないが・・・一応、生きている・・・。」
そうなんだ? マリーには意外そうだったが、既に心が麻痺してきたのか、
そのまま黙って老婆の話を聞き続けた。
 「正確には一度死んだ・・・、だがあたしは死者の王ヴォーダンの怒りに触れ、
 普通に死ぬことを許されなかった・・・。ヴォーダンはあたしを不死の体にして、
 この暗い夜の森に、永久に閉じ込めちまったのさ・・・未来永劫・・・ずっとね。
 ・・・いつかはこの呪いも解けるのかとも思いたいんだが、それがいつなのか、
 どうやったら解けるのかもわからない・・・、ああ、どーでもいいね、こんな話はァ・・・。
 だがね、たとえ不死の身体でもね、ご覧の通り腐っていくんだよ・・・。」
それは、この状況のマリーにとっても恐ろしい話であった。もし自分がこんな身体に
なったら耐えられるのだろうか、しかも永遠に・・・。
 「そこでね、・・・これもヴォーダンの罰なんだろうねぇ、この今のあたしの身体は・・・、
 人間の命を吸った時だけ若返れるのさ・・・、
 少しだけね・・・。」
664本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 18:20:42 ID:HtEnm1wG0
>>659 あああ・・・、そんなところにぃ。
ごくろうさまです。今日はここまでれす。
665126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/18(水) 18:26:40 ID:bAiFRHaZ0
おおおお!
すごいですよぉぉぉぉぉ!
まだまだ、確信には触れない・・・期待感増大のまま明日を待たねばならないわけですね・・・涙
いや、それはきっと幸せなこと・・・うんうん。
現代ではない色あせたような森が確実に浮かんでくる文章で心地よかったです!
本当に期待してますね!

注意!
>>641は、フラウさんでおっきしないように!
666本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 19:52:04 ID:dIEetHQ9O
ニコラ爺とフラウ婆の地味なツンデレ関係が気になるねぇw
引き続き頑張って下さい
667本当にあった怖い名無し:2006/01/18(水) 20:07:45 ID:HtEnm1wG0
>>666 その手があったかぁぁぁぁ!?
ああ、何かオレの心の奥底からドス黒いものが・・・。
・・・いや、わしの物語にはツンデレ色はいれぬ!  ・・・いれぬぞう!!

>>665 背景描写をしようとすると、どんどん文字数が膨れ上がってしまうのよね〜。
126さんも続きよろしくね。
ご飯たべてきます。
668本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 00:13:02 ID:s6BQFIXl0
そういえばさぁ、
このスレの最初の方で物語作ってた人たちはその後、どうしてるの?
コピペは別にいいとしても。

いくつものメリー・ストーリーが語られているにもかかわらず、
誰も長編を完成させてないのはどーゆーことッ!?
と、当時、不満をぶちまけてた俺がいる。
いたら怒らないから、続き作ってぇ(ハート
669126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 00:34:16 ID:6rCYsJR50
>>668

そうそう、ボクもかなり後から来たんだけど、最初から読み返して、面白そうだったので楽しみにしてたら
途中で終わっていて、しかも過疎っていたからもったいないなと思って誰も見てくれなくてもいいから、
ちょっとづつでも、頭の中に浮かんだ自分のメリーを書こうと思い立った。
もとはといえば、初期の職人さんがいたからだもんね。
感謝!
そしてかむばっくーーー!
670名無し:2006/01/19(木) 06:54:12 ID:SOZ85Xn6O
「…メリー…こっちへきなさい…。」
…はい…
「お前の為に服を買ってきた…着たいか?」
…はい…
「お前は良い子だ‥メリー…さぁ私がボタンを外そう…もう少し寄りなさい‥」
…はい…
「良い子だ…お前ももういい年頃だな…死んだ母さんに似てきた…」
…はい…
「…メリー…お前はいやらしい娘だ…」
…はい…
「さぁ…こっちへ座りなさい…」
…はい…
「髪もとかそう…メリー…お前は私の何だ?」
…私は。
「さぁ…言うんだ。」
…私はお人形…
「そうだ。メリー。お前は私の人形だ…本当に、良い子に育ってくれた…メリー顔を見せてくれ」
…はい…
「母さんとの、口づけを思い出す…身体もこんなに…いやらしくなって…」
…はい…
「さぁ…私を呼んでおくれ」
…はい…パパ
…………。
………。
……。
…。
671名無し:2006/01/19(木) 06:59:08 ID:SOZ85Xn6O
…。
……。
ブランコには漆黒のドレスに身を包んだ少女が俯き加減に座っている。同じく黒いリボンでアクセントを付けた金色の髪の毛は、縦にロールしていて、それが何本にも連なっている。
俯いた少女はゆっくりと目を開ける。どこか憂いをまとうその雰囲気と、まるで人形のような端整な顔立ちは芸術作品といっても過言ではないだろう。
少し持ち上げた両方の掌で両目を擦り、何かを考え込むかのようにまた俯く。
やがて少女は何かを決心したかのように、フゥっと溜息をついて、左手を耳に当て、目を瞑る。やがて暫らく後、少女の顔にパァっと花のような笑顔が咲いた。
嬉しそうに少女は笑うと、弾むような声で喋りだした。
「あ、もしもしぃ。私だよ。メリーだよ。今、アナタのおうちの近くの公園にいるんだけどさ…」
さっきまでの憂いた表情が嘘のように、見る影もなく輝き、楽しい事に期待を馳せる、少女そのものの可憐さがそこにあった。
「ハァ!?家にいないですって!?まぁたアナタは…!何でこぉ‥いっつもいっつも…」
そう愚痴を言いながらも、楽しそうな表情は翳りさえ見せない。
「わかったわ!今からそっち行くから、絶対!ぜぇったい動かないでよ!見付けずらいったらないんだから!すぐ行くかんね!首洗って待ってなさいよ!じゃ!」
そして耳から手を離す。メリーは晴れ渡る空を少し仰ぐと、目を閉じて音楽にでも聴き入るかのような仕草をした。
「さぁて」
目を開ける。
「アイツ捜しに行こう」
歩きだす。
「今日も…会えるといいな…」
672始まりの死、始まりの生:2006/01/19(木) 07:55:46 ID:2gbHf82t0
名無し氏gj
何かが奥に響く
673126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 09:49:07 ID:T9IQG/480
おはようございます!
名無しさん!きたー!

おお・・・ボ、ボクの中の・・・黒いものでも、暖かいものでもないナニかがむくむくっと・・・。
ごめんなさい冗談ですww

続き楽しみにしてます

始まりさんもガンガレ!
674本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 09:51:08 ID:5rBXbEF+O
>>670-671
G!J!待ってました!
始まりもガンガレ!
675本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 11:05:03 ID:maplUklH0
おッ! 名無し氏来たねぇ、
しかも展開に影を持たせてきたよ。
期待期待。

始まり氏も投下できそうかな? クスクスクス。

676126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 11:47:42 ID:wGNUS/ZRO
本日投下予定。
時間未定。
応援よろしく〜。
677本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 14:15:59 ID:9Lp4r1bM0
Lady氏GJ!!
今日あたりまた祭りなのかぁ?

名無し氏もGJ!

126氏グダグダ展開大好きです。
期待してるのだ!
678126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:24:21 ID:B84Ia+GP0
>677
ありがとうね!

それでは投下していきます!
Ladyさん・・・IDが地図・・・www
679126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:31:28 ID:B84Ia+GP0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647】
45番目←いまここ
680126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:32:23 ID:B84Ia+GP0
45番目
・・・へ、変態・・・・。
俺は口をあけたまま、愕然としていた。よりによって・・・変態とは・・・。
「変態だよぉ・・・変態がいるよぉ・・・」
ひっくひっくと嗚咽を交えながら、麻子は言葉を続けた。
「いや、だから・・・」
「なによ・・・言い訳するわけ?」
「いえ・・・」
麻子にはやはり勝てそうになかった。鼻をすすりながら、俺をにらみつけている。
「な、何か言いたいことがあったら言いなさいよ!」
とりあえず、言い訳・・・いや、もしもここで言い訳をして、それが嘘だとわかったときの
方がダメージは大きい。もちろん俺が受ける物理的なダメージだが・・・。
やっぱり、本当のことを・・・いや、妖怪や幽霊の類が出たらこの手で捕まえて一儲けして
やると公言している麻子に、メリーの本当の話なんて・・・。
俺は大きく息を吸い込み、意を決して麻子に問いかけた。
「いつから見てた?」
「は?」
「だからいつ俺の部屋に入ったんだよ」
「あんたね。何を言い出すかと思えば、こっちが話を聞いてあげようって言うのに、なんで
あんたが質問してるのよ!」
泣き顔から怒り顔へと表情の変わっていった麻子。まあ、泣かれるよりいい。怒ってるほう
が麻子らしい。勝気で男勝りであっさりとしてるくせにおせっかい焼きの姉御肌。当然情が
深いわけで、涙もろい。
「わかった。話す・・・」
仕方がない。麻子がいつから見てたかは、確認できないが、もしも俺が正座をしている状態
からであれば、問題はない。迷子の彼女に服を買ってあげたんだと話せば何とかなるだろう
(ならない気もするが)
681126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:32:59 ID:B84Ia+GP0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647◇45番目>680】
46番目←いまここ
682126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:34:43 ID:B84Ia+GP0
46番目
もしも、その前、俺がメリーの着替えに見とれて固まっているときから見ていたのであれ
ば・・・。何を言い訳しても殺される。どうせならメリーに殺されたかった。絶対に素直
には殺してくれなさそうだよ、麻子は。
麻子は、じっと俺の言葉を待っていた。
「彼女、本当に迷子なんだよ」
これは本当だ、俺が召喚してしまったがために目的を果たせないでいるために帰れない迷
子だ。別の世界へと帰り道がわからない、わかっているけど、帰れない迷子だ。
俺は自分に言い聞かせるようにして、言葉を選びながら続けた。
「彼女とは、昨日の夜に出会った」
これも本当だ。俺が召喚したのだから。しかし、そのことは言えない。話をするうちに、メ
リーの真実を話すことはメリーを裏切ってしまう気がして、麻子にだけは本当のことを言っ
てしまいたい衝動に駆られたが、それは抑えた。
「もう少し時間がたたないと、帰れないので、俺のところにいる」
真剣に話した。本当の部分を。言っても差し支えのない部分を。メリーが実はこの世のもの
ではないと言うことを告げないように、でも嘘は言わないように。
「そして今は、着替え中だ・・・」
その台詞が終わる前に麻子に殴られる・平手打ちなんかじゃない・・・。グーだ。
「その着替えをじっと見ていたあんたのこと変態だって言ってるのよ!」
・・・もうだめだ。俺の人生は終わった。そうだ、俺の人生はただの変態として終わりを迎
えるのだ・・・。
廊下のコンクリートの上で仰向けに横たわる俺を怒った顔のまま見下している麻子。
「まったくどういう事情か知らないけど、私は女の子の着替えをこっそりと除くような男に
育てた覚えはない」
・・・・育てられた覚えもないんだが・・・。そんなことを口に出そうものなら、とたんに
もう一発「グー」で殴られる。
683126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:35:46 ID:B84Ia+GP0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647◇45番目>680】
【46番目>682】
47番目←いまここ
684126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:36:29 ID:B84Ia+GP0
47番目
しかし、麻子には、俺がメリーの着替えをじっと見ていたことがあまりに大きなショックで
他のこと・・・、メリーがなぜうちにいるのか、どこの子なのか、俺との関係は?といった
ことにまでは頭が回っていないようだった。
おせっかいでいろいろと首を突っ込む割に単純なこいつのコトだ。俺のコトを「悪い」と決
め付けると、次は・・・。
「あの女の子、メリーちゃんだったっけ?かわいそうに!」
・・・やはりそうなるわけだな・・・。
「上田たかし!」
突然名前を呼ばれてビクッとする。
「さっさと起きる!」
「は、はい」
「そこに正座!」
麻子は体育の共感のような勢いで命令をする。
「はい」
逆らえない・・・。俺はひんやりとしたコンクリートの上に正座をした。
「私は今からかわいそうなメリーちゃんを慰めてくるから、そこでそのまま待つこと!」
「は、はい」
麻子は俺の横を通りドアを開けた。そこには白いワンピースに着替えたメリーが、玄関にお
いてあったほうきを両手で握り締めて立っていた。
下唇をかみながら、麻子をにらみつけている。もしかして・・・。
着替えが終わって、外を見たら、俺が攻撃を受けてノックダウン・・・。ほうきを持って、
俺を助けに・・・。いや、そんなことはないだろう・・・。
俺の頭の中には、今日手をつないだときの照れた顔、うれしそうにはしゃぐ姿、そして、泣
き出しそうになりながら「大切にしてください」と言ったメリーの切ない顔が思い浮かんで
いた。まさか、メリーは、俺に惚れてくれているんじゃないのか?
コンクリートの床の上で正座をさせられながら、自然と顔がにやけてくる。
685126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:37:17 ID:B84Ia+GP0
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647◇45番目>680】
【46番目>682◇47番目>684】
48番目←いまここ
686126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:39:16 ID:B84Ia+GP0
48番目
「なにーーー!かわいい!」
俺は麻子の黄色い声で現実へと引き戻された。
メリーは相変わらず、ほうきを大事そうに抱え、少し震えていた。今日の昼間のトイレでの
威勢のよい麻子、そして今俺をぶちのめした麻子を見た後だ、ほうき一本ぐらいでは太刀打
ちできないのはわかるだろう。
麻子もメリーの抱えているほうきが気になったらしく、
「ほうき?どうしたの?そうじ?」
と聞いてみたりする。メリーは首を横に振るだけだ。
「掃除でもないのに、なんでほうきもってるの?それをおいて中に入りましょう」
と麻子はほうきを取り上げようとした。
しかし、メリーはほうきをはなそうとせず、
「あ、ごめんね。そのほうきって、何か大切なものなのかな?」
麻子はほうきをあきらめた。
・・・・大切・・・。俺の中で何かが引っかかる・・・。
ーーーーーーーー大切にしてください・・・。
それはさきほど部屋の中で聞いたメリーの言葉。
メリーは、麻子の言葉に驚いた様子で、ほうきと麻子を見比べて、悲しそうに首を横に振っ
た。その様子をじっと見ていた麻子は、メリーに優しく微笑みかけて、
「私にこんなかわいい妹がいたらなぁ・・・」
とメリーの髪をなでた。メリーは、一瞬びくッと身体をこわばらせたが、何度も髪をなでら
れるうちに緊張を解いて、麻子の方を見た。
麻子は俺の方を見ていた。
「こんな変態を弟みたいに思ったりしなくてすんだんだよ」
・・・・同じ年だって・・・。
麻子は俺から目線をはずして、ゆっくりと流れているメリーの髪の毛を見ていた。
「しかも、それを恋愛感情と間違えたりしなくてすんだのになぁ」
つづく
687126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 14:39:57 ID:B84Ia+GP0
いったんここまで・・・!

またのちほどー!
688美奈子 ◆/XBZbnGMQE :2006/01/19(木) 14:40:27 ID:4C+ESwiaO
お前等私が氷川きよしとメールしてるからって妬みやがって!
ふざけたことしてんなよオラ!
私のバックにはヒロさんがついてんだよ!怒
ヒロさんにぶっ飛ばされたくなかったらhttp://c-docomo.2ch.net/test/-/enka/1137495126/i謝罪にこいや
どーせお前等みたいな妬みパラサイト軍団は根性ねーから逃げるだろうがな

相手見て喧嘩売れや!!
私にかなう奴なんかいねーんだよ!!
こんな糞スレで意気がってるカスは失せろ♪
あまり私を怒らせるなよ!
私が可愛いからって妬むブサが多すぎ(笑)

どーせお前等秋葉系だろ♪
689ふらう・がうでん:2006/01/19(木) 14:55:56 ID:maplUklH0
「そら、悪霊共! 126の劇が始まったからね、
盛り上げるんだよッ! 邪魔するガキ共(>>688)は喰っちまいなぁ!」

 (ヴィルダーヤークトの皆さん)
 
 イヤーッホウッ ヒャハハハー   \ グッジョーブグッジョーブ      /  ヒャホホーキャホホー
        \   !!   / \   ∧_∧ ∧_∧   /  ∧_∧   ∧_∧ ))
  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧  \ ∩ ゚∀゚)(゚∀゚ ∩ /  (゙゙ヽ ゚∀゚)') ('(゚∀゚ /゙゙)
('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚. \  ⊂) (つ  .ノ/ ((  \    / ヽ     /
_∧  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧  \∧∧∧∧ /    _((⌒)  (___.)  (⌒))
゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(<        >    /\ ``ヽ_,)  (,__,ノ゙´´\
  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧  ∧_<    グ  >   ./+ .\________ヽ
('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ /゙゙('(゚∀゚ <    ッ  >  〈\ + + +    + + ゙:、
───────────────‐<  の ジ  >───────────────‐
    ∧       .∧ウオーッウゴゴーッ  <  祭 ョ  >   ゲゲゲ ウシャシャシャシャーッ 
    / ヽ       / ヽ         ) ) <  り ブ >          ノ´,入
    /   `、   /   `、      / /  <. !!!!   >   (( ∧_∧  ̄/  ヽ.∧_∧
 ./      ̄ ̄    ヽ⌒ヽ     /∨∨∨∨ \    (  ゚∀゚)-‐く   ,,(゚∀゚  )ヽ
 l::::::::                 l.   )  /∧_∧ ∧_∧\   /   つ   ヽ (/し'-‐し'ヽ__)
\:::::::::   ○     ○ | /  / .(゚∀゚  )(゚∀゚  ) \./ ○  ノ O  O } { O  O  }
  \:::::::    \__/   | / /  O^ソ⌒とO^ソ⌒とヽ  \入__ノ* ∀ .ノ ヽ ∀ * ,ノ
   \:::::::    \/  ノ //   (_(_ノ、_(_(_ノ、_ソ    \ `ー--‐'´   `ー-‐'´
690本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 15:23:07 ID:5rBXbEF+O
>>126 GJ!
麻子嬢がさりげなく萌え〜… 強烈だったインフルエンザが治った気がするよ!!!




よっし!!!Lady氏!楽しそうだから俺も混ぜてくれ!
急に悪霊共が俺にも見えるようになっ…た…んだ…
691絵描き:2006/01/19(木) 16:00:45 ID:CGasmawOO
>>467です。

126さんのメリーの全身像追加しました

最初のと全然違う感じになってしまったので申し訳ありませんm(__)m
692126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 16:20:36 ID:29Fos3B20
絵描き様!!!!!!!

ありがとう、全米はどうか知らんが、僕は泣いた!!!
かんげきーーー!
その顔で白いわんぴ姿もたのむーーーwww

(嘘です・・・贅沢のきわみですwww本当に無理な注文聞いてくださってありがとうね)
693名無し:2006/01/19(木) 16:21:42 ID:SOZ85Xn6O
126氏のほうきメリーと絵描きさんのメリーsにテラモエス!!GJ!!お二人ともほんとGJ!!
あと、皆さん久しぶりの更新で読んでくれてありがとうございます。
多分、できれば今日中にまた書いてくのでまた読んでやってください。
とても励まされました。
あと>>489俺も混ぜてwww
694126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 16:23:02 ID:29Fos3B20
Ladyさん!
ふらう・がうでんさん!
ありがとう!

>>690さんもありがとう!
麻子いいでしょwww
勝気で男勝りでおせっかいでちょっと恋愛は不器用。っていう感じですねwww

それにしても・・・うちのメリー・・・台詞少なすぎwww
695名無し:2006/01/19(木) 16:25:25 ID:SOZ85Xn6O
>>693アンカーミスったorz激しく欝だ。
>>689でした。
混ぜてもらうどころかビルダーヤークトに食われてきます。
696絵描き:2006/01/19(木) 16:33:40 ID:CGasmawOO
ありがとうございます。

ワンピースは構いませんがどんな感じのがよいですか?具体的な方が書きやすいのでお願いしますm(__)m
697名無し:2006/01/19(木) 17:10:21 ID:SOZ85Xn6O
最近は、最初に目を付けたときより、すっかり弱くなってて、見付けにくくなってたのに…
こんなに強くなってる。
何でだろう。
居場所が…わかる…!
「お話‥していたいって…言ったのに…」
自然に駆け足になってる自分に驚いた。何故って?私はね『走る』なんてアナログな手段なんか用いるまでもないの。分かる?つい慌ててて思わず昔の癖で走っちゃったのよ。
「これだけ…感じれば…それにもう、あの人の感じ、覚えちゃったもの」
目を瞑ると…そこには暗闇が広がる。冷たい死の闇。そこに無数に漂う青い光。見慣れた光景。私の場所。足元に気を付けながら、暗闇の中を歩く。
……。
ホラ見付けた。これが今のアナタ。今日はやけに強く光るのね。やっぱり…まだ死にたいの?
「私の…私の大切な…お友達。刈り取るには、まだ…」
…。
「こんなに…楽しい時間って…」
忘れてたんだ。私…。
……。
「私ったら、あんなに声張り上げて…ホント…」
ホント胸がドキドキして…。
………。
「早く…刈ってしまえばよかった……」
…………!!ダメ!
ダメダメダメダメダメ!ダメッッ!!ダメよ!
あくまで一先ず!一旦!一応よ!
「ダメ!そう簡単に死なせてやるもんですか!」
さぁて行くわよ。目を開けるの。そうすると…
1…2…3………ホラ。
強い風が吹き付ける。見付けた…アナタの背中。ダメよ。アナタはここから飛び降りて死ぬんじゃないの。私が殺すの。
アナタは何処を見ているの?私は後ろよ。そっちには誰もいないじゃない。ネェ、ふざけているの?
「…?」
アレ?視界がぼやける。おかしいな。胸が熱い。身体が震える。
…アナタの背中。両腕を伸ばす。腕を回す。大胆だなぁ私。力を籠める。
…いかないで!
698名無し:2006/01/19(木) 17:26:32 ID:SOZ85Xn6O
………。
電話を切った俺は、少しばかり前のめりに街を見下ろしてみた。
「ハハ。良い眺めだな」
嬉しくてたまらない。彼女に…メリーにまた会える。ここはとある雑貨店のビルの屋上。何故、こんなとこにいるかというと…簡単だ。メリーに会うため。それだけだ。
「涼し…」
風が冷たい。俺をこのままあの世へといざなうかのようにビュービュー吹き付ける。両手を広げてみた。
このまま、真っ逆さまに落ちていこうか?…いいや、駄目だ。まだお預け。彼女に、メリーに会うまでの。
「ここは、きっとすぐに分かる」
空を見上げてみる。晴れてる。
「こんなに強く…望んでいるんだ」
鳥が飛んでる。いや、飛行機かな。どっちでもいいや。
「…死を。」
…君に会いたいと。
下を見下ろす。高いな。こりゃ死ぬな。足の力を緩めて…
………。
……
急に後ろから伸びてきた、二本の華奢な腕に、腰の辺りを抱き留められる。分かってる。メリーだ。小さく震えてる。恐いのか?
「すぐに分かった…アナタの居場所…」
やっぱり。
「…バカ。」
馬鹿っていわれた。
俺の腰に回された腕に力が籠もる。その締め付けが、メリーの温もりが心地良い。
699名無し:2006/01/19(木) 17:28:58 ID:SOZ85Xn6O
「君はさ、たまにドジだから…」
「…だからってこんな…!」
回された腕を解いて、メリーに向き直る。うっすらと涙を溜めて、顔を真っ赤にして、泣きだしてしまいそう。解かれた腕は、今度はスカートの裾をしっかり握っている。
…死の匂い。
きっと彼女は、自らの死を望む者の前にのみ現れる。彼女との会話で、ピースを集めて、繋ぎあわせて、俺はそう踏んだんだ。
死の匂いを嗅ぎ分けて、その者の前に、望みを叶えるべく現れる。いつからやってるんだろ?誰も分からない。
「…ゴメン…」
俺は一歩だけ、彼女に歩み寄る。会いたかったんだ。
「…。」
いつまでも見ていたい。
俺は手を伸ばす。その手が彼女の髪に触れる。彼女は少しビクッとなる。彼女の頭の後ろに手を回し、抱き寄せた。
「…え?…ちょ、チョット…」
自分でも驚く程冷静。
ただ、浅はかだった。自分の今回の行動。それが彼女をどれ程傷付けたかなんて、俺には分からなかった。
700126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 18:21:41 ID:i7WCo15B0
ううう・・・名無しさん、名無しさん・・・切なさのよかーーーん・・・。
ああ、悲しい物語が押し寄せてこようしているのか?
ううう、びくびくしながら、どきどきしてる。
名無しさんのわなにはまってどんどん感情移入している自分がここにいますよwww

GJ!!!
701本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:38:44 ID:5rBXbEF+O
>>697-699
GJ!
いったいどうなっちまうってんだ??
先を見るのがテラコワス…
702本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:41:41 ID:Wv32f22s0
>>126タソ
やばい、メリーたんより麻子に転びそうw

>>697-699
せ、せつねぇ。・゚・(ノД`)・゚・。
703本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:47:07 ID:maplUklH0
みなさん、お楽しみのところ、申し訳ございません、
Lady メリーの開演時間となりました。
えー、十三話から十六話ですね、
よかったら見てやってください。
704本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:48:31 ID:maplUklH0
第十三話
マリーは身震いした。
 「命を吸うには誰でもいいってわけじゃない、相性があるのさ、
 子供や若い女性はかなりいいねぇ、アンタはとても相性が良さそうだ・・・。
 生きてたら最高のご馳走なんだろうけど、半分死んでる今の状態でも十分だ・・・。」
ようやくマリーは自分の置かれている状況を完全に把握した。自分は食料にされるのだ。
 「・・・取引・・・ですよね、私にどんなメリットが あるの・・・ですか?
 私は魂すら消えてしまうの?」
老婆はニヤッと笑って首を振る・・・。
 「残念ながらあたしが吸うのは魂じゃない・・・、そのままあたしがアンタの命を吸えば、
 アンタの魂は強制的に身体から離れ、さっき言ったように悪霊か幽鬼になる。
 あたしが命を吸わなくても、時間が経てばアンタの魂は身体から離れるけどね。
 ・・・アンタにとってメリットってのはね、あたしがアンタの命を吸って魂が抜け出た瞬間、
 その時アンタの魂を別の入れ物に入れる事ができるっ、て事なのさ。」
それがどういう事なのか、マリーにはよく理解できない。
 「すると、私はどう・・・なるの?」
 「少し死んだ魂について教えてやろうかねぇ、手短に行くけどね、
 普通、ヒトが死ぬと、その魂は冥府の死者の王の元へ行く、そっから先はあたしも知らないよ、
 だが、強い念を残した魂は・・・地上に残り、悪霊や幽鬼となる。しかし、それは永遠ではない。
 長く地上にいる間に、魂は意識を失い、情念だけの存在となり、負のエネルギーと化し、
 この世のいろんな物に影響を与える。そうしていくうちに、だんだん情念も薄れ、
 何十年か何百年後かには、完全にこの世から消滅するんだ。
 ・・・先に言っておくが、アンタの情念は中々消えそうにないよ・・・。
 それでね・・・、
 あたしにできるのは、この先、アンタが苦しみ続ける事を和らげられるというだけ・・・、
 今もアンタの心の中は、苦しみと恨みと悲しみだけ・・・そうだろう?」
マリーは狂おしい程、切なく叫ぶ。
 「そのとおりです! どうしたら・・・どうやったらこの苦しみが消えるの!?」
 「アンタのその強い情念を、別の力に換える・・・、そうすれば苦しみや痛みは消え、
 意識は残ったまま動く事もできる、強い情念がある限り・・・。」
705本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:49:47 ID:maplUklH0
第十四話
 「・・・そんな方法があるのですか!?」
フラウ・ガウデンは一度、マリーの傍から離れ、ボロボロの腕をかざし部屋の反対方向を指差した。
 「歩けるかい? あそこに扉が見えるだろ? あの扉を開けてご覧・・・。」
マリーはベッドを降りた・・・。すでに足の感覚はなくなっていた・・・。
地面を歩いていると言う自覚すらない。
ようやく部屋の隅にたどり着き、その重い(?)ような気もする扉を開いた。
小さな部屋だったが、二体の人形が置いてあった・・・。
一体は枯れ木のような細男の人形・・・、膝を抱えてうずくまっている。
恐ろしいことにその顔には目玉がない・・・。ポッカリと空洞があるだけだ。
もう一体は、簡易なベッドの上に裸で寝かされていたのだが、
こちらはこの家で目覚めて初めて目にする美しいもの・・・
今まで生きてきて、どんな女性よりも・・・村で見たどんな美しい花嫁よりも綺麗な、
長い銀髪の女性の人形がそこにあったのである。
 「・・・きれい・・・。」
人形は細部まで作りこまれており、見開いた長いまつげのグレーの瞳・・・、
青白いほどの滑らかな素肌・・・、生きている人間だといっても不思議ではないぐらいだった。
 「アンタの新しい身体だよ・・・って言ったらどうするね?」
後ろから老婆が声をかける。
それは絶望と不安に襲われていたマリーには、とても嬉しい言葉であった。
 「すごくきれいです! 誰が作ったんです? どこかのお姫様がモデルですか!?」
老婆はしばらく黙ってたが、うつむいて喋った。
 「昔、お節介な魔法使いがいてねぇ、醜い身体になったあたしを哀れんで、
 こんな人形を作ってよこしたのさ、あたしが昔の姿を忘れないように、ってね・・・!」
 「エエッ!! このきれいなヒトが・・・フラウ・ガウデン・・・!?
 あ・・・ごめんなさい・・・。」
その時マリーは悟った・・・、この美しい女性が、死にもせず永遠に年を取り続けていくことが、
どんなに恐ろしい残酷な刑罰であるかと言うことに。
一体、彼女はどんな罪を犯したと言うのだろう・・・?
706本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 18:51:27 ID:maplUklH0
第十五話
 「いいんだよ、・・・まだ他人に気を遣う余裕はあるようだね。
 だけどね、いい事ばかりじゃない、さっき言ったように、苦しみがなくなるというのは、
 『感じる事がなくなる』・・・という事なんだ。 痛くもない・・・苦しくもない・・・
 熱くもない・・・寒くもない・・・悲しい事もない・・・嬉しい事もない・・・
 つらい事もない・・・楽しい事もない・・・。
 記憶は残るが、感動が失われてしまう分、想い出はどんどん忘れてしまう・・・。
 アンタの魂が消え去るまでそれは続くんだ・・・。
 ・・・それでよければ取引をしよう・・・。
 そうだ、参考までに、そこにいる男を見な・・・。」
そう言って老婆は、もう一体の人形に向かって指を指した・・・。
 「もう一体・・・、あの枯れ木のような目玉のない・・・  キャアッ!?」
・・・こちらを見つめていた・・・、目玉がないくせに、目をパックリ開けたその男は、
首をもたげ、マリーの方を向いていたのである。人形じゃない・・・この男も生きている・・・?
髪がボサボサなのは、フラウ・ガウデンと変わりはないが、年の頃は40〜50ぐらいなのか、
黒髪の部分が多い。肉はげっそりと痩せ落ち、・・・そして細く結んでた口を裂くようにして、
気味の悪い笑みを浮かべたのである。
・・・マリーが生きている時であれば、間違いなく気絶ものだ。
 「こ・・・この人も生きているんですか!?」
 「客・・・久しぶりのお客・・・、女の子、・・・可愛い 子・・・?」
枯れ木の身体からは、その身体にふさわしい、かすれた乾いた声が発せられた。
 「 イヤァッ!? 」 後ずさろうとするとすると、老婆が笑いながら答えた。
 「心配いらないよ、こいつはあたしより無害だ、何せ人は食わないからねぇ・・・」
男は身体を前後に揺らし始めた・・・。
 「 おーほーほー、おーじょーおーさーんー♪」
・・・嬉しい・・・のか?
マリーは固まったまま、その男をしげしげと見た・・・確かに害意はなさそうだ・・・。
 「こいつはあたしの連れ合いさね・・・、あたしと同様、罰を受けてこんな姿になっちまった・・・。
 年をとらない身体なのはいいんだが、代わりに知能をとられてねぇ。まぁ、考えることが
 できないから苦しくはないのかもねぇ。」
707本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 19:03:44 ID:maplUklH0
第十六話
マリーは、嬉しそうに身体を揺らす男と人形を見比べた。
この綺麗な人のだんな様・・・? やっぱり若い時はかっこよかったのかな?
いや、今はそんなこと考えてる時じゃない。
 「わたし、人形になったら・・・この人みたいになるの・・・?」
それを聞いてさらに老婆は笑った。
 「違う違う、はぁっはぁっは、似てるかもしれないが違う・・・。
 人形は『感じること』がなくなる・・・、ただ考えることはできる。
 そいつは『考える』事ができない。・・・だが、感情はちゃんと残ってる・・・。
 ま、ぼけ老人みたいなもんだ・・・。一応、ボケなりに考えてるみたいだけどね。」
枯れ木の男は老婆の言葉を気にしてないようだ。
 「フラウ・ガウデン・・・その女の子、おまえとどっち可愛い? おまえが可愛い?
 その子が可愛い? それともオレが可愛い?」 あやうくマリーは噴き出すところだ。
 「うるさいねぇ、Ladyに失礼なこと言ってんじゃないよ、ま、人間の時のアンタに会わせたら、
 あたしが嫉妬するぐらいだよ。」
だんだん、マリーはこの状況に慣れてきた、というか、この二人の見た目のグロテスクさが、
何となくコミカルにすら感じて居心地が良くなってきたのである。
だが、非情な現実はそれを許してくれなかった・・・。マリーは自分の感覚の違和感が、
さっきよりもどんどん増大していくのを感じ取っていた。
・・・視点が定まらない・・・彼らの声が鼓膜以外のところから聞こえるようになっていた・・・。
そして、その事をはっきり自覚すると、自分の心の中に激しい憎悪の念が、
ぐつぐつと煮えたぎり始めるのを、抑える事ができなくなっているのにも気づいてしまった。
もう、時間がない・・・。
激しい嫌悪感と共に、あの領主の気持ち悪い舌で、体中や口の中を舐められた記憶が、
どんどん蘇ってくる・・・、悔しい! 気持ち悪い! 耐えられるわけがない・・・!
 「フラウ・ガウデン・・・一つだけ教えてください・・・。」
老婆もそろそろ、マリーの身体が限界だと悟ったようだ。
 「 ・・・言ってごらん・・・。」
 「なぜ、わざわざ、とりひきを・・・? そのまま 私を食べてもよかったの では・・・?」
しばらく老婆は、マリーの目をじっと見続けてたが、ため息をついて口を開いた。
708本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 19:23:09 ID:maplUklH0
はい、今日はここまでです。

どぉ? 何となく三章のマリーのイメージ、
絵描きさんの書いてくれたLady メリーって感じせえへん?
709本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 19:44:10 ID:h2mxTm0F0
今までROMってたけど、これだけは言わせてくれ

良スレすぎ
710本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 20:12:08 ID:maplUklH0
>>709 どんどん参加してちょうだいね! 初めての人も大歓迎!
・・・ご飯たべてきます。
711本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 20:19:38 ID:MIG8hk+CO
すげーな、御三家のメリーさん読んでると元ネタ忘れそうになるねw

どのメリーさん呼ぶか決めろって言われたとしても選べないよな〜
712126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 20:35:10 ID:wcqljSLW0
>711
麻子タンも選択肢に含まれますwwww
713本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 20:39:28 ID:5rBXbEF+O
>>709 だよな…だって病で仕事ギブしても
このスレだけは何回も確認しに来ちゃうくらいだから…
ヤベー…また熱出てきた…
>>Lady氏…激しく…









GJ!!!(;`・ω・)ゞ カッ!
714本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 21:27:49 ID:maplUklH0
>>711-712
ふらう・がうでんタマも選択肢に含んであげて下さい。




>>713 激しく水分とビタミンCを補給してください。お大事に。
715本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 21:37:21 ID:GivnVm9jO
>>126氏もLady氏も名無し氏も…GJ!!!!!

引き込まれてもう戻れません

責任とって下さいw
716126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 23:21:33 ID:wGNUS/ZRO
激しく続きが気になるじゃないか〜。

このはなし本当に前より短い?
もう、一スレ費やしてもいいですから、長く付き合いたいわ〜。

というわけでワクテカ状態キープで明日までまちます。
717本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 23:38:40 ID:z2wP0G2j0
メリー@子供の頃の変な記憶

わたしがまだ保育園に行ってた頃の話
夜中に目が覚めてしまったわたしは、昼間保育園であったことを、思い出していた
「糸電話って、いいなぅ」
糸電話の作り方と、使い方を思い出していた
夜明かりに、父親の枕元に、空になった酒の紙コップがあるのが見えた
コソーリ手を伸ばして取ってみた
「糸電話って、かたっぽだけでも使えるんかな?」
とか思いながら耳にあててみたが、なんも聞こえない
口にあてて「もしもし?」と言って、も一回耳にあててみた

「もしもし、あなた誰?」と紙コップが喋ったので、驚いて
「誰?」と聞き返してしまった

「もしもし、わたしメリーさん、あなた何歳?」
紙コップの人に聞かれたので「5歳くらい」と答えると
「お父さんは?」と、また聞かれたので
「寝てる」と答えたら
「あんたも、おとなしく寝てなさい、じゃ」と言われた
それから、しばらくの間、紙コップを耳にあてていたけど
もう、声は聞こえなかった
718八女茶 ◆Wfisc4rltY :2006/01/19(木) 23:41:56 ID:wGNUS/ZRO
>717さん
凄い。インスピレーション〜。って感じの新たなパターンですね。
719本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 23:53:29 ID:maplUklH0
>>717 うん、結構、新鮮だね。

>>718 126さん、どしたの? コテトリ変えたの?
720本当にあった怖い名無し:2006/01/19(木) 23:57:00 ID:maplUklH0
え〜と、それでね、

>>716 ご心配なく、明後日で第三章は終わりです。
この舞台は今回だけです。次、書くとしたら多分、現代に戻るのではないでしょうか?
・・・まぁ、じつを言うと今回の舞台は、むか〜し、私が大学でオカルト系サークルの
幽霊部員を務めていたとき、何故か機関紙でSF小説を書かされることになり、
その時作り上げた世界なのです。
押入れのダンボールの中に埋まってた当時の小冊子を見ながら今回書きました。
フラウ・ガウデンが今回、人間臭く書いてますが、当時はかなり悪霊モードです。
主人公はトーマス、マリーと枯れ木の男は名前だけの参加でした。


721126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/19(木) 23:58:09 ID:r2aswycn0
>>719
Ladyさん・・・orz

誤爆です・・・。忘れてください・・・
722717:2006/01/20(金) 00:12:47 ID:ZTGXk4tN0
投稿2回目でした

前回は、「糸電話」をオチにもってきて、不評だったので
今回はメインに使ってみました ^^;
723本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 02:37:03 ID:UcDqYfsf0
ええ? 糸電話ってどれぇ?
>>165>>175>>189の人? ・・・でも向こうは携帯からの書き込み?
続き書いてよぉ! 
・・・違ってたらゴメン。
・・・あぁ、スレ、最初から戻って読み直したら目が痛い・・・眠い。
724本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 18:56:22 ID:UcDqYfsf0
今日は少ないねぇ、まぁ、物語りも終盤なんで、たんたんとやらせていただきます。
・・・で、今日はいつもより少なく、三話です。・・・その方が区切りがいいんで。
では参ります!
725本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 18:57:32 ID:UcDqYfsf0
第十七話
 「・・・いくつか理由はあるけどね、ま、確かに『取引』ってのは口実さ・・・。
 まずは、あたしの手元に、こんな人形を置いときたくないのさ・・・、
 あんたも女なら判ってくれるかい? 
 コレを作ったやつは親切のつもりかもしれないが、余計なお世話さ・・・、
 どうせあたしはこの腐った身体からは離れられない・・・、
 あたしがこの人形に入れれば、また意味は変わってくるんだろうけどねぇ・・・。
 ・・・かといってコイツはあたしの分身みたいなもんだし、そうなると処分するのもねぇ、
 じゃあ、どうしようねぇ? 
 ・・・て時にアンタがいたのさ・・・、アンタみたいな可愛い子だったら、
 模造品とはいえ、あたしの昔の身体を任せてもいいかなってね・・・。
 それに思ったとおり、アンタはあたしの身体を綺麗と言ってくれた。
 ・・・こんな理由じゃ不満かい?」
マリーは静かに首を振った、もう口を開くこともできないようだ・・・、
だが、彼女は既に霊化し始めているせいなのか、フラウ・ガウデンの心が判るような気がした。
フラウ・ガウデンはその外見の醜さとは反対に、心は普通の女性のままなのだ・・・。
もしかすると、この人形になりたかったのは、誰よりもこの森の魔女であったのかもしれない。
・・・既にマリーはこの人形に同化する覚悟はできていた。
もはや問答はただの形式に過ぎない。フラウ・ガウデンは一言だけ、静かに声を発した。
 「いいかい・・・?」 
マリーはうなづく。
枯れ木の男は不思議そうに首を傾けていた。

 ・・・フラウ・ガウデンはマリーの身体を抱きながら、彼女の身体を人形の顔に近づける。
そしておもむろに自分の気味の悪い腐った腕を、マリーの口の中に突っ込んだのである・・・。
その部分を中心に煙状の気体が発生していく。肉眼では見ることはできないが、
恐らく「いのち」が老婆の腐った身体に取り込まれているのだろう。
そしてもう一方の手で彼女の首根っこを掴み、人形の上に覆いかぶさせた。
刹那のタイミングなのかもしれない。フラウ・ガウデンはマリーの身体から、
残った全ての生命を抜き去り、急いで腕を彼女の口から外すと、
その場はマリーの死体と人形が、口づけを交わす形となっていた・・・。 
726本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 18:59:06 ID:UcDqYfsf0
第十八話
・・・術そのものには大して時間は掛からなかったようだ。だが、今やマリーは・・・、
いや、かつてマリーと呼ばれた少女は、人形の中で自分の心がどんどん、
他の何かに変わっていくという感覚を受け止めるので精一杯で、新しい身体を動かすどころか、
周りがどうなっているのかも認知できる状態ではなくなっていた。
人形の眼球が不規則な動きを繰り返す。
体温を感じるはずはないのに、身体が熱く焼けそうだ・・・。
激しいフラッシュの閃光が、途切れることなく視界を襲う・・・。
幾つもの大きな鐘を、いっぺんに鳴らしたかのような轟音が耳をつんざく・・・。

 「・・・おい、ジジイ! ・・・エックハルト! ちょっと手伝いな!」
マリーの生命力を吸ったフラウ・ガウデンは、恐ろしいミイラの化け物から、
気味の悪い老婆に若返って(?)いた。黄金色の瞳を除けば、今なら人間社会に
紛れ込んでも違和感はないだろう。彼女は、マリーの意識が人形になじむまでに、
特製の衣服を着せたいようだ。
 「服を着せるのか? 裸がいい。 裸がみたい。隠し事が有ると人間、大きくなれないぞ。」
 「・・・もう一つの理由、このスケベジジイが悪戯すんだよ、・・・見えもしないくせに。
 ・・・黙って手伝いな! そっちの手、持って! もうこの人形はあたしじゃないよ!
 マリーっていうお嬢さんがこの人形の宿主だよ、Ladyにはしたない格好はさせちゃあいけない。」

・・・薄いレースのキャミソール、薔薇の刺繍の黒いドレス、ドレスと同じ素材の肩の膨らんだボレロ、
そしてフラウ・ガウデンが、人形の背中に白いコルセットの紐を締める頃には、
人形の眼球は落ち着いた動きをするようになっていた。
 「・・・どうだい? あたしの声が判るかい? 身体は動かせるかい・・・?」
膝までの粗い網目のタイツを履かせながら、フラウ・ガウデンは横目でマリーに話しかけた。
マリーは、ゆっくりと・・・ 指を・・・ 首を・・・ 腕を動かし・・・ 
そして自分の両手を不思議そうに見詰めながら、ゆっくりと上体を起こした・・・。
術は成功だ・・・。
古の魔法使いによって作られた「人形」は、マリーという少女の魂を注がれて、
今ここに、新しい「生命」として誕生したのである。
727本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 19:00:49 ID:UcDqYfsf0
第十九話
人形の唇は、薄く隙間が開いてはいるが動くわけではない。それでも声は出るようだ。
どうゆう魔法なんだろう?
 「・・・心は楽です、でも・・・身体がすごく・・・抑えの利かない力が湧きあがって来て・・・
 今にも 勝手に動き出してしまいそう・・・。」
それを聞いて、フラウ・ガウデンはニタリと笑った。
 「うまくいったようだね? その力はアンタの恨みや憎しみ、悲しみさ・・・。
 それらがある限りアンタは動き続ける。それからね、今、アンタに着せた衣装にも
 魔法がかかっている。 その人形もドレスも・・・どんなに壊れたり破れたりしても、
 アンタの蓄えている情念によって再生する。・・・逆に言えば、アンタの心が弱いときは、
 アンタは何もできないからね、よぉーく覚えておきな!」
マリーはヒールのある靴を履き、完全に立ち上がった。そしてマリーは完全に理解した。
フラウ・ガウデンが語った言葉の数々を。
マリーにはもはや迷いもなく、内から湧き上がる衝動によって、
次に自分が為すべき行動を認知するようになっていた。
彼女がキョロキョロ左右を見回すと、フラウ・ガウデンはそれを見越したかのように、
暖炉のある部屋まで戻って、マリーに声を掛けた。
 「こっちだよ、外への出口は。もうじき夜が明ける・・・。あたしらや森のヴィルダーヤークト、
 ナハトイェーガー共は、夜の森以外では存在できないけどね、その人形のカラダは別扱いだ。
 ・・・さぁ、おいき。 」
マリーはその新しい身体を確かめるかのように、ギクシャクしながら歩き出し、戸口の外へ出た。
もう、あの恐ろしいまでの風も吹いていない。
外には、夜明けが近づいてるせいか、活動が沈静化した悪霊達がいた。
骨だけになった馬や、死体の兵隊達、首のない男もいる。彼らは、その場で座り込んでいたり
足踏みをしたりするだけの、おとなしい存在になっていた。人形のマリーが傍を通っても、
彼らから見れば同類なのだろう、何の興味も示さない。
マリーは途中で後ろを振り返った。フラウ・ガウデンと枯れ木の男がこちらを見送っている。
既にマリーは人であった時の心を失い始めていた・・・。かろうじて、手を一、二回振ると、
すぐに森の出口へ身体を向け、獣のような素早さでそこから走り去っていった・・・。
728本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 19:03:05 ID:UcDqYfsf0
☆ 今日はここまでです。
明日、第二十話から最終話の第二十三話を投下いたします。
最後まで読んでくださいね〜。
729名無し:2006/01/20(金) 19:18:13 ID:2jwcBem5O
Ladyさん乙。
愈々、佳境ですね!明日楽しみにしてます。
それにしても、ミュージカルや劇のような感じがナイスです。
俺も今日中に続きupしようとしたんですがね。
諸事情で出来そうにないスorz
730本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 20:41:28 ID:UcDqYfsf0
>>729 過分な評価いたみいります。
携帯でのカキコは大変だと存じます。
私も作品を楽しみにしておりますが、
時間のある時、ゆっくり投下してくださいませ。

・・・昨日、スレ読み直してたら、スルーしてしまっていたのに気づいたんだが・・・
>>690 アンタ悪霊見えたらヤバイじゃろが!? はよお、院古円座、治しなされ!!
731本当にあった怖い名無し:2006/01/20(金) 20:53:47 ID:35vOUkKMO
おつ
いいよいいよ
次が楽しみだ
732126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/20(金) 23:27:58 ID:6sUpiYMb0
ごめんなさい今日はuPできません・・・ねむい・・・。

>>Ladyさん!GJ
明日でおわかれなのか・・・さびしいな・・・。
でもまたしても期待wktkもーで待機します!
733本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 02:05:38 ID:MNSl8jjo0
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((゚V゚;\ )< メリーのAAないのかねぇ?
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
||__|        | | \゜ο゚) <  てめぇで作れや、ババァ!
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂\_____________
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        

>>466 の盗作ですいません。
私にはAA作れません・・・。
ちっこいのでも、大きいのでも、
欲しいわぁ。
あったら他の板にも遠征に・・・
いえ、何でもないです・・・。
ろーぜんめいでんは
いっぱいあるみたいだけれども・・・。
734名無し:2006/01/21(土) 16:44:56 ID:1Ls3EuYJO
しかし
このスレのおかげで、普段やらない事にかなり集中できたな。
絵描いたり、物語作ってみたり、妄想してみたり
脳が働くのが体感できました辺り、余程、普段頭使ってないのがひしひし感じられましたよ。
貴重な体験させていただきました。
んで、今日は仕事で、続きのupは明日以降となりますとさりげなく本題。
重ね重ねスマヌ。
735本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:36:41 ID:MNSl8jjo0
>>734 ごゆるりとど〜ぞ〜。
・・・え・・・と、最後のいきますね。
最終話は>>532 のB.G.M聞きながらどうぞー(いや、別に必要ないですけどね)。

あいむうぃっしんおーなすた〜♪
とぅふぉ〜ろふぇあゆぅあ〜♪
736本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:52:44 ID:MNSl8jjo0
第二十話
・・・あたりは薄ぼんやりとしてきた・・・。朝霧ではない。夜明けが近づくにつれ、
彼らの存在そのものが希薄になってゆく。走り去るマリーを見送ってた彼らだったが、
枯れ木の男・・・エックハルトが先に口を開いた。
 「・・・フラウ・ガウデン、お嬢さんを騙したか・・・?」
森の魔女フラウ・ガウデンは微動だにせず答えた。
 「・・・騙す? そんなつもりはないよ・・・いぃやぁ、そうかもしれないのかねぇ?
 あの子を人形にしてしまう事への後ろめたさ・・・それがあったからあえて『取引』なんて
 言っちまったのかもねぇ、・・・あたしは間違ってたと思うかい?」
 「オレ、判らない・・・、でも、また呪われた闇の者が一人増えた・・・、
 そして、あの人形、生きている・・・生きているから、食べ物が必要・・・。
 あの人形の食べ物は・・・。」
・・・しばらくたってから彼女はポツリと言った。
 「・・・そうだね、下手をするとずーっと、他人の怨念や悲しみも吸い取ってまで動き続ける・・・。
 恐ろしい事だよねぇ・・・。」 そして彼女は最後に祈りの声をあげた・・・。
 「・・・主よ、万物の生みの王にして支配する者ヴォーダンよ・・・、あの子の魂に安らぎを・・・、
 罪深き我らには寛大なる死を賜り給え・・・。」
そう言って、はっきり何時ということもなく、
ゆっくりと朝の森に、彼らの姿は溶け込んで消えていってしまった・・・。

一方、「マリー」という名の人形は、ある場所へと走っていた、狼よりもすばやく森の中を、
猿よりもすばしこく木々の枝をくぐり抜けて。「彼女」自身の思い入れではなく、「人形」の
本能のようなもので、マリーの弟、チビのエルマーの悲しい遺体・・・兎のように殺された、
弟の死に場所へ辿りついていた・・・。
森深くの谷坂の斜面・・・、「彼女」は谷の上からかつての自分の弟を見下ろしていた・・・。
フラウ・ガウデンの言ってたように、エルマーの魂と呼べるようなものは既に存在していない。
すでに悲しくもない・・・つらくなんかもない・・・。
だが、「人形」はその死体の周りに、凛として存在するエルマーの恐怖、無念、苦しみ、絶望、
それらの思念の残骸を余すことなくその身に集めていた、
自らの復讐への力と変換する為に。
737本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:56:50 ID:MjhxUAm+O
私怨。
738本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:56:51 ID:MNSl8jjo0
第二十一話
ほぼ同時刻、村では朝から大騒ぎになっていた。既に夜の内から、
マリー達の両親が村の隅々まで探し回っていたのだが、村人達は悪霊達を恐れて、
家から出ようとせず、二人は何とか砦にも足をのばしたのだが、しらばっくれた見張りの兵士に、
にべもなく追い払われていたのである。
既に両親は衰弱しきっており、母親は夫にしがみついていなければ、
歩く事もままならない状態であった。村人達も冷淡なわけではない、それ程、
冬の夜の森を恐れているだけなのだ、それ故、その負い目から、
太陽さえ昇れば村中総出で探し出そうとする。
マリーと同年代のフィーリップ、年下だがハンスにトーマス等の必死ぶりは半端ではない。
親に止められなければ、昨晩のうちにでも夜の森に出かけていたかもしれない。
今も、彼らはマリー達の両親に言葉をかけてから捜索に行こうとしてた時、
目ざといトーマスが、白い帽子をかぶり、
集会所の先の丘の上に立っているニコラ爺さんに気づいた。
爺さんの立っている丘は、そこから広大な森が見渡せる場所だ。
いつの間にか、マリー達の両親も村の長老達も、爺さんに目が釘付けになっている。
しばらくすると、森のほうから一羽のワタリガラスがやってきて、
何とニコラ爺さんの握り締めている杖の先端に止まった・・・。
 グワ、グェグェ・・・ガ・・・、  まるで爺さんに話しかけているようだ・・・。
ニコラ爺さんは、片方の腕の指で、ワタリガラス咽喉とクチバシをなでてやると、
ワタリガラスは一鳴きした後、今度は湖のある方へと飛び立っていった・・・。
・・・ニコラ爺さんは厳しい顔をして・・・丘を降り、マリーの両親のところへやってきた。
 「・・・つらい事だろうが、もう、二人はこの世にいない・・・、砦の先の・・・谷坂に、
 エルマーの死体がある・・・。マリーは・・・死者の王ヴォーダンにその魂を奉げた・・・。」
その言葉を聞いた直後、母親は冷たい地面に泣き崩れてしまった・・・。
父親は呆然として妻を助け起こす事もできない。ニコラ爺さんは優しく彼の手を引き、
母親の身体を抱きしめさせた。自らも二人を抱きしめ、
 「二人の魂の安らぎを願うのじゃ・・・。」
それが爺さんの、この村人達が聞いた最後の言葉であった・・・。
739本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:58:48 ID:MjhxUAm+O
私怨2。
740本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 19:59:35 ID:MNSl8jjo0
第二十二話
湖では、マリーの人形が、かつての自分を殺した領主を、水中に引きずり込むことに
成功していた。屈強な男の身体でどんなに暴れても、強烈な憎しみの思念によって動く、
「彼女」の腕をひきはがすことはできない。
さらに領主は、自分を捕獲しているものが生き物ではなく、精巧な造りと貴族の娘のような姿の
人形であることに気づいてパニックを起こした。
その気になれば、しばらくは息が続いたかもしれないが、余りの衝撃と恐ろしさに、
大量の水を飲み込み、自らの肺の呼気を致命的なほどに吐き出してしまう。
領主の目は、カッと瞼を見開いた状態で、人形の目に注がれる・・・。
彼が最後に見たのは、憎しみの念を放ち自分を凝視するグレーの瞳。
彼が最後に聞いたのは、水中でも伝わる、小さく、はっきりした声でつぶやく人形の言葉・・・。
 「後悔するがいい、弟を兎のように殺したことを・・・
  後悔するがいい、自らの欲望のために私を嬲り殺したことを・・・。
  そして わたしは断罪する、  ・・・おまえの汚れた命を・・・!」

領主の口からは、最後の・・・一際大きい気泡が水面へ昇っていった・・・。
その顔は恐ろしいまでの苦悶の表情を挺し、後は、
生体反応としての痙攣を繰り返すのみだった・・・。

陽の光もうっすらとしか届かない湖底に達すると・・・、もはや領主の身体に、
命が残ってないことを感知したのか、かつてマリーと呼ばれた少女の人形は、
その身体から急速に力が失なわれていくことに気づいていた・・・。
いつの間にか、領主のカラダにからみついていた手足をほどき、
穏やかな水の流れにカラダを委ね、ゆっくりとその場から離されていった・・・。
741本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 20:00:34 ID:MjhxUAm+O
ageてもたorz
フラウ・ガウデン、俺の命を捧げよう。
742本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 20:03:37 ID:MNSl8jjo0
第二十三話(最終話)
湖の岸辺では、あわててる兵隊達を、黙って見詰めているニコラ爺さんの姿があった。
もちろん、爺さんは兵隊達なんかに用はない。
いつの間にか、爺さんの後ろには、ワタリガラス、灰色の狐、ずんぐりした熊が後ろに控えていた。
 「フラウ・ガウデン・・・余計なお節介焼きはいったいどちらだと言うんじゃ・・・。」

 「可哀そうなマリーよ・・・、いつか、必ずおまえの魂を救ってやるからな・・・。」
・・・そう小さく呟くと、ニコラ爺さんは三匹の動物達と共に、その小さな村を後にした。

湖の底では・・・、依然としてマリーの意識ははっきりとしていた。
ドレスの裾が、水の動きにあわせてゆらめくのを感じる。
湖の上から、ぼんやりとした日の光が射してくるのも感じる。
自分の傍を、藻の塊が漂っていたり、何匹かの魚が泳いでいるのも感じる。
その気になれば、腕ぐらいは動かせる・・・湖底を歩き、湖から上がって、
森へも移動できるかもしれない。
だが、もはや彼女にはそんな目的も衝動もない・・・。
ただ、その瞳に映る、水中の景色を、ぼんやりと眺めているだけだ・・・。
熱くもなく寒くもなく・・・、痛くもなく苦しくもなく、嬉しくもなく悲しくもない・・・。
 このまま、魂が消え去るまで、ずうっと、湖底で悠久の時を過ごせばよいのだろうか?
 私の魂は安らぎを感じているの・・・?
 誰か応えてはくれないのか? これが自分の望んだ結果なのだろうか・・・?

かつて歌好きのマリーと呼ばれた少女は、・・・何度か思考を続けていたが・・・、
しまいに考える意味をも失ってしまい・・・そのまま、まるで眠りにでもつくかのように、
考えることを止めてしまった。

これより、数百年もの長い間・・・彼女の身体はこの湖の底で、眠り続けることとなる、
後に「邪まなる魔法使い」が、
狂喜の笑みを浮かべて・・・哀れな人形の身体を引き上げるその時まで・・・。

  (Lady メリー第三章「Lady メリーの誕生」終了)
743本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 20:13:59 ID:kf7JK4oGO
Ladyさん乙鰈様です。次回作も期待してます。
初めてリアルタイムで読んでしまった!
744本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 20:15:36 ID:MNSl8jjo0
ご愛読、ありがとうございました。
前作を面白がっていただいた方には、不満なラストかもしれませんが、
Lady メリーの正体を確定させるために、このような展開となりました。
次回作はいつになるかわかりませんが、第一章から第三章までに作り上げた設定は、
今後も踏襲いたします。

>>737 漢字だと怖いです。
>>741 がうでんタマから伝言が入ってます。
     「ヤローの命なんか要らないよぉ・・・、ナハトイェーガー共に喰われちまいなぁ・・・。」
・・・すいません、嘘です。
ご飯いってきますね。
745本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 20:53:05 ID:idvoNKM4O
>>744
乙!面白かったよー。次回作も楽しみにしてます!








ラストがジョジョ第二部っぽくて笑ってしまったのは内緒だ。
746本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 21:07:51 ID:LluwNFg0O
Lady氏乙でした!
一段落ということでこれから見るかもしれない方の為に

Ladyメリー第三章
[第一〜四話>>604-607]
[第五〜八話>>632-635]
[第九〜十二話>>660-663]
[第十三〜十六話>>704-707]
[第十七〜十九話>>725-727]
[第二十話>>736][第二十一話>>738][第二十二話>>740][第二十三話>>742]
あと淫古怨挫はほぼ回復いたしましたwwwドモ
747本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 21:37:09 ID:HtASqCRe0
正直いって






すげーおもしろい。ネ申
フロム角煮メリースレ住人
748本当にあった怖い名無し:2006/01/21(土) 21:45:57 ID:MNSl8jjo0
>>743 ありがとうございます!
>>745 ありがとうござ・・・えっ・・・ジョジョ・・・あ・・・
あ〜あ〜ッ・・・!! そう言われてみれば〜ッ!! オーマイガッ!!
保存フォルダの方だけでも表現直しておこう・・・、ご指摘感謝・・・あぁ、orz・・・。
きらーくぃーんばいつぁだすとを発情・・・いや発動したい・・・。

>>746 ご快癒おめでとうございます!
>>747 向こうも時々、のぞいてます。素晴らしい絵師の方がいらっしゃるようですね!
ロリ系・ギャルゲー系は遠慮してますが、えらくリアルな(オカルトっぽすぎ!)絵を見て
感心しました!
749126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:16:25 ID:dBBWU9p50
Ladyさん!お疲れ!
実はまだ読んでないんです!
ごめんなさい、今ようやくPCの前にこれましたwww

というわけで2つだけUpします
Ladyさんのラストはそのあとでゆっくりとかみ締めて読みます・・・。
(終わっちゃうと思うとさびしいですが)
750126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:16:57 ID:dBBWU9p50
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647◇45番目>680】
【46番目>682◇47番目>684◇48番目>686】
49番目←いまここ
751126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:17:29 ID:dBBWU9p50
49番目
・・・それはそうかも知れない。俺はずっと麻子には敵わなかった。俺の中でもこいつは姉
貴に近い存在だったかも知れない。俺が親父の所に引き取られてから15年。麻子はいつでも
俺のそばにいた。俺は愛情に飢えていたのかも知れない。麻子に甘えた。そして、世間が広
くなると同時に俺だけの麻子ではないことに我慢できずに、別れを告げた。
そのとき麻子に告げた理由が何だったのかは覚えていない。けれど、本当の理由は他人の世
話を焼く麻子を見るのが耐えられなかったことだ。今では、麻子のおせっかいな姿を見ても
平気になったが、それまでに3年かかっている。
別れを告げてからも、麻子の態度は変わらなかった。だから、こんなふうにしみじみと俺と
付き合っていたことを語る姿は初めて見る。麻子は麻子で、俺への気持ちを「弟に対するも
の」だったと。肉親に近い気持ちだったと・・・。いや、「恋愛感情と勘違いしていた」だ
けなんだと、そう思いこもうとしていたのだろうか?
俺は勝手に「麻子は平気なんだ」と、俺がいなくても平気なんだとそう思い込んでいた。
実際平気なんだろうが・・・。それにしては俺に対しての世話の焼き方も変わっていなかっ
た。今思うと、今のあいつの少しさびしそうな表情を見ると、もしかしたら麻子もつらかっ
たんだろうか?と思ってしまう。
あのときの麻子は「そうだね、あんたももう少し大人にならなきゃね」と笑った。
そんな別れだった。
メリーは、不思議そうな顔で麻子の事を見ていた。
俺は麻子から視線をそらした。罪悪感が俺の中にあった。麻子の視線に耐えられない後ろめ
たさ。それは、その当時麻子の気持ちを考えずに、自分の不快感を解消するために麻子との
別れを選んだことへの罪悪感なのか、今ふと思った麻子の気持ちを知らずに今まで普通に過
ごしてきたことへの気持ちなのか、それとも、麻子にメリーについての本当の話をしていな
いことから来るのか、わからなかった。
視線の端っこで、麻子が口の端をニッとあげて笑っていた。いたずらっ子のような笑顔、
でも今日のそれは「仕方がないわね・・・」と語っているように見えた。
752126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:18:01 ID:dBBWU9p50
【最初から30番目までは>372】
【31番目>374◇32番目>376◇33番目>457◇34番目>460◇35番目>501】
【36番目>503◇37番目>505◇38番目>507◇39番目>509◇40番目>619】
【41番目>619◇42番目>624◇43番目>626◇44番目>647◇45番目>680】
【46番目>682◇47番目>684◇48番目>686◇49番目>751】
50番目←いまここ
753126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:18:33 ID:dBBWU9p50
50番目
麻子はメリーに向き直った。
「メリーちゃんだっけ」
メリーは、きょとんとした様子でうなづいた。
「あなたみたいな妹がいたら、私、本当に大切にするのにね。馬鹿弟と違って」
その言葉は、情けなくうつむいてしまっている俺に向けられたものだ。
しかし、俺の中で何かが引っかかった。
俺は、勢い良く顔を上げた。急に動きを見せた俺に、麻子がびっくりして、
「な、なによ!や、やるき?」
と攻撃態勢に入った。馬鹿と言われた俺が怒ったと勘違いしたのだろう。
俺の視線は、メリーに注がれていた。
先ほどまでのきょとんとした子どものような表情はメリーの中になかった。泣き出しそうな
潤んだ視線で、じっと、麻子を見ていた。
あのとき、俺に抱きついたのと同じ潤んだ目をしている。俺の視線に気がついた麻子が視線
の先にあるものを確認した。潤んだ瞳でじっと見つめるメリー。
「ど、どうしたの?」
麻子は、今にも泣き出しそうな表情にあわてていた。
「・・・大切にしてくれる?」
メリーは、細い声で麻子に言い、麻子はニッと麻子スマイルを返してうなずく。そして、
「うーえーだーたーかーしー」
と俺をどなりつけようとした。
「あんた一体この子に何したのよ!変態!」
何を誤解したのか知らないが、俺は愕然として、メリーを見つめていた。
そうだ・・・。
そうなのだ・・・。
俺はひとつの事実に行きついていた。
つづく
754本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 00:49:12 ID:u/1+SQcp0
>>753 なんだなんだ? どうなるどうなる? ドキドキワクワク!
755本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 00:50:56 ID:sE1Xg6zM0
>>126
wkwkwkwkwk
気になる気になる
756126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 00:55:21 ID:dBBWU9p50
Ladyさん!本当に乙でした・・・。
・・・・・すごいです。
Ladyメリーの誕生がこういうことだったんですね。
続き・・・湖から引き上げられる話はありますか?

見たいなぁ・・・。
でも次第に現代のメリーの物語の中で明かされていくのかな?
そうではなく、魔法使いの話があるのかな?鎌が出てきてませんものね。

どちらにしても楽しみ楽しみ・・・。
さすがに反響がすごいですね・・・。
うらやましい・・・。
そろそろグダグダ展開から脱しますwww
757本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 01:10:57 ID:u/1+SQcp0
>>756 引き上げる話は全く考えてません。
たぶん、もう過去を舞台にすることはないでしょう。
まぁ、鎌とかの話はいづれ・・・。
次か・・・、あ〜、どんどんネタだすのがつらくなる〜。
舞台は決まってんだけどなぁ〜。

 ・・・なにが「うらやましい」ですか?
ここではあなたが本流。アチキは傍流。細々と書かせて頂いてますのよ。
758本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 01:38:40 ID:u/1+SQcp0
            
ツ "^ 、  
   (ノζ;τ ヽ  ヘ 
  "〈δ"〈δ〈゙ハ  》 
   ノ ゝ  //ノ  》〉
ρ リ  ノレ リ ∫‖〉
ミ ζ    ζ ノ,゙ヽ‖〉
へ ゑ  〈〈,,,〕‖〉
/ ,\  Ч  l⌒l ‖〉
    \     〕 ‖ 〉
・・・とゆーわけで、
最近はこんなの作ってました。
六頭身ぐらいのを作成してますが、
携帯の方は見れないと思うので、
上半身のみ・鎌圧縮してみました。見れる?つーか、何だか判る?
誰かかっこよく作ってくれる人を探しています。
もちろんコピペでも結構です。
顔、なくてもいいです。
嫌なレスした人の首を狩るのが目的です。
採用された方には、がうでんタマの熱いキスが待ってます。
759本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 01:40:04 ID:u/1+SQcp0
>>758 思いっきりずれてますね、
やりなおします。  ・・・Orz
760本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 01:57:15 ID:u/1+SQcp0
     ツ "^ 、
   (ノζ;τ ヽ  ヘ 
  "〈δ"〈δ〈゙ハ  》 
   ノ ゝ  //ノ 》〉
 ρ リ  ノレ リ∫‖〉
ミ ζ    ζ ノ,゙ヽ‖〉
へ  ゑ 〈〈,,,〕‖〉
/ ,\  Ч  l⌒l ‖ 〉
    \    〕 ‖ 〉
なぜ、ずれるんだ?
おれのこの二日間は何だったんだ・・・?
761本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 02:08:56 ID:u/1+SQcp0
IDにカーソル合わせると>>758でずれてないんだがなぁ・・。
結局、携帯からもうまく見れないし・・・。
もう、スレの無駄遣いやめますね、ごめんなさい。
六頭身の方もボツだな、こりゃ・・・。
                  
    ×     
    ××   
    ×   
   ×、    足のパーツ 
 匕〆I  
762名無し:2006/01/22(日) 08:49:28 ID:NmUpBdfHO
126さん
読むたびに思う。
俺、貴方のメリーさんに会いたいです畜生!!
少しロリコン気味だったのか?俺はorz
Ladyさんも乙。
二十話の森の魔女と枯れ木の男の会話に鳥肌立ちました。
死の王に祈りを捧ぐ場面等、仕事中にさぼった甲斐がありました。
感想は今頃になりましたが、リアルタイムで読ませていただきました。
また何か書いてくれるなら、楽しみに待ちます。
763126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 11:01:08 ID:LR5VLHw+O
>>745
ありがとう。
Ladyさんのアダルトでミステリアスな雰囲気は、魅力です。
ボクのは、いつ「それなんてエロゲ」って言われてしまうか、ドキドキしてますよw

ちなみに、ボクも高校の時に小説書いてましたよ。

>>746ありがと
応援いただくと、書き手としては、張り合いが違いますわ。

始まりさんは、まだかな?
764126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 11:11:11 ID:LR5VLHw+O
>>757
本流とかなしでいきましょう。
ボクは、Ladyさんの短くまとめているのに、文字数以上に広がっていく表現の力はすばらしいと思うのよ。
読んだ後に心の端っこにその世界の情景が、いつまでも残っている。
力だわ〜。って思いますよ。

>>758-761
って…励ましたいが、ナニをどう禿げましていいか分からんくらい…ずれてますw

>>762
名無しさん、ありがとう。
ボクも名無しさんのメリーに会いたいですよ。うちのメリーってば、幼すぎw
765126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 12:03:38 ID:LR5VLHw+O
そうだ、絵描きさま。
お返事遅くなってごめんなさい。

白のワンピですが、
袖なし、まるくび、肩から胸をとおりウエストまでフリフリ。
ウエストはしぼらないベルトつき。
ゆったりした感じ。

こんな感じでよいでしょうか?
(って、かなりやばいかな…orz)
766本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 15:16:40 ID:u/1+SQcp0
「もう、名無し氏も126氏もおだてすぎよ///
 て、照れちゃうじゃないの・・・バカッ!

 そ、そんなことよりもね、名無し氏はいつ再開するの?
 始まり氏は何処に行ったのッ!?
 人をその気にさせておいて途中でやめちゃうなんて、
 男の子失格だわッ、意気地なしッ!!」

・・・と、ツンデッてみる。




767本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 15:46:03 ID:DiVDfMof0
なんとなくメリーさんとローゼンメイデンが被ってしまうのは俺だけか…
768本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 15:52:18 ID:UQm2QlxR0
>>767
お前だけではない!安心しろ!
俺なんか・・・・126のメリーは雛苺で、名無しのメリーはカナリアだwww

もちろん真紅はLadyメリーさま(ハアト
769本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 16:04:44 ID:jKSJvroNO
(・∀・)人(゜∀゜)人(・∀・)


>>467>>483>>487そして>>576
数々の絵師に触発されたのでちょっと置いておきますよ。http://p2.ms/nx4vz

126氏とLady氏、マリーに愛を込めて。

始まり氏と名無し氏はどこ行っちゃったんだろ…´・ω・`




オマケ
>>327http://p2.ms/tseb9
770本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 16:10:28 ID:u/1+SQcp0
>>769 グッジョブ!
・・・最後のはメリーがファックス流してるところか・・・、微笑ましいな。
実際、どうやってたんだろ?
771本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 16:11:09 ID:DiVDfMof0
>>768
確かにLadyメリーさまは真紅のイメージに近いかもしれん
同志がいてうれしいぜ

>>769
せっかくいい絵なんだから、もう少し大きいサイズだと嬉しいのに
そしてオマケワロスwwwwwww
772本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:30:10 ID:Aky1+yGV0
俺の名前は三山透と言う。まあそんなことはどうでもいい。
ところで俺は決して臆病な男じゃない。臆病じゃないんだが、
「私、メリーさん。今、公園にいるの」
こんな電話がかかってくれば誰でも怖がるだろ、普通。
俺だってそうだ。メリーさんの噂は聞いていたので、ちびりそうになった。
びびりまくって電話を急いで切ったはいいものの、まだ心臓がばくばくいってる。ここからの展開を考えるだけでちびりそうだ。形態を持つ手も汗ばんで震えている。
ごく普通の高校生である俺はごく普通に暮らしていたし、まさかこんな漫画みたいな話の当事者になるなんて考えもしなかった。
俺のちょっと周りの人間とは変わった点、というか趣味といえば怖い話を聞き集めたりすることで、別に霊能力とかそんなものはない。
というかこういうものは離れたところから見て楽しむ、言わば傍観者であるからこそ単なる怪談として楽しめるのであって、実際に巻き込まれてはしゃれにならない。
本当にメリーさんに会えるのか、とか面白がってチェーンメールを止めなきゃよかった。
 ――とにかく、こうしている暇なんてない。後悔するだけなら誰だってできるが、そんな事をしていては確実に殺される。メリーさんが後ろにやってくる。
俺はメリーさんの魔の手から逃れるいい方法はないかと思案した。自室の中をうろついて、必死で考える。まあ、なにせ命がかかっているものだから人生最大級に必死だよ。
まず、残り時間。――一番近い公園からここ、つまり俺の家までは歩いて四十分といったところ。メリーさんがどうやってここまで来るのか分からないが、まあ大体の目安にはなるかもしれない。
四十分。その程度の時間で何ができるだろうか?
寺に駆け込むとか、とにかく霊が嫌がりそうな場所に行くというのはどうだろう? 
いや、そもそも寺の場所を知らないよ俺。親は出かけていて家にいないから聞くこともできないし。――だいたい、メリーさんが来るから助けてくれ、なんて言えないよ。
逃げ出すことも考えた。――だけど、どこかでメリーさんと鉢合わせするのは怖い。
結局、ここで震えているしかない。

773本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:32:01 ID:Aky1+yGV0
二十分ほどさんざん思案した結果、とりあえず友人を呼び集めようという結果におちついた。大勢がいる場所でならメリーさんも仕掛けてこれないだろうと思ったのだ。
さっそくアドレス帳にある名前に片っ端から電話をかけた。

――そうこうしている間にも、メリーさんからは電話がかかってくる。
「私、メリーさん。今、お花屋さんにいるの」
「私、メリーさん。今、学校の近くにいるの」
「私、メリーさん。今、商店街にいるの」
次々とメリーさんの状況が知らされる。もう俺の家まで十分もかからないところにいる。
さらに悪いことに、友人にかけた電話は繋がらないし、繋がったとしても用事があって来られない奴ばかり。俺の切羽詰った様子にみんな聞く耳はもってくれるのだが、メリーさんの事を言うだけで笑われてしまう。誰も信じてくれない。
でも、そりゃそうだ。俺だって信じないよ。俺は怪談が好きだけど、霊が見えるわけでもない、ただの一般人だ。話半分に楽しんでいただけさ。だからメリーさんのことも信じなかった。こうやって自分の身に降りかかってこなきゃね。
誰も俺の話をまともに信じてくれず、絶望しかけていたそのときだ。
「うん、いいよ」
クラスメイトで幼馴染の飯塚が、軽い調子で言ってくれた。
「ほ、ほんとか? それで今どこにいるんだ!?」
俺はまさに藁にもすがる気持ちで、電話の向こうの飯塚に尋ねた。
メリーさんがやってくるまで、おそらくあと五分もないんだぞ。
飯塚もそうとう近くにいてくれないと、間に合わない。
「うん。ちょうど三山君の家の近くにいるから、今から上がっていい?」
もちろん。俺はすぐに承諾した。地獄に仏とはこのことだ。
774本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:33:00 ID:Aky1+yGV0
飯塚は本当にすぐに来てくれた。買い物でもしていたのだろうか、その手には野菜や肉のパックが入ったカゴがにぎられている。商店街で買い物をして、俺の家がある付近を通って自宅に帰る。その最中だったに違いない。
ほとんど涙声で、俺はありがとうありがとうと連呼しつつ飯塚を迎え入れた。
「三山君ったら変なの」
笑う飯塚は、こんな状況だからだろうか、今まで意識しなかったが、大変な美人に見えた。
長い黒髪のところどころに白い破片がついている。どうやら外は雪が降っているらしい。暖かいコーヒーでも入れてあげようと、俺は台所に飯塚を誘った。
食卓に座った飯塚。俺は背後の彼女と談笑しながら、インスタントコーヒーを作っている。
差し出したそれを「ありがとう」と言って受け取り、ふーふー息を吹いて冷まそうとしている姿は可愛らしくて、正直見ほれそうになった。
飯塚はコーヒーのカップを置き、携帯電話を取り出す。その姿を尻目に、俺は自分の分のコーヒーも作ろうと、粉末をスプーンでカップに入れ始める。
背後で飯塚がどこかに電話をかけている様子が気配でわかる。
俺はもうすっかりメリーさんのことなんて忘れ去って、この美人な幼馴染のことで頭がいっぱいだった。
彼女の両親は母親のほうが外人の金髪美女で、彼女自身も金髪だという。ただそれが原因で幼稚園の頃にいじめられたことがあって、今ではいつも黒に染めている。
もったいないことだと思う。俺が幼稚園の頃から友達だったなら、いじめから助けてやれただろうか。
そして両親がつけた外人っぽい名前も、嫌っているというほどではないのだが、とにかく名前よりも苗字で呼ばれることを好んだ。だから幼馴染の俺でも未だに「飯塚」と呼ぶ。

彼女の下の名は――
775本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:33:44 ID:Aky1+yGV0
その時、俺のポケットで振動が。携帯に着信だ。
俺はメリーさんの事をうっかり失念するほど考え事に没頭していたので、つい躊躇なく電話に出てしまう。
「もしもし」
言ったのは、俺ではない。――後ろにいる、飯塚だ。
ただ、どういうわけか、俺の耳元でも、一瞬遅れて同じ言葉が聞こえた。
飯塚が、俺の携帯に電話を? わざわざ非通知で? こんなに近くにいるのに、わざわざ電話を?
何の冗談かと問い詰めたかったけど、不思議と振り向けない。言葉も出せない。
「私、メリーさん」
ぞっとするほど無機質な声が、背後の飯塚の口と、携帯から流れた。
飯塚が、何かごそごそと買い物篭から取り出す物音がした。
何か、長くて、重くて、俺の頭を女の力でも一撃でかち割れそうな代物。
飯塚がそれを持ちながら、唇を吊り上げて笑っている様子が、見てもいないのに分かる。
「今、あなたの後ろにいるの」
形の良い唇から流れ出た飯塚の言葉。
震えた手がスプーンを落とした。軽い金属音が、いやに遠くのものに感じる。
俺は、ああ、と思い出していた。


――彼女の下の名前は、芽理(めり)という。
776本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:51:55 ID:Aky1+yGV0
完。
萌えじゃなくてゴメソ
777本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:53:40 ID:O6SDGZb7O
イイヨイイヨー 続き気になる…
778本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 18:55:09 ID:u/1+SQcp0
いやぁ、いいっすねえ!!

久々の正統派メリー!
こういうメリーはが沢山いたのが昔の
「メリーさん」なんだよな、今の新参は昔の
メリーを知らないから困る(AA略

779芽理の父です:2006/01/22(日) 19:03:37 ID:Aky1+yGV0
ごめんね突発的で続きとか考えてなかったから
ごめんね(´・ω・`)

ていうかむしろ萌えがなくてごめんね(´・ω・`)
780本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 19:27:24 ID:ef7opQwGO
>>779
いや、確かに萌えとかも凄まじく好きだが…
展開読めちゃったが凄く大好きな、痺れる“粋”な実にいいオチでした…大変美味しゅうございました…GJ!





なんかかっこよかったよ…
781名無し:2006/01/22(日) 20:18:03 ID:NmUpBdfHO
俺の腕の中、メリーは微動だにせずに、ただ身体を強張らせている。
そして沈黙。聞こえてくるのは風の音と互いの鼓動。感じられるのは互いの温もり、匂い。身体を密着させてる為か、鼓動が少しうるさい。
…。
どれくらいそうしていただろう、俺の胸に顔を埋めながらメリーが小さな声を震わせた。
「…何故…こんな事…したの…?」
心なしか、静かな怒りさえ伝わってくる。俺は依然として冷静に答える。
「…会いたかったんだ。」
俺の服を握るメリーの手に、力が入るのが分かる。怒っているのか?解らないでもないが…
「怒ってる?」
「当たり前よ…!!」
メリーは弱々しい悲鳴のような声をあげた。喉に何か詰まったような、泣きだしそうな声。参ったな…。
「俺が死を望むから‥君は来てくれるんだろう?」
その言葉にビクッと反応して、彼女は身を固める。
「なら…」
やめろ。
「俺はいつだって…」
やめてくれ。
「死を望み続ける」
…言ってしまった。
黙り込むメリー。力なく、両腕でゆっくりと俺を押し退ける。俯いた顔…ボロボロと頬を伝う涙。
「…私…」
突然、突風が吹き付ける。俺は咄嗟に目を瞑る。ほんの一瞬の出来事。
ゆっくりと目を開けると、そこに彼女の姿は‥もうなかった。
俺は…メリーに対して…ひどい事ばかり言っていたのかもしれない。
メリー…
彼女と出会って、話して…彼女が何度か見せた、悲しみの表情…
俺は…軽く見すぎていた。
782名無し:2006/01/22(日) 20:20:12 ID:NmUpBdfHO
辺りは霞み、規則的に坦々と刻む針の音。
私を可愛がってくれるあの人は大きな鏡越しに私を見ているの
「メリー…私はね…母さんを病から救ったんだ…」
そう言って鏡越しに私を見る目は涙を流し
その口元には笑みを浮かべていた。
「死の床につき、母さんは…アリスは…言葉さえ無くし…ただ苦しみを嘆く悲痛の声をあげていた」
いよいよ口元は吊り上がり、笑みを讃えていた
目は相変わらず、涙がとめどなく…頬を濡らしていたけど…
まるで、その男の苦しみや後悔…憎しみを嘆くかのように目だけは泣いていた
「メリー…私もね…きっと病気なんだ…苦しいんだ…メリー」
歪んでいく目…震えてる口元は尚も懺悔のように言葉を紡ぎ続ける
「…ただ呻くばかりのアリスが…急に私の手を握り、倒れて久しく私に言葉を託した‥」
鏡に自分の顔を押し付けるようにして、鏡の向こうの私に詰め寄る
「殺してと…!」
見開いた目は、水槽にはいったひび割れのように涙を抱えきれず流しだす
「私は!救った!救ったのだ!最愛のアリスを!この手で!ぁぁぁぁぁぁぁ!」
その男は自らの頭を掻き毟りながら、ただただ獣のように咆哮をあげる
「ぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああ………アリス…アリス」
783名無し:2006/01/22(日) 20:25:13 ID:NmUpBdfHO
やがてそれは収束して、静かな水面に広がる波紋のように、余韻だけを残して。
その男は静かに振り向いた。表情には感情が感じられない。
「メリー…私はね…苦しいんだよ…悲しいんだよ…」
静かにこちらへ歩いてくる。その右手には銀のナイフ。私を殺すの?
「私の可愛いメリー…私の人形よ…私はお前が憎い」
男はナイフの鋭く光る刃の部分を摘むと、それを返して柄を私に向ける
「愛するアリスの生き写しのようなお前が、たまらなく憎くて悲しくて苦しくて…ぁぁぁぁぁ…愛しい…」
私の手を取り、柄を握らせる。そんなに…苦しそうな表情で私を見ないで…
「私は病気だ!メリー!私の苦しみは、決してお前には解らぬ!」
獣が敵を威嚇するように、牙を剥き、眉間を寄せて、目を見開いて…
「最愛のお前にも分けてやろう!このどうしようもない程の…!」
ナイフの柄を握る私の手に添えた、男の手に力が籠められる。
「…愛憎の苦しみを!メリー!お前が私を救うのだ!そしてお前は嘆き生きよ!私の娘よ!人形よ!」
私の手に握られたナイフが、男の身体に深々と突き刺さっていく。肉を裂く感触。ナイフを伝い私の手を染める鮮血の暖かさ…
「…アリス…ぁぁ…メリー」
…パパ…?
「アリス…やっと…会…え…る…よ…」
ぁぁ…私…私…
パパヲコロシタ
…………。
………。
……。
…。
784本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 22:17:29 ID:u/1+SQcp0
・・・回を追うごとにシリアスな展開になってゆく。
迂闊なコメントが書きづらいな、これは。
そういえばサイコ系はまだ誰もやってないし・・・。
あ、やべ、おれの次回のキャラ・・・何でもないや。
いづれにしてもグッジョブ!
126氏と共にこの先が楽しみざます!
785126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/22(日) 22:39:20 ID:LR5VLHw+O
名無しさん、乙。
話が深くなってきましたね。

かわいくツンデレなイメージだった名無しメリーの影。
楽しみにしてますので、無理せずに!

ボクは…もう少し待って…。
786本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 23:35:31 ID:Garzx7RH0
なんか
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1130855941/l50#tag622
のゲームの主人公と被る・・・
787本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 01:59:23 ID:FKKoYUh6O
同じ時刻に無理心中が3件!
なぜなんだ?
788名無し:2006/01/23(月) 02:17:54 ID:KsPDg2H4O
>>784
お、Ladyさん次回作ですか!
楽しみに待ってます。
>>785
126さん了解!首長くして待ってますwww
>>786
そこの1見てるとネタにしか見えない俺ガイル
789本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 02:38:28 ID:CAlcY+w+0
きっと、Ladyメリーさんに死神の鎌を与えたのはニコラ爺さんですよね。
引き上げたのは赤い手袋の魔女さんでしょうか・・。
790芽理の父です:2006/01/23(月) 03:01:10 ID:JPTZqj1x0
>>780
ありがとう。かなりうれしい
次は萌えを目指してみるね(´・ω・`)


791本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 03:15:28 ID:e8SLfTAt0
>>789 はい、>>411の神父の話をご確認くださいませ。
    ・・・ん? 赤い手袋の魔女・・・? えー・・・っと? 魔女?

なお、質問は随時受け付けております。
今後のストーリー展開に影響を受けない範囲でお答えいたします。
>>788 まだ、全然先の話よ〜。
>>785 携帯を使ってるところ見ると出先からですか? お早くお帰りくださいね〜。

・・・それでは>>792・・・おれの今日一日を返せ!
792本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 03:17:23 ID:e8SLfTAt0
う ー ら ら ら 〜 ♪
    /⌒\   ♪  /\
    /'ζζ τ ξ ヽ   /\ ζ |
♭  ノ(δ  δ )ヾ) /   |:∫| 
   ζ >ゝ  ζζ ι/ゞ    |: /
   /⌒ヽ;;; ミミヘ 》    〆
   /、 、 ヽ/ ,/ ヾ) ゝ  |
   |√7ミ ヘ ,λ、、ノ' "    |
   |:/ソ i  へ ハ, ゝ   |
  /∨ /i ' '丶' `、\ ∧|∧
   ム . ハ /  ムゝ/ /⌒ ヽ) 
    λムi iムi iム:''   |   | |
       \i|  ノ   ( 、 ∪
        ××     || |
       ×× ×   
        ×  ×ヽ
        ×  刃
      匕/¶  `´
793本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 03:18:33 ID:e8SLfTAt0
頭・・・ずれた・・・。
794本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 03:53:49 ID:e8SLfTAt0
>>791 あー、またやった!
    >>789 はい、>>411の神父の話をご確認くださいませ。・・・間違い

    >>789 はい、>>412の神父の話をご確認くださいませ。・・・正解
もう、駄目だね・・・。寝るわ!
                     
                     
     /⌒\   ♪  /\
    /'ζζ τ ξ ヽ   /\ ζ |
♭  ノ(●  ● )ヾ)/   |:∫| 
   ζ > △ ζζι/ゞ    |: /
   /⌒ヽ;;; ミミヘ 》    〆
   /、 、 ヽ/ ,/ ヾ) ゝ  |
   |√7ミ ヘ ,λ、、ノ' "    |
   |:/ソ i  へ ハ, ゝ   |
  /∨ /i ' '丶' `、\ ∧|∧
   ム . ハ /  ムゝ/ /⌒ ヽ) 
    λムi iムi iム:''   |   | |
       \i|  ノ   ( 、 ∪
        ××     || |
       ×× ×   
        ×  ×ヽ
        ×  刃
      匕/¶  `´
795126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:46:43 ID:amtLeeIv0
遅くなりましたが一気にまとめレス!
>>766
Ladyさん!笑 ツンデレレスいいですねwww
でもおだててませんよ、本心本心!

>>767
>>768
・・・うっ、そうなのか?あまり詳しくは知らないんだが・・・。
実は2回だけ見たことがある。名前がややこしくて、実は良くわかってない。
勉強しておきます。

>>769
ありがとう!
こうして絵に書いてもらえるのってすごくうれしいですwww
つ【お菓子】

そして
>>772さん!GJ!!!
そうかこういうのが正統派なんだね!
萌えじゃなくっても、充分読ませるものですよね。
そういう意味では萌えは必要ないですよ!
・・・ボクがコンナこと言っても説得力はないが・・・。

>>794
Ladyさんwwwww
今度は見れましたよPCでwww

さて、ではボクも行きますか・・・・2話だけですが・・・。
グダグダから脱出!
796126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:47:25 ID:amtLeeIv0
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
51番目←いまここ
797126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:47:59 ID:amtLeeIv0
51番目
メリーは、麻子の腕にしがみつき、ほほを寄せて、目を閉じた。麻子は、突然、自分の腕に
加わった重さを確かめるためにメリーの方を見る。メリーの目からは涙がほほにすじを作っ
て落ちていた。麻子はその様子を見て、さらに俺ににらみを効かした。
この状況・・・そして麻子の性格を重ね合わせると、麻子の脳みその中で渦巻いている疑惑が
どのようなものか想像をするのは簡単だ。
幼い少女をさらってきて、自室に監禁、少女はようやく来た他人に助けを求めている・・・。
こんな図式が麻子の頭の中をぐるぐると回っているのだろう。
もはや、どう思われてもいい。
メリーに対しての禁句、いや禁句ではない。メリーを支配するためのキーワード。
俺は、メリーを自分の思い通りになど決してしたくはない。前の人、つまりまとめサイトの
管理人のように、欲望を吐き出すための道具になんかしたくない。そう願っている俺にとっ
ては、もっとも忌まわしき意味を持つ言葉。メリーを支配するための言葉。それを知らぬこ
ととはいえ、俺は使ってしまっていたのだ。最初にメリーとであったとき、そして先ほど。
俺は、メリーと心が通じたのだと、もしかしたら、俺の一生懸命な姿を見て、メリーのほう
が俺の事を理解してくれたのだと、そう思っていた。しかしそれは違っていた。
その言葉は、メリーにとってのスイッチに過ぎなかったのだ。
「大切にするよ」と言う言葉・・・。
俺は、目を閉じて麻子にすがりついているメリーから目をそらした。
見ていられなかった。
あんなにも、いつまでも見続けていたいと思っていたメリーの姿を今は見るのがつらかった。
俺はメリーからも麻子からも目線をそらして目を閉じた。
何もかもを失ったような気持ちがしていた。
-----ぐぅぅぅおおおぉぉぉぉぉんんんん
目を閉じると、自分の身体の中が見えるような気がした。生暖かい肉体の中で奥底に鈍く赤
い光を放ちながら渦巻いている黒い影が不気味な音を立てていた。
798126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:49:39 ID:amtLeeIv0
【最初から30番目までは>372】
【31番から50番目までは>752】
【51番目>797】
52番目←いまここ
799126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:50:22 ID:amtLeeIv0
52番目
黒い影は刻々と姿を変化させながら、まるでひとつのイキモノのようにうごめいていた。
俺は自分の心がどこか深いところにどんどんと吸い込まれていくような感覚の中でその黒い
影の姿を凝視した。
-----ぐぅぅぅおおおぉぉぉぉぉんんんん
これは、「黒いもの」だ。俺はそう感じていた。不気味な音は周期性を持って聞こえていた。
-----尾--間--絵の---かんじて--いる--とおりだ---
黒いものの発する不気味な音は、ところどころ途切れ、低い男の声が混ざり始める。聞き取
りにくいその声に集中すると、不気味な音は消え、はっきりとした男の声が聞き取れるよう
になった。男の声は、こういっていた。
------お前の感じているとおりだ------
なにが俺の感じているとおりだと言うのだろうか?黒いものは表面の一部分を隆起させ、そ
こに人間の口を作り出し、男の声を発していた。
-----なにが?お前が一番良くわかっているだろう。メリーのことだ----
俺はしゃべっていない。なのに、俺が今考えたことに対して男の声は反応をしているようだ
った。俺は身を硬くした。しかし、メリーの事と言われて心は確実に動揺していた。
-----ようやく苦労して手に入れたメリーをお前はたった一つの言葉で失うのだ----
確実に俺の心の中を見透かしている。認めたくはないが、俺の中にあるものは、まさに男の
声の放った言葉のとおりだった。
-----そうだろう。今、オレはお前だ。お前の中にある願望と欲望、お前が黒いものと言っ
て忌み嫌う本能だ。お前がいくら隠そうとしても、偽善で覆い隠そうとしても、その中にあ
るどす黒いものをオレは知っているぞ。結局お前は、メリーの美しさとその美しさにふさわ
しい高貴な穢れなき純粋さ、また逆にもろくはかない小動物の見せる愛らしさ、か細さに欲
情しているのだ。恋などではない。欲情だ---
・・・そうなのか?オレは純粋な気持ちで・・・メリーを・・・違うと言うのか?
-----力を貸してやろう。簡単な事だ。メリーを手に入れろ-----
黒くぬめった表面から突起して出来上がった口は、にやりと笑みを浮かべた。
つづく
800126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 10:51:09 ID:amtLeeIv0
いったんここまで・・・。中途半端で申し訳ない・・・。
801本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 12:49:03 ID:e8SLfTAt0
あ〜、みんなどんどんシリアスになっていく〜!
先が読めな〜い! ワクワクどきどき!

・・・よーやくAAの仕組みがわかってきたぞ!
パソに設定されているフォントが違うと完全にずれてしまう訳だな!
専ブラ使った段階で自分のフォントは全部2chに合わされているものだと、
思い込んでいた。
また同じ理由で、自分がこのスレで書き込んだAAと、みんながそれぞれ見るものは、
同じ映像ではないかも知れないわけだ。
・・・というわけでしつこく、なるべくフォント差がないバージョンをうpする。
携帯の人はいつもごめんなさい。
                     
                     
     /⌒\    ♪  /\
    /'《《 《 Λゝ,   /\ζ│
♭  ノ(●  ● )ヾ)/   |:∫| 
   《 > △ 巛/ゞ    |:!/
   /⌒ヽ;;; ミミヘヾ》    〆
   /、 、 ヽ/ ,/ ヾ) ゝ  |
   |√7ミ ヘ ,λ、、ノ'     |
   |:/ソ i  へ ハ, ゝ   |
  /∨ /i ' '丶' `、\ ∧|∧
   ム . ハ /  ムゝ/ /⌒ ヽ) 
    入ムi iムi iム:''  |   | |
       \i|  ノ.   ( 、 ∪
        ××     || |
       ×× ×   
        ×  ×ヽ
        ×  刃
      匕/U  `´
802本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 12:54:35 ID:IV6IKuTu0
>>やおい
モナーフォントを使えばいいかと

俺も暇になればAA作れるんだけどなぁ
暇がない
803本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 13:07:55 ID:e8SLfTAt0
>>802 わざわざありがとう。一昨日、どうしてもずれてしまうので、
昨日、アスキーアートエディターをインストールして作りました。
まだ機能を理解してませんが、リアルタイム2chシュミレーターを稼動させて
やっと、こんなもんです。みんなの目にはどう映るのかだけが心配です。
巻き巻き髪バージョンも完成してますが、ギリシア文字をMS Pフォントにしてない人には、
やはりずれて見えると思うので・・・。ご飯いってきます。
804本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 14:02:59 ID:YYdH+kjuO
126氏、ワクテカ!
805本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 15:02:00 ID:U9fLxCoPO
126氏が投下なさっておる━━━!!!
GJです。なんかアイヤ━━━!!!なことになっちゃてもうハラハラですがな
これどうなんの!!!
806芽理の父です:2006/01/23(月) 15:44:13 ID:JPTZqj1x0
俺の名前は三山透という。まあそれはけっこうどうでもいい。
今はアスパラ切って魚を焼いてゆで卵の殻をむいてパスタを茹でる作業で忙しい。
一人暮しをはじめてからも自炊や食事の用意なんてマンドクセ、コンビニ弁当ですませちまえ、とか自堕落な主義思想だった俺だが、最近はそうでもない。
というかそういうわけにはいかなくなった。
理由はたった一つ。テレビ見ながらごろんごろんしてる女のせいだ。
名前をメリーという。苗字など知らない。メリー。ただのメリーだ。
彼女はコンビニの弁当なんぞ食えるかと怒るブルジョワジーな人物だ。
部屋の中だとはいえこの糞寒い季節だというのに上は薄手のシャツ一枚、下はジーパンのみという超軽装。というのも、彼女は寒さを感じないらしい。なんとも便利な体質だ。
しかしそんな格好でも、この少女の魅力が加わると貴族の正装に見えてくる。摩訶不思議である。なにしろとんでもない美少女だ。
長い金髪は本物の黄金と見まちがうほど。朝日にあたると光り輝いて眩しいくらいだし、全身の造型も整いすぎているほど整っていて不気味なくらいに非の打ち所がない。
で、そんな超がつくほどの美少女がいったいどういう紆余曲折があって
俺の自宅であるボロアパートの床にねっころがってポッキーかじりながら
ムシキ○グ見ているのかといえばなかなか涙なしには語れない事情があったりするのだが、あまり人に言うような話でもないので割愛する。
807芽理の父です:2006/01/23(月) 15:44:53 ID:JPTZqj1x0
「メリーさん、飯できたけど」
メリーさん。俺はメリー嬢のことをそう呼ぶ。あっちは少なくとも見た目は明らかに俺より年下なのだがとりあえずさん付けで呼ぶ。そうしないとけっこう真面目にぶん殴られる危険がある。
「遅かったのね。待ちくたびれたわ、このグズ」
メリーさんは口が悪い。でも下手に反論するとぶん殴られるので何も言えない。
「まずい。馬鹿。茹ですぎ。まずい。硬い。まずい」
メリーさんは口が悪い。そんなに言うなら自分で作れば、と言ってぶん殴られたのは過去の話だ。俺は失敗を学習して成功につなげる賢いナイスガイである。だから黙る。
「あー、不味かったわ。口直しに紅茶でも淹れてちょうだい。さっさとなさいねこのウスノロ」
メリーさんは口が悪い。結局並んだ料理を全部たいらげてテレビを見に行ってしまった。気合を入れた俺の料理は自分から見ても作りすぎだったのだが、全部食べてる。
メリーさんは小食だ。ハンバーガーたった一個でもお腹いっぱいとか言うタイプだ。
メリーさんは口が悪い。口が悪いが、いい人だと思う。だから俺も惚れてる。
808芽理の父です:2006/01/23(月) 15:46:06 ID:JPTZqj1x0
紅茶を淹れてあげた後、食器の後片付けをしていると、電話が鳴った。メリーさんの携帯だ。着信音が羊の数え歌なのは何かの洒落のつもりだろうか。メリーさんの洒落はいつもくだらない。でもそれを指摘すると骨の一本や二本は覚悟する必要がある。
ちょっと話して、メリーさんは電話を切った。会話の内容までは聞き取れていない。
「出かけてくるわ」
そう言ったメリーさんの格好は凄まじかった。
いつのまにか着替えたそれは真っ黒なゴスロリ。似合いすぎていて怖い。
「いってらっしゃい」
俺はできるだけにこやかに送り出そうとした。だがメリーさんは何か不満なようだ。
「なに? いってらっしゃいのキス?」
「馬鹿。――帰りは遅くなるから先に寝てていいわよ」
「起きて待ってるよ」
「大馬鹿。子供はさっさと寝なさい」
メリーさんは時々母さんのようなことを言う。俺は苦笑した。
もう一度いってらっしゃいと告げて、食器洗いに戻ろうとした。だがメリーさんの方にはまだ何か不満があるようだ。
「ん」
目を閉じて、唇を差し出してくる。結局ねだるのか。
メリーさんは時々子供のようなことをする。俺は苦笑しつつ、お望みどおりにキスをした。
809芽理の父です:2006/01/23(月) 15:47:29 ID:JPTZqj1x0
透き通った瞳は蒼。冷たく硝子玉を思わせる蒼。
メリーと呼ばれる女の目は、そんな蒼だった。
夜気の中で、メリーの姿は神秘的でさえあった。月が彼女を祝福している。
病的なまでの美しさだ。
メリーはとあるビルの玄関に立っていた。
そして、そのか細く白い腕で懐から携帯電話を取り出すと、ボタンを押してどこかに電話をかけはじめる。手馴れた様子だった。
初めてかける番号だというのに、まるで何百回と繰り返した作業のようによどみがない。
メリーは終始無表情だ。透のアパートでは憎まれ口を叩くものの、表情ゆたかではあったというのに、今ではまるで本物の人形である。
三回ほどコール音が鳴り響いた後、相手が電話に出た。
「……なんじゃい、こんな夜中に」
寝ぼけて不機嫌な男の声。メリーは、表情を動かさぬまま、言った。
「私、メリーさん。今、あなたのお家の前にいるの」
810芽理の父です:2006/01/23(月) 15:50:00 ID:JPTZqj1x0
という話だったのさアハハ

まだまだ続くよハードボイルドに
もう全部できてるけど一気に投下はしんどいのでちょっとずつ(´・ω・`)

811本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 16:26:15 ID:e8SLfTAt0
芽理パパ、いいですよ! 三山君殺され・・・アレェ?
>>809の電話の相手はもしかして、Lady メリー第一章の売人オヤジか!?
なんてね。

続きお待ちしています。
812芽理の父です:2006/01/23(月) 16:39:57 ID:JPTZqj1x0
>>811
ごめんね
この三山君はうちの芽理タンに撲殺されちゃった三山君とは別人だから
別の世界の三山君だから。
紛らわしくてごめんね
でも名前考えるのめんどかったんだ(´・ω・`)

あと分かりやすい悪役って言うとやっぱ関西弁のやのつく職業の方だからね
813126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 17:37:30 ID:X6JjTyRPO
芽理の父さん、乙です。

かっこいい〜。なんか、自立した女。って言う感じ〜。
いい!

って、もう出来てるんだ…。
…………。

がんばります、涙。
814名無し:2006/01/23(月) 17:48:10 ID:KsPDg2H4O
芽理パパさん乙です。
最初の作品と併せて、さっき読ませて頂きました。
これからもよろしく。
俺も続きを仕上げなければな
そろそろシリアス展開を終わらそうと思います。
815名無し:2006/01/23(月) 17:52:38 ID:KsPDg2H4O
………
暗闇の中、メリーは目を開けた。
青い光がぼぅっと目の前を照らし、通り過ぎていく。
弱々しい…というよりも、静かな、平静を湛える青白い光。
それと同じ程の数…いや、それ以上かも知れない、一際強い、燃えるような光を放ち続けるものもある。
この暗闇で、それらはまるで道しるべのようにしてメリーを照らし、包み込んでいた。
メリーは両膝を抱え、前髪とひざこぞうの間から、それらの光を見るともなくぼんやりと眺めていた。
「…嫌な‥夢…」
その夢はまるで、呪いのように胸に刻まれたメリーの記憶。もう何度となく見てきた悪夢。
いつからか、メリーはこの悪夢に、恐怖や少しのトラウマも感じなくなっていた。
ただ、坦々と自殺願望を持つ者を刈り続け、この暗闇へと帰っていく…それを繰り返していく内に、少女の心は全てを遠ざけていった。
感情や、その感情を動かしうる全ての外的接触、そういった一切のものから意識するでもなく身を退いていった。
…そうして始まりさえ忘れ、終わりを考える事さえなく、ただ漠然と人を死へと導くため、この暗闇でぼんやりと光を眺めていたのだ。
あの獲物との接触…それまでは。
816名無し:2006/01/23(月) 17:54:40 ID:KsPDg2H4O
メリーは無意識に、膝を抱える腕に力を入れる。そして、この暗闇の持つ冷たさや空虚感、そこに渦巻く死の匂いを改めて認識した。
「‥恐いよ…私…此処がとても恐い…」
そんな彼女にかまわず、辺りでは青い光が、まるで星屑のように煌めいていた。
「…恐い…一人は嫌なの…誰かのそばに…いたい…」
絶え間なく浮かべるのは、この数日間の彼との記憶。それが今の彼女の唯一の救いであった。
…彼の、死への意識は確実に薄れている。
徐々に生への願望が芽生え始めた何よりもの証拠である。
メリーはそれを、安心と不安とで複雑な気持ちで受けとめていた。
生きるにしろ、死んでしまうにしろ、彼と離れ離れになってしまうかもしれない…と。
そんな矢先、彼のあの強い衝動を感じた瞬間、積上げてきた安心がボロボロと崩れ去り、不安だけが残った。
彼の存在が、メリーの中で大きかっただけに、取り残されたような孤独感は、彼女を不安にさせるには大きすぎた。
今こうしてこの暗闇で感じる感情の全ては、改めて感じる人間としてのメリーの、忘れ去られていた感覚。
それらの再認識は、メリーの置かれている状況を過酷なものにするには充分だった。
…メリーもまた"少女"なのだ。
817名無し:2006/01/23(月) 18:19:22 ID:KsPDg2H4O
あの人に会いたい…
あの人のおうちは知ってる。
でも、ちゃんといるかな?
「探しに…行こうかな…」
どんな顔すればいいだろう。それに、あんな消え方しちゃって…ゴメンネ…。
「あれから大体‥二日くらい‥?どうしてるかな。」
…あの時、何であそこまでして私を呼んだんだろ?
わからない。
…青い光…。
アナタ達もゴメンナサイネ…私にはもう刈れない…。恐いの…。
此処はとても悲しい場所
この暗闇には死しかない
生きとし生ける者全ての、死への甘い幻想
いつから私はここにいるの?
いつまで私はここにいるの?
どれだけこの手を血で染め抜けばいいの?
「…イヤ…」
もう嫌なの…許してパパ。
私は目を瞑り、あの人との記憶を浮かべる。公園、横断歩道、人気のない裏通り…
また、お話がしたい。
………。
突然、辺りが騒がしくなるのを感じた。目蓋を通して、日の光も感じる。
まるで暗いトンネルから抜け出たみたい
「ここは…」
あの横断歩道…
818名無し:2006/01/23(月) 18:24:55 ID:KsPDg2H4O
私ったら…やっちゃった…
「…ふぅ‥。」
張り詰めてた緊張が解けてく。あの暗闇での不安が嘘みたい
……。
最初の接触は電話だけで、ここで初めてあの人の背中を見たんだ。
「お話したい‥とか言われて‥」
嬉しかった…。
胸が苦しくなる。取り敢えず歩かないことにはラチあかないわ。
あの人との時間。あの人との会話。
 ―約束、後ろを振り向かない、立ち止まらない。良い?―
変な約束。それでも律儀に守ってくれて…私はあの人の背中を見つめながら歩いたっけ。
楽しかったな。また…会いたいな。偶然…どこかで……バカ。バカバカ。
……。
だんだん、人通りがまばらになって…ここだ。
あの人を正面から初めて見た場所。あの人に触れた場所。私があの人巻き込んで転んでしまったんだよね
痛かった?…よね。ゴメンネ。きょとんとして面白い顔してた。私もね、転ぶなんて思わなかったの。
アナタのおかげで怪我はしなかったわ。お礼をしなきゃね。どこにいるの?…
「やだ…。」
涙が…止まらない。足に力が入らない…。歩けない。座っちゃお。
…私は…ここですよーだ。
………。
「ご気分でもすぐれませんか…?お嬢さん」
「…!」
突然、頭の上から声がした。
知ってる声。あれだけ求めてた声。すぐに誰だか分かった。私の…えと…あー。
コホン。
私の大好きな人の声だもの。
私が顔上げると、優しそうな笑顔でそこに立ってた。
恥ずかしいとか、はしたないとか、もういらない。
私はこの存在に一身に甘えたいと思ったの
819本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 18:48:19 ID:U9fLxCoPO
アマ━━━━━━(o゚∀゚o)━━━━━━ィ!!!
gjですよ名無しさん!!!
芽理パパもgj!!
820126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 18:51:11 ID:X6JjTyRPO
あぁ……。
もう、だめです。
デレデレがとまりません。
821芽理の父です:2006/01/23(月) 19:07:39 ID:JPTZqj1x0
「切れよった」
新道辰巳は眉根を寄せて、携帯電話を乱暴に放り投げた。夜中に着信音でたたき起こされたと思ったら聞こえてきたのは不可解な女の言葉だ。辰巳でなくとも機嫌は悪くなる。
自宅に帰るのも億劫なので、事務所の四階にある自室でスーツ姿のまま寝ていたのだが、まったくいい迷惑だ。
辰巳は舌打ちしつつも窓のほうに歩いていって、入り口を見下ろした。
もちろん、ただの悪戯電話だとは思っている。本気で真に受けてはいない。
単なる悪戯電話だとしても、辰巳に喧嘩をふっかけるような馬鹿はいないのだから。
そういう職業だ。なめられたら最期、だから睨みだけはどこにでも利かせている。
だいたい一般人は看板を見ただけで逃げていく。とてもこのビルの中まで入って来れない。
入ってきたとしたら、それは自殺志願者か骨の髄まで薬が染み渡った哀れな連中だ。
案の定というか、辰巳の視線の先に電話をかけてきた女などどこにもいない。
「しょうもない。ボケが」
悪態を吐き、ソファに転がる。時計を見るとまだまだ夜明けまでには時間があった。
もう一度寝るとしよう――
822本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 19:07:52 ID:BBsd9QkoO
ここのところ毎日祭りの様な盛り上がりだぜ!
職人の皆様乙鰈様です


チラシの裏だが、俺の昔の片想いの子の名前は芽理だったよ。
お父さん、私に娘さんを下さい!
823芽理の父です:2006/01/23(月) 19:09:21 ID:JPTZqj1x0
だが、辰巳はどうしても眠れなかった。首の後ろがちりちりとしたのだ。
辰巳は粗野で短慮、どこにでもいるような悪漢だったが、
ここぞという時のカンの鋭さだけは誰もが認めている。
さんざん悪さを働いた末に中学を中退して暴力を売り物とする以外に行き場をなくした辰巳が
こんな地位まで上り詰めることができたのは、ひとえにこの第六感のおかげと言えた。
自分のカンを信頼している辰巳は、たとえどんな状況でもこの首の後ろのちりちりを疑ったりはしない。
これがあると、必ずいやな事が起こる。
もしかすると、さっきの電話は他の組の連中からの警告か何かか?
メリーだかマリーだか言っていたが、差し向けられたヒットマンかもしれない。
辰巳は机の上の受話器を手に取った。内線で、一階の部下に連絡する。
「――おう、わしじゃ。何ぞ変わったことはないか?」
「私、メリーさん。今、あなたのお家の一階にいるの」
背骨に氷の柱でも入ったのではないかと錯覚した。
「……誰じゃ、おめえ」
と、辰巳が言ったときには、すでに電話は切られている。
辰巳は今度こそ、得体の知れないものを味わって、受話器を乱暴に叩きつけた。
一階はすでにやられている。確信した。
しかも、何の物音も立てずに、だ。少なくとも辰巳は気づいていない。
824芽理の父です:2006/01/23(月) 19:10:10 ID:JPTZqj1x0
最初の電話から五分も経っていない。一階には六人の若い衆がいた。
五分で六人。音も立てずに。――尋常ではない。
銃声なぞただのひとつも聞こえなかった。刃物でも使ったか?
それにしても怒声の一つや二つ、聞こえていいはずだ。
辰巳はつとめて冷静になろうとした。焦れば死ぬ。熱くなって死ぬ馬鹿は見飽きていた。
そういう人間を見るたびに、どうやってでも自分だけは生き延びてやると心に誓ってきた辰巳である。とりあえず、二階に連絡することにした。
「はい、私ですが」
電話に出たのは、辰巳の手足となり五年ほど共に過ごしてきた若い衆の頭だ。
とにかく実直で、暴力を生業とする職業には向いていないが、経営力だけはある。
辰巳はこの面白みも何もないと思っていた部下の声を聞けた事にはじめて喜んだ。
「おい、どうなっとるんや、一階の連中はどうなってる!?」
「私、メリーさん」
心臓が止まる思いとはこのことだった。
「今、あなたのお家の――」
「じゃかああっしゃああ、ボケェェェッ!」
裏返らずにきちんとドスの利いた声になっていたのは、さすがである。
だてに怒鳴りつづけてきた人生を歩んではいない。
ともかく、受話器を壊れそうなほど乱暴に叩きつけた辰巳の脳裏には、しっかりと恐怖が刻みこまれていた。数え切れないほど危ない橋を渡ってきたが、これほどはっきりと恐怖というものを感じるのは初めてだ。
しかもただの恐怖ではない。真綿で首をしめられる感覚である。
足元から少しずつ少しずつ、クモかムカデにでもかじられている気分だ。
825芽理の父です:2006/01/23(月) 19:11:55 ID:JPTZqj1x0
辰巳は逃げ場を探そうと必死になっていた。
とにかく相手は一人ではない。おそらく小人数だが、精鋭部隊だ。
暴力の専門家を、物音も立てずに、ひっそりと殺してきている。
そんな連中を相手に真っ向からたった一人で戦いを挑むつもりなどない。
大人数を相手に馬鹿をやるのは鉄砲玉の役目である。捨て駒の役目である。
なによりも、まだ死にたくはない辰巳であった。
部下の無念を晴らす敵討ち、などという行為は、まず選択肢すら存在していなかった。
とりあえず机の引き出しから黒光りする鉄の塊を取り出す。これはパスポート代わりだ。
五人の部下よりもこれ一つ手元にあったほうがよほど安心できる。
次に金庫の物を取り出そうとした辰巳であったが、これは止めておいた。そんな暇はない。
中には現金そのものや現金に変わる不思議な粉などがあったが、今は命のほうがよほど大事だ。
盗まれてしまえばこれは大失態であり、上のほうから指の一本や二本は寄越せといわれるかもしれないが、
その時はその時だ。どこかに逃げてほとぼりを冷まそう。
大事な指をこんなふざけた事が原因で無くすつもりはない。
幸い、銀行のほうにはたんまりと金がある。どこへなりとも高飛びできる。
財布をポケットにねじ込み、身軽な辰巳はドアから飛び出そうとした。
こういう時のために、非常階段はすぐそこに設置してある。敵はおそらくまだ三階。
全速力で逃げれば、まだなんとか間に合う――
「私、メリーさん」
ひゅうっ、と。息を吸い込む音がした。辰巳自身のものである。
室内電話の受話器は、さっき叩きつけた拍子に外れていた。そこから声が漏れている。
いや、と辰巳は恐ろしい想像に身震いしそうになった。……いやいや、想像ではない。
声は、真後ろから、聞こえている。首の後ろは今までにないほどちりちりしていた。

「今、あなたの後ろにいるの」
826芽理の父です:2006/01/23(月) 19:17:11 ID:JPTZqj1x0

と、いうお話だったのさフゥハハハー

GJ下さった方達ありがとです 励みになります
ところで名無しさんのメリーさん甘杉じゃない? 甘杉だよね?
大好物です

>>822
ふざけんな芽理は物じゃねえ

どうぞ差し上げます(´・ω・`)マイニチジンニクヲアゲテネ
827本当にあった怖い名無し:2006/01/23(月) 19:26:35 ID:e8SLfTAt0
すげぇな、みんな!
ここ終盤に来てもうおれの出番ないな・・・。

が、一言いわせてくれ。
芽理パパ、Ladyとかぶりすぎ!! うぇ〜ん!
828芽理の父です:2006/01/23(月) 19:27:55 ID:JPTZqj1x0
あ、ところで似非関西弁については勘弁してくださいね(´・ω・`)

辰巳さんは実は生まれも育ちも東京
ドスを利かすために先輩から必死で関西弁を教わったという苦労人なのです
所々どこの言葉なのか怪しくなるのはそのためです。


関西地方の住人だけどよく分からん
829822:2006/01/23(月) 20:04:30 ID:BBsd9QkoO
お父さん、必ず芽理さんを幸せにします!

えっ!?ちょ・・・何?背後から糸電話渡された・・・
背後から芽理さんが何か糸電話で話しかけてきてるよ!
830名無し:2006/01/23(月) 21:25:31 ID:KsPDg2H4O
芽理パパさん乙。
俺が続き書いてる間に、芽理パパさんの続きが書き込まれていてビックリしました。
辰巳の御冥福を祈りつつ、さて参りましょうかね。
俺のメリーさんラストももう、そう遠くないです。
831名無し:2006/01/23(月) 21:27:51 ID:KsPDg2H4O
メリーが消えて二日。
俺は…あの屋上での事、後悔なんてもうし飽きていた。
今日まで、散々したからな。
…連絡もなければ、突然現れることもない。彼女はどこに行ってしまったのだろう。
分からない。だからと言って、下手に気分を落ち込ませるのも駄目だ。すぅぐ死にたくなるからな。
そしたら、彼女は俺に気付いてくれるかもしれない。呆れながらな。
でも、それは彼女を傷付ける。あの"少女"を痛め付ける事にしかならないんだ。
それに、俺もいつまでも腐ってなんかいられないんだ。子供じゃないんだからな。
探すんなら…この足で。
「必ず見付けてやるさ」
よく晴れた空。まるでメリーと初めて会った時の空みたいだ。あの横断歩道。
「さて‥行こう」
彼女を探しに。例え、今会えなくても、俺が生き続ければ、また何処かでメリーに会える。そんな気がする。
そう考えると不思議なものだ、死のうなんて気が更々おきない。それがどんなに勝率のない駆け引きでも。
…俺があの日言おうとした言葉。絶対にメリーに言ってやろう。
832名無し:2006/01/23(月) 21:31:21 ID:KsPDg2H4O
外へ……。
人混み。
肩が触れる、他人の匂い、やっぱり好きにはなれないな。
だが、行かなきゃならない。彼女に会って言わなきゃならない。俺の覚悟。
決めた道。さぁて迷子のお嬢さん。どこで不貞腐れているのかな?
…てあれ?いた。あのフリルの付いた派手なドレス。お人形のような風貌。見間違うはずかない。以外とあっさりだなオイ。
横断歩道…泣きそうな顔して、ぼぉっと立ってる。声…かけようか?
でも、なんて言おう。『元気?』じゃ軽すぎるか?駄目だ。
…そうこうしている内にペタペタと歩きだすメリー。俺はやむなく後ろからついていく形になった。
「あの時と…逆だな…」
もっとも、今回は会話こそないが。何を考えてるんだろう?フラフラして…また転ぶぞ?
いろんな会話したな…取り留めないものばかりだけど。それでも…俺を変えるには充分過ぎるくらいに大切な時間だった。
手を伸ばせば届く距離。…いや、まだ…
………。
立ち止まる彼女。ここは…メリーの姿を初めて見た場所だ。倒れこんだ俺の上でキョドってたな。おかしな奴だと思った。…綺麗だとも。
…人気のない裏通り。彼女は道路の真ん中にペタンとしゃがみ込む。まるで迷子が困ってしまって、そうするかのよう。
「ふぅ…」
俺は彼女の前へと歩む。顔を伏せて、泣いているみたい…いや、泣いてるのか?
息を吸い込む。止める。何て言う?
いや…いいや。いいよな。ごめんな。こんなに追い込んで。
「ご気分でもすぐれませんか…?お嬢さん」
833名無し:2006/01/23(月) 22:25:05 ID:KsPDg2H4O
涙目の少女が顔を上げる。
キョトンとした顔。
俺の姿を確認すると、その目から新しい涙がボロボロと零れる。
俺は腰をちょっとおり、前にかがんで、あやすように笑顔を続けた。
「さ、お手を…」
おどけるのも忘れない。
…ずっと会いたかった。
手を差し伸べると、メリーはかまわず俺の懐に飛び込んできた。
俺はバランスを崩して、後ろに尻餅をつくようにして倒れこむ。
あの時とはちょっと違う。受け止める。
俺の胸に顔を埋めて泣き続けるメリーを、俺は両腕で包み込んだ。
…そうして、どれくらい時間が経ったろう。
あまり経ってないかも。分からないや。彼女のか弱い嗚咽が静かになってきた。
そろそろ、言おうかな。
「…俺…死にたくない。」
驚いて顔を上げるメリー。目が真っ赤だ。
「あの時、言いそびれたんだ。」
俺を見つめるメリーの目。狐につままれたみたい。小動物のようだ。
「いきなりいなくなっちゃうから…。」
俺は手を伸ばし、メリーの髪に触れる。
「当たり前だよな。あんな呼び方して…ごめんな。傷付いたよな。」
彼女の目にまた新しい涙が浮かぶと、すぐにそれは頬を伝って落ちる。
そこから、お互い何も言葉を話さず、ただ見つめ合う。沈黙。
俺はメリーに口付けた。
彼女の硝子玉のような目が一杯に見開く。やっぱ驚いたかな。
また涙が薄らと浮かんだかと思うと、彼女はやがて目を閉じて、それを受け入れる。
俺も目を閉じた。
834126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/23(月) 22:58:51 ID:3iq7rTa+0
名無しさん!乙です!

名無しさんももうすぐ終わりなんですか・・・グスン

期待してます!
835芽理の父です:2006/01/24(火) 00:15:29 ID:qlA8CLoV0
携帯電話を操作する音が聞こえた。
どう考えても理解できないのだが、どう考えても確かなことに、今まで辰巳が立っていたこの部屋に、顔も知らない殺し屋が入り込んでいるのだ。
声からして女か。しかし素手ならともかく銃を持っているならそんな事は何の関係もない。
自らすすんで背後をとられたかたちとなった辰巳は、冷や汗すら流せない思いだ。
微動だにすることすら許されていない。
「……なあ、嬢ちゃん。何が欲しいんや。金か。そんならそこの金庫あけてみ。なんぼでも入っとるで」
「お金はいらない」
少女のそれと分かる声だった。こんな状況でなければいくら金を積んでも聞いていたい。
「金は要らん? ほんなら何や。ヤクか。チャカか」
「おくすりもてっぽうもいらないわ。あなたの命をちょうだい」
声は美麗だが、内容は凄惨。
まるで詩でも詠うように、少女は告げた。辰巳はといえば生きた心地がしていない。
「……どこの組に雇われた。金は倍払う。わしのとこのもんにならんか?」
「雇ったのは三丁目の山田さん」
「はあ!?」
「あなたを恨んでるわ」
辰巳は三丁目の山田というのがいったいどのような人物なのか、失念していた。
それが先日追い込みをかけすぎて自殺させてしまった一家のことだと気付くのに、二分ほどの時間を要した。だがそれがどういうことなのかまではわからない。
死んだ家族がどうやってこの少女を雇った? 遺書でも書いてあったか。
少女が自分を狙うのは敵討ちのためか?
836芽理の父です:2006/01/24(火) 00:16:12 ID:qlA8CLoV0
「ああ、あのボンクラ一家か。嬢ちゃん、あのアホの親戚か何かか? だったらわしを恨むのは筋違いやで。悪いのはあそこの亭主や。借りた金は返さなあかんやろ。小学生でも知っとるわ」
法外な利息と過剰な取立ての末の一家無理心中であったが、辰巳にとっての認識はその程度のものだった。
「なあ、嬢ちゃん」
普段の彼を知る者が聞いたら卒倒しそうな猫なで声だ。
「取り引きせえへんか。見逃してくれたら、わしもこの事は黙っとく。他の組のせいやって上のもんには言うといたろ。嬢ちゃんもアホらしゅうてしゃあないやろ、こないな事でバラされるのは。こんなんすぐばれて、嬢ちゃん魚の餌やで」
嘘ではない。ここまでされて黙っている者はこの業界にはいない。
彼らは何よりも面子を大事にする。周囲を威圧する面子こそが彼らの根底にあるからだ。
面子がなくては誰も彼らに従わないと、皮肉にも彼ら自身が一番よく分かっている。だから面子を台無しにした少女を死に物狂いで追い回し、捕まえて殺すだろう。
「死にたくない?」
「ああ、死にとうないな」
辰巳は改心の笑みを浮かべた。ここさえ凌げば後は何とでもなる。
本家に駆けこんで、応援を呼んで、それからこの生意気なあばずれを捕まえてたっぷりと痛めつけてやる。何十人もの仲間で延々とまわしつづけてやる。
そんな邪悪な妄想に浸っていると、
「死にたくないなら、振り向かずに出て行けばいいわ」
願ってもない事だった。辰巳はとんだ甘ちゃんだとせせら笑った。しょせんは女か。
――だが、安心すると、欲も出てくる。辰巳の悪い癖であった。
837芽理の父です:2006/01/24(火) 00:16:48 ID:qlA8CLoV0
「ひとつ聞きたいんやけどな、嬢ちゃん。何人で来た」
「メリーだけよ」
一人? 少なくとも数人の犯行だと確信していた辰巳にとっては驚くべき事実だ。
嘘かとも思った。少女がたった一人で一つの組を全滅させる? たちの悪い冗談だ。
だが、現に現れたのは少女一人であり、下から仲間がやってくる気配もない。
(……あのボンクラ共が)
心の中だけで、死んでいった部下に唾を吐く。
まさか女一人にいいようにされる能無しの玉無し共だとは思っていなかった。
だが、これで分かったことがある。――つまり、背後の少女さえ消してしまえば、それでこのふざけた話も終わりだということだ。辰巳はそっとほくそえんだ。
「ほんならもう一つ。得物は何や。不思議でしゃーないねん」
銃ではない、と思われる。独特の硝煙の匂いがしない。
刃物か。鈍器か。しかし血の匂いがない。
「ナイフよ。これでりんごの皮をむくの」
刃物だったか。辰巳はいよいよ運が向いてきた、と思った。
刃物で銃に立ち向かうなど愚か者のすることである。
このご時世に義理人情などという飯の種にもならないものを信じている馬鹿はよく日本刀を使いたがるが、辰巳はあんななまくらなど信じない。
結局、最も安全に、最も危険とは遠い場所から一方的に他者を殺めることができるのは、内ポケットに忍ばせてある銃である。これこそが暴力の具現だと辰巳は信奉していた。
これさえ向ければ誰でも泣き叫んで許しを請うし、小鳥のようにしゃべりだす。
背後の少女にも泣き叫んでもらおう。
得体の知れない不気味な奴だが、銃弾を食らって無事な人間などいるはずがない。
簡単には殺さない。腕や足を撃って、身動きできなくしてからいたぶってやる。
辰巳はそう心に決めた。この世で最も下劣で下等な決意だった。
838芽理の父です:2006/01/24(火) 00:17:41 ID:qlA8CLoV0
「そうかそうか。――ああ、そうそう、忘れとったわ、嬢ちゃん」
そして、こっそり内ポケットに手を伸ばし――
「どあほがぁぁああああッッ!」
怒鳴り散らし、罵声を浴びせつつ、振り向きざまに拳銃を抜き放つ。
辰巳のぎらついた瞳が、件の少女の姿をはじめて捉えた。
黒いドレスのような服を着た、とんでもない美少女。殺すのが惜しいほどだ。
だがここまでされてそうも言っていられない辰巳は、非情にも引き金をあっさりとひく。
――弾が出ない。辰巳はきょとんとした。
不思議に思って自分が握った拳銃をよく見てみると、なるほど理由はすぐにわかった。
銃口から突き刺さった小さなナイフは、銃身を砕き切り裂いて、自分の手に突き刺さっている。簡単なことだ。こんな状態で弾が出るはずがない――
「……あっ、ぁあ!?」
あまりの激痛に、喉がふさがった。
拳銃は手にナイフで縫い止められていて落ちない。
刺し貫かれた右手からは血液がぼたぼたと落ちて、瞳からは涙が落ちる。
同業者からさえも血も涙もない男だと評されていた辰巳であったが、やはり血も涙もある人間だったということだ。
「後ろを見ちゃダメって、言ったじゃない」
少女の美声で、我に返った。涙で滲んだ視界の少女に、辰巳は恐怖した。
と、同時に、憤りも感じる。なぜ自分がこんな目にあわなければいけないのか、と。
いつでも他人に恐怖を与えるのは辰巳の専売特許であった。幼い頃からだ。
誰であろうと暴力による恐怖で支配してきた。それが、今はどうだ。
好き勝手に支配されているのは自分の方である。
それが我慢ならなかった。
辰巳はずっと恐怖を与える側にいた人間だ。
だから与えられる人間、虐げられる人間の気持ちなど考えたこともなかったし、考える必要もなかった。
生まれて始めて、少女に与えられる恐怖と、そして始めて味わう恐怖という感情そのものへの恐れで、辰巳は支配されていた。それは最初で、そして最後の感情。
辰巳は動いた。ただで殺されるのはごめんだった。
もう一方のポケットにも銃がある。辰巳はそれを必死で掴む。――が、少女も黙ってはいない。
839芽理の父です:2006/01/24(火) 00:18:26 ID:qlA8CLoV0
少女のドレスのスカートが、ふわりと花弁のように広がる。
スカートにはスリットのような切れ目が入れられており、内側には、びっしりとナイフが並んでいた。凶悪な光景だ。
それらはいつでも取り出せるようになっている。
それはまるで西部劇の一場面。ガンマン同士の、一対一の決闘。
辰巳の拳銃が火を吹くのが早いか。
少女のナイフが投じられるのが早いか。
獲物を抜き放ったのは、辰巳が先であった。――だが、そこからの速度はまるで違う。
悪夢のような鮮やかさでひるがえった少女の繊手。
投擲されたナイフは、正確無比に辰巳の頭部までの軌跡を描いたのだ。
早撃ち勝負の軍配は、あっさりと少女の方に上がった。
なにか怒声を上げようとしたまま、辰巳は、いつまでも、あんぐりと口を開けていた。
小さなナイフを、額に乗せて。
840芽理の父です:2006/01/24(火) 00:20:33 ID:qlA8CLoV0


用事を済ませたメリーはさっさと事務所から立ち去ることにした。
正面玄関から堂々と入り、堂々と立ち去るのがメリーの流儀である。
だから、それを知る者はそこで待ち受ける。
「素晴らしい手際だった」
ぱち、ぱち。どこからともなく現れたサラリーマン風の男は、拍手をしつつ親しみを込めて笑った。
どこにでもいそうな男である。すべてが平均的で、特徴というものが存在しない。そこが逆に不気味だった。
「相も変わらずの美しい仕事ぶりだ。腕は鈍っていないようだな」
「そう。ありがとう」
メリーは表情を動かさずに答える。どこか警戒しているようにも見えた。
おそらくこの二人は知人であっても友人ではないのだろう。
両者の間には、見えないが深い溝があった。
「……いつもの通り、お金も魂も要らないわ。その代わり、」
「ああ、分かっているさ、分かっているとも我らがメリー。
 僕らは君に干渉しない。僕らが救われぬ魂の声を聞く。君は彼らを救済する。
 僕らへの報酬は金銭と魂。君への報酬は無干渉の約束。いつも通り、これは実に理想の形だ。完璧な共生だな」
胸に手を置いて、芝居がかった仕草で男は応えた。
メリーは軽く頷く。
「それなら、いいわ」
男をよけて、メリーは歩を進める。
841芽理の父です:2006/01/24(火) 00:21:14 ID:qlA8CLoV0
背を向け合った格好となった時に、男が言った。
「君は変わったな、メリー」
今までとは調子の違う声である。おそらくは本心からの言葉、それゆえに。
「昔は人間なんて花でも摘むように殺したじゃないか、分け隔てなく」
「今でも殺すわ、蝶の羽をもぐように」
「だが例外ができた。花でも蝶の羽でもない人間が」
それは分け隔てなく、とは違う。だからメリーは変わった。
「可愛らしい人間だね、彼は。実に美味そうで、食欲をそそる。君がつい勿体無くなって食べずにおいているのも、分かる気がするよ」
「透に手を出したら、あなたの後ろに立つわよ」
振り向いて男の背中を睨み付け、メリーは言った。
冷たい声だ。今までの無機質な人形めいた冷たさとは違う、絶対零度の静かな怒り。
後ろに立つ、とは、もちろん言葉通りの意味ではない。
メリーが口に出した場合、それはとても恐ろしい意味を持つ言葉となる。
それをよく知っている男は、だからこそ溜め息を吐いた。
「やれやれ、君を怒らせると怖いのは身に染みて知っているよ。だがどうしてそこまでする。まさか本当の本気で人間なんかを愛しているのかい? あのメリーともあろうものが」
「愛しているわ。腹立たしいほどにね」
一切の迷いというものが存在しない、即答だった。
男は呆れたとばかりに肩をすくめ、そしてそのまま闇に溶けていく。
「目を覚ませよ、メリー。僕らは化け物なんだぜ」
最後に一言、メリーの胸をじくりと痛ませて。
842芽理の父です:2006/01/24(火) 00:21:59 ID:qlA8CLoV0


「あの馬鹿、まだ起きてる」
まだ明々と光が灯っているぼろアパートの二階を見上げ、メリーは半ば呆然として言った。
しかしどこか嬉しそうでもある。
「スカタン、蹴り飛ばして寝かしつけてやる」
早足で階段を上るときには、もう隠しようがないほど、その表情は笑顔。

帰る家があるというのは、こんなにも嬉しいものなのか。
待ってくれている人がいるというのは、こんなにも嬉しいことなのか。
すべてあの人間が教えてくれたことだった。
彼自身は馬鹿だから知らないだろう、どんなに心強く思っているか。
百万本の冷たいナイフよりも、温かい彼ひとりの方がずっとずっと大切だ。
ドアを開けたとき、そこに立っていた透の姿。愛しい人の姿。
どうしても我慢できず、メリーはその胸に飛び込んだ。

『メリーさん』はもう独りではない。
843芽理の父です:2006/01/24(火) 00:27:48 ID:qlA8CLoV0



……というお話でしたとさ。完。
(´・ω・`)ヘタピーでごめんね とあるジャンルの三流SS書きだから許してね
段落明けとかないのは仕様です。掲示板連載なんて久しぶりだぜ
最後まで読んでくれた人に感謝。お客様は神様です。

>>827
ごめんね
ありがちな展開でごめんね
>>829
ちなみに返品は受け付けておりません
844126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/24(火) 00:31:32 ID:P9EwBKsT0
かっこええわぁ!
あだるとやわぁー!
続きってありますか?

もしよかったらゆっくりでもいいのでまたお願いします!!!
背後の設定も楽しそうですよねww
845名無し:2006/01/24(火) 00:47:40 ID:X0NStHyWO
ぶぅらぼー。
拍手を贈らせてもらおう!
黙々と仕事をこなす芽理パパと件のメリーはどこか似ていてまさに孤高!
これからも応援します。
つーか次スレ立つかな?このスレ
846本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 00:49:50 ID:QgEnLsnrO
上げてみた
847本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 01:01:09 ID:Yoi2n3BS0
名無し氏も芽理パパもお疲れ様。
名無し氏、もう終わるのか・・・物語にはエンディングは必要だものね・・・。

でですね、皆さん、
多分、もうこのスレ、書き込みできなくなる気がするの。
オカ板は512KB?
>>846 の段階で474KB(484456Byte)、どっち?括弧内で見るのか?
で、次スレなんですが、一応テンプレのよーなものを作ってみました。
何か足りないものがあったら、ご指摘下さい。
848本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 01:03:50 ID:Yoi2n3BS0
「もしもし? 私メリーさん、今、あなたの町にいるの。」

このスレは「メリーさん」を語るスレです。
考察・小説・パロディ・AA・画像・メリーさん関連なら何でもオッケーです。
=================================================================
テンプレ
特にルールは定めてませんが、
定期的にネタをうpする方は、コテ・トリ・目欄作ると良さげかも・・・。
連投する方は、他の投稿者に配慮して書き込んでください。
また、同様に新しく投下する場合は、その時点で他の方の邪魔にならないように、
お互い譲り合いの精神を守りましょう。
前スレ「私メリーさん」
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1126615230/
半角二次元
【後ろを・・・】メリーin3rdCall【見て…】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1131448099/
まとめサイト
メリーたんに萌えるスレ@Wiki
ttp://www5.atwiki.jp/melly/
さぁ、語れ、おまいら!
================================================================
こんな感じでどーでしょう?
お昼までには立てようかと思ってます。
849本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 01:06:48 ID:Yoi2n3BS0
あ、スレタイは
「私メリーさん 【二人目】」
にしようかと思ってますが、他に何かあればどーぞ。
850本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 01:06:56 ID:gesSQfk40
>>126サソ
シリアス展開キタ。
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

>>芽理父サソ
ツンデレ、メリーさん萌え。
彼氏の前と仕事?の時のギャップもイイヽ(゚∀゚)ノ
続き是非キボンヌ。
851本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 03:07:43 ID:jR7BpxVZO
名無し氏>>またまた
アンマ━━━━(●゚ω゚●)━━━━ィッッッ!!!
こりゃ最後までアマアマでつか?!たまらんっス!!!

芽理パパ>>かっこよすぎっス!!!超おもろかったよマジで!!!
前回のとは違うかっこよさがゴリゴリで美味しゅうございました。

今日も職人四天王のおかげでいい気持ちで寝れますわ☆
みなさんおやすみなさいノシ
852名無し:2006/01/24(火) 05:32:21 ID:X0NStHyWO
LadyさんGJ
いいと思いますよ。
なんかこのスレ終わるのが少し寂しいですね。
ここまで思い入れのあるスレ初めてです。
次スレでも張り切っていきましょう。
…さて俺ももう一仕事しますかね。
>>851いやあまり、アマアマな展開は想定してない…
…かもしれません。
作者自身が、初期に想定していたエンディングと全く違うの考えてますからww
まあネタはばらさずエンディングに突き進みます。
853名無し:2006/01/24(火) 06:31:55 ID:X0NStHyWO

ゆっくりと唇を離す。
「……キス。」
メリーはきょとんとしながら俺を見上げてくる。
また、見つめ合う。沈黙が訪れる。
今度はメリーが俺の首に腕を回し、自らの唇と俺の唇を合わせようと身を乗り出す。
……ゴチッ
「いって…!」
メリーの歯が俺の上唇を強打した。
「…あ。」
「へたくそ。」
からかってみる。
「…!‥なっ!」
そうこれ。メリーのこの怒ったような表情。なんだか懐かしい。
「お、女の子に恥をかかす気!?」
この調子この調子。
まだギャーギャー言ってるが、俺は立ち上がって尻についた砂をはたく。
「ち、チョット!聞いてるの!?アナタってば前々から思ってたけど、デリカシーってモンあるの!?」
854名無し:2006/01/24(火) 06:35:27 ID:X0NStHyWO
俺は黙って、地べたにペタンと座るメリーを見つめる。
「なによ…?」
「はい。手。」
メリーは差し出された手を少し見つめてから、俺の方に視線を戻す。
「‥ま、これはアナタにしては上出来だわ。‥お言葉に甘えてあげる。」
俺はメリーをゆっくりと引き起こす。
立ち上がったメリーは、何だかちょこんとしてて、身長なんか俺の胸くらいまでだ。
「‥ありがと。…ちょっと屈んでくれない?」
「…?はいはい。」
「‥返事は一回よ。」
俺の頬に、羽毛のようにふわりと両手が添えられると、次には目の前にメリーの顔。重なる唇。上出来なキスだ。
855名無し:2006/01/24(火) 06:39:28 ID:X0NStHyWO
「…ん」
やがてメリーは頬を赤らめながら唇を離す。
「これは‥お礼よ‥」
今度は俺まで真っ赤になる。
メリーは少し不貞腐れたように頬を膨らませて、視線を泳がせている。
「‥メリー。」
「な、何よ‥!」
視線は相変わらず俺を見ていないが、俺は言葉を繋げる。
「俺はこれから先、死にたいなんて絶対に思わないと誓う。」
視線が合う。
「お互いに、これで所在が分からなくなるわけだ。」
メリーの顔が少しだけ曇るが、表情はつとめて平静を装おうとしている。
「‥そ、そんなの知ってるわ…」
声が少し震えてる。
「だから‥」
メリーの目に、また涙が浮かんでる。
「…俺の家…来ないか?」
沈黙。一瞬の間。長く感じる。恥ずかしい。
「俺、メリーと離れたくない」
顔から火でも噴きそうだ。
メリーは今にも泣きだしそうな顔してる。
「…私も…離れたくなんかない…」
震える声。ポロポロと涙が落ちる。
やれやれと言ったところだ。俺は右手を差し出して言う。
「…一緒に帰ろ?」
メリーは袖で涙を拭うと、コクリと頷いて俺の右手を左手でしっかり掴む。
辺りはいつのまにか夕日に染まっていた。お互い何を言うでもなく歩きだす。
夕日の中をこうして、手を繋いで歩いていると、まるで仲の良い子供同士のようだ。
歌でも唄いながら歩こうか?それとも口笛かな。
そんな事はどうでもいいか。
一緒に帰ろう‥メリー。
856名無し:2006/01/24(火) 06:47:00 ID:X0NStHyWO
>>834
126さん。
気付かなんだ。スマヌ。
んで、あと何個かチョコチョコと小ネタ挿んでから、エンディングへと向かおうかと思っております。
126さんの作品、今後も楽しみです。次スレもあると思うので、マッタリいきましょうぜ。
これが終わって、また何か小ネタ思いついたら投下させてもらおうかと思ってます。
857名無し:2006/01/24(火) 07:34:50 ID:X0NStHyWO
……。
ナタも睡眠薬類も激物もチェーンソー(!?)も、剃刀以外は全部棄てた。
眉毛整えられなくなるからな。
…んで、今どんな状況かというと、一つのベッドに二人、背を向けるようにして布団をかぶっている。
ソファで寝るって言ったら、メリーが言いだしたんだ。
「さ‥寒いだろうから添寝してあげるって言ってんの!お、女の子に何度も言わせないで‥!」
…らしい。別に俺は変な事しようなんてこれっぽっちも思ってないんだ。
メリーが変に意識するから、こっちも何だか恥ずかしくなってしまう。
まったく。寝よう。寝てしまおう。おやすみ。‥ぐー。
858名無し:2006/01/24(火) 07:36:30 ID:X0NStHyWO
…。
駄目だ。目が冴えてしまったじゃないか。メリーの所為だメリーの。
…そういや、メリーはいつも何処を寝床にしてたんだろう?身成りは綺麗だし。良い匂いだし。髪の毛サラサラだし。聞いてみようか?いややめとこう。
「ただの…暗闇よ…。」
「‥!?」
ビックリした。背後からメリーの声。俺の心が読めるのか?
「…何?テ、テレパシー…?」
「…声に出てたの。」
どうやら声に出ていたらしい。マジか?動揺しすぎだ俺。少し落ち着け。
んで…
「…暗闇って…?」
「言葉の通りよ。何処へでも繋がってる"死の闇"。目を閉じれば目蓋の裏からでも繋がってるわ。」
死後の世界?違うか。何だろう。
「ずっと…一人でいたの?」
「…うん。」
何を聞いてるんだ俺。
「人間は‥意識してなくても、個人差はあれ、大なり小なり闇を抱えて生きてるの。」
うん。知ってる。
「そんなものの集合体みたいなところよ。…暗くて、冷たくて、静かで、とても恐い場所」
俺は体をメリーの方に返す。
「…もう…あそこに…帰りたくない…。私…」
涙声。俺は黙ってメリーを抱き締めた。
「うん。必要ないよ。これからは‥。」
「‥うん。ありがとう‥」
メリーの髪、いい匂い。
これからは‥ずっと一緒。
俺はこの安らぎの中、いつのまにか深い眠りにおちていた。
859本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 11:30:36 ID:Yoi2n3BS0
名無し氏いいわぁ、エンディングはいつごろ? 今日? 明日?
期待してるよ〜!

それとですね、みなさん、新スレ立っちゃいました。
タイトルちょっと変更しちゃいました。
私メリーさん【二人目の犠牲者】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1138069201/
です。
このスレ使い切ったら、移住してくださいね。
860126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/24(火) 13:18:32 ID:P9EwBKsT0
名無しさん!乙です・・・・。
どきどき・・・・。
861名無し:2006/01/24(火) 14:10:12 ID:X0NStHyWO
Ladyさん、126さんおはよう。
ついさっき、ラストまで一気に書き上げちゃいました。
では、参ります。
ラストまで…。
862名無し:2006/01/24(火) 14:11:09 ID:X0NStHyWO
……
目が覚める。もう昼も大分過ぎだ。
メリーと出会って丁度一週間ってとこだ。
…身体を起こす。
傍らで小さく丸まっているメリー。よく眠ってる。
それはそうと、今日はライブが待っている。
「とりあえず…シャワーでも浴びよ…」
眠い頭を引き摺って洗面所へ。
服を脱ぐと流石に寒い。
脱いだ服を適当に投げ捨て、風呂場へ入ると早々に蛇口を捻りお湯を出す。
立ち上る湯気。
…メリーと暮らすなんて、嘘みたいだ。
頭からシャワーをかぶると、心なしか眠気も一緒に流れていく気がする。
…一週間、何だか永い一週間だったな。
…………。
863名無し:2006/01/24(火) 14:12:09 ID:X0NStHyWO
髪もセットし、部屋に戻るとメリーが眠そうな目をこちらへ向けてきた。
寝呆けてるな。
「メリー。おはよう。」
「……おはよう…」
今にも眠ってしまいそうなメリーを見ていると、こっちまで睡魔がぶり返してきそうだ。
「今日、ライブやるんだ。」
「…うん。」
「〇〇楽器の二階の小さなハコなんだけど…」
「…うん?」
「ホラ、前に来た時あったろ?俺とはすれ違いになったけど。」
「あ…うん。」
「そこでやるんだ。今日の夜7時。」
「…うん。」
「俺はリハがあるから、もう行くけど…」
「へ‥?」
……解っているのだろうか?何か吹き出してしまう。…仕方ないな。
「…もう少し眠るといいよ。」
「…イヤ…私も‥いくの。」
「起きたら、ゆっくり来なよ。」
「……。」
「…ね?」
「…うん。」
メリーの頭を撫でる。寝るように促して、布団を掛けてやる。まだぼぅっと俺の顔を見ている。
俺は微笑みでかえす。そしてまたそっと頭を撫でてやる。
「…クゥ‥」
すぐに眠る。俺はそっと頬にキスをした。可愛い奴だな。
864名無し:2006/01/24(火) 14:13:19 ID:X0NStHyWO
…さぁてと、行こうか。
ギターを肩に掛け、適当なブーツをベランダに放り投げる。
これを言うのも、久しぶりだ。
「いってきます。」
………。
そして夜。
メリーは起きたのだろうか。
プルルルルルル…ピ
…メリーだ。
「あ、私私。メリーよ。アナタ今何処にいるのよ!!」
それが、メリーの第一声だった
「目が覚めたらアナタいないじゃない?もぉ…」
電話の向こうでは、困ってしまって一人で何やら呟いている。
そう、彼女にはもう読めない。俺の居場所。
俺は何だか可笑しくて、溜息一つついて言った
「今、楽屋。」
「えぇぇ!?何でそんなトコにいんのさ!?」
ほんとこの子は。
「今日、バンド…ライブ…。起きた時言ったでしょ?」
「………あぁッ!」
やっぱり寝呆けてたか。
…彼女は所謂、都市伝説でご存じのメリーさんだ。
そのメリーは今俺と…まあ同棲みたいなもんをしている。
「ァアハハハ…私ったらまぁた…ハァ」
「いつになったら来てくれるのかな?ライブ始まっちゃうよ。」
「…!女の子に一人で夜道を歩けって、アナタはそう言いたいの?」
「わ、分かったよ…」
「…なぁんて嘘よ。今行くわ。すぐよ。」
「大丈夫なの?」
「うん。それに夜のお散歩って素敵じゃない?」
…………。
865名無し:2006/01/24(火) 14:14:48 ID:X0NStHyWO
さてと、私のドレス…
それにしてもブカブカのYシャツね。あの人はどれだけ大きいのかしら?
出会って一週間だなぁ。何だか永いような短いような…色んな事あったもの。
…心が忙しかった。うんこれ。泣いたり笑ったり怒ったり喜んだり…一杯、いっぱぁい心が飛び跳ねてたもの。
好きな人。
「フフ‥。」
もう、あの闇は通らないわ。自分の足で行くの。場所だって知ってるし、すぐよ。
外に出ると、丸いお月様がキラキラ光っていた。薄明かりで夜の闇を照らしてくれているかのよう。
「今晩わ、お月様。今夜はご機嫌宜しいのね?」
なぁんて言ってみるけど、当然返事は返ってくるわけないの。
知っているわ。これはね?夜の王様への挨拶みたいなものなのよ?まるで詩人のようじゃなくて?
…なんていいから早く行こう。ほんとはね、恐いの。ほんの少しよ?
綺麗な空…。
866名無し:2006/01/24(火) 14:15:42 ID:X0NStHyWO
「今晩わ、お月様。今夜はご機嫌宜しいのね?」
なぁんて言ってみるけど、当然返事は返ってくるわけないの。
知っているわ。これはね?夜の王様への挨拶みたいなものなのよ?まるで詩人のようじゃなくて?
…なんていいから早く行こう。ほんとはね、恐いの。ほんの少しよ?
………。
「はぁ…寒い‥」
風が冷たい。息が白い。
何だか楽しくなる。素敵な夜だわ。
夜は黒いマントをなびかせて
星の従者、月のランプ
暗闇は恐れをなして道を開けて
私はその真ん中を歩く
夜は黒いマントをなびかせて
星の従者、月のランプ
アナタへと続く夜の道
優しく照らしだしてくれる
867名無し:2006/01/24(火) 14:16:53 ID:X0NStHyWO
…なぁんちゃって。
さてと到着よ王子様。私を迎えてちょうだい。
「メリー。」
いた。律儀に外で待っていてくれたんだ。私の大切な人。
「ゴメン。寒かっただろ?迎えにいけばよかった。」
…優しいのね。私はそっと胸に寄り添う。
「恐かったのか?」
「あったかい…」
彼の笑顔が綻んでる。私も素直に笑っちゃおう。
「さてと、帰ろうか。」
…はい?
「20分で3曲だから…その…ぶっ通しでやったら…終わっちゃった。」
終わっちゃったって…私の大冒険はぁ!?
「楽しみにしてくれてたんだ?」
「うん。少しだけ。…帰ろ?」
私達の家に一緒に…。私の帰るべき場所…。
……。
868名無し:2006/01/24(火) 14:17:56 ID:X0NStHyWO
寄り添って夜道を歩く。
アナタは左で私は右。まぁるいお月様が、大きさの違う影を写し出すのって素敵。
それはね、私とアナタは一人じゃないって事なのよ。影は一つに溶け合って、ホラ私達ってもう一心同体みたいね?
…一人じゃない。
アナタと…
楽しくお喋りして、ご飯食べて、お風呂入って、一緒のお布団で眠る。そして夢を見るの。
悪夢かもしれない。辛い夢かも…。でもそれは遠い未来に楽しい夢にかわるわ。楽しみでしょ?
アナタがいるから私はそう思えるの。
今までの自分を笑い飛ばせる日まで、ずぅっと一緒よ。離さないわ。
869名無し:2006/01/24(火) 14:20:48 ID:X0NStHyWO
………。
ふかふかのベッドにお布団。隣にはアナタ。
「おやすみ。」
優しそうな顔。
「おやすみなさい。」
アナタの腕の中で眠る。
いい匂いがして…それに、あったかい。
窓に目をやると、お月様が覗いてる。
ダメよ?覗きなんて。はしたないわ。
………。
…考える。今まで殺してきた人達の事…。
苦しそうな顔。安らぎに満ちた顔もあったけど。何故そうまでして死にたかったの?
なんだか悔しそうな表情ばかり…それを、私が作ったんだ。どうやって殺したかなんて今…思い出せない。
いいの。私にはもう必要ない事だわ。ただ、忘れはしない自分の罪。許されないかもしれない。だったら謝りながら生き抜いてやるわ。
私は人間…人間の女の子メリー。もう一人じゃないの。
……?。
そうね。しつこい暗闇さん。私にはそっちがお似合い?違うわ。居場所は自分で決めるの。
もう…騙され…ないわ…。
私は…暗闇に…なんて…戻ら…な…い…。
…………。
………。
……。
…。
870名無し:2006/01/24(火) 14:27:05 ID:X0NStHyWO
………。
……。
…。
…ふと気が付くと。見慣れた部屋。大きな鏡。時計の針の音。私は裸。血塗れの手。
足元に転がるのは私を可愛がってくれていたパパ。
血を流して倒れてる。死んじゃったの?
状況を飲み込むために、目を閉じて…深呼吸。
……。
そうね。この人、私にナイフを握らせて自殺を謀ったんだ。
パパ?私はお人形じゃなくてよ?…メリー。貴方の自慢の一人娘なのよ?
ごめんなさい。パパ。貴方の事、ずっと、ずぅっと大嫌いだったわ。
私にあんなことして…。でも、許してあげる。
私はもう私を取り戻したんだもの。
立ち上がる。化粧台からマッチを取り出す。さて…あとは…
………。
871名無し:2006/01/24(火) 14:29:28 ID:X0NStHyWO
空高く昇る炎。
燃え盛る屋敷。
「さようなら。」
夜空にはまぁるいお月様。白い息。冷たい夜の空気。思い出す…あの一週間…。
何故だか遠い昔の出来事のよう…。でも細かいところまで鮮明に思い出せる。
何だか思い出一杯もらっちゃったな…。嬉しいな。
私は…人間なの。人間の女の子なの。今やっと自分が認識できるわ。これ程嬉しくて楽しくてワクワクする事が他にあって?
…人形なんかであってたまるものですか…!
私は誰の所有物でもない。私に限らず、誰もが誰かを所有する事なんてできないの。
あの人だってもうじき気付く…あの人は生きるってきめたんだもの。
 ―少女は自らの胸に手をあてる。―
夜空…綺麗。
また会いに行くよ。待っててね?私の愛する人。
 ―そうして歩きだす。月明かりの照らす道を―
…夜は黒いマントをなびかせて
星の従者、月のランプ
暗闇は恐れをなして道を開けて
私はその真ん中を歩く
夜は黒いマントをなびかせて
星の従者、月のランプ
アナタへと続く夜の道
優しく照らしだしてくれる…。
私とアナタは繋がっているの。
872名無し:2006/01/24(火) 14:36:24 ID:X0NStHyWO
終わりです。
ここまで付き合ってくれた皆さん。
本当にありがとうございました。
ラストなんですが、俺的にはアレが一番しっくりきてしまいまして。え。
苦情は受け付けません。ハイ。
携帯打ち込みによる拙い文章。さぞや読みにくく、解りにくいかと思います。
俺も今更ながら、原稿用紙の力を借りればよかったと、激しく後悔しております。
しかも読み返してないorzスマヌ。失格だな俺。
初期設定の崩壊は、補完しきれなかった感も否めず…orz
では、最後にもう一度。
本当にありがとうございました!
もう一杯一杯です。
またその内書きます。誰が止めても。
873名無し:2006/01/24(火) 14:49:25 ID:X0NStHyWO
読み返したら、何だかお急ぎな感じと説明不足感が…
台無しだ。
でも、ま、いい経験になった。
これからは原稿用紙を使って腕を磨いていきましょうかね。
874本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 14:49:30 ID:Yoi2n3BS0
名無しさん・・・! 参りました! 降参です!
このスレ始まって誰も完結することのできなかった長編、
ついにやってくれましたね!

ノーベルメリー賞ものです!
・・・ん? ノーベル? ノベル?
まぁいいや! 恐らくこの後も絶賛の嵐が待っていることでしょう!
次回作、待ってます!

それで・・・あのぅ、半角の絵師さん、名無しさんなんですか?
   【後ろを・・・】メリーin3rdCall【見て…】
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1131448099/413
 >>413 「まぁそれもその筈、だって中身は名無しなんですものww」
だったら、時間ある時こっちでも描いてぇ!!
875名無し:2006/01/24(火) 14:51:50 ID:X0NStHyWO
はい。了解。
萌えは苦手ですが、何かしら描かせて頂きます。
んで、ありがとうございました。
876本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 18:04:21 ID:Yoi2n3BS0
あ、名無しさん、
おれも向こうの絵の2番目のクレヨンぽいヤツ好き。
童話風のスリラーものに出てきそうで・・・。

最初のヤツや、新しいものもうますぎだと思うよ。
あのメリーのイメージにあうストーリーはあるのかぁ?
とも思うけど。(萌えじゃなくていーからね!)
877126 ◆dNexSJi1ew :2006/01/24(火) 18:39:28 ID:dnhj8PVvO
………終わって…しまったか…。

あぁ、この余韻にひたりながら眠りたい。
けど今から飲み会涙。

名無しさん、ありがとう。
名無しさんのメリーを読みながら、別のメリーのお話を考えてしまいました。
しかし、今のが終わってからね。

って終るのかw
878本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 18:43:38 ID:jR7BpxVZO
まさかツンデレ口調で褒めた絵師があの名無しさんだったとはwww
あの2番目のクレヨンの絵、漏れも大好き!
あと完結お疲れさんでした!!とてもヨカッタ!!!
アマ━━━━━(●゚∀゚●)━━━━━ィッッ!!!
879本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 22:52:02 ID:GqNiNYui0
向こうでツンデレ認定された俺も来ましたよw
名無しさん乙っす
文も絵も描けるなんて羨ましい・・・
いっそ漫画でよろしくw
880本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 23:19:11 ID:DdLTHU3W0
>>234 は、初出は此所とは何の関連もない板の、全く不似合いなスレにカキコしたものを
わたしが自分でコピペしました ^^;

>>717 も わたしが書きました

んで、唐突に続きをw

なんか、頭クラクラするわ、迎え酒だなこれは、えーと、酒どこだ?
ん?うるせー紙コップだな、いいかげんにしてくれよ!

「もしもし、わたしメリーさん、あなた、何歳?」

あれ?ちょっと待て!このセリフ初めてか?
「もしもし、誰?」
「あなた、まだ未成年でしょ?なに、お酒なんか飲んで?」
なんだ、こいつ!えらそうに
うっせーよ、ほっとけよ、と、喋ろうとしている手に握っているのが紙コップだと、ふと気が付いた
「今日は、話にならないみたいね?また電話するわ、じゃ」
おい、なんだよ!ちょっと待てよ!

おれ、なんかわりー夢でもみたのか?
他の奴ら、ぐうぐう大いびきで寝てやがるし

耳に紙コップをあててみたけど、なにも聞こえない
ねみーから 寝よ!
んで、メリーって、誰だっけな?
881名無し:2006/01/24(火) 23:23:18 ID:X0NStHyWO
>>878
>>879
覚えてますw
その節はどうもww
初めての板で少しテンパってたんで、かなり和みましたw
…んで、どうもありがとう皆さん。
拙く、いささか説明不足が目立つ文章、お付き合いいただきありがとうございました。
ちゃんと読み返さなかった自分が悔しくて悔しくてなりませんorz
読み返すたびに思います。
物語の筋が気に入っているだけに、力不足の自分がとことん恨めしいです。
今、コピペして原稿用紙に直す作業をしております。
修正+αの作業なんですが、もっと細かく、よりシンプルにを心掛けて作り直しております。
upはしないかもしれませんが。
んで、絵ですが。
何故かクレヨンで描いたメリーさんが好評な様子wwww遊び心が報われました。作者としても嬉しいかぎりです。
今度はこっちの板にもupしていきますんで、よろしくおねがいします。
んで、漫画はちと厳しいかとwwww
882芽理の父です :2006/01/24(火) 23:33:57 ID:qlA8CLoV0
感想レスつけてくださった皆さんありがとです
メリーはあるのかないのかわからない続きをなんとかひねり出して
できれば投下しようかな―とか思ってます。(´・ω・`)キタイシナイデネ

名無しさん完結お疲れさまです。甘いものは大好物です
883本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 23:53:49 ID:Yoi2n3BS0
>>234 あ〜見落としてたかもしれません、すいませんでした。
遠慮せずに投下してくださいね。

・・・さて、このスレ、どのぐらいあと使えるんだ?
埋め代わりにネタ投下してみます。
884本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 23:54:49 ID:Yoi2n3BS0
  最恐の和製ゴシックロリータ少女めりー

昔むかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました
お爺さんが山へ芝刈りに、お婆さんが川へ洗濯に行くと
川上から大きな瓜が、どんぶらこーどんぶらこーと流れてきました
おばあさんは大喜びで瓜を家に持って帰りました
お爺さんと一緒に、瓜を包丁で切ると、中から立派な女の子が生まれてきました
二人はこの子を、「うりぃ・めりー」と呼んで、たいそう可愛がりました
やがてこの子はどんどん大きくなり
たった一年で10歳ぐらいの可愛い女の子になったのです
ある日めりーは、お爺さんとお婆さんにこう言いました
885本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 23:56:06 ID:Yoi2n3BS0
 「じじい、ばばあ、今まで育ててくれてありがとー、
 私は最恐の和製ゴシックロリータというコピーにひかれて
 どうすれば最恐のゴシックロリータになれるか考えました
 最恐なのだから手始めに鬼が島に行って、鬼を退治せねばなりません」
お爺さんもお婆さんもたいそう、驚いて悲しい顔をしましたが
最恐の少女になるなら仕方ない、と快く送り出すことにしました
お婆さんは箪笥から「ゴシック」なのだからと言って、もんぺを取り出しました
ばばぁ、「ゴシック」の意味知ってるか?
お爺さんは倉に行って、「最恐なのだから」といって鎌を持ってきました
じじい、それ草刈鎌・・・
だが最恐の和製ゴシックロリータ少女になるのだから小さいことは気にしません
めりーは、きびだんごを片手に鬼が島に向かいました
途中、犬が仲間になりたそうな目でこっちを見てました
サッカーボールのように蹴飛ばす
二、三回弾んだ後、犬は泣きながら逃げていきました
だがまだ最恐には程遠いです
次に、雉が仲間になりたそうな目でこっちを見てました
きびだんごでおびき寄せた後、羽をむしって体にデコレート
飛べなくなってしまったようですが、最恐なので気にしません
さらに進むと猿が交尾してました
めりーは二匹の邪魔をすると、オスざるの背後に回り
「あたし、めりー! あたし、めりー!」と絶叫
オナニーを教えてあげました
確実に最恐の和製ゴシックロリータ少女に近づいてます
おなかが空いたのできびだんごをいただきます
最後のおだんごの中に何かが入ってるのを発見
紙切れとお金が入ってました
「めりーや、おまえは食いしんぼだから、おだんご食べてしまうでしょう?
おだんごは家来に上げるのですよ、このお金で新しいおだんごを買いなさい 」
ばばぁの愛に泣きました
886本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 23:57:50 ID:Yoi2n3BS0
どうにかして三匹の家来を手に入れた私は
どうしたら鬼を退治して、最恐の和製ゴシックロリータ少女になれるか考えました
最恐なのだから怯えさせてやらねばならない
電話をすることにしましたが、この時代には電話はありません
いとこの「れでぃ」はカラスを使ってたのを思い出し
血と涙のにじむような苦労の果てに、雉を伝書鳩代わりに使うことにしました
血と涙がにじんでたのは雉の方ですが、最恐だから気にしません
「もしもし、私めりーさん、今あなたの島のそばにいるの」
鬼がめりーの手紙を受け取った時
めりーはもう島に上陸してました
雉のグズめ! グズめ! グズめ! だがタイミング的にはちょうどいい
最恐の和製ゴシックロリータ少女はもうすぐだ
次にめりーは矢文を使いました 狙いがそれて他の鬼に命中します
苦手なのよ弓は。まぁいいわ
「もしもし、私めりーさん、今あなたのお城の前にいるの」
次に陽動作戦を取るために犬と猿を鬼にけしかけます
あからさまに嫌な顔をしてましたが最恐だから気にしません
犬よ、おまえの子供は預かっている
猿よ、おまえの娘、援交してたぞ、学校にばれたら退学だよな
最恐の和製ゴシックロリータ少女は目の前です
めりーは騒ぎの中、ボス鬼の後ろに回りこみ
「私めりーさん! 刈り取ってやる刈り取ってやる!」と絶叫
振り向いた鬼の心臓に鎌をつきたてます
ところが、その鬼の正体はめりーを育てたお爺さんでした
 「・・・待ってたよめりー、これでおまえは最恐の和製ゴシックロリータ少女だ・・・
 おまえが間違って矢を射ったのがお婆さんだ・・・ 私たちは今まで悪事を重ねてきたが、
 おまえを育ててるうちに今までの振る舞いを後悔するようになってねぇ、
 悲しんじゃいけない・・・天罰だと思うことにするよ・・・強く 生きるんだ よ・・・

私は思いっきり泣きました 
887名無し:2006/01/25(水) 00:14:48 ID:KNx1A43bO
>>Ladyさん
大変、美味しく頂きましたww
最後じじいかよ!
みたいなw
>>芽理パパさん
虫歯になりますよw
俺もパパさんの作品大好物です。
また楽しみに待ってますね
888本当にあった怖い名無し:2006/01/25(水) 01:49:40 ID:b0WJj2it0
         
   〆⌒\ ♪
  /'ζτλヽ 
♭ノ(●  ● )ヾ
ζ > △ ζι)
〆⌒/舎\⌒ゝ
〜 /イ  ゝヘ〜
/  ノ ‡ 乂  )
\/--ハ-- \/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

それにしても、これだけの作品が作れるのに、
「名無し」さんはもったいない気がするな。
なんか、他の名前を名乗ってもよさげな
気がする今日この頃。
889本当にあった怖い名無し
てすと