「あなた変わってるわね。」
彼女が真剣に僕をみていった。
「なぜ?」
「だって他にいないじゃないオカルトを村上春樹で語る人なんて。」
やれやれ
村上春樹って誰?
4 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 19:28:40 ID:kZ1PQ9e+O
5
6をもらおう。
村上風に語らなくても、村上の小説自体がオカルトだ罠。
ごく数作品(ノルウェイの森等)を除いて。
8 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 20:10:21 ID:dwJXuykfO
夕立がアスファルトに焼ける匂いがたまらなく好きだった。
この一節がたまらなく好き。
>>1 ワロタwwwwww
でも、今となってはノーベル文学賞取りそうな巨匠の一人だからな、村上 春樹も。
弄りにくす。。。
10 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 22:02:41 ID:dwJXuykfO
おい、あの話しろよ!あれ!
ねじまき鳥クロニクルでノモンハンに取材に行った時の話だよ!
ホテルで春樹が恐い思いしたんだってよ!
ところでねじまきどりクロニクル?ねじまきちょうクロニクル?
11 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 22:09:34 ID:OXRfFa5s0
>>1 おい
先代も誰も書き込まなくなって死に絶えたんだぞ!
まるで柵の無い捨てられた井戸に落ちたみたいに…
このスレ復活させたかったらナメクジでも飲みな
12 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 22:30:09 ID:dwJXuykfO
その後塩水がぶ飲みするのを忘れんなよ!
13 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 22:36:15 ID:7ybgDexF0
>>11 このネタ知らん輩ばかりやけん、
>>12みたいな返し、
カマされる前にやめといたほうがええんちゃう?
14 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/01(木) 23:15:00 ID:OXRfFa5s0
前にもこんなスレがあったような気がするけど、考えているとその思い込みを事実として受け入れてしまいそうなので
考えるのは辞めて、代わりにパスタを茹でるための湯を沸かし始め、塩を入れるタイミングについて考えることにした。
何も考えることが無いなんて考えられない性分なのだ。
16 :
オカ三:2005/09/01(木) 23:38:44 ID:zftxZUPh0
笠原メイに萌えました。ええ。
↓ 赤坂ナツメグについて一言
19 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/02(金) 05:43:47 ID:hNRYqHfMO
名前が無いとなんて呼んだらいいのか
分からないからしゃーない。
20 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/02(金) 09:21:18 ID:SpdFuZ+WO
…あるいは僕たちは消え行くかもしれない。
僕たちの居場所は失われてしまうかもしれない。
どこにもたどり着けないかもしれない。
既にすべては取り返しがつかないまでに損なわれてしまった後なのかもしれない。
僕たちはただ廃墟の椅子にを虚しく座っているだけで、
それに気がついていないのは僕たちだけなのかも知れない。
もはやこの道に振り向く人間なんて――この街には誰もいないのかもしれない。
そしてこの世界では、誰かが誰かを陥れようとしている。誰かが誰かを引き摺り下ろしている。
声にならない声で。
――言葉にならない言葉で。
世の中にはそんな風な理由のない悪意というものが確かに、そして山のように存在している。
そしてしかるべき時がくれば、誰もがこの世界から去ってゆく。
21 :
ぎす:2005/09/02(金) 09:52:55 ID:N8Wr0g+eO
厨房時代は、かもしれない現象がマイブームでした。
22 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/02(金) 22:25:46 ID:SpdFuZ+WO
案外春樹ってオカ板で語るのが一番あってるきガス・・・・・。
23 :
タクシー乗り:2005/09/03(土) 08:37:07 ID:cMDZdZ8pO
私、吸血鬼なんです。
羊男
25 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/03(土) 17:26:36 ID:cMDZdZ8pO
図書館寄潭面白かったよね。
あれは奥さんから提案されたネタらしいよ。
脳みそがちゅるちゅるしてて、たまに粒々があるとこが美味しいんだって。
こうして作家さんとして存在してるから当然だけど、やっぱりマンセーにアンチにいるからなぁ。
俺は猛烈なお勧めくらって試したけど全く駄目だったよ。
どこがおもしろいのかも解らないまま読了して、それ報告したら「お前は確実に損してる、あと読解力無し」とか言われた。
そんなもんなのかねぇ。
で、ここはなにがオカルトなの?
なにがオカルトって…
おまえ実は春樹読んだ事ないだろ。
28 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/04(日) 04:31:57 ID:d5KBo89XO
>>26 何も難しく考えることなんてないのさ。
あんたが求めていれば、それはあるんだよ。
問題はねこ2あんたの為の場所だってことなんだよ。
わかるかい?
それを理解しなくちゃ駄目だよ。
それは本当に特別なことなんだよ。
だから我々はあんたがうまく戻って来られるように努力した。
それが壊れないように。
それが見失われないように。
それだけのことだよ。
>>26 何も難しく考えることなんてないのさ。
あんたが求めていれば、それはあるんだよ。
問題はね、ここがあんたの為の場所だってことなんだよ。
わかるかい?
それを理解しなくちゃ駄目だよ。
それは本当に特別なことなんだよ。
だから我々はあんたがうまく戻って来られるように努力した。
それが壊れないように。
それが見失われないように。
それだけのことだよ。
30 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/04(日) 14:03:36 ID:K8qvcnd00
アフターダークとついでに近境・辺境を読んだ
エッセイが一番面白い…
バスに乗って寝た振りをしていたら「いい歳の男がこんな昼間から・・・」
と陰口を叩かれる話が凄く印象に残っている。
>>10のノモンハンの体験は確か
>>31の 〜辺境に出てたな。
オカ板に書き込まれてもおかしくないようなオカルト体験として。
余談だが春樹は昔、趣味のタロット占いで
かなりの高確率で的中させてたようなことがエッセイに書いてあった。
自分では、「集中力によって勘が研ぎ澄まされた結果」 のような説明してたけど・・
羊をめぐる冒険の、山荘に向かう途中の不気味なカーブだったが、よくわからない。彼岸?
37 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/08(木) 20:04:06 ID:t8Ul0f0DO
仕事を辞めたのを機会に煙草をやめたのだが、そのかわりムーが手元から離せなくなっていた。
「オカルト中毒」と妻は言った、「今に頭がおかしくなるわよ」。
でも僕はそれを読まないわけにはいかなかった。
>>37 ムーを毎月買っているほうが、たぶん安く上がる。
経済的なのは間違いない。
このスレワロスw
40 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/09(金) 22:11:33 ID:oiIzBh+dO
「そうだな」と僕は言った。
そしてテーブルの上に置いた自分の両手を眺めた。
「
>>1を読んでいて少なくとも退屈はしなかったし、退屈じゃないっていうのは悪くないよ。
どうせわけのわからないことは世の中にはいっぱいあるんだ。
そして誰かがその空白を埋めなくてはならないんだ。
誰かがその空白を埋めなくちゃならないのなら、退屈な人達よりは退屈じゃない人達が埋めてくれたほうがずっといい。
そうだろう?
たとえば
>>1みたいなね」
41 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/12(月) 03:58:45 ID:t9zf3Kf4O
保守ageしなきゃ。
やれやれ
誰もが右の扉からやってきて
みんながっかりして左の扉からでていくんだよ。
そして誰もこのスレには留まらないんだ。
43 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/14(水) 05:18:58 ID:LD23xeccO
「何故ageるの?」と彼女はいった。
「ageなきゃ落ちるからさ」
「そのことに何の意味があるの?もうあなた一人しかいないじゃない」
「やれやれ」と僕はいった。
「でもそのことを疑問に思った事は一度もなかったのね?」
「だってそんなこと気がつきもしなかったよ」
44 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/14(水) 17:00:55 ID:VmEz1Npu0
「見てるだけの人もいるの」
「見てるだけ?」
「そう、見てるだけ」
「何故書かないの?」
「ふぅ。あなた何も分かっていないのね。書かないんじゃなくて書けないのよ。
でも楽しみに読んでいる。私の言ってる事わかる?」
僕はカーティーサークの入ったグラスを傾けた。別に飲みたかった訳ではない。
ただ、時間を稼ぎたかっただけだ。
「でも、その人たちだってキーボードを持っている。ここを読んでるってことは
日本語が理解できるってことだ。理解できるってことは書く事もできる。
書けないんじゃなくて、書く意思がないってことじゃないかな?
なんか勘違いしてる?」
「あなたはどうしてここに導かれたか自分で分かってるの?そうやってあなたが
言ってる間にどれだけのことが損なわれているか、考えた事はあるの?
きっとあなたの想像もつかないほどよ」
46 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/14(水) 23:27:50 ID:VmEz1Npu0
白ワインに一口くちをつけ彼女は続けた。
「オカ板には来るわ。だって面白いもの。でも読みにくるだけ。
でも、きっとあなたは分からない。私だってレスしたいのよ。でも出来ない。
そう、空気嫁てないからね。
そしてあなたは、もっと分かっていない。私だって天国で一人でやっているの。」
彼女はもう一度白ワインのグラスを傾けた。
47 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/15(木) 17:22:11 ID:C1cLPnS70
「かっこう」
彼女は自分の手のひらを見つめたまま、しばらくの間なにも言わなかった。
だから僕も目の前の2chの画面を眺めることにした。
「ねぇ、私はあなたが思っている以上に混乱しているし、怖いの。
私がレスしようとすると、みんなが私に向かって罵倒しだすのよ。
どんなに私が空気読めてないか、どんなに私が無知で醜いか。
幻聴だとわかっているけど、ダメなの。
ねぇ、私だって、勇気を出してレスしたことあるのよ?
でも、ダメだったわ。それは本当の事なのよ。本当に起こる事なの。
一回そうなったらもうおしまいなのよ。ボンッって・・・」
僕は彼女を損ないたくなんかなかった。でも、僕は選びようがなかたんだ。
49 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/16(金) 01:06:53 ID:V45zar2qO
ボンッ
俺ここに書き込むの二回目だが、ここって2、3人でやってないか?
面白いのでもっとやってほしいけど。
51 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/16(金) 20:07:01 ID:H/cDQhOb0
「どうしたっていうのよ」
彼女は突然振り向いてこう続けた。
「ひどい顔してるわよ・・・」
僕は何も考えられず顔に手を当てるだけで、精一杯だった。
「鏡を見た方がいいわ」・・・彼女は僕の前に鏡をそっと手渡した。
僕は言われるまま鏡を覗き込んだ。それについて何も言い返せなかった。
いや言い返せる気力すら無く、言い返す理由など何も見つからなかった・・・。
まるで、バケツ1杯の水を頭からかけられたような汗をかいている気がした。
でもそれは気のせいだったのかもしれない。
いつもと何一つ変わらない僕の顔が、鏡に映っているだけだった。
このスレ大好きです!
村上春樹風先生、頑張ってください。
ファンより
53 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/16(金) 21:42:47 ID:aWQrbf6Q0
僕は何に対し、そんなに怯えているというのだ。まず整理する必要がある。
つまり僕の周辺で何か特別なが起こりはじめているのか、あるいは自分の顔を改めて見た事による絶望なのかってことを。
その日は一日混乱したまま時を過ごした。
そして寝る前に、僕はもう一度自分を確かめるために洗面台の前へ行き自分の顔を眺めてみた。
それは酷い顔だった。頬はこけ落ちていて、眼の下にはクマができていた。
僕が左の手のひらを目の下に持っていくと、鏡の中の僕も同じように手のひらを眼の下に持っていった。
僕はもう一度鏡の中の僕を眺めた。
そのとき僕は言い表しようもない恐怖に襲われた。
僕はその恐怖が一体どこからやってきたのか、一瞬、自分自身でも把握できなかった。
でも直ぐに僕は感じたのだ。
鏡に映っている『僕』は、『僕』ではない。
僕のように見えるけれども、それは上手くできた作り物の表皮をまとっているだけで
その下はまったく別の生き物だとわかったのだ。
そして鏡を見ると、鏡の中の『僕』はこちらの『僕』に向けて右手を差し出してきた。
気づくと『僕』も、鏡の中の『僕』に手を差し伸べていた。
僕はそこから逃げ出そうとしたが、体の隅々に鉛を埋め込まれたかのように
体の自由が奪われていた。
その間にも、鏡の中の『僕』とこちらの『僕』の手の距離が近づいている。
そしてお互いの手が触れ合おうとした直前に、僕は自分でも驚くほどの叫び声をあげた。
その瞬間、僕の体の自由が一瞬だけ戻り、僕はそのまま寝室へ転がりこんだ。
そして部屋のドアの鍵を閉め、そのまま座り込んでしまった。
ベットには彼女が、普段と変らない姿で静かな寝息を立てていた。
いつもの彼女が、いつものようにそこにいる。
僕はベットに寝ている彼女を眺めながら、考えないわけにはいかなかった。
『僕』はいつもの『僕』だろうか。
どちらの『僕』が本当の『僕』なのだろうか?
そして、
『彼女』は本当の『彼女』なのだろうか?
「鏡」は名作だよね。
風が強い日で、扉が「うんうん、いやいや」 云々ってとこをなぜか覚えてる。
読んだ人じゃないと分からないと思うけど。
流れぶった切って悪いが「鏡」って?短編集にでも入ってるの?
未読なので教えて君で申し訳ないが情報くれるとうれしいです
>>54読みごたえあったので余計
確か「カンガルー日和」に入ってたよ。
初期の村上を知るのに、とっつきやすい短編集です。
読んだ筈なのにみつからない
アイロンをかけ、サンドウィッチを作る前に本棚の整理が必要みたいだ
そして、どうもありがとう
僕は・君たちが・好きだ
僕は本田さんの言葉を思いだした。
「流れに逆らうことなく、上に行くときは上に行き、下に行くときは下に行く。
上に行くべきときはいちばん上のスレを見つけて、そのてっぺんにカキコすればよろし。
下にいくべきときには、一番深いスレを見つけてそのスレにカキコすればよろし。
流れのないときには、じっとしておればよろしい。
流れに逆らえばすべて煽られる。すべてが煽られればこの世は闇だ。
<我は厨、厨は我なり、オカの板>
我を捨てるときに、我はある。」
僕はとりあえず一番深いスレを見つけたわけである。
記念碑的に深いスレである。
いつかこの場所が必要になる時が来るのだろうか?
その日が来ることに備えて、僕はsageし続けようと思った。
僕はベッドに戻って眠ろうとした。
僕はとても眠たかった。
でも眠れなかった。
目を閉じると貞子の姿が浮かんできた。
テレビを運んでいた貞子、時計をどかせていた貞子、雑誌をテーブルの上に移動した貞子、コンセントにプラグを差し込んだ貞子、画像を点検していた貞子、ドアを開けて黙って出ていった貞子。
彼女らはずっと僕の頭の中にいた。
彼女らは僕の頭の中を這いずり回っていた。
61 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 20:11:41 ID:D7EvQzQB0
いつの間にか僕は生温かい泥のような眠りに落ちていた。夢の中で小人が踊っていた。小人は森の中で人々の輪の中で
とても上手に踊り、周りの誰もがそれに見とれていた。そして僕にむかって何か話しかけていたようだったが
僕にはそれが聞き取ることが出来なかった。まるでアクリル板の向うから伝言ゲームでもしているようにも見えた。
それを聞きとろうとすると二匹の象がやってきて、その言葉を踏み潰して耳の皺に挟んで帰ってしまった。
僕はやれやれと言った。そして何度か首を振った。いつの間にか小人は森の中から消えていた。
目が覚めると雨のにおいがした。外を見ると雨が窓ガラスを激しく叩いていた。台風が近くまで来ているせいだった。
窓の外を見続けているとやけにのどが渇いているのに気付いた。ウイスキーを飲みすぎたせいだ。
何が何だか分からなくなってしまった。収拾がつかないのだ。
きっと誰かがやってきて何とかしてくれると思った。簡単なようでそれはとても難しい事だと思った。
どこかで、僕を罵倒しているのが聞こえる
「下らん、じつに下らん。糞だ、まるで干乾びた糞だ。」
「マセラッティ−と一緒に海に沈んでしまえばいい。」
もっともな意見だ。悪くない。
62 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 14:58:08 ID:MYNbqDYS0
鏡は妹の高校の国語の教科書にも載っていました。
ほの怖い。
63 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 00:02:15 ID:zP8GEKTO0
本棚整理した。ついでにカンガルー他、初期三部作も読んだ。面白かった。
64 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 09:36:33 ID:ECRecTCd0
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
65 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 13:38:03 ID:ECRecTCd0
僕には特別「霊感」といった程のものは無く、子供のころに一度だけ友達の家の庭で
お祖母さんの姿を見たことがある程度だった。そして、一度だけ目をこすりもう一度
お祖母さんの姿を探したがそれは何処にもいなかったのだ。消えていた。最初から何も無かったように。
ただその友達が言ううには、お祖母さんは何年か前に亡くなっていたと言うことだった。
しかしそれはもう30年ほど前のことだったし、それが本当に僕の体験だったのかさえ思い出せないくらい昔のことなのだ。
だからそれは夢の延長であったり、単なる記憶違いであったのかもしれないし、それはそれで、
もうどうでもいい事なのだ。
その友達とは、もう20年以上会っていなかったしその家もかなり前に引越ししてしまったために
僕はそのことは思い出しもしなかったし。いや思い出す必要さえなかったのだと思う。
中学の友達(正確にはその頃のただのクラスメート)の葬式があったときに久しぶりに会ったのだ。
クラスメートは自殺だった。幾分引きこもりになっていたし、ずいぶんといろんなことに悩んでいた
ようだったということだった。そして、遺体には人の姿が描かれた白い布が被せられていた。
遺体が無かったのかも知れないし、見せられないことによる気遣いなのかもしれなかった。
世の中には僕の知らない気遣いや何かがいろんなところであるものなのだと思った。
葬式が終わり何人かのクラスメートと酒を飲み話をしたときに、そのお祖母さんの庭の友達が
話し始めた。
僕はその手の話は結構好きだったし、こうしてオカ版にも来ている位なので嫌では無かったが、
葬式の後だったし、何故今その話をしなければならないかという理由が何も解らなかった。
66 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 13:41:13 ID:ECRecTCd0
葬式が終わり何人かのクラスメートと酒を飲み話をしたときに、そのお祖母さんの庭の友達が
話し始めた。
僕はその手の話は結構好きだったし、嫌では無かったが葬式の後だったし、何故今その話をしなければならないかという理由が何も解らなかった。
高校生のときに、彼は友達(もちろん僕のことでは無い)と海水浴に行ったときのはなしだった。
彼の住んでる町の近くには海が無く、大抵は市営のプールやら川やらで泳ぐか、日本を横断するんじゃないか
と思えるくらい恐ろしいくらいの時間をかけて海に行った。
当時の彼は金も無かったせいもあり、その海に自転車で行くことになってしまった。
そうすることで、彼らは海に行く費用を少しでも節約しなければならなかった。
車や電車を使ってさえ恐ろしく時間が掛かるのに、自転車で行くためには前の日の夜に家を出る必要があったし、
海で遊ぶ時間も極限られたものになってしまうのだ。
夜中に彼ら二人で郊外の街灯も無い道を走っていたときだった。
何か暗闇の中で違和感を感じた。
67 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 13:42:36 ID:ECRecTCd0
....誰かが走っている...
彼らは直感的にそう感じた。
...人ではない...
いくら蒸し暑い夏とはいえ真っ暗な夜道を走る人などいるはずが無いのだ。
やがてそれは、確信に変わっていた。
「たったったっ...」と足音が聞こえた。
彼らは怖くなり自転車を漕ぐ足に力を込めていた。
かなりのスピードが出ていたと思う。
「たったったっ...」
まだ足音が聞こえるのだ
そのまま彼らは全速力で自転車を漕いでいた。
暗い郊外の夜道を二人は自転車を漕いでいた。
何処までもこの暗闇が続くんじゃないかと思えた。
走り続けても走り続けても、どこにもたどり着け無いのではないかと思えた。
遠くにたった一つだけ小さな明かりが見えた。それは今味わった恐怖の終わりを意味しているように思えた。
小さな明かりはだんだんと大きくなり、彼らの自転車の周りをほんのりと、やさしく、そして力強く包んだ。
68 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/24(土) 13:46:02 ID:ECRecTCd0
暗い郊外の夜道を二人は自転車を漕いでいた。
何処までもこの暗闇が続くんじゃないかと思えた。
走り続けても走り続けても、どこにもたどり着け無いのではないかと思えた。
遠くにたった一つだけ小さな明かりが見えた。それは今味わった恐怖の終わりを意味しているように思えた。
小さな明かりはだんだんと大きくなり、彼らの自転車の周りをほんのりと、やさしく、そして力強く包んだ。
切れてしまった息を整えるため、二人はその明かりの中で自転車を止めた。
...知らない?...
「えっ?」
周りを見渡した
...のあたましらない?....
そこには、ジョギング姿をした男が、ボールのようなものを持って立っていた。
「俺の頭、知らない?」
男は彼らに問いかけていたのだった。
その声は、彼らの耳にそう聞こえた。いや、耳にではなくそれは目の中に
文字のように届いたと言ったほうが正しかったのかもしれない。
男の持っているボールだと思っていた物は、男の頭だった。
男は自分の頭を大事そうに抱えて、尋ねるのだ
「頭知らない?」
「ねぇ、あなたは全然わかってないのよ。全然よ。」と彼女は言った。
「ここは特別な場所なのよ、わたしたちにとっても、ここに訪れる人たちにとっても。
それなのに、ねぇ、信じられる?だってここは村上春樹的オカルト版なのよ?
ここは春樹的であることが求められてるのよ。それがここのあるべき姿なのよ。
私の言っていること、わかる?」
「たぶん、分かってると思う。あまり自信はないけど。
何しろ長い間ぼくはここから離れていたから。きっと空気も変わってしまったと思うし、
ぼくが来るべき場所でもなくなってしまったかもしれないと思う」
これだけいうのがやっとだった。そしてもう一度カーティーサークのグラスを傾けた。
今度は本当に咽が渇いていたからだ。だけど、グラスは空だった。本当に必要なものは
必要なときに与えられない。本田さんが言ったとうりだった。
仕方なくぼくはつづけた。
「だけど、誰かが続けないと駄目なんだ。ぼくや君じゃなくてもいい。
そうでないと、ぼくらが存在すべき場所がなくなってしまう。
ぼくはいいんだ。どうやっても生きていける。でも君は、、、
そろそろいっていいのかな?」
71 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/25(日) 00:19:20 ID:qEpd9tkK0
「あなたって本当にわかってないのね。あなたは必要なの。あなたは始まりであり終わりなの。
私たちが生きてる間に本当の絶望なんて味わえないのよ。本当のことを知ることができないように。」
彼女は相変わらず僕の背後に焦点を合わせ、いつもみせる諦めの色を灯しながらも僕に訴えかけていた。
おそらく、彼女が僕に対して(本当の意味で僕に対して)初めて語りかけた言葉だ。
72 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/25(日) 10:25:52 ID:jLPyQwI5O
バーボンハウスって春樹っぽくない?
>>71 「君はぼくのことを買いかぶってると思う。ぼくは普段汚いテニスシューズはいて
休みの日は無精髭生やしている、どこにでもいる中年だ。始まりとか終わりとか、、
そういう難しい事は考えた事はない」。
ここまで一気にいうとぼくはいつの間にか手元にあったミネラルウフォーターを
口にした。咽が乾いて仕方ない。
本当はレモンドロップが欲しかったけど、最後の一個はここに来る前に舐めてしまっていた。
そしてもう一度試みる。
「君がいう、あなたが必要なのっていうのは君にとってってこと?それとも
他の誰にとってってことなの?ぼくにはこれが重要に思える」
75 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/26(月) 03:13:49 ID:fxZVvQ7n0
>そういう難しい事は考えた事はない」。
「あなたは、いつもそうなのよ。過程ばかり重んじて、些細なことは切り捨てる。」
彼女は続けた
「ねえ。丸と括弧の順番逆よ」
76 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/26(月) 19:17:54 ID:Qc3DtVDw0
「問題はね、ここがあんたの為の場所だってことなんだよ。
わかるかい?
それを理解しなくちゃ駄目だよ。
でもここは、おいらの為の場所じゃ無いという事だけは今はっきりしたんだよ。
長く留まりすぎたんだ。ここは寒すぎるんだよ。
体のシンから冷えきってしまったんだ。
おいらには寒すぎたんだよ
ここには食べ物も無いしね。
だからおいらは行くよ。
ごめんよ。
もう二度とここには来ないからさ。
さよなら。」
77 :
本当にあった怖い名無し:2005/09/30(金) 20:54:21 ID:Wz4FbKjvO
あんなことができたらどんなにいいだろう。
あの頃僕は思っていた。できたらどんなにいいだろうかと。
あんな夢やこんな夢があの頃僕には数え切れないほどあったのだ。
相棒は僕の夢を一つ残らず叶えてくれた。一つ残らず、だ。
彼は素敵なポケットを持っていた。とてもとても素敵なポケットだ。
自由?あの頃の僕らに自由なんてものがあっただろうか?
だけど僕らは自由に空を飛びたかった。これは欲求であり、渇望であり、
藤子不二男的に表現したとしたら、夢だった。
相棒は僕に言った。 「これがタケコプターさ」
オーケー認めよう。僕は今なら断言できる。
僕は相棒を120パーセント愛していた。
78 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/01(土) 08:46:38 ID:qJAw0jPKO
「変なダルマね。青くて、恣意的な形をしていて……。それに足が付いているダルマなんて邪道よ。ねぇ、私の言ってることわかるかしら?私はダルマの定義を云々する気はないのよ。これは私の中の……」
僕が手を伸ばして彼女の言葉を遮ったせいで、さらに激しい空腹感が僕達二人を襲ってきた。空になったビールの空き缶がコトリと音をたてた。
彼女は生まれたての何かを包み込むようにふわりと呟いた。
「まるでオカルトだわ。」
……やれやれ。
でもそれは本当のことなんだと僕は言いたかった。それはメタファーでもなく
形而上学的な概念でもない、現実に存在し、手で触れることのできるリアルなものなのだ。
その証拠に、今、僕の目の前にはドアがある。
・・・ ・・・
僕はしようと思えばこちらの世界から、向こうの世界に移動することができる。
・・・
向こうの世界から僕を誘うように、水蒸気が流れ込んでいる。
そして誰かがそこで楽しそうに歌を歌っている。
・・・・・・・・・・・・・・・
誰かが僕のために歌っているのだ。
それはとても簡単なことなんだ。ただドアノブを回して、足を一歩踏み出せばいいんだ。
でも、果たしてそれが正しい行為であるかのか僕にはわからなかった。
僕自身でも上手く説明できないことを、どうして彼女に説明できるだろうか。
80 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/02(日) 00:31:02 ID:4u4wMsZG0
図にすればこういう感じだ
_━━━━━━_ _━━━━━━_
_━ ━_ _━ ━_
_━ ━_ _━ ━_
━ ○ ━ ━ ○ ━
 ̄━ ━ ̄  ̄━ ━ ̄
 ̄━ ━ ̄  ̄━ ━ ̄
 ̄━━━━━━ ̄  ̄━━━━━━ ̄
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81 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 13:54:38 ID:bx2JjB3yO
「ねぇ、村上春樹の新刊が出てるってどうして教えてくれなかったの?そんなの、あんまりじゃない。」
82 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 18:55:40 ID:oX+In5cs0
「村上春樹『東京奇譚集』の事かい?
言い忘れていたんだ。」
「嘘つき」と彼女は言った。
嘘つきじゃない。
だって、嘘はひとつしかついていないんだ。
83 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/03(月) 18:59:40 ID:oX+In5cs0
「村上春樹『東京奇譚集』の事?
言い忘れていたんだ。
本当に言い忘れていただけなんだ。」
「嘘つき!」 と彼女は言った
嘘つきなんかじゃない、だって嘘はひとつしかついていない。
?
目の前の現実が二つに分かれてしまったんだよ。
>>76 「やれやれ、もういなくなってしまった人に対して何を言っても無駄だろうけど、
やはり付き合いは長かったし、言わないと化けで出そうだから
少し聞いて欲しい。ねえ、ネズミ。
ぼくらのいた場所をそういう風に言わないで欲しい。寒かったのはぼくも感じていた。
でもそれはここの所為だろうか?もしかして君はどこへいっても寒さを感じるんじゃないだろうか?
いつかぼくが両親からもらったぬいぐるみを抱いて寝ていたって話をしたときに、君はムキに
なってぼくを馬鹿にしたね?もう遅すぎる?でも、遅すぎたとしてもぼくは謝る。ゴメン。
君のバックグランドについてぼくは知らなすぎた。ぼくはまだ未熟だったんだ。けど、きみと
出会ったことで、いろいろ知った。君のおかげだ。ありがとう。
ぼくはまた君とやり直したい。無理というのは分かってる。けど、予感がするんだ。」
ぼくはこれだけ言うとベッドにバタンと倒れた。苦しかった。無理をしたから。
シャワーで汗を流したかったけどそれすら無理だった。
何故、こんな疲れたんだろう?
オーケー、素直に言おう。
>>75の指摘が気になってしまったからだ。
87 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/09(日) 00:06:57 ID:6aYl3qKo0
僕は思わず笑ってしまった。おちのつけ方が上手かったからだと思う。
阪神買っちゃった
by村上ファンド
89 :
\男:2005/10/13(木) 18:57:15 ID:tFy/UVej0
やあ、とおいらは言った。・・・・・いや、言わなかったのかもしれない。
おいらは液晶板に手を載せた。液晶は氷のように冷ややかでありおいらの
手のぬくもりは白くくもった十本の指のあとをそこに残した。
彼女はやっと目覚めたようにおいらに微笑む。懐かしい微笑だった。
「なぜ来たの?」
「君が呼んだんだ。」
「呼んだ?」彼女は少し迷い、そしてはにかむように微笑んだ。
「そうね、そうかもしれない。呼んだのかもしれないわ。」
「ずいぶん長く会わなかったような気がするわ。」と彼女が言った。
おいらは考えるふりをして指を折ってみる。
「17日ってとこだよ。あっという間だったよ。」お互いにしばらく黙り込んだ。
「ここの事はよく考えてたよ。」とおいらは言った。そしておそろしく惨めな
気持ちになった。
「眠れない夜に?」
「そう、眠れない夜にね。」とおいらは繰り返す。
彼女はずっと微笑を絶やさなかった。
「でもあなたのせいで、1週間誰も来なくなったのよ。」と彼女は言った。
そして何度も首を振った。
「違う、違うんだよ。おいらは何一つ出来なかったんだよ。指一本動かせなかったんだ。」とおいらは言った。
「ここで人にできることはとても限られたことなのよ。」と彼女は言った。
「そうかもしれない、でも何一つ終わっちゃいない、いつまでも同じなんだよ、きっと。」
「寒くない?」と彼女が訊ねる。
「寒いさ、とても寒いよ。」とおいらは言った。
「あまり長くいないほうがいいわ。あなたにはまだ寒すぎる。」
「多分ね・・・、でもここが寒いのは誰のせいでも無い、おいらのせいなんじゃないかと思うんだ。皆そう思っているよ、きっと。」とおいらは答える。
そして細かく震える手でタバコを引っ張り出し、火をつけて煙を吸い込んだ。
前からずっとこのスレの住人さんたちに手紙を書こうとしていたんだけど、
実はみんなの本当の名前がどう呼んだらいいかわからなくて、それでついつい書きそびれていたのです。
(だって「本当にあった怖い名無し」さんって呼ぶのもあんまりだと思わない?)
でも今日はなんだかなかなか眠れなくって、それで重い腰をひょいって上げてこの文章を書いています。
そのうち眠くなるかもしれないので、この手紙が長くなるのかは私にもわかりません。
ひょっとしてすごい短い手紙になるかもしれないけど、だからと言って私のこと怒らないでね?
私怒られるとすぐわんわん泣いちゃうのよ。本当よ?その辺の子犬にだって負けないんだから。
まあ、それはそれとして。
ここのことについて書こうと思います。
何を突然と思うかもしれないけど、私だってそう思います。
でも5秒前に頭の中にふわっと思いついたのだからしょうがありません。
もしかしてこれが何かの鍵になるかもしれないし。そうでしょ?
ここには本当に色々な人が通ります。
私の部屋の窓の真正面にこの場所があるから、嫌でも見なければなりません。
でも、本当のことを言えば全然嫌じゃないのよね。
暇があるとずっとこの窓からこの場所を眺めて一日過ごしたりもします。
すると誰かがごぞごぞってやってきて、何をしているのかなと思っているうちに
ぷいってどこかに行っちゃうの。僕は何も知らないよ、みたいな顔してね。
でもよくよく見ると、ときどきその場所に何か奇妙なものが生まれているの。
一見普通に見える人の方が、その奇妙な物体を生み出すことが多いみたい。
それは暗渠のような影を引きずりながらも不器用に生きているなにかです。
それは何かのふりをしているようにも見えるし、
できそこないの模写のようにも見えます。
でもそれを眺めると、私は本当に楽しいのです。
大袈裟に聞こえるかもしれないけど、救われた気持ちになるのです。
こんな気持ちって変だと思いますか?
そして私も「その一部」になりたいと思うのです。
その一部になって、私が私自身から離れることで
逆に本当の私に近づくような気がするのです。
やっぱりとても変ですね?でもまあ、変でもいいかなって思います。
書きたいことはまだあるんだけど、ちょっと気の利かない睡魔がやってきてしまったので
私は素直に白旗を揚げることにします。でも力がでないので、旗はだらーって垂れたままです。
夢の中まで追いかけてこなければいいのだけれど。
それではおやすみなさい。
いい夢が見られるように祈ってね。
92 :
本当にあった怖い名無し:2005/10/18(火) 01:29:02 ID:2/xEyWZr0
僕は直子からの手紙をじっくりと、そして一語一句もらさぬよう、たてつづけに三回ほど読み
読み終わったところで、氷を入れた大き目のグラスにカティーサークを注ぎ、一口啜った。
一体僕に何ができるというのだろう・・・
僕は宙を仰ぎキズキに心の中で謝った。
「ねえ。僕は、ただ目の前で起こることをコツコツと処理しているにすぎないんだ。
でも、やれるだけやってみようと思うんだ。このスレッド好きだしね。
ただね、やはり君の代わりには成れそうも無い。
だって、僕は『暗渠』の読み方わからなかったから調べましたよオマイら頭いいな腹立つぞゴルァ!!」
93 :
本当にあった怖い名無し:
暗渠=あんきょ