死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?107

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209コピペ隊 1/1

240 :軍板より出張 :2005/05/20(金) 00:17:57 ID:DIdq0CvX0
お久しぶりです。暫く覗いていない間に、色々な話が出ていますね。
私もGWで実家に帰った際、少し興味深い話を聞いたので書き込ませて頂きたい
と思います。

私の友達で、東北の某地方都市にて不動産賃貸の営業をしている人が居ます。

「都市」といっても地方ですから、昔の風情が残る街です。そして、そういう街では
大体の場合、昔からの地主さんが大家をしています。彼が担当している某大家さ
んもそんな感じでした。

その大家さんは結構な大地主なのですが、田舎に於ける年配の方の中でも特に保守的
な方で、一度信用した相手には色々世話をしてくれる一方、新参者にはかなり警戒す
るような人です。

さて、ある日の事。その大家さんが持つ物件にお客さんを紹介した彼は、入居する
手続きの為、彼の家へ赴きました(賃貸借契約書へは、大家さんの署名・捺印も必要
なので)。

田舎の名士の家が多くの場合そうであるように、その大家さんの家も不必要に大き
いものでした。立派な日本家屋で、全てを廻ったわけではないので正確な部屋数は
把握できないものの、確実に10部屋以上はありそうな家。

彼が尋ねた時大家さん本人は留守でしたが、お婆さん(奥さん)が愛想良く出迎えて
くれました。「少ししたら主人が帰って来るから」という事で客間に通され、彼は1人
で待つことになりました。

『いつ見てもデカイ家だなー』と思いながらボンヤリ待っていた彼。と、不意に廊
下から音がしました。
210コピペ隊 2/5:2005/08/16(火) 21:03:27 ID:GBT2wMth0
すいません、名前の欄のページ数間違えました・・・orz

241 :軍板より出張 :2005/05/20(金) 00:18:33 ID:DIdq0CvX0
ペタペタペタ…素足で板の間を歩くような音です。『もしかして大家さんが帰って
来たのかな?』と思ったのですが、どうも様子がおかしい。足音はするのに、いつ
まで経っても部屋に入ってきません。と言うより、足音がずっと止みません。

『これは…おかしいぞ?』と思ったものの、彼が尋ねたのは真昼間です。まさか幽
霊が出るとも思えない。そう考えている間も、足音は続いています。
『家の誰かが、何かの作業をしているに違いない』彼はそう思うことにしました。

やがて大家さんが帰ってきました。署名捺印も無事に終え、その後は世間話に華が
咲き、エライ勢いでお菓子や飲み物が出されます。「こんなに食べれない」と言っ
ても「これは○○の銘菓で…」とか言って、高級菓子をどんどん出してくる。
普段話す人が居ないので彼を引き止めて置きたい、というのもあるかも知れません。

こうして飲み食いしていた彼は当然、自然の摂理が発動します。
「すいません、ちょっとお手洗いを…」
そう言って席を立ちました。長くて薄暗い廊下を歩いて行ってトイレで用を足し、
再び廊下へ。…と、突き当たりの暗がりに誰かが立っています。

『家の人かな?でも、この家って大家夫婦以外居なかったような…』と思って軽く
会釈をした彼は、相手の姿を見て驚きました。
赤地に白い柄の着物を着た女性…白い肌と黒い長髪、少しつり上がった目だが端正
な顔立ち。典型的な日本美人です。
しかし、彼が驚いたのは全く別のところでした。
211コピペ隊 3/5:2005/08/16(火) 21:06:33 ID:GBT2wMth0
242 :軍板より出張 :2005/05/20(金) 00:19:14 ID:DIdq0CvX0
『この人、何でこんなに首が長いんだろう?』
常人の2倍…とまではいかないものの、明らかに彼女の首は不自然でした。しかし、
それ以外でおかしい所はありません。
『こういう人も居るかも知れない。あまりジロジロ見たら失礼だ…』

会釈もそこそこに、彼は黙って客間へと戻りました。そして、大家さんにそれとな
く「いやー、綺麗な方ですねー。お孫さんですか?」とか言ったそうです。
大家「孫?」
友人「いえ、さっきトイレ行った時に廊下でお会いしたんですけど…やっぱり日本
人は着物ですよねー」
大家「……」

途端に黙り込む大家。『もしかして、言ってはいけない事を言ったのだろうか…?』
そう思って気まずくなった友人はアレコレと理由を付けて、早々に大家さん宅を辞し
ました。

やがて会社に戻った彼は契約の話もそこそこに、上司にこの話をしました。しかし、
上司は何も知らない様子で「今時、祭でもないのに着物着てるなんて珍しいよね。
いやー、日本の文化っていいよね。着物最高」程度の反応。

そして、最初こそ気になったものの彼もこの件に関しては徐々に忘れていきました。