1 :
本当にあった怖い名無し:
いろいろ語ってくれ
2 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/08(月) 17:11:27 ID:NcHI1IshO
2get
3 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/08(月) 17:12:16 ID:j8W1kf3rO
二?
3
5 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/08(月) 17:17:55 ID:0p/zQY70O
5ゎもらったぁ!
6 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/08(月) 17:22:15 ID:mPkpCh9hO
「紫の鏡」って言葉を20歳まで覚えてると
20歳で死ぬって小学生の時にみんな言っていたが
現在27歳で覚えてるけど、まだ生きてるよ。
テクマクマヤコンテクマクマヤコン
み ん な 死 ん で し ま え
鏡の中とか鏡の世界とかさかんにいってますが、鏡に「中の世界」なんてありませんよ・・・
9 :
忘れ名の鏡:2005/08/09(火) 14:04:36 ID:XXi+lK8Y0
Y菜はそれが夢だと気付いていた。ああ、またあの夢だ、いつ見た夢だろう。部屋の中。
天井にY菜と他の5人が立って輪になっていた。一人が手にしたマネキンの頭は天井
から床に投げ付けられ、跳ね返った頭はふたたび天井に落ちてきて、もう一人の手の中へ。
マネキンの頭を手にしたもう一人はさらに頭を床に投げ付け落ちてきた頭を別の一人が拾う。
それの繰り返しだった。
仲良し5人組のK子、A、R美、N子、Tは呪われているという噂の絶えない
M神社に肝試しに行くことを決めていた。その神社に祀られている鏡は倉の中に
あって、その倉の周りには鎖がぐるぐる巻かれてあって、さらには南京錠で
堅く錠が施されていた。不気味なことこの上ないオブジェであることは間違いない。
Tが精神病院の看護婦である姉から聞かされた、あの鏡に触れたことで患者になった
人物の話は5人を大いに盛り上げた。
5人はその倉の中を覗いて帰るという肝試しのコースを選択していた。
R美は倉の鍵を壊して鏡を盗み出そうという提案をしたが、すぐに却下された。
タタリより警察が恐かったからだ。言い出したR美も提案が採用されれば困ったに違いない。
その晩、辺りは肝試しの雰囲気を台無しにするぐらい明るい月夜だった。
用意していた懐中電灯もいらなくなった。
長い階段をのぼり神社の倉にたどりついた5人は顔を見合わせた
いつもはぐるぐるに巻かれてある鎖も堅く閉ざされた錠も今日は見当たらない。
予定はすぐさま変更となり、中の鏡を触ってみようということになった。
倉に入った5人は中の広さに少し驚きながら、月明かりを背に、横長の、
楕円の大きな鏡を覗き込んだ。
10 :
忘れ名の鏡2:2005/08/09(火) 14:07:58 ID:XXi+lK8Y0
みんな、愕然としていた。思いはそれぞれだったが口にするのは皆一様に
「なんで?」
という言葉だけだった。
覗き込んだ鏡には皆の顔が映った。ただ唯一の違和感は、鏡に「ともだち」が
6人映っていたということだ。しかも不思議なことに知らない顔は一つもない。
ここにいないもう一つの顔は今、この鏡を見るまで誰一人思い出せなかった顔。
「Y菜!?」K子は思わず叫んでしまった。みんな忘れていた、6人みんな仲良し
だったはず、いや、忘れていただけじゃなく・・・Y菜は何で、いつ「いなくなった」んだろう。
鏡の中にしかいないY菜は何かを言いたそうにこちらを見つめていた。
翌日の朝Aは自殺した。
Aの葬儀が終わりN子はなかば強引に3人を連れY菜の家を訪ねた。
N子はY菜のことをどうしても確認しておきたかったのだ。
Y菜の家を訪ねた帰路、4人は某ファミリーレストランに集まっていた。
欲しくもない飲み物を並べ、一言も話すことなくただ座っているだけの4人は周囲から異様に映ったかも知れない。
K子は考えていた。「なぜAは自殺を・・・。」Y菜のことをみんな忘れていたということ。
そしてそのY菜はどこにもいないということ。
Y菜の家を訪ねればY菜の母であるはずの人物はこう言った
「お宅を間違ってるわ。うちに娘はいませんよ」
どれもショックなことばかりだけど
それでもAが自殺する理由としては不十分過ぎる。
11 :
忘れ名の鏡3:2005/08/09(火) 14:09:09 ID:XXi+lK8Y0
そこでK子は仮説を立ててみた。
もしAが、他の4人が見たY菜とは別の「何か」を鏡の中に
見ていたとしたら?例えばAがY菜のように「消えてしまうことを」
鏡に「告げられていた」としたら・・・
K子は考えた。
私ならY菜のように「消えて」しまって誰からも忘れ去られ、
さらには「生まれてすらこなかったこと」にされるよりは
自ら死を選ぶのではないか?
K子はそこまで考えると足下がおぼつかなくなるくらい恐くなった。
急に青ざめ口元を押さえるK子を心配してR美が声をかけようとしたその時
K子はカバンを引っくり返し、一つのノートを取り出した。
「みんな、これに名前とメッセージを書いて」
最初は事情がつかめず言われるまま書くだけだった3人も他愛無ない
メッセージを書いていくにつれ徐々にテンションが上がっていった。
開いたノートはすぐにメッセージでいっぱいになった。
4人で書いたノートを見てK子は安心して言った
「うん、よし、私も含めて3人ちゃんといる」
12 :
忘れ名の鏡4:2005/08/09(火) 14:10:33 ID:XXi+lK8Y0
K子の仮説は正しかった。
Aは自分が消えて忘れ去られるよりも、死んでみんなに覚えていてもらう
ことを選んだ。Aは自身が「消える」ことを鏡に告げられ「消える」ことを
知ったが、R美は知らなかった
自分が消えてしまうことを・・・。
K子は事態を楽観視していた。
そうすることでしか心の平静を保てなかった。
自分が立てた仮説が間違いじゃなければならない
という強迫観念すらあった。だがN子には薄々分っていた。
あやふやながらK子がどのような考えに至り、ノートを提示したか。
N子はTとK子に提案した。
もう一度鏡をのぞきに行こうと・・
K子は渋った。
内心、鏡によってY菜を思い出したことすら後悔していたのかも知れない。
結局はN子の強情さに根負けしたK子はしぶしぶ提案を受け入れ、
3人は鏡をのぞきに行くことになった。
日は「あの時」と同じようにとっくに暮れていた。
ただ、「あの時」と違うのは曇り空の中に月を探すことが出来なかったことだ。
13 :
忘れ名の鏡5:2005/08/09(火) 14:12:37 ID:XXi+lK8Y0
鏡は何の変哲もないただの鏡だった。
冷たい硬質の板は3人の顔を映しただけ、ただそれだけだった。
なぜ、あの時と同じようにY菜が、もしくは、考えたくもないが
Y菜以外の誰かが映らないのか。
K子は不安もありながら実は期待もしていた。Aが鏡の中に何を見たのか。
Aだけしか見なかった鏡の中の「何か」に生き残るヒントがあるかもしれない。
そう考えたからだ。
K子は携帯電話の音に起こされた。N子からだった。
N子は「今から行くから」とだけ告げると返事も聞かず電話を切ってしまった。
相変わらずぶっきらぼうな女だ。少しだけ不機嫌にもなったが、すぐに今日しな
ければならないことを思い出した。時計は1時を回っていた。昨晩K子は眠れず
かといってすることもなくベッドと机を行き来していた。いつ寝たのかは
覚えていない。髪を整えるひまもなくN子にせかされるまま3人はM神社に向かった。
14 :
忘れ名の鏡6:2005/08/09(火) 14:15:12 ID:XXi+lK8Y0
町の歴史をレポートにしたいので話を聞かせてくれという3人の申し入れを神主は快諾した。
メモを取る振りをしながら、今のK子たちにちにとってはおよそどうでもいい町の話が
ひと段落付いたところでK子はさり気なく本殿のそばにある倉のことを切り出した。
「先の大戦で戦禍にあっても、あの倉だけは焼けずに無傷でのこっていたんだ、中の鏡もね」
「あの鏡について何か・・」K子がそこまで言いかけてN子が口を挟んだ。
「あの鏡はなんなんですか?どうしてあの倉に?」
あまりの剣幕に神主は驚いた様子だったがすぐに答えた。
「あの鏡・・わすれなの鏡はいつからあの倉にあるのか・・とにかく災いを告げる町の
守護神様だと先代からは聞いている。月夜の晩にだけ鏡に神様が宿り、お告げをもたらし、
災難や疫病を薙いでいってくれるそうだ。詳しいことはよく分からないんだ。
なにしろ先代もいい加減な人でね、あの鏡の名前がわすれなの鏡ということもホントかどうか
・・町のみんなも昔から御鏡(みかがみ)様としか呼ばないからね、
レポートに嘘はかけないだろう?」
あの鏡が本当は何なのか、神主は分っていない。
ただ、いい加減だったという先代が残した「わすれなの鏡」という名称は
多分正しい。それは多分「忘れ名の鏡」だと思うから。
それより何より、重要なことは、鏡に「消えた」人間が映るのは月夜の晩だけ
だと考えられる、ということだ。
神主に会った収穫はあった。
15 :
忘れ名の鏡6:2005/08/09(火) 14:15:53 ID:XXi+lK8Y0
月明かりの晩は昨日もこなかった。K子とN子はイライラしていた。
今日の天気予報は雨。N子は提案した。もう一度鏡をのぞきに行こうと。
「意味のないことはしたくない」K子は噛み付いた。Tはにらみ合うK子とN子
をおどおどとなだめるしか出来なかった。
天気予報は誤りだった。雲は時々途切れ、その時々に空をのぞかせていた。
N子は神社の階段を登り終えると倉の前に立った。K子とTは来なかった。
当たりは薄暗く、広い境内の林には闇が広がり空気は重く沈んでいた。
「今日が肝試しの日だと良かったのに」自嘲ぎみに笑うと木造りの柵を開いた。
何も見えない。用意した懐中電灯を倉の奥へ照らした。鏡は懐中電灯の明かりを
N子に返した。意味がないと言ったK子は正しかったのかもしれない。K子は頭がいいし
いつも正しかった。いつも向こう見ずな自分を叱っていた。
何十分自分の顔を見続けただろう。ひょっとすると一時間ぐらいかも。
雲の穴から月が顔を出した。あの時よりも大きな満月だった。薄暗い境内は一瞬で
青く照らされ、倉の中まで青く明るい月明かりが漏れてきた。向けていた懐中電灯を
消したとたん自分の姿が鏡から消え、Y菜、R美が映った。Y菜に続きR美が消えていたのか
今さらながらに驚いたが不可解なことがある。何故自分の姿が映らないのか。
結論は一つ。「次」は自分だからだ。カラカラに渇いたのどの奥から吐き気が襲った。
「ん?これはなんだろう?」鏡が映しているのはY菜とR美だが、
鏡が映している場所が倉ではなく部屋だ。この部屋は見たことがある。
時間がかかったが、N子はどこで見た部屋なのかを思い出した。「夢の中だ!!」
この部屋が何を意味するのか分らない・・でもK子ならこの意味を理解するかもしれない。
私はAのように死を選ぶわけにはいかない。何としても鏡に映ったこの部屋のことを
K子に伝えなくては・・鏡に映る部屋とR美とY菜は月とともに雲の中へと隠れていった。
16 :
忘れ名の鏡8:2005/08/09(火) 14:17:15 ID:XXi+lK8Y0
晴れた満月の夜K子とTは「あるはずのない昨日」N子が暗闇の中に立っていた昨日
と同じ場所に立っていた。倉を開き月明かりを背に鏡を覗き込んだ。倉の中のK子が写り
Y菜、R美、そしてN子が映った。「あああ・・・」Tがすっとんきょうな声を上げた。
「どうしたの?」K子が尋ねる間もなくTは「私がいない」と言った。
「あぁああ・・・どうしよう・・次は私だ」Tは泣きじゃくりK子にしがみついた。
「あんたが映っていないことの他は?他に変わったことは?」
もはやTには何も聞こえていなかった。Tは鏡が倉を映しているのではなくあの部屋を
映していることも気付いていなかった。ただ泣き崩れるだけだった。
しかし、K子は気付いた。鏡の面に何か書いてある。油性マジックで書かれた文字は乱れ
ていたが見覚えがあった。N子の字だ。
「天井と床が逆さまの部屋」K子はN子が残した文字を読み取った。
Tの姉はこんなTを見たのは初めてだった
Tはいままで、姉に一度断わられた頼みをしつこくせがんだことはなかった。
何か余程のことがあるに違いない。姉は何も聞かずに「患者」に会わせる
ことを了承した。「いい?よく聞いて。あんたのお姉ちゃんにその鏡に関わった
患者のことを聞いてきて。できれば会わせて欲しい、そう頼み込んで。
そこにあんたと私が助かるヒントがあるかもしれない」
正気じゃない自分をなめながらそう言ったK子のことをTは信じていた。
17 :
忘れ名の鏡9:2005/08/09(火) 14:18:33 ID:XXi+lK8Y0
)「患者」は性格が大人しく、患者と言うにはあまりに礼儀正しい。
看護婦であるTの姉を困らせたことは一度もなかった。身寄りがなく面会に
来る人物もいない。妹たちを会わせることぐらい別にかまわないだろう。
患者は名をとしあきという。
妹たちが彼に何を聞きたいのか、彼がこの病院に来た当初、M神社の鏡に祟られている
とわめき散らしていたころ、姉はこの病院ににはいなかった。先輩の看護婦に聞いた
怪談めいたうわさ話を妹のTに話したことはあった。そのことと何か関係があるのか。
漠然とそんなことを考えているうちに姉の運転する車は病院に到着した。
小さな穴が無数にあいたガラス越しにとしあきはいた。
ちょこんと座り表情もなくK子、T、看護婦を見回した。
「どうしたんですか?今日は非番でしょう?
それにこの子たちは・・?」看護婦が答えようとするのを遮って
K子は話した「倉の鏡について聞きたいの!」としあきは数回まばたきを
させてこの子が何を言っているのか、頭の中で考えを巡らせていた。
18 :
忘れ名の鏡10:2005/08/09(火) 14:20:04 ID:XXi+lK8Y0
)「ああ、そうか。あの鏡に関わってしまったのか。そうだな?」
としあきは口を開いた。K子は何も答えずとしあきを見ていた。
「なんで人が消えるか?それはこの世界に嘘をついたからだ」
「何のこと?」
「たとえばおならで空を飛ぶ人が居ると言ったらそれは嘘?本当?」
K子はバカにしているのかと怒鳴りたくなったがそれを押さえて答えた。
「それは嘘」
「そう、それは嘘だ。では本当のこととは?時間が1時の次に2時になる、次は3時になる。
ボールが重力によって上から下に落ちる。これらは全部本当のことだ。」
「ボールが上から下に落ちる」この言葉にK子は何かを思い出しかけていた。
「あり得ない嘘を実現したら神様はその嘘をどうすると思う?・・その嘘を消してしまうのさ」
何かを言いかけたK子を制止してとしあきは言った。
「まあ最後まで聞きなさい。私の話をしよう。
私には恋人がいた。ある日、待ち合わせをして待っていた彼女を酒酔い運転の
ダンプカーが襲った。即死だったよ。そこで私は思った。あの日もっと早く家を出て
彼女を迎えに行けばこんなことにはならなかった。だからわたしは自分が思った通り彼女を
時間より早く迎えに行った。」
K子は口を挟んだ「ちょっとまって、彼女は死んだんじゃないの?」
としあきは答えた「早く迎えに行ったから死ななかったんだよ」
19 :
忘れ名の鏡11:2005/08/09(火) 14:21:32 ID:XXi+lK8Y0
K子にはそろそろ訳が分からなくなってきた。鏡のことを聞きたいのに・・
としあきは続けた「さて、これは嘘だ。ハッキリ言ってあり得ない。ところがその嘘
を私は実現してしまったんだ。当時のわたしはそれが嘘だとは気付かなかった。
なにしろ彼女は生きていたんだから。彼女が死んだことの方が夢だと思っていたくらいだ」
K子はN子が書き残した「天井と床が逆さまの部屋」のことを思い出していた。
「これが私がこの世界についた嘘だった。その嘘に関わった彼女は神様に消された。
君たちもこういうあり得ない「嘘」に関わったはずだ・・心当たりはないか?」
あれはまだ中学一年の頃だった。Y菜はその日遠くへ引っ越すことが決まっていた。
学区が異なり転校を余儀なくされたY菜をただ見送るのが嫌だった。どうしても引き止めたかった。
Y菜を駅に見送るため集まった5人の中ただ一人別れの挨拶を拒んだK子は、かわりに突拍子もない
嘘をついた「天井と床が逆さまの部屋がある!今から見に行こう」Y菜も他のみんなも笑った。
もう半分意地になっていたK子は皆に信じてもらうために必死になっていた。まるで自分自身をも
だましてしまうかのように。多分誰も信じていなかったかもしれない。なぜY菜もみんなもついて
来てくれることになったのかは覚えていない。Y菜は親の目を盗み駅から抜け出した。
20 :
忘れ名の鏡12:2005/08/09(火) 14:22:35 ID:XXi+lK8Y0
駅近くの廃屋にみんなたどり着いた。中に踏み入るとK子は何故か部屋の壁を歩ける気がしていた
そう嘘をついていたからだ。壁を足の裏で踏みつけもう一つの足をさらに上の方へ踏み出した。
K子は壁を歩いていた。天井に立ったK子は「ね?本当だったでしょ?」と言い他の5人を誘った。
「うわ、変なの」皆K子に続き天井に立った。これもK子がついた突拍子のない嘘の一つだった
「ホントだマネキンの頭がある」マネキンの頭は天井に落ちていた。しかしY菜が頭を一旦持ち上
げると床の方へ落ちる力を示し始めた。おそるおそる床へ放り出すと頭は重力に従い
床へ落ちて行った。頭はゴムマリのように弾力があり再び天井へと跳ね返って来たが重力に従い再び床に
落ちようとしていた。戻って来たマネキン頭に近かったAがあわてて拾った。「へ〜面白い。」Aは頭を
もう一度床へと放り、跳ね返って来た頭はR美の手の中へ、R美が放った頭はN子の手へ、N子が放った頭は
Tの手へ、TからK子へ・・これの繰り返しをして遊んだ。Y菜はこのへんてこな部屋で遊ぶのも
楽しかったが、行かせたくないというK子とみんなの気持ちが嬉しかった。
K子はそれを夢だと思っていた。他の皆もそう思っていたに違いない。
黙って聞いていたとしあきは口を開いた「それが君たちが触れた嘘だったんだろう。この世界はバランス
で成り立っている。高気圧から低気圧へ風が流れるようにね。神様はこの世界の嘘を許さない。」
K子は問い返した「嘘を許さないと言うなら人が消えることの方が嘘じゃない!!」
としあきはうつむき加減の姿勢で少しだけ笑った「嘘を嘘でなくするには嘘を使うしかない」
「よく言うだろ?嘘の嘘は本当ってね」
21 :
忘れ名の鏡13:2005/08/09(火) 14:25:00 ID:XXi+lK8Y0
としあきが言ったこと、鏡のこと、みんな消えたこと。
全部現実なのか?それとも全部が嘘なのか?
K子とTは嘘の始まりであるこの「天井と床が逆さまの部屋」を焼き払うことを決め
駅近くにある廃屋にガソリンをまいていた。こんなことをして意味があるのか?
何一つ確信を持てないまま仮説だけに従って行動して来たK子とTの精神状態はもはや限界だった。
この部屋の天井を今歩けるかどうかは定かではないし重要でもない。重要なのは皆で天井を歩いた
ことを早く忘れてしまうことだ。これがK子とTが出した答えだった。神様とやらがこの部屋の「嘘」
を「嘘」にするために私たちを消す前に、私たちがこの部屋を嘘にしてしまうんだ。マッチは、火を
吹き出しガソリンで浸された「天井と床が逆さまの部屋」へと投げ込まれた。
二人は燃え盛る炎を見つめながらつぶやき続けた。
「私は何も覚えていない。この廃屋は焼かれていない。ここには初めから何もなかったんだ」
Tは「天井と床が逆さまの部屋」に
ガソリンの匂い以外のものを感じていた。
視線である。Tは、恐る恐るガソリンをまく
K子の肩越し、上方に目を向けた。
Tは全身の血が引いていくのを感じた。
皆でこの部屋に足を踏み入れたときより
6年の経過があるにもかかわらず
あの時と同じ場所に、同じ状態でそれはあった。
マネキンの頭はTを見ていた。
ガソリンをまき終え、部屋を後にしても
マネキンの頭はTを見ていた。
部屋を焼き払った後もTを見ていた。
少なくともTはそう感じていた。
22 :
忘れ名の鏡14:2005/08/09(火) 14:25:51 ID:XXi+lK8Y0
K子は下校時間になっても一人でぽつんと机に座っていた。夕日が差し込む
窓辺から部活生たちの快活な声が聞こえる。グラウンドに目を落としながらK子はつぶやいた。
「部活をやれば友達が一人ぐらいはできたかもしれない」
K子は一人とぼとぼと家路についた
━━━━終わり━━━━
卑弥呼が魏の国からもらった鏡って、青銅板の表面を平らに磨いたものだよね
ちゃんと鏡にするには、めちゃくちゃ研かないといけなかったんだろうな
24 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/12(金) 17:33:52 ID:uky/p8KP0
学校の階段の踊り場にある鏡は危ないらしいけど…
うちの学校には無かった・・・
25 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/12(金) 17:45:21 ID:/S4ArXCe0
お婆ちゃんの部屋にカバーをかけてある姿見があるんだけど、夜寝てるときカバーの下の隙間から
足が映ってた。私とお婆ちゃんしかいなかったのに絶対誰か立ってた。
26 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/12(金) 23:44:34 ID:5PiAn0g4O
あのね、元素とか逆になったら大変なのね。
だから鏡の中の世界はないの。
27 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/12(金) 23:46:07 ID:5PiAn0g4O
>>9-22を全員が読んでない件についてw
最初の1行だけ読んだ。
28 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/13(土) 00:00:13 ID:EvTXUL1uO
読んだ
むしろ詠んだ
映画化ケテーイ(´ー`)
全部読んだけど、まぁまぁだったかな。
表現はもう一工夫頑張れ。
>>9-22 これオリジナル?
いいね、けっこうゾクッときた。
表現をもうちょっとわかりやすくすれば名作になるかも。
32 :
亜佐:2005/08/13(土) 01:37:39 ID:rzAhkiy80
新井素子の小説に鏡の中の世界に入っちゃうはなしがあったなぁ
ニトクリスの鏡
34 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/17(水) 14:45:36 ID:CaPe8l5tO
>>6 それって昔(?)からあるんですねw
俺も小学校の時に聞きましたよ〜
さて、あと3ヶ月で二十歳wもうすぐ死ぬなw
我が生涯に、一片の悔いなし!!
アマヒカミキヨラカカミニワレヲナルカシ
タマツルキヒトリスミラヨカケルモナク
>>9-22 どこかからコピペしてきたんでしょうか?
(文頭の括弧が消えてない部分があるところから推察)
どこかURL教えてもらえませんか?
38 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/22(月) 21:40:35 ID:+67csl7HO
そういや深夜にカミソリを口にくわえて鏡を覗くと
死ぬとか未来の自分が見えるとかあったな
39 :
本当にあった怖い名無し:2005/08/22(月) 21:48:54 ID:7pCJ3X52O
三面鏡で顔を挟むようにしてみて一番おくの顔が自分の死顔ってのを聞いた事がある
>>38 自分の小学校では「結婚相手が見える」だった。
>>39 42番目ってのも聞いたことがあるYP!
41 :
本当にあった怖い名無し: