メリーの所に招待状が届いた。
「アホのメリーへ。
法隆寺ができました。ざまーみろ。
おみやげを持って来い。
いいおみやげを持って来い。
聖徳太子」
(メリー、太子の家へ向かう途中で
その辺の石と草を拾って袋に入れる)
「私、メリー。今、あなたの家の前にいるの」
「さあ、とにかく入って入って。
できたてホヤホヤの法隆寺だぞ。
ちょっと変なにおいがするけど、入って入って。
あ、待った。おみやげは持ってきただろうな」
「私、メリー。やっぱ、いります?」
「いりまくるよ。(太子、袋を開けながら)
こちとらこれだけが楽しみで…
…………………………!
お前…」
(聖徳太子、メリーを法隆寺の中に案内する)
「私、メリー。今、あなたの後ろに…」
「メリー、お茶入れて。台所あるから」
「私、メリー、お客よ」
「ほざきやがれ!私は摂政だぞ」
「私、メリー。今台所にいるの。
カメムシみたいな臭いがしたわ。
床はギシギシいうし…大丈夫かしら、この法隆寺」
(メリー、おフロと書いてある扉を見つける)
「私、メリー。今、お風呂にいるの。
なんで、台所とかフロがあるの、法隆寺に」
(メリー、扉を開ける。
中にいたフィッシュ竹中さんから
『リカちゃん…』と、言われる)
「私、メリー。名前を間違えられたわ」
「ごめん、私が間違えて教えちゃったんだ。
後で訂正しとくよ!ムクとかそんなんでいいだろ」
「私、メリー。いいわけないだろ!
私、もう帰ります」
「泊まっていきんしゃい。ちゃんと布団もあるぞ。
変な臭いがするけど」
「私、メリー。何で何もかも変な臭いがするのよ。
泊まりませんよ」
「なんだよ。枕投げを楽しみにしていたんだぞ。
ねー、たのむよ。一生のお願い」
(メリー、枕をとって軽く太子に一回投げて
そのまま玄関から出ようとする。
聖徳太子、『待アてええええ────!!』
と言いながら飛んでくる)
「もっと本気でガンガンこんかい!」
(メリー、袋から石を出して太子の顔面に当てる。
太子、キレてメリーに湯飲みを投げつけるが、
メリーがよけて湯飲みの破片が太子に刺さる)
「もう…ゆるさん。マジでゆるさんメリー…
生きて帰さん……」
「私、メリー。今のは太子の自業自得よ」
「だまれ!私の辞書には自業自得という言葉はないんだ!
くらいやがれ!超必殺飛鳥文化アタック!」
「私、メリー。こんな狭い室内で暴れないで」
(太子、体育座りの状態で回転しながら飛んでくる。
しかし、メリーがよけて壁に直撃する)
「あっやばい!今の衝撃で法隆寺がくずれそうだ!
実はこの法隆寺急いでてきとーに造ったから
柱とかけっこうゆるゆるなんだよ。
チクショー!こんなことならメリーなんかに
伝説の大技使わなきゃよかった」
「私、メリー。伝説の技だったの、今のが!?
えっと…飛鳥時代アタック?」
「飛鳥文化アタック!」
「私、メリー。どっちでもいーわ!
それより太子、速く外へ逃げ…」
(法隆寺、完全に崩壊する)