【犬・猫】何故か動物に好かれる人 3人目【その他】

このエントリーをはてなブックマークに追加
146本当にあった怖い名無し
ぬこは一生に一度だけ人語を話すという。
大概とても重要で意味深なことを言うらしい。
昔話では浄瑠璃を語ったとか、事故を予言したとか…。

ある日家族でオムライスを囲んでいた。
「ケチャップ足りない。ちょっとケチャップとってー」
「ねえねえ、くり(ぬこ)、ケチャップ貰ってきて。」
くりはじっと聴いていたがおもむろに立ち上がり台所に行くと
「けにゃっぷ!!」と鳴いた。
家族全員びっくりしたが、しかしこれが一生に一度だけ話す人語かと思うと何だかとても悲しかった。
147本当にあった怖い名無し:2005/07/17(日) 12:38:26 ID:q/XU+L4b0
くり(ぬこ)にとっては一生に一度だけのとても重要な事柄だったんだろう
148本当にあった怖い名無し:2005/07/17(日) 12:58:43 ID:AbNSMfaW0
「ケチャップ足りない。ちょっとケチャップとってー」
あっ、ご主人さまが、なにかを欲しがってるにゃ!
にゃんだか、足りないものがあるみたいにゃ?
食事中に、どうしても必要なものらしいにゃ

「ねえねえ、くり、ケチャップ貰ってきて。」
急いだほうが、いいのかにゃ?
でも、ここで、このちからを使ってしまうと、
もう2度とにんげんのことばは話せないにゃ・・・

ええぃ、迷ってるひまはないにゃ
きっと、急がないと大変なことになるに違いないにゃ!

逡巡は一瞬のことだった。
くりは、のどの奥に神経を集中し、渾身の力を込めて鳴いた。
「けにゃっぷ!!」

こうして、くりは、一生に一度だけ
人語を語る能力を費やしてしまったのだった。