【解説】
男に振られて絶望した女は睡眠薬で自殺を図った。
女は当て付けに死にいく様を伝えようと男に電話をする。
電話を受けた男は動揺した。
まさかそこまで思いつめているとは思わなかったのだ。
「ごめん、別れるなんていったけど、本当は今でも愛してる…」
男が言ったのは本心か、それとも自殺を止めるための嘘だったのか。
いずれにしろ思考力の弱りつつある女に後悔させるには十分な言葉だった。
ふと顔を上げれば、そこには以前男から贈られたバラが生けてある。
死にたくない一心で女は手を伸ばし、茎をぎゅっ、ぎゅっ、と握り締める。
それでも目が覚めないと思った女は続いてバラを顔に押し付け…
その後、結局睡眠薬の多量摂取で死んだ女の死体は
無残にも顔も腕もバラの棘による刺し傷だらけで発見された。