群馬県の田舎の方である一家が心中したそうです。(仮に鈴木さんとします)
それから数ヵ月後、その家が壊されることになりました。その時、東京の大学の「オカルト研究会」
みたいなサークルに所属する学生が壊される前にその家を見物しに行こう、ということになりました。男2人女2人の4人で。
行ってみるとその家は壊されかけでした。いろいろなモノが散乱しています。ビデオを撮りながら「鈴木さん、お邪魔しまーす」。
「ここは台所ですね」。「トイレ借りていいですか」・・・ふざけてる内に片方の女の子が怖くなってしまったので帰る事にしました。
「お邪魔しました〜」。ここでビデオも撮るのをやめ、車に乗り込みました。
帰りの車の中でもう一人の女の子が「この指輪拾ってきちゃった。記念に部室に置いとこーよ!」
後日。
男のアパートでビデオを見ることにしました。
「お邪魔しまーす」「お待ちしてました〜」・・・・・聞こえないはずの声が聞こえ4人は互いを見つめあいました。
「ここは台所ですね」「はい」・・・・「トイレ借りていいですか」「どうぞ」・・・
「お邪魔しました〜」・・・・・・「行かないで!!!!!!!」
沈黙してしまった4人。その時、全員の携帯が一斉に鳴り出した!
一瞬パニックになりましたが落ち着きを取り戻し全員電話に出てみました。
男2人の携帯はいずれも無言電話。怖がりの女の子も無言電話。指輪を拾った子の携帯からは
「あの・・・鈴木ですけど・・・」
「指輪返して・・・・・」
と、あたりに人の気配が。
女の子は咄嗟にアパートを飛び出すと裏手にある断崖まで逃げていきました。
それでも携帯からは「指輪返して・・・・・」人の気配も消えません。指輪を取り返しにきたようです。
あまりの事にパニックになった女の子は咄嗟に指輪をはめてしまいました。
すると女の子の姿が消えたのです!
しかし、どうやったのか、姿の見えないはずの女の子の指に、鈴木さんは噛み付きました。
姿の見えない二人の乱闘が続きました。
「痛ッ・・・」
女の子の指が噛み千切られます。が、次の瞬間、勢いあまって鈴木さんはそのまま崖の下へ・・・
女の子はその後、サークルのメンバーから9本指の英雄として末永く称えられたそうです。