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長文スマソ
ある日、郵便受けを確認すると一本のビデオテープが入っていた。
とりあえずビデオをひっくり返して確認してみたが、ラベルのような物はどこにも見あたらない。
ブラクラの踏みすぎでスナッフビデオを見ながらでも焼き肉を食べられるほど成長していた俺は、
迷うことなくビデオをデッキにセットした。エロいビデオだといいなという期待があったことは秘密だ。
『コノビデオヲミタモノハ、モウジャニクワレル』
暗色のバックに、白い血文字のような字体のテロップが流れた。
無論、この程度の釣りで動じるような俺じゃない。その手のネタにはもう飽き飽きだ。
しばらくすると、今度は幾何学的な模様がCGによって描かれているシーンになった。つまらん。
とりあえず俺は、脇に用意したティッシュとナニを弄びながら、
使えそうなシーンを目指してビデオを早送りすることにした。
気まぐれに外を見ると分厚い雲の層が空を覆い、にわかに雨が降り始めてきたところだった。
3分ほど経過しただろうか、突然早送りが解除された。
画面には古ぼけた井戸のような物が映り、俺はついにきたかと自身の竿を強く握りしめた。
何が映し出されるのか。
期待する俺の胸の高鳴りに呼応するように外では雷が響き渡る。
何故早送りが解除されたか?そんな疑問が一瞬頭をよぎったが、
そんなことはきとう(←何故か変換でkry)の知ったことじゃない。
目を皿のようにして画面を凝視していると、映像に変化が現れた。
井戸から何かが・・・そう、白い人間の手のような物が伸びてきたのだ。
続いて長い髪をべったりと顔に貼り付けた女の頭部が、その次に白い着物を着た女の肩が現れた。
勿論俺は大興奮だ。所謂、水も滴るいい女を目にしているのだから当然の反応だとも言える。
222 :
2/3:2005/06/19(日) 02:25:21 ID:hVdS8fHE0
やがて全身が井戸の外に出た「それ」は両手で這うようにしてこちらへ向かってきた。
「このアングル・・・監督もよくわかってるぜ・・・」
這わせることによって、重力にしたがって垂れた服の胸元から女性の胸元が覗く。
さらに、だんだんとカメラに近寄ってくることによって徐々にその隙間がはっきり見えてくる。
まさに欲望一直線。なんてこった、こいつはとんだ当たりじゃないか。
ナニを擦り上げる手にも思わず力が入る。
「ハァ・・・!ハァ・・・!」
徐々に徐々に近づいてくるそれに対して、俺も最後のスパートをかけた。
それはもう画面の至近距離。否、まるで画面から抜け出しているかのように間近に感じられる。
手を伸ばせばその双丘に届きそうな気さえする。かつてここまでの臨場感に浸れたビデオがあっただろうか。
「う・・・くっ、もう・・・!ダメだぁ!!」
息づかいすら聞こえるようなリアリティーに、ティッシュを引き抜く暇すらなく、
俺は熱い青春汁を放出した。
その時だった。
まるで俺のその声に反応するかのように、それは「え?」などと呟きながら初めて顔を上げ・・・
ぺちょ
スポンジケーキに、生クリームがデコレーションされた。(曲解表現)
「うぇ?え、苦っ、何これ?ちょっと、アレ?いや、そんな、あれ?」
「は?なに?オマ、アレ?ビデオだろ?なんで?」
それはかかったナニに、俺はナニがかかったことにテンパっていると、
テープの再生が終了されたのだろう。ガチャッと音を立ててビデオがデッキから排出された。
223 :
3/3:2005/06/19(日) 02:25:54 ID:hVdS8fHE0
「あーーーー!!!」
その音に気付いた少女は、慌ててビデオをデッキに戻し再生しようとするが、
ビデオデッキはその役目を終えたとでも言うように、挿入→排出→挿入→排出を繰り返す。
そりゃそうだ。我が家のビデオデッキには、再生後の自動巻き戻し機能なんてものは付いていない。
何度かそんな行為を繰り返したそれは、
「あうう・・・戻れなくなっちゃったよぅ・・・」
と言って、ぺたりと床に手をついて脱力した。
「ダビングされて、今回が初めてのお仕事だったのに・・・」
なにやらよくわからないが、俺がナニをぶっかけてしまった結果、
画面から出てきた少女に(これは最早認めるしかないだろう)
予想もしなかったような問題を起こさせてしまったらしい。
申し訳ないことをしたという罪悪感、可哀想だなという同情。
そんな感情が俺の胸中に渦巻く。
そして最後に、その名前も、どのような存在なのかすらわからない少女に対する愛情がわき上がってきた。
「なあ、あんた・・・」
意を決して話しかける。
「ッ・・・!」
今の今まで俺の存在を忘れていたのだろう、少女が弾かれるように顔を上げる。
「名前・・・なんて言うんだ?」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)