461 :
1/3:
お祖父さんの兄弟で変わり者の親戚がいる。O爺さんとしておこう
その人は結婚もせず山の中の炭小屋に住んでて、炭を作って生活していた。
近年のアウトドアブームで羽振りは良かったみたい。
俺も子供の頃は炭小屋へ泊まりに行って、O爺さんに昆虫取りとかで
遊んでもらったこともある。
この前までは親戚のオバさん達がO爺さんの様子を見に行ってたのだが、
いよいよ俺にもその役が回ってきた。下の道で車を停め、そこから山道を
30分から40分くらい歩かないとO爺さんの炭小屋に着けない。
俺が行くとO爺さんは喜んでくれる。
「あいつらじゃ話にならんし酒も呑めん」と、俺に酒をすすめてくれる。
O爺さんの話は面白く、土曜の夕方に行ったときは遅くまで酒を呑んで、
日曜の朝に帰ったりしていた。(オバさん達は料理を作ったらとっとと帰る。)
俺が行くようになって5年ほどした頃、O爺さんは持病のリウマチが出て、
あまり炭を作らず、寝てることが多くなった。親父からO爺さんを
病院かホームに入るように説得してくれと言われた。
俺がO爺さんを説得すると、O爺さんは「ああ、でも瀬古さんが来るけんなぁ」
瀬古さんって誰だろう?と思いO爺さんに聞いてみると、O爺さんは慌てた様子で
「何でんなか」と、だんまりになった。
462 :
2/3:05/03/03 22:50:09 ID:qH5MpkLe0
そういえば何度か俺が泊まった時、O爺さんが隣の部屋で誰かと話していたことがあった。
一度は「誰かお客さん?」と戸を開けると、ものすごい羽音がして、腰を抜かした
ような格好のO爺さんに「ぬしゃ!勝手に戸ば開くんな!」と怒鳴られたことがある。
でも、O爺さんの姿以外に誰もいなかった。怒鳴られたことは後にも先にもこの時だけ
その後も何度か泊まった時、夜中の2〜3時頃お客さんの気配があったが、
怒鳴られるのがイヤで、そのまま寝ていた。・・・あれが瀬古さん?
O爺さんが寝込むようになって、しばらくしてO爺さんは倒れた。
原因はよく覚えてないが、O爺さんに食事を持って行ってたオバさんが発見して
緊急入院だった。俺も当日病院まで見舞いに行った。
翌日O爺さんは意識を回復した。以前のようにベラベラ喋らなかったが、
「瀬古さんが来るけん、戻らなん」と繰返してた。
「んじゃ、俺が瀬古さんに伝えとこうか?」と言うと、
「そら絶対イカン!」と、合わせるのが嫌というより、俺の身を心配したような事を言った。
それから2年後、O爺さんはとうとう炭小屋に帰る事なく、病院で息を引き取った。
463 :
3/3:05/03/03 22:52:14 ID:qH5MpkLe0
O爺さんの入院中、炭小屋はキレイに片付けられ、俺も掃除には行った。
瀬古さんには貼り紙をしておいた。O爺さんが亡くなってから、O爺さんの遺言で
遺骨は炭小屋前の広場に小さな墓をたて、そこに納められた。俺は3ヵ月毎に墓参りに行ってる。
結局、瀬古さんの正体は分からないまま。それから幾歳月。
去年の夏7才になる息子がカブト虫を欲しがるので、息子と嫁を連れて炭小屋に行った。
まだ、中はキレイにしていたので寝袋を食材を持ち込んでO爺さんの墓の前でバーベキューをし、泊まった。息子はカブト虫やクワガタをたくさん捕って大喜び。俺はO爺さんの供養にも
なったかなと考えて、車で帰ってる最中、息子が「また行こうね。」というので、
夏休み終わったら行けないよと答えた。すると息子が
「えー、でもまた来るって瀬古さんと約束しちゃったよ?」と心配そうに言った。
- end -
464 :
本当にあった怖い名無し:05/03/03 22:55:17 ID:QZFNKIjq0
父の田舎の大地主さん一家なんですか、やはり財産を守るために
血族結婚をしていたらいです。
実際詳しい話を聞いたわけではないのですが。
記憶にある話では2代ごとに「くろこ」と呼ばれる子供が産まれるそうで、
その赤ちゃんの体は全身赤黒く皮膚といえる様なものは無く、肉の塊のようだそうです。
もちろん「産まれた」といっても死産らしいですけど。
その一族の中には明らかに精神病の人もいたので、盆に田舎に行くのが子供心に怖かったです。
やっぱり460さんのいうような時代背景があったのかな
465 :
本当にあった怖い名無し:05/03/03 23:06:28 ID:QZFNKIjq0
連続ですいません。また思い出しちゃったので。
「くろこ」の赤ちゃんは医学検証?をするために提供するっていう話だったと思います。
地主でお金があるのに金銭目当てでやってるという様なことをおばさん達が言ってたような・・
悲しい出来事なのに逆にお金に換えて喜んでいる身内がいるって、
産んだ当事者(お母さん)はどんな気持ちなんだろう。
夏に見かけた精神病の女性はもしかしたら、その当事者なんじゃないかな・・
もう20数年前の子供の頃の記憶なんですが、
466 :
本当にあった怖い名無し:05/03/03 23:19:36 ID:6m6fmSXz0
うちの父親は船で1時間位の島出身なんだけど、私が小学校高学年になる頃ま
で、地下室があったよ。その地下室って、座敷牢そのもの。しかも、一部が海
に繋がってるの。そこに行くとすご〜く怒られて・・・マジ怖かった。
>>463 え〜?結局瀬古さんの正体ってなんだったのよ!?
468 :
774RR:05/03/03 23:27:46 ID:ndmTTaGb0
資産家は金金ですよ頭は
普通の倫理常識じゃないです。
馬鹿や障害者、不慮の事故、自殺はつき物です。
0から稼ぐ知恵ないようです。
469 :
本当にあった怖い名無し:05/03/03 23:42:53 ID:9VDKREBv0
>>459 奈良だったら、三輪神社かな?寺じゃないけど。
その神社には、白蛇が住んでいる大木ってのがあるよ。
大木の周りには柵がされていて、白蛇の神様云々の立て札もある。
俺も幼い頃、そこで両親と白蛇を見た事がある。
そしたら、翌年妹が産まれたんだけど、その妹の干支は蛇。
で、妹は三年程前に結婚したんだけど、なんと旦那の出身地はその神社のある地域。
しかも妹夫婦がこの神社に参拝した直後に、妊娠が発覚した。
不思議な事もあるもんだ・・・。
470 :
Guy:05/03/03 23:59:21 ID:jWpvZyBZ0
471 :
本当にあった怖い名無し:05/03/04 00:01:13 ID:AsgnfKAS0
>466 島の名前「彼岸島」っていうんじゃない?
「セコさん」に関するここまで一連の記述。
ぞくぞくするほど怖かったヨー!
>>464 実は460なんだけど、凄い話をありがとう!
今日はこの二つだけで2ちゃんにアクセスした甲斐がありました。
瀬古さん、以前オカ板のどこかで読んだ
「ささろさん」みたいなものかな?
475 :
458:05/03/04 04:52:07 ID:l4kZIZ8e0
476 :
本当にあった怖い名無し:05/03/04 14:07:46 ID:2qMI2KHh0
>>467 >>463のあと息子に、セコさんてどんな人?って聞きましたが、
自分の腰くらいに手を当て(床から50cm位)「このぐらい」と答えたので、
その位の子?って確認したら、「ううんオバちゃん」だそうで・・・
いつ会ったの?と聞くと、「夜、おしっこしたいと思ってたら、
トイレまで連れて行ってくれた」そうです。
もし、息子がトイレに起きたなら俺か嫁が気付くハズなんですが・・・
今朝になって、「セコさん」という名前はどうやって聞いたのか尋ねましたが、
息子はセコさんそのものを忘れているようです。orz
>>470 熊本です。セコさんって人の名前じゃなかったんですね。情報ありがとうございます。
O爺さんの炭小屋は矢部の方なんで、そこの地図よりもっと北になります。
あと、ちょっと不思議な事があるんですが、俺以外親戚のだれももうO爺さんの墓参りに
行ってないはずなのですが、何故かいつ行っても墓はきれいで、花が供えてあります。
それも俺が持って行く菊とかじゃなく、スミレとか菜の花とか。
477 :
本当にあった怖い名無し:05/03/04 16:12:25 ID:6u5VD0vl0
>>何故かいつ行っても墓はきれいで、花が供えてあります。
セコさん、GJ!!
いい話しだぁ!
私が知ってるセコの情報は、
・河童の一種である
・尻小玉を抜く
・相撲が強い
・冬は冬毛が生え、もさもさしている(イメージ:モリゾー&キッコロ@愛知万博)
・夏は川で暮らし、冬は山奥へ引っ込む。
その為、通り道(と言われる所)へ家を建てる時は塀を張り巡らさない(間を作る)
くらいですかねぇ