【】“家”にまつわる怖い話聞かせて!二軒目【】

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362軍板より出張
続きです。

今となっては理由は分かりませんが、本当に些細な事だったと言います。怒り狂った父
親は自分の娘を、何と手篭めにしてしまいました。しかし、それだけでは収まりません
でした。娘は牢に入れられた上、食事もろくに与えられず毎日のように父親の相手をさ
せられました。

娘は満身創痍、体もすっかりやせ衰えて以前の美しさは見る影も無くなりました。通常
ならば、ここで発狂をしてしまうでしょう。が、彼女は驚くべき精神力で耐え抜きまし
た。そして、子供を身篭ります。

彼女自身、色々と悩む所はあったのでしょうが、結局その子供を産んだとの事です。そ
してその子供を「この子供だけでも助けてやって下さい」と、牢番を担当していた家来
に託そうとします。しかし、家来は父親からの報復を恐れる余り、それを拒否しました。

牢での苛酷な環境に耐えられなかった子供は、すぐに死んでしまいました。そして、こ
れを機に娘の精神も破綻をきたします。毎日のようにうわ言を呟き、突然ゲラゲラと笑
い出します。やせ衰え、糞尿まみれになった彼女の不気味な笑いは、とても正視できる
ものではありませんでした。

そしてある日、とうとう彼女は死んでしまいました。死ぬ直前に正気に戻ったのか、父
親や兄弟、手を貸してくれなかった家来の名前一人一人を挙げ、「コイツの子孫は○○
にしてやる」「コイツは○○で殺してくれる…」と言ったそうです。

死んだ娘さんは父親によって打ち捨てられ、野に晒されるままになっていました。
しかし、怨みを恐れ、更に不憫だと思った村の人間や家来達が、ねんごろに弔ったとの
事です。

一旦切ります。