超常現象はエシュロンによって起きる

このエントリーをはてなブックマークに追加
83本当にあった怖い名無し
手術は部分麻酔で行われるから、患者の意識はずっとはっきりして
いる。頭を器具で固定し、頭頂部のやや左後方の頭皮にメスを入れ、
約一・五センチほど切開する。その後、先が風車状の手回し式ドリル
で頭蓋骨に小さな穴を開け、頭皮から約八センチ下の帯状回の地点に
まで、極細のチューブを差し込む。チューブの中に零下七〇度の二酸
化炭素を約七分間環流させ、細胞を凍結、破壊する。

 こうすることによって、麻薬を求める信号を伝える回路を切断で
きるのだという。このプロセスを右脳でも繰り返して、所要時間は約
一時間。技術的には難しい手術ではないそうだ。

○幻肢痛の手術がヒント

 研究所が麻薬中毒患者のための手術を始めたのは一九九八年十二月
。以来、百二十人以上に施術、術後三カ月以上麻薬に手を出していな
い割合は七割近いという。

 スビアトスラフ・メドベージェフ所長(50)によると、麻薬中毒
手術のきっかけとなったのは幻肢痛の手術だった。幻肢痛は、事故な
どで切断され、神経がないはずの手足が痛む脳神経疾患だ。メドベー
ジェフ所長は痛みの情報を伝える脳内回路の一部を切断する手術を重
ねるうちに、多くの患者が苦痛を和らげるためのモルヒネ中毒からも
解放されていることに気づいた。 「手術の方法自体は目新しいもの
ではない。だが、麻薬患者に応用したのはうちが初めてだろう」