狐・狸・狢に化かされた話しに関するスレ

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16本当にあった怖い名無し
先に謝っとく文章下手でごめん。あと、長いのもごめん。
化かされた、といえば化かされた話になるのかな。ある意味では。

昔、俺が10歳ぐらいの時に冬休みを利用して親戚の家に泊まりに言ったときの話。
冬になると豪雪とまではいかないけど一面雪景色で雪が降らない地方に
住んでた俺はよく親戚の子に「こんな寒いところに良くすめるな」とか
いってた。慣れると平気らしいんだけど。で、まぁ寒いことは寒いけど
それ以外は別に気に入らないところもなかったし幼少の頃から何度も
泊まりに言ってたからもう自分の家みたいな感覚になってた。
でも田舎は田舎で街をすこしはなれると当時はまだ原野みたいな原っぱがあって
良くそこで雪遊びしてたりした。そんなある日いつものようにその原っぱに
出かけた俺は変な鳴き声を聴いた。それはかすかな声だったけど回りに
何もない原っぱだからどこら辺から聞こえてるか見当はついた。
で、好奇心旺盛少年だった俺は声のするほうに向かった。
そこには一匹の狐がいた。人馴れしてるのかなんか弱ってるのか
人が来たというのに逃げない。で、よく見たら足怪我してやんの。
なんかそのまま放置するのに罪悪感を感じた俺は狐を回収して
こっそり親戚の家まで連れ帰って傷の手当てをしてやった。
で、部屋で元気になるまでこっそり飼っていたわけ(今思えば親戚は
当然気づいてたはず。でも当時の俺は馬鹿だったので隠しとおせてると思ってた)
まぁ、日を追うごとに怪我も回復し狐のほうもなついてきたんだけど
やっぱりいつまでも親戚の家に画しとくわけにもいかんし、俺も
自分地に帰らなきゃである程度治ったのを見計らってもといた場所に放したんだよ。
でも奴はついてこようとするので、追いつかれないように俺は全力疾走で
原っぱ離脱。そのまま翌日に自分ちに帰ったんだわ。
17本当にあった怖い名無し:04/10/11 18:42:18 ID:T6mL0Mg6
それから7年後に親の海外転勤が決まって、日本語しか離せない俺は
国内に残って一人暮らしをすると抗議。でもあっさり却下。喧々諤々の末
折衷案として例の親戚のうちに居候することになった。
高校の編入試験も無事パスして晴れて居候生活が始まった4日目に
居候先の家主に買い物を頼まれて、商店街までいったわけ。
まぁ立場上というのもあるけど別にそれぐらい苦でもなかったし。
そしたら、そこでいきなり見ず知らずの女(たぶん年下)が
「あんただけは許さない」とかいって殴りかかってきたんだよ。
こっちは見たこともない相手だったから人違いだろうと思ってたけど、
拳は明らかに俺に向かってくるしでとりあえずかわしといたら
そのままぶっ倒れやがって、夕暮れの買い物時ということもあり
周囲の騒ぎを聞きつけた連中が俺を非難するような眼で見るから
とりあえず引きつった笑顔を作ってその子を背負って親戚の家まで
帰ったわけ。ほっといたら警察呼ばれかねなかったし。で、
気がついた相手を尋問すると記憶喪失というし、気絶中に親戚の子が
荷物検査したところ身元を示すようなものはもってないしで困っていたときに
おおらかというか考えるの面倒だから全部了承しちゃうような叔母さんのせいで
そいつを居候2号として同居することになっちゃった。
ま、別に部屋は余ってたからいいんだけど、問題は奴がなぜか俺に対し
ものすごい敵意というか恨みというかとにかくそういうのをもっていること。
毎晩毎晩子供の悪戯みたいなことで絡んでくるの。当然こっちも反撃したけど。
でもまぁなんだかんだで2週間ぐらいたった日から奴の
言動がおかしくなってきて、箸とかだって前は使えたのに手が震えるのか
使えなくなってさ、糖尿病か?とか思ってたらだんだん字まで読めなくなってきて、
若年性痴呆症というか幼児退行みたいな感じになってきたんだよ。
18本当にあった怖い名無し:04/10/11 18:42:50 ID:T6mL0Mg6
で、その頃知り合った、っていっても数回顔をあわせた程度の後輩の女子に
「お前は不幸になる〜」みたいなこと言われてたし、なんか凶事の前触れか?と
思ってさ、その後輩は事情知ってるみたいでまぁ聴くだけ聴いてみるか、
といことで話聴いてみたんだよ。
したらその狸のような雰囲気の後輩が言うには奴は俺が助けた狐の
成れの果てだという。そんなの現代文明社会において起きる分けないと
思うかもしれないけど、彼女の言葉はなぜか説得力というか確信に満ちていて・・・
それから何日ぐらいたったかなぁ。とにかく数日たった後奴はもう
ほとんど言葉もしゃべれなくて、そんな状況で俺と結婚したいとか
いいだした。俺もいつの間にか奴に好意を抱いていたようで
俺にしては素直に受け止めることが出来てさ、じゃ式挙げようってんで
奴の生まれ育った原っぱまでいったんだよ。そこが一番いいと思ったから。
本当はウェディング一式全部そろえたかったんだけど、高校生の俺に
そんなの到底無理で、何とかベールだけでも入手してかっこだけつけて・・・
そんな形だけの結婚式の間も奴は目に見えて弱っていって・・・
まるで泡になる人魚姫のように俺の目の前で、腕の中で消滅した。
俺は年甲斐もなく泣きに泣いて・・・

ああ、今では当然立ち直ってるよ。例の後輩とも約束したし、俺が泣いてたら
奴だって困惑するだろうしな。
というわけで、俺は戸籍上はともかくいまでも狐と結婚してるの。
相手が相手だし、いつひょっこりかえってこないとも限らないことに
望みをかけて。俺は帰ってくることを願ってるんだよ。

化かされたといえば化かされたといえる話でした。
乱文長文スマソ