ネタ不足のようなので、お持ち帰りで思い出した自分が体験した小話を。
中学のころ家族で、関門海峡一帯に日帰りで観光しに行ったんだわ。
んで帰りの道中ぐらいから急に体がだるく重くなって、家に着いた途端高熱で寝込んでしまった。
冬だったからインフルエンザかと思って病院に行ったら違うと言われ、家に帰ってきても
そのまま熱が下がらないまま2日が経った。
3日目になっても未だ熱が下がらず、離れて暮らしてる祖母が心配して看に来てくれた。
そしたら寝込んでいるオレを見るなり、隣に居たオカンに
「萩か下関に行ったじゃろ?」「よーけ(たくさん)お侍さんもろうてきとるわー」
「こりゃ何とかせにゃならん。」と言う。
うちの祖母は足が悪く、車椅子無しには歩けなかったが、昔から祈祷や呪い(まじない)などをやっていて、
家族やご近所さんが病気にかかったり、災難があると、ジャラジャラが付いた棒(名前知らん)を振って
回復祈願とかしていた。そのせいか、地域の老人からはとても頼りにされてた。
思ったより長くなりそうなので分割
つづき
その祖母によると、甲冑を身に着けた侍が8〜10人位、寝ている俺を取り囲むように立っていたそうだ。
中には首が無い者や、肩口から腕がバッサリいかれているのも居たらしい。
慌てて祖母は、オカンに自分の家(近所にある)からまじない道具と、ある人形を持って来させた。
「このお侍さん方は念が強くて帰ってもらうのは無理じゃ。じゃからせめて、○○(オレ)じゃなく
この子(人形)に移って貰おう。」
祖母はそう言ってオレの横に人形を置いて例の棒をジャラジャラ振りながら何かを唱え始めた。
その人形というのは、外見はキューピーに髪を生やして服を着せたような赤ちゃん体型。
生まれて直ぐ亡くなった祖母の娘の形見というか身代りのような物で、祖母が普段棚に飾って大切にしていた。
それから祖母のまじないは1時間半ぐらい続いたらしい。
不思議な事に、それから半日もしないうちに熱が下がり、オレは目を覚ます事ができた。
「アンタはアタシに似て人の念を受けやすいからなぁ もうちょっと大きゅうなるまで
念が集まりやすいとこには行かんことじゃ。」
当時は何の事かさっぱりだったが、祖母はそう言うと疲れた様子で帰っていった。
実際のところ、当時の詳しい様子を寝込んでいたオレはほとんど覚えておらず、
この話は四年前祖母が亡くなって、その葬儀の後オカンに教えてもらった話。
例の人形は火葬の際、祖母と一緒に棺の中に入れられました。
怖くないうえ読みにくい文章を長々とすんまそん。