やすらぎ庵 5

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347あなたのうしろに名無しさんが・・・
「それゆえ一冊の本も与えられずに牢屋の中に閉じ込められても、
たまたま「タロット」を持ち合わせていて、そしてその使い方を
心得てさえいたならば、数年のうちに彼は、宇宙全般にまたがる知識を手に入れて、
万事にかんして比類ない理論と尽きない雄弁をもって語れるようになるであろう」
(『高等魔術の教理と祭儀 祭儀篇』エリファス・レヴィ著 生田耕作訳 
人文書院 p299)レヴィの関心の中心となったのは、タロットとヘブライの
神秘主義カバラとの間の関わりだった。すでに前述したクール・ド・ジェブラン
は22枚のトランプと22文字のヘブライ語の間の照応をすでに認めていたが、
レヴィはこれを更に本格的に推し進めることになる。そして、レヴィが直感した
タロットとヘブライ語の深遠な関連は、彼をタロット・カードの起源についての、
新しく違ったシナリオを想像させることなる。レヴィは次のように述べる。
「ユダヤ教司祭の支配権がイスラエルから失せ去ったとき、賢者のうちの最も柔和
な最も人から愛される者の口を借りて語りかける人間と化した「言」の
前に世界中の託宣がすべて沈黙したとき、約櫃が失われ、そして神殿が取り
壊されたとき、「エフォド」と「テラフィム」の秘儀は。もはや黄金版や宝石の
上に描かれなくなり、幾人かのカバリストの賢者だちによって象牙や、
羊皮紙や、銀色や金色に染めた革の上に書き記されるだけになり、
というよりも象徴的に表されるだけになり、そして最後はただのカードの上に
描かれるだけになってしまったが、それでもなお秘儀の危険な鍵を含むものとして、
公けの「教会」から白眼視されつづけたのである。ここから「タロット・カード」
が産まれたのである・・・・・・」(『高等魔術の教理と祭儀 祭儀篇』エリファス・レヴィ著 生田耕作訳 人文書院 p279−280)
http://www11.ocn.ne.jp/~tarot/historyoftarot2.html