1 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:
先日私が遊園地に遊びに行くと、フリーフォールがあったので
搭乗してみました。
隣には初老のサラリーマン風の男性。なんだかやつれています。
突然私に話し掛けてきました。
「僕ね、これからちょっと自殺をしようと思うんです。これはシミュレーションなんですよ」
やなことを言う男だと思いましたが、一応倫理的観点から「ちょっとやめなさいよ」と言おうとしました。
「ちょっとやm・・・ギョエェェェェェ!!!」ギューン!
フリーフォールは落下しました。
男は何かをつかんだような顔をして遊園地を後にしました。
きっと明日の朝刊には小さな記事で「男、飛び降り自殺」のニュースが載るんだろうと思い見てみると、
あったのは「男、首吊り自殺」のニュースでした
2 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/03 13:49
3 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/03 13:56
___
|ノットッタ!|
 ̄ ̄ ̄|
ヽ○ <コノスレッドハ ワタシガ ノットッタ!!
□ゝ
<<
4 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/03 14:06
5 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/03 14:10
もこってまだいんの?あのきちがいみたいな奴
6 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/03 14:11
此処はどういうスレなの?
「逃亡者」 作:もこ
もこは息を殺しながら裏路地のダストボックスに身を潜めていた。生ゴミの袋に埋もれて
もこは非常に興奮していた。それはただ単に生ゴミの香りのせいかもしれなかった。
錆びて朽ち果ててできた小さな隙間から外を覗くと、強い懐中電灯の光が左右に流れる様に
移動している。そして足音と共に警察官の声が聞こえてきた。
「この辺に逃げたはずだぞ?」「気をつけろ、奴は凶器を持っているらしいからな。」
そう言うと二人の警察官はもこの潜んでいるダストボックスの周辺を探し始めた。
もこの動悸はもはや尋常ではなかった。もこがもうだめかもしれないと思った矢先、
再び警察官の声が聞こえてきた。
「おい、あのダストボックスは調べたか?」「いいや、まだだ、調べてみよう。」
もこの興奮は絶頂に達し、その動悸は表に聞こえんばかりに高鳴り、もはや失神寸前だった。
ギィィッ、ダストボックスの蓋が静かに開く。懐中電灯の強い光を浴びて、目玉をこれでもかと
見開いてるもこを発見し、互いにしばし呆然とした後、警察官二人の内一人が言う。
「違う・・・こいつじゃない・・・。」そしてダストボックスの蓋は再び静かに閉められ
二人の警察官の足音はどこかへ消えていった。しばらくして、ゆっくりとダストボックスから
這いずり出てきたもこは蚊の鳴くような声でこう言った。「鬼の人、早く見つけに来て・・・」
完
9 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/04 17:32
もこ 結婚してくれ
10 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/04 17:45
「逃亡者」 作:K子
リチャード・キンブリーは医師であった
彼は妻殺しの汚名を着せられ 逃亡の身であった
ウィリーは間違いなく、熊殺しで 動物愛護からいえば
完全なる犯罪者であった。なのに追われることはなかった
リチャードは思った。
うちの妻だって、熊みたいな奴だっただろうに・・・
やっぱりヤッテイタ
14 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/04 20:11
>>10 たとえば
>>1が酋☆長や水銀、表札、番長だったとしても
貴公は「乙」と労いの声をかけるのか?
もこの作品はどうなの?
>>14 10じゃないけどさ・・
労いの声とは限らないんじゃないかな?
このスレ自体を期待していたのならね。
つまりはさ、誰が立てても 中味が大事なわけで
ロムるほうも書くほうも 楽しむことが大事だよね
コテとかにこだわってちゃさ・・・どうでもいいことだと思わないかな?
>>14 俺は結構このスレ好きだよ。のんびりやろうよ。
もこを苛めないでください、お願いします。あなた達は浮浪者を虐める餓鬼にしか見えません。
創作というのは疲れるのです。その辺に理解を示すなら、餓鬼を追い出すのなら
楽しい話しが聞けるかもしれません。もこはここのアイドルです。
のんびり書こうよもこアハ
20 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/04 23:23
>>19 お前ぜってースナだろ?
気が向いたらお話書いてくださいネ。
あんまはやらなくなったね、ここ
夜明け前。
風の音がひどく煩く、耳をふさいだ僕は余計なことを考えてしまう。
世界中で僕だけが決して許される事はない。そういうことだ。
あの時君がかけてきた電話、何を言おうとしてたんだ?
僕はなぜあの時、電話をとらなかった?
テレビには、愛のために銃を取る人が映し出されていた。
風が強くてセリフなんてわかんないけど。
愛という言葉でごまかされた、その中にあるものっていったい何なんだ?
夜の街に一発打ち込めば、見えない壁も、何もかも壊れて消えそうな気がしたんだけど
銃声が響いただけだったよ。
そういえば昔、おもちゃの手錠を両手にかけたことがあってさ、
プラスチックだし簡単に外せると思ったのに、
もがいてるうちにさらにきつくしまっちゃった事があったな。
あの時はどうしたんだっけ。おもいだせないや。
「愛してる?」君はよく僕に訊いたよね。
「愛してる」って僕は言ったけど、愛ってなんだかよくわかんないんだよね。
でもそれ以外に答えること、思いつかないし。
あやふやな感じに調子よく乗っかって、どうしようもない感じだけのこしちゃった。
風が強い街を見下ろしながら、あかるいところを探そうと思うんだけど、
目につくのは光のない闇のほうだよ。
弾丸が闇を貫いて、夜明けまで届きそうな気がしたんだけど、ただ風がふきつけるだけだね。
あぁ、いま耳のすぐ上で銃声が聞こえたよ。
僕は手錠の外し方、思い出せなかったけど、風の音もしなくなった。
もう耳も、ふさがなくていいね。
誰か書き込めよ
28 :
エスタロンもこ:04/02/06 15:47
眠みーよ
私は私立探偵だ。今日は浮気の調査ということである富豪の夫人を尾行している。
依頼人の大富豪は『ロード・オブ・ザ・リング』のオークそっくりだが、その婦人は非常に美しかった。
オードリー・ヘップバーンと言うと言いすぎかもしれないが、吉永小百合と比肩するほどの美貌の持ち主だ。
婦人はどうやら渋谷のスターバックスで間男と逢引をするらしい。
私も気づかれないように中に入る。キャラメルラテを注文しつつ、婦人の動向を見守る。
妙にそわそわしているな、間男との待ち合わせの時間が迫ってきているのかもしれない。
と、思った矢先に婦人の目が輝きだした。
私は入り口に目をやった。どうやら間男の登場だ。しかし、あの男どこかで見たことがあるぞ。
着古したカーキのトレンチコートによく磨き上げられたシューズ。サングラスはレイバンか、通販でおなじみのイーグルアイだろう。
品の良い帽子がコートにマッチしていて、実に私好みの渋いスタイルだ。
ふと私は自分の今日のファッションに思いを馳せた。
カーキのトレンチ、品の良い帽子とシューズ、サングラスは今朝やっと届いたイーグルアイ。
どういうことだ?間男と同じファッションじゃないか。ユニクロでもないのに、街中でこんなに服装がかぶるなんて・・・。
間男はツカツカと小気味の良い靴音を鳴らし、婦人に近づくとおもむろに唇を重ねた。
(スタバの店内だぞ・・・!)私は心の中で軽く彼らの軽率な振る舞いを非難した。次の瞬間!
間男はサングラスを外した。
その顔は、私と全く同じだった。
夕暮れ時、俺は図書館へ立ち寄った。
座って本を読んでいると、小さな女の子を連れたお母さんがやってきた。
女の子はすぐに児童書のコーナーに走りよると、一冊の本を手にした。
『もじのほん』 本にはそう書いてあった。
女の子は俺の隣に座ると、本を開いて読み始めた。
横目で見てみると、どうやらパズルになっていて、羅列された様々な文字から
決められた文字を探し出すような内容の本だった。
しばらくすると、女の子が近くで本を探しているお母さんに話しかけた。
「ねぇママ、この本、字に丸が書いてあるよ?」横目で見ると、確かに丸がついていた。
児童書だし、落書きでもされているのだろう。俺はそう思いながら本を読み続けた。
女の子は、大声で丸の書いている字を順番に読み始めた。
「お、か、あ、さ、ん、も、う、ぶ、た、な、い、で」
感想書けよおめーら
じゃあ書いてやるよ!
>>29 落ちが分かりにくいわりに平凡で破壊力は今ひとつ。
小物に拘りすぎている割には活かしきれてない。
次回は「探偵」という特殊な職業をもっと生かせる環境設定を考えるようにしよう。
もこまだ〜?
なんだ この流れw
ウケた
もっこもこもこ〜
来た!
来てないよ。
夕日を背に駆けるもこ〜
うわさを真に受けるもこ〜
みんなおはもこ〜
おはモこございます
みんなこんちもこ〜♪
もこは・・・ゲホッゲホげ・・・んきウゲエロッロッパだゴホゴホよー
今日は雪が降りそうだねーカサは持ってきた〜?
お昼になりモこ。
東京はすっかり冬将軍の制圧下にあります。
しかし我々ゲリラ兵士は負けないよ!
自由を取り戻すその日まで…。
ドギュオーーーン!!!(爆音)
あぁ!ジョゼフ!しっかりしろ!エンリケ!お前まで…。
おのれ他国籍軍め!劣化ウラン弾を間違って我がアジトに落としたな!
もっと盛り上がれよ
51 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/09 18:16
電波板のネタのほうが100倍面白い。
「電波になりきろうとして、なりきれてない」「ネタもつまらん」
もこ死ねば?
53 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/09 18:31
>>52 そういうフリさえ寒いと言ってんだよゴミが
( ◎)<おい 鬼太郎 働け!
切れるよ?
もこが切れるにも値しないよ。
わたくしが切れよう。
モこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこモこ
58 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/09 21:29
ある朝、会社に行こうとすると、人の周りにシャボン玉のような膜が見えた。
「何だろう?」皆はそれに気付いていないようだった。
膜は人によって大きさが違った。ある人は小さく、またある人は大きく。
子供からお年寄りまで、膜で覆われていない人はいなかった。
電車に乗ると、ラッシュだったので、ギュウギュウに詰め込まれた。
膜は互いにぶつかり合いながらも交じり合うことは無く、逃げ場を求めて風船のように伸びていた。
俺の前には女子高生が立っていたが、電車が揺れた拍子にその娘の膜に顔が入ってしまった。
「甘い・・・」膜の中で呼吸をするとひどく甘かった。
蜂蜜のような甘さでありながら、しつこさが無く、とにかく美味かった。
俺は夢中で吸い続けた。膜が縮んでいくにつれ、俺は満たされた気分になっていった。
その日から、俺は色々な人の膜を吸いまくった。不思議なことに食事は一切しなくて平気だった。
子供のは特に美味かったので、子供を捜していると、一人の女の子が座っているのが見えた。
俺は横に座った。その子の膜はすごく小さかった。しかし、俺は気にせず膜に口をつけた。
膜はみるみるうちに縮んでいった。もう十円玉ほどの大きさになっていた。
無くなるまで吸うのは初めてかもしれない。俺が最後の一吸いを吸うと同時に女の子はドサリと倒れた。
女の子は息をしていなかった。
あれから十数年経った。俺は全く歳をとっていない。
膜の意味を知り、何度も吸うのをやめようと思ったが、あの味を忘れられなくてどうしてもやめられない。
俺はいつの間にか死神になっていたのだ。
もっこもこもこもっこもこ〜
みんなもこのために争わないで〜(>_<)
>>58さんはメトロイドですか?
もっこぉお怖え〜
俺の名前は多摩ゴッチ。
多摩在住のプロレスラーだ。
将来はプロレスの神様と呼ばれるよう、日々猛特訓に励んでいる。
エサをあげつつ上手に育ててね。
ちなみに白い色はレアバージョンだよ。
変身願望ネタっておもしろいね。
オガツカズオに漫画化してホスィくらいだ。
>>だ
よねー
みんな(ここではオカルト板住人のこと)
もこの事軽くスルーしてない?
ねぇねぇぜったいそうでしょー!!
だってお前もこじゃねーもん
>>66 よくぞ気付いてくれました!
実は「もこ」というのは本名ではないのです。
本名は「ロ・ムスカ・パロ・ウル・モコ」
ウルは古代語で王族をあらわします。
ラピュータ一族の末裔なのです!
ラピュタの部分がモコになっとるが・・・
みんな(ここではオカルト板住人のこと)おはもこー
へたくそ
最近はモこの方がかわいー。
なんか住人に遊ばれてるとことか。
でもわたくしはもこリスペクトですよ。
おめーらもこを軽くスルーしちゃだめだ!もちろん徹底無視もだめ!
モこってけなげでかわいー。
もこ以外の常連や名無しはどこにいるんだ?
みんなも何か書いて下さいよ。
でもBUMP OF CHICKENの話は食傷気味だから遠慮するね。
>>73ありがとう!
でもわたくしのような二番煎じよりも、もこの方が断然素敵ですよ。
ファインディング・もこ
ファイティング・もこ
うわ〜
二ヶ月ぶりに着てみたらもこの派生種が出来てる・・・
大切に育てよう
お昼になりモこ。
わたくしをブリーディングして下さるのはうれしいけどノーサンキューですわ。
野生の動物は生まれてすぐにその足で大地を踏みしめなければ生きていけないから。
そんなことより誰か何かお話してよ。
扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
って書いてあったので仲間と夜中の廃墟に入りました。
先に進むと分かれ道があって
「わたしは ひだり に いるよ」
みんな左に進みました。すると突き当たりの両側に部屋があって突き当たりの壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
って書いてありました。仲間3人は半狂乱で逃げようとしましたが
俺は勇気を出して右の部屋に行きました。すると・・・
「わたしの からだは このしたにいるよ」
下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は二階の窓から飛び降りて仲間と逃げました。
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Eroial/panorama.gif
>>79 リンクは何なの?
ビックリフラッシュを期待して6時間見続けたけど何も起こらなかったよ?
おはようございモこ。
今日は建国記念日なのでクイズを出します。
問題。
ポパイはもともとあるキャンペーンのために作られたキャラクターです。
さて、何のキャンペーン?次の中から選んでね。
1.戦争反対キャンペーン
2.菜食主義促進キャンペーン
3.恋愛至上主義キャンペーン
さぁどれ?
82 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/11 11:51
ほうれんそうの缶詰の販促!!
>>82 そんな選択肢があるかどうかもう一度よく見て!
それでも分からなかったらお父さんかお母さんに読み上げてもらってね!
5.オリーブタン(*´Д`)ハァハァ
早く答えてよ〜!
建国記念日終わっちゃうじゃん(><)
モこがいるともこは来にくいのかな〜?
さびしいけどモこ、しばらくこのスレに書き込むの控えるね!
87 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/12 06:15
そんなことないよ!
モこも楽しいよー
そんなこと言わずに書いてよー
みんな休日で遊びにいっちゃってたんだよ、きっと
88 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/12 06:17
でも、もこも早く来てくれるといいなぁ〜
カレーうどんつくって待ってるよー!
遅くなってすいません あのリンクは俺が廃墟に入る前に撮ったやつです
>>68 鋭いつっこみはスルー
それこそがへこたれないもこの、唯一にして最大の武器
鋭いつっこみしてごめん、もこ
本当は愛してる
ほらおいで、もこ
怖くない・・・怖くない
非常に亀だが>58面白い。
もっと読みたい。
でも鼻袋的にはもっとぶっ壊れててもいい。
・・・やっぱもこじゃないと無理かなぁ。
またあの気持ち良く壊れた文を読みたい。
申し訳ないが折れには書けない。
みんなスマソ。
俺が小学校の頃、家から十五分ほどのところにわりと大きな沼があった。
今はもう埋め立てられてマンションになっているが
まだ沼があった頃はよくフナとかザリガニとかを採ったもんだ。
特にすることが無くて暇なときは、よくあそこに行ったな。
あそこに行けばいつも何か面白いことがあった。新しいことを発見できる場所だった。
ある日の夕方、もう景色がオレンジ色に染まった頃、俺は一人で沼に行った。
俺の身長の倍くらいある背の高い草を掻き分けて、俺は沼の淵まで出た。
水面はオレンジ色の混ざったねっとりした黒い色で、いつもと違う顔をしていた。
『おーい!』
水面を見ていると、遠くで女の子の声がした。
見てみると、対岸から赤っぽいワンピースを着た女の子が手を振っていた。
友達かな?ここからでは顔が見えない。
俺はぬかるんでいたので足を見ながら、女の子に向かって淵を歩き続けた。
『おーい!』
ふと目を上げると、女の子はまた対岸にいる。
なんて嫌なやつだ。一緒に移動するなんて。俺は腹が立って女の子に向かって走り出した。
『おーい!』
俺が走り出すと同時に、女の子は手を振ったポーズのままスーッと滑り出した。
どれだけ走っても、女の子は常に対岸にいる。
『おーい!』
俺は怖くなって、早く道路に出ようと草むらに突っ込んだ。
『おーい!』
その声は、道路に出るまでずっと沼中に響いていた。
なんだかよくわかんないまま終わる後味の気持ち悪さがイイ(・∀・)かも〜
『人の不幸は蜜の味って昔から言いますよね?』勧誘してきた男はそう切り出した。
俺はすぐ帰るつもりだったが、この男にはそうさせない不思議な魅力があった。
『我が社はそんな他人の不幸を、金に変える方法を開発したんです。』男はそう続けた。
俺が馬鹿にした目で見ると、男は一枚のカードを取り出した。電卓のような見た目のカードだった。
『これは私の口座と繋がっているんですがね。よく見ていてくださいよ?』男はボタンを押した。
ピッという音と共にカードに俺の名前が表示された。『これで貴方の不幸は私の口座にお金になって振り込まれます。』
男はそういうと俺の頬を叩いた。俺がカッとなって掴みかかろうとした時、またカードがピッと鳴った。
『ほらね?今私に叩かれたことって、貴方にとって不幸ですよね?』男はそう言ってカードを見せた。
【イイダタカシ(俺の名前)→10】カードにはそう表示されていた。
『これで私の口座に10円入ったことになったんですよ。』男はそう言った。
胡散臭かったが、俺はとり合えず契約してみた。別に問題になることは無いだろう。
『まず口座を設定してください。それから対象者を一人設定してください。後は何にもしなくても勝手にお金が振り込まれますから!』男はそう言ってニヤリと哂った。
金を払う気配が無かったので、金は?と聞くと、『モニターということで、結構です。』と言われた。
これが本当なら、俺は凄いものを手に入れた。カードを受け取り、去ろうとすると男が叫んだ。
『あっ!不幸の度合いによって金額も変わりますから!対象者も一人だけですよ!』
続く
家に帰って早速口座を設定した。対象者は誰にしよう?
俺は最近気に食わない上司を選んだ。こいつは本当にえばりくさっていていけ好かない。
【タイショウシャ→ヤマモトケンジ(上司の名前)】俺はカードにそう打ち込んだ。
次の日、その上司が偶然仕事でミスをした。さらに上の人間に頭を下げていた。
ピッと俺のカードが鳴ったかと思うと、次の表示が表れた。
【ヤマモトケンジ(上司の名前)→12,000】帰り道、残高照会をしてみると確かに同じ金額が振り込まれていた。
凄いものを手に入れた!俺は思わず画面を見つめてニヤリとした。
その日から、俺からの上司に対する嫌がらせが始まった。
無言電話や書類を隠すなど、思いつく嫌がらせをどんどん実行した。
その度に俺の口座には多額の金が舞い込んできた。良い車を買って、良い女も抱いた。
だが欲望というのは尽きることが無い。金はあっという間に消えていった。
もっと金が欲しい。だがもうやつを不幸にする手立ては浮かばない。
俺はやつを不幸にする手立てを考える為に頭をひねった。
死・・・俺の頭の中に一つの手立てが浮かんだ。死は人間にとって最も不幸なんじゃないか?
俺は多額の金が舞い込んでくる想像に打ち震えながら、上司を刺した。刺した。刺した。
血溜りにうつ伏せに倒れる上司を見ながら、俺はカードに表示が出るのを待った。
ピッと音が鳴った。俺はワクワクしながらカードの表示を見た。
【モニターキカンシュウリョウ】カードにはそれだけ表示されていた。
俺はガクリとその場に座り込んだ。殺した意味が無いじゃないか・・・
ピッ!その頃勧誘の男のカードが鳴った。
【イイダタカシ→100,000,000】
カードにはそう表示されていた。男はニヤリと哂うとこう呟いた。
『誰でもこういう結果になりやがる・・・欲ってのは恐ろしいもんだな・・・』
age
Y氏の隣人みたいだなー
もこまだ?
モこ、なんか書けよ
しっかし名無しにはレスつかないよな〜。
ある車のCMにもこからのメッセージが隠されてるよ。
これは実話だ。
先日私は友人と二人でバレンタインディナーを楽しんでいた。
まあ友人といっても同性なのでご安心を。
その席で私はビールを飲んだ。もともと胃腸が弱い私の胃腸は急激に悪化し、今にも漏れそうになった。
そこで予定より少々早く会計を済ませ、私たちは歌舞伎町に向かった。トイレを借りるためだ。
ここで当然の疑問が出てくるだろう。「何故その店でトイレを借りなかったのか?」答えは簡単だ。
その店のトイレは和式だったのだ。和式トイレは長丁場には向かない。よって私は洋式トイレを探すべく
眠らない街・新宿の最深部へと繰り出したのである。
程なくマクドナルドを発見。私は友人を外に待機させ、トイレへと向かう。
友人には「1時間待っても私が帰ってこなければ、先に帰って」と言い残して。
トイレは造作もなく見つかった。何と言うか、こう、L字型のレバーのような取っ手を下に押すようにして引くタイプのドアだ。
ドアを開ける。ファストフード店のトイレには似つかわしくない、重いドアだった。
ドアは上の何ていうか間接みたいになってるへんなばねみたいなしかけで自動でしまった。
中に入ると便座へと通じるドアと洗面台のある狭いフロアだった。洗面台では先客が手を洗っている。
私はそいつにかまうことなく便座へ通じるドアを開け、閉めた。
施錠を確認し、ブーツとコートを脱ぐ、そして便座にまたがり、私の胃腸のフラストレーションを一気に爆発させた。
(つづく)
さて、一段落して、私は外の物音に気がついた。ジャー、ジャブジャブジャブ・・・
外の人はまだ手を洗っているようだ。私は少し呆れた。潔癖症、というやつだろうか。
私には全く理解のできない心理だ。
そうこうしているうちに再び強烈な便意が襲ってきた。1分のインターバルを終えて、第2ラウンドだ。
私は胃腸のセコンドとして全力を尽くさなければならない。その時、外の水音がやみ、人の気配が途絶えた。
やっと出て行ったようだ。
しかし、間髪をいれずに次の人が入ってきて、私と外界を隔てる天の岩戸をノックし始めた。
私と胃腸は戦いの真っ最中だ。どこの馬の骨とも分からない者に構ってる暇はない。私は乱暴にドアをたたき、
そいつを追い払った。ギィィ、という重い音がした。出て行ったようだ。これでまた私は胃腸と二人だけの世界に入れる。
そう思った矢先、ジャー、ジャブジャブジャブ・・・。水の音が聞こえた。何だ何だ!?用も足さず、出て行こうとした者が、わざわざ戻ってきて
手を洗っているのか?それとも別の人が入ってきたのか?いや、それはない。ドアの開く音は一つしかなかった。
やはり一度出ていこうとした者が、出て行かずに手を洗っているのだ。私へのあてつけか?いいだろう、その挑戦、受けてやる!
私と胃腸の敵は外で手を洗っている者へとシフトした。
意地でも出て行くまで出し続ける事を、胃腸と誓った。
10分が過ぎ、15分が過ぎた。外の者はようやく手を洗うのをやめたようだ。ゴーッというエア・タオルの排出音が聞こえる。
続いて、外の重い扉の開く音がして、フロア一帯に静寂が戻った。
私は手早く旅立ちの準備を済ますと「立つ鳥跡を濁さず」と言ってペーパーを流した。
コートを着、ブーツに足を通す。そして今、天の岩戸を自ら開き、私は洗面台へと向かった。
(つづく)
洗面台で手早く手を洗い、サニタイザーを手に塗り込む。サニタイザーのアルコールの匂いで、私は
飲み残したビールを思い出した。そういえば友達を待たせたままだった。急いで戻らなければ。
ドアの、こう、L字型のレバーの取っ手に手をかける。
ぬるり・・・
妙な感触に私は寒気を覚えた。
驚いて手を見ると、私の手は真っ赤に塗れていた。
ドアノブにべっとりと、鮮血が付着していたのである。
先客たちが必死で手を洗っていたわけが、ようやく分かった。
私は友達のことも忘れて、ひたすら手を洗い続けた。10分も、20分も・・・。
(おしまい)
結構自信作だ。感想よろしく。
110 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/18 00:59
>>109 怖かったよ。
なぜドアノブに血が付いてるのかってのも怖いが
今の世の中、血を媒介にして感染する妙な病気が
多そうだから、そっちの方面で怖かった。
精神的にくるね。
モこ乙!
長文のわりにタルくなかったよ。
なんでだかわけわかんないまま終わるとこが鼻袋らしいね。
また書いてね、待ってるよ。
折れは名無しにもレスするよ、ちゃんと。
毎日は見らんないかもしれないけど。
>96
世にも奇妙〜みたいなアイディア勝負な話だね。面白かった。
モこのは、生理的にゾーッとくる。乙。
自分の話の感想も書けよ。
俺の会社の近くには地下道がある。
ちゃんと照明もあって明るいのだが、普段あまり人が通ることは無い。
それもそのはず、この地下道はホームレスの溜まり場になっているから。
そこら中におっさんが寝ていれば誰だって通りたくないだろう。
俺は今日久々に地下道を通った。階段を下りていくと臭いが強くなっていくのがわかった。
歩いているうちに、ホームレスの団体から離れた場所に座っている男がいることに気付いた。
天井に暖房がある、窪みのような場所にフードをかぶってうつむいて座っている。
冬は寒いからな。ああいった場所に座れるのはきっと位が高いホームレスなのだろう。
会社にはいつもより早く着くことができた。これからはもっと利用しよう。
昼飯のとき、OLの一人と話していると、地下道の話になった。俺は座っていた男のことを話した。
『あぁ。その人知ってますよ!私よく通るんですけど、いつ見てもあそこに座ってるんですよ。同じポーズで。』
OLはそう言って笑った。『よくあんな乾燥する場所にずっといられますよね〜』
俺は帰りも地下道を通ってみることにした。階段を下りていくと臭いが強くなっていくことがわかった。
少し歩くと男が座っているのが見えてきた。確かに朝と同じポーズだ。ピクリともしない。
俺は好奇心を抑えきれず、話しかけてみることにした。『お元気ですか?』
変な声のかけ方をしてしまった。怒っているのだろうか、男はピクリともしない。
こっちの顔を見もしない。俺は腹が立ったので、何とかこっちを向かせようと肩を揺すった。
『オイ!オイ!』なかなかこっちを向かないので揺する力はどんどん強くなっていった。
男は俺の力に身を委ねるように力なく揺れている。なんで抵抗しないんだ。
とゆうかこいつ・・・軽すぎる!俺は思わず手を引っ込めた。
引いた力に耐え切れず、男がゴトリと倒れた。衝撃で男の首が折れ、地面で2、3転した。
男の体は乾燥しきっていた。地面には崩れたカスが散らばった。
ゴォォォォォォォォォォォ・・・暖房から出る熱風は静かに男のカスを吹飛ばした。
乙葉も書いちゃおっかな♥
書けたらうっぷしてみるね!
もこたん、ちんちんなめて〜
||
)(
( ̄▽ ̄)
) )
( つ)
//
>>105-107 今まで書いてきたものの中では自分的に一番納得のできる作品だ。
長すぎるのと狙いすぎている部分があって、それが逆に醒めるきらいはあるが、落ちは確かに不気味だし
歌舞伎町なら本当にありそうだからそれも恐い。
ちなみにバレンタインの日に友人と食事をして腹を壊して歌舞伎町のマックに入ったら
なんかずっと手を洗ってる人がいたところまでは実話だ。この話はその時に思いついた。
>>113 結構恐い話だな。実際に会ってもちっとも不思議じゃない。
ホームレスたちがその死んでいた男に全く無関心だって言うのも恐いな。
とにかく恐い。あなた才能あるよ。
>>114 楽しみにしてるよ。ところで、本物?
できたよ!
かきこんでもいい?なんかすっごくながくなっちゃった!
みんなが思ってるよりずっと長いから、長いの嫌いだったらごめんね!
>>118 乙葉は乙葉だよ?
「顔」
私は幼い頃から自分の顔が大嫌いだった。
父親譲りの小さな目と低い鼻、母親に似た口角の下がった口。
十六の時私は自分の所持していた鏡を全て破棄した。
鏡を見る度に、醜く、生気のない自分の顔を見るのに耐えられなくなったからだ。
化粧をして誤魔化すことを考えたこともあったが、しかしそれは徒労に終わった。
鏡に映った化粧をした自分は、しないそれよりもさらに惨めなものであったからだ。
それでも私は何とか少しでもましに見えるよう工夫を凝らしたが、ある日そんな姿を
突然部屋に入ってきた母親に見つかってしまった。
瞬間私は「怒られる!」そう思った。
中学を卒業したばかりの娘が化粧に一生懸命になるにはまだ早い、そう言われると思ったのだ。
しかし母親は私の背後で蔑みの笑いを漏らし、部屋から出て行ったのだった。
両親の悪いところばかりを受け継いだ私の顔を、母は女として笑ったのだ。
そしてその日、私は全ての鏡を捨てた。
高校卒業と同時に私は家を出て、夜勤の弁当工場で働き始めた。
昼間外に出るとどうしても人の目が気になるし、食品の工場ならば帽子とマスクの着用が
不可欠であり他人にあまり素顔を晒さずにすむからだ。
生活を切り詰め、給料のほとんどを預金に当て、遊ぶ事も、贅沢もせずに私は働いた。
家を出てから、私は一度も家に連絡をしなかった。
また、そうしていても実家からの連絡も、ほとんどなかった。
そうして3年が過ぎ、私は繁華街の裏路地にある、古いビルの前に立っていた。
今まで貯めてきたお金を持って。
私は美容整形を受けるために今まで働いてきたのだ。
今まで私を苦しめてきた、この顔を捨て、新しい自分として生きていくために。
そう決意して私はドアを開けた。
「目を二重に、大きくし、鼻をすっと高く・・・」
私は思い描いてきた理想の顔を医師に説明した。
全てを変えてしまいたかった。しかし私の希望を全てかなえようとすると
私の預金だけでは足りない金額になってしまうと医師は告げた。
その金額は私の用意していたものよりも遥かに高く、あと10年位、今以上に切り詰めて
働かなければいけない金額だった。
愕然とする私に医師は
「それでは、条件を飲んでいただけないでしょうか。承諾していただければ
あなたの希望通りの顔を、あなたが出せるだけの金額で提供しましょう。」
私は藁にもすがる思いで医師の話を聞いた。
するとそれは思いもよらない条件だったのだ。
「条件は二つ。一つは、二度と元の顔には戻れない。」
医師の言葉に私はびっくりしてしまった。
私は自分の顔を捨てに来た人間なのだ。元の顔になんて戻りたくもない。
そんな当たり前の条件だなんて、話がうますぎるのではないか。危険な手術なのか。
「手術に危険はありません。保証します。」
私の心中を察してか、医師はこう言った。
そして更に二つ目の条件を提示した。
「もう一つ。あなたには「サトウリカコ」という名前になっていただきます。」
「名前が変わるってどういうことですか?!」
驚きをもって尋ねる私に医師はこういった。
「あなたは今までの人生をやり直しにきた。しかし急に顔が変わってしまえば周囲の人に
疑われ、「美容整形をした女」として生きていかねばならない。それならいっそ
今までの名前も生活も捨て、新しい人生を歩んで行ってはどうだろうか。」
そう言われてみればそうだ。顔を変えて人生をやり直すには、今までの名前も人生も邪魔になるだけだ。
そう思った瞬間
「先生、お願いします。」
と、私は答えていた。
1週間後、私は手術台の上にいた。
不思議と怖い気持ちはなく、これで全てが終わる、そう思っていた。
もともとの顔を全て変えてしまう、大規模な手術だったので、私は1ヶ月の入院の後
ようやく顔面全体を覆っていた包帯を取り外すことができた。
「ゆっくりと目を開けてください、そう、急がないで」
医師の言葉ももどかしいほど、私は早く新しい自分に会いたいと焦がれていた。
十六のとき以来、五年ぶりに覗き込んだ鏡の中には、いつも私の理想の中にいた女性が
目を見開き、驚きの表情でこちらを見つめていた。
私は言葉もなく彼女を見つめ返すばかりだった。
「サトウさん」
医師が呼んだ。もう、昔の名前ではない。
「これはマンションの鍵と地図です。あなたがサトウリカコとして暮らすマンションです。
生活に必要なものはそろっているはずです。自由に使いなさい。」
そう言って医師は白い封筒を差し出した。
「さぁ、もう行きなさい。新しい人生です。」
私は歩き出した。新しい人生を。
私は封筒の中に入れられた地図を頼りに歩いた。
道行く人が時々振り返った。
今まで、異常に人の目を気にしてきた私は、その視線についうつむいてしまった。
しかし、ふとショーウインドウに映った自分の姿を見て思った。
人々の視線は、今までのそれとは違う。
美しく、新しくなった私に向けられるものなのだ。
私はまっすぐ前を見て歩き続けた。
地図に記されたマンションの前に着いた。
今まで私が住んでいたアパートとは比べ物にならないほど立派な建物だった。
マンションの最上階である14階にサトウリカコの部屋はあった。
鍵を開けてそっと中に入った。
広いリビング、高級そうな家具、寝室のほかに二つの部屋。
どれをとってみても今までの自分には縁のなかった世界だ。
「こんなところに住んでもいいのかしら・・・。」
一人ごちながら私は革貼りのソファに腰掛けた。
すると突然電話のベルが鳴った。
出るべきかどうか迷った。まだここが自分の部屋だとは思えず、
他人の家の電話のような気がしたからだ。
しかしベルは鳴り続ける。私はおそるおそる受話器をとった。
「はい・・・」
消え入るような小さな声だった。
すると受話器の向こうから男の声がした。
「リカコか。今から車をそちらに回すから、急いで着替えなさい。わかったね。」
「えっ!」
私の叫びも聞かず、それだけ言うと電話は切れてしまった。
誰なんだろう、今日生まれたばかりの新しい私を知っている人・・・?
いいえ、ずっと前から私のことを・・・サトウリカコを知っているような口ぶりだった。
私は激しく混乱した。
サトウリカコって誰なの?私の前にもサトウリカコだった人物がいるの?
考えれば考えるほどわからなくなっていった。
途方に暮れていると、インターホンがなった。スピーカから声がした。
「リカコさん、お迎えに上がりました。」
電話の男が寄越したのだ。
一人で考えても答えは出ない。とりあえず「サトウリカコ」を知る人物と会わなければ。
そう思って急いで着替えを始めた。
寝室のクロゼットの中には様々なドレスがぎっしりと並んでいた。
そのどれもがとても今までの私の給料では手に入らないような代物だった。
私はその中から背中の大きく開いた真紅のドレスを選び、身に着けた。
ドレスにあわせ唇にそっと紅をひいた。
鏡の中の私が一瞬にして華やかに変貌した。
五年前、何時間もかけて必死で化粧しても絶望しか得られなったのに、今の私はたったひと塗りの
口紅でたちまち輝きを手に入れるのだった。
手早く髪をまとめ、私はマンションの入り口に降りていった。
運転手は何も言わず車のドアを開けた。
やはりこの男は、私がサトウリカコであることを、当たり前のように知っているのだ。
私も無言で車に乗り込んだ。
向かった先は銀座にあるホテルのレストランだった。
レストランに入ると客は男が一人きりだった。この男のために貸しきられていたのだ。
男は軽く手を上げこちらに合図をした。
席に着くと男は一方的に話し始めた。
会社のこと、新しい取引のこと、先日行われたらしいパーティのこと、
食事をしながら延々と話し続けた。
話し終わると男は私の手を引き、当たり前のように最上階の一室へと私を導いた。
私はそこで、生まれて初めて男に抱かれた。
しかし男はそのことに気がついてないようだった。
私の体もまた、自然に男を迎え入れていた。変わったのは顔だけではなかったようだ。
体も、サトウリカコになっていたかのようだった。
私はそれからサトウリカコとして暮らし始めた。
サトウリカコは男に囲われて暮らしているようだった。
しかし週に一度、マンションに男がやってくる以外は他に友人もいないのか
特にすることもなく、ただ毎日をつぶすように生きてきた女だった。
新しい人生を手に入れたのに、毎日ただ、ぼんやりとして過ごす、そんな暮らしに私は嫌気がさしてきた。
何かをはじめよう、そう思った私は男に内緒で仕事を始めた。
今まで決してすることのなかった接客業だった。
最初は笑顔を作る事すらままならず、うまくいかないことばかりだったが周りの人たちに助けられ
なんとか軌道に乗ってきた。
そしてそこで色々と世話を焼いてくれた同僚の高木に、私は恋をした。
しかし私は囲われて、飼われている身だった。
私はだんだん自分がサトウリカコであることを疎ましく思い始めた。
その一方で私と高木の仲は親密になっていった。
ある日、男が事前の連絡もなく部屋を訪れた。
そして突然私をぶった。
「リカコ!お前はまた・・・!俺という者がありながら何度同じことを!」
私は何のことかわからなかった。いや、高木の事を言っているであろうことは理解していたが
何度、というのがわからなかった。
男は怒りに震えながら言った。
「この前と同じだ!お前は俺から逃げられない!」
そう言って男は乱暴にドアを閉め出て行った。
その夜、私は走った。高木のアパートへ。しかしそこに高木はいなかった。
次の日職場にも高木は現れなかった。次の日も、その次の日も。
誰も彼の行方を知るものはいなかった。
男の仕業だ。あの男なら金で誰かを雇って人を一人くらい消すことはたやすいはずだ。
そう考えると私は、わけもわからず以前住んでいたアパートへ向かっていた。
今にも壊れてしまいそうな古いアパートの前で、息を切らしながら泣いた。
顔がぐちゃぐちゃになっていることにも構わずに泣いた。
しゃくりあげていると、ふいにもう誰も住んでいないはずの、私の部屋のドアが開いた。
そこから出てきたのは、間違えるはずがない、21年間憎み続けてきた私自身だったのだ。
部屋から出てきた私は、泣きじゃくる私を見て悲しそうに笑った。
そして何も言わずに私の横を通り過ぎて行った。
ただ一つ、昔の私と違うところは、その「私」は前を向いて歩いていった。
一晩中歩き続けて私はあの時手術を受けた病院の前に立っていた。
うす汚れ、くたくたになった私のドアが開きあのときの医師が現れた。
私は叫んだ
「何なの!何で?!私を元に戻してよ!」
医師は静かに言った。
「あなたは最初の条件を飲んだはずです。二度と元のあなたには戻れない。」
「でも!もういや!おねがい!こんな人生いらない!!」
私は必死で医師にすがった。
「・・・わかりました。でも、もうあなたは他に存在するのです。あなたはもう一人必要ない。
また違ったあなたになるしかない。それでもいいですか。」
私は何もいえなかった。
そして医師は続けた。
「あなたは今回の事でわかったはずだ。美しくなったからと言って必ずしも幸せだとは限らない。
たとえ自分が気に入らなくとも、幸せは自分自身の人生で作り上げるものだ。
サトウリカコは確かに美しい。しかし美しさに甘えて、自分で幸せを作ってこなかった女だ。
誰かに与えられることでしか幸せを得られなかった女だ。与えられたからには
それに対する義務が生じる。君にはそれが果たせなかった。そうだろう。」
そうだ。私はいつも幸せを与えてくれない世間を恨んできた。それを自分の容姿のせいにしてきたのだ。
そうすることで逃げていたのだ。
私は静かにうなずいた。
「お願いします・・・今度こそ・・・自分の力で・・・。」
私は再び医師の手によって手術を受けた。
一ヵ月後、対面した私は決して美しくはない。しかしその目は輝いていた。
誰のものだったのかわからないこの顔のこの私で、私はこれから生きていく。
その後私は一度だけ「サトウリカコ」を見かけた。
私の顔の元の持ち主かもしれない。サトウリカコは決して幸せそうには見えなかった。
私は寂しく少し微笑んで、再び顔を上げて歩いていった。
乙葉、お疲れ。
長かったけど面白かったよ。ラストがモこには思いつかなかったからすごく参考になるな。
モこはなんていうか、きっちりとしたラストの有る話ってあんまり得意じゃないからさ。
これからもどんどん投稿してこのスレを盛り上げてくれ。
ところでもこはまだか?
なんかモこを見てたら自分の話の感想を書きたくなった。
どうも、よく書かせてもらってる名無しです。
>>31 書かなきゃよかった。本当は伊集院の隠し部屋の話みたいな雰囲気にしたかったのに無理でした。
でも話の長さはこれくらいが好きだな。
>>58 これはちょっと練ってから書いた。確かにメトロイドっぽいなw
長編にすればよかったかな〜って今思ってます。完結しちゃったからもう浮かばないけど。
>>94 なんかよくわからないけど気持ち悪い話を書きたくて書いてみました。
でも短くまとめようとする癖が出ちゃって中途半端すぎる!もっと女の子とか沼の描写に力を入れるんだった。
>>96-97 初めて続きモノを書いてみた。でもやっぱり書いてる途中でめんどくなっちゃって端折り過ぎちゃったw
だから中途半端で書きたいことあんまりかけなかった。嫌がらせとか金を手に入れてどうこうとか。
>>113 思いついてすぐ書いた。だから読みなおしてないから文が読みづらい!
新宿のあるビルの地下道通ったら、広いのに自分以外人がいなくて気持ち悪かった。
あの空間の気持ち悪さがちょっとは出たかな?出てたらいいなぁ。
今考えると全部一人称だなw あと最近は練らないで書くから文が雑だ。気をつけないと。
モこも乙葉も面白かったよ!これからもよろしく!
俺も思いついたら書くんで。
乙葉さん、乙!面白かったよー
小説として成り立ってんじゃん!すごいなー
129さん、こんなに書いててくれてたんだ!びっくりした。
コテつけてくれたら分かりやすいかも。
上でも言ってたけど、名無しだとレスつきにくいしね、勿体ないよ、面白いのに!
ていうか……
モこって女の子だったんだ……
いつもイジってごめん…
みんながんばってるね、これからももこのためにがんばってね。
>>130 昔メタンて名乗ってたのでまた戻してみた。今度はトリップもつけます。
んでは、お話かいたんで。
営業から会社に帰る為、俺は地下鉄の駅へ向かった。
普段は何も感じないが、入り口にさしかかった時になぜか肌が粟立った。
『空調のせいか?地下鉄の入り口はいつも風が強いからな。』
俺は違和感を覚えながらも、たいした事は無いと自分を誤魔化した。
エスカレーターは無機質に俺を地の底へと運んでいった。
ホームには誰もいなかった。『こんな時間に珍しいこともあるもんだ。』
しばらく待つと、徐々に電車が近づいてくる音が聞こえた。
どんどん音が近くなっていく。まるで哂い声の様な音だった。
もうすぐホームに着くだろう。俺は線路を覗き込んだ。
『いや、待てよ・・・電車のアナウンスがされてない!』
俺は反射的に柱に身を隠した。
それは身を隠すと同時だった。電車ほどもある巨大な顔がホームに滑り込んできた。
それはなんと形容してよいか、とにかく恐ろしい顔だった。
赤黒くひび割れた顔・・・燻る炎の様に赤い目・・・牙を剥き出しにしながら大口を開けて哂っていた。
まさに悪魔。そう言っても過言ではない形相だった。
顔は長く縮れた髪を振り乱し、奇怪な声を上げながら風のように通り過ぎていった。
俺はしばらく呆然としていた。今見たものが信じられなかった。
『きっと疲れているんだ・・・』俺は会社に早退の連絡をすると、地下鉄に乗るのを止め、タクシーで家に帰った。
テレビをつけると、中継がやっていた。『事件でも起きたのか?』
俺は愕然とした。『これ・・・さっきの三駅先じゃないか・・・』見出しにはこうあった。
【地下鉄で謎の爆発 死者多数】
134 :
ホモ@サピエンス:04/02/19 22:36
(・*・) 僕もお話作ってみましたよ
「人助け」
あれは2〜3年ほど前、僕が「地球」という星を調査しに行った時の事だ
地球には、そこに住む生物が危険かどうか
将来我々の平和を脅かす存在になるかどうかを調査に行った
地球に降りたって僕はまず地球に住む人間と呼ばれる生き物の姿に驚いた
人間は僕らとはだいぶ異なった容姿をしていた
僕達「モホ星」の人間は黒い肌に大きなお尻、腕は左右合わせて6本ある
それにくらべ、地球の人達は面白い
肌の色も地域によってバラバラで、黒い肌の人間もいれば黄色い肌の人間もいた
腕の数も、たいていの人は左右あわせて2本だったが
1本の人や、腕が無い人など色々だった
初めの2日ほどはそうやって人間の生態を調査して行った
地球の科学力は我々の星のそれに遠く及ばず
調査の最中も発見されることはなかった
この程度の科学力しか持たないのであれば、我々の敵になることははおろか
我々の星を発見することもできないだろうと僕は判断した
この時点でもう僕の仕事は終了したのだが
僕自身、人間という生物に興味が出てきていたので
最後に何人かの人間と話していこうと思い、とある島に宇宙船をとめた
135 :
ホモ@サピエンス:04/02/19 22:37
その島で彼女と出会った
彼女は生まれつき目が見えないらしく、周りの人間に助けられながら生活していた
人間には僕の姿は相当ショッキングなもののようで、話を聞こうと人間に近づくたび
その人間は気絶してしまい、話を聞くどころではなかったが
目の見えない彼女には僕の姿は見えず、気絶することなく会話することができた
彼女と会話をしていくうちに彼女はモホ星に興味をもったらしく
是非連れて行って欲しいと僕に頼んできた
特に断る理由もなかったので、僕は彼女を連れモホ星に帰った
モホ星に彼女を連れて帰った俺は、まず彼女の目を見えるようにしてやった
地球の科学力では無理だったが、モホ星の科学力ならたやすいことだ
目が見えるようになった彼女はとても喜んだ
しかし、その喜びも長くは続かなかった
目が見えるようになった彼女は、まわりと自分の容姿が全く違うことに気づき
「なんて私は醜い姿をしているのだろう」と思い悩むようになった
そこで僕は彼女が僕達と同じ姿に整形手術を施した
真っ黒な肌と大きなお尻、六本の腕
僕らと同じ姿になった彼女は、それからは悩むことも無く
毎日を楽しんで過ごした
136 :
ホモ@サピエンス:04/02/19 22:37
彼女がモホ星に来てから1年ほどたったある日
彼女が突然地球に帰りたいと言い出した
「この星の人達にはよくしてもらった。けど、地球の人達も私に優しくしてくれました
私は、私に親切にしてくれた人達に恩返しがしたいのです」
僕は心優しき彼女の願いを聞き入れ、彼女を宇宙船に乗せ地球へと送り出した
彼女は宇宙船の窓から姿が見えなくなるまで、6本の腕を大きく振っていた
あれから1年、毎年この時期になると彼女を思い出す
地球で元気に暮らしているであろう、彼女の事を・・・・
137 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/02/19 22:45
ホモさん!?
138 :
ホモ@サピエンス:04/02/19 22:51
(・*・) す、すみませんこれで終わりです
139 :
ママ@もこ:04/02/19 23:19
パンパンパーン
∩
( ‘ .‘)彡☆
⊂彡☆))Д´)←>>ホモ@サピエンス
☆
140 :
ホモ@サピエンス:04/02/19 23:20
(;;)*・) 何で僕ぶたれたんですか・・・
ママ〜。
お友達があれはキャビアじゃないって。
納豆だって言ってたよ?
一パック5000円もしないって言ってたよ?
毎朝食べてるのはキャビアじゃなかったの?
うちってもしかしたら貧乏だったの?
142 :
ママ@もこ:04/02/19 23:29
パンパンパーン
∩
( ‘ .‘)彡☆
⊂彡☆))Д´)←>>もこ
☆
毎年桜が咲くと、祖母を思い出す。
祖母が亡くなった原因は私のようなものなのだから。
小学生の頃に住んでいた家の庭には大きな桜の木があった。
ある春、満開に咲いた桜を見ようと私は庭に出た。
木の下には桜よりも私の目を惹くものがいた。
1mほどの白い蛇が、とぐろを巻きながら赤い瞳で私の事を見ていた。
『罰が当たる!悪戯してはいかん!』
私が触ろうとしたところを見かけた祖母は、ひび割れたような響く声で叫んだ。
私が驚いて祖母に目をやった時、蛇は私に飛びかった。
孫を守ろうとしての事だろう。祖母は近くにあった鎌で蛇を刺し殺してしまった。
『これは桜の木に宿る精なんだ…きっと私は罰が当たる!』
祖母はそう呟くと部屋に走りこんでいった。
その日から祖母はあまり部屋から出なくなった。
私は、そんな迷信のような事に縛られている祖母を愚かしく思った。
桜の花が全て落ちた晩、私は寝ている時に奇妙な音を聞いた。
布が擦れ合うような音と綱が限界まで絞られた時のギチギチという音。
隣の祖母の部屋からだった。また迷信じみた事をしているのだろう。
次の日の朝、私が祖母を起こしに行くと、祖母は冷たくなっていた。
掛け布団をめくると、祖母の体にはシーツがらせん状に絡み付いていた。
祖母一人では不可能なほど、シーツは深く体にくい込んでいた。
シーツを剥がした後、くい込んだ部分は鬱血し、まるで鱗のようだった。
>>142 そ、それはぎゃ、虐待ですよ!?新聞にのりたいんですか!?
今すぐ止めてくださいっ!!!
うあぁ、いっぱい感想くれたんですね!
乙葉うれしいなぁ!
また思いついたら書きまーす!
いきおい無くなったねこのスレ
>>147 そうだね、もこっていう人一回シメたほうがいいかも…
今度会ったら注意しとくよ、次はないってね(^‐^メ)
つまらないとか言ってないで書き込めよ!ネタを!
もコは飢えてるんだよ!
あ、久々に見たらメタンさんが帰ってきているなー!
おかえり、またよろしくねー。
他の人達も帰ってきてくれるといいなー・・・
スナも帰ってきてよ
やべぇ!
>>151はモこに言ったんじゃなかったね。
モこが何か書くと「お前が書け」って言われるのが癖になってたから…。
もこ、ごめんね。
いや、もこもモこもどっちのお話も読みたいよー!
1
やっとあの狭いワンルームからおさらばできた。
僕は新しい部屋に引越した。今度は二部屋だ。すごく広く感じる。
南向きの窓から沢山の陽射しが入ってくる。僕は一発でここに決めた。
新しい部屋で最初の夜、まだ片付けきれなくて段ボールでいっぱいの部屋の中、僕はビールを飲んでいるうちにいつの間にか寝てしまった。
夜中にふと目を覚ました。音が聞こえる。排水口に水が流れていくような、暗闇を高く響く音。
どこかの家からだろうか?僕はそう思いながら再び眠りについた。
次の日、一日かけて部屋をすっかり片付けた。新しい生活がここから始まるんだ。
部屋が変わったくらいでは何も変わらないかもしれないが、何だか全てが新鮮に感じられた。
作業をしていたら汗をかいてしまった。そういえば、昨日風呂に入ってない。
初めての風呂だ。こんな事でも嬉しくなってしまう。
シャワーを出すと、おかしな事に気が付いた。水の流れる音が変だ。
パイプに直接ぶつかっているように、妙に響いている。
調べてみると、すぐに原因がわかった。
排水口の中にある釣り鐘状の物体が無くなっている。
だから音が響いて聞こえるのだ。
2
それと…何だこの臭い?
排水口に顔を近付けると、子供の頃に飼っていたザリガニの水槽のような腐った臭いが漂ってきた。僕は思わず顔を背けた。
シャワーを浴びてさっぱりしたら、疲れているからだろうか、急に睡魔が襲ってきた。
まだ早いが僕は寝ることにした。
夜中に物音に気付いて目が覚めてしまった。またあの音が聞こえる。
風呂場の水がちゃんと流れて無いのか?
僕は風呂場の戸を開けた。水はすっかり流れていた。
だが、音はまだ排水口から響いている。僕は気が付いた。
これは水の音じゃない…赤ちゃんの泣き声だ。
その声は、途切れ途切れに、でもしっかりとした音で排水口の奥から響いていた。
耳につく、背骨の中を通り抜けて行くような肌寒くなる泣き声だった。
下の家かとも思ったが、ここは一階だ、そんなはずは無い。
僕は怖くなり、少し早足で部屋に戻った。その夜は寝ることが出来ず、部屋の電気とテレビをつけたまま一晩明かした。
翌日、テレビの音で気付かなかったが、いつの間にか声が止んでいたので、僕は朝一番で大家の所へ行った。
僕は昨日あった事を大家に話し、あの部屋で何かあったのではないかと問い詰めた。
しばらく間を置くと、大家は話したくなさそうに、ゆっくりと重い口を開き始めた。
『…あんたが引越してくる前な…あの部屋には、小さな赤ちゃんを連れた…若い女の人が住んでおったんだよ…
それでな…夜泣きがひどかったもんで…育児ノイローゼからだろうなぁ…
ある日、お母さんの方が首を吊って自殺してしまってな…
それで…警察はバラバラにしたんじゃないかと言っておったが、凄い量の血痕があってなぁ…
間違いなく殺されているんだが…赤ちゃんな…まだ…見つかってなくてなぁ…』
な・流しちゃったのー!?((( ;゚Д゚)))ガクブル
>>太朗
乙です!
みんな帰ってきてよ〜。 まだ続けたいよ。
163 :
ホモ@サピエンス:04/02/28 02:01
(・*・) お気づきでしたか・・・・、すみませんでした!!
モこはモコのファンだと言っておきながらモこという存在のおかげで
モコがここに書き込めないという事実を理解してない。
モこがROMってるだけのほうがいいんだよ。
>>160 まとめちゃったんですね!まとめちゃったの?まとめちゃったでしょ?
いい仕事してますね。いつかまとめてくれる人が来るのをまってました。
乙です!
>>164 わかった。二度と書き込まない。もうこのスレもみない。
>>164 オイラはモこの話も大好きだったのに!
あんたはモこよりモコのほうが好きかもしれんが、
モこの新作待ってるヤシだっているんだよ。
>>164の存在のせいでモこがここに書き込めないという事実を理解しろ。
ついでに
>>164がこんなことしたからってモコが帰ってくるとは限んないぞ!
余計なお世話だったかもな。
169 :
ホモ@サピエンス:04/02/28 14:19
「パーマン」
最近僕はよくパーマンを見かける
パーマンというのは、数年ほど前からこの町に現れたヒーローのことだ
変なヘルメットをかぶり、マントを付けて空を飛ぶ
スーパーマンみたいなものだ
最初は一人だったパーマンも今では50人ほどいる
パーマンはありとあらゆる犯罪を見逃さない
万引きだろうが強盗犯だろうが容赦無く捕まえて警察に連れていく
最近では警察もパトロールなどしないで、パーマンが犯人を連れてくるのを待っているみたいだ
町の人達は治安が良くなったとパーマンに感謝している
パーマンが現れてからこの町の人が少し変わった気がする
僕のクラスの担任のT先生も、前は怒りっぽくてすぐ生徒に手をあげるような先生だったのに
最近では怒ることもなく、いつもニコニコしている
僕の事を虐めていたB君もそうだ
ある日突然、泣きながら僕に謝ってきた
「今まで酷い事してごめんね」、と
よく柿の木から柿を盗んでは怒られた、裏のおじさんも
毎日「勉強しなさい」って怒鳴ってたお母さんも
みんな怒らなくなった
そういえば、性格が優しくなった人はみんな鼻が赤くなってたな
もしかして何かの病気かな?
病気だとしたら、治ったらまたもとの性格に戻るのかな?
だとしたらずっと治らないで欲しいな
170 :
ホモ@サピエンス:04/02/28 14:19
ふと空を見上げるとパーマンが飛んでいた
またどこかで事件でもあったのかな
それにしてもあのパーマンは、はじめて見るな
また増えたみたいだ
後姿がどこか僕のお父さんに似ていた
その日からお父さんは優しくなった
171 :
ママ@もこ:04/02/28 15:10
パンパンパーン
∩
( ‘ .‘)彡☆
⊂彡☆))Д´)←>>ホモ@サピエンス
☆
172 :
ホモ@サピエンス:04/02/28 15:15
(;;)*・) 何で僕毎回叩かれるんですか・・・
ホモ人気だなw
まあ薄々モこがむかつかれてるのはおいらも気づいてたがな・・・・
>160乙です!ありがとう、激しく嬉しいよー!
自分はモこも好きだ。来てくれないとさみしいよ。
お話を書いてくれる人を叩き出すようなマネするヤツはどうしてもいなくならないみたいだけど、
それこそがスレをすたれさせる行為なのでできればやめて欲しいし、スルーして欲しい。
スナもこない。こっぺぱんやJ太郎まで来なくなった。さみしいことだ。
だからまとめサイトはほんとに嬉しい。自分は1スレから住んでたんだ。ありがとう。
>161>165>175
レスありがとうございます。
一夜しか読まず、四夜までの流れを理解しないでまとめたので、
スレの紹介の仕方がいまいちだったかも知れません。
が、今後もがんがん更新していくのでヨロシクです。
なんか作者が減ってきてるみたいですか?
こんなに面白いスレは他に無いくらいだと思うので、
ずっと続けていって欲しいです。
もこ=臭い
モこ=臭すぎ
178 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/01 17:32
>>176 太郎さんがんばって続きもまとめてくださいね!待ってます!
私もなにかお話考えてみることにします。
179 :
ホモ@サピエンス:04/03/01 21:33
(・*・) 出来ましたよ、お話が
勝負です!!ママ@もこさん
「魔法の袋」
ある大企業の社長が先日亡くなった
死因は心臓マヒらしい
だが、私は彼の家でこの手紙を見つけてから
彼が本当に心臓マヒで死んだのかどうか疑問に思うようになった
以下にその手紙の内容を記載する
------------------------------------------------------------
これが誰かに読まれている頃、私は恐らく死んでいるだろう
私は死ぬ前に私に起こった奇妙な出来事をこの手紙に書き残そうと思う
この手紙を全て読み終えた後、アレをどうするかは
この手紙を読んでいる貴方に任せる
私がアレを手に入れたのは
今から数十年前、勤めていた会社が突然倒産し途方にくれていたころだ
会社が倒産してから、中々再就職先も決まらず
貯金もしていなかった私は、家賃が払えずアパートを追い出されてしまった
それからの数週間は私の人生の中でも一番最悪な日々だった
生きるためにごみ箱のごみをあさり、ダンボールにくるまりベンチの上で寝た
何度死のうと思ったかわからない、自分がとても弱い人間だと
その時思い知らされた
そんな生活が続いていたある日、ベンチの上で朝を迎えた私は
頭の上に何かが置いてあるのを発見した
起き上がってよく見てみると、それは小さな巾着袋だった
お年寄りが、財布やらハンカチやらを入れて持ち歩く
その程度の大きさの巾着袋だった
180 :
ホモ@サピエンス:04/03/01 21:34
ここ最近まともな物を食べていなかった私は、何か食べ物でも入ってないかと思い
巾着袋に手を突っ込んだ
袋の中には何かが入っていた、取り出してみるとそれは温かい肉まんだった
何故肉まんが?
などという疑問が浮かんでくる前に私はその肉まんを食べていた
久しぶりに食べる温かい食べ物に私は夢中になった
1分とたたずに肉まんをたいらげた私は、もっと入っていないかと思い
また巾着袋の中に手を入れた
袋の中にはまだ何か入っていたらしく、取り出してみるとそれはさっきのと同じ肉まんだった
私はその肉まんもペロリとたいらげ、もう一つ、もう一つと巾着袋の中に手を入れた
10個めの肉まんを食べ終えた頃には私の腹も膨れていた
そして改めて巾着袋に手を入れた、やはり肉まんがでてきた
これで巾着袋からは11個の肉まんが出てきたことになるが
そんな大量の肉まんが入るほどの大きさではない
それに、巾着袋の重さも最初に持った時となんら変化はなかった
まさか、この巾着袋は無限に肉まんを出す魔法の袋なのか?
普通の人が聞いたら笑い出しそうなほど馬鹿馬鹿しいことだが
当時の私は真剣にそう思っていた
しかし、数日後この考えが間違っていたことに私は気づく
その日はとても寒く、とてもダンボールだけでは持ちそうに無かった
あの巾着袋のおかげで食料には困らなかったが
この寒さだけはどうにもならなかった
私はないよりマシだろうと、巾着袋に手を入れた
肉まんをカイロ変わりにしようと思ったのだ
だが、私の手には肉まんとは別の物の感触があった
引っ張り出してみると、それは一枚の毛布だった
私は困惑した、この巾着袋からは肉まんしか出てこないと思っていたからだ
試しにもう一度手を入れてみたが、やはり肉まんではなく毛布が出てきた
181 :
ホモ@サピエンス:04/03/01 21:35
この時私は初めてこの袋の力を理解した
この袋は肉まんをだすのではなく、欲しいと願った物を出してくれる袋なんだと
それからの私の人生は皆の知る通りだ
会社を起こし、ここまで大きくした
金には困らなかった、あの巾着袋からいくらでも出てきたから
だったら何故わざわざ会社を?、と思う人も多いだろう
その理由を最後に書き、この手紙を終えるとする
金すらも自由に出せると知った私は毎日遊びまくった
高いホテルに泊まり、クラブを貸しきり朝まで騒ぎまくった
そんな生活が何日か続いたある日、それは起こった
その日、いつものように金を出そうと巾着袋に手を入れた
その瞬間物凄い痛みを感じた
あわてて手を引き抜き、私は絶叫した
私は左手の小指が無くなっていたのだ
痛みに耐えながらフロントに電話をかけた
「助けてくれ・・・」
それだけ言うのが精一杯だった
あまりの激痛に私は気を失った
気を失う直後に私は見た、巾着袋から一枚の紙がはみ出ていたのを
その紙にはこう書かれていた
「調子にのるな」
それからは怖くてあの巾着袋に手を入れることはなかった
この手紙を書いている今も私は怖くてしょうがない
何者かが私を・・・・
------------------------------------------------------------
182 :
ホモ@サピエンス:04/03/01 21:35
ここで手紙は終わっていた
ここに書かれている巾着袋は今私の手元にある
私にはこの手紙に書いてあることが真実だとはとても思えない
だが、この巾着袋に手を入れる勇気も私にはない
そしてこの巾着袋を燃やす勇気も私にはないのだ・・・・
ホモ、乙!よかったー!
ママにパンパンされないといいなぁw
折れはすごく好きだよ
・・・またどっかからひっぱってきた文じゃなければね
184 :
ホモ@サピエンス :04/03/02 18:27
(・*・) 僕の書くのは盗作6:自作4ですよ
今回は自作ですけどね
「飼い肉」
朝起きたらさ、枕元に肉の塊があったんよ。
なんでこんなところに肉があるんだ?寝ぼけて冷蔵庫から出したのか?
いや、男一人の貧乏暮らし。ここのところ肉なんか買ってないし。
奇妙に思ってじっと見てたんよ。そしたらさ、ぐにぐに動くのね。
「うわ、キモッ」って思ってね、台所から割り箸持ってきてつついてみたわけ。
したらやっぱり、ぐにぐに動くんよ。「うわ、なんだこれ。生きてんじゃん?」て思った。
そんで、びっくりしてよ。つついてた割り箸、手から離したらさ、その肉の塊が割り箸食っちゃたんよ。
なんか口がどこだか分かんないけどさ、食っちゃったんよ。
「あ、これ便利じゃね?」って思ってよ、溜まってたゴミ食わせたのよ。そしたらなんか嬉しそうでさ。
だから飼ってんの。便利だし。なんかどんどん大きくなってくけどね。
今度さ、見してやっからウチ来いよ。
186 :
ホモ@サピエンス:04/03/02 18:52
(・*・) 軽いノリの語り口調が余計に怖いですね・・
乙です
>>185
187 :
ママ@もこ:04/03/02 18:55
パンパンパンパンパーン
∩
( ‘ .‘)彡☆
⊂彡☆))Д´)←>>ホモ@サピエンス
☆
188 :
ホモ@サピエンス :04/03/02 18:57
(;;)*・) ちょ、ちょっと待ってください!!
今回は盗作じゃないですってば!!
189 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/02 19:21
ホモ、仲いいなw
190 :
ホモ@サピエンス:04/03/02 19:23
( ) 次こそは・・・
192 :
ホモ@サピエンス:04/03/02 21:39
上半身が禿げオヤジで、下半身がズル剥け黒光りな生き物が恐いよぉ・・・。
194 :
ホモ@サピエンス:04/03/05 01:31
(・*・) 少しageときますね
195 :
蠢 ◆ldIBuAcZTY :04/03/05 17:23
「すきまびと」
あなたは小さい頃、戸の隙間を無性に恐ろしく感じたことはないでしょうか?
隙間から視線を感じたことはないでしょうか?
それは「すきまびと」です。
「すきまびと」は戸の隙間から、壁と家具との隙間から、箱の隙間から、あなたを覗いているのです。
その小さな小さな小人たちは、その小さな目でじっとあなたのことを見ているのです。
いつだって、どこでだって、あなたのそばには「すきまびと」がいます。
そう、今もあなたを見つめているのです。隙間から。じっ、と。
小さい頃どころか今だって隙間コワイっす(><)
マターリお待ちくださいませ
つ〃旦~旦~旦~旦~旦~旦~旦~旦~旦~旦~
「それはまるでサナギのような」
目覚まし時計のけたたましい電子音で戸田 和彰は目を覚ました。
布団から手を出し、アラームを止める。朝の7時か。
僕は、まだ覚醒しきっていない頭で、自分が昨日、上司の酒に付き合って酔っぱらいながら帰ってきたことを思い出した。
どうりで頭がガンガンするわけだ。慣れない酒を少し飲み過ぎたせいだろう。怠い体を無理矢理起こし、仕方なくベッドから出た。
この就職難の時代、やっとのことで入社した会社だった。こんなことで遅刻など出来ない。
もし万が一、解雇なんてことにでもなったら高校、大学と金を出してくれた田舎の両親に申し訳が立たない。
現実に引き戻され、ほぼ覚醒した僕は、カップを手に取りコーヒーを入れた。
朝食を終えた僕は、いつものスーツに着替えるためパジャマを脱いだ。
朝食と云ってもジャムを塗ったトーストとコーヒーという質素な組み合わせだ。
それだけ今の生活が苦しいということである。
最近付き合い始めた彼女にだって、大したプレゼントも買ってやれないのだ。
そんなことを考えながら、ハンガーに掛かったYシャツに手を伸ばす。
ろくに洗ってないせいか、襟の辺りが少し黒ずんでいる。
Yシャツの袖に腕を通した。
そのとき。背中に違和感を感じた。
僕は右手で背中をまさぐった。
肩胛骨の間辺りに手を伸ばす。中指が「突起」に触れた。
やけに硬く、冷たい。これは何だ…
これは…
その突起物を僕は強く押した。
パシュッ
一瞬目眩がして、僅か、何かが解き放たれるような音がした。痛みは感じなかった。
ふと、足下を見ると、そこに。何かが脱ぎ捨てられていた。パジャマ?これは、違う。
僕は「それ」を拾い、目の前に広げた。
そこに、僕が居た。いや、僕の表皮がそこに在った。どういうことだ…?混乱した。
僕は「僕」を投げ捨て、全身鏡の前に立った。
そこにいたのは。無機質な顔。金属質の躰。体中を駆け巡る赤や青の導線。
床に打ち捨てられた表皮を見下ろす。夢か…?いや、違う。だが。
これは、僕の「知る」日常ではない…!
「な、中の人などいない!!」
自分に言い聞かせるかの如く、僕は叫んだ。
脳が何かを拒んでいる。体中が、痛い。
ボクハ…
突如、玄関が開く音がした。誰かが廊下を、走っている。
寝室のドアが開いた。
そこには、白衣を着た2、3人の「人間」たちが立っていた。
その一人がポケットから何かを取り出した。見たことのない機械。
まるで大きなボールペンのような。
機械は、耳鳴りのような音を響かせていた。
そして。男がそれの先端を、僕の体に強く押し当てる。
意識が、途絶えた。
「テストナンバー0284。失敗です。」
「そうか。要因は…?」
「外装着脱スイッチの位置が悪かったようです。マウスが気付いてしまいました。」
「なるほど。改善の必要があるな。」
「それと、マウスに植え付ける過去や現在の記憶に関してですが。」
「何だ?」
「あまり、複雑にしないほうが良いかと。ハードの容量は慎重に使うべきです。」
「分かった。それに関してはそっちで色々やってくれ。」
「承りました。では、ナンバー0284のマウスは廃棄処分に回して宜しいでしょうか?」
「ああ、そうしてくれ。」
巨大な研究所の長い廊下に、ワゴンを押す音が小さくカラカラと響いた。
203 :
ホモ@サピエンス:04/03/07 16:40
(・*・) お疲れ様でした、僕こういう系の話大好きなんですよね
2001年のゲームキッズとかよく読んだものです
それにしても、「な、中の人などいない!!」には笑いましたw
>>203 「中の人などいない!」をオカルト(SFか?)的に表現することが、この話の目的の一つでした。
笑って頂けて良かったですw
「♪」
ふいに音が鳴った。
オルゴールの音。
たった一音だけ、綺麗な音で
「♪」
と。
ボクは眠い目をこすってパソコンを起動させた。
この部屋にオルゴールなんてなかったから。
中の人!
実験体は2ちゃんねらーだったわけだ(笑
>>205 オルゴールの音色って、なんとなく落ち着きますね。
荒んだ心を洗うような心地よさ(言い過ぎか?w)っていうか。
もし、そんな体験したら、なんか逆に幸せな気持ちになりそうです。
もこもこのスレにお話書いていい?
>>208 うん いいよー
とびきりグッドなヤツ頼むよー
もこまだー(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン
うふふ
じらし上手だなぁ、もこは(はぁと)
はよせい!!!!!
やっぱめんどくさいからやめていい?
えーーーー(*´Д`)
まー気が向いたら書いてよー
ずっと待ってるからさー
>>212 なんだよ!また偽物かよ!
偽もこは書く書くって言って書いたためしないじゃん!
なんか書けよ!
粘着野郎キター。
粘着ウゼー。
ここは粘着がいるので書きません。
書こうと思ったけど粘着がいるのでやめます。
粘着UZEEEEEEEEEEEEEEEEE!
粘着のせいで書こうと思っていた話を忘れました。
全部粘着の西南だ。
ほもマダー (・∀・)っ/凵⌒☆チンチン
「taste blood」
「なあ、また献血車が襲われたぞ。」
「マジかよ?これで3回目だろ?」
「ああ。商店街に停めてあったトコをやられたんだよ。」
「で、今度も全部?」
「そう。採血された血液がごっそり無くなってた。」
「血なんか盗んで何になるんだっつーのな。金ならともかくさ。」
「ああ。」
「もしかして、吸血鬼が犯人だったりしてなw」
「ん、ああ…かもな。」
「『かもな』じゃねーよ!ジョークだ、ジョーク!」
「…俺、犯人見たんだよ。」
「マジ…!?で、どんなヤツだった?」
「信じるか?…嘘じゃねえぞ。」
「は?ああ、信じる。教えてくれよ。」
「…黒いマント着けて、全身真っ黒の男だった。」
「ああ…?それって、まんま吸血鬼じゃねえかよ…ありえねえw」
「やっぱ、信じてねえじゃん…」
「いや。あんまり出来すぎた話だからよ。つーか、やっぱり犯人は吸血鬼じゃねーよ。」
「…なんで?」
「赤十字のマーク思い出してみな。」
「ん…?ああ。なるほどな…」
「だろ?」
「じゃあ、犯人は…?」
「さあね。どっかの変態だろ?」
「そうだと、いいんだけどな…」
−それから10ヵ月後、「模造品たち」が静かに産声を上げた。
>>222 ホモさんではありませんが、書いてみました。
けど、微妙です。ゴメン。
225 :
粘着2号 ◆RgLj7AzHxE :04/03/11 20:09
粘着ですが、呼びましたか?
も…もこです…か?もこですよね?
昨日の話をします。もこには、かわいい弟がいます。3…あれ?もこの話きいてますか?
きいてないんですか?
じゃあいいです!もう来ません!
なんて愚かな人たちだッ!!!
227 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/11 21:52
もこって異常者なん?
228 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/11 21:56
なんて愚かな人たちだッ!!!
229 :
ホモ@サピエンス:04/03/11 22:27
(・*・) どうも、ホモです
230 :
ホモ@サピエンス:04/03/11 23:34
(・*・) すみません、蠢って何て読むんですか?
無知な僕にどなたか教えてください
dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%EA%C1&kind=jn&mode=0&base=1&row=0
>>231 (・*・) ありがとうございました
さて、もこママの眼鏡にかなうお話でも考えてきますかね・・・
乙、遅かったね。
235 :
ホモ@サピエンス:04/03/17 18:06
(・*・) ageますね
236 :
ママ@もこ:04/03/17 19:51
パンパンパンパンパンパンパーン
∩
( ‘ .‘)彡☆
⊂彡☆))Д´)←>>ホモ@サピエンス
☆
もこもお話かこうかな〜、迷ってるよ?花崗岩?
違うよ。
238 :
ホモ@サピエンス:04/03/17 23:45
(・*・) 是非お話を!!
じゃあ書くよ。
「反転」 作:もこ
世界がひっくり返ってから今日で3日が経つ、もこの隣の木一緒に頑張っていた
渡辺というおじさんも今朝には姿を消していた。
3日前、もこが近所の公園を鼻歌混じりで散歩していると突然地響きが鳴り
地面が徐々に傾き始めた。その異変に気づいた周りの人達はパニックに陥り、所々で
驚愕の悲鳴が聞こえてくる。その後地面は45度、90度、と角度を変え終いには
180度回転した状態になってしまった。すると普通に地面を歩いていた人や動物、
ゴミ箱などの人工物は全て空へと落ちていった。。もこはとっさに近くの木に
しがみついたのでなんとかその難を逃れることができたが、地上にあった物が
全て落下していく様子を見て放心状態になり、ただただ木の幹にしがみつくことしか
できなかった。どうやらこの変動は180度の所で止まったらしい。それから一時間余り
経った。時折、叫び声と共に力尽きた人間が空へと消えていく。その声を聞くたびに
もこはおののき震え上がった。もうこれで10人目だ。そんなことを思っていると、もこが
しがみついている木から15メートルほど離れた場所にある木から声が聞こえてきた。
「おーい、大丈夫ですかー?」
それが会社員の渡辺さんであった。 続く
渡辺さんはたまたま会社をサボってたまたまこの公園をうろついていた所、この変動に
見舞われたらしい。渡辺さんは普段どうりに会社に行っていればこんな事態にはならなかった
のにと笑っていた。もこは笑い事ではないと思ったけど、とにかく渡辺さんの存在はもこにとって共に苦難
を乗り越える良きパートナーとなり、互いに励まし合いなんとか不安を紛らわすことができた。
しかし、そんなパートーナーも今朝には姿を消したいた。もこはパートナーを失ったせいか、気力を失い
空を見下ろしこんなことを考えるようになった。「あの空の向こうには天国があるのかもしれない。」
「渡辺さんを追いかけよう。」そう思いもこが手の力を抜こうとした瞬間、地響きが鳴った。
「まさか・・・」そのまさかであった。逆さまにだった世界が徐々に角度を変え45度、90度、
そして180度で止まった。世界の角度は元に戻ったのだ。もこは木の幹から飛び降り、地面に立てる喜びを
かみ締め涙した。もこが喜びに浸っていると突如もこの隣に何かが落ちた。
ドサッ
それは渡辺さんの死体だった。なんか地面に落ちた衝撃で血とかが出てるよ?
それにほら、なんかいっぱい落ちてきたし。ドサッ、ドサッ、ドサドサッ、
うわー・・・なんか血がいっぱい。うわぁ・・・、脳みそとかも出てるよ。
あぁ!、あの人、ほら、たぶんあれ目玉でしょ?うぇ、ウウェロッ!うぇろっ・・
ウェロウェロ、ビチャビチャ、ウウェロ!ビチャビチャビチャ、ピチャピチャ
うっ、ウェロウェロウェロウェロ、 ハァハァ ハァハァ・・・
ウェロウェロウェロウェロウェロウェロ!!!!ビチャボチャピチャピチャ!!
う・・・う・・・ハァハァハァハァ・・・ ふぅー・・・
完
242 :
ホモ@サピエンス:04/03/18 21:37
(・*・) 何か小林泰三さんぽくて、イイ!!
>>242 そんなこと言って、どうせおせじでしょ?
もこ悲しい。
244 :
ホモ@サピエンス :04/03/18 23:07
(・*・) 僕はお尻は付いても嘘は付きませんよ
媚びるもこは気持ち悪いです。
247 :
ホモ@サピエンス:04/03/19 00:00
(・*・) 人の評価など気にせず、自分の道を突き進んでください
>>245
いやマジ面白かったって!
久々にもこの話が読めて嬉しいよ。
「気をつけろ」 作:もこ
もこが早朝見知らぬ港町をうろついていると屈強な体つきの男に手を引かれ、
無理矢理地引網を引かされることになった。
砂浜には既に漁師と思われるたくましい男達やその家族達が大勢集まっていた。
そしてみんなで網を引くと思いきや、もこだけ先頭に突き出され周りの連中は拳を握り
「今だぁ!引けぇ!」「がんばれぇ!」などと叫ぶだけ。結局もこ一人で引かされることに
なった。もこが汗と涙を流しながら網を引いてから2時間余り、沖に仕掛けた網は
もうすぐそこまで手繰り寄せられていた。ふと手繰り寄せられた網の中で何かが大きく
動いた。「クジラだ!」漁師の子供が叫んだ。「本当だ!クジラだぞ!」大人も叫ぶ。
「気をつけろ!クジラは古代人が造った潜水艦だから、気をつけろ!!」子供と大人が
同時に叫ぶ。そして漁師ら一同は一斉に砂浜をかけ上がり逃げていった。
その後、もこはクジラ見たさに網に近寄ってクジラを覗いて見ることにした。
「あっ・・・!」網を覗いたもこは思わず声を出し、驚愕の表情を浮かべてしまった。
なんと、クジラだと思っていた物は、実はなんか訳のわからない藻みたいなのが
絡まり合ってユラユラ揺れていただけだったのである。 完
「病室」 作:もこ
もこは病室のベットで横になっていた。なぜかというと、。2時間ほど前、金持ちの
ボンボンに札束でほっぺをピシャピシャ叩かれて気絶寸前の所を、たまたま通りがかった
暴漢に助けられ、その後の通報によって現れた救急車で病院に運ばれたからである。
「今日は立て込んでいて粗末な部屋しかありませんから。って看護婦さんは
言っていたけど、静かでいい部屋じゃない。」
もこは真っ暗な病室で、黒い袋に囲まれながら思いにふけっていた。
すると突然病室のドアが静かに開き、メガネの看護婦がコツンコツンと靴を鳴らしながら
近づいてきた。「病院を移りますので・・・」メガネの看護婦はそう呟くと近くの黒い袋の
ジッパーを開き、もこにこの中に入れと命令した。もこが躊躇するとメガネの看護婦は
もこを無理矢理袋に詰めこみ、そのジッパーを閉めた。
病院の裏には金色の屋根を乗せた黒い車、もこは訳も解らないままその車に乗せられ
どこか遠くへ連れられてしまった。
遠く離れたとある盆地の真中に煉瓦でできた古い建物と灰色の煙突が一本。
その煙突の口からはいつも黒い煙が立ち昇っている。
そう、その建物は結構有名な手作りパン屋さんなんだそうです。 完
「おとおさん」 作:もこ
もこのおとおさんわすごくへんな人です。
このまえの日ようびの日におとさんはがむてえぷお体にまいて
えじぷとのみいらみたいになていました。
おとおさんはそのあとじゅうたんの上をごろごろころがて
いっぱいとれたぞお とわらっていました。
もこはかこいいとおもいちかくにおちてたさとうきびを
ひたすらしゃぶりました。
「テルテル坊主」 作:もこ
江戸時代の話。
とあるお寺に一休という名の小坊主がおりました。
一休はとんちが得意でみんなにチヤホヤされていました。
ある日、とあるお城の殿様がお寺を訪れて一休に難題を突きつけました。
「南の村にある不作続きの枯れ果てた畑に雨を降らせて見せよ」
その難題を突きつけられた一休は頭をつんつんしながら考え始めました。
そして殿様に明日の早朝に南の村の枯れた畑を見に来るように言いました。
そして翌日。
殿様は南の村の畑を訪れました。そして思わず驚いて声を上げてしましました。
なんとその畑周辺にだけ雨が降っているではありませんか。
でも良く見たら一休が木の上から尿を撒き散らしているだけでした。
その後一休は町の広場で首吊りの刑にさらされました。 完
「三匹のこじき」 作:もこ
ある所に三匹のこじきがいました。
路上生活をしていたこじき達は夜な夜な暴漢に襲われないようにそれぞれ家を
作ることに決めました。
一匹目のこじきはダンボールに青ビニールを被せたシンプルな家を作りました。
二匹目のこじきはベニヤ板にガムテープを貼りつけた見栄えのいい家を作りました。
三匹目のこじきは鉄板をコンクリートで囲んだ頑丈な家を作りました。
次の日、それらは全て撤去されました。 完
「死別」
目の前に親父が横たわっている。
…いや、これは親父ではない。親父の骨。
焼かれてスカスカになった、ただの「モノ」だ。
厳格な親父はもう、そこには居ない。
そこにあるのは、白くて軽い「モノ」でしかない。
生前と変わらぬのは無口であるということだけだ。
親父はいつも仕事ばかりで、私には遊んでもらった記憶さえない。
父親と楽しそうにキャッチボールをする友人を羨ましく思った。
私や家族よりも仕事を取った親父を恨めしく思った。
私は親父の頭骨に一瞥をくれる。
これが親父だったのか。
親父が大会社の社長として働いていたことが、幼かった私にとって、唯一の誇りだった。
いや、それ以外に親父を誇る理由が見つからなかっただけか。
そして、仕事一筋の親父も歳を感じたのか、一昨々年、私に会社を譲り、隠居した。
母が死んだのは昨年のことだった。そのとき、私は親父に一緒に暮らすことを勧めたが、
親父は「お前の世話にはならん」とけんもほろろだった。
仕事という生き甲斐と、生活の全てを任せていた母を失くした親父は、
今年の一月、体を壊し、入退院を繰り返した結果、一昨日この世を去った。
冷たくなった親父を見て、私は驚きよりも虚しさを感じた。
これが親父だったのか、と。
そして、その冷たい躰も、ほんの数分前に焼かれ、燃えた。
「えー、こちらが肋骨ですね。」
火葬場の係員が説明を始めていたことに漸く気が付いた。
死者の親族との接触を、仕事として割り切っているような淡々とした口調だ。
「で、こちらが…あれ?」
係員が目を留める。
私の位置からも、骨の下に何かが挟まっているのが見えた。
「えーと、これは…」
係員が箸でそれをつまみ上げる。
それは、一枚の写真だった。
係員は訳が分からないというような顔をしている。それは、私も同じだった。
私は、じっとその写真を見つめた。
それは、先程、親父の棺に入れたはずの写真。
親父と母と私と弟と。家族四人で写っている唯一の写真だ。
生まれて初めての家族旅行だった。忘れもしない、伊豆への旅行。
写真に写る親父はいつも通りの仏頂面だった。
その写真が、ここにあるということは、炎の中で燃え残ったということだ。
「火葬場の係員を10年やってる私でもこんなことは初めてでして…」
慌てる係員をよそに私はどこか穏やかな気持ちでいた。
私は幽霊や死者のメッセージなどという非科学的なことは信じない人間である。
けれど。
親父が、「これは、お前が持っていろ」と言っているように、私には思えた。
「柱」 作:もこ
もこは今アパートで独り暮しをしていますが、昔は一軒家に家族で住んでいたんです。
ただその家は残念ながら火事で燃えてしまい、それが家族との別居を余儀なくされた
原因でもあります。今回は今は無い懐かしき我が家の思い出を語りたいと思います。
もこがもっとも印象に残ってる事といえばやはりあの大黒柱の事です。その家は
なんの変哲もない一軒家だったのですが、居間と廊下の間にとにかく立派な大黒柱が
あったんです。父や母はもこの誕生日が訪れるたびにその大黒柱にもこの背丈を記録
していたことを今でも覚えています。柱にまつわる思い出は他にもあります。
信じてはもらえないかもしれませんが、あの柱にはほどよい弾力があったんです。
それに、妙に生臭かった。そしてそれはまるで何かの生き物のようにほのかに温かく
縦に筋みたいなのが並んでいました。もこがなんとなく柱の一部を取り除き、口に運んだ
ところ歯応えが良く、それ以来何度か醤油をつけて食べたこともあります。
そして気づいたんです。これはきっと貝柱なのだと。
もこの家は鋼鉄の網の上で地獄の炎に包まれました。もこ達家族はそんな様子を
遠くからただ見つめることしかできませんでした。両親は火災保険に加入していたので
保険会社に保険金を請求したのですがその保険会社はまったく相手にしてくれませんでした。
もこは許さない。我が家に火を放ち、家族をどん底に落とし入れた犯人を絶対に
許さない。 完
お疲れサンです
ホモはいないの〜?
262 :
ホモ@サピエンス:04/03/21 18:25
(・*・) いますよ
263 :
ホモ@サピエンス:04/03/21 18:35
「ドッペルゲンガー」
なぁ、昨日TVでやってたんだけどさ。
自分のドッペルゲンガーに会うと死ぬらしいぜ
あれ、お前いつからブラックのコーヒー飲めるようになったんだ?
でな、ごくまれにドッペルゲンガーが本人を殺してそいつに
なりかわって生活してるってケースがあるらしいんだ
生まれ変わった奴は外見はそっくりなんだけど
性格とか好みとかがガラっと変わるらしいぜ
それにしても、お前今日は良く食べるな
でもさ、もし本当にそういう事があったら怖いよな
もしかしたら俺らのまわりの人間はみんなドッペルゲンガーかもな
まぁ、そんな馬鹿なことあるわけないだろうけどさ
なんだよお前、今日は無口だな?
264 :
ホモ@サピエンス:04/03/21 18:36
(・*・) どうです、もこママ?
「ドッペルゲンガー」 作:もこ
とある病院で一人の男の子が白血病に苦しめられていました。
ある日、突然その男の子の病状は悪化し始め直ぐに手術をしなければならない
状況に陥りました。もちろんその手術をするには大変な額のお金が必要です。
男の子の両親は大事な一人息子の命を救うため、家を売り、貯金を全ておろし、
親戚に頭を下げて借金をし、なんとか必要な額のお金を作ることができました。
両親は直ぐに手術を頼みました。しかし、医者はこう言うのです。
「必要な設備はそろっているのですが、骨髄ドナーからの骨髄の提供がないのと
手術はできません。」
これを聞いた男の子の両親は絶望のどん底に突き落とされました。
万が一、ドナーからの骨髄の提供があったとしてもそれが息子の体質に合うかどうか
もわからない。自分たちはもちろん、念のため親戚一同にも検査を受けてもらったが
結果は全て不適合。もう息子の命は助からないかもしれない。
そう思った次の瞬間、男の子の父親が顔色を変えました。
「そうだ・・・ドッペルゲンガー、ドッペルゲンガーなら同じ骨髄を持ってる
かも知れない!!」
それを聞いた男の子の母親は狂喜しました。
二人は再び財産を掻き集め「ドッペルゲンガー捜索隊」の募集をしましたが、
結局誰も来ませんでした。 完
266 :
ホモ@サピエンス:04/03/21 19:15
(・*・) ま、負けた・・・
なるほど…同タイトルでそれぞれが違う話を書くっていうのも面白いね。
「ドッペルゲンガー」
この世にはドッペルゲンガーというモノが存在するらしい。
ドッペルゲンガーは自分と全く同じ姿をしており、
自分のドッペルゲンガーを見た人は命を落としてしまうのだそうだ。
こういった話を信じやすい僕は、この噂を聞いてから、
ドッペルゲンガーのことが気になって仕方がない。
こういった噂が作り話だと云うことは十分承知しているのだが、やはり怖いものは怖い。
自分のドッペルゲンガーに出会ってしまわないかと、今も妙な心配をしている。
まあ、今日はどうせ休みだし、外に出ることもないのだけれど。
「ピンポーン」
突然、玄関のチャイムが鳴った。
今の今まで、ドッペルゲンガーのことを考えていた僕はビクビクしながら声を掛けた。
「あの、どちら様ですか…?」
少し間があいて、ドアの向こうから声が聞こえた。
「宅配便です。」
なんだ…何をビビってたんだ、僕は。
大体、ドッペルゲンガーなんているわけないじゃないか。
今までビクビクしていた自分がなんだか馬鹿馬鹿しくなった。
無造作に玄関のドアを開ける。
そこに。「僕」が立っていた。
混乱した。安堵していた僕は一気に絶望へと突き落とされた。
嘘じゃなかった。単なる噂じゃなかったのか…僕は、死ぬのか?
僕の目の前の「僕」が怯えたような表情で、倒れた。
死んでいる。
ああ、そうか。向こうが本物だったのか。
僕は足下の宅配便を拾い上げ、家の中へと戻った。
おー、オモシレーな!三人とも乙!
三題創作スレもあったけど、お題フリーのが絶対書きやすいよな。
折れも何か考えてみようかな?(無理w
270 :
こっぺぱん:04/03/23 01:47
題:ドッペルゲンガー 作:こっぺぱん
繁華街の一角を親子が歩いていた。
「ねぇ!ママ見てみてぇ!ドッペルゲンガーがいるぅ!」
パーンッ!!
「何言ってるの!?あれはただの双子でしょ!?謝りなさい!!」
「ご・・・ごめんなさぁい」
「もう、この子はっ!!」
バシッ!バシッ!バシッ!
「まぁまぁ、いいじゃないですか奥さん、その辺で勘弁してやってくださいよ。」
「うぅん?あんた誰よ?」
「私ですか?私はこっぺぱんと申します。」
「なにがこっぺぱんよ、ふざけんじゃないわよ!!人ん家の教育方針に口出さないでくれる!?」
「でも・・・」
「あぁん?あんた何様のつもりぃ?警察呼ぶわよぉ!!?」
「え・・・いえ・・・はい、すいませんでした。失礼します。」 おしまい
271 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/23 01:52
>>270 誰がおまえのリアル体験を書けと言った!
>>268 ちとありがち過ぎ・・・・展開が100%読めてしまっていたよ
>>273 まあ、そう言わないでよ。
何行目で分かりました?
こっぺぱん、中の人かわったのか?
もみぢ。がないじゃないか
「ドッペルゲンガー」
この世には、自分と同じ人間が3人いるといわれている。
だが、もし気がついても、決して目を合わせてはいけない。
この世に同じ人間は二人いらないのだ。
今朝もいつものように、俺は会社に行かなくてはならない時間になった。
川の土手を歩きながら、俺は駅に向かった。
昨日の大雨のせいで、川は水かさを随分と増し、荒れ狂うようにうねっていた。
川を眺めながら歩いていると、上流から何かが流れてくるのが見えた。
近づくにつれ、それは見慣れた形になっていった。
『人だ!』
考えるより先に体が動いた。濁った波が目の前に広がる。
体はどんどん下流に流されていく。俺は必死に泳いだ。
流れは速いが、この調子なら助けても向こう岸に着けるだろう。
だが、流れていく男はピクリとも動かない。もう死んでいるのだろうか?
俺は男に辿り着き、袖を掴んだ。
『助けてくれ!』
さっきまで動かなかった男が、突然叫びながらしがみついてきた。
このままでは俺まで溺れてしまう。俺は必死に引き離そうと、男の顔を掴んだ。
男は俺の顔を見ながら驚いた顔をしていた。
『おっ、俺!?』
二人の声がそろった。
次の日、下流で同じ顔をした二人の男の死体が見つかった。
277 :
ホモ@サピエンス :04/03/23 19:20
「呪い」
ふらふらになりながら、エイチは公園のベンチに腰をおろした
かなり酔っているようだ
「ちきしょう、あんなに飲ませやがって・・・・」
星空を見上げながらエイチはつぶやいた
ふと、何かの気配を感じた
あたりを見まわすと、一匹の犬がこちらに近寄ってきていた
いつものエイチなら追い払うだろうが
今のエイチにそんな気力も無く
犬が近づいてくるのを黙ってみていた
犬はエイチのすぐ近くまでくると、突然喋り出した
「おっさん、だいぶ酔ってるな」
「ちょっと飲みすぎてな」
犬が喋った!?、などと驚くことも無くエイチは犬と会話を続けた
泥酔状態のエイチには、まともな思考能力が残ってなかったのだ
「飲みすぎは体に良くないぜ、ところでおっさん。何で俺が喋ったり出きるのか興味無いか?」
「どうでもいいよ、それより寝かしてくれ。もう眠くてしょうがないんだ」
「まぁ、そう言うなって。おっさんに聞いて欲しいんだよ、俺がどうしてこうなったか」
「俺、実は人間なんだ。ある女に呪いをかけられて犬の姿にされちまったんだよ」
「呪い?」
「そう、呪い。しかもこの呪いやっかいでさ、ある条件を満たさない限り永遠に続く呪いなんだ」
「どんな条件だよ?」
「それは、誰か別の人間に呪いの話をすることさ。簡単そうだけど意外と難しいんだ
犬が突然喋りかけたらたいていの人は逃げるか気絶するからな。
アンタに会えて良かったよおっさん」
そう言うと同時に犬は人の姿に男は犬の姿に変わっていた
「やった、戻れた!!戻れたぞ!!」
久しぶりの二足歩行に戸惑いながらも、男は人に戻れた喜びをかみ締めていた
278 :
ホモ@サピエンス:04/03/23 19:22
「良かったな」
犬になったエイチが男に言った
「悪いなおっさん、俺が戻るためにはこうするしかなかったんだ。」
「いや、いいさ。逆に感謝してるんだ犬にしてくれて」
「どういうことだ?」
「実は俺も呪いにかかってたのさ。しかも俺の呪いは君のと違ってとく方法の無い呪いなんだ」
「なんだって・・・!?」
「いや、解く方法は一つだけあるんだ。呪いってのは一人の人間にひとつしかかけられないらしくてな
1つ以上かけようとすると、最初にかかっていた呪いと交換ということになるんだ
つまり、君が俺に犬の呪いをかけたことによって、俺にかけられていた呪いは君に移ったんだよ」
「ば、馬鹿な・・・」
「じゃ、俺はこの呪いを解きに行くとするかな。解き方は君が教えてくれたからね。
酔っ払いなんて繁華街に行けばいくらでもいるだろう
君の方はそう簡単にはいかないだろう、私も何十年とその呪いを解くことができなかったからね」
「ま、待ってくれ!!アンタにかけられた呪いって一体何なんだ!?」
「犬でいたほうが良かったかもな、君は」
深夜の公園に犬の咆哮と人間の叫び声が響き渡った
「呪い」
浮浪者のジジイを蹴り殺した。
殺すつもりは無かったが、目障りだったんで蹴っていたら血を吐いて死んだ。
『呪ってやる』ジジイは最後にそう言った。もう数日も前の話だ。
俺は別に呪いなんか信じちゃいない。
一度だってかけられたことは無いしな。
かけられたと思い込むことが呪いの正体なんだよ。
怪我をするのもたまたま。病気になるのもたまたま。
普段たいしたことない不幸だって呪いのせいにしちまう。
あんなもんは全部思い込みだ。
実際は呪いなんかありゃしねぇんだ。
・・・俺も今までそう思ってたんだよ。
まさか本当にかけれるとはなぁ。
俺の膝にできたジジイの顔をしたできものはそう言って哂った。
そろそろ俺の出番かな
281 :
こっぺぱん:04/03/23 23:40
もみぢ。
もう遅い?
ほんとにモこがこなくなったな。笑えるw
しかも誰も帰ってきてとか言わないし。
モこがいなくなってからもこがカキコし始めたのもうける。
厨房丸出しっすね
厨房を丸出しにすると、スースーして気持ちいいよ。
やりすぎで風邪ひかないようにね。
287 :
ホモ@サピエンス:04/03/25 23:27
(・*・) もこさんまだ〜?
「四月雨」
「綾子。綾子は居るか?」
「はい。綾子は此処に御座います。」
「そうか…。綾子、外は雨が降っているのか?」
「はい。小雨が降っております。」
「このベッドからは外がよく見えんのだ。庭の桜はもう咲いているのだろうか…」
「はい。とても綺麗に咲いておりますわ。」
「そうか…。でも、私は晴れた日の桜の方が美しいと思うんだ。」
「はい。私もそう思います。」
「早く、晴れると良いな…」
「そうで御座いますね。」
古びた洋館の一室。老人は「ありがとう」と一言言って、その生涯を終えた。
老人の最期を看取ったのは、枕頭に佇むマネキンだけだった。
289 :
ホモ@サピエンス:04/03/27 20:16
(・*・) たとえマネキンであっても、老人にとっては良き話相手だったんですね
高齢化社会では、決して作り話とは言えないお話だ・・・
290 :
ホモ@サピエンス:04/03/27 20:32
「四月雨」
私はどうやら四月に嫌われているらしい
毎年四月になるとありとあらゆるものが私を避ける
人はもちろん、犬や猫、日の光ですらも私を避ける
だが、5月になれば何事も無かったかのように全てが元に戻る
人も犬も猫も、日の光も私を避けたりはしない
何故こんな奇妙な事になったのか自分でもわからない
最初の数年は戸惑ったし、死んでしまうかもしれないと思ったが
最近はこの1ヶ月をうまく生き延びる方法もわかってきて
なんとか生活している
そして私は毎年4月になると雨が降るのを待ち望んでいる
何故か雨だけは私を避けないのだ
雨だけは他の人と同じように私に降り注ぐ
私はどうやら雨に好かれているらしい
291 :
ホモ@サピエンス:04/03/27 20:32
(・*・) 駄目でした、「四月雨」は難しかったです・・・
ホモちゃん・・ロマンチックだねぇ
もっと書け。ホモ野朗。
>>291 すみません。「四月雨」はお題用のタイトルではなかったので…
でも、
>>292さんの言うとおり、なんだか詩的な感じで好きです。
雨にまで避けられたら滅茶苦茶凹みますよ。便利だけど。
296 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/28 19:59
良スレですね
298 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/30 11:59
ただいま!(←なぜか変換できない)
今、厳しい高野山の修行から帰りました。
うそうざい
300 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/30 16:03
「めざまし」
雄一君はいつもの様に目覚まし時計の鳴る音で起きました。
雄一君はこれまたいつものようにリビングに行きました。
いつもならそこには雄一君のパパとママがいるはずです。
しかし雄一君のパパとママは居ませんでした。
ふと雄一君は時計を見ました。
時計の針は短いほうが3、長いほうが12をさしていました。
ちょうど三時です。
雄一君は、「ははあ、ぼく目覚ましの時間間違えたなあ」
とつぶやき部屋に戻りました。
部屋に戻って雄一君は布団に入ろうとしました。
布団に入って雄一君は時計に目をやりました。
雄一君は自分の目を疑いました。
時計は7時半をさしていたのです。
雄一君のママの声が聞こえました。
「ゆういちーもう朝よーー」
雄一君は何がなんだか分かりませんでしたがリビングに行きました。
時計を見ると七時半をさしていました。
パパもママもいつものようにそこにいます。
雄一君はいつものように朝ごはんを食べ学校に行きました。
その日の午後でした。
雄一君が学校で階段から落ちて死んだのは。
301 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/30 16:10
299
>>うそうざい(←なぜか変換できない)
FUCk YUO!!
「すき間」
引き戸や障子をちゃんと閉めずに隙間があるとそこは霊の通り道になると言う、これはそんな話である。
都内の朽ちかけた古いアパートの一室に一人の青年が住んでいた。部屋の入り口は今では珍しくなった
引き戸タイプのドア。
ある夏の寝苦しい夜。もちろん部屋にエアコンはない。かといって網戸のない窓を開け放しで寝るのは
躊躇われた。「そうだ入り口を開ければいいじゃないか」そう考えた青年は戸口をcmほど開いた。
快適とは言えないすき間風に満足した青年が布団に戻ると誰もいるはずのない部屋に視線を感じる。恐
る恐る視線の感じる方向、今し方開けた引き戸の隙間を見ると鬼のような形相をした女が立っており、
じっと彼を見つめ続けていたのだ。あまりの恐怖に布団を頭から被りガタガタ震えていると「ぞろりぞろ
り」と引き摺るような足音が聞こえる。「このままではヤバイ」そう感じた青年が勇気を振り絞り起き上
がると厚さ3cmほどしかない女が覆いかぶさるように青年を覗き込んでいたのだった。
次の日部屋に帰るのが恐ろしくなった青年は酒を浴びるように飲んでいた。しかし安アパート暮らしの彼
に満足な金はなくやがて飲み屋から追い出されてしまった。
前後不覚に酔いつぶれた青年に行く当てはなく仕方なく自分の部屋に帰るとそのまま戸口を開けっ放しで
寝てしまった。いくら真夏と言えども開け放しの戸口で寝るには肌寒い、身震いした青年が目を覚まし
戸口を見ると開け放たれた引き戸いっぱいに広がった女の顔がこう言った
「隙間が広すぎる」
303 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/30 17:43
「陰菌」
アヒー!アヒー!!ボヨヨーン。
けたたましい胸の高鳴りで、俺は目覚めた。
・・・・・・・いったい、今のは何だったんだ?
部屋はほぼ無音、いや、聞こえるとすれば時計の秒針だけだ。時刻は
午前四時。俺は急に、先日の受験に出てきた国語の問題を思い出した。
(「閣下」という言葉は、日本では身分の高い人を表す時に
使われる言葉だが、スウェーデンでは「ウンチ」を意味する言葉である。)
なんてこった・・・・・・・・・。
ポルノ!ポルノ!ワラ
黙れクソガキ!!ファッキン ガキ!!
あとこれは余談だけど、映画「8マイル」を見ると無性にファッキンとかビッチとか
リンチとかしたくなるから、気おつけようね。
これが修行の成果です。感想キボンヌ。
304 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/30 19:35
305 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/30 19:37
>>某粘着殿
激しく(ry
修行の成果、とくと見せてもらったぞい!
けんかしないで。
307 :
ホモ@サピエンス:04/03/30 20:14
(・*・) もこさんのお話まだ〜?
308 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/30 20:18
もこさんだーーーーーーーー
309 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/30 21:10
ようもこ、久しぶり!
310 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/30 21:26
もこと最初に会ったのは、確か保育器の中だった。
それっきりだ。
久しぶり、もーこだよ。
312 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/30 21:44
もこさんだーーーーーーーーーー
あれは大学1年の冬。
野郎ばかり3人でスキーに行ったのだが、山小屋に毛の
生えたようなロッジに泊まった私たちは世にも不可解な
出来事に遭遇したのである。
その山は昔から「雪女」の伝説があるという。
管理人にそれを聞かされた私たちは「アナクロだなあ」
と笑った。
みんな女に飢えていたので、「雪女萌えー」「出てきて
しゃぶってくれー」などと馬鹿なことを言っていた。
その夜、ロッジで床の上に布団をしいてザコ寝に入ったの
だが、眠りに落ちる直前に外が異様に吹雪いてきたのを
覚えている。
(続く)
次の日の朝、目覚めたばかりの私に友人の一人がこう言った。
「昨日の夜さあ。雪女が夢に出てきたよ。
ヤベ、馬鹿にしたから祟られる、とか思ったんだけど。
それが何故かにっこり笑って、俺のチン○ンを握ってシゴいて
くれるんだよ。サイコーに良い夢だったよ」
それを聞いて驚いた。
私も全く同じ夢を見たのである。そのことを言うと、
「こんなことってあるのか」
二人で顔を見合わせた。
楽しい夢だったはずなのに、うすら寒くなってきた。
そこで私たちの真ん中で寝ていたもう一人を揺り起こすと、
「おい、昨日どんな夢を見た?!」
と勢い込んで聞いた。
すると彼は目をこすりながらこう言ったのである。
「んー? スキーしてる夢さ」
>>313 毛がフッサフサの山小屋想像したらガクブルです
(・*・) 最近活気付いてきましたね、このスレ
よかった、よかった
317 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/31 01:17
319 :
粘着451号◇S24DHJ3g:04/03/31 09:35
「MIB」 作:もこ
あたたかい風が心地よく吹く季節になりました。もこは一人公園を散歩しています。
すると黒ずくめにサングラスの男の団体がもこの背後から近づいてきます。
「ちょっとそこのあんた!」
もこはビックリして言いました。「まさかメン・イン・ブラック?もこを捕獲しに来たの?」
すると黒ずくめの男達は顔を見合わせて笑い始めました。
「いやだなぁ、僕達はメン・イン・ブラックじゃなくてメン・イン・ブラク(部落出身者)
だよ。実はお葬式の帰りでね、道を尋ねようと思っただけだよ。」
所変わってここは近所の河川敷、青ビニールのテントから這い出てきたルンペンの
手に握られたUFOヤキソバのお湯だし口から茶色い触手がニュルリと飛び出した
んじゃないかなぁと思いました。 完
ある意味私をこの道に引き込んだUという男がいる。
学生時代彼の下宿でささやかな酒宴を開いた時のこと、
彼が「合わせ鏡って知ってるか」
というのである。
なんとなく聞いたことがあった。
「じゃあ、鏡を二枚向かい合わせに置いておくと霊が
集まりやすいって知ってるか」
そうだったかな。
私は首を振った。
「いいものを見せてやる」
そういって彼は押入れをゴソゴソと探り始めた。
「これだ」
出してきたのは10センチ立方くらいの箱だった。
黒くてザラザラした表面に、端の方をすべてテープで
止めてある、一見何なのか分からない箱だ。
「これはな、市販の四角い鏡6枚を剥がして、鏡面側
を内側にして箱を作ったものだ」
なるほど、ザラザラした表面は鏡の裏側なのか。
(続く)
「どうだ。完璧な合わせ鏡だろう。この箱を閉じる前に
乱反射していた光は、密閉された今は出口を失って箱の
中を光速で飛び交い続けている。俺が開けない限り永遠に」
なぜか寒気がした。
「さて、この箱の中の6枚の鏡には何が映っているだろうか。
これは哲学的な問いだ。しかしお前のレベルに合わせて
もっと低俗な話をしよう。
合わせ鏡の間に挟まれた霊体は自らの視線によって動けな
くなる。これはわかるか?
ではこの箱は完璧な監獄と言える。
そこで俺はこう言う。
『決めた。これは永遠に開けない』と」
その瞬間、耳をつんざく音を聞いた。
しかしそれは音ではなかった、とすぐ気づいた。
側にテレビがついている時の、あの聞こえない音のようなもの。
彼は薄ら笑って、箱を押入れに仕舞った。
あれから箱はまだ開けられていない。たぶん。
おもろいです
みんな分かってるし要らないよ
乱歩の鏡地獄ですか
ゴーストハンター氏、面白い(・∀・)!!
ファンになりますた〜
また書いてねー!
328 :
ゴーストハンター:04/04/01 16:28
子供のころ、私の寝ていた部屋は霊道、霊の通り道
だったと思われる。
その部屋で気持ちの悪いことが何度もあった。
もっとも強烈な体験は12歳の夏、いつものように
早めに布団に入ってウトウトしていると急に左手を
引っ張られた。
布団から引きずり出される形になって、パニックに
なっていると手首のあたりに鋭い痛みが走った。
日本兵のようなガードルをした男がうつろな目で日本刀
を振り下ろしていた。
何度も何度も同じところを切られた。
やがて満足したのか、私の手を離すと押入れの方へ消え
ていった。
私は「切られた切られた」と言って泣きながら両親のと
ころへ走ったが、「なにいってんの」とぶたれた。
確かに手首には傷一つついていなかった。
しかし痛いのである。
一晩寝たら痛みは消えたが、それから私はその左手に
悩まされることになった。
ファントム・リブというものをご存知だろうか。
足や腕を切断された人が、ないはずの足先や指先の痒み
をうったえる、という現象である。
私はその逆で、時どき左手の手首から先がないような感覚
に襲われる。
始めは神経の異常ではないかと思ったが、中学になって
野球部に入るとありえないことが起こった。
外野の守備についていると、打球を追っかけている時に
グラブを落とすのである。
監督に怒鳴られたが、守っているとまた落とした。
私は落としているつもりはなく、気がついたら下に落ちて
いるのだ。
その他にも、自転車に乗っていてバランスを崩してこける
こともあった。
左手を使うのが怖かった。
写真をとる時、ついつい左手を隠してしまう。
「写らないのではないか」という予感があるからだ。
クラス合宿で、知らない間に写真をとられたことがあった。
それをとった友人が青い顔で「おいおい、これ」
と言ってきたので、「ああ、とうとう・・・」と思って
恐る恐る写真を手に取った。
キャンプ場の川原で遊んでいる写真だが、突っ立っている
私の左手は手首までしかなく、その先は足元に落ちていた。
支援いる?つか続く?
332 :
ホモ@サピエンス:04/04/01 18:00
(・*・) し・え・ん!
し・え・ん!
333 :
ホモ@サピエンス:04/04/01 18:04
(・*・) 良作が続くと自分のが載せづらくなりますね
334 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/01 18:08
335 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/01 18:11
あれは大学1年の冬。
野郎ばかり3人でスキーに行ったのだが、山小屋に毛の
生えたようなロッジに泊まった私たちは世にも不可解な
出来事に遭遇したのである。
その山は昔から「雪女」の伝説があるという。
管理人にそれを聞かされた私たちは「アナクロだなあ」
と笑った。
みんな女に飢えていたので、「雪女萌えー」「出てきて
しゃぶってくれー」などと馬鹿なことを言っていた。
その夜、ロッジで床の上に布団をしいてザコ寝に入ったの
だが、眠りに落ちる直前に外が異様に吹雪いてきたのを
覚えている。
次の日の朝、目覚めたばかりの私に友人の一人がこう言った。
「昨日の夜さあ。雪女が夢に出てきたよ。
ヤベ、馬鹿にしたから祟られる、とか思ったんだけど。
それが何故かにっこり笑って、俺のチン○ンを握ってシゴいて
くれるんだよ。サイコーに良い夢だったよ」
それを聞いて驚いた。
私も全く同じ夢を見たのである。そのことを言うと、
「こんなことってあるのか」
二人で顔を見合わせた。
楽しい夢だったはずなのに、うすら寒くなってきた。
そこで私たちの真ん中で寝ていたもう一人を揺り起こすと、
「おい、昨日どんな夢を見た?!」
と勢い込んで聞いた。
すると彼は目をこすりながらこう言ったのである。
「んー? 男二人に挟まれてチン○ンをしごかされる夢さ。」
つーかガードルってなんだった?
もうネタが尽きたよ。
ゲートルじゃねーの?
「お葬式」
カクテルパーティー効果ってご存知ですか?
パーティー会場のように騒がしい空間で、ある人に
遠くから呼びかけるにはどうしたらいいか。
それはフルネームで呼ぶこと。
様々な音が入り乱れていても、人は自分の名前だけは
聞き分けるのです。
それをカクテルパーティー効果と言うそうです。
私が名前を呼ばれたのも、そんな騒々しい場所でした。
私はお母さんに手を引かれて、親戚のお葬式に来ていました。
始まる前だったので喪服を着た人たちが沢山いて、好き勝手に
しゃべったり、挨拶したりしていました。
「 」
退屈しはじめていたころ私は自分の名前を呼ばれた気がして
あたりをキョロキョロしました。
見ると、大きな花の陰に親戚の子供のケンちゃんが隠れて
いて手招きしていました。
あんなにひそめた声だったのに私にだけ聞こえたなんて奇跡です。
きっと私の名前だったからでしょう。
それから私はケンちゃんとあたりをこっそり探検しました。
さんざん遊んだあとで、お母さんの呼ぶ声がしたので
「またあとでね」とケンちゃんと別れました。
とことこ走っていくとお母さんが言いました。
「さあ、ケンちゃんにお焼香あげるのよ」
私にだけ聞こえたなんてやはり奇跡でした。
「人形」 作:もこ
もこのお父さんは人形コレクターです。といっても幼い少女の人形やアニメの人形
などのヤバイ系のコレクターではなく、アフリカや南米の原住民に古くから伝わる
呪術人形のコレクター、いわば正統派の人形コレクターなのです。
もこのお父さんの仕事部屋の壁や棚にはそういった気味悪い人形が所々に飾ってあります。
普段は温厚なもこのお父さんですが、もこがそれらの人形に無断で触ろうとすると
もこのお父さんはは凄い形相で「触るんじゃない!!」と怒鳴るのでした。
ですからもこはそんな人形が憎くてたまりませんでした。
ある日の日曜日、もこのお父さんは朝から会社の上司と接待ゴルフに出かけました。
もこはこっそりと父の仕事場に忍び込むと棚に飾ってある呪術人形を手に取りました。
「それにしても不気味な人形だよねー。」もこが人形を観察しているとふとあることに
気がつきました。人形の背中に赤いかすれた文字で「部長」と書いてあるのです。
「お父さん、部長は嫌いって言ってたからなー。」そう言ってもこは人形の腕や首を
キコキコひねりました。するとどこからともなく部長のうめき声が聞こえたような気がしました。
「これは面白い。」
その日もこは、何かにとり憑かれたように棚に飾られた全ての人形をいじくり回して遊びました。
次の日、腕の折れた部長の死体、足がもげた課長の死体、腰が曲った係長の死体、
首のひねられたもこの死体が発見されました。 完
340 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/04 21:41
あ〜もこの顔が世界中のどんな不思議より気になる。宇宙の果てより気になる。
42歳おやじって感じなんだろうなぁ。
「サクラサク」
私は、桜が大好きなの。とても綺麗で、見ているだけで時間を忘れてしまうわ。
でも。今年はまだ、お庭の桜が咲かないの。
四年前には、お庭の桜がとても綺麗に咲いたわ。
あの年は、お祖父様がご病気で亡くなったの。
一昨々年の桜は、四年前よりも綺麗だったわ。
あの年は、お母様が亡くなったのよ。
確か、交通事故だったかしら。桜が綺麗だったから、そんなことよく覚えていないわ。
一昨年は、桜が咲かなかったの。
多分、誰も死ななかったからだわ。
去年は、今までにないくらいに綺麗な花が咲いたわ。
だって、お父様と弟の義崇が亡くなったから。
私が殺したの。
今年は、まだ花が咲かないの。
私は、綺麗な桜の花が見たいのに。
だから。だから、私は。
少女はその刃を自らの胸に、勢いよく突き立てた。
その躰から溢れ出す温かな液体を見つめながら、少女は微笑んでいた。
庭に咲き誇る桜の花を心に描きながら、少女は微笑んでいた。
また、桜が見られる、と。
それじゃ見らんないじゃん・・・(´・ω・`)
>>342 うん。見れない罠。
この前書いた「四月雨」とは違う感じで桜を使ってみました。
「四月雨」では希望の象徴。「サクラサク」では欲望の対象。
同じモノでも、人によって違った形を成すってことを書きたかったのです。
やっほ〜。僕の甲冑だよ〜。 今日はお兄ちゃんと市民プールに行こうと思って二時間半さまよったんだけど結局たどり着かなかったよ。なんだよー。 別にハァお兄ちゃんハァのハァハァハァ筋肉でハァ抜こうなんてハァ思ってハァなハァいけどさあハァハァハァハァ 世界のみんなが甲冑に優しくなーあれ。
すごく… うざいです
蠢は
漫画とか好きだろ
甲冑ん!!
(・*・) オフォフォフォフォフォフォ(バルタン星人の鳴き声)
かっ、かっちゅんだよ?!
どうしてかっちゅんを虐げるの?かっちゅんがもしももこを上回る美少女美少年だったらどうするつもりよ?!年も二歳くらい若くて40歳くらいだったらどうするつもりなのよ!!
キー!
今日の怖い話。
甲冑、担任の先生にマンガ借りました。甲冑が極度のアガリ症ゆえクラスにはとうとうなじめなかったから、先生も気を使ったんでしょう。
Dr.なんとかってやつ。アラレちゃんじゃなくて。
あんまり甲冑が読まないタイプのマンガだったので、今日まで放置してありました。
今日本屋での事。その担任とばったり会ったんです。
「甲冑にゃん!」って声かけられた時はびっくりしました。甲冑、お兄ちゃん以外の人って怖くて、涙目になっちゃうんです。
「春休み、どっか行ったかにゃ〜?」
「フゥフゥどフゥどこにもいきませんでしたフゥ」
「ダイエットがんばるって言ってたけど、どうにゃの?」
「フゥししりまフゥせんフゥフゥ」
「新学期、学校来れそう?」
「フゥフゥわかりません」
甲冑、息は荒くなるしふにゃ〜んってなっちゃって汗はだらだらだしで、本当てんてこまいです。
「あのマンガ読んだかにゃ?」
読んでません。しかし、貸してもらって随分経つのにまだ読んでないのはなんだか失礼な気がして、「はあフゥフゥ」と濁しました。
あと、いつも思ってたんだけど、先生の口調三十路も近い独身女にしては変です。クラスでも、みんなおかしいって言ってました。第一、甲冑とキャラ被ってるのがむかちゅきます。
しかし今日重大なことに気づいてしまいました。
先生のキャラ…猫語とか、ポーズとか、いきなり学校にティアラつけてきたりとか、全部そのマンガのキャラパクだったんです!
すごい引いたけど納得しました。ていうか普通に三十路女が地で甲冑よりかわいいわけないんだし。
なんか、一年もこんな女に授業受けてきたのかと思うと、なんか鳥肌がたちます。
お兄ちゃんの部屋行ったきます。
乱文失礼しました。
351 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/06 18:14 ID:AAF3LTsb
だれもこない・・・・
352 :
ホモ@サピエンス:04/04/06 18:18 ID:V5JNgLFQ
(・*・) いつもこんな感じですよこのスレは
353 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/06 21:19 ID:AAF3LTsb
だれもこない・・・・
なるほど
だれ もこ ない・・・
つまり
誰?もこじゃない・・・
誰かと思ったらもこではなかったのだな。
もこは ID きらい かな?
356 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/07 19:53 ID:9YfCLJY1
だれも☆こない・・・・
日差しの強い日だった。
私は木陰の多い公園をみつけて一息ついた。
仕事柄、外回りが多いので夏は大変だ。
蝉の声がうるさい。
ベンチで涼んでいると、ふいに大きな白い帽子が私の方に飛んできた。
「うわっと」
思わず身を乗り出してキャッチした。
人間の本能というやつだ。
「すみません」
向こうから白いワンピースの若い女性が走ってきた。
帽子とお揃いだ。
私は笑顔で立ち上がった。
しかし女性の様子がおかしいことに気づいた。
真っ青なのだ。
「どうもありがとうございます」
「え、ええ」とりあえず帽子を手渡したが、彼女はそれを抱えるとほっと
したような表情を浮かべた。
だがまだ肩が震えている。
「あの、どうかしましたか」
「いえ少し疲れて・・・」
彼女はそういってベンチに腰掛けるとうつむいたま黙り込んだ。
私は戸惑いながらも座っていた場所にもどった。
(続く)
蝉の声が空に溢れていた。
私はなんとなく立ち去りがたいものを感じて、時々彼女の方を盗み見た。
尻の辺りが蒸れて来たので、一度腰を浮かそうとしたとき
「あのっ」
俯いたままの彼女が思いつめたようなような声を出した。
「この帽子大切なものだったんです。ありがとう」
へんな娘だ。だが、ただ事じゃない響きがあった。
「・・・でも、ありがとうじゃないんです本当は」
彼女はそういって肩からかけているバックからインスタントカメラのようなも
のを取り出した。
「この中に、写ってるんですよ。この帽子を被った1年前の私が」
一体何をいい出したんだろう。
座りの悪いものを感じながら、私は彼女の「告白」を静かに聞き続けた。
「地元の人じゃありませんね。見えますか、街の様子が。
今日はお祭りの日。ああ、ここからでも沢山ののぼりが見えますね。
去年も私、この服とこの帽子を着ていました。
そして他人に時計台の前で写真を撮ってもらったんです。ひとりで。
覚えています。午前11時ちょうどでした・・・」
(続く)
彼女は少し顔を覆ったようだった。
「上手く行くと思ってました。1年も待ったんですから。
あの人を殺しても、私が捕まらないためのアリバイに。
インスタントカメラの中に1枚だけ1年前の私が写ってるなんて、誰が
思うでしょう。
11時ちょうどに、時計台の前で笑う私・・・・
その時間には彼を殺せない。完全なアリバイです。
でもそれは、1年前の祭りの日。
一年後の今日、私は11時ちょうどに・・・・」
彼女は声をつまらせた。
「彼を殺しました」
私は何もいえずに、ただ黙っていた。
腕時計を見ると午後2時半。
背中を冷たい汗が流れていく感覚だけがあった。
「1年という時間の隙間をフィルムの一コマにつなげるため、私はこの
服を、そして帽子を着なければいけなかったんです。
同じ夏の日。同じお祭り。同じ服。そして同じ笑顔で写真をとら
なければいけなかったんです。
だから帽子が飛んだ時、必死で追いかけました。
追いかけたのは、本当は帽子だけではなかったから・・・」
(続く)
「でもだめ、きっとだめだった。上手くなんか行きっこない。
だからあなたにはありがとうじゃないんです」
彼女はカメラを構えてファインダーを覗き込んだ。
しかしなぜか「ひっ」という声をあげてすぐに顔を離した。
「やっぱり見える。ダメなんですよ。ダメ。見えるんですよ。
カメラ越しに・・・あの人が」
汗の引いた顔で、彼女は小刻みに震えていた。
「レンズの向こうにいるんです。私がついさっき殺したあの人が。
きっと写るわ。シャッターを切れば。写るのよ。
彼の口がこう動いてた。
『うまくいきっこないさ。そんなくだらないトリック。きみはつみを
つぐなうんだ。ぼくをころしたつみを』」
彼女は脱力して、カメラを取り落としそうになった。
私は思わず身を乗り出してうけとめた。人間の本能なのだろう。
そして深いため息をついたあと、彼女は
「ありがとう。他人に話してやっと楽になれました。
・・・会心のアリバイトリックの写真が心霊写真だなんて、
間の抜けた話ですね」
(続く)
彼女とはそれで別れた。
出頭するなら、付き添いますよ。といおうとしたが、彼女は首を
振った。「お仕事、途中でしょ」といって。
結局彼女の話がどこまで本当だったのか、私にはわからない。
だが、妙に信じたくなった。
カメラのファインダー越しに見えるという死者を。
訳知り顔の心理学者ならこういうだろう。
「それは彼女の心の中にすんでいるのだ」と。
だが私は、信じたい。
あの時、風もなく飛んできた帽子を、信じたいのだ。
仕事、仕事。
私は足早に公園をあとにした。
気がつくと蝉の声が止んでいた。
まじおもろい まじありがとう
うん、俺も面白かった。
なんか普通に短編集とかに載ってそうな話だね
364 :
もこ:04/04/09 00:19 ID:6j6sJwVQ
もこも脱帽ー。
365 :
ホモ@サピエンス:04/04/09 00:49 ID:t+OO+43k
(・*・) レベルが違いますね・・・
366 :
ゴーストハンター:04/04/09 02:05 ID:tzxlkf88
やった! もこが脱帽したぞ!
わかりにくいかと心配したが、なんとかなったみたい。
げー!sage忘れた。
ついでにここまででおもろかった話。
>>58 >>268 どちらもホラーというかアウターゾーンな話だな。
怪談読みすぎて、最近は全然怖い話が怖くない。
むしろこういう話が好きかも。
あと自演でなければ
>>140もワラタ
うん、長文でも読みやすいよね、前に書いたのもそうだけど。
改行がうまいのかな?キレがいいのかな?
情景描写とかも必要以上無くて簡潔だからかな?
もっと長くても、この調子で中ダレしなかったら一気に読めちゃうかも。
いや、この長さだからいいのかな?
文を書き慣れてるみたいね。わかりにくくなかったよ。
でも、もこのも好きだよ^^
また書いてね。
・・・ちくしょー折れにも書けたらなぁw
369 :
ホモ@サピエンス:04/04/09 16:00 ID:/Jkw4Lub
「メリーさん」
深夜、突然僕の携帯に電話がかかってきた
「もしもし」
「私、メリーさん。今○○通りにいるの。」
それだけ言って電話は切れた
ただのイタズラだと思い、僕は気にせず寝ることにした
布団に入って5分ぐらいした頃、また電話が掛かってきた
「私、メリーさん。今貴方のアパートの前にいるの」
今度もそれだけ言って電話は切れた
不気味に思った僕は窓から外を覗いてみたが、人影はなかった
もう相手も飽きただろうと思い、僕は布団に入った
しかし5分後、また電話が掛かってきた
「私、メリーさん。今貴方のアパートの2階にいるの」
やはりそれだけ言い残し電話は切れた
ここで僕はふとこれと似たような怪談話を思い出した
今僕の身に起こっている事は、昔聞いたあの怪談話とそっくり同じだ
だとしたら、次は・・・・
そしてまた5分後電話が掛かってきた
「私、メリーさん。今貴方の部屋の前にいるの」
電話は切れた
間違い無い、あの話と一緒だ
だとしたら次電話がかかってきたら僕は殺される
いや、待てよ
あの話と同じだとすればもしかしたら・・・
370 :
ホモ@サピエンス:04/04/09 16:01 ID:/Jkw4Lub
5分後電話が掛かってきた
「私、メリーさん。今・・・・・・」
「どうしたんだい?今、の後は?」
「あの、ちょっとそこ動いてもらえませんか?いや、そこにいられると困るんですよね」
「嫌だね」
「お願いします、そこどいてもらわないと私仕事できないんです」
「君もお化けの一種だろう?自分でどうにかしたらどうだい?」
「うわぁぁぁぁぁん、ばっきゃやろ〜〜〜!!」
電話は切れた
お決まりの台詞も言えず、泣きながら電話を切ったメリーさんを
少し可愛そうにも思ったが、自分の命の方が大切だ
念の為僕はその日壁によりかかったまま寝た
もうメリーさんは怖くない
371 :
ホモ@サピエンス:04/04/09 16:04 ID:/Jkw4Lub
(・*・) さて、もこママの判定待ちですね。
たぶん、いや、絶対叩かれるんでしょうけど・・・・
>>368 うまい下手に関わらず書いたもの勝ちだと思いますよ
僕みたいになりふりかまわず載せてるアホもいるんですから
私も、もこママさん光臨の時間まで少し良いですか?
「小学校の時の話」
桜、モノの見事に散りましたね、その後は梅雨ですね。
梅雨の季節になると、「いく子」ちゃんの事を思い出すんです。
いく子ちゃんは小学校の時住んでいた家の近所の少し貧乏な子で、
いつも襟や袖が伸びきったお兄ちゃんのお下がりを着ていました。
そんなわけでクラスでは、ちょっと嫌われていて、イジメを受けている風でした。
今になって思えば失礼な話ですが、
幼心にもいく子ちゃんは少しイヤだなと思っていました。
そんなわけで、私はいつも、いく子ちゃんと一緒に登下校していましが、
それは近所の人の手前で、クラスの人に仲間だと思われるのがイヤで、
学校に着いたら離れて、話しかけられても無視してました。
あるの日、私は新しい可愛いピンクの傘をママに買って貰いました。
それを、初めて雨の日に下ろした日、いく子ちゃんにそれを嬉くって自慢しました。
もちろん、お父さんの持ってるような大きな黒い傘を持っていた、いく子ちゃんは
羨ましがりました。
そんなやりとりをママは見ていて、「育子ちゃんに見せびらかすなんて!」
と怒られました。
そして、その日はいく子ちゃんと傘を交換するように言われました。(続きます)
(つづき)
今になって思えば、私はかなり無神経なことをしたけど、
ママの言い分はかなり理不尽のような気がします。
でも結局、いく子ちゃんと私の傘は交換させられました。
はっきり言って、黒い大きな傘は持ちにくかったし、イヤでした。
横で、私の新しいピンクの傘を持って、すまなさそうにしている「育子」ちゃんが
憎らしくなり、放課後、私はいく子ちゃんと傘を置いて雨の中一人で帰りました。
一日中、ただ悔しかった記憶しかありません。
その日の夜、いく子ちゃんのママがウチに来ました。
てっきり私は、いく子ちゃんとその傘を置いて一人で帰ったことを怒られると思い。
頭が痛いと仮病を使って寝てる振りをしまいました。
次の日、ママに学校へは車で送ってもらい、しかも帰りも車です。
その時は「ラッキー」にしか思いませんでした。
ただ、いく子ちゃんは、学校に来ませんでした。
いく子ちゃんのことはあんまり考えたくありませんでした。
しかし、その日の夕食の時、
いきなり、いく子ちゃんのお婆ちゃんが家の中にサンダルのまま家の中に入ってきて、
訳の分からないことを叫びながら、私の事を叩きました。
全く突然のことで、ビックリしました。
鬼ってこんな顔をしているんだなぁって叩かれながら思いました。
腕をぶんぶん振り回して、叩くんです。
本当は痛いはずなのにあんまり痛さなんか感じませんでした。
その時、おじさんとパパに助けられましたが、
後は恐く、ずっと泣いてた様な気がします。
その日から、おばあちゃんに一緒に学校に行かなかった事をまた怒られると思い。
私は学校に行来たくなくなり、2学期からは転校することになりました。
(これで最後です)
それから、私は何事もなく中学生になり高校に入りました。
所がその高校で、昔の小学校のクラスの友だちと再会しました。
そして、その友だちから昔の、育子ちゃんの事を聞きました。
その頃はすっかり育子ちゃんの事なんてすっかり忘れてました。
育子ちゃんは傘を交換したその日の放課後、
私のきれいな新品の傘をさして一人で歩いていて
お金持ちの子供と勘違いされて誘拐されたそうなんです。
でも、服は古かった為、本当は貧乏でお金は要求できない事が解り。
足手まといになってすぐに殺されてしまい、
翌日に、ずぶ濡れの死体となって見つかったそうです。
高校の友だちは、「こんな事あったよね〜、覚えてる?」なカンジで話をされました。
そう、育子ちゃんは私の身代わりに誘拐されて殺されました。
高校の友だちは、間違われた相手は私の事だと気づいていません。
まさか昔そんな事があったなんて、初耳でしたし、思いもしません。
今は、いく子ちゃんには悪いことをした、済まないことをしてしまったと
嫌っていて悪かった事と後悔の気持ちしかありません。
ただ、雨の日になると。
小学生ぐらいの小さい女の子がピンクの傘を差しているのを見るとドキッとします。
わ た し は、あ な た と
ま ち が わ れ て こ ろ さ れ た の よ
と振り返りそうで・・・。
(終わり)
375 :
ホモ@サピエンス:04/04/09 20:54 ID:xJZPsfhk
(・*・) 都市伝説ぽくってイイ!!、ですね
面白かったです
目が覚めて、枕元にある目覚まし時計を見た。 7:45
まだ会社の時間には余裕がある。俺は起き上がって窓の外を眺め、ふっと微笑む。
冗談だ。これは毎朝の儀式みたいなもんだ。俺は知っている。時計は壊れているんだ。
この時計は俺が『時間』に嫌われだした時刻を指したまま、その動きを止めている。
俺は外を眺めながら考える。『太陽の高さからして昼くらいかな・・・』
新しい仕事に就いて10日目、さすがに今日も遅刻じゃクビだろう。『10日連続だもんな。』
身支度を整えて、腕時計をはめる。 10:27 これは俺がこの時計を買った時刻だ。
動かないのは知っているが、まぁ、アクセサリーみたいなもんだ。
俺は外に出て、あてもなく歩き出した。することはいつもと変わらない。
『今、何時ですか?』 もう何万回と口にした言葉だ。相手は決まってこう言う。
『すみません、今時計持ってないんです。』 知ってるよ。これも儀式みたいなもんだ。
俺は電車に乗り、海に向かう。ホームの電光時刻表にはいつもの通り『故障中』の張り紙。
『まぁいいさ、待ってればそのうち乗れる。』
俺は電車に揺られながら考えていた。この日本で、『時間』に嫌われて生きていくのは難しい。
この国は『時間』に縛られすぎている。何をするにも『時間』が関わってくる。
人間関係、仕事、遊び・・・全てのことは『時間』という概念があって初めて成立するのだ。
もう俺には貯金がない。仕事も満足にこなせなくなった俺に未来は無い。
『時間』に縛られたこの国から出るにはちょうど良い頃合だろう。
『時間』を知ることのできない俺には、行き当たりばったりが好ましい。
海に着き、貯金を叩いて買ったボートに飛び乗る。食料も燃料も積めるだけ積んだ。
もちろん『時間』に関係した計器は無い。『ブラジルがいいな。ブラジルに行こう。』
スクリューの起こす白い渦の先で、日本がどんどん小さくなっていく。
遠くに見える水平線を見つめながら、俺は小さな不安と大きな幸せを感じていた。
俺は俺の力で、見えない鎖で繋ごうとする暴君の下から逃れることができたのだ。
心地良い風と共に自由を味わいながら、俺はどこまでもどこまでもボートを走らせた。
いいね〜この主人公。
自分だったらぶっ壊れてノイローゼみたくなって生きていけないかも・・・
時間のない国もいいかもね〜。
私は繁華街の裏道を通り、看板もない寂れたビルの地下階
へ降りていった。
ドアにはこうある。
「占い」
シンプルだ。
仕事柄こういう怪しげな商売と関わることも多いのだが、
あまり楽しい思い出はない。
ドアを開けると、予想通り暗い室内に御香のような匂いが
ほのかに漂っていた。
蝋燭の明かりが点り、黒い布で覆われた机に女性が座って
いるのが見えた。
「ようこそいらっしゃいました小田切さん」
私は思わず近寄ろうとした足を止めた。
「なぜ名前を」
黒いヴェールを頭から被っているが、口元が笑ったのを
確かに見た。
「あなたが自己紹介なさったのよ」
私は勧められて向かいの椅子に腰掛けた。
「まだしてないはずですが」
「ええ。あなたが自己紹介した未来はいま消滅しました」
なんだこの女は。
私のクライアントが話したのだろうか。
いやそんなはずはない。
「ですから私があなたの名前を知ったのは、『ようこそ
いらっしゃいました小田切さん』という私自身の言葉を
予知しただけのことです」
意味不明の言葉を吐く女を気味悪く見つめた。
「あいにく紅茶しかないのですが、あなたのお口に合わなか
ったようなので、お出ししません。さっそくご用件の方へ
まいりましょうか」
「・・・ええ、」
口を開きかけた私を制するように、彼女は小箱を2つ懐から
取り出した。
「ご希望の品はこの中にあります。ただし、あなたは私に
とって招かれざるお客だったので、無条件で差し上げる
わけにはまいりません。
左の箱と右の箱。
お好きな方を一つだけお取り下さい。どちらかに入っています。
ただし、『あなたが両方の箱を開ける』と私が予知していた
場合には、ズルへの罰としてどちらの箱にも入れていません」
女は口元だけで笑った。
「その前に、携帯電話を切って頂けますか。必要のないニュースが
二つ。これだけは私がどう誘導しようが鳴ってしまうので・・・」
私はしぶしぶ従った。
目の前には二つの小箱。
この女は予知能力者を演じているらしい。
「私が何を求めてここへ来たのかご存知だったのですか」
小さく頷いたようだ。
右か、左か。
どちらかに入っているなら、両方開ければ良いだけのこと。
私は迷うことなく二つの箱を開けた。
どちらも空の箱だった。
「ははは。冗談がお好きですね」
不愉快だ。
両方開けたことによって、不定だった未来が確定し、その
瞬間に中身が消滅したとでも言いたいのか。
「もし私が、どちらかの箱を選んでたまたま『当たり』だった
として、そのあとすぐにもう片方を開けると、両方開けた
わけですから中身は初めからなかったことになるはずです
が・・・その場合はすでに出ている『当たり』は目の前で
パッと消えてくれるんですかね」
私はこのくだらないゲームの瑕疵を指摘した
女は箱を仕舞いながら答えた。
「その通りです。現にあなたは当たりを引いたではありませんか。
残念ながらもう片方も開けたので遡って消滅しましたが。
いずれにせよあなたにはもう見えなくなった世界の話です」
詭弁だ。
この女は実に不愉快なペテン師だ。
単に私の希望する品物を知らないのだ。
もちろん私が言ってないのだから当然だ。
それをこんな手の込んだペテンで誤魔化そうとしている。
名前を当てられたのは不可解だが、この世界では独特の情報
網というものがある。
占い師などというものは得てして、稀代の情報通なのだ。
また紅茶が口に合わなかったと言っていたが、確かに私は
紅茶は嫌いだ。
しかし何も相手が紅茶嫌いでないと成り立たない話ではない。
銘柄によってはまったく味が違うからだ。
携帯電話にしても結局電源を切ったのだから、どうとでも
言える。
「ご用件は済みましたね。もうお帰り願えますか」
しゃあしゃあと、女は言った。
私はこのペテン師をやっつける方法を考えていた。
なにかカマしてやらなければ気がすまない。
「あなたはどうやら大変な予知能力を持ってらっしゃる
ようだ。ではどうでしょう、これから私があなたに乱暴
するとしたら」
狭い室内に二人きり。そしてこんな場所には誰も来ない。
「見えてますか、未来とやらが。どう対処するのですか。
この間合いではあなたはなにも出来ない」
女は微動だにしない。
口元は笑っている。
私にそんな真似できないと高を括っているのだろうか。
私はやるつもりだった。
アウトローを気取るつもりはないが、この程度のことは
私にとって大したことではないのだ。
なのに、女は動かない。
このことこそが、この女がペテン師であることの証明だ。
5分、いや2分後には、私が飛びかかるという確実な未来
が見えていないのだ。
その時、女が静かに口を開いた。
かまいませんよ。
お好きになさって。
そうなれば私はこの予知夢から目覚め、
あなたがやってくる前に、
本日休業の札を掛け、
ドアに鍵を掛ける、
それだけのことですから」
一瞬息が止まった。
腕時計の音だけが暗い室内に響く。
嫌な汗が首筋を流れていく感覚だけがあった。
そして私は目の前の女が
「冗談ですよ」
と口元だけで笑う瞬間を待ちつづけた。
(終わり)
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) ( ・∀・) ( ・∀・)
⊂ ⊂ ) ( U つ ⊂__へ つ
< < < ) ) ) (_)|
(_(_) (__)_) 彡(__)
ゴーストハンターさん、
こんな所に書いているだけじゃもったいないよ。
デモマタカイテネ。
386 :
ホモ@サピエンス:04/04/10 19:03 ID:o0wHTWTz
(・*・) シュレーディンガーの猫を思い出しました
ゴーストハンターさんて・・・まさかプロじゃないよね(汗)?
もしくは同人レベルで長くやってるとか。
面白いです。
でもあまり誉められて続けて何度も書くと叩かれるのが2ちゃんの常なので、
しばらくは書きためておいて何日か間隔をあけて投稿するといいかも。
>386
折れも!
「煙々羅」
私がファミレスで働いていたときのことである。
その頃、私は定時制の学校に通っていて、夜の時間を使いアルバイトをしていた。
夜の12時頃だっただろうか。
深夜ということもあって、その日もやはり客の数は疎らだった。
ふと、テーブルの方に目をやると禁煙席の一つから白い煙が流れ出ている。
その近くでは、雑誌のライターであろうか、男性がノートパソコンのキーボードを叩いていた。
他にも人がいるのに…。
喫煙席に移動してもらおうと、私は煙草の主のいるテーブルへ駆け寄った。
「すみません…」
言いかけて、やめた。
そこには誰もいなかったのだ。
灰皿を覗き込むが、吸い殻一つない。
さっき、私がテーブルを綺麗にしたときから、全く変わっていないのだ。
そういえば、この席に何かを運んだ覚えもない。
ただ。私の頭上では、今の今まで誰かがそこにいたことを証明するかのように、白煙が静かに漂っていた。
「ボランティア」
昔、付き合っていた女は、ボランティアに夢中だった。
「私、ボランティアに専念したいの。あとね、貴方みたいに無目的で
アルバイトしている人とかが許せなくなってきたの、だから別れて。」
それが彼女言い分だった。
まぁ、俺自体そんな彼女についていけなくなった所が無いワケでもないので別れた。
そんな彼女は大学のボランティアサークルを通して、
どっかの民間ボランティア組織に入り、
ホームレスの炊き出しなんかし始めて、あんまり大学に来る事はなくなってきた。
それなのに、たまに俺に電話が掛かってきた。
「人手が足りないから手伝って、アルバイトより有意義な事よ!
貴方のために言ってるの。ボランティアはすばらしい事なのよ。
多くの人に感謝されるお仕事で、貴方のためでもあるのよ。」
もちろん行くわけ無いが、かなりしつこく誘うので、イヤだし不気味だった。
もちろん俺だけじゃない、大学の同じ学科の人を見かけると直ぐさま駆け寄って誘った。
そんなに親しくもないヤツも誘っていた。
つまり、ボランティアしてくれるのなら、誰でも良いらしかった。
前に付き合っていた所為か、俺にはかなりしつこく誘ってきた。
時には家の前でボランティアの人と一緒に待ち伏せされた事もあり、辟易し露骨に避けた。
そのうち、大学を辞めたらしく、本格的にボランティアに活動し始めた様だった。
大学の友達は最初色々と噂していたが、いよいよゼミや就職活動が忙しく、
すっかり話題に上らなくなった。
(続きです)
ある日、友人の家にたむろして酒飲みをしている時、その元彼女の話になった。
俺はかなりしつこく誘われたため、彼女の話はなるべくしたくなかったが、
「あいつは、俺よりボランティアが大事みたいだし、
何か宗教がかってキモイし別れた。
あんなヤツはホームレスと付き合えば良いんだ。」
そんな事を酔いに任せて、女を馬鹿にして言った。
そしたら、そこにいた友人が神妙な顔つきで、俺に聞いてきた。
「あいつの事知らないのか・・・?
あいつ、ホームレスの奴らに『輪姦』され、大学辞めて実家に帰ったんだよ。」
「ホームレスだから立場の弱い人だからと、甘く見てたらしい。
それなのに、無茶苦茶にヤられちゃった所為で、頭おかしくなっちゃったって話だよ。」
確かに今年の春から大学のボランティアサークルが無くなっていた・・・・
俺は、酒が入った頭で「アイツの頭がおかしくなったのは何時からなんだろう?」と思った。
>ボランティアはすばらしい事なのよ。
>多くの人に感謝されるお仕事で、貴方のためでもあるのよ。
全部読んだ後にこのセリフ読み返すとガクブルだった
↑実話っぽ。
>>391 タイトルの意味がわからんが、雰囲気がいいな。
394 :
393:04/04/15 00:20 ID:7M9dDln1
>>389「煙々羅」へのレスでした。
ふと思ったが、妖怪の名前か?妖怪の名前なのか?!
煙だけ残す妖怪か?!
実話って「ボランティア」のことですか
背筋が寒くなりました
えんえんら は確かに妖怪の名前ですね
えんらえんら、じゃなかった?
そう思ったけど、えんえんら、って呼び方もあるみたいです
>>391 幽霊も怪奇現象も出てこないけど怖い…
自分の持つ「善」が、仇になるってのは、なんだか悲しいですね。
>>393 ありがとうございます。日常の狭間の不思議ってな感じで書きました。
>>394 そうです、煙の妖怪です。
>>396-397 石燕の画図百鬼には「煙々羅」で載ってますね。
俺が小さい頃に読んでた水木御大の本では「えんらえんら」でした。
399 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/15 22:02 ID:BUSlmyzf
『待ちなよ。』
俺が病院に向かって走っていると、露天商に話しかけられた。
振り向くと、全身が深い青色の人間離れした体つきの男が座っていた。
『道具買わないか?正真正銘未来の品だ。安くしとくぜ?』
無視して立ち去ろうとすると、男は無理矢理道具を握らせてきた。
『ほら、これなんてどうだ?頭に付けるだけで空が飛べるぜ?』
『じゃあこれは?本にくっつけて食べるだけで何でも覚えられるパンだ。』
男は腹のポケットから次々に道具を取り出しては俺に勧めてきた。
『じゃあこれは?喩えを含む言葉を現実にあらわすライトだ。』
男はそう言って俺の体に光を浴びせた。
俺の胸の辺りから、足の生えたハートが出てきてどんどん前に進んでいく。
『ははぁ・・・これは【はやる気持ち】だな?どうしてそんなに急いでるんだ?』
『もういい加減にしてくれ!!妻が産気づいたんだ!もう生まれそうなんだ!』
俺が怒鳴ると、男の目が半球状に前に飛び出した。
『【目を丸くする】・・・だ。Ok。そいつは悪かったな。そのライトは餞別だ。持っていきな。』
俺は病院に向かって走り出した。
病院に着くと、俺はすぐさま出産に立ち会った。
『もうすぐ出てきますよ。』
看護婦さんの言葉と共に俺の子供だという気持ちがどんどん強くなっていく。
頑張れ!もう少しだ!頑張れ!
俺は思わず拳を握り締めた。妻の下腹部がライトに照らされる。
《ズドン!》
物凄い音と共に寝台と床に穴が開き、妻の腰の辺りから血が溢れ出した。
『あ・・・ライト・・・握り締めたままだった・・・』
下の階から子供の泣き声が聞こえる。妻は痙攣したまま虚ろな目をしている。
『い・・・【命の重み】か・・・』
俺はそう呟いて、力無く床に座り込んだ。
>>399 パロディではあるが秀逸。
俺はコレ好きだなぁ
せつねぇ・・・
まあ、妻にもその「重い命」があるわけだが。
ずいぶんシュールなどらいもんだなw
>>399 パロディだから軽いノリでいくのかと思いきや、重いなあ。
でも好き。
405 :
399:04/04/16 19:51 ID:KxYO/5y7
おおっ!こんなにレスついてる!?
ありがとうございます!
最近ドラえもん読んで思いついたんで作ってみました。
勢いで書き込んだんで読み直してみると文章変ですねw
いや、考え込んでつくるより勢いでガーッと書いた奴の方が面白い事が多い。
多少の誤字脱字用法ミスは愛嬌w
同意!
408 :
ホモ@サピエンス:04/04/18 00:37 ID:SUe3OeKp
「魔法のランプ」
ある日海岸を散歩していたらランプを見つけた
試しにこすってみると、中からランプの精らしきものがでてきてこういった
「私はランプの精。貴方の願いを一つだけ叶えてあげましょう」
うさんくさい奴だったが試しに私は願い事を言ってみた
私を世界一の金持ちにしてください、と
「お安いご用だ」
そう言ってランプの精は飛んでいった
数日後、私以外の人間が全滅した
私は世界一の金持ちになった
ちっとも楽しくない・・・
409 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/18 01:05 ID:UM8cThUN
(歩いてる人が誰もいないじゃないか。)
最近、残業続きで帰る時間はいつもこんな感じだ。
家まではそう遠くないが、何か温かいものでも買おうと自販機の前で立ち止まった。
(・・・!? 財布がねぇ・・・ 落としたのか? 最悪の日だ。)
戻って探そうかとも思ったが、本当に寝たかったのでやめた。明日警察にいけばいい。
見慣れたマンションが見えてきた。俺の家は6階の角部屋だ。
エレベーターに乗りながら俺は寝ることばかり考えていた。
俺は鍵を射し込み、必要以上にゆっくりとドアノブを捻った。もうすぐ寝れる。
『いらっしゃいませこんばんは!』
ドアを開けると元気な声が俺を出迎えた。
(・・・ウェイトレス!? なんで俺の部屋にウェイトレスがいるんだ!?)
俺は思わず外に出て表札を確かめた。【605】 間違いない、俺の部屋だ。
『お客様お一人様でよろしいでしょうか?』
再び戻ると、また元気よく声をかけられた。
(俺の部屋・・・ファミレスになってる!!)
部屋の中はファミレスそのものだった。
『お客様お一人様でよろしいでしょうか?』
動揺している俺にウェイトレスはしつこく繰り返す。
『え・・・は、はい、一人です。』
『お席の方禁煙席喫煙席ございますが?』
『き、喫煙で・・・』
案内されるままに俺は右隅の四人席に座った。合成革のソファが疲れた体を優しく支えてくれた。
『ご注文お決まりになりましたらお呼び下さい。』
『あ、じゃあ・・・ホットコーヒーを。』
目の前にコーヒーが運ばれてきた。ミルクと砂糖はたっぷり入れる。俺は甘いのが好きだ。
(俺の部屋、結構広かったんだな。)
コーヒーをゆっくりと飲みながら俺は店内を眺めた。四人席が12、3席見える。
そうしている間にも、店内には客の訪れを告げるチャイムが鳴り響いていた。
俺は煙草に火を点けて一吸いすると、灰皿に置いて立ち上る煙を目で追った。
(しかし、困ったことになったぞ。このコーヒー代どうしようかな。)
411 :
ホモ@サピエンス:04/04/18 02:21 ID:SUe3OeKp
>>410 (・*・) まぁ、短編集読んだあとなんで少し星さんぽくなりました
オチは・・・・・・・・・僕の腕じゃこんなもんです
412 :
ホモ@サピエンス:04/04/18 02:24 ID:SUe3OeKp
(・*・) 数うてば当たると思ってやってきましたけど、そんな甘くないですね
ふぅ・・・・・・
413 :
ホモ@サピエンス:04/04/18 02:29 ID:SUe3OeKp
(・*・) 次こそは・・・
414 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/18 02:45 ID:sOUHzu1v
何度やっても駄目なものは駄目
おいおい、プロと比べるなよw
自分はシンプルにまとまっててよかったと思うぞ?
やっぱ評論は程々にしとかないと書き手が減るってばよ〜。
プロ並のを求めるのはやめれ、無茶言うなw
416 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/18 09:38 ID:cKz4uP4a
>>何度やっても駄目なものは駄目
良い見本がいますね( ´,_ゝ`)
「と ん び」
昨日、公園を散歩していたら、変な女が居た。
凄まじくあわてた風で泣き叫んでいた。(キチガイ?)
周りにいた老夫婦とかが慰めている。
人も集まりだしたので、野次馬根性を発動させて自分も見に行った。
周りの人の話をつなげるとこうだった。
・その女は、この公園にペットのチワワを連れて散歩に来たらしい。
・チワワは買ったばっかりの子犬で46万もしたらしい。
・女はチワワをノーリード(首輪でつなげない事)で公園で散歩させていたらしい。
・チワワが女から少し離れたところで勝手に歩き回っていたいたらしい。
・突然、チワワがいなくなったらしい。
・近くの水道でサーファーがボードを洗っていて、全てを目撃していたらしい。
・空から「とんび」が舞い降りてきて、芝生の上のチワワを持っていったらしい。
・トンビとかの猛禽類は、生き餌の目玉や脳味噌から食べるとか?←何故にその話題?
話を総合すると、だいたい解ってきたが、
本当に「ちわわ」なのか?「ちくわ」じゃないかと小一時間。
しかし、たかが「ちくわ」一本であそこまで取り乱すモノなのかなぁ〜と思ってみたり。
昔流行ったミサンガみたいな長い紐を女は握りしめて、
「46万もしたのっ、46万よ!」と泣き叫んでいる。
確かにここの公園は、海が近くって、弁当やハンバーガーとか食べていると
「とんび」が低空飛行でさらっていくので有名だった。
公園内には、確かに「トンビに注意」という看板もある。
話の真相は現場を目撃していないのでよく解らないが、
「ちくわ」に目玉や脳味噌があったらそれはそれで恐いが、
46万の「ちくわ」はどんな味がするんだろうと思った。
それを食べ損ねたのなら、取り乱す事にちょっと納得した土曜日の午後だった。
小さいころ、自分は特別な存在だと思っていた。
不遜な話だが、誰しもそういう時期を体験するらしい。
上手くいかない体験を重ねることで、外の社会との関わ
りについて正しい距離感を身に着けていくものなのだ。
私は自分が死ぬとは思っていなかった。
ただ漠然と「自分が死ぬわけがない」と思っていた。
しかし小学校低学年のころ、その思考がひっくり返る
出来事があった。
下校して、いつものように家で漫画を読んでいた。
ませていた私は当時ビックコミックオリジナルでやって
いた企画ものの怪奇特集を楽しみにしていた。
ふと気づくと、私は横になったまま金縛りにかかっていた。
寝たつもりはないのに。
混乱している私の頭の上に黒いものが、ぬうっと現れた。
それは皺くちゃの老人で、私を面白そうに除きこんで
いた。
(続く)
老人の口が動いていた。
よく見ると老人は自分の人差し指と薬指を食べていた。
私は直感した。
指を食べ終わったら、次は私だと。
家族を呼ぼうにも声がでない。
老人が左右とも指3本になった手で私の顔を覆うように
近づいてきた。
私はそのときはじめて、「自分も死ぬのだ」ということ
を理解した。
ふと気がつくと、仰向けになったまま漫画が顔の上に
乗っていた。
ガバっと起き上がったが、体のどこにも異常はない。
助かったことへの安堵よりも、死というものの側面に
触れたことへの粟立つような恐怖が体を震わせていた。
今では私がおじいさん。
孫に勧めるのはもちろんビックコミックオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。(完)
420 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/19 07:43 ID:MsWGvheU
オチがまったく読めない話って新鮮
でも「なんでやねん!」と思いっきりハリセンで殴らせてくれw
>>418-419 最後の3行は余計。
自分で言っちゃダメ。
次にレスする人に言わせなきゃ。
>423
そっかなぁ〜?
オチは最後に自分で言うモノじゃないだろうか。
まぁ、オチぐらいはおのれで言わせてやれよ、
それが言いたいが為に書いてるんだろうからサァ。
自分は、そんなおちゃめな>418->419の書き方がすきだよ〜。
あとは、蠢◆なんちゃらさんとかも好きだよ。
俺もゴーストハンターさんかな。
>>357はやっぱり良い。
最近みかけないがだめかなさんの話も好みだな。
>>276とか。
426 :
メタン ◆VnrKsgTMnA :04/04/19 23:39 ID:ss6Gqlgx
友達のNちゃんが妊娠した。いつも一緒にいた私でも気付かなかった。
親が気付いた頃には、すでに堕ろすことができないくらい時間が経っていたそうだ。
父親が誰かを誰にも言わないまま、Nちゃんは学校に来なくなった。
Nちゃんと私は中学に入学したばかりで、私はNちゃんとの学校生活を楽しみにしていた分、Nちゃんが学校に来なくなったショックは大きかった。
Nちゃんの親は、Nちゃんを家から出さなくなり、私はNちゃんに会うために窓からこっそりと部屋に通っていた。
Nちゃんはある日私に言った。
『家の裏に神社があるでしょ?この子は、そこの神様の子供なの。』
私は何も言えなかった。Nちゃんが可哀想でしかたなかった。
ある日の夕方、いつものようにNちゃんの部屋に行こうとすると、部屋には誰もいないかのように薄暗かった。
私が窓から覗きこむと、Nちゃんは床に座り込んで何かをしていた。
窓を開けると、Nちゃんが振り向いた。
Nちゃんの口からは、何か赤いものがはみ出ていた。Nちゃんの手には血で黒光りする鋏が握られていた。
Nちゃんは飼い猫の腹を裂き、胎児を食べていた。
『子供の命を食べてね、この子の命を大きくするの。神様の子だから大きくないとダメでしょう?』
Nちゃんは笑いながらそう言った。私は震える膝を叩きながら、必死に逃げた。
Nちゃんは追ってこなかった。
その後、私は親の都合で町から引っ越したため、Nちゃんに会うことはなかった。
後で聞いた話では、Nちゃんはあの神社の裏で、変質者に強姦されて妊娠したのだそうだ。
そして、14kgもある子供を生み、そのまま病院で亡くなったそうだ。
信じられない話だったが、私はその話を聞いて、あの日見た光景を思い出さずにはいられなかった。
ごめん、どうしても一つツッコミ。
強姦されたら妊娠してないかことさら親も本人も気にするだろう。
レイプされたのにいつも一緒にいる「私」も気づかないくらい変化なし→妊娠してましたってのが納得いかなくて・・・
後半ぞくっと来る感じだったのでちょっと勿体ない・・・
>>426 ってか単に嫌な物を詰めこんだだけの気持ち悪い話だよな
>>427 それは我ながら無理矢理な展開だと思った。
親はレイプされたことを知らなかったって感じで頼む!ごめん!
でも昔誰にも気付かれないまま妊娠して道端で出産した女子高生がニュースでやってたからありかな?って・・・ごめん!
単に胸くそ悪くなるような話を書きたかっただけだから細かいところは力技にしてしまった。
衣服の破れや、外傷が無ければ、鈍感な親なら気付かないかも?
と俺は思った。その現実を受け入れられず友人にも隠し、
これは神の子と信じ込もうとする。いつしか気が触れ猫の胎児を…
俺はそれよりも胎児が14kgになるまで、帝王切開も
しなかった事のほうが気になった。14kgといったら消防並みの
デカさじゃないの?
えっと、解りやすいところで広末涼子は、
初産でしかも一ヶ月早い時期にも関わらず、生まれてきた子供の体重は3130g(男児)
って事は、おおよそ、5人分???五つ子かしら?
それはそれで怖い。
なんだか昔読んだ御茶漬海苔の惨劇館とか言うマンガを思い出しちゃったよ。
メタンさん、なかなか気持ち悪くて、乙!
広末は1ヶ月早いって言ってるだけで(ry
>>430 >現実を受け入れられず友人にも隠し、
>これは神の子と信じ込もうとする。いつしか気が触れ猫の胎児を…
これ、本文にうまく組み込めたらかなり完成度高くなりそうだね。
434 :
ホモ@サピエンス:04/04/20 15:42 ID:tVuCuGVg
「最後の善行」
俺は今まで色々な悪さをしてきた
強盗、恐喝、人殺し、放火、何でもやった
こんな俺は死んだらきっと地獄いきだろうな
あと数時間後には刑が執行される
生まれ変わったなら、今度は真面目に生きたいもんだ
でも、地獄行きなら生まれかわることも出来ないのかな・・・
ん?
あんなところに蜘蛛の巣が
良く見たらトンボが捕まってるじゃないか
逃がしてやるか
俺も最後に一つぐらいは良いことがしたい
男は蜘蛛の巣に捕らわれたトンボを逃がしてやった
トンボを男にお礼を言うかのように男の頭上を2回ほど回った後
鉄格子の間から外へと逃げていった
数時間後、男の刑は執行された
男がいた牢獄には蜘蛛の死体だけが残った
>>430 うん、気がふれた感じにしたかったんだけど
どうしても短くまとめようとしちゃって、もっと気持悪くしてもよかったかも。
14kgの赤ちゃんは、昔一度だけ観たアメリカンゴシック(プ?)で
13kgで生まれたポテトボーイだったかな?とかいう話を思い出してパクッてみた。
つーか14kgの赤ちゃんを核にして話を作ったんだけどおまけみたいになっちゃったなw
次はもっと頑張りまっす!
436 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/20 16:27 ID:qf4ck7BR
8kgのお母さん
>>434 正直面白かったよ。
それとも元ネタあったりする?
438 :
ホモ@サピエンス:04/04/20 16:51 ID:tVuCuGVg
>>437 (・*・) 蜘蛛の糸?、って小説があったと思うんですけど
あれの別解釈というか僕の思ったことというか、そんな感じです
439 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/20 23:53 ID:2JrWst+2
ホモさんのは今回はあたりだな。
動物モノのテレビ番組みてると、このあたりの
生き物の業ってやつを、俺も感じるよ。
「人魚」
学生時代、私は友人のUと二人でオーストラリアを
旅行した。
クイーンズランド州のケアンズに滞在中、日本人向けの
日帰りダイビング体験ツアーの話を聞いて、私は飛びつ
いた。
安くはなかったが、なんたってグレートバリアリーフで
ある。
「俺、パース」というUを捨て置いて集合場所に行っ
てみると、参加者は私を含め6人だった。
中年夫婦が2組と、私と同年代くらいの女性が一人。
「お一人ですか」
ニヤついてなかったろうな。
ロングヘアの可愛い子だからって。
彼女の反応が鈍かったので不安になった。
やがて彼女はのどの奥から「あうあう」という声を出して
身振り手振りで、喋れないことを示した。
「あ、こりゃすんません」
我ながら間抜けな反応をしてしまった。
恥ずかしくてしばらくは気まずい思いをした。
そして(あんな可愛いのに、かわいそうだな)と、そんな
ことばかり考えていた。
(続く)
「お前も失礼なやつだな」
ホテルでUがあきれたようにいった。
こころなしか日焼けがひどくなってるようだ。
「で俺を炎天下で待たせた原因のお姫さまは、それから?」
「うん、それで・・・」
トロピカルドリンクを飲み干して、私は続けた。
シュノーケリングをみっちりやったあと、実際に潜ることに
なった。
参加者二人一組に、インストラクターがつく。
私は必然的に彼女との組だった。
お尻から一気に海に飛び込むと、反り返った私の眼前に極彩色
の珊瑚礁が広がった。
こんな透明な水を私は見たことがない。
学校のプールの方がよほど濁っている。
その感動をどう表現すればいいか、頭の中で言葉にならない
思いが駆け巡っていた。
その時である。
彼女が、私の方を見て両手を激しく動かしはじめた。
(続く)
手話だ。
だが私にはさっぱりわからない。
彼女は構わず、目の前の黄色い魚を指差してさかんに何かを
喋っていた。
そして目に映るものすべてを、その両手で表現しようとして
いた。
不思議な感覚だった。
ついさっきまで彼女を障害者として、はからずも哀れみの
感情で見ていた私が、今はまるで逆の不自由さを感じていた。
彼女はまるで、本当に住処に還ったように躍動して見えた。
彼女は解き放たれたように自由に喋り、素晴らしいフォーム
で青い海を泳いだ。
私は呆然と見ているだけだった。
喉になにかつかえたように息苦しく、思い通りにならない重い
体をうとましく思った。
!!
シュノーケリングが上手く行っていないことに気づくのが遅
れたのは、そんな抽象的なことを考えていたからだろう。
苦しくて私はもがき始めた。
インストラクターが気づいて、すぐにこちらに泳いで来たが
それよりはやく彼女が私の手をとった。
そして彼女と私はシュノーケルの泡を追うように、海面に輝
く太陽に向かって泳いだ。
永遠にも感じた時間だった。
ぼやける頭で、このまま続けばいいと、そう思った。
(続く)
「丘に上がった詩人だな」
「ほめてるのか」
「けなしてる」
Uは笑っていった。
「それにしても、本当にまるで人魚姫だな。アンデルセンの」
「そう、そうなんだ」
「お前が人魚姫に会ったよ、ってバカなこというから何を
言い出すかと思ったが」
Uは日焼けした頬をさすりながら何かを思案していた。
「一人で説明にも参加してるんなら、耳は聞こえるんだよな。
つまり声だけ失くしたってわけだ。人魚姫だと魔女の薬で
声と引き換えに足をもらったって話だっけ」
私はこくりと頷いた。
「で・・・最後は泡になって消えた、と」
そのくだりは初めに話してある。
私が船に引っ張りあげられて、船室で休んでいる間に彼女は
姿を消したのである。
潜ったまま、どこに泳いでいったのか分からなくなったそうだ。
私たちがポートに戻ると、すぐに別の捜索隊が出動した。
わけのわからないまま私は、海上保安隊の事情聴取をうけて
夜になってやっと開放された。
(続く)
「で、俺は待ちぼうけをくわされ、日焼けを悪化させ、さらに
アイスを3個も食って腹を壊したと」
Uは重い空気を払うように陽気にいった。
高速艇の捜索でも彼女は見つからなかった。
滞在先として記入されていたホテルに彼女の名はなく、その名
前すら偽名とわかった。
彼女は初めからこうすることを決めていたようだった。
「なんでだったんだろうな」
ぽつりといった言葉に、Uは反応した。
「童話の人魚姫だと、王子を殺せば元に戻れると魔女にいわれた
ものの、他国の王女との結婚の前に身を引いて、自ら泡になっ
たって話だな」
「じゃあ彼女は・・・」
「いや、案外お前が王子かもよ。王子の知らないところで話は
進むからな」
「じ、実は心あたりが」
「あるのか」
「日本を立つ前に、久しぶりにやった釣りで坊主寸前のところ
一匹だけ釣れたボラを・・・」
「離したのか! なんてこった、それだ!」
「ボラか」
「うむ、ボラだな」
(続く)
Uはいいやつだ。
ショックで混乱していた私は、ようやく肩の力が抜けた。
ホテルの部屋のベランダに出た私は、潮風に目を細めた。
背中では室内照明が消える音がした。
静かだった。
遠くで波の音が聞こえる。
地元警察はこの失踪事件を事故と捉えるだろうか。
ヒトナ ヤマモト
を彼女が『山本人魚』と書いた、その思いを彼らは分かっ
てやるだろうか。
本物の人魚姫のような背景があるかどうかは分からない。
しかしその生き方を自らに重ね合わせていたことは確か
だろう。
私は波の音に耳を澄ませながら、人魚姫が泳ぐ暗い海を
いつまでも見つめていた。
(終わり)
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラーレ・ヴィーアッ!!
447 :
メタン ◆VnrKsgTMnA :04/04/21 14:52 ID:bJzxePE8
ある雨の晩、私は家の前の紫陽花の葉の上に、二匹のカタツムリを見つけた。
私は彼らを持ち帰り、ガラスケースに入れて飼う事にした。
毎日よく眠れなかったので、一緒に夜を過ごす相手が欲しかったのだ。
カタツムリは何でも食べる。私は面白がって色々なものを与えていた。
ある日、私は気まぐれにケースの中に自分の髪の毛を入れてみた。
気がつくと髪の毛は跡形も無く、黒い糞だけが残されていた。
私は髪の毛だけでなく、爪、手の皮、足の皮、かさぶたなど、私の身体から出た『餌』を次々と与えるようになった。
彼らは味を覚えたらしく、この特別な『餌』を入れるとよってくるようになった。
さっきまで私の一部だったものが、このぬめぬめとしたグロテスクな生物に摂食されていくことに、私は気味が悪くなると同時にある種の快感を感じていた。
ある朝、ケースのふたが開いていたのか、彼らはいなくなっていた。
私はあの感覚を味わうことができなくなったことを寂しく感じた。
それから数ヶ月経って、雨の晩になるとどこからか『カシャカシャ』という乾いた音が聞こえてくるようになった。
マッチ箱を振っているような、軽いが数多く聞こえてくる音だった。
彼らが逃げてから何日経ったろう、その日は激しい雨が降っていた。
私は薬に頼りたくなかったが、退屈な夜を早く過ぎさせるため、初めて睡眠薬を飲んだ。
強烈な眠気を感じ、私は横になった。どこからかカシャカシャと音が聞こえていた。
だが、いつもと違い、近い場所から聞こえているようだった。
仰向けになり薄明かりの中、天井を見上げると、たくさんの円いものが見えた。
それは何百、いや、何千という天井を埋め尽くすほどのカタツムリの群れだった。
あの音は、彼らの殻同士がぶつかり合う音だったのだ。
彼らは、待っていたのだ。私を圧倒できる数まで増殖すること、そして私が動けなくなることを。
数匹が、ガラスについた水滴が垂れる様に、ゆっくり壁をつたってくるが見えた。
私はこれから体の上で行われる、ごくゆっくりとした、だが賑やかな彼らの晩餐会に恐怖を覚えた。
しかし、私を支配している感情は絶対的な恐怖だけではなく、強制的な眠りによって彼らの摂食を体感できない悔しさだった。
448 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/21 15:27 ID:1VCkygE2
玉袋(金玉)について語るスレはこちらですか?
449 :
もこ:04/04/21 18:50 ID:VZwlt8f0
みんながんばってるね。かんしんだよー。
450 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/21 19:27 ID:i+cdogOe
こもぉ〜
生意気にもトリップを付けてみました、カノレピスです。
「飴」
駅の改札口前の階段を下りたところで飴を貰った。
ちょっとイッてる風の中年の男がツカツカとやってきて、
私の前を立ちふさぎ、無理矢理に、紙に包んである丸い飴を手の平に持たされたのだった。
その男は、「今すぐその飴を食べろ!」と凄い形相でにらみつけた。
はっきり言って、その男の異様な雰囲気が恐かったので
無意識のうちに為すがまま、
飴を包んでいる紙の左右を引っ張っり、
紙を外し、
飴を摘んで口元に持っていった。
飴玉が口に近づくにつれ、その男は、口の端を持ち上げるように『にったり』と笑った。
本当に無意識に口を開けた瞬間、私は我に返った。
ツーンとした化学薬品の匂い 、強いて言うならシンナーの匂いが鼻を突いたのだった。
それは紛れもなく飴から発せられる匂いだった。
「あっ・・・。」
思わず、私は顔を横に背けた。
(続きます)
(続きです)
次の瞬間、その男は私の飴を持った手を叩いた。
飴は落ちて、足元に転がった。
男はいきなり、その落ちてしまった飴を、これでもかというようなカンジに足で踏みつけ、
あっという間に粉々にしてしまった。
そして、どこからか出してきたのか、ほうきとちり取りで粉々になった飴を回収し、
「け い さ つ に は い う な!」
と、その男はすごんで去っていった。
それからしばらくして、近所の回覧板で
「駅近辺で不審な菓物を配布する人に注意!!」という紙が回ってきた。
アレは、夢じゃなく現実に自分の身に起こった事だったんだなぁと
その時再認識した。
あまりにも突然の事だったし、非日常的だったから、
私の中では白昼夢だと認識していた事に気が付いた。
にしても、未だにアレは何だったんだろうかと、今思い返しても不思議な体験だった。
去年の夏の出来事だった。
>>451-452 リアリティありまくりでゾクリと来た。
今の世の中ホントにありそうだよな・・・まさか実話?(そう思わせるくらいだ、マジで)
学校で、ともだちの山口くんがお金を盗まれました。
山口くんは、真っ青になって泣きべそをかいていました。
ぼくは、山口くんがかわいそうになりました。
でも、お金をめぐんであげるというのも恩着せがましくて失礼だと思いました。
そこで、ぼくは、山口くんが見ていないあいだに、こっそり
かえしてあげました。
おまえがとったんかいw
456 :
もこ:04/04/22 14:48 ID:UmduktDp
うんうん、がんばってるねー。
かゆいかゆいうまい
うまいうまいかゆい
かゆいうまいかゆい
うまいかゆいうまい
かゆいけどうまい
そんな春でした。
バイオハザード?
「音信不通」
大学のサークルの友人がいきなり音信不通になった。
何度電話をかけてもつながらない。メールを送っても返信はこない。
いつも俺がメールを送れば、すぐにくだらないメールが返ってきたのに。
彼のアパートに押しかけてみても、いつも留守で人のいる気配もない。
他の友人なら何か事情を知っているかと思って何人かに電話してみるが、
タイミングの悪いときは重なるもので、誰とも連絡がとれない。
もう三日も誰も電話に出ないし、メールも返ってこない。
いくら遊び回ってる学生とはいえ、全員が全員三日もつかまらないのは
さすがにおかしい。
友人の一人の実家の電話番号を聞いてひかえてあったのを思い出し、
そこにかけてみたが、やはりつながらない。
試しに自分の実家にかけてみる。つながらない。
警察にかけてみる。つながらない。
「俺の方だったんだ……」俺はなんとなく分かってきた。
音信不通になっているのは俺の方だったんだ……。
「涙」
少女は今日もベッドの上で悲しみにくれていました。
だけど涙は出ません。
涙が出ない。それが少女の悲しみの理由でした。
少女は涙が全く出ない病気なのです。
涙が出ないと目がすぐに乾いて傷つきやすくなってしまうので、
起きているときは三十分に一回、すごく痛い目薬をささないといけません。
どんなに楽しい時間を過ごしているときでも、時計のアラームが鳴る度に
少女は現実に引き戻されます。少女にはそれがとても苦痛でした。
ピピッピピッ。
アラームが鳴りました。少女は枕元のポーチから目薬の容器を取り出し、
今日最後の目薬を両目に落としました。
痛みのせいでしばらくは目を開けることすらできません。
ようやく目が開けられるようになると、少女は部屋の灯りを消して、
ベッドに入りました。
顔を横に向けると、カーテンの隙間からキレイな星空が見えました。
少女の胸に急に悲しみがこみあげてきました。
神様、私はいつまでこんな思いをしなければならないの。
神様、早くこの目を治してください。
神様、なんで私だけ……。
そのとき、ひとすじの雫が少女の頬を伝い、枕を濡らしました。
よだれでした。
>>460 いきなりもこ並みの落ちで終らせてるのが面白いです。
463 :
こっぺぱん:04/04/25 07:18 ID:LxWlBLk1
春の午後、先週バイト先をクビになってから俺は家にこもりがちになった。
今日も起きたのは午後過ぎ、俺は憂鬱な気分で意味もなくテレビを眺めていた。
『本日の商品はこのデジタルカメラ!なんと今回は前回の価格よりなんちゃらかんちゃら』
ブラウン管には毎度おなじみのスーツ姿の男がペラペラとよく回る舌で製品の機能を謳っている。
溜息が出た。それはテレビの内容によってではなく、こんなテレビを見ている自分がどうにも
情けなくなったからだ。相変わらずスーツの男は笑顔で本番前に必死で暗記したであろう文句を
引っ切り無しに並べている。
『次の商品は、これもお買い得っ、商品No,7、奴隷っ!ちろん女性です!!』
「はぁ?」テレビの中にはスーツの男とその隣にはズバリ俺好みのかわいい女が眩しい笑みを
浮かべている。
『掃除、洗濯、などの家事はもちろん、料理りはプロ並み!仕事もよくこなし、ご主人の
言うことはなんでも聞きます!さらにっ!今回は前回に付け加えSEX機能が充実しております!』
テレビの画面が一生懸命ご主人に奉公する女の映像に切り替わった。
『これだけの高機能でお値段はなんと10000円を切りまして、ズバリ9980円っ!9980円で
お承ります!!』
気がつけば俺は受話器に飛びついて興奮しながら商品No,7を注文していた。
『さらにっ・・・!今回はなんとこのデブヲタとキモヲタをお付けいたしまして─』
スーツの男がまだなにか言っていたようだが俺には良く聞こえなかった。
もみぢ
>>463 なんかいいな、風刺っぽくて。
「今回はさらに○○もお付けしまして」っていうの、普通に要らないモノとか多かったりする。
「河童」 1/2
ぽちゃん、と音がした。
水の中に何かが浸かるような、そんな音。
私は隣に住む富田さんの家で酒を飲みながら他愛もない話をしており、
いざ帰ろうというときにはもう既に深夜。時計は午前1時を回っていた。
お隣さんと言っても、私の家からは100メートルほど離れている。
道には外灯なんてないから深夜ともなれば漆黒の闇だ。
そう、要するにここは田舎なのである。
この村に引っ越してきたのは丁度、1年ほど前。
都会の生活に嫌気がさした私は会社を辞め、妻子を連れて、この村へと越してきたのだ。
初めのうちは知っている人間が誰も居ないため苦労をしたが、皆、気さくで親切なのですぐに慣れた。
何もないところだが、何もないからこそ、周りの人間を身近に感じることが出来る、そんな風に思う。
「それじゃあ、また明日。」
玄関まで見送りに出てくれた富田さんに軽く会釈をして私は自転車にまたがった。
100メートル程度なら歩けよ、と思うだろうが、如何せん面倒くさがりの私はつい自転車に頼ってしまう。
1年経っても、そういった部分はなかなか抜けないものだ。
横を流れる川から聞こえる蛙の鳴き声を耳にしながら、私は自転車をゆっくりとこぐ。
一度、深夜に自転車に乗っていて田んぼに嵌ってしまったことがあった。
その日は歩いて家に帰り、自転車は翌日に引き上げた。
ただ真っ直ぐ進めば家に着くのだが、それからは、深夜、自転車に乗るときは慎重に進むことに決めた。
2/2
深呼吸をすると澄んだ冷たい空気が鼻を抜け全身にすーっと染み込む。
私はこの村に来て、空気が美味しいという言葉を初めて実感した。
それまで排ガスだらけの場所で暮らしていたのだから、そう思うのも当然だろう。
暗闇の中、だんだんと近づく我が家の灯りを見て、私はなんだか少しほっとした。
そのとき。
川から、ぽちゃん、と音がした。
蛙が川に飛び込んだのか、とも思ったが、それにしては何かおかしかった。
まるで、誰かが水に浸かったかのような音。そんな風に感じた。
自転車を止める。
周りから音が消えた。今まで聞こえていた蛙の鳴き声もいつしか止んでいたことに気が付く。
川を覗き込むが、漆黒。何かが見えるわけでもなかった。
気のせいか。そう思って、私はペダルに足を乗せ再び走り出そうとした。
鳴き声。猫が鳴くような。いや、少し違う。鳴き声が聞こえた。
私は再び川の方に目を向けた。
一瞬の静寂ののち、再びその声は聞こえた。
無音の中、その音だけが私の耳に、響く。
恐怖も不思議さも感じなかった。
そこにあって当然の音。都会では絶対に聞くことの出来ない声。
私はなんだか嬉しくなって、再び自転車をこぎ出した。
家へと向かう私の後ろで。また、ぽちゃん、と音がした。
467 :
メタン ◆VnrKsgTMnA :04/04/25 13:44 ID:Rnol3Ohd
お父さんが出張のお土産に、ニューギニアの魔除けの人形を買ってきました。
ギョロリとした大きな目をした、長い髪の気持悪い人形でした。
『これを置くと、【魔】が家に入ってこれないんだそうだ。』
お父さんはそう言って笑っていました。
私は嫌でしたが、人形は私の部屋の本棚の上に置かれることになりました。
こげ茶色の大きな瞳で、人形はいつも私のことを見下ろしていました。
ある朝起きると、人形が窓の方を向いていました。私を見下ろす位置にあったはずなのに・・・
私は元の向きに直しましたが、気付くとまた窓の方を向いていました。
コツコツ、コツコツ、コツコツ
夜になって、私がもう寝ようかとベットに向かうと、誰かが窓を叩く音がしました。
カーテンを開けると誰もいませんでした。いるはずが無いのです。 だってここは2階だもの。
その日から、毎晩誰かが窓を叩くようになりました。その数はどんどん増えていきました。
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
ある夜、いつもの音が平手で叩くような音に変わりました。
人形を見ると、いつの間にか手を前に突き出したポーズに変わっていました。
『念力で窓を割る気なんだ!』
私は恐くなって、人形を掴むと窓を開けて放り投げました。
人形が窓から出た瞬間だったと思います。
何百という【手】が、津波のように部屋に流れ込んできたのです。
私はたくさんの手に鷲づかみにされながら、気付いたんです。
【魔】は人形のせいで部屋に入れず、プールの端にできた澱みの様に窓の外にどんどん溜まってということを。
人形は、窓を壊そうとしていたのではなく、必死にそれらを抑えようと両手を突き出していたのです。
『た、助けて!』人形を呼ぶ声は、私の体と共に畳の隙間に引きずり込まれていきました。
468 :
レトヌー:04/04/25 17:17 ID:6gne8Q9z
「口のまわりオリーブオイルでベトベト」
雨が降って家にこもりっぱなし。
暇なので金魚の芯を抜いて遊んでいた。
金魚が全部死んだので、弟の芯を抜いてみようとした。
「やめろよ、なにすんだ」
さすがに無理だった。
でもね。
これなあに?
首筋に切れ目。
まるで変装してる人みたい。
弟の髪をつかんで「エイヤッ」と引っ張ると、
ズルっと皮が取れた。
中からはなんと、もこが。
「もこだよー」
弟はもこの変装だったのか!
うれしいのかショックなのか、お尻の穴がムズムズする
感じを味わっていたら、
もこが私の髪をつかんで引っ張りはじめた。
「やめていたい;;」
もこはやめません。
やがて私の頭が皮ごとズルっとむけて・・・・
「もこだよ^^」
そのあとキノコスパゲッティーを食べにいったそうです。(完)
いきなり魔人がでてきました。
「どんな願いでも一つだけ叶えてやろう」
「じゃあ、とりあえず願い3コに増やして」
それだけいうと私は心臓が飛び出るほど驚きました。
胸を押さえながら、ハアハア。
よかったー。とりあえず言うこと言っといて。
「おどろかせないでよ!」→「わかった」
とかになるところですもの。
「さあ願いをいえ」
「アイスが食べたい。ポテチも。それから、あと願い3コ〜みたいな」
ペロペロ。パリパリ。
「肩もんで。かわりにトイレ行って来て。そんであと願い3こ〜」
ああ気持ちいい。サイコー。
ひとしきり魔人をこき使うと、わたしはいいことを思いついて
ポッと赤くなった。
「あ・・・吉野君と、つ・・・つきあいたい」
魔人はそれを聞くと手をぶるんとふるった。
これでもうつきあってることになったのかな。
「えーと・・・じゃあ、夜になったら吉野君の部屋に行きたい」
私は夜になりました。
あまねく広がり、地上を暗く照らす夜に。
そして無数の手の一つを伸ばすように、吉野君の部屋に入り
込みました。
(吉野君、愛してる)
彼は眠っていました。
最後の3つめの願いを叶え終えた魔人は去って、私は私としての
自我が拡散していくのを感じました。
(吉野君、わたしは夜になるね。さよなら)
さよなら
うおおそう来るか!
くおー、オチが全然読めなかった〜!
ゴーストハンターさん、ウマイです。
「詮索」
私は高校の時、陸上部だった。
他の人と比べるととりわけ体が小さい私は、毎日の自主トレーニングが欠かせなかった。
毎朝、学校に行く前に、必ずロードワークをしていた。
近所の公園から霊園を抜けて、川縁沿いを走るコースだった。
そんな毎日を過ごしているウチに、ある事に気が付いた。
それは霊園を通る時、決まって必ず、
30歳前半ぐらいのお兄さんを見かけるのであった。
お兄さんは、スーツにヘルメット、傍らに原チャと、いかにも出勤前の格好で、
いつもきまって、メットを脱いで、あるお墓の前で深い祈りを捧げているのだった。
私は「きっとかけがえがない人を亡くしたんだなぁ。」とだけ思った。
そんな毎日を送るうちに、お兄さんも私の存在に気が付いて、
お互いに通り過ぎる時に、軽く会釈を交わす程度の顔見知りになった。
そんな事もあってそのお兄さんに親近感を私は抱き始めたのも間違いなかった。
そうこうしている内に私の関心事は、毎日深い祈りを捧げている相手に向けられ、
勝手にそのお墓に眠る人に対し、思いを馳せていた。
ご兄弟かな?それとも親友?
でも、そうだったらそんなに毎日お参りに行くモノなのかな〜?
ご両親かしら?そんなにご高齢な両親がいるような歳には見えないしぃ〜?
もしかして、恋人???
うん、ありうる!
きっと、恋人が亡くなって、そのお墓を毎日訪れているんだ!
もしかして婚約者とか?!事故か病気なんかで、死んでしまって、
未だに亡くなったその最愛の恋人の事が忘れられなくって、
ああやって毎日、お墓に行って祈りを捧げているんだ!きっと、そうに違いない!
勝手に私はそう思っていた。
(続きです)
ある日、私は少し寝坊した。
いつもの時間より少し遅めに、家を出ていつものロードワークを始めた。
例のお墓にはいつもいるあのお兄さんの姿は居なく、
ちょっと残念だった。
しかしそこにはお兄さんの変わりにあるモノがあった。
お墓の、花を活けるところに、いましがた代えられたばかりの瑞々しい花と
小 さ な 鯉 の ぼ り
がさしてあった。
あのお兄さんが毎日深い祈りを捧げていた理由が解った。
私は勝手に興味本位でお兄さんの事を詮索していた事を恥じた。
そして、ロードワークのコースから霊園を通る道を外した。
毎年この季節になるとその事を私は思い出しながら、川沿いの道を走っています。
川沿いのある一軒家からは、子供の嬌声と薫風にはためく鯉のぼりが、
とっても眩しく見えました。
さりげなく良スレなのが気になるのだが。
二夜かな?三夜かな?
その辺見ててやめた人は低評価のままだよね。
面白いのに・・・
四夜目から読み始めた俺は好評価です
479 :
ROM:04/04/27 16:25 ID:iYC9x33q
「かごめ」1/2
振り返ってはいけない。
それが、この怪談にまつわるタブーだった。
友人Aと久々に会い、酒を飲んでいた。
彼とは小学校の頃の同級生で、よくつるんでいたずらをしたものだ。
スカートめくりに始まり、柿泥棒、警察へのいた電。ささいなものだ。
あるとき、俺とAはお互い初恋(?)の相手Bちゃんに対していたずらをしかけた。
誰でも一度は経験したことがあるあれだった。
俺たちの田舎ではあれの派生系が伝わっていて、「キューピッド様」と呼んでいた。
何のことはない、あれのせいにしてお互い告白してやれと思っていたのだ。
おもしろいことをやると、放課後にBちゃんを引き止めた。
ハートの絵のまわりに五十音を描き、十円玉を置き呼び出す。
最初は無難な質問から。学級委員が好きな子は誰か?
これはみんなが噂をしていたから、誰でも知っていることだった。
俺とBが「○○○(先生の名前)」と動かした。Bちゃんはケタケタ喜んでいた。
二三こんなやりとりをした後、本題としてここにいる者の好きな子を尋ねた。
まず、A。そして、俺。お互い目配せをして「B」と動かした。
Bちゃんは喜んでいたように思う。
その後で、Bちゃんの好きな相手。しかし、俺もAもその相手は知らない。
Bちゃんも教える気はないらしく、動かない。
うしろの正面だあれ
?しばらくして、意味のない答えが返ってきた。
Bちゃんに嫌われたら困るんで、俺たちは呼び出したものに返ってもらうことにした。
俺とAは目的を果たし、その上満更でもないというBちゃんの反応に満足し帰宅した。
しかし、翌日からBちゃんは出てこなかった。
480 :
ROM:04/04/27 16:26 ID:iYC9x33q
「かごめ」1/2
当時は理由がわからなかった。しかし、それからしばらくして噂を聞いた。
Bちゃんは帰りに暴漢に襲われ、暴行の後で殺害されたとのことだった。
それから、お互いの初恋の子を失ったことで、Aとは疎遠になった。
それから二十年程たち、仕事先でばったりAに出会った。
その足で、俺とAは直帰を選択し、飲み屋に入った。
思い出話をしながらBちゃんのことに触れた時、彼は言った。
「あれは、暴漢なんかじゃないんだ。」
今更、おかしなことを言う奴だと思いつつ俺は聞いた。
「かごめってあったろ、あれだ。
いろんな話があるけどあれは詰まるところ、閉じ込められた女の話だ。
あの時の最後にかごめのフレーズが出てきたろ。呼んじゃったんだろうな。」
「おいおい、今更そんな話になるのかよ。冗談はよしてくれ。」
「いや、冗談ではないんだ。俺は最近よく聞こえるんだ。
うしろの正面だあれってさ。幸い、俺は生きてる。
こどもの遊びに付合っちゃいらんないからなんだが。
人がいない社内なんかでも聞くようになってからは、流石におかしいなってよ。
多分、振り返ったらおしまいなんだぜ、あれは。Bは振り返ったんだろな。
だってよ、Bの声にそっくりなんだぜ。捕まってんだよ。」
「全部、推測だろ。Bちゃんが聞いたって話だって、振り返ったって話だって。
第一、振り返ったら捕まるって誰が言ったんだよ。」
そのときの、Aの目は忘れられない。
信じてもらえないことへの諦め、いや、虚ろそのものだった。
「とにかく、聞いたら振り返るな。それが、お前のためだ。」
彼は言い、そのあと帰ると席を発った。
481 :
ROM:04/04/27 16:28 ID:iYC9x33q
間違えた この前2/2にするつもりだったのに
しかも改行多過ぎ、はみでた。すんまそ。これで最後。
「かごめ」ラスト
後味の悪い思いをし家路についた。
と、その途中。
「・・・め、・・・ごめ、・・・・・・」
どこからともなく、声が聞こえてきた。序じょに近付いてくる声。
俺は走った。しかし、声は近付いてくる。
Bちゃん?何故?と振り返る時、俺は気付いた。それが男の声であることに。
そして、見てしまった。虚ろな目を。
「うしろの正面だあれ?」
482 :
ROM:04/04/27 16:31 ID:iYC9x33q
ついでにもひとつ。
「スキ間男」
ある男が、彼女の家へ突然訪れた時のこと。
彼女は帰宅したばかりらしく、ばたばたしている。
それでも、部屋にあげてもらいテーブルを囲んで話していると、
男が突然、コンビニへ行こうと彼女を誘う。
しかし、彼女はコンビニに行く用事などないと言う。
それでも、しつこく誘うものだから彼女も折れて一緒に部屋を出た。
男が部屋を出たところで彼女に言うには。
「おまえ、ベッドの下見たか?男がいたぞ。」
その言葉に、彼女は狼狽した。
「あれが、都市伝説で言うところの下男か?
早く警察に行こう。助けてもらおう。」
その言葉に意を決した彼女がいわく。
「違うの、あれは下男じゃなくて、間男よ。」
>>479 正確には3/3と表記すべきだな
ん、でもラストが結構効いた。G・J
ポォウッ!! M.J
「or」 1/2
「汝、大いなる財を求むるならば右の門を。再びの平穏を求むるならば左の門をくぐれ。」
目の前の古ぼけた柱にはそう彫られていた。
柱に記されているとおり、道は二手に分かれ、それぞれに石で作られた門が建てられている。
周りを見渡せば、右も左もそびえ立つ壁。後ろは行き止まり。前に進むしかないようだった。
しかし、なぜ自分がここにいるのか。私にはそれが分からなかった。
気付いたときにはもう、この柱の前に立っていたのだ。いつもの背広姿のまま。
再び周りを見渡す。ここはまるで迷宮のようだ。一昔前の冒険映画にでも出てきそうな。この場所はそんな独特の雰囲気を醸し出していた。
それにしても不可解だ。まず無音なのである。どこからも全く音がしないのだ。
「あ」
声を出すと、それは確かに聞こえた。音が響かないのではなく、私以外に音を出す存在がないということだろう。
それにしても、全くの無音というのはおかしい。
そして、空がない。上を見上げても、そこには青空も曇り空も闇もなかった。
まるで画用紙のような、白。
夢だろうか。腕の皮膚をつねる。…痛い。夢ではない、のだろう。
とにかく。この奇妙な空間から抜け出すには、前に進むしかないのだ。
「大いなる財を求むるならば右の門を。再びの平穏を求むるならば左の門をくぐれ、か。」
私は迷っていた。財と平穏。どちらを選ぶのか。
今、私には借金がある。およそ1億。事業に失敗した結果の為体だ。
しかし。右の道には帰れる保証などない。
いや、それを言うならば、左の道にだって帰れる保証などないのだ。
それに、借金を抱えたまま、今の生活に戻ったとして、平穏に暮らすことなど出来るのだろうか。
いっそこのまま、ずっとここに居ようか。
私は様々な思いと葛藤していた。
2/2
私は真っ直ぐと続く道の上に立っていた。私は、右の門をくぐったのだ。
前を見ると、遠くで何かが光っている。「金か…!」私は光に向かって歩き始めた。
金だ…金さえあれば、今の生活だって変えられる。そうだ、こっちの道を選んで正解だったのだ。
私は走った。進めば進むほど、光は強く、輝きを増す。
突如、道が開けた。
個室の中に男が横たわっている。
その周りには女性と小さな子供、白衣の男が佇んでいた。
白衣の男が腕時計に目をやる。
「…16時53分。ご臨終です。」
女性が嗚咽を漏らす。
「どうして…?どうして、自殺なんか…」
そして、莫大な借金だけが残った。
「スプーン」
テレビで見た超能力番組に触発されて、台所からスプーンを持ち出した。
ぎゅっと握りしめ、「曲がれ! 曲がれ!」とひたすら念じる。
いきなりスプーンがグニャリと曲がった。
にわかに信じがたい光景に目を丸くする。
コインを投げて裏表を予想してみる。20回全部正解。
トランプを裏側にして数字とマークを透視してみる。
これも百発百中。
道行く人に「転べ!」と念じれば、そいつは豪快にすっ転んだ。
何が起こったか訳が分からないって顔をしているのが笑える。
目の前の女は念じればすぐに服を脱ぎ始めた。
最高だ。しかし女が誰でも簡単に思い通りになるのですぐに飽きた。
数字選択式の宝くじも買えば当然のように当たった。
当たると分かってると、これほどつまらない物はないもんだ。
「カチャン」
はっと目が覚めた。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
俺の手から落ちた、真っ直ぐなままのスプーンが
机の上でかすかに揺れていた。
「にゃーこと洗濯機」
にゃーこは洗濯機が好きな猫だった。
私が洗濯を始めると、にゃーこはぴょんと洗濯機に飛び乗って、
脱水槽にちょこんと座り、ぐるぐる回る洗濯槽を楽しげにのぞき込んでいた。
その愛らしい姿にうちの家族はみな目を細めていた。
家族はみんなにゃーこのことが大好きだった。
それだから、にゃーこが交通事故であっけなく逝ってしまった時には
みんなひどく落ち込んだ。しばらくは何も手につかなかった。
にゃーこが死んでから数日後のこと。
リビングで洗濯機が回る音を聞きながら、娘がポツリとつぶやいた。
「もうにゃーこ、洗濯機回るの見れなくなっちゃったね」
「そうだね……」
にゃーこがいなくなったことを改めて実感してひどくさみしくなった。
その時、「トンッ」と軽快な音が聞こえた。
「にゃーこだ! にゃーこが洗濯機から飛び降りた音だ」
娘が嬉しそうに私の方を振り向いた。
確かに今の音は間違いなくにゃーこが飛び降りた音だった。
「そうだね。きっとにゃーこが洗濯機回るの見に来たんだよ」
「うん。にゃーこ、また洗濯機見れてよかったね」
その時から洗濯機を回していると度々「トンッ」という音が
聞こえるようになった。
「あっ。今にゃーこが来てたんだ」娘が幸せそうに笑う。
今も洗濯機が回っている。フタはいつも開けっ放しのままだ。
にゃーこがいつ見に来てもいいように。
下の方の話は、もうずいぶん前だけど確かオカ板で、実際の体験談として、
こんな話書いてる方がいて、ほのぼのいい話だなってやたら印象に
残ってたので勝手に猫に名前つけてこんな風に書いてしまいました。
「カメラ付き携帯」
先日の事、
俺は、いつも通りに駅前のデッキで彼女と待ち合わせをしていた。
そこは駅に連結している商業ビルの出入り口で、
俺と同じように、待ち合わせをしている人が他にもちらほら見えた。
「ごめん〜!ちょっと遅れるけど必ず行く。m(_ _"m)ペコリ。」
俺の携帯にメールが入った。
彼女はやっと仕事を任せて貰えるようになって、近頃はめっきり忙しいらしい。
ため息混じりにシアトル系コーヒー店で、時間を潰そう、外に出ようとしたその瞬間、
バ ー ン !
頭上に、凄まじい、モノがぶつかる音がした。
俺は一瞬怯んで、その場にしゃがみ込み、おそるおそる上を見上げたが、
頭上はビルの出入り口のひさし。外の人は「落ちた!落ちた!」と口々に言い。
俺の頭上のひさしを指さした。
駅ビルの出入り口から思わず飛び出て外の様子をうかがうと、
俺が立っていた所の真上。
入り口のために、丁度ひさしになっているところに、
中年ぐらいの男がぐったりと倒れていた。
その頃になると、周りの人々は「自殺だ!」「あのホテルから飛び降りたぞ!」「救急車!」
などの声が周りを飛び交っていた。
「よりによって俺の真上で自殺するなんて・・・。」
と、かなりゲンナリした。
所が、よく見ると周りの人達が、ちらほらと携帯電話を取り出し一生懸命、
その自殺しただろうオヤジの姿を必死になって撮っていた。
しかも、だれも救急車や警察なんかには、通報していない風だった。
自殺オヤジの放置プレイに、
さらにゲンナリした。
「体目当て」
「どうせあんたも私の体が目当てなんでしょ!」
「ああ、そうだよ。だからここから上は要らないんだ」
男のもっているノコギリが私の首にあてがわれた。
>>490 こーゆー現実にも起こりかねない話って、
妙にぞわぞわするなぁ・・・
>>491 シンプルイズベスト。
「ピースメーカー」
ある村の教会に一人の牧師がいた。
牧師はいつも、世界中で絶えることなく戦争や犯罪が起きていることを嘆いていた。
そしてまた、それをどうすることも出来ない自分が悔しくて堪らなかった。
ある日のことであった。
一人の貧しい身なりの男が、教会に懺悔をしにやってきた。
牧師が優しく聖書の教えを説くと、男はただただ涙を流し、ひざまずいた。
「これは貴方のような人間が持つべき物です。どうか受け取って下さい。」
男はそう言って、汚れた上着のポケットからオルゴールような物を取り出し、牧師に手渡した。
牧師が「これは何ですか?」と聞くと、
「それは『ピースメーカー』という物です。横の取っ手を一回転させると一日、二回転させると二日の間、争いや暴力が消え、世界が平和になるのです。」
と、男は答えた。
「し、しかし…こういった物をいただくわけにはまいりません。」
牧師はピースメーカーを返そうとしたが、男は断固として断り、教会を後にした。
男が去った後、牧師は半信半疑ながらも取っ手を握り、一回転させた。
しかし、何が変化するでもなく、牧師は肩を落とした。
「やはり、これはただのお守りに過ぎないのだ。」と。
翌日、牧師が新聞を広げると、そこには犯罪や戦争を扱った記事が全くなかった。
世界中の争いという争いが消えてしまったのだ。
しかし、翌日。牧師が新聞を広げると、そこは不幸なニュースで溢れかえっていた。
これでは、同じことの繰り返しだ…
牧師は「ピースメーカー」を手に取ると一心不乱に取っ手を回し始めた。
食事を摂ることも寝ることも忘れ、牧師は一日中、取っ手を回し続けた。
そして、夜が明ける頃には、人々は何万年分もの平和を手に入れていたのだった。
美しい朝日に照らされながら、牧師は満ち足りた気持ちでいた。
そう、牧師は気付いていなかったのである。
ストレスによって自殺する人間、病気にかかる人間が、世界中でゆっくりと増え続けていることに。
494 :
ROM:04/04/30 13:22 ID:qyuV1gnp
>487 一睡(一炊)の夢?他も読みやすくて好きです。
「永遠の牢獄」
今まで狭い部屋に閉じ込められてきたが、自由になった。
だいたい俺が何をしたっていうんだ。社会の屑を片付けてやっただけだぞ。
しかし、俺の英雄的行為も正当に評価された訳だ。
男は自分勝手な論理を展開し街を闊歩した。
だが、何かおかしい。
誰も動かない。何も動かない。
人もいるし、車もある。しかし、総てが静止している。
公園の中心にある時計を見た。3時23分。長針も止まっている。
遺族に連絡がきた。死刑囚の死刑執行は3時23分に行われたと。
495 :
ROM:04/04/30 13:46 ID:qyuV1gnp
「カスケード」
Aは石につまづいた。腹いせ紛れに石を蹴った。
石は飛んだ。カラスに当たった。カラスは怒り手近な人を襲った。
襲われた女性Bをを助けようと男性Cは助けに入った。
Cに怒れるカラスは群がった。Cは視界を失い車道に飛び出す。
突然、車道に現れたCを避けて、ドライバーDはハンドルを切る。
Dは歩道に突っ込む。Dを避けてEは飛び退いた。
Eは男性Fに当たり、Fは倒れた。そこにはかの石があった。
当たり所悪く、Fはこの世を去った。
最初に石を置いたのは、Fの幼い子供だった。
何の意味もない遊びの一貫だった。
しかし、一連の真相を知るのは石のみである。
>>495 狂気太郎さんの短編集っぽいかな?
みなさん凄いです、一気に読めました(;゚∀゚)=3
ここ数日は特に力作が多い
ヘタな文庫本買うより面白いw
>>493のオチがちょっと俺には難しかった
>>497 分かりにくいですね。
「ピースメーカー」は人間の攻撃的な感情を放出させないようにすることによって「平和」を作り出す道具なのです。
ストレスを放出(犯罪でなくても口論や喧嘩など)できなくなった人々は死へと向かっていく、みたいな。
溜まっていくストレスをどうにも出来ず、自らの命を絶つ人間。
溜まっていくストレスによってパニック障害などのストレス病に罹ってしまう人間。
世の中には、趣味や娯楽によってストレスを解消できない不器用な人々もいるという。
「お話」みたいな感じで書きたかったので説明的文章を使わないようにしました。
なんか無理矢理っぽいオチですが、多くの死を拒む気持ちが結局、多くの死を呼び込んでしまったというお話です。
横レスですが
あの、ピースメーカーって
よく西部劇に出てくる回転式拳銃
コルトS.A.Aのことを通称ピースメーカーっていうんですけど
そうだったんだ てっきり争いが減っても人の死は人間の手の届かない存在によって
管理されていて結局トータルで死ぬ人の数は変わらないって話だと思った
もしストレスを克服しても次は天災で死ぬ人の数が増えるみたいな
>>499 マニアックで良く解らないよ!
というわけで次のお話の題名は「マニアック」でお願いします。
>>500 俺もそんな感じかと
でも、結末に色々なパターンを考えさせる話ってのも悪くない
>>501 お題出すと書く方は難しくならないかな?
503 :
ROM:04/05/02 22:05 ID:KYvHXFGK
マニアックは嫌だけどマニアックがいいんですね。明日の午前に上げます。アク規制なければ。。。
でも、まんまマニアックというタイトルという訳にはいかないかも。と、勤務先よりレスす。
すいません、やっぱ「マニアック」は難しいですよね。
やっぱ普通にお話を書いてください!
マニアックで作ってみた。こんな感じはどうですか?
「マニアック」
いや〜、今日はホント運がよかったわ!
まさかたまたま立ち寄った金物屋にこんなレアなネジが置いてあるなんて!
これずっと欲しかったんだよなぁ・・・
この螺旋・・・ この流線型・・・ これはネジの枠を超えた一種の芸術品だね!
しっかしホント今日は運がよかった!
真っ白い部屋中にはたくさんのネジが置かれている。
中年の男はあぐらをかきながら、今日手に入れたネジをうっとりと眺めていた。
背後では、監視カメラが静かに男を捉えている。
壁中にたくさんのモニターがある広い部屋。
モニターには「クワガタマニア」「ガンダムマニア」など様々なラベルが丁寧に貼られている。
一つ一つのモニターには、様々な人間の恍惚とした表情が映し出されている。
『いや〜、今日はホントついてる!レアなマニアが手に入ったなぁ!』
若い男は「ネジマニア」とラベルされたモニターをうっとりと眺めた。
506 :
ROM:04/05/03 01:21 ID:Ie3Qy7y6
「嗜好者」
オカルトマニアのAとBはネット上で知り合い、オフ会を開いた。
お互いにかなりのオカルト通、霊感体質を自負する者として心霊スポットでとなった。
Aの良く来るという自慢の廃校舎を訪れた二人は最近仕入れたネタを披露しあった。
と。
背後よりちりちりと音がする。
Bは五官を研ぎ澄まし声に集中した。
声が聞こえる。
「……つけ…。…に気…つ…。」
Bの姿を見てAは誇らし気に、
「どう?」
BはAの言葉も耳に入らず、声のする方へと近付いた。
しばらくすると薄暗闇の中、ぼうと浮かび上がる白い陰。
声は語る。
「…に気を…。…つけ…。Aに…。」
そのとき、Bは背後に殺意を感じた。
Bは振り返らずに思った。
「それも悪くない。」と。
Aは今日もネットで知り合った「友人」を連れ廃校舎へ行く。
いつものごとく。しかし最近不満を感じる。
恐怖の虜としたコレクションの中に、
「悪くない」と呟く輩がいることに。
507 :
ROM:04/05/03 01:29 ID:Ie3Qy7y6
>>505
先を越されたー。面白いし。一本取られたなー。こうさーん!
>>ROM
サンキュー!
でもしまった! 背後から映してるのに表情が映ってるって書いてる・・・orz
509 :
ROM:04/05/03 02:36 ID:Ie3Qy7y6
夜型人間だから、もひとつ投下。
でも、不謹慎だなーと、先に反省。
「道標」
私は誰だ?
此所は何処だ?
記憶を失ってどれほど経つのかわからない?
さまよい歩く間におかしなモノを見た。
ひとつめは靴の片方が脱げ落ちた首吊り死体。
物憂気な彼の瞳は何かを訴えていたが、怖くなり立ち去った。
ふたつめは飛び降り死体。
彼女の身体は奇妙にねじまがっていたが、その腕だけは在らぬ方を指していた。
しかし、その恐ろしい姿に踵を返し立ち去った。
そして、みっつめは今目の前にある。
此の世のものとは思えぬ淀んだ目をした彼は明らかに一点を指差していた。
しかし、関わりあいになるのはごめんだ。
私は立ち去ることにした。決して彼の指先にあるもは見ない。
そうして彼は同じ所を巡るのだった。
決して一点より離れることはなく。
核心に近付くことはなく。
脱げ落ちた靴、腕、指が指し示す先を見ることはなかった。
無意識か、意識的なものか。。。
その先には、
「○月×日、ひき逃げ事故がありました。
目撃者は少なく犯人を探しています。
被害者は即死。どんな情報でも構いません。………。」
510 :
もこ:04/05/03 05:28 ID:f+cZBs8p
みんながんばってるね〜
「マニアック」お題ご苦労様です。
両方とも面白かった。
個人的にはネジマニアのお話がツボに入りましたw
512 :
ROM:04/05/04 01:25 ID:TzKATa/1
「話」1/2
何かをしなくてはいけない話というのは良く聞く。
何人かに広めなくてはいけない。
あるキーワードを覚えていなくてはいけない。
でも、これはあることをしてはいけない話である。
私はオカルトライターである。だから怖い噂を聞けば飛んでいく。
つい先刻も女子高生の噂を耳にし、この公園へやってきた。
最近、行方不明になった女性が物悲し気な表情で現れるというのだ。
やってきた時には多かった人通りも、暗くなるにつれ少なくなり雰囲気も出てきた。
尤も、だからといって女性の霊が現れるなんて思っちゃいない。
そんなモノありはしないのだ。
でも、雰囲気さえ掴めれば話なんてものは後からついてくる。
そんなことを考えて、ベンチに腰を掛けていた。
すると、男が近付いてきた。
「兄さん。あんたも噂を聞いてここへ来たのかい?」
噂を知っているかのような口振りで男は話し掛けてきた。
「ああ、そうなんだ。俺は書き物やってて取材なんだけど。
でも、出るなんて思っちゃいないさ。
ただ、話を作るにも取材はしなくちゃさ。グッとくるのが書けないからね。」
「兄さん、馬鹿言っちゃいけない。あれはほんとの話しさ。
聞かせてやるが、感想は口にしちゃいけない。
理由なんてないが、これは約束だ。」
男は堰を切ったように話し出した。
513 :
ROM:04/05/04 01:27 ID:TzKATa/1
「話」2/2
或る日、仕事帰りの女がこの公園を通過して近道をし帰ろうとした。
しかし、その途中ひとりの男に襲われ犯された。
女はことの終わりにぼそりと呟いた。
許さない。このままでは終わらせないと。
言ってはならなかった。女は、先を恐れた男に殺害された。
「ほら、俺らの座っているベンチの後ろにでも捨てられた死体が。。。」
私は待った。ここで「わー!」と来るんだろと。。。
「へ。」思わず間抜けな声が出た。脅かしもなし、落ちもなし?
「で、その先は?」先を促してみる。
「いや、何もないさ。」男は悪びれず言う。
「そんな、こんなつまら……。」(ない話)と言おうとして飲み込んだ。
男は最初に約束を求めた。作家と聞いて創作話のひとつもしてみたかったのだろう。
しかし、本職にけなされては身も蓋もない。それであんな約束を求めたのだろう。
男の気持ちを汲んで何も言わないことにした。
!。
「あ。」私は呟いて、腹の辺りを見る。
突き立てられたナイフ。何故?
「どうして?俺は何も言っちゃいない。」
「あんたは何も言っちゃいないさ。最初の約束は守った。
だが、言ったはずだ理由なんてないって。
それよかあんたはしちゃならないことをした。
犯人の殺人の手口を聞いてしまったのさ。」
「ああ。」私は納得とも悲嘆とも取れる声を出した。
男は腹のナイフをグリッと捻った。
薄れゆく意識の中で、知らない人の話なんて聞くじゃないと思った。
聞いてはならない話。
514 :
もこ:04/05/04 08:14 ID:ptE/M4cr
「落下傘」 作:もこ
とある日の午後、東京の上空に静かな音をたてて飛来したプロペラ機から何かが落ちた。
その何かはしばらくすると真っ白い傘を開いてゆっくりと東京に落下し始めた。
それを眺めていた誰かが言った。「なぁ、あれは一体何だと思う?」
それを聞いた誰かが答える。「そりゃ、飛行機の故障か何かでパイロットが脱出でもしたんだろ?」
それを聞いていた別の誰かが言う。「でも、飛行機は何事も無かった様に飛んで行っちゃったよ?」
一同が顔を見合すと再び誰かが言った。「じゃああれは一体何なんだろう。」
白い落下傘はまだ遥か上空、地上の人々はまだその正体が何なのかはっきりとは解らない。
誰かが言った。「こういうことは考えられない?」
一同はその声に耳を傾けた。「あのプロペラ機は実は宇宙船で、落下傘は宇宙人とか。」
一同は溜息を漏らして呆れた。「そんな幼稚な・・・」
一同の背後に佇む老人が呟いた。
「核かも知れんよ。」
一同は一斉に老人に振りかえると声を合わせてこう言った。「今、何と?」
すると老人は落ちついた面持ちで答えた。「だから、核爆弾かも知れないよ。
昔、広島でもあんな感じだった。」
一同の顔は真っ青になった。「た、大変だ・・・」
それぞれが叫ぶ。「逃げろ!」「隠れろ!」「警察に知らせろ!」「政府に連絡を取れ!」
一同の焦りはしだいに街全体に伝染し、東京中はパニックに陥った。
てんやわんやの騒ぎの中、落下傘はゆっくりとだが確実に東京に近づいて行く。
そして落下傘が人々の目ではっきりと確認できるくらいまで近づいた時、誰かが叫んだ。
「あ、あれは!」
落下傘の正体を間近に見た人々の目にはもはや未来の欠片も残ってはいなかった。
みな同じ、凍りついた表情と死んだような目。
落下傘が風に吹かれると、その風に伝わって微かな声が聞こえてきた。
「もこだよー。」 完
あからさまに
もこじゃないな。
でも話としては面白い
と思った俺は負け組?
「電話」
ジリリリリリリリィーン。
ジリリリリリリリィーン。
電話が鳴った。
受話器をとる気にはなれない。
ジリリリリリリリィーン。
ジリリリリリリリィーン。
電話は鳴り続ける。
出る気にはなれない。
ジリリリリリリリィーン。
ガチャ。
「ただいま留守にしております。ピーッという発信音のあと
メッセージを入れてください」
ピーッ。
「……なんで出ないの?」
くぐもった女の声。聞いたことのない声。
「ねえ。なんで?」
なんでって、なんとなく出ちゃいけないような気がしたから。
「せっかくあなたを連れていこうと思ったのに………」
ガチャン。ツーツー……。
電話が切れた。何だったんだ、今のは……?
トゥルルルルルルル。
トゥルルルルルルル。
また電話が鳴った。さっきとは違う着信音。
(う ち の 電 話 の い つ も の 着 信 音 だ)
ホッと胸をなでおろして、受話器をとる。
「今度は出てくれたのね……」
「え…………?」
「親不孝者」
俺は決して誉められた息子ではなかった。
高校を出たあと定職につかずフラフラして、挙げ句の果てには
母親の目を盗んで財布から金を抜き取り家を出た。
悪いことをしたとは思っている。
いつか返そうとは思っているが、今さらどんな顔して家に帰れるだろうか。
あれから10年が経った。母親は今も盲目のままだ。
519 :
ROM:04/05/05 17:33 ID:5M3lavfz
真一さんはただでさえ面白いのに、意外なときにBジョークがくるからいい!
| | ∧
|_|Д`) ……アリガト。
|文|⊂)
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ROMさんのレスのブラックジョークってのがちょとひっかかってたんだけど、
よくよく考えてみると、
>>518の話って、母親がいつから盲目で
あったかによって、話のオチに2通りの解釈ができますね。
どっちでもいいです。
「散歩」
犬の散歩が日課である。
先日、昼なお暗いウチの裏山の坂道を犬を連れて、
えっちら、おっちらと歩きながら登っていると
自分が向かっている坂のてっぺんに何か白いモノが浮いていた。
自分はコンタクトなんで、又ゴミでも付いたかな?と思い、
数回、目をしばたいてみたが、なかなかゴミは取れなかった。
しかしそんな事をしているウチに、
その白いモヤみたいな塊はずんずん坂を下りてきた。
その頃にはコンタクトのゴミとか思う余裕がなくなっていて、
その様子をぼんやりとみながら、自分は「なんかヤバイかも?!」と思い始めていた。
しかし何故か足取りは以前と変わらず、ゆっくりと坂を登り続けていた。
その白い靄は、どんな形をしているわけでもなく「ただの塊」そんなカンジで、
上下する事無く真っ直ぐに自分の前まで坂を下りてきたのだった。
でも、体が何故か「ここで踵を返して逃げたらもっとヤバイ!」と
歩きながらドキドキ考えていた。
連れている犬は、前足を突っ張る様にして、先に進もうとはせず、
そんな犬を本当に引きずる様にして、以前と変わらない歩調で、
前へ、前へと進むしか無かった。
白い塊は前に進む私の目の前で、止まったまま
私と一緒に今降りてきた坂道を同じ速度で登っていた。
足が重く感じ、引っ張っている犬がとても煩わしく、
自分の息がとても大きく聞こえて息苦しさを感じた。
しばらくするとその白い塊はスーッと音もなく自分の横に憑き、
また同じように私の横で同じ速度で坂を上り始めた。
どれくらい経ったんだろう。
多分ホンの一瞬だろうがすごく長い時間の様に感じた。
(続きです)
ふっと、目の端に映るその白い塊が消えた。
その時に、冷たい汗が体中に流れていたのを改めて感じたのだった。
足取りも軽くなり、犬はあわてた様に坂を上りきろうと走り出した。
でも、私は以前と変わらずにさっきまでの歩調を崩すことなく、坂を登り続けた。
ハッキリ言って不思議な体験をした。
坂の上へ登り、森を抜け、日の当たるところに出て一息ついたら、
側の畑で野良仕事をしていた農夫が自分に声を掛けてきた。
「あんた、ようがんばったね。
あそこで逃げ出したり、すくみ上がって動かなかったら、
えらい事になっていたよ。」
言われた事が一体、何の事か一瞬、理解できなかったが
さっき自分が体験した事を指して言ってる事に気が付いた。
私はその場を愛想笑いを浮かべながら、通り過ぎただけだったが、
きっと、坂の上で見ていた農夫と自分が連れていた犬は、
自分が眼にした、白いモヤの塊とは別のモノを見ている様だった。
あそこで、農夫が言ったとおりに逃げ出したり、動かなかったら
どんなえらい事になるのか、どんなに想像力を逞しくしても思いつかなかった。
ただ、冷たい汗で衣服かべっちょりと体に張り付く嫌な感触は、
しばらく不快感と伴に体に残っていた
「やまのるーる」
地元の山岳会に所属していた父親が、したたかに酔うと決まって語る話です。
ある日父は、とある大学の山岳パーティが冬山登山で遭難したと言う事で、
地元の消防団と一緒に捜索隊を結成して、その遭難者を捜しに行った時の事
父親の経験から、遭難者という者は決まって同じ行動を取っていて、
山の地形や遭難者の心理から、大抵は山の決まったところで見つかるそうです。
それが、生きているにしろ死んでいるにしろ、
そのポイントに遭難者は集まる習慣らしいのです。
その日も父は、そのポイントに遭難者を捜しに行ったそうです。
所が、そのポイントに尾根伝いに近づこうとしたところ、
いきなり、日は陰り、陵から濃いガス(霧の事らしい)が峰を登ってきたそうです。
その時父は、「このガスは警告だ!これ以上行ってはいけない。」と本能的に思ったそうで、
父は長い山岳経験での、二次遭難になってしまうとかではないらしく、
行こうとすればいけるのだが…。
直感的に、これ以上行ってはいけないと思い引き返したそうです。
しかも、不思議と一緒のメンバー達は引き返す事に対し異論は唱えなかったそうです。
春になって、その遭難者はそのポイントに近くで白骨死体となって出てきたそうです。
でも父は、お酒が入るとその時の事を
「あの時、俺があの先に進んでいたら、
あんなむごい死体に成らずにご家族の方に渡せたのに、
学生さんには可愛そうな事したなぁ…。」
とこぼします。
父は、その遭難者が探しに行った時には、
もうすでに亡くなっている事が解っていた様な口振りと、
途中で引き返さずを得なかった事をよく解らないけど、
「 山 に は 山 の 掟 が あ る の だ な ぁ … 。」
と、一緒に酒を飲んでいて、酔いが冷める思いで、うっすらとそう思うのです。
私は繁華街の裏道を通り、看板もない寂れたビルの地下階
へ降りていった。
ドアにはこうある。
「占い」
シンプルだ。
梅田と森岡の二人も私に続いて入る。
私たちは3人とも同じ高校出身のプロ野球のルーキー
野手だ。
キャンプ直前で不安と期待が入り混じっていたところ、
よく当たるという占い師に、今後のプロ生活について
占ってもらおうと考えたのだ。
黒いヴェールの女占い師にさっそく用件を切り出す。
「俺たちの生涯打率を占ってください」
これは前もって決めていた問いだ。
『あの店は本物だ』という噂を聞いて、鵜呑みにしたわけで
はないが、あまり具体的なことを聞いてショックを受けるの
は嫌だったのである。
(続く)
「まず俺から頼んます」
梅田が椅子に座った。
女はもったいぶることもなく、「2割5分7厘8毛」
「げー。いまいちじゃん」
「レギュラーは厳しいところだな」
嫌味な笑いを浮かべながら森岡が入れ替わりに座った。
「あなたは・・・2割8分5厘1毛」
「おお?」
「いいんじゃん。生涯打率で2割8分って」
「毎年2割8分打ったら、億いくぜ年棒」
軽口を叩きながら私はドキドキして次に座った。
真近に見ると、この占い師は気圧されるような不思議な
オーラを持っていた。
彼女の口元がうっすらと開き、硝子のような声が流れだした。
「5割」
(完)
age
『ド近眼』
酋☆長
こう見えても俺はド近眼だ。小学生のときファミコンをやりすぎたのが原因だと親は言っている。
大学入学までは牛乳瓶の底みたいなめがねをかけていた。
あだ名は「メガネ」。それも甘んじて受けた。
しかし大学に入学と同時に俺はコンタクトを購入した。
メガネという呪縛から解放されて、俺の性格は変わった。
以前はおとなしく、休み時間も一人で予習したりウォークマンを聞いたりしていた内向的な男だった。
はっきり言ってネクラな奴だった。友達もほとんどいなかった。
だが、大学での俺の評判は「いつも何かバカなことをやってる」「面白い」そんな感じだった。
毎日違う友達と遊んでいた。携帯がならない日はなかった。高校時代は親以外誰もかけてこなかった携帯が、だ。
メモリーは10倍以上に膨れ上がった。恥ずかしい話だが、大学デビューというやつだ。
そしてついに念願の彼女ができた。同じ学部の子で、かわいくて頭もいい。料理も上手だ。
友達と遊びつつ、彼女ともデートをかかさない。忙しい毎日だった。
ある日、コンタクトをすると猛烈に目が痛んだ。焼けるような痛みで、目が開けられない。
封印した瓶底メガネをかけて、眼科に行った。
「角膜に少し傷がついてますね。しばらくコンタクトはしないで下さい。」
そう診断された。
その日から俺は3日間、大学を休んだ。
前に一度、高校時代の写真を友達に見せて、大爆笑されたからだ。
こんなメガネの俺を、彼女にはみられたくない。
しかし、欠席の続く俺を心配して彼女が家にやってきた。
その場は適当にごまかし、彼女と外出することになった。
メガネはかけられない。裸眼のまま外に出るのは実に6年ぶりだった。
視界にははっきりと写るものは何もない。色だけがぼやけて写る世界。
足元がおぼつかない。
こんな状態で本当にデート何かできるのだろうか?
彼女の手をしっかり握って歩く。それでも恐い。
電車で街に出て、色々と連れまわされた。
俺は早く帰りたくてしょうがなかったのに。頭痛がしてきた。
少し休もう、と俺がいい、二人で喫茶店に入った。
一息つくと、トイレに行きたくなった。
流石にトイレは彼女についてきてもらうわけには行かない。
一人で行くのは恐かったが、壁に手をついてヨタヨタとトイレに向かった。
洗面台のところで男が手を洗っているようだったが、良く見えない。
小便用の便器を、半ば手探りで探し、用を足す。は〜〜〜〜っ。思わず声が漏れる。
コン。
足に何かが当たった。足元を見ると、赤い服を着た人が寝転がっていた。
髪の毛らしいものが長いので、女性だろうか?ここは男性用化粧室のはず。
おかしいな・・・。
そう思った瞬間、俺は後ろから後頭部を鈍器のような物で殴られ、その場に倒れた。
薄れゆく意識の中、寝転がっていた女が視界に入った。
驚くほどクリアなその映像は
頭を勝ち割られシャツを血まみれにして死んでいる若い女だった。
(めでたしめでたし)
とてもめでたい話だと思った。めでたしめでたし
『鳩胸』1/2
僕は虫を飼うのが好きだ。
虫を上手く飼うためには、なるべく自然の状態に近づけるのがいい。
自然の中にいると勘違いさせてやるんだ。
僕はその日、デパートに来ていた。
地下食品売り場に降りると、できたてのパンのいい匂いがしてきた。
僕はここのパンが大好きだ。このデパートに来るといつも買うことにしている。
買ったパンをデパート横のベンチで食べていた。これもいつものことだ。
独特な羽ばたく音を立てながら、鳩が僕の前に降りてきた。
僕が少しパンを撒いてやると、厚かましいほどの積極さでパンを取り合っていた。
鳩は図々しく手にも登ってきた。汚いなぁ、でも嫌いじゃない。
パンをやりながら、僕は鳩の羽ばたく音は、からくり人形のような音だと思った。
軽くて規則正しい、ロボットのような不自然な羽音。少し鳩が怖くなった。
一羽、元気が無い鳩がいた。
パンを全然食べないで、群れから 距離を置いてジッとしていた。
その鳩は、突然飛び立ったかと思うと、デパートの二階くらいの高さまで上がって地面に落ちた。
鳩から何かが飛び出して見えた。
『歯車…?』
間違えてあげちったよ。しかも1/3だった。
『鳩胸』2/3
それが見えたのは、一瞬だった。
あっという間に清掃のおじさんがきて、鳩を持ち去ってしまった。
確かに今、鳩の体内から歯車が飛び出した。
違和感と共に、ある考えが湧き上がった。
飼われていたのは僕だ…。
僕を上手く飼う為に誰かが自然に近づけているんだ!
あの鳩も、この街並みも、清掃のおじさんだって僕を勘違いさせる為の演出なんだ!
全ての音が不自然に感じてきた。僕は耳を塞いで走り出した。
周りにいる人皆が僕を見ている。やっぱりそうだ、僕を監視しているんだ。
『鳩胸』3/3
家に帰ると、ソファに姉ちゃんが座っていた。暗い部屋の中ジッとしている。
『姉ちゃ…』僕は言いかけて止めた。目の焦点が合ってない…。
これはきっと、「歯車」達が見せる隙だ。
機械に誤作動があるように、こいつらにも隙があるんだ。
なんてことだ…姉ちゃんも歯車だったんだ…。
僕は奥の部屋に行った。
戻ってくると、姉ちゃんはいつも通りだった。僕は姉ちゃんの顔を見つめた。
『どうしたの?』『姉ちゃんにも、歯車が詰まってるんだろう?』
僕は姉ちゃんを刺した。
僕は今、少年院の中にいる。
姉ちゃんの中には歯車なんて一つも無かった。
お母さんが言うには、姉ちゃんはあの日、彼氏にふられて元気が無かったんだそうだ。
お母さんは泣いていた。でも、もう姉ちゃんは戻ってこないんだ。
僕はこの中で、罪を償わなければいけないのだ。
よくできた演出だ。どうせこれも、僕を勘違いさせる為なんだろう?
こんなところに閉じ込められたって、そうはいかないぞ。
少年、グリグリメガネを拾う
「魔方陣」
ケンちゃんが変。
学校の子ども会のあいだ、ずっと変な本読んでる。
「それなあに」
って聞いたら「悪魔の本」だって。
「悪魔を呼び出すんだ」
ケンちゃんは興奮してた。
夕方グラウンドに出て、地面に絵を描きはじめた。
「石拾ってきて、手伝って」
怖かったけど、ケンちゃんと遊びたかったから
すぐに石を見つけてきた。
ケンちゃんの本を見ながら、丸を描いて中にぐにゃ
ぐにゃした文字をかいた。
魔方陣なんだ、ってケンちゃんはいった。
もうこども会が終わる時間になって、先生が呼びに
きた。
「はい、もうおしまい」
「やだ」
ケンちゃんは石を放さなかった。
「もう、続きは明日ね」
「いやだ。休み時間の野球とかで消えちゃう」
ケンちゃんと先生が話してるあいだ、ぼくは変
なのを見た。
先生の影が夕焼けに長く伸びて、魔方陣にかかって
いたのに、ぐぐーって曲がりはじめた。
影だけが曲がって魔方陣の外に出ちゃった。
ぼくは目をこすったけど、先生は気づいてなかった。(続く)
結局ケンちゃんとぼくは先生に引っ張られて、帰ら
された。
家で晩ごはんを食べながら思った。
魔方陣ってどうやって使うんだろう。
そのとき家の電話が鳴った。
お母さんが出ると、ケンちゃんのお母さんからだった。
「ケンちゃん知らないかって」
ぼくが知らないっていうと、お母さんは挨拶して切った。
ケンちゃんがまだ帰ってないんですって。心配ねえ。
ぼくは「なにも知らないよ」といってごはんをかき込んだ。
ドキドキした。
その日の夜、ケンちゃんが学校のグラウンドを走ってる
夢をみた。
お化けに追いかけられていたみたいだった。
はやく覚めないとケンちゃんがあぶないと思って、夢覚
めろ夢覚めろって、ずっと念じていた。
次の日、ぼくはいつもよりだいぶ早く登校した。
グラウンドはサッカー部が朝練習で使うから、早くいか
ないと。
でもぼくが着くともうサッカー部の上級生たちは来てて、そ
れだけじゃなく、先生たちもグラウンドに集まってた。
(続く)
みんな怒鳴ったり、わめいたりしてる。
校庭に入っていくと、気持ち悪い模ようがグラウンドの土の上
に見えた。
それは昨日ケンちゃんが描いた魔方陣にそっくり。
でも一つじゃなかった。
グラウンド中になん十個も同じ魔方陣が広がってた。
先生たちは消そうとしてたけど、教頭先生が警察を呼ぶから
って、止めていた。
ぼくはケンちゃんが描いたんだと思った。
昨日家に帰らないで描いてたんだって。
でも多すぎる魔方陣をみて気がついた。
夜のあいだは照明も消えるのに、こんなにたくさんどうやって
描いたんだろうって。
ぼくは昨日ケンちゃんと二人で描いた魔方陣を見つけた。
描きかけだったのに、完成してた。
やっぱり変だ、と思った。
昨日描いたのは、石で描いたから線がへっこんでるのに。
ほかのは・・・
盛り上がってる。
(続く)
まるで地面の裏がわから描いたみたい。
そう思ったとき、ぼくはケンちゃんがお化けに追いかけらた
夢を思い出した。
向こうでヨシダケンイチ、という声がして振りむいた。
先生たちが「ケンイチ君の行方不明と関係があるのかも知れ
ない」って話してるのが聞こえた。
ケンちゃんはやっぱり帰ってなかったんだ。
足がガクガク震えた。
「校舎にはいりなさい!」
とうとう先生がぼくらを追い払いはじめた。
ぼくも校庭から追い出された。
それから警察が来て、午後の下校のときにはもう魔方陣は
全部消されてた。
けっきょくケンちゃんは見つからなかった。
ケンちゃんが持ってたはずのあの本も。
そして校舎の裏に、いつのまにか変な井戸ができていた。
次の学期になって、同じ団地の上級生の三井くんがぼくに
こういった。
「あの井戸、どうして出来たか俺知ってるぜ」
(続く)
三井くんはサッカー部のキャプテンで、あの日宿直の先生が
校庭の変な模様を見つけたすぐあとに学校に着いたらしい。
「俺、校舎を回りこんだ所の水のみ場のあたりに変なものを
見つけたんだ。
そこにも魔方陣があって、その中に黒い人型の模様があった。
俺、最初は水で濡れて黒くなってるんだと思ったけど、先生
が来て、消そうとしたら消えないの、それが。
足で土を伸ばしても、トンボで引いてもそのまま残ってるの。
俺が『影だ!!これ』
って言ったら先生真っ青になって、トンボの柄で地面ほじく
りだしたけど、掘っても掘っても、そのへこんだトコに影が
降りるだけで消えないんだ。
そのあと他の先生が来て、とりあえず青いシーツかけてた。
それからだぜ、あの井戸が出来たの。あれ、影を隠してんだ」
三井くんは自慢そうにいって、「秘密だぞ」と指を立てた。
ぼくはなにかが分かった気がした。
たぶんケンちゃんはお化けを呼ぼうとして、失敗したんだ。
それで、逆にお化けに連れていかれたんだ。
魔方陣に追いかけられて、追いつめられたところが水のみ場
だったんだ・・・
ぼくは次の日、校舎裏の井戸へひとりでいった。
まわりには誰もいなかった。
ふたはしてない。
子どもが落ちるかもしれないのに、ふたをしてないのは多分
ふたの上にケンちゃんの影がうつるからだと思った。
のぞき込むと中は暗い。
あんまり底は深くないみたいだけど、壁がゆがんでて底まで
光がとどかないみたいだった。
影も見えない。
ぼくは身をのり出して井戸の底のケンちゃんにささやいた。
「どうして、魔方陣を手伝ったぼくは助かったの」
そのとき、小石が井戸のふちから落ちた。
ちゃぽぉん
と井戸の底から音がして、波もんが広がるのが見えた気がした。
それはね、このまほうじんに、こういうんだ
ケンちゃんに似た声が、井戸の底からして、ぼくははっとした。
そばにいるような遠くにいるような声だった。
えひろいぬ えひろいあ ことる ふんぐるい・・・
波もんがぐにゃぐにゃとゆれているのが、見えないのに、見えた。
ぼくはすぐに耳をふさいだ。
これは、多分、
覚えちゃいけない。 (完)
書いてから、おかしいところに気がついた;;
三井くんのセリフ。
×とりあえず青いシーツかけてた。
○とりあえず黒いシーツかけてた。
スミマセン・・・・・・
「ワイルド・ストロベリー」
友達の結婚式のお呼ばれした。盛大な披露宴だったよ。
ソイツは高校の同級生、青年実業家と上手いことやりあがって…。
まぁ、アイツ高校の時一回中絶してるハズよね。いざとなったら、ソレで脅してやるか〜。な〜んてね、やらないけど。
私も幸せになりたい〜〜〜!
そう思ったら、結婚式の帰りに「ワイルドストロベリー」を貰った。
TVでやっていた「実がなったら、幸せになる!」と言うヤツ。
案外可愛いので私の部屋に置いて育ててみた。
どうやらこれは、他の人が育てると効果はないとか?
まぁ、せっせと水やりをしていたわけ。
ある日の朝、よく見るとワイルドストロベリーに、アブラ虫がいっぱいくっついていた。
出勤時間なので、そのままにしていったら、
その日、電車で痴漢にあった。
家に帰ってアブラ虫を駆除したら、次の日に町で、芸能人を見かけた。
しばらく水をやり忘れた時は、風邪を引いて寝込んだ。
水やりを再開したら、ダイエットで2kgも減っていた!
このワイルドストロベリーって、上手く育てると良いことがある事が解った。
それから私はせっせと、ワイルドストロベリーにお願いをしながら世話をすることにした。
大きい葉っぱが出た時、近所のいつも吠える犬が、吠えなくなったし、
花のつぼみが付いた時は、憧れのあの人と初えっちw
花が咲いた時は、会社のイヤな同僚は辞めていったし、
また花が咲いた時は、中古だけど欲しかったブランドのバックを手に入れた。
このワイルドストロベリーは本当に効果があった。
心を込めて育てれば育てるほど、私に良いことがいっぱい起きた。
赤い実がなると願いが、本当に叶うらしい。とっても楽しみ。
やっと小さい青い実がなり始めた。
そうしたら、上司の子供が事故死してくれた。
本当にワイルドストロベリーは、よく願い事が叶う。
この実が赤くなったら、奥さんと別れてくれるかなぁ〜w
ヾ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
二日前のバナナの皮に滑るか
546 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/05/16 03:32 ID:fBrRVsa7
とりあえず上げてから寝るね
547 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/05/16 03:33 ID:fBrRVsa7
おまいら、たまには上げとけよ、分からないだろうに
549 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/05/16 03:35 ID:fBrRVsa7
THX酋長
>>549 どういたしまして。いつも楽しく読ませていただいてます。
私が大学の教室に入ったとき、友人たちは
昨日の地震の話で盛り上がっていた。
「よお、聞いてくれよ健二がUFO見たってよ」
「UFOが昨日の地震起こしたんだってw」
バカなやつらだ。
「ちょっとまてって、UFOじゃないってば」
健二は身振り手振りで主張した。
「岩なんだよ、岩。空にバカでかい岩が浮いてんの。
そんで岩の上に城みたいのが建ってて・・・」
なんだそりゃ。
私は真面目に聞こうとしてたのに、呆れてしまった。
「ラピュタの見すぎじゃねーの。ギャハ」
「ラピュタっぽくはなかったなあ。もっとこう、岩
メインっつーか。とにかく、ボーっと見上げてたら
それがズドーン!! って落ちてきたんだよ」
「で、大地震ってか」
「バルスって言っちゃったんじゃないw」
アホらしい。
なのに健二は妙にマジだ。
「それで落ちてきた瞬間に目が覚めたんだけどよ・・・」
「って、おいっ。夢オチかよ!!」
「ふざけんなあ」
一斉に大ブーイング。
「聞けって。目が覚めたらあの地震だよ。絶対なんかあるって」
「健二よお、地震がきたからそんな夢になったんだよ」
そのとおりだと思う。
(続く)
「でも、地震が来る前から岩が空に浮いてたんだぜ」
健二は頑固に主張した。
しかしみんなバカらしくなって、テキストを広げ始めた。
私はふと思いついたことがあって、言った。
「それってさあ、マグリットの『ピレネーの城』じゃないの」
「はあ?」と健二。
「いや、そういう絵があるんだよ。空に浮ぶ岩と城っていう」
「知らんなあ」
てっきり最近その絵を見て、夢に出たのかと思ったのに。
「なあ田村なら知ってるだろ、マグリットのその絵」
田村は近代美術の講義を去年俺と取ったから知ってるはずだ。
なのに。
「マグリットなら知ってるけど、そんな絵あったっけ」
「おいおい、有名な絵だぜ」
変だなあ。
「ほら、海の上に縦長の岩が浮いてて・・・」
マグリットは象徴主義の画家で、そうした奇妙なモチーフの
絵を多く残している。
「やっぱ知らん」
と言われても納得できなかったので、
「今日おれんち来いよ。追試的に思い出させてやる」
そして授業が終わり、田村は私の家に遊びに来た。
どうしてもその絵を見てみたいという健二もだ。
さっそく押入れから去年買ったコンパクト画集を出す。
えーと、50年代50年代・・・あった。
Le Chateau des Pyrenees
ザ・キャッスル・イン・ザ・ピレニーズ。
「これだよ」
そう言おうとして私は凍りついた。
絵の中の岩城は、海岸に接地していた。
ありえない。
あの浮いていた岩はどこいった!
「ああ、この絵か。これなら知ってるよ。浮いてるとか
言うからわからなかったんだよ」
「いや、浮いてただろ。この絵は」
「はあ? なに言ってんだ」
まるでさっきの健二の気分だ。
私は間違ってないはずなのに。なにがなんだか。
その時健二が絵を覗き込んで言った。
「あ、これ似てる。こんなのだった」
(続く)
私は混乱していた。
こんなことってあるのか。
田村の中では、この地面に乗っかっている岩という面白くも
なんともない絵が『ピレネーの城』だったという。
私の記憶がおかしいのか。
いや絶対に違う。そもそもマグリットならこんな絵を描かない。
近くの書店に走ろうかと思ったが、背中に得体のしれない悪寒
が広がった。
これではまるで絵の中の岩城が落ちて、それで・・・
その時、居間のテレビの音が一際大きくなった。
母親がボリュームを上げたらしい。
「・・・昨夜午後11時30分ごろに起きた最大震度5の地震
が、気象庁の地震計に計測されていなかったことがわかりまし
た。さらに全世界で同様の地震が同時に起こっていることから、
隕石の落下など別の原因によるものではないかと、研究者たち
の間でもこの異常な地震について波紋が広がって・・・」
(完)
「逆再生3分間クッキング」
「肉に味が染みてますね。やわらかくておいしいです」
「じゃ、さっそくいただきます」
「はい。これで出来上がりで〜す」
「器に盛りつけ、ゆずの皮を細く切って散らします」
「だいたい10分から15分でこのように具がやわらかくなります」
―CM―
「あとは弱火で時々なべを揺すりながら具がやわらかくなるまで煮込みます」
「肉の臭みを消すために煮込みはじめに酢を少量入れるといいですね」
「ごぼう、里芋などをだしを加えて煮、それに先ほど揚げた肉を入れます」
「下味をつけた肉に衣をつけ、じゅうぶんに熱した油で揚げます」
「まずはこのように一口大に切り分けた肉に、塩と胡椒で下味をつけます」
―CM―
「あなたです」
「さて先生、今日の食材はいったい何でしょう?」
「落とし物」
暗い夜道を歩いていると、曲がり角のところでうつむいて何かを
探している人がいた。暗くてよく見えないが女の人のようだ。
「すいません。落としちゃったんです」
女の人がいきなり俺に話しかけてきた。
うつむいているせいで顔は見えない。
「落としちゃったんです。一緒に探してくれませんか?」
女の人は独り言のように繰り返した。
「何を落としたんですか?」
「ほっぺ……」
「え? 何を落としたですって?」
女の人が顔をあげた。
女の人にはほっぺがなかった。
「あんなにおいしいお料理は初めて食べたから……」
食べかすを口のまわりにつけて、女の人は困ったように笑った。
あるひ俺は街を歩いていたんだ。
別になんとゆーこともないただの散歩。
半分ヒキコモリャーの無職童貞中卒にとって、唯一心が温まる時間というか。
で。
いつもの公園に行って、その帰り、いつものショッピングセンターによったんだ。
そしたら。
「おめでとー」
なんて声が聞こえるんだよ。
あいやー、俺もついにイカれたかと思いつつ、
そんなはずはないと空耳ケーキを口ずさんでみたら、もう一度聞こえる
「おめでとー」
ふと周りを見回すと・・・
後半へ続く。
周りを見回すと、老若男女、様々な人種が一様に俺の方を見て、しかも俺を円形にとりかこんで
「おめでとおめでと」
って連呼してるんだわ。
あわててショッピングセンターから出たら、そいつらが
「おめでとおめでと」
いいながら追いかけてくる。しかも全員笑顔。やってられるか。
やっとの思いで家にたどりついて、とっとと中に入って玄関の鍵をしめる。
で、母親が飛び出してくる。あわてて。おめでとおめでと言いながら。
部屋に駆け込んで鍵を閉める。外ではおめでとうの大合唱。怖い。畜生。
声をかきけすために、大音量で音楽でもかけることにする。
けどヘッドフォンから聞こえてくるのはおめでとう連呼。
すいませんオチません。
まぁ洋楽をかけたらどうやらさんきゅーさんきゅー連呼に変わってくれることを発見。
日本語で言われるより百万倍ましなんで、少し落ち着く。
さてこれからどうしたもんかと窓から外を見ると、
さっきのおめでとおめでと軍団が窓にべったり張り付いてる。
ゴキブリかきさまら。氏ね。
さらに怖くなって布団に潜り込む。しばらくしたら甲高い音。
どっかで聞いたことある音だ。あれね、コップの割れる音×20って感じ。
おそるおそる布団の中から窓の方を見てみる。
そこには血まみれになったおめでとおめでと軍団。いやこれホラーだろ、おい。
そうだこれは夢なんだと自己欺瞞、ほっぺをつねってみる。
目が覚めた。畜生、エヴァの最終話見ながら寝ちまった。
しかもDVDに傷が入って、最後の最後、おめでとう連呼のところでリピートしすぎ。
すいません落ちません。ほんとにごめんなさいこの通りです∧||∧
561 :
ROM:04/05/19 02:09 ID:041MrANT
「手招き」
私は、波打ち際に打ち上げられた。船の遭難、嵐に出会い漂流。
意識を失い流され、それでも陸地に辿り着くことが出来た。
辛うじて繋ぎ止めた命、生きていることの喜びを感じる。
もちろん、この先何が待つのか不安は感じる。
何を食べて生きればいいのか?いつ、助けが来るのか?
それでも、生きていれば何とかなるというものだ。
そんな時、遠くで手招きする白装束の女性の姿を見た。
(人だ!)
心の内で喝采をあげる。走り寄る私。
しかし、走っても走っても彼女の元へは辿り着かない。
どこでまでも続く海岸線。景色に変化はなく、走り続ける。
心なしか、彼女の表情が窺える。
彼女は必死に手招きしているようだ。
しかし、辿り着けない焦燥感、徒労感。
そんな時、後ろから呼び止めれる。
「行ってはいかん。あれはこの世のものではない。」
振り返れば、同じ様に漂着したらしきみすぼらしい姿の老人。
「あぁ、誘われていたんですね。」
絞り出すように答えるのが精一杯。
生と死の狭間の一瞬、私は幻を見たのだろう。
再び彼方を見てもそこに女性の姿はなかった。
だが、彼女を見たことがある人のように感じたのは何故だろう?
「残念ながら御臨終です。」
海難事故に遭いながら救助された男性は、
付き添いの妻の必死の励ましにも関わらず意識不明のまま帰らぬ人となった。
562 :
ROM:04/05/19 02:11 ID:041MrANT
お茶を濁すようで申し訳ない。。。
「暗闇」
その1
長い長い暗闇を抜ける。
後ろを振り返ってはいけないって話もあったっけ。
ひたすら進む。
先には光が見える。
魔がさして振り返る。
「く、首が締まるゥ。」
その2
長い長い暗闇を抜ける。
後ろを振り返ってはいけないって話もあったっけ。
ひたすら進む。
先には光が見える。
魔がさして振り返る。
なんてことはない。
でも、道がわからなくなる。
外から声が聞こえる。
「こりゃ駄目だ。助からん。」
その3
長い長い暗闇を抜ける。
後ろを振り返ってはいけないって話もあったっけ。
ひたすら進む。
先には光が見える。
寄り道なんかはしない。
「おぎゃー!」
563 :
ROM:04/05/19 02:19 ID:041MrANT
亀レスですが、真一さんの518は2通り解釈ありますね、確かに。
でも、いずれにしてもBlackかなと。。。
そこが、好きなんです。
こう、オチがBというか。
むしろ、ダークというか。
短い中で、ずどんと落としてくれるとこが好きです。
次も待ってます。
lll
[___________] Σズドン!
ヽ(`Д´)ノ
565 :
sage:04/05/22 18:58 ID:vCHc6di6
>>562の{その3}イイね!
ていうか皆さんお上手でつ・・・(羨望の眼差し
566 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 10:54 ID:v3wbbNVx
ちょっと下がりすぎなんで、ageます。
アゲ
アゲ
「以津真天」1/3
人を殺した。
金銭関係のトラブルだった。
口論の末、激情した俺は、怒りにまかせて友人を殴ったのだ。
我に返ったときにはもう遅かった。
奴は既に動かなかった。
慌てた俺は、自分の住んでいるアパートの裏手に奴を埋めた。
ばれるはずがない、そう思っていた。
あいつは両親を亡くしており、人間関係も少ない。
知らぬ存ぜぬを通せば、ばれることなどないと俺は高をくくっていたのだ。
けれど。
その頃からだった。俺の周りでおかしなことが起こり始めたのは。
2/3
それから、町で頻繁にカラスを見るようになった。
初めのうちは別段不思議にも思わなかった。カラスなど珍しくもない。
しかし、日に日にその数は多くなり、しまいには町中にカラスがはびこるようになった。
バイトに行くときも、散歩のときも、コンビニに行くときも。
尋常でない数のカラスがそこかしこで鳴いていた。
最も、町の人間が、増え続けるカラスに何の興味を示さないことの方が俺にとっては不可解だったのだが。
カラス達が飛び回っても、鳴きわめいても、人々はまるでそれが見えないかのように振る舞っていた。
町の自治体が動く気配も全くなかった。
そして、カラスは昼夜を問わず鳴き続けるのだ。
夜、寝ようとしても、まるで耳元にいるかのような大きな声で奴らは鳴きわめいた。
眠れぬ日が続いた。
ガマンが出来なくなった俺はある日、自治体に苦情を出した。
しかし、役員は首をかしげて言った。
「ここ最近はカラスの被害は減少しているんですけどね。勘違いじゃないですか?」
途端、窓の外でカラスが一斉に鳴き始めた。耳の奥にまで響く不協和音。
そのとき、俺は気付いた。「あれ」は俺にしか見えていない。「あれ」の発する声は俺にしか聞こえない。
「勘違い、ですよね…すみませんでした」
俺は、引きつった作り笑いをして、その場を後にした。
3/3
夕暮れの下。部屋に帰り、ドアを開けた俺は、ふと、向かい風を感じた。
出るときに戸締まりはしたはずだ。まさか、空き巣か?
部屋に駆け込み、俺は息をのんだ。
窓は無造作に開き、風が吹き込んでいた。
そして。床一面に散らばった無数の黒い羽根が、ぬるい風に吹かれ、ひらひらと舞っていた。
呆然とし、力無く座り込む。
いたずらか?…いや、違う。あいつらだ。
顔を上げ、窓の外に目をやる。
何羽ものカラスが電線にとまり、じっとこちらを見つめていた。
その中の一羽がゆっくりと嘴を動かすのが目に映る。
「 い つ ま で 」
カラスは若い男の声でそう言った。
その一声で、俺は直感した。胃から何かがせり上がってくるのを感じる。そうか、これは。
吐き気を抑え、立ち上がった。部屋を飛び出し、表面の錆びた階段を駆け下りる。
そして、スコップを片手にアパートの裏手へと回った。
「そこ」の土は、まだ少し緩んでいた。
見上げれば、木や電線にとまったカラスたちが囲うようにして俺を見ている。
無我夢中で土を掘った。汗がシャツの下を湿らせる。
突如スコップが柔らかいモノに触れた。土を手でかき分ける。
そこには、腐乱したあいつがいた。
空を見上げれば、夕暮れが微かに陰り始めている。
110番への電話を切ったときには、もう既に、カラスの声は止んでいた。
573 :
ROM:04/05/29 01:19 ID:QxqgdaU0
以津真天って聞いたことあると思って検索。(孔雀王かなんか。)
すげーあたりまくり。すごい。してやられた感がいっぱい。
かんぱーい。
574 :
ROM:04/05/31 12:53 ID:dYAiZrbL
「傀儡」
私は刑事だが今までこんな虫酸が走る奴に出くわしたことはなかった。
side陽
連続殺人の容疑者宮部を張ること三カ月。遂に、奴のシッポを掴んだ。
奴が複数の女性をターゲットにストーカー行為に及んでいたことは分かっていた。
奴も捜査の手が近付いていることを察知していただろう。特別な動きは控えていた。
しかし、その日は違っていた。
お気に入りらしい女性を尾けるのに満足せず、近付き得物を取り出した。
連続犯として決定的証拠を掴めるかはわからなかったが、我々は人命保護を優先し宮部を取り押さえた。
しかし、やつは取り調べの最中におかしなことを口にする。
「俺は宮部なんかじゃない。神宮だ。人違いだ。」
我々が得物から複数の女性のルミノール反応が出たことを言っても。
「知らない。俺じゃない。」
「マミヤだ。マミヤが悪いんだ。」
そこで、マミヤとは誰でどこで何をしているか尋ねた。
「知らない。俺は悪くない。」
我々は得物を見せた。
得物には宮部(神宮)の指紋もあり殺人未遂現行犯逮捕であることから、
余罪を追求するのに充分な時間も証拠もあることを突き付けてやった。
すると。
「俺じゃない奴が俺を操るんだ。」
宮部(神宮)は呟くように言った。
突然、震え出す宮部。震えは次第に痙攣のようになった。
その刹那。奴の目は白目を剥いた。
唯事ではない。ゆっくり戻る瞳を見つめていると突然奴は襲い掛かってきた。
575 :
ROM:04/05/31 12:54 ID:dYAiZrbL
「傀儡」side陰
私は組み敷かれた。
「私が魔宮ですがご用ですか?刑事さん。」
明らかに違う人格。二重人格?
お前が女性を襲ったのか私は問いかけた。
その間に私の仲間は奴の死角から取り押さえる準備をしている。
しかしだ。残念なことに奴の手には犯行に使用した得物が握られていた。
「さあ何のことですか?私には分かりません。」
神宮が魔宮こそが犯人であると口にしたと教えてやった。
「残念ながら私ではありません。」
しかし、現状を考えるにおまえは攻撃的な性格だと言ってやった。
「間違いないですね。そう、私が厄介事に巻き込まれるとよく変わってやるんです。」
この人格は自身が多重人格であることを理解している。
今は厄介事なのか?と敢えて尋ねてみた。
「えぇ勿論。しかしこれは街のごろつきに絡まれるのとは違う。」
どういう意味だ?
「おどおどした奴でね。よく絡まれる。だから代わりにごろつきにお灸を据えてやる。」
被害者の女性は君たちに何をしたって言うんだ。
「わからない人だな。それは私ではない。神宮だ。」
神宮はそう思ってないようだが。
「当然だろう。私にトラブルの肩代わりをさせようとしているのだから。
私も、あなたたちもやつの言葉に踊らされたんですよ。
奴こそが我々を操ってる。そして、私もあなたもよく分かった。」
何を?
「これは神宮の問題だってことがね。」
宮部(魔宮)は手にした得物をひッくリ返し私に柄を握らせた。
そして再び目を剥いた。
576 :
ROM:04/05/31 12:55 ID:dYAiZrbL
「傀儡」side end
再び神宮を詰問する。犯人は魔宮ではなかった。
奴は女性を尾け回したことを認めた。
しかし、犯行については否認した。
だが、それにどれほどの意味がある。
奴は乖離性障害だった。刑務所で服役することはないだろう。
しばらくし、担当の心理鑑定医に会った。
やはり、病院行きですか?
「ですな。仕方のないことです。
障害を持つに至った経緯があるとを考えれば彼自身被害者なんでしょうね。」
その言い方は納得できませんが。それで犯行はどちらが?
「さあ?それが分かったからといって変わりはないでしょ。
どちらにしても宮部ですよ。」
そんな言い方はないでしょう。じゃあ、その宮部の主人格はどこへ?
「主人格?神宮と魔宮が半々ですかね。
どちらが嘘を言ってるかなんて分かりませんよ。」
宮部の元の人格のことを言ってるんですが!
「おや、もう時間だ。失礼。」
そう言うと医師は去って行った。
私は刑事だが今までこんな虫酸が走る奴に出くわしたことはなかった。
しかし、とても嫌な感じだ。
消えた宮部は何処へ?犯行は誰が?
踊らされているのは神宮と魔宮を含めた我々なのか?
いや、神宮も魔宮も存在せず我々が騙されたのか?
視界がぐるぐると廻り目眩を覚えた。
577 :
ROM:04/05/31 13:02 ID:dYAiZrbL
長くてすみません。読みにくければスルーしちゃって下さい。
先に言えって話ですよね。すまそ。
言い訳ですが、神宮は被害者妄想傾向の強い加害者、
魔宮は直線的かつ保護者的加害者で仕上げるはずだったんですが。
話が変わっちゃいました。そのせいで破綻してるかも。。。
ヾ(・ω・)/
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
最近自分がもこなんだと
ふと気づく時がある
最近ちょっとペース落ちちゃったなage。
581 :
ROM:04/06/07 13:01 ID:KCrxJN02
真一さん そんなこと言わずがんばって下さい。
「死者の名」
大学に入ったばかりのころ、私のコースの同期に
Uという変な男がいた。
風体が変なわけではなかったが、急に怒り出したり
意味もなく走り出したり、とにかくエキセントリックな
人物という評価で、みんなから避けられていたようだった。
その彼が、あるとき講義の前に私の席にやってきて
こう言ったのである。
「あのさあ、小田切くんさあ。俺、占い得意でさあ。
このあいだ誕生日だったって聞いてさあ。いや、キミ
のね。それで勝手にキミのこと占ってみたんだけど・・
キミ死んでるよね」
驚いた。
背筋がゾクっとした。
この男の気持ちの悪さに、ではない。
鍵の掛かっているはずの扉が開いたような、緊張感。
私は混乱した。
(続く)
「いや、まあそれはいいんだけどね。それはそれとして
こんどは別口なんだけど、俺霊感が強いんだよね。
初めて会ったときから気になってたんだけど、キミの
周りにキミがいるんだよね。
こんなの初めてで、ちょっと俺も怖いんだけど。
生きてるけど死んでるキミの周りに、死んでるキミが
漂ってるって、これなんなのかなあ」
興味深そうな口調の割には、Uの顔は真顔だった。
そのとき講師が入って来て、Uはすんなり席に戻っていった。
講師が出欠を取り始めて私の名を呼んだとき、Uはこっち
をじっと見ていた。
私はなにか異常なプレッシャーを感じながら
「はい」
といった。
(続く)
「ドッペルゲンガーって見たことある?」
その講義のあと、Uは私にまとわりついてきた。
「二重存在とかいう意味なんだけど、自分そっくりの
人物にぱったり出会ったりすること、ない?」
私はこの男を遠ざけたいような、近づけたいような
もわもわした気持ちで生返事を繰り返していた。
「え? ない? そう」
「じゃあ、幽霊みたことは? ない? あ、そう」
「シャンプーしてるとき、背後に何者かの気配、あ、
これはある? あ、そう」
「ねえ、俺このあともう授業ないんだけど、俺んち
遊びにこない? え? くる? おお」
終始Uのペースだった。
なんとなく、それでもよかった。
私の領域にずかずか入り込んでくるこの奇妙な男を、
少なくとも撥ね付けることはできなかった。
(続く)
Uの下宿はボロだった。
「まあ入って、入って、座布団もないけど。どっか
その辺に。ゴメンな散らかってて。晩メシにはまだ
早いけど、なんか食う? あ、そう。じゃあ、悪い
けど俺腹減ってるからこのパン食わしてもらうとして、
お前一体誰なんだ」
Uの目に射竦められて、私は硬直した。
「小田切真一は死んでる。間違いない。俺の占いはタロ
ットまがいのお遊びじゃない。じゃあお前は誰なんだ」
私が答えないでいると、Uはぶどうパンを齧りながら続けた。
「さっきの講義で、名前を呼ばれたとき、浮んでる方の
お前も反応した。お前の返事より早く。ドッペルゲン
ガーっての俺もよく分かんないんだけど、そんな感じで
もない気がする。どっちかってーと、もっと古風なやつ。
とり憑いて、入れ替わったって感じ」
入れ替わり・・・
私はその言葉に頭を殴られたような気がした。
(続く)
「いまどきそんなお化けもないだろ、って感じだけどな」
Uはそう言いながら懐からトランプを出して、何枚かの札
になにか文字をボールペンで書いた。
そして全部放り投げると、そのカードたちはひらひらと
舞った後、すべて裏向けに落ちた。
「な?」
Uがカードを表向けると、すべてに「小田切真一」と
書いてあった。
そしてUは真剣な顔でこういった。
「生きてる人間が、死んでる人間の名前を持ってちゃ
いけない」
私は気がつくと、Uにすべてを話していた。
(続く)
私に双子の兄がいたこと。
一卵性双生児で、親でも区別できないくらいそっくり
だったこと。
時々、親をだまそうと服を入れ替えて遊んでいたこと。
そして小学校に上がる前の夏、内緒で入れ替わって
遊んでいたとき、ジャングルジムから兄が落ち、頭を強
く打ったこと。
脳挫傷でほとんど即死状態だったこと。
駆けつけた母が、兄を見て私の名前を叫んだこと。
目の前でめぐるましく起こる出来事に、怖くて怖くて
なにも言えなかったこと。
二人とも坊主頭だったこと。
二人とも虫歯がなかったこと。
セミがうるさかったこと。
うだるような夏日だったこと。
死んだのが「真一」だと知ったら、母はもっと悲しむかも
知れない、そう思ったこと。
そして私は「真一」になった。
(続く)
膿を吐くように、私は言葉をしぼりだした。
私のもっとも深い所に仕舞ってあった秘密を告白したのだ。
Uは静かに聞いていた。
「真一は、恨んでるかな」
最後に私はつぶやいた。
Uは何も言わなかった。
ただ目をどこともなく漂わせていた。
私はこの不思議な男と、もし親友になれたら、誰も知らな
い私の本当の名前を教えてもいいかもしれない、そう思い
はじめていた。
(おわり)
589 :
ROM:04/06/09 16:52 ID:x47IH6zw
おお、なんか違う真一さんが頑張ってる。
いやさ、真一もどき(仮名)さんが頑張ってる話ですね。
次回作にも期待してます。ゴーストハンターさん。
「沈黙」1/2
「僕からゲームのルールを提示します」
狭い部屋に若い男の声が響く。
取調室の中。初老の刑事は一人の男と対峙していた。
「ゲームだと?」
刑事は苛立ちながら聞き返す。
目の前に重要参考人として座っているその男こそ、
これまで6人もの被害者を出している連続猟奇殺人の容疑者なのだ。
犯人はこの男以外にはありえない。ただ、決定的な証拠がなかった。
「そう、ゲームです」
男は続ける。
「僕は今から、あなたからの質問・意見等の発言に対し、一切の返答を行いません。
しかし、僕に何らかの発言をさせれば、あなたの勝ちです。僕の知りうる全ての情報をあなたにお教えしましょう」
刑事は目を細めて言う。
「あんたに何か言わせない限り、私はなんの情報も得られないということか?」
沈黙。男から答えは返ってこない。
「なるほど。もうゲームとやらは始まっているということだな」
刑事以外に喋る者はいない。
事件に関する質問、他愛もない世間話。刑事は男に話しかけ続けるが、返事が返る気配はない。
刑事は小さく舌打ちをし、椅子の背もたれに寄り掛かった。
そして、静寂が訪れた。
2/2
二分、三分、あるいはそれ以上経っただろうか。
突如、静寂が破られた。
「あなたが、今起きている連続猟奇殺人の犯人ですね?」
記録係を務める若い警官であった。
警官は、はっきりとした口調で男にそう聞いたのである。
刑事は呆れたように溜め息をつき、若い警官に言った。
「あのなあ…彼は質問には答えないと言って」
「ええ、その通りです。僕が犯人ですよ」
刑事の言葉を遮り、男が言う。
「な…!?」
状況を呑み込めずにいる刑事を尻目に男は事件の全容をゆっくりと語り始めた。
そして、刑事はしばらく考え込んだ後、ようやくこのゲームのルールを理解したのである。
事件の呆気ない幕引きに刑事はただ口を開け、沈黙するしかなかった。
>>573 亀レスでスマソ。
そういって頂けると幸いです。
「以津真天」は「煙々羅」や「河童」に続く妖怪シリーズみたいな感じですね。
モチーフが妖怪だから、分からない人には面白くないかも分からないですね。
>>574 一つの宮廷の中に住まう神と悪魔。
誰しもが自らの中に持ちうる性質なのだと思います。
自分がこの刑事だったらやっぱり同じように混乱するでしょうね。
あと、「変わる」ときに白目をむくのが何か好きですw
「傀儡」では乖離性障害が描かれているんですが、俺の場合、文章が拙いので、
病気などを話に取り込もうとすると差別的になってしまう気がして…
それを何とか上手く取り込もうとしちゃうんで、逆効果なんですよね。
日々精進あるのみです。
>>582 流石というか、やはりというか。すごいです。
双子って、結構モチーフになったりしますが、それがすごく上手く使われてて。
双子の持つ同一性って不思議なモノがありますよね。
>>592 3回読んでやっと分かったぞー!
と思ったけど、なんでわざわざ犯人がゲロったのか
わからん・・・・
若い刑事にはなんの条件提示もしてないのに??
双子の入れ替わりの話はどこかのスレで
見たやつをいつか使いたいなあ、と思っていた
ものです。
確か女の子の双子が、こどものころにこっそり
入れ替わってそのまま二人だけの秘密にしていた、
っていう話でした。
実話の伝聞調だったかと・・・・
双子こえええええええ。
犯人は最初、初老の刑事に対し、「あなたの質問には答えない」と言いました。
若い刑事には何も言ってませんが、勝ちになる条件は「犯人に返答させること」
もうわかったよね
いやいや、勝ちになる条件は
「何らかの発言をさせること」
でしょ。
犯人かどうか聞いただけで、なんでゲロる必然性
があるのかわからん・・・
なにか別の縛りがあれば別だけど。
「あなた」以外にはうそをつけないとか・・・
それでも俺なら「犯人か?」って言われても
頷くとかして、粘るよ。
ううむ、結果的にケチをつけてしまったな。
ごめん。
犯人は、刑事が勝ったら犯人の知ってる全ての情報教えるって言ってるし…
犯人が正直じゃなきゃ成り立たないけどあえてそこは無視で。
597 :
ROM:04/06/10 01:24 ID:DPEgj0J8
>590
犯人はひねくれた顕示欲のかたまりだったという感じですか?
連続殺人を行い、謎までかけた人物が自分のルールに従って答える辺りが、
無気味でいいですね。
ところで、ほんとなんて読むんですかHN?
かなり前のレスで好きに呼んで下さいとはありましたが。。。
「私の名前」 1/2
「ええ。すいません。自分の名前がどうしても思い出せないんです」
私の言葉に医師とその傍らにいるおふくろは困惑を隠さなかった。
「小田切さん、事故については覚えているんですよね?」
自分が交通事故に遭ったことはおぼろげながら覚えている。
深夜。公園通りの裏路地の交差点。真っ直ぐ自分に向かってくる赤い乗用車と
まぶしく光るライト……。
「はい。なんとなく。だけど自分の名前……」
「真一。あなたの名前は小田切真一よ。分かるでしょ真一?」
おふくろがじっと私の目を見つめながら言った。
母の顔も名前も分かる。父や妹や友人たちのことも覚えている。
しかし自分の名前だけが思い出せない。
(「真一」? 私は本当にそんな名前だっただろうか……?)
私は真一という名前になぜか違和感を感じていた。
それでも私は自分に言い聞かせた。私は真一という名前なのだ。
見舞いに来た家族や友人たちが私のことを「真一」と呼んでいるのだ。
カルテにも私の名前は「小田切真一」と記されているのだ。
何も考える必要はない。私は真一という名前なのだ。
「私の名前」 2/2
しかし、ある日見舞いに来た彼は私のことを「真一」と呼んではくれなかった。
彼はUと名乗った。私の親友だと言った。
U? そういえばそんな名前の友人がいた気もする。
しかしなぜか私は彼のことをよく思い出せない。
「小田切くん、キミは真一って名前じゃないよ」
何を言ってるんだ? 私は真一なんだろう? 今さらそんなこと言わないでくれ。
「キミが教えてくれたんだよ。俺はキミの本当の名前を知ってるよ」
本当の名前? 何のことだ? いや、やっぱりそうか。
そうさ真一なんて名前ずっとおかしいと思ってたんだ。
「いい機会だよ。やっぱり死者の名を名乗るのはよくないんだ」
死者の名? 何のことだ?……いやそんなことはどうでもいい。
私の本当の名前を教えて欲しい。私は真一なんかじゃないんだ。
「ああ。教えてあげるさ。キミの名前は、……だよ」
Uが耳元でつぶやいたその名前を聞いた瞬間、身体中が光に包み込まれる
ようなすがすがしい気持ちになった。
「それだよ。うん、間違いない。U、教えてくれてありがとう」
私はそれが自分の名前だと確信し、興奮した。
しかし同時に不思議に思った。なぜだろう。
20数年間使ってきたはずの自分の名前が
ひどく懐かしく感じられるのは……。
ゴーストハンターさんゴメンナサイ。
でも真一の名前使ってくれてなんか嬉しかった。
>>582-588は不思議な感じがして良かったです。
「私の名前」オマケ
「また来るよ」
Uはそっと扉を閉め、病室を後にした。
「うまくいきすぎたくらいだ。でも何もかも彼のためだからな」
駐車場に停めておいた車に乗り込み、エンジンを吹かす。
アクセルを踏み車を急発進させると、Uは満足げに笑った。
「車もすっかりよくなったしな」
その赤い車体があっという間に街にとけ込んでいった。
>>593 分かりにくくてスマソ。
ほぼ、
>>596氏と
>>597氏が言っているとおりです。
犯人は完全なる愉快犯です。
人を殺したのもゲームを持ち掛けたのも、ただ楽しいから。
そして、その楽しみのためであれば、自分が殺人犯として捕まっても構わないし、
死んだって構わない。そのとき、楽しかったから良い。
そんな人間です。
男の目的は「ゲームに勝つこと」ではなく「ゲームを楽しむこと」。
「自分が犯人だ」という正直な回答は、ルールの穴を見抜いた警官へのゲームの賞品なんです。
犯人像をもうちょっと明確にすればよかったですね。すみませんでした。
>>597 読み方ですか…
好きな様に呼んでいただいて構わないのだけれども、
自分では「ウゴメキ」だと思います。
こういうのは最初から明瞭にしておいた方がよかったですね。
すみませんでした。
>>598 ウホッ、いい連作。
すごくきれいに繋がってます。
てゆーか、Uってばすごいコトしましたね。
602 :
ROM:04/06/10 17:00 ID:DPEgj0J8
お!真一さんだ。
嬉しくて後日談を作った割に真一さんテイストが弱い。
と思っていたらおまけでやっぱりズドンときましたね。
蠢さんですね。
いやそうだとは思ったんですが、
自分ところで変換してもそれらしく見えないから。
フォントとサイズの罠でした。
犯人像はあの位の描写でいいじゃないですか。
無気味さがあって、まだ彼には「先」があるって感じがします。
>>602 >犯人像はあの位の描写でいいじゃないですか。
>無気味さがあって、まだ彼には「先」があるって感じがします。
そうですか!ありがとうございます。
文章って難しいです(いい意味で)。
読む人によって印象から何から変わるし、「これだ」っていう形がないんですよね。
作者の手から離れると、途端、様々に姿を変えてしまう。
けど、それが文章の良いところだと思うし、だからこそ、自分は文章を書いているのだと思います。
ま、楽しく書けて、楽しく読んでもらえればそれが最上なんですけどね。
なんだか、長々と失礼しました。
604 :
ROM:04/06/11 02:02 ID:O40JMdTs
同感です。
長〜く書いて引き込む方法もあるかと思うんですが、
ショートは先に繋がる余白を
読み手に感じさせるものなんじゃないでしょうか?
難しいけど面白いですよね。
そのへんが僕の課題です。
「秘密の部屋」
カドス7世がベンシャリアの王都に入城した時、すで
にして逆らうものは中原に存在しなかった。
ベンシャリアの王族はすべて捕らえられ、ある者は投獄、
ある者は斬首に処せられた。
王者の中の王者となったカドス7世が玉座の間に至るや
いなや、ベンシャリア最後の宰相を引き立ててこう問うた。
「この城には秘密の部屋があると聞く。それは何処にある
のか。先王がひた隠しにした秘密とはなにか。
財宝の在り処であるか」
宰相は頭を垂れて案内することを奏上した。
城の基部は入り組んだ迷宮のような構造になっており、
難攻不落を歌われた古の繁栄を忍ばせた。
最深部に至ると、カドスの前に重々しい扉が現れた。
「この先は陛下と妃殿下しか立ち入ることを許されませ
んでした」
宰相はそう言って、懐から鍵束を取り出して開錠した。
(続く)
扉の向こうには、地下へ伸びる螺旋階段が続いていた。
「なんと、まだ地下があるのか」
カドスはそう言うと、護衛兵を下がらせた。
「この先は王しか入れぬ」
そして一人で、ランプを手に地下への道を下りていった。
一体どれほど昔からあるのか、壁面は松明やランプの
煤で汚れていた。
壁に触らぬよう慎重に歩を進めたが、下りても下りても
一向に螺旋階段は尽きなかった。
時間感覚が麻痺し始めたころ、ようやく階段の果てに扉
が出現した。
錆付いて、まるで牢獄のような扉であった。
カドスは宰相に渡されていた鍵でそれを開け放った。
中は暗く、ランプの明かりを差し入れながら入り込むと
かすかに人の気配がした。
カドスが誰何の声を上げると、かすれた声が返った。
「私はシアナ。あなたは」
「余はメルキアの王にして諸王の王、カドス7世」
ランプに照らされた顔は、痩せてはいるが幼さの残る女性
だった。
どことなく、見覚えのある顔。
(続く)
かつて肖像画で見知った、王女に似ていた。
「先王マギスカラエナの息女か。病死したと伝え聞いて
いるが」
「先王?」
カドスは自らの手で殺害したことを語った。
女は立ち上がり、そして鎖の擦れる音がした。
手足に錠が食い込んでいる。
これはまるで・・・・
カドスは思い至った。
シアナの母である先王マギスの正妃は若くして病死し、
かわってその座についたのが有力貴族の娘である先妃だ
った。
なるほど、あの苛烈な女の仕打ちか、これは。
その暴妃もこの手で斬首し、その血は未だ乾いていない。
ふと見ると、シアナと名乗った女は手探りでこちらに
向かっている。
(続く)
カドスは暴君ではあったが、情や憐憫は多少なりとも
持ち合わせていた。
また虐げられた王位継承者である姫を妃の一人として
娶ることは、この国の新たなる支配者として相応しいと
いう計算も働いていた。
「光を失った囚われの年月、その辛さ察するに余りある。
しかし余はそなたを解放することができる」
女は立ち止まり、首を振った。
「なぜだ。この何もない部屋で、何の幸せがある」
「光を失った私にも、窓から漂うかすかな花の香りや
小鳥のさえずりを楽しむことはできました」
窓?
石造りの冷たい床を進んで、向かいの壁に歩み寄ると
確かにそこには殺風景な窓組みがあった。
そしてその向こうには・・・
(続く)
「新しい母は残酷でしたが、その窓際に座ることを
許してくださった。何もかも失った私には、この世で
でたった一つの幸せでした」
片耳でかすれた声を聞きながら、カドスは立ち尽くして
いた。
「今日は風もなく、きっと綺麗な月が出ていますわ」
女は手探りでカドスの隣までやって来ると、ささやく様な
声で言った。
「月か・・・月だけでなく、星も溢れるほど出ておる」
カドスは髭を撫でながら言った。
女は微笑んだ。
「今、美しい鳥が飛んでいった。あれは何の鳥であろう」
「ああ、きっとヒメツグミでしょう。時どき遊びに来て
くれる、私のお友達・・・」
ジャラリと鎖が鳴った。
カドスは何かを言いかけて、やめた。
かわりに自らの上着を女の肩にかけて、窓の向こうを静か
に見つめていた。
(おわり)
「のっぺらぼう」
「今さ、外の自販機へコーヒー買いに行ったんだけどさ、
ものすげえ怖い目にあったよ」
「へえ」
「いきなり後ろから男の人に『すいません』て声かけられてさ、
なんだろって思って振り返ったら、その男、のっぺらぼうなんだよ。
顔に何にもついてねえの。もう怖いのなんのって」
「………………」
「おい、聞いてんのか」
「のっぺらぼう? それってもしかして、こ〜んな顔じゃ?」
「いや電話じゃ分からん」
「そうだよな……」
あはは、現代風のっぺらぼう(・∀・)イイ!!
オチ笑わせて貰いました
「勝負服」1/2
恭子は自分が眠る墓地が好きだった。
自分が死んで墓地へ来てから、墓地は神聖で侵しがたい場所で
あるべきだという思いが強くなった。
それだから恭子は安易な気持ちで肝試しにやってくる若者たちが
腹立たしくて仕方がなかった。
「恭子、今日も出るつもりなの〜」
仲良しの理恵だ。恭子とは同世代で、お互い若くして死んだという
共通点もあって、二人は墓地で出会ってすぐに仲良くなった。
「うん。またさっきから馬鹿な大学生たちが肝試しとか行って
はしゃいでるから、追い払ってくるわ」
「恭子、ほんとにここが好きなのね」
「自分が死ぬ前はこんなこと考えもしなかったけど、やっぱり
お墓はみんなが静かに眠れる場所じゃないといけないよ」
「やっぱり和服で行くの?」
「うん。やっぱり着物がいちばん効果的みたい」
「まあね〜。オジさんたちが着ろ着ろってうるさいのも分かるよ」
「うん。男は軍服とかもありだけど、女はやっぱり和服が一番だよ。
じゃあ理恵、行って来るね」
「うん、気をつけてね」
「勝負服」2/2
支度を終えた恭子はおもむろに夜の墓地に現れる。
「お、おい。あそこ見ろよ!」
「マジで出たー!」
「に、逃げろっ」
恭子の姿を見て、若者たちは恐怖に怯え、一目散に逃げていく。
「うん、やっぱり着物に限るわ」
再び静寂を取り戻した墓地を見渡し、恭子は満足げに微笑んだ。
誰もいなくなったのを確認すると、恭子は着物からTシャツとジーンズに
着替え、夜の闇に……
「おっと。一番うっとおしいの忘れてた」
黒髪長髪のカツラをとっていつもの茶髪に戻った恭子は
前髪を手ぐしで整えながら夜の闇に姿を消した。
「ある病室の光景」
「痛いよぅ……お母さん……」
全身がきしむような痛みにもだえながら
娘がうわごとのようにつぶやいた。
「貴子。頑張るのよ」
病魔に負けまいと頑張る娘の手を握り、せめてもの励ましの声をかける。
私にできることといったらそのくらいしかないのだ。
病魔に冒され弱った娘の手は心もとないほどか細い。
「お、お父さんは……?」
娘のうつろな瞳が父親の姿を求めた。
「お父さんは今、別の病院で戦ってるの。あなたも頑張るのよ」
「そっか……お父さんも戦ってるんだ。お母さん、私も……頑張る」
突然病室のドアが開き、夫が駆け込んできた。
「貴子。大丈夫か? 父さんだよ」
「お、お父さん……」
「頑張るんだよ、貴子」
「お、お父さんは……もう大丈夫なの……?」
「ああ、もう終わったよ。まったく胃カメラってやつは何回やっても
慣れないよ。父さん苦手だなぁ」
「胃カメラかよ!」
点滴を取り替えていた看護婦が思わずつっこんだ。
615 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/24 01:10 ID:r9kBcNSL
何のスレか知らんけど、鼻とあったのでここで聞いてみよう。
俺鼻炎気味でさ、まあ、昔っからだしある程度慣れてるけど
風邪引いたときはもうハンパ無く鼻水出てくんのよ。推定1.5g
で思ったんだけど、鼻水は鼻の穴を塞ぐじゃん。
鼻水だってちゃんと意味あるんだよな?ってことは
鼻をかんではいけないのか?
かさぶたのように触らず、鼻が詰まってもほっとくべきなのか?
で、たんがからんで息が出来なくなってウイルスと供に死ねってことか?
いや、そこまでは言わんけど、鼻をかまない方がもしかして正しいのか?
>>615 鼻水が塞ぐのではなく、鼻孔が炎症に因って腫れて「詰まる」んだよ。
どうしたピノコ。ああ、この手紙か?
私がむかし診たことのある患者が死んだという
知らせだ。
そう。私には治せなかった。
そういうこともあるのさ。
・・・彼はホテル業で財をなした大金持ちだった。
しかし彼はいつも死者の影に怯えていた。
夜の闇が恐ろしいというんだ。
平たくいうとお化けが怖いんだな。
でもおまえと違っておねしょしたりはしない。
イテ。わかったわかった。
とにかく彼は自分の力で夜を消してしまったんだ。
どうしたかって? フフフ。
自家用飛行機で世界の昼側を飛び続けたんだ。
24時間で地球を一周。
食事や睡眠もほとんど空でとっていた。
そして世界の各地で要人と面会しては慌しく移動
する、という繰り返し。
夜から逃げ続ける人生だった。
(続く)
そんな彼があるとき私を呼んでこういったんだ。
先生、わしの瞼を切り取ってくれ、とね。
夜から逃げることはできても、目を閉じれば闇は
そこにある。
だから閉じない目がほしいのだと。
人間の瞼は眼球を乾かさないために必要なんだ。
私は無理だといったよ。
彼は私を罵ったが、仕方がなかった。
方法はないことはなかった。
しかしそれに成功しても、次は眠りという闇に
怯えはじめるだけだ。
私には彼は治せない。
そう悟った。
結局彼はその後、白夜の国に隠居して暮らしていた
ようだ。
最後はノルウェーで息を引きとったらしい。
彼は語らなかったが、その地位を手に入れるために
人死にがでるようなあくどいことをしたのだろう。
彼が逃げようとしていたのはその罪の意識からなのだ。
私は腫瘍は取り除けても、心の闇を取り払うことは
できない。
メスが通じない敵には私も形無しだ。
・・・なんだ、寝ちまったのか。
オヤスミ。
(おわり)
619 :
ROM:04/06/24 17:23 ID:Djrf3TtH
「魔術師」
カウンターの隣に座った中年男が酒臭い息を吐きながら語ってきた。
「あの頃はよかったよ。
手品をちょちょいと見せれば超能力だ。魔法だと。」
話を聞けば手品師らしい。
ユリゲラ−になんとか青年。
ああそんなブームもあったなーと懐かしく思い出してみた。
「俺の腕もちょいとしたもんでさ、生活には困らなかったもんさ。
でも、あの戦争のせいで全部台なしさ。」
戦争?
「何戦争のことですか?」
「太平洋戦争に決まってんだろうが。」
「迷信」
「知っているかい?」
ソファーに座った兄の友人はおもむろに、そう問いかけた。
「え?」
冷たいコーヒーの入ったグラスをテーブルに置きながら僕は聞き返す。
彼が僕のアパートを訪ねてきたのは、ほんの何分か前のことだ。
何やら、兄ではなく僕に話があるということだった。
彼は続ける。
「二つで一つのモノを捨てるときには、両方一緒に捨てる必要があるんだってさ。
例えば、靴やコンタクトレンズ。片方だけではいけないらしい。
どちらか一方だけが残ってしまうと、それは捨てた人間に対して良くないモノになるのだそうだ。
小さい頃に母方の祖母から聞いた話だ。さっき、ふと思い出してね。」
彼はコーヒーを一口飲んでテーブルに戻した。
「それはどういう…」
疑問を投げかけようとする僕の声を遮り、彼は答えた。
「双子も同じだ。」
そう言う彼の手には、まだ赤の乾いていない、小さなナイフが握られていた。
621 :
ROM:04/06/26 03:33 ID:NqFVaNeC
なるほど、納得。
確かに生かしておけないですな。GJ!
「囁」
4年くらい前かな。
深夜、電車に乗ってたのよ。なんでだかは忘れたよ。ま、あの頃は若かったから。
で、深夜で人も疎らだから空いた座席に適当に座ってたのね。
前には酔っぱらって眠りかけてるオッサンがほとんど座席からずり落ちたような感じで座ってた。
で、まあ、駅に止まった。どこだっけ、えーと、何とか寺。地名とかダメだわ、ゴメン。
うん。
そしたら、赤いワンピース着て、真っ赤なルージュ塗った、髪の毛の長い女が乗ってきたのよ、一人で。
まあ、妙なんだけれども。俺もなんだか眠くて、別段変にも思わなかったのね。
それでその女、オッサンの隣に座ったのよ。
しばらくして、前見たら、女がオッサンの耳元に口近づけてなんか言ってるの、なんか笑いながら。
笑ってたんだろうね。微笑んでる、っていうの?
それで、まあ、何言ってるかは全然聞こえなかったんだけど。
けど、オッサン、何のリアクションもないの。相槌打つ様子もないし。
さっきと同じように、半分座席からずり落ちながらウトウトしてる。
そうこうしてるうちに、次の駅に着いたのね。
そしたら、女はゆっくり立ち上がって電車から降りた。一駅分乗っただけで。
で、他に誰も降りなくて、電車はまた走り出したわけよ。
まあ、走り出して、すぐよ。オッサンが急に震えだして、床に倒れた。
で、倒れたっきり。動かない。
すぐに警察だかなんだか来てさ。俺もいろいろ聞かれたのよ。
俺以外にまあ、2、3人?その車両に乗ってたんだけど、みんなあの女を見てるのね。
けど、誰も顔は覚えてない。
赤いワンピースに真っ赤なルージュ、長い髪。
それしか覚えてないのね。
ま、今もその電車使ってるんだけども、あの女は一度も見ないね。ま、当然っていえば当然だけどね。
ネタはないけどageとく。
624 :
もこ:04/07/03 04:14 ID:3xVm1MfM
お話書いていいですか?
625 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/03 07:03 ID:RUpUtCUf
書いて
626 :
もこ:04/07/03 08:13 ID:3xVm1MfM
「猿と仙人」 作:もこ
とある山奥に人間に憧れる猿がいました。猿はいつも麓の村まで出かけては、藪の中から
村人の様子を眺めていました。猿は思いました。「あぁ、僕も人間になって人間と一緒に遊びたい。」
そんな猿は意を決して西の山に向かいました。なぜなら西の山の頂上には人々から叡智と敬われる仙人が
住んでいるらしく、その仙人に人間になれる方法を教えてもらおうと思ったからです。
猿が西の山の頂上に着くと、そこには荘厳たる表情で岩の上に座りこむ仙人の姿がありました。
猿は言いました。「仙人様、私は長い間人間に憧れてきました。ですから仙人様、どうか
人間になれる方法を教えてください。」
それを聞いた仙人は表情を曇らせ唸りました。
「う〜ん、ちょっとわかんないな〜、でもさ、なんというか、その体毛が人間にとってさ
なんというか、嫌悪感みたいのを抱くんじゃないのかな?良くわかんないけどさ。
とりあえず、剃ってみたらいいんじゃないかな。」
そう言って仙人は住まいの奥からバリカンを持って来ると猿の体毛をすべて刈ってあげました。
すると猿はなんともいえませんが、赤く、見たこともないような不気味な生物に変身しました。
「うん!どこから見ても人間だよ!」
それを聞いた猿は涙を流しながら「本当にありがとうございました。」となんどもお礼を言って
山を降りていきました。
しばらくして、猿は傷だらけの姿で戻ってきました。そして嗚咽を漏らしながら
「いいかげんにしとけよ、このヤロー」と喚き仙人に
たぶん栗だと思うんですけどなんかそういう系の実を投げつけて再び山を降りていきました。
完
すてき
628 :
もこ:04/07/03 20:05 ID:3xVm1MfM
どうでした?ねぇねぇ
すてきんぐ
630 :
もこ:04/07/03 20:54 ID:3xVm1MfM
もっと書いていいですか?
ダメならいいですけど・・・
631 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/03 21:06 ID:jZUrPZui
ねこぢるに出てきそうな話だな
632 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/03 21:33 ID:VEjRIDCi
つーか、もこが書いていいかどうか訪ねてる時点でビックリだよ
喪子萌え
謙虚なもこ可愛い
にゃ〜〜〜〜
にゃああああ〜〜〜〜
にゃあああにゃああああにゃあ
にゃにゃあにゃあにゃにゃあにゃあ
にゃにゃにゃ!! にゃにゃにゃにゃ!
ほにゃあ!
にゃにゃにゃ・・・
にゃあ
にゃあにゃあにゃあ
にゃあにゃあ
にゃ〜〜〜〜〜
★★「西村博之」 創価学会家庭の犯罪★
1 :告発 :02/10/04 06:29 ID:Npd20ycx
皆さん。
「西村博之」という人間がいるのを知っていますか。
両親は創価学会です。母親は在日朝鮮人です。
その事から、部落差別等の件があり、一家は「反権力」に染まっています。
西村博之のバックには、
1、創価学会
2、ガル・エージェンシー(企業恐喝専門の全国にチクリ屋ネットワークを敷く探偵社)
3、層化のスパイ警察官
がついています。
以前、ヤクザが彼の家に押しかけた事がありましたね。
あのとき、やってきた刑事は「創価のスパイ警官」です。
2ちゃんねるは、利用者全てのログを探偵社に売却し、
プロバイダからもれたIP(ダイヤルアップも同様)と照合し、個人情報を収集しています。
2ちゃんねるのメールマガジン(10万人の購読者)のアドレスも同様です。
この場合単純計算で、一つの件平均2000人、一つの市町村30人程度になる訳ですが、
ガル・エージェンシーという探偵社は「全国に」数十箇所支店がありますので、
次の犯罪ターゲット探しに使っています。
慶応大学の「パラ森」事件、京都大学の「みのる」事件、そして「松原」虐待犯さらし。
有罪が確定してもいない人間をさらしている時点で完全に「悪意」がある訳ですが、
彼等は「何故」 素人2チャンネラーを装っているにも関わらず「人をさらしたり」出来るのでしょうか?
ほしゅほしゅ!
638 :
もこ:04/07/13 01:00 ID:DfviRyb2
もこだよ。
お話書きたいと思っています。みなさんがいいとおっしゃるなら是非とも、ここに
もこの足跡を残していきたいと思います。
もこたん。書いて書いて!!
はじめまして。ここはすばらしいスレですね。
>>真一氏
はずかしながらほんの数日前まで、駄洒落や雑談をする真一の顔しか知らなかった俺です。
ここの諸作品を読み、感銘を受けました。
俺のは、出来がいまひとつかもしれないけど・・。
『味のない肉』
その人は、肉が好物だった。
いろんな肉を求めた。明らかにいき過ぎた行為だった。
しまいには妄想にとり憑かれた。
「まったく味のない肉というのも、いちどは食べてみたい」
ある日とうとう、それを食べた。
自身の舌だった。
もこ〜〜どこいった〜〜???
>新参者
さすが! 短いなりにギュッとしまった良い仕事だ。
自分の舌自分で食べたら味はしないな確かに(ガクブル)
「脚本家」
ある男が、家族に見守られながら、老衰で穏やかに人生を終えた。
男の魂は水と油のように肉体を離れ、上へ上へと引かれていった。
海の底のような深い闇を越えると、
限りなく黄色に近い黄緑と、淡く、透き通るような水色で分けられた、
気持ちのいい空間に辿り着いた。
男がそこで休んでいると、背後で何かの気配がした。
振り向くと、そこには大木のような白髪の老人が立っていて、男に優しく話しかけてきた。
『次の人生はどのように生きたい?』
老人の吐息で、男の髪が揺れた。
『貴方は神様ですね…?私は多くは望みません。
どうか先程までのような普通の人生を歩ませてください。』
男の答えを聞くと、老人は眉をしかめて不機嫌そうに言った。
『俺が必死こいて考えたシナリオが普通だと!?お前なんかこうだ!!』
男はミジンコになった。
それは手紙に使う定型文のような、とてもとてもあっさりとした人生だった。
たいした話でもないのに間違えてあげちった…orz
>>643 644
いや、おもしろかったよ。
「おまえなんかこうだ!!」って子供みたいな神様オモロイw。
647 :
レトヌー:04/07/15 20:24 ID:XJy33Gik
わたしの一番古い記憶は、鉄と油の匂いのする町工場
の二階にある自宅で、一人遊んでいるときのものです。
記憶には父も母もいません。
ただわたしは与えられた部屋で、ぬいぐるみたちと積み
木をしながら、足元から断続的に響いてくる機械の音を
聞いているのです。
ぬいぐるみは熊と、耳が片方とれてしまった兎でした。
熊は言います。
「三角の積み木がないよ」
兎が言います。
「三角のは土台にならないから、いらないんだ」
わたしは言います。
「三角のはお屋根になるのよ」
ガチャンガチャンという金属音が夕焼けの差し込む部屋に
響いて、わたしたちはやがて無口になります。
「夜に外をみてごらん。ひとつだけ黒い雲があるから」
熊がそう言って四角い積み木を屋根のかわりに乗せました。
「うん」
わたしはその雲を見たのかどうか、もう覚えていません。
引越しの日、部屋の隅から出てきてからわたしの宝物に
なった三角の積み木。
手に取るたび、わたしは今でも窓の外を見て、ひとつだけ
黒い雲を探すのです。
>>640 新参者の新しい(かどうかは定かじゃないけど、俺はあんまり
見たことない)顔キター! 面白かったよ。
これからもちょくちょく書いてちょ。
三題噺スレとかにも。
649 :
643:04/07/15 23:09 ID:9ekLw0mc
>>645 646
サンクス! 嬉ションしそうだ!
「Truth is stranger than fiction」
渡された原稿を読み終え、私は愕然とした。
私は出版社で編集の仕事をしている。
今年、入社してきたばかりだが編集長にも一目置かれていた。
編集長は、私のような働く女性に対する理解が深く、
私の能力を買ってか、早くも作家の担当に付けてくれた。
今日は、初めて担当した新人作家が完成した原稿を持ってきたのだった。
しかし。
彼の持ってきた小説の主人公は、まぎれもなく「昨日の私」だった。
名前こそ違えど、昨日、私が行った一挙一動までが、そこには正確に記されていたのだ。
背筋が寒くなるのを感じた。
偶然…?いや、偶然にしては出来すぎている。
こんなにも詳しく書かれているなんて。どこかで見ていたのだろうか…?
違う。彼は今日まで、私に会ったことなどないはずだ。だから、顔だって知らないだろう。
それに、たとえ見ていたとしても、付けていた香水のブランドまで分かるはずがない。
「どうでしょうか?」
問いかける青年の顔には少しの悪意も宿っていなかった。
やはり、偶然なのか。いや、しかし。
迷った挙げ句、私はこのミステリー作家も殺すことにした。
651 :
もこ:04/07/18 05:08 ID:0cb4UUhQ
「遠すぎたオアシス」 作:もこ
とある砂漠の真中でさ迷う三人の人影。その先頭を歩いていた男が急に立ち止まりこう言った。
「兄弟達よ、俺達はどれほど歩いたかは忘れたが、一向にしてオアシスは見えてこない。
恐らくあの酒場にいた商人の情報は間違っていたのだろう。」
男は軽く汗を拭うと懐から皮でできた水筒を取り出した。
「少ないがここに水がある、が、正直俺はもうがんばれそうにない。これは俺の予測だが、
見ろ、これはラクダのひずめの跡に違いない、ということはこの先をずっと進めばオアシスもそう
遠くないはずだ。だが、さっきも言ったように俺はもう限界だ。だからこの水はお前らが飲め。
そしてお前らだけでも無事にオアシスに辿り着いてくれ。」
長男はそういうと次男達に水筒を差し出した。が、次男はその水筒を受け取らずに返してこう言った。
「何を言ってるんだ兄貴、俺達は兄弟だ、いつだって三人で一緒に苦難を乗り越えてきたじゃないか。
だからこんな所で兄貴を置いていけるはずがないだろ?」
それを聞いていた三男も言った。「その通りだよ、俺達は兄弟で一心同体じゃないか、だから
その水は三人で分け合うべきだよ。」
長男は感動して声も出ない様子だったが、しばらくすると手のひらを叩いてこう言った。
「お前らの意見は良くわかった、が、この水は三人で飲むには少なすぎる、そこでいいことを思いついた。
長男は少し黙った後、おもむろに口を開いた。
「まず、この水は俺が全部飲む。」
次男と三男は息を飲んだ。
「そして俺の小便を次男のお前が飲め、そしてさらに次男のお前の小便を三男のお前が飲めばいい!」
次男と三男は唖然とした。一同に沈黙が走る。が、しばらくして次男が叫んだ。
「素晴らしいアイデアだっ!やっぱ兄貴は天才だよっ!!」
すると三男は長男から水筒をかっさらい、そのまま走って逃げました。 完
「魔除け」
実家にいたころ私の部屋は、ひどい家鳴りがあった。
パシッ、ピシッというラップ音がほとんどだが、もっと
強烈なものもあった。
中学のころ読んだ本にポルターガイスト現象というものが
紹介されていて、「これだ」と思った。
今にして思うと、動物を飼っている家や小さな子供のいる
家に多い、という注釈があったはずだが、当時の私はおど
ろおどろしい挿絵の雰囲気に「幽霊の仕業に違いない」と
思い込んでいた。
はじめのころはお経を唱えてみたり、十字架を自作して
みたり、テレビで流行っていたキョンシーのお札を部屋に
貼り付けてみたりしていた。
私にとっては心外なことに、それらはまったく効果がなく
それどころか、家具が揺れたりおもちゃの配置がかわった
りと、だんだん酷くなり始めていた。
そんな時、私は部屋の押入れに仕舞いっ放しのナイフのこ
とを思い出した。
(続く)
かつて船医として南方の戦地まで従軍していた祖父が、
現地でめずらしい骨董品などを渉猟するのを趣味として
いて、その一つである不思議な細工のされたナイフを
「魔除けだよ」といって昔私にくれたのである。
刃は丸められていたが、柄には奇妙な模様と神様なのか
精霊なのか、ともかく意匠化された顔が彫られていた。
祖父はくれるときに、「これは悪魔を殺すナイフなんだ」
と私にいった。
私はそのことを思い出して、ガラスがカタカタ揺れる夜に
そのナイフを引っ張り出してきた。
今までのお経だの十字架だのは半ば冗談だったが、こんど
は私は興奮していた。
手に構えて、何もない空間を切るまねをした。
たかだか家でおこるポルターガイストなんて、このナイフ
の敵じゃない。
そう思っていた。
(続く)
しかし騒々しさは収まらなかった。
むしろ強くなったようだった。
私は「抵抗しているな」と思い、らちが明かないので
ナイフを手にしたままベッドで眠った。
そんなことが何度あっただろうか。
大学へ上がった私は、そのナイフのことを思い出だして
実家に帰省したついでに下宿先まで持ってきた。
最近友達になったUという男に見せたかったのだ。
彼はオカルティストを自称する変なやつで、私がポルター
ガイスト現象体験の話をすると俄然興味を示したのである。
しかし私が件のナイフを包みから出したとたんに、不愉快
そうな表情をした。
そして一言こういったのである。
「お前。バカか」
(続く)
釈明を求めた私にUは、鼻を鳴らしながら答えた。
「これは確かに悪魔祓いのナイフだよ。悪魔を殺せる
ってのもほんとうだ。実際悪魔を殺してるよ、これ」
なにを言っているのだろう。
「刃の淵に小さく文字が彫ってある。俺はスペイン語
をちっと齧ったけど、たぶんこれはポルトガル語だ。
このナイフ、骨董品として手に入れたんだろ。たぶん
古いものだよ。17世紀か、18世紀くらいか。
当時、東南アジアを支配していたのはオランダ人や
ポルトガル人だ。カトリックの布教の名の下に植民地
化政策を進めていた彼らにとって、悪魔ってなんだ」
Uは真顔で私をにらんだ。
ようやく、私は私の思い違いに気がついた。
「これは強引な推理だよ。お前のお祖父さんがどういう
経緯でこれを手に入れたのか、どういう意図でお前に
これをやったのか、わからないんだから。
ただ俺は見ただけだ。とてつもない怨念を秘めた
<騒々しいもの>がこの中に・・」
(完)
656 :
もこ:04/07/18 16:55 ID:0cb4UUhQ
もこ、誉めてもらえないと悲しいです・・・
もこもこもこ・・・・
じゃあぼくが嘗めてあげる。
ぺろぺろ〜
すごくにがい
659 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/22 00:40 ID:sSp3PaRQ
「山道」
あ、いや別に怖い話ではないんだけどさ、ただ、ちょっと不思議だったもんだから…
ほら、俺さ、長距離やってるじゃん?あれ高速で事故があると大変なのよ。
この間もさ、夜中になんかバスの事故があったみたいで、
予定よりも前のインターで降りなきゃいけなくなっちゃったのよ。
んで、仕方なく降りたんだけどさ、ホントついてなかったよ!
だってスゲェ山道なんだぜ?
しかもそういうときに限って地図忘れてんのな。マジ、自分の馬鹿さ加減に呆れたよ。
どうしようもないから当てずっぽうで走り回ってたんだけど、
気がついたらどんどん山道の奥のほうに入っちゃったみたいでさ、
周りに全然車いなくなっちゃったんだよ。
灯りも全然無いし、ホント真っ暗。民家の気配もねぇ。
んでしばらく走ってたらさ、前になんか白いもんが走ってるのが見えたの。
バイク…?いや、確かにバイクなんだわ…
でもさ、普通じゃないんだよ… ピザのさ、デリバリーのやつなの。三輪のさ。
ピザの会社の名前?いや、そんなの覚えてないけどさ…
でもおかしいだろ?だって2時くらいだったぜ?しかもものスゲェ山奥!
俺、顔見てやろうと思って無理矢理追い越してさ、バックミラーから見たんだけど、
普通のあんちゃんが運転してたなぁ…
まぁ、しばらくしたら山道からも出れてさ、話はそれだけなんだけど。
え?民家?いや、確かに見当たらなかったよ。
「友人から聞いた話」
私が友人から聞いた信じられない話です。
彼が仲間と4人して山へドライブに行った時のこと。
帰りが遅くなり、あたりはもう真っ暗だったそうです。
彼が運転していたそうですが、帰りを急ぐあまりすこしスピードを
出しすぎてしまい、カーブを曲がりきれず対向車線にはみ出て
しまったそうです。そこへ対向車の大型トラックが突っ込んできて
友人らが乗っていた車はトラックと衝突してしまったそうです。
現場が右カーブだったため、車線からはみ出した車の左側の損傷が激しく、
助手席に乗っていた彼の友人の女の子が亡くなってしまったそうです。
彼は私の顔をじっと見つめながら言いました。
「そん時、助手席に座っていたのが君なんだよ」
いいじゃん
662 :
ROM:04/07/23 01:03 ID:Vuf7xspL
「月光華」
ここはどこだろう?
満月に誘われ散歩に出たはいいが迷子になってしまった。
河川敷のようではあるがうちの近くに川なんてあったろうか?
遠くに川の名が見える。「み…いや、さん、かな。えっと」
すると、突然声をかけられる。
「あんたも月夜の散歩かね?」
みすぼらしい老人だ。
どうせ、この周辺で家なき子でもしてるんだろ。
聞こえない振りをして通り過ぎようとした。
「あんた、あそこにきれいな花が咲いてるのが見えるじゃろ。」
ああ、確かにきれいな花だ。白く妖艶な、蘭?だろうか。
「あれが見えるなら、すぐに帰った方がええ。
あれは満月に咲く、あだ花じゃ。
あの花の香りは月と一緒に人の心を狂わせる。
そして、選ばれた者にはあの花が見える。
選ばれるといったって、ろくな未来じゃないからな。」
老人の目の奥底で、仄暗い炎をちらつくのを見た気がした。
話がどうのこうのというよりも、
無気味な老人から一刻も早く離れたくて足早に立ち去った。
663 :
ROM:04/07/23 01:05 ID:Vuf7xspL
しかし、少し先へ行ってから気がついた。
老人に担がれたと。
老人にも花が見えていたではないか?
何が人生を狂わせるだ。
てめーの人生と一緒にするんじゃねー。
「ちっ。」舌打ちが自然と出た。
だが、そんな考えはすぐに間違いであったことに気が付いた。
足下に転がる骨。犬?
いや、人のものだ。
私は骨を見るため屈んだ。
その背中に感じる気配。
首筋に感じる吐息。
たしかにろくでもないものに選ばれたらしい。
振り返りざまに大振りの一撃をくらわしてやった。
軽く飛んでく姿に仄暗い炎の瞳を見た気がした。
ああ、だが悪い気はしない。
今は、私の心のうちにもあの仄暗い炎が灯っているのが感じられた。
遠くに見える川の名も今なら分かる「三途の川」
川に群がる餓鬼か?渡し守か?それとも番人たる鬼か?
そんなことはどうでもいい。
倒れた老人を嬉々として殴りつける私の姿。
そして、赤く染まる月光華。彼岸花にも似た美しい花。
『生存者の帰還』
俺はいよいよシャトルを使うことにした。
この宇宙ステーションはもはや不潔きわまりない状態だ。備蓄食料も尽きた。
水は濾過装置のおかげでどうにかなるが、それだけで生きられるわけもない。
窓から見るわが母なる星は、相変わらず青く美しい。だが、あそこはもう地獄だ。
生ける死者が生者を食らっている世界。リビングデッドどもが徘徊する惑星、地球。
もう大陸のどこにも安住できる地はないのかもしれない。
ここで静かに死ぬか、あるいはやつらと戦って死ぬか……その結論が、地球への帰還だ。
生ける死者たちは容赦なく襲いかかってくるに違いない。
俺とてある意味、やつらの同類といえなくもないのだが。
なぜなら……極限の飢餓状況下、俺は乗組員を食べ尽くしたからだ。
あ....わりと大事な1行忘れてた。いまさらもう遅いな。。うー恥ずかし。
楽屋裏が騒がしい。
スタッフが慌しく走り回っている。
やがてディレクターが出てきてこう言った。
「すみませーん。今回の撮影は安全のために観覧者
ナシで行いまーす。観覧の方はスタッフの誘導で
退席してくださーい」
ざわざわと色めきながらも、観覧客たちはスタジオ
から出て行く。
私も思わず腰を浮かしかけたが、ディレクターに止め
られた。
「エー、撮りは続行しますんで、出演者その他の方は
そのままでお願いします。それからカメリハはナシ
になりました。一発で行くんで台本よく読んどいて
ください」
外に救急車が止まった音がした。
楽屋裏から悲鳴のようなものが聞こえた。
プロデューサーの怒鳴り声もする。
私は台本を開いた。
『口臭世界一対腋臭世界一』
なんてひどいタイトルだ。
目の前をADが青い顔でスタジオを飛び出していった。
私はこのひどい番組の審査員を引き受けたことを猛烈に
後悔しはじめていた。
667 :
もこ:04/07/28 09:52 ID:dep3pG4N
「一口」 作:もこ
駄菓子屋の前のベンチでアイスを食べている少年の前をその友人が通りがかった。
「よお」
「おう」
「今日も暑いな・・・」
「うん」
「一口くれない?」
「いいよ」
「サンキュー」
「ぎゃぁぁああぁああぁぁあああっ!!」
そうです町はもう既にゾンビで溢れかえっていたのです。 完
668 :
もこ:04/07/28 09:53 ID:dep3pG4N
誉めてね。
酋長はオカ板来るなよ
670 :
もこ:04/07/28 09:58 ID:dep3pG4N
672 :
本当にあった怖い名無し:04/08/02 02:25 ID:YcT3/jVc
まじでキモイんだけど
『アナザーワールド』
親父がギリシャの土産に時計を買ってきてくれた。
アナログ式で古く、そしてシンプルなアンティーク腕時計だ。
俺はかなり気に入って次の日からさっそく着ける事にした。
時計を着けはじめて一週間程経ったある日、俺は寝坊し、大学の必修の講義に間に合う為必死に走っていた。
次に遅刻をすると単位を落としかねない、さらに留年も確定してしまう。
時計を見ると講義開始まであと五分。現在地からどれだけ早く走っても15分はかかる。
「やばいっ!頼む、時間よ止まってくれっ!!」俺は無意識の内に時計に叫んでいた。
次の瞬間、『シュー…ウ…ゥン』という微かな音と共に世界は変わった。
道を走る車、前を歩いてた人、耳にする全ての音がスローモーションになったのだ!
「なんだ!どうなってる?!」時計を見ると秒針がほぼ動いてないぐらいの遅さで時を刻んでいる。
「ま、まさか!!この時計の力?!」俺はもう一度叫んだ。
「時よ止まれ!!」…………。するとどうだろう、今までスローモーションで動いてたモノ達がコマ送り、いや!もうほとんど動いていない…!!「す、すごい…!」俺は悦びと快楽に酔った。
『アナザーワールド2』
女の体を触り、ムカつく奴を殴り、ありとあらゆる今まで制限されていた事をした…。その中には人間としてやってはいけない事も含まれている。
ふと、時計を見た。
時が遅くなってからまだ10分も経っていない。そこで俺は本来の目的を思いだし、大学に向かった。
講義開始一分前、ちょうどいい。俺はトイレの個室に向かい誰も居ない事を確認し叫んだ。
「時よ動けっ!!」
……おかしい、周りのざわめいた音はスローモーションのままだ。
もう一度「時よ動けっ!!!!」
……俺は愕然とした。…戻れない。何度叫んでも、どう足掻いても無理だった。
俺は訳が解らなくなり、トイレを飛び出し走り続けた…。時計を見る、時が遅まってからまだ1時間も経ってない。
『アナザーワールド3』
走り続け、疲れて膝を付き、近くの自販機を壊して手に入れた水を飲んで絶望に暮れていた…。
そして、気付くと目の前には黒服を着た男が俺と同じ世界に居た。
普通に歩き、普通に話す、ただその男は無表情、いや無感情だった。そして俺にこう伝えた。
「君は元の世界には戻れない、戻るには君がこちらの世界に来た時と同じ時間にもう一度時計に心の底から願う事だ。だが、その時計に調節機能はない。そして狂わない。最後に、君がこの世界に来た時間、8時45分がその時計に訪れるのは今から172年後だ…」
終わり
今までずーっとログってたんですが、2ch初書き込みですっ!!
真一さんとか、蠢さんの話見てたら自分も書きたくなって書き込みましたっ!!
あんまし上手くなくて、それに無駄に長くてすいませんm(_ _)mあと、age方がわかんないんですがどぉやるんですか??
677 :
マル虫:04/08/02 08:20 ID:Fhy3y1BM
ある高台にある、水天宮の神社の裏手に、不思議な廃墟があった。
廃墟の奥には、落雷によって倒壊したといわれる廃墟があり、ある探索者が、そこでガスマスクを見つけたという噂話も聞いていた。
僕が好奇心からその廃墟に足を運ぶと、短く刈り込まれた断面のするどい笹があたり一面に生い茂っており、スニーカの底が貫通しないか、少し不安な気持ちになった。
あるいは転びでもして、笹のするどい断面が目に刺さりでもすれば危険なので、僕は必要以上にとても慎重に足を運んだ。
廃墟の奥の蔵作りの、倒壊して屋根が無い、全身を蔓で身にまとった廃屋には、何羽かのカラスが群がっており、まるで僕の侵入を警戒しているようでもあった。
僕が巨木の破片で入り口の半分埋められた廃屋内に、無理やり侵入すると、一本の大木が僕を出迎えた。
廃屋の中壁は外壁のように蔓覆われており、部屋の真ん中にはおよそ5メートル近くまで成長した木が一本生えていたのだ。
しかしそれほど興味をそそられるものでもなかったので、なにげなく足元にも目をやってみると、赤い液体の付着したレンガがいくつか落ちていた。
レンガの一つを手に取ってみると、どことなく鉄の匂いがして、それが血であると僕は確信した。
僕は、レンガの血がまだ乾いてもいないという事実に、少し恐怖を覚えた。
ひょっとすると、ついさきほど何らかの事件があった犯行現場に、足を踏み入れたのではないか。
そして犯人は、いまも現場のそばにいるのではないだろうか?
678 :
マル虫:04/08/02 08:22 ID:Fhy3y1BM
だがそんな憶測は直ちに裏切られるはめになった。
なぜなら木の根元に鼻から血を流しているホームレスがうずくまってたからだ。
しばらくして、僕は「いいかげんにしとけよ、このヤロー」と喚きホームレスにレンガを投げつけて廃墟を後にした。
679 :
マル虫:04/08/02 08:25 ID:Fhy3y1BM
NEW BONさん、メル欄にsageってかかなければあがりますよ
あげる意思を明確に示したい場合は、ageってかけばOKです
ageて見ましたっ!マル虫さんありがとうっ!!
681 :
本当にあった怖い名無し:04/08/02 18:55 ID:sPrpN0er
新鼻袋っていつ本になるの?
682 :
マル虫:04/08/03 04:45 ID:BOobKXYR
今日は、クラスメートの田中君の、お葬式だ
田中君はクラスでも嫌われているような子だったが、
それでも女子生徒が数名、泣いていた
不謹慎な話だが、それをみて僕は少し安心した
生前はみな、田中君に対して死ねとかいってたのに、
いざ人が死ぬと、やはり悲しいんです
『よかったね、田中君』、僕は心の中で小さく呟きました
すると田中君と一番仲良しだったキモオタの佐藤君が叫ぶ
「お前ら死ねとかいってたくせに、なに泣いてんだよ!」
佐藤君はただちに葬式会場をつまみ出されました
その後みんなで「あーあ、男の嫉妬は醜い」などと陰口を言いました
すると、数日後、佐藤君が自殺しました
だけどみんな、病気とかを理由に葬式にでませんでした
僕も葬式をサボって友達と土手で、さとうきびを
ひたすらしゃぶりました。
683 :
マル虫:04/08/03 05:22 ID:BOobKXYR
【崖】
僕は恋人のA美と朝焼けの海岸線を法定速度以内で流していた。
「あぁー、また追い抜かれたー」
軽自動車にすら追い抜かれたので、A美は残念そうに呟いた。
「この車、遅すぎるよー」
「この車は法定速度ギリギリだよ、向こうが早すぎるんだ」
僕はA美になんと言われようと、速度は上げなかった。
我が愛しの愛車を、くだらない事故で傷つけたくはないからだ。
だが、こんな事でA美の機嫌を損ねたくもないので、
僕は退屈のまぎれるような話をしてあげようと思った。
「ねえ首チョンパソアラって知ってる?」
「知ってる」
「じゃあ首チョンパコアラは?」
「知ってる、コアラも、コリアも全部しってます」
『ほんとかよ』と僕は思ったが口にはしなかった
「それじゃあさ、この道の先になにがあるかは知ってるの?」
「え、わかんない、地元じゃないし…」
「この先は海だよ」
そういうと僕は崖の手前で車を急停車させた。
遥か彼方の水平線に目をやると、朝焼けがとても美しかった。
僕は感動に震えているA美を見て、
本当につれてきてよかったなぁーと思った。end
684 :
マル虫:04/08/03 05:26 ID:BOobKXYR
もこへ
オチの部分を、ちょっと拝借してごめんね
崖の話だけは、オチも自分で考えたよ
もこは、マル虫とダンゴ虫、どっち派ですか?
685 :
粘着2号:04/08/03 05:41 ID:h+nu1mur
もこは自己中だ!
686 :
マル虫:04/08/03 05:44 ID:BOobKXYR
もこを悪く言うな! ばか!
687 :
本当にあった怖い名無し:04/08/03 06:06 ID:qeCxuLA4
朝、仕事が忙しくてなかなか会えなかった彼女から電話があった。
ひどく錯乱していた。何か悲しい事があった様だ。
何事があったのか。慰めてあげたい。宥めてあげたい。
自転車を走らせて彼女の家に駆け付けた。
鍵は開いていたので、上がり込んだ。
一人暮らしの割りには、広過ぎるマンションを彷徨い歩く。
家のリビングのテーブルには乱雑に投げられた
食べかけのフランスパン。
二年前の新聞。
溶けて液状になってしまったマーガリン。
腕時計。
お気に入りの香水瓶。
セピア色の空気。
僕が買ってあげた洋楽のCD。
切り取られた、ピアスをはめた誰かの舌。
リビング向かいの廊下に出る。
赤い液体が続く。
また二年前の新聞。
そして誰かの死体。ハッとする。
顔を見る。
舌を切り取られた二年前の僕だ。
その時
後頭部に鈍く鋭い激痛が走る。
花瓶が割れた様な音が耳の中に響いた。
二年前の僕は泣いていた。
688 :
マル虫:04/08/03 09:53 ID:BOobKXYR
もう一個投下。
もこ、こないかなー
689 :
マル虫:04/08/03 09:58 ID:BOobKXYR
「妖怪手の目」 作:マル虫 絵:ベッキー
土曜日に、競馬でみごとに万馬券をとったので、日曜日の今日ははススキノで放蕩する。
これぞまさに「マン」馬券ではなかろうか? うっしっし。
さて、どの店に入ろ、朝方なので、ぼったくりもあまりないだろう。
ススキノをぶらぶらと歩いてると、「イメクラ」という看板が目に入る。
うむ、このストレートなネーミングは非常に気に入った、ここにしよう。
雑居ビルの一階にある「イメクラ」というイメクラの扉を開ける。
すると中はやたらと暗かった、それに、なぜか床は点字ブロック。
困惑して、一度外に出て看板を見直す。
すると、よくると看板の文字が剥がれ落ちていた。
店の正式な名前は、「イイ、メクラ」だった。
あぶない、あぶない、あやうくメクラ専用のイメクラに入るところだった… っと、思いながらも、なぜか足は店内に向いていた。
待合室でシステムを聞いた後、女の子とコスチュームを選ぶ。
選んだ女の子は「A美ちゃん」、コスチュームは吸血鬼ゴケミドロ。
薄暗い点字ブロックの廊下を歩き、個室へ。
A美ちゃんのテクは、抜群だったが、唯一つ気になる事が…
「ここの店の人間は、なんでみんな目をつぶってるんだい?」
「あら、誰もつぶってないわよ、ほら」
A美ちゃんはそういって僕に手の平を差し出した。
よくみてみると、手の平には目が。
「ひゃぁぁぁぁ、妖怪手の目だぁー」
驚いた衝撃で、ついそのままイってしまった。 おわり
NEW BONさんグッジョブ。
不思議アイテムとか便利アイテムとかのマイナス効果オチってけっこう好きです。
ちなみに書かずに読んでるだけは、ログるじゃなくてROM(ロム)るですよ。
ホントだっ!間違えたっ!!ロムってました(T_T)
スレタイが気に入りました
693 :
もこ:04/08/04 02:55 ID:tIDScOd3
「石田君の葬式」 作:もこ
突然電話が鳴った。受話器を取るとそれは同じクラスの佐々木からの電話だった。
いじめられっ子のあの石田君が死んだらしい。首吊り自殺だったそうだ。
佐々木は俺に「夕方頃にはお通夜が始まる予定でクラス全員で顔を出すことになったから
お前も来い」と伝えると電話を切った。
石田君はいじめられていた。クラスのヤンキーには挨拶代わりに殴られ、女子からさえも
「キモい」「死ね」などの罵声を浴びせられていた。だから石田君はいつも独りだった。
俺は一度石田君に話しかけたことがある。ある日、俺が風邪を理由に体育を見学していると
石田君が俺の隣に座ってきたので「風邪?」と聞いてみると、石田君は静かに立ちあがって
洋服の裾を捲り下腹部の痣を見せてきた。「昨日親父に殴られちゃって。」
聞くと石田君は毎日のように父親に暴力を振るわれているらしい。最近では母親にも
冷たくあしらわられて、いつも部屋に閉じこもっているしかないそうだ。
そんな話をしている内に暗いムードに包まれてきたので俺は話しを切り替えた。
「石田君はあまり人とは話さないような感じだけど、なにか趣味とかあるの?」
すると石田君は「実はあまり良い趣味じゃないけど機械いじりが好きでね。
家で色んな物を作ったりしてるんだ。」と言って溢れんばかりの笑みを見せた。
石田君が笑った顔を見たのはこれが最初で最後だった。
授業終了のチャイムが鳴った。
俺は立ちあがるとわざとらしく石田君の肩を叩いて「クラスのみんなに何か言われても
いちいち気にしちゃだめだよ。」と言ってやった。
石田君は少し悲しげな表情を見せると「僕が死んでも葬式なんかに来ないでほしい。」
と呟いてその場を去った。今思えばこの時既に石田君は自殺を考えていたのかも知れない。
694 :
もこ:04/08/04 02:56 ID:tIDScOd3
お通夜の会場に着くと既にクラスの殆どが集まっていた。
クラスのヤンキー共は石田君をネタに談笑を交わしていた。とんでもない奴らだ。
とはいえ誰も別段悲しんでいる様子もない。今は亡き石田君を前にして、みなぺちゃくちゃと雑談ばかり。
石田家の親戚も、家族でさえも、誰も涙さえ流さない。
どうやらこれは石田家の母による社会性を保つために行われた集まりでしかなかったようだ。
そう思ったとたん俺は急に胸が苦しくなった。誰一人として悲しむことのない石田君の死。
これでは石田君が死んだ意味が一体なんだったのかも解らない。
胸糞が悪い。俺はクラスの奴らより早くお焼香を済ますとさっさと会場を出た。
会場を出てしばらく歩いているとふと石田君の言葉を思い出した。
「僕が死んでも葬式なんかに来ないでほしい。」
石田君はあの時なぜこんな言葉を言い残したのか。
そう思った直後、背後から耳を劈くような爆音が聞こえ、人々が驚愕の悲鳴を上げた。
振り返ると、先ほどの会場の屋根からどす黒い黒煙が立ち上っていた。
会場にいたクラスメイト、及び石田家の親戚一同の殆どの体は吹き飛んだ。
石田君は自殺をはかる前に自作の時限爆弾を飲みこんでいたのだ。
石田君が死んだ意味。それはみんなへの復讐だった。 完
こんな時間に来たらもこと遭遇だ。
しかもすごく(・∀・)イイ!! 得した気分だ。
悪が滅びる話はいいものだな。
どうやって爆弾体内に仕込んだのか気になりますた
すんまそん
飲みこんだんだってよ
忘却
朝、目が醒めた。顔を洗い歯を磨く。時間が無いから朝食は抜きだ。
今日は朝から友達の居ない講義、かなりダルいな。
教室に着き、席に着く。くだらない欧州経済の話、宿題としてレポート提出が来週あるらしい。今日は出席確認は無かった。無駄な時間。
次の講義まで3時間ちょっとある。家に帰って寝よう…。
起きると次の講義は始まってる時間だった、この講義も出席確認はないだろう。それでも講義に出た、今日はなんだか疲れる。教室で知り合いを見つけた、話かけようか迷ったが止めた。
講義は終わり次の授業、次は必修で、一番の友と同じ授業だ。メールを送る、返事はない。電話をかける、出た。…が無言、そして「だ…誰だ?!」僕だ、わからないのか?「な、なんで?!どうしてお前が……今日お前の通夜なんだぞ………」
僕は死んでた…
700 :
マル虫:04/08/04 09:15 ID:52wrlg4B
感想つかないけど、勝手にやらせてもらうぜ!
701 :
マル虫:04/08/04 09:16 ID:52wrlg4B
「小豆とぎ」 作:マル虫 声:美竹涼子
日曜の休日だというのに、A美は中学時代の友人と遊びに行くといい、
まだ幼い晴夫を俺の元に残して、遊びに行ってしまった。
「パパ、なんでママは出て行ったの?」
息子があどけない笑顔で、そんな不吉な台詞を言ったので、
俺は、「ママは友達と遊びにいったんだよ」と、本当の事を息子に伝えたのだが、
どういうわけか、俺は自分が嘘をついているような気分になった。
このままでは気分がよくないので、俺は息子を連れて河原を散歩する事にした。
道中、近所の奥様たちの視線を背中に浴びているような気がして、
「嫁は中学時代の友達と、一日だけ遊びに出かけただけです!」と、叫びたくなった。
だがそんな事をしてしまえば、本当に妻が出て行くかもしれないので、やめた。
俺はとぼとぼと、息子ははしゃぎながら、近所の河原に到着した。
すると息子が、「パパ、なんの音?」っと言うのだが、俺には何も聞こえなかった。
俺は目をつぶって、耳を澄ませてみたが、なにも聞こえなかった。
だがかわりに、昔、自分が晴夫くらいのガキだった頃の記憶が、鮮明に蘇った。
俺は秋田の実家の近くにある川を、爺さんと二人で歩いていた。
爺さんはとにかく物知りな人で、俺は色々な話を爺さんから教わった。
その時もちょうど、小川にすむといわれる小豆とぎの話を聞いていた。
「こういう川では、小豆とぎがシャキシャキと小豆を洗っているんだ、
もし小豆とぎに見つかったら、川に引きづられるから、一人で川にきてはいかんぞ」
いま考えると、子供を危険な場所に近づけないための作り話だったかもしれない。
だが、俺は爺さんの話を本気で信じて、一人での川遊びはしなくなった。
いま考えると、爺さんはまさに俺の理想の大人だったかもしれない。
だが、爺さんは戦争で死に、俺は爺さんには程遠い駄目な大人になっていた。
俺はそのまま、過去の爺さんとの思い出にふけっていたかったのが、
ドボンという、なにかが川に落ちるような大きな音がしたので、思考を中断した。
気がつくと晴夫は視界から消えており、シャキシャキという音が聞こえた気がした。
気のせいだろうが、まるで小豆を洗うような音だった。おわり
702 :
もこ:04/08/04 15:21 ID:tIDScOd3
誉めてよ
呪いのビデオというやつを友達に借りた。
部屋に寝転がって見てると、はじめの方は
果物の接映ばかりが続いた。
そして画面が切り替わって夕方の公園の映像
が入り、次にどことも知れない廃墟の映像。
野良猫を追いかける映像。アドバルーンの映像。
それらが脈絡なく繋がれていた。
ホラーものにありがちな、サイコを装った無意味
なビデオだと思って退屈になり、早回しにした。
あくびをしながら見ていたが、最後近くになって
妙な違和感を覚えて体を起こした。
早回しを止めて、巻き戻す。
また一瞬の違和感。
すぐに再生ボタンを押すと、ランドセルの小学生
が笛を吹きながら下校してるシーンだった。
画面が切り替わって、次に自分の顔がアップで映った。
驚いた顔だった。
カメラのフレームが引いて、やがてそれが鏡の超接映
だったことがわかった。
鏡の中の顔は、ホッとして、次に青ざめた。
704 :
マル虫:04/08/05 05:20 ID:3ozlldqa
ペロペロやるひとがこないんで、俺がかわりに
>>702 ペロペロー
マル虫さんオツです(≧∀・)b゙よく次から次へぉもしろい話書けますよねぇ(^O^)僕も結構話し考えてるんですが、どぉもうまく行かなくて(^_^;)最近書き込み全然無いっすけどお互いがんばりましょぉ(≧∀・)b゙
706 :
ぺど6:04/08/05 09:39 ID:PhZOOfL2
もう4年も昔の話です。
千葉県に住んでいた私は都内の専門学校に通うため、
通学に総武線と中央線、山手線を使っていました。そろそろ夏も終わる9月の中旬。
夏休みもボケも取れ始める頃。いつものように友人達と駅で溜まって遊んでいました。
学校が終った後の友人とのお喋りや遊びは、とても楽しかったです。
今考えると、お金も大して持っていないのに何をしていたんでしょうね・・・
その日は、友人達と飛び込み自殺の話をしていました。
オカルト板をのぞく方々ならご存知の方も多いと思いますが、
都心の駅は飛び込みが本当に頻繁にあるんです。
そのうち電車がホームに入ってくる音楽が鳴り、線路の先に電車の姿が見えてきました。
それなのに、友達がふざけて「引っ張られる〜!」なんて言いながら、線路の方に片足でトトト・・・と、
バランスを崩して(振りをして?)近寄って行くんです。
電車が来ていたので、みんな「危ないから〜!」とか「本当に落ちるよ!」と口々に言いました。
その時は、まだ本気ではなく、いつものおふざけ程度の認識で声を掛けていたんです。
ホームに電車が入ってきました。
バランスを崩した(振りの?)友人の後を電車が通り過ぎてゆきます。
その瞬間、ほんの一瞬の出来事でした。
突然、友人の真後ろに大きな女性の顔が友人を睨みつけるように現れたのです。
髪を振り乱し、見開かれた目は吊り上がり血走っていました。
そして、その巨大な顔の周りから白い手が何十本も伸びたかと思うと、友人に掴み掛かったのです。
手は友人を包み込むほどに重なり、私たちの視界から引っこ抜かれるように消えました。
707 :
ぺど6:04/08/05 09:41 ID:PhZOOfL2
すぐにホームにいた人々から悲鳴が上がりました。
友人は私たちのいた場所から、10メートル近く電車に引き摺られ、
血だらけでホームで倒れていました。
(スピードは落ちていたので命に別状はありません。)
30代くらいの黒服の男性が、友人を介抱していました。駅員も駆け寄ってきました。
その男性はすぐに病院に連絡を入れるよう駅員の一人に指示をして、
私達のほうに近付いてきたので、みんなでお礼を言いました。
その男性は、
「駅員さんに色々話をしないといけない。私は急ぐから君達が付いていって話をしてださい。」
と言い、そして私に、
「きみには見えたと思うけど… この辺りの電車は危険だから、ふざけてはだめだ。」
そんな感じの事を言うと、その電車に乗り込みました。
電車はこの間、5分ほど停車していましたが、男性が乗り込むと直に出発して行きました。
私たちは、駅員さん(警察の人も来ていました)に状況説明をして、叱られて帰宅しました。
どうぜ信じてもらえないと思い、巨大な顔の事や白い手のことは話しませんでしたが…
帰り道、友人にあの奇妙な光景の話をしたのですが、見ていたのは私だけのようでした。
でも、怪我が治り登校してきた友人の腕や足には、
明らかに強く掴まれたような痣(指の跡)が残っていたんです。
友人にはそれとなく痣の事を聞いたのですが、「色々ぶつけたみたいだからね…」
という返事しか返ってきませんでした。
以来、私はホームで電車を待つとき、なるべく線路から離れた位置で待つことにしています。
でないと、あの巨大な顔と白い手に連れて行かれそうな気がするんです…
以上が、私が体験した怖い話でした。
708 :
マル虫:04/08/05 17:37 ID:3ozlldqa
「ぽてちにまつわる不思議な話」 作:マル虫 声:斧男
ある夜更け過ぎ、俺のアパートにA美が遊びに来た
俺はベッドの上に、A美はベッドの脇に敷かれた布団の上にそれぞれ横になる。
部屋の中はすっかり静まりかえり、俺はうとうとと眠りにつこうとしていた。
するとその時、突然A美が布団から飛び起きて彼女のことを揺さぶり、「急にコーラ、ポテチが食べたくなっちゃった。一緒に買いに行こうよ」と言い出したのだ。
俺はベッドの下を確認して、「不審者はいないよ」と先手を打ちました。
するとA美は、「もういい」と怒って一人で買い物にいった。
A美はその時を最後に、行方不明となってしまった。
それから十年後、A美と同姓同名の女が経営する食品会社が、コーラ味のポテトチップスを出すのだが、マズイと大不評で、結局その会社は一ヵ月後に潰れた。 おわり
709 :
マル虫:04/08/05 17:38 ID:3ozlldqa
>>705 俺の話は小粒なのが多いけどね
まあお互いマイペースで頑張ろうぜ! C-Ya!
710 :
蟻束:04/08/08 01:28 ID:8PnLJQCl
もうずっとこの四角いコンクリの部屋にいる。
僕は一人でずっとずっとここにいる。いつからかは知らない。
話し掛けてくれるのは隅にある水道のぽとぽとという水滴だけ。
水滴「なんでここにいるの?」
僕「知らないよぉ」
そういえば何で僕はここにいるんだっけ。
そう思って扉に向かって歩んでみる。ドアノブに手をかける。
ゆっくりと体重をかけるように扉を開けると、そこには灰の積った荒野だけが広がっていた。
そこでドアをばたんと閉める。
水滴が喋った。
水滴「なんでここにいるの?」
僕「知らないよぉ」
本当は知ってるくせに隠しているという罪悪感に僕は酔っていた。おしまい
711 :
マル虫:04/08/08 07:37 ID:L/+TIvfX
週末は書き込みが少ないな…
自信が無いのでsageで書き込み
712 :
マル虫:04/08/08 07:39 ID:L/+TIvfX
「廃墟にまつわる不思議な話」作:マル虫 協力:赤日新聞社
履歴書の趣味の欄に『廃墟巡り』と書いてしまうほどの、
筋金入りの廃墟オタであるAと一緒に、とある廃墟に向かう事となった。
その廃墟は山の中に存在するホテルなのだが、
なんでも過去に猟奇的な事件があって付近では心霊現象が起きるらしい。
道中、バスに乗り込むとAとの待ち合わせ場所に急いだ。
最終の、しかも山奥にむかう路線であったためか、
俺以外の客は誰もいなかった。
俺は運転手の真後ろに座った。
少し眠くなりうつらうつらとしてると、運転手が話しかけてくる。
「お客さん、次で終点ですよ」
「あっ、はい」
「この近所に住んでる方ですか?」
「いえ、ちょっと所用で…」
「この夜更けに? ひょっとして幽霊ホテルにいくんじゃないですか?」
俺は運転手の一言を聞いてマズイと思った。
713 :
マル虫:04/08/08 07:40 ID:L/+TIvfX
ひょっとすると警察などに通報されてしまうかもしれない。
「あっ、いやねぇ、うーん、まあ少し…」
いったいなにが少しなのか、動揺して意味不明の返事をする。
「多いんですよね、幽霊でるって噂聞きつけてくる人が…
そんなもの出ないし、ただ危険なだけなんだけどねぇ」
「危険なんですか?」
「廃墟ですから、それなりにね、おかしな人が隠れたりしてね…」
「はぁ、でも慣れた友人と一緒ですから…」
「そうなんだ、でも人の土地だし、ゴミとか散らかさないようにね」
運転手にちょっとした小言を言われながらも目的地につく。
「じゃあ、危なかったらすぐ引き返すんですよ」
神社前でバス代を払い会釈した後、友人と合流する。
すると友人は青ざめた顔でこちらに駆け寄ってきた。
「どうした、顔が青いぞ?」
「おい、気づかなかったのか、いまのバス…」
バスがどうしたのだろうか、そういえば饒舌な運転手だったが…
「おいおい、まさか幽霊が乗ってたなんていうんじゃないよな?」
「違う、いまのバスは三菱ふそう製だ!!」 おしまい☆
なぜか最近、息をするのが苦しくなってきたように思う。
なぜか最近、自分が消えてしまいそうな気がして鬱だ。
こうしているうちにも、少しずつ自分が壊れていく。
だれか助けてくださいと、ふと叫びたくなるんだ。
僕はココにいるんだと、ふと叫びたくなるんだ。
こうしているうちにも、焦燥感は募っていく。
消える前に、生きた証をのこしておきたい。
消える前に、やれる事はやってしまおう。
今の、不安定な自分でも出来ることは。
何か、きっとあるはずだと僕は思う。
探すんだ、必死で何かを探すんだ。
やりたいこと……なんだった…?
思い出せない、思い出せない。
思い出したい、でもダメだ。
もう、永くないのかもな。
このまま、消えるのか。
それでも、いいかな。
もう考えたくない。
もう、消えたい。
時間みたいだ。
サヨウナラ。
このまま。
ボクハ。
無に。
…。
。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>>715 大丈夫か?一人じゃないぞ。俺たちには南波杏がついてる。
さぁ、行こうか
717 :
マル虫:04/08/10 07:45 ID:D7p3+SSm
このスレはショートショート好きが多いね
718 :
本当にあった怖い名無し:04/08/10 14:51 ID:1x4ZSc3j
719 :
もこ:04/08/15 11:19 ID:llumOm3d
「戦争」 作:もこ 芋:自動
もこが芋をむさぼっていると上官が「コラおまえ、戦え」
というので小銃を構えて適当に一発撃ったら100メートル
くらい先のバナナの木から猿が落ちた。
「コラおまえ、猿を撃ってどうする。猿は友軍だぞおまえ」
「すいません」ともこがあやまったら上官は「ヌッポ・・・」
となにか気の利いた罵声を浴びせようとして後が続き
ませんでした。
もこがヌッポではじまる言葉を考えていると、無線がピーガー
というので上官がもこから無線をぶんどりました。
「テキに 塩を オクレ」
だそうで、上官はもこに単独でのこの作戦実行を命じました。
もこが物資を背負って火線の中、自陣を飛び出して行ったとき
上官の目に涙が浮かんでいました。
3日後にナメクジ兵3万ともこは干からびて死んだそうです。
720 :
もこ:04/08/15 11:21 ID:llumOm3d
誉めてね。
嘗めるんじゃないよ、誉めるんだからね。
わかった?
721 :
マル虫:04/08/15 12:42 ID:P3E6PpUB
「戦争」 作:マル虫 宇多田ヒカル:自動
マル虫とナメクジの間で戦争が起こった。
原因はナメクジが草鞋虫について言及した事による。
当然我々マル虫の間でも蝸牛を引き合いに出す。
路傍の石の下のジメジメとした隙間での紛争は、
人間から言わせればまさに、蝸牛角上の争い。
そしてナメ軍の攻撃速度は蝸牛の歩み。
蝸牛のような硬い殻を持たないゆえに、
ナメ軍団は我々の捨て身のマル虫BB弾攻撃により崩壊。
しかしBB弾攻撃を行ったマル虫もただではすまない。
突発的反復性の眩暈発作・難聴・耳鳴りなどの後遺症、
まさに蝸牛症状が残るのであった。
さて問題、蝸牛はいままで何匹登場したでしょうか?
722 :
本当にあった怖い名無し:04/08/15 13:13 ID:1K8IVfEw
俺が一番新耳袋で納得いかないのは八甲田山の話。日本陸軍が例え幽霊であってもあんな事をするはずがない。
723 :
マル虫:04/08/19 15:22 ID:ocauPSXf
「嫁の実家にまつわる怖い話」 作:マル虫 移動:全日空
お盆の間、長崎にある嫁さんの実家にいってました。
嫁が両親を驚かそうと、アポ無しでいきました。
するとどういう訳か、嫁の両親は留守でした。
仕方がないので長崎を観光しました。
夜にもう一度、実家を訪ねましたが、留守でした。
嫁の両親は携帯電話をもっていないので、
連絡のとりようがありません。
ひょっとすると両親に何かあったのかもしれない。
そう思い、実家のお隣さんを訪ねました。
その人は昔から住んでいるようで、嫁とは顔見知りでした。
嫁が事情を話すと、こう言いました。
「お父さん達なら、北海道で避暑されてますよ」
しばらく帰ってこないようなので、その日はホテルにとまり、
次の日に地元に帰りました。
『義父さん、お盆なんだから、実家にいてよ!!』 ☆おしまい
あ、あのー、
「念入り」
椅子に座ってうつむいたまま男はゆっくりと話し始めた。
「私はベッドに寝かされています。体は動かない。ライトがまぶしい」
心理療法士がかけた逆行催眠によって、男は過去の記憶を取り戻そうとしていた。
心理療法士が男に問いかける。
「何が見えますか?」
「目がやたら大きくて、まぶたがない……体は全身緑色の……恐ろしい生き物
が2体……う、うわあぁぁ」
男が苦しそうにうめいた。
「落ち着いてゆっくり話してください。大丈夫ですよ。どうしました?」
「そいつらが何か奇妙な器具で……俺の、俺の体に……何か埋め
込んでいる……やめろっ、やめてくれ……うああ」
「大丈夫ですよ。いったん中断しましょう。楽にしてください」
心理療法士が声をかけると男は椅子にもたれて静かに眠り始めた。
「おい、一体何をやってる。記憶が全く消えてないじゃないか。
もう一度やり直しだ」
心理療法士はそのまぶたのないやたら大きな目で部下を睨みつけた。
「におい」
田舎から東京に上京してきてすぐのことだった。
僕は通っている大学の近くにあるアパートを借り、そこで暮らしていた。
引っ越してすぐのことである。
その日、帰宅した僕を出迎えたのは「異変」だった。
臭い。部屋全体に腐臭が漂っているのだ。
あまりの「におい」に僕は鼻を覆った。
まだ片づいていない、荷物の入ったダンボールを跨いで、窓へと向かう。
部屋中の窓を開けたが、しばらく経っても「におい」は消えない。
生ゴミにしては妙な「におい」だし、何よりゴミはちゃんと捨てている。
しかし。強烈さからして、この部屋の中に「におい」の原因があることは明白だった。
狭い部屋を見渡すと、押し入れの上に天袋があるのに気付いた。
あそこはまだ開けてなかったな…
押し入れの前に椅子を置き、十分注意しながらその上に立った。
戸に手を掛け、開けようとするが、立て付けが悪いのかなかなか開かない。
しばらくガタガタやっていると、やっと戸は開いた。
天袋の底面に目を遣ると、なにやら薄っぺらい紙が落ちている。
手に取って裏返すと「それ」がどういう物なのかはっきりと分かった。
御札だった。それは、テレビや映画で見るような典型的な御札であった。
天袋の壁面は汚れで黒ずんでいたが、一ヵ所、周りより明らかにきれいな長方形がある。
そこに貼ってあったのか。御札を手にしたまま、椅子から降りる。
床に無造作に置いてあったガムテープを手に取ると、僕はもう一度、椅子へと戻った。
御札を壁の長方形に合わせると、上からガムテープを何重にも貼り付けた。
決して剥がれないように、何重にも、何重にも。
そして、僕はガムテープを床に放り投げ、椅子を定位置に戻して、何もなかったことにした。
いつのまにか「におい」は消えていた。
「年輪」
「ほらみんな見て。切り株のところに輪っかがいっぱいあるでしょう。
この数を数えると、この木が生きてきた年数が分かるのよ」
「先生。人間も同じなの?」
「人間は違ったわ」
ただのブラックジョークになっちゃった(´・ω・`)ショボチーン
もこの作品好き。
これからも頑張ってください!
730 :
マル虫:04/08/25 22:24 ID:rWeG+zIn
俺もここだと、もこ作品が一番好きだな
前スレのラストは感動的だったぜ
731 :
マル虫:04/08/25 22:33 ID:rWeG+zIn
もちろん他の方々の作品も好きだ
今は亡きぽん太の為にも盛り上げていこうぜ
「匂い」
自分の体臭が臭いんじゃないかって思い始めたのは高校生の頃だったと思う。
それから数年間ずっと悩んできた。夏場は特に匂いが気になる。
人が自分の近くを通るとドキッとする。体が自然にすくむ。
もう嫌だ。臭いのは嫌だ。俺は匂いの元を絶つことにした。
俺は自殺した。
匂いがさらにひどくなっただけだった。
真一さんの作品は短い中に毒やら何やらが凝縮されてますねえ…
俺も今度、普段よりも短いものに挑戦してみようかな。
真一大好き
「目に見える気がしていても、本当は目に見えず
絶対に手に入れられないもの、なーんだ」
真悟は私に真顔でそういった。
あれは高校生のころ、学校の帰り道だった。
夕焼けに染まる空の下で、私たちの足元にジャングル
ジムの影が伸びていた。
私と彼とは、すでに秘密の関係を結んでいたのである
が、私はなにかポッカリと空いた、充足しないものを
感じていた。
その空間を埋めるために、私は私の思いを素直に伝え
たのであった。
対する彼の返答がそれである。
私が困った顔をしていると
「それはね、追いかけても追いかけてもスルッと逃げ
てしまう、幻のようなもので。捕まえても一度離し
てしまえば、あったのか無かったのかわからなくな
ってしまうものなんだ」
続く
私は何がなんだかわからないまま不安な気持ちが膨れ
て、もう一度いった。
「真悟くん、愛してる」
私はなにを手に入れたかったのだろう。
なにを追いかけていたのだろう。
慎吾は笑うだけだった。
ジャングルジムの影が檻のように二人を包み、誰も
いない公園で二人だけが立っていた。
「慎吾くん、僕は君を愛している」
思い切り抱きしめた。けして離さないように。
真悟は笑った。
「抱きしめても逃げてしまうもの、なーんだ」
今は少し、わかる気がする。
それは私がどんなに求めても、真吾の中には初めから
無かった、幻のようなものだったのかも知れない。
(終わり)
最近、実験作的なものしか浮かばない。
もこになってみたりとか。
ふつーの怖い話が書けない。
もともとすごい怖がりだったのに、洒落怖の倉庫とか
読み漁ってたら、なんかそれまで皮膚感覚で感じてた
怖さが、論理的に分解されうるものになってしまった。
おかげでどんな怖い話でも、読んでる最中に頭の中で
パターン類型に当て嵌められて、勝手にオチを想像して
「ハイハイ、こういう造りね」
とか思っちゃう。
ちょっと珍しい筋の話だと、「おおー」とは思うけど怖い
というより感心しちゃって、一種の作品として見てしまう。
(実話風に書いてても)
そんな私が洒落怖で面白かったのは
「分からない方がいい」と「コッケさん」だったりする。
怖がりでなくなった人間が怖い話を書くには、どうしても
合理的な、文法的な怖さになってしまう。
でもそこには構築していく過程が浮き出てしまったりする。
「なんか怖い」話を書きたい。
説明できる怖さって、なんか大脳新皮質あたりで止まっ
ちゃって、フーン(AA見つかんない)に落ち着いてしまう。
って、ちょっと脱線気味な前振りになってしまって
不快に思われた方、ごめんなさい。
こっちが本題なんですが、怪談話を創作しているみなさん。
昔からオカルトものをテレビや映画でやる時は、
スタッフがお払いをする、ってことをよく聞きますが
みさなんの身の回りになにか異変はないですか?
私はありました。
去年の夏ごろですが、やたら張り切って書いてた時に
テーブルの上に置いてた箸が割れたり、心霊写真が
とれたり。
そのころは前述のように怖さに対して結構麻痺してたので
「警告」のようには捉えなかったし、「話のネタができた」
くらいにしか思ってませんでした。
さらに驚いたことに、その決定的な実話を嬉々として
文章にしようとしたときに、筆が止まったのです。
飽和的に麻痺した私のオカルト脳は、実話を文章化
するのを認めませんでした。
なんというか、「これじゃ怖くないやん」ってカンジで。
みなさん、どうですか?
怪異は起こりましたか?
それをオカ板に書いたことありますか?
739 :
マル虫:04/08/28 21:56 ID:PTMtxPVU
740 :
マル虫:04/08/28 22:08 ID:PTMtxPVU
もう一つ
霊道スレの4の書き込みは俺なんだが、
生幽霊はたいして怖い体験じゃなかったぜ
ゴミ袋の中がカサカサいってる方がよほど怖い
>>740 そうですかー。怖くなかったですか。
思うに、怪談を創作できる人間はやはりあんまり
怖がらない人が多いと思います。
それはそうと、霊道スレの4は生幽霊と違うですやん。
私も見たことありますが、それっぽい影だけでなんとも
微妙な体験でした。
742 :
もこ:04/08/29 00:01 ID:ys0IKLj+
もこだけど、みんながんばってるね、これからもがんばるように。
743 :
粘着2号:04/08/29 00:07 ID:g18aiZgU
俺の発祥の地…もっくん…
744 :
もこ:04/08/29 01:37 ID:ys0IKLj+
>>743 「冥土の土産」 作:もこ 注意:子供の手の届かない所に保管してください。
食事中の出来事です。家のおばあちゃんが思い出したように口を開いた。
「そうだ、もっくん(もこのこと)にお土産があるんだ。そうだそうだ。
後で机に置いとくわね。」
おばあちゃんがお土産とは珍しいことだと感心しつつあまり期待はしてなかった。
ようかんとかその程度の物だと思ってた。部屋に戻ると机に異様なものが乗っけてあった。
ホヤだった。ホヤから染み出る黄色い汁がマンガに付着してもうそれはそれは
大変迷惑でした。でも次の日おばあちゃんは死んだ。おばあちゃんは死ぬ前に
「ひゃはは、冥土の土産だよ!ひゃはは!ひひひっ!冥土の土産!きゃはは!」
と叫んで死んでいったらしいです。ボケてたんでしょうか。その答えは風だけが
知っているはずです。 完
745 :
もこ:04/08/29 02:24 ID:ys0IKLj+
「雪山での遭難」 作:もこ
とある大学の山岳部の学生4人が吹雪の雪山をさ迷っていた。
「先輩、俺達ってもしかして遭難してるんですか?」
学生の一人が言った。
それを聞いた山岳部のキャプテンは地図とコンパスを覗いながら
「大丈夫だ、この先に避難用の山小屋があるはずだ、そこへ行って
吹雪が止むのを待とう、心配するな」と部員らを慰めた。
そうこう言ってる内に学生らの視界に吹雪の中うっすらと見える山小屋
らしき建物が見えてきた。
「山小屋だ!俺達は助かるぞ!」
学生らは喜びの声を上げて山小屋へ急いだ。
山小屋の中は薄暗く、吹雪を凌ぐのがやっとの状態だった。
疲れきった部員は腰を下ろし天候の回復を祈った。
がその後天候はますます酷くなり、部屋の気温は急激に下がった。
今ここで寝てしまったら寒さで全員死んでしまう。と考えたキャプテンは
部員らに一つの提案をした。それは4人の部員がそれぞれ部屋の隅に座って
一人が隣の隅に移動しそこにいる人の肩を叩いて、肩を叩かれた人はさらに
隣の隅に移動してそこにいる人を叩く、という動作を繰りかえし全員が眠らない
ようにする。という事だった。
さっそく4人はそれぞれ部屋の隅に座ると、キャプテンが最初に隣の隅の部員の
肩を叩きに行った。すると移動する途中で何かに当った。
「いてっ!」
驚いたキャプテンが急いでランプに火を燈すと部員一同は思わず驚愕の悲鳴を上げて
しまった。
部屋の中にいた人間は部員含めて15人。恰幅の良い男達が薄ら笑いを浮かべ、部員を眺めていた。
そう、この山小屋は夜な夜なゲイ達が集う秘密のお店だったのです。
746 :
マル虫:04/08/29 08:57 ID:MIocQbG3
>>741 たしかに生幽霊っていうよりも生霊体験だな
俺はどちらかといえば怖がりだけど
話に聞くほどおぞましいものじゃなかったからね
>>743 このスレは真一派(阿刀田高系)
小洒落の聞いた現代怪談派(星新一系)
もこ派(アヴァンギャルド系)に別れてるな
俺は当然もこのフォロワーだぜ
747 :
マル虫:04/08/29 09:12 ID:MIocQbG3
1.山小屋での遭難 作:マル虫
とある大学の帰宅部の学生4人が狭い山小屋の中をさ迷っていた。
「先輩、俺達ってもしかして遭難してるんですか?」
学生の一人が言った。
それを聞いた帰宅部のキャプテンは地図とコンパスを覗いながら
「大丈夫だ、この先に扉があるはずだ、そこへ出る心配するな」
と部員らを慰めた。
そうこう言ってる内に学生らの視界にうっすらと扉が見える。
「扉だ!俺達は助かるぞ!」
学生らは喜びの声を上げて吹雪の冬山へと急いだ!!
2.流砂の夢
砂丘の上の廃ホテルで僕は殺されてしまった
ふわふわと空を漂いながら、映画館の前を通った
映画館の近くの信号の上で、死神が手を振ってた
地上に降りて、色とりどりのサンタ帽を道行く人に被せてる
黄色は「いまみた映画の興奮を人に伝えたくなる帽子」
赤色は「これから恋人とベッドで楽しみたくなる帽子」
黒色は「いまみた映画の殺人鬼になりたくなる帽子!」
3.乞食
乞食が広い海を泳いでた。
そして… ニューヨークへ!!
ねぇ
マル虫ツマンネと思うの自分だけ?
749 :
マル虫:04/08/29 13:00 ID:MIocQbG3
つまらないんじゃない、アヴァンギャルドだ!
750 :
マル虫:04/08/29 13:07 ID:MIocQbG3
いや、批判であれ大事な意見を否定するのはよくないな
俺は第二のもこを目指してるわけだが、
「もこ文学を理解できないばか者め」などと
切り捨てていてはただの独りよがりのオナニーだ
よし、来週まで待て
ポン太氏のような正統派の作品で勝負してやる!!
751 :
本当にあった怖い名無し:04/08/29 13:19 ID:vpayFXNj
二度と来ないでね
752 :
マル虫:04/08/29 13:24 ID:MIocQbG3
もこ、助けてぇ!!
このままだと第二のスナやモこに!!
あのな、
もこもスナもモこも好きだ。大好きだ。
みんなオリジナルのおもしろさがある。
お前はマネしてるだけだろ。
もこの文章いじってるだけじゃないか。
もこのフォロワーとか言いながら、
もこ作品汚してるだけですよ。
お前だけがつまんないんだ。
754 :
マル虫:04/08/29 14:18 ID:MIocQbG3
>>753 ああ、すんません
モこやスナ叩いてた人と同一人物かと思ってたよ
701辺りはオリジナルの話だがどうだい?
まあつまらないと思っても
別に一人くらいつまんないヤツいるからって目くじら立てるなよ!
755 :
もこ:04/08/29 14:24 ID:ys0IKLj+
けんかしないでね
756 :
もこ:04/08/29 14:27 ID:xqGLx57M
そうだ そうだ〜
>>735 やっと意味がわかった。
アホにもわかるお話プリーズ。
758 :
もこ:04/08/29 16:34 ID:5Z8wCIr9
「マル虫の葬式」 作:もこ
マル虫が死んだというので、葬式に出ることにした。
鯨幕が包むお寺の敷地の中に入り、記帳を済ますと一団の人だかり
が目に付いた。
「もっこー!」
と叫んでいるやつが中心にいる。すごい人気者のようだ。
もこはツカツカと歩み寄ると、そいつの喉ちんこを捻りあげて凄んだ。
「モこが調子にのってんじゃねーよ」
正体をバラされたモこは、ひぃぃと言ってバク宙であたふたと逃げて
いった。
真一とか蠢とかそのあたりの生かしておけないやつらもいたので、そ
れぞれワンフィンガーとツーフィンガーづつ頭頂部に指を挿入した。
ブー! 坊さんがお経を唱え始めた時に、誰かが屁をこいた。
メタンとかいう生かしておけないやつだった。場内爆笑。
なんておいしいやつだ。もこはメタンのケツをボンドでとめて、その
上パウンドでメタンメタンにした。
いよいよ出棺となって、もこは棺桶の蓋をあけてマル虫に最後の別れ
をしようとした。
綺麗な花に包まれたマル虫は目を閉じて幸せそうな顔をしていた。
「むにゃむにゃ。もう食べられないよ」
もこは見なかったことにして蓋を閉じた。
760 :
粘着2号:04/08/29 17:37 ID:g18aiZgU
マル虫がもこになるには、洒落で叩かれて隔離されなくてはいけない!
761 :
もこ:04/08/29 17:57 ID:xqGLx57M
そうだ そうだ〜
762 :
もこ:04/08/29 18:30 ID:ys0IKLj+
「マル虫の掃除機」 作:もこ
マル虫の家に行った。
マル虫の家は駐車場、庭つきで3階建ての豪かな日本家屋
の隣にあるダンボールだった。
もこがダンボールの中を覗きこむと耳を劈くような刺激臭が聞こえてきた。
「おはよう、マル虫君。」
もこが老紳士を装い挨拶をすると、ダンボールの中で何かが動いた。マル虫だ。
「何だ、もこさんか」
「何だとは何だ」
もこが憤慨してダンボールを蹴り上げると、中から落ちてきたのは得体の知れないゴミの山だった。
「なんだこれ、きったねーな、この糞野朗が」
もこが酒場の荒くれ者を装ってマル虫に殴りかかろうとするとマル虫は
「まってよ、すぐ掃除するから」
と言ってと奥から古めかしい掃除機を取り出した。
「こう見えてもこの掃除機は魔法の掃除機なんだよ。どんなゴミでも一瞬にして
吸い取っちゃうんだから、見てて。」
そう言うとマル虫は掃除機のスイッチを入れた。
するとまたたくまに散らばったゴミは掃除機に吸い取られていった。
「へぇー、凄い凄い!」
もこが拍手をしてマル虫を誉めようとしたが
すでにマル虫の姿は無かった。
だから何?
「こう見えてもこの掃除機は魔法の掃除機なんだよ。どんなゴミでも一瞬にして
吸い取っちゃうんだから、見てて。」
765 :
マル虫:04/08/29 21:17 ID:MIocQbG3
766 :
ダヌル・ウェブスター:04/08/29 21:19 ID:nt73x7Se
つるさんはまるまるむし
767 :
マル虫:04/08/29 21:32 ID:MIocQbG3
ついに俺も立派な糞コテに成長か…
今後はメール欄の書き込みはしないぜ
768 :
もこ:04/08/29 21:54 ID:xqGLx57M
やれやれだぜ
769 :
マル虫:04/08/30 07:25 ID:cfzCHMgH
叩かれてきたぜ!
洒落怖で叩かれる名誉を授かった
今日限り俺はもこの中の人ととして荒らしに邁進するぜ
したがってこれがマル虫として最後の書き込みだ
それじゃあみんな元気でな! とくに748
↓証拠
30 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2004/08/30(月) 07:13 ID:aWwIEx41
∋oノハヽ ☆
川o・-・)っ-[]/
と ノヽ(`Д´)ノ
>>29 / / ( )
(__ノ_ノ ∪∪
770 :
粘着2号:04/08/30 12:45 ID:7F5l/WoQ
まだだマル虫!まだ隔離されて無い。
がらくた箱に隔離されてこそ、もこ切れが許される
マル虫、君はまだ半熟たもこだ!
>>769 gikoナビな俺には
叩かれてるのはモこに見える。
マル虫、努力は認める。
精進しろよ
(・ω・)もきゅもきゅ
『見送り』
上京する友達を見送りにホームまで行った時の話
「さびしくなるな」などと他愛のないことを話してるうちに
アナウンスが入った、発射時間が来てしまったのだ
電車は友達を乗せて東京へと向かって走り出していった。
その直後、地球が爆発した、もう寿命だったようだ
冥王星の人たちが宇宙から花を添えてくれた。
774 :
本当にあった怖い名無し:04/08/31 22:59 ID:+PLceont
ぷきゅう〜 〜 〜 突然、目の前の、祐子の鼻の穴から、
無色透明な、ピンポン玉程もある、鼻袋が飛び出した。
あ、間違えた。鼻ちょうちんっていうんだっけ?こういうの
775 :
もこ:04/08/31 23:28 ID:GPyLoahm
(・ω・)もきゅもきゅ
『ツャア専用』
戦艦に乗って宇宙で交戦していた時の話。
もきゅの華麗な主砲さばきで敵を倒していたときに
レーダーに通常の3倍の速さで近づいてくる敵機があった。
ものすごい速さで攻撃をしてくるために戦艦が壊れ始め
「やばいもきゅ!」と思ったときに敵機の動きが止まった
どうやら激しい動きをしたために心臓麻痺を起こしたようだ
中の人の歳を取る早さも3倍だったらしい。
777 :
本当にあった怖い名無し:04/09/02 00:57 ID:fsrh3HBT
777GET!!
「キチガイ」
「ねえ!ちょっと、アンタ。
他人に向かっていきなりキチガイだなんて失礼じゃない?
何?どういうこと?私の頭がおかしいって言いたいわけ!?
初対面のアンタになんでそんなコト言われなきゃいけないのよ!
何よ!アンタだって白い服着て、偉そうに椅子なんか座っちゃって、
私なんかより、よっぽど頭がおかしいんじゃないの!?
ふざけんじゃないわよ!人間の姿した汚い猿のくせして!」
先日、駅でこんな風にゴミ箱に向かってまくし立てている女性を見かけました。
ヤバイ…伏せ字にしたほうが良かったかも…
>>779 キチガイ≠フことですか?
文芸創作においては、ありのまま表現すべきだと思います。
ただ、不必要なのに用いる、あるいは執拗に用いるのは、もちろんダメでしょうが。
そのへんは作者のセンスかと。
>>780 そうですか…良かった。
>文芸創作においては、ありのまま表現すべきだと思います
また、逆も然りですね!
伏せ字にすることで、タブーを強調するとか。
>>781 タブーを強調する・・・なるほど。そういうのも考えられますね。
あとは、古典的なやり方ですが、読者や登場人物にわざと誤解を与える仕掛けにも。
>>780 ものっすごい同意。
最近の何にでもクレームがつくような風潮はどうかしてる。
ただ言葉尻をとらえるだけのクレームにどんな意味があんのさ。
784 :
もこ:04/09/05 21:35 ID:V9Gt4z1I
もこも同意〜
>>783 ですよね。
表面だけを見て、これはどうだ、あれはこうだ言うのは筋違いですよ。
そのものを深く知り、そのものについて深く考え、
そのものの「意味」を汲み取ってこそ、真の(?)クレームは生まれるんだと思います。
786 :
本当にあった怖い名無し:04/09/09 01:34 ID:kl+YKgsp
「ここはとあるレストラン」
レストランに入ると、香ばしい匂いが鼻をついた。
「うまそうな匂いだなあ」
さっそく席につくと、向かいの席の客がなにやら
おいしそうなものを食べている。
香ばしい匂いのもとはあれらしい。
給仕がメニューを持ってきた。
何語か知らないが、やけに読みにくい。
「あれあれ、あれが食べたい」
向かいの席を指差すと給仕は
「かしこまりました」とにっこり微笑んだ。
しばらく待つとようやく料理が運ばれてきた。
とても香ばしくて、そして見覚えがあった。
半分くらい食べたところで、向かいの席に
紳士が座った。
紳士はこちらを指差して、給仕はにっこり微笑んだ。
787 :
本当にあった怖い名無し:04/09/09 10:12 ID:FFv8o/TL
「きんたま」
朝目が覚めると、きんたまに目と口が付いていた。
きんたまは語り出す。
「僕はきんたまのたまちゃん!よろしくね!」
俺は慌てて自己紹介する。
「そうか・・・君は童貞なんだ・・・・弱ったな」
そういうときんたまは新たなる宿主を探すために
俺の股間を離れ、空の彼方に飛んでいってしまった。
残されたチンポを、俺は優しくさすった。
チンポはつぶやいた。
「ばかだなあ。きんたまの奴。俺がいなけりゃ何もできないくせに」
そういうとチンポはゆっくりと膨張しはじめた。
「どうだい?大きいだろう?」
788 :
本当にあった怖い名無し:04/09/09 11:03 ID:su/LtNep
「遠隔透視」
カメラマンの吉田は慣れた手つきでテレビカメラを
対象に向けた。
「はい、撮影入りまーす」
撮影場所は夕暮れ間近、都内某所の喫茶店だった。
レンズを向けた相手は黒いヴェールで顔を覆った女。
占い師だというが、どういうツテで見つけてくるのか。
番組の企画はこうだ。
都心の高級ホテル『新宿グランド』の1120号室に
ゲストの有名人を配置して、それを事前になんの情報
も与えていない自称超能力者に透視させる、という
大げさなものだ。
それもカメラを4台も出し、別々の場所で4人の人間に
同時に透視させるという生番組である。
「・・・というわけで、本業は占い師でいらっしゃっる
そうですが透視もお得意ということで、さっそく占・・
失礼、透視していただきたいのですが」
進行役の男性タレントが愛想のいい笑顔を向ける。
「新宿グランドの1120号室ですね」
ヴェールの女は静かに答えた。
(続く)
いきなりの要求にも平然としている。
もっとうろたえるかと思ったのに。
吉田はレンズ越しに女の涼しげな口元を見ていた。
この番組に一切の打ち合わせはない。
超能力者はもちろん、スタッフにも情報は降りてきて
いない。
1120号室で待つゲストが誰なのか、吉田も知らさ
れていなかった。おそらく、チーフディレクターや
プロデューサーだけの極秘事項なのだろう。
生番組がそんなことでいいのか、と思われるかもしれ
ないが、本来この企画は自称超能力者のインチキを暴く、
とまではいかないが意地悪なセッティングをして彼ら
がうろたえるのを楽しむ、というものなのだ。
だからテレビ的には、この目の前の女がクールなまま
では面白くないのだが・・・
「わかりました」
大きな水晶玉に手をかざしていた女が顔をあげた。
(続く)
「え、本当ですか」
わざとらしい演技でタレントがマイクを向ける。
すかさずズームを顔へ。
「いません」
「へぁ?」
タレントは変な声を出した。すぐに咳き込んで聞き返す。
「新宿グランドの1120号室には誰もいないと?」
「そうです」
スタッフの間にも動揺が広がる。
「えー、予想外の回答がでました。他の場所ではどう
なっているでしょうか。一旦スタジオにお返しします」
吉田も驚いたが、すぐにピンときた。
なるほど。ウチの局でこの時間枠ということは、この
あいだやっていたオカルト叩き番組と似たような企画と
いうことは十分予想がつくだろう。
透視させた挙句、その部屋には誰もいないなんていう
オチはありうる。
(続く)
おそらく超能力者たちも、どうとでもとれるような
曖昧な人物の特徴を並べるだけであとで言い訳が利く
ように網を張ってくるだろうから、このオチはそれを
逆手にとったアイデアだ。
ぐぅの根も出ない彼女らを笑いものにしながらエンデ
ィング。
吉田は勝手に段取りを想像した。
おっと、この占い師はそれをさらに逆手にとって牽制
してきたんだった。
それに「いない」と言っておけば、例えゲストがいた
としても、何かが妨害して見えなかったとかそれなり
の言い訳ができそうだ。
感心して黒いヴェールの女占い師を見ると、その口元
が微かに笑った気がした。
(続く)
「実はいないって、神谷Pならやりそー」
「いやあ、これだけ金かけてそれはないよ」
ONが外れてあちらこちらでスタッフ同士の雑談が
はじまった。
吉田は放送中の画面を中継車の中に入って見た。
番組はすべての透視結果が出揃って、いよいよ新宿
グランドの中継へと移るところだった。
番組冒頭から『1120』のドアを固定で映していた
カメラが動いて、メイン進行役の男性アナウンサーが
部屋の前に立った。
まだドアは開けない。ここでCMだ。
CMが終わると次に透視結果のおさらい。
案の定他の3人の超能力者はどうとでもとれるような
抽象的なことばかり言っていた。
へたくそな絵を描いたロシアの少女もいた。
あれでは男か女かもわからない。
最後に女占い師の場面のVTRがきた。
(続く)
『いません』
『へぁ?』
『新宿グランドの1120号室には誰もいないと?』
『そうです、今は』
そしてこれまでの流れをまとめたところで音楽が盛り
上がり、カメラがドアに近づいた。
吉田は一瞬、今のVTRに違和感を覚えた。
ついにアナウンサーの手でドアが開けられた。
そして誰もいない室内が全国ネットで生中継される。
「あ、いませんッ。誰も、誰もいません!」
アナウンサーの驚いた声が響く。
吉田のとなりで中継を見ていた誰かが言った。
「こりゃ、やらせじゃねーな」
すぐに吉田たちのチームにスタンバイの指令が来た。
女占い師だけがこの結果を当てたことになるからだ。
中継では部屋内に入ったカメラの前に、我らが名物プロ
デューサーが立ち、趣旨説明を始めていた。
「よっしゃ最後の仕事!」
スタッフの声に吉田は立ち上がった。
(続く)
最後に女占い師へのインタヴューが行われ、番組は
一応成功という形で幕になった。
インチキ超能力者を笑いものにも出来たし、ホンモノ
かと思わせるような的中者も出た。
否定派、肯定派ともに楽しませることが出来ただろう。
「おつかれさまでしたー」
撮影終了の声としては張りがないが、営業中のホテル
なのでしかたがない。
拍手をする番組スタッフたちを尻目にプロデューサー
の神谷は、チーフディレクターの織田に話しかけた。
「お疲れさん。まずまず成功でよかったな」
「お疲れさまです。しっかし、ほんとうにゲストなし
っての当てられるとは思わなかったですね」
「あの占い師、だれの紹介だっけ。本物だか分からんが
使えそうだな」
「ええ、さっそく次の特番考えないと」
(続く)
神谷は撮影終了したばかりの1120号室のベットに
腰を掛けた。
他のスタッフはみんな部屋の外に出ている。
「しかし、ゲストなしなんて思いきったこと考えますね」
織田もホッとしたような顔で隣に腰掛けた。
「うん?まあな・・・」
神谷はなにか忘れたような違和感を覚えて、思わず胸
を探った。
タバコがない。なんだ、これか。
「織田君、タバコくれないか」
呼ばれて織田は考え事をしていたように、
「あ、ああどうぞ」と、どもってラークを差し出した。
神谷は深く煙を吸い込む。
なにか、まだ忘れているような気がする。
灰皿に手を掛けたところでビクリとした。
新品の灰皿には、根元まで灰になったタバコが一本。
微かな紫煙が立ち昇っていた。
「織田君。本当に今日はゲストはいなかったよな」
「ええ、いません。いなかった・・・はずです」
二人は顔を見合わせて、強張った照れ笑いをした。
(おわり)
こっくりさんこっくりさん
北の窓よりお入りください
こっくりさんこっくりさん
いらっしゃいましたら「はい」
の方へおすすみください
こっくりさんこっくりさん
「はい」の周囲には毒の沼地が
あるので上手く回避してください
こっくりさんこっくりさん
そこはキノコがでます
こっくりさんこっくりさん
調子こいてごめんなさい
798 :
スナ:04/09/16 16:22:58 ID:6ORLMOhA
ちょっとまってね、今度ここに書くから
エネルギーを他のスレで使い果たしたから
799 :
スナ:04/09/16 16:23:55 ID:6ORLMOhA
スレ→板です
「NEWSってなんでこう綴るか知ってるか?
「東西南北の頭文字で、つまり世界中の出来事
を伝えるものだからでしょう。
「しかし上と下の概念が抜けてるぞ。
「考えてもごらん。地獄は悪人ばかり、上は善人
ばかりじゃないか。それじゃニュースにもならない。
801 :
もこ:04/09/18 18:02:25 ID:kehmZlGS
もこだーーーよーーーーーっ!!(ズンチャンズンチャンッ)
802 :
もこ:04/09/18 18:06:42 ID:kehmZlGS
怖い話し、するっ!!
するからするからするから
803 :
もこ:04/09/18 18:38:48 ID:kehmZlGS
「幽霊トンネル」 作:もこ
とあるホモカップルが近所で噂の心霊スポットに肝試しに行きました。
「うえー、こええ」と言ってたそうです。そのホモカップルは。
心霊スポットのトンネルに着くとカップルは怖いと思いました。
でも怖いと思ったのはあえてその場の雰囲気を盛り上げるための
わかり易く言えば嘘だったのです。本当は入る気だったのです。(トンネルに)
ホモ共は懐中電灯を照らしました。中は薄暗く汚れている。ここ何年も使われてない
様子でした。彼らは中に入っていきました。真中らへんに来ると、どこから
ともなく女性のうめき声がきこえてきました。
二人は本気で怖いと思いました。すると暗がりから女の幽霊がぬっと顔を出しました。
ホモカップルは怖さのあまり、逃げました。
トンネルから出ると二人は驚きました。
なぜなら二人が出た直後トンネルが崩れたからです。
二人は警察に知らせに行きました。
その後、トンネルの中からは女の幽霊の死体が発見されたそうです。
これはその後知った話しなのですが女はしきりに「おめでとう!おめでとう!」
と叫んでいたそうです。 完
夢の中でこれが夢だと気づき、なんとかして夢から
覚めようとすることがある。
そんなとき考えるのは、目は開いてるんだけどこれは
本物じゃなくて、本当の目を開けるにはどうしたらい
いか、ということだ。
この目じゃなくて、どこか形而上学的な場所にある目を
開く。
そのために試行錯誤を繰り返した。
あるとき、ふいにコツをつかんだ。
「あ、これならいつでも夢から覚めることができるぞ」
テクニック的な問題で解決した。
いつでも夢の中で、眠ってるほうの自分の目をバチッと
開くことができるようになった。
それが面白くて、しばらくは寝不足だった。
ある日私はこう考えた。
起きている時に、その技術で今のこの自分の目ではなく
形而上学的な場所にある目を開こうとするとどうなる
のだろうか、と。
それは蠱惑的な問いだった。
私は心臓を高鳴らせながら、この世界を観想するもう
一人の自分に、ゆっくりと思いを馳せた・・・
「一週間」
作品かよ
807 :
もこ:04/09/28 04:43:01 ID:RYyTUzD5
もこもこもーこもこ
「もこ退治」 全五話 作:ゴーストハンター
今受けている依頼は「もこをハントすること」
私はゴーストハンターである。
この不景気のご時勢、少々のお化け被害なら我慢して
しまう方が多いので、私も生活をするために変な依頼を
受けてしまうことが増えた。
時には行方不明の子犬を探すこともある。まるで便利屋だ。
しかるにもことは一体なんなのだろう。
クライアントの秘密は守らなければならないので、詳しい
依頼内容については話せない。
とにかく私はもこが出るという屋敷に乗り込んだのだ。
家人が家を空ける1ヶ月のうちに、退治せねばならない。
正体もわからぬ相手のこと、長期戦も覚悟して泊り込んだ
その初日の夜のことである。
居間でキャビア(役得)を肴にビールを飲んでいると
どこからともなく生暖かい風が・・・・
さっそく来やがった!
身構える私の前に、どこからともなく人形のようなおか
っぱ頭の少女が忽然と現れた。
「おまえがもこか」
と問う私を無視して、少女は奇妙なことをしはじめた。
それは『怪談』である。
(続く)
「・・・すると、すれ違いざまに『よく気づいたな』と
小さい声で言いながら歩き去っていったそうです」
これは一体なんの真似なのだろう。
少女はどこかで聞いたことがあるような怪談をひとしきり
話すと、満足したようにふっと消えたのである。
その日はそれっきりなんの怪異も起こらず、朝を迎えて
しまった。
そして次の夜、またキャビア(役得)を肴にワイン(役得)
を飲んでいると今度は口裂け女が現れた。
「夜中に電話に出ると、『もしもしわたしリカちゃん。今
駅前にいるの』と言って電話は切れた。そして・・・」
これまたどこかで聞いたような話だ。
そしておきまりのオチがついたところで口裂け女は、また
ふっと消えるのである。
私は思った。こんな話を昔読んだことがある。
たしか『稲生物怪録』という絵巻物だ。
毎晩違うお化けが現れて主人公を脅かしていき、30日目
の最後の日に総大将が現れ、逃げなかった主人公の勇気
を称える、という内容だった。
それを地で行くのなら、最終日にもこが現れるはず。
私は彼らに付き合うことにした。
(続く)
10日が経った。
生ハムメロン(役得)を片手に芋焼酎(役得)を飲んで
いると、猫又が現れた。
「その子はこう言ったそうです。『今度は落とさないでね』」
私は話を聞き終えて、ハムを猫又に投げつけた。
なに自信ありげにこっち見とんねん。
猫又はびっくりした様子で消えていった。
私はイライラしていた。
怖がらせようとするのは結構だが、なんで怪談なんだよ。
せっかくお化けなんだから、自分で勝負しろっつーの。
怪談も、使い古されたネタばかり。
毎晩毎晩オチのわかる話を聞かされる身にもなって欲しい。
そんな私の願いも適わず、翌11日目の夜に現れた女の
幽霊は最悪だった。
「・・・それがテケテケーッって走るの! グワーって
凄いの! それテケテケおばけって言うんだけど・・・」
感情が先走って上手く話せないタイプだった。
私は暇つぶしに作ったおフダハリセンで思わず引っ叩いた。
(続く)
18日目くらいに出てきた、のっぺらぼうも酷かった。
口がないのでジェスチャーなのだ。
「鏡? は置いといて、え?なにそれ、ああ、口紅?
で、なに。鏡に・・・何かを書く? A?次がI?
ああもう、オチ分かってるしもういいよ。エイズの
世界にようこそってんだろ」
のっぺらぼうの表情は分からないが、きっと悔しそうに
消えていったのだろう。
そんなこんなで29日が過ぎた。
「ベットの下に男がいたんだろ!」
私の切れ気味の突っ込みに、怯えた様子で一つ目小僧
は消え去った。
私は深いため息をつくとソファーに腰を沈めた。
やっとこの怪談地獄も明日で終わりだ。
いったいもこって野郎は何を考えているのか。
怪談は寒いし、お化けもなんか古くてベタなのばかりだし。
つまらなすぎて酒が進む進む。
最後のあたりは焼け酒気味に昼間っからウイスキー(役得)
をストレートでガブガブ飲み続けていた。
(続く)
稲生物怪録では最後の日、「魔王・山ン本五郎左衛門」
と名乗るお化けの総大将が現れるのだが、魔王を気取る
もこってやつはいったいどんなヤツなのか。
私はイライラしながら、そしてどこかワクワクしながら
30日目の夜を待った。
最後の日なので、「ルイ13世」とか書いてある高そう
なブランデーを遠慮なくガブ飲みしながら、私は居間の
ソファーで踏ん反りかえっていた。
するとどこからともなく笛と太鼓の音が響き渡り、
しずしずと裃を着た武士が部屋に入ってきた。
「拙者は山ン本五十六郎左衛門と申す魔物。そなたの
ような勇気のある者は知らぬ」
「って、ちょっとまてーい! おまえがもこちゃうんか」
「は? 拙者はかの山ン本五郎左衛門から数えて51代目
にあたる由緒正しき魔物の棟梁でござる」
「俺はもこが出るからって、ヒック。聞いて来たんらぞ」
「もこは13日目に出たはずでござるが・・・」
「下っ端かよ!! しかも印象薄っ!!」
(完)
ハゲワラタ gj
面白かった!アリガトン
815 :
もこ:04/10/03 16:39:52 ID:ATphUwVc
moko
816 :
本当にあった怖い名無し:04/10/04 11:36:36 ID:yicl3KGy
ガラガラの始発電車で誰もいない車両の座席のド真中に座っていると、
サラリーマン風のおじさんが乗ってきて、俺の隣に座った。
817 :
本当にあった怖い名無し:04/10/05 02:16:22 ID:qPY3WIfs
手塚のアトムを浦沢が漫画にしたやつ…
詳細ご存知の方は教えてください
818 :
本当にあった怖い名無し:04/10/06 20:39:57 ID:erApmvX/
「浦沢」「PLUTO」でググれ
スマソ過去ログみて気づいたよ、生き残っていたんだね、ありがとう
ちわ
おやすみなさい、みんな
おやすみなさい、みんな
823 :
本当にあった怖い名無し:04/10/08 03:10:26 ID:RFIRJiob
test
824 :
本当にあった怖い名無し:04/10/08 08:11:27 ID:/sDO3OuV
スナかよ
825 :
本当にあった怖い名無し:04/10/08 08:39:18 ID:ef3PyAfD
スナはくるな!
826 :
スナ ◆ZNyJwwmqhY :04/10/08 15:15:04 ID:RFIRJiob
君は 作 スナフキン
国道沿いの高架橋のトンネルを歩いていると携帯のラジオから
松田聖子の赤いスイトピーの曲と共にリスナーの投稿を顔も知らないアナが
読み始めた。大きな音をたてて大型トラックが側を物凄い勢いで次々と走り去っていく
「ザーーーーーー卒業してからも、その関係に変わりはありませんでした。ザーー
学生時代から、ザーーーー行ったカラオケでの彼女の十八番は、ザー聖子ちゃんの「赤いスイトピ−」でした。
その彼女が、この3月に結婚することが決まザー」
「赤いスイトピーか」俺はそう呟くと松田聖子の「赤いスイトピー」のメロディーを
思い出した。〜心の先には 赤いスイトピー
何となく涙が出てきた。昔の失恋した時の切ない感覚が蘇ったのだ。
高架橋を抜けると海が見えた。防波堤に階段があったので海に入った。
突然潮風の香りが身体を取り巻いた。
気がついた、俺は彼女とこの海に飛び込んだんだよな。
「彼女、彼女、思い出せない」
俺は沖へ向かって歩いた。胸の上まで海水が来た頃何となく
何かを思い出せる気がした。息苦しくなって近くの海草にしがみ付いた。
「大丈夫か俺」海草にしがみつきながら冷静になろうと努めた
「岸に戻らにゃきゃ」その時海草がずるっと向けた。よくみると半分腐乱した
長い女の髪の毛だった。俺はすべてを思い出した。
「君は・・・・・・」
827 :
スナ ◆ZNyJwwmqhY :04/10/08 17:14:00 ID:RFIRJiob
小さなみかん 作スナフキン
愛媛の蜜柑園の道路を隔てた荒地に小さなみかんが芽を出しました。
意識がありました。気がつくと病院の集中治療室にいたのでしょうか
綺麗な看護師さんが俺の周りを慌てながら走っています。実は空中から
自分を観察していたんですがお母さんが手を握って泣いています。
医者が走ってきて心臓マッサージをして大きな枕のような機械で心臓に
電気ショックを与えています。自分の体がピクピク動くのを観るのは
変な感じです。いや自分ではないのかも知れません。俺はここにいるよ・・・
田舎に帰りたいと思いました、母さんや父さんや、爺さんや弟のいる所に・・・
みかん畑の道路を隔てた草地に小さな芽が出ました
828 :
スナ ◆ZNyJwwmqhY :04/10/08 17:59:30 ID:RFIRJiob
(><)わかんないんですう
829 :
本当にあった怖い名無し:04/10/08 19:29:12 ID:RFIRJiob
あひゃ
830 :
白菜鍋:04/10/09 00:02:35 ID:rxeWS853
毎日のように繰り返される宴…豪華な食事に美しい女…
煌びやかな豪邸に招待され1年が過ぎる頃、男は唐突「うちに帰る」と言いだした。
女主人は男の望む事の全てを叶えるつもりでいたので、
帰ることが男の望む事であるならば、聞き入れぬ訳にはいかなかった。
・「随分と長い間ここでお世話になったが、わしはどのくらいの時間を過ごしたのか?」
・「この地は、貴方様がいた世界とは時間の流れが違います。
ここで過ごしなされたのは、ほんの1年程ですが…貴方様の世界では
短くとも100年は過ぎております。それでもお帰りになるのですか?」
・「100年? ・・なんと!!」
女主人のそんな言葉を聞いても、男には信じる事ができなかった。
だが、実際に元の世界で100年が過ぎているとすれば、昔の友人たちは生きてはいまい。
それどころか、自分の家族も。自分を知る者もいないだろう。
家も100年の間に朽ちているかも知れない。
・「うむ… 帰る。 帰るが、最後に頼みがある。よいかな?」
男は女主人に、元の世界に帰っても困らないだけのお金を用意してもらうことにした。
普通に考えれば法外な金額だが、これだけの豪邸に住むなら難しい話ではないと考えたのだ。
はたして女主人は男が申し出た額を用意してくれた。
・「私にできるのはここまでです。どうかお体に気を付けて…」
・「おお、ありがとう! ここでの生活は楽しかった。貴女も達者でな。」
男は屋敷に来た時に自分が着ていた服に着替え、身支度を整えるとお別れを言った。
女主人と家の者は門の前まで出て男を見送った。
そして男は、すっかり景色の変わった元の世界に戻って来た。
行き交う人々が男の姿を珍しげにじろじろと見ては無関心を装い通り過ぎて行く。
・「ほう…これが100年先の世界か。なるほど凄まじい変わりようだ。
体の大きい者が多いな。まるで鬼じゃ! これは墓石か?とんでもなく巨大になっておる…
地面には土が無いぞ。 ははは、見たことの無いものの何と多い事か…。」
男はキョロキョロと辺りを見回した。
・「…さて、先ずは住む家を捜さねばな。」
男は女主人に用意させた1000円が懐にあることを確認すると、鼻歌まじりに颯爽とビルの谷間を歩き出した。
831 :
本当にあった怖い名無し:04/10/09 14:41:28 ID:DKswzfC8
コンビニでの何気ない出来事(何気ない誕生) 作スナフキン
俺は彼女と一緒に夜の買出しにコンビニへ来ていた。
最近のコンビニは商品が抱負でワインやおつまみまで用意されている
籠の中にはおにぎり、烏賊のおつまみワインなどが入っていた。
奥の棚に懐かしい物を見つけた俺は彼女に聞いた。
「なお、これ買ってもいいかな」俺が手に取ったのは小さなプラモデルだった。
なぜか急に欲しくなったのだ。女子大生のなおは笑った。
買い物が終わりレジにつくとおにぎりを見た若い女性の店員が当たり前のように
聞いた。「おにぎり暖めましょうか」
俺はすかさず籠からプラモデルを差し出していった「暖めてください」
なおは大うけしたが店員は困ったような顔をしていた、が、・・・
すべてはここから始まった。
店員が「分かりました」といってプラモデルを電子レンジの中に入れて
暖め始めたのだ。俺となおは驚いたが笑顔の可愛い店員は何事も無かったように
他の商品をピッピと計算している。籠の商品がなくなった頃異変が起きた。
電子レンジが真っ赤に燃えているのだ。俺は店員に叫んだ「レンジがレンジが燃えてるよ」
店員はチラッとレンジを見るといった「もうすぐ完成ですね」
レンジが真っ赤に燃えている。やっと違和感を感じた俺は急いで金を払って
この場から逃れようとした。5千円札を出して「お、お釣りはいいです」と言いながら
ポリエチレンの袋に手を通した俺はなおの手を握ると急いで店からでようとした。
「お客さん忘れ物ですよ」店員はそういうとレンジの扉を開けた。火が店員の体を包んだ
火の塊になった店員は金縛り状態になった俺となおに右手を差し出した。
そこには炎の中に小さな赤ちゃんがいた。俺は受け取ったが熱くはなかった・・・
店員がいった「これに気づいたのはあなたが初めてですよ」
炎の中に可愛い笑顔があった。「この赤ちゃんは俺の子供ですか」俺は必死で叫んだ
店員は言った「あなたがのぞんでいるものですよ大切にしてください」
コンビニを出た。コンビには火の海になって人が集まってきた
俺となおは急いでその場を離れた。消防車が何台も通り過ぎた。手の中に小さな
火に包まれた赤ちゃんがいた俺はなおに聞いた「俺達で育てるのか」
なおが頷いた。私達の赤ちゃんにしましょう。
832 :
スナ ◆ZNyJwwmqhY :04/10/09 14:42:31 ID:DKswzfC8
↑スナです
833 :
スナ ◇ZNyJwwmqhY :04/10/09 20:02:24 ID:DKswzfC8
小さな幸せ 作スナフキン
俺が子供の頃、覚えた贅沢がありました
学校の帰りに小さな店がありました。おばあさんが優しそうな店でした
気になっていたので親友の愛ちゃんと店に入ったのがきっかけです。
「おや、珍しいお客さんだね、何を食べたいんだね」
おばあさんはびっくりしたように小さな客を迎えてくれました.
俺と愛ちゃんは顔を見合わせると頷いていいました。
咲←俺だが「おばあちゃん、二人とも200円しか持っていません」
愛ちゃん「このお金で何が食べられますか」
おばあちゃんは笑いました。特別料理が食べられますよ。じゃあ400円
いただきますよ。おばあちゃんはそういうと店の奥に入っていった。
愛ちゃん「咲ちゃん楽しみだね」
俺「うん、蕎麦とせんざいが美味しいんだよこの店」
しばらく待っていると店の痩せた爺さんが現れた。
ふう、久しぶりの風呂は極楽じゃ、お嬢さんたち今日は美味い蕎麦が食べられるよ
めんこい子達じゃ。俺は不安そうに言った「あの、、ぜんざいだけでいいです」
爺さんが笑った「あはは、家のそばの出汁は美味いぞ、食べていきなさい」
間もなくおばあさんが天ぷら蕎麦を二人分持ってきた。おばあさんは言った
よく見るとおじいさんもおばあさんも右手が無かった。俺と愛ちゃんは急いで
店を飛び出した。
834 :
もこ:04/10/09 22:23:54 ID:6sXghV++
スナよかったよ もこ
雨の中、つり橋の中ほどで谷底に流れる川を見下ろしていた。
気配が近付いて来るのが分かる。つり橋を渡りはじめる気配の目的も分かった。
私はきっと突き落とされるのだ。あと2m…1m…そこで目が覚めた。
朝日が眩しい。とても良い天気だ。
今日から3日間、休みを使って彼女と渓谷に遊びに行く。
…しかし、初日に変な夢を見たものだ。行きの車を運転しながら、今朝の夢を思い出し苦笑した。
夏の初め。春に芽吹いた緑が一層濃くなり素晴らしい眺めだった。
都会での生活が長く続くと、こういった場所の空気はとても心地良い。
明日の朝はいちばんで森の中にあるつり橋まで行くつもりだった。
…つり橋。まぁ夢は夢だ。
笑いながら森の中を歩いた。久しぶりに2人きりで時間を過ごす。
彼女とは友達関係から始まったので、遊ぶ時にはだいたい他の友人も一緒の事が多い。
雲行きが怪しくなってきたので、つり橋近くの茶屋で一服する事にした。
男が茶屋で休んでいると、仲の良さそうな一組のカップルが入って来た。
彼女は男の好みだった。連れの彼氏がトイレに席を立った。
今しかない…
男は彼女に声をかけた。「この先の道は〜地図ありますか?」男はこの女を襲うつもりでいた。
女は疑いもせず道を教える為に男と共に外へ出た。すでに雨が降っている。
ここでは道が見えない。と、上手く木陰に誘導する。男はそこで女に襲い掛かった。
上着のボタンが弾け飛びブラジャーが露になる。胸も大きい、ますますこの女が欲しくなった。
しかし、女は男の脇を上手く掻い潜り、走り逃げた。
すぐに追いかけ、つり橋の中程で追いつくと、そこでもみ合いになった。
女が股間を蹴り上げる。逆上した男が女を殴ると女はバランスを崩し谷底へ…
男は女が落ちていった谷底の川を眺めて言った。
「これは夢だ…」
>>835 |ω・`)これ結局どういうことになってる話?
野暮って言われるかもしれないけど、どなたかご教授を。
>>836 どことどこが繋がっとるのか
どこで切れてるのかわからんですなあ
838 :
スナ ◆ZNyJwwmqhY :04/10/10 03:31:34 ID:EpBmuczE
もこもこ
839 :
もこ:04/10/12 01:32:55 ID:X6bW7muW
誰かお話してけろ
引越し屋の持ってきたダンボールは3箱
なんとか2箱分を狭いワンルームのあちこちにつめ終わり
3箱目に詰まっていた衣類をクローゼットにしまい終えたところだった
箱の底に残っていた小物を手に取って
さて、どこに押し込もうか
と、クローゼットに頭を突っ込んでそれを見つけたのだ
黒い布切れに包まれた四角いそれは妙に私の気を引いた
箱に残った小物をほおり出して
私はうきうきとその布切れを解き始める
長い切れで念入りに巻かれたそれを解いでいる途中
はらりと紙切れが落ちた
何だろうかと拾ってみると黄色くなった紙に
古い字体でで何かかれているようだ
読めはしなかったが何かまじないの類であることは理解できた
とたん、その物体は宝物から忌まわしいものへと変わる
しかし好奇心は薄れることはなく包みを解き終わった
何のことはない、「絵」である
B4程度の大きさで、いすに座った少女が描かれていた
先人の忘れ物だろうか
じっと見つめるような目が気に入ったので
私は部屋を見回しテレビの上にそれを置いた
紙切れのことはすでに頭から消えていたが
異常にはすぐに気がついた
残りの小物などを片付けているとき視線を感じたのである
その視線に降り向くと絵があった
あぁ、なるほどそういう絵なのか
なんとなくは理解したが、害があるわけでもない
そのままにして出たごみなどを片付けていた
害に気がついたのは
片付け終わってシャワーでも浴びるかと思いついたときだった
なんですのん?
咳が止まらない。気管が傷ついた様だ胸が痛い。
咳とともに錆びた鉄の様な臭いがする。おそらくこのまま止まらなければ、
タンに血が混じるだろう。
しばらくそのまま咳が続いてようやくタンが出た。まだ喉に何か有る感触がする。
再び咳が止まらなくなる。
今度はかなり激しい発作のようだ、あぁ吐き気が登ってきた。
トイレで少しおう吐する。
大量の髪の毛が胃から逆流してきた。長い毛がたまった便器は不気味だ。
840の続きをハゲしく待っているのだが…。
「バケツ」 作:新参者
それは、ただのプラスチック製のバケツだった。
あるとき、男がそのバケツに頭を突っ込んで死んだ。彼は無理矢理泥酔させられ、命を奪われたのだった。
殺人者はバケツを持ち去り、見知らぬ街の道に捨てた。
空き缶回収の男が、バケツを拾った。彼はそれを自分で使うことにした。
ある日、彼は酔っ払い、バケツに足を突っ込んで転倒した。打ち所が悪く、死んだ。
バケツは河川敷の小屋から川に転がり落ち、ゆるやかな流れに乗った。
ちょうど流れてきた流木にひっかかり、沈まなかった。
河口付近で釣りをしていた子供が、バケツを拾った。
ちょうど魚が釣れたので、バケツに入れて持ち帰ることにした。家で飼うのだ。
家に帰り着いた。いつのまにか魚は死んでいた。
母親は薄汚れたバケツを取り上げた。
それからしばらく経った資源ゴミの日。バケツをゴミに出した直後、母親は家から炎が上がっているのに気づいた。
家は全焼した。出火原因はわからなかった。
リサイクル工場に運ばれたバケツは粉砕され、プラスチック成形の会社に買われていった。
ある日、工場の成形機に、原料として投入された。
奇しくも、またバケツになった。
他の原料と一緒に攪拌されていたため、元のバケツは数百個の製品に分散していた。
バケツたちは今、いくつかの街の、いくつかの店で、誰かに買われるのをじっと待っている。
思いつきで書くとやはりだめですね。一語誤ってました(汗)。二行目を改稿。失礼しました。
「バケツ」 作:新参者
それは、ただのプラスチック製のバケツだった。
あるとき、男がそのバケツに頭を突っ込んで溺死した。彼は無理矢理泥酔させられ、命を奪われたのだった。
殺人者はバケツを持ち去り、見知らぬ街の道に捨てた。
空き缶回収の男が、バケツを拾った。彼はそれを自分で使うことにした。
ある日、彼は酔っ払い、バケツに足を突っ込んで転倒した。打ち所が悪く、死んだ。
バケツは河川敷の小屋から川に転がり落ち、ゆるやかな流れに乗った。
ちょうど流れてきた流木にひっかかり、沈まなかった。
河口付近で釣りをしていた子供が、バケツを拾った。
ちょうど魚が釣れたので、バケツに入れて持ち帰ることにした。家で飼うのだ。
家に帰り着いた。いつのまにか魚は死んでいた。
母親は薄汚れたバケツを取り上げた。
それからしばらく経った資源ゴミの日。バケツをゴミに出した直後、母親は家から炎が上がっているのに気づいた。
家は全焼した。出火原因はわからなかった。
リサイクル工場に運ばれたバケツは粉砕され、プラスチック成形の会社に買われていった。
ある日、工場の成形機に、原料として投入された。
奇しくも、またバケツになった。
他の原料と一緒に攪拌されていたため、元のバケツは数百個の製品に分散していた。
バケツたちは今、いくつかの街の、いくつかの店で、誰かに買われるのをじっと待っている。
ちょっと鬱になりました。。
いかん。あちこち書き直したいとこがボロボロ出てきた。
だからあれほど、一晩寝かせてからカキコしろと、自分に言い聞かせてるのに・・・
今度からそうします。。
847 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 22:30:59 ID:GVIbBXR9
美人の歯医者さん 作スナフキン
先生が綺麗な歯医者を見つけました。実はたまたま虫歯が痛くなって
仕事の帰りに通った可愛い歯医者を見つけたのです。
歯医者の名前は「動物の歯医者さん」でした。
気に入った俺は何気なく歯を観て貰うつもりで歯医者に入ったのですが、
さすがに動物の可愛い絵本が沢山ありました。子供達が沢山居るな
そう感じた俺は、少し安心しました。先生の顔を見ると優しそうな綺麗な
先生です。若いお母さん達がお辞儀をしながら泣き叫ぶ子供を見た時も
何も感じませんでした。目の前にポスターがありました。
そこには歯の生え揃ったおじいさんがいました。何か歯を抜くことは禁止する
ようなポスターでした。
名前を呼ばれてビクビクしながら中に入ると、巨大な女性の助手が、現れました。
無理やり助手席に押し倒され、手首や首を鉄の輪で絞められながら、助手が
いいました。「先生はお昼ご飯だからしばらくそのままにしてろ」
続く
848 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 22:44:55 ID:ooIfGyLb
続き
その後俺はベッドに縛り付けられながら時を過ごした、時計を見るともう2時間が過ぎていた。
その時、隣の部屋から絶叫が聞こえてきた。
「ぎゃあああああああああああああああっ!!」
ガチャッ
ドアの奥から現れたのはさっきの助手が生首を片手に入ってきました。
「いちいち騒ぎやがるから、殺しちまったよ、ひひひひっ・・・」
助手は生首をゴミ箱にほうり投げると俺に近寄り、
「さぁ、次はお前さんの番だよぉ、ひひひひひひひ」
と言いました。
続く
849 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 22:49:20 ID:ooIfGyLb
助手は懐からなにやら得体の知れない器具を取り出すと
俺に向けてそれを顔に近づけてきた。
「さぁさぁ、次はお前の番さぁっ・・・!!」
俺は不覚にもションベンを漏らした。ションベン漏らすのは小学校以来だった。
「こいつ、ションベーンをもらしやがったな、この野郎っ!!」
助手は木製バットを俺に振り下ろした。
「いたたたっ、やめめて!やめて!」
その時だ、不意にドアが開いた。
続く
850 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 22:54:37 ID:ooIfGyLb
「そこまでだっ!!」
仮面の戦士がおもむろにドアから入ってきてそう叫んだ。
「なんだぁ?お前はぁ?」
助手は持っていたバットを仮面の戦士に向けて振り下ろした。
「あまいっ!」
仮面の戦士はバットをよけると助手の顔面を軽く殴った。
そしてポケットからガムテープを取り出すとそれを投げた。
「いててて、ちくしょうぉ〜、こんにゃろぉーーーーっ!!」
助手はタンスの奥からモーニングスターを取り出し、それを
見せつけて、こう言った。
「げへへへへへっ、こいつでとどめをさせてやるよ」
続く
851 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 23:00:06 ID:ooIfGyLb
「問答無用!」
仮面の戦士は飛び上がると
「へんしーーーーーーーーーんっ!」
と叫んで変身した。
「む?こいつぅ・・げへへへ」
助手がボーリングの球を2個同時に投げると、仮面の戦士はそれをよけ
こう叫んだ。
「あまいっ!」
次に助手が叫んだ。
「こいつでどぉだぁあ!?」
助手はブーメランに似た形の物を取り出し、それで仮面の戦士を叩いた。
俺は小学校以来二度目のションベンを漏らすことになる。
続く。
852 :
本当にあった怖い名無し:04/10/13 23:04:22 ID:ooIfGyLb
暇だったので俺はそんな妄想をしながら待合室でべそ。
でべそ、それは永遠の輝き。
完
また先に目が覚めてしまった。
シャワーを浴びることも出来ないくらいフラフラにされたのに。
隣に寝ている男を見る。
長いまつげ、寝ていてもわかる大きな目。
ほんと女顔だよな、こいつ。
首なんか私でも絞めれそうなくらい細い。
そっと、手を廻してみる。
男がした小さな咳の音で私は我に返った。
>>853 なんかすごくわかるー
あまりに無防備に寝てられると
憎いわけでもないのにそんな気になる
856 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/15 03:24:46 ID:ekURqn5J
普通に明日歯医者に行こうと思って書いたのに;;
続きを書きたかったのにぃ、でも、このスレおもしろいよ
『先っちょ』
子供の頃からダメだった。
何か鋭いものを見ると、心臓を握られるような苦しさ、怖さを感じるのだ。
俺はずっと「先っちょ」から逃れながら生きてきた。
逃げ続けて、気がつけば高校生になっていた。
何かを恐れている人間はそれを隠すために強がるものである。
俺は荒れるようになった。
他人が俺に対して抱く恐怖を感じ取ることで、「先っちょ」への恐怖が紛れる気がした。
ある日、学校の屋上で授業をサボってパックコーヒーを飲んでいると、体育教師が見回りにやってきた。
そいつは俺がいることに気付くと、ゆっくりと諭すように話しかけてきた。
ぶっきらぼうに受け答えをしていると、そいつは一言言った。
『なぁ…どうしてそんなに尖っているんだ…?』
全身の毛穴が開いていくのがわかった。
冷たい嫌な汗が一気に背中を濡らしていく。
そんな…俺が最も恐れている『先っちょ』がまさか俺自身だったなんて!
心臓が胸を突き破りそうなほど鼓動している。
恐怖しているのだ、俺自身の存在に。
『あぁぁぁあぁぁあぁあぁあぁあああぁあああぁぁぁぁっ!!』
俺は手すりに足をかけると、地面に向かって勢いよく飛び降りた。
平らな地面に向かって。
860 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/16 00:16:43 ID:+so0bkVS
白菜鍋さん好きですよ、
「メールが聞こえる」
人と話すのが苦手だ。
会話自体が嫌いとかではなく、軽い対人恐怖症と赤面症のせいで人に会うのが億劫なのだ。
子供の頃は空想上の友達とノートで語りあったりする遊びが好きだった。
中学の時 進学祝いで両親からパソコンを買って貰った。
自分でPCの本を買ってホームページを作ったり 他のサイトへ遊びに行って
気の合った人とリンクしたりしているうちに毎日が楽しくなってきた。
学校では相変わらず大人しくしている。
あえて目立たないように休み時間は用もないのにトイレに行ったり席をはずす。
とにかく一人でいる事が自分にとっては重要なのだ。
下校時間が待ち遠しくて仕方が無い。
授業中でもホムペで知り合った「僕の世界の友人」に送るメールの内容を
こっそり考える。
その中でもFとJは特別だ。 ゲームの種類 愛読書 音楽のレパートリー
全てにおいて趣味が合う。
初めて彼らからメールが来たときは嬉しくて嬉しくて 何度も読み返した程だ
そのおかげで メールを読む度 僕の頭の中で「声」をイメージするようにまでなってしまった。
僕にとっては彼らは親友であり かけがえの無い存在ですらある。
早く家に帰って話しをしたい。 彼らの声が聞きたい。
いや、もう既に頭の中では僕を読んでる声が聞こえる。
「お帰り」「お疲れー」 皆が待ってる 皆が呼んでる。 早く帰らないと。
昨日のFとの会話を思い出しながら足早に歩く
「おまえが欲しがってたCDみつけたよ 今日は買えなかったけど明日買いにいくつもり(金がたりなかったにょ)」
Jはバイト先から面白い話しをしてたな
「店長とさ 賭けしてたんだよ 次に来るお客さんが男か女か 俺? もちろん女に10マンペリかw」
家に帰って速攻でPCを立ち上げる。
期待通り メールボックスにはびっしり詰まってる!
DMの他にはFから5通 Jに至っては12通だ Jはのべつ幕無しちょっと面白い事があるとすぐ報告したがるからなあ。
話題の混乱を避けるため まずはFのメールから開いてみた。
CDについての感想と 好きな本の紹介 驚いた 僕が読んだ本と一緒!
早速 Fに返信メールを送った。
Jは 数の多さに反比例して内容は短いながらも笑える
「やったー 俺勝ったよ店長に!」「晩飯ゲットー!」「何食おう?」「焼き肉だって♪」云々
いいなあ 焼き肉かあ食べたくなってきた。
今度はJに返信を....
『行くなよ!』
ピクっと指が止まった。
Jの声だ え? 何の事だろう....メールにそんな事 書いてないよなあ
読み返してみたが それらしき文章はない。 今頃店長に焼き肉を奢ってもらってる時間だ。
多分テレビの音が漏れてそう聞こえたんだろう。
「健一 ご飯の支度ができたけど 食べる?」
母さんがドア越しに声をかけて来た。
「友達にメール送ってから食べるよー」
あれ? 聞こえなかったのかな ちゃんと返事したのに、、。
Jに.......ああ、母さんまたアレかな、反抗期だの何だのって思い違いでもしてるかも。
面倒くさいな 先に夕食済ませちゃえ。
階段を降りてダイニングキッチンへ行くとホットプレートと肉が用意されてた。
「へえー今晩 焼き肉なの? ちょうど食べたかったんだよ これって以心伝心ってヤツ?」
Jと同じ物なんて どこまでも偶然がつきまとうな そうだ この事Jに教えてあげよう
驚くだろうな ふふ....
「ねえ、メル友のJも今頃 焼き肉食べてるんだよー 変なのー」
ご機嫌で焼かれた肉を平らげて行く 母さんは何故か不機嫌ぽい
そんな事って子供の頃から何度かあったが 今は気にしない アレでしょ? 生理とかなんとかってやつ
女の人は大変だね。 あからさまに顔に出るんだから。。。
「ごちそうさま」
こういう時はとっとと自分の部屋に籠るに限る。Jにメール送らないと それから.......
腹が一杯になったせいか 急激に眠気が襲って来た。
少しベッドの上で休もう それからJにメールして.......
気が付いたら昼近くだった。
え! 今日 平日だよな! 学校! ああ もう!
「母さん!何で起こしてくれなかったの?」
階段を滑る様に降りながら叫んだ。
「起きたの? じゃ行こうか」
身支度を整えた母さんが冷静に言う
「行くって 何処に?」
「早く車に乗って 用意できてるから」
何の事だろう どうしちゃったんだろう まるで狐につままれた状態だ。
呆然と立ち尽くしていると「ほら 早く」と背中を押された。
訳が解らないまま車に乗る。 ちょっと待てよ? 俺 何か忘れてないか?
『行くなよ』
Jの声だ! しまった メール..........
「母さん ごめん 俺メールし忘れた 昨日しなきゃいけなかったんだよ すぐ すぐ戻るから!」
慌てて車から降りようとしたが車は急発進 有無を言わさず走り出した。
「何でだよ! ちょっとくらいいいだろ! 訳わかんないよ」
喚こうが騒ごうが そんなのおかまい無しで車は走る。
真昼の強い日差しの中で その白い建物はやけに眩しく視えた。
見覚えのある建物
「ねえ 何で病院なの? 母さん調子悪いの? 夕べから変だったよねえ」
無言で車を院内の駐車場に止め 迷いもせずに病室につれられて行く。
『行くなよ』
部屋の前で足がとまった。
急激に襲う不安と恐怖感で鳥肌と冷や汗がどっと吹き出した。
「い、いやだ、、いやだよっ ねえ 帰ろう 帰ろうよ!」
気が付くといつの間にか医者や看護士に取り囲まれていた。暴れる隙も与えられずに取り押さえられた。
「薬は?」
医者の問いに母さんが答える。
「今日はまだです....」
「じゃ安定剤 飲めるかな? 健一君」
何で俺? 飲む訳ないじゃ、、、
後ろを振り向くと注射器をもって待機している看護婦が目に入った。
痛い思いはもう懲り懲りだ「はい、飲みます」言われる侭に薬を口に入れ差し出された水で流し込む。
もうね 本当に痛い思いは、、『もう?』
10分と立たないうちに汗は引き 頭はかなり冷静になってきた。
大人しく病室に入り見慣れたベッドの上に腰を降ろす。
母さんは大きな紙袋の中から僕のノートパソコンを取り出し医者に渡した。
勝手に開けるなと心では思っていても大人しくしていなければ と思う自分がいる。
医者の問いかけにロボットのような口調で僕は答える。
「最近はどっちの声が聞こえる?」
「J君です」
「彼は君に何か命令とかする?」
「命令とかじゃないけど、、断片的に、、」
「J君は健一君に何て言ったか覚えてる?」
「行くな」
「ふうん 何処へ?」
「別に、何処とは、、ただ 行くなって、、、」
「そうなんだ」
医者は優しげに話しを一通り聞くと母さんにこう言った。
「外泊は暫く止めて入院治療に戻しましょう。携帯とPCは別々にしておいた方がいいでしょう」
母さんが話す
「子供の頃からノートに空想上の友達を書いて お手紙ごっこが好きだったんですけど ほんとにただの遊びだと」
医者は無表情で答える
「普通は遊びで済みますね。思春期過ぎても自覚があれば直る可能性はありますが、声まで聞こえるとなると」
悲しげな母
「直りますか?」
キッパリと言われた
「自作自演症候群は難しいですねえ.....」
そうだFもJも僕が作った空想の友人 学校から携帯でメールを自分のPCに打ち込んでたんだ。
急に笑いが止まらなくなった。
「ふふ、、ふははあ あーっはっっはっっはははは!!!」
消毒用アルコールの匂いがツンと鼻をよぎった その途端腕にチクリと痛みが走った。
意識が遠のいて行く その向こうで今度はFの声が聞こえた。
『来いよ』
長々と失礼しました。
これは真一が「メール」「難聴」でとお題を出してもらって書いてみました。
もっと短く 完結したかったのですが 長過ぎましたね。
つぎは もう少しまとめた作品にチャレンジしたいと思います。
乱文ご容赦の程 お願いいたします。
>>869 ああ、あのお題(というかただの思いつき書いただけだけど)で
書いたやつだったんだ。最初読んだとき気付かなかったよ(ゴメン)。
871 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/17 02:00:17 ID:ubMn50H+
おもしろくないんですが、「」に拘った文章が多すぎますよ
872 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/17 02:01:57 ID:ubMn50H+
次は長文であいましょ
873 :
本当にあった怖い名無し:04/10/17 02:53:34 ID:9p4qbLui
砂ウゼエ
『メールが聞こえる』拝読しました。
率直に申し上げますが、アイデア自体はよくある分身テーマながら、
短すぎもせず長すぎもせず、ほどよくまとまっていると感じました。
2chでは、ある種の視覚的錯覚により、どうしても長ったらしく見えてしまいがちですが、
別のフォーマットに換算すれば、文章に贅肉は殆ど無いのがおわかりいただけると思います。
「」を用いたセリフも、無駄はありません。必要な場所に必要なものが配置されている。
また、「自作自演症候群」という造語も秀逸です。実際今後使われるのではないかと、想像をかきたてられる。
従来の狂言・妄想というカテゴリーでは新種の症候群を収めきれないでしょうから、
この覚えやすいこの造語が採用される可能性大だと思えます。
自作自演症候群が流行語大賞にノミネートされる日が来ませんように。恐ろしすぎる。
スナにはどうこう言われたくないな。
今まで一度たりともスナ作品を面白いと思ったことない。
誰からも感想がつかないのがいい証拠。
あと今まで
スナ=紙石鹸なのかと思ってたけど(なんとなく)
初めて紙石鹸の文章読んで別人だと確信した。
面白かったよ、また書いてね!
>>875-876グダグダいうな、ここでの文章がおもしろくないのは
金銭が絡んでない自由な掲示板だからだよ。
>>874さん気を悪くしたなら
ごめんなさい。みんな文句があるならおもしろいオカルト小説を書けよ
スナ、釣りにしたって面白く無さ過ぎ。
話もレスもウザイ。
>>870 ひどいなあ(笑
>>874 一瞬スレ間違えたかと思ったよw
>>876 このスレに小説書いたの初めてで緊張しました。読んでくれてありがと。
>スナさんには面白くなかったみたいですね。
人それぞれ好みもありますし こればかりは仕方ないですね。
読んでくれた上での批評ですから素直に受け止めます。失礼しました。
「電池」
人間ってオモチャとは違うんだ……。
一度電池取っちゃうと、もうはめ直しても動かないんだ……。
もう一度動いてお母さん……。
僕のことまた叱って……。
>>879ごめん、他スレは読まない事にしているだけだよ
引き込まれるからね、ごめんね
>>881 ドコに対してのレスだよ…
真一さん、やっぱり読ませるなあ。面白い。
>>881 ん?僕に対してのレスかな?
だとしたら謝る必要はないよ〜 感想は人それぞれだから。
>>880 やるなあ たった4行でうるうるくるやつ。
これ、僕がめざしたいのはこれなんだよ。 超SS。がんばろ!
来週くらいに長編書く予定です。よろしく
885 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/18 18:59:17 ID:96SFs3vX
あげといてここ
886 :
スナは:04/10/18 20:42:05 ID:0X/JzCVU
つまんにゃいから
いらにゃい
887 :
もこ:04/10/18 22:54:38 ID:6NN1KCXv
そうだそうだ〜
888 :
本当にあった怖い名無し:04/10/18 23:18:13 ID:96SFs3vX
スナは :04/10/ |18 20:42:05 ID:0X/JzCVU
つまんにゃ |いから
い /らにゃい
887 :もこ : \04/10/18 22:54:38 ID:6NN1KCXv
そう ←だそうだ〜
| ヘ⌒ヽフ
| (・ω・ ) またつまらぬものを切ってしまった
/ ∠ y 7+--------
\ |__|
← WW
889 :
本当にあった怖い名無し:04/10/18 23:30:18 ID:96SFs3vX
↑スナです
お休みもこ
うわ…さむ…ヤバすぎ
891 :
もこ:04/10/20 05:12:43 ID:hA4LY6m4
次のお題は「ロンリーウルフ」
で
892 :
モこ:04/10/21 11:16:47 ID:HIb3MAmN
ちくしょう。
893 :
本当にあった怖い名無し:04/10/21 17:52:37 ID:bveWa5Rg
どこの小学校にもあると思う。学校の七不思議…
ウチの学校にもあるんだ。ほとんど嘘だと思うけどね。
今年でもう卒業だからって、一人で始めたんだ。七不思議巡り。
最初は『理科室の動く人体模型』 これは嘘だった。
二番目は『図書室のすすり泣く女の子の霊』 これも嘘だった。
三番目は…って順番に回っていったけど結局六番目までは何にも起こらなかった。
次がいよいよ最後の七番目『図工室の呻くモナリザ』。
夜になるとモナリザが呻くんだってさ。ありがちだよね。
でも…これだけはホントかもしれない…
担任の先生も、宿直の時は図工室だけは避けて通るって言ってた。
夜の図工室は黒い絵の具みたいに真っ暗だった。
鍵がかかってると思ったけど、ドアノブは簡単に回った。
扉が金属の軋む音をたてた。懐中電灯が消しゴムになって闇を消していく。
え〜と、棚、黒板、棚、石膏でできた男の人、あ、あったあったモナリザ。
懐中電灯に照らされているのに、少しも眩しそうにしないでモナリザは微笑していた。
2/2
少し立ち止まって待ってみた。モナリザは何も言わない。
やっぱりこれも嘘か。七不思議なんて無いんだな。
出口に体を向けると、闇の中から何かが聞こえた。
『うぅ… うぅぅ… うぅっ…』
呻き声… 僕は思わずモナリザの方を振り返った。
強い光がモナリザを照らす。モナリザはさっきと同じ顔で微笑している。
『うぅぅ… うぅ…』
呻き声は続いている。僕の心臓と呼吸、それとこの呻き声だけが闇を支配していた。
僕はモナリザの唇にゆっくりと手を伸ばした。
指が唇に触れる。乾いた絵の具のザラザラした感触がする。
突然、何か白いものが僕の手首に巻きついた。
手、見たことも無いほど白い手!
僕はびっくりして手の先を照らす。苦痛に歪んだ表情の男の顔。
あぁ…そうか… 七不思議は間違っていたんだ…
呻いていたのはモナリザじゃない。石膏像のほうだったんだ…
白い手が僕を強引に引っ張った。懐中電灯が僕の腕から床に落ちた。
何も見えなくなった… ただ、石膏像の白い足だけが闇に浮いていた…
ねぇ、この話知ってる?この学校の七不思議の一つなんだけどさ。
図工室にね、夜になると男の子の霊が出るんだって…
>>893>>894 なるほど そして怪談は微妙に変化しながら語り続けられるというオチですか。
スッキリとまとまって 読みやすいし短いながらも引き込まれますね。
最後の行間がいい感じで最後の台詞が更に生きている。
楽しませて頂きました。
>>893 おお、オチいいですね!!まとまり良いし、好きだな〜。
もっと書いて〜〜
897 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/22 01:47:23 ID:qzBwdLdY
フローレンスのダイエット 作スナフキン
スナフキンは川で釣りをしながら考えました。川で釣った魚を焼いて食べていたのですが
最近、異様な雰囲気があたりを漂っています。誰かに監視されている様な気がします。
魚を食べ終わって魚の骨を爪楊枝の変わりに使っていると、何か黒い巨大な影がします。
思い立って魚の骨を投げるとその影は消えました。その影はしばらくすると消えました。
何か居るな、そう思って探すことにしました。小さな木の陰に何かが居ました。
スナフキンは後ろからその影を捕まえようと抱きしめました。女性の悲鳴が聞こえました。
スナフキンは大声で叫びました。「フローレンス!」
「どうしたんだかばさん」
フローレンスは涙を流しながら訴えました。「ムーミンが、ムーミンが」
何が言いたいのか分かりません。そこでテントに案内すると彼女は小さな声で告白しました。
「ムーミンが私のことをでぶって言うの」
「とりあえずお茶でも飲んで落ち着きなさい」
スナフキンはそういうと大きな釜でお湯を沸かしました。
>893
面白かった。語り口もイイ!
899 :
スナ ◆NYzTZnBoCI :04/10/22 02:17:12 ID:qzBwdLdY
続きは後でね
900 :
本当にあった怖い名無し:04/10/22 02:19:48 ID:RWdmE2KZ
900だったり、なかったりー
901 :
もこ:04/10/22 02:38:25 ID:fPO+/qpc
ねぇ・・・
「雨宿り」 全6回 作:ゴーストハンター
「ラジオ幽霊」の話を聞いたのは誰からだったか。
近所の廃屋に出るという。私は一笑に付したが、ネーミ
ングの面白さが妙に耳に残っていた。
その日、私は散々だった。会社では人の失敗を押し付け
られ、帰りの電車ではカバンを置き引きに会い、そして
電車から降りてみると土砂降りの雨だ。
せめて折り畳み傘でもあればと思ったが、仕方がない。
日の暮れた道を、雨粒を撥ねながら家路へ走った。
しかし途中でますます雨脚は激しくなり、視界がもやの
ように煙るのでこれはたまらないと、近くの廃屋に飛び
こんだ。
「ウヒー」と思わずつぶやくと、手足を振るった。
ポケットからハンカチを出して顔を拭こうとしたとき、
どこからともなくラジオの音が聞こえてきたのだった。
廃屋はもともと何かの工場があった場所だった。
その奥の柱に携帯ラジオが掛かっていて、知らない洋楽が
流れていた。
その柱の下に、男が座っていた。
ドキッとした。目が慣れるまで全然気がつかなかった。
「あ、雨宿りですか」
なにか言わないといけない気がして、軽い調子を装った。
男は何もいわず前髪から落ちる水滴をハンカチで拭いて
いた。
私は男に不気味なものを感じながら、自分もハンカチで
顔を拭き始めた。
ラジオ幽霊。
そんな言葉が頭に浮かんだ。
まさか。そんな風には見えない。ただ、男の格好に違和感
を覚えた。会社帰り然としたスーツ姿だが、カバンを持っ
ていないのだ。
男は神妙な顔をして、柱のラジオを見つめている。
薄気味が悪くて私は早く雨が小降りにならないかと、外を
見た。
そのとき、ポーンという甲高い音が廃屋に響いた。
ラジオの時報だった。
『〜時のNHKニュースです。たった今入った情報により
ますと、○○区の××の事務所に強盗が押し入り、事務所
にいた女性従業員を刃物で殺害。男性一人をガムテープで
拘束して逃走した模様です。犯人は付近に潜んでいる可能
性もあり、警察では警戒を呼びかけています。なお、犯人
は30歳前後中肉中背の男性で、スーツ姿。逃走のさいに
事務所の売上金の入ったバッグを捨てており、バッグは
路上で発見されています。では、次のニュースです・・・』
パンダの話など耳に入らなかった。
事件があったのはここと目と鼻の先だ。
30歳前後、中肉中背、スーツ姿。そしてバッグを持って
いない。
私は、まさかまさかと思いながらも男の方をハンカチの
隙間から覗いた。
いっそ、くだんのラジオ幽霊氏であって欲しい。
男はラジオに耳を傾けながら、平然としている。
私は図らずも指が震えた。
なぜ男は平然としているのか。
今のニュースを聞いていなかったはずはない。
逃亡中の殺人犯が怖くないはずはない。
私もまた、「スーツ姿で手ぶらの三十男」なのである。
私が怯えているように、男もまた私に怯えていいはずだ。
にもかかわらず平然としているということは・・・
私は最悪の状況を想像し、緊張した。
そのときである。
男がふいに笑い出したのは。
「ガムテープで拘束したなんて、ウソさ」
私はいつでも逃げられる体勢をとりながら身構えた。
「今のニュースには決定的な間違いがある。男性をガム
テープで拘束した、という部分だ。『ガムテープ』は
登録商標だ。NHKではその単語を使わない」
「え?」
私は驚いて男を見た。
「粘着テープ、または布テープという表現をするんだ。
企業の宣伝行為を一切しない、という建前と引き換えに
すべての国民から受信料を巻き上げるための涙ぐましい
言い換えの結果だよ」
男はさも可笑しそうに肩をゆすった。
「ある噂を聞いて来たんだけど、私が出張ってくるほど
のことはなかったな。雨が小降りになったら、もう帰
るよ」
ラジオがプツンと音を立てて止まった。
急に雨音が大きくなる。
私は思わず、ラジオを柱から外して手に取った。
古い型で埃まみれで、今まで音が出ていたのが不思議
だった。そして裏返すと、電池が入っているはずの所に
なにも入っていなかった。
ラジオの幽霊。
そんな言葉が頭をよぎって、思わず手から取り落とした。
ラジオはいくつかの破片を散らして、壊れた。
「もちろん、殺人事件なんて起きてないさ」
男が外の様子を見ながらいった。
もどってくると、懐から名刺を出して
「そうそう、なにか御用のさいにはぜひ」
営業用のスマイルで私の手に押し付けた。
名刺には『ゴーストハンター・小田切真一』
と書いてあった。
(おわり)
うわーチクショウ、ゴーストハンターさんウマイなぁ!!
オチにやられた…
相変わらずオモロイ
乙です
カッコイイなあ。
911 :
もこ:04/10/24 13:26:13 ID:nGOVZYAO
お話してけろ
1/5
「マタギサマ」
わしの家にはマタギサマと呼ばれる神様がいる。
わしにも詳しいことはわからないが、我が家に残る独自の風習のようなものだろう。
わしの家はもう何代続いているかわからないほど古い地主の家系で、
現在は地主だった頃に得た土地などを利用して不動産で生活している。
祖父が言っていたことを思い出せば、この我が家系の繁栄もまた、マタギサマのおかげなのだそうだ。
わしの家の庭には小さな祠があって、子供の頃から毎朝拝みに行くことを習慣付けられていた。
『これはマタギサマの家だから拝まないといけない。』
よく寝坊したわしを祖父はそう言ってたしなめた。
あれは、いつの頃だったか? 確か…小学生ぐらいだったと思うが、
この地方を大地震が襲ったとき、近隣の家々がかなりの被害を受けた。
しかし、不思議なことにわしの家だけは何の被害も受けなかった。
祖父は誇らしげに言っていた。
『これもマタギサマのおかげじゃ。わしが子供の頃にこの辺が大火事にみまわれたときもマタギサマのおかげでこの家は無事だったんじゃぞ。
昔、大飢饉があったときでもこの家の土地だけは豊作だったとも聞いている。』
祖父はその後一層熱心にマタギサマを拝んだ。
2/5
『マタギサマって何?』
子供心に祖父にそう尋ねたことがある。
詳しいことは祖父にもわからないようだったがこう言っていた。
『マタギサマについてはよく知らんが、わしの祖先は非常に貧しい百姓だった。
ある日、旅の男を家に泊めてな、マタギザマの方法を聞いたんだそうじゃ。
それからこの家は徐々に栄えていったらしい。』
祖父が確か、七十六歳になった晩、皆で祝いをして楽しく過ごしていたのだが、いつの間にか祖父は酒の席から消えていた。
突然、獣のような大きな唸り声が家中に響いた。それは祖父の声だった。
わし達が駆けつけると、祖父は床でうずくまり、苦しそうに呻いていた。
すぐに布団に寝かせて医者を呼んだが、祖父は『マタギサマが来る…マタギサマが来る…』
とうわ言を繰り返し、医者が来る頃には息絶えていた。
祖父の葬式が終わると、祠の前で儀式をして長男である親父が家を継いだ。
その儀式のときに、初めてマタギサマを目にすることがあったが、古い箱にトカゲようなミイラが入っているだけだった。
周りにはたくさんの御札が納められていて、ちゃんと見てはいないが『家守』という字が妙に目についたのを覚えている。
3/5
親父が六十五のとき、夜二人で酒を飲んでいると、親父が冗談を言うように笑いながら、
『お前ももう三十かぁ!そろそろ家を任せてもいいかもしれんなぁ。』と言った。
わしは『おいおい、まだいいよぉ。』などと笑いながら言っていたが、そのとき家中の空気が一瞬重くなったように感じた。
次の日の朝、起きてマタギサマの祠に行くと、親父が先に来ていた。
しばらく拝んでいると、親父が口を開いた。
『マタギサマのことがわかったよ…
いいか、お前は長男だが絶対家だけは継ぐなよ。
確かに家は栄えるかもしれん… だが、こんなことは馬鹿げている!
絶対に家は継ぐな!』
わしは何のことかよくわからず、聞き返そうとすると親父はそそくさと行ってしまった。
その日の午後、親父は急な心臓発作で倒れると、そのまま目を覚ますことは無かった。
親父の葬式の後、俺は死ぬ前に親父が言ったことが気になったが、長男ということもあり、祠の前で儀式をしてそのまま家を継いだ。
4/5
それから何十年経ったか、今日は年に一度、親族が集まりマタギサマを敬う祭りの日だ。
親父が死んだ後も、これだけは欠かしていない。
祭りの席、親族相手に上手に立ち回る息子を見て、もうそろそろ家を継がせてもいいと思った。
その晩、わしは息苦しくなって目を覚ますと、ふすまの隙間から光が漏れていることに気付いた。
『誰か起きているのか?』そう思ったがこれは蛍光灯の光ではない。
もっと青白い…水面を通してみた光のようだった。
突然音も無くふすまが開いた。
白い線香の煙のようなものが部屋に滑り込んでくる。
いつもなら見えるはずの隣の部屋が、まるで霧のような白もやで全く見えなかった。
ズリズリと何かが這う音がする。
それはだんだんと数を増やし、終いにはザザザッと水が流れるような音に変わっていった。
音の方に首を向けると、黒い波が部屋に流れ込んできた。
それはヤモリの群れだった。わしは何百というヤモリの群れに取り囲まれた。
ヤモリが一斉に口を開いた。
共鳴しているかのように互いに小さく息を吐くような音を出した。
それは何重にも重なり、一体になって身体の芯まで震えるような低いうねりになった。
霧の向こうから人の歩く気配がしてきた。
黒い影が徐々に近づいてくる。わしは身を強張らせたが、不思議と怖くはなかった。
5/5
部屋に入ってくると、白装束をきた見たことの無い男が、寝ているわしの顔の上に金色に光る粉のようなものを振りかけ、跨いでいった。
一人が消えるとまた一人現れ、次々に同じことをしていった。
皆口々に何かを呟いているが、それは経のようでもあり、唄のようでもあった。
『これがマタギサマなのか…?』
今まで一度も姿を見たことは無かったが、何故いきなり現れたのだろうか。
どれだけ時間が経ったのかわからないが、もう何人ものマタギサマがわしの上を跨いで行った。
何人目だろうか、わしはマタギサマの中に知った顔を見た。
祖父だった。祖父はわしに気付かないかのように無表情だった。
何故マタギサマの中に祖父が?
そう考えている間に祖父も同じことをして消えていった。
最後に入ってきたのは親父だった。
親父は言いつけを守らなかったことを少し怒っているような表情で、わしの顔を覗き込むと、哀しそうに粉をかけて消えていった。
わしは全てを理解した。
この家で家主として死ぬものは、皆マタギサマになるのだ。
家主が死ぬ度にマタギサマが増え、よりこの家は栄えていくのだ。
旅の男が教えた何か超常的な技によって、祖先はここに家主を縛る鎖を作ったのだ。
マタギサマは、身体の上を跨ぐからマタギサマなのではない。
世代をまたいで家主にかかる、一種の『呪い』のことなのだ。
わしは元に戻った部屋の天井を眺めながら、ゆっくりと目を閉じた。
息子の最後の日、息子は列の最後にわしの姿を見るだろう。
だが、仕方の無いことなのだ。
これはそういうものなのだから…
893ですが、なんかほめられてうれしかったのでも一個話書いちゃいました。
でも長すぎたーorz
ごめんなさい…
(・∀・)イイ!!
ボクが男のコなら継ぎたくない!
おわっ!
こりゃあプロット変更だわ……。
やられた〜。拍手。
>>912〜916
長めのお話の筈なのに、さらっと読ませてくれますな。
また書いてください!!
921 :
もこ:04/10/26 07:34:31 ID:6LPvaL3B
いいよいいよ〜
>ゴーストハンターさんの「小田切真一」シリーズ化して欲しいなあ
>>917 読んでて全然長く感じなかったよ 何より語り口調が絶品だね。
最後のオチも相変わらず裏切らない終わり方。 面白かったよ。
「ふたつのカップ」 全6回 作:ゴーストハンター
「んー!」
私は椅子にもたれて背伸びをした。
ようやく仕事がひと段落着いた。
私の仕事はこの辺境の星のデータを集めること。
惑星P−22iの衛星は30もある。
そのひとつである衛星イオナスに私がやって来て、もう
5年あまりが過ぎたことになる。
仕事とはいっても、無人機が自動的に地上を飛び回って
集めてくるデータに対し、私は電子署名をして中央政府
に送るだけ。
楽なものだ。
「コーヒーを頼む」
私の声にすぐサーバントロボのロビンが反応する。
ロビンは優秀な召使いであり、私のこの観測所での生活を
保障する大切な管理者でもあった。
私は体を椅子にあずけて、天井を覆う硬化プラスティック
の天窓を見上げた。
水平面に窓を置かないことは私がやって来た時に頼んだ
ことだった。
どうせ外は何もない荒涼とした大地が広がっているだけだ。
衛星イオナスに大気はなく、どこまでもくっきりとその
光景が見えてしまう。
その寂寥感には耐えられない。
この測量所は、この星のたったひとつの建造物なのだ。
天窓越しの宇宙には、暗黒の中にキラキラと無数の星が
輝いていた。
2/6
「こーひーヲ、ドウゾ。ますたー」
ロビンが硬質のアームで器用にカップをテーブルに置く。
だが不思議なことに、カップはふたつあった。
「私は二杯頼んだか?」
ロビンはすぐさま答えた。
「イイエ、ますたー」
ではなぜカップはふたつあるのか。
「では戻しておいてくれ。それからメンテナンスに行って
もらおう。もうひと月に近いしな」
「ハイ、ますたー」
人間ならうっかりですむことでも、ロボットは違う。
異常な行動には必ずエラー原因があり、それを放置する
ことは、この宇宙空間に近い衛星上では死に直結する。
私はロビンなしでは、昼と夜で数百度の温度差があるこの
星で、室温・空調管理すらできないのだ。
メンテナンスとはいっても、観測所に備え付けの調整装置
に入るだけ。
この独立型の観測所だけですべてをまかなうようになっ
ているのである。
3/6
三日が過ぎ、変化に乏しい退屈な時間が続いた。
私が午後(といっても気分的な定義だが)のひと時に
コーヒーを頼んだ時のことだった。
ロビンは音もなく円筒形の体を滑るように移動させ、
テーブルの上に湯気のたつコーヒーカップをふたつ置い
たのである。
私はなにか薄ら寒くなった。
テーブルの向かいの席に目に見えない誰かが座っている
ような感覚に襲われたのだ。
「心拍数ガ上ガッテイルヨウデスガ、大丈夫デスカ」
私は気味悪くロビンを見た。
「いや、大丈夫。それよりどうしてコーヒーをふたつ
持って来たんだ」
「ワカリマセン。思考経路ヲ追跡デキマセン」
なってこった。メンテナンスしたばかりだというのに。
ロビンにはテーブルに二人座っているように見えたのだ
ろうか。
ここには、いやこの星には私とロビンしかいないのに。
再度のメンテナンスを言いつけられ、行こうとするロビン
を私は呼び止めた。
「なあ、幽霊って知ってるか」
4/6
ロビンは即答した。
「単ナル言葉トシテハ知ッテイマスガ、定義ニツイテハ
ワタシノでーたべーすニハアリマセン。必要デシタラ、
中継基地ヨリだうんろーどシマスガ」
「いや、いい。それよりもうコーヒーはいいから片付け
てくれ」
「ハイ、ますたー」
私は部屋に一人になると、この観測所で死んだ前任者の
ことを思った。
この星でたった一人で生きてきた彼は、その寂しさと
どう付き合ってきたのだろうか。
ひょとしたらその孤独感は死んだ後もここに留まり、
私とコーヒーを飲むひと時を、求めているのではない
だろうか。
私は宇宙を見上げた。
科学がいかに進歩し、数々の星系に移民船を送り込んでも、
幽霊あるいは残留する思念の不存在を証明できないのだ。
「いちばん大切なものは目には見えない」
私は昔読んだ本の言葉を思いだしてつぶやいた。
目に見えないものに価値を見出す時、人間はもっとも人間
らしくなれる。
そんな気がする。
5/6
私はこの宙域に浮かぶ、30の衛星のことを思った。
窓の向こうには見えない。
輝いているのは恒星ばかりだ。
その隙間を覆う暗黒の中にも輝かない星が確かにあり、
その大地の上で顔も知らない私の仲間たちが、観測所での
孤独な日々を送っているのだろう。
この星もそのひとつであり、私もその一人なのだ。
私は目を閉じて、小さな星の上に一人で立っている自分を
夢想した。
次の日、ロビンはまたコーヒーをふたつ置いた。
置いてからミスに気づいたロビンが片方を下げようとする
のを、私は止めた。
「いい、お客様の分だ」
ロビンは首を傾げるように部屋を出て行った。
6/6
私は手を伸ばしてふたつのカップを「チン」と合わせ、
目に見えないお客と向かいあってゆっくりとコーヒーを
飲んだ。
名前も知らない前任者はこうして訪ねて来る人と親しく
語らいながらコーヒーを飲むことを、夢に見ていたの
だろう。
私にもわかる気がする。
この衛星は受刑星であり、私は受刑者なのだ。
残りの一生をデータ収集という些細な労働をしながら、
この星で過ごすのである。
宇宙に出るロケットはなく、ただ忠実でそして愛すべき
愚かなロボットとともに。
私は目に見えないものと静かに語り合った。
いつか、3つのカップが同じテーブルに並ぶことを思い
ながら。
(おわり)
∩’∀’)∩
マァ,星センセイノ再来カトオモウクライ秀作
そんな仕事したくねえなあって思いながら読んでたから
ラストでおおっ!て思った。幽霊とかコーヒーとかなしで、
そのオチだけの話でも充分読めるものになってたでしょうね。
>>923 イイ!!
文章読むのって楽しい、と改めて思わせてくれる。
いつも良いモノ読ませてくれてアリガトウ!
引き続き楽しみにしてます。
932 :
もこ:04/10/28 09:43:49 ID:7AOuMOta
ステキ〜!
933 :
もこ:04/10/28 19:11:02 ID:VojiES2H
おはなししてケロケロ
もこも書いてよ。
もこの作品シュールで好きだよ。
935 :
もこ:04/10/28 22:22:48 ID:VojiES2H
じゃあ本物のもこを召喚する呪文を唱えるね〜
もおっこもおっこ もこもこもこ〜
来ないかな。
936 :
もこ:04/10/28 22:57:06 ID:7AOuMOta
「蒲団」 作:もこ
酔っぱらった大二郎は鼻歌交えの千鳥足で帰路についた。
大二郎は自宅アパートの玄関に辿り着くとポッケットから鍵を取り出し
ドアを開けた。
「おーい、ご主人様のお帰りだぞー」
が、無論返事はない。
大二郎は分厚いスーツを脱ぎ部屋の蒲団に倒れ込むとそのまま酔いつぶれてしまった。
万年床布団、大二郎はふと思った。
「お前はいつも俺に潰されるように一夜を過ごして、さぞ辛かろう、苦しかろう。」
大二郎はもぞもぞと敷き布団に下に潜り込み
「今日だけ特別だ、たまには生き抜きも必要だぞ。」
と笑い、そのまま眠りについた。
翌朝。
雀の鳴き声とカーテンから射し込む薄明かりが朝が来たことを知らせていた。
大二郎はまだ寝息をたてながらぐっすりと眠っている。
「おはよう!今日もいい朝だ!」
隣の住人の目覚まし時計の鳴る音が聞こえる。時計の針は8時半を指していた。
「やっべ、今日も遅刻か!?」
急いで分厚いスーツを手に取ると蒲団は早々と会社に向かった。 完
937 :
もこ:04/10/29 23:41:59 ID:9S17RCIh
「キチガイ」 作:もこ
ぎゃはははははははっ!!うひゃはぁっ!?ふぅっ・・・ふひひひ・・・!
ひゃはっ、ぎゃはははっ、くふっふひひひひっ・・・うふふふふぅ〜
ぷひっ・・・!くひっ・・・ぎゃはっ、ぎゃはははははははっ!!!
ぎゃははははははははは!!!ぎゃははははははははははははははは!!
完
・・・・・・・・・・・・・・。
もこはずっともこのままでいてね
940 :
もこ:04/10/31 00:31:06 ID:8uV0wGgb
「奇跡の浮浪者」 作:もこ
とある街を一人の浮浪者が彷徨っていました。
「腹が減って力が出ない」
浮浪者はそう呟くと、もう20年間穿きっぱなしのジーンズのポケットに手を入れ
手持ちの小銭の数を数えはじめました。
「チュウチュウタコ、カ・・・なんでぇっ!300しかねぇじゃねぇかっ!」
浮浪者は辺りを見回すと古ぼけた宝くじ屋に目を留め
「しかたがねぇ、これでラーメンでも食うか・・・」
と、呟き宝くじ屋の窓口に向かいました。
「ラーメンくれ」
浮浪者がそう言って300円を差し出すとと窓口からスッと一枚の紙が出てきました。
「ざけるなっ!俺はラーメンを頼んだんだぞ!?」
「え!?くじをお買い求めじゃないんですか!?」
浮浪者は癇癪を起こしそうになったのですが、店員のおばはんがあまりにも美人だったので
「フゥフゥ」と臭い息を放ちながら顔を赤らめ、宝くじをポケットにねじ込むと
「ちっ・・・」と舌打ちをするとそそくさとその場を後にしました。
数週間後。
浮浪者はいつも通り公園のベンチで、拾った新聞をまじまじと見つめていました。
そしてある程度の記事を読み終えた所でふと思いました。
「そういや、この前買ったくじはどうなったんだ?」
浮浪者は急いで新聞をめくり直すと思わず声を漏らしてしまいました。
「あ・・・」
と、その時です!突如浮浪者に雷鳴が直撃します!!
その衝撃で吹き飛ばされた浮浪者は近くの樹木の枝に突き刺さり、電気を帯びたせいなのか
髪は伸び、その姿は正にキリストそのもの!!!
そこを通りかかった人々は口々にこう言いました。
「奇跡だ・・・・」
完
941 :
もこ:04/10/31 01:06:09 ID:8uV0wGgb
「ブラジルトンネル」 作:もこ
同じクラスでお隣さんの家の佐々木君は変わり者です。
なぜかというとつい最近の事なんですが、
社会の時間に「日本の裏側にあたるのはブラジルである」
という話を聞いてさっそく自宅の庭に穴を掘りはじめたのです。
「これでタダで旅行にいけるぜ!」
などとほざいていた様子でしたが、佐々木君が穴を掘り初めて今日で一週間経ちます。
「一週間もあればブラジルに着くだろう」
などとぬかしていた彼が無事トンネルを開通させたかどうかは不明ですが
一週間後の今日、日本の人口の半分がブラジル人になったそうです。
あれから3年経ちます。
日本の国土はブラジルの23倍になり90%は熱帯地域に属しているから
今日も暑いです。あの頃が懐かしい。
ブラジルにある我が家は今頃どうなっているだろうか。
きっと見知らぬブラジル人が幸せに暮らしているに違いない。
完
942 :
脱力クン:04/10/31 01:08:09 ID:/NICq6oP
ぜんぜん奇跡じゃないでし・・・orz
>>941 イリュージョンしすぎで全然意味がわかんねー
944 :
もこ:04/10/31 01:50:21 ID:8uV0wGgb
「帰って来た親父」 作:もこ
数年前、俺の親父は消えた。
あの日、俺の親父はは体に数百個の風船をくくりつけ、たくさんの人に
笑顔で見送られながら、笑顔で答え、そのまま遙か彼方に消えていったのだ。
人呼んで「風船おじさん」。
と呼ばれていた時もあるが今となれば「風船オヤジ」「バカオヤジ」「キチガイオヤジ」である。
俺までも「バカの息子」呼ばわりされる時もあったけ。本当にバカな親父だ。
だからこうして澄み渡る青空を見上げているとふと思うことがある。
「今頃親父はどこの空を飛んでいるのだろうか」と。
そんな親父が今日の午後帰ってきた。
母が買い物から帰って来た時、親父は玄関の前で無表情のまま立っていたそうだ。
母は喜んだ。正直、もう帰って来ることは無いと思っていたそうだ。
そんな親父が今日、なんともなかったかのように我が家に帰ってきたのだ。
さっそくお祝いが始まった。
いつになく豪勢な食事が並び、久し振りに3人で食卓を囲うことになった。
「もぅ〜、あなたがいなくなってからは本当に大変でケンイチだって・・・ペラペラペラ」
母は本当に嬉しそうだ。だけど、さっきから見てて親父の様子は明らかにおかしい。
久し振りに家族と顔を合わせたっていうのにあまりに無表情過ぎる。
と不審に思った俺は意を決してあの日のことを尋ねてみた。
「親父、あの日親父が飛んでいった後、一体どうなったんだ?」
母はこんな場でそんなことを聞くんじゃないというような顔で俺を見たが親父は無反応のままだ。
「おい、おや・・・じ・・・」
その瞬間、親父は勢いよく立ち上がり、口から泡を吹きはじめた。
そして、「ピキキキキキ・・・!」と笑う(?)と両腕から触手を伸ばし
その触手で母の首を絞め始めた。
そう、親父はあの日宇宙の彼方まで飛んでいったのだ。
完
945 :
もこ:04/10/31 02:20:22 ID:8uV0wGgb
「同窓会」 作:もこ
「5年2組だった頃は本当に楽しかったなぁ。」
同窓会の宴の最中、隣の鈴木は酒に酔いながらもあの日の事を語り始めた。
「なにが楽しかったかっていうと、やっぱ山本先生だよなぁ。」
「うんうん、あの先生は本当に良い先生だった。」
それを聞いていた俺も常々思う。山本先生は本当に良い先生で、面白い先生だったと。
「俺は思うよ。」
鈴木は延々と語り続ける。
「山本先生のおかげで今の俺達があるって言っても過言じゃない。」
「俺はあの先生に人生の生き様を学んだつもりだよ。」
「いじめ、暴力は絶対許さない、人に優しく、自分に厳しく。」
「俺は今でも先生を尊敬しているよ。」
それを聞いていた前田が話しに入ってきた。
「なんてったって、卒業式の日に前から気にくわなかったからって」
「校長を殴り殺すんだもんなぁ〜。」
「先生、いや組長は今の務所の中だけど、もうそろそろ出てくる頃だから。」
今日の同窓会で俺達、5年2組のメンバー全員はやくざに転職する事を決めていた。
あの卒業式以降、俺達の進むべき方向はそれぞれの心中で既に決まっていた。
それはもっとも尊敬する元暴力団組員の国語教師、山本先生の為。
もちろん組名も「5年2組」にする予定だ。
完
946 :
もこ:04/10/31 02:37:05 ID:8uV0wGgb
「ゴリラの世界」 作:もこ
動物園の屋内、ガラスの外側で園児達が騒ぐ。
「ゴリラだ!ゴリラ!」
ゴリラは思う。「うるせー動物だな、クソが!」
ゴリラが自らの糞を右手一杯に掴み、それを思いっきりガラスに投げつけると
園児達はキャーキャー言いながら逃げていった。
それを見ていた保母さんの一人がこう言った。
「でもかわいそうよねー。ずっとガラスの中で生きるなんて。」
動物園の屋内、ガラスの内側でゴリラ達が騒ぐ。
「あいつらって飯も食えねーし、遊べねーし、人生なんて1分か2分で終わって」
「マジ哀れだな!ぎゃははははははははは
ウホウホウホウホ!」
ゴリラ達はまだ外の世界を知らない。
完
947 :
もこ:04/10/31 02:37:59 ID:8uV0wGgb
「もこを褒めろ」 作:もこ
こんだけワケワカラン話を書けるっつーのはある意味凄いな。
まあ俺は読んでいないワケだが。
もこはよ書けや
952 :
もこ:04/10/31 13:12:01 ID:8uV0wGgb
もこはねー。
今日はセロリが嫌いです。
五年二組ワロタ
949 名前:本当にあった怖い名無し 本日のレス 投稿日:04/10/31 04:17:59 /NICq6oP
>>947 あれ?落ちはどこ?
950 名前:本当にあった怖い名無し 本日のレス 投稿日:04/10/31 04:18:41 /NICq6oP
>>949 ダメッ! 目をあわせちゃ・・・
955 :
もこ:04/10/31 21:50:19 ID:8uV0wGgb
もこはねぇ。
借金300万あるよ〜。
956 :
本当にあった怖い名無し:04/10/31 22:17:43 ID:vRX8MxHV
957 :
モこ:04/11/01 07:54:42 ID:J30qhNW9
ちくしょう
4代目スレもそろそろ終わりなので、自爆かもしれませんが
やってみたかった浦安鉄筋家族風自己作品評を。
>>313-314 「雪女」
デビュー作。好きなジョークをオカルト風にアレンジ。
>>321-322 「合わせ鏡」
ゴーストハンター小田切真一(後付命名)の大学時代と開業後
を適当にリンクさせながら書いていこうと思い立った意欲作。
その後も含め、なんかグダグダ。
>>328-330 「左手」
ダメ。自分がホラーに向いてないことを思い知った一作。
これも小田切のつもりだったが、もうどっちでもいい。
>>357-361 「写真」
好き。オカルトになにか味付けするより、別のジャンルに
オカルトを挟んだほうが向いてる気がした。しかし開業して
るはずの小田切にもうキャラブレが。
>>378-383 「未来予知」
大好き。世にも奇妙な物語風。
>>418-419 「特別な」
気合が入った話が続いたので、ベタなジョークを。老人の
行為は泥田坊。余計だった。
>>440-445 「人魚」
Uにもさっそくキャラブレが。もっと悪いやつのはずなのに。
>>471 「三つの願い」
好き。オーソドックスなショーショート。
>>526-527 「占い」
書いたことを忘れていた。女占い師再登場。ジョークだが、寒い。
>>536-541 「魔方陣」
漢字など言葉にこだわって物凄く疲れた。そのわりにはもう
ひとつの出来。ホラーは難しい。
>>551-554 「ピレネーの城」
小田切ではない。一応ショートショートか。分かりにくか
ったかも知れないと、反省。
>>582-588 「死者の名」
好き。小田切に名前をつける必要が出て、すぐ上にあった
名前を借用。真一さん、すいません。
>>605-609 「秘密の部屋」
実験作。オチを二通り用意して最後までどっちにするか悩
んだ。結果的に、窓の外をぼかしてよかったと思う。
>>617-618 「某ジャック」
完璧に忘れていた。わりに好きかも。
>>652-655 「魔除け」
今読むとわかりにくい。お守りに「死ね」という紙が入ってた
という怖い話が好きで、そんなテイストのつもりだった。
>>703 「呪いのビデオ」
なぜ書いたか動機を思い出せない。とにかく純粋なホラーは苦手。
>>735-736 「錯誤」
実験作。楳図かずお『わたしは真悟』はどのシンゴだっけ?
と思ってググッたら慎吾真悟真吾全部引っかかった時に出来た。
>>789-796 「遠隔透視」
長くなりすぎた。もっとショートショート風の方がよかったかも。
ベタなようでもアイデアは好き。
>>804 「夢の中」
短い話を書きたかった。長文癖がつくと怖い。
>>808-812 「もこ退治」
ノリノリで書いた。小田切のキャラブレもなんのその。
それにしてももこって何者だろう。
>>902-907 「雨宿り」
好き。ようやく小田切が動き出した感じ。
>>923-928 「ふたつのカップ」
次はSFだ、と決めていた。宇宙時代にも人類はオカルト好き
だと信じる。ロビンは前日に読んだ火の鳥のロビタの影響。
以上です。
次スレがあったら、またよろしく。
あれれ?もこ退治からしか記憶にないぞ。
ひょっとして私このスレ全部読んでないかも・・・
読みなおそう。
962 :
もこ:04/11/02 23:43:39 ID:a06wwwNI
「集団ストーカー」 作:もこ
俺は最近集団ストーカーの被害を受けている。
夜になると数人の若者が俺の家の周りをうろついて、写真を撮ったり、窓から覗くのだ。
さっきも数人来ていた様子だったが、俺の気配に気づいたのか、何もしないで帰っていった。
本当に気持ち悪い。
この前なんかもっと酷い、俺が留守とでも思ったのか連中、堂々と玄関から侵入してきた。
当然、俺と鉢合わせになって驚いて逃げていったのだが、逃げ際に写真を撮られた。
どうやらインターネットの掲示板で俺は晒し者にされているのかも知れん。
この前、俺がテレビに出てた。
「アンビリなんとか」とかいう番組だったと思うけど、司会者らしき女がパネルを取り出したと思ったら、
もろ俺ん家の写真なのね。
そんでもって窓の所に黄色いシールみたいのが貼ってあって、剥がすとしっかり俺が写ってんの。
「うっわ〜・・・これははっきり写ってますね〜・・・」
って、お前らが撮ったんだろうが!!
ああ、もういい加減にしてくれ。
これ以上俺に構わないでくれ。
俺はゆっくりと眠りたいんだ。
完
963 :
もこ:04/11/02 23:57:06 ID:a06wwwNI
「轢き逃げ」 作:もこ
とある晴れた日、駅前の交差点を猛スピードで鉄のイノシシが行き交っていました。
もこはいつもどうり駅前の通りを這っていると、一人のおばあちゃんが横断歩道を渡っていました。
しかし、横断歩道をおばあちゃんが渡り終わる前に信号は赤に変わってしまいました。
そこに居眠り運転のダンプカーが飛びこむ!!
「あ、あっぶなーい!!」
すると勇敢にも一人の青年がおばあちゃんのもとへ飛び出した!!
ドンッ!!
勢いよく突きとばされたおばあちゃんは強く頭を打ってそのまま逝っちゃいました。
勇敢な青年はそそくさと人混みに紛れて逃げていきました。
もこは思いました。
「ヒヒヒヒ」
と。 完
964 :
もこ:04/11/03 00:01:22 ID:IRsbLuk8
もこはねぇ。
セガサターン?
どうなの??
ぽん太……見てるかい?
こんないいスレに育ったよ
居るよね?
違う名前で書いてたりするよね
紙石鹸俺を覚えてるか?
悪魔の絵スレで『マリアンの見た悪魔の絵ってデヴィ夫人の事か?』ってマジレスして
笑われた8だよ
>>861-868非常に良く出来てて面白かったよ
また今度書いてくれよな
もこよ
>>651の話
ものすごく良かったぜ
俺的ツボだった
「まんじゅうこわい」1/5
どうしたんじゃ、坊。こんな夜遅くに起きてきよって。
何?眠れんか。ほうか、じゃあ、婆がお話してやろう。
ほれ、婆の隣に座りな。よしよし。
なあ、坊。坊には怖いもんがあるかい?
…ほうかほうか、坊はお化けが怖いか。
今日はそういうお話をしてやるでな。
怖がるな怖がるな、お化けの話じゃあないて。
2/5
そうじゃ、今となってはとうに昔の話じゃがな。
ある夜のことじゃった。
一人の男の家に若い衆が幾人か集まって、酒を飲み交わしておったんじゃ。
たわいもない話をしている内に、誰かが「お前らには怖いもんがあるか」と言い出した。
「そんなものあるわけなかろう」と強がる者もおったが、
「蛇が怖い」「蜘蛛が嫌だ」「地震いは駄目だ」と皆、自分の怖いもんを言っていった。
…そうじゃな。坊みたいに「化けもんが怖い」ゆう者もおったろうなあ。
じゃがな、坊。ひとーりだけ、何も言わずにうつむいている男がおったのじゃ。
いつもは騒がしい男だて、皆興味津々で問うたんじゃが、
一向に自分が怖いもんを言おうとせんでな。
皆でしばらく問い詰めておると、観念したのか、ぽつりとこう言った。
「わしは饅頭が怖いんじゃ」
3/5
どんな恐ろしいもんかと期待しておったもんでな。皆、笑い転げた。
…そうか、坊も可笑しいか。坊は饅頭好きだでなあ。
じゃが、男だけは顔を青くして黙っておった。
それどころか男は「気分が悪くなったから少し眠りたい」と言って、
隣の部屋へ行ってしまったんじゃ。
こりゃあ、本当に怖いんだなと皆、気付いたんじゃな。
そしたら、若い衆の一人が、男を少し驚かせてやろうと言いだしおった。
あの男、悪戯好きの調子者で普段から皆困っておったもんでな、みーんな賛成した。
それで、皆で銭を出し合って、ほんに沢山の饅頭を買うと、
寝ている男の周りをこう囲うようにして、たかーく積み上げたんじゃ。
…どんくらい沢山かって?そんりゃあ、こーんぐらい沢山じゃ。
ほうか、こんなに沢山あったら坊でも怖いか。そうじゃな。
それでな、一仕事終えた男らは部屋に戻って酒を飲みながら、
男がどんだけ驚くもんかと話しておった。
4/5
それから、しばらくしてな。隣の部屋から「ぎゃーっ」と悲鳴が上がったんじゃ。
饅頭に気付いたんだなと、皆にやにやしておった。
叫び声が止まらんでな、そろそろ助けてやろうと皆が立ち上がった途端、
急に声がぷっつり止みおった。
どうしたんだろうかと、襖をちらっと開けて隣の部屋を覗き込んだらな。
なんと男が饅頭をぱくぱくむしゃむしゃと食っておる。
「この野郎、騙しやがったな」と皆、部屋に飛び込んだんじゃが、
そんな声は聞こえておらんかのように男は饅頭を食い続けておった。
もう、食うというよりも、口の中に押し込んでいるようじゃった。
見ると、男の目、焦点が定まっておらんのじゃ。
本当に怖かったんじゃろうな。その男、気が狂ってしまっていた。
男はあんこにまみれてぐしゃぐしゃになった顔を、呆然している若い衆の方に向けて、
にかっと笑うと、物欲しげな口調でこう言ったんじゃ。
「次は、お前たちが怖いのお」
5/5
…そうじゃそうじゃ、坊や。
今日、葬式に行ったときに、ほれ、饅頭貰ったんじゃ。食べるか?
なに?もう寝る?
ほうか。なら、この饅頭は婆が一人で食べようかね。
1/2
「くさり」
有紀が死んだ。死因は事故死らしい。
現場は俺の家からそう離れていない交差点。
どうやら俺の家に向かう途中に事故にあったようだ。
最低だが、俺は有紀が死んでホッとしていた。これで普通の日々が戻ってくる…
葬式に出ようか迷ったが、死んだものに罪はない。俺は最後に有紀に会いに行った。
人の少ない、寂しい葬式だった。
あの人がお母さんだろうか?泣いているので顔が崩れてはいるが、確かに有紀に似ていた。
遺影の中の有紀は楽しそうに笑っていた。
こうやって改めて見ると、有紀はすごく可愛い顔をしていると思った。
俺は棺おけの中を覗くことが出来ず、そのまま帰路に着いた。
俺のバイト先に新人として入ってきた。それが有紀と俺の初めての出会いだった。
若い女の子の少なかった職場に、有紀の存在は新鮮だった。
有紀とは話が合い、そのうちに外でも会うようになった。
最初はすごく楽しかった。
だが、デートを重ねるうち、有紀が突然怒ったり泣き出したりするのが怖くなってきて、俺は徐々に有紀と距離を置くようになった。
2/2
その頃からだろうか?
『私達、付き合ってるんだよね?』有紀は度々俺に聞くようになった。
それは段々とエスカレートし、ストーカー紛いの行為が見られるようになった。
無言電話、待ち伏せ、誹謗中傷、不法侵入…数え上げたらきりがない。
俺は何度も有紀に止めるように言ったが、『だって、私達、付き合ってるんだよね?』その一点張りだった。
俺はノイローゼになりかけていた。
だが、その原因の有紀が死んだ。
俺は帰路につきながら、うきうきとした気持ちを抑えられなかった。
今日から自由だ!!
あの交差点を渡ればもう家だ。今日はぐっすり寝よう。
信号を渡っている途中、俺は強い衝撃を受けて自分の体が浮くのを感じた。
『おいおい、青信号だぜ…』ライトの光が世界を白く包んでいる。
俺はそのまま気を失った。
今、倒れている自分を見ている。
俺はどうやら死んでしまったようだ。
だが、俺の魂は何故かその場を離れることが出来ず、俺はそこに留まっていた。
そのうち、救急車と警察が来て、何十人と言う人が野次馬に集まった。
運転手の声が途切れ途切れに聞こえる。
『…だからぁ!…女がぁ…ガラスに…がみついて…号が…然見えなかっ…すよぉ!』
女? 女なんていなかったぞ?
あ、ここは…有紀の…死んだ場所じゃないか!!
辺りを見回すと、電柱の影からこっちを見ている有紀がいた。
俺は動けなかった。
有紀はゆっくりと俺に近づいてきて耳元で囁いた。
『ねぇ、私達って憑き合ってるんだよね?』
だめだこりゃ
だめでしたか…orz
だめだこりゃ? いま「だめだこりゃ」っていったな?
タイトル「つぎ逝ってみよー」
「先生、最近夜の八時ごろになると「おいっす!」とか「8時だョ、全員集合!」とか
声がするんですけど、回りを見渡しても誰もいないんですよ。」
医者は顔を曇らせてこう言った。
「実を言うとここは「いかりや長介さん」が亡くなられた病室なんですよ。」
「えっ、イカリヤチョウスケ?あの「長さん」がいた部屋なんですか?わたしね、長さんの
大大大ファンなんですよ!うれしいなあ、ユーレイでもいいから一度会ってみたいですよ。」
「そりゃよかった、きっと会えると思いますよ。」医者は私の顔をまじまじと見つめながら言った。
「今まで「全員集合!」の号令に遅れた人はいませんでしたから。」
そのとき私の頭のなかでどこからともなく、「だめだこりゃ」という長さんの声が聞こえてきた・・・
ばばんば、ばん、ばん、ばん!
979 :
もこ:
がんばれがんばれ