死神かどうかはわからんが、高熱でうなされてた時
ハスキーより二周りぐらいおおきい狐を二匹連れた
「黒服の男」チックな何者かを幻覚で見た覚えはある。
「黒服の男」と書いたがスタイルは明らかに女性だった。
黒のスーツに白いシャツ、青と銀の縞ネクタイ。
胸は今思い出せばAかBカップぐらい。黒髪で、確か後ろで束ねてた。
身長は当時の俺と同じぐらいの印象を受けたので150ぐらいだったろう。
顔はよく覚えてないんだけど静脈が下に走ってる部分みたいな青白い肌と、
切れ長で黒目の大きな目はよく覚えてる。すごく安らぐ感じの印象。
2、3個偉く古風な鍵のついたキーリングを指に嵌めてくるくるまわしながら、
タウンページそっくりの大きさ、重さの本と俺の顔を何度か見比べていた。
狐はあくびしたり前足なめたりでくつろいでる。
しばらくすると何か走り書きを書き込んでから本をパタンと閉じて、
昔の映画で郵便配達の人が持ってるような黒くて大きいがま口みたいなかばんに
ちょっと手間取りながら本をねじ込んでから、
なんともいえない表情で少しじっと見られた。興味深々と困惑と笑いを混ぜた様な。
それでねじれて気持ち悪くなってたパジャマのわきの下を引っ張って直してくれて、
布団を肩までかけ直してくれて、ポンと軽く布団の上から肩を叩いて出て行った。
それから40度ぐらいあった熱が3日ぐらいで下がった。
なぜかミントの香りを嗅ぐと今でもたまに思い出す。
記憶の中には臭いの思い出はないんだけど。
以前病院勤務だった当時の彼女(自称霊感もち)に話したら、
「それって死神だって! 狐は連れてないけどたまに似たようなのみるもん!」
みたいな事を言われたので微妙なケースだがカキコ。