■創作怪談三題噺■■第四部■

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241蠢 ◆ldIBuAcZTY
「チャット」「数字」「無言」1/2

最近私はチャットにハマっている。最初はタイピングも遅かったが、
今ではブラインドタッチもそこそこ出来るようになった。
馴れ合いと言われてしまえばそれまでだが知らない人たちと会話するのは面白い。
お気に入りのチャットルームには毎日通っている。
で、今夜も寝る間を惜しんでチャットにふけっているってわけだ。
けど、明日は平日だということもあって、みんなもう落ちてしまった。
ヒマだなー。私ももう落ちようかな…
「60ljw@さんが入室しました」
お、誰か来た。初めての人かな。見たことない名前…60ljw@?なんて読むんだろ。
おっと、あいさつあいさつ。
「mika:こんばんわ60ljw@さん、初めまして」
「60ljw@:11 30」
何?この数字。暗号…かな。
「mika:え、と 何ですかこの数字?」

無言。もう5分経つが返事がない。
荒らし…?この時間に、まったくヒマな人もいるものだ(私が言えたことではないが)。
「mika:あのー、荒らしなら出て行って下さい」
「60ljw@:5 48」
数字が減ってる…のかな?もー、全然意味分かんないよ。
ふと、キーボードに目をやる。
あ。
242蠢 ◆ldIBuAcZTY :03/12/04 16:45
2/2

そっか。そうだったんだ。私もパソコンを始めたころはローマ字打ちが出来なかった。
この人、カナ打ちなんだ。けど、キーボードはローマ字設定になってるんだよ。私って天才かも。
てことは「60ljw@」は…
え?何コレ…?もしかして、この人…
急いで、時計を見る。

カチ カチ カチ カチ

なーんて、やっぱただの荒らしだよね。

カタ
   え、何?地震?  ちょっと  大きくない? すご、揺れ  揺れてる

 やだ、 何で? ただの荒らしじゃ なかったの?   あ、タンスが      死ぬ


「60ljw@: 0 」