921 :
本当にあった怖い名無し:04/10/15 20:31:51 ID:rg8e5vcD
やたっ!「ゴルゴタの呪いの教会(上)」を、ブクオフで見つけた!
(下)は、以前に見つけて買ってたのよん。やっと上下巻そろった!
今日は、金曜、明日は休み!
いい夜になりそうだァ!
恐怖館主人様のおかげで、期待感高まりっぱなしの毎日でしたよ。
読むゾーッ!
922 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/10/18 08:35:25 ID:3R7GWpHR
ピル・プロンジーニ「マスク」(創元推理文庫)
’81の作品。カーニヴァルの熱気とジャズの旋律にむせぶ街、ニューオリンズ。カメラマン
のジルーは傷心を抱え立ち寄ったこの街で、蟲惑的な美女ジュリーンに出会い、成り行
きで一晩を共にしてしまう。翌朝女は消えてしまい、ジルーの横たわるベッド、そして彼
の両手にはべっとりと血糊がついていた!何が起きたのか惑うジルーに次々と襲い掛
かる奇怪な出来事。「写真を渡せ」との脅迫電話、仮装パレードの中つきまとうドラゴン
の仮面の人物、そして送りつけられてくる血まみれのヴードゥーの藁人形…次第に追
いつめられていくジルーの前に現れたのは…ヴードゥー呪術と魔都ニューオリンズの
妖美な雰囲気が融合したオカルトホラー。
ストーリーはダン・シモンズ「カーリーの歌」と酷似しており、ジャズ・ニューオリンズ・ヴー
ドゥーという組み合わせもシモンズの作品同様に雰囲気があって好ましいのですが、
いかんせんストーリーがつまらない。話に広がりがないしラストに向けてのテンションも
高まらない上に、オチも「ハァ?」というようなつまらなさ。というかこんな腑抜けた終わ
り方でいいのでしょうか…?ニューオリンズとヴードゥーの歴史的関係は面白く読めま
したが、フレームだけは高級で中の絵は非常に安い。シモンズのようにフレームも絵
も最高級のものとは比べるらくもありません。プロンジーニはスリラー・サスペンス作家
のようなので、「モダン・ホラー」と銘打った創元のプロモートミスにも責任があるかもしれ
ませんね。ミステリ、スリラー作品は数多く邦訳されているようなので、そちらでは評
価された作家なのでしょう。畑違いだったということでしょうかね。
>>921 そう言っていただけますと嬉しいですね。
お楽しみいただけましたでしょうか!?
岡山女
925 :
本当にあった怖い名無し:04/10/19 18:51:59 ID:zu22OmK3
>>923 「ゴルゴタの呪いの教会」期待通りでした!面白かった!
「エクソシスト」も読みたくなりました。映画しか知らないので。
私も、心の奥底に小鳥を飼えればいいなと思ったりして。(でも、きっと飼えない)
926 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/10/22 08:33:56 ID:gzTN9E+j
ショーン・ハトスン「闇の祭壇」(ハヤカワ文庫NV)
’86の作品。工事現場から発掘された遺跡の奥に封じられた部屋から、おびただしい
骸骨が発見された。発掘と同時に、その土地に関わる人々に恐るべき災厄が振りか
かる。次々と無残に死んでゆく現場作業員、近隣の町では両目を抉られ、奇妙な内臓
文字を残し、惨殺される関係者。考古学者のキムとウォレス警部が謎を追っていくうち
に恐るべきケルト神話の伝説に行き当たる。人類は、開けてはならない扉を開けてし
まったのだ!酸味の利いたスプラッタ描写で知られる作者がその才能を遺憾なく発揮
した会心作!
面白い。実に面白い。師、ハーバートのナスティな部分だけをしっかり受け継ぎ、その
鬼才の赴くままに「書き倒した」怪作です。プロットなんてなんのその。夜な夜な黒魔術
の儀式にふける農場主、神がかり的な発言をぶちかます少女、頭のイカレた闘犬賭博
師等々、別にいてもいなくても話が進むような怪しい人物を散りばめ、クーンツ定番の
刑事と女主人公の恋愛も漏れなく描きながら、ハチャメチャなラスト、まさにカタストロフィ
と称するにふさわしい圧巻のラストに向かって読者を投げ飛ばします。「スラッグス」に続き
ハトスン2作目ですが、期待を裏切らないグチャドロスプラッタ描写も相俟って、酸味
利きまくりの逸品に仕上がっております。そっち方面が苦手でない方には読んでいた
だきたい作品です。
>>925 あの表現は私も印象に残っています。
とてもすてきな表現ですよね。
保守しておきましょう
929 :
本当にあった怖い名無し:04/11/04 17:09:14 ID:Wmr1xCXs
暗黒からage
930 :
本当にあった怖い名無し:04/11/04 18:28:24 ID:GSa2AeSm
あけ
931 :
本当にあった怖い名無し:04/11/04 20:14:55 ID:RQmd30KD
「ゴルゴタの呪いの教会」!!
なつかしい〜!!
早川ホラー、もう一度はまろうかな。
932 :
本当にあった怖い名無し:04/11/04 20:15:23 ID:y0myldNl
933 :
本当にあった怖い名無し:04/11/12 02:36:32 ID:eB4vsLbt
フランク・デ・フェリータ、実力のある作家だと思うけど、日本では全部絶版
だね。サイコものの「カリブの悪夢」も怖かった。
「ハリウッド ゴースト・ストーリー」というビデオ(未見だけど)には、デ・
フェリータ自身が出演し、彼が英国で撮影した心霊映像を紹介してるらしい。
>932
それ落ちてんだが
結局何レスまでいったの?1000?
935 :
◆zombie9MBk :04/11/13 02:26:59 ID:pifW8ef7
ここ、素晴らしいですね。紹介されてた本、何冊か買いたくなりました。
まだ出てないと思われるのをいくつか書いてみます。
我孫子武丸著「殺戮に至る病」…ミステリ界サイコホラーの傑作と思ってます。
生垣真太郎著「フレームアウト」…スナッフビデオを巡る話。
甲田学人著「missing」…電撃文庫では異色のホラー。神隠しや犬神憑きの描写が興味深い。
畠中恵「しゃばけ」…怖いのが苦手な方にお薦め。妖怪物?
物集高音著「吸血鬼の瓶詰」…都市伝説など語られていてなかなか興味深い。
何度か出てますが倉坂鬼一郎氏の作品はゴーストハンターシリーズ以外ほぼ救いが無いですね。全作品読んでますが(笑)
前にあった田中啓文氏の鬼が刑事をやる話というのは講談社ノベルス「鬼の探偵小説」ですね。
朝松建氏は「崑崙の女王」が好きです。
936 :
本当にあった怖い名無し:04/11/13 02:31:25 ID:wnAK+Yd9
>>935 殺戮に至る病は最高ですよね。ラストのオチから読んでもカラクリは絶対解けないし。小説の中に出てくる場所に住んでいるのでリアルだし。読み終わった後ずっとアノ歌が頭離れないし。マジ最高。
「殺戮に至る病」って結構古い?
古本屋で探そうかな・・・。
938 :
937:04/11/20 20:49:32 ID:laQW0/3M
調べたんだけど、ハードカバーだけしかない?
文庫本が欲しいんだが。
940 :
937:04/11/20 22:35:40 ID:wifelwN+
ありがとう、でも中古ないな。。。
>>940 図書館にハードカバーと文庫本各2冊ずつあったよ
当方大阪
942 :
937:04/11/21 21:44:39 ID:xoQjJOLg
そっか、図書館で一度読んでみるのもいいかも。
一度言ってきます。
944 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/11/25 12:30:48 ID:p44B5sUH
ホイットリー・ストリーバー「ウルフェン」(ハヤカワ文庫NV)
’78の作品。警察官二人がむごたらしく惨殺された姿で発見された。拳銃を抜く間もなく
喉笛を切り裂かれた二人の周りには、獣のものと思わしき無数の足跡が発見される。
ニューヨーク市警のジョージとベッキーは、大都会のごく片隅で起きた他の惨殺事件の
痕跡との奇妙な符合から、人外の存在が事件に関わっているのではないかとの疑いを
抱く。上層部の反感を買いながらも協力者たちと調査を進める二人の周囲に不気味に
つきまとう影。「彼ら」は周囲の人間達をその鋭い牙の餌食にしながら次第に二人を追い
つめていく。まるで狩に興じる狼のように…「吸血鬼ミリアム」シリーズで好評を博してい
る筆者が独自の視点で大都会の闇と古代からの伝説を見事に融合させた意欲作。
言ってしまえば(タイトルでばれてしまいますね)変則人狼物なのですが、従来の作品
とは異なる新しい着想に基づいており、とても興味深い、面白い設定となっています。
正確には「人狼」という表現も間違っており、「ウルフェン」としか言いようのないオリジ
ナリティとストリーバー作品の特徴でもある異種族から見た人間の姿に係る様々な描
写、そしてそこに警察小説のエッセンスを取り込んだ構想は秀逸でしょう。人狼に関
する古典的伝説とその双璧としてしられる吸血鬼との関係性への新たな解釈も説得
的であるなど、様々な側面から非常に完成度の高い作品です。
945 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/11/25 12:31:31 ID:p44B5sUH
ピーター・ベンチリー「海棲獣」(角川ホラー文庫)
’94の作品。ロードアイランド沖の小島でサメの生態研究に打ち込む海洋学者サイモン。
彼がフィールドとする海域の周辺で、「金属製」の牙と鉤爪に引き裂かれた生物の死体
が頻繁に発見され、ついには人間にも犠牲者が続出する。警察はサメのせいだと事態
を沈静化させようとするが、サイモンにはどうしてもサメの仕業には感じられなかった。
これ以上の被害を防ごうと奔走するサイモンたちの前に現れた奇妙な老人の口から語
られたのはナチスの壮大な悪魔の実験から産み出された凶悪な怪物の存在だった!
「ジョーズ」の原作者であり海洋パニックホラーを得意とする筆者が放つ、人間と海魔
の死闘を描いた傑作!
「ビースト」に引き続いてのベンチリー作品です。ワンパターンであることは否定できま
せんが、海洋生物の生態や生物学的なディティールを実に細かく描いており、さらに
ナチスが行ったという悪夢の実験も真に迫って非常におぞましく感じられ、全体より
も細部で楽しめる作品です。パターン化されているためきれいにまとまっており破綻
もないのですが、その分面白味に欠けるかなという印象。ただ、安心して読めると
いう向きもあるかもしれません。「海」そのものが充分恐怖を誘う存在ですが、そこに
正体不明の怪物が潜んでいるとなると…海洋物は人気のあるテーマですが、その
中でも秀作と言えるでしょう。
>>944 (゚∀゚)ノ
「ウルフェン」の映画の方は映像を凝り過ぎてイマイチでしたが
小説の方は面白かったですねい
てか、原作より面白い映画って少ないな・・・
947 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/11/29 08:31:59 ID:qOTaZufc
イアン・バンクス「蜂工場」(集英社文庫)
’84の作品。フランクは父親と一緒にスコットランドの小島でひっそりと暮らしながら、
学校にも行かず、世にも奇妙で残虐な方法で小動物をなぶり殺すことを愉しんでいた。
彼は幼いころ犬にペニスを食いちぎられ、残虐さを誇ることで、自らの「男性」を確認している
かのようだった…ある夜フランクの元に、精神病院から逃げ出したという兄エリックから
の電話があり、彼はじわじわとフランクと父の家に近づきつつあるという。「あの」兄が
帰ってくる。恐怖と期待半ばに、フランクは「蜂工場」にこれからの運命を問わんとする…
狂気に駆られた兄が近づき、動揺した父が明かした戦慄の「家族の秘密」とは…?
狂気の一人称で綴られた、英国の俊英による究極のニューロティック・ホラー。
以前このスレッドでも話題になりました「蜂工場」です。全編に渡って狂人の一人称で
綴られ、奇妙で残酷な描写に満ち満ちているにもかかわらず、どこか幻想的でリリカル
な雰囲気を漂わせているという不思議な作風(スプラッタ描写を排除しているという
特徴もありますが)。ペニスを犬に食いちぎられたという「記憶」をきっかけに、失った
性というアイデンティティーを埋め合わせるかのごとく次々と奇怪に凝った装置で小動
物を虐殺し続ける主人公には嫌悪よりむしろ哀れさを感じます。しかも彼にはまだ
知らない残酷な運命が待っているわけですが…しかし、全ての秘密が暴露された
後のカタルシスの何と爽快なことか(それでも残酷な現実は変わらないのですが)。
実に奇妙な読後感のある、ニューロティックホラーと称するにふさわしい一冊。
恐怖館主人さん、ご無沙汰しておりました(ずっとロムしてましたけど・・)。
蜂工場。。題名からしてインパクトのあるこの作品、思えば時代の先をいきすぎた感があって、
当時は現実離れした物語に見えた読者が多かったんじゃないかと思うのです。が、今ならリアリティが
ずいぶん感じられるようになったのではないでしょうか。世の中、いろんな特殊な人間がいて、新たな
パターンの事件が毎年のように起きていますから。とくに日本の場合。
なんとなく書いてみますが、狂気の宿った人物を扱ったホラーはとくにそうなんですけど、
そういうホラーはけっして犯罪者にアイデアを授けるものではなく、時代を予告する存在であり、
かつ、場合によっては正常な人間(読者)の中にもある異常性を気づかせてくれ、さらには
修正してくれるものだと考えています。推理小説なんかも同じですね。
実際、犯人が読書家だったという例はあまり聞きませんし、仮に、ホラーに影響を受けて罪を犯したとしても、
そのような人はホラーがなければ別のものに影響を受けて悪いことをしていたでしょう。
いまや多くの人がそのことに気づいておられると思うのですが、いちおう書いてみました。
「岡山女」は怖いっていうより
サイコメトラー物でカッコイイ!
推薦お願いします。
どなたかラストが言葉も出ないほど絶望的なホラー・サイコ小説を推薦していただけないでしょうか?
和・洋問いません!お願いします。
>>950 ではまず私から一冊挙げさせていただきます。
斎藤 澪(みお)『この子の七つのお祝いに』(角川文庫)
昭和56年、第一回横溝正史賞受賞作。賞名からおわかりのように、この作品は推理・ミステリー小説に
分類されるものですが、あまりに怖く、ラストが絶望的なので、推薦いたします。
章によって、一人称と三人称が使い分けられており、独特の効果をあげています。
なお、素晴らしい出来の映画版もあります。同名です。
いわゆるホラー小説でなくて、なんなのですが、サイコの色合いは濃いですし、大好きな作品なので。。
新参者さんありがとうございます!
さっそく探してみようと思います^^!
クロウリ−「マグダレン・ブライアーの遺言」(創元推理文庫『黒魔術の娘』収録)
意外と正統的なホラー。着眼点よし。後味の悪さもなかなか。
心身ともに健康な方におすすめ。入院患者に読ませてはならない。
>>新参者さん
ロムだけとおっしゃらずにレビューの方もお願いします!
それから、「ホラー」の社会的影響に関する書き込みに関してですが、
後段には大賛成ですね。ダグラス・E・ウィンターが述べたように、
「ホラー」とは「感情」なわけですから、あくまでゾクゾクワクワク
を愉しむ(例えば遊園地のような)立派なエンタテイメントジャンルだと
思います。それにしては認知度は低いですけどね…
>>950 シャーリィ・ジャクスン「たたり」を推薦します。これまで出会った中で
最高の作品。露骨な狂気ではなく人間の心が少しずつ「ずれて」い
く感覚。短編ではギルマン「黄色い壁紙」なんかもいいですね。
956 :
950:04/12/02 16:52:07 ID:U6I9s1p8
みなさんありがとうございます!
今受験でなかなか読む時間が見つからないんですが、少しずつ読ませてもらいます!ありがとうございました。
>>955 殺戮に(ryは読みましたよ。あのラストはたまらなかったw
957 :
955:04/12/02 19:17:56 ID:Gf+3ovct
>>956 そでつか( ´・ω・)
雨宮町子の「たたり」なんかもドゾー
>>957 >雨宮町子の「たたり」
「日本版シャイニング」の帯に釣られて
読んだけど、後半がメタメタで萎えたよ。
ラストは絶望的というより収拾がつかなくなって絶望的って感じだったw
>>958 えーっ、あんまり面白くないの?
一昨日、ブクオフで、カバーのあらすじ読んで買ったのだが。期待してたのだが。
>>957さんは、でも、面白かったようだし。よし、今晩読んでみよ。
せっかく「お見世〜」買ったのに、今だ読めていない。
最近うつが酷いからなぁ。
961 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/12/06 08:13:58 ID:7bY7Jm4J
ダフネ・デュ・モーリア「鳥」(創元推理文庫)
’52の作品。収録作品は以下の通り。
『恋人』(1)/『鳥』(2)/『写真家』(3)/『モンテ・ヴェリタ』(4)/『林檎の木』(5)/『番』(6)
『裂けた時間』(7)/『動機』(8)
ロアルド・ダールやジョン・コリアーら、いわゆる「異色作家」のカテゴリーで才気を
放つ女流の短編集。ヒッチコックの映画化作品としてあまりに有名な(2)(モチーフ
以外は映画と全く異なりますが、静かな凄味のある傑作)をはじめ、険しい山中に
佇む秘密教団の寺院を中心に、男女の美しくも残酷な運命のめぐり逢いを描いた
幻想譚(4)、死んだ妻の身代わりとばかりに痩せた林檎の木に憎しみを向ける男
に降りかかった悪夢を描いた秀逸なニューロティックホラー作品の(5)、そしてモー
リア版「みにくいあひるのこ」といった面持ちの(6)と、他の作家にはない、まさに
異色の着想と多彩な筆致を備えた瞠目の作品集。「豊饒なる物語の数々」という
帯書きに偽りなしです。ぜひ一読あれ。
>>961 ・その短編集から3篇だけ選ばれて収録されているのが
『鳥』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ですね。
私の手元にあるのは、これのみです(創元推理版を入手せねば)。
・レビューの件、ありがとうございます。必ずや。。
・それから、続編スレのほうも、是非とも。宜しくお願いします。
963 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/12/08 12:08:18 ID:OiM0tXFT
ついに…ついにあの伝説のシリーズ、創元推理文庫版「ラヴクラフト全集」
の第7巻が発売されるようです!第6巻発売から何と15年、幻とも言わ
れた最終巻の発売には嬉しさもひとしおです。来月の発売になるようです。
今から楽しみですね!
え、ほんと?
いやー、長かった。
創元全集の前身「ラヴクラフト傑作選1・2」を手にしたのは、まだ高校生だったような気がする。
そうかぁ、ようやく出るのかぁ・・・・・・
うれしい情報、ありがとうございました。
漏れは中学だったよ…。
そういえば青心社(だっけ?)のクトゥルーのシリーズは
まだあるのだろうか。
966 :
本当にあった怖い名無し:04/12/10 20:57:30 ID:wqLsof6R
<補足>
四六判「クトゥルーT〜Y」は、「品切れ」となっていたよ。
968 :
恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :04/12/20 08:27:34 ID:tThf6FGI
ジェームズ・ハーバート「魔界の家(上下)」(ハヤカワ文庫NV)
’86の作品。その館、通称”グラマリー”は、都会の喧騒から逃れたがっていたミュ
ージシャンのマイクと、名の知れたイラストレーター、ミッジのカップルにとってうって
つけの物件、まさに「運命の」出会いだった。自然に囲まれ朝な夕なに森の動物た
ちの訪問を受けるすばらしい毎日に二人は才気煥発、これまで以上に仲睦まじくな
っていた。しかし「神人協力論者神殿」を名乗る新興宗教のグループが館を訪ねて
以来、”グラマリー”を不吉な影が覆い始める。うまくいかない仕事、屋根裏で暴れる
コウモリの大群、押し寄せる不気味な幻覚…マイクとミッジの仲に分け入ってくる
宗教団体の目的は?不思議な力を持っていたとされた”グラマリー”の以前の持ち
主に関係があるのか…?その秘密が明らかになったとき、”グラマリー”は文字通り
「魔界の家」と化す!
どうしちゃったのハーバート?と言いたくなるような、これまでの作品と趣を異にした
超牧歌的な作品。彼一流のナスティ描写は鳴りを潜め、上巻の9割までは自然や
動物と戯れる、不思議で童話的な日常が描かれ、ホラー作品であること
を忘れてしまうほど(表紙とのギャップがありすぎです)。しかも最後まで特に大仕
掛けがあるわけでもなく、ひたすらワンテーマで進行し、これまで読んだ作品(『ムー
ン』や『ダーク』)に比してあまりに「まとも」、換言すれば「月並み」なエンディングを
迎えてしまうという淡白さ。「幽霊屋敷」テーマの作品を読む上で、使い古され
た素材がどう斬新に、あるいはトラディショナルに料理されているかを楽しみにして
いるのですが、本作品はどっちつかずのまずさで、お客様にはお奨めできません。
969 :
新参者 ◆1BoyUhe6Ns :04/12/20 11:21:18 ID:cgf6xCdK
斎藤澪『この子の七つのお祝いに』(角川文庫)
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこのほそ道じゃ……
よくその歌を聞かせてくれた母は、二十数年前の元旦、幼かった私を残して息を引き取った。
母は私に、ろくでなしの父への復習を強く望み、思いを託して、死んだ。形見のすり切れたアルバムと、遺書を残して。
あれから二十数年。もはや遺書は紙が黄ばみ、文字はかすれた。しかし、私の復讐心はかすれることなどないのだ……。
ルポライターの母田耕一(もだ こういち)は、ある女の正体を追っていた。政界の黒幕・秦一穀(はた いっき)の陰にいる
謎の女占い師・青蛾(せいが)だ。この女の驚異的な占いの影響力は、いまや政財界におよんでいるらしい。
そして母田はついに、青蛾のことを詳しく知る女に会う約束をとりつけた。だがその女は、面会直前に何者かに殺される。
ある宿命を背負った者が、ついに動いたのだ。謎を追う者と過去の痕跡を消そうとする者。やがて明かされる衝撃の事実……。
以前ご紹介したように、昭和56年の第一回横溝正史賞受賞作である本書は、推理小説・ミステリー小説に分類される
作品なのですが、何度読み返しても、私はサイコホラーとしての面から、この作品を見てしまいます。
全編にわたって漂う濃厚な血の匂い、怨念、猟奇的殺人。そして最後に明かされる母娘の重大な秘密。
この物語では、アルバムの中に残された親子三人の手型をめぐるくだりがとくに推理小説的要素を果たします。しかし、
先に挙げた諸要素は、ホラー小説のそれに匹敵するほど濃く、ラストのどんでん返しはめまいすらおぼえるほどです。
様々な人物の視点から物語は進みますが、読者が混乱することはありません。この多視点がむしろ効果的に用いられています。
読みやすい文中にハッとさせられる良質の描写がちりばめられている、血と女の怨念にまみれたドロドロ素晴らしい一冊。
嗚呼……。
>>969、誤字はあるし、内容的にも説明不足だし。。
今度からは、書いてすぐ投稿せず、一日二日は推敲する癖をつけるようにします。