【ぼっけえ】暗黒の文学館【きょうてえ】

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662新参者 ◆EKNnjDCuA2
>>661 では、こういうのはどうでしょうか?


貴志祐介『クリムゾンの迷宮』(角川ホラー文庫)

藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な世界で目覚めた。あたかも火星を思わせる深紅色の奇岩の連なりが広がっている。
ここはどこなんだ? そばに置かれた携帯用ゲーム機がメッセージを映し出す。
「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…」
我々を拉致した目的はなんなのか? 脱出は可能なのか?
だがそれは、血で血を洗うゼロサム・ゲームの始まりだった。

刊行当時、当時ブレイクしていたバトロワとの比較もなされた貴志ホラー長編第四弾。
プロットは比較的ストレートですが、それを補って余りあるアイデアが光っています。
貴志氏の文体は独特の個性があり、本作品も例外ではなく、三人称の小説ながら、
あたかも一人称を思わせるものがあります。好き嫌いは当然あるでしょうが、
ひとつの試みとして評価できるのではないでしょうか。