小学校のころ、学校にあった不可解なもの2

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549全裸隊 ◆CH99uyNUDE
飼育小屋の前に群がる友人や、その他大勢の生徒。
そして困りきった顔の男性教師。
割り込み、掻き分けて前まで進むと、お定まりの屍骸。

普通と少しばかり違うのは、死んでいるのが大きな野良犬だという事。
両眼が血の塊のようになっており、舌をだらりと垂らし、鼻先は弾けて
そこも吹き出した血が固まっていた。さらに糞便まで流して息絶えている。
貧弱な網には大穴が空けられており、犬はその穴から身体半分を
飼育小屋の中に突き込んだ姿で息耐えていた。

そして、犬の血で真っ赤に染まった顔で得意げに俺たちを睥睨するのは、
我が校最大の鶏だった。
朝昼夜と関係なく大きな鳴き声を出すことで印象付けられていたその雄鶏を、
犬が食おうとして返り討ちにあったのは明らかだった。
そういえば、こいつは餌をくれる飼育委員会の面々をさえ敵視して
様々な形で怪我をさせていた。

今なら、すぐに処分されてしまうんだろうが、当時は怪我をさせられる奴が
間抜けなのろまだという解釈がされており、飼育委員会の中では
恐れる事なくこいつの世話をする奴はヒーロー扱いだった。