1 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:
やっぱ来ちゃうよな。
ズサー
昼も来てますが。2?
4 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:31
(・∀・)アリエヘン!!
5 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:31
来ちゃうよ。
6 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:31
(・∀・)アリアハン!!
7 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:32
(・∀・)ロト!!
8 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:33
(・∀・)オーブ!!
9 :
ダヌル・ウェブスター:03/06/09 23:33
(・∀・)アア・・アハン!!
夜はピンク鯖の方が多いかな。
11 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/09 23:45
朝だろうと昼だろうと来ちゃいますな〜
ヤフー→カレーマニアさんのサイト→ネトゲやりつつオカ板・・・
我ながらイタイ・・・いたすぎる
覗く時は常にオカ板のみですが・・・異常でしょうか?
リサイクルします。
さあ、何処までいけるか!?
維新後、政府は躍起になって坂本竜馬、中岡慎太郎殺しの犯人探しに取り掛かった
その際色々な説が飛び交った
新撰組の手によるものだというもの
見廻組の手によるものだというもの
いろは丸事件で海援隊と紛糾していた紀州藩の手によるものだというもの
だがどれも決定的な証拠の無いまま月日が過ぎていった
一方陸奥は沈黙を守っていた
自分が犯人をみすみす取り逃がしたのを恥じていたのである
だが何も手を打たなかったわけではない
海援隊の同士などと共に、あの日見た片腕の男を探させていた
僅かな手がかりを元に調べ上げた結果、三浦休太郎という人物が浮かび
白峰駿馬らとともに天満屋襲撃事件を起こしたりもしたが
これは失敗に終わり、しかも三浦は探している男ではなかった
三浦は両手がある
だが陸奥は諦めずに探し続け、幾つかの新たな手がかりを得た
事件の少し前、祇園のお茶屋の近くで男が片腕を切り落とされていた
男はその後新撰組の屯所に運ばれたという
陸奥はその男の行方を追った
この頃旧幕府側は官軍によって追い詰められようとしていた
そんな中、江戸に潜伏していた新撰組隊士が捕縛された
名を大石鍬次郎という
“人斬り”と渾名された男である
陸奥は早速この大石を取り調べた
大石の自供によると、竜馬暗殺は見廻組の隊士らの仕事だという
近藤や土方がそう話しているのを聞いていたらしい
だが陸奥はそんな話は信じなかった
大石に祇園の茶屋騒動の件を問いただしてみると
すぐに名前が出てきた
酒井登喜治
武州府中宿の豪商の子息だという
陸奥はすぐにこれを手配し、それらしき商家を探し当てた
だが、聞けば登喜治なる息子は京に登ったきり行方が知れないという
家捜しもしてみたが見つからない
捜索の糸はぷっつりと途絶えてしまった
このスレリサイクル中です。
削除人さん、削除を思いとどまってください。
どうぞよろしくお願いいたします。
さすらいますなぁ…
ここに落ち着けるといいですねw
陸奥陽之助は後に陸奥宗光と改名し
明治政府でさまざまな顕官を歴任した
特に外交での手腕は目覚しいものがあり
後の世に語り継がれるほどの名声と富貴を得た
だがその表情は終生物憂げだったという
その理由を左右の者が聞いてみても何も答えなかったが
自分の師たる坂本竜馬を殺害した犯人を取り逃がしたことに対する無念さが
自然と表に現れていたせいかもしれない
明治三十年八月、病に臥した陸奥は
自分の子息を床の脇に呼んでこう遺言したという
「酒井登喜治とその一族を根絶やしにせよ。手間を惜しんではならん。」
だが遺言が果たされることは無かった
陸奥から数えて二代後までは遺言の内容は伝えられたという
だが誰一人として果たせる者は無く次第に忘れられて
それより後には伝えられなかったという
明治二年春、ある晴れた日のこと
府中宿を一人の男が訪れた
腰には大小を差し、なりは武士らしいが、髭も月代もぼうぼうに伸びている
何処からか流れてきた食い詰め浪人なのであろう
袴は擦り切れてぼろぼろになり、襟元には垢がこびりついている
だが目だけは爛々と恐ろしいほどの光を放っていて
何人たりとも寄せ付けない雰囲気をもっている
人々は戸を閉め、係わり合いになるのを避けた
男は一軒の商家の前に立ち止まると慣れた様子でくぐり戸から中に入った
門の内側では最初に叫び声が、続いて驚きの声があがり
やがて泣き声で満たされ、そして静かになった
翌日早朝、男は商家を後にした
見送りの者は一人だけ
年の頃は十六、七だろうか
うなじにはまだあどけなさが残っている娘である
二人の間に会話は無い
だが娘の方はいかにも名残惜しそうな仕草を見せている
娘が男の着物を摘もうとふと手を伸ばす
男はその手を払い除けるように歩き出した
娘は二、三歩追いかけ、そして止めた
男は振り返ることもなくずんずんと歩いてゆき
そしていつしか朝靄の中に消えていった
娘はその場に立ちすくんだまま
何時までも男の去った方角を向いていた
やがて朝靄が晴れ始めた頃
娘は一人邸内へと戻っていった
府中宿の豪商、鍵屋は維新後もしばらく商売を続けていたが
陸奥の手による者達が度々詮議に訪れるのに嫌気がさしたのか
程なくどこかへ移転していった
その行方を知るものは誰もいない
登喜治編はこれで終了です。
後は尚之編に乞うご期待(と言っておきます)
削除人さんにお願い
このスレはリサイクル中です。
削除を見合わせていただきますよう、お願い申し上げます。
迷惑です、スレの私物化を図る香具師が常駐しているので早急に削除願います
駄スレを放置して荒れ放題にするよりもずっといいと思います。
小説の内容もオカルト関係を題材としていますので
板違いではないと思います。
お願いします。削除しないでください。
登喜治が斬ったのは坂本竜馬だったんですか・・・
日本史は漢字を覚えないといけないから苦手だったんですよ(ちょっと言い訳
>38
私としては住人を楽しませたい一心なのですが
結果として私物化していることになるんでしょうか……
>一読者さん
応援ありがとうございます。
>Higeさん
私も日本史は非常に苦手でした。
慶応三年云々と言うのも、“竜馬がゆく”を読むまでは知りませんでした。
作者がこれですから、気にしないで下さいw
千重は店を出るとすぐに携帯電話を取り出した
かける相手は鈴木健治である
千重とは大学時代のサークル仲間だったが、それほど仲がいいというわけでもない
が、メリットはある
鈴木は関東のローカルテレビ局に勤務しているのだ
千重は鈴木を口説き落としてテレビクルーを連れて行き
現場での一部始終を放送してもらおうと考えたのだ
「オウ、久し振りじゃん!オゲンコ〜…あ、これ今流行ってんの。ギャハハハ。」
相変わらずの軽いノリに千重は失望しかかったが、頼めるのはこの男ぐらいしかいない
「実はね…」
かいつまんで事情を説明した
「んー…それだけの情報じゃ報道は動きづらいよね。しかもさ…」
「しかも、何?」
「俺の担当してるの、バラエティ番組なんだよね。ギャハハハ!」
どうもこの男は大学時代から成長するどころか退化しているらしい
「あのさあ、笑い事じゃないんだけど。」
千重は怒りをこらえながら説得を続けた
「健治クンが取った映像がニュースになりそうなら、それを報道に持っていけばいいじゃない。
絶対損はさせないから、ネ、お願い!」
「う〜ん、ま、いっか。心霊特集、これでどうよ?ギャハハハ!」
「いつ来てくれるの?」
「う〜ん、ちょっと待って、スケジュールを…あ、真っ白、ギャハハハ!」
「だからいつなのよ!」
「分かったって。明後日どう?夕方5時ぐらいにはそっちに着けると思うから。
あれ、怒ってる?怒った顔もス、テ、キ、って見えねーよ!ギャハハハ!」
千重は黙って電話を切った
鈴木健治…
どうもNHKにいた気くばり爺さんを連想してしまうw
>48さん
最近登場人物の名前を考えるのが適当になってます。
しかも鈴木健治は“キングオブ雑魚”なので、「ああ、もうこんなんでいいや」と名付けてしまいました。
彼の最期は言わずもがなです。
同姓同名の方、ごめんなさい。
鈴木は待ち合わせ場所のファミリーレストランに時間きっかりにやってきた
スタッフも3人一緒である
千重が彼らに事情を説明し始めると
鈴木以外のスタッフは次第にテンションが上がり始めた
ところが肝心の鈴木はというと、近くのテーブルにいた女性二人組のことを口説き落とそうと躍起になっている
「ちょっと、鈴木君!」千重は立ち上がって連れ戻そうとしたが
スタッフがそれを押しとどめた
「いい、いい。あいつは当てにならん。それより今のうちに現場を見ておきましょう。
対策を練るのはそれからという事で」
千重を押しとどめたのはカメラマンの内藤
鈴木は一応ディレクターなのだが、実際にスタッフを仕切っているのはこの内藤の方らしい
4人は鈴木を置き去りにしたまま店を出て
ワンボックス車に乗り込むとA川の河川敷へと出発した
「あいつはね、駄目なんですよ。ここぞというときには必ず逃げ出すから。
前にもね、心霊ロケであったんですよ。一人だけ逃げ出しちゃって……」
内藤が運転しながら助手席に座る千重に話し始めると
後部座席から笑い声が起こった
「そうそう、ちょっとちびっちゃっててさ、半泣きだったんだよ」
「え?そうなの?泣いてたのは知ってるけど、ちびってたんだ!ハハハハハ!!」
後ろでは鈴木の悪口ですっかり盛り上がっている
内藤は申し訳無さそうに千重に謝った
「あんたの友達だってのは知ってるんだけどさ、どうにもね……」
「いえ、いいんです。ああいう馬鹿は私も嫌いですから」
二人は顔を見合わせて笑った
キャラ的に死ぬ役っぽい感じ出しまくりですなぁ<鈴木健治
他のテレビクルーも・・・。
56 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/17 02:16
ハァ
>Higeさん
テレビクルーには事実を報道してもらわないと困るので(以下略
最近皆殺しにする事に罪悪感を覚えるようになりましたw
車は土手の上の道路を走り始めた
「あ、あそこ!」
スタッフの1人が指差す方向には葦の原が一面に広がっており
その中に屋根らしきものがうかがえる
「よし、下りてみよう」
内藤は土手から降りる下り坂を見つけると河川敷に車を乗り入れ
小屋のあった方向に走り始めた
道らしきものは一本しかない
迷う心配も無さそうだ
「おかしいな」
内藤が呟く
「え?どうかしました?」
「道が綺麗過ぎる」
内藤は千重に説明した
河川敷の、しかも葦の原に向かうだけの道が綺麗に整備されているのはおかしいと言うのだ
「だって誰も通らんだろ?こんな道」
内藤はスピードを緩めて警戒し始めた
案の定というか、5分ほど走った所で黒塗りの車が止まっているのが目に入ってきた
道幅が狭い為、その車が止まっているとそれ以上先には進む事が出来ない
「やっぱりね。オッ!誰か来る」
車からスーツ姿の男が降りてこちらに歩いてくる
内藤は車を止めると窓を開けて男を待った
スーツの男は特に変わったところは見られない
どこにでもいるサラリーマンといった感じの風貌である
「ああいう手合いが一番やばいんだけどな」
内藤が呟く
男が近付いてくると千重にもその意味が分かった
体はがっしりとして引き締まっており
目つきが異常に鋭い
千重はアメリカ留学時代にこんな目つきをしている男達に何度か会ったことがある
彼らの多くは軍人、それも特殊部隊に所属しているような優秀な男たちであった
「お兄さん車動かしてもらえるかな〜。ここ通りたいんだけど」
内藤は緊張感の無い声で男に訴えかけた
スーツの男は両手で×印を作ると首を振った
「駄目だよ、ここから先は私有地なんだ。ひきかえして貰うよ」
「私有地?こんな原っぱがかい?う〜ん、そりゃ知らなかったなあ」
内藤は相変わらず緊張感の無い声で話しているが
男はそれでも安心していないようでじろじろと車の中を観察している
「あんたら何?テレビ?」
「そうだよ。この先に野鳥の森ってあるでしょ?そこで撮影したいんだよ。通してくれないかな?」
スーツの男は携帯を取り出すと何やら話し始めた
「テレビだと言ってるんですが……ええ、そうですね。ちょっと面倒だと……はい、分かりました、そういたします」
男は携帯をしまうと内藤に話し掛けた
「今所有者と連絡を取ったんだが、通り抜けなら良いそうだ。ただし今回だけ。いいかな?」
「オオ、そりゃ有難い!バックで戻るのはきついなと思ってたんだよ」
「先に行ってくれ。後からついていく」
男はそう言って黒塗りの車に戻った
「オイ、カメラ回しとけ。見つからないようにな」
内藤はスタッフに指示すると車を発進させた
ゆっくりと走らせたかったが男の車はその後ろをぴったりと付いて来るのでそうもいかない
5分も走らないうちに同じような黒い車が見えてきた
向こうにも千重達の乗るワンボックスが見えているらしく、先導するかのように走り始めた
少し広い場所に出たところで黒塗りの車は止まった
ここで追い越せということらしい
内藤は慎重に車を進めると、すれ違いざまに「テンキュー!」と大声で礼を言い
その場から走り去った
キ…キングオブ雑魚… ( ´,_ゝ`)プッ
なんでかはまりますたw
>>48どうもNHKにいた気くばり爺さんを連想してしまうw
↑操作ミス スンマソーン
48>>どうもNHKにいた気くばり爺さんを連想してしまうw
「気配りのススメ」を「菊貼りのススメ」と勘違いしていた大馬鹿者がいたことを思い出した。
菊貼り→その昔ロマンポルノ時代に肛門を隠す目的で前貼り同様ガムテープを肛門に貼る事
>72
菊貼り。あれはいいですよ、菊貼り。
ガムテを剥がす時にね、一緒にケツ毛まで抜けるんですよ。
ブチブチッと。そりゃもう快感ですわ。
何でも、グラビアアイドルやレースクイーンの間でも毛抜きの王道とされているらしいんです。
菊貼り。こりゃおすすめですわ。
こんな感じで薦めるんでしょうか?
「両側固めてるんですね。どうします?」
「どうしますってお前、行くしかねえだろ」
千重達は野鳥の森の入り口で車を止めると地図を広げ
“作戦会議”を始めていた
車内にあるカメラには先ほどの映像が映っている
「ストップ、ここだ」
画面には小道らしきものが映っていて
その奥には建物の一部と思わしきものがあるのが分かる
「距離でいったら50m、この辺りですかね」
用意の良いスタッフの1人が地図を持ち出してきて
だいたいの場所に×印をつける
地図には道は載っているものの小屋は描かれていなかった
「道は駄目。葦の原は……」
内藤がビデオを早送りすると、道の端に奇妙なポールのような物体が映っている
「これがあるからなあ」
「なんですか?これ」
千重が聞くと「対圧センサー」という答えが返ってきた
「多分小屋の周りをぐるりと囲んであるんだろう。左右からの侵入は難しいな。となると……ここか?」
内藤の指差したのはA川の対岸だった
「向こう側に回ってみよう」
一同は野鳥の森を後にすると対岸の土手に回った
「オオ、見える見える」
A川の中州の向こう側にあの小屋が見え隠れしているのが肉眼でも分かる
小屋というには大きく、小さな料亭といった造りになっている
スタッフが双眼鏡で確認してみたが、先ほど見たようなセンサー類は何処にも見当たらない
「よし、ここから歩いて近付こう。いいな?」
皆頷いた
荒らしが頑張ってるな
菊貼りですかぁ
初めて聞きましたよ・・・貼る時とか自分でやるのかなぁ?
想像するとすごくかっこ悪いですねぇ
>>73 81
私も伝聞なので真偽のほどは?ですが、「菊貼り」を知っていて(なぜ知って
いたかは不明)鈴木健二氏の「気配りのススメ」が流行ったとき、「あの人、
人にあんなもの勧めて何考えてるだろう?」と思っていたという話です。
>貼る時とか自分でやるのかなぁ?
前貼りは、ほとんどの人は自分でやっていたと雑誌(たぶんキネ旬)で読んだ
ことがありますので、仕上がりのチェックは助監がやっても貼るのは自分で
やったのではないですか?
>72、Higeさん
菊貼りを気にする美保純を想像してちょっとワロタ
機材を整え始めたところで内藤の携帯電話が鳴った
K署からの電話で、鈴木健治と名乗る男の身柄を預かっているから
引き取りに来て欲しいとの事だった
とりあえず作業を中断し、皆でK署に向かうと
確かに鈴木がいる
千重がどういう事かと尋ねると
女にいきなり平手打ちを食らったのだといい
「あのアマ、訴えてやる!」といきまいている
意味が分からない一同が担当の制服警官に話を聞くと
話は大分違っていた
あのファミリーレストランで鈴木にナンパをされていた女性が
あまりにしつこく付きまとわれたために警察を呼んだらしいのだ
逆上して襲いかかろうとした鈴木は
逆に女性に平手打ちを食らったという
今にも掴みかからんばかりの二人を警官が何とか引き剥がし
先ほど示談にする事で収まったのだということだった
その話を聞いて皆呆れ返ってしまった
一応身柄は引き取ったものの誰も相手にしようとしない
それに気を悪くしたのか、鈴木はますます吠え立てる
千重は我慢して聞いていたがそれも限界に達しようとしていた
バッグからハンカチを取り出し手に巻きつける
それを見た鈴木は「オイ、何やってんだ!?聞いてんのか?」と千重に掴みかかろうとする
千重は体を捻ってそれをかわし、しっかり握った拳を鈴木の右頬に叩き込んでやった
カウンターで入ったパンチは脳を揺らし、鈴木は白目を剥いて静かになった
K署の廊下の向こうから拍手が聞こえた
見ると和田が笑顔で近付いてくる
「ハハハ、署内でそれはまずいんじゃないの?」
「じゃあまた取調室に?」
千重は目配せしながら応じた
和田はすぐに飲み込めた様子で、笑顔のままで
「こちらに来なさい」と促した
だが取調室に入るや否や2人の顔から笑顔が消える
「和田さん、人手が欲しいんです」
千重は要点を掻い摘んで話した
「ふーん、なるほど。で、そこに容疑者がいるんじゃないかというんだね?」
「それは分かりません。でも、犠牲者の何人かはここで見かけられているんです。
それから彼らに共通の“趣味”、これは結構大きな証拠じゃないですか?」
「んー……だがこれだけじゃ警察は動けないよ。悪いけど状況証拠としても弱すぎる」
「だって!」
「いいかい、我々が動くには、特に人数を揃えなければならないような時は
前もって計画を立てないと動けないんだ。これは無理だよ。大体いつなんだい?」
「今日、今夜。」
和田は絶句し、暫くしてからようやく呟いた
「……無茶だ」
「無理なんですって!力になるって言ったくせに、馬鹿にしてるわ」
気を失った鈴木を3列目のシートに押し込めると
千重達は出発した
「仕方ないよ。確かにあれじゃ証拠とはいえない。だから……」
「だから?」
「今夜俺達が撮影したものが証拠になるのさ、少年買春のね。それを取っ掛かりに出来れば……」
「撮れるかしら?」
「撮るさ」
内藤の横顔は自信満々に見える
「これまでだって結構いいネタ撮って来てるんだよ。報道畑をずっと歩いてきたからね。
それが、いつの間にかあんなのと組まされて……」
内藤は後ろで白目を剥いている鈴木を顎で示した
「くだらないバラエティはもうウンザリなのさ」
「だけど、この件が明るみに出れば俺達はもう一度報道に戻れるかも知れない。
だから、これは事件解決だけじゃなく、自分たちが這い上がる為にも必要な仕事なんだよ。
そのためならなんだってするさ。文字通り、たとえ火の中水の中ってやつだ」
千重がルームミラーを見ると、後ろのスタッフ達も真剣な眼差しで頷いている
「さ、戦闘開始だ」
内藤は左にハンドルを切った
午後二時
河原は照りつける日差しと草いきれでものすごい熱気である
だが男達はそれを気にする様子もなく黙々と機材の準備を始めている
「薄井さん、ちょっと偵察に行こう」
一足先にカメラの準備を終えた内藤が千重を誘った
2人はズボンを膝まで捲り上げると川の中へと入った
中州までは楽々とたどり着き、対岸までのルートを探した
幸いな事に水量は少ないようで、浅瀬を選べば対岸までは行けそうである
「どれ……」
内藤はポケットから小さな望遠鏡を取り出すと例の料亭風な小屋の様子を伺った
「うわ、まじかよ」
内藤の口から思わず驚きの言葉が漏れる
「どうしたの?」
千重の問に返ってきた答えはややかすれていた
「ライフル持っていやがる」
見回りなのだろう、スーツ姿の男達が時折現れるらしく
その男達は肩からライフルらしきものを下げているというのだ
「中州からなら向こうから見つけられる事も無さそうなんだけどな……一寸遠いな」
「夜になったらいなくなるんじゃない?」
「いや、向かって右側に小屋があるのが分かるかい?あれが多分詰所だろう。
だとすると奴等はずっといる事になる」
「撮れない?」
「撮れるだろうが、音は難しいかもしれん。戻ってちょっと話してみよう」
そろそろ、キングオブ雑魚の鈴木が何かやらかしそうな予感・・・。
車の所に戻ると内藤は地図を取り出して皆に説明を始めた
「近づけるのはここまでだ。ここなら身を隠す事も出来るが、ここから先はいい的にしかならない」
「夜なら見えないんじゃ?」
「あれ程の連中だ、ナイトスコープぐらいは持っているだろう。福田、どうだ?」
内藤は音声担当の福田に話を振った
「直線で……えーと……200mぐらいですかね、水音も被って来るだろうし……
えーと……指向性のマイクでもギリギリじゃないかと」
「最悪音声無しか。じゃあテストもしなきゃならんし、早めに向こうに行っておくか」
「えーと、そうですね、」
皆はそれぞれに機材を抱えると中州へと向かった
「そういえば……」千重が気がついた
「鈴木君放っておいても大丈夫かしら?」
「なーに大丈夫さ、のびちまうのは奴の得意技みたいなもんだから」
撮影機材のセットをしながら内藤が鈴木の武勇伝を話してくれた
現場でトラブルが発生すると、鈴木は真っ先に気を失うか逃げるかのどちらかだという
だがふしぎな事に怪我だけはした事が無いのだそうだ
「だから奴は自分の事を“不死身の男”なんて呼んでいるがね。
実際奴がいると騒いで台無しになるかもしれないから、眠っていてくれた方が助かるのさ」
マイクの調子はいいようだった
対岸で見回りをしている男の咳払いが聞こえるらしい
「よし、じゃあこのまま暗くなるのを待とう」
千重達は交代で監視をしながら動きがあるのを待つことにした
何やら急展開の予感(゚∀゚)!
キングオブ雑魚がいらんことしませんように…w
の人物。
>きりんさん
そろそろ逮捕です。突然スレスト!の可能性もあるのでお見逃しなきよう。
ガラガラガラ
引き戸の開く音が屋敷に響く
間もなく階段を駆け下りる足音が聞こえてきて
尚之が陸奥の目の前に現れた
「やあ、ナオ君」
だが尚之は挨拶もそこそこに陸奥の腕を取って自室へと案内する
「今日はね、いい所に連れて行ってあげるよ。高史さん、準備はいい?」
「準備? 正装って言われたけど、これでいいのかな」
陸奥は一張羅のスーツを着込んできていた
「それだと駄目なんだ。あのね、これ着替えて。なくなった父のなんだけど、我慢してね」
そう言って尚之はクローゼットからタキシードを取り出した
「う、うん」
陸奥は言われるがままに着替えを始めたが、どうにもおかしい
「ナオ君、これはどうなってるの? ズボン……おかしくない?」
むつはそう言ってズボンを広げて見せた
尻の部分が殆ど無い為、下着が丸見えになっている
「ああ、それはね、チャープスって言うんだ。カウボーイがズボンの上から履くやつだよ」
「いや、だけど正装なんでしょ? これは不味いんじゃないの?」
「いいの、これがあそこの正装だから。さ、着替えて。あ、それから下着は身に着けちゃ駄目だよ」
「え!?」
「駄目なの。いいから早く」
尚之は有無を言わせない
着替え終わった後の姿は何とも妙なものになった
素晴らしくしたてのいいタキシード
尚之の父親は陸奥と体格がそっくりだったようで、まるであつらえたかのようにしっくりとくる
上半身だけ見れば今にも社交界デビューできそうである
だが股間だけは露出しているのだ
「ナオ君、これ恥ずかしいよ」
「そう?ここはそうとは言ってないよ?」
尚之はやおら陸奥の股間に手を伸ばした
着替え終わってからずっとおさまる気配が無かったのを尚之は知っていた
「ウッ……」
「これじゃ歩きづらいでしょう? 僕が大人しくさせてあげる」
そう言うと尚之は陸奥の前に跪いて
股間のモノを弄び始めた
尚之の舌先が陸奥のそれをねっとりと愛撫し始めると
しびれるような快感が陸奥の全身を駆け巡り始める
陸奥は快感の渦に飲み込まれそうになりながらふと思った
麻薬
この行為はそれ以外のなにものでもない
今まで味わった事の無い快感に晒された陸奥は
人間らしさを失いつつあった
何をするにも意欲がまったく湧かない
仕事にも行かなくなった
時には食事をする事すら忘れている事がある
考えているのは尚之の事だけで
それ以外の思考は殆ど停止していた
まるで木偶人形のように一日を過ごし
快感への禁断症状が出始めると尚之に会いに行く
毎日がこれの繰り返しである
今では廃人同然になってしまっている事にも気がついていた
だが、現状を打破しようとは微塵も考えられない
破滅への道をひた走りに走りながらも
それにブレーキをかけることを自らの意思で拒んでいた
「アウッ!」
軽い脱力感を伴う、何ともいえない快感が全身を駆け巡り
陸奥は全身を小刻みに震わせながら尚之の口内に放出する
頭の中は真っ白になり、先ほどまで僅かに残っていた人間らしさが消え失せていく
尚之は潤んだ目で陸奥を見上げ
「さ、行こ」と促した
陸奥はこくりと頷くと尚之の後を付いて行き
2人は門の前で待っていた黒塗りの車に滑り込んだ
「痒いな、チクショウ!誰か虫よけ持ってないか?」
内藤は悪態をついた
いつ何があってもいいように準備は整えているが
未だに動きは無い
日はすっかり暮れて、あれほど暑かった河原にも涼やかな風が吹き始めている
中州にいる4人にとってそれだけが救いだった
「えーと、来ましたよ。車の音が聞こえます」
指向性マイクで音を拾っていた福田が皆に知らせた
「こっちはまだだ。おい桑原、お前虫除け持って来てないのか?」
「無いっス」
助手の桑原の方も機材の調整に忙しく、それどころではない
「車にあるだろ、持ってこい。ついでに鈴木の様子も見てきてくれ」
「今っスか?」
「そう、今」
桑原は軽く舌打ちすると立ち上がった
入社して5年、殆どの仕事はこなせるようになってきていたが
大先輩であるこの2人と仕事をしている以上、いつまでたっても下っ端扱いである
「分かりましたよ!」
返事に少し怒気を含ませて藪の中へと消えていった
「えーと、もう一台、あ、続けてきます。内藤さん、えーと、もう少し優しくしてやって下さいよ」
「分かってるけどさ、福ちゃんに頼むわけにいかんだろ? オ、明かりがついた!
桑原、始めるぞ!……あ、いないんだっけか。くそっ! 肝心な時に!」
「内藤さんって結構理不尽ですよね」
千重の一言に内藤は苦笑いを浮かべている
と、後ろからジャバジャバと水を蹴散らす音が聞こえてきた
(気付かれたか?)
一同は一斉に身を固くしたが
現れたのは桑原だった
「お前何やってんだ! 向こうに聞こえたらどうする!」
「だけどこっちも大変なんです!鈴木さんがいません!」
「馬鹿野郎! あんなのいなくったっていいんだよ!それよりお前こっち手伝え」
桑原はブツブツ言いながら内藤のサポートに回った
「ほら、始まるぞ! 皆しっかりな!」
HDDとOSの相性が悪くて四苦八苦している内に事件が起きそうな状況に・・・。
料亭風の小屋の一角で障子がスルスルと開いていき
やがて全て開け放たれた
「意外と警戒していないんだな。こっちにしたら好都合だけどな」
内藤はそう言いながら録画ボタンを押した
和室の中央にはステージのようなものがあり、
その周りに次々と人が集まり始める
「あんな部屋で一体何をする……福ちゃん! 音声OKか!?」
集まった面々を見て内藤の声が急に鋭くなる
「えーと、大丈夫。雑談が聞こえるけど」
「よし、きっちりとっといてくれよ。凄いぞ、大スクープだ!」
「どうしたんですか? 何が始まっているんですか?」
千重が聞くと内藤が興奮しながら答える
「まだ何も始まっていないがね、集まったメンバーが凄いのさ。信じられんよ」
内藤はカメラを覗いたままポケットから双眼鏡を引っ張り出すと千重に手渡した
「見てごらん」
確かに凄い
胸に金バッジをつけた初老の男が数人、あれは代議士だろう
中の一人には見覚えがある
確か内閣官房長官の木下平八だ
よく会見を行うから千重も知っていた
それに演歌の大御所、南川一郎もいる
周りにいるのは取り巻きの歌手たちだろうか
さらに下がった所に人気アイドルグループ『スカンプ』が勢ぞろいしている
男ばかりである
そして……
「おい、マジかよ……」
内藤は思わず絶句した
スーツ姿の男達が裸の少年を大勢つれて部屋に入ってきたのだ
男達はステージの周りに集まった大人達の膝の上に
少年を一人づつあてがっていく
「あいつら何てことを……」
千重が双眼鏡を覗いたまま呟いた
内藤もレンズ越しに見える子供達に違和感を感じていた
「薄井さん、あの子達何かおかしくないかい?何で言いなりになってるんだ」
子供達は動作が非常に緩慢で顔に表情がない
特に目は虚ろで焦点が定まっていないように見える
(もしかして……)
内藤の予想に千重が答えを出す
「虐待か薬物。可哀想に……」
千重は留学先の病院で何度もあの表情を見てきていた
虐待を繰り返された子供達は決まって虚ろな表情をしていた
中には親から薬物を投与されている子供も数多くいて
少なからずショックを受けたものだった
あの子供達もきっと同じなのであろう
毎日のように大人達に玩具として扱われ
逃げ出さないように薬物で繋ぎとめられ
精神が崩壊したまま更なる隷属を強いられているのだろう
「助けなきゃ……」
千重がフラフラと立ち上がるのを内藤が抱きついて制した
「馬鹿っ!撃たれたいのか!」
「だってあの子達が……」
「そんな事俺達にどうこう出来る事じゃないだろう。
俺たちがしなけりゃいけないのはこの有様を世間に知らしめる事だ。
今薄井さんが動いたらそれもぶち壊しになるかもしれないんだぞ。
それでもいいのか?そしたらあの子達はずっとあのままだぞ?」
内藤の言う事はもっともだったが、
千重は何も出来ないことが歯痒かった
(私には何も出来ないのかしら……そうだ!)
千重は携帯電話を取り出した
和田にかけてみる
こんな事が行われているというのに警察が動けない筈が無い
だが和田の携帯電話は応答しない
いつまでたっても呼び出し音が続いているだけである
「アイツ!偉そうな事言ってたくせにちっとも役に立たないじゃない!!」
だれだ おれ
『スカンプ』ワラタ
そのころ和田はS市からK市に戻るバスの中にいた
バスと言っても普通のバスではない
窓には保護用に網がかけられ、車体は紺色に塗られている
そう、機動隊のバスだ
実は和田はあの河川敷の小屋の存在を知っていた
和田の所属する捜査4課では当初そこを暴力団がらみの施設だとの情報を得ていた
だが密かに内偵を進めていくうちにそうではないことが分かり始めていた
それ以上に危険な施設だった
出入りをしているのは政府高官や芸能人、各界の著名人などばかりで
施設の警護に当たっているのも元自衛官や軍人ばかりらしい
その武装もかなりもののようで、普通に踏み込んだらどれぐらいの被害が出るのか想像もつかない
そのための手配に躍起になっていた
機動隊を動かさなければならないだろう
それも完全装備でなければならない
その為に県警から装甲車や投光機、ヘリコプターまで借り出してきていた
後は出動するだけである
司法当局からの令状はあっさりとおりた
だが肝心の上層部からの命令が来ない
どこかでストップがかかっているという噂が流れ
和田にはそれが清水のあの一件と繋がっているような気がしていた
身動きの取れなくなっていた和田だったが
千重と会った事で踏ん切りがついた
あんな可愛らしい女の子でもあそこまでやっているんだと思うと
自分が恥ずかしくなったのである
幸いな事に機動隊の本部長はよく知っている人物である
千重達が動くことを知った和田は急いで事情を説明し
強引に部隊を借り出してきていたのだ
(あの子達無理していなけりゃいいがな……)
K市まではあと10キロ
急がねばならない
陸奥と尚之は河原にある小屋に着くと個室に通された
これから何が起きるのか不安に思っていた陸奥だったが
しなだれかかってくる尚之に体が反応していた
尚之はいつものように陸奥の股間を弄び始めたが、突然
「高史さん、向こうでもっといいことしよう」
と“作業”を中断してしまった
「ええぇ……」
残念そうな声を上げた陸奥だったが尚之には逆らえなかった
尚之が陸奥の手を取って廊下を歩き出す
陸奥はでくの坊のようについて行く
尚之はこれまでどんなに懇願しても手か口だけでしかしてくれなかった
(「もっといいことしよう」だって? もしかしたら……)
“させてくれる”のかもしれない
その言葉に次第に期待が高まりそれ以外のことは考えられなくなってきた
気がつくと目の前にカーテンがある
その向こうでは人の話す声も聞こえる
「さ、いくよ」
尚之が言った
これまでなら羞恥心が先にたっていただろう
何しろ下半身は丸裸のようなものなのだから
だが陸奥の頭の中は今は尚之の事で一杯になっている
「うん」
素直に返事をした陸奥はカーテンの向こうへと足を踏み入れた
「お、主役登場だな。薄井さん見えてる?」
だが千重は返事が出来なかった
陸奥があの酒井尚之に手を引かれてステージ上に上がってきたのだ
しかも股間が丸見えになっている
あまりの光景に思わず双眼鏡を落としてしまう
(まさか……高史君なの?)
千重は双眼鏡を拾うと再び覗き込み
ステージ上を注意深く観察した
確かに陸奥高史である
表情が無いのはやはりあの少年達と同じ理由なのだろうか
二人がステージ先端まで来ると尚之が陸奥の前に跪いた
ちょうど尚之の顔が陸奥の股間のあたりにある
(アッ! あの格好は……)
千重はあの公園のトイレでの一件を思い出した
やはりあの少年は酒井尚之だったのだ
そしてしゃぶられていた方の男は……
「イヤーッ!」
千重はそう叫ぶと双眼鏡を放り出した
もうこれ以上は見ていられない
何もかもが終わったような気がした
「イテテテテ……畜生、あのアマ!思いっきりぶん殴りやがって!」
鈴木はハンカチを川の水に浸すと腫れ上がった右頬に当てた
「あいつら好き勝手言いやがって。憶えとけよ!
もう怒髪天だ。ドハテン健ちゃんだ。ドハテン健ちゃんの恐ろしさを思い知らせてやる!」
実は鈴木はK署からの途中で気がついていた
だが、内藤達が自分の陰口を叩いているのを聞いて
起き上がるタイミングを逃していた
だから内藤達が機材を抱えて中州に移動するまでは気を失った“ふり”を続けていた
そして誰も居なくなったのを見計らってそっと車を抜け出したのだった
一応自分が責任者のつもりだったから
内藤達を“指揮して”この作戦を成功に導かなければならないと思っていた
だから内藤達の後を追う様にして川に渡り
彼らのすぐ傍でいつでも飛び出せるように待機していた
ところが、である
自分は『いなくてもいい』のだそうだ
幾つもの怒りが折り重なり
頭の中はグラグラと沸騰していた
「あいつら、見てろよ……抜け駆けしてやる」
鈴木は尻のポケットにデジカメが入っているのを確認すると
中州から対岸へとゆっくり歩き始めた
警備の男達は先程から暗視ゴーグルの調整にかかりっきりになっていた
開け放たれた障子から漏れてくる光は歩哨所にまで影響を及ぼしていて
視界が緑色に発光してしまっていたのだ
「全く、好きモノ爺さん達にも困ったもんだよ」
「まあそう言うなって。こんな割のいい仕事はそう無いぞ」
「そりゃそうなんだけどな。でも、誰がこんな所覗きに来るって言うんだよ」
「おいおい、お前だってここに集まっているメンバーを知らないわけじゃないだろ。
覗かれたりしたら洒落にならないんだよ。だから俺達がいるんじゃないか。
『邪魔者はあらゆる手段を使ってでも排除』これが我々に課せられたルールなんだ」
「ま、そうなんだがね。では今夜もきっちりお仕事しますか」
調整を終えた二人は暗視ゴーグルを装着した
「おい!」
「ああ、初仕事だな」
装着して間もなく、暗視ゴーグル越しの緑色の視界の端になにやらうごめく影がある
「人間だな。どうする?」
「決まってるだろ」
二人は装填済みのライフルを構えた
男が人を撃つのは久し振りである
しかも以前所属していた外人部隊で1度だけ経験があるに過ぎない
それだけに興奮し過ぎて冷静さを欠いていた
暗視ゴーグルを外すのを忘れている
だが照準はきっちりと合っている
男はゆっくりと少しためらいがちに引き金をひいた
サイレンサーをつけたライフルの先端からほんの少し発火炎を噴き出して
弾丸は音速の壁を超えて急速に鈴木との距離を縮めていった
フォッシュ
181 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/29 17:58
保守
>Higeさん、
>>181 保守ありがとうございます
鈴木は膝まで水に浸かりながら音をたてないように慎重に歩を進めていた
あの小屋の連中は勿論、内藤達に気付かれるのも避けなければならないからだ
「スプークは俺のものだ……スプークは俺のものだ……」
呟きながら対岸へと近付いていく
突然後ろから「イヤーッ!」という叫び声が聞こえた
思わず振り返ろうとした鈴木はバランスを崩す
必死でこらえながら大きく踏み出した右足の下には
比較的大きな石があった
苔がびっしりと生えていてヌルヌルと滑る
だが暗闇の中で明かりも無い鈴木にそんな事が分かるはずも無い
右足は極端に摩擦係数の低い部分を踏みつけ
そのままズルリと滑った
バシャッと水音がして標的が倒れたのが分かった
「やったか!?」
「慌てるな。大体お前、撃つ時ぐらいゴーグル外せ」
もうひとりの男は冷静である
先程からゴーグルを外して、ずっと暗視スコープの十字の真ん中に標的を捉えていた
鈴木はすぐに尻のポケットに手を伸ばしデジカメを引っ張り出した
ぐっしょりと水に浸かったデジカメはスイッチを入れてもウンともスンともいわない
「ああぁ!カメラがぁ!!」
「ウワッ、なんか騒いでる。当たってねえのかよ」
「運が悪かったな。俺が頂くぞ。サイレンサーつきでも音は相当のもんだ。
そう手間をかけるわけにもいかんからな」
男はよどみの無い動作で銃を固定させると、何のためらいも無く引き金を絞った
「何だ?」
対岸からの発砲音と、それに続いて水音が聞こえた
さらに何やら叫び声が聞こえる
「いかん!発砲されているぞ!皆隠れろ」
内藤が鋭く叫ぶ
だが桑原は今の声が鈴木だという事にすぐに気がついた
「今の声、鈴木さんじゃ!?」
「だったら何だ!助けに行けとでも言うのか?的になるだけだぞ!」
「でも助けないと」
桑原は機材を放り出すと川の中へと入っていく
(しまった!声を出しちまった)
鈴木は思わず声を出してしまった事を後悔していた
対岸にも、内藤達にも気付かれてはならないというのに
「鈴木さん!」
右後方から呼びかける声がする
(桑原か?気付かれたのか?)
鈴木は振り返ろうとした
ちょうどそこに二発目の弾丸が到達した
弾丸は鈴木の左耳の上から入り右の眼窩近くで破裂
鈴木は何が何だか分からないうちに両目を飛び出させ
川の流れの中に倒れこんだ
プロバイダのバカヤローのせいで
繋がらないこと1週間…(ToT)
やっと来てみたら何やらすごいことに…
ヤパーリ鈴木タンやられちゃいましたねw
>きりんさん
本当は鈴木にはもっと華々しい死に様を用意してあげたかったのですが
めんどくさくなって止めました。
雑魚波動(?)は作者にまで影響を及ぼしているようですw
全国の鈴木健治さん、ホントすいません。
罪滅ぼしの為にも、鈴木が活躍(?)するシリーズでも作りましょうか……
「お?仲間がいるのか」
男達のスコープには新たな人影が映し出されている
「今度は俺にやらせてくれ。もう失敗はしない」
男はそう言うと桑原の姿をスコープの十字の真ん中に合わせた
あたりを見回すと対岸だけではなかった
こちらの土手の上にも巨大な投光機が設置され、こちらを照らしだしている
さらに新しく加わった光の帯がある
いつの間にか上空に殺到していた2基のヘリコプターが
スポットライトさながらに二人のスナイパーたちを照らしていた
「君達は包囲されている!もう逃げ場は無い!その場を動くな!」
何処からかスピーカーでがなりたてる声が聞こえる
さらには遠くからパトカーのサイレンも聞こえてきた
「おい、どうするんだ?」
警備の男達は顔を見合わせた
「葦の原から逃げるか?」
「あそこはトラップがあるだろう」
「大丈夫、抜け道を知ってる」
「ホントか? じゃあそれだ、それしかない」
もう仕事などどうでもいい
別に雇い主のあの女に何の義理があるわけでもない
捕まったら煩い事になるだけだ
二人は銃器を置くと葦の原に向かって走り始めた
投光機の光やスピーカーからの声で取り囲まれている事がわかったのだろう
ステージの周りにいた男達は我先にと逃げ出していく
そして部屋には頭の壊れた子供達と
陸奥と尚之の二人だけになってしまった
陸奥は何が異変が起きている事に気がついていた
だが今はそれよりももっと興味を引かれる事態が起こりつつあった
眼の前で尚之が全裸になろうとしている
とうとう“その時”が来たのだ
尚之は服を脱ぎ終えると四つん這いになり
頭だけを陸奥の方に向けて潤んだ瞳で見つめると
「来て」
と呟いた
透き通るような真っ白な尻
その割れ目の真ん中で肛門がヒクヒクと淫らに誘う
陸奥は頭の中が真っ白になり
自分のペニスに手をあてがうと尚之の肛門に押し当てた
つもりだった
と、同時に(あ、入らない)とも思った
陸奥のペニスは真っ直ぐに尚之の肛門を向いておらず
とても入りそうな角度ではなかったからだ
だが不思議な事に陸奥のペニスは尚之の中にスルリと飲み込まれた
挿入の瞬間に尚之の肛門が大きく裂け
まるで獲物をくわえ込むように陸奥のペニスを呑み込んだのだ
途端にこの世のものとは思えないほどの快感が陸奥を襲った
ペニスから腰へ、腰から背中へと駆け上るその感覚は
頭に到達した時に大爆発をした
体が宙に浮いたような感覚や、奈落の底に落ちていくような感覚が交互に表れては消え
後頭部から何かが抜けていくような感覚がして五感が全て消え去った
だから陸奥は尚之の変化に気がつかなかった
陸奥が白目を剥きながらビクビクと痙攣するその前で
尚之はこの世のものとは思えないような変化を遂げていった
>195
>罪滅ぼしの為にも、鈴木が活躍(?)するシリーズでも作りましょうか……
いえ、けっこうですw
それよりも次回作にはぜひ豊田タソの復活を…w