墓の中まで持っていく話 2

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316304-306
そういえば、>304-306が起こったのは、あの幼女連続誘拐殺人事件の犯人が逮捕された時と
時期的に近かったか、その数年前だったような気がする。
あの事件を見たとき、>304-306のことを思い出してすごく気分が悪くなった記憶があるから。

僕と妹とは元々よく兄妹喧嘩をしていた。
だけど、あの一件が起こってからは少し事情が変わった。
兄妹喧嘩中に妹が僕を睨む目が変わったのだ。
それは明らかに侮蔑の目だった。
その目で睨みつけられると僕はいつも締め付けられるように心苦しくなった。

数年前妹は結婚した。
めでたい席のはずなのにその式に出席している間ずっと、僕の頭からはあの一件が離れなかった。
僕はあまり表には出さなかったけど、妹が結婚したことを心底よろこんでいた。
僕は、妹が結婚すればこの罪の意識から少しは開放されるのではないかと思った。
だけど、何も変わらなかった。
妹が結婚できたからといって僕の心は少しも軽くならなかった。

僕が犯した罪は一生消えないのだ。