身内に起こった怖い話 4話目

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うちの弟は、いろいろと微妙な体験をしてる

ある日の塾通い、コンビニで時間潰ししつつ
外で肉まんを食べていた時の出来事だそうな

連れの買い物があまりに長いので、外で自転車に跨っていると
足元を「さわさわ」と何かが擦る感覚がする
何だろう?と足元を見ると、犬でも猫でもない妙な生き物が数匹
弟の足元に体を擦りつけていた

鼻を鳴らし、足元に纏わりつくその獣は
灰色の毛をしていて、ちょっと見たことの無い動物
「肉まん食うかな?」と思い足元にまいてみても
一切口にする事はなかったみたい

妙なのは買い物を済ませた友人が外に出てきても
その動物の事にはまったくふれない事

そのまま塾へと自転車をこぎだしたが
その動物は自転車にまとわりついてついてきて
運転しづらいことこのうえない

さすがに奇妙に感じた弟がそれとなく友人に聞いてみると
どうもその動物が見えてなかったようで…

怖いというより不思議な出来事でスマソ
塾の帰り道に弟が通る大通り
其処にも妙な者がいる事があるそうだ

ソレはまっ黒い柱の様な形をしていて交差点にたたずみ
信号で停まる車やバイクを覗き込んでいるらしく
蜃気楼のようにぼやけて見える

弟はなんとなくそれがヨクナイ者な気がしていたらしく
それが見えるときは慌てて通り道を変えるか
何処かで時間をつぶし塾へ向うようにしていた

今月の頭の出来事
弟が真っ青な顔をして塾から帰ってきた
それも友達に付き添われるほど体調が悪いらしい

「こいつ交通事故の現場みちゃったんですよ」

弟の友人は苦笑いでそう言っていた

体調があまりに酷いので
そのまま弟を休ませようと部屋に連れて行くと
ボソっと弟がこう呟いた

「例の交差点にさ前に話したアレがいたんだよ」
「アイツさ…事故現場ですげぇ体揺らしててさ…アレ笑って喜んでんだぜ」

事故現場で気持ち悪くなったというより
その黒い柱?にあてられて吐き気が止まらなかったらしい
我が弟ながら、見える人ってのは色々大変なんだなぁ