■創作怪談三題噺■

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725「門松」「節」「特番」:03/01/02 19:30
門松の先で目を突いた。ブシュ〜と飛び散る血潮が、降り積もった雪の上に降り注ぎ、
紅白の美しいコントラストを作り出す。門松は目に突き刺さったままだ。手を離すと、
門松はドスンと落下して、その後眼球がポロリンとこぼれ落ちた。
彼は冷静を装いつつ門松の節をぬいて、獅子おどしを作り始めた。
これが30年ぐらい前に観たある特番の内容だ。誰か覚えてない?

次は「年賀状」「雑煮」「お年玉」で
726あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/03 23:42
お年玉・・・貰う立場の時は良かった
727「年賀状」「雑煮」「お年玉」:03/01/05 00:34
「もしもし、佐藤、新年おめでと〜」
「おう、金田、生きてたか」
「ぼちぼちな。年賀状出し忘れたから電話した」
「これは御丁寧なことで。雑煮食った?」
「まだ。てゆーか、俺、モチ食えねーし」
「お年玉もらった?」
「そんな年じゃないだろ。お互いに」
「いや、俺は死ぬまでもらうつもりだが」

西暦200×年、NTT長野の職員の会話
「また幽霊電波だわ」
「どこから?」
「東京方面」
「旧首都圏は放射能汚染で猫の子一匹いないはずなのにな」
「人はいなくなっても電波は残るってか。21世紀のホラーだね」

次は「成人式」「晴れ着」「桜」で
728「成人式」「晴れ着」「桜」:03/01/05 02:33
「しかし、あれだね。アメリカがあの国にやったことって、
 第2次大戦前の日本にしたのと同じでしょ」
「それで戦争起こしちゃうあの国もあの国だけどね。すぐ負けちゃうし」
「でも、大義名分もなく『やられたからやり返す』ってのはスッキリしてるよね」
「有言実行『攻撃されたら地球を壊す』(笑。地球はオマエの私物かよ(笑」
「ヒロシマ・ナガサキに、トーキョー、オーサカ、オキナワ……もう切りがない」
「実はあの地味な国家元首が渋谷系ギャル軍団を見ちゃったらしいんだな。
 それで一言『焼き尽くせ』と(笑」
「それで原爆(笑。1000万人が灰になった(笑」
「罪だね〜(笑」
「あれって成人式の日だったよね。羽織袴や晴れ着でピカドン」
「それでも浜崎あゆみは生き残った。“あゆは永久に不滅です”」
「似てない。巨人は全滅だし(笑。メジャーに行った松井の判断は正しかったな」
「ところで、あれ以降、東京周辺は1年中桜が咲いてるって聞いたけど、マジ?」
「『桜の下には死体が埋まっている』。1000万人分なら何年でも咲き続けるだろう」

やっぱり2番煎じはいけないね。
次も「成人式」「晴れ着」「桜」でお願いします。
729山崎渉:03/01/06 12:37
(^^) 
今日子は、この間のお花見の写真をアルバムに入れていた。
桜満開の元、飲みつけない日本酒で頬を桜色に上気させている写真。
入れ終わり、ぱらりと前のページを操る。
成人式の写真。
スーツ姿の今日子が振袖姿の仲間たちと一緒に写っている。
「面倒だったんだけど、おかあさんが折角だから着ろ着ろってうるさいからさ」
友人たちの言葉。今日子もそう言われていた。
しかし、半ば意地になって結局スーツで行った。
式の途中、気づくと少しだけ羨ましい目で彼女たちを見ていた。
今、こうやって「思い出」として振り返ってみると、「二度とない事なんだし、やはり晴れ
着として着ておけば良かった」と後悔が頭をもたげる。
ぱらり、もう一ページめくる。
「ん?」
桜色の振袖を着た今日子の写真が一葉ある。
訳がわからない。そんな写真はあり得ない。
しかし、場所はどう見ても会場だった市民会館。周りの雰囲気も成人式当日。
そしてもうひとつ奇妙なのは、一緒に写っている女性を今日子は知らない、という事。
だのに、写真の中では、まるで旧知の仲のように親しげだ。
気になったので、一緒に成人式に行った友人たちに訊いてみた。
誰も知らない。
「えー?別の日の写真じゃないの?あんたあの日スーツだったじゃん」
仮にそうだとしても、写真の人物がわからない事に変わりはない。
気持ち悪いなと思いながら捨てるのもはばかられるので、とりあえず元のところに戻
そうとアルバムを取り出そうとした。
棚にきっちり入っていたので、一緒に隣のアルバムがずり出て来た。
そして、自然に開いたページの古びた写真。あの謎の女性が写っている。
キッチンの母親のところに行き、慌てた様子の今日子に不審そうな母親に訊ねた。
「おかあさん。これって…誰?」
「あら。あばあちゃんの若い時の写真ねぇ。どうしたの?こんな写真出して」
今日子は、この写真では色はわからないけれど、この振袖は桜色だろうと思った。
73183:03/01/06 19:36
ちょっと舌っ足らずな文章になったかな。
反省。
言い訳としては、三人称久し振り、ってのがありまして(笑)
書いてて、「ん?一人称臭くなってねぇか?(汗)」と混乱しちゃったり。

次のお題は「七草」「オートミール」「爆竹」でお願いします。
73283:03/01/06 20:09
699以降の感想(雑談含み)(1/2)

>>701-703
なにで来るかと思ったら、まさかモーネタとは(笑)
モー娘。全然知らない人なんだけど、保田圭がこの手のネタ(よりによって…的な)に
使われがちなのは何故か知ってたり(こんな認識で良いのか(笑))

>>708-710
時代の流れや、嫉妬・羨望なんてのに事欠かない業界だろうから、こういった連鎖
しちゃう怨念ってテーマは似合いますな。

>>714
悲惨なのに、掛け合いで滑稽な感じがおされですな。
とゆーか、自爆してんだよね、この犯人。
めさいやーんな感じなのに、一瞬ほのぼの系に思えてしまうとこが怖い。

>>715
あやうーい綱の上を歩いてる雰囲気の主人公の性格描写が良い感じ。
あ、使い道に困ったお題を無理から消費するのは、基本です(笑)

>>718
ネタはでっちあげるもんす(笑)
73383:03/01/06 20:10
699以降の感想(2/2)

>>719-720
あー、これ巧いなぁ、好み。
生活密着型な描写が、実話系怪談っぽくてナイス。

>>724
その尺で、怪談要素入ってたら天才だったのに(笑)

>>725
なんか、人体切断しっぱなしショーみたいな特番だ(笑)
何故獅子おどしなんでしょう(笑)
真面目に情景を想像すると、かなりすごいね。

>>727
年明け早々某国から核のお年玉、っつ設定なのね。
その瞬間の携帯の使用率を想像すると、いくつかは幽霊電波なんかになっても
そう不思議じゃないよなぁ、って気に確かになる。

>>728
無茶だなー(笑)
最後の、一千万人分の栄養で咲き続ける桜、ってのはなかなか魅力的。
734あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/08 23:33
735「七草」「オートミール」「爆竹」:03/01/11 18:16
わたしは夕食の仕度をしながら、昨夜の主人の言葉を思い出す。
「ああ、人肉入りのオートミールが食べたいなぁ」
主人は最近よくそんなことを口にする。
「人肉って誰でも一回は食べてみたいもんだろ。
きっとうまいと思うな。今日七草だろ。適当に草も入れてさ」
「やだ、あなた。何言ってるのよ」
「やっぱりイメージ的には若い女の子なんかが一番良さそうだな。
オレはユッケも好きだけど、こっちの方がずっとうまいだろうな」
「怖いこと言わないでよ」
「よくホラー映画とかで、ほらゾンビとかが生きた人間の血肉を求めて
とかってあるじゃん。あれ分かるなぁ。やっぱうまいんだよなー」
「・・・・・・・」
「長いひも状の爆竹なんか飲み込ませて、口から出た導火線に火つけてさ、
パンパンパーンって体内ぐちゃぐちゃにしてから食べたりすると、
また格別にうまそうだな。ふふふっ」
「・・・・・・・」

「ピヒョォーーーー!」
お湯が沸騰したことを知らせるやかんの音で我にかえった。
包丁をにぎった手が中空をさまよっていた。
あわてて、長ネギを切る作業を再開するが、
その手はまたすぐ止まってしまう。主人のことを考えずにはいられない。
736「七草」「オートミール」「爆竹」:03/01/11 18:17
決して完璧な夫とは言えなかったが、あんな気持ちの悪いことを
平然と言う人ではなかった。
いつからだろうか、主人が変わってしまったのは。
「いつから」?
・・・それはわたしが一番知っている。
わたしが彼を殺してからだ。
確かに首を絞めて殺したはずなのに、殺したはずだったのに、
翌朝彼は普通に朝食を食べ、普通に会社へ出かけていった。
あの日から主人はおかしくなった。
「いやあ、まさしく食わず嫌いってやつだな」などと言って
これまで口にしなかった生肉をおいしそうに食べるようになった。
人間の肉が食べたいと笑いながら話すようになった。
食べたいと話しているうちはまだ良いのだ。
今の彼なら・・・今の彼には自分の欲望を抑える術がないように感じた。
「ただいまー」
彼が帰ってきた。
「あ、あなた、おかえりなさい・・・」
「うん、ただいま」
「あ、す、すぐ食事の用意するわね」
「ああ、今日はいいや。外ですませてきたから」
わたしは震えが止まらなかった。
737735:03/01/11 18:20
次のお題は
「隣人」「海岸」「手術」でお願いします。

上の話考えてる時に浮かんだ他のネタ。
お題とは関係ないけど、誰か読んで↓

私は小さい頃からやってみたいことが2つあった。
あんまりおおっぴらには言えないが、
人を拳銃で撃ってみることと人間の肉を食べること。
私はついに長年の夢を実行に移すことにした。
どうせなら2つ一緒にすませてしまおう。
公園のホームレスに金を払って家に呼んだ。
闇ルートで手に入れた拳銃を男の腹部めがけて2発。
見事命中。想像以上に爽快だ。
それから私は痛みにもだえる男を横目に見ながら
自分のくすり指を切断して口に運んだ。
738「隣人」「海岸」「手術」 ◆cBCRASH/NU :03/01/11 20:16
最近寝不足だ。原因は、僕が住んでいる部屋の隣人。
毎晩毎晩女を連れ込んでは夜通しエッチしてるので
絶え間なく喘ぎ声が聞こえてきて、寝れやしない。
文句を言おうかと思ったが、その隣人は強面。
そんな容姿の人に苦情を言う勇気は小心者の僕には無く、
思わず海岸まで走って「バカヤロー!青春のバカヤロー!」と訳の判らない怒声を上げてしまったほどだ。
え、「耳を愉しませてくれてありがとう、だろ?」だって?放っといてよ。
ともかく僕は、1週間以上にわたって碌に眠れずにいて困っていたわけ。
で、今日僕会ったんだ、隣の彼に。でっかいボストンバッグを持ってたよ。
あれ、旅行かな?と思ったんだけど、向こうからこう挨拶された。
「いやぁ、参ったよ。盲腸になってさ。手術やらなんやらで一週間入院してたんだ」
外見とは裏腹に気さくな口調で話しかけてきた彼。なんだ、結構いい奴っぽいじゃん。
……て、あれ?一週間いなかったわけ?
じゃあ、毎晩聴こえてきていたあの声、何??

■「梅干」「リチャード」「井戸水」でよろしく。
739道楽蟹 ◆QZPU71PwSQ :03/01/11 21:30
>>735-736
どんでん返し落ちかと思いきや、最後の夫の台詞で、とても味のある形に仕上がって
いますね。
かなり好きです。

もう一つの話も、一本とられた感じがしました。
740すっポンぽん ◆vLPon/Ye4Q :03/01/12 10:15
「梅干」「リチャード」「井戸水」

2206年10月6日(月)・曇り
今日、俺達のクラスに交換留学生がやってきた。リチャードというらしい。
さすがに我々日本人とは違って、背が高く足も長い。羨ましすぎるぜ。

2206年10月9日(木)・晴れ
昼休み、リチャードが俺の食っている弁当を珍しそうにのぞき込んできた。
そして、ご飯の真ん中にのっかっている直径3pぐらいの赤い物を指さして、
「それは一体なんだ?」と聞く。「梅干しという日本固有の伝統的な食べ物
だよ」と答えた。するとリチャードは興味を示し、ぜひ食わせろとせがむ。
まぁ、俺もそんなに好物なわけでもないからいいか、と思い箸でつまんで渡
してやった。「でもこいつ、あまりの酸っぱさにビックリするだろうな・・・」
と内心ほくそ笑みつつ、梅干しをほおばるリチャードの反応をうかがった。
しかし意外にも「うまい、うまい」を連発。変わった奴だ・・・

2206年10月10日(金)・快晴
昨日、あまりにもうまそうに梅干しを食うので、タッパに入れて持ってきて
やると、リチャードは感激してムシャムシャと夢中で食い始めた。「おい、
おい日本人でもそんなにいっぺんには食わんぞ」とあきれながら見ていると、
タッパに一杯つまっていた梅干しをあっという間に平らげてしまった。
ホントに変わった奴だ。
741すっポンぽん ◆vLPon/Ye4Q :03/01/12 10:17
(つづき)
2206年10月14日(火)・曇り
リチャードの様子がおかしい。皮膚が赤くなり至る所にブツブツができている。
昨日からかゆくて仕方が無いという。水道水でも飲んだのだろうか?彼らの
国の留学生は、日本の水道水が体に合わず、必ずホームスティ先の電動ポン
プで汲み上げた井戸水を飲料水として利用していた。しかし、リチャードは
水道水は飲んでいないと言う。いったいどうしたのだろうか・・・

2006年10月15日(水)・曇りのち雨
今日、リチャードが学校を休んだ。相当具合が悪いらしい。放課後見舞いに
いったが、リチャードの変わり様を見て驚いた。まぶたが腫れ上がっていて、
体全体がただれていた。彼自慢のコバルト色の髪の毛も白く変色していた。
彼は「だいじょうぶ、きっと慣れない環境で疲れが出たんだよ」と、心配す
る俺に強がって見せた。しかしただ事ではないと感じた俺は医者に行くよう
に勧め、彼のホームスティ宅を後にした。

2006年10月17日(金)・雨
今日登校すると、担任から悲しい知らせを聞かされた。リチャードが昨晩亡
くなったということだ。死因はアレルギー性のなにやら難しい病名だった。
俺はその時、あの梅干しが原因だと直感した。そして、他の惑星からやって
きた者にむやみに地球の食べ物を与えたことを後悔した。誰にも看取られず
この遠い星でひとり死んでいったリチャード・・・本当にゴメンな。

次のお題は「海外旅行」「新聞」「万年筆」で
742すっポンぽん ◆vLPon/Ye4Q :03/01/12 11:28
訂正・・・>>741で15日と17日の日記の年が2006年となっていますが、もちろん2206年の間違いです。
743「成人式」「晴れ着」「桜」:03/01/13 00:53
以前、中国に「猫節」なるものがあると聞き、探しに行ったことがある。
海外旅行といえば聞こえは良いが、
あの国は東側沿岸部の発展が嘘のように、内陸部は濃厚に貧しいアジアだ。
サービスも悪ければ食べ物もマズい。埃っぽいし猛烈に暑い。
古新聞に包まれた慢頭を食べながら、得意の北京語で猫節の情報を尋ね歩く。
猫節とは、日本で言えばカツオ節。猫の食用ミイラのことだ。
中国では足がついてて食べないのは机だけ、と言われていて、
そのため、食べられない機械などは通常「机」と表記される。
例えば飛行機は飛行机、パソコンは計算机という風に。
しかし、韓国で犬食いが禁止されたように、中国でも緘口令が出ているのか、
腕時計にライター、万年筆を差し出しても、その話をしてくれる人は少なかった。

上海から上陸して未解放区(外国人立入禁止地区)に入り、砂漠化した山岳地域を、
これ以上進んだらチベットだという辺りでようやく有力情報をゲットした。
中国人になりすまして乗ったバスが、砂漠の真ん中のスイカ小屋で停車した。
日本の高速道路で言うところのサービスエリアだ。
簡素な土塗りの小屋とただ転がってるだけのスイカ(飲み水の代わり)、
あとは屋根も仕切りもない便所と主人のボロ自動車とボロキレのついた枯れ木の山。
ただそれだけのサービスエリア。
やがて、バスは目的のマオ族の村に着く。
マオ族の人々は、自分たちの祖先は中国皇帝が飼っていた猫だと信じているという。
そして、村の裏の方にはやはりボロキレを着た枯れ木が山になって転がっていた。
枯れ木は人間の子供の形をしていた。
744743:03/01/13 00:56
上の話、半分は実話なんですよね。
困ったものだ。

次は「地図」「日本庭園」「ゴシップ」でお願いします。
745743:03/01/13 01:05
訂正…>>743の題名は「海外旅行」「新聞」「万年筆」が正解です。

なぜか前に投稿したのに変わっていたのよね?? 不思議よね??
困ったものだ。

ついでだけど、ここに来る人って、みんなレベル高いよね。
「もう、二十年にもなるのね…」
淑子は社員旅行で来た京都の風景を見ながら呟いた。
二十年前、淑子は将来有望な若手の医師と婚約をしていた。
しかし、彼は出張先のこの京都で、身元不明の精神異常の女性に絞め殺されたのだ。
当時はかなり世間を騒がせ、彼の身に関する様々なゴシップが飛び交い、淑子も随
分苦しめられた。
今の職場の人間は、淑子がまさかあの事件の淑子だとは知らない。いや、若い人も
多い。事件そのものが忘れ去られてしまっているのかも知れない。
だから、その殺人の舞台になった日本庭園がコースに入っているのもしかたがない
のだろう。淑子はこんな事で周りに過去を思い出されるのは嫌だったので、あえて反
対をしたりしなかった。
入り口でパンフレットをもらい、ぞろぞろと歩く。ある場所で淑子の足がぴたりと止まる。
ここが、ここがあの事件の…。あんな事がなければ…。あの女はなぜ…。
がたんっ。
突然の音にびっくりする。見ると、部屋に飾っていた額が落ちている。くくっていた紐
がほどけた跡があった。「刻之巡」そういう絵らしい。
我に返ると、みんなは淑子が立ち止まった事に気づかなかったのか、あたりには誰も
いなくなっていた。どうしよう…。
パンフレットに載っている地図を見ながらどっちに行けば良いのか考えてた。丁度分
岐点のようになっているところなのでさっぱりわからない。
ひそひそと声が聞こえる。陰になったところに男がいる。団体を見なかったか訊こうと
そちらに近づいた時…淑子はそれが「彼」である事に気づいた。二十年前そのままの。
まさか…まさか…ふらふらとそちらに近づいていくと、「彼」は身も知らぬ若い女とじゃ
れあっていた。
ポケットに入れた手がさっき無意識に拾っていた紐に触れる。淑子は「彼」に飛びか
かり、その紐で力一杯絞めた。絞めた。絞めた。若い女は悲鳴を上げて逃げた。

淑子は、留置所から若かりし自分に宛てて手紙を書いた。
しかし、その手紙の内容は常軌を逸していたために、当時の彼女に届けられる事は
なかった。
74783:03/01/13 04:35
風呂入ってたら思いついたんだけど、なんか藤子Fの短編のパクりっぽ…。

次のお題は、「暗号」「暗合」「鮟鱇(「あんこう」とか「アンコウ」とか表記はご自由に)」
でお願いします。
748あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/13 04:37
                     ‖+|
                     ‖ ̄     
                     ‖         ツカマエロー!!
                        ./| ̄ ̄ ̄|    ○_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             .∧_∧ | .|: 東京 :|     (゚Д゚ )__<また千破矢が逃げたぞ ゴルァ!! 
               ( ´Д` )| .|. 精神 :|    |  づ/  \_________
    ミミ皿皿皿皿皿._)   (_皿...|: 病院 :| 皿皿l ̄ ̄ ̄l皿皿皿_
  ミミ彡ミ  田 田./     . `、 |    /| 田   田   田   田 :|
  ミミミミ彡    /,r|    r‐、い|  /  |             :|皿皿皿皿皿
  ミ彡ミミミミ   [.| | .|   {ニ }/.|/    | 田   田   田   田 :|        |
  ミミミミ巛彡.  {_} |    `‐'i"    |  .|             :|田 田 田│
  ミ彡彡ミミミ   /"ヽ-、 .|./| ̄ ̄ ̄ ̄|              |        │
  ミミミミミミ彡ミ二. |  .| ヽ .| _|    ╋:‖  | ̄ ̄|  :| ̄ ̄|  |田 .三.   │
  |  ::;;:;;;  三≡|   |λ {ll|..:|  :┌─‖  |┐ _,:|  :|   ._:|  |_三二  │
  | ;;:;::;;;;;;;;;;:  | | mn_ ヾ._リ_:| _ _|  ‖  |│_|  :|__|  |  ||  .   │
  |二二二二二二.{  .7. .. l,,,,,|_____..|.Π.‖_|;;;;;;;;;;;|_|;;;;;,;;;,;;|__| ̄  ̄    │
74983:03/01/13 04:53
734以降の感想

>>735-736
殺したと思ってたけど死んでなかった?いや、死んだのに生き返った?ってな感じの
方がおいしいかも。
最後が匂わしで終わってるのがグッド。

>>737 (番外)
わはははは。
これ、好き好き(笑)
確かに最初の方で、「食うのにホームレス選ぶなんて物好きだなぁ。普通それなら
OLとか女子高生狙うだろー」って考えただけに、「やられたー(笑)」って感じ。

>>738
やぁ、そうなると、ホントに「喘ぎ声」だったのか、ってのか興味深いすねぇ。
枕元でハトが「くっくっ。くっくっ…」の話みたいな考えだけど。

>>740-741
あー、日記の日付が遠未来だから、「こりゃ普通じゃないな」と身構えてしまいました。
もったいない。

>>743
ははぁん。こりゃ巧い。
昔は(下手して現在も)、その枯れ木を「猫節」として売って飢えを凌いでたんじゃ
なかろうかとか想像しちゃう。
750すっポンぽん ◆vLPon/Ye4Q :03/01/13 05:47
>>749
>あー、日記の日付が遠未来だから、「こりゃ普通じゃないな」と身構えてしまいました。
>もったいない。

おっしゃるとおり、書き込んでから「こりゃマズかったかな」と後悔しました。まぁ、久しぶりの投稿としてはまずまずの出来だったんじゃないかな。
751あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/13 05:55
>>745
そんなにレベル高いかなあ。僕もいくつか書いてるけど、僕のよ
うな文章ドシロウトの作品も堂々と載ってるし。でも確かにプロ
さながらの出来の作品もありますね。結構怖いのもあるし、でも
みんながみんな上手じゃなくても全然いいと思う。僕だって、そ
んなこと全然気にせず書いてるし(恥ずかしいからどれとは言わ
ないけど)。このスレ良スレだと思う。人の作品を読むのはすご
い楽しいし、自分でネタ考えるのもいい。なんか最近また少しず
つ書き込みが増えてて、このスレファンとして嬉しいよ。てゆう
か僕がこのスレ知ったのってつい最近なんだけどね。オカルト板
しょっちゅう見に来てたのに全然知らんかった。これからも暇を
ぬって作品書き込みたいと思ってるんで、みなさんよろしくね。
752.:03/01/13 05:58
>>751
とりあえず、改行とか段落使え
747 :83 :03/01/13 04:35
風呂入ってたら思いついたんだけど、なんか藤子Fの短編のパクりっぽ…。
次のお題は、「暗号」「暗合」「鮟鱇(「あんこう」とか「アンコウ」とか表記はご自由に)」
でお願いします。

新作誰かよろしく。お題が埋もれてたので拾って見た。
754「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:11
あんごう【暗合】アンゴウ
 期せずして互いに一致すること。「偶然の−」

「美幸、これうまいよー」
後ろから貴俊の声が聞こえ、美幸は思わず口元がゆるむ。
追加の野菜を切り終えて、美幸がこたつへ戻ると、
「これほんとうまいよ」と貴俊がまた繰り返した。
腕をふるった手料理をほめられて嬉しくないはずはない。
「でしょう?惚れなおした?」
「ああ惚れた惚れた。ねぇこれ何の魚?」
「鮟鱇よ。鮟鱇。これ鮟鱇なべだよ」
「へえ、鮟鱇か。初めて食べたかも」
口いっぱいににほおばりながら話す貴俊はまるで子供のようだ。
755「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:12
「あっそうだ。鮟鱇で思い出したけどさ」
何かを思いついたように貴俊が傍らのカバンをまさぐる。
「今日友達がさ、これ解けるかとか言って暗号みたいなの
もってきたんだよ」
(何よ鮟鱇から暗号って。もう料理ほめるのは終わり?)
「えー何何?見せて」
心とはうらはらに美幸もさも興味ありげに手を伸ばす。
貴俊から手渡された紙片には、数字やらひらがなやら
アルファベットやらが羅列されていた。
美幸は思わず目を見開く。それに見覚えがあったのだ。
まぎれもないその暗号は美幸自身が作って、
ネットの匿名掲示板に書き込んだものだった。
もう1年、いや2年くらい前だろうか。
いろいろな人が暗号を書き込んで、それを解いて楽しむという
掲示板に、無い知恵をしぼって考えた暗号を書き込んだのだ。
その時、「現役女子大生です」と書いたら、
「おまえネカマだろ」と言いかえされたことも思い出した。
しばらくは毎日のように、自分の暗号が解かれているか楽しみで
掲示板をのぞいていたのだが、そのうちあまりにも反応がうすいのが
さみしくて、いつしかその掲示板をのぞくのもやめてしまっていた。
ずいぶん懐かしい感じがする。あれから解いた人はいたんだろうか。
756「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:13
「ねえこれ、その友達は解けたの?」
「いや、あいつも解けなかったみたい。なんか物理の用語かなんか
使って解くらしいんだけどね」
物理じゃない。元素記号よ。
美幸は誰かに解いて欲しくて、ヒントを書き込んだことも思い出した。
もしかしてまだ誰も解けてないのかな?
それとも何人かの人は解いたのかしら?
「まあ、いいや。せっかくだからなべ食べようよ」
貴俊は紙片をほっぽりだして、また鍋に箸を伸ばす。
暗号のことを話そうかとも思ったが、別に大した内容でもないし、
美幸もそれ以上何も言わなかった。
「てゆうか。ほんと料理うまくなったよね、美幸」
よほどなべが気に入ったのか、貴俊はまた料理を誉め始めた。
「前はさとても食えたもんじゃなかったもんな。特にほら
あのミネストローネ、あれは最悪だったなぁ」
「えーひどーい。てか貴ちゃんて、私の料理まずいとか言って
平気でのこしてたよね。あれもひどいよ」
「だってまずいものはまずいんだもん。でもこれはすごいうまいよ」
「私も初めて作った割にはよくできたと思うよ。なんか魚屋さんで
見つけておいしそうだったから、なんとなく買っちゃった。
で、うち帰ってから、あわてて料理の本ひろげてさー。でも
おいしくできてよかった」
757「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:15
「でもさ、美幸、さっきから箸すすんでなくない?」
「あ、うん、実はさちょっと体調よくなくて。ごめんね」
「え、そうなの?だいじょぶ?」
「うん。夕方までは普通で、てゆうかむしろ調子よくて
浮かれ気分だったんだけどね・・・」
貴俊が心配そうにのぞき込む。
「でも、うん、たぶん大丈夫。ほんとごめんね。でも貴ちゃんが
料理いっぱい誉めてくれるから、ちょっと良くなってきた」
「そんなんで治るなら、いくらでも誉めるよ。まずくても
誉めてあげるよ」
「もう、ひどーい」
「でもほんと。貴ちゃん私の料理こんなに食べてくれたの
初めてかもしれないね。あっそういえばさー。雑誌の占いにさ
今日願い事がかなうかもって書いてあったんだ。きっとこれかも」
「美幸前から料理うまくなりたいって言ってたもんなー」
「うん、良かったー。これでまた鮟鱇なべ作れるよ」
758「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:18
「ねえ全然関係ないけどさ。そのネックレスどうしたの?」
唐突に訊かれて、別にやましいものではないのに一瞬言葉が
でなかった。
「あ、ああ、これね、なんか内なるパワーを高めるとかいう石
なんだ。ほら、おまじないとかのグッズ扱ってる店流行ってんじゃん。
そこで買ったの」
「へえ。女の子ってそういうの好きだよな。さっきの占いとかも」
「私は特にそういうの好きだもんね。でも占いってね、信じてる人
しか当たらないんだよ。だから自分に不利な結果がでたら
信じなければいいの」
「それ勝手だなー。ははは」
「ほんと勝手だよねー」
759「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:20
しばしの沈黙をきっかけに、貴俊がまた暗号の書かれた紙片を手にとる。
「今ふと思ったんだけど、ねえ、これってもしかしてさ。元素記号
とか使って解くんじゃないのかなあ」
ずっと考えていたのかしら?と美幸がいぶかしがる横で
貴俊はビール片手に次々と暗号を解いていく。
「えーと、水素は原子番号1だから・・・」
「確か鉄はFeだったから・・・」
暗号は解き方さえつかめば、解読は時間の問題。
貴俊はあっという間に暗号を解いた。
『この暗号を解いた者はその日のうちに死ぬ』
「なんだこれ?何これ、単なるいたずらか?」
美幸は自分の作った暗号の答えを改めて思い出していた。
暗号を解いた人をちょっと驚かせようと考えた答えだった。
今考えると、我ながら悪い趣味だったと反省した。
「こんなの気にすることないよ。ほら占いと一緒。信じなければ
関係ないよ」
「そうだよな。明日あいつに自慢してやろ」
760「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:21
「まさかそんなことになるなんてね」
通り沿いのオープンカフェ。向かいに座った恭子の言葉に、
美幸も頷く。
「警察の話によるとね、鮟鱇であたることもごくまれにあるん
だって。鮟鱇がなんか毒のある生物をエサとして食べたときに、
その毒が鮟鱇の体に残るんだって。でもほんとにごくまれ、
数万匹に一匹あるかないかなんだってさ」
「そこまでいくと、もう運だよね。どうしようもないよ」
「うん」
「貴俊くん、運がなかったんだよ。仕方ないよ。元気だしなよ」
「うん、でもさ恭子、私実はそれほどショックでもないのよ」
「そりゃそうでしょ。だってあんた本命は健司くんなんでしょ」
「うん。しかもそろそろ貴俊うざくなってきてたとこだから。だから
多少はショックだったけど、でもちょっと嬉しかったかも」
「それより、その美幸の作った暗号が怖いよ。美幸変な能力あるん
じゃないの。ほんとに貴俊くん死んじゃうなんてさ」
「まさか、そんなはずないじゃーん」
「でも美幸、きっとなんかすごいんだよ。だってそのなべ美幸も
食べたのに大丈夫だったんでしょ?」
「てゆうか、私体調が悪くてほとんど食べなかったから」
「えーすごいラッキーじゃない?」
「うん、ほんとはあのなべ健司と食べるために用意してたのに、
あいつドタキャンでさ。しかも夕方になってから。それで仕方ないから
貴俊呼んだけど、なんかやっぱりショックであんま食べれなかった。
ま、結果オーライって感じかな。貴俊とも別れられたし。あはは。
あの占いの願い事ってのはきっと貴俊と別れることだったんだなー
占い信じてて良かったー」
「ねえ美幸今日これから健司くんと会うんでしょ」
「そうだ。もうそろそろ行かなくちゃ。じゃね、恭子。
今日は気分がいいから、おごってあげる」
美幸は颯爽と財布をとりだしてレジに向かった。
761「暗号」「暗合」「鮟鱇」:03/01/14 00:23
(やっぱり貴俊より健司だわ)
運転席でタバコをふかす健司を見て美幸は思った。
「なんだよ、じろじろ見て?オレの顔になにかついてる?」
「ううん。別に」慌てて視線をそらす。
「あっそうだ。そういえばさー。先週、友達にこれ解いてみろよ
って言って、暗号の問題渡したんだけどさ」
健司の言葉に思わず、美幸は思わず顔をあげた。
「なんかそいつと連絡とれなくなっちゃってさ。ま、そんな
親しいやつじゃなかったから、どうでもいいっちゃどうでも
いいんだけどさ」
なんて偶然。まさか暗号を渡したのが健司だったなんて。
美幸は二人が知り合いであることも知らなかったのだ。
(案外世の中せまいものね)
「んでさ、そん時渡した暗号。さっきやっと解けたんだよねー」
「え?」美幸の顔がこわばる。
「おいおい、どうしたんだよ。怖い顔して」
「ううん、何でもな・・・」
言葉を言い終える前に、美幸の視界に猛スピードの大型トラックが
飛び込んできた。
美幸はふと、今日の占いが気になった。
762754:03/01/14 00:27
「暗合」が直接本文に入って無くて、ちょっとズル。
でもタイトル+テーマってことで。
長いうえに、てか長くなっちゃったせいで
焦点ズレまくりですこし残念。

次のお題
「メロンパン」「秘密基地」「影」でどうぞ。
763o(⌒▽⌒)o:03/01/14 06:00
ミステリー板からやってきました。
こんな良スレがあったんですね。一気に読んでしまいましたよ。
それで僕なりの感想を書かせてもらいます。

>>735-736
最後のセリフでなかなか味わいのある作品に仕上がってますね。ただ、ラストの
一行は蛇足かと。ご主人のセリフだけで終わった方が余韻が残って良かったので
は。あと、殺人犯の「わたし」にとっては、殺したはずの主人が翌朝から平然と
フツーに生活をしている方が、もっと恐ろしいことだと思うんだけど、どうなん
だろう。

>>738
不思議系の作品ですね。声の主が幽霊であったとしても、それが喘ぎ声だったと
いう点で結構笑えます。作中の「僕」が毎晩その声を聞いてオ○ニーでもしてい
たらもっと笑えたかも(失礼しました)。

>>740-741
う〜ん、切ない作品ですね。出足がほのぼのとしていただけに余計にそう感じま
した。それにしても文章が抜群にうまい。読んでいて思わず引き込まれました。
交換留学生が実は異星人だったというのもなかなか良いアイデアです。ただ、83
氏が言うように、年代の表記はなかった方が良かったですね。その点はかなり惜
しまれます。
764763:03/01/14 06:00
>>743
枯れ木っていうのは実は子供を乾燥させたもので、それが猫節の正体と解釈して
いいのでしょうか?中国の未開部族だったら本当にありそうでコワ〜っ、と思っ
て読み終えたら、半分実話だと知って、うわぁ〜って感じです(w やはり実話
に勝るものは無いですな。

>>746
「彼」を殺した精神異常の女性というのは20年後の淑子だったってことですか。
そして、「彼」の横にいた見も知らぬ若い女というのは20年前の淑子? だとす
ると、その20年後にも再び同じことが・・・う〜ん、無限ループの世界ですな。
なかなか面白い作品です。ところで、「刻之巡」という絵の落下が当該ループ現
象を暗示していると解釈していいのでしょうか。

>>754-761
この作品では、数万分の1の確率で訪れる偶然ともいえる災難と、その災難を喜
ぶエゴイズム丸出しの現代女性の怖ろしさがうまく表現されています。こういっ
たことは実際に自分の身にも降りかかる可能性があるわけで、幽霊より怖いかも。
ただ、作品全体が冗長なため、かえって作品に潜む恐怖の密度が薄められてしまっ
ているのが残念です。
765あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/14 06:12
763さん
せっかくだから何か書いてってよ。
ミステリー風味のやつ。
766763:03/01/14 22:25
>>765
いやぁ〜、僕は専ら読む方が専門でして、とても作品を書く自信なんてありませんよ。でも書きやすいお題が出されたら一度挑戦してみたいです。それにしても力作が結構ありますね。下手なミステリ作品を読むより面白いですよ、このスレ。
>>763さん
>>746は「かれの横にいた見知らぬ女」は
淑子ではないと思うのよ。
淑子ではないから淑子は婚約者の首を絞めたと思う。
768763:03/01/15 00:30
>>767
うわぁ〜、そうでしたか。いやお恥ずかしい。読みが浅かったぁ〜。
だとすると、その見知らぬ女がまた20年後に、見知らぬ女とじゃれあっている「彼」を殺してしまうのかな。
それとも、無限ループと全く関係ないお話なんですかねぇ? 
作中の「刻之巡」という絵の存在からループする話かと解釈したんですが、早とちりだったのか。
>>763
いや、ループはしてるんですよ。
淑子と彼氏は婚約者だった。
淑子はその場にいなかったが、婚約者は京都に出張に行って死んでる。
多分婚約者が死んでからの20年間、淑子は婚約者のことを思って
ひっそり暮らしてきたのでしょう。

>今の職場の人間は、淑子がまさかあの事件の淑子だとは知らない。

のところにあの頃とは苗字も違う〜などとかいてないところからの推測ですが。

「刻之巡」であの時にいってしまい、浮気している婚約者を見て殺してしまったと。
そして、何も知らない当時の淑子は20年間、婚約者のことを思い過ごして
20年後にここへ来てしまうのではないでしょうか。

文章下手なんでよくわかんなかったらゴメン。
あと、ちょっと粘着してるように思えたらゴメン。
一度ここでていろいろ解釈して語ってみたかったんだ。
770763:03/01/15 07:09
>>769
>淑子はその場にいなかったが、婚約者は京都に出張に行って死んでる。

うわぁ〜本当だ。彼は淑子の目の前で殺されたんだと誤解してました…(^u^;
彼は未来からタイムスリップしてきた淑子に殺されてしまう。だけど、その現場
には当時の淑子はいなかった。彼を殺した淑子からの手紙は当時の淑子には届け
られなかった。だから、当時の淑子は自らの手で彼を殺したこと(殺すこと)を
知らないまま20年間彼のことを思い続ける。しかし、「刻之巡」で20年前にタイ
ムスリップしてしまい、またも彼を殺してしまう、ということですかね。納得。
771あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/15 21:38
ほしゅ
「おとうさん、おとうさん。これー。これ買ってー」
この連休の日曜、妻に頼まれたお使いで近所のスーパーに行った。娘に店で物をね
だられるのは久し振りで、少し頬が緩む。
「どれ?…あ、あ、うん。メロンパンか。うん、うん、良いよ。ママには内緒だよ」
折角のおねだりを断れない。嫌悪感から冷汗をかきながらレジまでカゴを持っていっ
た。なるだけ「ソレ」を見ないように。
そもそも、原因は私が小学生の頃にさかのぼる。
私は特に仲の良かった友達と四人で秘密基地を作った。
場所は近所の林にある沼のほとり。「わざわざそんなところに」と思われるだろうが、
その周辺は住宅地として開発が進み、人目につかないところなどほとんどなかったの
だ。そして私たちは「秘密」基地であるからには、人目につかない事を望んだ。
やる事はお定まりの持ち寄ったお菓子を食べながら漫画をまわし読んだり、虫を捕ま
えて大きさを競ったり、誰が好きだのや怪談でだべったり。特に怪談は場所的に雰囲
気が出ていたように思う。
ある日の放課後、私は駆け足で秘密基地に入った。
「よし。一番乗りだな」
一番乗りはなんとなくその日の主導権を握れるような黙約になっていた。
視界の隅で影が動いた。
びくっとそちらを見ると…机代わりの空き箱の上にメロンパンが裸で置いてあった。
(ん?昨日あんなの持って来た奴いなかったよなぁ。誰か先に…来てる訳ないしなぁ)
気になって手を伸ばした途端、そのメロンパンは私の指に噛みついた!驚いて咄嗟
に腕を振り回すと、それは丁度足元に落ちた。混乱した私は無我夢中でそれを踏み
にじった。
落ち着いてから見ると、それは真っ白な亀だった。しかし、その白色は血の赤に染ま
り、黄色がかった内臓らしきものがはみ出している。
私は逃げ出した。血のついた靴が怖くて途中で脱ぎ捨て、靴下はだしで家に帰り、親
にこっぴどく叱られた。
ほかの仲間がその事に触れないのが不思議だったが、それからまもなくそこも宅地
開発される事になり、どのみち私たちは秘密基地を卒業する事になった。
以来、私はメロンパンを(そして、亀も)見るのも嫌になったのだ。
77383:03/01/15 22:01
いつもながら落ちよぇえー(笑)
でも、とってつけたような因果応報とか絡ませるのも嫌だったもので。
しかし、感嘆符久し振りに使った気がする(意図的に避けてるんだけど(出来れば
疑問符もあまり使いたくないんだけど、精進不足でついつい頼っちまうなぁ))

次のお題は、「糖」「酸」「炭」でお願いします。
77483
750以降の感想(と雑談)

>>750
ですね。筋自体はなかなか面白いように思います。それ故の「もったいない」発言、
という事で(笑)

>>751
玉石混交万歳(笑)
昔の投稿小説誌の作品をチョイスした短編集とか見ると、こう「なるほど、この人は
その後プロ作家になれないはずだよなぁ」みたいな微妙な佳品(?)とか、ほんのりと
好き。

>>754-761
良くも悪くも頭の良い女が、自分の作った呪い(?)に自分でハマる、ってのは好みな
展開だなぁ。
の割には占いを気にする、という性格描写が落ちに繋がるのもええ感じ。

>>763さん
769の方の読みが、一応わたしの企図した内容っすけど、言われてみれば、彼の
死後独身のままいた、とかまともに描写してないすな。
我ながら舌足らず過ぎ(笑)
が、それよりも、
> だとすると、その見知らぬ女がまた20年後に、見知らぬ女とじゃれあっている「彼」を殺してしまうのかな。
これが、えれぇ魅力的で、精神異常(と見なされた)の女→淑子→見知らぬ女→…
ってな、シフトしていく無限ループで書けたら、なかなか凄いのが出来てたよなぁ、
と考える次第(尺的にちゃんと描写するの大変だろうけど)
あ、それと、いつか書いて下さるの楽しみにしときますね(笑)