百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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937有卦 ◆.9.V3m5M
◆◆◆【 073/100 】◆◆◆
一緒に遊んでいた子が木から貯水池に落ちて死んだ。
一年くらいしてからそこのおかあさんによびだされた。
なんでも「実験がしたい」そうだ。
負い目があったのでついていった。
そうしたら、事件があったのと同じ木に登らされた。
「もっと上にのぼって、もっと先までいってみて」といって
そのおかあさんはこっちを枝のさきまでいくように指示した。
先のほうは細くなっているので
「もうこれ以上いかれない」といったら、
いきなりそのおかあさんが木をガンガンけって揺すり始めた。
あまりにも怖かったのでワンワンないたら、通りすがりの大人が助けてくれた。

警察の事情徴収をうけたあと、そのおかあさんはその木で首をつって死んだ。
その夜からだじゅうから水をぽたぽた垂らした幽霊になってあらわれた。
今でも時々でる。
霊能力者には怖がってつけこまれるようなことさえなければ無害だが、
これから先一生あなたについてまわるといわれた。