百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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892えび満月 ◆GT/aFIRE
順序が前後するかもしれんがいくぞ。がんばれ、みんとぶるう!

◆◆◆【 064/100 】◆◆◆

私が小学生の頃の話しです。いたずら盛りの3年生頃でした。

たまたま私のいたクラスで、普段使われない教室、教員やPTAなどが集まる時に
使われる、臨時の会議室みたいな場所の掃除当番をしていました。
そこには古い木製のロッカーがあって、その中に掃除道具のモップや長帚などが
入っていて、掃除当番はまずそれを出してみんなに配る手配でした。

ロッカーの中には鏡がついてて、怖い噂がありました。
「何か」が映って見え、ずっと見続けていると鏡の中へ引っ張り込まれるというのです。

もちろん肝試しに入りましたとも。
掃除当番になると、中へはいって扉を閉め、キャーキャー言いながら
「赤い光りだった!」とか「知らない大人の顔が映った!」「手が出てきた!」
とか言い合うのです。
掃除当番のメンツですから男子も女子もまぜこぜで、そんなことをして怖がってました。

そんなある日、朝のホームルームで、先生が言いました。
「昨日、掃除当番のときにロッカーの中に○○くんを閉じ込めたのは誰ですか」
べつに○○くんはいじめられっ子ではありません。
たしかに普段からボォーっとしてて、にこにこヘラヘラした、ちょっとボケ?
みたいな子でしたけど、いっつもみんなの後ろにくっついている子です。

掃除当番だった私たちは「ハア??」です。
だって、掃除の後、ロッカーにはまた掃除道具をしまったから人なんか入れません。
それに自分で出れるんですよ、鍵ついてないし。

「○○くんの御両親が探しに来て、大変だったのですよ」と先生は怒ってます。
それ依頼、その部屋の掃除は生徒がすることはなくなりました。

当の○○くんはその話しを尋ねても、いつも通り、へらへらしてるだけでした。
彼、放課後の夜遅くまで、いったい何処でどうして、何してたんでしょう…?