百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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780 ◆clACoxQA
◆◆◆【 059/100 】◆◆◆

私が学生の頃の話です。
当時学校で噂になっていのが一家首吊り心中した廃屋で、クラスの数人が見に行きました。
かなり怖くて、鴨居に首吊りのロープがぶら下がっていたそうです。
その時撮影した写真にも不自然な白いもやの様な物が写っていました。

私も行ってみたくなり、地元の友人に声をかけたところ、既に前日に行ったようで
もう行きたくないと断られたのですが、無理を行って一緒に来てもらいました。
ところが、せっかく現地に着いたのに肝心の廃屋がありません。どうも僅か一日で取り壊されてしまったようでした。
友人は諦めて帰ろうと言ったのですが、それでは何とも心残りなのでせめて跡地だけでも見学しようと思い、独りで敷地に入りこみました。
天気の良い夜で、風もなく穏やかな感じでした。
しばらく歩くと跡地が見えてきました。たった一日でよくここまで片付けたなと思うほど綺麗になっていました。
何となく残念だなと思いながらも引き返そうとしたとき、物凄い悪寒と圧迫感を感じました。
今まで体験した事のないような恐怖でした。
そして、一瞬何も見えなくなる感じがしたのですが「ヤバい」と思うより先に駆け出していました。
慌てて車に戻り、すぐさま退散しました。

とくにオチは無いのですが今までで一番怖体験です。