百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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632あなたのうしろに名無しさんが・・・
◆◆◆【 045/100 】◆◆◆

今から10年くらい前の話。
いつも録音していた深夜のFM放送、ひどい電波状態だったのでラジオをかかえ
自宅の屋上(といっても柵なしの3階屋根)に簡易ハシゴで上がりました。
目と鼻の先にある大製鉄工場、24時間フル稼働のため相変わらず地響きのような
振動、煙突が放つ赤光は曇り空に反射されて薄気味悪かった。
屋根には赤茶けた鉄粉がつもっているので新聞紙をひきとりあえず寝転がった。
放送も半ば深夜3時をすぎたころ、突然「トン、トン」とハシゴから音がしてきた。
ん? 誰かがのぼってくる? まさか泥棒???