百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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368お祭りワショーイヌ
◆◆◆【 044/100 】◆◆◆

それは最初たわいもない話からはじまった。

私はあるくされ劇団に所属しており その日は公演後の打ち上げを終え
座長の家で他の劇団員と今回の公演の事や次回の内容についてとりとめも無く話していた
そのうち話すことも無くなり 何人かの劇団員は帰り 座長も仕事があるから
と言って 家には3人が残った
そしてまた3人で今までの公演について話をしているときに ふっとある事を
私は 思い出し 他の二人にこう言った・・・
「なぁ 知ってるか?この家に呪いの人形あるんやで・・・」
それは 以前座長が何かのバザーで見つけ あまりの気持ち悪さに
「これは芝居でつかえる」といって買い求めた物だった
「あぁ あれな あれはキモイなぁ って一回まじで芝居につかったけど(笑)」
一人の劇団員はその人形の存在を知っており 実際に見ていた
「えっ そんなんあるん?」もう一人は新人と言う事もあってその人形の事は知らなかった
「そうやで なんか 人形買ったとき服めくって背中のとこ見たら お札貼ってあって
なんか 女の子の名前が書いてあったらしわ」
「まじで・・・ほんまもんやん(汗)」と 一人が言ったその時・・・プルルルルルル
3人は突然のけたたましい 音に驚いた
「なんやねん こんな時に電話かけてくるなよ・・・」
それは 先日の公演を見に来てくれた友人からの電話だった
「もしもし・・・」少し驚きつつも電話に出る
「ザ〜ピピピピ・・・」
「あれ!?もしもし?」
「ガ・・ガガガガピピピあれもしもし?聞こえてる?あれ・・・ザザザザ」
どうやら電波の状態が悪いらしくひどい雑音と途切れ途切れに聞こえる友人の声
「あれ〜なんか電波わるいなぁ・・・もしもし?聞こえる?」
そう 言った瞬間!!!
「おい・・・」突然雑音のなかから 野太いおっさんの様な声
「うわ〜〜〜〜」私は突然聞こえたその声に驚き あわてて電話を切った
「なに!!どうしたん!?」突然大声を出した私に 二人が問いただす
「いや 今変なおっさんの声が聞こえたねん」と冷や汗をながしつつ答えたその時
ガタガタガタ!! と隣の部屋で大きな物音「何?今の何!?」「押入れの中から聞こえたぞ・・・」
「え〜もうなんやね〜ん」「あかん もう帰る やばい!」もはや 3人はパニック状態になり
あわてて 座長の家を飛び出した その帰り道 電車の中でふっと胸に痛みがある事を感じ
家に帰ってから確認すると まるで小さな手で殴られたかのようなアザ・・・
「おかしいなぁこんなとこ 打った覚えも無いのに・・・まさか 人形の呪い!?」

後日 座長に事の顛末を話し 胸に出来たアザの事などを話してみた すると
「俺もなぁ 芝居であの人形使った次の日 胸に殴られたみたいな跡がついてて めっちゃ
痛かったねん・・・」私はぞくっとした・・・「もう 早い目に捨ててしまいましょうよ」
と私が言うと「そやなぁ やっぱり気持ちわるいしなぁ・・・今もあそこの奥に
しまいこんでるんやけど・・・」座長が指差した場所はあの時物音がした押入れだった

今もその人形は 座長の押入れで 眠っている・・・

長文スンマソ でも実話です・・・まじ怖かった・・・