百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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トップ逝きまーーす
◆◆◆【 001/100 】◆◆◆

数年前の夏のことでした
その日、友人三人と私で、とある学校に肝試しに行きました
現地に着いた時は、すでに午前2時頃になっていました
無風だったので暑いなと思いつつ、校門を通って中に入っていくと
校庭なのに何故か涼しい
(いや、おかしいやろ?)と思いつつ友人に聞いてみると
「うん、なんか涼しいよね」との返答
ためしに校門の外に戻ってみると、外は暑い
どうも、門の外と中では体感温度が違うみたい
(こんな変な所だっけ?)と思いつつ
何かが出るのを期待して、別れて校内を散策してみるが、何も見えず
まあ、しょうがないと思って校庭でぼんやりしてると
見えるという友人が「2階に結構いるみたいだね」と言ってくる
人間的に問題がある奴なので、「ふーん、そうなの」と邪険に扱いつつ
他の友人が戻ってくるのを待ってると、校舎の横から
イタズラ好きの友人が一人、こっちに向かって歩いてくる
途中、雲底の、ぶら下がる部分に鐘がついている遊具の下で止まる
(ジャンプして鐘を鳴らすような遊具です)
「あれ、鐘の下で止まってるよ、ひょっとしてジャンプをして
 「何もしてないのに鳴ったよ」とか言ってこっち走ってくるんだぜ」
そう話してると、カラーーンと音がしてイタズラ好きな友人が走ってくる
(けど、ジャンプしてなかったな、あの身長だとジャンプしないと届かないはずだが?)
と思ってると走ってきた友人は「鳴った、何もしてないのに鳴った」とすごい慌て方
何事かと思って聞いてみると
「なんか、後ろに変な気配がして止まったんだけど何も居なくて、なま暖かい風が吹いてきて
 鐘が鳴った」との事
なま暖かい風と言われても、今日はほとんど無風状態だし
風鈴と違って、そんな弱い風で鳴るような物ではないし
さすがにやばいかな、と思いさっさと帰る事にした

帰る時、校舎の方を見ていた見えるという友人が
「なんか、霊がこっちに向かって手を振ってるぜ」と慌てながら言う
心の中で(馬鹿じゃん、誰かついてきてる奴にさよならでもしてんだろ)と
くだらないをつっこみをしつつ、友人宅に帰り着く
友人宅で待っていた見えるという友人に「帰ったよ」と言うと
「何で一人連れてきたんだ?」と
え、俺の考えたのってつっこみじゃ無かったんですか?(;´Д`)