百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

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359巫女氏
◆◆◆【 047/100 】◆◆◆

厨房の頃のマジ体験。
夏休み中のとある日、午後8時ごろに2階の自分の部屋で一人でゲームをしていました。
普段通り、黙々と遊んでると右後ろの方にあるドアをノックする音が聞こえてきました。
うちの家族の中で人の部屋に入る時にノックする人なんかいないので、違和感を感じましたが
気のせいかもしれないし、もし家の人だったらすぐに部屋の中に入ってくるだろうと思ってました。
ところが、一向にドアを開ける様子がない上に、途切れ途切れながら一定の間隔でドアをノックし続けるんです。
そのとき思い返してみたのですが、自分の部屋は2階で、しかも階段を上る時にはよっぽど注意しないと音や振動が
自分の部屋まで聞こえてくるんで、誰かが2階に来る時には自分の部屋にいながらそれがわかるんです。
(実際、朝母親が起こしに来る時に、母親が階段を上る音で目が覚めることがよくありました。)
ノックが聞こえた時に違和感を感じたのは、その足音が聞こえずにいきなりノックの音が聞こえたっていうのもあったんだと思います。
明らかに家の者でないことに気付くと、いきなり鳥肌が立ってきて、ソファーで体育座りしながらゲームを続けたんですが、
神経は完全に「トン…トン、トン…」と音が鳴り続けているドアの方に向いてます。
そこで、弟を呼ぼうと思いついたのですが(多人数なら大丈夫だと考えたんです)、そのころ携帯なんて持ってないですから、
自分の部屋にある子機で1階のリビングと連絡するしかなかったんです。
しかし、その子機が置いてあるのが不運なことにドアのすぐ横なんで子機に手をかけた瞬間に、
「ドカ!ドカ!!ドン、ドン!」とかやられそうで結局怖くて助けも呼べませんでした。
最終的にその音が1時間ちょっと続き鳴り止みました。
私は鳴り止んだと確認したらすぐに、1階のリビングに駆け込みました。
ちょっと落ち着いてきた頃に、家族のアリバイ確認の意味(笑)で見てたTVの内容を聞くと
(直接「どこにいた?」とか聞くのは不自然だったので)話してることから全員が最初から見てたようで
1時間以上、私の部屋のドアの向こう側でノックし続けたのは違う何かだったようです。