百物語2002  奥信州 旧佐々木邸より

このエントリーをはてなブックマークに追加
199あなたのうしろに名無しさんが・・・
◆◆◆【 024/100 】◆◆◆
友達が体験した話をそのまま書きます。

学生の頃の夏休み、レンタカーを借り、友達4人で奥多摩にキャンプに行きました。
その帰り、いつもは大騒ぎしてはしゃいでいるはずのAが
始終無言でした。国分寺に着き、みんながそれぞれ荷物を持って
車から降りても、Aは座席に固まったまま降りようとしません。
「お前も手伝えよ」と、一人が声を掛けました。
するとAが青ざめた顔で「おまえら・・・・驚くなよ・・・。見ろ」と言って
自分の足元を指さしました。それを見た全員が悲鳴を上げました。
Aの両足首を、床から伸びた青白い手が、ガッシリと掴んでいたんです。

一瞬の後、手は消え、Aは自由になりました。
正気を取り戻し、その日は何とか帰宅しました。
しかしそのキャンプの後からずっと、Aは行方不明になったままです。