オカルト板にて封印されてしまった青松ファイルを、7月中旬から復活させようと思う。
青松ファイルは300を超える、すべて実話に基づいた体験談である。
再び難民板においやられるかもしれないが、あえて青松ファイルの新作をここに発表するスレをたてる。
青松ファイル 1
恋人からの電話
名古屋市西区に住む食品会社勤務のOL、仮にA子さんとしておきましょう。
彼女には3年ほど付き合った婚約者がいました。仮にB君としておきましょう。
A子さんとB君は半年後の6月7日に結婚することが決まっていました。
しかし、B君は1年前に東京本社に転勤していて、いわゆる遠距離恋愛になっていたのです。
A子さんは、毎日かかって来るB君の電話が楽しみで仕方ありませんでした。
若い2人です。毎日、毎日、取り留めのないような話を30分も40分もします。
B君も必ず毎日電話をかけます。幸せな日々はもうすぐ目の前にありました。
ある日の夜、11時を過ぎてもB君からの電話がありません。A子さんは自分からB君に電話をいれてみます。
でも、B君は電話に出ません。
仕事か、飲み会かしら?でもきのう電話で話したとき、全然そんなこといってなかったのに、ほんの少し胸騒ぎがしましたが、その夜はそのまま寝てしまおうと思いました。
と、2時をすこし過ぎた時間でしょうか、A子さんの部屋の電話がなりました。
出てみると、B君でした。いつものような元気がありません。
「A子、幸せにしてやれなくて御免」彼はいきなりそんなことをいうのです。
「どうしたの?酔ってるの?」
「さよなら」彼の電話はそれで切れてしまいました。その後何度電話してもB君は出ません。
翌朝、A子さんはB君の父親からの電話で、目の前が真っ暗になりました。
「Bが死んでしまった」
B君は交通事故に巻き込まれて、即死の状態でした。
事故は、夜、9時20分頃のことだったそうです。
最後に、お別れの電話くれたんですね・・・・・・・・
8年程たった今でも、A子さんは涙ぐみながらその話をします。
3 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/01 02:55
3
4 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/01 02:56
「仮に〜としておきましょう」を重ねるな
青松ファイル 2
チェンジされた客
某三流娯楽新聞で記者をやっているS君。彼はホテトル遊びが大好きだった。
給料の大半をホテトル嬢との束の間の逢瀬に費やす。
いつものようにホテトル嬢を呼ぼうと、渋谷の円山町のホテルに入ったS君。
何処のホテトルにしようか思案中だった。
そこへ、まだ呼んでもいないのに女がやってきた。
見ると、細めでスタイルがよく、色白の美人だ。「リカです。あたしでいいでしょうか?」
きっと部屋を間違えたのだとS君は思った。しかし、このリカ嬢、S君の好みであった。
ま、いいか、どうってことないだろう、と、リカ嬢と遊ぶことに決めた。
とりとめのない話をして「先にシャワーを浴びてくれませんか?」というのでS君はいわれるままにシャワーを浴びにいった。
浴室からでてくると、リカ嬢の姿も形もなっかた。
なんだろう、間違いにきずいたのかな、と、S君はわけがわからなかった。
何日かして、その話を先輩記者にすると、その先輩は顔色を変えて、「それ、円山町のXXXってホテルじゃないか?」
「ええ、そうですけど・・・・・・・」
「サンローランって部屋だろう」
「ええ、どうしてしってんです?」
「お前知らないのか、そこで半年前、ホテトル嬢が殺されたんだよ、リカっていう名前の・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「でもやらなくて良かったな、お前、やってたら、多分死んでたよ」
「俺がチェンジされたってわけですか・・・・・・・・」
青松ファイル3
高潮に消えた9人
昭和34年9月、5000余人の生命を奪った伊勢湾台風をご存知だろうか。
Kさんは当時29才。愛知県警中村警察署に勤務する巡査だった。
この台風で、彼は同僚9人をいっぺんに失った。
被害が予想された港区は警察も重要警戒地域に指定していた。
しかし、被害は警察の予想をはるかに上回っていた。
高潮はあっというまに押し寄せてきた。
Kさんたち警察官でさえふいをつかれた感じだった。
Kさんは水にのまれた。必死で浮かびあがろうとした。何分水の中でもがいたか記憶にない。
しかし誰かが彼を水の中から引き上げてくれるのがわかった。
仲間の警察官が、ボートで彼を救出してくれたのだ。
ボートには、彼のほかに9人の警官がのっていた。
「ありがとう!たすかった!」彼は大声でそう言ったが、9人は、無言で無表情だった。
何を話し掛けても、誰もなにもこたえない。まるで、死んだものの表情だった。
そのうち、ボートが横転して、Kはまた水のなかに放りだされた。なにしろ、物凄い雨と風である。
しかし、Kは今度は必死にボートにしがみついた。
気がつくと、ボートには、K1人しか這い上がっていなかった。
他の仲間はどうしたんだろう!必死であたりを見廻したが、えんえんと、濁流のような流れが続いているだけだった。
Kは、遭難している4人の民間人を救助したが、9人の仲間は行方不明のままだった。
他の9人は、全員死亡していた。
後日、Kはいう「あの時、すでにみんなもう死んでいたのかも知れない」
ではまた明日。
よい夢を!
。
9 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/01 05:00
age
10 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/01 07:38
hage
青松ファイル 4
祭りの行列
M君の7歳のときの話である。M君の田舎には、御神体を海の中に沈めるというお祭りがある。
神社から御神体を運び出し、村人総出で海岸まで行列をつくってねりあるく。1度海まで行って、御神体を沈めると、再び海から引き上げて、また神社に戻す。
これがお祭りの一大イベントだった。
M君は小さかったので、行列になかなかついていけない。途中で面白いものを見つけるとついつい気を取られて行列からおいていかれる。
ついに、M君は行列を見失うほどおいてきぼりにされてしまった。
夢中で走って、行列に追いつこうとした。
しばらく走ると、やっと行列においついた。
けれど、なにか違う。・・・・・・その行列には知り合いが一人もいない。両親や兄弟も友達もいない。
違う行列だ、M君はそう思った。第一、服装が違う。
M君が見た行列の人々の服装は戦時中のときの風俗であったと、後日M君は思ったという。
その行列の再後尾を歩いていた軍服姿のおじさんが、M君にむかって「ついてきちゃあ、いかんぞ。おじさんたちはもう死んでるんだから」
M君はその場に座り込んで、泣き出してしまった。しばらくして、M君の母親がやってきた。
いなくなったので、心配して探しに来たのだといった。
M君は今でもはっきりと、あのおじさんの声をおぼえていると言う。
青松ファイル 5
幽霊で出世した!
憑依とか、自縛霊とか、祟りとか、霊の話にはおぞましいものが多いようなきがする。
しかしこの話は違う。こんな霊なら、私も大歓迎である。
Tさんは子供の頃からよく同じ幽霊をみる。戦国時代の商人の霊なのだそうだ。
この霊はあまり姿を現さないが、Tさんによく話し掛けてくるのだと言う。
それもTさんが人生の岐路に立たされたように限って・・・・・・・
Tさんは大学受験で早稲田を目指していた。そんなときその霊の声をきいた。
「日大や、日大へおゆき」
ほんまかいなと思って一応、早稲田、明治、中央、日大、専修と受験した。早稲田と明治は不合格になったが、他は合格した。
彼は日大へ行くことにした。霊の言葉を信じたのだ。
日大に入り、Tさんは現在の奥さんとしりあう。大変な美人である。大学を卒業するとき、また霊の声を聞いた。
「順序つけたるさかい、結婚し」
お金もなにもなっかったが、Tさんは結婚することにした。またしても霊の言葉を信じたのである。
就職するにあたって、Tさんはふたつの会社から内定をもらっていた。そごう百貨店とイトーヨーカドーである。
いまから30年ほど前の話である。だれが考えてもそごうを選ぶ。が、また霊の声。「ヨーカドーへおゆき」
Tさんは悩んだあげくヨーカドーに決めた。
彼はヨーカドーで出世の階段をのぼりつめていった。ヨーカドーもまた拡大していった。
マネージャー、統括マネージャー、オペレーションマネージャー、ストアーマネージャー(店長)、ゼネラルマネージャー
そして40代の若さで取締役になった。
そごうは、その後倒産した。
彼は今でも、ときとしてその声を聞くと言う。
青松ファイル 6
鏡にうつる顔
今日のお話は、板橋区にあった木造2階建てアパートのお話である。
今から20年程前、岐阜県の県立高校から早稲田大学教育学部に入学したD君はこのアパートの2階の角部屋に部屋を借りた。
田舎から出てきて初めての東京での一人暮らし。築15年の古びたアパートだったが、それでもD君の胸はふくらんだ。
学校までは少しばかり遠いが、家賃2万円は格安だった。四畳半の部屋の他に、小さなキッチン、トイレ、風呂、洗面所がついていた。必要最低限のものを買い揃え、D君の学生生活はスタートした。
はじめの1週間は、そんなに気にもしなかったのだが、そのうち、夜遅くになると微かに聞こえて来る女のすすり泣くような声が気になり始めた。それは毎日、夜の1時頃になると聞こえて来る。
何処か別の部屋からだろうか?D君は出来るだけ気にしないようにすることにした。
ある夜、D君は洗面所で顔を洗っていた。洗面所には四角い30センチ四方の鏡が壁に取り付けてあった。
顔を洗って、ふとその鏡を見ると、・・・・・・見えたのである。
一瞬だが、確かに、・・・・・・長い髪、苦しげな表情、血のついた唇、まぎれもない女の顔が、D君の顔のすぐ真後ろにうつっているのが・・・・・・・・
D君は直感した。すすり泣きの女性だ!
慌てて部屋を飛び出して、朝4時までやっているアパートの近くのラーメン屋に飛び込んだ。ラーメンを注文したが、とても食べる気になれない。
思い切って、ラーメン屋の主人に訳をはなし、あのアパートの角部屋で、昔何かなかったかを聞いてみた。
ラーメン屋の主人は言った。「昔なんてもんじゃないよ、4ヶ月前だよ。19歳の女の子がレイプされて殺されたんだ!」
ではおやすみなさい。
よい夢を・・・・・・
長くて読みづらい
>17
OK
>>15 私も聞いた話なので、真偽のほどは知りません(藁
>>16 スマソ。文章下手、誤字脱字ご容赦。
青松ファイル 8
後ろに乗せた乗客
加藤さんはタクシー歴28年のベテランである。これまでにいろんなお客様を乗せて走っている。
なかでも、昭和60年に乗せたお客様を忘れることは出来ない。
お客様を乗せた田舎の山道のかえり。東名高速道路のガード下。あの若い女性が加藤さんのタクシーをとめた。
「うちへ・・・・・・」「えっ!?お宅はどちら?」「平尾団地です」
その女性は、あきらかになにかただならぬ事件に巻き込まれたのがひとめ見ただけで分かった。
乱れた服、かすり傷をおった顔。泥のついた首。
「なにか、あったんですか?」ひとめでレイプされたことは分かる。だがそれ以上のことは聞いてはいけない。
タクシードライバーは心得ている。「平尾団地、すぐつきますからね」「ありがとう、早くうちに帰りたい」
「うちまで・・・・・・・・」「すぐ着きますよ、急いでいってあげますからね」
お嬢さん、警察にいったほうがいいよ。
ありがとう、で、も今日はいいの・・・・・・・・
加藤さんは立ち入るべきでないとはおもいつつ、ちゃんと、事件とした方がいいと、女の子を説得した。
女の子をタクシーのなかで知らず知らず説得していた。
翌日、レイプされた女のしたいは、恵s柘
「家まで、
どうかお願いします。」女の子はそれしかいわない。
お願いされても加藤さんに出来ることは、たかが知れていた。
そう、女の子を乗せたその場所で、女の子の遺体は発見された。
加藤さんがのせたのは死人だったけれど、加藤さんは
女の子の悔しさを、自分なりに、その女の子から感じ取ることが出来たとまわりの人に、もらしていた。
青松ファイル 9
大阪の3人の大学生の話である。
3人は、夜遅くにサーフィンをやりに車で出かけた。朝の潮がいいらしい。
山越えして、片道3時間の道のりである。
峠のトンネルの前で、若い女の子をひろった。彼氏と喧嘩して車から降ろされてしまったらしい。
後部座席のMは大喜びだった。
途中、運転していたKが助手席のSに蒼ざめた顔をしてバックミラーを見てみろ!と叫んだ。
後部座席にさっき乗せた女がのっていない。Mは誰もいないのに話しかけている。
KとSは車を止めて外に飛び出した。朝になるまで車に戻れなかった。
明るくなって、車に戻ってみると、Mがいた。Mは気がくるっていた。
ではまた明日。
おやすみなさい。
よい夢を!
青松ファイル 10
この話は、事実関係と、証言だけをもとにお話することにする。
愛知県渥美郡渥美町、伊良湖岬。ここで当時18才の青年O君が、大酒をのんで船から誤って落ち、溺れ死んだ。
警察は、事故死。と、一度は断定した。
当時、渥美町堀切駐在所勤務の巡査部長Tさんは、この事件をもう1度洗い直すよう、署轄の田原警察署の外勤課長に必要に食い下がっていた。
実はTさんは、この事件の後、毎晩ひとりの青年が夢まくらにたって、「おまわりさん、もう1度しらべて」と、哀願してきたというのである。
外勤課長は「実はねえ、新城署のほうでも、あの事故、ちょっと不審な点があるといってきているんだ」
新城署がいうのはO君の事件のことではない。Sさん当時56才が大酒をのんで、車ごと山から転落死した事故のことである。
この2件の事故、実は繋がっていないようで、繋がっていた。
2人は多額の保険金に加入させられていた。受取人は、どちらもO君の勤め先の運送会社社長Nである。
「実は、Sさんも、家族の夢枕に立つんだそうだ。俺は殺された!ってね、新城署はどうするか検討中だよ、だって、確かにくさいとな、この一件」
外勤課長はそういった。
事件は再捜査された。やばいと感じた犯人のNは、共謀者の専務Kと国外へ逃亡した。
その後、犯人はブラジルで現地の警察と銃撃戦の末撃ち殺された。
警察官T氏はいう。
せめてこの手で、あの野郎をご用にしてやりたかった。殺されたO君は、下の息子と同じ年だった・・・・・・・・
この事件、有名な事件なので、ご存知の方も多いと思う。
夢枕で再捜査はありえないとおもわれるかも知れないが、事実である。
青松ファイル 11
川で死んだ青年
この話はまだ5年ほど前の、比較的新しい話なので、地名その他を書き込まない。
大学の夏休み、東京から久しぶりに帰省したL君は、高校時代のクラスメートのJとAの二人を誘って、川遊びに行くことにした。
川は鮎やいわな釣りで有名な名所で、その景観の美しさでも多くの人に愛される場所であった。
三人が川遊びをした場所はそれほど水の流れは急でなく、深さも最大で腰のあたりまでだった。
まあ、安全といえる場所ではなかったかと思われる。しかし事故は起こった。
川は人が考えている以上に危険な場所である。Aが川の中央付近まで泳いでいった。
LとJは少し胸騒ぎがした。川の中央は流れが早くなっている。
二人の胸騒ぎと、Aが水の中へ呑み込まれるのと同時だった。
Aはまるで、水の中に引き摺り込まれるようにして姿を消した。
「大変だ!」二人は慌ててAを探したが、Aは水の上に二度とあがってこなかった。
Aが発見されたのは、翌日の午後だった。ただ、発見されたのは、Aだけではなかった。
死後一週間以上たっているかと思われる身元不明の男性が、Aの両足にしっかりと抱き着いたまま発見されたのである。
後の調べでその男性は、静岡の会社員と判明した。自殺だったらしい。
警察の話によれば、水の流れが集まるところがいっしょなので、恐らく偶然、二人同時の発見となったのだろうと・・・・・・・・。
だがそれにしても、どうしてその男性は、Aの足にしっかりとしがみついていたのだろうか・・・・・・
青松ファイル。 12
Jさんはアウトドアライフ大好き人間。週末はいつも山にきて一人でキャンプを楽しむ。
夏になるとよく中学や高校の野外教育活動と自然の夢を共有する。
この日も、夏休み期間の賑やかなキャンプシーズンの時期だった。
頃合いの場所を探して、Jさんはテントをはることにした。遠くで子ども達の喜びはしゃぐ奇声。
野外活動の子ども達だな、と、Jさんは思った。
陽が西に傾き、山の夜は急速にふけていく。
子供たちの声は、まるで衰えない。むしろさっきより元気だ。
7時、8時、9時、子ども達の声が終わらない。さすがに気になったJ君は、もういいかげんに戻るよう、子どもたちに意見しにいこうと、声のするほうへ歩き出した。
子ども達がみえた。しかし、子どもたちの所までは相当の距離があったらしく、なかなかそこへたどり着けない。
やっと、子供たちの場所のあたりへくると、子どもも、動物も、風や雨さえもも、何もなっかた。
そこにあったのは、昭和31年XXXX小学校遭難の碑という、石物だけだった。
J君は、心からその石碑に合掌した。「成仏してください」心の中で何回も繰返した。
気がつくと、あたりは静寂につつまれていた。
子ども達の声もきえていた。
空に何か言いたげな星のきらめきが、やけに美しく、瞬いているだけだった。
おやすみなさい。
よい夢を!
28 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/06 05:15
さげ
青松ファイル13
乗客
名古屋鉄道の路線バスの運転手の間で有名な話がある。
知立団地経由知立駅行きの途中のバス停、知立市役所前のバス停から、髪の長い若い女が乗る。
夜9時19分の最終である。
終点の知立駅までは2区間。その女以外は、もう誰も乗ってないときが多い。
終点の知立駅に着いて、バスの扉をあけて待っていても、その女性客は降りてこようとしない。
バスの運転手が振り返って後ろを見ると、乗せた筈のその乗客が乗っていない。
誰も乗っていない。
何人かの運転手が、何度も経験している話なのだそうである。
夏の夜の夢
花火
夏の夜を彩る花火は何処か妖しげな美しさがある。
一瞬煌いて、華やかに輝いて、またたくまに消えていく。
梶君はその夜、川辺りで遠くの花火をみていた。
花火の打ちあがる場所から、梶君の場所は随分離れている。けれど梶君は、この静かな川辺りで見る花火に、何か心奪われるものがあった。
遠雷のような花火の音を遠くに聞きながら、夏の静かな風の中を歩いていくと、うちわを片手に浴衣姿の涼しげな、まるで夏の幻のようにはかなく、端正な美しさを感じさせる女性が、静かに、夢のようにたたずんでいる。
梶君は、ひとめで心を奪われてしまった。「奇麗ですね。ぼくもここから見る花火が好きなんです」
「ええ・・・・・・・・」悲しくなるほど美しい声だった。
梶君は自然に彼女のとなりにすわっていた。
「遠いけど、ここで見る花火は、格別なんです」梶君がそう言うと「私、毎年ここへみにくるんです」
透き通るような白い肌、ほのかに漂う確かさのない弱々しい美しさ。
花火の美しさにもまして、梶君は夜の底で咲いているぼんやりとした壊れそうな色香にのめり込み始めていた。
そしてその夜、梶君はとりとめもなく、さまざまな会話を彼女とかわした。
年が19であること。景子という名前であること。彼氏がいないこと。病気がちなこと。さみしがりやだということ。そして、
「ぼくと、つきあってほしい、絶対につきあってほしい」
梶君は、自分でもびっくりするほどの大胆さで、彼女にそういっていた。
彼女は微苦笑して、
「来年の花火の日に、またここであいましょう」彼女はそういった。
けれど、梶君はどうしても彼女のことをもっとしりたかった。
(続)
「友達としてでもいいんだ」
気の小さな梶君にしてはめずらしいことだった。
しつこく誘い続ける梶君に、とうとう彼女は自分の住所を教えた。
その夜の花火は梶君にとって、この世のものとは思えぬ美しさで、まるで映画の二重写しのように、彼女とだぶっていた。
翌日、梶君は教えてもらった住所の家を尋ねてしまっていた。
心を、自分で押さえきれないほど、彼のひとめぼれは無軌道になってしまっていた。
彼女を尋ねると、彼女の母親と思われる女性が出てきて
「生前のお知り合いですか?」
「生前?」
「もう三年になりますよねえ・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「どうぞ、まいってやって下さい、景子も喜びます」
仏壇に飾られた写真は、まぎれもなくあの美しい彼女だった。線香をあげて、合掌をして梶君は意外に冷静に、「花火が好きでしたよね・・・・・・・」
「ええ、花火は、ちょうど景子が死んだときがお祭りの夜で、おかあさん、花火、見にいきたいようって・・・・・・・・、小さい頃から、遠くから花火を見ているのが、好きな子でした・・・・・・・・・」
来年の夏、もう一度、あの場所へいってみようと、梶君は思った。
ひょっとしたら、彼女がいったように、また再び、あうことができるかも知れない。
夏の花火を、梶君はいまでも、切なく、美しく、懐かしく、そしていとしく、何かを思い出すように眺めている。
33 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/12 07:43
馬鹿じゃねーの?
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| ノ′ ヽ 〔 ミ
} } ′ } {
.| .ミ .< 〔 〕
.{ \,_ _》、 .{ .}
{ ¨^^¨′¨'ー-v-r《 〔
>>33 新苦労の取り巻きか?
それともジサクジエンage?
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|書き込む| 名前: | | E-mail(省略可): |sage |
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ 。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚Д゚) / < ここに「sage」(半角)と
⊂ つ | 入れておくと良いぞ。
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