怖い話作って日本中に恐怖を伝染させよう!

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5191/4 ◆byCRAsh.
ある日の昼飯時。
同僚の3人で雑談をしているときに、同僚の一人Aが
「昨日変な電話かかってきてさ」と話し始めた。

「なんか広い空間みたいなところからみたいでさ、
 うめき声だかノイズだかが低い音で飛び交ってるのよ。
 で、しばらく聞いてたらいきなりボソッと
 『全身が焦げる』
 て囁かれて、そこで電話が切れたんだよな」

その場はタチの悪いイタズラ電話だろ、てことで片付け、
昼休みも終わり、俺たちは仕事に戻った。

それから2週間後。
出勤すると、いつも早く来るAが珍しく朝礼にいなかった。
遅刻か?と思ってたら、
「え〜、残念なお知らせです。
 A君の家が昨晩火事になり、逃げ遅れたA君は…」

その後は聞くまでも無かった。
5202/4 ◆byCRAsh. :02/04/21 03:02
Aの通夜の帰り道。
俺はBの運転する車の助手席にいた。
後部座席にはCが乗った。

「俺さ、チラッとAの親戚が話してるの聞いたんだけどさ」
しばらく無言で運転してたBが、おもむろに口を開いた。
「Aの遺体、見せてもらえなかっただろ?
 何でも、全身真っ黒に焼け焦げて炭化したような
 状態だったらしいぞ」

何と返していいか分からずにいると、Bは
「…なあ、Aの話した電話の話…憶えてるか?」
ハンドルを持つ手がかすかに震えているのが見て取れた。
「あいつ言ってたよな、『全身が焦げる』て囁かれたって…」

背筋にゾッとしたものが走った。
確かにAはそう囁かれた。
じゃあ、あの声は……
しかし、Bの声で思考が遮られた。

「俺のところにも、一昨日、かかってきたんだ…」

「『水の上に浮かぶ』て…」
5213/4 ◆byCRAsh. :02/04/21 03:03
Bは、これで夏の楽しみが大幅に減ったな、と冗談めかした後
気を付けるよ、と言い、その場は別れた。

次の日、休日だったこともあり、Bの住むアパートに行ってみると
Bの部屋の前に人だかりが…
胸騒ぎを覚え駆けつけてみると、住民が口々に
「心臓麻痺ですって」
「可哀想にねぇ、まだ若いのに」
「何でも湯船に浮かんでたって話よ」
「見つけた彼女もショックよねぇ……」

どれ位その場に立ち尽くしていたか分からない。
ただ頭の中で同じ言葉がリフレインしていた。

水の上に浮かぶ
水の上に浮かぶ
水の上に浮かぶ………

Cが無断欠勤したのはその5日後だった。
5224/4 ◆byCRAsh. :02/04/21 03:05
上司の指示で彼の家を訪ねると、部屋の隅でCがうずくまっていた。
「どうしたんだよ、勝手に会社休んで。課長カンカンだぞ」
Cはそれには答えず、震えながら一言
「……来たんだ、俺のところにも…………」

Cのところに来たのは「操り人形になる」という内容だったそうだ。
操り人形……全くわけが分からない。
が、わけが分からないからこそ恐怖が大きく、
Cは外に出ることも出来ずに引き篭もるしかなくなったのだという。

俺はCの家を後にした。
上司になんて説明したらいいんだ……
そう思いながら会社へと戻った。

話はこれで終わりである。
今のところ、俺のところには妙な電話は掛かってこない。
が、いずれ掛かってくることだろう。
何故なら、BにしろCにしろ、Aの話を聞いた後に電話が来たのだから…
そして俺も、話を聞いているのだから……

Cはその1週間後、自宅の階段から落ちて亡くなった。
首や手足が折れ曲がり、まるで
糸の切れた操り人形のような格好で死んでいたらしい。

俺のところには、どんな内容の電話が掛かってくるのだろう…?