「わたしはこれから一人で、敏子と望の後を追います。うーん
正直言って、ちょっと怖いですね。気分を落ち着けるためにビ
ールを一杯飲みます。情けないですねぇ。ハァー…フゥー…、
外は雨が先ほどからずいぶん強く降っています。ハァー…敏子
と望が、”いつまでうじうじしてんのよ。早くおいでよ”なん
て言ってるような気がします…」
男は妻と娘を殺した。その男は同事件発覚の5日後の早朝、長
野県のホテルに於いて、自殺体で発見される。男は深夜、梁に
かけたロープで首を吊り、絶命する瞬間までをテープに録音し
ていた…。
冒頭の文は、男の残した実況テープの一部です。録音時間は40
分。この録音に耳を傾けたある人物は精神状態がおかしくなった
、と言うホラーめいたいわく付きのテープだそうです。
今となっては、警察自体にも保管されているか解らないこのテー
プですが、この存在を知った時どうしても聞きたくなってしまい
ました。webに落ちてると言う儚き可能性を信じつつ2以降に詳細
を書き綴りたいと思います。
「はい、松田雅夫が喋っています。こんなことをする気はなかった
んですけども、いくら手紙を書いても仕様がありませんし、自分の
気持ちを正直に言うには、これが一番良いかなと思い、思いつくま
まに喋っています…」
事件が発覚したのは平成6年11月14日、場所は東京都葛飾区西新小岩。
数日前から、電話に応答が無い事を不審に思った親族が訪ね、母娘の
凄惨な死体を発見している。しかし夫松田雅夫の姿は無く、その行方
は杳として知れなかった。
男は松田雅夫50歳。ソニーミュージックの元社員で、当時は都内でク
ラシック音楽専門に扱うソフト製作会社を経営していた。妻敏子は、
49歳。大学時代の同期生だった。長女、望は23歳の東京女子大の4年生
だった。
3 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/26 22:51
2?
「ぼくがこの事業に失敗したからという事で、例えば離婚するとか、
あるいはぼくだけ、まあ消えちゃう、まっそういうことはぼくは出来
ませんからねぇ、やったとしてもあのカミさんの性格を考えると、ま
ぁとにかく信じられないくらいの、心の負担になって、心身ともにボ
ロボロになってしまうんじゃ無いかと思うんですね…」
男が事件を起こした理由は、事業の失敗による無理心中と言うことだ
った。しかし男はその場で自殺する事はせず、十日間に渡りあてどない
彷徨を続ける。妻と娘の遺髪を手に男は死に場所を求め、妻と娘の思い
(男が思うに)と共に、生前彼女達が望んだ旅行を行っていた。
「十日の早朝にに敏子を、それから望みに対しては”母さん、病気でち
ょっと寝てるから、ちょっとそっとしておいてやってくれ”というよう
な形にして、望と一回対峙してですね、それで朝食も食べ終わり、彼女
の後ろから…カミさんと同じロープで絞殺した、と言うわけです」
男はテープの中で、妻と娘を殺した場面等を訥々と、静かな語り口で話
している。男は、十日間の内に駿河台「山の上ホテル」、名古屋、伊豆下
田、富士山の麓河口湖の「富士ビューホテル」、奈良、そして最後の地、
故郷松本と渡り歩き、その過程での録音内容では、まるで殺した妻子と
共に旅行をしているかのような口ぶりで訥々と語りつづける。
「河口湖からわたしが一番最初に言ったのは、昔、わたしたちが新婚生活
を送った奈良市中登美団地です。あまりの変りようにとてもビックリして
しまいましたけども、とても紅葉が美しくって感動的でした…」
「首吊りの途中で紐が切れて、そしてテレビコードが切れて、下に落ちて
しまったんですね。落ちた周りには、とりあえず、あのー、自殺者特有の
便ですとか、尿ですとか、それが全部出ている訳ですね。その上でもって
ツルツル滑る訳ですから、まぁその中で3、4時間自分を取り戻すのに精一
杯でしたけれども…」
これは、奈良市のホテルで1度目の自殺に失敗した際の録音内容である。
次こそは、と男が向かったのが故郷である長野県の山間部にあるホテルで
あった。そこには事件以前に男が購入した墓石のある霊園があり、妻子の
遺髪をその場に収め、男の言う妻子の待つ場所へ向かう。
「最後に間違えないようにしないと…フゥーッ…一切が完了します。鏡台
の上に乗って…いま、落ちます。思いきり…フゥーッ…死ねましたか…
フーッフーーッフッフッー。はい!…としこ、のぞみ、いま逝くから、
待っててくれ…絶対死なせてくれよ、頼むな!、うぁぉあーっ…」
これが、当時事件を報じた雑誌編集部が、テープ起こしを依頼した業者が
その凄惨さに最後まで聞くことの出来なかった男の断末魔である。
「いま、19日の零時、あ、ごめんなさい1時2分です」
この内容から始まる、男の最後の夜を残したテープには、今までの録音内容
には一切載っていなかった、強烈なノイズが背後に聞こえていたそうです。
ゴーッという地鳴りのような音。聞き様によっては、嵐の中、断崖絶壁に立
って録音しているような音だったそうです。男が自殺した夜は確かに雨が降
っていましたが、風はほとんど吹いていませんでした。この音はなんだった
んでしょう?。男の断末魔の後には、このゴーッと言う音が十分位延々と続
きテープは終わります。
以上詳細は「殺人者はそこにいる」(新潮文庫)からの引用(まんまです)です
がこのようなテープが実在するのであれば、1度聞いて見たいですねぇ。
(長々とスマソ)
9 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/26 22:55
その話は「殺人者はそこにいる」(新潮文庫)にのってましたね。
新潮45編集部が業者にテープ起こしを依頼するも、
あまりの凄惨さに最後まで聞けなかったとかいてありました。
大体の内容は書いてあるのですが、そのテープ出てくるのかな?
気になります。
>9
おっしゃる通りです、ハイ。今日読んで電車の中で
戦慄してしまいました…。あれば聞いてみたいですよ
ね。
11 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/26 23:24
>>9 無理です
---------------終了------------------
12 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/27 01:15
13 :
あなたのうしろに名無しさんが・・・:
直に聞けなくても、せめて内容全てを読んでみたい。